女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
過去の映画作品紹介(2004年)

『ヴィタール』 『ブエノスアイレスの夜』 『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』 『母のいる場所』 『石井のおとうさんありがとう』 『約三十の嘘』 『銀のエンゼル』 『花はんめ』 『トントンギコギコ図工の時間』 『ボン・ヴォヤージュ』 『ふたりにクギづけ』 『アンナとロッテ』  『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』 『誰も知らない』 『CEO:最高経営責任者』 『誰にでも秘密がある』 『雨鱒の川』 『マルセイユ・ヴァイス』 『血と骨』 『オールド・ボーイ』 『タカダワタル的』 『「韓国映画祭」日韓国交正常化40周年記念』 『ラブ・コレクション』シリーズ 『爆裂都市』 『SAW ソウ』 『LOVERS』 『「あゝ!一軒家プロレス」』 『春夏秋冬そして春』 『ターンレフト・ターンライト』 『レディ・ウエポン』 『オー!マイDJ』 『市川雷蔵祭 艶麗』 『TUBE チューブ』 『オーバー・ザ・レインボー』 『ハッスル!』 『ビハインド・ザ・サン』 『インファナル・アフェア 無間序曲』 『マッスル・モンク(大隻イ老)』 『沈黙の聖戦』 『最‘狂’絶叫計画』 『菊花の香り 〜世界でいちばん愛されたひと〜』 『アトミック・カフェ』 『雲 息子への手紙』 『トッポ・ジージョのボタン戦争』 『天国の青い蝶』 『IZO』 『第5回東京フィルメックス』 『風音』 『バレエ・カンパニー』 『丹下左膳・百万両の壺』 『ティラミス』 『アラモ』 『東京国際ファンタスティック映画祭2004』 「第17回東京国際映画祭」 「アトム・エゴヤン映画祭2004」 「第17回東京国際女性映画祭」 『17歳の処方箋』 『ままは留学生』 「アジアフォーカス・福岡映画祭2004」 『イエスタデイ 沈黙の刻印』 『コウノトリの歌』 『dot the i ドット・ジ・アイ』 『藍宇 LAN YU 〜情熱の嵐〜』 「シオニズムと映画」 「『アラブ映画祭2005』プレイベント」 『歌え!ジャニス・ジョプリンのように』 「シネマコリア2004」 『プロミス』 『Mの物語』 「黒木和雄監督特集」 『スキャンダル』 『アメリカン・スプレンダー』 『永遠の片想い』 『ゲート・トゥ・へヴン』 『青の塔』 『ベジャール、バレエ、リュミエール』 『家族のかたち』 『ブラザーフッド』 『永遠の語らい』 『上海家族』 『少女ヘジャル』 『ハナのアフガンノート』 『午後の五時』 『ホワイト・バレンタイン』 「オキナワ映画クロニクル」 『4人の食卓』 『純愛中毒』 『危情少女〜嵐嵐』 『氷の国のノイ』 「ぴあフィルムフェスティバル」 『ヒロイック・デュオ』 『キャンプ』 『スクール・オブ・ロック』 「日本映画の巨匠と女優たち」 「第12回フランス映画祭横浜2004」 「中国映画の全貌2004」 「イラン映画祭2004」 『ホストタウン エイブル2』 『女王フアナ』 『Jam Films 2』 『タイムリミット』 『わが故郷の歌』 『ヒバクシャ 世界の終わりに』 『かげろう』 『ラスト・サムライ』 『ヴァイブレータ』 『ハッピー・エンド』 『9000マイルの約束』 『精霊ながし』 「三浦淳子作品上映」 『ションヤンの酒家(みせ)』 『ヘブン・アンド・アース』 「サミラ・マフマルバフ&ハナ・マフマルバフ来日イベント」 『シービスケット』 「映画のアフガニスタン」 『フルタイムキラー』 『味』 「第14回にいがた国際映画祭」 『ショコラーデ』 『TAIZO』 『オール・アバウト・シスターズ』 『ブルース・オールマイティ』 『アイ・ラヴ・ピース』 『バレット・モンク』 『フル・フロンタル』 『飛ぶ教室』 『MUSA 武士』 「東南亜ニューウェイブとタイ新派電影セレクション」 「第4回彩の国さいたま中国映画祭」 『エヴァとステファンとすてきな家族』



『ヴィタール』

監督・脚本:塚本晋也
人体造型:織田尚 エンディングテーマ曲:Cocco「blue bird」
出演:浅野忠信、柄本奈美、KIKI、岸部一徳、國村隼、串田和美、りりィ、木野花、利重剛 ほか
2004年/日本/86分/35ミリ/アメリカンビスタ/DTSステレオ

高木博史は病院のベッドで目を覚ました。交通事故から一命を取り留めたのだ。しかし目の前にいる両親の記憶さえも無くなっていた。抜け殻のように彷徨う彼は、何故か医学書にだけは興味を示し、医学部に入学する。医者である両親はそのことを喜ぶが、記憶は依然として戻らない。やがて解剖学の実習が始まり、彼のグループに割り当てられたのは若い女性の遺体だった。まるで取り憑かれたように解剖に熱中する博史。解剖するにつれ、徐々に記憶の断片が甦ってくる。それは涼子という女性の記憶。涼子は博史の車に同乗していて事故死した恋人だった。記憶の映像は次第に鮮明になるが、それは記憶を越えていた。博史にとって解剖の時間は涼子と過ごす別世界での安らぎの時間となっていき、どちらがリアルなのか分からなくなってくる。

解剖という普通じゃない方法ではありますが、それによって互いの愛を全うし、すべてを喪失した男が再生していく、かなり純粋なラブストーリーです。主演の浅野忠信が、抜け殻になってガラス玉の眼で漂う前半、その眼に狂気を帯びていく後半を見事に演じ、怖いくらいです。一方、映画初出演の二人の女優は存在感という点では申し分ないのですが、浅野と並ぶと演技面での素人さ加減が目立ってしまって気になりました。
解剖というのは医学生の特権で、一般人が見たり経験することはまず無いことです(やったら犯罪です)。この映画を制作するにあたって、監督自らが2ヶ月間解剖実習に立ち会い、かなりディーテイルにこだわって解剖実習シーンを撮影しています。私は、こんな経験をした医者というのは、どこか一般人とは人間を見る目が違っているのではないかなぁ、などと考えながら観ていました。

配給:ゼアリズエンタープライズ

2004年第61回ベネチア国際映画祭 特別招待作品

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式サイト >> http://www.vital-movie.com/



『ブエノスアイレスの夜』
監督:フィト・パエス
撮影監督:アンドレ・マッソン
美術:ジョルジュ・フェラーリ
音楽:フィト・パエス、ヘラルド・ガンディーニ
出演:セシリア・ロス、ガエル・ガルシア・ベルナル、ルイス・シェンブロウスキー、ドロレス・フォンシーほか

アルゼンチンでは歌手、作曲家として高名なフィト・パエス監督の初長篇作品。 妻でもあるセシリア・ロスを主演にすえて、軍事政権下での傷の癒えない女性と、 運命に導かれるように巡り会う若い男娼の禁断の恋を描いています。
このところ出演作が続いているガエル・ガルシア・ベルナルは78年11月生まれですが、 今もナイーブな少年のような瞳と笑顔が印象的。音楽とスペイン語の響きもいいです。

2001/アルゼンチン・スペイン映画/カラー/105分/SRD/ビスタサイズ
配給:アット エンタテインメント

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.buenos-yoru.com/index_content.html



『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』
製作:桝井省志
監督:サン・マー・メン
音楽監督:ミッキー吉野
出演:デイヴ平尾(Vo)、エディ藩(G)、ルイズルイス加部(B,G)、ケネス伊東(G,B)、ミッキー吉野(Key)、 マモル・マヌー(Dr)、林恵文(B)、アイ高野(Dr)、ジョージ柳(B)、ジョン山崎(Key)

戦後、米軍のハウス地区に指定された横浜・本牧は、“フェンス越しのアメリカ”と 呼ばれた街。1960年代、ベトナム戦争が激化し、米兵相手のクラブが林立する中に 「本牧ゴールデンカップ」があった。そこのレギュラーバンドとして1966年に結成さ れた日本初のR&Bバンドが「ザ・ゴールデンカップス」だった。折りしも、和製 ポップスのグループサウンズが全盛時代を迎え、ザ・ゴールデンカップスも「長い髪 の少女」で一躍名を馳せるようになる。しかし、彼らにとって、それは本位ではな かった・・・。

SIDE?A(前半)では、バンド結成の1966年から、沖縄公演中の火事で楽器 が全焼し解散するに至った72年までの7年間を、当時の映像や、彼らをリスペクト する総勢44名のミュージッシャン達のインタビューで綴っている。
SIDE?B (後半)は、解散して31年、当時の賑わいがすっかりなくなった本牧 に近い、以前は海だったところに建てられたクラブ「MATRIX」に、オリジナル メンバーが集まって実現させたライブ映像。

当時の「ザ・ゴールデンカップス」を知る世代には、青春時代に思いを馳せるひとと きを、若い人たちには、60年代の世相を知る格好の映像を提供してくれる映画と なっている。

2004年/日本/2時間10分
製作・配給:アルタミラピクチャーズ

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.onemoretime.jp/



『母のいる場所』

母親の介護をとおして、家族の一人ひとりがそれぞれの苦しみを乗り越えて成長を遂げる。 久田恵が自身の体験を書いたノンフィクションを、槙坪夛鶴子監督が映画化した。 紺野美沙子主演。

(日本/2003年/116分)

第16回東京国際女性映画祭で上映された『母のいる場所』(槙坪夛鶴子監督)は、 これから各地で上映されるようです。 企画制作のパオのサイトに上映予定が紹介されますので、ぜひチェックしてみて下さい。 予告編も観ることができます。

※ 平成17年4月9日(土)〜22日(金)まで、岩波ホールで特別上映が決定しました。

企画制作パオ HP >> http://www.pao-jp.com

○シネマジャーナル60号に、 槙坪夛鶴子監督インタビュー記事を掲載しています。


『石井のおとうさんありがとう〜岡山孤児院〜石井十次の生涯』
製作総指揮:山田火砂子
原作:横田賢一「岡山孤児院物語」(山陽新聞社刊)
脚本:青木邦夫、松井稔、山田火砂子
プロデューサー:井上真紀子
出演:松平健、永作博美、辰巳琢郎、竹下景子 ほか

ブラジルの日系人老人ホームで、一人の老人が他界した。 「石井のおとうさんありがとう」と書いた写真を残して…。
孫の西山洋子は、その意味と自分のルーツを求めて日本へ旅立つ。
宮崎県の養護施設で園長先生と出逢った洋子は、祖父が育った「岡山孤児院」と、 福祉という言葉もない明治時代に、三千人もの孤児を救済した石井十次の存在を知る。
次第に解き明かされて行く十次の波乱万丈の生涯と偉業の数々。 孤児の父として次々と遅いくる困難を乗越えていく姿は、まさに 『愛と炎の人』であった。


製作:現代ぷろだくしょん http://www.gendaipro.com/

★3月19日〜 シネセゾン渋谷にて公開中

公式 HP >> http://www.gendaipro.com/juji/



『約三十の嘘』
監督:大谷健太郎
原作:土田英生
共同脚本:土田英生、大谷健太郎、渡辺あや
音楽:クレイジーケンバンド
出演:椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一、八嶋智人、伴杏里

劇団MONOを主宰する土田英生の戯曲を映画化したもの。 6人の登場人物はみんな嘘を生業にして生きている詐欺師たち。ある事件で解散したチームが、3年ぶりに再編成。寝台特急トワイライトエクスプレスで北海道へ向かう。 欠陥品の羽根布団セットを30万円で500組売れば1億5千万!皮算用とそれぞれの思惑を乗せて列車は走る。 騙しだまされ、愛し愛されたい6人と札束はどこへ行くのか??

劇中、詐欺師たちが「道具」として使うパンダの着ぐるみ“ゴンゾウ”が“嘘の神様”キャラとしてひとりだち。 約30のアイテム発売。ショートフィルムも製作されたとか。タレ目じゃないパンダがいたら”ゴンゾウ”です。よろしく。

2004年 第17回東京国際映画祭 特別招待作品
★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://30uso.com/



『銀のエンゼル』
監督・原案:鈴木貴之
脚本:木田紀生
撮影:猪本雅三
出演:小日向文世、大泉洋、佐藤めぐみ、山口もえ、辻本祐樹、西島秀俊、嶋田久作、浅田美代子ほか

北海道の小さな町でコンビニを営んでいる北島昇一(小日向)は、 実務を妻(浅田)と店員に任せてきままな毎日を送っていた。しかし、 ある日娘の高校に出かけようとした妻が交通事故に逢い、店と家事とが昇一の肩にかかり、 会話も途絶えがちだった娘の由希(佐藤)とも向き合わねばならなくなる。
「銀のエンゼル」は森永のお菓子・チョコボールの箱についているマーク。 「金のエンゼル」なら1枚、「銀のエンゼル」なら5枚で景品の「おもちゃの缶詰」がもらえる。 毎日1個チョコボールを買うバツイチ子持ちの美女・明美(山口)は、自分で選ぶと外れるから、 と店員に選んで貰っているがなかなか当たらない。

「水曜どうでしょう」でカリスマ的人気を誇る鈴木貴之が監督、 大泉洋が納品に来るトラック運転手役で出演。夫婦、親子の関わりと、 24時間営業の光に誘われるようにコンビニに集まってくる町の人々のいろいろな顔を見せています。 前作の『river』では暗ーい役だった大泉洋が、 この作品ではほとんど「水曜どうでしょう」のノリ。
ちょっと情けないコンビニオーナー役、小日向文世の笑顔のようなほんわか映画に仕上がっていました。

★新宿シネマミラノでの上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

公式サイト >> http://www.ginen.jp/index.html



『花はんめ』
[ちらしより]

1999年にクランクイン。
はんめたちの日常を4年にわたって撮影。
老い真只中の青春を描いたドキュメンタリー映画です。

川崎市桜本1丁目。
この街の小さな路地の小さなアパートのひと部屋に、 花も恥じらう乙女たちが集まってきます。
故郷は朝鮮半島にあるという在日一世で、人生も終盤かなあ、 というはんめたち。
はんめって〈韓国の方言で〉おばあちゃんのことです。
遠く故郷を離れて、波瀾万丈の年月を重ね、働けるまで働いて、 ようやくちょっとは楽できるかなというはんめたちが主人公。

?? 夢はなんですか?
?? 夢なんかないよ。
ただ歌って踊って笑って、
今が夢のようだよ…。

過去も未来も全てひきうけて、今を力の限り生きるはんめたち。 80才を過ぎてやっと手にした穏和な日常は人生の中で一番輝きを放ちます。

アップリンクファクトリーでの上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.hanahanme.com/



『トントンギコギコ図工の時間』
監督:野中真理子
語り手:犬山イヌコ
撮影:夏海光造
製作:海プロダクション・野中真理子事務所・ヒポ コミュニケーションズ・ 「トントンギコギコ図工の時間」製作委員会
2004年/カラー/ハイビジョン・16mm/99分

野中真理子監督のドキュメンタリー映画第二作目「トントンギコギコ図工の時間」 の主人公は、東京・品川のごく普通の公立小学校に通う子どもたち。 学校に通って、友達と遊んで、塾に行って、ケンカして……、 そんな毎日の中に、週に一度楽しい図工の時間がある。 タダモノでない雰囲気の図工専科のウチノ先生と一緒に、 子どもたちは自由に想像してモノをつくる。 それはキラキラ輝く宝の時間。
大ヒットとなった野中監督の初作品「子どもの時間」では、0歳から6歳の子どもたちの 溢れるエネルギーがスクリーンから飛び出してきた。そして今度は、 少し成長して思春期に近づいていく子どもたちの時間が、愛情深く紡がれている。


ポレポレ東中野における上映は終了しました。 作品紹介は下記公式サイトをご覧下さい。

公式 HP >> http://tontongikogiko.com/
ポレポレ東中野 HP >> http://www.mmjp.or.jp/pole2/



『ボン・ヴォヤージュ』
監督・脚本:ジャン=ポール・ラプノー 『プロヴァンスの恋』『シラノ・ド・ベル ジュラック』
脚本:パトリック・モディアーノ 『イヴォンヌの香り』
撮影:ティエリー・アルボガスト 『クリムゾン・リバー』『レオン』
美術:ジャック・ルセル
衣装:カトリーヌ・ルテリエ
出演:イザベル・アジャーニ、ジェラール・ドパルデュー、ヴィルジニー・ルドワイ ヤン、グレゴリー・デランジェール、イヴァン・アタルほか

1940年6月14日、ドイツ軍の侵攻によりパリ陥落。 政治家、ジャーナリスト、著名人など上流階級の人々とその取り巻きがこぞってボル ドーへ疎開。人気女優のヴィヴィアンヌ(イザベル・アジャーニ)も、愛人の政治家 ボーフォール(ジェラール・ドパルデュー)の権力を利用し、パリを逃れていた。か つて彼女の罪をかぶり、囚人となっていた幼なじみのオジェ(グレゴリー・デラン ジェール)も混乱に乗じて脱獄に成功、ヴィヴィアンヌを追ってやって来る。

 小悪魔のような魅力で男たちを翻弄するヴィヴィアンヌ、「信じられない」と言いつつ喜んで利用される男たち、真面目な女子大生、天才物理学者、ごろつきに新聞記者 etc、etc。たくさんの人々がそれぞれのドラマを持って登場するが、一人ずつ のキャラが鮮明で話がとても上手く繋がっている。
 パリ陥落当時、7歳だったという監督や周囲の人々が経験したことが随所に嵌め込ま れているそうだが、ユーモアの味付けもあり娯楽作品としても面白かった!それは、 ラプノー監督が1400カットもの絵コンテを事前に仕上げ、スピーディな演出で撮影し たからに相違ない。豪華な俳優陣と美術も必見。

配給:アスミック・エース

2003/フランス/1時間55分/スコープサイズ/ドルビーSRD

2003年 第17回カブール・ロマンティック映画祭 最優秀監督賞受賞
2004年 第30回セザール賞 撮影賞、美術賞、最有望新人男優賞
第12回フランス映画祭横浜2004 オープニング上映作品

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://bonvoyage-cinema.jp/



『ふたりにクギづけ』
監督・脚本:ボビー・ファレリー&ピーター・ファレリー(『メリーに首ったけ』『愛しのローズマリー』)
メークアップ効果デザイナー:トニー・ガードナー(『愛しのローズマリー』)
出演:マット・デイモン、グレッグ・キニア、エヴァ・メンデス、セイモア・カッセル、シェール

ボブとウォルトは生まれてから片時も離れたことが無い。なぜなら彼らは結合双生児として生まれたから。 いつでも抜群のコンビネーションでスポーツ万能の二人は町のヒーローだ。ところが二人の性格は正反対。 社交的でプレイボーイのウォルトに比べ、ボブはシャイでネットで知り合ったメル友のメイに3年も文通しながら自分の身体のことを打ち明けられないでいる。 ハンバーガーレストランを経営していた二人だが、ある日ウォルトは役者になるためハリウッドへ行きたいと切り出す。ボブにとっては悪夢のような申し出だが、二人の間には「お互いの成功の邪魔をしないこと」という血の誓いがあった。3ヶ月間の期限付きでウォルトの挑戦をボブは承諾する。 オーディション巡りは惨敗。怪しげなエージェントに紹介された仕事はポルノと前途多難に思えたが、たまたま知り合ったオスカー女優シェールに引き立てられ、 なんとTVドラマの彼女の相手役に抜擢される。実は三流ドラマに出たくないシェールがTV局側から契約破棄させようと狙ってのことだったが、事態は思わぬ方向へ転がっていく。

ファレリー兄弟の前作も観ていないし、マット・デイモンにも全く興味のない私は何の期待もなく観に行ったのだが、これが本当に大当たり! 大笑いしながら、涙する、感動コメディーなのだ。ファレリー監督たちが13年前からこの映画のアイデアを持っていながら、これまで映画化できなかったのは、世間一般のタブーが大きかったため。しかし、彼らの視点は実にヒューマニズムに溢れている。主人公二人のやりとりで、 「おいおい君たちくっついてること忘れてないか?」と思わず笑ってしまうところがあるが、彼らは持ち前のバイタリティで、無謀と思えたことを実現してしまうのだ。 その時、知らず知らずのうちに彼らの可能性に制限をかけて見てしまっている自分に気がつき、恥ずかしくなったが、これも監督たちが意図的に仕掛けたことのように思う。出演者も出色で、シェールが自虐的キャラを演じているのも笑えるし、メリル・ストリープも最後の舞台シーンではじけてる。
これほどの作品が単館のみの上映というのは、もったいないことだなぁと思う。

2003年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル,DTS/119分/原題:Stuck on you
提供 20世紀フォックス ホームエンターテイメント
配給 アートポート


監督・脚本・製作:ボビー&ピーター・ファレリー
製作・脚本:チャールズ・B・ウェスラー
撮影監督:ダン・ミンデル
メイクアップ効果デザイナー:トニー・ガードナー
出演:マット・デイモン、グレッグ・キニア、エヴァ・メンデス、シェール、セイモ ア・カッセル、ウェン・ヤン・シーほか

マサチューセッツ州の島に住むボブ(マット・ディモン)とウォルト(グレッグ・キ ニア)兄弟は生まれたときから片時も離れず、いつもいっしょ。ハンバーガー店の仕 事もスポーツも絶妙なチームワークでこなしている。しかし性格は大違いで、口下手 でシャイなボブは文通相手に告白もできないが、ウォルトは快活なプレイボーイでモ テモテ。
一人芝居で大喝采を受けたウォルトは、俳優になるためにハリウッドに行く!とボブ に宣言をする。
実は腰の部分でくっついている“結合双生児”である二人は、「お互いの成功の邪魔 をしないこと」という約束を交わしていた。住み慣れた町を離れたくないボブだった が「3ヶ月で役者として認められなかったら戻る」という条件でしぶしぶ承諾する。

毎回ハリウッドのタブーに挑戦するファレリー兄弟が、今回主役にすえたのは「結合 双生児」。きわものになりかねない題材を、ユーモアと愛情をこめた作品として完成 させた。マット・デイモン、グレッグ・キニアの二人が、立ちっぱなしで5時間とい う特殊メイクに耐えてこの難しい役柄にチャレンジ、共感できるキャラクターとして 演じていてうまい!!
『愛しのローズマリー』でグウィネス・パルトロウを300ポンドの巨漢に変身させ たトニー・ガードナーが今回もメイクアップを担当。超大物女優がノークレジットで 参加している。

2003年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/DTS/119分
提供:20世紀フォックス ホームエンタイテイメント
配給:アートポート

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.foxjapan.com/movies/archives/



『アンナとロッテ』
監督:ベン・ソムボハールト
脚本:マリーケ・ファン・デル・ポル
原作:テッサ・デ・ロー
出演:ナディア・ウール、テクラ・ルーテン、フドゥルン・オクラス、エレン・フォーヘルほか

幼い双子の姉妹、アンナとロッテは両親の死により、それぞれ別の家に引き取られる。 アンナはドイツの貧しい農家で過酷な労働を強いられるが、ロッテは裕福な家の養女 となり、何不自由なく暮らしていた。離れたことのなかった二人が、互いを思って書 いた手紙は届けられないまま時が過ぎていった。
10年後、ヒトラー率いるナチスが台頭、徐々に戦争へと突入するころ、アンナはメイ ドの職を得て自立し、ロッテは大学生になっていた。
激動の時代、別々の国で違う背景を持って成長した二人。別れて10年後に会えたと き、あまりに違ってしまったことで仲たがいをしてしまう。また巡り合ったとき和解 は訪れるのだろうか?


2002/オランダ/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビー・デジタル/137分
共同配給 ファインフィルムズ、ギャガ・コミニュケーションズ

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。br>

公式 HP >> http://www.anna-lotte.com/



『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』
監督:フランソワ・デュペイロン
出演:オマー・シャリフ(『アラビアのロレンス』、『ドクトル・ジバゴ』)、ピエール・ブーランジェ

1960年代初頭、パリの下町ブルー通りは、白系ロシアや黒人の街娼も立ち並ぶユダヤ人街。13歳の少年モモ(ユダヤ名モイーズの愛称)は、ユダヤ人としての規律を守 る父親と二人暮し。父親が“アラブ人の店”と呼ぶアパルトマンの向かいの小さな食料品店で、モモは買い物のたびに缶詰をかすめとっている。この店を営む老人イブラ ヒムは「盗むならウチで」「アラブじゃないよ。トルコさ。」と微笑む。モモが貯金箱を割って、小銭をお札に両替を頼みに行ったときにも、イブラヒムおじさんは使い道 をお見通し。モモはお札を手に、街娼に声をかけ「大人」になる。
ある日、家出した父が鉄道自殺してしまう。モモを迎えにきた母に「僕はモモ、モハメッドの愛称さ」と言って追い返し、イブラヒムに養子にしてと頼む。人種・宗教の 壁をようやく乗り越えて晴れてイブラヒムの息子になったモモ。二人は赤いクラシックな車で、イブラヒムの故郷トルコへと向かう・・・


「アラブじゃないよ。トルコさ。」と言ったオマー・シャリフ自身はエジプト出身のアラブ人。この台詞は彼にとって愉快だったのではないかと思う。しばらく映画界か ら退いていたオマー・シャリフが本作のシナリオを読んで出演したいと即決したのも、彼自身の出自や、長い間故郷を離れて暮らしているという自身の境遇や、昨今の イスラームに対する誤解や偏見を目の当たりにしているからではないかと思う。でも、この作品は、大仰に異文化交流の必要性を説いたものでも、イスラームの正義を 語ったものでもない。思春期を迎えたモモが大人になっていく様を軸に、人と人との心のつながりの大切さをさらっと描いていて爽やかだ。 後半、トルコでは、東西文化の交差点イスタンブルでギリシャ正教会、カトリック教会、モスクを訪ね、ガラタ橋のたもとでサバサンドをほおばり、そして、カッパドキ アへと向かう途中では、神秘主義教団の踊りの場面なども出てきて、トルコに行ったことのある人には懐かしい風景。

2003年/フランス/95分
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ

★11月20日(土)より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー

こちらに特別記事あります。

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/ibrahim/index2.html



『誰も知らない』
監督・脚本・編集・プロデューサー:是枝裕和
撮影:山崎裕
美術:磯見俊裕、三ツ松けいこ
音楽:ゴンチチ
スチール:川内倫子
出演:柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、YOU、平泉成、タテタカコ、串田和美、岡元夕紀子、加瀬亮ほか

アパートに引越してきた明は母と一緒に大家へ挨拶に行く。 「父親は海外赴任でこの子と二人」と言う母のことばは嘘だ。 ほんとは旅行バッグに隠して連れて来た小さな弟と妹、駅で待っているもう一人の妹京子がいる。 みんな父親が違うけれど仲良し。子供が多いと追い出される、という母のことばに従って、 部屋からはもちろんベランダにも出ないこと、という約束をする。 明と京子は小学校にも行かず、小さな弟妹の面倒を見ながら母の帰りを待っているが、ある日 「しばらく仕事で出かける」とメモと現金を残して母親がいなくなってしまう。

主演の柳楽優弥くんが、カンヌ映画祭で日本人初、史上最年少で助演男優賞を獲得したニュースが まだ耳に新しいです。話題の映画とあって、試写会は満員でした。

優弥くんはほんとにいい眼、いい表情をしています。チラシを初めて見て「この子誰?!」 と思った人は多いでしょう。可愛い4人の子供たち、ダメダメ母を演じたYOUもまるで地のまんま? といいたいくらい自然です。子供たちの手や足や寝顔がクローズアップになり、 汗が見え息遣いが聞こえます。是枝監督は1年半この子たちと過ごしたそうで、 だからこそ捕えられた表情なのでしょう。いじめに合う中学生役の韓英恵も印象的。

物語は実に淡々とドキュメンタリーのように進んで行きますが、 先を予感させるモチーフが何気なく出てきます。
ハラハラしながら観ていて、挿入されるタテタカコの「宝石」という歌に思わず泣けました。 必死で生きる子供たちの小さな手を握ってあげたくなりました。 素晴らしい子役たちがまっすぐ育っていきますように。


2004年/日本/141分/カラー/1:1.66/ドルビーSR
配給:シネカノン
渋谷シネ・ラ・セットにて上映中

公式サイト http://www.kore-eda.com/daremoshiranai/


『CEO:最高経営責任者』(原題:首席執行官)

2002年/中国/116分 監督:呉天明(ウー・ティェンミン)(『古井戸』『變臉』)
出演:石涼(スー・リャン)(『ミッシング・ガン』)、馬躍(マー・ユエ)、 李宗華(リー・ツォンホァ)、朱旭(ズゥ・シュイ)(『大地の子』 ,『變 臉』,『こころの湯』)
提供・配給:フォーカスピクチャーズ、 アップリンク http://www.uplink.co.jp/
後援:中国大使館文化部

1985年春、巨額の負債を抱えた「青島冷蔵庫工場」の新任工場長となったリン・ミ ン。ドイツ製の生産ライン導入にこぎつけるが、その甲斐もなく76台もの不良品を 出してしまう。従業員を集め、不良品の冷蔵庫をハンマーで次々と叩き壊す。その痛 みを胸に、品質管理最優先の意識を従業員に叩き込んだのだった。中国から、フラン ス、アメリカへと、販路を開くリン・ミンとその元で働く人々・・・。

モデルは、「世界で尊敬すべき企業人ベスト30」(英フィナンシャルタイムス誌) の一人に選ばれた、中国総合家電企業ハイアール社のCEO張瑞敏。わずか17年で 売上高17,000倍、世界165カ国に進出という急成長を遂げた秘訣を描いた映画。
製品は価格競争ではなく、お客様本意のものを作るという精神を大事にし、人は実力で登用するというガラス張りの人事で、学歴やコネがなくても実力を発揮できるというやり方で社員を引っ張ってきた張CEOの思想の高邁さに惚れた監督が、2年間、 脚本家と一緒にハイアール社に住み込んで脚本を仕上げた。

プロジェクトX ハイアール版といった趣で、中国企業の邁進ぶりを見せ付けるが、 監督の意向は、拝金主義が横行する中国社会に一石を投じたかったのだという。

★ポレポレ東中野にて12月11日より公開 http://www.mmjp.or.jp/pole2/
★大阪シネ・ヌーヴォ他、全国順次公開

   →Web版特別記事 『CEO[最高経営責任者]』 記者会見

公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/ceo/



『誰にでも秘密がある』
監督:チャン・ヒョンス
出演:イ・ビョンホン、チェ・ジウ、チュ・サンミ、キム・ヒョジンほか

ハンサムでお金持ちで物腰スマートな完璧な男性、スヒョン(イ・ビョンホン)と知り合った大学生のミヨン(キム・ヒョジン)。ミヨンはちょっと物足りなかった彼氏サンイル(タク・ジェフン)と別れ、スヒョンに熱中する。自分をお姫様のように扱ってくれるスヒョンに夢ごこちのミヨンは、母の誕生パーティで、家族や友人が集まる中、スヒョンにみずからプロポーズするのだが・・・。
ミヨンには、夫と倦怠期の主婦の長姉ジニョン(チュ・サンミ)と、勉強一筋のカタブツ大学院生の次姉ソニョン(チェ・ジウ)がいた。
自分なんてもう夫にも飽きられたオバサンと思っているジニョンに、スヒョンは「あなたは姉妹の中で一番セクシーだ」とささやく。
読書にしか興味が無いソニョンには、ツウ好みの作家の話をして興味をひく。ソニョンは初めて男性の興味を持ち、持ち前の勉強熱心さで男性研究を始めるが・・・。
なにやら姉達もそれぞれスヒョンに惹かれだし、ヒミツがありそう。一体、スヒョンは何者なのか、姉妹の誰と結ばれるのか・・・?


