監督:バー・スティアーズ
脚本:クレイグ・ピアース、ルイス・コリック
原作:ベン・シャーウッド(角川文庫より発売中)
撮影:エンリケ・シャディアック
音楽:ロルフ・ケント
出演:ザック・エフロン(チャーリー)、アマンダ・クルー(テス)、キム・ベイシンガー(母)、レイ・リオッタ(フロリオ)、チャーリー・ターハン(サム)ほか
18歳のチャーリーと11歳のサムは仲の良い兄弟。ヨットに才能を発揮するチャーリーは奨学金を得て大学への進学が決まった。卒業祝いのパーティに誘われ、サムを友人の家に送り届ける途中交通事故に遭う。チャーリーは命を取り留めるが、助手席のサムは亡くなってしまった。いたたまれずに、葬儀を抜けたチャーリーは、いつも2人でキャッチボールをした林にやってくる。どこからかサムが現れ、チャーリーは目を疑う。サムはこれからも同じ時間・同じ場所で野球の練習をしようと言い、チャーリーは固く約束をするのだった。5年後、墓地の管理人となったチャーリーは弟との誓いを守り、毎日決まった時間にあの場所へ行く。大学もヨットもあきらめてそうすることがサムへの贖罪と信じていた。

死んだ弟が現れるというファンタジックな話ですが、自分を許せないチャーリーのこだわりを映像化したものと考えることもできます。年の離れた兄弟はたいてい仲良い気がしますが、このサム役の男の子がとても可愛くて、わがままを言っても許せてしまいます。父親のいない家庭なので、チャーリーの強い責任感も兄としてだけでなく、父親代わりでもあるからなのでしょう。ヘラヘラした同僚が一人チャーリーを信じ、応援するようすにホッとしました。『ハイスクール・ミュージカル』ではつらつとした高校生を演じたザック・エフロンも23歳、5年後のチャーリーと実年齢が同じです。とても大人っぽくなりましたが、ハンサムすぎるのが難点かも。今後ますます複雑な演技を要求されるようになるでしょう。これはその新境地を開いた作品。(白)
自分のせいで弟を死なせてしまったという罪悪感で半分死んだように過ごしているチャーリー。高校時代の同級生のテスが単独世界一周ヨットレースに挑戦するテスト走行のために故郷に戻ってきて、眩しいばかりの彼女に心を惹かれます。そして彼女が遭難したとき、救命士の「君が生きていることには意味があるはずだ」という言葉を思い出します。亡くなった人のためにも、自分が生き生きと暮らすことが供養になると思っても、喪失感から立ち直るまでには時間が必要だということを感じます。 チャーリーを演じたザック・エフロンは、『ヘアスプレー』で初めて観た時にも、グレーがかった眼が印象的でしたが、本作でも憂いの篭った眼の演技が光ってました。今後が楽しみ。(咲)
2010年/アメリカ/カラー/99分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東宝東和 宣伝:アルシネテラン
公式 HP >> http://kimi-mirai.jp/
監督:蜷川幸雄(舞台スタッフ)
脚本:井上ひさし(舞台スタッフ)
音楽:宮川彬良(舞台スタッフ)
出演:藤原竜也(宮本武蔵)、勝地涼(佐々木小次郎)、鈴木杏(筆屋乙女)、六平直政(沢庵宗彭)、吉田鋼太郎(柳生宗矩)、白石加代子(木屋まい)ほか
慶長17年(1612)陰暦4月13日正午。豊前国小倉沖の舟島。ようやく現れた武蔵。約束の刻限から半日も待たされた小次郎のいらだちは頂点に達していた。鞘を投げ捨てた小次郎に「この勝負、おぬしの負けと決まった」と武蔵。勝負は一瞬で決まり、武蔵は後を立会人に頼み、疾風のごとく去っていった。後に「厳流島の決闘」と呼ばれる大一番。そして6年後あらたな物語がはじまる。
元和4年(1618)夏。鎌倉の源氏山宝蓮寺。寺開きが行われようとしていた。大徳寺の長老沢庵宗彭を導師に迎え、能狂いの柳生宗矩、寺の大檀那である木屋まいと筆屋乙女、そして寺の作事を務めた宮本武蔵も参加している。そこへ宿敵武蔵を探し続けた小次郎が現れる。今度こそ「五分と五分で決着を」と果たし状を叩きつける。
「厳流島の決闘」の後日談を井上ひさし氏が書き下ろし、蜷川幸雄演出で大成功をおさめた舞台劇です。このLondon & New York versionを映像で観られることになりました。生の舞台のよさとはまた別とわりきって、カメラのとらえた舞台の熱気を楽しみましょう。席によっては見ることのできない、俳優の汗や息遣いがわかります。小栗旬に代わり今回小次郎を演じるのは勝地涼、若々しくちょっとアブナイ小次郎です。映画よりも舞台が似合うと再確認した藤原竜也。登場すると場の空気をぐっと掴む白石加代子さんさすがでした。(白)
配給:ソニー株式会社
(C)2010 HORIPRO INC.
監督:シェリー・ホーマン
脚本:シェリー・ホーマン
原作:ワリス・ディリー「砂漠の女ディリー」(草思社)
製作:ピーター・ヘルマン
撮影:ケン・ケルシュ
編集:クララ・ファブリ
音楽:マーティン・トッドシャロウ
衣装:ガブリエル・ビンダー
出演:ワリス(リア・ケベデ)、マリリン(サリー・ホーキン)、ドナルドソン(ティモシー・スポール)、ルシンダ(ジュエット・スティブンソン)、ニール(クレイグ・パーキンソン)、ハロルド(アンソニー・マッキー)
ソマリアの砂漠に遊牧民として生まれた少女ワリスは、13歳になったある日、ラクダ5頭と引き換えに、老人との結婚がきまった。無情で残酷な風習を持つ砂漠の地を逃れ、走りだした彼女の運命は・・・。

偶然、この映画を観た後、何の気なしに入った古本屋に「読んでくれ!」とばかりに目に入ったのが「砂漠の女ディリー」だった。なんと100円!それから一気に読んだ。映画も原作も文句なしに引き込まれてしまった。 彼女は原作の中で、時計もカレンダーもない世界から、いつも時間に追い立てられているような国に来た時、人が手首を見てあわてている姿に、手首にいったい何が仕掛けてあるのかわからなかったと語っていた。 そういえば、映画の中で影や日光をみて大体の時間を当てていたのを思い出した。 この作品は、砂漠の女の子がトップモデルになったサクセス・ストーリーだけではない。 彼女が世界保健機構の親善大使として「女性性器切除」を止めるよう演説するシーンは、 トップモデルとしてライトの中を歩む姿より美しく感動的だった。(美)
アフリカ出身の世界的トップモデル、ワリス・ディリー。波乱に満ちた彼女の半生を綴った「砂漠の女ディリー」を映画化した作品。ワリスとは、ソマリアの言葉で「砂漠の花(デザートフラワー)」という意味。
ソマリアの遊牧民家庭に生まれ、裸足で大地を駆け回っていた少女は、13歳の時、祖父と同年代の人と結婚させられそうになり、砂漠を逃げ出し、母方の叔母が住む都会にたどり着いた。
その後、ソマリア大使としてロンドンにいる叔母の夫の元でお手伝いとして働いていたが、叔母夫婦がソマリアに帰国した後もロンドンに残った。
路上生活を送っていた彼女は親切な女性に救われ、彼女と一緒に暮らし始めた。彼女の紹介で働いていた店で、有名なファッションカメラマンに見いだされモデルに。大都会ロンドンで世界的トップモデルへと転身を遂げていく。
多くの一流ファッション誌の表紙を飾り、スーパーモデルとして世界的成功を収めた彼女だが、幼い頃、経験した女性性器切除(FGM)に苦しめられていた。やがて、この因習をなんとかなくしたいと活動を始める。不衛生な環境でこの施術を受け、いかにたくさんの少女たちが死んでいったか、女性性器切除の実態を国連の場で語り、今もFGM廃絶運動に奔走している。
そんな数奇な半生を歩んできたワリスを、エチオピア出身のトップモデル、リヤ・ケベデが熱演。強い意志と努力で、逆境を乗り越え、人生を切り開いていったワリスの生き様を演じている。監督はニューヨーク生まれのドイツ系アメリカ人、シェリー・ホーマン。
2006年、この「女性性器切除」の実態を世界に知らしめた映画『母たちの村』(ウスマン・センベーヌ監督)が日本公開されたが、今も28ヶ国で行われているという。さらにアフリカから欧米に移民した人たちの間でさえ行われているという。この『デザートフラワー』の中でも、あまりの激痛に耐えかねてワリスが病院に行ったとき、英語がわからないワリスに対してソマリア人の男性の看護助手?が通訳を務めたが、先生の言葉を正確に伝えず、ソマリアのこの伝統を守れ、この伝統を破るのは恥さらしというような言い方をしていた。それほど根深いものがあり、欧米に暮らす男性でさえそう思うのだから、アフリカでのこの習慣を変えるのは容易なことではない。
それでも、この悪しき習慣は絶対に廃絶しなければならない。(暁)
2009年ドイツ・オーストリア・フランス/127分/カラー/ドルビーデジタル
配給: エスパース・サロウ /ショウゲート
★2010年12月25日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開
期間:2010年12月25日(土)~
劇場:東京 渋谷アップリンクほか全国の劇場で近日公開予定
連日スペシャルイベントを開催。多彩なゲストが登場します。
詳細は公式HPへ
http://www.webdice.jp/realmikoukai/
東京MXテレビで放送中の番組「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」で紹介された海外のドキュメンタリーのうち厳選した9本が劇場で観られることになりました。アブなすぎる!過激すぎる!
期間:11月17日から1月25日まで。会員登録が必要。
料金:1本につき500円、72時間VOD(ビデオ・オン・デマンド 自分のパソコンからネット接続して動画を視聴することができます)
5本まとめて2000円、39本全て観られるフリーパスは10000円。
公式 HP >> http://www.mikoukai.net/
監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史
原作:佐藤泰志
撮影:近藤龍人
音楽:ジム・オルーク
出演:谷村美月(井川帆波)、竹原ピストル(井川颯太)、中里あき(トキ)、加瀬亮 (目黒晴夫)、三浦誠己(萩谷博)、山中崇(工藤まこと)、南果歩(比嘉春代)、小林薫(比嘉隆三)、伊藤裕子ほか
海炭市の造船所が事業を縮小し、組合員のストの甲斐もなく大規模なリストラを行った。仕事をなくした颯太と帆波の兄妹は大晦日の夜、なけなしの小銭を集めて初日の出を見ようと山に登る。帰りのロープウェイ代を節約するため、颯太は一人歩いて下るという。
70歳のトキばあさんは再開発地区に一人残って動物と暮らしている。役所に勤めるまことは説得を繰り返しているが、頑として動かない。
隆三は小さなプラネタリウムで働いている。一人息子は口も聞かず、夜の仕事に出る妻はだんだん派手になっていき、家族の溝は深まるばかり。
父からガス屋の後を継いだ晴夫は仕事がうまくいかない。新しく始めた浄水器の販売も頭打ちだ。再婚した妻は晴夫の不倫に気づき、亡妻の息子を虐待する。
路面電車の運転中、達一郎は東京にいるはずの息子博を見かける。博は仕事で地元に戻っていたのだが、父親に連絡もをとろうとしなかった。実家に帰らず小さなホテルで一人過ごす博。

