女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
過去の映画作品紹介(2007年)

『ラッキーナンバー7』  『スキトモ』  『不都合な真実』  『マイ・シネマトグラファー』  『それでもボクはやっていない』  『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』  『僕は妹に恋をする』  『マリー・アントワネット』  『エレクション』  『幸せのちから』  『幸福な食卓』  『輝く夜明けに向かって』  『フィレーネのキライなこと』  『あなたを忘れない』  『ユメ十夜』  『ルワンダの涙』  『夏物語』  『墨攻』  『ピンチクリフ・グランプリ』  『世界最速のインディアン』  『カンバセーションズ Conversation(s)』  『スターフィッシュホテル』  『長州ファイブ』  『華麗なる恋の舞台で』  『マジシャンズ』  『モーツァルトとクジラ』  『となり町戦争』  『チョムスキーとメディア 〜マニュファクチャリング・コンセント〜』  『エクステ』  『キャプテントキオ』  『孔雀 —我が家の風景—』  『さくらん』  『素敵な夜、ボクにください』  『叫 さけび』  『絶対の愛』  『ボッスン・アップ』  『ボビー』  「進化する日本映画〜Evolving Japanese Cinema」  「EARTH VISION 第15回 地球環境映像祭」  「アラブ映画祭2007」  「フランス映画祭2007」  『ニューヨークで暮らしています 彼女たちがここにいる理由』  「イタリア映画祭2007」  「韓国アートフィルム・ショーケース」  「日本クラシック、海外発信中!」  「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007(第4回)」  『パフューム −ある人殺しの物語−』  『龍が如く 劇場版』  『ダウト』  『蒼き狼 地果て海尽きるまで』  『約束の旅路』  『サン・ジャックへの道』  『ナヴァラサ』  『棚の隅』  『渋谷区円山町』 『ポイント45』 『フランシスコの2人の息子』 『黒い眼のオペラ』  『素粒子』  『蟲師』  『ブラックブック』  『アルゼンチンババア』  『クロッシング・ザ・ブリッジ 〜サウンド・オブ・イスタンブール〜』  『ヘレンケラーを知っていますか』  『ホリデイ』  『情痴 アヴァンチュール』  『忍者』  『檸檬のころ』  「第2回難民映画祭」  「国際交流基金映画講座2007-1 ヤスミン・アハマドとマレーシア映画新潮」 『黄色い涙』  『ママの遺したラヴソング』  『プロジェクトBB』  『13/ザメッティ』  『オール・ザ・キングスメン』  『ふるさと—JAPAN』  『かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート』  『ツォツィ』  『ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド』  『輝ける女たち』  『恋しくて』  『明日、君がいない』  『アボン/小さい家』  『机のなかみ』  『フライ、ダディ』  『あしたの私のつくり方』  『イノセントワールド —天下無賊—』  『ストリングス〜愛と絆の旅路〜』  『バベル』  『恋愛睡眠のすすめ』  『ザ・ライド〜ハワイアン・ビーチ・ストーリー』  「日中国交正常化35周年記念 2007年中国映画祭」  「第3回アジア海洋映画祭イン幕張」  「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2007」  「ビョン・ヨンジュ監督特集 [上映+トーク]」  「第3回甲賀映画祭」  「第20回東京国際映画祭」  『メイド 冥途』  『歌謡曲だよ、人生は』  『14歳』  『寂しい時は抱きしめて』  『しゃべれども しゃべれども』  『ひめゆり』  『GOAL!2』  『COMANDANTE コマンダンテ』  『ボラット』  『毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』  「第10回京都国際学生映画祭」  『つばさ』(澤登翠活弁リサイタル)  『映画は生きものの記録である 土本典昭の仕事』  『それでも生きる子供たちへ』  『恋する日曜日 私。