イ・ビョンホンの魅力満載!のライトなラブコメディ。
ホントにかるーく、女性どうしでもカップルでも大笑いして楽しめます。男性ならモテる男研究にもなる?!
なんてったって姉妹の弟(演じるはチョン・ジェヒョン、見ているだけでおかしい芸達者!)まで夢中にしてしまう魅力をふりましている男が主人公ですから。チェ・ジウもTVドラマの悲しいキャラクターとは180度ちがう、ちょっと間の抜けた、でもとってもピュアでかわいい女性の役で、こういうキャラクターの方が合っているのでは。ビョンホンとのちょっとエッチな掛合いもかわいく、新鮮な魅力発見という感じだった。
                                               (水間かおり)
2004年/韓国/97分

配給:東芝エンタテインメント

★11月27日より 日比谷みゆき座・お台場シネマメディアージュ・新宿武蔵野館・TOHOシネマズ川崎にて、ロードショー

公式 HP >> http://himitsugaaru.com


『雨鱒の川』

監督:磯村一路
原作:川上健一「雨鱒の川」(集英社刊)
音楽プロデュース:葉加瀬太郎
出演:玉木宏、綾瀬はるか、須賀健太、中谷美紀、阿部寛、柄本明、星由里子ほか

川で魚を捕ることと、絵を描くことが大好きな8歳の心平は、身体は弱いが優しく美しい母と二人で、北海道の自然の中でのびのびと暮らしていた。仲良しの小百合は耳が聞こえないが、心平とだけは心が通じ合い、いつも一緒に遊んでいた。ある日、心平が描いた絵がパリ児童絵画展でグランプリを獲ったというニュースが届く。盛大な祝賀会が行われた夜、母が突然この世を去り、幸せな少年時代が終わりを告げる。
22歳になった心平は、小百合の父・高倉が経営する酒蔵で働いているが、相変わらず絵に熱中していた。そんな心平に高倉は東京へ行くことを勧め、画廊を紹介する。小百合の「ずっと待っている」という言葉に後押しされて、心平は東京へ向かう。しかし高倉は娘に酒蔵を継いで欲しいがために、小百合を優秀な社員の英蔵と結婚させようと考えていたのだった。

テーマは「初恋」。ほとんどの人が実ることのない初恋を、純粋な心で結ばれた主人公二人がどのように守り通すかを見守って下さい。北海道の美しい風景に溶け込む、ファンタジックなお話です。

2004年/日本/113分/ヴィスタサイズ/DTSステレオ
配給:ミコット・エンド・バサラ/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

こちらに特集記事あります。

公式 HP >> http://www.amemasu.net



『マルセイユ・ヴァイス』

監督:ジル・パケ=ブレネル
脚本・台詞:ルノー・ヴェンダヴィッド、ジル・パケ=ブレネル
出演:ストーミー・バグジー、ティトフ、エロディ・ナヴァール、ジャン・ヤンヌ、ノエミ・ルノアール、エチエンヌ・シコほか
オリジナル・サウンドトラック:ピエール=アレクサンドル・マチ

ヴァイス(=悪徳)がうごめく美しい港町、マルセイユから新しいフレンチアクショ ンが登場した。 本作では、女に目がなくみみっちく稼ぐマックスと、堅物でクールかと思えばキレると怖いカルロスのコンビが活躍する。実は正義よりも欲望の方が勝っているのだが、 そのヴァイスな欲望が事件を解決することになる。お決まりの銃撃戦+車だけでな く、モーターボートとヘリコプターの派手なチェイスも見どころ。

2003年/フランス/109分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:日活株式会社

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.m-vice.com/



『血と骨』−血は母より、骨は父より受け継ぐ−
監督:崔洋一
脚本:崔洋一、鄭義信
撮影:浜田毅
美術:磯身俊裕
音楽:岩代太郎
原作:梁石日「血と骨」幻冬舎刊
出演:ビートたけし、鈴木京香、新井裕文、田畑智子、オダギリジョー、松重豊、濱 田マリ、中村優子、伊藤淳史、柏原収史、北村一輝ほか

1920年代、一旗揚げることを夢見て済州島から多数の労働者が大阪に渡ってきていた。彼らは朝鮮人集落を作り、故郷の習慣を大切にしながら助け合って暮らしていた。その中で怪物と呼ばれ、極道にも恐れられる一人に男がいた。並外れて強靭な身体と凶暴な感情の持ち主金俊平(ビートたけし)。彼はやがて自分の蒲鉾工場を立ち上げて成功する。強欲な俊平は高利貸しとなり、家族をかえりみず愛人を囲うように なる。

1988年に梁石日氏が発表し、山本周五郎賞を受けた小説が原作。梁氏の父親がモデル だという。
こんな人間に関わりたくない、と思ってしまうほど強烈な主人公をビートたけしが演じている。「その男凶暴につき」を思い出すが、あの主人公には愛するものへの思いがあった。今回の俊平は欲望のままに動き、家族に暴力を奮い家をめちゃめちゃにしていく。凄まじいシーンの続く中、病んだ清子を俊平が宝物のようにそっと抱き、身体を洗う場面がまるで宗教画のようだった。
20代から70代までの妻・李英姫を演じた鈴木京香をはじめ、キャストは映画が何本も撮れそうな役者揃い。中でも愛人・清子役の中村優子と俊平の息子・朴武役のオダギリジョーが鮮烈な印象。
綿密な調査をして復元したという集落の建物や生活のようすも必見。

2004/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/2時間24分

★11月6日(土)より丸の内プラゼールほか全国順次ロードショー

特製グルーミングセットつき前売り鑑賞券発売中

公式 HP >> http://www.chitohone.jp/top.html



『オールド・ボーイ』
監督・共同脚本:パク・チャヌク
原作:(作)土屋ガロン、(画)嶺岸信明
出演:チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・へジョン

ごく平凡な生活を送っていた男オ・デスは、ある日突然誘拐され、気がつくとそこは狭い監禁部屋だった。誰が、何の目的で?全く分からぬまま15年間監禁され、自分をこんな目に遭わせた誰かも分からぬ人間への復讐心だけを糧に、彼は生き続け、脱出をはかる。ようやく解放された彼の前に現れたのは謎の男ウジン。彼は五日間で監禁された理由を解き明かせと、お互いの命を賭けたゲームを持ちかける。オ・デスは彼に好意を寄せる若い女ミドの助けを借り、謎を解き始めるが、そこにはウジンによって巧妙な策略が張り巡らされていた。

製作:SHOW EAST
2003年/韓国/1:2.35/ドルビーSRD/120分/R-15
提供:電通、東芝エンタテインメント

カンヌ国際映画祭 グランプリ受賞

★11月6日よりシネマスクエアとうきゅう、有楽町スバル座ほか全国拡大ロードーショー

公式 HP >> http://www.oldboy-movie.jp



『タカダワタル的』
製作:桝井省志、小形雄二
監督:タナダユキ
プロデューサー:土本貴生
企画:東京乾電池オフィス
製作・配給:アルタミラピクチャーズ http://www.altamira.jp/

「いやだなぁ〜、やめたいなぁ、なんて思いながら
35年くらいこんなことをやっています」
ドキュメントよりも生々しくフィクションよりも笑劇的な物語
伝説のフォークシンガー・高田渡ついにスクリーンに登場!!

東京での上映は終了しています。

公式 HP >> http://www.takadawataru.com/

※ シネマジャーナル61号に、 監督のインタビュー記事 (日本の女性映画人(7)『タカダワタル的』タナダユキ監督インタビュー, pp. 58--59) が掲載されています。



「韓国映画祭」日韓国交正常化40周年記念

■2005年1月24日(月)〜30日(日)
 ※平日    10:30〜、14:00〜、18:30〜
 ※土・日曜  10:00〜、13:00〜、16:00〜、19:00〜
   開場時間は各30分前
■会場 東京銀座 ヤマハホール
■料金 ¥1300(公式プログラム付き、全席指定)

■上映作品

1月24日(月) 『パク・ボンゴン家出事件』The Adventures of Mrs.Park
         アン・ソンギ、シム・ヘジン、チェ・ジウ(映画デビュー作)
1月25日(火) 『接続』The Contact
         ハン・ソッキュ、チョン・ドヨン
1月26日(水) 『若い男』Young Guy
         イ・ジョンジェ、シン・ウンギョン
1月27日(木) 『ゴースト・マンマ』Ghost Mama
         キム・スンウ、チェ・ジンシル
1月28日(金) 『手紙』The Letter
         パク・シニャン、チェ・ジンシル、チェ・ヨンミン
1月29日(土) 『彼らだけの世界』Kill The Love
         イ・ビョンホン、ユ・オソン、チョン・ソンギョン
1月30日(日) 『敗者復活戦』Losers' Rematch
         チャン・ドンゴン、キム・ヒソン

お問い合わせ 読売新聞東京本社事業開発部 03-5159-5886
http://info.yomiuri.co.jp/event/culture/

■主催 読売新聞東京本社
■後援 外務省、韓国文化院
■特別協力 プチョン国際ファンタスティック映画祭

『ラブ・コレクション』シリーズ

『ヴァイブレータ』の廣木隆一監督の企画した、6人の監督による6本の作品が完成。
それぞれの監督が切り取り、料理した「ラブ」をご賞味ください。

11月27日(土)公開

『ガールフレンド』someone please stop the world

監督:廣木隆一
脚本:及川章太郎
cast:山田キヌヲ、河井青葉、田口トモロヲ

フリーカメラマンのキョウコは仕事が順調になり始めたら、逆に戸惑いを感じてい る。泥酔しては男の隣で目覚めることもたびたび。ヌード写真の依頼でモデルを探す うち、美容師見習いのミホに出会う。ミホは父親に去られたことで、コンプレックス を抱えていた。(105分)

『ねじりん棒』

監督:富岡忠文
脚本:前田順之介
cast:夏生ゆうな、斎藤歩、ベンガルほか

下町の床屋で語られるタクシー運転手の珍体験。家に着いたが代金が払えず、誘惑す る人妻にその気になる運転手。そこへ人妻の浮気相手が現れ、とんでもない展開に・・・。(75分)

12月11日(土)公開

『ココロとカラダ』

監督:安藤尋
脚本:玉城悟、安藤尋
cast:阿久根裕子、未向ほか

多感な時期にレイプされた過去を持つ恵子と、彼女を助けた友人の知美は都会の片隅で再会する。恵子はすべて捨てて体を売って暮らしていた。二人の奇妙な生活が始まる。(71分)

『OLDK』

監督:原正弘
脚本:奥寺佐渡子
cast:清水美那、三浦誠己、一條俊ほか

OLのケイコは疲れていた。密かに好きだった先輩は職場結婚してしまうし、アパートは腹の立つ隣人たちばかり。騒音に苦情も言えず布団にもぐりこむ日々。死んでやる〜!(73分)

12月25日(土)公開

『揮発性の女』

監督・脚本:熊切和嘉
cast:石井苗子、澤田俊輔ほか

夫に先立たれて、一人ガソリンスタンドを切りもりしている中年の未亡人。ある日若い強盗に家に入りこまれ、脅されながら世話をすることになったが、意外に気の良い強盗にすこしずつ情がわいてくる。(80分)


『月とチェリー』

監督・脚本:タナダユキ
cast:江口のりこ、永岡佑、柄本明ほか

2浪の末、やっと入った大学で官能小説サークルに誘われる気弱な田所健一。出世頭の現役女子大生作家、真山に童貞なのを看破され、取材の餌食となってしまう。(82分)

公式 HP >> http://www.love-colle.com/


『爆裂都市』
監督:サム・レオン
脚本:サム・レオン、ポール・チュン
撮影監督:ホン・ユンマン
アクション監督:アダム・チャン
音楽:吉川清之
出演:サイモン・ヤム、アレックス・フォン、千葉真一、しらたひさこ、クリスタル ・クォック、サミュエル・パン、ラム・シューほか

香港国際空港で、行政庁長官狙撃事件が起こった。激しい銃撃戦の末、容疑者ジェイ ド(しらたひさこ)を捕らえるが頭に負傷したため、部分的に記憶を失っていた。香 港警察のチョン管理官(サイモン・ヤム)とミン刑事(アレックス・フォン)は彼女 を囮にして、テロ組織の壊滅を計画する。しかし組織はミン刑事の自宅を襲っていた ・・・。

サム・レオン監督は84年に来日して横浜の映画学校で学んだ経歴があり、『大混乱 ホンコンの夜』、『完全なる飼育 香港情夜』などの長編作品のほか、日本と香港が 提携した話題作を多数手がけている。
主役二人のベテランのほか、行政庁長官ジョー・チョンや局長のエディ・コーなどな かなか渋いキャスト。千葉真一がテロ組織のリーダーとして登場、一人日本語のセリ フで異彩を放っています。

2004年/中国・香港/35mmビスタサイズ/ドルビーデジタル/98分

制作:アートポート、サム・ウェイ・プロダクション
配給・宣伝:アートポート

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.bakuretsu.jp



『SAW ソウ』
監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
出演:ケアリー・エルウェズ、ダニー・グローヴァー、モニカ・ポッター、リー・ワネル

古い浴室で目覚めた二人の男、ゴードンとアダム。二人は対角線上に位置し、それぞれ足首を鎖でつながれて動けない。 そして二人の間には自殺死体が横たわっていた。それぞれのポケットには”再生せよ”と書かれたテープ。 そのテープにより、このゲームのルールが告げられた。「6時間以内に相手を殺すか、二人とも死ぬか」 なぜ彼らが?”ジグソウ”とは誰だ?逃げる方法はあるのか?次第に謎は解き明かされ、ゲームの正解に届いたとき、 彼らは究極の選択を迫られる。

久しぶりに怖かったですねぇ。最初から最後まで緊張の連続。精神的にも生理的にも痛くてえぐい。 そして最後のシーンに「やられたぁ」となります。つっこみどころも多いのですが、それもまた良し。 全くこんな話を考えるなんて、この監督と脚本家は変態なんじゃないかと思いましたが、若干26歳の若者で、 これは第一作目だというから末恐ろしい。脚本のリー・ワネルはアダム役で主演も果たしています。 会場には二人が来ていて、リー・ワネルは映像よりもイケメンでした。今後もホラー映画を作っていきたいそうです。

2004年/アメリカ映画/カラー/103分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース
公式HP >> http://www.sawmovie.jp/

10月30日(土)よりTOHO Cinemasほか全国ロードショー

『LOVERS』(原題:十面埋伏)
監督:チャン・イーモウ
脚本:リー・フェン
アクション監督:チウ・シントン
衣装デザイン:ワダエミ
音楽:梅林茂
出演:金城武、チャン・ツィイー、アンディ・ラウ

『HERO』に続くチャン・イーモウ監督のアクション大作第2弾『LOVERS』 が8月末より公開されます。 主演は、金城武、チャン・ツィイー、アンディ・ラウという豪華キャスト。 アクションも見所の一つですが、 今回は邦題も「ラヴァーズ」で、「愛」がテーマのようです。 一体どんな「愛」が描かれているのか、楽しみですね。

8月28日(土)より、丸の内ルーブルほかにて全国ロードショー!!
2004年、 ワーナー・ブラザーズ映画

公式 HP >> http://www.lovers-movie.jp/

シネジャ62号(pp.50--53)で、 『LOVERS』の特集を組んでいます。ぜひお買い求めください。 以下の劇場で『LOVERS』上映期間中、委託販売しています:  新宿東急  池袋東急  上野東急  渋谷エルミタージュ  丸の内ルーブル

『「あゝ!一軒家プロレス」』

監督:久保直樹
原案・総合演出:テリー伊藤
企画・製作:高橋がなり
脚本:橋本以蔵(「軍鶏」原作)
アクション監督:谷垣健治(『ブレイド2』『修羅雪姫』)
出演:橋本真也、ソニン、粟田麗、片桐仁(ラーメンズ)、ニコラス・ペタス、佐野史郎

レスラーの獅子王は愛する妻と子供たちの為に念願の一軒家を建てる。しかしその完成披露パーティーの日、獅子王に兄を殺されたと恨むマーク一条が乗り込んできて大混乱となり、家はメチャメチャに荒らされた上に爆破されてしまう。爆発で獅子王の妻は一時生死を彷徨うがようやく意識を取り戻す。ところが意識が戻った妻は、体中に鱗が生えて人魚になっていく奇病に冒されていた。病気の妻や子供たちのために、獅子王はもう一度家を建て直そうと、奔走する。しかし、彼の行く手に「視聴率の鬼」と呼ばれるTVプロデューサー山路の罠が待ちかまえていた。

プロレス好き、奇想天外、荒唐無稽、グロテスクな物が好きな人にはお薦めします。主演の橋本真也はプロレスラーですから、演技の方はど素人ですが、闘うシーンは迫力満点です。ソニンは演技も良いし、しっかり身体を作って、凄いアクションを綺麗にこなしているのに感心してしまいました。そして何より、佐野史郎のえげつないTVプロデューサーぶりが最高です。

2004年/日本/100分/カラー/アメリカン・ビスタ/ドルビーSR/R-15指定
製作・配給:ソフト・オン・デマンド

★12月4日(土)〜17日(金)”2週間限定”新宿シネマミラノにてロードショー

公式 HP >> http://www.ahah.jp/



『春夏秋冬そして春』
監督・脚本・編集:キム・ギドク 『悪い男』『魚と寝る女』
撮影:ペク・ドンヒョン
音楽:パク・ジウン
挿入歌:キム・ヨンイム
出演:オ・ヨンス、キム・ジョンホ、キム・ヨンミン、ハ・ヨジン、キム・ギドク

深い山奥の美しい湖面に浮かぶ小さな寺には、小さな少年と老僧の二人が穏やかに暮らしていた。春に少年は小さな生き物へのいたずらから罪を知る。夏、成長し恋を知った少年は、欲望のままに愛する人と山を後にする。秋、世俗で愛する者に裏切られた青年は、大きな罪を犯して山の寺に逃げ戻ってくる。その彼を老僧は静かに受け入れ、自らの罪に向き合うよう導く。冬、罪を償い寺に戻った男は、厳しい修行を自らに課している。そこに赤ん坊をつれた女性がやってきた。やがて春は巡り来る、、、

四季の移り変わりを人生になぞらえ、冷徹且つ慈悲深く、綿々と続く生の営みを描いている。これまで暴力や性的描写が多かったキム・ギドク監督だが、監督自身が冬のパートで演じているように、解脱したのではないかと思うほど抑制を効かせた演出で、心にしみる作品になっている。

2003年ロカルノ映画祭 3部門受賞
第4回東京フィルメックスオープニング作品
青龍賞最優秀作品賞受賞
大鐘賞最優秀作品賞受賞
★10月30日(土)Bunkamuraル・シネマにて心うるおすロードショー

初日先着100名様に話題のお酒・百歳酒をプレゼント
劇場窓口購入2大特典 1、大判ポストカード 2、フローティングキャンドルプレゼント

公式 HP >> http://www.kimki-duk.jp/spring/



『ターンレフト・ターンライト』
監督:ジョニー・トウ、ワイ・カーファイ
原作:幾米(ジミー・リャオ) 
出演:金城武、ジジ・リョン、林雪ほか

詩をこよなく愛す翻訳家イブ(ジジ・リョン)と、ヴァイオリン弾きのジョン(金城武)。二人は運命の人の存在を信じていた。ジョンには右に曲がる癖があり、イブには左に曲がる癖があった。二人はアパートの隣どうしで住んでいるのに、お互いの存在を知らない。アパートの入り口は別々だし、門を出ても彼は右に曲がり、彼女は左に曲がってしまう。運命の人なのに二人は出会えないでいた。
でも二人は、街の雑踏の中、エレベーター、公園、遊園地の木馬、電車の乗り降り、回転ドアと、知らないうちに街のどこかで、すれ違っていたのだ。すれ違いを繰り返すうち、あるハプニングから、二人はとうとう公園で知り合い、お互いを運命の人と気がついた。出会ってみれば、やっぱりすでに子供のころから気になっていた人だった!
せっかく会えたのもつかの間、運命のいたずらは続いた。公園で会ってお互いの電話番号を交換したのに、紙に書いた電話番号が雨に濡れてにじんで、わからなくなってしまい、やっぱり、二人は離れ離れ。
彼に惚れてしまう食堂の女性店員や、彼女に惚れてしまう病院の医者などなど、街のまわりの人たちも巻き込み、いろいろ騒動が持ち上がるが、二人はなかなか再会できない。そんな二人は再会できるのか…。


2003年/香港映画/カラー/93分/ドルビーデジタル
配給:ワーナー・ブラザース映画

★10月30日(土)から新宿シネマミラノほかロードショー

こちらに特別記事あります。
『レディ・ウエポン』(原題『赤裸特工』)
監督:チン・シウトン
製作・脚本:バリー・ウォン
アクション指導:チン・シウトン
キャスト:マギー・Q、アンヤ、ダニエル・ウー、アルメン・ウォン、アンドリュー・リー、チェン・ペイペイ、ジュエル・リー他

ローマで暗殺事件が起き、犯人の美女はCIA捜査官のジャック(ダニエル・ウー)に拘束されるが、すぐに何者かに口封じのために殺されてしまう。 世界各地で少女たちを誘拐し、一流の暗殺者に育成しているマダム・M(アルメン・ウォン)が黒幕だった。 シャーリーン(マギー・Q)、キャット(アンヤ)も少女のころ孤島に連れてこられ、逃げ出すすべもなく地獄の特訓を受けていた。 そして最終テストの日がやってくる。

『シュリ』『バトルロワイヤル』『あずみ』『シルミド』を思い出させるシーンが出てきます。 美少女同士が戦う(キャットファイトというんだそうな)のが大好きな男性のみなさま(このHP見てるかしら?)、 チン・シウトンがアクション監督でっせ!乞うご期待!香港映画ファンとしてはせっかく出演している チェン・ペイペイにアクションシーンがなくて残念〜。

2002年/香港/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/92分
配給:アートポート
宣伝:トライアル

★12月11日(土)〜 12月24日(金)銀座シネパトス(レイトショー)、新宿ジョイシネマ3にて公開

公式 HP >> http://www.taki-c.co.jp/cont/lady/top.html



『オー!マイDJ』緊急上映 一週間限定レイトショー
アジアフォーカス福岡映画祭2004
東京国際映画祭コリアン・シネマ・ウィーク
若手注目株『ブラザーフッド』『永遠の片想い』イ・ウンジュ×ベテラン俳優『オー!ブラザース』イ・ボムス主演
珠玉のラブ・ファンタジー

出演:イ・ボムス 『バンジージャンプする』(2001)、『ピアノを弾く大統領』(2002)
   イ・ウンジュ『永遠の片想い』、『バンジージャンプする』(2004)、『ブラザーフッド』(2004)
   ボン・テギュ『TUBE』『浮気な家族』
   ピョン・ヒボン『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』

監督:キム・ジンミン
脚本:キム・ジヘ、イ・ヘヨン、イ・ヘジュン
撮影:イ・ドゥマン
製作:キム・ジェウォン
編集:キム・ヒョン

子供の頃にUFOを通じて、世の中をたった一度だけ見たことがある先天的視覚障害を持つギョンウ(イ・ウンジュ)。彼女は失恋の痛手を癒すため、UFOが出現したというクッパバルという所に引っ越する。相談所で働くギョンウは毎晩クッパバル行終車バスに乗って帰るが、そのバスにはいつも失恋の痛みを訴えるメッセージとこれをやさしく慰めるラジオ放送「パク・サンヒョンとティティパンパン」が流れる。運転手はサンヒョン。じつはこの番組は本物ではなく、サンヒョンが夜な夜な録音しているオリジナル番組だった……。
 ある日街で彼女と偶然出会ったサンヒョンは、彼女に名前も職業も偽ってしまう。そして思わずついてしまった馬鹿な嘘が彼女にばれないよう、サンヒョンの四苦八苦の二重生活が始まる。


原題:Au Revoir!UFO/2004年/韓国/105分/カラー/ビスタサイズ
(C)2004 Tube Entertainment All rights reserved

★池袋シネマロサにて11月27日(土)〜12月3日(金)連日21:00よりレイトショー

公式 HP >> http://www.taki.co.jp



『市川雷蔵祭 艶麗』

………市川雷蔵…………
わずか15年で158本の出演作を残し、37歳の若さで夭折、没後35年を経た今も世代を超えて人々を魅了する稀代の映画スター。 銀座で初の開催となる今回の映画祭は雷蔵本来の魅力を追及した豪華ラインナップ!


『新・平家物語』を日本初のカラー・デジタル・リマスター版で上映するほか、18本のニュープリント作品を含む全41作品を連続上映!(写真提供:角川映画)

配給:角川映画

★11月27日(土)〜12月24日(金) シネスイッチ銀座にて

前売り鑑賞券発売中(当日1600円均一) 1回券:1400円 5回券:5500円 フリーパス券:25000円(要:顔写真)

映画祭開催中、特別イベントが下記の予定で開催されます。
11月27日(土) 12:20〜 藤村志保トークイベント『新・平家物語』上映前に特別トークショー
12月11日(土) 23:00〜 オールナイトイベント『大菩薩峠』三部作を一挙上映
12月15日(水) 14:40〜 中村玉緒トークイベント『大菩薩峠』上映前に特別トークショー
詳しくは公式HPのイベント情報をご覧ください。

公式 HP >> http://kadokawa-pictures.com/rai-sama/index.html



『TUBE チューブ』
監督・脚本:ペク・ウナク
撮影監督:ユン・ホンシク
武術監督:チョン・ドゥホン
出演:キム・ソックン、ペ・ドゥナ、パク・サンミン、ソン・ビョンホ、チョン・ジュンほか

ソウルの地下鉄が市長と多数の乗客を乗せた状態で乗っ取られた。犯人は国家機密諜報機関から抹殺されようとした元工作員ギテク。 彼は殺された仲間や家族の恨みをはらさんと、政府要人に秘密工作の事実を公開することを要求する。そのギテクを執拗に追う刑事チャン。 彼は以前ギテクが起こした政府要人襲撃事件の中で、恋人を失っていた。そのチャンに仄かな想いを寄せるスリのインギョン。 彼女は偶然にも地下鉄ジャックの現場に居合わせ、密かにチャンに連絡を取るが自らも巻き込まれてしまう。チャンは危険を覚悟で単身乗り込み、必死にギテクの計画を阻止しようする。 一方地下鉄制御センターでは、乗客の命を守るため全力を尽くす職員と、保身のために乗客の命より国家機密保全を図ろうとする政府要人との闘いが繰り広げられていた。 人質、爆弾、そしてそれぞれの哀しみを乗せたまま、地下鉄は爆走する。

制作:ミル・フィルム
2003年/韓国/116分/SRD/カラー
配給:松竹

★11月6日(土)より東劇ほか全国ロードショー

こちらに特集記事あります。

公式 HP >> http://www.tu-be.com/



『オーバー・ザ・レインボー』
監督:アン・ジヌ
製作:カン・ジェギュ・フィルム
脚本:チョ・ミュンジュ
撮影:キム・ヨンチョル
音楽:パク・ホジュン
出演:イ・ジョンジェ、チャン・ジニョン、チョン・チャン、コン・ヒョンジン、オ ム・ジウォン、パク・ユニョンほか

天気予報士のジンス(イ・ジョンジェ)は交通事故の後、ここ数年の記憶の一部を 失ってしまった。彼の心の奥には学生時代誰かを死ぬほど愛していた痕跡だけが残っ ている。その手がかりを探すため、同じサークルだったヨニ(チャン・ジニョン)と 一緒に青春時代の思い出を辿ることになる。ヨニの勤める地下鉄の忘れ物センターに ある日届けられたものとは??