同名の小説を残し、自死した函館出身の作家佐藤泰志。函館のミニシアターの支配人菅原氏がこの原作を読んで、映画化を切望。有志の人々が集まって活動がスタートしました。一足早く上映したTIFFでの記者会見で、熊切監督、出演者の皆さんが異口同音に言っていたのは「手作りの映画」ということでした。資金集めから始まり、エキストラ、キャストの送迎、炊き出し等々・・・あらゆることに函館市民が参加しこの映画ができあがったそうです。小説の背景となる函館でのオールロケ、地元の人の参加でそこでしか撮れない空気がありました。オムニバスの作品なので少し長いですが、雪道を走る路面電車が人々をつなぎます。全ての人の上にしんしんと雪が積もる情景に誰もが帰りたいふるさとを思い出させる作品でした。
この作品で暴力を振るう夫を演じた加瀬亮さんには目を見張りました。会見では「初めてこういう役を演じて自分の役者としての幅が拡がったと思う」と語り、「この手作りの映画に参加したことで役者の垢が落ちた気がする」には、ベテランの小林薫さんが「若い加瀬くんがそんなことを言ったら、自分はどれだけ垢がついているんだか」と笑わせました。(白)
2010年/日本/カラー/152分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:スローラーナー
公式 HP >> http://www.kaitanshi.com/
監督:金子修介
脚本:高橋美幸
原作:絲山秋子「ばかもの」新潮社刊
製作総指揮:植村伴次郎
撮影:釘宮慎治
編集:州崎千恵子
音楽:MOKU
出演:内田有紀(吉竹額子)、成宮寛貴(大須秀成)、白石美帆(翔子)、浅田美代子(秀成の母)古手川祐子(額子の母)
父の忘れ物を取りに行ったおでん屋で、大学生ヒデは、27歳の店の娘・額子に誘われ、その夜に童貞を奪われる。 男勝りで命令口調の額子に強くひかれ、毎日アパートに通うようなる。だが、ある日突然別れを告げられてしまう。 額子に心を残したまま、ヒデは大学を卒業して、新しい恋もするが、額子のことを忘れられず、 やがてアルコールで紛らわすようになる。一方の額子は・・・。
期待せずに観た作品だが、成宮の19歳から10年間の痛い青春の足跡と、内田有紀の達者な演技と、 惜しげもなく投げ出す裸体の美しさに驚いた。もっと活躍してもよい女優さんだ。 脚本や展開に無理がないし、二人の母親がべったりでなくて、いい距離感で娘、息子を見ていた。 10年ぶりにあった二人のところから、一層、引き込まれた。とてもジーンとする台詞があったが、ここでは書かない。 是非映画をご覧になっていただきたい。苦労して、障害を乗り越えた人にしか言えない言葉がある。(美)
2010年/日本/カラー/120分
配給:ゴー・シネマ
公式 HP >> http://www.bakamono.jp/
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
撮影:ベン・デイヴィス
プロダクションデザイン:ラッセル・デ・ロザリオ
出演:アーロン・ジョンソン(デイヴ・リゼウスキ/キック・アス)、クリストファー・ミンツ=プラッセ(クリス・ダミコ/レッド・ミスト)、マーク・ストロング(フランク・ダミコ)、クロエ・グレース・モレッツ(ミンディ/ヒット・ガール)、ニコラス・ケイジ(デーモン/ビッグ・ダディ)
正義の心で悪をKILL
能力ゼロ、モテ度ゼロ、体力微妙──なりきりヒーローが世界を救う――
デイヴはアメコミヒーローに憧れる男子高校生。ヒーローが出現しないなら自分がと、通販で買ったヒーロースーツを着て一人街のパトロールに出かける。特殊能力などひとつもなく、あるのは正義感だけ。「キック・アス」と名乗って不良たちに立ち向かうが、あっというまにボコボコにされてしまった。その場面が携帯で録画され、ネットに流れてマスク姿のキック・アスは一躍有名になる。実力の伴わないデイヴを助ける仲間ができる。デーモンとミンディ父娘は、裏社会の大物ダミコに報復する機会を狙っていた。街の治安を守りたいデイヴはいやおうなくその争いに巻き込まれていく。
マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jrの人気コミックを実写版で映画化。アメリカも日本も漫画が原作の作品が多いですね。こちらは今までのアメコミヒーローものと違って、主人公は何の特殊能力もないオタクな高校生。強~い味方となったバットマンとロビンのようないでたちの父と娘は、デイヴと違って容赦なく相手を叩き潰します。この過激な描写や放送禁止用語が物議をかもした一方、喝采で迎えるファンもいて評価はまっ二つに分かれるようです。悪人ならいくら殺してもいいアメリカンヒーローを苦々しく思う方には噴飯モノですが、あれでスカッとする方にはぴったり。悪役もいいですし、ジョン・レノン役で繊細な演技を見せたアーロン・ジョンソンの変身、今後大活躍しそうなヒット・ガールのクロエ・グレース・モレッツ、大喜びでオファーを受けたに違いないニコラス・ケイジたちのなりきりぶりが楽しいです。(白)
2010年/イギリス、アメリカ/カラー/117分/
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)KA Films LP. All Rights Reserved
公式 HP >> http://www.kick-ass.jp/
監督:マイク・ミッチェル
脚本:ジョシュ・クラウスナー、ダーレン・レムケ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
声の出演:マイク・マイヤーズ(シュレック)、キャメロン・ディアス(フィオナ)、エディ・マーフィ(ドンキー)、アントニオ・バンデラス(長ぐつをはいたネコ)、ウォルト・ドーン(ランプルスティルスキン)、クレイグ・ロビンソン(クッキーマン)、コディ・キャメロン(ピノキオ)、ジョン・クリーズ(ハロルド国王)、ジュリー・アンドリュース(リリアン王妃)、ラリー・キング(ドリス)
日本語吹き替え版:濱田雅功(シュレック)、藤原紀香(フィオナ)、山寺宏一(ドンキー)、竹中直人(長ぐつをはいたネコ)、劇団ひとり(ランプルスティルスキン)、ジョン・カビラ(ドリス)
愛する妻フィオナと可愛い子どもたちに囲まれ幸せな毎日を送るシュレック、なんの不満もないはずだったのにこのごろなんだか疲れてきた。人に恐れられる怪物として自由気ままにくらしていたころが懐かしい。そんなシュレックの心の隙間に入り込んできたペテン師の魔法使いランプルスティルスキン。彼は言葉巧みにシュレックに近づき、願いを叶えようと契約書を差し出す。サインしたとたん、シュレックが飛ばされたのはもうひとつの「遠い遠い国」。そこはランプルスティルスキン王が君臨する暗黒の国、フィオナもドンキーもシュレックのことを知らず、全てが違っていた。
緑色で、体は大きいけれど心優しい怪物シュレックが活躍するシリーズ、4作目にして最終章。愛する人も家庭も手に入れたシュレックが、ふとした弾みに悪人の罠に落ちてしまいます。これは平和な日常に退屈した人がつい非日常に憧れる話、ちょっとわかる気がするなぁ。本家の声優陣が豪華でこのまま実写版で観たいくらいです。日本語吹替え版ではすっかり息の合った濱ちゃんと紀香さんたちおなじみの面々に、ランプルスティルスキン役に劇団ひとりさんが加わりました。この表情豊かな悪役の吹き替えがとてもうまくてびっくりです。字幕版、吹替え版どちらを観ても楽しい作品。(白)
2010年/アメリカ/カラー/93分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:パラマウント
(C)2010 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.
公式 HP >> http://www.shrek-forever.jp/
監督:ニウ・チェンザー
脚本:ニウ・チェンザー、ツォン・リーティン
撮影:ジェイク・ポロック
音楽:サンディ・チェン
出演:イーサン・ルアン(モンク)、マーク・チャオ(モスキート)、マー・ルーロン(ゲタ親分)、リディアン・ヴォーン(ドラゴン)、クー・ジャーヤン(シャオニン)
俺たちは、帰り道のない世界にいた。
86年、台北一の歓楽街・モンガ。
抗争の街、そして友情の街。
母親と歓楽街モンガに引っ越してきたモスキートは、転入したばかりの高校でさっそく不良たちにからまれる。遠くから眺めていたドラゴンとモンクに気に入られ、彼らのグループに迎え入れられた。極道の親分を父に持つドラゴン、その幼馴染で頭が切れ、腕も立つモンク。初めての世界に戸惑いつつ初めて友人ができたことが嬉しいモスキートは、5人の仲間とともに喧嘩に明け暮れる日々を送る。仲間は義兄弟の契りを交わし、ますます固い絆で結ばれていった。街を牛耳るドラゴンの父ゲタ親分の廟口組は、大陸からの新興勢力の台頭に脅かされ、若い彼らもその抗争の渦に飲み込まれていく。
公開するや2010年の台湾映画1番の興行成績を残した本作は、『ビバ!監督人生』のニウ・チェンザー監督の最新作です。繁華街を走り回る若者達を追うカメラワーク、遊び心のあるアクションシーン、台湾期待の若手俳優とベテラン俳優たちの演技など見どころがたくさんでした。監督自身もとても印象的な役で、いいところに登場します。5人のただただ楽しかった高校時代、裏切りに出会う大人たち、大切にしたい人に出会うことなど、思いが重なるシーンに胸がつまります。大ヒットしたのも納得の作品でした。東京国際映画祭で一足早く上映された際の会見や舞台挨拶のようすを、本誌80号に掲載しています。(白)
2010年/台湾/カラー/141分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ
(c)2010 Green Days Film Co. Ltd. Honto Production All Rights Reserved.
公式 HP >> http://www.monga-chiru.com/
監督:シン・テラ
出演:カン・ジファン キム・ハヌル、チャン・ヨンナム、リュ・スンヨン
アン・スジは国家情報院の国内産業保安チームに所属して6年目。射撃、潜入、尾行・・・ なんでもござれ。様々な姿に変装して任務をこなしている。悩みは恋人ジェジュンに正体を明かせないこと。居場所を偽るスジに愛想をつかしたジェジュンは、一方的に別れを告げてロシアに留学してしまう。それから3年。清掃員に変装して男子トイレで産業スパイを探っていたスジは、国際会計士になったというジェジュンと再会。二人はまた付き合いたいと思うのに、お互い立場上、本心を明かせない。ところが不思議なことに、スジが命令を受けて「現場」に行くたびにジェジュンと鉢合わせるのだった・・・
恋人どうしの二人は、実は片や国家情報院の国内要員、片や海外要員。お互い身分を明かせず、誤解から別れてしまうのです。3年後、運命の再会を果たしても、またまたほんとの身分を明かせないことから気持ちがすれ違う二人・・・ ミニのウエディングドレス姿で颯爽と水上バイクに乗って犯人を追って漢江をぶっ飛ばすキム・ハヌルのカッコいいこと! 一方、カン・ジファンは、ドジで情けない感じが憎めません。これでほんとに諜報活動ができるの?と思ってしまいます。一緒になっても、きっと彼女の尻に敷かれてしまうのだろうなぁ~と思いつつ、なんとか二人がうまくいって欲しいと応援したくなってしまいます。ドラマ「がんばれ、グムスン」や「京城スキャンダル」でのカン・ジファンが好きな方には絶対ツボです。(咲)
2009年/韓国/114分/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD
配給:エスピーオー
公式 HP >> http://www.7kyu.com/
監督・製作:タムラ・デイビス
出演:ジャン=ミシェル・バスキア、ジュリアン・シュナーベル、ラリー・ガゴシアン
80年代、ニューヨークのアートシーンを駆け抜けた天才画家ジャン=ミシェル・バスキア。
本作は、27歳の若さでこの世を去ったバスキアの生誕50周年を記念して公開されるドキュメンタリー。
バスキアは、1960年12月22日、ニューヨーク州ブルックリンの中流家庭に生まれた。公認会計士の父はハイチ出身。母はプエルトリコ出身。バスキアは幼い頃から母に連れられて美術館に通っていた。7歳の時、車にはねられ脾臓を摘出する。入院中に母から貰った「グレイの解剖学」の図版は彼の作品の重要なモチーフとなる。その後両親が離婚し、父のもとに引き取られる。17歳の時、架空のキャラクター<SAMO>を創り出し、<SAMO>の署名入りの詩的な落書きで知られるようになる。高校を中退したバスキアは家出し、手作りの絵葉書やTシャツを売ってお金を稼ぐ。その後、画商や評論家、そしてアンディ・ウォーホルに認められ、スターの座にのぼりつめる。ウォーホルの死後、ドラッグの量が増え、奇行や妄想癖が目立つようになる。1988年8月12日、薬物の過剰摂取により死亡。享年27歳。
バスキアが25歳の時に、タムラ・デイビス監督がインタビューした映像が、20年以上の時を経て本作の冒頭で流れる。友人だった彼女の前でリラックスして語るバスキア。天才アーティストとしてもてはやされているのを思わせない、時にあどけなささえ感じさせてくれるバスキア。このインタビューの2年後に彼が亡くなり、監督はインタビュー映像を封印する。バスキアに「自分を種に儲けた奴」と思われるのが嫌だったのだ。20年後、現代美術館のバスキア回顧展に携わる友人と話すうち、このインタビュー映像が、アメリカで最も重要な芸術家の一人の素顔を知る貴重なものであることに気づく。バスキアの肉声を披露すること、そしてバスキアを知る人たちに彼を語ってもらうことで、バスキアという人物を知ってもらいたいという思いで作ったのが本作だ。
私自身は、この独特なアートを生み出したバスキアをまったく知らなかった。本作を観て、人生を駆け抜けたバスキアというアーティストの魅力を知ることができた。一方、黒人であるがゆえに彼が感じていた人種差別への怒りが、稀有な作品を生み出したことを知り、複雑な思いが残った。彼が解剖図にこだわったのは肌の色が違っても、骨や内臓は白人も黒人も変わらないということを訴えたかったからだという。胸が痛い。(咲)
2010年/アメリカ/93分/デジタル/白黒&カラー/英語
配給:CJ Entertainment Japan
公式 HP >> http://basquiat-all.jp/
監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:フランチェスコ・シャンナ、マルガレット・マデ、アンヘラ・モリーナ、リナ・サストリ、サルヴォ・フィカッラ、モニカ・ベルッチ
1930年代のシチリア、パレルモ郊外の風が吹き抜ける大通りが印象的なバーリアの町。牛飼いのトッレヌオヴァ家の幼い次男ペッピーノは大人たちに混じって健気にオリーブ畑で働く日々。時折父親に連れていってもらう映画館で無声映画を観るのが大好きな時間。町から見える3つ並んだ岩山の頂に、連続して小石を当てれば黄金で溢れた洞窟の扉が開くという伝説を聞いて以来、小石を投げてみるのも密かな楽しみだった。やがて第二次世界大戦に突入し、1943年7月、連合軍がシチリアに上陸。イタリアは南部から徐々にナチファシストから解放され、1946年、イタリアは共和国となる。たくましい青年に成長したペッピーノは、国を良くしたいという思いから共産党員となり政治の世界に足を踏み入れる。そんな最中、ペッピーノは大きな瞳が魅力的なマンニーナと運命的に出会い恋に落ちる。貧しいペッピーノとの結婚を彼女の両親に反対されるが、駆け落ちして新しい人生に踏み出す・・・
シチリア州バーリアは、トルナトーレ監督が生まれ、28歳まで過ごした町。本作はシチリアを愛してやまない監督のシチリアに対する誇りと郷愁に満ちた一大叙事詩。1930年代から戦争の時代を経て1980年頃までのシチリアが歩んだ歴史が、親子3代の物語を通して描かれていて興味深い。
少年時代、ペッピーノが教科書をヤギに食べられてしまったことを先生に告げると、先生から「標準語で言いなさい」とたしなめられる場面がある。ファシズム体制下、ムッソリーニを賛美する歌を歌うことも拒み、教科書も持っていないペッピーノは、「危険分子」の烙印を押されてしまう。戦前の日本も同じような状況だったのだろう。
ちなみに、バーリアとこの地の人たちが呼ぶ地は、本来は「バゲリーア」という名で、アラビア語の「バーブ・アル・ゲリード(風の門)」が語源だという説がある。ギリシア、ローマ、イスラーム、ノルマン、フランス、スペイン、オーストリア等々、数多くの国の支配を受けてきたシチリアの人々には、様々な血が流れ、独特の風土を作っているのだろう。
冒頭に流れるコマ回しに興じる子供たちや、トランプ遊びをする老人たちなど、郷愁を感じさせてくれるモノクロ映像からワクワクさせられる。シチリアに暮らす一家の愛に満ちた壮大な物語は、151分という長さを感じさせない感動作。(咲)
2009年/イタリア/SR,SRD/151分
配給:角川映画
公式 HP >> http://sicilia-sicilia.jp/
監督:フィリップ・リオレ
出演:ヴァンサン・ランドン、フィラ・エヴェルディ、オドレイ・ダナ、デリヤ・エヴェルディ
フランス最北端の町カレ。英仏海峡トンネルの玄関口であるこの町には、ドーバー海峡を渡ってイギリスに亡命しようとする難民たちが数多く各地から集まっている。イラクのクルド地区からはるばる3ヶ月かけて歩いてやってきた17歳の青年ヒラルもそんな一人だった。ヒラルの恋人ミナが、家族で移民を認められてロンドンにいるのだ。ヒラルは手配師に大金を払ってトラックの荷台に潜んで海峡を渡ろうとするが、途中の検問で見つかってしまいカレの町に戻されてしまう。列車の下に掴まって海峡を越えようとして何人もの難民が命を落としている。もう海峡を泳いで渡るしかない! ヒラルは市民プールで特訓を始める。水泳教室でコーチを務めるシモンがヒラルの目的に気づき、真冬の海峡を泳いで渡るのは無理と忠告するが、ヒラルの決意は固く必死で練習を続ける。ある夜、ヒラルは町でシモンに声をかけられ自宅に招かれる。シモンはかつて名を馳せた水泳選手で、家には数多くのトロフィーやメダルが飾ってあった。ヒラルはシモンにイギリスに渡ったらマンチェスター・ユナイテッドに入団してサッカー選手として名をあげたいという夢を語る。ヒラルはこの夜シモンの家に泊めてもらい、電話を借りてロンドンにいるミナに連絡を取る。翌朝、隣人の通報で警察がやってくる。ヒラルはすでに帰った後だったが、警察は不法移民に手を隠すことは犯罪だとシモンに言い渡す。その後、シモンの家にミナから電話が入り、従兄との結婚を親が決めてしまったことをヒラルに伝えてくれと頼まれる。シモンはヒラルに母の形見の指輪を渡し、これを持ってミナの父親のところにいって交際を認めてもらえと励ます。はたしてヒラルはミナの元に無事行けるのだろうか・・・
2009年難民映画祭で『ウェルカム』のタイトルで上映された折に、クルド青年ヒラルの物語と思って観ていたら、実は水泳コーチであるシモンの物語の方が軸だったので、観終わった時に、あれっ?と思った記憶がある。もちろんヒラルの物語は背景にある重要な要素である。元水泳選手として輝かしい過去を持つシモンは、元々難民に対して無関心だったが、ヒラルと知り合うことにより難民に関心を持ち、手も差しのべるようになるのだ。もっともそれには、別居中のシモンの妻がNPOで難民支援をしていて、妻の気を引く目的もあったという背景がある。監督は、人々の難民への無関心を嘆き、意識が喚起できればと本作を作ったという。警察に不法移民を匿っていると通報するシモンの隣人の玄関に「WELCOME」と織り込んだマットがあるのが皮肉である。寛容な心で困っている人を受け入れたいものだ。そんな監督の思いと裏腹に、カレの町にあった大きな難民キャンプが2009年に政府によって突然撤去されたという。長年各地からの移民を受け入れてきたフランスも、あまりに増えすぎた移民に心を閉ざし始めたのだろうか。大統領自身、ハンガリー移民2世であることを思うと、なんとも解せない対応である。(咲)
2009年/フランス/1時間50分/フランス語・英語・クルド語/35mm/スコープサイズ/DOLBY-SR,SRD
配給:ロングライド
公式 HP >> http://www.welcome-movie.jp/
監督:スティーヴン・アンティン
脚本:スティーヴン・アンティン
製作総指揮:ステイシー・コルカー・クレイマー、他
製作:ドナルド・デ・ライン
撮影:ボジアン・バゼリ
編集:バージニア・カッツ
音楽:クリストフ・ベック
衣装:マイケル・カプラン
出演:テス(シェール)、アリ(クリスティーナ・アギエラ)、マーカス(エリック・ディン)、ジャック(カム・ジガンデー)、ジョージア(ジュリアン・ハフ)
アイオアの片隅のバーで働くウェイトレスとして働くアリ・ローズは、いつか大都会で歌手になりたいという熱い夢を秘めていた。ある日、雇い主とのいざこざから、アリはウェイトレスをやめて、ロサンゼルスに片道切符を買い、たった一人で旅立つ。行き着いた先は、サンセット大通り「バーレスク・ラウンジ」だった。そこはステージ・パフォーマンスのクラブで伝説のスター・テスの歌に魅入られ、ここで働く決心をするが…。
見応えあり!ミュージカル系はやかましくて嫌いだが、これは狭い舞台を工夫した装置なども見ているだけで楽しい。 お酒を飲みながら、ちゃんとしたショーを楽しむクラブの華やかさ、経営の苦しさも織り交ぜて描かれている。私の好みとしては、情感のある少しこもった声のシェールの方が好きだが、 若いクリスティーナ・アギレラも表現力があり、リズム感がいい。それに目の下のホクロがとってもセクシー!(美)
2010年/アメリカ/スコープサイズ/118分/ドルビーデジタル、ドルビーSR
★2010年12月18日 丸の内ルーブル、他にて全国ロードショー
公式 HP >> http://www.burlesque.jp/
監督・脚本:ウディ・アレン
撮影:ハリス・サヴィデス
プロダクション・デザイン:サント・ロクァスト
出演:ラリー・デヴィッド(ボリス)、エヴァン・レイチェル・ウッド(メロディ)、パトリシア・クラークソン(マリエッタ)、ヘンリー・カヴィル(ランディ)ほか
ボリスはかつてノーベル賞候補にもなったことのある高名な物理学者。しかしそれも昔の話、今は妻とも離婚して一人暮らし。一日カフェにたむろして愚痴をこぼす嫌味な老人になってしまった。ある日アパートの前に座り込む家出少女メロディに会い、彼女につい同情して家に招き入れたことから、事態は変わっていく。数日だけの約束が、能天気なメロディはすっかりいついてしまい、挙句にボリスに運命を感じたから結婚しようという。
ボリスがときどきこちらを向いて観客に話しかけ、まるでウディ・アレン監督の分身のようです。周りの人間を小馬鹿にし、厭世的な生活を送ってきたシルバー世代の男性が、若くて可愛い女の子に惚れられるなんて調子良すぎと、半ば呆れながら観ていると、ボリスよりもっとヘンなメロディの両親が登場しました。これがまた好き放題、それでもちゃんとおさまるべきところにおさまって笑わせます。
久しぶりにニューヨークに戻った監督は、馴染みの街をあちらこちらと切り取りながら、皮肉で可笑しい人間模様を見せていきます。『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』の危うい美少女だったエヴァン・レイチェル・ウッドが天真爛漫で可愛いですが、脱皮して蝶になったような母親を演じたパトリシア・クラークソンは余裕と貫禄で勝ち。(白)
2009年/アメリカ/カラー/91分/ビスタサイズ/SDDS
配給:アルバトロスフィルム
(c)2009 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
公式 HP >> http://jinsei-banzai.com/
監督:ロバート・ルケティック(『キューティ・ブロンド』『男と女の不都合な真実』)
出演:キャサリン・ハイグル、アシュトン・カッチャー、トム・セレック、キャサリン・オハラ
失恋の傷を癒しに両親と共に南仏ニースにやってきたジェン。到着早々一人で行動中にホテルのエレベーターでハンサムな青年スペンサーと出会う。二人は一目で恋に落ち、海辺でデートを重ね、見事ゴールイン。アメリカで幸せな結婚生活を送って3年。ジェンはスペンサーの30歳の誕生日を思い出のニースで過ごそうと航空券をプレゼントする。ところが、彼はなぜだかニースに行きたがらない。倦怠期じゃないかと友人に言われる始末。スペンサーの誕生日、ジェンが計画したサプライズパーティに、ジェンのパパがスペンサーを連れてやってくる。その日の昼間、スペンサーは謎の小包を受け取り、そのことで気もそぞろ。実はスペンサーはかつて凄腕スパイで、ジェンと出会ったニースでは要人暗殺の任務を遂行中だった。ジェンと結婚し足を洗ったことで、彼の首に2000万ドルの懸賞金がかけられていることがわかったのだった・・・
美男美女の二人に、ちょっとオトボケなパパとママが繰り広げる恋ありアクションありのコメディータッチのスパイもので、何も考えずに楽しめます。意外な展開も! スリムで繊細なアシュトン・カッチャーがマッチョな姿も見せてくれます。(咲)
2010年/アメリカ映画/カラー/101分/シネスコ/ドルビーSR、ドルビーデジタル、SDDS
配給:ギャガ powered by ヒューマックスシネマ
公式 HP >> http://kisskill.gaga.ne.jp/
監督:ダン・アイアランド
原作:エリザベス・テイラー 『クレアモントホテル』集英社文庫
出演:ジョーン・プロウライト、ルパート・フレンド、ゾーイ・タッパー、アンナ・マッセイ、ロバート・ラング
ロンドンの街角にたたずむ古びたクレアモントホテル。夫に先立たれたパルフリー夫人はホテルで一人のんびり余生を過ごそうとやってくる。正装してレストランに入ると、そこでは老人たちが会話もなく、わびしそうに食事をしていた。スコットランドの娘の家で見た雑誌の広告の“excellent cuisine”に惹かれて、ここに決めたのに、どうやら期待はずれだ。一人の老女が「今日は食後に皆で【セックス・アンド・ザ・シティ】を観るの。1週間1回の薬」と話しかけてくる。パルフリー夫人が、ロンドンに住む孫が公文書館に勤めていると話すと、皆、いつ孫が訪ねてくるのかと興味津々。電話をして呼び出そうとするけれど、孫はなかなかつかまらない。そんなある日、図書館で夫の好きだったウィリアム・ブレイクの詩集を借りて帰る途中、転んでしまったパルフリー夫人は、ハンサムな青年ルードヴィック・メイヤーに助けられる。ルードヴィックは小説家志望で孫と同じ26歳。助けてもらったお礼に彼をホテルでの夕食に招待した夫人は、ホテルの皆に近く来客があると伝える。やって来たハンサムな青年が孫だと皆が勘違いしているのをあえて否定しない夫人。ある朝、前触れもなく訪ねてきた孫を追い返し、ホテルの皆には会計士だと嘘をつく。ルードヴィックとは、彼に新しく出来た素敵な彼女も交え、夫人は詩を語ったり、懐かしい歌を歌ったりして楽しい時を過ごす。そんなある日、夫人は階段を踏み外し、入院してしまう・・・・
臨終禁止のクレアモントホテルで過ごすのは、まだまだ元気な老人たち。これまでどんな人生を送ってきたのだろう。ホテル暮らしをするには、それなりの財産もないと無理。思わず自分の人生の終末は、どこでどんな風に過ごすのだろうと、ちょっと不安になった。本作の中で、「人生で大切なものは、もう手許にない。頭と心の中にある」というフレーズがあった。資産はないけど、思い出だけはいっぱいあると自慢できる私。人生の終末もなんとか乗り越えられるかな? ハンサムな青年との出会いが、パルフリー夫人の暮らしに彩りを与えてくれたように、人との出会いはいくつになっても嬉しいもの。これからもたくさんの出会いを楽しみに人生をおくりたい。(咲)
2005年/108分/イギリス・アメリカ/英語/カラー/ドルビーデジタル/ヴィスタ
配給・宣伝:クレストインターナショナル
公式 HP >> http://www.cl-hotel.com/
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
出演:クリスティアン・フリーデル、エルンスト・ヤコビ(語り手)、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール、ウルシナ・ラルディ、フィオン・ムーテルト、ミヒャエル・クランツ
1913年7月、北ドイツの小さな村で次々と奇妙な出来事が起こる。始まりはドクターの落馬事件だった。自宅前の木と木の間に張られた針金に引っかかったのだ。その日、教師(語り手)は、子供たちがいつもと違う方向に帰るのを不思議に思いながら眺めていた。牧師の家では、遅く帰宅した子供たちに食事抜きと鞭打ちの罰を与え、「純潔無垢な心を忘れないように」と反省するまで白いリボンを巻いているようにと言い渡す。翌日、小作人の妻が男爵家の納屋の床が抜けて命を落とす。男爵を恨んで小作人の長男マックスが男爵のキャベツ畑を滅茶苦茶に切り刻む。一方、男爵家の長男ジギが行方不明になり、逆さ吊りにされた姿で見つかる。次々に起こった事件が解決しないまま、冬を迎えたある日、男爵家の納屋が火事になる。翌朝、小作人が首を吊って死んでいるのが発見される。美しい雪景色の中、棺が馬に引かれていく。その後大晦日まで好天が続き、穏やかな1914年の正月を迎える。思えば、嵐の前の静けさだった。春になり堅信礼の季節を迎え、また次々と事件が起きる。助産婦の知恵遅れの息子カーリが誰かに痛めつけられたり、家令の息子が男爵の息子を小川に突き落としたりする。6月28日、男爵夫人は子供たちを連れてイタリアの実家に帰ると男爵に言い渡す。そんな折、家令がサラエボでオーストリアの大公が暗殺されたニュースを知らせにくる・・・
その後、ドクターが「当分の間、休業」の張り紙を残して消え、息子カーリにいたずらした犯人がわかったから警察に行くと言って立ち去った助産婦も戻らず、すべての事件はドクターと助産婦の仕業だと村の人々は噂する。 7月28日、オーストリアがセルビアに宣戦布告。ドイツは8月1日にロシアに、2日後にフランスに宣戦布告した。
◆村の人々
大地主の男爵。村の半分の小作人を抱えているが、最近は資金繰りに苦労している。妻はイタリアの資産家の娘。
家令:男爵の右腕として小作人を取りまとめている。子供が悪さをすると容赦なく杖でぶつ。
牧師:北ドイツに多いプロテスタントの牧師として、村の指導者的立場。厳格な性格。
ドクター:妻が息子を出産した時に亡くなり、隣に住む助産婦が公私共にパートナーとして子供たちの世話をしたり家を切り盛りしている。助産婦には、知恵遅れの息子カーリがいる。
妻を男爵家の納屋で失う小作人:残された8人の子供を抱え奮闘する。
それぞれの家に子供たちがいる。
美しい村で起こる事件の数々がモノクロの映像で描かれ、第一次世界大戦に突入する前の空気を感じさせてくれる。語り手である教師は、1917年に徴兵され、終戦後は父親の跡を継いで町で仕立屋を開業する。近隣の村からこの村に派遣された当時を振り返る形で、次々に起こる不可思議な事件を語るのだが、そんな中で、教師は男爵家の乳母エヴァと出会い愛を実らせる。不穏な社会の中で、ほっとさせられる一面である。子供たちが事件にどれほど関わっていたのかは明かされない。プロテスタントの厳格な教えが支配している村を描いて、その後、ナチス・ドイツのファシズムに追随していった風土を監督は検証しようとしたようだ。人は皆、住む場所、生きた時代で歴史の一駒になるのだとつくづく思った。(咲)
2009年/ドイツ・オーストリア・フランス・イタリア合作ドイツ映画/1:1.85/モノクロ/ドルビーSRD/144分
配給:ツイン
公式 HP >> http://www.shiroi-ribon.com/
監督・脚本:フランソワ・オゾン
原案:ローズ・トレメイン「The Darkness of Wallis Simpson」
出演: アレクサンドラ・ラミー、セルジ・ロペス、メリュジーヌ・マヤンス、アルチュール・ペイレ
シングルマザーのカティは、郊外の団地で7歳の娘リザと二人暮らし。毎朝バイクで娘を学校に送り、勤め先の工場で流れ作業をする単調な毎日。ある日、カティは新入りのスペイン人の工員パコと恋に落ち、パコはカティのアパートで一緒に暮らし始める。 やがてカティとパコに赤ちゃんが誕生する。つぶらな瞳でまん丸の可愛い赤ちゃんに、リザがリッキーと名づける。カティがリッキーに付きっ切りで寂しい思いをしているリザを、パコはこれまで以上に気遣い、リザもパコにだんだん心を開いていく。そんなある日、カティはリッキーの背中に痣を見つけ、パコに虐待しているのではと問い詰める。家を出て行ってしまうパコ。やがて、リッキーの背中の二つの痣から羽が生えてきて、飛ぶこともできるようになる。カティとリザがスーパーマーケットで買い物をしている時に、リッキーが飛び立ち、店内を自由自在に飛ぶ姿が報道されてしまう・・・・
リッキーの背中から手羽先のような羽が生えてくる姿が、なんとも生々しい。天使の羽というより、動物的な羽なのが凄い。母に恋人ができて、見知らぬ男が同じ部屋で暮らし始めたときの幼い少女の戸惑い、そして、赤ちゃんが出来て、お母さんを独占できなくなった寂しさ・・・ それを乗り越えて、見知らぬ男を父として認め、家族となっていく過程を、空飛ぶ赤ちゃんという突拍子もないアイテムを使って見せているところが面白い。(咲)
2009年/フランス、イタリア/90分/フランス語/35mm/カラー/アメリカンビスタ/DTS・SRD
配給:アルシネテラン
公式 HP >> http://www.alcine-terran.com/ricky/
監督・脚本:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
撮影:ベン・ノット
プロダクションデザイン:ジョージ・リドル
音楽:クリストファー・ゴードン
出演:イーサン・ホーク(エドワード・ダルトン)、ウィレム・デフォー(ライオネル・コーマック)、クローディア・カーヴァン(オードリー・ベネット)、マイケル・ドーマン(フランキー・ダルトン)、サム・ニール(チャールズ・ブロムリー)ほか
― 絶滅寸前の人類に希望はあるのか ―
2019年。爆発的に世界中に拡がった謎のウイルスによって、人類の大半はヴァンパイアと化してしまった。ヴァンパイアの食料である人間は捕らえられて、飼育・管理され、あるものは逃亡してひっそりと隠れて命をつないでいた。しかしあまりにも増えすぎたヴァンパイアは食料難に陥り、代用血液の研究が盛んに進められていた。エドワードは巨大な製薬企業「ブロムリー・マークス社」で血液の研究開発をしていたが、人類に同情しており、ある夜ヴァンパイアに追われる人間たちをとっさに車に匿う。彼らはレジスタンスの組織の一員で、信頼を得たエドワードは隠れ家へと案内され、コーマックという男に出会う。
このごろ盛んに作られているヴァンパイア映画。これもそのひとつですが、ホラー出身の兄弟監督、マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグは、すでにヴァンパイアと人類が逆転してしまった世界を描いています。手紙を書く少女が登場し、やがて日の光を浴びて消えていってしまう冒頭シーンが印象的です。ヴァンパイアの食糧難というのもなんだか滑稽な感じですが、代用血液ではうまくいかないというのには、献血に行くたび「血液は造れないのか」と思うので納得。ヴァンパイアから変化した凶暴なサブサイダーが、ヴァンパイアたちを襲うビジュアルは監督たちのお得意のところでしょうか。ちょっと今までに観たことのなかった展開を楽しみに劇場でご覧ください。(白)
2009年/オーストラリア、アメリカ/カラー/98分/
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)2008 Lionsgate and Paradise Pty Limited, Film Finance Corporation Australia Limited and Pacific Film and Television Commission Pty Limited.
公式 HP >> http://www.daybreakers-movie.jp/
監督・撮影・編集:金子遊
出演:木村三浩、ヴォイスラヴ・シェシェリ、ドラガン・ミレンコビッチ、ヴォイスラヴ・コシュトニツァ、ドラガン・トドロウィッチ、西部邁、ムフシン・ミロ・アリ(駐日イラク代理大使)、ラドスラブ・ブライッチ(在日ユーゴスラビア大使)、一水会活動家の皆さん、一水会を鼓舞する会、鈴木邦男、見沢知廉、雨宮処凛、松田政男ほか
1999年、金子監督は歌手を目指す恋人にイラクで催されるバビロン音楽祭に出演することを勧め、彼女の姿を16ミリフィルムに収めるため、イラク戦争前のバグダッドに同行する。その旅で監督たちは新右翼「一水会」の木村三浩と知り合い、その後の5年間、彼女は一水会の事務局員として働くことになる。彼女が一水会公務でイラクを再訪して撮ってきたビデオ映像に刺激を受けた監督は、街頭演説で木村三浩がNATO空爆直後のユーゴスラビアへ渡航することを知り、随行して首都ベオグラードへ赴く。そこで見たのは、木村三浩が次々と極右政党の大物と会談を重ねて己の権力を高めていく姿だった。帰国後、木村は一水会の代表職に昇り詰める。監督は撮影した映像を一旦お蔵入りさせる。撮影対象である民族主義者の活動に対し、批判的な距離を取れていないことに気づいたからだ。その後、一水会の相談役だった作家・見沢知廉の自殺に続き、2006年11月恋人も自ら命を絶ってしまう。彼女の死を契機に、監督は再び映画の完成を目指す。
(注:「一水会」1970年の自衛隊市ヶ谷駐屯地における三島由紀夫・森田必勝の割腹自決に衝撃を受けた活動家たちが、鈴木邦男を中心にして結成した右翼民族派グループ。2010年11月25日は、当時から40周年に当たる。)
左派を自認する金子監督が右翼である一水会を追った映像は、ややもすれば一水会のプロパガンダにも思えるものでした。彼女が自殺した原因の一つは自分にあるのではないかという思いで本作を完成させたことを思えば、ごくごく個人的な作品として納得がいきます。私自身にとっては、バグダッドやベオグラードの当時の様子が垣間見れて興味深いものでした。一水会が、こんな活動もしているのか~と、思わず感心してしまった場面もあり、監督の意図するところとは違った受け止め方をしてしまう人も多いことでしょう。各映画祭で賛否両論が乱れ飛んだというのも、さもありなんです。(咲)
2009年/DV/75分/カラー
配給:幻視社
上映後トークショーの日程が続々発表されています。
詳細→ http://www.uplink.co.jp/x/log/003741.php
公式 HP >> http://www.belgrade1999.com/
監督:平山秀幸
脚本:鄭義信
原作:辻内智貴「信さん」(小学館刊)
撮影:町田博
美術:安宅紀史
編集:洲崎千恵子
音楽:安川午朗
衣装:岩崎文男
出演:小雪(辻内美智代)、池松壮亮(辻内守)、石田卓也(中岡信一)、
柄本時生(李英男)小林廉(信一の少年時代)、中村大地(辻内守の少年時代) 、
中尾ミエ(渡辺久仁子)、岸部一徳(李重明) 大竹しのぶ(中岡はつ、信一の母)
昭和38年。九州のとある島に、辻内美智代と息子・守が帰ってきた。 その島は炭鉱に支えられ、貧しくともみんな肩を寄せ合って暮らしている。そこが美智代の故郷だった。 美智代は商店街で洋裁の店を開き息子を育て始めた。 ある日、ガキ大将にいじめられていた守を一人の少年が助けてくれた。それが信一であった。 そこを偶然に通りかかった美智代に、信一は目を奪われるのだった。
小雪が美しすぎる。こんなに美しいから20歳年下でも惚れちゃうだろうな。
脚本のよさ、脇役陣の活かし方(その中でも中尾ミエは出色!)、大竹しのぶが米を研ぐ場面(これは、『悪人』の樹木希林の米を研ぐシーンに匹敵する)、時代考証もよかった。
ご当地映画お決まりの押し付け行事もなく、爽やかな作品だった。 (美)
2010年/日本/カラー/108分
© 2010「信さん 炭鉱のセレナーデ」製作委員会
★11月27日 新宿ミラノ他全国ロードショー
公式 HP >> http://shinsan-movies.com/
期間:2010年11月20日(土)~11月28日(日)
有楽町朝日ホール(有楽町マリオン) (メイン会場:11/21(日)~28(日))
東京国際フォーラム・ホールC (オープニング会場: 11/20(土)のみ)
東劇 (特集上映会場:11/20(土)~28(日)
TOHOシネマズ 日劇 (レイトショー会場:11/20(土)~27(土))
<セミナー会場> 丸の内カフェ(プレイベント)、有楽町朝日スクエア(期間中)
<共催企画「Next Masters 2010」> 有楽町朝日スクエアA
<第4回「映画」の時間> 銀座テアトルシネマ
11回目を迎えた東京フィルメックス。今年のコンペ部門は、アジアの新進監督による10本。オープニングは、第63回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞したアピチャッポン・ウィーラセタクンの『ブンミおじさん』。特集上映では、<越えて行く映画>と題して、イスラエルの巨匠アモス・ギタイ監督の大特集。東劇での英語字幕付き日本映画のクラシック上映は、<東京劇場80周年 x 松竹キネマ90周年記念特集上映~ゴールデン・クラシック1950~ 松竹黄金期の三大巨匠>と題して、小津安二郎監督、木下惠介監督 そして渋谷実監督の3巨匠の作品に焦点が当てられます。また、今年の新企画として、アジアの若手作家を対象とした映像人材育成プロジェクト「Next Masters Tokyo 2010」と、子供を対象とした鑑賞+体験型ワークショップ<映画」の時間>が組まれました。ますます意欲的な東京フィルメックスです。
2006年より丸の内カフェで開催されてきた映画にまつわる様々なトークイベント。今年も10月28日、11月10日、11月17日の開催が決定しています。
第1回10/28(木)「そうだったのか!東京フィルメックス」
林 加奈子さんと市山尚三さんの両ディレクターが今年のフィルメックスの見どころ、映画祭の楽しみ方を語ります。聞き手は、フィガロジャポン副編集長の森田聖美さん。
“映画祭って面白そうだけど、どう見たらいいの?”という映画祭初心者の方から、東京フィルメックスマニアまで必見の完全ガイド。
→ 申し込みは丸の内カフェのサイトにて http://www.marunouchicafe.com/
<丸カフェ・シネマ塾 詳細>
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#20101028
主催:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
公式 HP >> http://www.filmex.net
監督:アルノー・デプレシャン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニ、メルヴィル・プポー、ジャン=ポール・ルシヨン、キアラ・マストロヤンニ、イポリット・ジラルド
フランス北部の街ルーベ。ヴュイヤール家では、母ジュノン(カトリーヌ・ドヌーヴ)が骨髄癌にかかり、疎遠になっていた子供たちがクリスマスに家に集る。長女エリザベート(アンヌ・コンシニ)と借金問題で絶縁状態になっている次男アンリ(マチュー・アマルリック)が帰ってきたことから、ひと騒動が起きる。この次男のアンリ、そもそも長男ジョゼフが幼稚園の時に白血病とわかり、両親が骨髄移植の為に作った子だったのに、不適合で長男を救えず、生まれた時から「役立たずのアンリ」と呼ばれていたのだ。一方、三男のイヴァン(メルヴィル・プポー)は美しい妻シルヴィア(キアラ・マストロヤンニ)と可愛い二人の息子に恵まれているが、実は秘密を抱えている。
さて、検査の結果、母ジュノンに骨髄を提供できるのは、役立たずのアンリと、エリザベートの息子で心を病んでいるポールの二人だと判明する・・・
骨髄移植する際には、背中に穴をあけて骨髄を抜き取るのだということをリアルな映像で初めて知りました。 移植される方は点滴でしたが、命を救う側の思いのほかの大変さにびっくり。骨髄移植に絡む家族の物語。頼りになるのは、やっぱり肉親? 最近、友人たちが相次いで癌に罹って闘病中ということもあって、いろいろ考えさせられました。
実は本作、フランス映画祭で上映された折に内容を検索したら、「クリスマスを祝わないユダヤ人の彼女」という文言があったので、これは観なくては!と観に行ったのでした。ユダヤ人は、役立たずのアンリが連れてきた彼女というだけの要素でしたが、クリスマスにユダヤ人は家族や友人に決してプレゼントをあげないことを彼女は断言していたので、やはりそうなのかと興味深かったです。宗教的なことは気にせず、クリスマスを家族や恋人と過ごす日本の風習も悪くはないなと思った次第。(咲)
2008年/フランス/150分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:ムヴィオラ
公式 HP >> http://a-christmas-story.jp/
監督:カン・ウソク
脚本:チョン・ジウ
原作:ユン・テホ
撮影:キム・ソンボク
音楽:チョ・ヨンウク
出演:パク・ヘイル(ユ・ヘグク)、チョン・ジェヨン(村長/チョン・ヨンドク刑事)、ユ・ジュンサン(パク・ミヌク検事)、ユソン(イ・ヨンジ)、ユ・ヘジン(キム・ドクチョン)、キム・サンホ(チョン・ソンマン)、 キム・ジュンベ(ハ・ソンギュ)、ホ・ジュノ(ユ・モクヒョン)ほか
20年も音信不通だった父親が死んだ、という連絡が入った。ユ・ヘグクは、一人遠い山村へと向かう。村長の世話で滞りなく葬儀を終えたが、村人たちの態度や父親の死因に疑問を感じたヘグクは、遺品の整理かたがたしばらくこの村に住むことにした。すぐに都会へ帰るものと思っていた村人たちは、あからさまに不快な反応をし、ますます疑念が深まっていく。
韓国で大人気だったウェブコミックを映画化したもの。村のすべてを牛耳る村長と、見るからに怪しげな村の男たちと父親はどんな関わりがあったのか? 監視されていると知りながらユングクが村の秘密を調べていきます。どう展開するのかとハラハラしますが、重苦しく長いストーリーの中で、ユ・ジュンサンの演じるパク・ミヌク検事が一人明るい物言いをしています。パク・ヘイルより目立ついい役柄で目をひかれました。野心家の刑事から、後に村の権力者になるチョン・ヨンドクを演じたチョン・ジェヨンは、エネルギッシュな悪人になりきっています。毎日長時間かけたという老人メイクにも注目。(白)
2010年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:CJ Entertainment Japan
公式 HP >> http://kurokunigorumura.com/
監督・脚本・企画:すずきじゅんいち
音楽:喜多郎
製作:鈴木隆一、早川敏和、古賀哲夫
出演:ダニエル・イノウエ、ジョージ・タケイ、スティーブ・シミズ、ネルソン・アカギ他
第二次大戦時、アメリカ軍として戦った日系人部隊があった。“442連隊”の知られざる実像に迫るドキュメンタリー。親の祖国の日本と戦うばかりでなく、アメリカの中での差別とも戦わなければならなかった若い兵士たち。戦場の中でももっとも過酷な前線へと赴き、目覚しい活躍を遂げた。インタビューに応じて、家族にも明かしたことのなかった胸のうちを語ってくれたのは、若くして散った戦友たちへの鎮魂であったのかもしれない。これは彼らの個人史でもあり、貴重な日系人史でもある。
本作は、終戦から65年、442連隊の数少ない生存者たちの証言を集めたドキュメンタリー。自らのルーツである日本と、生まれ育ったアメリカ・・・ 双方のアイデンティティの間で揺れ動きながら、アメリカ人として戦うことを選択した彼らの長年胸に秘めていた思いに突き動かされます。『東洋宮武が覗いた時代』(2008年 すずきじゅんいち監督)では、率先して忠誠を誓い米軍に志願する者がいる一方で、反米感情をつのらせ忠誠を拒否する者もいて日系社会が分断される様子が語られていました。アメリカへの忠誠を誓った者たちも、それが苦渋の選択だったことを本作で再認させられました。
皮肉にも442日系部隊は、アメリカ人としての地位を確立するが如く大和魂で戦かって数々の功績をあげています。ヨーロッパ戦線ではドイツに占領されていたフランスの町プリエラを解放したり、ナチスのダッハウ収容所からユダヤ人を救ったりしていることは意外と知られていないことだそうです。終戦後、トルーマン大統領が直接生還者を招いて激励した数少ない部隊で、「諸君は敵だけでなく偏見とも戦い、勝ったのだ」と褒め称えています。
アメリカ在住のすずきじゅんいち監督は、“元兵士たちは80代半ばから90代と高齢になり、今しか証言を伺うチャンスはないかもしれない”という焦る気持ちから撮り始めたとのこと。これは、日本国内でも同様のことが言えますが、第二次世界大戦の生き証人がいるうちに、私たちは未来に残せることをできるだけ多く記録に留め、二度と不幸な戦争を起こさないようにしなくてはと再度思い起こさせてくれました。(咲)
正直なところ観た後、とても複雑な気持ちになる。父母の祖国日本とアメリカの人種差別、そして輝かしい勲章の数々に隠れる戦争の実態。
勝っても負けても戦争は嫌だと心から沸き起った。
この試写の時、監督さんご夫婦がアメリカで交通事故にあわれたというニュースが飛び込んで来た。お命には別状はないとのことだが、一日も早く快復されることを願った。
(美)
2010年/日米合作/カラー&BW/ステレオ/HDCAM/97分
配給:フィルムヴォイス
(C)442 Film Partners
公式 HP >> http://www.442film.com/
監督:ジェーン・カンピオン、ミーラー・ナーイル、 ガエル・ガルシア・ベルナル、ヤン・クーネン、ギャスパー・ノエ、 アブデラマン・シサコ、ガス・バン・サント、ヴィム・ヴェンダース
2010年、MDGsの達成期限が5年後に迫る中、先進国政府の取り組みは 充分とは言えず、いまだに世界の約5人に1人は貧困の中で暮らしている。 この危機的状況に対して警鐘を鳴らすためにヴィム・ヴェンダース、 ジェーン・カンピオンなど8人の著名な映画監督が立ち上がり8編の ショートフィルムを制作。
8人の監督さん達はこのMDGs(ミレニアム開発目標)を重要と捉えて 世界中の人々に知ってもらおうと無償で制作されたそうです。私も、この 国連ミレニアム宣言を知らなかった一人です。8編の短編のうち ヤン・クーネン監督の「妊産婦の健康の改善」を目標として作った 「パンシン・ブカのお話」に同性としても深く考えさせられました。(千)
2010年/100分/日本語字幕
★11/13(土)、連日18:50より渋谷アップリンクにてロードショー!
公式 HP >> http://oxfam.jp/2010/10/mdgs_6.html
監督:佐々木芽生(ささき めぐみ)
撮影:アクセル・ボーマンほか
音楽:デヴィッド・マズリン
出演:ハーバート・ヴォーゲル、ドロシー・ヴォーゲル、現代美術のアーティスト多数
元郵便局員のハーバートと、図書館司書のドロシーは結婚して以来の小さなアパートに住み、猫と小鳥と亀、それに2人でこつこつと集めたアートに囲まれて暮らしている。現代美術のアートを買うときの基準は二つ。「お給料で変える値段」「1DKのアパートに収まるサイズ」であることだ。30年のうちに、いつのまにか膨大な数となり、無名だったアーティストたちもすっかり有名に。2人のコレクションは現代美術史の上でも貴重なものとなった。2人は2000点もの作品を国立美術館に寄贈することにする。
素晴らしい夫婦! お二人の生き方、生活する姿、言い交わす言葉、すべてアートに感じた。それも超がつくほど現代アート! 狭いアパートには、平面幾何学アートのロバート・マンゴールド、触ると壊れそうなリチャード・タトルの小さな作品、髪の毛一本、皮膚の毛穴まで描くスーパーリアリズムのチャック・クロースの作品などが、ちゃんと居場所を見つけたように置かれていた。観終わってこんなに温かい気持ちになったのは久しぶりだ。きっと監督さんはハーブ&ドロシーに惚れこんでしまったのだ。画面をとおしてそのことが真っ直ぐに伝わってきた。芸術の秋にふさわしい素敵な作品だ。(美)
このお二人は現代アートのコレクションという共通の趣味をもって、30年間ず~っと集め続け、1点たりとも手放しません。ただただ、気に入った作品に出会うのが楽しみなのです。今度はアメリカ50州の美術館に50点ずつ寄贈するのだそうで、佐々木監督がまた撮影を続けています。慎ましくも豊かな人生を送っている、まれに見る幸せなご夫婦だと感慨しきりでした。(白)
2007年/アメリカ/カラー/87分/
配給:ファイン・ライン・メディア/TSUMUGU
ご夫妻の写真:(C) Katsuyoshi Tanaka
公式 HP >> http://www.herbanddorothy.com/jp/
監督:ディン・シェン
脚本:ディン・シェン、ジャッキー・チェン
出演:ジャッキー・チェン(梁の一兵士)、ワン・リーホン(衛の将軍)、ユ・スンジュン(将軍の弟)
戦国時代の中国。るいるいと死体が続く戦場で、一人の兵士がはいだしてきた。農民出身の男は戦うすべを知らなかったが、いくさの最中は逃げ回り、死んだふりをして生き延びてきたのだった。めぼしいものをさがすうち、敵国衛の将軍を見つける。ひどく負傷していたがまだ息があり、兵士は捕虜にして報奨金をもらおうと思いつく。苦労しながら友軍を探して進むうち、将軍を暗殺しようとする一団に追われ、兵士は将軍を守って戦うはめになってしまった。
ジャッキー・チェンが20年もの間構想をあたためていた作品。製作・主演・武術指導と大活躍です。いくさを嫌い、早く家に戻って農作業をしたい兵士、戦しか知らない若き将軍という正反対の2人が、戦場で出会って珍道中を続けるうちいつしか心が通うようになるという、ありがちだけれどジャッキーらしい、いいお話です。敵国の若き武将に扮するワン・リーホンは初の時代劇。現代モノとは違うアクションに挑戦しています。戦場ばかりなので、せっかくの美形が血と埃で汚れたままなのが残念。ジャッキーは武術の達人ではない役(にしては強すぎ)で、とにかく敵をかわして逃げ回るところがおかしいです。HPには敵に追いつかれないように馬車を走らせるゲームがあります。挑戦してみます?(私は失敗ばかり)(白)
2010年/日本/カラー/95分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:プレシディオ
(c)2010 JACKIE&JJ PRODUCTIONS LTD
公式 HP >> http://www.lastsoldier.jp/
監督:塩屋俊
脚本:矢城潤一
撮影:江原祥二
音楽:中村幸代
出演:鈴木亮平(貴島大翔)、MINJI(野田百合子/ハヨン)、財津一郎(貴島健三郎)、青柳翔(若き日の貴島健三郎)、藤村俊二(ユキオ)、犬塚弘(タツ)、佐川満男(マサル)、渡辺貞夫(曽根田オーナー)、古手川祐子(貴島律子)、陣内孝則(貴島良雄)ほか
貴島健三郎78歳。50年間暮らした療養施設から長男の家にやってきた。それまで死んだものと聞かされていた家族たちは驚き、無口な健三郎を迎え入れてぎくしゃくとするばかり。健三郎はかつてトランペッターとして、ジャズの名門クラブSONEでのデビュー直前にハンセン病を発病し、施設に隔離された過去があった。大翔は家に来てまもなく一人で出かけるという健三郎を、あちこちへ車で連れていくことになった。健三郎は自分のせいで、デビューの夢を叶えられず離散してしまったバンドのメンバーたちを訪ねたいという。そして自分の子を身ごもったまま別れてしまった百合子の墓参りがしたかった。
50年前の健三郎の青春時代と、現代が交互に映し出されます。大切な家族も時間も夢もみな病気のために取り上げられてしまった健三郎は、やり残したことを残り少ない時間で取り戻そうとします。
祖父についての思い出も、ハンセン病についてのなんの知識もなかった孫の大翔が、祖父との短い旅を通じて変わっていきます。同時に観客の心の中にも何かが残ったことでしょう。
ハンセン病が伝染力の強い業病として誤った知識が広まっていたころ、本人や家族がどんなに差別を受けていたか、現実は映画よりもっと過酷なものだったはずです。いまだに残る差別の部分もきちんと表現されていて、辛い人生を送ってきた健三郎や患者の方々への贈り物のような作品に思えました。
重いテーマを軽やかにして親しみを持たせるために、塩屋監督が使ったのはジャズでした。健三郎と大翔をつなぐものもジャズ、それも同じトランペットです。ミュージシャン役を猛特訓して渾身で演じた財津一郎さんはじめ、ベテランの俳優陣に拍手。大先輩に混じって初主演の鈴木亮平くんがさわやかです。大震災の後復興した神戸の最近の映像がエンドロールに流れるのもうれしいです。(白)
2009年/日本/カラー/111分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:GAGA
(C)2010「ふたたび」製作委員会
公式 HP >> http://futatabi.gaga.ne.jp/
アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)第9回東京総会に合わせて設定された「東京・アジア月間」(2010年10月~11月)の一環として、アジア各国の長編映画、短編映画及びアニメ作品などからセレクトされた18本が無料上映されます。
日時: 平成22年11月6日(土)、11月7日(日)
場所: 東京都庁都議会議事堂1F「都民ホール」
料金: 無料
入場: 各上映とも、先着250名まで(各回入替え制)
上映日の朝9時から、当日の全ての回の整理券を配布
各回とも、上映開始15分前から入場可能


その他詳細は公式HPでご確認ください
http://www.anmc21.org/asianmonth/cinema/
監督:ロウ・イエ
出演:チン・ハオ、チェン・スーチョン、タン・チュオ、ウー・ウェイ、ジャン・ジャチー
夫ワン・ピンが浮気しているのではないかと疑った女性教師リン・シュエ。探偵ルオ・ハイタオに浮気相手を探らせた結果、相手は女性ではなく、ジャン・チョンという青年であることを知る。夫婦関係は破たんし、ワンとジャンの関係も冷え込む。一方で、尾行を契機に探偵ルオとジャンはお互いに惹かれあうようになる。しかし、ルオにはリー・ジンという恋人がいた。ルオはジャンとリーを誘い、3人で旅に出る・・・


2009年の東京フィルメックスで『春風沈酔の夜』のタイトルで上映された本作は、南京を舞台に、ホモセクシャルのカップルを中心とする五人の男女の人間模様を描いたもの。冒頭、『ブエノスアイレス 春光乍洩』を思い起こさせる絡みシーン。ま、男性二人ですものね・・・と思いながら観ていたら、鏡を上目使いで覗き込むようにして前髪を整え、下着姿でチャチャを踊り出す主人公! これって、まさに、『欲望の翼』のレスリー・チャン演じるヨディ! ロウ・イエ監督がウォン・カーウァイ監督を好きなのは間違いないと確信した瞬間だった。(7月に来日したチェン・スーチョンにインタビューした折、ロウ・イエ監督もスーチョンもレスリー・チャンが大好きで、オマージュとして入れた場面と語ってくださった。)
上映後のQ&Aで監督は、「本作は純粋なラブストーリー。人と人との間の身近に起こる日常を描いているのにすぎません」と語ったが、質問は、とかく同性愛のことに。監督は脚本のメイ・フォンさんと議論するうちに、愛の範囲を大きく捉えて同性愛を入れてもいいのではないかということになったと説明された。
映画の中で強い印象を残す詩は、中国で高校の教科書にも載るほどポピュラーな郁達夫の小説の一節。舞台にした南京の町は、上海のように商業的でもなく、北京のように政治的でもない、現代中国では特別な雰囲気を持つ町。郁達夫の生きた時代の首都であり、文人の雰囲気の溢れる町だと感慨深く監督は語られた。蓮の花がそれを象徴するように登場し、深い余韻の残る作品。(咲)
2009年カンヌ国際映画祭脚本賞受賞
2009/中=仏/115分 /HD/1:1.85/カラー/ドルビーSRD
配給: アップリンク
公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/springfever/
監督:下村優
脚本:荒井晴彦、井上淳一
撮影:浜田 毅
出演:浅利陽介(小山内剛)、大塚ちひろ(真琴)、近藤里沙(長谷川美羽)、村田雄浩(美羽の父)、川上麻衣子(美羽の母)、熊谷真実(真琴の母)、夏八木勲(指導員)、根岸季衣
19歳のフリーター剛は、バイト先の同僚の死をきっかけに、盲導犬訓練士の養成学校に入学する。犬が大好き、この仕事がしたかったから、と語る同期生と違い、剛は「手に職をつけたかった、授業料免除だから」と言って指導員をあきれさせる。順調に技術を身につけ、チエと名づけられた盲導犬の訓練を担当することになった。チエはパピーウォーカーの長谷川家で育っていた。可愛がってくれた美羽を忘れることなく、一緒に散歩した歩道橋の前でがんとして動かない。自分に懐かないチエを持て余した剛は、どうやったらチエと仲良くなれるか、美羽に尋ねる。「ただ私がチエを好きだっただけ」という答えに、剛は自分に足りないものに初めて気づいた。しばらくたって盲導犬資格試験に合格したチエは、事故で視力を失ったロック歌手の真琴のパートナーとなる。
知人がパピーウォーカーをしていたことがあり、家庭や訓練センターでのようすなど興味深く観ました。犬たちは無心に人を信じ、ついていこうとしますが人間の思惑はさまざまです。たくさんの癒しを受け取りましたが、自分は何をしてやっただろう。動物たちが話せたなら、それを人間が理解できたら、きっといたたまれないだろうといつも思ってしまいます。自分が出会った動物たちを思い出しながら、チエと出会って成長していく剛と真琴の2人、美羽の家庭のその後にホッとしました。(白)
2010年/日本/カラー/119分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東京テアトル
(C)劇団東俳つくしんぼくらぶ/劇団東俳
公式 HP >> http://partners-movie.com/
監督・構成・撮影:河瀬直美
音楽:ロケット・マツ
音響設計:菊池信之
― 生まれてきてくれて ありがとう。―
『垂乳女』で自身の出産経験を映像に収めた河瀬監督が、愛知県岡崎市の吉村医院に出産準備に集まってくる女性たちを記録しました。吉村医師のモットーは「ごろごろ、ぱくぱく、びくびくしない」で、出産を不安に思うことが一番良くないといいます。産院のそばに古い民家を移築して開放し、日本古来の生活を妊婦たちに体験させています。出産を自然なことととらえ、分娩直前までよく動く彼女たち。薪割りまでこなしてしまいます。