恋した』  『Watch with me 〜卒業写真〜』  『選挙』  『プレステージ』  『雲南の少女 ルオマの初恋』  『図鑑に載ってない虫』  『ジェイムズ聖地(エルサレム)へ行く』  『イラクー狼の谷ー』  『リサイクル—死界—』  『エマニュエルの贈りもの』  「エロチック乱歩」  『吉祥天女』  『そして、デブノーの森へ』  『シュレック3』  『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』  『石の微笑』  『ボルベール<帰郷>』  『Genius Party(ジーニアス・パーティ)』  『アドレナリン』  「こわい童謡」  『傷だらけの男たち』  『レッスン!』  『私たちの幸せな時間』  『ルネッサンス』  『童貞ペンギン』  「ヒロシマ、爆風ののちに」  『ゴースト・ハウス』  『幸せの絆』  「中国映画の全貌2007」  『インランド・エンパイア』  『モン族の少女 パオの物語』  『陸に上がった軍艦』  『天然コケッコー』  『夕凪の街 桜の国』  『ヒロシマナガサキ』  『リトル・チルドレン』  『フロストバイト』  『水になった村』  『トランスフォーマー』  『消えた天使』  『怪談』  『おやすみ、クマちゃん』  『トランシルヴァニア』  『ドッグ・バイト・ドッグ』  『呪怨 パンデミック』  『キャプテン』  『純愛』  『スプリング☆デイズ』  「シネマコリア2007」  『酔いどれ詩人になる前に』  『ベクシル ‐2077 日本鎖国‐』  『WHITE MEXICO』  『長江哀歌(ちょうこうエレジー)』  『阿波DANCE(アワダンス)』  『たとえ世界が終わっても』  『TAXi4』  「韓流シネマ・フェスティバル2007 ルネサンス」  『ショートバス』  『親父』  『ファイアー・ドッグ 消防犬デューイの大冒険』  『ウィッカーマン』  『チャーリーとパパの飛行機』  『オフサイド・ガールズ』  『PUNK'S NOT DEAD』  『ミリキタニの猫』  『ワルボロ』  「喜劇特急第8幕〜落語だいすき!」  『GROW −愚郎−』  「マザー・テレサ メモリアル『母なるひとの言葉』+『母なることの由来』」  『題名のない子守唄』  『ヴォイス・オブ・ヘドウィグ』  『ボーイ・ミーツ・プサン』  『アーサーとミニモイの不思議な国』  『夜の上海』  『めがね』  『サルバドールの朝』  『おやすみ、クマちゃん』  『Mayu-ココロの星-』  『ディテクティヴ』  『エディット・ピアフ 愛の讃歌』  『ローグ アサシン』  『私の胸の思い出』  『白い馬の季節』  『パンズ・ラビリンス』  『ナルコ』  『北極のナヌー』  『ふみ子の海』  『カンフー無敵』  『クワイエットルームにようこそ』  『ヘアスプレー』  『ヒートアイランド』  『アフロサムライ』  『ゾンビーノ』  『自虐の詩』  『この道は母へと続く』  『犯人に告ぐ』  『アレックス・ライダー』  『愛の言霊』  『ヴィットリオ広場のオーケストラ』  『北京の恋〜四郎探母〜』  『鳳凰 わが愛』  『ONCE ダブリンの街角で』  『ノートに眠った願いごと』  『僕のピアノコンチェルト』  『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』  『やじきた道中 てれすこ』  『ロンリーハート』  『いのちの食べかた』  『花蓮の夏』  『風の外側』  『カルラのリスト』  「第8回東京フィルメックス」  『フライボーイズ』  『君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956』  『ソウ4』  『肩ごしの恋人』  『ヒッチャー』  「伊勢真一監督作品 特集上映」  『サラエボの花』  『ダーウィン・アワード』  『おそいひと』  『マリッジリング』  『やわらかい手』  「韓国映画ショーケース2007」  『花の夢〜ある中国残留婦人〜』  『夜顔』  『眠れる美女』  『中国の植物学者の娘たち』  『Little DJ 小さな恋の物語』  『チャプター27』  『ペルセポリス』  『タクミくんシリーズ そして春風にささやいて』  『かぞくのひけつ』  『再会の街で』  『迷子の警察音楽隊』  『ルイスと未来泥棒』  『パルス』 