『イルマーレ』、『純愛譜』、『ラスト・プレゼント』と続けて女性の心を掴んだイ ・ジョンジェが、またさらに優しいラブ・ストーリーに出演。ジーン・ケリーの「雨 に唄えば」にあわせて踊るシーンも見られます。チャン・ジニョンは92年のミス韓国 出身。ソン・ガンホと共演の『反則王』で日本にお目見えしました。その後日本では 未公開の『鳥肌』、『シングルス』で主演女優賞を獲得、着実にトップ女優の道を歩ん でいます。
二人の笑顔がとても素敵で、観終わったあと心がほっこりする映画です。

配給・宣伝:リベロ

★11月6日(土)より キネカ大森、池袋シネマロサほか全国ロードショー

こちらに特集記事あります

公式 HP >> http://www.taki-c.co.jp/rainbow/



『ハッスル!』
監督:アンドレ・ウェイスブルス
脚本:フリオ・ロハス、 アンドレ・ウェイスブルス
出演: ネストル・カンティジャーナ、 フアン・パブロ・ミランダ、 アントネラ・リオス、 アレハンドロ・トレホ、 エドゥアルド・バリル ほか

チリの都会サンチアゴにやってきた兄弟シルビアとヴィクトール。 誕生祝いにと弟ヴィクトールに娼婦を贈る兄。待ち時間のうちに起こる騒ぎで、 シルビアはボスに腕を見込まれて仕事を得ることができた。弟は初めて見るストリッパー、 グラシアに心を奪われる。いくつもの顔を見せる彼女にますます夢中になり、 学校もそっちのけで後を追いまわすが・・・。

このタイトルと、女性ストリッパーがこちらをきっと見つめているチラシに、 これは男性路線のエロチックな作品では?と恐る恐る試写に行きました。 観てみれば裏社会に足を踏み入れてしまった兄弟と、彼らが愛してしまう女性、 そのボスとの四つ巴の絡みがあり、アクションの少ない香港映画のようでした。 あのお騒がせ(?)チリ人妻アニータ(もう曲がり角の彼方へ行ってます)も初出演! という引き文句もありますが、主演のストリッパー、グラシア役のアントネラ・リオスがしなやかで素敵。


2003/チリ/カラー/115分/
配給:メディアボックス、ハピネットピクチャーズ

★2004年10月16日より銀座シネパトスにてロードショー


『ビハインド・ザ・サン』
監督:ウォルター・サレス 『セントラル・ステーション』『モーターサイクル・ダイアリーズ』
製作:アーサー・コーン
脚本:ウォルター・サレス,セルジオ・マチャド,カリム・アイノズ
撮影:ウォルター・カルバーリョ
音楽:アントニオ・ピント
原案:イスマイル・カダレ「砕かれた四月」(白水社刊)
出演:ロドリゴ・サントロ, ラヴィ=ラモス・タセルダ, ホセ・デュモント, リタ・アッセマニー, ルイス=カルロス・ヴァスコンセロス , フィラヴィア=マルコ・アントニオ

ブレヴィス家は両親と20歳のトーニョ、坊やと呼ばれている末息子と4人で さとうきびを栽培している。暮らしは苦しい上、長男を殺されたばかりだ。 トーニョは掟に従って復讐のためフェレイラ家の長男を追っているが、 復讐を果たせば次は自分が追われる番になる。
ある日、坊やはよそから来たサーカスの少女に「人魚姫」の本を、 連れの男には「パクー」という名前をもらう。

1910年、ブラジルの荒涼とした地が舞台。何世代にも渡り、 土地をめぐって争う2つの家族の復讐劇が描かれる。 アルバニアの小説「砕かれた四月」に惚れこんだサレス監督が、 原作者に自ら交渉して映画化したもの。
本当に無法状態で殺しあっていた一族がいて、その記録も参考にしているそうだ。 因習に囚われて狭い土地から抜け出せない家族と、自由に動き回る芸人との対比がくっきり。 名前さえまだもたない小さな弟の「当たり前な言葉」が胸に響きます。 世界から注目されている美形俳優、主演のロドリゴ・サントロ、 実際にサーカスのスターであるラヴィ=ラモス・タセルダの笑顔がいいです。 青い空の下、悲劇が繰り返されることのないように祈りたい気持ちになりました。

10月中旬より新宿武蔵野館でロードショー公開。

配給:ギャガ・コミュニケーションズ/アニープラネット

2001年/ブラジル/1時間32分/カラー/シネスコ/ドルビーSR・SRD・DTS

・2002年ヴェネチア国際映画祭若手審査員賞受賞
・2002年ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネート
・2002年英アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
『インファナル・アフェア 無間序曲』
監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
脚本:アラン・マック、フェリックス・チョン
主題歌:「長空」作・歌/ビヨンド(Beyond)
出演:エディソン・チャン、ショーン・ユー、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、カリーナ・ラウ、フランシス・ン、フー・ジュンほか

『インファナル・アフェア(無間道)』3部作の第2作め。
第1章から遡り、返還に揺れる1991年から1997年の7年間が描かれる。
香港マフィアの大ボスが暗殺され、配下のボス4人は造反を目論んでいる。 新興のサム(エリック・ツァン)だけはボスの恩義を感じ、組しようとはしない。 2代目の大ボスとなったのは、策略家のハウ(フランシス・ン)だった。 ウォン警部(アンソニー・ウォン)は、ヤン(ショーン・ユー)を潜入捜査官に任命する。 一方サムの命を受けてマフィアから警察学校に入学したラウ(エディソン・チャン)は、 サムの妻マリー(カリーナ・ラウ)にかなわぬ恋心を抱いていた。

本国香港を始め各国で絶賛され、ハリウッドでのリメイクも決定。素晴らしい構成、 脚本に絶妙のキャスティングの3部作ですが、この第2章の完成度の高さをぜひ劇場でお確かめください。

9月8日のプレミア試写会には、主演のショーン・ユー、エディソン・チャン、アンソニー・ウォンが来日。 舞台挨拶をしました。様子を後日アップいたします。


2003/中国(香港)/カラー/1時間59分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
配給 コムストック

9月18日(土)よりシネマスクエアとうきゅう、梅田ブルク7他 全国拡大ロードショー!!

インファナル・アフェア 公式サイト >> http://www.infernal.jp/



『マッスル・モンク』(原題 『大隻イ老』 Running On Karma)
監督:ジョニー・トー、ワイ・カーファイ
アクション監督:ユエン・ブン
特殊メイク:Edge EFX (スパイダーマン2、メン・イン・ブラック)
出演:アンディ・ラウ、セシリア・チャン

2004年の香港電影金像奨で、主要3部門で最優秀賞を受けた作品。香港のトップスター、 アンディ・ラウがマッチョな坊主役に挑戦。 特殊メイクと着ぐるみでストリップシーンからアクションまでこなしたうえ、 実際に剃髪し話題となる。彼はこの役で『暗戦』に続き、2度目の主演男優賞を受賞。 香港電影評論学会大賞はセシリア・チャンも揃っての受賞となった。

公開前にもれ伝わる情報で、コメディ映画だとばかり思っていたら英語題名のように、 人間の「業(カルマ)」を追求した深い作品でありました。 これは日本語字幕でないと難しいです。公開になって有り難や〜。

2003年/香港映画/カラー/93分/ドルビーサラウンド(SRD)/ビスタサイズ
『マッスルモンク』サイト  http://www.at-e.co.jp/musclemonk/index_content.html

☆10月2日(土)より新宿 テアトルタイムズスクエアにて
連日21:15よりレイトショー  3週間限定公開

配給:アット エンタテインメント

2003年香港電影評論学会大賞 主演男優賞・主演女優賞
第23回香港電影金像奨 主演男優賞・最優秀作品賞・最優秀脚本賞
華語電影傳媒大奨 主演男優賞

【プレゼント】
    テアトルタイムズスクエア、テアトル梅田にて毎回先着5名様に 週代わりのアンディ生写真1枚をプレゼント!

【イベント】
テアトルタイムズスクエア、テアトル梅田にて日・月・火・木は本編上映前に アンディ・ラウ出演作の予告編上映会を週代わりで実施!
62号に関連記事あり
特別記事にも関連記事あり


『沈黙の聖戦』
監督:チン・シウトン
脚本:ジェームス・タウンゼント
撮影監督:ダニー・ノワク
出演:スティーブン・セガール、バイロン・マン、モニカ・ロウ、トム・ウー、ヴィンセント・リオッタ、サラ・マルクル・レーンほか

元CIA工作員のジェイク・ホッパー(セガール)の愛娘ジェシカ(レーン)が 要人の娘と一緒にテロリストに誘拐された。愛する娘を取り戻すべく、一人バンコクへ乗り込むが、 タイ軍部の陰謀に巻き込まれ、CIAも敵に回すことになってしまった。


★10月2日(土)より シネマミラノほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.chinmoku.jp/



2004年10月9日〜


『最‘狂’絶叫計画』
監督:デヴィッド・ザッカー
脚本:パット・プロフト&パット・プロフト
音楽:ジェイムス・L・ヴェナブル
出演:アンナ・ファリス,チャーリー・シーン,レスリー・ニールセン,エディ・グリフィン,アンソニー・アンダーソン,クイーン・ラティファ,ドリュー・ミクスカほか

『絶叫計画(Scary Movie)』シリーズの第3弾。前2作のウェイアンズ兄弟から、 バトンタッチしたのは『裸の銃(ガン)』シリーズを手がけた パロディ映画の達人デヴィッド・ザッカー。『ザ・リング』、『サイン』、 『マトリックス・リローデッド』、『8Mile』、『ロード・オブ・ザ・リング』 までパロディにしてしまった。お馬鹿映画とラップ好きな人、楽しめます。

ベテラン俳優、スター俳優が笑いのために捨て身の演技。う、うーん・・・、いいのか? 子供をネタにするのだけはいただけません。あれでアメリカ人にはうけるの?と不思議。

20003年/アメリカ映画/ドルビーデジタル、SDDS、DTS/85分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
配給協力・宣伝:LIBERO

http://www.zekkyo.jp/

10月9日(土)より シネマメディア-ジュ、新宿ピカデリー4ほか 全国順次ロードショー


『菊花の香り 〜世界でいちばん愛されたひと〜』
2003年 韓国
監督:イ・ジョンウク(『復讐者に憐れみを』)
出演:パク・ヘイル(『殺人の追憶』)、チャン・ジニョン(『反則王』『オーバー・ザ・レインボー』)、ソン・ソンミ(『美術館の隣の動物園』)
原作:「菊花の香り」(キム・ハイン著 宮本尚寛訳 PHP研究所刊)
公式HP → http://www.taki-c.co.jp/kikka/
10月16日(土)よりキネカ大森・池袋シネマ・ロサ他にて、全国順次ロードショー
配給:タキコーポレーション、リベロ

イナ(パク・ヘイル)はアメリカ育ちの大学新入生。電車の中で女学生が妊婦に気遣っている姿を見かける。 すれ違ったとき、彼女から爽やかな菊の香りが漂ってきた。先輩に誘われて入った歴史サークルで、 イナはその女学生ヒジュ(チャン・ジニョン)と知り合うこととなる。ある日、イナは愛を告白するけれど、 ヒジュにとってイナは単なる年下の男の子。「愛するということは、相手の人生まで背負うことよ」と、 イナの思いをはねつける。卒業後、ヒジュは交通事故で両親と婚約者を同時に亡くしてしまう。 失意のどん底にいたヒジュの前に現れて、再度愛の告白をするイナ。 イナの思いがようやく叶って二人は結婚。そして3年目、やっと身ごもったジニョンは癌におかされていた・・・

アジアで200万人以上の人が泣いたと言われる原作を、『シルミド』の脚本家キム・ヒジェが脚色。 交通事故、不治の病、純愛・・・と、まさに韓国メロドラマの王道を行くストーリー。 風景も美しいし、音楽も甘くロマンチック。チャン・ジニョンのくるくる動く瞳と笑顔が、 飛びっきり可愛い。ヒジュの友達で、イナを密かに思っているジョンナン役のソン・ソンミも、 きりっと素敵な女医さんぶりを好演。欲を言えば、イナ役は、もうちょっと他の人がよかったかな・・・ (パク・ヘイルのファンの方、ごめんなさい!)



『アトミック・カフェ』
監督・製作・編集:ケヴィン・ラファティ、ジェーン・ローダー・ピアース・ラファティ

ラファティ兄弟はブッシュ現大統領のいとこにして、映画監督・撮影・製作者。 5年の歳月をかけて本作を完成させた後、マイケル・ムーアに映画の撮り方を指導。 『ロジャー&ミー』(1989)では撮影を担当している。

彼らがこの映画の制作を通じて貫き通した原則は以下の2つ。
その1 新たに撮影した映像は一切使用せず、既存の映像と音(楽)のみで構成する
その2 一切ナレーションは使用しない

「ピカッときたらさっと隠れる」ピカッは雷のことではない、原子爆弾なのだ。 隠れて助かる問題か!?と日本人なら誰もが思うだろう。 この作品は40〜50年代のアメリカのニュースや広報フィルムを編集して作られている。 今観れば噴飯モノのシーンや言葉がいくつも出てくる。 軽快なポップソング(核がテーマ)にのって流れる映像がどんなものか、ぜひ劇場で確認を。 観終わって思うのは、今だって「お上のやり方」はそう変るまい、ということだ。


1982年/アメリカ映画/87分/スタンダードサイズ/モノラル
英語版/日本語字幕/翻訳:青山南
配給:竹書房

http://www.takeshobo.co.jp/movie/atomic/index2.html

ボストン映画批評家協会賞 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
9月下旬 渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開


『雲 息子への手紙』
監督・脚本:マリオン・ヘンセル
製作:マリオン・ヘンセル、カール・バウムガートナー
音楽:マイカル・ガラッソ
声の出演:カトリーヌ・ドヌーブ(仏語版)、シャーロット・ランプリング(英語版)

「雲」に魅せられた女性監督マリオン・ヘンセルが、世界各地を旅しながら 製作したドキュメンタリー。 飛行機、ヘリコプター、熱気球を使って「雲」 と美しいだけではないありのままの自然も撮影している。 旅の途中で息子を妊娠・出産。夫との別れ、成長していく我が子の姿を、 母親から息子への手紙(朗読)という形で描写。

世界中の様々な形の雲、自然の力強さを映像で見ながら、 心地良い音楽とナレーションに身を委ねてください (寝不足の人は解消しちゃうかも、気をつけましょう)。
現れては消える雲を見て見飽きることのなかった時や、 雲につながる思い出が浮かんでちょっとしんみり。 帰宅して高橋健司さんの著書「空の名前」を取り出して見直したりしました。 空って見上げればいつでもみんなの上にあります。当たり前なのっていいなぁ。


2001/ベルギー、ドイツ/76分/35mm/カラー/1:1.85
提供:ギャガ・コミュニケーションズ
配給・宣伝:アップリンク

第54回カンヌ映画祭クロージング作品

9月11日、東京都写真美術館ホールにて公開

公式サイト >> http://www.uplink.co.jp/nuages/

シネジャ62号にヘンセル監督インタビューあり。


『トッポ・ジージョのボタン戦争』
1967年 日本・イタリア共同製作
監督:市川崑
アニマチオーネ(操演):マリア・ペレゴ
声の出演:中村メイコ/冬城五郎/根上忠/園八雲/布施紘一/須永恒/大平透
ナレーター:小林桂樹
脚本:市川崑/永六輔/アルベルト・オンガロ/フィデリコ・カルドゥラ
音楽:中村八大
9月4日より、ユーロスペースにてチャオ!チャオ!ロードショー
公式HP → http://members3.jcom.home.ne.jp/mozi-mozi/

トッポ・ジージョは小さなアパートでさびしい一人暮らしをしているネズミちゃん。 ある夜、ノミの襲撃に我慢できなくなったジージョは街に飛び出す。 以前から恋心を抱いていた赤い風船と仲良くなって二人で夜の街を散歩しているうちに、 銀行ギャングの事件に巻き込まれる。銀行の金庫の中には、 押すとすべてを破壊してしまうという恐ろしい“ボタン”が収められていて、 ギャングたちはこのボタンを奪って世界を支配しようと計画しているのだ。 ギャングを退治しなければと、ジージョは必死になって国防省警備本部に電話する。 ギャング撃退に一役かったジージョなのに、ちっぽけなネズミの力は評価してもらえず、 しょげるジージョ・・・

遠くから手下に司令するギャングのボスのマイクが、バナナだったり、 セロリだったり・・なんだか可笑しい。ハイテクが進んだ今からすると、 とてつもなく古臭い感じがするけれど、37年前にこんな映像が作られたなんて・・・と、びっくりする。

思えば、トッポ・ジージョは、私が子供のころ一世風靡したキャラクターだ。 独特の風貌と声は今でもありありと覚えている。懐かしい思いを抱いて、 子供向きの映画と思って観にいったら、ブラックジョークに溢れるこの作品、子供向きというよりも、 争いをやめない大人たちに向けたメーッセージという感が強かった。



『天国の青い蝶』 The Blue Butterfly
2003年 カナダ・イギリス合作 1時間36分
監督:レア・プール (スイス生まれ、カナダ育ちの女性監督)
出演:マーク・ドネイト、ウィリアム・ハート(『スモーク』『A.I.』)、 パスカル・ブシェール(『彼女たちの時間』)
後援:カナダ大使館、社団法人日本ユネスコ協会連盟
提供:テレビ東京、東芝エンタテインメント
配給:東芝エンタテインメント

8月14日(土)より、シネスイッチ銀座・新宿武蔵館・関内MGA他 全国ロードショー
公式ホームページ  http://www.bluebutterfly.jp/

脳腫瘍で余命数ヶ月と宣言された少年には、幻の蝶、 ブルーモルフォが舞う姿を一目見たいという夢があった。 母親は息子の願いを叶えてやりたいと、昆虫学者に蝶に出会える場所に案内してほしいと懇願。 熱意にほだされて母子を中南米の熱帯雨林に連れて行くが、 果たして少年はブルーモルフォに出会えるのか…。

大自然を舞台に描かれたこの作品は、 1987年にカナダで起こった実話を聞いたプロデューサーのフランシーヌ・アレールが、 レア・プール監督に持ちこんだもの。熱帯雨林でのロケは過酷なものだったというが、 監督は女性らしい目線で、素晴らしい作品に仕上げている。

モデルの少年ダヴィッド・マランジェ氏は現在22歳。幻の青い蝶を見たいという夢を果たしたあと、 奇跡的に脳腫瘍も消え元気に過ごす彼は、映画の公開を前に7月中旬来日したが、 真っ先に訪れたのは多摩動物園の蝶の館だという。明治学院大学で講演会 「今、ぼくは生きている」が開かれ、どんなに小さな夢でも夢を持てば叶うと語った。 また、コスタリカの撮影現場に招待されて1週間滞在したが、さまざまな蝶の舞うロケ地は、 彼にとってまさに天国だったという。講演とインタビューの模様は次号62号に掲載します。

◆モデルとなった昆虫学者 ジョルジュ・ブロッサール教授来日イベント
7月28日(水)13:30  こどもの城 講演
7月29日(木)10:30  国立科学博物館 講演  親子対象
8月1日(日) 14:00  多摩動物園 講演

※ 上映期間中、シネスイッチ銀座でシネジャ62号を販売しています。


『IZO』
監督:三池祟史
企画・原案・脚本:武知鎮典 撮影:深沢伸行 美術:松宮敏之 音楽:遠藤浩二 唄 :友川かずき
出演:中山一也、友川かずき、松田龍平、美木良介、石橋蓮司、桃井かおり、篠田三郎、ビートたけし、岡田真澄、片岡鶴太郎、緒形拳、ボブ・サップほか

幕末の洛中で「人斬り以蔵」と恐れられた刺客が捕えられ磔となる。 死んだ以蔵は怨念と化し、時空を越えて平成の世に蘇る。 向かうは過去現在未来の権力を束ねる貴族院。「天誅!」と叫びつつ、 自分の前に立ちはだかる者たちを斬って斬って斬りまくる・・・。

バイオレンスもスプラッターも苦手なのに、出演者の豪華さに釣られて観てしまいました。 なんとたくさんの俳優たちが出ていることよ。 それがみな以蔵の刃の露と成り果て・・・。 あとなにがすごいって、映画のそこかしこにギター抱えて登場する友川かずき氏の唄! 東北なまりの絶叫かとも思うその歌声が響くと、背後の映画はMTV化。

中山一也は三池祟史監督作品の常連。悪鬼となった以蔵の怒りと悲しみが出ていました。 ちょっとチャン・ドンゴン似の濃さです。ふやけた生活をしていると「天誅!」が下るかも、 と背後が気になる今日この頃。


2004年/日本/カラー/2時間8分/ヴィスタサイズ/ステレオ/R—15指定
配給:チームオクヤマ 配給協力・宣伝:オムロ

公式 HP >> http://www.izo-movie.com/

8月21日(土)公開 シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー


『第5回東京フィルメックス』

今年で5回目となる東京フィルメックス。特集上映の「内田吐夢監督選集」が注目です。またコンペティション作品、特別招待作品とも作家性に富んだ監督の作品が集まっています。
 ■開催期間:11月20日〜11月28日
 ■開催場所:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階)、東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール、シネカノン有楽町(ビックカメラ8F)
 ■主催:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
 ■共催:朝日新聞社/J-WAVE/テレビ朝日 (内田吐夢監督選集 映画真剣勝負)東京国立近代美術館フィルムセンター
 ■映画祭中の企画詳細
コンペティション作品(10作品)
特別招待作品(5作品)
特集上映 「内田吐夢監督選集 映画真剣勝負」(13作品)
       「ガイ・マディン〜カナダ発 幻惑の映像魔術〜」(5作品)
       「ボーディ・ガーボル〜ハンガリーの前衛的鬼才〜」(3作品)
第5回記念特別イベント シンポジウム「国際映画祭を語る」
 無料トークイベント
  会場:朝日ホールの1フロア下にある「スクエア」(11F)
  *入場無料。開場は開始10分前の予定。
 
●11/22(月) 18:10-18:50
  「香港映画最前線〜鬼才ジョニー・トーの映画術」
   宇田川幸洋(評論家)
●11/23(祝・火) 14:10-14:50
  「躍進する日本映画〜大阪芸大出身の新鋭監督たち」
   柴田剛監督、山下敦弘監督、宇治田隆史監督、熊切和嘉監督
●11/24(水) 18:10-18:50
  「中東映画のいま〜ニュースでは伝えられない映画事情」
   バフマン・ゴバディ監督(イラン)ハッサン・イェクタパナー監督(イラン)ダニエル・アルビッド監督(レバノン)
●11/25(木) 18:10-18:50
   「韓国映画のいま〜女優ムン・ソリ氏を囲んで」
●11/26(金) 18:10-19:10
  「映画作りの現場から〜キャスティング・ディレクター奈良橋陽子氏」
●11/27(土) 18:00-18:40
   「世界で一番奇妙な映画〜ガイ・マディンの魅力に迫る」
    ガイ・マディン監督(カナダ)
●11/28(日) 17:20-18:00
   「第5回東京フィルメックスの収穫について」
    ウルリッヒ・グレゴール ベルリン映画祭フォーラム部門前ディレクター(ドイツ)

公式 HP >> http://www.filmex.net/



『風音』
監督:東陽一
原作・脚本:目取真俊(めどるま しゅん)
企画・製作:山上徹二郎
撮影:蔦井孝洋
出演:上間宗男、加藤治子、つみきみほ、光石 研、北村三郎、吉田妙子、治谷文夫、細山田隆人、加藤未央、島袋朝也、伊集朝也ほか

10歳のマサシは、母の故郷の沖縄にやってくる。 島の少年たちに連れられてきた崖の風葬場には、「泣き御頭(なきうんかみ)」 と呼ばれる頭蓋骨が置かれていた。 銃弾が貫通してできたこめかみの穴を風邪が通り抜けるとき、泣くような音がするのだという。 少年たちが「泣き御頭」にちいさないたずらをした日、戦争で死んだ恋人を探して老婦人が訪れる。

島に生きる者、外からやってくる者たちの過去や現在の思いが交錯する。 戦争が終わって50余年が経っても、生き残った人たちの記憶の中には消えずに残っているのだ。 しばらく続いたのんび〜り沖縄映画とはひとあじ違った作品。
島の「海人(うみんちゅ)」が演じる清吉おじーの顔がとてもよかった。


2004年/日本/1時間46分/35mm/カラー/スタンダードサイズ/DTS

http://www.cine.co.jp/fuon/

7月31日(土)より、渋谷ユーロスペースにて夏休みロードショー
7月31日(土)より、テアトル新宿にて夏休みレイト・ロードショー(終了)

大阪・名古屋・札幌など全国主要都市にて順次公開予定


『バレエ・カンパニー』
監督:ロバート・アルトマン
脚本:バーバラ・ターナー
撮影監督:アンドリュー・ダン
音楽:ヴァン・ダイク・パークス
製作:キラー・フィルムズ
出演:ネーヴ・キャンベル、ジェームズ・フランコ、マルコム・マクダウェルほか

巨匠アルトマン監督が“ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ”を舞台に 躍動感あるバレエ映画を仕上げた。この実在の名門バレエ・カンパニーは、 シカゴを拠点に活動し、パトリック・スウェイジ、シャーリーズ・セロンなどを輩出している。 主演のライを演じるネーヴ・キャンベルはカナダのバレエスクールに在籍した経歴がある。 ほかはすべてこのカンパニーの現役トップダンサーたち。華麗なステージの裏のつつましい生活、努力、挫折そして栄光が丁寧に描き出されている。色彩豊かなステージのシーンが圧巻。

ミスターAを演じるのは『時計仕掛けのオレンジ』のアレックス、マルコム・マクダウェル。 目が怖かったのが忘れられませんが、銀髪のおじさまになっていました。

2003年/アメリカ・ドイツ映画/カラー/112分/ヴィスタサイズ/
配給:エスピーオー

2004年7月24日(土)より Bunkamura ル・シネマにてロードショー

公式 HP >> http://www.thecompany.jp/



『丹下左膳・百万両の壺』
監督・撮影・編集:津田豊滋
脚本・プロデューサー:江戸木純
原作:林不忘(光文社刊)
出演:豊川悦司、和久井映見、野村宏伸、麻生久美子、金田明夫、武井証、坂本長利ほか

「姓は丹下、名は左膳」名刀濡れ燕を腰に、めっぽう強いが情にはもろい。 かつて日本中を熱狂させた片目片腕の時代劇ヒーローが,スクリーンに蘇った!

公式 HP >> http://www.sazen2004.com/


2004年7月17日、愛と感動のロードショー 恵比寿ガーデンシネマほか
★劇場窓口にて前売り鑑賞券お求めの方に限り、 先着1,000名様に “選べる特製ポストカード”をプレゼント!(ペア券は3枚セット付)


『ティラミス』 原題『恋愛行星』
製作総指揮:ダニエル・ラム
製作:ダニエル・ラム
監製:林小明、ダンテ・ラム
監督:ダンテ・ラム
脚本:チャン・ヤンマウ、ロス・リー
ストーリー:ダンテ・ラム
撮影:チャン・チーイン
編集:チャン・ケイホップ
美術:ペーター・ウォン
衣装:ドラ・ン
音楽:トミー・ワイ
主題歌:ニコラス・ツェー

Cast: ニコラス・ツェー、カリーナ・ラム、イーソン・チャン、キャンディ・ロー、チャン・キッレン、ヴィンセント・コク

2002年度作品/香港映画/カラー/ビスタサイズ/SRD/上映時間:1時間50分/
宣伝協力:FREEMAN 配給:フルメディア


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“わたしを想って”・・・・・あなたの心を震わせるせつない恋の物語
 父親の死によって耳が聞こえなくなった青年とダンスに青春を燃やす一人の少女。 偶然の出会いで青年は彼女にほのかな恋心が芽生える。 だが、再会を果たした時、彼女は不慮の死によってゴーストとなっていた。 彼女がこの世に思い残していた想いをかなえるために、青年はひとつの奇蹟を起こすことになる。

 題名の『ティラミス』はほろ苦い味がするイタリアのお菓子だが、 その名前には「私を元気づけて。私を引っぱって」という意味がある。
 ニコラス・ツェというと、突っ張っているイメージが強いけど、この作品では街の優しい郵便配達のお兄さんという役柄を演じています。突っ張っているニコラスもいいけど、こんなニコラスも必見です。カリーナ・ラムも、初めてのダンサー役に挑戦。今まで彼女は「静」のイメージだったけど、今回は「動」のイメージで明るいキャラクターを演じています。また、キャンディ・ロウがいい。本業は歌手なのに、『ドリフト』といい、彼女の演技は迫力があって潔い。そして、イーソン・チャンはいつものおとぼけキャラクター。引き立て役になっているのか、なっていないのか、、、。私としては、そういう路線じゃないイーソンが観たいなとも思うけど、、、。
 そうそう、香港では郵便配達の人が電車に乗って配達に行くのか、なんて発見もありました(ホントなのかな?)。
 香港映画、お得意のゴーストラブストーリー、是非観に行ってみてください!

★9月18日よりキネカ大森 にてロードショー
★12月17日よりVIDEO、DVD発売

公式 HP >> http://www.fullmedia.co.jp/tiramisu/



『アラモ』
監督・共同脚本:ジョン・リー・ハンコック
脚本:レスリー・ボーエン、スティーブン・ギャガン
撮影:ディーン・セムラー
製作:マーク・ジョンソン、ロン・ハワード
衣装:ダニエル・オーランディ
出演:デニス・クエイド、ビリー・ボブ・ソーントン、ジェイソン・パトリック、パトリック・ウィルソン、エミリオ・エチェバリア、ジョルディ・モリャほか

1836年、テキサス・アラモ砦。わずか200人にも満たない男達が、テキサス独立を求める旗の下、 数千ものメキシコの軍勢を相手に死闘を繰り広げていた。 理想に燃えるまだ若い指揮官トラヴィス(パトリック・ウィルソン)、人々の心をつかむ、 飲んだくれのナイフの使い手ジム・ボウイ(ジェイソン・パトリック)、 数々の武勇伝でその名を馳せる伝説の男デイヴィ・クロケット(ビリー・ボブ・ソーントン)そして、 肌の色も境遇も異なる民衆達…。砦を12日間も守り抜いた彼らのもとに、待ち望む援軍は来ない。 それは、テキサス軍司令長官ヒューストン将軍(デニス・クエイド)による先を見据えた苦渋の選択の結果だった。

 13日目の未明、かつてテキサスに夢を求めて流れ着き、 あるいは背後の愛する家族を守るためにここにいる男達は、生きて戻れぬと知りながら 、 最後の戦いに誇りをかける…。

私は何故だか「ディヴィ・クロケット」の歌を覚えています。ディズニーがTVドラマを作ったとのことで、 その主題歌だったのかも。当時子ども達のヒーローであり、超有名人であった彼が戦いに加わったことで、 士気が上がったようすが映画の中にも出てきます。
メキシコの圧政から分離独立を勝ち取った歴史的な「アラモの戦い」は何度も映画化されていて、 中でも有名なのはジョン・ウェインが主演・監督した作品でしょう。 それが殆どアメリカ側から描いたものだったのに比べ、今回の作品はメキシコ側にもポイントをおき、 戦いの酷さも描かれています。何が目的にせよ殺し合いはいやだー。


http://www.movies.co.jp/alamo/

2004/アメリカ/カラー/シネスコサイズ/ドルビーSRD/2時間17分
提供:タッチストーン・ピクチャーズ
配給:ブエナ・ビスタ・インターナショナル(ジャパン)

★9月25日(土)より 丸の内プラゼールほか全国で感動のロードショー!