登場する女性たちのキャラが良くて、河瀬監督が記録したくなった気持ちがわかります。ミーティングで以前の辛かった出産を語る女性、うんうんと聞く吉村医師。陣痛から分娩まで家族に見守られ、「気持ちいい~」「ありがとう」と出産するシーンに感動します。一方、吉村医師が娘さんに「パパはよその人の世話ばかりして」となじられ、「いまさらどうしようもない」と憮然と答える様に、ほんとにねぇ、とどちらにも共感しました。(白)
2010年/日本/カラー/92分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:組画
公式 HP >> http://www.genpin.net/
監督・脚本:ガース・ジェニングス
撮影:ジェス・ホール
音楽:ジョビィ・タルボット
出演:ビル・ミルナー(ウィル・プラウドフット)、ウィル・ポールター(リー・カーター)、ジェシカ・スティーヴンソン(メアリー・プラウドフット)、ニール・ダッジェオン(ジョシュア)、ジュール・シトリュク(ディディエ・ルボル)、エド・ウェストウィック ローレンス
1982年イギリスのある町。ウィルの家は戒律の厳しい教会に所属している。テレビや映画はもちろん、娯楽という娯楽を禁じられていて、学校のスライド授業さえ見ることができない。しかしウィルには豊かな想像力があり、楽しみはノートや本にこっそり好きな絵を描くことだ。一人廊下に出ているときに、立たされている学校一のはみ出し少年のリーと知り合う。リーの家で初めて映画というものを観たウィルは、その『ランボー』にすっかり心を奪われる。リーとウィルは、ビデオカメラでランボーを真似た映画を作り始めた。

ガース・ジェニングス監督の少年時代のエピソードがもとになっている作品。少年はこういうふうに映画にはまり、監督への道を歩いて来たんですねぇ。繊細で純粋培養されたようなウィルが、生まれて初めて出会った映画が『ランボー』とは!刺激が強すぎるのではと思いましたが、そのショックで監督が誕生するのですから、人生って面白い。腕白なリー少年、フランスから交換学生でやってきたディディエ(『ぼくセザール10歳半 1m39cm』のセザールくん、大きくなりました)、その仲間など子役たちがとても魅力的。80年代のアイテム探しも楽しいです。(白)
2007年/イギリス、フランス/カラー/94分/
配給:スタイルジャム
公式 HP >> http://rambows.jp/
監督:豊島圭介
原作:北尾トロ「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」(鉄人社/文春文庫)
脚本:アサダアツシ
撮影:木村信也
音楽:スキャット後藤
主題歌: バービーボーイズ 「ごめんなさい」
出演:設楽統(南波タモツ)、片瀬那奈(長谷部真理検事)、螢雪次朗(西村)、村上航(谷川)、尾上寛之(永田)、鈴木砂羽(須藤光子)、木村了、堀部圭亮、斎藤工ほか
傍聴、無料。立ち見、不可。
さっぱり売れない放送作家の南波タモツにようやく入ったのが、法廷モノを書けというプロデューサーの命令。取材のため初めて裁判所へ向かう。勝手もわからないまま傍聴席におそるおそる座ってみると、そこには生の人間ドラマがくりひろげられていた。そして傍聴を趣味とする男たちと知り合い、さまざまなレクチャーを受けるうちにタモツはさらに裁判の魅力にはまっていく。

良識ある大人には覗き見趣味とか、不謹慎とか責められそうな内容だけれど、裁判員制度もスタートしたことだし、ここは肩の力を抜いて、タモツと一緒に裁判所見学を楽しみましょう。タイトルが「どうですか」でなく「どうすか」ですからね。2007年の周防監督、加瀬亮主演作品『それでもボクはやってない』にも、傍聴マニアの一団が出てきますが、このうちの一人は「北尾」という名前なのだ、とは原作を読んで(「裁判長!それで執行猶予は甘くないすか」まで読了)わかりました。原作は数多く傍聴した中から、印象的なものを選んで書かれていますが、映画はさらに絞った上に脚色もしてあります。「明日はわが身かもしれない」と被告にも親近感がわくことがあり、まるで人間図鑑のようで、不謹慎と思いつつやはり面白いです。他人の人生をのぞき見しているタモツに「さぞかし楽しいでしょうね!!」とぴしゃりと言うかっこいい美人検事も、やる気のない裁判官もちゃんと登場します。ちょっと傍聴してみたくなりました。(白)
2010年/日本/カラー/95分/ビスタサイズ/DTSステレオ
配給:ゼアリズエンタープライズ
公式 HP >> http://www.do-suka.jp/
監督・製作・編集:ロドリゴ・コルテス
脚本:クリス・スパーリング
製作総指揮:アレハンドロ・ミランダ
製作:アレハンドロ・グエッラ、ピーター・サフラン他
撮影:エドュアルド・グロウ
出演:ライアン・レイノルズ(ポール・コンロイ)
イラクで突如拉致され、気を失ったアメリカ人トラック運転手ポール・コンロイは、暗闇で意識を取り戻した。 そこは、体がすっぽり収まる木の箱の中で、土の中に埋められたのか、押し上げてもビクともしない。 周りを手探ると自分の物ではない携帯電話、懐中電灯、ライターがあった。 携帯が繋がりイラン人テロリストがアメリカ大使館に身代金を要求するように迫るのだった。
1時間半・・・しんどかった。酸欠状態になりそうだったし、観ていて体が固くなっていくのがわかった。 だが、話はありえる展開だ。アメリカは救出を開始しているが、テロリストの要求には応じない。 でも携帯が通じるなら居場所はわからないかな?と思ったが、ピンポイントでは、確定場所はわからなかったのかと無理に納得。試写室が地下4階だったので、帰りのエレベーター前で、どなたかが「早く地上にでたいわぁ」と言ったので、皆で笑ってしまった。(美)
2009年/スペイン/カラー/95分
★11月6日 シネセゾン渋谷ほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://limit.gaga.ne.jp/
期間:2010年10月30日(土)~11月5日(金)
開催会場:恵比寿ガーデンシネマ
昨年に引き続き、北欧の森と湖とサウナの国フィンランドの最新作を集めたフィンランド映画祭が開催されます。オープニングを飾るのは、7月に行われたインディアナポリス映画祭で最優秀ワールド・シネマ賞に輝いたサーラ・サーレラ監督の『ツイステッド・ルーツ』。その他感動作や歴史大作、温暖化による気候の変化をテーマにしたドキュメンタリーなど多種多様な作品がラインナップされています。
■上映作品
『ツイステッド・ルーツ』★ 監督:サーラ・サーレラ ※オープニング上映
『僕はラスト・カウボーイ』 監督:ザイダ・バリルート
『禁じられた果実』 監督:ドメ・カルコスキ
『ハートビーツ』監督:サーラ・カンテル
『ヤコブへの手紙』★ 監督:クラウス・ハロ 配給:アルシネテラン お正月第2弾銀座テアトルシネマにて公開
『4月の涙(仮題)』★ 監督:アク・ロウヒミエス
配給:アルシネテラン 2011年シネマート新宿、シネパトス銀座にて公開
『危険なレシピ』 監督:ジョン・ウェブスター
特別後援:駐日フィンランド大使館
主催:フィンランド・フィルム・ファンデーション
協賛:UPMキュンメネ・ジャパン株式会社、株式会社ロッテ、株式会社ルック(marimekko)、株式会社スキャンデックス(iittala)、フィンランド航空カーゴ
協力:アルシネテラン
運営:角川メディアハウス
公式 HP >> http://www.eiga.ne.jp/finland-film-festival/
オープニング作品
『ツイステッド・ルーツ』サーラ・サーレラ監督・脚本/フィンランド
代々、アンティーク家具の修理店を経営して来たミッコは、
遺伝性疾患のハンチントン病が進行し、先行きが不安になっていた。
妻ミルハミは教師だが、実弟の借金を肩代わりさせられ、返済を迫られている。
夫婦の間にできた娘は高校生。
友人どうしで共同生活をしたいと、家を出たがっている。
そして中国人の養子ルミ。ルミは小学生だ。
その4人に、もう1人、ミッコの先妻との間にできた長男が加わり、
5人の織りなすシリアスな家族ドラマが、
フィンランド北部の冬の町を舞台に描かれている。
養子であるルミの存在が、この作品を暗くなる一歩手前でくい止め、バランスをうまく取っている。
皆、自分の悩みが限界に達するまで、溜め込んでいる。
長年、生活を共にしている家族でも、言葉にしないと解らないことだらけだが、
伝え方の言葉やタイミングが本当に難しいんだなと痛切に感じた。
妻ミルハミは、どんなに窮地に追い込まれているとはいえ、
「それを言ったら終わりじゃない?」と思うほど、痛烈な台詞を言う。
(それは観てのお楽しみだが、気の強い私でさえ、きっと言えない台詞…)
うっかり言ったにしても、
家族は許し合えるのかと考え込んでしまったが、
幸せな気分で観終わることができたのは、養女ルミのおかげだ。
ありがとう!ルミ。
『ヤコブへの手紙』クラウス・ハロ監督/2010年アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表作品
終身刑だった女性レイラは、恩赦で出所し、盲目の老牧師の家で働くことになった。
仕事は主に、信者から悩みを訴える手紙を読み、返事を書くことだ。
毎日届く手紙を楽しみにしているヤコブ。
出所を喜んでもいないし、手紙を読み書きするのも、嫌々なレイラ…。
昨夜オープニング・セレモニーの時に、ハロ監督が自作のことを少しだけ語られた。
その短い紹介の言葉に、ホロッとしてしまった。
この作品は来年1月後半に一般公開されるが、
いち早く観たいと、予定を変えて会場に足を運んだ。
古典的クラシック音楽が流れる中、ゆっくりとストーリーが進む。
ヤコブとレイラは無駄口も聞かず、気持ちは平行線だ。
毎日、簡単な挨拶と手紙を置いて行く郵便配達人も、
レイラが刑務所を出てきた女とわかり、恐く回り道をする。
(ちょっと眠くなった私。感動作品って思ったのに…)
しかし、
手紙が来ない老牧師が、生きる気概をなくしていくのを心配になったレイラは、
たまたま一通だけ来たカタログを見ながら、
自分の過去や悩みを、まるで人ごとのように訴える場面から変わる…。
これを書きながらも、迫るものを抑えることはできない。
『危険なレシピ』ジョン・ウェブスター監督・脚本
地球温暖化を機に、ウェブスター一家(夫婦と幼い息子二人)はライフスタイルを変えないで、
石油化学製品を一切買わない、<オイリーフリー>の生活の実践を決めた。
ドキュメンタリー好きな私には、見逃せない作品。
この提案をしたのはジョン・ウェブスター監督自身だ。
奥様は渋々納得して、1年間の<車のない生活、プラスチック製品ダメ、ビニールラッピングされた食品ダメ、等々>の生活に突入。
生活必需品のほとんどが使用制限される中、
監督さん一家は大きく様変わりする。
時には夫婦喧嘩もしていたけど、ひとつの目標に向かって行けた家族が羨ましいなと思った。
それに、自分の生活を考えてみるきっかけにもなる。
自動車は持たない、テレビは見ない、化粧もしないから、
少しは温暖化阻止につながってるかなとひとりニンマリしてしまった。
脚本・監督:トム・ディチロ
記録映像:ポール・フェラーラ
製作:ウルフ・フィルムズ、ストレンジ・ピクチャーズ、ライノ・エンタテインメント
出演:ジム・モリソン、ジョン・デンズモア、ロビー・クリーガー、レイ・マンザレク 他
ナレーション:ジョニー・デップ
「すべては滅びても、詩と歌は残る」(Jim Morrison)
デビューアルバム発表から43年経った今なお、
ドアーズが残した音楽は影響力を増している。音楽や文化がたとえ転換期を迎えても、ドアーズは
リスナーを増やし続け、“向こう側に突き抜けた”新たな音楽体験を味合わせる-。

ドアーズ初のバンド公認劇場用ドキュメンタリー映画である本作、監督はジム・ジャームッシュなどの作品で撮影を手がけ、ブラピ主演で映画化された『ジョニー・スエード』で監督・脚本を務めたトム・ディチロ。ナレーションのジョニデがイイ味をだしてます。今年4月よりアメリカで公開され、フランスでも大ヒットを記録したそうです。(千)
2010年/アメリカ/カラー(一部モノクロ)82分/ビスタ/ドルビーデジタル/英語/日本語字幕
提供:キングレコード/配給:ビーズインターナショナル/宣伝協力:ELECTRO89
★10/30(土)新宿武蔵野館ほか公開決定!
公式 HP >> http://www.thedoors.jp/
監督:ロバート・ログバル
製作:スティーブ・ゴリン、シドニー・キンメル
原作:村上春樹
脚本:スコット・コフィ
出演:ジョアン・チェン、ジェイソン・リュウ、ソニア・キンスキー 他
ロスに住むケンゴは宗教活動に情熱を注ぐ美人の母・イヴリンとの2人暮らし。 イヴリンはケンゴを「神の子」だと言って育ててきた。恋人のサンドラ(ソニア・キンスキー) が結婚したいと願っても「神の子」であることを理由に拒絶するケンゴ。人生に 踏み出せぬ彼の前に或る日、耳の欠けた男性が現れる。それは本当の父かもしれないと、 必死に後を追うケンゴは思いも寄らぬ体験をする…。

同タイトルの短編小説を基にした記念すべき村上春樹作品初の逆輸入映画。本作で 映画デビューを飾ったナスターシャ・キンスキーの娘、ソニア・キンスキーが綺麗で釘付けに、、。 原作のほうも読んでみたいです。(千)
2007年/アメリカ/85分
配給:リベロ、日活
★10/30(土)シネマート六本木ほかロードショー!
公式 HP >> http://kaminoko-movie.com/
監督:チャン・フン
脚本:キム・ジュホ、チェ・クァンヨン、チャン・フン
撮影:イ・モゲ
音楽:
出演:ソン・ガンホ(イ・ハンギュ)、カン・ドンウォン(ソン・ジウォン)、チョン・グクァン(影)ほか
ソウルの団地で北の要人の関係者が銃撃された。北の工作員による、家族も容赦なく殺された凄惨な事件であった。暗号を解読して工作員を追っていた国家情報局員のイ・ハンギュは、上部の指示を仰がず単独行動に走って犯人を取り逃がしたばかりか、大騒動を巻き起こしてしまった。クビになった後、私立探偵で生活を立てるが捜査をあきらめてはいなかった。一方優秀な工作員だったソン・ジウォンは、団地の事件で子どもをかばい組織から見放されて潜伏生活を送っていた。
6年後偶然ジウォンを見つけたハンギュは素性を隠して自分の仕事に引き入れる。ジウォンもハンギュに気づくが、誘いにのって同居し互いを監視する奇妙な生活が始まる。

『映画は映画だ』で、俳優とやくざの交流をみせたチャン・フン監督が、今度は北からの工作員と、南の国家情報局員という相反した男2人の緊迫した関係を描きます。冒頭の銃撃戦と追いつ追われつのシーンは緊張とスピード感にあふれていて、がっちりと観客をつかみます。組織にあっての立場は違うけれども、個人として家族と国を思う気持ちは共通しています。その2人が出会い、互いに監視しあいながら近づいていく過程は人間くさくユーモラス。2人がとても魅力的で、南北問題が身近になった気がしました。(白)
2010年/韓国/カラー/116分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:エスピーオー
公式 HP >> http://www.gikyodai.com/
監督:アントワン・フークア
脚本:マイケル・C・マーティン
製作総指揮:ダニー・ディムポート他
製作:ジョン・トンプソン、エリー・コーン他
撮影:パトリック・ムルギア
美術:テレーズ・デプレス
編集:バーバラ・タリヴァー
音楽:マーセロ・ザーヴォス
衣装:ジュリエット・ポルクサ
出演:リチャード・ギア(エディ)、イーサン・ホーク(サル)、ドン・チードル(タンゴ)、ウェズリー・スナイプス(キャズ)、ウィル・パットン(ホバーツ副署長)、エレン・バーキン(スミス捜査官)
ニューヨーク・ブルックリンにある低所得者用団地の一帯は犯罪多発地域。
エディは停年を間近に控えた警官で、波風を立てず無難に過ごして来た空しさを抱えていた。サルは信仰心が深く家族想いの麻薬捜査官だが、病弱で双子を妊娠中の妻と、五人の子どもの為に、広い家の購入を約束してしまう。
タンゴは潜入捜査官として、この地域のギャングの一味となり、操作で成果をあげても昇進できず、妻からは離婚を突き付けられ、精神的にもう限界に来ている。目の前の現実と正義感の中で揺れる3人の警官たちは、思いがけない事件で交わるのだった。
骨太で、ストーリー展開に無理がなく、最後まで楽しませてくれるクライム・サスペンス! 生きる活力を失った老警官リチャード・ギア、いつも金のことが頭から離れないイーサン・ホーク、潜入捜査官のために、家庭が破壊寸前のドン・チードル・・・。この人気・実力そろった3人の心の葛藤が、画面を突き抜けて、観る者の気持ちをわしづかみにしてくれる。
観た後、人生って辛いよねって思う反面、気がつかない幸せもあるんだと教えてくれる。
名前はわからないが、サルが「妻が双子を身ごもっている」と困り顔で言うと、「一人も子どもがいない俺からみれば、お前は幸せ者だぞ。広い家がすぐ手に入らなくても、生まれたての赤ん坊なんて、タンスの引き出しをベッド代わりにしたって、一年ぐらいは過ごせるぜ」と言った友人がいた。その俳優さんの優しい眼差しや彼の危うさを心配する言葉が印象的だった。(美)
2008年/アメリカ/カラー/132分/ドルビーデジタル/シネマスコープ
★10月30日 TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
公式 HP >> http://www.cross-ing.jp/
まだまだお元気で93才になられる吉田貞次氏の自薦2作品を上映いたします。 お話を伺うと、言葉の端端に映画人としての誇りを感じます。 息もつかせぬ大迫力娯楽作品。映画のよき時代が偲ばれます。
作品:『宮本武蔵 一乗寺の決闘』 監督 内田叶夢 撮影 吉田貞次 128分 東映作品
『仁義なき戦い 広島死闘篇』 監督 深作欽二 撮影 吉田貞次 100分 東映作品
日時:2010年10月28日(木) 『宮本武蔵』13:00~ 『仁義なき戦い』15:15~
場所:京橋フィルムセンター小ホール
上映終了後同ホールで懇談会を行います。
期間:2010年10月23日(土)~27日(水)
会場:NHKみんなの広場 ふれあいホール(東京都渋谷区神南2-2-1)
入場料:500円(前売り/当日共通:アンコール上映も同額)
今年はいつもより少し早い開催です。新作4本と旧作3本が上映されます。
◆新作◆
『明りを灯(とも)す人』(アクタン・アリム・クバト監督/キルギス=仏=独=伊=蘭)
『アイス・カチャンは恋の味』(阿牛監督・主演/マレーシア)
『冬休みの情景』 (李紅旗監督/中国)
『デリー6』(ラーケーシュ・オームプラカーシュ・メヘラーインド監督/インド)
◆アンコール上映作品◆
『ニャム』(ダン・ニャット・ミン監督/1995年/ベトナム=NHK)
『孔雀の家』(チュート・ソンスィー監督/1995年/タイ=NHK)
『柳と風』(モハメド・アリ・タレビ監督/1999年/イラン=NHK)
会期: 2010年10月23日(土)~10月31日(日)
下記の各部門で世界各国から集められた多彩な映画が上映されます。
●コンペティション
●特別招待作品
●アジアの風 「アジア中東パノラマ」
アジアの風部門での特集
*生誕70年記念~ブルース・リーから未来へ
*ディスカバー亜州電影生誕100周年記念~KUROSAWA魂 in アジア中東
*台湾電影ルネッサンス2010~美麗新世代
*トルコ、レハ・エルデム監督特集
●日本映画・ある視点
●natural TIFF ~自然と人間との共生をテーマにした特集上映~
開幕日には、六本木けやき坂通りがグリーンカーペットとなり豪華ゲストが登壇するほか、野外スペースである六本木ヒルズアリーナで屋外上映やボイスオーバー上映、ゲストを招いたトークショーなども開催されます。また、カフェスペースを兼ねたTIFFムービーカフェでは、公開記者会見などが開かれ、一般の映画ファンもゲストに身近で接することができます。公式サイトをチェックして、ぜひ、映画祭を最大限に楽しんでください。
感想集はこちら
公式 HP >> http://www.tiff-jp.net/
映像が女性で輝くとき
今年は、会場をセルバンテス文化センター東京に移して、8ヵ国11作品が上映されます。各回とも上映前に、監督、または関係者の舞台挨拶も行われます。
◆会期:2010年10月23日(土)~10月26日(火)
◆場所:セルバンテス文化センター東京 オーディトリアムB1
http://tokio.cervantes.es/jp/sobre_nosotros_jp/donde_estamos_jp.htm
千代田区六番町2-9セルバンテスビル
東京メトロ有楽町線「麹町駅」5,6番出口より徒歩3分
JR/東京メトロ有楽町線・南北線/都営新宿線「市ヶ谷駅」より徒歩6分
JR/東京メトロ丸ノ内線・南北線「四ツ谷駅」麹町出口より徒歩7分
・開場は上映20分前です。
・会場には並んでいただくスペースがありません。早く来場なさった場合は必ず受付で整理券と引き換えて、あらためて開場時間にお越しください。入場は番号順にご案内します。
・整理券引き換え開始は各回の上映1時間前です。つづけてご覧になる場合は、最初の引き換えの際にお申し出ください。
◆問合せハローダイヤル TEL.050-5541-8600
(10/1(金)~10/31(日)8:00-22:00)
◎上映作品
◆家族との3日間
監督:マル・コル スペイン/2009年/86分
スペイン・カタルーニャ地方の古都ジローナ、一族の長である祖父の死を受けて家を離れていた孫娘が久しぶりに帰郷する。その通夜を通して、保守的な中産階級の人々の像がしだいにあぶりだされてゆく人間ドラマ。
◆あなたのせい
監督:アナイ・ベルネリ アルゼンチン、フランス/2010年/87分
ブエノスアイレス、育児のかたわら家で仕事をしている若い母親。だが、いたずらざかりの息子たちはじっとしていない。結局エスカレートする騒ぎに一日中ふりまわされてしまう。あてにしていた夫の帰宅も遅れている。子育てはほんとうに容易ではない。
◆サラエボ、希望の街角(仮)
監督:ヤスミラ・ジュバニッチ(『サラエボの花』)
ボスニア・ヘルツェゴビナ、オーストリア、ドイツ、クロアチア/2010年/100分)
アルコール依存症の恋人が飲酒のかわりに選んだのは、イスラム原理主義だった。戦争で負った心の傷を超え、愛を信じてともに歩んできた女性は、人生の選択を迫られる。
◆アメリア 永遠の翼
監督:ミーラー・ナーイル アメリカ/2009年/111分
女性初の大西洋横断飛行に成功し、世界一周という最後の夢の途上で消えた空の冒険家アメリア・イヤハート。ミーラー・ナーイル監督が20世紀初頭に信念をもって生きた勇気ある女性の実人生を描く。主演にオスカー女優ヒラリー・スワンク、妻を愛と敬意で支えた夫にリチャード・ギア。
◆木漏れ日の家で
監督:ドロタ・ケンジェジャフスカ ポーランド/2007年/104分
ワルシャワの古く美しい屋敷で愛犬だけを話相手に老後を静かに送る女性が、息子の本心を知って人生の締めくくりに着手する。当時91歳の大女優ダヌタ・シャフラルスカが主演。モノクロ撮影の美しさとドロタ・ケンジェジャフスカ監督の格調高い演出が光る人間ドラマ。
2年前に公開された『僕のいない場所』の監督さん。撮影当時91歳の大女優ダヌタ・シャフラルスカが主演。
老いても自分にふさわしい生活を模索し、決断する姿に頭が下がりました。
今、これを資料見ながら書いていて、「あっ、これはモノクロだった!」と気づきました。
私の中では、今でも人生の喜怒哀楽が、極彩色のまま残っています。
『僕のいない場所』のクルデン少年(ピヨトル・ヤギェルスキ)も少し登場します。
だいぶ成長していますが、面影はあります。探して見てください。(美)
◆Take My Eyes
監督:イシアル・ボリャイン スペイン/2003年/109分
夫の暴力に苦しみながら、女性はなぜ、そんな男と何度もやり直そうとするのか。逃げ出しても執拗に追い求め、愛していると言いながら妻を殴る男とは、何者なのか。高名な女優でもあるイシアル・ボリャイン監督が、古都トレドを舞台に、家庭内暴力の内側に分け入ったドラマ。
夫の暴力に苦しんでいる女性の苦しみと自立を真正面からを描いている衝撃作品。
痛くて、悲しい、それに歯がゆい映画・・・。私ならとっくに逃げ出している。でも夫もすごく苦しんでいて、
グループ・カウンセラーに通っていたりしていたから、妻もなかなか決断がつかなかったのだと理解しました。(美)
◆飛べ、ペンギン
監督:イム・スルレ 韓国/2009年/110分
子どもを過密スケジュールで塾に通わせたり、海外留学にまで付き添ったりする母親。一人残ってせっせと送金する父親。そんな過度な教育熱による家族のひずみや老年離婚、個人の嗜好や自由を認めない風潮がいまだ根強い韓国社会を描く。
★シネジャ Web版特別記事:
『飛べ、ペンギン』イム・スルレ監督インタビュー
『飛べ、ペンギン』主演チェ・ギュファン 舞台挨拶・囲み取材報告
韓国社会を知りたい方に是非とも観ていただきたい作品。子どもの教育、会社の対人関係、老年離婚・・・。
女は(嫌、男も)辛いよ!と同情したり、プッと吹き出したりで楽しめました。(美)
◆シャングリラ
監督:ティン・ナイチョン(台湾) 台湾、中国/2008年/107分
幼い息子の死を受けいれられない女性が、残された絵の山を探してチベット族自治州へ。自然の雄大な景観とゆきずりの恋。中国の女性プロデューサーの企画により、中国・台湾・香港の女性監督が雲南で撮影する〈雲南シリーズ〉の中の1本。
◆おってくらんし
監督:大西栄理子 日本/2010年/35分
山あいの静かな集落で母と暮らす元気な少女は、はみ出し者の中年男と仲がよい。彼はいろいろなことを知っていて、自転車の練習にもつきあってくれる。だが、父親のようだった彼は、突然死んでしまった。少女のひと夏の成長を描いた、大西栄理子監督の日本映画学校卒業制作の短編。
◆薄墨の桜
監督:羽田澄子 日本/1977年/43分
岐阜県根尾川上流の里にある薄墨桜は継体天皇のお手植えと伝えられ、樹齢1500年あまり、天然記念物として大切に守られてきた。荘厳なたたずまいの得も言われぬ雰囲気にうたれた羽田澄子監督が、心中で樹に話しかけながら作品の形をつくっていったという中編ドキュメンタリー。
◆遥かなるふるさと -旅順・大連―
監督:羽田澄子 日本/2010年/115分
中国の東北部、旧満州の大連で生まれて旅順で育ち、敗戦を大連で迎えた羽田澄子監督が、いまも思う「ふるさと」を訪ねて自身の半生を語る最新作のドキュメンタリー。だが、その故郷はただ懐かしく思ってよい土地ではない。感傷を排した、重い歴史の積み重ねの視点がここにはある。
◎シンポジウム「家族の未来」
10月25日(月)12時からの『飛べ、ペンギン』上映後に開催。★どなたでも参加いただけます。
家族のあり方は社会の変容と表裏をなすものであり、当映画祭のテーマの一つである。ここではジェネラルプロデューサーの高野悦子がパネリストに日本アジア関係論を専門とする内海愛子氏(早稲田大学大学院客員教授)とアジア女性映画祭ネットワークのメンバーを迎えて、これまでの家族の像と、これからの家族について話し合う。
公式 HP >> http://www.tiwff.com/
今年も第23回東京国際映画祭の提携イベントととして、2010年10月23日土曜~11月5日(金)まで『2010東京・中国映画週間』が開催されます。
主催は、日中の映画祭を両国で相互開催する“日中友好映画祭実行委員会”。
尖閣諸島問題で、政治的に摩擦が生じている今だからこそ、映画を通じて両国の相互理解、中国の「今」を伝えたいという主催者の思いがあります。
また、「第1回 日中映画と都市の魅力」シンポジウムも開催されます。
■実施会場:オープニングセレモニー TOHOシネマズ日劇1
他の作品の上映会場 東京都写真美術館ホール
●オープニング セレモニー
10月24日(日) 14:00~17:30 TOHOシネマズ日劇
オープニング上映作品 『ボディガード&アサシンズ』(原題)「十月圍城」
●その他 上映作品
『流浪児を探して』(守护童年)/『帰省男、辛いよ』(人在囧途)/『上司に恋する女 』(杜拉拉升职记) /『夢の王国』(梦回金沙城)/『孔子』(孔子)/『チベット恋物語 』(新康定情歌)/『ラブソングの行方 』(寻找刘三姐)/『ハイ スクール ミュージカル』(歌舞青春)
●「日中映画と都市の魅力」 シンポジウム
10月20日(水)~11月5日(金) 東京中国文化センター【入場無料】
開催セレモニー&シンポジウム: 10月25日(月)14:00~16:00
詳細は「2010東京・中国映画週間」HPにて
http://cjiff.net/index_jp.html
日中友好映画祭実行委員会 (株)ムーランプロモーション東京都中央区銀座7-14-15 杉山ビル5F
TEL: 03-5148-2095 FAX: 03-5148-2096 http://cjiff.net/
監督:ニキ・カーロ
脚本:ニキ・カーロ、ジョーン・シェッケル
撮影:ドニ・ルノワール
音楽:アントニオ・ピント
出演:ジェレミー・レニエ(ソブラン・ジョドー)、ギャスパー・ウリエル(天使ザス)、ヴェラ・ファーミガ(オーロラ)、ケイシャ・キャッスル=ヒューズ(セレスト)ほか
19世紀 ブルゴーニュ、そこは天使が舞い降りる丘。
葡萄農家のソブランは、いつか醸造家となり最高のワインを造ることを夢見ていた。彼は天使ザスに出会い、ワインへの夢を語りあうようになる。ザスから一本の苗木を贈られ、年に一度この丘の上で会うことを約束する。美しい娘セレストを妻に迎え、やがて初めてのワインができあがる。ワイナリーを叔父から引き継いだオーロラの応援を受け、ソブランはますますワイン造りに没頭していく。