2007年1月13日〜

『ラッキーナンバー7』(原題:Lucky Number Slevin)

監督:ポール・マクギガン
脚本:ジェイソン・スマイロヴィック
出演:ジョシュ・ハートネット(スレヴン),ブルース・ウィリス(グッドキャット),ルーシー・リュー(リンジー),モーガン・フリーマン(ボス),ベン・キングズレー(ラビ)、スタンリー・トゥッチ(ブリコウスキー捜査官)

仕事を首になり、ニューヨークの友人ニックを頼ってきたスレヴン。ところが、ついたとたんに強盗に襲われて鼻を折られるは、ニックの部屋の隣人リンジーには、シャワー上がりの素っ裸を見られるは、さらには裸のまま謎の男たちに連れ去られてしまう。どうやら留守にしているニックと勘違いされているらしい。ボスに借金の返済を迫られ、金がないなら敵対するラビの息子を暗殺しろと言われる。ようやく部屋に戻ると、また別の男たちに連れ去られ、今度はラビの元へ。彼からも借金を返せと言われる始末。どうやらとことんついていないらしい。しかし、ボスとラビの元には、怪しげな男の影があった。

この出演者たちを観れば、面白い映画を期待せずにはいられません。
脚本も伏線がいっぱいで、それらが最後に集約していく様は、読んでいてさぞや面白かったのでしょう。この脚本に惹かれて、これだけの役者たちがこぞって出演を希望したというのが分かります。あぁ、それなのに、何故こんなに謎解きの爽快感がなく、妙なまったり感が残るのでしょう。ブルース・ウィリスが格好良すぎて、他の素晴らしい俳優たちの魅力を生かし切ってるとは言い難く、とっても残念でした。(梅)

2005年/アメリカ/35mm/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/111分/R-15
提供:アートポートxハピネット
配給:アートポート

公式 HP >> http://www.lucky-movie.jp

★2007年1月13日(土)より、丸の内プラゼール、新宿ジョイシネマ他全国松竹・東急系公開


『スキトモ』

監督:三原光尋(『村の写真集』)
脚本:金杉弘子
撮影:芦澤明子
出演:斎藤工、相葉弘樹、小松愛梨、寉岡瑞希、西秋愛菜

蒼井智和(斎藤工)は、ボクシング部で活躍する大学三年生。 ボクシング部の練習や試合の場には、同じ大学の1年生で幼馴染みの斉藤ヨシキ(相葉弘樹)や、 中学3年生の妹.みさお(小松愛梨)が、いつも駆けつけている。 実はみさおは血のつながらないお兄ちゃんに恋をしていて、 何かとお兄ちゃんと仲のいいヨシキに嫉妬しているのだった。 一方、ヨシキも智和に恋心を抱いていた!!

同性愛と兄妹愛の三角関係... といっても、爽やかな青春物語。
ミュージカル「テニスの王子様」で共演した斎藤工と相葉弘樹の二人が いまどきの若者らしい甘〜い雰囲気。 若いっていいなと、はるか昔を思い出しました!(咲)

2006年/日本/67分/カラー/ビスタサイズ

製作:バンダイビジュアル/トライネットエンタテインメント/ビデオプランニング
宣伝:グアパ・グアポ
配給:ビデオプランニング

2007年1月13日(土)〜 渋谷シアターイメージフォーラムにてレイトショー
2007年2月3日(土)〜 大阪シネ・ヌーヴォにてレイトショー
2007年2月3日(土)〜 名古屋シネマ・スコーレにてレイトショー
公式HP>>  http://sukitomo.com/



2007年1月20日〜

『不都合な真実』An Inconvenient Truth

監督:デイビス・グッゲンハイム
製作総指揮:ジェフ・スコル、デイビス・グッゲンハイム、ダイアン・ワーアーマン、リッキー・ストラウス。ジェフ・アイヴァース
製作:ローリー・デイヴィッド、ローレンス・ベンダー、スコット・Z・バーンズ
出演:アル・ゴア

元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏は、学生時代から環境問題について関心を持ち、 議員になってからも長年取り組んできた。 2000年の大統領選でブッシュに敗北したが、以後は地球温暖化問題を伝える活動を開始する。 多くの問題を提起し、何をしなければならないか、何ができるのかを人々に訴えて回ることにしたのだ。 彼はスーツケースにパソコンとスライドをつめてアメリカだけではなく、 ヨーロッパ、アジアへもスライド講演に出かけ、その数はすでに1000回を越える。 その講演を聴いたジェフ・スコル(『シリアナ』、『スタンドアップ』製作)が、 映画化を提案、この作品が完成した。 アメリカのドキュメンタリー史上記録的なヒットとなっている。

地球が瀕している危機的状況が、たくさんのわかりやすいグラフや、 過去と現在を比較した写真などで知らされます。 「不都合な真実」を、ゴア氏はまじめに、ユーモラスな語り口で紹介しますが、 のんびりしてはいられないのだとひしひしと感じます。
予告編を観ているだけでも十分に驚きますよ。ただ脅かすだけでなく、 「今すぐ一人から始められることもあります」とこのドキュメンタリーは結びます。 私はその一つを今クリアしました。“この映画を観て友達に知らせましょう” (白)

2006年/アメリカ/カラー/1時間36分/ヴィスタ/ドルビーデジタル
配給:UIP

http://www.futsugou.jp/  (すぐ予告編が始まり,音声が出ますのでご注意!)

2007年1月20日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
★東京国際映画祭 特別招待作品として上映決定!
10/24(火) 於:TOHOシネマズ六本木ヒルズ


『マイ・シネマトグラファー』

製作・監督・ナレーション:マーク・S・ウェクスター
撮影:マーク・S・ウェクスター、サラ・リヴィ
音楽:ブレーク・リー
出演:ハスケル・ウェクスラー、ビル・バトラー、ビリー・クリスタル、マイケル・ダグラス、ジェーン・フォンダ、ミロス・フォアマン、デニス・ホッパー、ロン・ハワード、ノーマン・ジュイソン、ジョージ・ルーカス、ジュリア・ロバーツ、シドニー・ポワチアエ、マーチン・シーンほか