「東京国際ファンタスティック映画祭2004」
■開催日程:2004年10月14日(木)〜17日(日)
■会場:新宿・ミラノ座(座席数 1064席)、新宿シネシティ広場(予定)
■主催:東京国際ファンタスティック映画祭実行委員会
■共催:(財)東京国際映像文化振興会 第17回東京国際映画祭組織委員会
■後援:新宿区
    歌舞伎町商店街振興組合
■協賛:三菱地所株式会社
    東宝株式会社
    コナミ株式会社
■運営協力:東急レクリエーション
■制作:ニッポン放送

ファンタは20回目となりました。
盛りだくさんの内容で皆様の参加をお待ちしています。

スケジュール・ゲストなど詳細は↓HPにてご確認ください。
http://tokyofanta.com/2004/

★9月11日(土)よりチケット発売!!
★Pコード 550-728
★発売場所 チケットぴあ Tel:0570−02−9999
★お問合せ NTTハローダイヤル 03-5777-8600 (無休7:00〜23:00)

シネジャ62号にディレクターの大場氏インタビューあり。


「第17回東京国際映画祭」

今年第17回を迎える東京国際映画祭が今回は六本木ヒルズ(港区)、Bunkamura(渋谷区)をメイン会場として 多彩な企画が展開されます。

■開催場所:六本木ヒルズ(港区)、Bunkamura(渋谷区)のメイン会場で同時開催
■開催期間:2004年10月23日(土)- 10月31日(日) 9日間
■主催:財団法人東京国際映像文化振興会(第17回東京国際映画祭組織委員会)
■映画祭中の企画詳細
●六本木ヒルズでオープニングイベント開催
●Bunkamuraでクロージングイベント開催
※六本木ヒルズ、Bunkamuraの両メイン会場のほかに各エリアでも企画を展開予定

公式 HP >> http://www.tiff-jp.net/



アトム・エゴヤン映画祭2004
カナダと日本: 75周年
第17回東京国際映画祭協賛企画
日常と異常のはざまに仕掛ける謎
あなたの知らない・・・ほんとうのエゴヤン(仮)

2004年10月23日(土)〜10月31日(日)〈9日間〉
会場:シアター・イメージフォーラム
渋谷区渋谷2-10-2 TEL:03-5766-0114  http://www.imageforum.co.jp/

主催:カナダ大使館、イメージフォーラム

劇場未公開作を含む代表作6作品+未公開短編を特集上映。
西嶋憲生さん、滝本誠さん他ディープな批評家が、 あなたの知らなかったエゴヤンを指南する再発見の快楽に満ちた映画祭。

現代カナダを代表する映画監督アトム・エゴヤン。 80年代から欧米でカルト的人気を誇りながら、 日本では97年に長編6作目『エキゾチカ』が初公開と紹介が遅かった上、 公開時には観客層を広げるために“癒し”の側面が強調されたり、 題材の社会的側面が強調されたり、 映画作家としてのエゴヤンの人気はまだまだ確立には至っていない。

そこで本映画祭では、今まで見過ごされがちだったエゴヤンの本当の魅力を 再発見するというテーマで、劇場未公開作を含む代表作6作品+未公開短編を特集上映。 また、再発見のための指南役として映像批評家の西嶋憲生さん、 滝本誠さんをはじめとするその道の達人を迎え、 エゴヤンのディープな世界を解説していただきます。

上映作品
A. 『ファミリー・ビューイング』1987年/87分 *長編2作目/劇場未公開
『ピープショー』 1981年/7分/劇場未公開
B. 『エキゾチカ』1994年/104分
C. 『スウィート・ヒアアフター』1997年/110分
D. 『サラバンド(ヨーヨー・マ インスパイアド・バイ・バッハ No.4)』1997年/57分/劇場未公開
『ハワードの送別会』1979年/14分/劇場未公開
『オープンハウス』1982年/25分/劇場未公開
E. 『フエリシアの旅』1999年/116分
F. 『アララトの聖母』2002年/115分
『アーシルの肖像』1995年/4分/劇場未公開

★トークショーあり。出演者:西嶋憲生さん、滝本誠さん他(予定)
★達人達の解説満載のプログラムあり(予定)。

入場料金:
当日一般・学生共通1,400円、小人・シニア・シアター会員1,000円
前売1回券1,200円(劇場窓口、チケットぴあ)、前売3回券3,000円(劇場窓口のみ)
 ※全て税込金額 ※各回定員・入替制

IMDbの アトム・エゴヤンのページ
『第17回東京国際女性映画祭』

2004年10月24日(水)〜28日(木)
東京ウィメンズプラザ

追加上映があります。10月28日に追加上映されるのは、下記の作品です。

  • 『兼子』 渋谷昶子監督
  • レポート『あの鷹巣町に何がおきたのか』 羽田澄子監督
詳しくは公式ページをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.iwff.jp/schedule/index.html



『17歳の処方箋』
監督・脚本:バー・スティアーズ
製作:リサ・トーネル
撮影監督:ウェディゴ・フォン・シュルツェンドーフ
音楽:ウヴェ・ファーレンクロッグーピーターソン
出演:キーラン・カルキン、クレア・デインズ、スーザン・サランドン、ジェフ・ゴールドブラム、ライアン・フィリップ、ジャレッド・ハリス、アマンダ・ピート、ビル・プルマンほか

イグビー(カルキン)は母・ミミ(サランドン)に「落第息子」の烙印を押されている。 私立高校を退学になり、押し込まれた士官学校もドラッグでまた退学。 大学生の兄(フィリップ)は優秀だが、何を考えているかわからない。 父(プルマン)はプレッシャーに負けて精神を病んでいる。家は裕福でも家族は崩壊寸前だ。 家出に失敗したイグビーは、 名付け親のD・H(ゴールドブラム)の元で夏休みの間働くことになった。

バー・スティアーズは『10日間で男を上手にフル方法』脚本で日本でも知られている。 本作が監督デビュー作となった。
カルキン兄弟の3番目のキーランが主役のイグビーを演じ、 兄のマコーレーよりも伸びそうな予感。不安定で傷つきやすく、 反抗心はたっぷりの高校生に思わず青春時代を思い出す人も多いだろう。 同年代の若者には、その痛さが我がことに思えるかもしれない。 強烈な個性の母役、サランドンがカルキンと共にゴールデングローブ賞にノミネートされた。
クレア・デインズ(またはデーンズ)がすっかりたくましくなっていて見違えました。


2002/アメリカ/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/98分/
配給:エスピーオー 宣伝:アルシネテラン

http://www.17-shohou.com/

9月11日(土)より 銀座シネパトス シアターメディアージュにて公開
女性監督とシネマ&トーク『ままは留学生』
女性監督とシネマ&トーク 松下孝子さんと「ままは留学生」

9月25日(土)午後6時から8時
場所 渋谷女性センター・アイリス 7階学習室
参加費1000円
問い合わせ先 FAX 03−3306−2762(小野)

中国からのママさん留学生の生活を綴ったドキュメンタリー映像の上映会です(初公開!)。 監督は、大学で中国からの留学生に日本語を教え、かつては長く中国に住んでいたことのある松下孝子さん。 初監督作品です。 日本へ留学した中国人留学生の背景、家族との関係などが丁寧に描かれ、留学生の心情がよくわかります。



「アジアフォーカス・福岡映画祭2004」  9月10日(金)〜20日(月・祝)

毎年アジアの心温まる作品を紹介し続けているアジアフォーカス・福岡映画祭で、 今年もアジア14カ国27作品が上映されます。 (関連企画も含めると54作品)

この映画祭が初上映の作品で、その後一般公開されない作品もあります。 遠方の方も、アジアマンスで色々なアジア関係の催しが開かれる福岡に、ぜひお出かけください!


公式ホームページ http://www.focus-on-asia.com/j/index.html
(関連企画詳細は、こちらでごらんください。)

★映画祭についての問い合わせ 専用ダイヤル
NTTハローダイヤルTEL/092-733-5543 TEL/0570-008886
8月1日〜9月30日 毎日 7:00〜23:00
「アジアフォーカス・福岡映画祭2004」「第49回アジア太平洋映画祭」 (9/21--25, http://www.apff49-jp.net/) どちらについてもお答えします。

*上映作品*
『裏側の子どもたち』2002年トルコ・ハンガリー
『ザ・リザード』(仮題)2004年イラン
『ママのお客』2004年イラン
『冷たい涙』2004年イラン
『へだたり』2004年インド
『再び森で・・・』2003年インド
『愛は至高のもの』2003年インド
『頬にキス』2002年インド
『太陽のジャングル』2004年スリランカ
『散歩の園』2003年スリランカ
『ラロン』2004年バングラデシュ
『一度でいいからキスしたい』2002年インドネシア
『ビッグ・ドリアン』2003年マレーシア
『コウノトリの歌』2001年ベトナム・シンガポール
『昔と今』2003年フィリピン
『苦難の時代』2002年フィリピン
『秘境モォトゥオへ…』2003年中国
『台湾往事』2003年中国
『ルオマは17歳』(仮題)2002年中国
『下流人生』2004年韓国
『僕が9歳になったら』(原題)2004年韓国
『オー!マイ DJ』2004年 韓国
『ホワイト・バレンタイン』1999年韓国
『ジャパニーズ・ストーリー』2003年オーストラリア
『風音』2004年日本
『熊笹の遺言』2003年日本
『空白〜述懐・ハンセン病報道』2001年日本


『イエスタデイ 沈黙の刻印』
監督・脚本:チョン・ユンス
主演:キム・スンウ、キム・ユンジン、チェ・ミンス、キム・ソナ
2002年/韓国/1h59m/
配給:ギャガ・コミュニケーションズ アジアグループ

2020年、すでに南北が統一された韓国で科学者ばかりが狙われる連続殺人事件が発生。 旧南北の捜査当局は精鋭を集めた捜査班を結成するが、捜査は後手に回るばかり。 捜査の過程で浮上したのは、“ルカ・プロジェクト”という謎のキーワードだった……。


9月4日(土)、銀座シネパトス、大阪シネフェスタ4他ロードショー

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/yesterday/



『コウノトリの歌』Song of the Stork
2001年 ベトナム/シンガポール(初合作) 1時間39分
監督:ジョナサン・フー/グエン・ファン・クアン・ビン
出演:ドー・ハイ・イエン/ファム・ジア・チー・バオ他
提供:ギャガ・コミュニケーションズ、エレファント・ピクチャー
配給:ギャガ・コミュニケーションズ、アニープラネット

8月28日より、銀座シネパトス、新宿ジョイシネマ3にてロードショー
公式ホームページ → http://www.gaga.ne.jp/kounotori/
★コウノトリはベトナム原産の鳥。詳細はHPをごらんください。

太鼓の音を背景に、赤いトーンでベトナム戦争時の映像が流れる。 一転してのどやかな音楽に変わり、農村風景、そして風情あるハノイの町を バイクや自転車で行くアオザイ姿の女性たち。 2000年4月29日、サイゴン開放25周年記念日の前日から映画は始まる。 ドイモイ政策ですっかり活気付いたベトナムだが、戦争を経てきた世代には複雑な思いだ。 「大勢の仲間が死んだのに、なぜ私は生き残っているのだろう」 映像作家トラン・バン・チュイは、従軍カメラマン時代の仲間たちに思いを馳せる…。

本作では、元従軍カメラマンの彼と共に、アメリカの退役軍人、 元ベトナム軍諜報部員の3人が実在の人物として過去を語る一方で、 フィクションで5人のベトコン兵士の青春の物語が挿入される。 どのエピソードも実話を元に構成されたもので、 その時代に生きた一人一人に戦争に翻弄された悲しい物語があることを思い知らされる。] 一握りの人たちの思惑で起こった戦争で犠牲になるのは、罪の無い庶民だけでなく、 時代の流れの中で戦地に赴かざるを得なかった兵士たちも同様だ。 私が日本で脳天気に暮らしている今も、 イラクをはじめ世界のあちこちで戦争によって悲惨な人生をおくっている人たちがいることを、 痛いほど思い起こさせてくれた。 平和を願いながら何も出来ない自分が辛い。



『dot the i ドット・ジ・アイ』
監督・脚本:マシュ−・パークヒル
撮影:アフォンソ・ベアト
編集:ジョン・ハリス
音楽:ジャヴィア・ナヴァレテ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル/ナタリア・ヴェルベケ/ジェームズ・ダーシーほか

マドリッド出身のカルメンは、ロンドンで出会ったハンサムで資産家のバーナビーのプロポーズを受ける。 ヘン・ナイト・パーティ(結婚間近の女性が女友達と楽しむ独身最後のパーティ)で、 その場に居合わせた男性とキスをすることになる。 たまたま相席になったキットを選んで、軽い気持ちでキスを交わすのだったが…。

マシュ−・パークヒル監督はこれが初の長篇作品だが、サンダンス映画祭で喝采を浴びる。 パリのレストランで「ヘン・ナイト・パーティ」に出くわして、 このストーリーを思いついたそうだ。 2人の男性の間で揺れる女心のラブストーリーかと思いきや、 挿入される不思議な映像に観客ももう一つの視線を感じるようになる。 メキシコ出身のガエル・ガルシア・ベルナル、 アルゼンチン生まれでスペインに移住したナタリア・ヴェルベケ、 ラテン系の若い二人が魅力的。
タイトルの『dot the i』とは 「細かいところまで注意を払う、細部にまで充分気を配る、詳細に記す」 などの意味があるそうで、ぜひ劇場に足を運んで「細かいところに注意を払いつつ」 観てください。 前情報がないほうが楽しめますよ!


2003年/英・スペイン合作/ビスタサイズ/92分/配給:エスピーオー
提供:テレビ東京・博報堂DYメディアパートナーズ・エスピーオー/
後援:ブリティッシュ・カウンシル、スペイン大使館

http://www.dot-the-i.jp/

2004年7月31日(土)より、シネセゾン渋谷ほかにて全国ロードショー
劇場窓口にて特別鑑賞券¥1500をお買い上げの方に、 ガエル・ガルシア・ベルナル特製ポートレート3枚セットプレゼント!


『藍宇 LAN YU 〜情熱の嵐〜』
2001年/香港/86分

監督:關錦鵬(スタンリー・クワン)『ルージュ』『ホールド・ユー・タイト』
脚本:魏紹恩(ジミー・ガイ)
編集・美術:張叔平(ウィリアム・チョン)
出演:胡軍(フー・ジュン)『東宮西宮』
   劉[火華](リィウ・イェ)『山の郵便配達』『中国の小さなお針子』『恋人』
配給:ケンメディア

「藍宇」公式HP http://lanyu.gstage.com/ (中文・英文)
7月31日より、新宿武蔵野館にて、モーニング(10:00AM)& レイトショー(9:05PM)
新宿武蔵館 → http://www.musashino-k.co.jp/
     minipara http://www.minipara.com/kanto-mini/theater/musashinokan/index.shtml

  ☆男性お2人で来場の方、当日料金2名で2,000円
  ★7/31(土)〜8/6(金)1週限定 朝と夜ロビーにて「藍宇」メイキング“メイキング・ブルー”特別上映

貿易会社を営む青年実業家・ハン・トン(捍東:フー・ジュン)は、 バイセクシャルな遊び人。 ある夜、ハン・トンは建築家志望の貧乏学生のラン・ユー(藍宇:リィウ・イェ)を買う。 ハン・トンにとっては一夜限りの遊びのつもりだったが、 不思議と彼のことが忘れられない。 ラン・ユーも“初めての男”ハン・トンに淡い恋心が芽生えていた。 そんなある日北京の街角で偶然再会した二人は、 一気に燃え上がり一緒に暮し始めるが、実業家として活躍するハン・トンは、 体面を重んじてロシア語の通訳をしている女性と結婚してしまう・・・。

1988年からの10年にわたる二人の関係を、天安門事件やその後の市場経済への移 行で急激に変る時代を背景に描いたこの物語の原作は、中国のゲイ・サイトに匿 名で発表されたインターネット小説で、またたくまに話題となり、台湾で「北京 故事」として出版されたもの。ゲイあることをカミングアウトした、スタン リー・クワン監督が、実に美しく繊細に描いている。

2001年11月20日 第2回TOKYO FILMeXで期待にうずうずしながら観て感動し、 2002年8月4日 第11回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で再度観て、またまた切 ない気持ちになった『藍宇』。リィウ・イェが、『山の郵便配達』とはまた違っ た雰囲気の、ダサダサの田舎から出てきた大学生でいとおしいです。この春、新 宿武蔵館に『純愛中毒』を観にいったときに、「北京の純愛」のキャプションが ついた『藍宇』上映予告のポスターを見て、う〜ん そうくるか! と妙に納得 し、一般公開を心待ちにしていました。相手が異性だろうが同性だろうが、人を 愛しく思う気持ちは純粋なもの。いつまでも大切にしたい恋愛映画です。それに しても、リィウ・イェちゃんの「すべて」を朝から見れるとは!



「シオニズムと映画」「『アラブ映画祭2005』プレイベント」

国際交流基金映画講座

  • 2004-1「シオニズムと映画」
  • 2004-2「『アラブ映画祭2005』プレイベント」
が連続して開催されます。


四方田犬彦講演会「シオニズムと映画」

公式 HP >> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/jfsls1.html

日  時  2004年8月31日(火)
18:00   イスラエル映画 『デスペラード・スクエア』 1999年(92分)
上映後   講演「シオニズムと映画」(講師:四方田犬彦)
会  場  赤坂・国際交流基金フォーラム
東京都港区赤坂2−17−22 赤坂ツインタワー1F
東京メトロ 銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分
講  師  四方田犬彦(Prof. YOMOTA Inuhiko)

1953年生まれ。明治学院大学教授、映画評論家。 主著『モロッコ流謫』(集英社)『白土三平論』(作品社)『ハイスクール1968』(新潮社)など多数。 2004年3月〜7月、文化庁より「文化交流使」として派遣されイスラエルに滞在。 テルアヴィヴ大学、ヘブライ大学などで日本映画史を講じ、 またイスラエル映画史に関する調査研究を行った。
本講演会では、映画史初期から現在までの貴重な映像資料を使って イスラエル映画の歴史と現状について論じるとともに、 『デスペラード・スクエア』に出演している映画作家モハメド・バクリなど、 中近東の映画人との交流についてもふれる予定。

作品紹介  『デスペラード・スクエア』 Desperado Square(イスラエル/1999年/92分)
監督:ベニー・トラーティ
出演:ヨナ・エリアン、モハメド・バクリ

夢枕に立った元映画館主の亡父の言葉に従い、閉館した映画館を復活させようと奔走する二人の息子。 だが、復活記念作品であるラージ・カプール主演のインド映画『合流点』には、 母の秘められた過去が隠されていた…。テルアヴィヴ南部のユダヤ人コミュニティを舞台に、 銀幕への思いが花開くイスラエル版『ニュー・シネマ・パラダイス』。

入場料金  当日1回券800円、当日3回券2,100円(前売券はありません)
  • JFサポーターズクラブ会員、65歳以上の方は、当日受付で証明書をご提示いただければ、 1回券600円、3回券1,500円になります。
  • 国際交流基金映画講座2004-1、2004-2のいずれにも使えます。
  • 初回上映の1時間前より会場にて販売します。(定員300)
  • 講演は無料ですが、チケットをご提示ください。

「アラブ映画祭2005」プレイベント

公式 HP >> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/jfsls2.html

国際交流基金は2005年2月(予定)に「アラブ映画祭2005」を開催します。
そのプレイベントとして、本講座ではこれまで日本に紹介された作品を上映し、 アラブ映画の世界へ第一歩を踏み出します。

上映予定  9月2日(木) 16:30 『放蕩息子の帰還』エジプト/1976年/125分
  19:00 『アレキサンドリアWHY?』エジプト/1979年/132分
9月3日(金) 16:30 『石の賛美歌』ベルギー/1990年/105分
  19:00 『D.I.』仏=パレスチナ/2002年/94分
9月4日(土) 14:00 『他者』エジプト/1999年/101分
  15:45 対談「アラブ映画入門」
    とちぎあきら(東京国立近代美術館フィルムセンター、「地中海映画祭2000」作品選定担当)
石坂健治(国際交流基金)
  17:00 『ガリレアの婚礼』ベルギー=仏/1987年/110分
会  場  赤坂・国際交流基金フォーラム
東京都港区赤坂2−17−22 赤坂ツインタワー1F
東京メトロ 銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分
入場料金  当日1回券800円、当日3回券2,100円(前売券はありません)
  • JFサポーターズクラブ会員、65歳以上の方は、当日受付で証明書をご提示いただければ、 1回券600円、3回券1,500円になります。
  • 国際交流基金映画講座2004-1、2004-2のいずれにも使えます。
  • 初回上映の1時間前より会場にて販売します。(定員300)
  • 対談は無料ですが、チケットをご提示ください。


『歌え! ジャニス・ジョプリンのように』

夫の借金返済のために、伝説の歌姫ジャニス・ジョプリンに扮することになった 主婦ブリジット。無理やり押し付けられ、最初はとまどい困惑していたけれど、 ジャニスに扮することで、今までの閉塞的な主婦的状況から解放され、自信を取り戻していった姿が描かれる。

ジャニス・ジョプリンといえば、60年代 ロックシーンを一気に上りつめ、 自由の象徴的存在にもなった人。レインボ−カラーの髪飾り、大きなトンボメガネ、 特徴あるしわがれ声で歌い、一時代を築いたが、 70年にヘロインの過剰摂取により急死。伝説の人となった。

自分が犯した保険金詐欺の穴埋めに、 ジョン・レノンとジャニス・ジョプリンを崇拝するいとこの遺産を狙おうと計画した、夫パブロ。 ジョン・レノンに扮したプロの俳優と無理やりジャニス・ジョプリン役を押し付けられた妻。
地味な服装に家事用のゴム手袋の主婦から一転、 レインボーカラーの髪飾りに大きなサングラスでファンキーなロックスターに変身したブリジット。 さらにジャニスになりきるために歌の練習も始めた。ジャニスになりきる中で、 ブリジットは本当に変身していった。夫の繰り人形ではなく自分自身の意思で生きる人間に。

妻ブリジットを演じたのは、マリー・トランティニャン。この作品の公開直前に、 ロックミュージシャンの恋人に殴打され死亡。 衝撃的な死を迎えた二人の短くもきらめいた人生が、この作品で交錯する。

監督はマリーの元夫のサミュエル・ベンシェトリ。 フランスでは、公開間近の彼女の死により、公開中止も考えられたが、 娘と最期の共演をしたジャン=ルイ・トランティニャンに励まされ、 公開にこぎつけたという。

ジャニスの魂が乗り移ったかのようなマリーの歌いっぷり、「コズミック・ブルース」や、 ザ・フー、T・レックスなど60年代70年代を代表するロックグループの曲が全編に流れ、 当時をしのばせる。また、オノ・ヨーコが特別に使用を許可したという、 ジョン・レノンの「Isolation(孤独)」も流れる。

私としてはジャニスの「サマータイム」や「ジャニスの祈り」を聞けなかったのが残念だったけど、 コメディタッチのストーリーの中に、最高の音楽と人情を織り込んだ作品に仕上がっていた。
ジョン・レノンのなりきり度も良かったし、ジョン・レノンとジャニス・ジョプリンを 崇拝するいとこのいってる演技も絶妙。そしてなんといっても小心者の夫パブロの演技がいい。

『歌え! ジャニス・ジョプリンのように』
サミュエル・ベンシェトリ監督作品
出演 セルジ・ロペス、マリー・トランティニャン、フランソワ・クリュゼ、 クリストフ・ランベール、ジャン=ルイ・トランティニャン

シャンテ シネにて公開中(11:00, 13:20 の2回)

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/janisjohn/



「シネマコリア2004」
期間&会場:
 7月31日(土)〜8月1日(日)  名古屋:愛知芸術文化センター 12階 アートスペースA
 8月7日(土)〜10日(火) 東京:キネカ大森
 8月22日(日) 札幌:アーバンホール
 8月28日(土)〜29日(日) 大阪:第七藝術劇場
上映作品:
       『オー! ブラザース』(2003年、韓国)
       『先生、キム・ボンドゥ』(2003年、韓国)
       『品行ゼロ』(2002年、韓国)
       『春の日のクマは好きですか?』(2003年、韓国)
    ※ 全作品、日本初公開
    ※ 札幌会場は『オー! ブラザース』『先生、キム・ボンドゥ』のみ

 今年、日本では30〜40本の韓国映画が劇場公開されると予想されています。これに映画祭などで紹介される作品も含めると、50本を軽く超える作品が日本に輸入されることになるでしょう。しかし、これだけ数多くの韓国映画が紹介されてもまだなお、観るべき作品は数多く残されています。そして、そんな未知の秀作群を紹介する場がシネマコリアです。

 シネマコリア2004では、今年も日本未公開作品から厳選して4作品を紹介い たします。日本では劇場公開されていないものの韓国国内では圧倒的な人気を 博した佳作の数々。日本では、なぜか劇場公開される機会の少ない「楽しく笑 って、最後にホロリ」とさせられる作品、いつまでも記憶に残る愉快な作品、 親しみやすく、心の底から楽しめる、そんなタイプの作品が揃いました。劇場 公開作品とはひと味違うこれらの作品を通じて、韓国という国やそこに住む人 々、文化や習慣、そして言語に、より一層関心を持っていただければ幸いです。

シネマコリア代表 西村嘉夫



上映作品紹介

『オー! ブラザース』

※ 全会場で上映

 韓国/2003年/110分/35mm/カラー/1:1.85/Dolby SRD
 英題 "Oh! Brothers"
 監督=キム・ヨンファ 出演=イ・ジョンジェ、イ・ボムス、リュ・スンス

 オ・サンウ(イ・ジョンジェ)は、父親が残した借金を押し付けるために、 腹違いの弟ボング(イ・ボムス)を探し出す。しかし、やっと見つけた弟は、 実年齢より4倍のスピードで体が老いる「早老症」という奇病にかかっていた… たかりを生業にするチンピラな兄と、性格のねじ曲がった弟との兄弟愛を描い た、温かみと優しさに満ちあふれたヒューマン・コメディ。


『先生、キム・ボンドゥ』

※ 全会場で上映

 韓国/2003年/114分/35mm/カラー/1:2.35/Dolby SRD
 英題 "My Teacher, Mr. Kim"
 監督=チャン・ギュソン 出演=チャ・スンウォン

 悪事がばれて、山奥の小学校に転勤させられたキム・ボンドゥ(チャ・スン ウォン)。どうしてもソウルに帰りたいボンドゥは、生徒全員を他校に転校さ せ、学校を廃校に追い込もうと目論むが… 都会から来た悪徳教師が、子供た ちと正面から向きあうことで、忘れていた純粋さを取り戻していく様を、笑い と感動たっぷりに描いたハートウォーミング・コメディ。


『品行ゼロ』

※ 名古屋・東京・大阪会場で上映

 韓国/2002年/98分/35mm/カラー/1:2.35/Dolby SRD
 英題 "Conduct Zero"
 監督=チョ・グンシク 出演=リュ・スンボム、イム・ウンギョン

 高校を取り仕切る番長のジュンピル(リュ・スンボム)が、ある日、突然、 恋をした! 相手は近くの女子高の優等生ミニ(イム・ウンギョン)。ジュン ピルはミニとお近づきになるべく、彼女が通うギター教室に入門するのだが… 1980年代を舞台に、高校生たちの恋と喧嘩の日々を軽快に描いた青春グラフィティ。


『春の日のクマは好きですか?』

※ 名古屋・東京・大阪会場で上映

 韓国/2003年/97分/35mm/カラー/1:1.85/Dolby SRD
 英題 "Spring Bears Love"
 監督=ヨン・イ 出演=ペ・ドゥナ、キム・ナムジン

 伸びやかな肢体とクルクル変わる表情が人気のペ・ドゥナ主演によるロマン チック・ラブ・コメディ。素敵な恋を夢見るヒョンチェ(ペ・ドゥナ)は、あ る日、図書館で借りた画集の余白に書き込まれた愛のメッセージを発見。「こ れは、私を愛する誰かからの告白!」と確信した彼女は、その男性を探し出そ うと決意する。



東京会場 開催スケジュール

タイム・テーブル(全自由席 各回入替制)

 
8月7日(土)
  12:30 『先生、キム・ボンドゥ』(114分)
  15:10 『春の日のクマは好きですか?』(97分)★
  17:35 『品行ゼロ』(98分)★
  20:00 『オー! ブラザース』(110分)★

8月8日(日)
  12:30 『オー! ブラザース』(110分)★
  15:10 『品行ゼロ』(98分)★
  17:35 『春の日のクマは好きですか?』(97分)★
  20:00 『先生、キム・ボンドゥ』(114分)

8月9日(月)
  13:20 『品行ゼロ』(98分)
  15:40 『オー! ブラザース』(110分)
  18:10 『先生、キム・ボンドゥ』(114分)
  20:30 『春の日のクマは好きですか?』(97分)

8月10日(火)
  13:20 『春の日のクマは好きですか?』(97分)
  15:40 『先生、キム・ボンドゥ』(114分)
  18:10 『オー! ブラザース』(110分)
  20:30 『品行ゼロ』(98分)

★マークの付いている回では、上映前の舞台挨拶または上映後のティーチイン (ゲストの方との質疑応答)を予定しております。
上映作品、ゲスト、開映時間などは、やむを得ない事情により変更となる場合がございます。 あらかじめご了承ください。

ゲスト
 
  キム・ヨンファ(『オー! ブラザース』監督)
  チョ・グンシク(『品行ゼロ』監督)
  ヨン・イ(『春の日のクマは好きですか?』監督)
  チャン・ギュソン(『先生、キム・ボンドゥ』監督)

チケット
 

 整理番号付き日時指定チケット 各作品 ¥1,400均一(前売・当日とも)
 チケットは各作品別に日時指定となりますので、お求めの前にプログラムをご確認ください。

 前売りは、6月26日(土)より8月5日(木)まで、全国のチケットぴあ (オペレーター予約 TEL 0570-02-9999 Pコード予約 TEL 0570-02-9966 Pコード:550-486)、 @ぴあ電子チケットぴあ(http://t.pia.co.jp/)、ファミリーマート、セブン−イレブン、 サンクス、およびキネカ大森にて発売。