『クジラの島の少女』(2003年)のニキ・カーロ監督の最新作。当時13歳で主演したケイシャ・キャッスル=ヒューズが、史上最年少でアカデミー主演女優賞にノミネートされて話題となりました。ケイシャはこの作品にもセレスト役で出演。プロモーションで来日したとき、ニュージーランド大使館での会見に参加しました。小さな女の子でしたが、母親役もできる女優さんになっているのですねぇ。天使のギャスパー・ウリエルも同じ2003年の『かげろう』で主演。試写室に顔を見せたのは真っ白いシャツにジーンズの細身の少年でした。その後も若手としての活躍はとぎれず、着実に成長しているようです。
主演は『ある子ども』で注目されたジェレミー・レニエ。クラッシックな衣装がよく似合うヴェラ・ファーミガが知的で誇り高い男爵夫人。30年にわたる4人の愛と、ワイン探求の道のりを綴った作品。美術と衣装が素敵です。(白)
2009年/フランス、ニュージーランド/カラー/126分/ドルビーデジタル
配給:東北新社
公式 HP >> http://www.yakusoku-wine.com/
監督・脚本:キム・ヨンファ
撮影:パク・ヒョンチョル
音楽:イ・ジェハク
字幕監修:いとうせいこう
出演:ハ・ジョンウ ボブ(チャ・ホンテ)
ソン・ドンイル(パンコーチ)、キム・ドンウク(フンチョル)、キム・ジソク(チルグ)、チェ・ジェファン(ジェボク)、イ・ジェウン(ボング)
冬季オリンピック誘致を計画している韓国は、正式種目のスキージャンプの国家代表チームを作ることが急務だった。子どもスキー教室でコーチをしていたパンが集めたのは、初心者ばかりの5人。唯一期待できるボブは、アメリカに里子に出て以来、会えなかった母を捜していた。コーチの娘に気のあるフンチョル、父に逆らえないジェボク、祖母と弟のために、兵役に行きたくないチルグ、その弟のボング。それぞれの思惑から特訓に参加する。
実際にジャンプ競技を撮影しているチームの協力を得て、特殊なカメラを使っての撮影を敢行。猛特訓して挑んだ選手たちのジャンプ姿をスピードとともにとらえています。目もくらむ高さのジャンプ台、飛翔の迫力はまるで自分が体験しているかのようで迫力満点です。実話を元にしており、遠征も自腹で参加し苦労していた彼らは、この映画の大ヒットで国家からの援助が決まって実業団チームとなったのだそうです。(白)
2009年/韓国/カラー/146分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:ゴー・シネマ
(C)2009 KM CULTURE, SHOWBOX/MEDIAPLEX ALL RIGHTS RESERVED
公式 HP >> http://kokka-daihyo.com/
3 class="RevwArcTitle">脇役物語(英題:Cast me if you can)
監督:緒方篤
脚本:緒方篤、白鳥あかね
撮影:長田勇市
音楽:ジェシカ・デ・ローイ
出演:益岡徹(松崎ヒロシ)、永作博美(アヤ)、津川雅彦(松崎健太)、松坂慶子(黒岩トシ子)、柄本明(ホームレス 、前田愛(サクラ)、イーデス・ハンソン(ジェーン)、柄本佑(マサル)
万年脇役俳優の松崎ヒロシ、優しい性格のせいか、どこでも馴染んでしまう主張のなさのせいか、やたらに勘違いされ人違いされ続けてきた。待ちに待った主演の話がやってきて、いまだに頭のあがらない劇作家の父にもちょっと得意になって報告。おまけに明るくて元気な女優の卵アヤと知り合ってうきうき。ようやく運が向いてきたかと思った矢先、今度は大物政治家の妻の不倫相手と間違えられてしまう。ゴシップ記事がデカデカと出て、主役の話は取り消しになってしまった。
脇ながらいつも印象に残る益岡さん、まさにこれが長編初主演作だそうです。人のよさが災いして仕事でも私生活でも脇に回ってしまう主人公。いつも年齢不詳の可愛らしさがある永作さんは、長身の彼を照らす丸いライトのよう。津川さんは大きな存在である父親を慈愛深く演じています。どのキャストも作品にはなくてはならない人ですが、真ん中でライトを浴びる主役より、脇でぴりりと存在感を出している人に目がいってしまう私は、脇役俳優さん自信を持ってとエールを贈りたいです。
緒方監督はハーバード大を卒業、富士通でサラリーマンをした後、マサチューセッツ工科大学で映像を学んだそうです。ヨーロッパで役者をした経験もあるという異色な経歴の方。どの場にもとけこんでよくそこの人に間違えられるというのは、監督自身のことのようです。
(白)
2010年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東京テアトル
(C)2010 Dream On Productions
公式 HP >> http://www.wakiyakuthemovie.com/
監督・脚本・編集:鈴木聖史
撮影:岩見周平
美術・照明:今井伴也
音楽:山田京子
出演:秦秀明(カッちゃん)、松尾敏伸(ヤスタカ)、内山信二(ケンさん)、高部あい(ナオ)、田村愛(真由美)、中山絵梨奈、宮岡由加菜
カッちゃん、ヤスタカ、ケンさん、ナオ、真由美の5人は中学での同級生。大学を卒業してそれぞれが社会人になり地元を離れ、または結婚し、と状況が変わるにつれ疎遠になっていた。
学生時代よく集まった居酒屋の店長の訃報で、男3人が故郷で再会する。上京して開いたカッちゃんの店は営業不振、ケンさんはいまだ医学部めざして浪人の身、バリバリのサラリーマンのヤスタカは真由美との結婚生活が破綻しかかっている。なかなか本音が言えない3人の夜はふけていく。
めまぐるしく環境の変わった20代が過ぎ、30代に入るとちょっと立ち止まって振り返ることがあります。環境になじむのと同時に先が見えてきた気がして、これでよかったのかと思う時期なのかもしれません。そんなときに旧友と再会した3人は、懐かしいだけではない互いの微妙な距離を感じます。
鈴木監督が体験したエピソードを元に書き起こした長編デビュー作。もう戻せない時間、置き忘れた大切なもの、会いたかった人たち…誰もが重ねることのできる心情がちりばめられています。仲良し3人組が埋めたタイムカプセルを見つけた今の中学生とのやりとりがほほえましいです。映画を観終わったら“待っていないで自分から”電話をかけてみようよ。(白)
2010年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
制作:Real Scale Project
公式 HP >> http://www.rs-project.net/aruyoru/
監督:ジュリー・ロペス=クルヴァル
脚本:ジュリー・ロペス=クルヴァル、ソフィー・ハイエ
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ(『シェルブールの雨傘』『昼顔』『8人の女たち』)、マリナ・ハンズ(『レディ・チャタレー』)、マリ=ジョゼ・クローズ(『潜水服は蝶の夢を見る』)、ミシェル・デュショーソワ(『石の微笑』)
2週間の休暇を取ってカナダからフランスの大西洋に面した片田舎アルカションの町に帰省してきたオドレイ。父は優しく迎えるが、開業医の母マルティーヌは忙しさもあいまって、ちょっとよそよそしい。仕事を抱えて帰ってきていたオドレイは、祖父亡き後、空き家になっていた海辺の白い家で過ごすことにする。オドレイは恋人ではないボーイフレンドの子を宿してしまった悩みも抱えていた。ある日、台所の引き出しの奥に古いノートを見つける。50年前に家出したと聞かされている祖母ルイーズのものだった。料理のレシピの傍らには、自分も社会に出て働きたいのに、夫が自由を与えてくれないことへの不満が時々綴られていた。一方で、娘や息子に対する深い愛情を示す言葉も記されていて、オドレイは祖母が何故愛する子供たちを捨てて家出したのかと疑問に思い始める。母マルティーヌは、祖母が娘には自由に羽ばたいてほしいと願った通り、医者として成功しているが、10代のはじめに母親に捨てられた思いを語ることは決してなかった。やがてオドレイが身篭っていることに気づいたマルティーヌ。母と娘の距離が少し近づく。そして明らかにされる祖母の秘密・・・
夫から素敵なドレスや最新式の台所を与えてもらっても駕籠の鳥でいたくなかった祖母。まだ女性が自由に行動することを許さなかった時代だった。少しずつ女性が社会進出する時代に医者となった母マルティーヌ。そして、女性がもっと自由に行動できるようになった現代に生きるオドレイ。3世代の女性を通して、時代の潮流の中で自分の居場所を模索する姿や、母と娘がお互いに感じる葛藤を描き出していて、いつの時代も、どこの国も、人間の悩みは同じだなぁと感じさせてくれた。でも、あんな素敵な海辺の家に住めたら、悩みも吹っ飛びそう! (咲)
2009年/フランス・カナダ/フランス語・英語/104分/35mm/ドルビーSRD/カラー/アメリカンビスタ
後援:フランス大使館 協力:ユニフランス
配給・宣伝:アルシネテラン
→ 特別記事 ジュリー・ロペス=クルヴァル監督インタビュー
公式 HP >> http://www.alcine-terran.com/diary/
監督・脚本:日向朝子
原作:八木沢里志(第三回ちよだ文学賞・大賞受賞作品)
製作:小林榮太朗、久松猛朗
企画・プロデュース:越川道夫
撮影::猪本雅三
美術:松本知恵
音楽:野崎美波
衣装:宮本まさ江
出演:菊池亜希子(貴子)、松尾敏伸(英明)、奥村知史(高野)、吉沢悠(森崎書店の客)、 きたろう(喫茶店主)、岩松了(サブ) 田中麗奈(トモ子)、内藤剛志(貴子の叔父・森崎サトル)
貴子は同じ会社の高野と、ほぼ1年半交際をしていた。だが、突然デートの食事中に「僕、結婚するんだ」 と言われ、何がなんだかわからなくなる。「経理課の村野と、来年、結婚するんだ」という彼の言葉に気が動転して、何も言えない貴子。
恋人のつもりだったのに・・・。貴子は会社をやめてしまった。
数日後、傷心の貴子の元に、神保町で古書店を経営している母方の叔父サトルから電話があり、うちの2階に住まないかと進められた。こうして貴子の森崎書店の日々が始まった。
貴子は始め、常連客に「志賀直哉知ってるかい?」と聞かれ「・・・」という場面があったが、
だんだん本を読み出す彼女の成長が、少しずつ見てとれるので、本好きな私は嬉しかった。
だけど、今の(この作品だけのことかもしれないが)男女の交際ってわからない。1年半、体の関係もあるのに、
平然と「僕、来年、結婚するんだ」って言うのはあり?結構、しっかりしていて、真面目そうな男性だったが・・・。
観た後からよく思い出して見たら、映画始まりのデートの会話は、彼女一人が内容のない受け売り情報をしゃべっていた。
また、貴子のアパートの部屋が、とても乱雑で、綺麗な清純そうな女性が住んでいるとは思えなかった。
男性ばかりが責められそうだが、貴子が幼すぎたのも原因だったんだなぁと感じた。
そこをうまく表現できた日向朝子監督の今後に期待したい。
※神保町に度々行っているが、それは岩波ホールに映画を観るためなので、地下鉄直結で外に出たことがなかった。
もったいないことをしていた。これからは古書店もだが、喫茶店もあじわい深い店がありそう、
ひょっとしたら風呂屋もあるかも・・・。この作品のおかげで楽しみが増えた。(美)
2010年/日本/カラー/109分/35mm/ヨーロピアンヴィスタ
配給:ファントム・フィルム
★10月23日 全国ロードショー
公式 HP >> http://www.morisaki-syoten.com/
監督:ゴンサロ・カルサーダ
脚本:ロシオ・アスアガ
撮影:アベル・ペニャルバ
出演:レオノール・マンソ(ルイーサ)、ジャン・ピエール・レゲラス(オラシオ)、エセル・ロホ(クリスタル・ゴンサレス)、マルセロ・セレ(ホセ)ほか
ブエノスアイレスで一人暮らしのルイーサは60歳。夫と子どもを亡くして以来、長い間一人きり。毎日ハンで押したように規則正しい生活を送っている。隣人ともつきあわず、愛する猫ティノだけが友達であり家族。墓地管理会社の事務と元女優の家政婦の二つの仕事を続けて暮らしてきた。ティノがひっそりと死んだ朝、ルイーサは会社を突然クビになり、女優が引越しをするため家政婦の仕事もなくってしまった。手元にあるお金はたったの20ペソ(約500円)。ティノを埋葬する費用700ペソすら払えない。
なかなか目にすることのないアルゼンチン映画。地下鉄を舞台にした長編脚本のコンクールで大賞を獲得した作品で、地下鉄の駅での出会いを期に、新しい人生を踏み出していく女性が主人公です。若い男女の恋物語などではなく、定年直前に仕事をなくしてしまった孤独な60歳の女性、出会うのは地下鉄のホームの隅で乗客に小銭をねだる老人です。ベテラン俳優たちは悲惨な状況なのにユーモアただようストーリーを余裕で体現します。だんだんと変わっていくルイーサに喝采。
しかし私は小心者なので、老後の心配はするし、金も保険もなく頼りの隣人付き合いもないなんて考えられませ~ん。ラテンな国の方はたくましい。
2008/アルゼンチン、スペイン/カラー/108分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:Action Inc.
公式 HP >> http://www.action-inc.co.jp/luisa/
監督:中田圭
脚本:高橋玄
撮影:井出情児
音響:小川高松(TAK小川)
出演:秋山真太郎(カミオ)、林野健志(戸川恵介)、黒澤ゆりか(林あゆみ)ほか
人心を操る超能力者・カミオと、その力が及ばない唯一の男・恵介。カミオは男を窮地に陥れようと、恵介の婚約者・あゆみを横取りする。恵介は存在しているのにカミオによって、あゆみも職場も恵介についての記憶を消され社会的には存在しない人間となってしまう… 恵介は人間の存在と愛するあゆみの奪還のため孤立無援でカミオに挑む!

2人のイケメン若手俳優のダブル主演。一人二役のようなヒロインあゆみを演じる黒澤ゆりかさんもとても綺麗でした。がしかし、私の心を捉えて離さなかったのはチラリと登場しシャンソンを歌う特別出演の戸川昌子さん!多彩な顔ぶれが揃った「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2010正式出品作品」です。(千)
2010年/日本/カラー/108分/ビスタサイズ/HD
配給:フリーマンオフィス
公式 HP >> http://movie-indexgun.com/
監督:ウニー・ルコント
出演:キム・セロン、パク・ドヨン、コ・アソン、パク・ミョンシン、ソル・ギョング、ムン・ソングン
可愛いピンクのワンピースに、ぴかぴかの靴を履いて、9歳のジニは大好きな父に連れられてソウル郊外に出かける。着いた先では、庭で大勢の子供たちが遊んでいた。気がつくと父の背中が門の向こうで遠ざかっていく。決して振り返らない父を見送るジニ。カトリック教会の運営する児童養護施設に置いてきぼりにされたジニは、院長に「自分は孤児じゃない、父に連絡をとってくれ」と頼むが、父にはジニを引き取れない事情があって院長もなす術がないのだった。食事もせず、子供たちにも馴染もうとしない反抗的なジニに、最初は意地悪だったスッキが何かと気にかけるようになる。スッキは外国で暮らすのが夢で、ジニにもいつか一緒に行こうと英語の勉強に励む。ある日、二人は庭で傷ついた小鳥を見つけ手当てをするが、やがて死んでしまい、庭の片隅に二人は小鳥を葬る。その後、仲良しのスッキはアメリカ人夫妻に養子として貰われていく・・・
昨年の東京国際映画祭で『旅人』のタイトルで上映され、アジアの風部門最優秀アジア映画賞を受賞した折に、記者会見でウニー・ルコント監督にお目にかかった。本作は、監督ご本人が9歳の時に養子としてフランスに渡った経験を元に作られたもの。母国語をほとんど忘れ、フランス語での会見だったことが、監督の辿ってきた道をひしひしと感じさせてくれた。ジニ役のキム・セロンの真に迫る演技は圧巻。親に見捨てられた思春期の少女の心の痛みがぐっと伝わってくる作品である。 父親役のソル・ギョングは一瞬しか顔を見せない。あっと言わせる登場場面をどうぞお見逃しなく!(咲)
2009年/韓国・フランス/35ミリ/カラー/1時間32分/ドルビーSRD
配給:クレストインターナショナル
公式 HP >> http://www.fuyunokotori.com/
監督:ローラン・ティラール
脚本:ローラン・ティラール、グレゴワール・ヴィニュロン
原作:ルネ・ゴシニ、ジャン=ジャック・サンペ
音楽:クラウス・バテルド
出演:マキシム・ゴダール(ニコラ)、ヴァレリー・ルメルシェ(ママ)、カド・メラッド(パパ)、サンドリーヌ・キベルラン(先生)
小学生のニコラは大好きなパパとママ、学校では仲良しの友達と一緒に楽しい毎日を送っている。友達の一人に弟ができて憂鬱な顔でいるのを見てニコラは心配になる。パパとママのようすでは家にもあかちゃんがやって来るにちがいない。この毎日が変わってしまうくらいなら弟なんかいらない。僕が先なんだから。友達とあの手この手でまだ見ない弟を追い出す作戦を立てるのだが…。
この可愛い少年ニコラの物語は新聞に連載された後、単行本となり30ヶ国語以上に訳されて大人気となりました。50年も愛され続けているニコラは、日本でいえばサザエさんやちびまるこちゃん、クレヨンしんちゃんのような有名なキャラクターです。主演のニコラをキャラそっくりのマキシム・ゴダール。初主演ですがパパママ役のベテラン俳優に支えられて生き生きと演じています。周りの腕白な子どもたちも個性豊かです。60年代のパリを舞台なのでおしゃれなファッション、小物、インテリアも見逃さないでください。ちょうど『3丁目の夕日』の時代ですが、あちらの子どもたちのおしゃれなことといったら!さすがフランスのおちびさんたちです。(白)
2009年/フランス/カラー/91分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:コムストック・グループ、フェイス・トゥ・フェイス
(c)2009 Fidelite Films - IMAV Editions - Wild Bunch - M6 Films -Mandarin Films - Scope Pictures - Fidelite Studios
公式 HP >> http://www.petitnicolas.jp/
監督:五十嵐匠
出演:榎木孝明、AKIRA、白石美帆、津田寛治、坂上忍、田中正次
文久元年(1861年)・鹿児島。 中村半次郎は自ら作った薩摩芋を担いで西郷吉之助(のちの西郷隆盛)と大久保一蔵(のちの大久保利通)のもとを訪れる。侍らしく義の為に戦いたいと、二人の前で自顕流の剣の腕を見せる半次郎。西郷に剣術と高い意志を認められた半次郎は、西郷とともに京都に赴く。生涯の友となる薩摩藩士・永山弥一郎や、長州藩の鮎川小次郎との友好を深める半次郎。自らの信念を貫く半次郎の姿に、煙管屋の娘さとが惚れ込むが、さとの父は二人の仲を認めない。明治元年(1868年)、薩長連合と幕府軍との間で戊辰戦争が勃発し、この戦争で功績をあげた半次郎は陸軍少将となり、名を桐野利秋と改める。その後、西郷が朝鮮への派遣を巡る権力争いに敗れたのを機に、半次郎も西郷とともに薩摩へと戻る。そして明治十年(1878年)、西郷を擁して新政府に反旗を翻す西南戦争が勃発する・・・
本作は、西南の役で、西郷隆盛らと共に鹿児島の城山でその生涯を閉じた桐野利秋(中村半次郎)の半生を描いたもの。鹿児島出身の榎木孝明さんが、同郷の武士・中村半次郎の生き様に惚れ込み、長い間企画を暖め、『HAZAN』『アダン』で組んだ五十嵐監督と共に製作に挑みました。世界に誇れる日本の精神文化を今一度思い出して欲しいという、榎木さんの願いの篭った作品。正義のためにと戦い死んでいく男を見送る女の悲しみもずっしり。 (咲)
2010年/カラー/35mm/シネマスコープ/DTSステレオ/121分
配給:ピーズ・インターナショナル
公式 HP >> http://hanjiro-movie.com/
監督・撮影:ジャン=ミシェル・アルベローラ
出演:小屋丸の人々
フランス美術界のジャン=ミシェル・アルベローラが、越後妻有地域で3年に1度開催される“大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ”に参加し、小屋丸という小さな集落を知る。山奥でひっそりと営まれる共同体の暮らしに魅せられて、2年をかけて映像を撮り続けた。豪雪に見舞われる厳しい冬、雪解けの後に訪れる春。美しい棚田の風景と素朴な人たちとの会話が詩のようなドキュメンタリー。続けて「夏と秋」編もできる予定。(白)
2009年/日本・フランス/モノクロ/88分/
配給:
公式 HP >> http://www.echigo-tsumari.jp/artevent/koyamaru.html/
監督:小中和哉
脚本:伊藤和典
撮影:西久保弘一
音楽:岸利至
出演:芦名星(火田七瀬/テレパス)、佐藤江梨子(漁藤子/タイムトラベラー)、田中圭(岩淵了/予知能力者)、前田愛(真弓瑠璃)、ダンテ・カーヴァー(ヘンリー・フリーマン/テレキネシス)、今井悠貴(山沢ノリオ/テレパス)、河原雅彦(景浦)、平泉成(山木)、吉田栄作(狩谷)
七瀬は人の心が読めてしまう美しいテレパス。自分の能力を知られないようにひそやかに暮らしていた。生活費を得るために時折海外のカジノへ出かけていたが、帰りに自分に向けられた強い殺意を感じる。かつて同じ列車に乗り合わせた予知能力者の了からの忠告で、知り合った瑠璃と行動を共にし難を逃れることができた。七瀬と同じテレパスの少年ノリオ、テレキネシスのヘンリーと北海道の山荘で暮らし始めるが、敵の追跡は執拗に続いていた。
原作は1975年に発表された筒井康隆の同名SF小説。筒井作品の「時をかける少女」の8回についで多い6度目の映像化だそうです。1972年の10代の七瀬を描いた「家族八景」、ラブストーリーの色合いの濃い1977年「エディプスの恋人」との3部作。この2作目が一番ドラマチックでエンタメ性高く、映画に向いているようです。
超能力を持つものが悩み、能力を隠して暮らしているという設定が新鮮でした。孤独でストイック、しかし仲間を思う気持ちが強い七瀬を芦名星が演じて、筒井康隆氏が「もっとも七瀬らしい七瀬」と評しています。(白)
2010年/日本/カラー/105分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:IMJエンタテインメント=マジックアワー
(C)2010「七瀬ふたたび」製作委員会
公式 HP >> http://www.7se-themovie.jp/
監督・脚本:石井隆
撮影:柳田裕男 / 寺田緑郎
美術:山崎輝
音楽:安川午朗
出演:竹中直人(紅次郎)、佐藤寛子(れん)、東風万智子(警察官)、井上晴美(桃)、宍戸錠(父)、大竹しのぶ(母あゆみ)
小さなバーを営む母親と二人の娘。店を建て替える夢を持つ母親は、娘に手伝わせて客から金をむしりとる算段をしていた。子どものころから大きな闇を抱えて生きてきた末娘のれんは、自分の失敗を償うべく、なんでも代行屋の紅次郎のもとを訪れる。次郎はれんのいうまま、富士の樹海へ父親の形見だというロレックスをさがしに行く。れんの抱える事情に気づいた次郎は、なんとしてもれんを救いたいと願うようになった。
1993年の第1作に主演の竹中直人が切望して実現したという第2弾。のっけからスプラッターなシーンがあり、大竹しのぶ、井上晴美のしたたかな母娘に仰天しました。それが嬉々としてというか、楽しそうに見えるところがまたこのお二人の余裕なんでしょうか。いつも濃い~竹中さんが目立ちませんでした。初主演の佐藤寛子は清楚ではかなげな外見のまま、全裸になっても色気は全く出てないです。虐げられた毎日の中、人形のようにしていなければ崩壊してしまうのですから、これでいいのだなぁ。実の娘に猫なで声でせまる宍戸錠さん、声が良いだけに怖かったです~~。ぞわぞわ。(白)
2010年/日本/カラー/2時間7分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:クロックワークス
(C) 2010「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」製作委員会
公式 HP >> http://www.nude-ai.com/
今年の難民映画祭は、従来の東京の会場だけでなく、神奈川、埼玉、福岡、兵庫、群馬、北海道でも開催されます。
*入場無料ですが、各会場で寄付を募っています。
*各回完全入替制
*会場により予約が必要です。Webサイトで確認ください。
*会期:2010年10月1日(金)~10月10日(日)
*会場 :イタリア文化会館(東京)、セルバンテス文化センター(東京)、ワーナー・マイカル・シネマズ、浦和美園(埼玉)、ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらい(神奈川)、イオンシネマ越谷レイクタウン(埼玉)
首都圏版の詳細 → http://unhcr.refugeefilm.org/2010/about/shutoken.php
【上映作品】
*会期: 10月15 (金)、16(土)、22(金)、23(土)、29(金)、30(土)のうち何れかで以下の各会場での上映(詳細は後日発表)
*会場: ワーナー・マイカル・シネマズ江別(北海道)、イオンシネマ高崎(群馬)、イオンシネマ越谷、レイクタウン(埼玉)、ワーナー・マイカル・シネマズ 福岡ルクル(福岡)、ワーナー・マイカル・シネマズ、三田ウッディータウン(兵庫)、ワーナー・マイカル・シネマズ港北ニュータウン(神奈川)
全国版の詳細 → http://unhcr.refugeefilm.org/2010/about/zenkoku.php
シンポジウム・上映への参加の当日料金は1,000円となりますが、下記サイトの申込みフォームから、またはハガキ・FAXにて事前申込みをすると【無料】となります(懇親パーティは別途参加費が必要になります)~事前登録締め切りは9月25日です。
詳細・申込みについて:コチラ http://www.jsc.or.jp/jp/event/eiga%20sinpo/singapore.html
監督:金子文紀
プロデューサー:荒木美也子 磯山晶
美術プロデューサー:竹村寧人
原作:よしながふみ
脚本:高橋ナツコ
撮影:喜久村徳章
美術:花谷秀文監督
衣裳デザイン:小川久美子
出演:二宮和也(水野祐之進)、柴咲コウ(徳川吉宗)、堀北真希(お信)、大倉忠義(鶴岡)、中村蒼(垣添)、玉木宏(松島)、倍賞美津子(水野頼宣、水野の母)、竹脇無我(水野の父)、和久井映見(加納久通)、阿部サダヲ(杉下)、佐々木蔵之介(藤波)、細田よしひこ(瀬川)、竹財輝之助(白河)、松島庄汰(柏木)、ムロツヨシ(副島)、崎本大海(山元)
男より強く、女より美しく
将軍は女、仕えるは美しき男たち三千人
正徳6年の江戸。若い男子のみがかかる謎の流行病「赤面疱瘡』で、男女の比率は1:4となり、世の中も男女逆転してしまった。家を継ぎ、働くのは強くたくましい女たち。弱い男たちは子種を持つがゆえ大事にされ、良い家から婿の口がかかる。江戸城では自由闊達な徳川吉宗が将軍と決まり、女子禁制の大奥には寵愛を得て出世しようとする男たちの欲望がうずまいていた。
水野祐之進は、貧乏旗本の息子で、多くの女たちから子種を望まれる美男であった。婿に望まれても断り続けてきたが、これまで自由にさせてくれた父母に孝行し、困窮する家を救うため大奥に上がる決心をする。それは幼馴染の商家の娘お信との叶わぬ恋をあきらめることでもあった。剣術にすぐれ、武士らしさを失わない祐之進は大奥で昇進し、吉宗の“総触れ”の日を迎える。
これはよしながふみの少女漫画が原作で、今も「MELODY」(白泉社)にて連載中。この男女逆転の歴史物語は、いつもと違った角度から世の中を眺める面白さがあります。柴崎こう演じる吉宗は「暴れん坊将軍」ですが、質素倹約を旨とし次々と改革を断行していく人物です。サバサバしたキャラにぴったり。若い男の少ない中、見目麗しい男子ばかり3000人(劇中で800人くらいというせりふがあります)も集めた大奥での権謀術数は逆転しているがゆえに妖しさ倍増。アップにたえる美形男子のメイクと、城内の美術やぜいを尽くした衣装もじっくりご覧ください。(白)
2010年/日本/カラー/116分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:松竹=アスミック・エース
公式 HP >> http://ohoku.jp/
監督:トム・フォード
脚本:トム・フォード、デヴィッド・スケアス
原作:クリストファー・イジャーウッド
製作:トム・フォード、クリス・ワイツ、他
音楽:アベル・コルゼニオフスキー
撮影:エドゥアルド・グラウ
美術:ダン・ビショップ
編集:ジョアン・ソーベル
衣装:アリアンヌ・フィリップス
キャスティング:ジョセフ・ミドルトン、CSA
出演:コリン・ファース(ジョージ)、ジュリアン・ムーア(チャーリー)、ニコラス・ホルト(ケニー)、マシュー・グード(ジム)
1960年代のロサンゼルス。16年連れ添った同性のパートナーを交通事故で失ってから8ヶ月。
悲しみに打ちひしがれ、生きる価値を見出せず苦悩する大学教授のジョージは、自らの手で、今日を人生の最後の日と決めていた。
そう思って決心して始まった一日。それは彼にとって思いがけない、新たな人生の輝きを放つのだった。
喪われた愛への悲痛な思いを美しい映像で描いたこの作品は、レズビアン&ゲイ映画祭で日本初上映を飾った。グッチを立ち直らせ、イヴ・サンローランを改革。2005年には自分自身のブランドを立ち上げたファッション・デザイナーのトム・フォードの初監督作品と聞けば、きっとオシャレな作品だろうと、内容よりファッションに期待して行ったが、全体を通して「今、生きている喜び」を、色調で気付かせてくれる静かな感動作だった。
それは、きっと彼が死を覚悟したその時から、俄然と鮮やかになったと感じた。
コリン・ファースの沈んだ表情と演技、整然としたガラスの家。ジュリアン・ムーアの上品な着こなしと、寂しさを紛らわすために、彼女自身が言ったシモネタで、下品に笑う投げやりな表情。
そして、大画面で、目の化粧をするシーンは必見。ジョージの死を敏感に悟った男子生徒ケニーのニコラス・ホルトの一途さ。(このニコラス・ホルトは『パレード』の林遣人に似ていた)呆気ない幕切れだが、“生きる”希望を感じさせてくれた作品だった。(美)
2009年/アメリカ/シネスコ/ドルビーデジタル/101分
配給:ギャガGAGA
★10月2日新宿バルト9、他全国ロードショー
公式 HP >> http://www.asingleman-movie.com/
監督・脚本:ユン・ジェギュン
撮影:キム・ヨンホ
音楽:イ・ビョンウ
CG・視覚効果:ハンス・ウーリック
出演:ソル・ギョング(マンシク)、ハ・ジウォン(ヨニ)、パク・チュンフン(キム・フイ)、オム・ジョンファ(ユジン)、イ・ミンギ(ヒョンシク)、カン・イェウォン(ヒミ)、キム・イングォン
2004年、マンシクは遠洋漁業に出ていて津波に遭遇し、自分の判断ミスから幼馴染のヨニの父親を死なせてしまった。ヨニは海水浴客が訪れるリゾート地ヘウンデ(海雲台)で食堂を営み、告白を待っているがマンシクはなかなか伝えることができない。マンシクの弟ヒョンシクは救助員をしており、たまたま助けた自称女子大生のヒミに猛烈なアタックを受けて、たじたじ。
一方、日本海で頻発地震がおき、地質学者のキムはヘウンデ一帯の異常に気づき、警告を発するが真剣に聞いてもらえない。ちょうど国際会議の仕事できていた前妻のユジンに出会い、離婚後に産まれた娘が自分の存在を知らずにいると聞いて動揺する。リゾート客が海辺の遊びに興じ、住民たちが変わらぬ日常を送っている間にも、刻々と災害は近づいていた。
パニック・ムービーの面ばかりでなく、そこに暮らす人々の生活を丁寧に描いています。まず幾組ものドラマがあります。彼らが大切にしてきたものや、平和な日常、信じてやまない明日への希望や約束事が一瞬にして壊れていくさまを圧倒的な迫力で見せています。CG製作で難しいのは水の表現と聞きましたが、この映画の津波に目を見張りました。これは『デイ・アフター・トゥモロー』などのハリウッドのハンス・ウーリックが担当。その他は韓国のCGの第一人者であるチャン・ソンホがとりまとめたそうです。10mの津波の破壊力でさえとても大きいのに、100m!走っても泳いでも逃げ切れません。作り物とわかっていても、絶望的な状況の中で見られるこもごもの思いに涙してしまいます。(白)
2010年/韓国/カラー/107分
配給:CJ Entertainment Japan/パラマウント
(C)2009 CJ Entertainment Inc. All Rights Reserved
公式 HP >> http://www.mega-tsunami.jp/
監督:ジル・ブルドス
脚本:ジル・ブルドス、ミシェル・スピノザ
撮影:リー・ピンビン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ロマン・デュリス(ネイサン)、ジョン・マルコヴィッチ(ドクター・ケイ)、エヴァンジェリン・リリー(クレア)
ニューヨークの敏腕弁護士のネイサンは、最愛の息子を突然の病で亡くしたがその死をうけいれられずにいた。妻や娘とも離れ、仕事に没頭することで悲しみから逃れる日々をすごしている。そこへケイと名乗る医師が訪れる。彼は他人の死を予知する能力を持っていた。はじめは胡散臭くおもっていたネイサンは彼の病院を訪れ、死と向き合う人たちに出会う。ケイはネイサンの知人の死を予告する。ケイはメッセンジャーとして死期の近い人を知り、その運命を受け入れる準備をさせるのだと言う。ネイサンは自分に残された時間を考え、妻と娘に会いにいく決心をする。
ロマン・デュリスとジョン・マルコビッチがこんな形で競演するとは。不思議な物語を二人の俳優がひっぱっていきます。リー・ピンビンによる繊細なカメラワークも美しいミステリー、ファンタジー、ラブロマンスと3本柱の作品。2004年に発売されたギョーム・ミュッソのベストセラー小説が原作、映画公開に合わせて邦訳が小学館文庫から発売決定。これまで日本で紹介されているのは「時空を超えて」「天国からの案内人」、どちらも面白いです。(白)
2008/ドイツ、フランス、カナダ/カラー/107分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活
(C)Copyright 2008 FIDELITE FILMS - AFTERWARDS PRODUCTION INC - AKKORD FILM PRODUKTION - WILD BUNCH - M6 FILMS
公式 HP >> http://www.message-movie.com/
監督:熊澤尚人
脚本:根津理香、熊澤尚人
原作:椎名軽穂(集英社/別冊マーガレット連載)
製作指揮:宮崎洋
撮影:藤井昌之
美術:橋本優
編集:高橋信之
音楽:安川午朗
衣装:宮本まさ江
出演:多部未華子(黒沼爽子)、三浦春馬(風早翔太)、蓮佛美沙子(同級の友人・千鶴)、桐谷美鈴(同学年の胡桃沢)、夏菜(同級の友人・あやね)、富田靖子(爽子の母)、勝村政信(爽子の父)、ARATA(爽子のクラス担任)
黒沼爽子(くろぬまさわこ)は見た目が暗く、あだ名は「貞子」だ。周りから怖がられている。友人はいないが、本人は一人行動に慣れてしまい、「一日一善」を座右の銘として、学校でも実行している。そんな爽子の前に、爽子と正反対の風早翔太(かぜはやしょうた)と偶然にも口を聞くようになった。風早は、人知れず「一日一善」を実行する爽子に、特別な感情を持っていた。
過保護でお嬢様育ちの暗い爽子と、クラス一人気者の明るい翔太の恋はいかに? 高校生なんかにピッタリの作品。原作がコミックだから絵的にちょっと大袈裟?ってところもなくはないが、感情の行き違いや、本当に伝えたいことが伝わっているかを、考えさせてくれる清々しい作品。特に、携帯電話は一回出て来ただけで、「伝える」手段は、実際に会って、勇気を持って話し合う…。メールで伝え合う若者世界で、ちょっともどかしい恋物語を、どう受け止められるか楽しみだ。(美)
2010年/日本/カラー/128分/ビスタビジョン
© 2010映画「君に届け」製作委員会 © 椎名軽穂/集英社
★9月25日 東宝系映画館にて全国ロードショー
公式 HP >> http://www.kiminitodoke-movie.com/
監督:森淳一
脚本:三好晶子
出演:永作博美(三辺陽子)、西島秀俊(今西由紀夫)、板尾創路(幼馴染)、劇団ひとり(隣人)、田中圭(後輩社員)、勝村政信(里中)、佐津川愛美(里中の妻)、ふせえり(保険勧誘員)、北村有起哉(原田)、奥貫薫(原田の妻)、河原崎建三(師匠)、國村隼(伊東部長)、石野真子(伊東の妻)、ムロツヨシ(陽子の婚約者)ほか
三辺陽子が出社すると、伊東部長が自殺し、今西課長が失踪していた。会社は秘密裡に今西課長を探し出すように命じる。今西に1億円もの横領疑惑があり、その証拠を伊東に握られていたのではという。陽子は今西の足取りをつかむために、彼の友人知人を辿っていく。陽子の後を追ってきた後輩が「今西課長と関わった人たちがみな前より不幸になっている気がする」という。陽子は今西がいったいどんな人間なのかわからなくなってきた。
「ドラマW」の特別上映2本目の作品。WOWOWシナリオ大賞を受賞しています。謎の多い今西を西島秀俊がやわらかい関西弁で好演。さっぱりとして明るい陽子を永作博美。少ししか出てこないのに、視線を集めてしまうふせえり、義太夫宗家の妾腹の子を演じた子役も印象に残ります。映画2,3本作れそうなキャストが揃っていて、みごたえのある1本でした。(白)
2010年/日本/カラー/102分/
配給:角川シネプレックス
公式 HP >> http://www.wowow.co.jp/dramaw/hebi/
監督: チョン・ユンス(『僕の、世界の中心は、君だ』『食客』)
出演:キム・ミンソン(『下流人生』「ガラスの靴」他)、キム・ナムギル(「善徳女王」『後悔なんてしない』)キム・ヨンホ(『ユリョン』『アバンチュールはパリで』)
◆韓流シネマ・フェスティバル2010 “新しい風~セロウン・パラム~”オープニング作品(8/21)
18世紀末、イ・サン(正祖)の統治下、朝鮮ルネッサンスの花開いた時代。
シン・ユンボクは4代続いた宮廷絵師の家に跡継ぎとして生まれた。その天才的な絵画の腕を認められ、皆の前で腕前を披露する段になって、筆を持つ手が震え泣き出してしまう。実は、実際に絵を描いていたのは7歳の妹だったのだ。その夜、自ら命を絶ってしまうシン・ユンボク。父親に一家の名誉を守るべく、跡継ぎ“シン・ユンボク”として生きることを命じられた妹は、男装して女人禁制の宮廷に入る。
名絵師キム・ホンド(キム・ヨンホ)の指導の下、才能をさらに開花させたユンボクは、ある日、覗き見た女性たちが裸で水浴びする姿を描き、その大胆な風俗画で注目を浴びるようになる。一方で、低俗だと糾弾する人々から襲われ、鏡職人ガンム(キム・ナムギル)に助けられる。ガンムに女であることを知られ、二人は恋に落ちる。ユンボクの秘密に気づいた師であるキム・ホンドは、嫉妬の炎を燃やし始める・・・