=『アメリカン・グラフティ』を撮った男。伝説の撮影監督の真実が今、明らかになる=

『バージニア・ウルフなんかこわくない』(’66)、 『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』(’76) で2度オスカーを手にしたハリウッドの名カメラマン、ハスケル・ウェクスラー。 これは実子のフォト・ジャーナリスト、マーク・S・ウェクスターが 80歳を越えた父と向き合い、真の姿を見出そうとした記録である。

「今まで自分が撮影した作品を自分が監督していれば、もっといい作品になった」 と言うハスケル、カメラを向ける息子にもいちいち注文が飛んでくる。 今何をしているの?と説明を求める息子に、 ハスケルは「お前はドキュメンタリーを撮っているんだろ、淡々と映すうちに何かが起こる。 出来事は必然なんだ。気づけば幸運。気づかなきゃそれまで。 説明するなんて、観客に対する裏切りだよ」とびしびし。 かつて仕事をした俳優や監督にハスケルについてのコメントを、と思うと 「彼らの言葉で俺の人物伝なんか作るな」とくる。 “プロ中のプロ”と仕事仲間から賞賛される父を持った息子の心中やいかばかり。 同じく有名な父を持ってしまったジェーン・フォンダの言葉が温かい。(白)

2004/アメリカ/95分/カラー/ビスタ/35mm
提供:レイドバックコーポレーション 配給:グラッシィ
© 2004 WEXLER'S WORLD,INC. ALL RIGHTS RESERVED
http://www.glassymovie.jp/mycinema/

2007年1月20(土) 渋谷Q‐AXシネマにてモーニング&レイトショー



『それでもボクはやってない』

監督・脚本:周防正行
製作:亀山千広
撮影:栢野直樹
照明:長田達也
美術:部谷京子
音楽:周防義和
編集:菊地純一
出演:加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、田中哲司、光石研、尾美としのり 小日向文世、高橋長英、役所広司、大森南朋、鈴木蘭々、唯野未歩子、山本浩司、大和田伸也 清水美砂 竹中直人、正名僕蔵ほか

就職活動中の金子徹平(加瀬亮)は、会社面接に向かう満員電車で痴漢に間違えられ、 現行犯逮捕されてしまった。警察で無実を主張するが、担当刑事に自白を迫られ、 留置場に勾留されてしまう。勾留生活の中で、孤独感と焦燥感に苛まれる徹平。 さらに、検察庁での担当検事の取り調べで無実の主張が認められず、ついに徹平は起訴されてしまう。 刑事事件で起訴された場合、裁判での有罪率は99.9%と言われている。 徹平の無罪を信じる母や友人が見守る中、ついに裁判が始まった…。

大ヒット作『Shall We ダンス』の周防正行監督が11年ぶりに、 今までのコミカルな作風をがらりと変え、刑事裁判や痴漢冤罪事件の検証、 考察を3年間に渡り取材し、それを元に社会派映画『それでもボクはやってない』を完成させた。
これはもうすぐ始まる「陪審員制度」を見据えたテーマですが、 知らずに関わってしまうと大変なことになりそう…。 映画は二時間半近くありますが、こんな事態になったら怖い! 自分だったらどうするんだろう?と主役、加瀬亮こと金子徹平と一緒に、驚き、怒り、戸惑い、 気落ち、等々を共に体験する映画です。
出演者すべての演技が自然で、誰もが、その場面の主役として演じきっています。 特に際立っているのが、新旧の裁判長(正名僕蔵と小日向文世)と事件の目撃者(唯野未歩子)です。俳優さんのうま味がたっぷり出た映画でもあります。
試写の後、渡された用紙に判決を下すのですが、もちろん「無罪」と書きました。(美)

2006年/日本/2時間23分/カラー/ビスタビジョン/ドルビー
http://www.soreboku.jp/
2007年1月20日より 全国東宝系ロードショー


『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』(原題:Brothers of the Head)

共同監督:キース・フルトン&ルイス・ペペ(『ロスト・イン・ラ・マンチャ』)
脚本:トニー・グリゾーニ(『ローズ・イン・タイドランド』)
原作:ブライアン・オールディス(『A.I.』)
出演:ハリー・トレッダウェイ、ルーク・トレッダウェイ、ブライアン・ディック、ショーン・ハリス、ケン・ラッセルほか

イギリス東海岸のレストレンジ岬で世間と隔絶されて育った結合双生児のトムとバリーは、18歳の時に父によって興行主ザック・ベダーウィックに売られた。彼らは楽器を教えられ、1975年にロックバンド”ザ・バンバン”を結成してデビュー。観客の好奇の目と、罵声の中、臆することなく身体をさらけ出し、シャウトする彼らはロックそのものであり、ブリティッシュ・ロックシーンに大きな衝撃を与えた。しかし、わずか10ヶ月で活動を中止。伝説となった彼らの軌跡を追うドキュメンタリー、のようなフィクション。