 当日券は、キネカ大森の窓口にて販売いたします。各日各回とも、 当日券の販売を予定しておりますが(前売りとは別に当日券用の座席枠を設けてございます)、 販売枚数については、当日の状況をみながらの発券になりますので、 事前のお問い合わせはご遠慮ください。


入場について
 

 開場は各15分前です。開場時間より、チケットに印字された整理番号順に、 ご入場いただきます。ただし、開場に遅れた場合、整理番号は無効となります。 事前にチケットをご購入いただいたお客様でも、開場時間までに会場にいらっしゃらない場合、 座席にお座りいただけないこともございますので、ご了承ください。 また、上映開始後のご入場はかたくお断りいたします。


会場
 

 キネカ大森
  東京都品川区南大井6-27-25 西友大森店5階
  JR京浜東北線「大森」駅東口下車、徒歩4分


お問い合わせ
 

 キネカ大森
  TEL 03-3762-6000


その他会場  お問い合わせ先
 

 名古屋会場:アジアスーパーシネセンター(開催前日まで)
       TEL 052-453-3110 E-mail shop@cinemaskhole.co.jp
       西村(開催当日)
       TEL 090-1863-7855

 札幌会場:月原
       TEL 070-5612-1336 E-mail cinemakoreasapporo@yahoo.co.jp

 大阪会場:第七藝術劇場
       TEL 06-6302-2073 E-mail nanagei@nanagei.com


公式サイト: http://www.seochon.net/cinemakorea/


『プロミス』

泥沼化するパレスチナ情勢・・・今ぜひ見て欲しい! アップリンクファクトリーで上映中

2002年Web版特別記事:
(1) 作品紹介
(2) 監督トークショー
(3) 監督インタビュー

アップリンクファクトリー HP >> http://www.uplink.co.jp/factory/

●シネマジャーナル56号に、 関連記事を掲載しています。
56号は『プロミス』上映期間中、アップリンクファクトリーで販売しています。


『Mの物語』
監督・脚本:ジャック・リヴェット
脚本・台詞:パスカル・ボニゼール/クリスティーヌ・ローラン
撮影監督:ウィリアム・リュブチャンスキー
美術:マニュ・ド・ジョヴィニ
製作:マルティーヌ・マリニャック
出演:エマニュエル・ベアール、イエジー・ラジヴィオヴィッチ、アンヌ・ブロシュ、 ベッティナ・キー、オリヴィエ・クリュベイエ、マティアス・ジュンク、ニコール・ガルシア

75歳のジャック・リヴェット監督18本目の長編映画。
1975年に一度は撮影を開始したものの、3日で放棄してしまったという幻の作品。 今回は『美しき諍い女』で衝撃的なヌードで話題になったフランスの演技派女優、 エマニュエル・ベアールと再びタッグを組んだ。
謎の多い女マリーと時計職人のジュリアンとの不思議な交流と濃密な愛を描く。

犯罪のからんだラブロマンスかと思いきや、そうきたかという展開。
ちょっと書いてしまいましたが、前情報なしにご覧下さい。
ジュリアンの飼っている猫が可愛いー。


2003年/フランス映画/150分/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD/字幕翻訳:丸山垂穂

配給・宣伝:ファインフィルムズ

公式サイト http://www.finefilms.co.jp/m/

7月31日 銀座シネパトスほか全国順次ロードショー


「黒木和雄監督特集」

『父と暮らせば』の公開を記念して、「黒木和雄監督特集」がテアトル池袋にて開かれます。 黒木和雄監督が日本映画に貢献してきた足跡を追跡し、過去のATG、 新東宝時代の作品や、最新作「父と暮らせば」のメイキングなど、13作が特別上映されます。 ことに、終戦の日 8月15日に『美しい夏キリシマ』と『父と暮らせば』 メイキングを観るのは、意義深いことと思います。


期間:8月14日〜20日
場所:テアトル池袋
http://www.cinemabox.com/schedule/ikebukuro/index.shtml
企画:パル企画

タイムテーブル
8/14
【12:10】『とべない沈黙』
【14:20】『キューバの恋人』
【16:40】『浪人街』
【19:00】『竜馬暗殺』

8/15
【12:10】『原子力戦争』
【14:20】『TOMORROW/明日』
【16:40】『美しい夏キリシマ』
【19:00】『父と暮らせば』メイキング ※
 ★上映前トークイベント

8/16
【12:10】『日本の悪霊』
【14:20】『泪橋』
【16:40】『スリ』
【19:00】『TOMORROW/明日』

8/17
【12:10】『夕暮まで』
【14:20】『スリ』
【16:40】『祭りの準備』
【19:00】『キューバの恋人』

8/18
【12:10】『キューバの恋人』
【14:20】『泪橋』
【16:40】『浪人街』
【19:00】『飛べない沈黙』

8/19
【12:10】『飛べない沈黙』
【14:20】『浪人街』
【16:40】『スリ』
【19:00】『TOMORROW/明日』

8/20
【12:10】『TOMORROW/明日』
【14:20】『父と暮らせば』メイキング ※
【16:40】『泪橋』
【19:00】『祭りの準備』

各回完全入替制
(※の前後は入替なし)

▼当日券 一般・大高¥1,300/シニア¥1,000
▼前売券 一般¥1,000にて発売予定

とべない沈黙(66)
出演=加賀まりこ、平中実、小沢昭一、長門裕之、坂本スミ子、戸浦六宏、日下武史

黒木の劇映画第一作で、一時オクラ入りしていたがATG系で公開された。 北海道にはいないはずの南国蝶を少年が捕まえる。しかしその存在は教師に否定され、 蝶は廃棄される。それをプロローグに映画は、 その少年を目指して蝶の化身が生地長崎から向かう過程を、 場所場所に分けたオムニバス的形式で描きはじめる(そのなかで加賀が一人何役をも演じる)。 息を呑む映像美と多彩な細部は黒木作品のトレードマークとなる。


キューバの恋人(69)
黒木プロダクションーキューバ国立映画芸術協会作品
出演=津川雅彦、ジェリー・プラセンシア、グロリア・リー

ハバナにやってきた日本青年アキラが、現地でタバコ工場の女工マルシアと会う。 彼女は民兵でもあった。キューバの革命精神に奉ずる彼女と、彼女に愛を説くアキラのあいだの齟齬。 そしてアキラが彼女に追いすがるうち、キューバという幻の革命の聖地の、 貧困と明るさの実相がドキュメントされる(キューバの記録映像も盛り込まれる)。 採取された現地音楽と松村禎三の音楽の調和も見事。同作は自主上映により公開された


日本の悪霊(70)
出演=佐藤慶、高橋辰夫、観世栄夫、榎本陽介、高橋美智子

黒木初の原作もの映画。 50年代の学生運動で共に挫折経験をした強盗犯と刑事の取調べ過程を描く高橋和巳の同題小説を 福田善之が大胆に脚色した。強盗犯と刑事の相似性を、佐藤慶の二役と役柄交替によって表現 (しかも役柄の弁別は徐々に不能になる)、そこにヤクザ映画のパロディを盛った。 黒木演出もこの要素の混淆に応えるべく、岡林信康の歌唱、性愛シーン、 さらには虚構の解体場面を加え、作品を過激に「ブレヒト化」している。


竜馬暗殺(74)
出演=原田芳雄、石橋蓮司、中川梨絵、松田優作、桃井かおり、田村亮

坂本竜馬暗殺までの三日間を追った。近眼、革靴履きの竜馬像が新鮮。 黒木演出はここでもブレヒト的だ。討幕派の内ゲバには当時の学生運動の状況を写し、 「ええじゃないか」との対比により竜馬の目指した革命の大衆性が測られ、無声時代劇の呼吸を 字幕のリズムに重ねる。清水演劇ゆかりの原田、石橋の融通無得なアドリブ演技により、 たがいを殺せない幼馴染みの身体性が画面に定着され、 結果ニューシネマ風友情映画の傑作ともなった。


祭りの準備(75)
出演=江藤潤、原田芳雄、ハナ肇、馬渕晴子、浜村純、竹下景子、湯沢勉

中島丈博の自伝的脚本の映画化。高知県中村市を舞台に、 脚本家志望の青年が東京に旅立つまでを、昭和30年代の時代色たっぷりに描く。 登場人物個々が猥雑で強烈。隣家には犯罪者兄弟が住み、兄弟間で兄嫁を共有するし、 隣家の妹がヒロポン中毒により白痴化した状況で帰郷すると 主人公の祖父が性交してしまうなどの描写があるが、その個々が人間の悲喜劇へと昇華する。 その結果、中村市自体が主役だという作品の普遍性が生まれる。


原子力戦争(78)
出演=原田芳雄、山口小夜子、佐藤慶、風吹ジュン、浜村純、岡田英次、戸浦六宏

 田原の同名ルポルタージュの一部をミステリー仕立てに換骨奪胎した作品。 福島県いわき市小名浜でのオール・ロケで、現地で脚本は書かれた。 情婦の心中の真相を追うヤクザが原発事故の秘匿事実に触れてしまい謀略死に至る。 土地と関わりをもてない主人公を描く点で黒木の風景論の新機軸を告げるともいえ、 作品末部は不条理感に彩られる。作中に一ヵ所、 原発内取材を依頼し職員に拒否される様子を捉えたドキュメンタリー場面がある。


夕暮まで(80)
出演=桃井かおり、伊丹十三、加賀まりこ、山口美也子、馬渕晴子、原田芳雄

ATGから離れ、初めて東宝配給により黒木が手がけた娯楽映画。 中年作家が若い女性と情事を重ねる。だが結婚まで処女を望む女は「素股」セックスしか許さない。 二人の仲は、ついに実際の交合により変質する。 初期黒木的なイメージ・シーンが組み込まれるほか、「性」を感じさせる食事シーンが連打される。


泪橋(83)
出演=渡瀬恒彦、佳村萠、原田芳雄、藤田進

土地演出に冴えを見せる黒木が本作で焦点を当てたのは鈴ヶ森界隈の下町風情、 そしてそこに架かる橋。 百科事典のセールスマン渡瀬恒彦が羽田闘争のおり逃げこんだ老人の家を再訪し、 そこで彼は以前と同じ歓待を受ける。同時にそこは子細ありげな少女が囲われていて、 二人はやがて夢想的な恋に落ちる。ほかに老人たちの性への妄執、 古典芝居「鈴ヶ森」との二重写し、近親相姦、オフィリア幻想など黒木好みの雑多な要素も満載される。


TOMORROW/明日(88)
出演=桃井かおり、南果歩、仙道敦子、原田芳雄、長門裕之、馬渕晴子、田中邦衛

長崎の原爆投下までの市井の人々の24時間を捉える。原作(井上光晴)のフォークナー的構成は すべて現在進行形に改められ、主婦ライター井上正子が脚本に加わって生活感も加味された。 南果歩の結婚式、その後の桃井かおりー南?仙道敦子三姉妹の「出産」「初夜」「恋人との別れ」。 爆心地から半径2キロ以内に舞台は限定され、その場所がやがて喪失する相に置かれるのも黒木的。 翌朝11時近くになり時間の進行が早まって、画面は、閃光に包まれる。


浪人街(90)
出演=原田芳雄、勝新太郎、樋口可南子、中尾彬

貧乏浪人たちが夜鷹斬りを続ける旗本一味に挑む。黒木演出は俳優を淡々と撮った前作とは「真逆」。 原田によれば、「ジャム・セッションのような現場」で、 とくに創造的な演技変化を生み続ける勝の比重が現場で増していった。 マキノ正博の同題名作は暗く左翼的傾向が強かったが、黒木も全共闘の合言葉 「連帯を求めて孤立をおそれず」を本作の主題に重ねていた。 17分にも及ぶ終幕の立回りシーン(Bキャメが宮川一夫)が話題になった。


スリ(00)
出演=原田芳雄、風吹ジュン、真野きりな、柏原収史、石橋蓮司

黒木が、「浪人街」の後、10年の沈黙を破って復活した作品。 今回の作品は、不思議な友情で結ばれているスリと刑事の物語という、 黒木監督と原田芳雄の30年来の友情関係がそのまま反映された大人の映画となっている。

 主人公・海藤に育てられた娘に真野きりな、海藤を挑発してまで追いかける刑事に石橋蓮司、 海藤に惹かれていく女に風吹ジュンのほか平田満、香川照之など個性豊かな顔ぶれが揃っている。


美しい夏キリシマ(02)
出演=柄本佑 原田芳雄 左時枝 牧瀬里穂 

黒木が多感な少年期を過ごした宮崎の美しい村を舞台に、 永遠に忘れられない記憶をフィルムに結晶させた作品。 与えられた時代で懸命に生きる人々の姿を、繊細に温かく描くこの作品は、 今を生きる我々の心にこんなにも響く。撮影の田村正毅をはじめ、 日本映画界屈指のスタッフが結集し、雄大な霧島山を背景に捉えた瑞々しい映像は、 まさにスクリーンで見るのにふさわしい。


平和への祈り 〜「父と暮せば」メイキング〜(04)
中国放送-パル企画作品/プロデューサー=徳光国弘、鈴木ワタル/監修=黒木和雄/ 演出=大津幸四郎/演出補=横山一洋/構成=つちやかおり/制作協力=「父と暮せば」 キャスト・スタッフの皆さん、「父と暮せば」パートナーズ/出演:黒木和雄、宮沢りえ、

公開中の黒木監督最新作「父と暮せば」のメイキング。 広島のテレビ局・中国放送との共同制作により制作され、 映画の撮影の裏側、出演者のインタビューだけでなく、黒木が広島を訪れ、 主人公・美津江の設定と同じ学校出身の同年代の女性から被爆体験を聞き、 原作の世界に近づくドキュメンタリー。広島では8月6日にテレビで放映されたが、 関東はこれが初登場となる。



『スキャンダル』

話題騒然!「冬のソナタ」のペ・ヨンジュンが挑む甘く危険な愛の罠

18世紀の李朝時代、貴族の夫人が君子と企んで貞淑な未亡人を欲望の罠に落とすという 恋愛ゲームを繰り広げる。原作は仏文学「危険な関係」。


2003年/韓国映画/124分/カラー/ヴィスタ/SRD
監督:イ・ジョエン
出演:ペ・ヨンジュン、イ・ミスク、チョン・ドヨン
配給:シネカノン

2004年5月22日、シネカノン銀座、渋谷シネアミューズ他にて全国ロードショー開始。

公式 HP >> http://www.scandal-movie.com/

※ シネマジャーナル 60号に 「ペ・ヨンジュン『スキャンダル』トークショーレポート」(pp.42--43) 「ペ・ヨンジュン入門」(p.44)を掲載しています。


『アメリカン・スプレンダー』
監督・脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ
製作:テッド・ホープ
出演:ポール・ジアマッティ/ホープ・デイヴィス/ハービー・ピーカー

「アメリカン・スプレンダー」とは、ハービー・ピーカーの さえない日常を描いたアメリカの大人向けコミック。 ピーカー本人がこの原作を書き、様々なアーティストが作画している。 30年も続いているシリーズだそうだ。

監督・脚本のシャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ夫妻は、 自分たちも「作画担当の一人」としてコミックの映画版を作ろうと思い立った・・・。

コミックのモデルたち(実在の人物)と、映画で彼らを演じる俳優たち、 それにコミックの絵が混在して、映画が進行する。 妙なキャラクター(オタクのトビーに目が釘付け)に妙なできごと、 でもどこかそのへんにいそうな人と、ありそうなことが描かれる。 大きな事件もおきないし、美男美女が出るわけでもないけれど、 なんだかじんわりしてくる映画。たまにこんな作品もいいんじゃない? インデペンデント映画だけれど、両手の指で足りないほど数々の賞をもらっている。

主人公のハービーを演じるポール・ジアマッティはほんとにあちこちの映画で見かける人。 顔を見たら「ああ、あの」と思い出すはず。 観たばかりの『ペイチェック 消された記憶』にも出ていたっけ。 >> IMDb Paul Giamatti


2003年/アメリカ映画/ヴィスタサイズ/1時間41分
配給:東芝エンタテインメント 宣伝:セテラ・インターナショナル

公式 HP >> http://www.amesp.jp/

7月10日〜 輝き(スプレンダー)のロードショー ヴァージンシネマズ六本木


『永遠の片想い』(原題:恋愛小説)
監督&脚本:イ・ハン
製作総指揮:キム・ドンユ
製作:ハン・ソング
出演:チャ・テヒョン、ソン・イェジン、イ・ウンジュほか

ある日ジファンの元に差出人のない手紙が届く。 中にはモノクロの田舎の風景写真と「逢いたい」というメッセージ。 ジファンはスインとギョンヒという女の子二人と過ごした日々を思い出す・・・。

『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョン、『ラブ・ストーリー』のソン・イェジン、 『ブラザーフッド』のイ・ウンジュの3人が、 友情と恋心の間で揺れ動く青春の日々をみずみずしく演じている。 3人がそれぞれ地かしらと思うほど、はまり役。今度は男の子が1人、 女の子が2人の黄金のトライアングル。
劇中上映されるのは『イル・ポスティーノ』(’95イタリア映画)で、 重要なキーワードになっている。エンディング曲はチャ・テヒョン本人の歌。


2003年/韓国/ビスタ・サイズ/ドルビー/1時間45分/日本語字幕:根本理恵
タキ・コーポレーション/リベロ共同配給

7月17日(土)、キュン!と涙の全国ロードショー シネ・リーブル池袋ほか

公式 HP >> http://www.eien-kataomoi.com/



『ゲート・トゥ・へヴン』
監督:ファイト・ヘルマー
脚本:ゴルダン・ミヒッチ、ファイト・ヘルマー
撮影:ヨアヒム・ヨンク
出演:ヴァレラ・ニコラエフ、マースミー・マーヒジー、ミキ・マイノロビッチ、ウド・キアー、ソティギ・クヤテ、バート・クヴーク

2003年/ドイツ/英語/90分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル

提供:キングレコード、アルシネテラン
配給:アルシネテラン

7月17日〜 シアター イメージフォーラムにてロードショー
公開記念 幻のファイト・ヘルマー監督短篇作品同時上映!
『サプライズ』『窓拭きの男』『愛の旅』『エッフェル塔』 *週変り上映です。

http://www.imageforum.co.jp/theater/


『青の塔』
監督・脚本・編集:坂口香津美
撮影:長谷川貴士
出演:中村佑介、さわ雅子、前沢美沙

19歳の青年・透(とおる)は、母と二人暮しの家で引きこもりを続けている。 「翼の記録」と名づけたノートに亡き妹への思いや息の詰まりそうな日常を綴り、 水槽のミジンコを観察する日々。 ある夜、透は運河に浮かぶ船の中に倒れている少女を助け出す。

『カタルシス』(03年公開)で、 連続児童殺傷犯の少年とその家族を描いた坂口監督の初監督作品。
透を演じた中村佑介は実際に引きこもりだったという。 以前ドキュメンタリーの撮影で監督と知り合ったのだそうだ。 ピアノ演奏でも参加。主な登場人物は3人。台詞もごくわずかで淡々と進んで行く。

閉じこもる息子にいらだちながらも黙々と働く(一度だけ爆発するが)、母親が悲しい。 辛くても逃げられず、家事をこなしつつ生活を支えている。 見知らぬ少女がいても問い詰めたりもしない。 そういえば、この女の子がよくわからなかった(プレスには説明があったけど、 そんなに想像できないぞ)。母親が倒れたらこの息子はどうするのだろうか??と、 つい考えてしまった。


ヒューストン国際映画祭シルバーアワード受賞

2000年/2時間26分/カラー/スタンダード/キネコ
製作:スーパーサウルス
配給:アルゴ・ピクチャーズ

7月24日よりシネマアートン下北沢にて夏休みロードショー
http://www.cinekita.co.jp/


『ベジャール、バレエ、リュミエール』
監督:マルセル・シューバッハ
出演:モーリス・ベジャール、ジル・ロマン、エリザベット・ロス、小林十市、 クリスティーヌ・ブラン、ジュリアン・ファヴロー、オクタビオ・スタンリー、 モーリス・ベジャール・バレエ団

バレエの知識がない私でも、振付家モーリス・ベジャールの名前だけは知っていた。

この映画はバレエ「リュミエール(光)」の公演初日までを追ったドキュメンタリー。 1927年生まれだそうなので、当時ベジャールは75歳。おなかも出ているし、 足取りも軽やかとは言いがたい。しかし表現したいものがうずまいていて、 若いダンサーたちが彼に必死についてゆく。
光をコンセプトに歌、音楽、照明、そしてダンスが生まれ、 全部が組み合わさって一つの舞台ができあがっていく過程がとても面白かった。 最後に傷だらけの古いフィルムが挿入され、 少年だったベジャールがこぼれるような笑顔で踊っているシーンが印象的。

2002年ヴェネチア国際映画祭特別招待作品

2002/スイス/95分/ビスタサイズ/ステレオ/配給:日活

公式サイト http://www.bcommebejart.com/

6月19日(土)より、 恵比寿ガーデンシネマ他にて 「光り輝く」ロードショー


『家族のかたち』
監督:シェーン・メドウス
製作:アンドレア・カルダーウッド
脚本:ポール・フレイザー、シェーン・メドウス
出演:ロバート・カーライル/リス・エヴァンス/シャーリー・ヘンダーソン/ フィン・アトキンス/キャシー・バーク/リッキー・トムリンソンほか

気が弱いけど心優しいデックは、恋人のシャーリーとその娘のマーリーンで暮らしている。 ほんとの家族になりたいと、TVの公開番組でシャーリーにプロポーズをするが、 驚いたシャーリーは「yes」と言えずデックは傷心。 ちょうどTVを見ていたシャーリーの夫ジミー(家出中)は、 一度は妻子を捨てたけれどまだ間に合うかも?と故郷へ舞い戻ってくる…。

「ワルな夫」のカーライル、「情けない恋人」のエヴァンス、 「気持ちの揺れる可愛い妻」のヘンダーソン、「クールな娘」のアトキンス、 みんなはまり役でうまい。隣人や友人たちもおかしくて憎めない人ばかり。 親子役は他人なのにそっくり!でした。


2002/イギリス/1時間44分/ドルビーデジタル/シネマスコープ
配給:クレストインターナショナル、エレファントピクチャー

7月10日(土)より シャンテ シネにてロードショー


『ブラザーフッド』
製作:カン・ジェギュ・フィルム
監督・脚本・企画:カン・ジェギュ
撮影監督:ホン・ギョンピョ
出演:チャン・ドンゴン/ウオンビン/イ・ウンジュ/コン・ヒョンジン/チェ・ミンシク/キム・スロほか

2004/カン・ジェギュ・フィルム/ユニバーサル映画/シネマスコープ/148分/SRD,SR/
翻訳:根本理恵
配給:UPI

http://www.brotherhood-movie.jp/
6月26日(土)日比谷スカラ座ほか全国ロードショー(〜7/23)
チャン・ドンゴン、ウォンビンのサイン入り限定特製ハンカチ付き特別鑑賞券、絶賛発売中!



『永遠の語らい』
監督・脚本・台詞:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:エマニュエル・マシュエル
出演:レオノール・シルヴェイラ/カトリーヌ・ドヌーヴ/ステファニア・サンドレッリ /イレーネ・パパス/ジョン・マルコヴィッチほか

歴史学者のローザは、ボンベイでパイロットの夫と落ち合うため、 娘マリアを連れてポルトガルからの船旅に出る。 フランスのマルセイユ、イタリアのナポリ、ギリシャの遺跡、トルコ、 エジプトと旅は続き、ローザはそれぞれの国の神話や歴史をマリアに語って聞かせる。 アメリカ人船長と知り合い、夕食に招かれた母娘は、フランス人起業家デルフィーヌ、 イタリア人の元モデル、フランチェスカ、ギリシャ人女優のヘレナを紹介される。

9.11のテロ以降、西洋文明が別の方向に行きつつあるのでは、 というオリヴェイラ監督(95歳!)作品。 観光旅行のように様々な国の文化遺跡を見て回り、船内での優雅な食事。 船長がもてなす3人の女性たちは、みな違う言語で会話しているがなんの問題もない。 大女優が集まったテーブルでの会話が面白い。ラストとともに印象に残る映画でした。

2003年/ポルトガル=フランス=イタリア合作/95分/35mm/カラー/ビスタ
配給:アルシネテラン、キノキネマ

GWシャンテシネにて公開(5月28日):すでに終了
5月29日より、日比谷スカラ座にて上映:すでに終了

シブヤ・シネマ・ソサエティにてモーニングショー上映中(〜7/30)

公式 HP (アルシネテラン)>> http://www.alcine-terran.com/main/talking.htm



『上海家族』(原題:假装没感覚)
監督:彭小蓮(ポン・シャオレン)
2002年/中国/1時間36分/カラー

時代の最先端を行く街、上海。その片隅で暮らす、 母と子、祖母の三世代の女性の生き方や考え方を通して、 現代の中国に生きる女性たちの姿を描いた作品。 激しく変わる中国の状況も見えてくる。 高校生の作文を元に作品化したという、女性にエールを送る作品である。

阿霞(アー・シャ)の父に愛人ができたことで、母は離婚して実家に戻るが、 弟がもうすぐ結婚するので、母娘のいる場所はない。住む家のため娘のために 母は再婚して、母子は二番目の夫と暮らし始めるが、やはり、うまく行かず、 また出戻ってしまう。……


5月1日(土)より7月30日(金)まで、岩波ホールにて上映。
岩波ホール公式ページ →  http://www.iwanami-hall.com/

※ 原題の「假装没感覚(気づかないフリをしながら)」は、 中国の若者たちの流行語だそうです。詳しくは、 シネマジャーナル60号に掲載されている ポン・シャオレン監督のインタビュー記事(pp.20--21)をご覧下さい。


『少女ヘジャル』Hejar / Büyük adam küçük ask
2001年/トルコ/120分
監督/脚本/プロデューサー:ハンダン・イペクチ
出演:シュクラン・ギュンギョル、ディラン・エルチェティン、フュスン・デミレル
配給:アニープラネット

2003年秋、アジアフォーカス・福岡映画祭と国際女性映画際で上映され、 多くの人の心を捉えたトルコの女性監督ハンダン・イペクチ作品が、いよいよ 6月12日(土)〜7月16日(金)、東京都写真美術館ホールにて公開されます。

東京都写真美術館ホール→  http://www.syabi.com/top/top.html

テアトル新宿にて 7/17 よりモーニングショー 9:15〜(予告なし)
http://www.cinemabox.com/

大都市イスタンブルで孤独に暮らす元判事ルファトは、 ひょんなことから孤児のクルド人の少女ヘジャルを保護し一緒に暮らし始める。 クルド語しか解さない少女とルファトとを取り持ったのは、10年来の家政婦サーキネ。 ルファトはサーキネがクルド人であることをそれまで知らなかった。 自分の前ではクルド語を話すなと二人に言いつけるルファトだが、 ヘジャルも頑固にクルド語しか口にしない。 いつしかルファトの心が融け、サーキネにクルド語を習い始める。 そしてヘジャルもトルコ語の単語を口にするようなる・・・・

文化や言葉の違う人たちが、お互いを尊重しあって理解しようとすれば、 心が通じるというテーマは、イスラエルとパレスチナ、欧米と中東などなど、 今の混沌とした世界を生み出している世の権力者たちに投げかけたい。


アジアフォーカス福岡映画祭『少女ヘジャル』ハンダン・イペクチ監督 インタビュー
  →   http://www.cinemajournal.net/special/2003/hejar/index.html
一般公開を前に3月末3度目の来日をはたした監督とのインタビューの模様
  →   http://www.cinemajournal.net/special/2004/hejar2/index.html



『ハナのアフガンノート』(英語題:Joy of Madness)

13歳の少女の素直なまなざしが映した驚きのアフガニスタン・ドキュメンタリー

22歳のイランの映画監督、サミラ・アフマルバフは 『午後の五時』 の出演者を探すため、一家でカブールにやって来た。 曲者ぞろいのアフガン人たちに振り回されるが、映画にとり憑かれた一家は果敢に 立ち向かう。

監督・撮影:ハナ・マフマルバフ
2003/イラン映画/73分/1:1.66
配給:東京テアトル

2004年6月19日(土)より 銀座テアトルシネマにてモーニングロードショー。

銀座テアトルシネマ HP >> http://webs.to/ginza/

※ シネマジャーナル 61号の 特集「アフガニスタンを描いた映画」で、『ハナのアフガンノート』『午後の五時』 の紹介とマフマルバフ姉妹の記者会見を掲載しています。


『午後の五時』(英語題:At Five in the Afternoon)

タリバン政権が崩壊した後、女性にも学校が開放された。 彼女達の中に、アフガニスタンの大統領になりたいという夢を持つ女性がいた。

風をはらんで大きくふくらむ青いブルカは、 自由への憧れにふくらむ心……。

22歳の「映画の中で育った」国際的なイラン女性監督と 22歳の「映画を知らなかった」アフガニスタン女性の出会いから、 アジアの映画史に残る〈女性映画の傑作〉が生まれました。

監督:サミラ・マフマルバフ
脚本:サミラ・マフマルバフ、モフセン・マフマルバフ
出演:アゲレ・レザイ、アブドルガニ・ヨセフラジー、ラジ・モヘビ、 マルズィエ・アミリ
2003年/イラン=フランス/105分/35mm/1:1.85
配給:東京テアトル

第56回カンヌ国際映画祭 審査員賞受賞

2004年7月3日(土)より、 銀座テアトルシネマにてロードショー。

銀座テアトルシネマ HP >> http://webs.to/ginza/

※ シネマジャーナル 61号の 特集「アフガニスタンを描いた映画」で、『午後の五時』の紹介と サミラ監督の記者会見・トークレポートを掲載しています。


『ホワイト・バレンタイン』
1999年/韓国/89分
監督:ヤン・ユノ(『リベ・ラメ』)
出演:チョン・ジヒョン(『猟奇的な彼女』『イルマーレ』『4人の食卓』)
   パク・シニャン(『モーテルカクタス』『4人の食卓』)
   ヤン・ドングン(『受取人不明』)
公式HP →  http://www.twin2.co.jp/wv/
東京:6月19日(金) シネマミラノにてレイトショー 21:00〜22:40 (上映終了)
大阪:夏公開 シネ・リーブル梅田