現在、テレビドラマ「イ・サン」でお馴染みの宮廷の政を絵画で記録する部門である「図画署(トファソ)」。シン・ユンボクは、そのトファソでもっとも有名な絵師のひとりであるにもかかわらず、その人生はほとんど知られていないそうです。男女の交歓や妓生(きーせん)の生活を多く描いて、そのためにトファソを追われたとも伝えられています。シン・ユンボクが女性だったという仮説のもとに書かれた歴史ミステリーが「風の絵師」。ムン・グニョンとパク・シニャン主演のドラマをご覧になった方も多いことでしょう。
家名を守るため男として生きなければならなかった女性の気持ちが痛いほど伝わってくる作品。(咲)
2008年 韓国映画/韓国語/110分/1×1.85/ドルビーデジタル
配給:ツイン
宣伝:ブレイントラスト
公式 HP >> http://www.bijinzu.com/
監督:白石和彌
脚本:高橋泉、白石和彌
撮影:辻智彦
編集:加藤ひとみ
音楽:安川午朗
出演:小林且弥、内田慈、ウダタカキ、米山善吉 他
両親を亡くし知的障害者の兄と2人で暮らす弟は 兄の性欲処理のためデリヘル嬢マリンと契約する。秋葉原で 活動しながら風俗で稼ぐマリンには夢があった… 奇妙な 共同生活を始めた3人だったが、マリンの取材を続ける ドキュメンタリー作家によって互いを補うように生きてきた 3人の絆がもろくも崩れ去ろうとしたとき、はじめて彼らは 自分自身と向き合い、各々のやり方で圧倒的な世界と対峙する のだった-。
若松孝二監督などの下で演出力を学んだ白石監督の長編デビュー作。 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2009SKIPシティ・アワード受賞、 ロッテルダム国際映画祭、釜山国際映画祭正式出品など国内外でも 絶賛されました。現代社会が抱える問題や風俗を浮き彫りにしながらも 爽やかな独自の世界観が気持ち良かったです。 (千)
2009年/日本/115分
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
★9/18(土)ポレポレ東中野にてレイトショー!
公式 HP >> http://lostparadise.seesaa.net/
監督:山田洋次、阿部勉
企画・原案:山田洋次
脚本:山田洋次
撮影:近森眞史
音楽:富貴晴美
ナレーション:檀れい
出演:海老瀬はな(東出京子)、USA(梁瀬康太)、田中壮太郎(榎大地)、西田麻衣、北山雅康、ボルトボルズ弓川、アメリカザリガニ、田中泯出演
京都太秦にある大映通り商店街。クリーニング店の娘京子は立命館大学の図書館に勤めている。幼馴染の康太は豆腐店の息子だが、お笑い芸人を目指してオーディションに通う日々だ。どちらの両親も黙々と働き、子どもたちを育て上げたが、店を子どもに継がせようと無理強いなどせず本人の気持ちを尊重してくれている。康太を応援し続けている京子だったが、相方にもうあきらめると切り出された康太は、将来について悩み始めていた。長い付き合いの二人の間に漣をたてたのは、学問一筋で世慣れていない大学の先生、榎大地。京子にひとめぼれして一途に押し捲ってくる。

立命館大学客員教授の山田洋次監督が、映像学科の学生たちと一般公開できる作品を、と作りあげたもの。ご当地の太秦はかつて大映撮影所があり、商店街も映画の隆盛とともに賑わっていました。そのころの思い出を語るシーンは、住民たちと学生、俳優が渾然としてちょっとドキュメンタリーのような味わいもあります。康太を演じるUSAはEXILEのメンバーの一人で、デパートの中で踊るシーンはさすが、と思わせます。たくさん関わった学生たちが映画の道に進み、町をあげて協力してくれた人たちの期待にこたえる作品を、彼らが産み出してくれることを願っています。(白)
2010年/日本/カラー/90分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:松竹
監督・プロデューサー: リンダ・ホーグランド
撮影: 山崎裕
音楽: 武石聡、永井晶子
編集: スコット・バージェス
出演:会田誠、朝倉摂、池田龍雄、石内都、石川真生、嬉野京子、風間サチコ、桂川寛、加藤登紀子、串田和美、東松照明、冨沢幸男、中村宏、比嘉豊光、細江英公、山城知佳子、横尾忠則
出演・作品:佐喜眞加代子、ティム・ワイナー、半藤一利、保阪正康、高里鈴代
作品:阿部合成、石井茂雄、井上長三郎、市村司、長濱治、長野重一、浜田知明、濱谷浩、林忠彦、丸木位里、丸木俊、森熊猛、山下菊二
1960年6月に日米安全保障条約(安保)が岸信介政権下で自動更新されるまでの一ヶ月間、国会議事堂周辺は安保に反対するデモで溢れかえった。その安保闘争から半世紀。本作は、日本で生まれ育ったアメリカ人のリンダ・ホーグランド監督が、60年安保闘争を絵画・写真・映画などを通して描いたアーティストたちの証言を集め、日本にも抵抗の歴史があったことを検証したドキュメンタリー。
監督が本作を作るきっかけになったのは、1960年の濱谷浩の『怒りと悲しみの記録』という写真集と、画家、中村宏との東京都現代美術館の回顧展での出合い。彼らの作品を通して、60年安保闘争がいかに国民的な運動であったか、また、人々がいかに絶望と挫折を味わったかを知り、他にも安保闘争を描いたアーティストがいるだろうと探し、数多くの作品とアーティストへのインタビューで本作を構成している。
横尾忠則の強烈なイラストとコメントをはじめ、これまで意識して見ることのなかった安保をテーマにした作品の数々に驚かされました。安保故にいまだに日本に米軍基地があり、それがいかに日本に影響を与えているかをアメリカ人である監督が紐解いていくのは、立場的に複雑な思いがあったことでしょう。日本人自身が忘れてしまっている60年安保闘争のエネルギーを思い起こさせてくれました。50年前、私はまだ小学生になったばかりでしたが、国会議事堂前でデモに参加していた東大生の樺美智子さんが亡くなったことは、ショッキングなニュース映像として鮮やかに脳裏に残っています。子供心に「安保反対」の言葉が刻み込まれたものでした。『ANPO』を観て、当時の安保反対デモが、学生、労働者に主婦など様々な立場の一般市民が参加したものだったことを再認しました。神戸で高校教師をしていた父もデモに参加したことを思い出し、尋ねてみたら、「咲ちゃんも別の日にママと一駅歩いてるよ」と言われ、びっくり。まったく記憶にないのですが、その後、すっかりノンポリになってしまったのは、その反動でしょうか・・・
それはともかく、何かに対して自らの意見を表明するのに、いろいろな形があることを教えてくれた『ANPO』でした。(咲)
私は60年安保当時8歳で、咲さんより年上ですが、60年安保闘争のことは高校生になるまで知りませんでした。家にTVはなかったし、その年齢ではラジオもそんなには聞いてなかったから知らなかったのかもしれません。
1969年、高校3年の時にべ平連のデモに行って、70年安保闘争と60年安保闘争のことを知りました。
ベトナム戦争がきっかけで報道写真に興味を持ち、自分でも写真を始めた私にとって、この作品に出てきた写真家はほとんど知っていましたが、絵画などの作家は知らない方も多く、作品は見たこともないものがほとんどでした。
リンダ・ホーグランド監督は、アートがあったからアイディアが生まれ、アートで60年安保闘争とその時代を語ろうと思ったと言っています。日の目を見なかった絵画たち。この映画をきっかけに、こういうアート作品群があるということが、日本のみならず、世界に知られると嬉しいと語っていた監督。日本映画の英語字幕をたくさん作り、たくさんの日本人アーティストの通訳などをした経験から得た、知識と人脈とが、最大限に生かされた作品です。
この映画の中で一番印象に残っているのは、沖縄の普天間基地を見渡すことができる佐喜眞美術館の屋上で、佐喜眞加代子さんが「沖縄に来たら安保が見える」と修学旅行生に語っている場面でした。日本にある米軍基地の75%が沖縄にあるという現実。普天間基地への移転問題が話題になっていますが、この作品も含めて、安保のことを考えるきっかけになったらと思います。(暁)
2010年/カラー/ビデオ/16.9/89分/アメリカ、日本
配給: アップリンク
公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/anpo/
監督:下山天
原作:宮部みゆき
脚本:伊藤崇
キャスト:加藤ローサ(蓮見加代子)、中村蒼(師岡進也)、宅麻伸(蓮見浩一郎)、石黒賢(師岡三郎)、藤田朋子(師岡久子)、津田寛治(結城)、小市漫太郎(木原)、升毅(上村)、大杉漣(幸田社長)、甲本雅裕(宮本刑事)他
蓮見探偵事務所に、家出した息子を探してという依頼があった。依頼主は師岡三郎。17歳の次男、進也は家出を繰り返しているという。所長の娘加代子は愛犬のマサとともに進也を見つけ出すが、すぐ後に進也の兄、克彦の焼死体が発見される。克彦は将来を嘱望されていた高校野球界の花形選手であった。
WOWOWのオリジナルドラマ制作プロジェクト「ドラマW」として放送され、反響の大きかった2本がこのたび劇場で特別公開されるとことになりました。
まず1本目の本作は、人気作家宮部みゆきのミステリー小説が原作。本では愛犬のマサの目から見た物語になっていて、その分深刻さが薄れていました。「パーフェクトブルー」とは何か?が、ずいぶん読み進むまでわからず、そのころには良心など持たないかのように、営利優先で暗躍する大企業の姿が浮かび上がってきて、意外な展開に驚いたものでした。
主演の中村蒼(あおい)は、2年前の『ひゃくはち』では親友とレギュラーの座を争う補欠野球部員でした。今はより精悍になり、『BECK』『大奥』と出演作が続いています。(白)
2010年/日本/カラー/120分/
配給:角川シネプレックス
公式 HP >> http://www.wowow.co.jp/dramaw/blue/
公式 HP >> http://www.shitacome.jp/2010/
監督・脚本:香月秀之
脚本:松尾朝子
企画:有川俊
主題歌:東方神起 「With All My Heart~君が踊る、夏~」
出演:溝端淳平、木南晴夏、五十嵐隼士、大森絢音、藤原竜也、DAIGO、本田博太郎、宮崎美子、隆大介、高嶋政宏、高島礼子
プロのカメラマンになることを夢見て高知から上京した新平。カリスマ若手カメラマン高木四郎のアシスタントとして仕事に忙殺されながらも自信をなくしていたある日、母が入院したという知らせを受ける。5年ぶりに帰郷した新平は、病院で高校時代の恋人・香織に再会し、妹のさくらが小児癌で入院していることを知る。上京前の夏、よさこい祭りでチーム「いちむじん」(土佐弁で一生懸命の意)の纏(まとい)役だった新平を、さくらは「旗のお兄ちゃん」と呼び、翌年には一緒に踊ろうと約束していたのだった。さくらは、旗のお兄ちゃんと一緒に踊りたいと父や姉に懇願するのだが、発病して5年以上生きた子はいないと言われる難病。今年が5年目だった。無理を承知で、さくらの夢を叶えたいと、新平はチーム「いちむじん」の再結成を決意する。香織や親友の司の協力で50人以上のメンバーが集まり、祭に向け猛特訓で練習に励む新平のところに、カメラマンの登竜門とされる賞に新平の作品が選ばれたと連絡が来る。授賞式は、祭りと同じ日。欠席すると権利放棄とみなされるという・・・
人生で二者択一を迫られる場面は皆が経験していることでしょう。きっと、それぞれの岐路で正しい選択をしてきたはず。あの時、あっちを選んでいれば・・・と後悔しながらの人生は逆につまらない。新平の決断に思わずほろっとさせられました。
よさこい祭りが、敗戦でくじけた人々の気持ちを盛り立てようと町興しのために始めた祭りだということを、本作を観て知りました。振付も衣装も自由な踊り。纏をさばく躍動感溢れる新平と司の姿に目を見張りました。本作は、プロデューサーである有川俊さんが踊り子たちの笑顔に魅了され、よさこい祭りをモチーフに映画を作りたいと企画したもの。取材するうちに難病を抱えながら一心に踊る少女に出会い、物語の核が出来上がったそうです。沈下橋、はりまや橋、桂浜、高知城、茶畑など高知の素晴らしい風景も楽しめる作品です。(咲)
2010/日本/123分
配給:東映
公式 HP >> http://www.kimi-natsu.com/
監督・製作・脚本・美術:アスガー・ファルハディ
製作:シマイェ・メヘル、マームード・ラザウィ
撮影:ホセイン・ジャファリアン
音楽:アンドレア・バーワー
出演:ゴルシフテェ・ファラハニー、タラネ・アリシュスティ、シャハブ・ホセイニ、メリッラ・ザレイ
カスピ海沿いの別荘に家族連れで繰り出した大学時代の仲間たち。快活で皆のリーダー役の女性セピデーは、ドイツ人女性との結婚に失敗したアーマドの新しい相手にと、仕事仲間の保育士エリを連れてきていた。一泊で帰りたいと、そわそわするエリ。別荘の鍵を借りに行くと、予定していた別荘はオーナーが来る為、利用できないという。仕方なく長年使われていなかった朽ち果てた別荘を借り、何とか泊まれるように整える一行。男性たちは外でキャバーブを焼き、子供たちはエリと一緒に浜辺で凧揚げに興じている。ふっと大人たちが目を離した隙に、男の子が溺れた・・・と、女の子が泣きながらやってくる。ほどなく男の子は助けられたが、エリの姿が消えていた。早く帰りたがっていたエリは、皆に黙って帰ってしまったのか? それとも、男の子を助けようとして溺れたのか・・・ 皆の憶測が飛ぶ。果たして、真相は?
エリが消えたのに、連れてきたセピデー自身、彼女の本名を知らない。セピデーが知っていたのは、彼女に婚約者がいて、婚約破棄したがっていたということ。エリ自身、婚約破棄が成立してから、新しい相手を紹介して欲しかったのだが、アーマドはドイツに帰ってしまう身。なんとか一時帰国中にセピデーは彼女と引き合わせたかったのだ。そんな事情は、エリの名誉のため口が裂けても皆には言えない。(イランで婚約しているという状態は、日本で考える以上に重大。)
イラン人は親戚や友人で集まるのが大好きな人たち。本作では、イランの普通の人たちが休暇になると皆で郊外に繰り出す姿が描かれていて、宗教でガチガチというイメージを覆されるのでは?と、ちょっと嬉しい。独身の男女を友人や家族(特にお姉さんやお母さん)が引き合わせる風潮も垣間見れて、一見閉鎖的と思われるイラン社会のどこで相手を見つけるの?という疑問にも答えてくれるでしょう。事が起こった時に、人々の本音が出る姿は、これはどこの国でも同じ。人間の微妙な心理を見事に描き出しています。(咲)
2009年/イラン映画/1時間56分/アメリカンヴィスタ(1:1.85)/35mm/ステレオ
第59回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞受賞
配給 ロングライド
宣伝:テレザ
公式 HP >> http://www.hamabe-movie.jp
監督・脚本:マイケル・ホフマン
製作総指揮:アンドレイ・コンチャロフスキー
原作:「終着駅-トルストイ最後の旅-」ジェイ・パリ―ニ(新潮文庫刊)
出演:ヘレン・ミレン、クリストファー・プラマー、ジェームズ・マカヴォイ、ポール・ジアマッティ、アンヌ=マリー・ダフ、ケリー・コンドン
「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」などで知られるロシアの偉大な文豪レフ・トルストイ。 晩年、伯爵の爵位も財産も家族も捨て、貧困と菜食主義の独り身になると宣言する。50年近くトルストイに連れ添ってきたソフィア伯爵夫人は、それがトルストイの弟子ウラジミール・チェルトコフの差し金らしいと知り、新しい遺書に署名させてはならないと憤る。遺書には、トルストイの作品の権利を家族ではなく、ロシア国民に与えると書かれているのだ。ソフィア夫人と弟子チェルトコフの抗争に嫌気が差したトルストイは82歳にして真夜中に家出するが、途中のアスターポヴォ駅で倒れてしまう。世界中から報道陣の詰め掛けた小さな駅に、ソフィア夫人の乗った特別列車が到着するが、チェルトコフは駅舎のベッドに横たわるトルストイに会わせまいと阻止する・・・
小さな駅で最期を遂げた文豪トルストイを取り巻く弟子たちとソフィア夫人の様子が、チェルトコフに雇われた新人秘書ワレンチンの目を通して描かれる。世界3大悪妻とされるソフィア夫人だが、長年連れ添った夫が病に伏しているのに会わせまいとするチェルトコフには、素直に疑問を感じる男だ。ワレンチン自身、トルストイの理想とする肉欲のない精神的な愛の形に心酔しているが、同じくトルストイを信奉するマーシャという女性と恋に落ち、愛の形に悩む。 本作は、トルストイとソフィア夫人の熟成した愛と、若い秘書ワレンチンとマーシャの愛の始まりを同時進行で描いた、愛についての物語。人間の永遠のテーマだろう。なお、トルストイが最期を迎えたアスターポヴォ駅は、現在、トルストイ駅と呼ばれている。有名な文豪トルストイの最期の様子を垣間見ることのできる作品でもある。(咲)
2009/ドイツ・ロシア/スコープサイズ/全6巻/3,089m/ドルビーデジタル/ドルビーSR/」1時間52分
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
宣伝:樂舎
公式 HP >> http://www.saigo-tabi.jp/
監督・脚本:イザベル・コイシェ
撮影:ジャン=クロード・ラリュー
プロダクション・デザイン:杉本亮
出演:菊地凛子(リュウ)、セルジ・ロペス(ダビ)、田中泯(録音技師 )、中原丈雄(長良)、榊英雄(石田)
音の溢れる街で繰り広げられる、孤独な大人のラブ・ストーリー
築地の魚市場で働くリュウは、ひそかに殺しも請け負っている孤独な女だった。町の音を集める録音技師はそんなリュウをそっと見守っている。娘を亡くした実業家の秘書から、娘の夫を殺してくれという依頼を受ける。いつもどおりにターゲットを確認にいき、ワイン商を営むスペイン人ダビに出会う。ダビは妻に自殺されて悲しみに沈んでいたが、その面影を追うようにリュウをラブホテルに誘う。リュウはダビに会うたびに惹かれていく。

『死ぬまでにしたい10のこと』のイザベル・コイシェ監督が、東京を舞台に孤独な人間模様を浮かび上がらせました。昼は魚をさばいて黙々と働き、夜には別の顔を見せるミステリアスな殺し屋リュウを菊地凛子。クールで凄みもあり、それでいて禁断の愛におちていく女らしさ、切なさもきちんと見せています。数少ない出演者もみな好演でした。夜のあかりのつく町並み、電車のようなホテルの部屋、にぎわう市場など場所は違っても赤と青色が綺麗で、絶え間なく重なっていてもうるさくない音とともに印象に残りました。(白)
2010年/スペイン/カラー/1時間38分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ディンゴ
公式 HP >> http://www.night-tokyo-day.jp/
監督:村谷嘉則
脚本:鈴木勝秀
撮影:飯田健介
マクロビオティック・コーチ:西邨マユミ
音楽:かみむら周平
主題歌:エリック・マーティン キャスト
出演:相武紗季(瑠璃)、眞木大輔(槙原佑樹)、塚本高史(塚本高史)、市川知宏(槇原聡史)、茂木健一郎(医師)、真琴つばさ(槇原仁子)、北大路欣也(槇原佑一郎)、市川亀治郎(水沢譲治)
幼馴染の二人、くいしんぼうの瑠璃はフードライターに、瑠璃にいつもおいしいご馳走を作っていた武はイタリアンのシェフになった。瑠璃がつきあっていた水沢にプロポーズされた晩、大切な言葉を伝えようと走り寄った武は、瑠璃の目の前で事故にあってしまう。武を巻き込んだのはピアニストの槙原佑樹。命をとりとめ、長い昏睡から目覚めた佑樹の意識は、亡くなった武のものだった。身体は佑樹でも、その佑樹の記憶は全くない。以前と違う佑樹の行動に家族は驚き、甥の聡史は協力を約束する。しかし武を奪った佑樹を瑠璃は許すことができず、説明にも耳を貸そうとしない。

身体の中に他人の意識が入ってしまうストーリー。古くは『転校生』、最近では『椿山課長の七日間』でしょうか。もっとありそうです。主演の眞木大輔はEXILEの一人、みんな多方面に活躍中ですね。ピアニスト役なので、メンバーからピアノ演奏を教わったそうです。塚本高史がシェフとして腕を振るってみせる料理の数々は、マクロビオティック・コーチの西邨マユミさん監修のもの。おなかがすく映画です。武の子ども時代を演じるのは岡山智樹くん13歳。将来が楽しみな美少年。(白)
2010年/日本/カラー/1時間45分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活
公式 HP >> http://www.koinapo.jp/
監督:金田敬
原作:富士山ひょうた
脚本:小林弘利、小鶴
出演:栩原楽人、高橋優太、篠田光亮、伊佐美紀、渡辺まき 他
富士山ひょうた原作の人気ボーイズ・ラブ・コミックの映画化。 高校時代の初恋の相手・倉田と偶然再会したフリーライターの 戸崎。覚えていないだろうと思ったが倉田は戸崎のことを覚えており、 当時の思いを暴露した戸崎は飲みに行った帰り、倉田に抱かれてしまう-。

人気漫画化・富士山ひょうたの世界を見事に実写化!多くの「純情」ファンも 納得の心ときめく作品に仕上がってます。純粋に人に恋するとは どういうことか、そして本当に好きになったとき、人はどんな気持ちに なるのか… 恋するもどかしさと優しさが交差するBL映画でした。 (千)
2010年/日本/78分
配給:ビデオプランニング
★9/4(土)渋谷シアター・イメージフォーラムにてレイトショー!
公式 HP >> http://jyun-jyou.com/
シネジャ特別記事:
監督:佐藤寿保
原作:中村淳彦
脚本:西田直子
撮影:鈴木一博
美術:羽賀香織
編集:山仲浩充
音楽:川端潤
出演:安井紀絵、佐久間麻由、鳥肌実、河合龍之介 他
日雇いでセックスを売る企画AV女優たちの性と生を インタビューで綴った同名ベストセラー・ノンフィクションの 映画化。地味に生きてきた22歳のOL純子は渋谷の街でスカウトマンに 誘われAV女優に… だが或る日、一人のAV女優が自殺した。 人気が無くなれば使い捨てにされるAV女優の現実が純子にも 降りかかる-。
ピンク四天王と称される佐藤寿保監督ですが、ピンク映画の枠を 超える独特な世界観を持つ映像作家として国内外に知られており 海外ではカルト的な人気。本作も見慣れている渋谷の街が、まるで 幻の世界の様に映る-市場規模1000億円と推定されるAV業界、年間2万 タイトル、月2000弱とすると、日々50~100本の新作が生まれている ことに… そんなにAV需要ってあるのでしょうか?!驚きました、、。 (千)
2010年/日本/105分
配給:ゼアリズエンタープライズ+マコトヤ
★9/4(土)テアトル新宿ほかロードショー!
公式 HP >> http://namaenonaionnatachi.com/
監督:小原剛
脚本:黒木久勝
撮影:伊東信久
出演:秋山莉奈、桃瀬美咲、中島史恵、柳ユーレイ 他
20××年の東京。平和に暮らしていた3人家族が突如、謎の暗殺集団に襲われる… 何故、母は殺されたのか?暗殺集団の目的は?ゴスロリファッションに 身を包んだ娘が復讐の鬼と化す!

『お姉チャンバラ』などでアクション監督を務めた小原剛監督の最新作。 特殊造形や残虐効果も凄かったですが、それよりなによりオシリーナこと 秋山莉奈さんのゴスロリファッションとアクションが可愛かったです。 (千)
2010年/日本/88分
配給:DHE 製作:ゴスロリ処刑人製作委員会
★9/4(土)シアターN渋谷にてレイトショー!
公式 HP >> http://www.ponycanyon.co.jp/galp/
シネジャ特別記事のほうにもインタビューがあります。
>>
『 ゴスロリ処刑人』初日舞台挨拶&秋山莉奈さん、小原剛監督インタビュー
監督:バリー・レヴィンソン
原作・脚本:アート・リンソン
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
音楽:マーセロ・ザーヴォス
出演:ロバート・デ・ニーロ(ベン)、ショーン・ペン(本人役)、キャサリン・キーナー(ルー)、ジョン・タートゥーロ(ディック)、ロビン・ライト・ペン(ケリー)、スタンリー・トゥッチ(スコット)、クリステン・スチュワート(ゾーイ)、マイケル・ウィンコット(ジェレミー)、ブルース・ウィリス(本人役)
ハリウッドで長年敏腕プロデューサーとして君臨してきたベン、最悪だったこの2週間を思い出していた。カンヌ映画祭への出品が決定しているショーン・ペンの新作の試写会で監督の演出が大不評。ブーイングの嵐を受けた女社長は、最終決定権はこちらにあると編集のやり直しを命じ、ベンは監督と交渉しなければならない。いっぽうブルース・ウイルスが最新作のクランクインに全くそぐわない風貌で現れ、こちらの説得にも手が掛かる。おまけに未練たらたらで別れた妻には男ができたようす。泣きはらした目をしている一人娘も気になる。
ハリウッドでプロデューサーとして活躍し、多くの作品を送り出してきたアート・リンソンが、自らの回想録を脚本化しました。わがままな大物俳優や意固地な監督とつきあう苦労などを描いた内幕もの。どれもこれも事実から遠くないのでしょう。ショーン・ペン、ブルース・ウイルスが本人役で登場するのが笑えます。実際こういう人なのかしら。
映画ファンなら思わず頬の緩む小ネタ満載。次から次へと難題がふりかかるベンを演じるのはこれまた大物俳優のロバート・デ・ニーロ。プロデューサーもつとめています。(白)
2008/アメリカ/カラー/104分/スコープサイズ/ドルビー/デジタル上映
提供:角川映画 配給・宣伝:フリーマン・オフィス
(C) 2007 2929 Productions LLC
公式 HP >> http://tih-movie.com/
監督・脚本:田中善之
脚本:月岡美知子
撮影:砂原洋一
美術:田中律子
出演:吉谷彩子、梅澤悠、吉川まりあ 他
「人を呪わば穴二つ……」高校のホラー文学研究部に所属するメンバーたちが学祭に向けて同人誌の制作に取り掛かることになった。部員のひとりが学園の七不思議をテーマにしたらどうかと提案したことによって、次から次へとメンバーに惨劇が襲う。襲った者の正体は? 学園七不思議の呪いは本当に実在するのか!?
本作で吉谷彩子さんは初主演。初期の谷村美月さんに似ている綺麗な女子高生でした。 その美少女たちの絶叫が聞けるホラー映画! (千)
2009年/日本/60分
配給:アムモ
★9/4(土)渋谷アップリンクにてレイトショー!
公式 HP >> http://tenbatsumovie.blog92.fc2.com/
●会期 2010年8月28日(土)〜9月05日(日)
●会場 1)シネマ・ジャック&ベティ
2)横浜市中区若葉町界隈の商店
●主催 ART LAB OVAアートラボ・オーバ
*アーティストがへんてこかわいいことをしているプロジェクト
http://artlabova.org/
横浜唯一の独立系映画館シネマ・ジャック&ベティ周辺にゆかりのある国の映画を上映し、関連トークや展示、イベントを通じて、私たちの身近な「世界」について考えます。
・会期 2010年8月28日(土)~9月3日(金)
・会場 シネマ・ジャック&ベティ
横浜市中区若葉町3-51
(京浜急行 黄金町駅5分/ 市営地下鉄 阪東橋駅5分/JR関内駅 15分)
TEL:045-243-9800
監督・原案:江川達也
脚本:ナーキカインド、保坂大輔
撮影:西久保弘一
美術:大庭勇人
音楽:堀善介
出演:石田卓也(スズ)、芦名星(チェーホフ)、窪塚俊介(殿下)、前田愛(ひこうき雲)、堀部圭亮(山登り)、山本浩司(横分け)、夏目ナナ(ヨシツネ)、ジェイ・ウェスト(ジョニーB)、佐藤千亜妃(八王子)、川村ゆきえ(白兎)、ジェリー藤尾(老人官僚)、木村佳乃(山咲)ほか
どこかに拉致され、目を覚ました男女10人。わけありな彼らはある契約を交わし集められていたのだった。自分の本名や出自を語ることはできず、それぞれ決まった呼び名があった。監視役からこれから10日間「王様ゲーム」を続けなければならないと言い渡される。行き来が許されているのは自分の部屋と広間だけ。窓の外も見えず、どこにいるのか皆目検討もつかない。監禁状態の中でゲームを続けるうちに、彼らの事情や本性があらわになっていく。

人気漫画家の江川達也が『東京大学物語』についでメガホンをとった作品。集められた多彩なキャストが密室の中で「王様ゲーム」をするという、舞台劇にしてもよさそうなストーリー。このゲームはお酒を飲んでワイワイと盛り上がってやるものでしょ? 事情を抱えていそうな面々が腹にいちもつ持ちながら暗い顔でされると悲壮です。10人の背景と深層心理が明らかになっていくところ、芦名星が“あんなかっこう”をさせられるところが見どころでしょうか。(白)
2010年/日本/カラー/93分/ビスタサイズ/DTSステレオ
配給:ファントム・フィルム
公式 HP >> http://king-game.jp/
監督:篠崎誠
脚本:相沢友子
原作:桐野夏生 「東京島」(新潮社刊)
プロデューサー:吉村知己、森恭一
音楽:大友良英
撮影:芦澤明子
照明:市川徳充
美術:金勝浩一
録音:滝澤修
編集:普嶋信一
コスチュームデザイン:勝俣淳子
ヘアメイク:徳田芳昌
出演:木村多江(清子)、福士誠治(GM/ユタカ/森軍司)、柄本佑(オラガ)、木村了(犬吉)、染谷将太(マンタ/カズちゃん)、鶴見辰吾(隆)、窪塚洋介(ワタナベ)
夫婦で旅の途中に嵐に遭い、隆と清子は、太平洋に浮かぶ無人島に漂着する。
こんな状況でも生き抜こうとする清子だが、夫・隆は日に日に衰弱していく。ある日、その島に若いフリーターの男たちが漂着。さらに密航に失敗した中国人6人が来て、男23人、女は清子ただ1人という生活がはじまる。
夫、隆は謎の死を遂げ、たった一人の女性として君臨していくのだった。
戦後すぐ、大いに世間を騒がせた「アナタハン島事件」という出来事があった。戦時中、漂流した船の乗組員が行き着いた孤島に、一人だけ女性がいたことから、彼女をめぐって男たちが殺し合いをしたというもの。その女性、比嘉和子は<アナタハンの女>と呼ばれ、孤島での生活はさまざまな憶測を呼んだ。
去年、京橋フィルムセンターで<発掘された映画たち2009>で女性監督・吉田とし子が、なんと本人(比嘉和子)を主演させて作った
『アナタハン島の真相はこれだ!!』を観た。製作されたのは、1953年。きっと話題の本人が出る!を目玉に作った作品だと思う。比嘉和子さんは腰みのみたいのを巻いて演じていた。50歳をはるかに超えた風貌で、この人を男たちが取り合いした状況がしばらくのみ込めなかった。
さて本作は桐野夏子が、この史実をベースに、現代に置き換えて書いた小説を、映画化したもの。
原作は読んでいないが、映画は、清子(40代)を取り合う男同士の喧嘩、言葉が通じない中国人との闘争、流れ着いた若い踊り子たちと男たち、それと、島から脱出するまでが描かれている。
何でもある今の日本、何にも無い東京島、そこで必要なものは生き抜く力と知恵と少しの嘘・・・。
生活用品も、本当に必要なものってそんなに多くないんだなと気付かせてくれた。
主演の木村多江は、実力のある女優さんだが、なんにもない島で最後まで眉が綺麗なままだったのが残念だった。
島で、唯一彼女に興味を示さない男(窪塚洋介)だけが、自然と闘っている現実な姿を感じさせてくれた。(美)
※『ビューティフル・アイランド』の監督・海南友子さんの名前をクレジットで見つけ、この撮影に加わっていていたことを知り嬉しくなった。
2010年/日本/カラー/129分/ビスタサイズ/ドルビーSR
配給:ギャガGAGA
★8月28日シネスィッチ銀座他、全国ロードショー
公式 HP >> http://tokyo-jima.gaga.ne.jp/
監督・脚本:荻上直子
エグゼクティブプロデューサー:尾越浩文
プロデューサー:小室秀一、他
撮影:マイケル・レブロン
編集:ジェームス・ブロックランド
衣装:堀越絹衣
音楽:ブードゥー・ハイウェイ
美術:ダイアナ・アバタンジェロ
フードスタイリスト:飯島奈美
出演:アレックス・ハウス(次男・レイ)、タチアナ・マズラニー(長女・リサ)、デイヴィッド・レンドル(長男・モーリー)、サチ・パーカー(謎の女性)、もたいまさこ(ばーちぁん)
「人生は、退屈の繰り返しに耐えることだ」と、プラモデルオタクの青年レイは、誰とも深く関わらないことを信条に生きてきた。 ところが、母の葬儀の直後から実家で暮らす破目になった。 実家には、4年も引きこもりのピアニストの兄モーリーと、エアギターで自分を表現しようとする勝気な女子大生の妹リサ、ばらばらに生きている三兄弟が、母の死の直前に、日本から呼び寄せた“ばーちゃん” と一緒に暮らしていくうちに、お互いの個性を受け入れながら、家族の絆を深めていく…。

荻上監督作品『かもめ食堂』や『めがね』と比べると、この『トイレット』は笑いが溢れている。
それに、ストーリー展開が生き生きしている。
作品中、出て来る問題のウォッシュレットだが、今、上海万博で日本のものが来場者に試使用されている。
このウォッシュレットは日本独自のものらしい。
オーストラリア在住の娘の夫エディは、名古屋のぼろい便座だけ温かいトイレで、すでに感動していた。
横浜の家のウォッシュレットでは、構造がどうなっているのかと、しきりに撫で回していた。
ちなみに、エディが驚いた日本3大ビックリは、<乗り物が時間どおりに来る><タクシーのドァが自動>
そして、この<ウォッシュレット>だった。
話がそれてしまったが、なんといってもこの作品の要は、英語が一言もしゃべれないお金持ちで気前がいい“ばぁちゃん”だ。
ウォッシュレットは日本独自らしいが、この“黙っていて、お金をくれる、ばぁちゃん”像は世界共通かも。(美)
この作品で、もたいまさこが演じたバーチャンは、荻上監督の初期作品『バーバー吉野』の美容院のおばさんに通じるものがある(この時ももたいまさこが演じている)。わけのわからない、なぞの怖そうな人物かと思ったら、ほんとはやさしい人だった。もたいまさこ演じるバーチャンはため息だけで台詞はなく、たった一言「モーリー クール!」と叫ぶだけ。でも、これが笑えて泣ける。荻上監督独特のシチュエーション設定とユーモアのセンス、もたいまさこの間の取り方が光る作品。
荻上ワールド全開!(暁)
2010年/日本・カナダ/カラー/35mm/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル/109分
配給:ショーゲート/スールキートス
公式 HP >> http://www.toilet-movie.com/
監督:白川士
企画・プロデューサー:山田雅子
原案:舞城王太郎
脚本:江良至 藤平久子
撮影:中堀正夫
編集:石川浩通
音楽:Audio Highs
音楽プロデューサー:安藤岳
主題歌:MAGIC PARTY「今夜はMAGIC BOX」
出演:相武紗季(真山杉奈)、溝端淳平(首藤友和)、板東英二(青島教授)、佐藤二朗(准教授)、渡部豪太(小池)、小松彩夏(香織)、河西智美(真央)、細川茂樹(冥王星O)、鈴木一真(山本壮平)、温水洋一(岡田)、板尾創路 (レポーター)、栗山千明(赤坂英子)、特別出演:平岡祐太(越前魔太郎/古里崇史) ほか
ラグビー部所属の単純明快なスポーツマン首藤友和は、大学院生の真山杉奈とすれ違い、人目で恋に落ちてしまう。彼女は友和の恋心を知り、研究に協力してと持ちかける。夜の研究室を訪ねてみると、そこには摩訶不思議な装置「ネック・マシーン」が鎮座していた。それは杉奈が開発中の、人間の想像力、妄想からお化けを作り出すマシーンだった。