何も知らずに観ていたら、本当にこんなバンドがいて、そのドキュメンタリー作品だと思いこむところでした。これまで『ロスト・イン・ラ・マンチャ』などのドキュメンタリー作品を撮ってきた二人が、その経験を生かして、フィクションだけれどもまるでドキュメンタリーのようなリアルさを追求したユニークな作品を作り上げました。結合双生児を演じた新人のハリー&ルーク兄弟は一年もかけて、バンドの練習や結合双生児としての役作りをしたそうです。妖しく美しい二人が、孤独と恐怖にさいなまれ、ドラッグ漬けになって堕ちていく姿に、目が釘付けになりました。彼らが歌うオリジナルの楽曲も当時のパンクへとつながる雰囲気を持っていて、グッドです。(梅)

2006年/イギリス/カラー/93分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/日本語字幕:石田泰子
提供:フィルム・フォー
共同提供:EMメディア
製作:ポットボイラー
配給:アスミック・エース

公式 HP >> http://www.brothers-head.com/

★2007年1月20日(土)より、シネマライズほか全国順次ロードショー
 東京国際映画祭特別招待作品
 オリジナル・サウンドトラック 2007年1月 ビクターエンタテインメントより発売


『僕は妹に恋をする』

監督・脚本:安藤尋
原作:青木琴美「僕は妹に恋をする」(小学館)
音楽:大友良英
出演:松本潤(結城頼),榮倉奈々(結城郁),平岡祐太(矢野立芳),小松彩夏(楠友華)、浅野ゆう子(結城咲)

頼と郁は双子の兄妹。幼い頃に「郁は僕のお嫁さんだよ」とシロツメクサの指 輪をプレゼントする程、仲が良かった二人。高校生になった今、頼は何故か郁 に冷たく振る舞い、郁は悩んでいる。頼の友人でもある矢野に交際を申し込ま れて、どうしようかと相談しても、頼の答えは「郁の好きにすれば」とつれな い。しかしある晩、頼は眠る郁の唇にキスしようとする。目を覚まして驚く郁 に、頼は堰を切ったように秘めた思いを打ち明ける。「ずっと好きだった…」


©「僕妹」フィルムパートナーズ

大ヒットコミックの映画化。最近本当に多いです。原作の世界を忠実に実写化 する作品が多いですが、この作品は違います。コミックの方は、かなりエロ ティックな場面がふんだんにあり、彼らの秘密が外の人間に知られそうになる ハラハラ感があります。しかし、この映画はベースの部分だけ同じで、ストー リーは独自のもの。頼と郁の内面的な葛藤が主になっています。それで122分 あるのは、ちょっと長いと感じてしまいました。
果たしてこの違いは原作ファンに受け入れられるのでしょうか?
郁役の榮倉奈々は映画初主演ですが、笑顔がとても魅力的です。(梅)

松本潤は『東京タワー』で人妻の寺島しのぶを誘惑する大学生を演じていました。この作品は妹への思いに悩む高校生で、かなり雰囲気が違います。でもこのお話、妹が兄を好きじゃなかったら性的虐待。高校生にもなった兄妹が同じ部屋、2段ベッドで寝てるってところから間違ってます! お母さんが台所で寝てでも別の部屋にするべき! と親心・・いや老婆心を起こしてしまいました。そんな硬いこと言わず少女漫画として楽しみましょう、なのですかねぇ。(白)

2006年/日本/122分/ビスタサイズ(1:1.85)/DTSステレオ/PG-12
製作:東芝エンタテインメント、小学館、日本テレビ放送網、ジェイ・ストーム、ズームエンタープライズ
配給:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://www.Bokuimo-themovie.com/

★1月20日(土)より、恵比寿ガーデンシネマ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

マスコミプレス プレゼント!

ジャニーズ事務所「嵐」の松本潤の初単独主演作『僕は妹に恋をする』 がいよいよ1月20日から公開されます。妹郁役の榮倉奈々の笑顔が、ほんとに可愛くて、 禁断の恋に落ちてしまうのも納得してしまいます。
公開を記念して、3名様に、写真満載のマスコミプレスをプレゼントします。
ご応募お待ちしています!