白い伝書鳩に託した手紙、思いを寄せるけど片思いの青年、ヒロインの出生の秘密、 絵本に降り積もる雪・・・・メルヘンのような純愛映画だ。 すれ違いの場面が出てくるたびに、またぁ〜と思いつつ、思えば映像だから 「すれ違い」が目に見えるわけで、人生、 あちこちで惜しいすれ違いをしてきたのでは・・・と、わが身の縁の無さを嘆く次第。 それはともかく、全州の風情ある町並みも郷愁をそそってくれて、 ほんわかな気分にさせてくれる作品。

『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン映画デビュー作で、 撮影当時まだ女子高生だった彼女がとてもはじけていていい。 ふっとした表情や仕草、特に目の使い方は絶妙。 6月5日公開の『4人の食卓』でチョン・ジヒョンとパク・シニャンが見せる表情と比べてみると面白い。



「オキナワ映画クロニクル」

7月3日(土)〜7月23日(金)、 「シネマアートン下北沢」(旧「シネマ下北沢」)で沖縄映画の特集上映が行われます。


各回入替制
特別鑑賞券:1回券 1,000円/2回券 1,600円/3回券 2,400円 
※劇場窓口にて販売(3回券のみ チケットぴあオンライン、銀座わしたショップにて販売)
当日券:一般・学生 1,200円/小・中・シニア 1,000円/2回券 1,800円/3回券 2,700円

上映作品:
『うみ・そら・さんごのいいつたえ』
(1991年/ホネフィルム/110分)
監督:椎名誠 製作:岩切靖治 撮影:中村征夫 音楽:高橋幸宏
出演:余貴美子・本名陽子・仲本昌司・平良進・平良とみ・紺野美沙子 
『パイナップル・ツアーズ』
(1992年/スコブル工房=パナリ・ピクチュアズ=琉映/118分)
監督:真喜屋力 中江裕司 當間早志 総合プロデューサー:代島治彦 撮影:一之瀬正史 音楽:照屋林賢
出演:兼島麗子・利重剛・洞口依子・照屋林助・津波信一・仲本興次・平良とみ・吉田妙子・藤木勇人 
『豚の報い』
(1999年/サンセントシネマワークス/118分)
監督:崔洋一 原作:又吉栄喜「豚の報い」プロデューサー:仙頭武則 撮影:佐々木原保志 音楽:大熊亘
出演:小沢征悦・あめくみちこ・上田真弓・早坂好恵・岸部一徳・吉田妙子・平良進 
『沖縄列伝第1島小』
(1978年/照間プロダクション/75分/16ミリ)
監督・製作・撮影:吉田豊 製作:加治恵・村上太郎 音楽:喜納昌吉 編集:高城哲
ナレーション:松田優作
『老人と海』
(1990年/シグロ/101分)
監督:ジャン・ユンカーマン 企画・製作:山上徹二郎 撮影:清水良雄 音楽:小室等
『沖縄エロス外伝・モトシンカカランヌー(2003年再編集版)』
(1971年/N.D.U./66分/16ミリ)
監督:布川徹郎
『夏の妹』
(1972年/創造社=ATG/96分)
監督・脚本:大島渚 製作:葛井欣士郎・大島瑛子 脚本:田村孟・佐々木守 撮影:吉岡康弘 音楽:武満徹
出演:栗田ひろみ・小松方正・りりィ・小山明子・石橋正次・佐藤慶・殿山泰司・戸浦六宏
『沖縄列島』
(1969年/東プロダクション/90分/16ミリ(原版:35ミリ))
監督・脚本・編集:東陽一 製作:高木隆太郎 撮影:池田傳一 音楽:松村禎三
『やさしいにっぽん人』
(1971年/東プロダクション/118分/16ミリ(原版:35ミリ))
監督・脚本・音楽・編集:東陽一 製作:高木隆太郎 撮影:池田傳一 音楽:田山雅光 編集:関沢孝子
出演:河原崎長一郎・緑魔子・伊丹十三・伊藤惣一・石橋蓮司・蟹江敬三・寺田柾・横山リエ 

上映スケジュール
7月3日(土)〜7月6日(火)
  12:00  「うみ・そら・さんごのいいつたえ」
  14:10  「パイナップル・ツアーズ」
  16:30  「豚の報い」
  18:50  「うみ・そら・さんごのいいつたえ」
7月7日(水)〜7月9日(金)
  11:50  「パイナップル・ツアーズ」
  14:10  「豚の報い」
  16:30  「うみ・そら・さんごのいいつたえ」
  18:40  「パイナップル・ツアーズ」
7月10日(土)〜7月13日(火)
  14:30  「沖縄列伝第1島小」
  16:00  「老人と海」
  18:00  「沖縄エロス外伝・モトシンカカランヌー(2003年再編集版)」
  19:20  「沖縄列伝第1島小」
7月14日(水)〜7月16日(金)
  14:10  「老人と海」
  16:10  「沖縄エロス外伝・モトシンカカランヌー(2003年再編集版)」
  17:30  「沖縄列伝第1島小」
  19:00  「老人と海」
7月17日(土)〜7月20日(火)
  13:00  「夏の妹」
  14:50  「沖縄列島」
  16:40  「やさしいにっぽん人」
  19:00  「夏の妹」
7月21日(水)〜7月23日(金)
  13:00  「沖縄列島」
  14:50  「やさしいにっぽん人」
  17:10  「夏の妹」
  19:00  「沖縄列島」

※トークイベント 7月23日(金)19:00の「沖縄列島」上映終了後
ゲスト:東陽一監督
(当日13:00より整理券を配布)

※期間中、劇場奥の喫茶コーナーにて、泡盛の販売あり!

〒155-0031 東京都世田谷区北沢1-45-15 スズナリ横丁2F
TEL 03-5452-1400

詳細は:シネマアートン下北沢 HP >> http://www.cinekita.co.jp/
アートン HP >> http://www.artone.co.jp/



『4人の食卓』

インテリア・デザイナーのジョンウォン(パク・シニョン)は、結婚を間近に控え、 仕事も順調。婚約者(ユ・ソン)は新居に4人用の食卓を運び入れ、新生活の準備に余念がない。 ある日ジョンウォンは地下鉄の中で眠っている少女2人を見かける。 2人は母親に毒の入ったお菓子を与えられて死んでいたのだった。 記事を読んでからジョンウォンだけには、自宅の食卓に座る死んだ少女たちが見えるようになる。 仕事先で出会ったヨン(チョン・ジヒョン)は、彼の前で発作を起こし倒れてしまい、 しかたなくジョンウォンは迎えが来るまで自宅に連れ帰る。目を覚ましたヨンにも、 食卓の少女たちが見えることを知り、驚愕するジョンウォン。

『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョンが2年ぶりに主演した作品 。 全く違う印象の彼女を観る事ができる。
イ・スヨン監督は映画アカデミー12期生の女性。これが初の劇場公開長編作品。 「コインの裏表のように、人の立場次第で真は偽になり、偽は真になり得る」とは監督のコメント。
さて、あなたは映画の中の誰の言葉を信じますか?

監督・脚本:イ・スヨン
撮影:チョ・ヨンギュ
音楽:チャン・ヨンギュ
出演:チョン・ジヒョン/ユ・ソン/キム・ヨジン/パク・シニャン/チョン・ウクほか

2003年/韓国/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/2時間10分

6月5日より公開予定 シネマスクエアとうきゅう(〜7/23)他
配給:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://www.4table.jp/



『純愛中毒』

ホジン(イ・オル)とテジン(イ・ビョンホン)は仲の良い兄弟。 ホジンの妻ウンス(イ・ミヨン)と三人で幸せに暮らしていたが、 ホジンとテジンが同日同時刻に交通事故に遭ってしまう。
ホジンは意識不明の重体、テジンは一年後奇跡的に意識を取り戻すが 様子がおかしい。体はテジンだが、魂はホジンなのだ。 テジンを想っていたエジュ(パク・ソニョン)は信じないが、 ウンスは義弟の体の中に、愛する夫の魂が存在していると信ずるようになっていく……。

何とも不思議な味わいのラブストーリー。観終わったあと、必ずもう一度観たくなります!


監督:パク・ヨンフン
脚本:ピョン・ウォンミ、ソン・ミノ
脚色:クァク・ジョエン
出演:イ・ビョンホン、イ・ミヨン

4月24日(土)より、新宿武蔵野館にてロードショー公開(〜7/23)。

公式 HP >> http://www.seochon.net/junai/

※ シネマジャーナル60号に、 パク・ヨンフン監督のインタビューが掲載されています(pp. 38--39)。 記事中、ネタバレのおそれがある箇所がありますので、 映画をご覧になってからお読み下さい。

※ Web版特別記事 「イ・ビョンホン来日記者会見レポート」 を掲載しています。



『危情少女〜嵐嵐』 (きじょうしょうじょ〜ランラン)
監督: ロウ・イエ 樓[火華](『ふたりの人魚』『パープルバタフライ』)
出演: チー・イン 瞿穎(『キープクール』『青島アパートの夏』『愛は波の彼方に』)
  ユウ・ヨン 尤勇(『キープクール』『太陽に暴かれて』『老店』)

2004年7月3日(土)〜16日(金) テアトル池袋にてロードショー
配給:パル企画

公式HP →  http://www.pal-ep.com/kijyou-syoujo/htm/kijyou-syoujo-top.htm

夕暮のにわか雨、雨宿りをしようと軒先を探すうち、少女嵐嵐は古い洋館にたどり着く。 そこはかつて彼女の母が自殺をした館。恋人と共にその館に移り住み、 過去を紐解いていく・・・。

新作『パープルバタフライ』(チャン・ツィイー主演) がカンヌ映画祭コンペ部門に出品され、 脚光を浴びた中国映画第6世代を代表するロウ・イエ監督が、 『ふたりの人魚』以前の95年に製作した作品。 “中国映画史上初の本格恐怖ホラー”と宣伝にあるが、 レトロな上海が幻想的な雰囲気をかもし出し、 ホラーというより浪漫漂う怪奇小説の面持ち。音楽だけは終始おどろおどろしいが、 ホラーは苦手という人でも耐えうる怖さ。

主演のチー・インは、中国国内でトップモデルとして活躍し、映画『キープクール』で、 姜文を振った現代娘をクールに演じている。 『愛は波の彼方に』では、アンディ・ラウの婚約者役で出ているが、背の高い彼 女と釣り合うように、アンディはレンガの台の上に乗って笑わせてくれた。本作では、 ホラーの雰囲気を出すメイクのため、彼女本来の美貌とはちょっと違うかもしれない。



『氷の国のノイ』
監督・脚本:ダーグル・カウリ
撮影:ラスムス・ヴィデベック
音楽:スロウブロウ
出演:トーマス・レマルキス/エリン・ハンスドッティルほか

アイスランドの西北端の小さな村に住む少年ノイは、ちょっとはみ出し者の高校生。 学校の授業にたまに出ても、つまらないので寝てばかり。ノイのいらだちが募るのは 思春期のせいばかりでもない。 IQは天才級でも、雪山とフィヨルドに閉ざされた村では宝の持ち腐れ・・・。 先生はすっかり持て余し、級友も煙たそうだ。息がつまりそうな閉塞感をはらったのは、 売店に新しくやってきた女の子イーリス。 さて、一目ぼれしたノイの気持ちは通じるのか??

新鋭の監督の長篇第1作。2003年の世界各地の映画祭で多数の受賞歴あり。
6月12日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開(〜7/16)

2003/カラー/アイスランド・ドイツ・イギリス・デンマーク/93分/

配給:イメージフォーラム
http://www.imageforum.co.jp/


『第26回 ぴあフィルムフェスティバル』 〜あたらしい映画を観にゆこう

今年も『ぴあフィルムフェスティバル』の季節がやってきた。
応募総数665本の中から選ばれた入選作、15本の自主製作作品を一挙上映。 その中でも5本が女性監督の手によるということで、 またまた新しい感覚を発見できそうな予感だ。
その他PFFスカラシップ(PFFがプロデュースする長編映画製作援助システム)作品として、 内田けんじ監督(2002年度PFFアワード入選)の「運命じゃない人」の上映もあるので、 お楽しみに。


*最終日7/9日(金)17:00からの表彰式には、審査委員の一人、 緒川たまきさんもみえる予定だ。

 日時 : 7月3日(土)〜7月9日(金)
 場所 : 日比谷シャンテにて
 主催 : PFFパートナーズ

 前売り1回券/1,200円(各回日時指定)
 当日1回券/1,400円(各回日時指定)

 順次 8月中旬より 大阪、名古屋、神戸、福岡、仙台の各都市で上映予定。

公式ホームページ >> http://www.pia.co.jp/pff/top.html



『ヒロイック・デュオ』(原題:双雄)
監督・製作:ベニー・チャン
脚本:アラン・ユエン、アドリアン・クワン
撮影:アンソニー・プーン
出演:レオン・ライ、イーキン・チェン、フランシス・ン、カリーナ・ラム、シュー・ジンレイ、レイモンド・ウオンほか

警察署の保管庫が放火された。犯人は現職の刑事で、取り調べ中に自殺してしまう。 捜査に当たったリー刑事は、催眠術によって操られたものと考え、 心理学の権威で殺人のため服役中のライに協力を依頼する。

敏腕刑事にイーキン・チェン、謎めいた受刑者にレオン・ライと、 人気の二人が初共演した作品。アクションに力が入っていて、 ちょっと「え?」なストーリーをねじ伏せてしまう。アクション監督はトン・ワイ。 今回(も)妖しい悪役のフランシス・ンが主役より目立っている。 女優はなんだかもったいないなぁ・・・。


2003年/香港(中国)/シネマスコープ/1時間40分/

6月19日(土)より キネカ大森独占ロードショー(〜7/9)
前売り(1300円)1枚にはポストカード2枚セットつき
ペア(2枚)でお求めの方には『ボーン・トゥ・ビー・キング』(原題:勝者為王)上映ご招待
先着150名様限り!

劇場 HP >> http://www.cinemabox.com/schedule/omori/index.shtml



『キャンプ』
監督・脚本:トッド・グラフ
音楽監修:ティム・ウェイル
作曲:マイケル・ゴア
オリジナル・スコア:スティーヴン・トラスク
振付:ジェリー・ミッチェル/ミシェル・リンチ
出演:ダニエル・リタール/ジョアナ・チルコート/ロビン・デ・ジーザス/ ドン・ディクソン/アナ・ケンドリック/ティファニー・テイラー/アラネ・アレンほか

アメリカの高校生は、長い夏休みを様々なワークキャンプですごす。
これは監督の経験を元に、ミュージカルスターを目指す問題ありな高校生たちの サマーキャンプを活写した作品。バート・バカラックを始め、 大御所に許可を快諾されたという名曲の数々が聞ける。 お決まりのロマンスと友情だけでなく、ミュージカルシーンで 一人一人の歌やダンスの技量が楽しめる。うまいです。 ミュージカルの神様と呼ばれるスティーブン・ソンドハイムが本人役で登場。

公開オーディションで集められたという個性的な少年少女たちが登場。 スターは不在だけれど、映画のシーンそのまま、みずみずしい演技で感動を呼ぶ。 ヴラッド役の少年がとっても色っぽかったので今後注目。


http://camp-movie.com/

6/5(土)よりヴァージンシネマズ六本木ヒルズ他にてロードショー。(すでに終了)
7/9(金)までTOHOシネマズ川崎にて上映中。

配給:アスミック・エース  http://www.asmik-ace.co.jp/


『スクール・オブ・ロック』

バンド仲間から追い出され、仕事も失ったロック狂のデューイ(ジャック・ブラック) は金策に困ってルームメイトのネッド(マイク・ホワイト)になりすまし、 エリート私立小学校の代用教員の職を得る。厳しいマリンズ校長(ジョーン・キューザック)を騙し、 教室では自習ばかりさせていたが、音楽の授業で生徒たちの力量に驚き、 ロックバンドコンテストに出場することを思いつく。

『愛しのロ−ズマリー』で、 グウィネス・パルトロウを相手に強烈なキャラクターを見せたジャック・ブラック主演。 実際にバンド活動をしている彼の芸達者ぶりが遺憾なく発揮された作品。 体格も感じも西田敏行に似ているぞ。
不運にも(?)彼の教え子となる小学生たちが、それぞれ個性的で可愛い。 美少年フレディ役の子が『ハリー・ポッター』のドラゴ・マルフォイ役にそっくり (意地悪そうなところを引く)。ロックががんがん流れて、好きな人はより楽しめる。 ダメ男のデューイが小学生たちを生き生きと変え、逆に自分も彼らに育てられる。 笑えて楽しい作品でした。

監督リチャード・リンクレイター
脚本:マイク・ホワイト
撮影:ロジェ・ストファーズ、N.S.C.
音楽:クレイグ・ウェドレン
音楽監修:ランドール・ポスター
出演:ジャック・ブラック/ジョーン・キューザック/マイク・ホワイト/サラ・シルヴァーマンほか

4月29日(木・みどりの日)より、日比谷映画ほか全国一斉ロードショー

オリジナル・サウンドトラック:ワーナーミュージック・ジャパン
4月7日 日本盤発売(輸入版発売中)

パラマウント映画/配給:UIP  http://www.uipjapan.com/index.htm
2003年/アメリカ/カラ-/ヴィスタ/DTS/SRD/SR/1時間50分

公式サイト http://www.schoolofrock-movie.jp/


「日本映画の巨匠と女優たち」
The Japan Foundation Film Series Part I / Masters of the Japanese Cinema

独立行政法人国際交流基金の主催で、 「日本映画の巨匠と女優たち」と題した特集上映が開催されます。 2本(「白痴」「醜聞」)のニュープリントを含む、 全6本が全て英語字幕付きで上映されるとのこと。 日本に在住する外国のお友だちとでかけてみてはいかがですか?

期間:2004年6/25(金)〜6/27(日)
会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
   東京都港区赤坂2−17−22 赤坂ツインタワー1F
   地下鉄銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分
主催:独立行政法人 国際交流基金
企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会事務局
協力:松竹、日活

入場料金:当日600円(当日券のみ)
*各回入替制 *全作品英語字幕付き (レクチャーは入場無料)

問合せ:国際交流基金 映像出版課
    Tel:03-5562-3535(10:00〜17:30 平日のみ)

会期中の問合せ:国際交流基金フォーラム
    Tel:03-5562-4096(開催期間中のみ)

上映作品:

醜聞(スキャンダル) SHUBUN-SUKYANDARU  Friday, 6.25, 7:00pm.
  1950/104min. /B&W/松竹 /35mm * New Print
監督:黒澤明/出演:三船敏郎、志村喬、山口淑子

スキャンダルを捏造された画家(三船)と歌手(山口) を救うため卑劣なマスコミに立ち向かう弁護士(志村)を描く。 低俗なジャーナリズムに対する痛烈な社会批判がこめられている。 「羅生門」の前作にあたる。音楽は早坂文雄。


浪華悲歌 NANIWA EREJI  Saturday, 6.26, 1:00pm.
  1936/71min. /B&W/第一映画、松竹大谷図書館/35mm
監督:溝口健二/出演:山田五十鈴、梅村蓉子

電話交換手(山田)は父の横領を穴埋めするため、社長の情婦になった。恋人のも とへ逃げ出すが、兄の学資稼ぎのために再度同じような状況に転落する。長きに 渡り傑作を生み出すコンビとなる脚本家・依田義賢と溝口が初めて組んだ作品。


白痴 HAKUCHI  Saturday, 6.26, 4:00pm.
  1951/166min. /B&W/松竹/35mm  * New Print
監督:黒澤明/出演:原節子、森雅之、三船敏郎、久我美子

黒澤明が敬愛するドストエフスキーの名作を雪深い北海道を舞台に翻案し、奔放 な女性(原)に魅了された2人の男性(森と三船)の葛藤を描く。完成版は265分 あったが会社側により短縮された。後に黒澤は最も好きな自作と語っている。


按摩と女 ANMA TO ONNA  Sunday, 6.27, 1:00pm.
  1938/65min. /B&W/松竹/16mm
監督:清水宏/出演:高峰三枝子、徳大寺伸、日守伸一

清水宏はFILMeX 2003とフィルムセンターが特集上映を行うまで一般の知名度は高 くなかったが、明らかに最も革新的な日本人監督の一人である。この瑞々しいコメ ディは、ほとんど脚本なしにロケ中の監督と俳優陣の即興で作られ、生き生きした 傑作となっている。


黄色いからす KIIROI KARASU  Sunday, 6.27, 2:30pm.
  1957/104 min. /Color/歌舞伎座映画、松竹/35mm
監督:五所平之助/出演:淡島千景、伊藤雄之助、設楽幸嗣

戦争から長年戻らなかった父(伊藤)に対して、息子(設楽)はなかなか馴染むこ とができず、又、両親から拒絶されているような疎外感に悩む。五所は年代ごとに 中流階層の浮沈を追った監督だが、子供を扱った「たけくらべ」の後に本作を作った。


こころ KOKORO  Sunday, 6.27, 4:40pm.
  1955/122min. /B&W/日活/35mm
監督:市川崑/出演:森雅之、新珠三千代、三橋達也

文豪・夏目漱石の代表作を映画化した本作は、市川の文芸映画の傑作の一つである。 若い学生は師事する教授を尊敬し憧れるが、やがて教授が苦悩にとりつかれている ことに気づく。本作は「ビルマの竪琴」の前作にあたる。



上映スケジュール

◆6/25(Fri.)
   19:00 醜聞(スキャンダル)Sukyandaru / Scandal
◆6/26(Sat.)
   13:00 浪華悲歌 Osaka EreJI / Osaka Elegy
 14:30 ドナルド・リチー(映画評論家)による講演
    (*入場無料、日本語通訳付き英語による講演)
 16:00 白痴 Hakuchi / The Idiot
◆6/27(Sun.)
   13:00 按摩と女 Anma To Onna / The Masseurs and a Woman
 14:30 黄色いからす Kiiroi Karasu / The Yellow Crow
 16:40 こころ Kokoro / Heart

(開場は各15分前)

詳細は >> 公式 HP http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp1.html



「第12回フランス映画祭横浜2004」

みなとみらい線も開通し、より近くなったフランス映画祭横浜が今年も華麗に花開きます。 フランス映画の新作18本+短編が上映されるほか、様々なイベントが開催されます。 イベント情報は、ホームページをごらんください。

ホームページ →  http://www.unifrance.jp/yokohama/index.php


主催:ユニフランス・フィルム・インターナショナル、 第12回フランス映画祭横浜2003実行委員会、 フランス映画祭横浜受入委員会
特別後援:通信省

会期:
2004年6月16日(水)〜20日(日) 5日間

会場:
パシフィコ横浜 会議センターメインホール(メイン会場)ほか

来日ゲスト:
エマニュエル・ベアール(『8人の女たち』)を団長とする 各上映作品の監督・俳優約50名を含むフランス代表団総勢約100名が来日します。 今年も全作品のゲストが舞台挨拶・Q&A・サイン会が行われます。

◆上映作品および来日予定ゲスト◆

フランス映画の新作18本 + 短編特集
上映スケジュール → http://www.unifrance.jp/yokohama/index.php?ct=schedule.php&langue=21010

『ボン・ボヤージュ』(原題) Bon voyage 【オープニング上映作品】
  監督:ジャン=ポール・ラプノー

『ナタリー』(仮題) Nathalie... 【クロージング上映作品】
  監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:エマニュエル・ベアール

『お先にどうぞ』 Apres vous
  監督:ピエール・サルヴァドーリ
出演:マリリン・カント

『いつか会える』  A tout de suite
  監督:ブノワ・ジャコ
出演:イジルド・ル・ベスコ

『クレールの刺繍』 Brodeuses
  監督:エレオノール・フォーシェ
出演:ローラ・ネマルク、アリアンヌ・アスカリッド

『犬と将軍と鳥たち』 Le Chien, le general et les oiseaux
  監督:フランシス・ニールセン

『LOOK AT ME』(仮題)  Comme une image
  監督:アニエス・ジャウィ
出演:アニエス・ジャウィ、ローラン・グレヴィル、マリルウ・ベリ

『歌え!ジャニス・ジョプリンのように』 Janis et John
  監督:サミュエル・ベンシェトリ
出演:クリストフ・ランベール

『世界でいちばん不運で幸せな私』  Jeux d'enfants
  監督:ヤン・サミュエル
出演:マリオン・コティヤール

『マリアージュ!』  Mariages!
  監督:ヴァレリー・ギニャボデ
出演:リオ、アレクシス・ロレ、クロエ・ランベール

『ぼくセザール 10歳半 1m39cm 』  Moi, Cesar, 10 ans et demie, 1m39
  監督:リシャール・ベリ
出演:ジュール・シュトリュク、ジョゼフィーヌ・ベリ

『父と息子たち』 Pere et fils
  監督:ミシェル・ブージュナ
出演:パスカル・エルベ

『スターは俺だ!』 Podium
  監督:ヤン・モワクス
出演:ブノワ・ポールヴールド

『彼女の人生の役割』 Le Role de sa vie
  監督:フランソワ・ファヴラール
出演:アニエス・ジャウィ、ジョナサン・ザッカイ

『ワーク・ハード、プレイ・ハード』  Violence des echanges en milieu tempere
  監督:ジャン=マルク・ムトゥ
出演:ジェレミー・レニエ、シリア・マルキ

『あなたを待つ人生』 Une vie a t'attendre
  監督:ティエリー・クリファ
脚本:クリストファー・トンプソン(5/25追加)
出演:パトリック・ブリュエル、ジェラルディン・ペラス

『ビバ!アルジェリア』 Viva Laldjerie
  監督:ナディール・モクネッシュ
出演:ナディア・カシ、ビュウナ

『ワイルド・サイド』 Wild side
  監督:セバスチャン・リフシッツ
出演:ステファニー・ミッシュリニ

短編特集  Courts metrages
  『もうひとつの戦い』 L'Autre combat
『フルシニコフ・メソッド』 La Methode Bourchnikov
『私の一番の心配事』 L'Aine de mes soucis
『ボディーガード』 Le Garde du corps
『テレグラム(電報)』 Le Telegramme
『頭のない男』 L'Homme sans tete
『天使の刻印』 L'Empreinte de l'ange



「中国映画の全貌2004」

第5世代登場から中国映画新勢力の台頭まで——
『黄色い大地』から『英雄 HERO』まで
中国・香港・中国語圏映画 68作品連続上映!!
開催記念公開 『愛にかける橋』『思いでの夏』

2004年4月26日(月)〜6月13日(日)
三百人劇場 http://www.bekkoame.ne.jp/‾darts/

プログラムは公式 HP >> http://www.bekkoame.ne.jp/‾darts/pagej022.htmlまたは アジアCINEMA作品紹介 「中国映画の全貌2004」紹介ページをご覧下さい。

※ 『愛にかける橋』は、このあと、 新宿・K's cinema、 名古屋・シネマスコーレ、 大阪・シネ・ヌーヴォ (6月中旬〜)などで公開される予定です。

※ 『愛にかける橋』はシネマジャーナル60号の 「あいち国際女性映画祭2003」特集で取り上げています。また 最新号(61号)でインタビュー記事を 掲載しています(「『愛にかける橋』フー・メイ監督インタビュー」pp.56--57)。



「イラン映画祭2004」 Iranian Film Festival 2004

 6月4日(金)〜6月13日(日)、溜池山王の国際交流基金フォーラムにおいて、 日本初公開作6作品を含む、 イラン映画全10作品が上映されるイラン映画祭が開催されます。

 これまで日本で劇場やテレビ、映画祭上映等の形で紹介されてきた作品には 児童映画が多く、イラン映画と言えば児童映画というイメージが強く、 イラン国内で人気のアクションやコメディ作品を見る機会はなかなかありませんでした。 今回の映画祭では、日本未公開作品を中心に、 これまで日本で紹介されることの少なかったタイプの映画が上映されます。

■1,開催概要

期間:2004年6月4日(金)〜6月13日(日)
会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
   東京都港区赤坂2−17−22 赤坂ツインタワー1F
   地下鉄銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分
主催:イラン映画祭2004実行委員会
共催:イランイスラム共和国大使館
助成:独立行政法人 国際交流基金
企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会事務局

入場料金:前売 800円/当日1000円 (各回入替制)
前売券の発売は、チケットぴあにて。(Tel:0570-02-9999)
Pコード 550−453 <日時指定>

※各回入替制 ※全作品日本語字幕付き (シンポジウムは入場無料)

問合せ先:「イラン映画祭2004」事務局(東京フィルメックス事務局内)
Tel:03-3560-6394 月〜金 11:00〜18:00(平日のみ)
会期中のお問合せ:国際交流基金フォーラム Tel:03-3562-4096 (6/4〜13の開催期間中のみ)