原案の舞城氏は03年「阿修羅ガール」で三島由紀夫賞など、受賞およびノミネート歴のある作家。同一モチーフで別のストーリーを2本書き上げ、1本は2月に舞台化され、好評を博したそうです。もう1本がこの作品。ホラーと銘打っているものの人気の若手が出演する青春ストーリーでもあり、ホラー苦手の方も見られます。妙なマシーンを始め、なかなか濃いキャラが次々と登場するので、これは若い人たちがワーワーと観る作品なのでしょう。「冥王星O」のその後が気になります。(白)
2010年/日本/カラー/96分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース エンタテインメント
公式 HP >> http://www.project-neck.com/
監督:ウケ・ホーヘンダイク
製作:ピーター・ファン・ハイステ
脚本:ハンス・ドルトマンス、ウケ・ホーヘンダイク
撮影:サンダー・スヌープ
音楽:エルコ・バン・デ・メーベルフ、クリスティアーン・バンヘメルト
編集:ハイス・ゼーベンベルヘン
協力:アムステルダム国立美術館
2004年、レンブラント「夜警」やフェルメール「牛乳を注ぐ女」など数々の名作を所蔵する アムステルダム国立美術館は開館以来、オランダ史上最も大規模な文化施設の改築工事を始めるが 市民の猛反対などもあり計画はとん挫してしまう-。
トラブル続きの改築工事で何年も閉館状態のアムステルダム国立美術館のドキュメンタリー。 この大騒動の全容を撮ったのは、これまでホロコーストなどを扱ったドキュメンタリーで 定評のある女性監督ウケ・ホーヘンダイク。現段階では2012年度末にリニューアルオープン予定との事です。 同じ業界で働いている私にとっては他人事とは思えない大変勉強になった作品でした…。 (千)
2008年/オランダ/120分
配給:ユーロスペース
★8/21(土)渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー!
公式 HP >> http://www.ams-museum.com/
監督:原恵一
原作:森絵都(理論社刊、文春文庫)
脚本:丸尾みほ
キャラクター・デザイン:山形厚史
作画監督:佐藤雅弘
美術監督:中村隆
色彩設定:今泉ひろみ
撮影監督:箭内光一
音響監督:大熊昭
音楽:大谷幸
編集:小島俊彦
出演:富澤風斗(小林真)、宮崎あおい(佐野唱子)、南明奈(桑原ひろか)、まいける(プラプラ)、入江甚儀(早乙女)、中尾明慶(真の兄・満、)麻生久美子(真の母、)高橋克実(真の父)
天上と下界の間で彷徨っていた僕の魂に、プラプラという天使が「おめでとうございます!あなたは抽選にあたりました。あなたは、大きな過ちを犯して死んだ魂ですが、もう一度下界に戻るチャンスがあたえられました」と告げられた。僕の魂は、自殺で息を引き取ったばかりの中学生の体に入り込み、<小林真>として生きることになった。
『借り暮らしのアリエッティ』『昆虫物語みつばちハッチ』『トイ・ストーリー3』とアニメの水準が高いこの夏。 大きな宣伝はしていないが、是非とも観ていただきたいアニメが『カラフル』だ。 小学校高学年から高校生まで、いや“生き切れ”をしている大人の方にも観ていただきたいと思う。 「死んだら駄目だ!生き抜け!あなたをそっと見守っている人が必ず傍にいる!」と直球で訴えてかけている作品。 役と声がぴったりで、特に麻生久美子と宮崎あおいは、アニメ人物自体から声が出ているように感じるほどだった。 アニメもたくさん観ているが、他には無い、細かい人間のしぐさが丁寧に描写されている。 人をよくよく観察してみえる監督さんだ。(前作は『河童のクゥと夏休み』) 母親が物思いにふけり、灯油をこぼしてしまうが、その場面でタイルに灯油が広がっていく描写は、 どんな技術なのだろうと感心した。なんでもない、ただそれだけのシーンをもう一度観たいみたいと思った。 原作を読んでいる最中だが、今のところ映画と原作の甲乙はつけがたい。(美)
2010年/日本/カラー/上映時間:2時間7分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東宝
★8月21日 東宝系映画館にて全国ロードショー
公式 HP >> http://colorful-movie.jp/
監督・脚本:ユン・ジェグ
撮影:イ・ソンジェ
音楽:モク・ヨンジン
出演:チャ・スンウォン(キム・ソンヨル)、ソン・ユナ(ジヨン)、リュ・スンニョン(ジャッカル)、パク・ウォンサン(チェ刑事)、キム・イングウォン(パク・キョンホ)
キム・ソンヨル刑事は組織のナンバー2、ドンチョルの殺人現場に残されたものを見て驚く。コップの口紅、片方のイヤリング、ボタン、みな妻のジヨンのものだったからだ。妻の犯行とは思えなかったが、ドンチョルとのかかわりがわからない。しかし、妻に疑いがかることを恐れたソンヨルは、同僚の目を盗み、思わず現場にある証拠を消してしまっていた。目撃者のパク・キョンホに因果を含め、帰宅したジヨンを問いただすが「あなたには夫として私に尋ねる資格などない」と拒絶される。うしろめたいところのあるソンヨルは黙るしかなかった。一方、組織のボスである冷酷なジャッカルも、殺された弟ドンチョルの報復をするため犯人を捜していた。

秘密のある夫婦を軸に、残忍なジャッカル、同僚の刑事たち、目撃者の若い男と何人もが入り乱れてストーリーが進行していきます。二転三転しながらもしっかり着地するのに感心しました。ユ・ジング監督は『セブンデイズ』の脚本で高い評価を受け、それに続く『シークレット』では自ら監督に進出しました。この2作は“セービング(saving)”4部作と名づけられたシリーズもの作品で、「主人公が誰かを救う」サスペンスになっています。3作目はホラーテイストの『セービング・マイ・フレンズ』、4作目はSFテイストの『セービング・マイ・アース』と予定されているそうで、楽しみです。(白)
2009年/韓国/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:CJ Entertainment Japan
公式 HP >> http://www.secret-movie.jp/
監督:ジョン・タートルトーブ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:ダグ・ミロほか
撮影:ボジャン・バゼリ
プロダクションデザイン:ナオミ・ショーハン
衣装デザイン:マイケル・カプラン
編集:ウィリアム・ゴールデンバー
グ
音楽:トレヴァー・ラビン
出演:ニコラス・ケイジ(バルサザール・ブレイク)、ジェイ・バルチェル(デイヴ・スタットラー)、アルフレッド・モリナ(マクシム・ホルヴァート)、リーサ・パーマー(ベッキー・バーンズ)、モニカ・ベルッチ(モルガナ・ル・フェイ/ヴェロニカ)ほか
善と悪の魔法使いの戦いは、人間のあずかり知らぬところで太古から繰りひろげられてきた。善の魔法使いマーリーンの弟子、バルサザールは邪悪な魔法使いモルガナを封じ、とどめをさすことのできる「選ばれし者」を長い間探していた。現代のニューヨークでついに見つけたのは、物理オタクの気弱な大学生デイヴだった。デイヴは子どものころから周りから浮いていた存在だったが、自分が魔法使いの後継者になるとは信じられない。バルサザールは混乱するデイヴに有無を言わさず、強引に自分の弟子として魔法の特訓を始める。800年の時を経て悪の魔法使いも蘇りつつあった。デイヴの秘められた力は覚醒し、対決に間に合うことができるのか??
『ナショナル・トレジャー』のジェリー・ブラッカイマー、ジョン・タートルトーブ、ニコラス・ケイジが再びトリオで贈るファンタジー&アドベンチャー&アクション大作。ニコラス・ケイジ演じるバルサザールの弟子に抜擢されたジェイ・バルチェルは、『ヒックとドラゴン』でヒックの声優をつとめたばかり。今後の成長が楽しみです。
NYの街中での善の魔法使いマーリニアンズ、と悪の魔法使いモルガニアンズの対決シーンはもちろん、ディズニーアニメ『ファンタジア』にオマージュをささげた魔法の特訓シーンも、よりぬきのスタッフにより、たいへん楽しいものになっていました。お子様はドラゴンボール!とか、カメハメ波~とか反応しそうです。ただ最初っから飛ばしたので、最後がちょっともの足りなかったかな~。衣装や小物にも凝っていますが、場面転換が早いのでじっくり見るのはまた後のお楽しみでしょうか。私はバルサザールが営んでいる骨董品やさんに興味津々です。(白)
2010年/アメリカ/カラー/110分/シネマスコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)2009 Disney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckheimer, Inc. All Rights Reserved.
公式 HP >> http://www.disney.co.jp/deshi/
監督:ハラルド・ズワルト
脚本:クリストファー・マーフィー
オリジナル脚本:ロバート・マーク・ケイメン
出演:ジェイデン・スミス(ドレ・パーカー)、ジャッキー・チェン(ハン)、タラジ・P・ヘンソン(シェリー・パーカー)、ハン・ウェンウェン(メイ)、ワン・ツェンウェイ(チョン)、ユー・ロングァン(リー師範)ほか
12歳のドレの父親が亡くなり、住み慣れたデトロイトの家から北京に移り住むことになった。ドレはバイオリンを弾く少女メイと出会い、心ひかれるが、親同士が友達だという少年チョンに目をつけられてしまう。毎日執拗ないやがらせに逢うドレは、強くなりたいと武術学校を訪ねてみる。練習風景に目を輝かせたが、そこにはチョンと仲間がいた。家の近くで取り囲まれてしまったドレを、管理人のハンが助ける。彼はカンフーの達人だった。
1984年のオリジナル『ベスト・キッド』の生みの親、ジェリー・ワイントローブがこのヒット作を現代の北京におきかえ、リメイクしました。主役のジェイデンの両親ウィル・スミスとジェイダ・ピンケット・スミスも製作に携わっています。父親と共演した『幸せのちから』で可愛い男の子だったジェイデンくんは、すっかり精悍な少年となっていました。オリジナルでのパット・モリタの師匠役が忘れられませんが、ウィル・スミスから師匠役のオファーをもらったのは、ジャッキー・チェン。30年前、一人ハリウッドに乗り込んで気を吐いた彼は、未知の土地にやってきたドレの気持ちに共感したといいます。
ジェイデンのカンフーの指導にあたったのは、ジャッキー・スタント・チームのウー・カンですが、ジェイデンは撮影中ジャッキーからも本当の師弟のように多くを学んだそうです。後半見違えるようなジェイデンのきれいなハイキックや早い動きが練習の成果を物語っていました。
悪役をしたてねばならないので、武術学校の教えがえ?というようなものになっていましたが、フィクションなのでご容赦を。武術の聖地である武当山の風景や、カンフー大会の盛り上がりもよくご覧ください。父を亡くした子と子を亡くした父の物語でもあり、アクションだけでない、ジャッキーの父親としての演技が胸をうちました。(白)
2010年/アメリカ、中国/カラー/140分/シネマスコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式 HP >> http://www.bestkid.jp/
監督:ミリアム・トネロット
撮影: ディディエ・リクー
アニメーション:ジェローム・ジュプレ
音楽: マルク・ハンスマン
スチル撮影: 佐竹茉莉子
出演:〔駅長〕たま、〔おくりねこ〕オスカー、〔カメラネコ〕ミスター・リー、〔お泊まりねこ〕ジンジャー、鹿島茂(明治大学教授、仏文学者)石野孝(獣医師)
ネコが教えてくれる「人間らしい暮らし」とは?
19世紀以前、フランスではネコは偽善的でケチな動物、悪魔の化身などと忌み嫌われ、ネコだけを描いた絵がないほどネコは否定的イメージだった。それがフランス革命で一変する。ネコは自由の象徴となったのだ。そして、ジャポニズムの到来。広重の描いた独特のポーズがネコをスターへと押し上げる。
本作は、フランス在住のミリアム・トネロット(ベルギー生まれ、国籍イタリア)が、行方不明の愛猫を追う形で、フランスから日本、イギリス、アメリカへとネコを観察して歩いたドキュメンタリー。
夏目漱石に誘われて最初にたどり着くのが日本。水俣で狂ったようにのた打ち回って次々に海に落ちて行くネコ・・・。そして魚を食べなくなったネコ。産業廃棄物に侵された水俣の海を教えてくれたのは猫だったという。
アメリカ・ロードアイランド州の認知症患者の終末医療病棟に住むオスカー。数匹いる介添えネコの1匹で、彼は患者の死を4時間前に察知して寄り添うという。同時に二人の死期が近づいたときには、家族の来ていない患者のほうを選ぶという不思議な能力を持っているそうだ。
ネコの目を通して人間社会の抱える問題が次々に浮き彫りにされていく興味深い作品だった。数々のエピソードを丹念に調べて取材したミリアム・トネロット監督。彼女は本作の取材で訪れた東京のネコ事情をさらに掘り下げ、『TOKYO LOST CATS(東京迷いネコ)』を編集作業中とのこと。彼女の目に日本社会はどのように写ったのだろう。楽しみだ。
(咲)
2009年/フランス/89分/ビスタサイズ/デジタル上映
配給:ツイン
公式 HP >> http://www.neko-doko.com/
監督:グラント・ヘスロヴ
脚本:ピーター・ストローハン
原案:ジョン・ロンスン(「実録・アメリカ超能力部隊」村上和久訳・文春文庫)
製作総指揮:バーバラ・ア・ホール、ジェイムス・ホルト他
製作:ポール・リスター、ジョージ・クルーニー他
撮影:ロバート・エルスウィット
美術:シャロン・シーモア
編集:タチアナ・S・リーゲル
音楽スーパーヴァイザー:リンダ・コーエン
音楽:ロルフ・ケント
衣装:ルイーズ・フログレイ
出演:ジョージ・クルーニー(リン・キャシディ)、ジェフ・ブリッジス(ビ・ジャンゴ)、 ユアン・マクレガー(ボブ・ウィルトン)、ケヴィン・スペイシー(ラリー・フーパー) 、 スティーブン・ラング(ホプグッド将軍)、ニック・オファーマン(スコティ・マーサー)
地方新聞社の記者ボブ・ウィルトンは離婚の痛手を断ち切ろうと、イラク戦場へ取材に向かった。そこで、出会ったのが、ビジネスマン風のアメリカ人リン・キャシディ。 彼は現役の特殊工作員で、昔、極秘部隊‘新地球軍’にいたことのあるエスパー兵士だった。 ウィルトンは胡散臭いものを感じながらも行動を共にするのだった。
主演の4人がすごい!ジョージ・クルーニー『マイレージ・マイライフ』、ジェフ・ブリッジス『クレイジー・ハート』、ユアン・マクレガー『フィリップ、きみを愛してる!』、ケヴィン・スペイシー『月に囚われた男』で、今年公開された優れもの作品に出ている。 この4人が、これまた薄汚い恰好で、妙な行動をきまじめに見せてくれる。 映画の始めに「信じられないほど、真実の話」と記してあったが、どこが本当で、どこが脚色なのかわからない。 観たあと?マークが頭に何本がたっているようだった。 それにしても、なんと題名の中に(と)が四つもある。死と(共に)、使途、死闘、嫉妬・・・深読みしすぎた。素敵なこの四人の男に、ヤギを念力でバタンと死なせてしまうくらい見つめられたら、 この暑さの中でなくても、私、バタンとあの世に逝くかも。(美)
2009年/アメリカ、イギリス/カラー/94分/35mm/シネマスコープ
公式 HP >> http://www.yagi-otoko.jp/
開催期間:
2010年8月10日(火) 青山劇場 (オープニング会場)
2010年8月19日(木)~8月22日(日) 調布市文化会館 (メイン会場)
日本で唯一のこどもたちの世界映画祭『キンダー・フィルム・フェスティバル』。1992年にスタートし、世界三大映画祭であるベルリン国際映画祭の児童映画部門ディレクターのレナーテ・ツィラ氏を迎え、毎年ベルリン国際映画祭より厳選した作品が上映されています。
第18回目となる本年の映画祭実行委員長には、一昨年度から実行委員としてプログラム監修にも携わっている女優の戸田恵子さんが就任。
10日のオープニングでは、70年代に放送された大人気のテレビアニメ作品をドイツで実写映画し記録的な大ヒットを収めた『小さなバイキング ビッケ』が戸田恵子さん、山寺宏一さん、佐久間レイさんらによる豪華なライブ吹替で上映されます。
そのほか、お子さんからお父さん・お母さんまで幅広い年齢層をターゲットにしたイベントも盛り沢山です。上映作品やイベントの詳細を公式HPでご確認のうえ、ぜひ家族連れでお出かけください!

昨年の第17回キンダー・フィルム・フェスティバルで子ども審査員を務めた結女(ゆめ)さんの素敵な経験をシネジャ特別記事にアップしています。
http://www.cinemajournal.net/special/2009/tiff6/index.html
主催:キンダー・フィルム・フェスティバル実行委員会、社団法人キンダー・フィルム
共催:東京都、調布市、財団法人児童育成協会こどもの城、ドイツ文化センター
公式 HP >> http://www.kinder.co.jp/index.html
監督:金田敬
原案:紺野けい子
脚本:金杉弘子
出演:植野堀まこと、河合龍之介 他
広告会社のIT部門で働く佐々木は本社のエリート社員・田村に恋心を抱いていた。
仕事の為に一人暮らしを始めた佐々木。そんな或る日、佐々木は田村が幼馴染・佐和子の元恋人であることを知り動揺する…
何かで聞いたことがある
「住処をかえるとその人の運命も変わる」と-。

13代目いいとも青年隊やミュージカル「テニスの王子様」で人気の植野堀まことさんの初長編映画で初主演。 細くてフェミニンでゲイ役を好演してました。 (千)
2010年/日本/89分
配給:ビデオプランニング
★8/7(土)渋谷イメージフォーラムにてレイトショー!
公式 HP >> http://aikoto.com/
特別記事 >> 『愛の言霊 ~世界の果てまでも~』初日舞台挨拶
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン
製作総指揮:ルイス・ミニャーロ、ガエル・ジョーンズ
撮影:ナターシャ・ブレイア
美術:マイテ・サンチェス
編集:ヌリア・エスケーラ
出演:グザヴィエ・ラフィット、ピラール・ロペス・デ・アジャラ 他
フランスの古都ストラスブールを舞台に6年前に愛しあった女性シルビアの面影を 求めて想い出の地をさまよう画家志望青年の恋物語。
監督自身の実体験を基に19世紀ロマン派詩人ジェラール・ド・ネルヴァルの「シルヴィー」からヒントを得て製作した作品。好きだった女子にソックリなコをストーカーしちゃう青年の気持ちは分からなくもないです。美しい古都の映像で異空間体験できました! (千)
2007年/スペイン=フランス/カラー/85分
配給:紀伊国屋書店、マーメイドフィルム
★8/7(土)渋谷イメージフォーラムで彼女に会える!
監督:バフマン・ゴバディ(『酔っぱらった馬の時間』『亀も空を飛ぶ』)
出演:ネガル・シャガギ、アシュカン・クーシャンネジャード、ハメッド・ベーダード
クルドを舞台に撮り続けてきたゴバディ監督。初めてテヘランで映画を撮ろうと3年前から申請するも許可が出ず絶望していた時、アンダーグランドで音楽活動する人々と知り合う。違法のジャンルに挑む勇気に魅せられて撮ったのが本作。
ネガルと、そのボーイフレンドのアシュカンはインディー・ロックを愛するミュージシャン。彼らは、国内で演奏許可が下りないならヨーロッパ公演を目指そうとビザの入手に奔走する。17日間の撮影を終えた4時間後、二人は実際に出国。偽造ビザを作る老人は俳優が演じているが、他は実在の人物である。
街中の住宅で大きな音で楽器を奏でるとすぐに通報されてしまうからと、練習場所に困って郊外の牛舎で練習したら、牛がストレスで痩せてしまってミルクの出も悪くなったのには笑った。
イスラーム革命後、女性のソロや西洋的な音楽が禁止された。80年代後半、イランの友人宅で革命前と変わらぬ軽快な音楽に合わせて踊る姿に驚いたら、アメリカ在住イラン人の録音したカセットテープが簡単に入手できると言われた。本作を観て、今やアメリカ発信でなくイラン自体で様々な禁止音楽が奏でられていることを知った。しかも、担い手の多くは革命前を知らない世代である。
つい先日、革命直後に生れ、今は日本に住むイラン人男性から、イランにいた小学生の頃、マイケル・ジャクソンの音楽もちゃんと聴いていて、それに触発されて自分も音楽の道に進んだと聞かされた。政府がいくら禁止しても、人々が求めるものはちゃんと入っているのだと思った。
さて、本作、冒頭でゴバディ監督自身も美声を聞かせてくれるので、お見逃しなく! (咲)
イラン/2009年/カラー/106分/HD→35㎜/1:2.35/ドルビー
配給:ムヴィオラ
公式 HP >> http://persian-neko.com/
監督・撮影・編集:ダーティ工藤
プロデューサー:岡田博
MAエンジニア:吉方淳二
編曲:松田眞樹
レコーデイングエンジニア:斎木琢磨
編集技術:飯塚崇浩・湯川佳苗
タイトルデザイン:つげ義春
出演:瀬川昌治・宮川一郎・ひし美ゆり子・杉作J太郎・佐野史郎 他
つげ忠男原作の漫画を1995年に映画化した『無頼平野』の撮影風景や石井輝男ゆかりの人々のインタビュー、石井輝男所蔵の膨大なスナップ、などを中心に石井輝男その人の、創造の秘密に迫る活動写真ドキュメント。
今年は石井輝男監督の没後5年。命日に合わせて一般公開する運びとなった ダーティ工藤監督渾身の作品です。私は10代の時に石井輝男監督の 江戸川乱歩シリーズなどを観て、かなりトラウマになった思い出が(苦笑)。 石井監督が心酔していた暗黒舞踏、自ら現地に赴いて撮影した“むしびらき” など貴重な映像も登場します! (千)
2010年/日本/DVカム/80分
製作・配給:ワイズ出版 宣伝:スリーピン
★8/7(土)渋谷ユーロスペースにて復活のレイトショー!
監督・脚本:クリス・サンダース、ディーン・デュボア
原作:クレシッダ・コーウェル 「ヒックとドラゴン」(小峰書店刊)
プロダクションデザイン:キャシー・アルティエリ
美術監督:ピエール=オリヴィエ・ヴィンセント
音楽:ジョン・パウエル
声の出演:ジェイ・バルシェル(ヒック)、ジェラルド・バトラー(ストイック)、アメリカ・フェレーラ(アスティ)、クレイグ・ファーガソン(ゲップ)、ジョナ・ヒル(スノット)、T・J・ミラー(タフ)、クリステン・ウィグ(ラフ)、クリストファー・ミンツ=プラッセ(フィッシュ)
遠い昔のこと、はるか海のかなたにあるバーク島には代々バイキングが住んでいた。えさを求めてやってくるドラゴンから村を守るため、長い間戦い続けてきた。一族のリーダーの一人息子のヒックは気弱で優しく、周りからは落ちこぼれと見られていた。彼の願いはドラゴンを仕留めて一人前のバイキングと認められること。打ち落とすための武器を手作りしていたヒックにようやくチャンスが巡ってくる。誰も捕らえたことのない伝説のフューリー族のドラゴンに出会ったのだ。

ドラゴンは想像上の動物にも関わらず、絶滅した恐竜や身近な爬虫類を思わせて人気があります。童話や小説、ゲームにも数多く登場します。この作品に登場するドラゴンたちは、どれも魅力のあるキャラで、思わずドラゴンマニアになりそう。ヒックが出会うナイト・フューリーの“トゥース”の表情の豊かさをご覧ください。もっと小さければ一匹ほしい!
クリス・サンダース&ディーン・デュボア監督は『リロ&スティッチ』を大ヒットさせています。そういえばトゥースが大きく口を開けるとスティッチに似ています。3Dと2D両方の上映を観ましたが、字幕版か吹き替え版かの好みで選ばれたほうがいいかもしれません。よく描きこまれた背景や質感、飛翔するスピードなど、どちらの上映でも素晴らしかったです。(白)
2010年/アメリカ/カラー/1時間38分/シネマスコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:パラマウント
公式 HP >> http://www.hick-dragon.jp/
監督:マルタン・プロヴォスト
脚本:マルタン・プロヴォスト、マルク・アブデルヌール
撮影:ロラン・ブリュネ
音楽:マイケル・ガラッソ
出演:ヨランド・モロー(セラフィーヌ)、ウルリッヒ・トゥクール(ウーデ)、アンヌ・ベネント(アンヌ・マリー)、ジュヌヴィエーヴ・ムニシュ(デュフォ夫人)、ニコ・ルグナー(ヘルムート)、フランソワーズ・ルブラン(修道院長)ほか
花に話しかけ、木に耳をすませて、心のままに私は描く
1912年、フランス郊外の家にドイツ人画商のウーデと、アンヌ・マリーの兄妹が引っ越してくる。家主の食事会に呼ばれたウーデは、部屋の片隅にあった静物画に目を止める。力強い素朴な絵は家政婦のセラフィーヌが描いたものだった。身近なものから絵の具を作り出し、自分の思うまま描いていたセラフィーヌは、ウーデの支援を得て画材を揃え、作品を次々と完成させてゆく。しかしドイツ人のウーデは近づいてくる戦火に終われ、村を脱出する。1927年フランスに戻ったウーデは、変わらずに描き続けているセラフィーヌに再会する。
実在の女性画家の半生記です。貧しい家の生まれで少女のころから下働きを続けていたセラフィーヌは信心深く、41歳のときに守護天使から啓示を受けて、絵を描き始めたそうです。女学校に雇われていた13歳のときに美術の授業を見たことがあったほか、特に教えを受けたことはないようです。自然の懐の中で感じるままに描いた絵は、素朴で力強いものです。画商に見出されたことで世間に知られるようになり、それが彼女の精神のバランスを崩してしまったのだとしたら、たいへん痛ましい気がします。演じるヨランド・モローは、セラフィーヌにとても良く似ているそうです。(白)
2008/フランス、ベルギー、ドイツ/カラー/126分/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル
配給:アルシネテラン
(C)TS Productions/France 3 Cinema/Climax Films/RTBF 2008
監督・脚本:アダム・グリーン
撮影:ウィル・バラット
プロダクションデザイン:ブライアン・A・マクブライエン
音楽:アンディ・ガーフィールド
出演:ケヴィン・ゼガーズ(ダン・ウォーカー)、ショーン・アシュモア(ジョー・リンチ)、エマ・ベル(パーカー・オニール)ほか
恋人同士のダンとパーカー、ダンと幼馴染のジョーはスキー場での一日を楽しんでいた。もうひと滑りしたいと、終了まぎわのリフトに乗り込んだ3人は、交代した係員の勘違いからリフトを止められ、地上15mの空中に取り残されてしまった。週末だけ営業するこのスキー場に人がやってくるのは来週。夜が更けるにつれ寒さは厳しくなり、何とかしてリフトから降りようとするのだったが。
アダム・グリーン監督のデビュー作はスラッシャー映画だそうで、そんな描写も少々。ほとんどがリフトの上の3人のシーン、これをどう持たせるのかが腕の見せ所です。能天気な3人がしだいにパニックに陥っていくところ、小出しに恐怖をあおるところなど、ご注目ください。寒地で育った私は、甘すぎな3人に呆れましたが、この猛暑の中、映画館で涼しい体験をしたい向きにはぴったり。もしもこんな目にあったら、あなたならどうする??(白)
2009年/アメリカ/カラー/83分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ
公式 HP >> http://frozen-movie.jp/
監督:佐々木詳太
原作:DHE@stage×穴吹一朗 舞台「Tower of Sugar」
脚本:穴吹一朗
脚本協力:李正姫
音楽:諸橋邦行
主題歌:「神様ヘルプ!」加藤和樹(PONY CANYON)
出演:加藤和樹(アツオ・佐藤教諭)、佐津川愛美(奈緒)、賀来賢人(俊)、北条隆博(誉田)、栁澤貴彦(赤岩)、植原卓也(錦織)、佐藤めぐみ(瀧島)、小西遼生(朝倉)、松田悟志(西条)、キムラ緑子(並河)、佐藤二朗(藤本)
ホラープランナーのアツオは、廃校となっている佐藤学園をお化け屋敷にするために訪れ、自分とそっくりな人間が写っている写真を見つける。その写真の人物は、25年前に学園内で大量殺人を犯した佐藤教諭だった。かつて佐藤一族に理不尽に殺された西条が悪魔となり、その末裔である佐藤教諭に呪いをかけ、彼を殺人鬼へと仕立てたのだ。廃校内には指名手配中の逃亡犯、それを追う刑事、お化け屋敷制作会社のスタッフがいたが、突然25年前の事件当日にトリップしてしまう。アツオ、刑事たちは西条に戦いを挑むが、果たして佐藤教諭の呪いは解けるのか?

ミュージシャンとしても活躍中の加藤和樹さんが、一人二役を演じる初主演作品。悪魔に呪われて人を人とも思わずに殺していく狂気っぷりは、ハンパではありません。とにかく加藤さんの目が怖いです。イッちゃってます。とはいえ佐藤二朗さん出演場面はコメディー色が強いし、若いカップルの悲話もあるしで、ホラー映画と単純にくくれないバラエティに富んだ作品となっています。映画の最初から不自然に感じる違和感は、ラストで謎解きが用意されています。わかった上でもう一度観るのもご一興。
佐藤教諭は25年前のチェッカーズのヒット曲「神様ヘルプ!」を歌いながら人を殺していきますが、映画のエンディングでは加藤和樹さんがカバー曲として歌っています。(裕)
2010年/日本/16:9/DTS STEREO/87分
配給:ゴー・シネマ
★8月7日(土)渋谷シネクイントにてプレミアム先行レイトショー、秋より全国順次ロードショー
公式 HP >> http://kamisamahelp.com/
監督:ジャン・ユンカーマン
製作:山上徹二郎
撮影:清水良雄
音楽:小室等
編集:市原啓子
出演:糸数繁 他
1990年に公開された「老人と海」を再編集したディレクターズ・カット版。
日本最西端に位置する与那国島でサバニと呼ばれる小舟を操り、200キロもの巨大カジキを
追っていた今は亡き老漁師・糸数繁氏の暮らしと村の人間たちの発言や祭りを優しく映し出す。

笹の葉のような船に乗って、ひとりでカジキを釣る糸数さんの姿に感動。 糸数さんの奥様もとても可愛いくて、あんなおばあちゃんになりたいなあと思いました。 なんにも無くても幸せに生きれるってことを東京に居ると忘れてしまいます、反省、、。 (千)
2010年/カラー/98分
配給:シグロ 宣伝:スターサンズ
★7/31(土)銀座シネパトスほか全国順次ロードショー!
公式 HP >> http://www.rojintoumi.asia/
監督・脚本:中村義洋
原作:荒木源「ちょんまげぷりん」小学館文庫
撮影:小林元
音楽:安川午朗
エンディングテーマ:忌野清志郎“REMEMBER YOU”
出演:錦戸亮(木島安兵衛)、ともさかりえ(遊佐ひろ子)、鈴木福(遊佐友也)、今野浩喜(田中)、堀部圭亮(上司・城崎)、佐藤仁美(平石佳恵)、中村有志(司会者)、井上順(殿間)、忽那汐里(時翔庵の娘)ほか
人生はケーキほど甘くないでござる。
シングルマザーのひろ子は仕事と子育てにドタバタな毎日。一人息子の友也を保育所へ送る途中、侍姿の男を見かける。帰り道にもう一度出会い、家に連れ帰ることになってしまったその青年は、180年前からやってきた本物の侍、木島安兵衛だった。なぜこの世界にやってきたのか、どうやったら戻れるのか本人にもわからない。ひとまずひろ子の家に居候することになり、生真面目な安兵衛は恩義に報いるため家事を引き受けると言い張った。そして意外な才能を発揮していく。
タイムスリップものは大好き。全く違う世界に行くなんて、本人の意思のあるなしにかかわらずドラマチックになること必定。江戸時代の侍が、ちょんまげ・2本差のまま現代の東京にやってきてしまったら、驚天動地でありましょう。安兵衛語録は今の世の中で忘れがち、でも大切なことばかり。純情で一徹な安兵衛を映画初出演・主演の錦戸亮が演じて、何ヶ月も所作の特訓をした成果をみせています。荒木源の同名小説(旧題は「ふしぎの国の安兵衛」)を、脚本化・監督したのは『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ゼネラル・ルージュの凱旋』『ゴールデン・スランバー』などヒットが続く中村義洋。(白)
2010年/日本/カラー/108分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ジェイ・ストーム
公式 HP >> http://c-purin.jp/
監督:アミノテツロ
脚本:内田ぼちぼち、武田樹里、小山薫堂
原作:竜の子プロダクション音楽:
アニメーション制作:タツノコプロ
声の出演:齋藤彩夏(ハッチ)、アヤカ・ウィルソン(アミィ)、田中直樹(クネクネ)、有村昆(アリコン)、中村育二(ビクトル)、小森純(ポンチョ)、板東英二(コガネナシ)、柄本明(ドクモ)、臼田あさ美(ピコ)、中村獅童(カマキチ)、安田成美(ハッチのママ)
ハッチはミツバチ王国の王子。スズメバチに襲われ、やさしいママと離れ離れになってしまった。ママや仲間を探して一人旅を続け、人間の住むセピアタウンで少女アミィに出会う。いつも一人ぼっちでいたアミィは、あるときから虫たちと話ができるようになった。ハッチの身の上話を聞いて、ママを探す手伝いをするという。しかし楽しい時間は長くは続かなかった。スズメバチの大群がセピアタウンに近づいていたのだ。
1970年からテレビで放映されていた「みなしごハッチ」をご存知の方はまだ多いでしょう。私も毎週待ちかねて見ていた一人です。厳しい大自然の中、母を探していろいろな体験をしながら成長していくハッチの物語は、昆虫版「母をたずねて三千里」。
40年前は地球の将来を今ほど真剣に考えていなかったような気がします。このたびのハッチは、環境破壊の進む中、昆虫ばかりではなく生き物や地球の危機も念頭において、新しく生まれ変わりました。ぜひお子様と一緒にご覧ください。(白)
2010年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:松竹
公式 HP >> http://www.hutch-movie.jp/
この度、上野オークラ劇場の8月4日の新館オープンに先駆けて8月1日(日)に女性限定のピンク映画上映会を開催します。 ミニシアターのピンク映画特集上映に女性が大勢集まる昨今、ピンク映画に興味を持つ女性がいかに多いかがうかがえます。 そこで今回、オープン前の新劇場でピンク映画の魅力に触れるきっかけをご提供。上映作品は公開前の最新作をプレミア上映。 女性の心情をリアルに描写すると評されている竹洞哲也監督の新作『潮吹き花嫁の性白書』、今年度ピンク大賞作品賞を受賞した加藤義一監督の新作『多感な制服 むっちり潤い肌』の計2作品をお披露目致します。 また、上映後のトークショーでは「女性にもピンク映画をもっと見て欲しい」と精力的に活動しているピンク映画女優3人組のユニット、Female-ingをお招きし、女性目線でのピンク映画についてセキララなトークショーを行います。
ピンク映画専門館。業界最大手大蔵映画(株)のメイン館で、1952年、東映の封切館としてオープンし、1971年から現在のピンク映画封切館となる。 全国からファンが集まり、本年は積極的なイベント運営、情報発信などが高く評価され、その年のキーポイントともいうべき対象に授与されるピンク大賞特別賞を受賞。 業界の盛り上役として大きな功績を残す。この度、建物の老朽化に伴い、旧館の閉館が決定(8/1)。 旧館の向いに新館が建設され、8月4日のオープンを控えている。
★8月1日(日)プレミア上映開催!
開場:13:30 開演:14:00~ 上野オークラ劇場・新館
(上野駅不忍口より徒歩3分)
公式 HP >> http://uenookura.blog108.fc2.com/
監督・脚本:チャン・ジン
撮影:チェ・サンホ
音楽:ハン・ジェグオン
出演:チャン・ドンゴン(チャ・ジウク)、イ・スンジェ(キム・ジョンホ)、コ・ドゥシム(ハン・ギョンジャ)、イム・ハリョン(チャ・チャンミョン)、ハン・チェヨン(キム・イヨン)、パク・ヘイル(チョンニョン)、イ・ムンス(チャン・ギス)
任期終了が間近になったキム・ジョンホ大統領。宝くじのイベントで買ったロトくじが当たった。なんと244億ウォン!!しかし、そのときの挨拶で「もしも当たったら全額寄付します」と言ったことを思い出す。
半年後、キム大統領の盟友の息子であるチャ・ジウクが最年少で野党総裁となり、大統領に就任する。チャ大統領は、北朝鮮、日本、アメリカと堂々と渡り合い、すわ軍事力行使か!という危機を乗り越える。
韓国初の女性大統領に就任したハン・ギョジャは、公務に追われ夫チャンミョンのストレスに気づかない。制約の多い公邸での生活に疲れ、旧友と飲んだチャンミョンは酔って帰宅する。