*応募要領*
氏名、住所、シネマジャーナルHPの感想をご記入の上 cinemajournalhp@yahoo.co.jp  宛メールで応募してください。
(件名に「僕妹マスコミプレス希望」と記入のこと)

締切り: 1月19日(金)

応募者多数の場合は、抽選の上、3名様にお届けします。

マスコミプレス表紙


『マリー・アントワネット』

監督・脚本: ソフィア・コッポラ
撮影:ランス・アコード
衣装:ミレーナ・カノネロ
美術:K.K.バーレット
原作:アントニア・フレイザー「マリー・アントワネット」上下巻 早川書房刊
出演:キルステン・ダンスト(マリー・アントワネット)、ジェイソン・シュワルツマン(ルイ16世)、アーシア・アルジェント(デュ・バリー夫人)、マリアンヌ・フェイスフル(マリア・テレジア女帝)、ジュディ・デイヴィス(ノアイユ伯爵夫人)、リップ・トーン(ルイ15世)、スティーヴ・クーガン(メルシー伯爵)、ジェイミー・ドーナン(フェルゼン伯爵)、ローズ・バーン(ポリニャック公爵夫人)、オーロール・クレマン(シャール公爵夫人)、モーリー・シャノン(ヴィクトワール内親王)ほか

=恋をした、朝まで遊んだ、全世界に見つめられながら。=

オーストリア皇女のアントワーヌは、母親である女帝マリアテレジアの命により、 フランス王太子へ嫁ぐことになった。まだ14歳。 フランス王家のしきたりに従い、国境で全てのものを脱ぎ捨て、 フランスの衣服に着替えなければならない。 愛犬とも泣く泣く別れ、オーストリア大使のメルシー伯爵だけを頼りに、 マリー・アントワネットとしてフランス王族の仲間入りをする。 将来のルイ16世となる夫のオーギュストもまだ15歳の少年、世継ぎを期待されているが、 ベッドを共にしてもまるで妻に関心がなかった。 マリーは孤独を紛らわすために、靴やドレス、お菓子にシャンパンの浪費、 夜毎のパーティにギャンブルへとのめりこんでゆく。

ソフィア・コッポラ監督は今までに語られた歴史上のマリー・アントワネットでなく、 14歳で王家に嫁ぎ、18歳で王妃となった1人の少女の内面と成長を描きたかったそうです。
奇奇怪怪なヴェルサイユの慣習に「馬鹿みたい」と驚きながらも従わねばならず、 プライバシーもない生活を続け、夫と結ばれるのは結婚して7年後! 待望の男子に恵まれるのはさらに後。 心の隙間を埋めるような、ドレスに靴に花にケーキetc。 まるで女性雑誌のグラビアのような画面に、同年齢の女の子が共感できるマリーを思いました。 背景は特別ですが。歴史物でなく、女の子のストーリーとして楽しく観られます。 ロケーション協力を得たヴェルサイユ宮殿がすばらしい! 民衆からどれほど吸い上げてきたことやら。
ルイ16世役のジェイソン・シュワルツマンは監督といとこ同士 (母はF・コッポラ監督の妹タリア・シャイア)、 ということはニコラス・ケイジ(父がF・コッポラ監督の兄)ともいとこで、 だから眉と目が似てるんだと納得。(白)

2006/アメリカ・フランス・日本合作/カラー/2時間3分/ビスタサイズ
提供・配給:東宝東和、東北新社

http://www.ma-movie.jp/

2007年1月20日(土)〜日劇3ほかにて全国ロードショー!
コサージュつき特別鑑賞券発売中。数に限りがあります。



©2005 I Want Candy LLC.


『エレクション』(原題:黒社會)

監督:杜[王其]峰(ジョニー・トー)
脚本:游乃海(ヤウ・ナイホイ)、葉天成(イップ・ティンシン)
撮影監督:鄭兆強(チェン・シウキョン)
出演:任達華(サイモン・ヤム)、梁家輝(レオン・カーファイ)、古天楽(ルイス・クー)ほか

香港の裏組織”和連勝会”は2年に一度、幹部たちによる選挙で会長を決めている。今回はロクとディーという全くタイプの違う二人が候補者だ。冷静沈着で年長者を敬うロクに対し、短気で派手好き、強引な手法で相手を引き込むディーは、なりふり構わぬ裏工作をしていた。結果は最も皆の信頼が厚い長老のタンの一言で、ロクが新会長と決まる。しかしディーは承伏せず、会長の証として引き継がれてきた”龍頭棍”をロクに渡さぬように、現会長のチョイガイを脅す。混乱を恐れたチョイガイは手下に”龍頭棍”を持って広州に逃げるよう命ずる。ロク、ディー双方の陣営による争奪戦が始まった・・・

組織の中で唯一無二の権力を掴もうとする男たち。その剥き出しの欲望を、スピーディーでスリリング、そしてスタイリッシュに描き出した傑作。人間の強欲さに身震いし、息をのむ結末まで、片時も目が離せない。作品は2006年香港電影金像奬で最優秀作品、監督、脚本、主演男優賞(梁家輝)と主要4部門を受賞した。すでに香港などでは『エレクション2/黒社会2以和為貴』も公開されている。こちらは2年後、ロク(任達華)とジミー(古天楽)が対峙することになる。
11月に開催される第7回東京フィルメックスでは、一足早く、しかも1と2の両方が上映されるので、一刻も早く観たい方は、こちらへどうぞ。(梅)