■2,上映作品
Part1) イラン映画を代表する6人の巨匠・未公開作品
a)ボイコット 【日本初上映】
The Boycott/1986/110min/Mohsen Makhmalbaf
監督:モフセン・マフマルバフ 主演:マジッド・マジディ
自己の監獄体験をもとに映画化し、 マフマルバフが初めて映画作家として認められる契機となった作品。 冒頭の街頭での激しい銃撃戦と、 後半の監獄の超現実主義的なイメージが強烈なインパクトを残す傑作。 後に映画監督となるマジディが主人公の革命家役を熱演。
b)ホルシッド船長 【日本初上映】
Captain Khorshid/1987/117min/Nasser Taghvai
監督:ナセール・タグヴァイ 主演:ダリウシュ・アールジュマンド
『キシュ島の物語』の第1話「ギリシア船」を監督した巨匠タグヴァイの代表作。 ハワード・ホークスの『脱出』の原作でもあるヘミングウェイの小説を イランに置き換えて映画化した作品。1988年ロカルノ映画祭で銅豹賞を受賞。
c)鉛  【日本初上映】
Sorb/1988/130min/Masud Kimiai
監督:マスード・キミヤイー 主演:ハディ・エスラミ
昨年の東京フィルメックスでイスラム革命前の代表作『大地』が上映された アクション派の巨匠キミヤイーの知られざる傑作。1948年のテヘランを舞台に、 シオニスト組織に叔父を殺害され、 国外への逃亡をはかろうとする若いユダヤ人の夫婦を描く。
d)クスノキの匂い、ジャスミンの香り 【日本初上映】
Smell of Camphor, Fragrance of Jasmin/2000/93min/Bahman Farmanara
監督:バフマン・ファルマナーラ 主演:レザ・キヤニアン
キアロスタミの初期作品のプロデューサーでもある映画作家ファルマナーラが、 長期間の沈黙を破ってイスラム革命後初めて発表した作品。 死にとりつかれた映画監督の彷徨を流麗な映像美で描き、 2000年モントリオール映画祭審査員大賞を受賞した。
e)街の陰
Under the Skin of the City/2001/92min/Rakhshan Bani-Etemad
監督:ラクシャン・バニエテマド 主演:ゴラブ・アディネ
イランを代表する女性監督バニエテマドの代表作。足が不自由な夫を抱え、 子供たちの様々なトラブルに悩まされながらも 力強く生きる女性の姿を洗練されたスタイルで描く。 2001年モスクワ映画祭審査員特別賞、トリノ映画祭観客賞等、様々な受賞に輝く作品。
f)ベマニ 【東京初上映】
Bemani/2002/97min/Dariush Mehrjui
監督:ダリウシュ・メールジュイ 主演:ネダ・アガエイ
イラン映画史上の金字塔と言われる『牛』を監督し、 近年では女性問題を扱った映画を多く発表しているメールジュイの代表作の一つ。 強制的に結婚させられた年上の夫から逃れようとする女性の運命を描く。 2002年カンヌ映画祭「ある視点」部門で上映された。
Part 2) イランの人気娯楽映画
g)チャザベーへの旅 【日本初上映】
Journey to Chazzabeh/1995/100min/Rasul Molagholipoor
監督:ラスール・モラゴリプール 主演:マスード・カラマティ
戦争映画の巨匠として人気の高いモラゴリプールの代表作。
イラン・イラク戦争が終結してから数年後、かつての激戦地に旅した映画監督と音楽家が、 突然戦闘のさなかに放り出されるというシュールな発想に基づく異色の戦争アクション。
h)低空飛行 【日本初上映】
Low Heights/2002/115min/Ebrahim Hatamikia
監督:エブラヒム・ハタミキア 主演:ハミッド・ファロクネジャード
イランの大衆の感情を代弁するアクション仕立ての作品を連打し、 圧倒的な人気を誇るハタミキアの大ヒット作。家族とともに移民を試みるべく、 航空機をハイジャックする男を描いたアクション映画。
i)ふたりのミナ 【東京初上映】
Through Sunglasses/2000/98min/Mohammad Hossein Latifi
監督:モハマド・ホセイン・ラティフィ 主演:ファテメ・モタメダリア
イランで大ヒットを記録したドタバタ・コメディ。 離婚するために役所を訪れた女性ミナが、 無理矢理に結婚させられそうになっている同名の若い女性を助けて逃亡する。 イランを代表する女優ファテメ・モタメダリア主演作。
j)風の絨毯
The Wind Carpet/2002/109min/Kamal Tabrizi
監督:カマル・タブリーズィー 主演:柳生美結、榎木孝明、レザ・キヤニアン
日本人の少女とイラン人の少年の交流を描いた日本=イラン共同製作映画。
テヘラン・ファジル映画祭で観客賞を受賞し、イラン国内でも大ヒットを記録した。 監督はイランの庶民の感情を描いた秀作の数々で知られるタブリーズィー。

■4,関連シンポジウム
シンポジウム(1):「イラン映画の過去、現在、未来」
6月5日(土)16:00〜 
予定パネリスト:バフマン・ファルマナーラ、レザ・キヤニアン他

シンポジウム(2):「イラン映画の女性」
6月12日(土)16:00〜 
予定パネリスト:ファテメ・モタメダリア他

*シンポジウムは入場無料

■5,上映スケジュール
  10:30〜 13:00〜 16:00〜 19:00〜
6/4(金)       (d)クスノキの匂い、
ジャスミンの香り★ 
6/5(土) (j)風の絨毯☆  (a)ボイコット  シンポジウム(1)  (c)鉛 
6/6(日) (i)ふたりのミナ  (e)街の陰  (g)チャザベーへの旅  (f)ベマニ 
6/7(月)   (a)ボイコット  (c)鉛  (b)ホルシッド船長 
6/8(火)   (h)低空飛行  (a)ボイコット  (g)チャザベーへの旅★ 
6/9(水)   (e)街の陰  (b)ホルシッド船長  (h)低空飛行★ 
6/10(木)   (d)クスノキの匂い、
ジャスミンの香り 
(f)ベマニ  (i)ふたりのミナ★ 
6/11(金)   (g)チャザベーへの旅  (h)低空飛行  (a)ボイコット 
6/12(土) (f)ベマニ  (i)ふたりのミナ★  シンポジウム(2)  (e)街の陰 
6/13(日) (b)ホルシッド船長  (c)鉛  (d)クスノキの匂い、
ジャスミンの香り 
 

*開場は各回20分前。全作品日本語字幕付。各回入れ替え制。
★の回はゲストによる舞台挨拶を予定。
☆ は、上映後に榎木孝明、レザ・キヤニアンによるトークショーを予定。
(上映作品、ゲスト等は変更になる場合があります)


『ホストタウン エイブル2』
監督・製作:小栗謙一
製作総指揮:細川佳代子
製作:able2製作委員会
撮影:K.P.マロン/スザンナ・サロネン
音楽:井上艦
ナレーター:マラキ・マコート

アイルランドのニューブリッジに住むエイミーは18歳、 知的障がいを伴ったダウン症の少女。12人兄妹の9番目。 妹のリンジーは、脳性まひのため下肢が不自由で養護学校へ通っている。 父は今でこそ優しいが、昔はアルコール依存症だった。 気丈な母は子ども達に支えられて辛い日々を乗り越え、 2人の成長をきっかけに父も立ち直った。

2003年、ダブリンでスペシャルオリンピックス夏季世界大会が開かれた。 これは知的障がいのある人々の競技会で、53名の日本選手団も参加した。 彼らのホストタウンとなったニューブリッジの人々は町をあげて歓迎する。 ホストファミリーとなったエミリーの友達のケビンの家にも、 2人の日本の少女がやってくる。

競技会はこのドキュメンタリーの中の一つの出来事にすぎず、 メインとなるのはエイミーやリンジー、その家族たちの日常の生活です。 カメラのとらえる子ども達の表情など見ると、明日がもっといい日になりますように、 と願わずにいられませんでした。

2004年/日本映画/35mm/カラー/ビスタサイズ/DTSステレオ/101分

4月24日(土)より シアター・イメージフォーラムにてロードショー(〜6月11日)
配給:ableの会  配給協力:イメージフォーラム
宣伝:ムヴィオラ

公式 HP >> http://www.film-able.com/



『女王フアナ』(原題:Juana la Loca)
監督・脚本:ヴィンセンテ・アランダ
出演:ピラール・ロペス・デ・アジャラ/ダニエレ・リオッティ/マニュエラ・アーキュリ/ジュリアーノ・ジェンマほか

fan(ファン)、fanatic(熱狂的、狂信的)の語源となった“fana”は、 この主人公フアナに由来する言葉なのだそうだ。 フアナはスペイン女王イザベラの娘として生まれ、1497年ハプスブルグ家に嫁ぐ。 16歳の花嫁は夫となるフィリペに一目で惹かれ、情熱的に愛するようになる。 しかしフィリペは不実で浮気が絶えず、激しい嫉妬に身を焼く日々。 加えて母の死によりスペイン女王となったフアナは、権謀術数の渦巻く中 「狂気の女王」と呼ばれる・・・。

ヒロインを演じるピラール・ロペス・デ・アジャラはスペイン映画界No.1女優。 狂おしい恋に身を焦がす1人の女と、威厳ある女王との二つの顔を見事に演じきっている。 フアナは歴史上有名な人物なので、残されている肖像画などを参考にしたという。 豪華な衣装や美術も観る価値あり。ジュリアーノ・ジェンマと言えばマカロニ・ウェスタン、 だった私は相当古い…。懐かしい顔でした。

ゴヤ賞最優秀主演女優賞
サン・セバスティアン映画祭最優秀女優賞受賞

2001年/スペイン/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD/117分/

3月6日(土)より、 銀座テアトルシネマにてロードショー
*特別鑑賞券1500円、好評発売中!
*劇場窓口でお買上げの方に、プラド美術館蔵の女王フアナの絵画ポストカード3枚セットを先着でプレゼント

配給:角川大映映画

銀座テアトルシネマ HP >> http://www.alles.or.jp/pub/theatre/Ginza/index.html



『Jam Films 2』

短編コンピレーション第2弾──。
ミュージックビデオやCMなどを手掛けるショートフィルムの達人を監督に迎え、 プロジェクトは新たな展開を見せる。各30分ずつ。

『机上の空論』
監督:小島淳二
出演:片桐仁(ラーメンズ)、市川実日子、小林賢太郎(ラーメンズ)、斉木しげる、 ルースアン・リースほか

『CLEAN ROOM』
監督:高橋栄樹
出演:韓英恵、麻生久美子、角田紳太朗、手塚眞ほか

『HOOPS MEN SOUL』
監督:井上秀憲
出演:須賀貴匡、すほうれいこ、Dice-K、伊藤千秋、中島和麻、NITTY、YO-SUKE、 高野貢、日村勇紀(バナナマン)、西尾季隆(X-GUN)、大森南朋、水橋研二、 ダリル・ハリス、浦口直樹、杉本彩ほか

『FASTENER』
監督:丹下紘希
出演:有岡大貴、高木りな、あべこ、河野智典、佐藤正宏、三浦由衣、諏訪太朗、 嶋田久作ほか

2004年3月27日よりロードショー
池袋シネリーブル(初回上映後舞台挨拶)、渋谷シネ・ラ・セット、 シネ・リーブル梅田にて

http://www.jam-films.com/2/index.html


『タイムリミット』(原題 ”Out of Time")

フロリダの小さな町で警察署長をしているマット(デンゼル・ワシントン)は妻アレックス (エヴァ・メンデス)と別居中だが、高校生時代の元彼女アン(サナ・レイサン) ともこっそり会っている。アンは夫クリス(ディーン・ケイン)にたびたび暴力をふるわれ、 マットを頼りにしていた。 アンにつきそって病院に行ったマットは、アンが癌のため余命が少ないのを知る。 高額な治療を受けさせるため、当分回収見込みのない証拠品の現金にマットは手を出してしまう。

オスカー俳優デンゼル・ワシントンが受賞後初主演した作品。 「良い人」のはずだった警察署長が、ふとした出来心から追われる立場になってしまう。 追うのは別居中の妻である敏腕刑事。妻に先回りして自分に不利な証拠を消しにかかる夫。 追いつ追われつのシーンがよく出来ている。ハラハラさせて最後まで引っ張って行き、あー、 面白かった!と会場を出ました。しかし、男ってしょうがないわねぇ。 いや、ひとりごとですってば。

監督:カール・フランクリン
脚本:デイヴ・コラード
撮影監督:デオ・ヴァン・デ・サンデ
音楽:グレーム・レヴェル

出演:デンゼル・ワシントン/サナ・レイサン/エヴァ・メンデス/ディーン・ケイン/ジョン・ビリングスリー 他

2003年/アメリカ /スコープサイズ/ドルビーデジタル/1時間45分 配給:東芝エンタテインメント

公式サイト http://www.timelimit.jp/

2004年4月10日〜 渋谷東急ほか、松竹・東急系にて全国ロードショー


『わが故郷の歌』 Gomsyodei dar Araq (Marooned in Iraq)
製作・監督・脚本 バフマン・ゴバディ
2002年/イラン/100分/クルド語

前作『酔っぱらった馬の時間』では、語りや町での会話はペルシア語、村での会話はクルド語と、 半々だったが、『わが故郷の歌』では、ほぼ全編クルド語が使用されている。

クルドの音楽家ミルザのもとに、駆け落ちしてイラク側クルドに行った元妻ハナレから 助けを求める便りが届く。二人の息子を連れてハナレを探す旅に出るミルザ。 難民から家財を買って一儲けし、サダム様々と語る商人、 盗賊にあって下着姿で罪人を手錠で連れる警官、 踊りと音楽で村中こぞって祝う結婚式の場に轟く爆撃音・・・。 国境地帯ならではの姿がユーモアと音楽を散りばめて描かれる。 そして、イラク側に入るとさらに厳しい現実を見る一行。集団墓地に化学ガスにやられた村々。 はたしてミルザはハナレに会えるのか・・・

ハナレはザクロのこと。豊穣のシンボルで女性の存在は聖なるもの。 実が真っ赤で血を象徴し、身を寄せ合っているクルドの姿に重ね合わせている。 姿が見えないハナレは、クルドの存在がみえないことを意味しているという。 戦火にあってもユーモアを忘れず、音楽を愛するクルドの人たち。 今回はコメディーを描きたかったけれど、 戦闘機の音をBGMに過ごす人たちを描くうちに悲劇にならざるを得なかったと監督は語る。 アメリカの政治はハリウッドの映画づくりと同じで、利益優先。 ハリウッド映画で、次にまた売れると思ったら悪役の主役はパート1では殺さない。 政治も全く同じ。サダム・フセインは、イラ・イラ戦争のときの主役。パート2は湾岸戦争。 アラブ人が恐れれば武器が売れるとサダムを消さなかった。 パート3でそろそろ退役かと、監督は穏やかながら熱く語る。 鉄条網の国境をひょいと越える姿に、 国境なんてこんなものさという映画に込めた思いを見た思いがした。

シネマジャーナル61号で、 ゴバディ監督記者会見レポートを掲載予定


2月21日〜4月30日 岩波ホールにて「エキプ・ド・シネマ」 発足30周年記念作品第2弾として上映
岩波ホール公式ページ →  http://www.iwanami-hall.com/
配給:オフィスサンマルサン  → http://www.sanmarusan.com/kokyo/index.html
協力:独立行政法人国際交流基金


『ヒバクシャ 世界の終わりに』
長編ドキュメンタリー映画/監督=鎌仲ひとみ/制作=グループ現代
2003年/116分/16mm/カラー/スタンダード

世界中の核汚染の実態を、イラクやアメリカ、 日本のヒバクシャたちの肉声でつづったドキュメンタリー。 劣化ウラン弾が使用されたイラクで白血病に苦しむ子供たち、 広島で被爆しヒバクシャ治療に従事する日本人医師らの日常生活を通して、 核の時代に生きる意味を問いかける。

2004年3月20日(土)より公開!
◆<東京>ユーロスペース(渋谷南口2分)
tel 03-3461-0211 http://www.eurospace.co.jp/
公開期間:3/20(土・祝)〜4/23(金)(予定)
時間:モーニング 10:30〜
入場料:特別鑑賞券1,400円/当日一般1,700円、学生1,400円、会員・シニア1,000円
ちけっとぴあ・セブンイレブン・サンクス・ファミリーマート他各プレイガイドで販売中
問い合わせ:グループ現代 03-3341-2863 distribution@g-gendai.co.jp
※ゲストトーク(予定)10:00〜
3/20(土・祝)広河隆一氏(フォトジャーナリスト)×鎌仲監督
3/27(土)川田悦子氏(元衆議院議員)×鎌仲監督
4/17(土)池田香代子氏(『世界がもし100人の村だったら』再話者)×鎌仲監督
(注)ゲストトーク開催日は混雑が予想されます。席数に限りがありますので、 お早めにご来場下さい。

◆<大阪>第七藝術劇場
tel06-6302-2073  http://www.nanagei.com/
公開期間:3/20(土・祝)〜4/2(金)
時間:モーニング 10:30〜
入場料:当日のみ 一般1,200円、大学生1,100円、高・シニア1,000円
※3/31(水)戦争と平和をテーマにした5作品の上映と特別対談(予定)
本橋成一氏(映画監督)×鎌仲監督

◆<札幌>シアター・キノ
tel 011-231-9355  http://www.infosnow.ne.jp/‾kino/
公開期間:3/20(土・祝)〜4/2(金)
時間:モーニング 11:00〜
入場料:当日のみ 大人1,200円、高・シニア1,000円

◆<仙台>せんだいメディアテーク
主催:「テロにも戦争にもNO!を」の会
tel 022-248-2866(春日)/022-378-7229(須藤)
公開期間:3/20(土・祝)〜3/21(日)
時間:10:30/13:30/16:00/19:00
入場料:大人・シニア:前売1,000円、当日1,200円/中高生:前売・当日とも500円



(すでに終了した上映会)
特別有料試写会開催!
2003年7月4日(金)・5日(土)
舞台挨拶 7/4:鎌仲監督、7/5:制作スタッフ
なかのZERO小ホール
開場 18:45 開演 19:15
一般前 売り¥1,200 当日¥1,500
学生シニア 前売り¥1,000 当日¥1,300
*小学生以下無料

公式 HP >> http://www.g-gendai.co.jp/hibakusha/

※シネマジャーナル 60号に、 監督インタビューが掲載されています。
60号販売映画館(04.1.17現在): 下高井戸シネマ, キネカ大森, シネ・リーブル池袋, テアトル新宿, 名古屋シネマスコーレ, 銀座シネパトス, シネマミラノ


『かげろう』

1940年、戦火のパリから逃れる途中、空爆に遭遇した母子は不思議な青年に助けられる。 空家となっていた他人の邸宅で4人の暮らしが始まる。未亡人オディールをエマニュエル・ベアール、 粗野かと思えば繊細で子供のような面も併せ持つ青年イヴァンを新星ギャスパー・ウリエルが演じる。 舞台となる南フランスの情景が美しい。 説明が少ない分、見る人が想像しなさいといわれている気がした。

試写会の後、来日していたギャスパー・ウリエルのティーチ・インがありました。 爽やかな白いシャツにジーンズ姿。映画の時は5分刈り立った頭はカールのある長めの髪に。 折れそうなほど細身の美青年でした。子供の頃からTVに出ていたこと、 ベテランのベアールがとても気づかってくれたこと、 将来は作る側に回りたいことなどをすこし俯き加減で話していました。今後要チェック!


監督:アンドレ・テシネ
脚本:ジル・トーラン
撮影監督:アニエス・ゴダール
出演:エマニュエル・ベアール/ギャスパー・ウリエル/グレゴワール・ルプランス・ランゲ/クレメンス・メイヤーほか
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

2003年/フランス/95分/ドルビーSRD・DTS/ビスタサイズ

2004年1月24日(土)より、シネスイッチ銀座・関内MGAにてロードショー公開(すでに終了)
新宿・K's cinema で4/10より上映中(〜4/23)。

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/strayed/


『ラスト・サムライ』
壮絶なまでに熱く生きた男たち・・・

トム・クルーズが侍に魅せられた。
明治維新の日本を舞台に、近代化の指南役として来日したアメリカの大尉が 過去の遺物として葬り去られようとしているサムライたちに出会い、彼らを尊敬していく。 毅然としたサムライの誇りを持った男達は、ハリウッド映画の中でどのように描かれたのか・・・?

ジャパンプレミアの模様

ハリウッドのプレミアのように、レッドカーペットをゆっくりと歩いてきて 記者の質問に答えたりファンと握手したりサインまでしたり上機嫌のトム・クルーズ。 かたわらには恋人のペネロペ・クルスも。
渡辺謙、真田広之も堂々としていてかっこいい。トムに全然ひけをとっていない。 小雪も凛とした日本女性の美しさで輝いていた。

今回、大勢のサムライ役で日本人俳優が撮影に参加したが その中の一人、小家山晃さんにオーディションやニュージーランドロケのお話をお聞きできた。 60号に掲載しています。

60号販売映画館(04.1.17現在): 下高井戸シネマ, キネカ大森, シネ・リーブル池袋, テアトル新宿, 名古屋シネマスコーレ, 銀座シネパトス, シネマミラノ

小家山晃さん

2003年アメリカ映画
エドワード・ズゥイック監督作品
配給:ワーナー・ブラザーズ映画

12/6(土)より、全国松竹、東急系劇場にて日米同時ロードショー

公式 HP >> http://www.lastsamurai.jp/



『ヴァイブレータ』
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
出演:寺島しのぶ/大森南朋/田口トモロヲほか
原作:赤坂真理(講談社文庫刊)

雪の夜。ルポライターの玲は、コンビニで出会ったトラック運転手の後を追い、「道連れ」になる。 東京から新潟の往復の風景と運転席の二人が中心。 30代の女性として痛く共感するところがあった、という寺島しのぶが好演。 相手役の大森南朋は無頼に見えて心底優しく、こんな人に出会いたいと思わせる。 よく知らずに観て良いもの観た!と思った映画。

2003年/35mm/カラー/ヴィスタ/ドルビーSR/95分

http://vibrator-cinema.com/

第16回東京国際映画祭コンペティション部門正式参加作品
ベネチア、トロント、バンクーバー国際映画祭出品作品
芸術文化振興基金協賛作品

12月6日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー(〜3/12)
イメージフォーラムで4月1日までモーニングショー上映中

配給:ステューディオスリー+シネカノン
宣伝:ライスタウンカンパニー

※シネマジャーナル60号の表紙は 『ヴァイブレータ』です!関連記事も掲載されています。
60号販売映画館(04.1.17現在): 下高井戸シネマ, キネカ大森, シネ・リーブル池袋, テアトル新宿, 名古屋シネマスコーレ, 銀座シネパトス, シネマミラノ


『ハッピー・エンド』
(1999年韓国 チョン・ジウ監督作品)
〜それは、幸福な結末?それとも幸せの終わり?〜

この冬はチュ・ジンモ!!
韓国映画界の隠れたハンサム君、チュ・ジンモが出演する映画が続けて公開される。
>> 『MUSA 武士』

かつての恋人との不倫関係から逃れられないキャリアウーマンの妻と、 リストラされてうだつのあがらない夫。そして妻の恋人。 夫が全てを知った時、何とかバランスをとっていた生活がきしみ始める・・・・・。

失業中で子供の面倒をみている情けない夫役がハマッているチェ・ミンシク、 トップ女優でありながらあっぱれなヌード&ベッドシーンを見せるチョン・ドヨン、 そして秘めた思いを持ちつつける孤独な元恋人を演じるチュ・ジンモ。 ここでのチュ・ジンモはこの恋人役になりきって『武士』とは全く別人に見える。 この3人の関係がだんだん緊迫したものになっていく、ちょっとびっくりするラブ・スリラー。

夫の前ではノーメイクでどなってばかり、恋人の前ではきれいにメイクし セクシーさも失わない妻を演じるチョン・ドヨンが生々しくてコワイ。


配給:ギャガ・アジアグループ
宣伝:ムヴィオラ

2004年、新宿武蔵野館にてお正月第2弾ロードショー



『9000マイルの約束』(原題:SO WEIT DIE FUSSE TRAGEN)
監督・脚本:ハーディ・マーティンス(「カスケーダー」)
出演:ベルンハルト・ベターマン/ミヒャエル・メンドゥル/イリーナ・パンタエヴァほか

=シベリアから祖国ドイツまでの遥か9000マイルを、3年の歳月をかけて歩き続けた男の真実の物語=

1945年、戦犯としてシベリアの捕虜収容所に多くのドイツ兵が送られた。 厳しい寒さと飢えの中、長い旅の途中で3分の2が命を落としてしまう。 着いた収容所での生活も劣悪なものだった。 クレメンス・フォレル中尉は、妻子との再会を果たすために過酷な労働の中を耐え忍び、 医師の協力を得てついに脱走を試みる。

これは本当にあった話で、何ヶ国語にも訳されて出版されており、 ドイツでは長篇ドラマとして放映されたそうだ。日本でも長い間シベリアに抑留されて、 たくさんの人が亡くなったと聞いているけれど、 ドイツでもこんなことがあったのかと初めて知った (近代・現代史は自分で学ばないと学校では時間切れになってしまうんだよね。わざと?)。 追われる恐ろしさにドキドキしながらも、途中で出会う人々の優しさや自然の美しさにも感嘆する。

2002年ヒューストン国際映画祭 グランプリ/最優秀アドベンチャー映画賞
2001年ドイツ・ビーベラッハ映画祭 観客賞/国際審査員賞
2002年フランス・ヴァランシエヌ映画祭 特別賞
2002年ニューポート・ビーチ映画祭 功労賞
2002年フィラデルフィア国際映画祭 正式出品
2003年ゆうばりファンタスティック国際映画祭 審査員特別賞

2001年ドイツ/ドイツ語・ロシア語/35mm/カラー/シネマスコープ/ドルビーSR/158分

2004年1月17日(土) 日比谷スカラ座2独占ロードショー (すでに終了--港南台シネサロンにて上映中です。〜3/26)

配給:東芝エンタテインメント株式会社、アルシネテラン

公式 HP >> http://www.alcine-terran.com/main/asfaras.htm



『精霊流し』

さだまさしの小説「精霊流し」を映画化したもの。子供時代から青春時代までが長崎ロケで綴られる。 母子のシーンなど涙を誘われる・・・が、高島礼子と松坂慶子が姉妹役なのを逆にすればよかったのに。 てっきり松坂慶子が若作りなお姉さんだとばかり思っていた。

「精霊流し」は長崎のお盆の伝統行事で、歌のようにしめやかではなく、 故人の写真を飾った精霊船を親類縁者が引き、鉦や太鼓、爆竹まで鳴らして送る賑やかなもの。 元は映画のシーンと同じに海へ流したが、今は運動場など「流し場」に置くようになっている (長崎に3年住みました)。懐かしかった。


監督:田中光敏
脚本:横田与志
出演:内田朝陽/酒井美紀/池内博之/高島礼子/松坂慶子/田中邦衛/椎名桔平ほか
原作/主題歌 さだまさし
製作:『精霊流し』製作委員会
配給:日活/東北新社

2003/カラー/ビスタサイズ/DTSステレオ/109分

2004年お正月 テアトルタイムズスクエアほか全国にてロードショー公開
3/20〜3/26、パルコ調布キネマにてレイトショー上映

公式 HP >> http://www.shoronagashi.com/



女性監督・三浦淳子作品上映
東京都現代美術館・企画展「私はどこから来たのか/そしてどこへ行くのか」
2004年1月17日(土)〜3月21日(日)
観覧料:当日一般 900円

MOTの企画展の一環として、 ドキュメンタリー作品を撮っている女性監督・三浦淳子さんの作品が 初期作品から最近作の「空とコムローイ」まで毎日上映されます。 詳細は、東京現代美術館(03-5245-4111またはNTTハローダイヤル03-5777-8600) にお問い合わせください。
2月14日(土)15:00〜16:00には、3F企画展示室にて三浦さんのトークもあります。


上映スケジュール
   空とコムローイ  10:10
   枇杷の実待ち  11:50, 16:35
   白い蛹は口笛を吹く  12:20, 14:55
   トマトを植えた日  13:10, 15:45
   孤独の輪郭  14:00, 17:05

作品紹介・作家紹介は下記ホームページから企画展のリンクをたどってください。

東京都現代美術館 HP >> http://www.mot-art-museum.jp/



『ションヤンの酒家(みせ)』(原題 Life Show/生活秀. )
監督:フォ・ジェンチイ(『山の郵便配達』)
脚本:ス・ウ
撮影:ソン・ミン
出演:タオ・ホン/タオ・ザール/パン・ユエミン/チャン・シーホン/ほか

映画の舞台は中国の大都市・重慶。屋台街で小さな店をきりもりするションヤンはバツイチだが美人で、 彼女を目当てに通ってくる客もいる。自分だけでなく、 家族の問題も抱えながら独りで生きようとするションヤンが強くて美しい。雨に濡れる街、 川を渡るロープウェイのシーンが印象的 。

2002年/中国/カラー/35mm/アメリカンビスタ/106分

2002年上海国際映画祭 最優秀女優賞、作品賞、撮影賞
2002年金鶏賞 最優秀脚本賞、主演女優賞

2004年2月7日より、日比谷シャンテシネにてロードショー
札幌・札幌劇場、名古屋・名演小劇場、大阪・OS-cap、神戸・神戸アサヒシネマ、 福岡・KBC シネマほか全国主要都市にて公開
提供:電通テックほか
配給:日本ヘラルド映画

関連情報
(1) 2004年2月6日、映画原作「ションヤンの酒家」[池莉(チ・リ)作]発売(小学館)
(2) 公開時サービス=刀削麺荘・有楽町店にて“ションヤンさんの火鍋コース” 特別価格 2,980円(通常 3,500円)。要予約 03-3503-2525。 シャンテシネより徒歩30秒。

公式 HP >> http://www.syonyan.com/
シャンテ シネ HP >> http://www.chantercine.com/

※監督と陶紅のインタビュー記事が 60号 に掲載されています。
※中国映画祭での監督インタビュー記事が 57号 に掲載されています。
60号販売映画館(04.1.17現在): 下高井戸シネマ, キネカ大森, シネ・リーブル池袋, テアトル新宿, 名古屋シネマスコーレ, 銀座シネパトス, シネマミラノ


『ヘブン・アンド・アース』(原題『天地英雄』)
監督:フー・ピン
脚本:フー・ピン、チャン・ルイ
撮影:チャオ・フェイ
音楽:A・R・ラフマーン
アクション監督:トン・ワイ/レオン・ミウハン
出演;中井貴一/チアン・ウェン/ヴィッキー・チャオ/ワン・シュエチー/ハースバーカン/ホゥ・チュエンカオほか

紀元700年頃の中国、唐の時代。突厥の侵略に備える西域にやってきた皇帝の密使、 来栖旅人=くるすたびと=は13歳で遣唐使として訪れた日本人であった。25年ぶりの帰国の条件に、 元軍人の李を討てとの勅命が下る。李は数年前、突厥の捕虜の女子供を殺せとの命令に従わず、 皇帝の怒りを買っていたのだ。おりしも、天竺から経文を皇帝へと運ぶキャラバンが砂嵐に見舞われ、 身分を隠した李と共に長安に向かい、来栖のいる村に近づいていた。

新疆ウィグル自治区の広大な山脈、砂漠の風景が圧倒的。盗賊や騎馬軍団との戦いも迫力たっぷりで、 アクション好きは血が騒ぐことでしょう。 中井貴一は体格の良いチアン・ウエンにひけをとらない活躍ぶり。かっこいいです。 『戦場に咲く花』で物静かな駅長を演じていたワン・シュエチーが、キレかかった?悪役でびっくり。 もっとびっくりしたのは他にもあり。XXXがXXなら、XXXXXXXー。 見た方はXXに当てはまる文字を入れましょう。