青瓦台には韓国大統領の公邸があります。ここに住む歴代大統領のうち3人を専属シェフの目を通して描いた作品(フィクション)です。それぞれ個性的な大統領は、公務に疲れたとき、キッチンにやってきてはシェフと他愛ない話をして息抜きをしています。4年ぶりにスクリーンに登場したチャン・ドンゴンのりりしさ、シェフのチャン・ギスを演じるイ・ムンスの温かい笑顔が良いです。日本の首相公邸はどんなでしょう。誰か映画にしてくれないかしら。(白)
2009年/韓国/カラー/129分/シネマスコープサイズ/ドルビーSRD
配給:エスピーオー
公式 HP >> http://www.goodmorning-p.com/
監督:ルーベン・フライシャー
製作:ギャヴィン・ポローン
製作総指揮:エズラ・スワードロー、ポール・ワーニック他
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
音楽:デヴィッド・サーディー
撮影:マイケル・ボンヴィレイン
美術:メイハー・アーマッド
特殊効果:ポール・リンデン
編集:ピーター・アムンドソン
衣装:マガリー・ギダッシ
出演:ウディ・ハレルソン(タラハシー)、ジェシー・アイゼンバーグ(コロンバス)、エマ・ストーン(ウィチタ)、アビゲイル・ブレスリン(リトルロック)、アンバー・ハード(406号の女)、ビル・マーレー (ビル・マーレー)
新型ウィルスの爆発感染で、人類の大半が人喰いゾンビになってしまった世界。アメリカに住む人間のほとんどがウィルスに感染して、今や、「ゾンビランド合衆国」となった。大学生だったコロンバスは‘生き残る為の32のルール’を作り、それを実践して生き延びて、両親の住むオハイオ州に向かっていた。途中で、射撃が上手く屈強な男タラハシーと出会い、彼のクルマに乗せてもらう。その後、出会ったのが気弱なふりをしたプロの詐欺師の美人姉妹。男二人は、この姉妹に振り回されることになるとは、つゆ知らず・・・。

ホラーもスプラッターも苦手だけれど、これは面白かった!という評判を聞いて最終試写に行きました。アメリカでのゾンビ映画の興行収入記録を塗り替えたのは、マニアだけでなく誰でも楽しめる要素がたくさん入っていたからでしょう。ゾンビとの追いつ追われつがもちろんたっぷり。対照的なキャラたちが生き残るため知恵を絞るようす、かけひきには大笑い。これがデビューのルーベン・フライシャー監督、次回作品が楽しみになりました。(白)
2009年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/SRD-DTS/88分/R-15
配給:日活
公式 HP >> http://www.zombieland.jp/
中国2010上海万国博覧会開催記念
2010年7月24日(土)~8月27日(金)まで、
新宿K’s cinemaにて開催!
http://www.ks-cinema.com/movie/china_2010.html
今回の『中国映画の全貌』では、劇場未公開作品として、『北京の自転車』『シャングリラ』『女人本色』、ドキュメンタリーシリーズ「胡同三部作」が初上映されます。また、日本最終上映となる『雲南の少女 ルオマの初恋』『思い出の夏』『項羽と劉邦-その愛と興亡』のほか、懐かしい作品の数々を再びスクリーンで観ることができるチャンスです。シネマジャーナルでこれまでに取り上げてきた作品も多数上映されます。この機会に、シネジャの記事も参考にしていただければ嬉しいです。
監督・脚本:ワン・シャオシュアイ(王小帥)
出演:ツイ・リン(崔林)、リー・ピン(李濱)、ジョウ・シュン(周迅)、リー・シュアン(李爽)、カオ・ユアンユアン(高圓圓)
地方から北京に出てきて自転車宅配会社に勤めることになった17歳の少年グイ。社長は新入社員たちに「君たちは“新駱駝の祥子”。胡同(伝統的な家の立ち並ぶ路地)に至るまで道を覚え、迅速を旨に都会の人間を満足させろ」と訓示する。貸し与えられた最新のマウンテンバイクは、一定額稼げば自分のものになるという。まじめなグイは一生懸命働き、あと一息で自転車が手に入るという日、自転車を盗まれてしまう。必死になって自転車を探して北京の街をさまようグイ。ついにある日、印を付けていた自転車を見つける。持ち主だという高校生のジェンはグイと同い年の17歳。ちゃんとお金を払って中古屋で買ったものだという。二人は口論の末、毎日時間を決めて交代で自転車を使うことにする・・・・
本作をアジアフォーカス福岡映画祭2001で観たことがあって、自転車を交代で利用するというモチーフが、『運動靴と赤い金魚』(マジド・マジティ監督)で兄と妹が運動靴を交代で履いたことを思い起こすほのぼのとした物語という印象が残っていた。9年ぶりに観てみたら、そんな柔な話でなかったことに我ながら驚いた。中国の地方出身者の味わう都会生活者との差別感、それほど裕福ではない都会の家庭の高校生がたどる道、不良グループとの抗争・・・ 大都会北京に渦巻く厳しい現実を感じる一作だった。それでものどかな印象が残ったのは、自転車で駆け巡る胡同の美しさが際立っていたからだろうか。今や残り少なくなった胡同を映像に残した点でも貴重な映画で、製作から10年経ってやっと公開されるのは嬉しいことだ。(咲)
2000/中国・台湾/ヴィスタ(1:1.85)/ドルビーSR/113分
提供:ワコー
配給:ワコー/グアパ・グアポ
監督・脚本:ティン・ナイチョン(丁乃筝)
製作:ローラ(羅拉)
出演:チュウ・チーイン(朱芷瑩)、ウー・チョンティエン(呉中天) 他
幼い息子の交通事故死を受け入れられず、悲しみに暮れる母ジー・リン。 事故の加害者との裁判も進展せず、夫との仲もこじれ始めたジー・リンは、生前の息子が描いた絵を見つけ衝動的に雲南省チベット族自治州に向かう。 旅の途中、さまざまな人たちと出会うジー・リン。 そんな彼女を尾行する若い男がいた…。
1970年代生まれの中国、台湾、香港の女性監督10人が雲南を舞台に映画を撮るシリーズ“雲南影響”の中の1本。 ティン・ナイチョン監督は台湾の舞台を中心に活躍する演出家。 カイロ映画祭で撮影特別賞を受賞した美しい映像もさることながら、ストーカー役のウーさまに私、感激。 ウーさまは台湾藝大出身の優等生俳優らしいです。守護天使。(千)
2008年/中国・台湾/107分
配給:ワコー /グアパ・グアポ
監督:クォン・ホヨン
脚本:ハン・ジュンエ
撮影:イ・ジョンヨル
音楽:ナム・スジン
出演:チ・ジニ(キム・ソクヒョン)、イ・ジョンヒョク(イ・ガンソン)、ハ・ジョンウ(チャン・スヨン)、ユン・セア(ペ・ユンギョン)、パク・ビョンウン(ソ・ビョンウン)ほか
彼らは同じ運命をたどる
リンカーンとケネディのように……
出世街道を順調にひた走ってきたキム・ソクヒョンは史上最年少で部長判事に任命された。美しい妻と愛らしい娘と幸せな生活を送っていたある日、妻ユンギョンが何者かに惨殺される。直前に不審な電話を受けていたソクヒョンは、妻が自分の判決のせいで殺されたのではと失意の毎日を送る。ソクヒョンの同僚のガンソンは容疑者を逮捕、事件は解決したかに見えた。
女性記者がソクヒョンを訪ね、30年前に同じ立場にいた判事が、同じように妻を亡くし自分も子どもも死んでしまったと告げる。100年の間をおいて同じ運命を辿ったリンカーンとケネディの例をあげ、ソクヒョンもこのパラレルライフ(平行理論)の中にあるというのだ。にわかには信じがたい話であったが、ソクヒョンは30年前の事件を調べ始める。

タイトルの「パラレルライフ(平行理論)」とはエイブラハム・リンカーンとジョン・F・ケネディのように、まったく違う時代に生きる2人の人間が同じ運命を繰り返す事なのだそうです。…知らなかった。 二つの時代が交互に重なってゆくストーリーなので追いかけるのが大変でしたが(笑)。 スリリングな展開が面白かったです。 もともと平行理論を初めて発表し世界を驚かせた考古学者フランク・ジョセフ自身も平行理論に基づき死を予測し、前もって薬を飲んで一命をとりとめ、自らの力でパラレルライフの運命を逃れたそうです!(千)
ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」で日本でもおなじみのチ・ジニが、主人公の判事。順風満帆であった人生が、思いもかけない悲劇の末路を辿ることを知り、それに抗っていきます。
選んだ道が違ったら、別の人生があったのではないかと、パラレルワールドがどこかにあればいいなと思ったことはありませんか。この映画では誰かと符合した人生を送ってしまう「パラレルライフ」を扱っています。それが幸せならば問題ありませんが、自分や家族に悲劇が訪れると予想されたなら、やはりなんとか回避したいと思うもの。誠実な印象のあるチ・ジニが苦悩する姿には共感してしまいました。『チェイサー』で注目されたハ・ジョンウが、怨みを抱えるチャンを演じて存在感ありますが、次は全く別の雰囲気の役で観たいなぁ。(白)
まずは、ケネディとリンカーンが100年の時を経て、同じような運命を辿ったことが示され、驚かされます。議員当選、大統領当選、暗殺犯の生年などが、ちょうど100年違い。そのほかにも共通点があって、運命の「平行理論」の信憑性を植えつけられます。そして始まる物語。スピーディに展開する事件に、緊張の連続。え~そういうことなの?と驚きの結末。伏線を確認するために、もう一度観たい!
チ・ジニは、「スポットライト」の凄腕記者さながらの敏腕判事、ユン・セアは「スマイル アゲイン」での悪女ぶりが印象的でしたが、また違った魅力をはなっています。そのほかにも、ドラマでお馴染みの脇役の役者たちが出てきて、韓流ドラマファンには嬉しい一作でしょう。(咲)
2010年/韓国/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/PG12
配給:CJ Entertainment Japan 宣伝:アルシネテラン
★7/24(土)より、シネマスクエアとうきゅうほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.parallel-life.jp/
監督:トム・ヴォーン
製作:マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア、カーラ・サントス・シャンバーグ
製作総指揮:ナン・モラレス
脚本:ロバート・ネルソン・ジェイコブス
撮影監督:アンドリュー・ダン
編集:アン・V・コーツ
衣装デザイナー:ディーナ・アップル
ラボ・テクニカル・アドバイザー:フン・ドゥ博士
ポンペ病テクニカル・アドバイザー:メラニー・サンダース
出演:ブレンダン・フレイザー(ジョン・クラウリー)、ハリソン・フォード(ロバート・ストーンヒル博士/製作総指揮)、ケリー・ラッセル(アイリーン・クラウリー)、ジャレット・ハリス(ケント・ウェバー博士)、コートニー・B・ヴァンス(マーカス・テンプル)、メレディス・ドローガー(メーガン・クラウリー)、ディエゴ・ヴェラスケス(パトリック・クラウリー)
オレゴン州ポートランドに住みエリート・ビジネスマン、ジョン・クラウリーには、命を代えてでも守りたいものがあった。 愛妻アイリーンとの間にもうけた8歳の娘メーガンと6歳の息子パトリックだ。 この子どもたちが、難病の<ポンペ病>に冒されてしまった。 平均寿命9歳とされるこの病気に治療薬はなく、ポンペ病の権威であるロバート・ストーンヒル博士に希望を見出だし、協力して治療薬開発に乗り出すのだった。
「ポンペ病」という病名すら知らなかったので、調べてみた。
1932年、オランダのポンペ博士がこの病気を初めて報告したため、「ポンペ病」と呼ばれている。
体内にグリコーゲンを分解する酵素の一つが全くないか、少ないために発症する遺伝病。
病状は筋肉や呼吸の働きが悪くなる。筋ジストロフィーと誤診されることが多い。
世界には1万人近く、日本にも300人くらいの患者が存在し、難病指定を受けている。
実話に基づく作品。姉弟とも難病ポンペ病に罹り、どんなに悲惨だろうと身構えてしまったが、
丁寧に作られていて、泣きは一切なしだった。
新薬を求め、どんどん行動する父親を、『ハムナプトラ』のブレンダン・フレイザーが熱演。
気難しい新薬研究者にハリソン・フォード。険しい目付き、眉間のしわが頑固さを表していた。
2人子どもは車椅子で登場だが、すごく行動的で明るく生活していたので救われた。
病気の子どもらより、新薬にからむ社会的規制や、回りの大人たちの病める心の方が心配だった。(美)
2009年/アメリカ/スコープサイズ/SDDS,ドルビーデジタル、ドルビーSR/105分
★7月24日 TOHOシネマズシャンテ他、全国ロードシヨー
公式 HP >> http://www.papa-okusuri.jp/
期日:7月23日(金)~8月1日(日)(10日間)
会場:SKIPシティ (埼玉県川口市) 映像ホール、多目的ホール他
主催:埼玉県、川口市、SKIPシティ国際映画祭実行委員会、特定非営利活動法人 さいたま映像ボランティアの会
アクセス:会期中、JR川口駅東口キャスティ前臨時バス停より、SKIPシティまで直行の無料シャトルバスが20分間隔で運行されます。(所要:約12分)
http://www.skipcity-dcf.jp/ja/access/
車でお出かけの方には、上映チケットの半券提示で駐車料無料のサービスもあります。
デジタルシネマの新しい才能を発掘する目的で2004年にスタートした「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」も今年7回目。長編・短編部門のコンペティション上映をはじめ、話題の3D映画、バリアフリー上映、子どもたちがつくる映画、若手監督がつくった埼玉発のエンタテインメエント映画などのほか、連日、映画以外のイベントも盛りだくさん用意され、家族ぐるみで楽しめる地域密着型の映画祭です。






公式 HP >> /http://www.skipcity-dcf.jp/
監督:米林宏昌
脚本・企画:宮崎駿
原作:メアリー・ノートン(「床下の小人たち」岩波少年文庫刊)
プロデューサー:鈴木敏夫
作画監督:賀川愛、山下明彦
美術監督:武重洋二、吉田昇
色指定:森奈緒美
映像演出:奥井敦
音響演出・整音:笠松広司
アフレコ演出:木村絵理子
音楽・主題歌:セシル・コルベル
声の出演:志田未来(アリエッティ)、神木隆之介(翔)、大竹しのぶ(アリエッティの母・ホミリー)、三浦友和(アリエッティの父・ポッド)、竹下景子(屋敷の大奥様/翔の祖母の妹)、樹木希林(屋敷のお手伝いさん)、藤原竜也(一人で野性的に生きている小人の少年・スピラー)
古い家の床下に暮らす小人の一家の物語。そこに暮らすのは14歳の少女と両親。暮らしに必要なものは、すべて床上の人間から借りて来る‘借りぐらし’、魔法が使えるわけでもなく、妖精でもない。だから、表に出ると猫に追い掛けられ、床下では鼠、ゴキブリに悩まされながらも、工夫と忍耐で用心深く生活をしている。勇気ある父親ポッドは‘借り’に出かけ、母親ホミリーは、知恵をしぼり家庭を守っている。屋敷の住民は二人の老婦人。その二人に気付かれないように、少しずつ角砂糖、ティッシュペーパー、クッキー、はたまた電気やガスまで、自分たちに必要な分だけ借りて暮らしていた。そんなある夏の日、その屋敷に病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。アリエッティは翔に姿を見られたから、大変!人間に見られたからには、ここから引越しをしないといけないのだ。

空想好きな私にぴったりのアニメ作品。「おいしいクッキーのカケラでも、3人ならお腹がいっぱいになるし、りんごの皮が捨ててあれば、こそげて食べられるし・・・。でも、ゴキブリに飛びつかれたり、鼠に追いかけられたりするのはいやだぁ」なんて・・・。アリエッティの家族の生活が細かいところまで丁寧に、現実的に描かれていて目が離せなかった。いろんな工夫が随所にあり、<借り>に出かけるシーンには、思わずため息が出たほど。「あ~、家庭ってこうあるべきなんだなぁ」と思わせてくれるシーンが随所にあった。ご家族でご覧になるのをお薦めする。(美)
2010年/日本/カラー/94分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル・dts
配給:東宝
公式 HP >> http://www.karigurashi.jp/
監督:毛利安孝
脚本:毛利安孝、村田亮
原作:カラスヤサトシ「おのぼり物語」(竹書房刊)
音楽:HΛL
主題歌:Sonic Generation 「彩空」
出演:井上芳雄(片桐聰)、肘井美佳(野島由美子)、チチ松村(父)、キムラ緑子(母)、哀川翔(愛情出演)、八嶋智人(編集者 小野)ほか
そうだ、東京へ行こう・・・
地元大阪でサラリーマンのかたわら漫画を描き続けていた聰は、漫画家になる夢をあきらめきれず、両親の反対を押し切って上京する。ひとつだけあった連載をたよりにしていたのに、上京1週間にして雑誌が休刊になり「貧乏な漫画家」から「ただの無職の男」になってしまった。
聰より先にカメラマンになるため上京していた同級生の野島由美子に再会し、奮闘している彼女に励まされる。由美子は同級生なのに“先輩”というあだ名がつくほどしっかりもので、勝気な女子だった。まだアシスタントどまりで苦労していることを口に出さない。聰は出版社への持ち込みを始めたが、良い反応が得られない。
原作はカラスヤサトシの自伝的4コマ漫画。夢と年齢との間でもがく主人公を演じるのはミュージカル界で活躍する井上芳雄。いつもはさっそうとしたプリンスの彼が、初の映画単独主演で気弱でさえない青年役。ファンは親近感を抱くのではないでしょうか。野島由美子役は『ニワトリはハダシだ』の肘井美佳。内心の不安を隠して聰に向ける笑顔がいいです。毛利安孝監督は本作が長編デビューだそうですが、夢を追いかけるすべての「おのぼりさん」たちにエールを送る映画を手堅く作りあげています。(白)
2010年/日本/カラー/114分/ビスタサイズ/DTSステレオ/
配給:東京テアトル
(C)カラスヤサトシ・竹書房、(C)2010「おのぼり物語」製作委員会
公式 HP >> http://www.onoborimonogatari.com/
監督:パスカル・ボニツェール
原作:アガサ・クリスティ
出演:ミュウ=ミュウ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、アンヌ・コンシニ 他
のどかで美しい風景が広がるフランスの小さな村。 そこに住む上院議員夫妻がホストになり9人の男女を招待。 楽しく華やかなパーティーが始まったが一発の銃声と女の悲鳴が殺人事件の幕開けとなった… 全員にアリバイがあり犯人は誰なのか?そして動機は? 捜査が暗礁に乗り上げ、互いに誰も信じられなくなったとき、第2の殺人が起こった-。
生誕120年!アガサ・クリスティーの名作をフランスが誇る豪華キャストで映画化されました。 アガサ・クリスティーの推理小説にはいつも名探偵ポワロが登場しますが、今回、ポワロは出てきません。 名探偵をもってしても愛の謎は解けないらしい…。 それにしても、どの国でもお医者さんてモテモテなんですね、ううむ。(千)
2007年/フランス/ドルビーSR/93分
配給:アルバトロス・フィルム
★7/17(土)渋谷文化村ル・シネマにて華麗なるロードショー!
公式 HP >> http://aribai-movie.com/pc/
監督:村山三男
脚本:国弘威雄
原作:金子俊男
総指揮:三池信、小倉寿夫
製作:望月利雄、森田康司
撮影:西山東男
照明:野村隆三
美術:木村威夫
音楽:大森盛太郎
録音:安田哲男
出演:二木てるみ、鳥居恵子、岡田可愛、野村けい子 他
1945年夏、樺太西海岸・真岡町。 太平洋戦争は終末を迎えようとし戦火を浴びない樺太は平和な日々が続いていた。 しかし、ソ連が日本への進撃を開始、真岡町沿岸にもソ連艦隊が現れ町は戦場と化す。 だが、郵便局で働く電話交換嬢たちは最期まで職場を離れようとはしなかった。 取り残された9人の乙女たちの運命は…。
36年前、ソ連の圧力によって封印された幻の名作です。 終戦時に樺太で起きた9人の電話交換手の悲劇。何があっても職場を離れない乙女たち… 私も自分の仕事に誇りと情熱を持って生きていこうと思いました。 時代に圧殺された真実の物語。(千)
1974年/日本/カラー/119分
配給:太秦
★7/17(土)渋谷シアターNほか全国順次、真夏のロードショー!
公式 HP >> http://www.hyosetsu.com/
シアターN渋谷で7週間のロングランと好評だった『樺太1945年夏 氷雪の門』のアンコール上映が決定しました。見逃した方、是非、お出かけください。
9月18日~10月 8日 シアターN渋谷(本上映:7/17~9/3)
9月18日~10月 1日 横浜ジャック&ベティ(本上映:8/7~8/28)
10月9日~10月15日 名古屋シネマスコーレ (本上映:7/24~8/6)
そのほか順次全国公開 ※詳細は劇場情報にて
二木てるみさんインタビューもどうぞ!
→http://www.cinemajournal.net/special/2010/karahuto/
監督:ハル・アシュビー
脚本:コリン・ヒギンズ
音楽:キャット・スティーヴンス
美術:ミカエル・ハラー
編集:ウィリアム・A・ソーヤー / エドワード・A・ワーシルカ・ジュニア
出演:バッド・コート、ルース・ゴードン、ヴィヴィアン・ピックルズ 他
自殺願望の19歳少年ハロルドの趣味は見知らぬ他人の葬式に参列すること。 或る日、愛用の霊柩車で駆けつけたハロルドは人生を謳歌する79歳の老女モードに出会ったことから「生きる」ことへの歯車が動き始める。 19歳の少年と79歳老女のラブストーリー。
40年近くが経った今でも多くの映画ファンを惹きつけるハル・アシュビー監督の作品。 コリン・ヒギンズの脚本とキャット・スティーヴンの音楽との見事なコラボが素敵でした。 老女モードの住む家、ヘアスタイル、全てに私は魅了され早速、翌日から髪型を真似ていました(笑) モードおばさんは元祖・森ガール。(千)
1971年/アメリカ/カラー/英語/92分
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア 宣伝:メゾン
★7/17(土)新宿武蔵野館にて38年ぶりの公開!
公式 HP >> http://sky-way.jp/ziggy/
カザフスタンは今、先の明るい経済発展のまっただなかにある。 大戦中、セルゲイ・エイゼンシュテイン、ミハイル・ロンムといったロシア映画の巨匠たちによって、疎開先のカザフ・フィルムスタジオで『イヴァン雷帝』をはじめ数々の名作が撮影されたことをご存知だろうか。 このとき築かれたカザフスタン映画の基礎は、若い世代に新たな表現の可能性を与え、やがてカザフ・ニューウェーブと呼ばれる映画史上の一時代をもたらしたのであった。 とはいえ、同じ「アジア」でひとくくりにされながら、日本からは最も遠く離れたカザフスタンという国をわたしたちは知らなすぎる。 歴史、言葉、宗教……強制定住と急速な都市化への反動で遊牧のルーツに自己を探り、一方、自由に見える草原暮らしには掟と伝統が息づいている。 被支配の複雑な歴史を繙いて、このギャップを活写する、可笑しくてでもちょっぴり悲しい愛すべき映画たち。日本初公開作品含む、貴重な2days!
◆上映スケジュール※各回入れ替え制。先着順入場(開場は開演時間の20分前を予定しています)
公式 HP >> http://kazakhstan.fsnp.jp/
監督:スティーヴン・キジャック
エグセクティブ・プロデューサー:ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ
出演:ミック・ジャガー(vo)、キース・リチャーズ(g)、チャーリー・ワッツ(ds)、ビル・ワイマン(b)、ミック・テイラー(g)マーティン・スコセッシ、ジャック・ホワイト、ドン・ウォズ、カレブ・フォロウィル(キングス・オブ・レオン)、ベニチオ・デル・トロ、ウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)、シェリル・クロウ、アニタ・パレンバーグ、ロニー・ウッド、ジミー・ミラー(プロデューサー)、アンディ・ジョンズ(エンジニア)、ドミニク・ターレ(写真家)、ボビー・キーズ(サックス・プレーヤー)、リズ・フェア、他
1971年春、ローリング・ストーンズは収入の93%というイギリスの高い税率を逃れるために、フランス移住を決意する。税金亡命者(tax exiles)としてのフランスでの暮らしは、当初は彼らを知る者も少なく、一般人としての静かなものだった。フランスで納得のいくスタジオが見つからず、南仏の海辺にキース・リチャーズが居を構えた白亜の瀟洒な別荘に録音機材を設置したトレーラーを横付けして録音を始める・・・・
今年5月、カンヌ国際映画祭の監督週間で特別上映作品として上映された本作。ミック・ジャガーから直接電話で「ストーンズのドキュメンタリーを撮ってくれないか」と依頼されたスティーヴン・キジャック監督が、アルバム【メイン・ストリートのならず者】の録音風景を、残された写真やホーム・ムービーと、ストーンズのメンバー本人たちの語りなどで、まるでその場に立ち会ったかのように構成している。

実をいうと、全盛時代のストーンズはあまり好きになれなくて、代表的な曲「サティスファクション」や、ミック・ジャガー、キース・リチャーズの二人を知っている程度。マーティン・スコセッシ監督の『ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』で、いいオヤジたちになった彼らを見て、過去を知りたくなった私に、本作は嬉しい一作でした。(本作でもスコセッシ監督がコメントを寄せています。) サントロペで極秘結婚式を挙げたミックの可愛いこと! (極秘というわりには、世界中からゲストが・・・) フランス語を学んで馴染もうとするものの、フランスではお気に入りのものが入らないと嘆く彼ら。ドラッグに溺れていく姿も映し出されます。70年代初頭のモノクロ写真や映像がなんともいい雰囲気です。こんな初歩的な感想しか述べられない私ですが、試写でばったり会ったレスリーファン繋がりの友人が、てっきり金城武のファンだと思っていたら、ストーンズの筋金入りファンでした。ストーンズの来日が実現する前に、来日公演は無理そうと海外公演にも行ってしまった彼女から一筆いただきました。どうぞご参考に! (咲)
ストーンズのファンの友人より:
『Stones in Exile』の私的感想です。
この映画は40年前に「Exile on Main St.」を評価しなかった人たちに向けたMick Jaggerのメッセージなんでしょうか。(かく言う私も評価しなかった一人でしたが) 映像の中で「Mickがロックで、俺がロールさ」と言うKeithの言葉を聞き、これがStonesの真髄なんだろうと再認識しました。ドキュメンタリー『スコット・ウォーカー 30世紀の男』を観たMickとKeithが、スティーヴン・キジャックに本作の監督を依頼したというのも、ウォーカーブラザースの大ファンである私にはうれしいエピソードでした。機会があったら『スコット・ウォーカー 30世紀の男』見てみてください。
2010年/アメリカ・イギリス/61分/カラー/ドルビー・デジタル・ステレオ
提供:株式会社ヤマハミュージックアンドビジュアルズ
配給:アップリンク
公式 HP >> http://www.webdice.jp/stonesinexile/
監督:リー・アンクリッチ
脚本:マイケル・アーント
製作:ダーラ・K・アンダーソン
製作総指揮:ジョン・ラセター
音楽:ランディ・ニューマン
声の出演:トム・ハンクス(ウッディ)、ジョン・モリス(アンディ)、ジョーン・キューザック(ジェシー)、ティム・アレン(バズ・ライトイヤー)、ウォーレス・ショーン(レックス)、ジョン・ラッツェンバーガー(ハム)、ドン・リックルズ(ミスター・ポテトヘッド)、エステル・ハリス(ミセス・ポテトヘッド)、ブレイク・クラーク(スリンキー・ドッグ)、ジェフ・ピジョン(エイリアンたち)、R・リー・アーメイ(軍曹)
どうして君は、大人になるんだろう・・・。どうして僕は、大人になれないんだろう。
カウボーイ人形ウッディはアンディが子どものころからの大のお気に入り。いつでもどこでも一緒の二人だったのに、アンディはしだいにおもちゃで遊ばなくなっていた。そして、ついにこの日がやってくる。アンディは大学生になり、離れた大学の寮に入ることになった。おもちゃ箱の蓋がひさしぶりに開き、「大好きなアンディがまた遊んでくれる!」と喜んだおもちゃたち。そんな気持ちが伝わるはずもなく、バザー用、屋根裏行き、と仕分けされた挙句、手違いで保育園に送られてしまう。
大ヒットした前の2作品(1995年と1999年に公開)は、この『トイ・ストーリー3』が公開されるにあたり、3Dで化粧直しをして2本同時上映となりました。おもちゃと子どもたちとの友情を描いて、胸がちょっと切なくなり、今観ても少しも古くありませんでした。未見の方はぜひ先にそちらをご覧ください。
大人になるアンディと、変わらないおもちゃたちとの別れはどんな風に展開していくのでしょうか?1,2の舞台をさらに広げ、パワーアップしたこの3。ハラハラドキドキのシーンもてんこ盛り、思わず噴出すエピソードもあって大人も子どもも楽しめます。夏休み、子ども部屋にはおもちゃが散らばっているはずですが、映画の後は彼らが愛しくなること請け合いです。(白)
2010年/アメリカ/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン
公式 HP >> http://www.disney.co.jp/movies/toy3/
監督・プロデューサー・編集: 海南 友子
エグゼクティブプロデューサー : 是枝 裕和
撮影 : 南 幸男
VE : 河合 正樹
整音 : 森 英司
クリエイティブアドバイザー : 向山 正利
HD :110分 英語(イタリア語ツバル語含む・日本語字幕付き)
2001年にはインドネシアの元従軍慰安婦を追ったドキュメンタリー『マルディエム彼女の人生に起きたこと』を撮り、2004年年には日中戦争で日本軍に遺棄された化学兵器が、現代の中国の人たちを苦しめている姿を追った『にがい涙の大地から』を撮っている海南友子監督の最新作は、地球の気候変動(温暖化)を扱った作品。3年の歳月をかけ、南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島の3ヶ所で撮影している。

気候も文化も違い、離れ離れに存在する三つの美しい島、南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島は、気候変動に揺れている。地球温暖化により沈んでしまうかもしれない島とそこに暮らす人々の生活を3年に渡って追ったドキュメンタリーがこの作品。
最初に出てくるツバルの子供たちが、ヤシの木から海に飛び込むシーンが印象的。くったくのない笑顔がとても魅力的だった。しかし、世界で最初に海に沈むのではないかと言われているこの島の実情は厳しい。島が沈むとは信じられない島の人たちの思いがある一方で、ひしひしと押し寄せてくる海の姿が描かれ、そこに暮らす人々の暮らしに影をおとしているのが伝わってくる。それぞれの島の人々の日常生活を描きながら、水位が上がって行くことで、変えざるを得ない生活が描かれる。地球温暖化はこれらの島に住む人々の暮らしを脅かしている。
祭りや、伝統工芸など、人々が大事にし、受け継いできた文化。ゆったりとした水辺の暮らし、子供たちの笑顔、どれもなくしたくない生活である。気候変動の影響で、故郷の島がなくなってしまうかもしれない中での暮らし。人々の生活に密着し、危うい現代を描く中に、失いたくないものへの思いが込められている。
波の音や風の音に耳を澄ませるため、あえてナレーションやBGMを入れない作りになっている。感じる映画である。
★7月10日より、恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.beautiful-i.tv/
監督/製作総指揮:ミゲル・サポチニク
脚本:エリック・ガルシア、ガレット・ラーナー
原作:エリック・ガルシア(「レポ・メン」新潮文庫刊)
プロデューサー:スコット・ステューバー
音楽:マルコ・ベルトラミ
撮影監督:エンリケ・シャディアック
編集:リチャード・フランシス・ブルースACE
衣装デザイン:キャロライン・ハリス
出演:ジュード・ロウ(レミー)、フォレスト・ウィテカー(ジェイク)、リーヴ・シュレイバー(フランク)、アリシー・ブラガ(べス)、カリス・ファン・ハウテン(キャロル)
2030年の世界。政府は財政破綻を宣言し、世界各国で戦争が続く未来。
人工臓器の移植は巨大ビジネス化し、ユニオン社が製造する人工臓器は、心臓、腎臓、肝臓、眼球、鼓膜、膀胱、さまざまな“商品”が普及する。むろん高額なため、庶民はローンを組む。
だが3ヶ月滞納すると、ジュード・ロウらが扮する取立て集団が、ローン滞納者の臓器を回収に来る・・・。
・
2030年なんて、すぐ目の前の話。私は83歳かぁ~、まず目、脳、足は確実買わなきゃ。
きっとローンだろうな、年金生活だから滞納もするはず。でもジュード・ロウの回収(えぐり方)は手際よかったから、
彼にやってもらうなら我慢するか!なんて・・・この作品、自分に置き換えても楽しめる。
ブラックな台詞もある。えぐる前に必ず「回収した後、救急車をよびますか?」と聞く、呼んだって助からないのに。
私なら、ベニスの商人並みに「血液は一滴もこぼすな!」と最期まで強がり言うかも。
ジュード・ロウ扮するレミーも仕事上のアクシデントで、ユニオン社人工臓器のローン顧客になる設定だが、
仕事上なら労災きかない?アメリカには、労災ない?20年後には年金も医療保険も何もかもが自己負担・・・これもありえること。
血飛沫が苦手な方にはオススメしないが、近未来の想像から、そんなにかけ離れているとは思えない作品。(美)
2010年/アメリカ/カラー/111分/スコープサイズ/ドルビーSRD/R-15
★7月2日 東宝シネマズみゆき座他、全国ロードシヨー
公式 HP >> http://repo-men.jp/
監督:ステイン・コニンクス
出演:セシル・ド・フランス、サンドリーヌ・ブランク、クリス・ロメ
1960年代ベルギー。パン屋の娘ジャニーヌは、サッカーに興じたりする活発な高校生。結婚し家業を継ぐことを望む抑圧的な母の思うままにはなりたくない。素敵なボーイフレンドもいたのに、修道女から聞いたアフリカの救援活動にいつか参加したいとドミニコ教会の修道院に入る。プレスリーが大好きな彼女は、聖ドミニコの教えを若い人たちにアピールしようと歌を作る。自ら歌ったところ、レコード会社の耳に入り、印税は教会に寄付する契約で[謎の歌うシスター]としてデビュー。全米ビルボードで1位を獲得し、レコードの売上げはエルヴィス・プレスリーを超え、世界で300万枚売れる大ヒット。アメリカのテレビ番組に出演したりして一世風靡するが、女性の性の自由を賛美する歌「黄金のピル」の創作を咎められ修道院を去る。修道衣を脱いだ彼女に世間は冷たく、支援者を得て行ったカナダツアーも失敗に終わり、悲劇的な最後を遂げる。
「ドミニク、ニク、ニク…♪」という一度聴いたら忘れられない軽快な出だし。小さい頃によく聴いた曲「ドミニク」が、ベルギーのシスターの作った歌だったことを、本作で初めて知りました。 聖ドミニコの教えを語った歌だったことにも驚きました。(何しろ子供の頃、日本語のカバーで聴いていたので!) まだまだ女性が自由でなかった60年代。時代を先取りするように、思うままに振る舞い、社会に対して発言したジャニーヌ。彼女の勇気ある行動の数々を知って、演じたセシル・ド・フランスも惚れ込んだそうです。セシルの成りきりぶりにも注目です。(咲)
2009年/フランス=ベルギー/125分/カラー/ドルビーSRD/35mm
配給:セテラ・インターナショナル
公式 HP >> http://www.cetera.co.jp/dominique/
監督:伊藤孝司
音楽:河弘哲
編集:土屋トカチ、小林アツシ
朝鮮民主主義人民共和国の首都・平壌で暮らすリ・ゲソンさん。 彼女の両手には包帯が巻かれていた。指の皮膚が薄く出血してしまうのだ。 指ばかりでなく幼い頃から消化器の病にも苦しむ… 彼女が自分の健康を蝕んだ原因を知ったのは2004年。 広島から訪ねてきた母親が広島市で被爆していることを告げた。 被爆から59年、それまで母親が黙っていたのには深い理由があった。
日本だけでなく国際社会にもほとんど知られていない「在朝被爆者」がテーマ。 広島・長崎の被爆者の中で日本政府から何の措置も受けていない「棄てられた被爆者」を取り上げた映画は日本では初めてだそうです。 08~09年に3度の平壌ロケを敢行し制作。 激動の時代を生きた在日朝鮮人の歴史と現在の日朝関係が見えてくる作品でした。(千)
2009年/日本/90分
配給:ヒロシマ・ピョンヤン制作委員会 宣伝:ブラウニー
★7/3(土)ポレポレ東中野にてモーニングショー!
監督:伊藤俊也
原作:永瀬隼介(「閃光」角川文庫刊)
脚本:長坂秀佳、伊藤俊也
プロデューサー:鍋島壽夫
音楽:大島ミチル
撮影:鈴木達夫
照明:木村匡博
録音:瀬川徹夫
編集:只野信也
衣装:青木茂
出演:渡辺大(片桐/所轄の若手刑事)、奥田瑛二(滝口/古参刑事)、川村ゆきえ(多恵子/片桐の恋人)、武田真治(宮本/月刊誌の記者)、かたせ梨乃(恭子/高級クラブのオーナー)、宅麻伸(吉岡/病院院長)、原田芳雄(高村/警視庁OB) 、夏八木勳(緒方/元警官)
隅田川で絞殺死体が発見され、野心溢れる若手刑事片桐と定年間近のベテラン刑事滝口のコンビで捜査を開始した。 滝口は上層部の指示を聞かず、独自の捜査をする。 片桐は苛立つが、滝口から殺された男は、‘三億円強奪事件’の最重要容疑者の一人であったことを教えられ驚く。 「戦後最大のミステリー」と言われたこの事件の資料を読みあさる片桐は、隅田川で殺された男の写真を見つける。
1968年12月10日。警察権力をあざ笑うかのように、現金三億円を強奪し、多数の遺留品を残しながら、
ついに時効を迎えた世紀の大事件。この事件のことはよく覚えている。
当時の三億円なんて想像もつかない金額で、確か国立の学費が月千円だったし、ピアノの月謝がバイエルで千五百円ぐらいだった
この作品の一部分は真実じゃないかな?と思わせる箇所(犯人と思われた青年が自殺したが、親族に警察関係者がいたらしい)があり、
興味をかきたてられた。犯人グループの描き方が少し緩く、現実味はないが、脇の武田真治、夏八木勲、熊谷真実、中田嘉子が◎。(美)
2010年/日本/カラー/115分/ビスタサイズ/ドルビーSRDデジタル
配給:角川映画
★7月3日 角川シネマ新宿ほか、全国ロードシヨー
公式 HP >> http://www.lostcrime.jp/
監督・脚本:リュック・ベッソン
撮影:ティエリー・アルボガスト
プロダクションデザイン:ユーグ・ティサンディエ
音楽:エリック・セラ
出演:ルイーズ・ブルゴワン(アデル・ブラン=セック) 、マチュー・アマルリック(デュールヴー)、ジル・ルルーシュ(カポニ警部)、ジャン=ポール・ルーヴ(ジュスタン・ド・サン=ユベール)、フィリップ・ナオン(メナール教授)、ニコラ・ジロー(アンドレフ・ズボロフスキー)、ジャッキー・ネルセシアン(エスペランデュー教授)ほか
突き進め。
幻の秘薬を求め、エジプト“王家の谷”から
パリ“ルーヴル美術館”へ
1911年のパリ。女性ジャーナリストのアデルは、古代エジプトの「復活の秘薬」を求めて王家の谷を探索している。ファラオに仕えた医師のミイラをようやく探し当てるが、マッドサイエンティストのデュールヴーが行く手を阻む。アデルが必死になるのは、ただ一人の妹をもとの元気な姿に戻すためであった。パリでは過去の遺物のような怪鳥が空を飛び、人々は恐れおののいていた。