マギー・シュー以外男ばかり、『ザ・ミッション』、 『PTU』を思い出す男たちの映画でした。 このところ警察側の役が続いていたサイモン・ヤムが、 人当たりの良い笑顔を見せながら非情な殺しもできるロクを演じています。 そういえばこの人、昔は異常な殺人鬼役もやっていたのを思い出しました。 やたらテンションの高いディー役のレオン・カーファイが目立ちますが、 二人甲乙つけがたい熱演。ジョニー・トー組と言えるお馴染みの面子を始め、 脇の俳優さんたちが多くて、だれがだれやら、ちょっとわかりにくいかもしれません。
儀式の場面から無駄なく積み上げられたエピソードは、どう取材したのかと思うほどリアル。 私はもちろん知りませんが、そう見えます。銃よりも、ナイフや石を使った痛い場面が多く、 思わず目をつぶりました。権力に狂う男たちの中で、ロクの息子の行く末が心配です。 2を観なくては!(白)

2005年/香港/101分/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD
提供:東京テアトル/エイベックス・エンタテインメント/ツイン
配給:東京テアトル/ツイン
宣伝:メゾン

http://www.eiga.com/official/election/

★1月20日(土)より、テアトル新宿にて公開

第7回東京フィルメックス 11/19(日) 13:00- 『エレクション』 11/20(月) 19:00- 『エレクション2』上映


2007年1月27日〜

『幸せのちから』the PURSUIT of HAPPYNESS

監督:ガブリエレ・ムッチーノ『The Last Kiss』、『Remember Me My Love』
製作総指揮:マーク・クレイマン、ディヴィッド・アルパー
脚本:スティーヴン・コンラッド
撮影:フェドン・パパマイケル
音楽:アンドレア・グエッラ
出演:ウィル・スミス(クリス・ガードナー)、タンディ・ニュートン(リンダ)、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス(クリストファー)、ブライアン・ハウ(トゥイッスル)

1980年代のシカゴ。 クリスは医療機器のセールスマンをしているが、なかなか売れず家賃は滞納、 息子クリストファーの保育所の払いも遅れている。 支え続けてくれた妻のリンダも、一日16,7時間もの労働ですっかり疲れてしまっていた。 ある日クリスは、真っ赤なスポーツカーから降りるスーツの男性に見惚れて声をかける。 「質問が二つ。貴方の仕事は?どうしたらこうなれますか?」と。 男性は株の仲買人だった。高卒でも養成コースを受けて採用されればよいと言う。 新しい夢を見つけた彼はさっそく申し込みに行き、リンダに報告の電話をするが、 「私、クリストファーを連れて出て行きます」が彼女の返事だった。 失意のクリスは息子だけは取り戻し、無給の養成コースに通い始めるがすぐに生活費は底をついてしまう。

全米メディアで取り上げられた実話が元になっています。 本当にホームレスから億万長者へと、夢のような話を実現させた男をウィル・スミス。 健在のクリス・ガードナー本人に多くの助言を得て演じた主人公が魅力的です。 愛らしい息子クリストファー役は、コネでなく、 オーディションで採用したウィル・スミスの実の息子。カエルの子はカエルですね。 ガブリエレ・ムッチーノ監督は英語圏の作品は初めてですが、 製作にも参加したウィル・スミスのたっての希望でメガホンをとりました。 国際映画祭で観たパトリック・タム監督の『父子』とはえらく違って、 才能に加えて努力を惜しまず、決してあきらめない主人公+愛情溢れる親子の物語です。(白)

2006/アメリカ/カラー/120分/
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
http://www.sonypictures.jp/movies/thepursuitofhappyness/index.html

2007年1月27日(土)より 日比谷スカラ座ほか全国ロードショー


『幸福な食卓』

監督:小松隆志
脚本:長谷川康夫
原作:瀬尾まいこ
音楽:小林武史
主題歌:Mr.Children「くるみ‐for the Film‐幸福な食卓」
出演:北乃きい(中原佐和子)、勝地涼(大浦勉学)、平岡祐太(中原直)、さくら(小林ヨシコ)、羽場裕一(中原弘)、石田ゆり子(中原由里子)ほか