2003/中国/カラー/スコープサイズ/ドルビーデジタル/SDDS/118分

第16回東京国際映画祭オープニング・ナイト上映作品
第76回アカデミー賞公式エントリー

2004年2月21日(土)より、ニュー東宝シネマほか全国東宝洋画系にて公開

配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント http://www.sonypictures.jp/
宣伝:メディア・スーツ


サミラ・マフマルバフ&ハナ・マフマルバフ来日イベント

イランの巨匠モフセン・マフマルバフの長女サミラと次女ハナが、 アフガニスタンで撮影した話題作の一般公開を前に、二人揃って来日します。 無料で一般参加できる催しがありますので、ご案内します。
(ただし、3月13日のサミラ・マフマルバフ監督トークショー&上映会は、 女性のみが対象)

<二人の作品の一般公開予定>
ハナ・マフマルバフ監督『ハナのアフガンノート』5月銀座テアトルシネマにて
サミラ・マフマルバフ監督『午後の五時』6月銀座テアトルシネマにて

◆「ハナのアフガンノート」上映会&シンポジウム


3月12日(金) 午後7時〜9時15分 参加費無料
*プログラム*
18:30 開場
19:00 映画「ハナのアフガンノート」開映
20:15 シンポジウム「学校教育に縛られない」
〜アフガニスタンーイランー日本 教育と子どもたち〜
ハナ・マフマルパフさん(映画監督)
田場寿子さん(15歳・不登校当事者)
21:20終了

参加費:無料
関心のある方はどなたでも参加できます。
申し込み不要。直接会場へ

共催:NPO法人全国不登校新聞社、NPO法人東京シューレ
協力:東京テアトル、ムヴィオラ
会場:東京シューレ新宿
都営地下鉄大江戸線若松河田駅徒歩2分
http://www.futoko.org/top/hana_shinpo/040312hana_shinpo.html (「不登校新聞」サイト)

◆サミラ・マフマルバフ監督トークショー&「午後の五時」上映会

http://office.twcu.ac.jp/international-office/koen/afueiga.html
日時:2004年 3月13日(土)
上映会 13:30−15:15
講演&ディスカッション 15:30−17:00
主催:五女子大学コンソーシアム
協力:東京テアトル、ムヴィオラ

対象:女性一般
入場無料 申込不要

場所:東京女子大学 善福寺キャンパス 24202教室
*JR西荻窪駅北口より徒歩12分。
(特別快速・通勤快速は停車しません。また、休日ダイヤでは、快速も停車しません。 総武線・東西線を利用するか吉祥寺駅をご利用ください。)
*バス利用のときは、
西荻窪駅北口(1番のりば)から吉祥寺駅行きで「女子大前」下車。
吉祥寺駅北口(3番のりば)から西荻窪駅行きで「女子大前」下車。
http://office.twcu.ac.jp/o-board/TWCU/access.html


『シービスケット』
上映時間 141分
製作年度 2003年
製作国・ 米
配給会社 UIP
監督 ゲイリー・ロス
製作 トビー・マグワイア/ゲイリー・ロス
原作 ローラ・ヒレンブランド
出演 ジェフ・ブリッジス/トビー・マグワイア/クリス・クーパー/E・バンクス

公式ホームページ http://www.seabiscuit.jp/

アカデミー作品賞、最優秀脚色賞など7部門でノミネートされた感動作。 実話をベースにしたベストセラー小説を、『スパイダーマン』のトビー・マグワイア主演で映画化作品。 38年、大恐慌時代のアメリカ国民に大いなる希望を与えた、一頭のサラブレッドに夢を託した騎手、 オーナー、調教師の三人の男たちの再起かけた奇跡の実話。


日比谷スカラ座ほか全国一斉ロードショー
日比谷スカラ座10:00/1:00/4:00/7:00〜終9:40


国際交流基金主催・アジア映画講座11「映画のアフガニスタン」
期間:3月2日(火)〜7日(日)
場所:国際交流基金フォーラム(港区赤坂2-17-22 赤坂ツインタワー1F)
   地下鉄銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分

復興をめざすアフガニスタンに焦点をあて、様々な視点のもとに、隣国イランや 日本の映画作家たちが制作したアフガニスタン関係の映画10本を上映。 監督などのトークもあります。

3/2(火) 19:00
『ヤカオランの春〜あるアフガン難民の生涯』(完成披露上映)
2004年/日本/監督:川崎けい子、中津義人
上映後 川崎けい子監督と中津義人監督によるトーク

3/3(水)19:00
『少年と砂漠のカフェ』
2001年イラン=日本/監督:アボルファズル・ジャリリ

3/4(木) 19:00
『少女の髪どめ』
2001年イラン/ 監督:マジッド・マジディ

3/5(金) 19:00
『アフガン 戦場の旅〜記者たちは何を見たのか』
上映後 吉岡逸夫監督によるトーク

3/6(土) 14:00
『よみがえれカレーズ』

3/6(土) 16:30
『もうひとつのアフガニスタン〜カーブル日記・1985年』
『在りし日のカーブル博物館・1988年』
2本立 上映後 土本典昭監督によるトーク

3/7(日) 13:00
『サイクリスト』
1989年/イラン/監督:モフセン・マフマルバフ

3/7(日) 15:00
『カンダハール』
2001年/イラン=フランス/監督:モフセン・マフマルバフ
『アフガン・アルファベット』
2002年/イラン/監督:モフセン・マフマルバフ
2本立 上映後 講演「日本と西アジアの関係について〜アフガニスタンを中心に」 モハマド・ナギザデ(明治学院大学国際学部教授)


チケット:1回券1000円、3回券2400円
問い合わせ:03-3265-1425(月〜金 10:00〜18:00)
http://www.jpf.go.jp/j/others_j/whats_j/0402/02-05.html


『フルタイムキラー』(原題:全職殺手)

随分前に香港では公開された後、なかなか日本公開されず待っていた作品。
反町隆史は冷静沈着、非情な殺し屋の”O(オー)”、アンディはオーを追い、 トップの座を狙っている新進の殺し屋”トク”。二人に深く関わる女性”チン”にケリー・リン。 まだ日本では馴染みの薄い女優さんですが、頑張っています。 サイモン・ヤムがベテラン刑事を演じ、ジョニー・トゥ組?の見知った俳優がそこここに。

殺し屋がそんなに派手に動き回っていいのか、とか警察の追撃は甘い、とか突っ込みどころ満載。 ま、いいか香港映画だし、主役はかっこいいし(またそれかい)。

監督:ジョニー・トゥ/ワイ・カーファイ
脚本:ワイ・カーファイ/ジョニー・オブライエン
出演:反町隆史/アンディ・ラウ/ケリー・リン/サイモン・ヤムほか
原作:エドモンド・パン

提供:彩プロ/ポニーキャニオン
配給:彩プロ 配給協力:松竹

2001/香港/カラー/101分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル
2004年2月21日(土)より 東劇、梅田ブルクほかにて公開

公式サイト >> http://www.fulltimekiller.net/



『味』

東京四谷で「済南賓館」を営んでいる佐藤夫妻は2人合わせて150歳。 妻の孟江さんは中国山東省済南で生まれ育った。青春時代に済南料理を習い覚え戦後日本に帰国。 文化大革命後伝統料理は廃れてゆき、夫妻は中国より「正宗魯菜(山東料理)伝人」の認定を受け、 中国に招かれて指導をすることになった・・・。

中国の料理界も高度成長のもと、伝統から離れた新しい料理がもてはやされている。 しかし「砂糖、化学調味料、ラードを使わない」という魯菜の基礎からはほど遠いものだった。 料理学院の指導者たちは声高にビジョンを語るが、夫妻の口も足取りも重くなってくる。

このドキュメンタリーを作ったスタッフは夫妻を「お父さん、お母さん」と呼ぶ。 近くなったり遠くなったりするカメラも、二人を労わって見守っているかのようだった。


監督:李纓(リー・イン)
撮影:堀田泰寛
出演:佐藤孟江/佐藤浩六/劉広偉
2003年ベルリン国際映画祭正式出品

2003年/日本/134分/カラー

配給・宣伝:イメージフォーラム+メディア・スーツ
イメージフォーラムHP >> http://www.imageforum.co.jp/
メディア・スーツHP >> http://www.mediasuits.co.jp/
12月20日〜 シアター・イメージフォーラムにて公開

家庭で作れるレシピも収録した「済南賓館物語」春秋社より発売中。
http://www.shunjusha.co.jp/book/75/75121.html

●シネマジャーナル60号に、 関連記事を掲載しています。
60号販売映画館(04.1.17現在): 下高井戸シネマ, キネカ大森, シネ・リーブル池袋, テアトル新宿, 名古屋シネマスコーレ, 銀座シネパトス, シネマミラノ


第14回にいがた国際映画祭

冬の新潟の風物詩として定着した“にいがた国際映画祭”、 今年も「イスラム ザ ワールド」「未来を担う映画監督」「映画に映し出されたオーストラリア」 の企画も含め、19の国と地域の23作品が上映されます。

公式ホームページ >> http://www.info-niigata.or.jp/‾eigasai/

【開催期間】 2004年2月21日(土)〜2月29日(日) 9日間
【チケット】 1回券800円(前売り・当日)
3回券2,000円(前売りのみ)
5回券3,000円(前売りのみ)
フリー券6,000円(前売りのみ)
*中学生以下無料
*新潟市内プレイガイドで1月下旬より前売り開始。
JR東日本の全てのびゅうプラザ、みどりの窓口ではチケット引換券を1月下旬より販売開始。 (会場にてチケットと交換)
【上映作品】 ■ オープニング上映
『チルソクの夏』(日本) ☆全国公開に先駆け公開
期日・会場 2月21日(土)市民プラザ

■ レスリー・チャン1周忌追悼上映“もういちど逢いたくて 張國榮”
『さらば,わが愛 / 覇王別姫』香港

■イスラム ザ ワールド
期日・会場 2月21日(土) 新潟・市民映画館シネ・ウインド
日本ではニュースなどで一部の情報しか伝わってこないイスラム圏の国々の映画を上映。 映画を通してイスラム圏の文化を紹介する。
『サラーム・シネマ』イラン
『アラク-白ナツメヤシの伝説』エジプト
『棺桶の中で宙返り』トルコ
『失われた子供たちの海岸』モロッコ
『西ベイルート』レバノン

■未来を担う映画監督
期日・会場 2月22日(日) 市民プラザ
日本、韓国共に男女人口比率はほぼ同じにも関わらず、映画監督の多くは男性です。 そのような中、才能を認められ監督デビューした、今後未来を担うであろう日韓の若手女性監督 (西川美和監督、モ・ジウン監督)のユニ−クな感覚で創られた作品の上映と、 両監督をゲストに映画、文化、恋愛等の違いや共通点を語っていただきます。 (ト−ク& 観客との質疑応答)。

『いい人がいたら紹介して(パーフェクト・マッチ)』(韓国)(全国先行上映,モ・ジウン監督来訪予定)
『蛇イチゴ』(日本)(西川美和監督来訪予定)

<ゲスト>
モ・ジウン監督(韓国)プロフィ−ル
1975年生まれ。映画アカデミ−に在学中『友へ/チング』(01)等のスト−リ−ボ−ド作家 (脚本を元に撮影するカット割り、絵コンテ等を構成する仕事)として活躍し、 その能力を認められ『いい人がいたら紹介して(パ−フェクト・マッチ)』で監督デビュ−。 現在2作目の脚本を執筆中。

西川美和監督(日本) プロフィ−ル
1974年広島県生まれ。是枝裕和監督に見出され、『ワンダフルライフ』(98) にフリーのスタッフとして参加。以来『M/OTHER』(99)、『人間の屑』(00)、 『ディスタンス』(01)等の作品にフリ-の助監督として加わる。 3年前より温めていた『蛇イチゴ』が、監督・脚本ともにデビュー作となる。

■映画に映し出されたオーストラリア
期日・会場  2月29日(日) 市民プラザ
1970年代〜2000年にかけて,オーストラリア国内外で注目を集め, オーストラリア文化・社会を映し出している映画を上映。

『ピクニック at ハンギングロック』オーストラリア
『ミュリエルの結婚』オーストラリア
『雲の下を』オーストラリア
『ランタナ』オーストラリア

◆その他上映作品
『夏休みのレモネード』アメリカ
『人生は,時々晴れ』イギリス・フランス
『ラガーン〜クリケット風雲録』インド(劇場未公開作品)
『ワニとジュナ』韓国(全国先行上映)
『パイラン』韓国
『ベアーズ・キス』カナダ(一般市民公募リクエスト作品)
『シーディンの夏』・『ベビーフェイス』台湾
『クルテク』チェコ、アニメーション
『クアトロ・ディアス』ブラジル
『ムーミン』ポーランド・オーストリア、アニメーション



『ショコラーデ』
監督:ダニー・レヴィ
脚本:ダニー・レヴィ/マリア・シュラーダー
出演:マリア・シュラーダー/ダニー・レヴィ/デビッド・ストラザーン/ジェフリー・ライトほか
音楽:ニキ・ライザー

題名から甘いラブロマンス?と想像したら、ミステリー仕立てのドイツ映画でした。

ニューヨークでたまたま出会った男女が、親の時代からの不思議な縁で結ばれていた ことが次第にわかってきます。
監督・脚本を主演俳優が兼ねています。自分たちが演じることにこだわって、 ハリウッドで製作することをやめたそう。主演の女優さんがちょっとシガニー・ウィーバー似。 美男美女カップルではない(俳優さんごめん)ですが、ストーリーは面白い。


1998/ドイツ/カラー/107分/シネマスコープ/ドルビーデジタル

配給:パンドラ
公式 HP >> http://www.pan-dora.co.jp/schokolade/index.html

2004年2月14日(土)より 日比谷スカラ座2にてバレンタイン公開


『TAIZO』
監督・撮影・ナレーション:中島多圭子
製作:奥山和由
音楽:深町純
声の出演:坂口憲二/川津祐介

                  

『TAIZO』制作・配給 チームオクヤマ
©2003映画『TAIZO』製作委員会

一ノ瀬泰造30周忌記念公開作品。
1973年11月、カンボジアのアンコールワットに潜入したまま消息を絶った若き戦場カメラマン一ノ瀬泰造。 泰造の無事を祈る両親のもとに2万コマのネガだけが届く。 軍隊仕込みの技術を持つ父とそれを手伝う母が一枚一枚写真を手焼きしていく。 1982年、アンコールワットにほど近い村にて、両親により遺骨が確認される。享年26歳。

彼の足跡を辿り、故郷の佐賀県武雄市、ベトナム、カンボジアと歩いて泰造を知る人々に話を聞き、 残された母、信子さんに寄り添うようにして作られたドキュメンタリー。
奥山和由率いるチームオクヤマは、1999年泰造の原作を元に 『地雷を踏んだらサヨウナラ』(浅野忠信主演)を映画化したが、 前作では語りきれなかったものをこれで言い尽くせたのかな。 泰造の思いを追いかけた中島監督の熱意と愛情がこもった作品。

2004年日本/90分

渋谷シネ・ラ・セットにて泰造命日にあたる11月29日(土)よりロードショー
11月29日(土)14:50の回上映前に奥山プロデューサー、中島監督の舞台挨拶

毎週火曜日19:00の回上映後、中島監督のトークがあります! (1月27日が最後です!)

公式 HP >> http://www.teamokuyama.com/taizo/index.html


●シネマジャーナル60号に、 中島監督のインタビューを掲載しています。
60号販売映画館(04.1.17現在): 下高井戸シネマ, キネカ大森, シネ・リーブル池袋, テアトル新宿, 名古屋シネマスコーレ, 銀座シネパトス, シネマミラノ
●Web版特別記事に11/25の記者会見レポート を掲載しています。


『オール・アバウト・シスターズ』
「映像女性学の会」
日 時:2004年1月31日(土)午後6時〜8時
会 場:渋谷・女性センターアイリス7階
参加費:1000円
問合せ:FAXで03−3306−2762(小野さん)へ

監督/酒井加奈
2002/DV/38分


女性監督作品の上映と監督自身のトークの会を月に2回開催している「映像女性学の会」で、 女性監督・酒井加奈さんを迎えて「オール・アバウト・シスターズ」が上映されます。 「オール・アバウト・シスターズ」は、2003年の 東京国際レズビアン・ゲイ映画祭で 「新たなるエロスたち〜日本公募短編集〜」のひとつとして上映された作品で、 セクシュアリティーの問題をコミカルに描いた小品です。 この作品が3作目と今後の活躍が期待される若い監督とのトークにもたっぷりと時間をとる予定とのこと。


『ブルース・オールマイティ』
監督:トム・シャドヤック
脚本:スティーブ・オーデカーク
音楽:ジョン・デブニー
衣装デザイン:ジュディ・ラスキン・ハウエル
特殊効果:デヴィッド・ケルシー
出演:ジム・キャリー/ジェニファー・アニストン/モーガン・フリーマン/リサ・アン・ウオルターほか

『エース・ベンチュラ』、『ライアーライアー』でコンビを組んだトム・シャドヤック監督と ジム・キャリーの3作目。 ローカルTV局でレポーターをしているが、憧れのキャスターには昇格できず不運を嘆くブルース。 悪態をついていると神様に呼ばれて、「そんなにいうなら自分でやってみろ」と。 大はしゃぎでスクープをものにし、やり放題。しかし長年の恋人の願いは彼の耳には届かなかった…。 笑えて泣けて、心がじんわり暖かくなる映画。 大歌手のトニー・ベネットがレストランの場面で聞かせる歌も素敵。

2003年/アメリカ映画/101分

2003年12月20日(土)日劇3ほか全国一斉ロードショー
第16回東京国際映画祭にて上映

公式 HP >> http://www.uipjapan.com/brucealmighty/
配給:UIP >> http://www.uipjapan.com/



『アイ・ラヴ・ピース』
『アイ・ラヴ・ユー』『アイ・ラヴ・フレンズ』に続く「アイ・ラヴ」シリーズ第3弾。
義肢装具士をめざす聴覚障害者の女性が、地雷で片足を失ったアフガンの少女と出会う。

監督:大澤豊
撮影監督:岡崎宏三
出演:忍足亜希子、林泰文

製作:映画「アイ・ラヴ・ピース」製作上映委員会
製作会社:有限会社 こぶしプロダクション
製作特別助成:中村ブレイス株式会社
製作助成:島根県、大田市、松江市、出雲市、浜田市、仁摩町、温泉津町、大社町
協力:アフガニスタン義肢装具支援の会

2003年/118min

2003年12月20日(土)より、銀座シネパトスで劇場公開
その他詳細は下記公式サイトでわかります。

公式 HP (インディーズ)>> http://www.cinema-indies.co.jp/ilovepeace/index.html
こぶしプロダクション HP >> http://member.nifty.ne.jp/kobushi-pro/

●シネマジャーナル60号に、 関連記事を掲載しています。


『バレット・モンク』
監督:ポール・ハンター
製作:チャールズ・オーウェン/テレンス・チャン/ジョン・ウー
音楽:エリック・セラ
出演:チョウ・ユンファ/ショーン・ウイリアム・スコット/ジェイミー・キング/カレル・ローデン/マコほか

ファンタスティック映画祭のクロージングで喝采を浴びて上映された、ユンファの3年ぶりの作品。 ストーリーはコミックを元にしたとか。 3つの預言を成就し、不老不死となり名を捨て60年間に渡り、 奇跡の経文を守るチベット僧がユンファ。経文を狙う悪の組織に追われ、 やってきたニューヨークで二人の若者に出会う。 スリのカーと、謎めいた美少女ジェイド。お約束の2丁拳銃さばきも見られる。

弱冠22歳の新進監督は、ナイキCM,ミュージックビデオのクリエイターとして才能を評価され、 本作で映画デビューを果たした。撮影の間中ヒップホップが流れていたそうだが、 映像もノリノリ。

2003年/アメリカ/カラー/104分

2004年1月17日(土) ニュー東宝シネマほか全国東宝系劇場にてロードショー

公式 HP >> http://dangun-bozu.jp/dangun-bozu/index.html



『フル・フロンタル』
監督:スティーブン・ソダーバーグ
脚本:コールマン・ハフ
製作:スコット・クレイマー/グレゴリー・ジェイコブズ
出演:ジュリア・ロバーツ/デヴィッド・ドゥカヴニー/キャサリン・キーナー/メアリー・マコーミックほか

映画に抜擢されたTV俳優に密着取材をする女性記者。空港での二人の場面からス タートし、そのあいだ、間にハリウッドのプロデューサーとその周囲の人間のエピ ソードが粗いビデオカメラの画面で挿入される。二重構造になっていて、え?と思っ た場面もあった。ブラッド・ピッドが本人役で登場。

2002年/アメリカ/ビスタサイズ/DTS,ドルビーデジタル,SDDS/101分

2003年12月20日より、シャンテシネ、新宿武蔵野館ほかにてロードショー
第16回東京国際映画祭にて上映

配給:東芝エンタテインメント株式会社(旧:アミューズピクチャーズ)

公式 HP >> http://fullfrontal.jp/fullfrontal/index.html



『飛ぶ教室』

原作者のエーリヒ・ケストナーは子どものための小説を書き続けたドイツの国民的作家。 『二人のロッテ』『点子ちゃんとアントン』『エミールと探偵たち』がすでに映画化されている。 どれにも元気な子供たちが登場し、泣いたり笑ったり悩んだりして成長してゆく。 大人社会の様々な問題も盛り込みながら、子供の視点から離れず自分が子供だった頃を思い出させる。

『飛ぶ教室』は、寄宿舎で生活する個性的な5人の男の子が主人公。原作は1933年に書かれ、 日本に紹介されたのは1950年のこと。当然社会も大きく変わっている。 映画は原作そのままでなく、現代風にアレンジされているので、 原作もこの際読んでみるっていうのはいかがでしょう。


監督:トミー・ヴィーガント
出演:ウルリヒ・ノエテン/セバスチャン・コッホ/アーニャ・クリング/
原作:エーリヒ・ケストナー

2003年/ドイツ/114分 配給:メディア・スーツ
11月22日(土)より 恵比寿ガーデンシネマにて公開

http://www.mediasuits.co.jp/tobu/



『MUSA 武士』
(2001年韓国 キム・ソンス監督作品)
〜俺たちは、灰になってもまだ燃える〜

この冬はチュ・ジンモ!!
韓国映画界の隠れたハンサム君、チュ・ジンモが出演する映画が続けて公開される。
>> 『ハッピー・エンド』

散りゆく運命と知りながら、「敵の姫」を守り抜いた武士達。
史実をもとに、彼らの記憶が壮大なスケールで甦る!
名優アン・ソンギ、若いながらベテランの感があるチョン・ウソンとともに
重要なチェ・ジョン将軍役を演じるのがチュ・ジンモ。
最初は頼りないが成長していく将軍をみせてくれる。

命をかけて守るべきものを守る男たちの姿にきっと涙するでしょう・・・。

ギャガ・ヒューマックス共同配給
12/13(土)新宿シネマスクエアとうきゅう他、全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.musa-jp.com/

●シネマジャーナル55号に、 中島監督のインタビューを掲載しています。
55号は、『MUSA(武士)』の上映期間中(〜1/23)、シネマスクエアとうきゅうで販売しています。


東南亜ニューウェイブとタイ新派電影セレクション

「真昼の不思議な物体」が多くの映画祭で高く評価されたアピチャッポン作品を含む 東南アジアのニューウェイヴ、必見の新作群!

日程:1/17(土)〜18(日)
会場:大阪・プラネット+1(大阪駅から徒歩6分のウルトラ・マニアック劇場)   http://go.to/planet1/

Aプロ
    《タイThai、マレーシアMalaysia、シンガポールSingapore若手新作》
『不滅の天空』★ Immortal SKY
  2002/Thai/46min
  監督●スワン・ファンシリサクン

◆性に興味を持ち始めた女高生はある日、エロ本を買って帰る。 一方タクシー運転手の父は若い女の客に性的妄想を膨らませ・・・。 二人は次第に性的カオスの中に取り込まれてゆく・・ 豊かなイメージと抑揚された巧みな表象で描く群像劇。
京都国際学生2003グランプリ受賞。

『15』
  2002/Singapore/DV/27min/英語字幕
  監督●ロイストン・タン

◆弱冠26歳、シンガポール・DV世代の超注目株。ポップでビザーレな東南亜新世界。 シンガポールの15歳の悪ガキ達。どんよりとした南国で刹那的な毎日を過ごす。 日本とのポップカルチャーにおける同時代性、 一方ミックスチャー社会シンガポールの猥雑性も鮮やかに描き、疾走する映像の快感。

『ティータイム・ウィズ ジョン』 Teatime with John
  2002/Malaysia/DV/15min/英語字幕
  監督●ジェームス・リー

◆スタイリッシュ・ノワールな世界を追求する、ジェームス・リー的世界。 ある日売りに出したアパート購入の下見に来た女は・・・どうやら自分の夫の不倫の相手らしいと、 うすうす気づいてゆく。ジェームスはアミール作品のプロデューサーも手がけ、 今後活躍が期待される新世代マレーシア映画界を牽引している人。
タイ短編映画・ビデオ映画祭2003 インターナショナル部門グランプリ受賞作品。

Bプロ
    《マレーシア最初のDV長編》
『リップス・トゥー・リップス』★Lips to Lips
  2000/DV/Malaysia/97min
  監督●アミール・ムハマド

◆マレーシア初のDV長編映画。監督は2003日本滞在中に短編を製作。 山形映画祭2003で「ビック・ドリアン」が特別賞受賞。

Cプロ
    《物語の再生》
『メー・ナーク』MAE NAK
  1997/Thai/16mm/34min/英語字幕
  監督●ピムパカ・トウィラ

◆タイで繰り返し映画・ドラマ化されている物語の新世代監督による 再構築・新解釈作品。 メー・ナークは、別監督による「ナン・ナーク」でも知られる、 難産で死亡した女の幽霊、 ナーク伝説を女性の視点から斬新に新解釈。監督のピムパカ・トウィラは、 「ワン・ナイト・ハズバンド」で03ベルリン映画祭で長編デビュー。

『メー・ヤナンの伝説』MAE YANANG/Like the Relentless Fury of the Pounding Waves
  1997/Thai/16mm/29min/英語字幕
  監督●アピチャッポン・ウェラセータクン

◆02カンヌ「ある視点」受賞監督、 アピチャッポンの「メー・ヤナンの伝説」は、 航海を守る女神、メー・ヤナンの物語を軸に、故郷のタイの田舎街を舞台にイマジネーションが飛翔し、もつれる。

『マイアミ・ストリップ、ハリウッドドリーム』Miami Strips, Hollywood Dreams
  1999/Thai/16mm/28min/英語字幕
  監督●リー・チャタメティクン

◆ピムパカ、アピチャッポン新作の編集者しとても卓抜な才能を証明しているリー・チャタメティクンの中編 「マイアミ・ストリップス・・・」は、アメラシアン(タイ・アメリカハーフ)の男とホステスのタイ女の理想郷、 アメリカへの夢想を古きよき時代のタイ映画のアーカイブ画像を巧みにちりばめて魅せる。

  1/17(土) PM3:00〜A  5:00〜B  7:00〜C 
  1/18(日) PM3:00〜C  5:00〜B  7:00〜A

  一般●¥1200
  会員1プロ●¥1000 会員3プロ●¥2500


第4回彩の国さいたま中国映画祭

SARSの影響で日本側代表団の訪中が延期になるなど、中国映画ファンをやきもきさせましたが、 第4回彩の国さいたま中国映画祭が2004年1月に川口SKIPシティで開催されます。

日時:平成16年1月10日(土)、11日(日)、12日(祝)、17日(土)

会場:SKIPシティ・彩の国ビジュアルプラザ
バス便 国際興業バス時刻表
JR川口駅から約14分(東口7番のりば、西川口駅東口行・鳩ヶ谷公団住宅行「SKIPシティ」下車)
埼玉高速鉄道鳩ヶ谷駅から約10分(西口3番のりば、SKIPシティ経由川口駅東口行「SKIPシティ」下車、川口駅東口行「上青木小学校」下車)


チケット:チケットぴあで発売中。
(注意:前売券には1回券・3回券の2種類があります。1回券は日時指定です。 前売券・当日券ともに会場受付で整理券と引き換える必要があります。 引き換えは当日1回目上映の30分前に始まります。 また入場は、前売1回券、前売3回券、当日券の順での整理券番号によります。)

上映スケジュール:
  10:30〜 ※14:30〜 17:30〜
1月10日 父さんの子は25人
張美麗先生の脚
こころの湯
  11:00〜 14:00〜 17:00〜
1月11日 張美麗先生の脚
紙飛行機
宋家の三姉妹
1月12日 こころの湯
父さんの子は25人
愛にかける橋
1月17日 愛にかける橋
紙飛行機
宋家の三姉妹
※1/10(土)『張美麗先生の脚』上映に先立ち、 14:00から舞台挨拶・中国南方獅子舞披露が予定されています。
ゲスト:江平さん(『紙飛行機』監督)、楊亜州さん(『張美麗先生の脚』監督)、 娜仁花さん(『紙飛行機』主演女優)

詳しくは下記公式ページをご覧ください。

公式 HP >> http://www.pref.saitama.jp/A02/BP00/kouryuu/enterprise/movie2003.html


※『愛にかける橋』はシネマジャーナル60号の 「あいち国際女性映画祭2003」の記事で取り上げています。

※記者会見(1/10)の様子:

ヤン・ヤーチョウ監督

チアン・ピン監督

ナー・レンホアさん
※舞台挨拶(1/10)の様子:

中国南方獅子舞

舞台挨拶
(撮影:宮崎)


『エヴァとステファンとすてきな家族』
監督・脚本:ルーカス・ムーディソン(『ショー・ミー・ラブ』)
出演:エンマ・サミュエルソン/サム・ケッセル/リーサ・リンドグレン/ミカエル・ニュークヴィストほか

夫婦喧嘩の末、ママとエヴァとステファンは叔父さんの家にやってくる。そこはヘン テコな人達が一緒に住むコミューン「Together」だった。 1975年のストックホルムを舞台に、人と人の繋がりを温かい目で見つめている。 主題歌はアバの「S・O・S」

2000年/スウェーデン/106分/カラー/ドルビー/原題:Tillsammans
11月29日〜、銀座テアトルシネマにて公開
配給:ビターズ・エンド
http://www.bitters.co.jp/cmngsn.html
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