100年前のパリを舞台にした男勝りの女性ジャーナリストに扮するのは、リュック・ベッソンの新しいミューズ、新星ルイーズ・ブルゴワン。『スピード』(1994年)で登場したサンドラ・ブロックを思い出しました。凝った衣装でお転婆ぶりを発揮する彼女や、滑空する翼竜プテロダクティルスのエピソードなど、漫画チックと思ったら原作はコミック(タルディ著の人気シリーズ)でした。お子様も楽しいと思いますが、PG-12です。
マチュー・アマルリックがどこにいるのかきょろきょろしました。宿敵のデュールヴーの背格好がぴったり、しかし顔は原型をとどめていません。ああ、びっくり。(白)
2010年/フランス/カラー/1時間47分/スコープサイズ/ドルビーSRD
配給:アスミック・エース
公式 HP >> http://adele.asmik-ace.co.jp/
監督・撮影・編集:スティーブン・ソダーバーグ
製作:グレゴリー・ジェイコブズ
製作総指揮:トッド・ワグナー、マーク・キュバーン
脚本:ブライアン・コッペルマン、デビッド・レビーン
出演:サーシャ・グレイ、クリス・サントス 他
エリート達を相手に1時間 $2,000 で売春のみならず、ディナーを共にし話し相手になって、まるで本物の「ガールフレンド」と過ごしているかのようなひとときを提供する高級エスコート嬢チェルシー。トップの座を守るために日々自分磨きを怠らず、スポーツジムのトレーナーである恋人とも良好な関係を続けていたが、ある日、心惹かれる男性客が現れて…。
ハリウッドの鬼才スティーヴン・ソダーバーグ監督が主演に選んだのは全米No.1アダルト女優、サーシャ・グレイ。とても可愛らしい顔立ちなのに、トップAV女優だったとは… 実際にアメリカでセックス・シンボルとして君臨している彼女、実はニーチェの哲学書を愛読するインテリ派なのだそうです。一般映画初出演! (千)
2009年/アメリカ/カラー/英語/シネスコ/ドルビーデジタル/77分
配給: 東北新社
★7/3(土)渋谷シネマライズほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.tfc-movie.net/girlfriend/
監督:小沼雄一
プロデューサー:小田泰之
脚本:港岳彦
撮影:早坂伸
音楽:宇波拓
出演:赤澤ムック、川本淳一、広澤 草、三浦誠己 他
優しい夫と結婚したばかりの絢子は洋服を預けに行ったクリーニング店で思いがけない男性と再会する。 彼は14年前、中学生だった絢子と恋に落ちた元中学教師。 教師をクビになり、いまでは腕のいいクリーニング職人として所帯を構えていた。 同じ町内で何事も無かったように日常生活を送る2人だが、かつて逢瀬を重ねた森での甘美な記憶が、少しずつ2人の距離を縮めていき-。
教師と生徒の禁断の愛と云うありがちな設定ですが、撮影がニコンのデジタル一眼レフカメラの、動画撮影機能「Dムービー」を使った面白い方法です。時折どうしても人物の動きに不自然さが見えてしまいますが、それ以外は綺麗でした。主演・赤澤ムックさんの、叫び狂うシーンが良かったです。本領発揮?! (千)
2010年/日本/カラー/HD/91分
配給:アムモ
★6/26(土)渋谷イメージフォーラムにてモーニング&イブニングショー
公式 HP >> http://musubime.amumo.jp/
監督・脚本:入江悠
製作:畠中達郎、澤田直矢、國實瑞惠、入江悠
エグゼクティブ・プロデューサー:外川康弘
プロデューサー:綿野かおり、入江悠、遠藤日登思
撮影・照明:三村和弘
音楽:岩崎太整
出演:山田真歩、安藤サクラ、桜井ふみ、増田久美子、加藤真弓 他
サイタマと群馬のラッパーが激突?! 舞台はさらに東京から離れた土地群馬。 主人公はラッパーになることを夢見ていた女子5人組(アラサー)ライブハウス無し、彼氏無し、未来の展望無し、の無い無いずくしの彼女たちの唯一の希望は伝説のラッパー、タケダ先輩のライブ跡地で女子ラッパーユニット「B-hack」の再結成ライブを実現することであったが問題が山積みで …。
サイタマのラッパー第二弾。前作より遠い群馬が舞台ですが撮影は埼玉県内がほとんどだったそうです。 主演の山田真歩さんが抜群に可愛い。 思わず私まで「ビー・ハック!」と心の中で歌ってしまいました(笑)。 入江監督に負けないくらい埼玉生まれ埼玉育ちの私も埼玉を愛してます。 これからも北関東を舞台に撮り続けて欲しいです。郷土愛映画。(千)
2010年/日本/カラー/95分
配給:ティ・ジョイ 宣伝お問合せ:プレシディオ
★6/26(土)新宿バルト9ほか全国順次シュッシュッシュッと公開!
公式 HP >> http://sr-movie.com/
監督・脚本:吉田恵輔
撮影:志田貴之
美術:藤田徹
音楽:佐々木友理
主題歌:羊毛とおはな「空が白くてさ」
出演:高岡蒼甫(百瀬)、田畑智子(佳代)、小野恵令奈(桃)、矢沢心、大島優子、(友情出演)太賀、赤堀雅秋
好きになるのは、カンタン。好きでいるのは、ムズカシイ。
百瀬はカスタムカーが趣味の30歳、恋人の佳代は29歳。同棲2年になるカップル。ラブラブ期間はとうに過ぎ、醒め気味の百瀬に、いちずな佳代はいらだっていた。そんな二人のアパートへ、佳代の妹で中学生の桃が夏休みを利用して泊まりに来る。天真爛漫な桃は下着同然の姿で歩き回り、百瀬は落ち着かない。佳代は恋人に馴れ馴れしい妹に本気で嫉妬する。

『机のなかみ』『純喫茶磯辺』の吉田恵輔監督が、ちょっとイタいカップルと小悪魔な15歳のひと夏を描きあげました。こういう人いるわ、という小さなリアルがいっぱいです。特に自意識過剰な百瀬の勘違いと、彼の後輩たちの「おもて裏ありすぎ」な態度に笑わせられます。田端智子さんは注目している女優さんで、このいじらしいイタさも共感できました。小野恵令奈はアイドルAKIBA48の一人で、映画初出演ですが、大人っぽくなったかと思えば「子どもだよ」と言い、故意か天然か判断に迷う桃を臆せず演じています。気になるラストのその後は、観客の皆さんの経験と想像力でまとめてください。(白)
2010年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給・宣伝:日活
公式 HP >> http://www.sankaku-movie.com/
監督・撮影:レイモン・ドゥパルドン
製作・録音:クローディーヌ・ヌーガレ
音楽:ガブリエル・フォーレ
編集:サイモン・ジャケ
出演:農場の人々
昔から農業一筋のブリヴァ兄弟と、折り合いが悪い都会から来たセシル母娘(甥の嫁と連れ子)。
雪深い山奥で一人静かに暮らすポール・アルゴー。
高齢のため家畜の牛を売るべきか迷っているシャライ夫婦。
羊飼いを夢見て移住してきたヴァラ夫婦。
血のつながりはないが高齢の夫婦から農場を受け継いだ若夫婦。
農場の暮らしに少し不満を持つジャン夫婦の息子ダニエルとダニエルを煩さがる愛犬。
世界最高の写真家集団“マグナム・フォト”に所属するピューリッツァー賞受賞のジャーナリスト、レイモン・ドゥパルドン監督の日本初公開作品。 南フランス・セヴァンヌ村。厳しい山間の土地で、営々と続く農業生活に埋没する感情を、内面に立ち入って解きほぐすが如く問うていく監督。 農民の表情の中から出てくるのは、諦めの言葉だけだが、だからといって悲しみや後悔の念はなさそうだ。あるのは、今まで培ってきた生活様式の自信と、必要最小限の道具類への愛着が画面を通じて伝わってくる。不必要なものは何もない、そこにフランスの洒脱さを感じた。(美)
日本もフランスも似ているなあと思いました。過疎地帯農村の嫁不足、 跡継ぎがいない、 農業生活に憧れて都会から田舎に引越してくるも「あきらめました」と挫折する若夫婦etc. 写真家集団マグナム・フォト所属のレイモン監督による日本初公開作品! 切ない音楽も良かったです。写真的映画。 (千)
2008年/フランス/90分/35mm/シネマスコープ/ドルビーSRD
★6月26日より、渋谷シアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショー!!
監督:ウダヤン・プラサッド
脚本:エリン・ディグナム
製作:アーサー・コーン
出演:ウィリアム・ハート、マリア・ベロ、クリステン・スチュワート、エディ・レッドメイン、桃井かおり 他
日本映画史に燦然と輝く名作『幸福の黄色いハンカチ』が33年の歳月を経て アメリカで甦りました!
山田洋次監督『幸福の黄色いハンカチ』もデジタルリマスターで33年ぶりにスクリーン復活。 初めて私はこの名作を2本同時に鑑賞しました。どちらの作品にも桃井かおりさんは登場してます(笑) 待ち続ける、という愛のカタチ。アメリカも日本も、愛のカタチは一緒 だった。 (千)
2008年/アメリカ/シネスコ/96分
配給: 松竹
★2010年6月26日(土)東劇ほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.yellow-handkerchief.jp/
監督:プピ・アヴァティ
脚本:プピ・アヴァティ アントニオ・アヴァティ
撮影:パスクァーレ・ラキーニ
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:シルヴィオ・オルランド(父ミケーレ)、フランチェスカ・ネリ(母デリア)、アルヴァ・ロルヴァケル(ジョヴァンナ)、エツィオ・グレッジョ(セルジョ)
1938年、第二次世界大戦前のイタリア、ボローニャ。17歳のジョヴァンナは、美術教師の父ミケーレが勤める高校に通っている。父は内気な娘を気遣いいつも励ましてくれるが、ジョヴァンナは美しい母デリアと比べて劣等感を持っている。ある日、人気のある男子生徒ダマストリとジョヴァンナが校庭で話しているのを見かけたミケーレは、娘のために教師としてあるまじき行動をとってしまう。娘に親切にしてくれれば成績に手心を加える、と彼に持ちかけたのだ。ジョヴァンナは思いが通じたと勘違いをし、新しいドレスでマルチェッラの誕生パーティに出かける。ジョヴァンナはパーティでダマストリを独占したくて泣き騒ぎ、デリアは娘をけしかけたと夫を責めるのだった。数日後、学校でマルチェッラの他殺体が見つかる。
イタリアの巨匠プピ・アヴァティが、自身の故郷ボローニャを舞台に郷愁溢れる作品を作りました。
娘ジョヴァンナの回想ナレーションで物語が進行。3人家族の愛憎が細やかに描かれます。デリアは愛情よりも生活のためにミケーレと結婚し、心は家庭にはありません。ミケーレはそんな妻の気持ちを知っていて、彼の愛情は娘へ注がれ、傷つきやすい娘を真綿でくるむように育てています。不穏な時代の空気をそこかしこにはらませて、戦争へと進むのと同時にあやうい家族が壊れていくさまを見せました。娘と対照的に美人で孤独な妻(あまり母親っぽくない)の強靭さが印象的でした。どの俳優さんもうまくて、イタイ映画であるのですが見入ってしまいました。
父ミケーレ役のシルヴィオ・オルランドはヴェネチア映画祭で主演男優賞、ジョヴァンナ役のアルヴァ・ロルヴァケルはイタリアでいくつもの受賞。4月30日~5月5日開催の<イタリア映画祭2009>にてプレミア上映されています。(白)
2008年/イタリア/カラー/104分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アルシネテラン
© 2008 DUEA FILM,MEDUSA FILM
監督:ミゲル・コアン
製作:グスターボ・サンタオラヤ、リタ・スタンティック
製作総指揮:ウォルター・サレス
出演:オラシオ・サルガン、レオポルド・フェデリコ、マリアーノ・モーレス、ホセ・“ペペ”・リベルテーラ、カルロス・ラサリ、アニバル・アリアス、カルロス・ガレーシア、オスカル・フェラーリ、ビルヒニア・ルーケ、ラグリマ・リオスほか
2006年、ブエノスアイレスの最も古いレコーディングスタジオで、40年代から50年代に活躍したスターたちが再会を果たしました。そして満員の聴衆が待ち構えるブエノスアイレスのコロン劇場。真夏の一夜、たった一夜の演奏のために集った伝説のマエストロたち。白髪、深い皺の刻まれた笑顔、現在の姿のあいまに若き日の映像がモノクロで挿入されます。南の人たちの血は熱いのじゃないかしら、と常々思っていますが、タンゴに変わらぬ情熱を注ぐ彼らの姿とその演奏に胸がいっぱいになりました。この収録の後、あいついで世を去ってしまったマエストロたちの姿をフィルムに焼き付けてくれてありがとう、と言いたくなったドキュメンタリー作品です。
この演奏を収録したアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」は、2006年ラテン・グラミー最優秀アルバム賞を受賞。(白)
2009年/アルゼンチン/カラー/92分/ドルビーSRD&SR/
配給:スターサンズ 宣伝:メゾン
(c) 2008 Lita Stantic Producciones S.A./Parmil S.A./Videofilmes Producciones Artisticas Ltda.
公式 HP >> http://starsands.com/tango/
監督:ブライアン・レヴァント
脚本:ジョナサン・バーンスタインほか
撮影:ディーン・カンディ
音楽:デヴィッド・ニューマン
出演:ジャッキー・チェン(ボブ・ホウ)、アンバー・ヴァレッタ(ジリアン)、マデリン・キャロル(ファロン)、ウィル・シャドレイ(イアン)、マリーナ・フォーレイ(ノーラ)、ビリー・レイ・サイラス(コルトン)、ジョージ・ロペス(上司グレイズ)、マグナス・シェヴィング(ポルダーク)
中年セールスマンのボブ・ホウにはもう一つの顔があった。中国から出向してきているCIAの敏腕エージェント。隣家のシングルマザーのジリアンと婚約中だったが、本当の仕事を明かせずにいた。ジリアンの3人の子供たちには二人の結婚に大反対。ホウは冴えないおじさんでしかなかったからだ。急に父親の看病で出かけるジリアンに、いいチャンスとばかり「子供たちはまかせて」というホウ。あの手この手でやんちゃな子供たちと仲良くしようと試みる。パソコン好きな長男イアンが、ホウのパソコンをいじって極秘ファイルをダウンロードしてしまったことから、子供たちはとんでもない事態にまきこまれていく。
ジャッキー・チェンが『バトルクリーク・ブロー』でハリウッドに進出してから30年。このところシリアスな作品が続いていたジャッキーでしたが、原点に戻ったかのように楽しくてアクションいっぱいの作品。家の中で繰り広げられるアクションは、そのへんにあるものを武器に使い、リアルな痛さがありません。子供と一緒に安心して楽しめるものになっています。ジャッキーのこれまでの名場面もちょっぴりずつ観られます。
映画公式サイトで4月30日から6月18日まで投票受付をしていた「A-1グランプリ」。1979年の『ドランクモンキー 酔拳』から、昨年公開の『新宿インシデント』までの全59作品の中から選ばれた「ジャッキー・アクションNo.1」はこちら。3866人のファンが参加したそうです。あなたの好きなジャッキー作品はなんでしょうか?(白)
「A-1グランプリ」投票結果
1位 『プロジェクトA』
2位 『ポリス・ストーリー/香港国際警察』
3位 『酔拳2』
4位 『酔拳』
5位 『スパルタンX』
2010年/アメリカ/英語/カラー/ヴィスタ/92分/SRD・SDDS・DTS
配給:ショウゲート
公式 HP >> http://www.w-mission.jp/
監督・脚本:ダリオ・アルジェント
製作:サルヴァトーレ・アルジェント
原案:ルイジ・コッツィ、マリオ・フォグリエッティ
音楽:エンニオ・モリコーネ
撮影:フランコ・デ・ジャコモ
出演:マイケル・ブランドン、ミムジー・ファーマー 他
ロックバンドの若きドラマー・ロベルトは執拗に自分をつけ回す正体不明の中年男に悩まされていた。 セッションを終えた或る深夜、その中年男を見つけた彼はその影を追い、揉み合いになり刺殺してしまう。 この出来事を契機に次から次へと不可解な事件が勃発。 ロベルトはそれらの事件を調べるとそこには“4匹の蝿”を 思わす奇妙な黒点が浮かび上がる。 ロベルトは事件の真犯人との闘いを決意するが-。
日本劇場初公開から37年、イタリアン・ホラーの巨匠、ダリオ・アルジェントの幻の傑作が遂に解禁となりました。 DVD化もされていません。鮮烈なカラーと独創的な映像美に目を奪われました。 オカルト色が強い恐怖映画なのに、時折どうしても笑ってしまうシーンがあるのは監督の作風なのでしょうか? 動物(と昆虫)を謎解きに用いた通称「動物三部作」の最終章として発表された作品です。 (千)
提供・配給:キングレコード+iae
宣伝:井瀧誠司
協力:TRASH-UP!!(屑山屑男)、山崎圭司
1971年/イタリア/カラー/101分/日本初公開1973年
★6/19(土)~7/16(金)シアターN渋谷にて4週間限定モーニング&レイトロードショー
ほか全国順次公開 ※デジタル上映
公式 HP >> http://www.kingrecords.co.jp/4flies/
監督・脚本:磯村一路
原作:河原れん
撮影:柴主高秀
美術:新田隆之
編集:菊池一純
音楽:渡辺俊幸
出演:北川景子、大塚寧々、岡田将生 他
美大生の淳一と泉美は恋人同士。 ある日、バイクで花見に出かけた帰り、トラックとの衝突事故に遭い、泉美だけが助かることに。 そのショックで事故当時の記憶喪失となるが弁護士・真希子との出会いをきっかけに、 封じ込まれた記憶をたどっていくと… そこには淳一が最期の一瞬に込めた衝撃の愛の奇跡が隠されていた-。
最近、映画やドラマと出演が続いている人気女優、北川景子さん主演。 監督が原作、河原れん氏の処女小説「瞬」に惚れ込み映画化したそうです。 透明感あふれる映像でした。 (千)
2010年/日本/カラー/110分/アメリカンビスタ/DTSステレオ
配給:SDP
★6/19(土)新宿バルト9ほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.matataki-movie.jp/
監督:アルバート&アレン・ヒューズ
脚本:ゲイリー・ウィッタ
撮影:ドン・バージェス
音楽:アッティカス・ロス
出演:デンゼル・ワシントン(ウォーカー)、ゲイリー・オールドマン(カーネギー)、ミラ・クニス(ソラーラ)、レイ・スティーヴンソン(レッドリッジ)、ジェニファー・ビールス(クローディア)、フランシス・デ・ラ・トゥーア(マーサ)、マイケル・ガンボン(ジョージ)、トム・ウェイツ(店主)ほか
空に穴があいて荒廃した地球。廃墟と化したアメリカ大陸を何年も歩き続ける「ウォーカー」と呼ばれる男がいる。彼はたった一冊残った本を届けるため西へ西へと向かっていた。盗賊たちを率いて、わずかに残っている水源を独り占めしているカーネギーは、ウォーカーの運ぶその本に目をつける。世界を支配するためにどうしてもその本が必要だった。
このごろ地球が滅亡する話が続いています。あまり続くと滅入りますが、これは大好きなデンゼル・ワシントン主演なのでいち早く試写に駆けつけました。色味の少ない画面、コマ落としのようなアクションがクール。スタント・コーディネイターはジェフ・イマダ(日系人なんでしょうか?)、ブルース・リーの弟子の武道家ダン・イノサント。デンゼル・ワシントンはマーシャル・アーツと山刀の扱い方の特訓をしたそうです。
ウォーカーの名前は作品中なかなか明らかになりませんが、原題には「ELI」と入っています。謎の本が何かは早く予想がつきますが、ELIの名を知る人にはすぐわかることでしょう。彼の前に現れる絵に描いたような悪者達、砂塵舞う舞台はまるで西部劇を観るようです。『フラッシュ・ダンス』のジェニファー・ビールスがカーネギーに囲われる盲目の女役で出演。娘ソラーラ役のミラ・クニスがフレッシュなヒロイン。しかし一番印象に残ったのはサバイバル精神旺盛な老夫婦でした。(白)
2010年/アメリカ/カラー/1時間58分/スコープサイズ/SRD
共同配給:角川映画・松竹
(C)2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
公式 HP >> http://www.thewalker.jp/
監督:豊島圭介
脚本:林民夫
撮影:藤石修
主題歌:倉木麻衣「chance for you」
出演:永山絢斗(オニツカ)、賀来賢人(ノグチ)、波瑠(クサナギ)、大倉孝二(澤山先生)、加治将樹(ナカニシ)、中村織央(マツモト)、斎藤嘉樹(イシオカ)、西洋亮(タナカ)、加藤諒(オオウチ)、松島庄汰(ヤマモト)、タイラー(ロドリゲス)、いしのようこ(オニツカ母)ほか
経験ゼロでいきなり全国大会!?ヤツらにキセキはおきるのか?
佐賀県のとある高校。3年生のオニツカはラーメン屋の息子。一人で店を切り盛りする母を見て育ったが、密かな夢はフレンチのシェフになること。引っ込み思案なオニツカをいつも振り回しているのが幼馴染でお調子者のノグチだった。そして今日も。
「全国大会ばい!おれたちはヒーローだ!」なんのことやらと訝るオニツカにノグチは息巻く。県内に競争相手のないのは男子ソフトボール部。これなら楽勝、戦わずして全国大会へ行ける!ノグチは思い込みで部員を集め、初心者ばかりのソフトボール部が誕生した。いつのまにか部員たちがまとまり、真剣に練習にうちこむようになったころ重大な事実が判明する!
この作品を観るまで男子ソフトボール部があることを知りませんでした。男子は野球、ソフトボールは女子と思っていました。大会もあれば大学にもチームがあるようです。これは佐賀県牛津高校での実話をベースにしている、というのがなんとも可笑しい青春映画。キャッチコピーにある「青春とは思い込みなのだ」が言いえて妙です。
永山絢斗、賀来賢人の二人のけんと君が主演。永山絢斗は瑛太に似ているなぁと思ったら実の弟。初の主演です。でこぼこチームが、苦労しながらまとまっていくようすがいじらしくも笑えました。旬で個性豊かな男の子たちがたくさんの楽しい映画。女子ソフトボールの金メダリスト上野由岐子さんも特別出演。その投球のまさに目も止まらぬスピードにスタッフ、出演者驚愕したそうです。(白)
2010年/日本/カラー/113分/
配給:東映
(C)2010「ソフトボーイ」製作委員会
公式 HP >> http://www.softboy.jp/
監督:纐纈(はなぶさ)あや
プロデューサー:本橋成一(『ナージャの村』『アレクセイと泉』)
撮影:大久保千津奈(KBC映像)
製作デスク:中植きさら
協力:祝島島民の会、KBC映像
女性たちが作った、28年間原発に反対する祝島の人々の日常を描いた映画
反対運動を牽引する元気な女性たちの姿が眩しい!
瀬戸内海に浮かぶ山口県上関町《祝島(いわいしま)》は、人口約500人の小さな島。古代から海上交通の要衝だった祝島には、航海安全を祈願し豊かな海への感謝を捧げる神官、祝(ほうり)がいたという。海の幸で漁業を営み、代々受け継いできた棚田で農業を営んで、静かに暮らしてきた島の人たち。1982年、中国電力が対岸4kmに原子力発電所の建設計画を発表する。以来28年間、島の9割の人たちが原発建設に反対し続けている・・・
本作は、祝島の人たちに惚れ込んだ纐纈あやさんが、2年間にわたり人々の日々の暮らしを記録したドキュメンタリー。纐纈あや監督、撮影の大久保千津奈さん、製作デスクの中植きさらさんと、女性3人で島に泊り込んで作り上げた本作には、原発反対運動を続けてきた島の人たちの信念が描き出されています。
さおに干したゆらゆら揺れる蛸を「蛸踊り~♪」と、楽しそうに運ぶおばちゃんたち。釣れたカサゴに「うちのオバンとそっくりじゃ」と語りかける漁師のおっちゃん・・・ 祝島の人たちが何気なく発する言葉が微笑ましくて、思わず笑ってしまいます。いろいろな思いがあってもユーモアを忘れない精神が、28年もの間、原発反対を唱え続けてこられた秘訣かもしれません。毎週月曜日、鉢巻をしてデモ行進する人々には気負いもなく、世間話などしていて和やかな雰囲気。反対派の人たちにとって、もう、デモも日常になっているのです。一方で、中国電力の監視船に向って、「命をかけてやったこと、あるか?」と、厳しい声で叫ぶことも忘れません。監視団の人々が微動だにせず直立不動でいることに、背筋が寒くなります。
後世の人々に綺麗な海を残したい・・・ その一念が、多額の漁業補償金に目もくれることなく人々を動かしていることに、私たちは学ぶことがありそうです。(咲)
おばあちゃんは元気!!
この作品を観て、28年にも渡る原発反対運動を支えてきたおばあちゃんたちのたくましさに感動した。豊饒な海の恵で生きてきた祝島の人々。そんな生活を無くしたくない、この海を汚されたくないという思いから原発反対運動は発生したと思うけど、生活に根差した運動は強い。こういう切実な思いから起こった運動は、おばあちゃんが頑張っているなと思う。日本では、沖縄の辺野古の移転問題でも、おばあちゃんが頑張っているし、成田闘争でも地元農家のおばあちゃんたちが頑張っていた。
祝い島では、毎週月曜日にデモをしている姿が出てきたが、それを観て、韓国で元従軍慰安婦のおばあちゃんたちが毎週水曜日、韓国の日本大使館前で抗議行動をしている姿を思い出した。嬉々として出かけるオモニ(おばあさん)たちの姿が、祝島のおばあちゃんたちの姿とダブって見えた。そして、つい最近観た『アメリカ 戦争する国の人びと』の中でも、アメリカのおばあちゃんたちが体を張って、軍隊への入隊募集を阻止する行動をしていた。こんなおばあちゃんたちの姿を見て、こういう人たちがいる限り、世の中捨てたものじゃないなと思う反面、なぜおばあちゃんたちばかり?とも思ってしまった。
この映画をいろいろな人に観てほしいけど、なによりも若者たちが観て、原発について考えてもらいたいし、元気をもらってほしい!(暁)
製作:ポレポレタイムス社
2010年/HDV/日本/105分
24年前に起きたチェルノブイリ原発事故発生日にあたる【4月26日】に、なかのZERO 小ホールでトーク付完成披露上映会が行われました。
【 プロデューサー:本橋成一氏のメッセージ 】
チェルノブイリ原発事故から24年が過ぎた。今、あの恐怖が嘘のようにふたたび核の平和利用という名のもとに原発が動き出してきた。4月26日。この日に一本の映画が完成する。纐纈あやの初監督となる「祝(ほうり)の島」には、祝島の人々が祖先から引き継いだ暮らしの文化が詰まっている。この映画とともに、もう一度核について、ぼくたちの暮らしについて考えてみたい。 (完成披露試写会 案内状より)
完成披露試写会の模様は、特別記事をどうぞ!
公式 HP >> http://www.hourinoshima.com/
監督・脚本:キャリー・ジョージ・フクナガ
撮影:アドリアーノ・ゴールドマン
美術:クラウディオ・コントレラス
編集:ルイス・カルバリャール/クレイグ・マッケイ
音楽:マーセロ・ザーヴォス
プロジューサー:エイミー・カウフマン
製作総指揮:ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
出演:バウリーナ・ガイタン(サイラ)、エドガー・フロレス(カスペル/ウィリー)、クリスティアン・フェレール(スマイリー)、テノック・ウエルタ・メヒア(リルマゴ)、ディアナ・ガルシア(マルタ)
ホンジェラスで暮らす少女サイラの元に、父がアメリカから強制送還されて戻ってきた。
父の望みは、もう一度サイラを連れてアメリカに行くことだ。気乗りしなかったサイラだったが、
父と叔父の3人でグアテマラ、メキシコを経由して、アメリカのニュージャージー(父の新しい家族が住んでいる)を目指した。
一方、メキシコのチヤパスに住むカスペルは、ギャングの一員として暮らしていた。
内緒で付き合っていた恋人マルタは、リーダーに犯されそうになり、打ち所が悪く死んでしまう。
この繋がりのないサイラとカスペルは、サイラたちの乗った汽車を、カスペルたちギャングが襲うという最悪な中で出会う・・・。
『シティ・オブ・ゴット』『そして、一粒のひかり(麻薬をビニールで固く包み、何個も飲み込んで密輸をしていた)』に出てきた ギャングの結束の固さと惨さが、ここでは悲しい真実として、より深く描かれている。 また、希望の地に行く不法移民の群れが、死と背中合わせの旅をする姿に、力強さと切なさを感じた。 どこを切り取っても、甘ちょろい映画ではないが、音楽が辛い気持ちを慰撫してくれる。 ガエル・ガルシア・ベルナルがほれ込んで、製作総指揮に名を連ねているのも頷ける作品。(美)
2009年/アメリカ、メキシコ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/スペイン語/96分
★6月19日(土)より、シネマライズ・TOHOシネマズシャンテ他 全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.yami-hikari.com/
1960年に反サイゴン政権・アメリカ・反帝国主義を掲げた南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)が結成され戦争が勃発してから50年。1975年のサイゴン陥落から35年。ベトナム戦争の記憶も遠ざかり、繁栄するベトナムは、今や日本にとって貿易の好相手国であり、気軽に行ける旅の目的地としても人気である。それでも、私たち中年以上の世代にとって、ベトナムというと、真っ先に思い浮かぶのは子供たちまでもが犠牲になった悲惨な戦争のことではないだろうか。ロバート・キャパ、沢田教一、一ノ瀬泰造など、ベトナム戦争の惨状を撮り続け戦場に散った報道写真家が残した写真で、戦争の悲劇を知った若い世代も多いことと思う。
ベトナムでは、いまだに枯葉剤の影響と思われる奇形児が生れてくるという。戦争で家族を亡くした方も数多い。ベトナムの人たちにとって、戦争はいつまでたっても過去のものではないはずだ。
そして、泥沼化したベトナム戦争への反省もなく、イラクやアフガニスタンに派兵し続けるアメリカ。今も、各地で一般市民が戦争の犠牲になっていることを思い、なぜ、過去に学ばないのかと悲しくなる。
今回、ベトナム戦争勃発から50年を機に日本で初公開されるこの2作は、製作された1970年代の当時、映画祭では評価されながら、アメリカ国内で黙殺されたものである。それだけに、戦争を起した当事者にとって知られたくない真実が描かれているということだろう。
自国の政策に疑問を感じて、勇気を持って立ち上がった人たちがいたことをあらためて知ることができる二作である。
○『ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実映画』(英題:HEARTS AND MINDS)
製作:バート・シュナイダー&ピーター・デイヴィス
監督:ピーター・デイヴィス
出演:ジョルジュ・ビドー/ジョン・フォスター・ダレス/クラーク・クリフォード/ウォルド・ロストウ/ジョージ・コーカー/ランディ・フロイド・ノーマン/J.W.フルブライト
インドシナ戦争後の南北分断に端を発する戦争勃発の原因、アメリカの政治家や官僚たちのエゴイスティックな大義と、1000年以上に渡って他国の侵略を受けてきたベトナム人たちの怒り、最前線から帰還した兵士たちの生々しい証言、村を焼かれ、子供を殺されたベトナムの人々の叫び…。なぜ、アメリカはベトナムと戦うことになったのか? そして彼らはそこで何をしたのか? そして、そこでの行為はどんな結果を生み、どんな影響を及ぼしたのか?映画はアメリカ、ベトナム、大統領から庶民まで、賛成派、反対派、戦争を体験したあらゆる層の人々の証言を積み重ね、無意味な戦争の真実を浮かび上がらせていく。(作品資料より)

「世界一の軍隊の自覚」「世界の自由を勝ち取るまで戦う!」「進歩を世界の人たちと分かち合いたい」・・・ アメリカのおごりを象徴する言葉の数々に、今さらながら唖然とさせられる。一方、帰還兵の言葉には、「共産主義を倒す為に戦うと信じこもうとした」「ベトナム人の為と思って戦った」と苦しい胸の内が感じられる。「平和と正義を求める人を共産主義者という」「南北の統一を求めただけなのに政治犯として刑務所