「父さんは、今日で父さんを辞めようと思う」・・・始業式の朝、家族が集まる食卓で、突然父さんが口にした一言。佐和子の中学校生活最後の1年はこうして始まった。
3年前、父さんは自殺をはかった。専業主婦だった母さんは、家を出てパートをしながら一人で暮らし、元天才高校生だった兄の直ちゃんは、大学進学をやめて農業を始めたのだった。母さんはときどき父さんと連絡は取り合っていて、お惣菜作りに「お邪魔しまーす」と帰ってきたりする。うちはこれからどうなってしまうんだろう?そして新学期のクラスには、大浦くんという転校生がやってきて、佐和子の隣の席になった。


©「幸福な食卓」ASSOCIATES
原作は未読ですが、本の空気もきっとこんななのでしょうね。過剰な演出などなく、淡々とした会話と、どこにでもありそうな風景の中で、佐和子の日常が綴られていきます。いつのまにか崩壊していった家族の、一つ一つのできごとは十分にドラマなのに、詳しくも大仰に描かれてはいません。役割を放棄したヘンな大人たちの中で、くじけもせずにしゃんとしている佐和子ですが、大浦くんと出会うことで、やっと普通の中学生の顔になります。この二人のやりとりが、はーるか昔の青春時代を思い出させます。すっかり物語に入り込み、後半は涙が止まりませんでした。ラストは爽やかですが、主題歌が流れると、また涙が戻ってきてハンカチ必携の作品。この映画の中で「異質」な小林ヨシコがとっても「普通」で、セリフが生きていました。佐和子役の北乃きいさんは映画初出演、ちゃんと中学生に見えた勝地涼くんは『空中庭園』、『亡国のイージス』にも出ていました。二人ともいい俳優さんになりそう。(白)

製作:「幸福な食卓」ASSOCIATES 配給:松竹

公式 HP >> http://ko-fuku.jp/pc/

★2007年新春1月27日(土)全国ロードショー
“幸福なくるみ”付前売鑑賞券 2006年10月28日発売開始! 一般 ¥1,300(税込)
 ※一枚につき、1個付いてきます(数に限りがございます)
 ※このくるみは食べられません

『幸福な食卓』初日舞台挨拶

小松隆志監督: 今日公開の作品が16本もあります。 そんな中でこの映画に来てくださってありがとうございました。 撮っているときはいつもこれでいいのか、という思いがあります。 時間がたつと客観的に観られます。頑張った甲斐がありました。


北乃きい(中原佐和子): 家族で食卓を囲むことの大切さに気づきました。 勝地さんは事務所の先輩なんです。 初めてのキスシーンはとっても恥ずかしかったです。


勝地涼(大浦勉学): 明るいし前向きで、大浦勉学っていいやつだなと思いました。


平岡祐太(兄の直ちゃん): ぴんと来るものがあったら、 他の人にも勧めてください。最後の歌に凝縮されていると思います。


©「幸福な食卓」ASSOCIATES

さくら(小林ヨシコ): ヨシコは不器用でひたむきなところがあります。 いい奴だったねと思ってほしいです。 この映画で小さな幸せに気づくことができました。 大切な人を連れてまた観に来てください。


羽場裕一(父): 映画のお話があったときすぐに原作本を買いにいきました。 お父さんをやめてお母さんになるのかと最初思いました(笑)。 表に出る派手さのない役ですから、ただいること、を意識して演じました。

石田ゆり子(母): 直ちゃんのお母さんというのは、 ちょっときついものがありました(平岡祐太とは15歳違い)。 大浦くんが佐和子に言う「大丈夫、気づかないうちに守られてるから」 というセリフが好きです。




*登場したみなさんが「観終わった後、心があったかくなる映画です」 と口を揃えていましたが、ほんとにそんな映画です。 セリフが少ないのですが、とても印象に残りました。(白)



『輝く夜明けに向かって』CATCH A FIRE

監督:フィリップ・ノイス
製作:アンソニー・ミンゲラほか
製作総指揮:シドニー・ポラック
脚本:ショーン・スロヴォ
撮影:ロン・フォーチュナト、ジェリー・フィリップス
音楽:フィリップ・ミラー
出演:ティム・ロビンス(ニック・フォス)、デレク・ルーク(パトリック・チャムーソ)、ボニー・ヘナ(プレシャス・チャムーソ)、ムンセディシ・シャバング(ズーコ・セプテンバー)ほか

1980年、アパルトヘイト下の南アフリカ。セクンダ精油所で真面目に働き、美しい妻と子と平穏に生活していたパトリックが突然逮捕される。アフリカ民族会議 (ANC)の犯行により製油所が爆破されたとき、嘘の休暇届を出していたことから 一味ではないかと疑われたのだった。取締官のニック・フォスは厳しく追及するが、 無実のパトリックは証拠不十分で釈放される。しかし、妻も拷問を受けていたのがわかって、パトリックはANCへの入党を決意する。誰にも告げずに家を出て、テロリストとしての訓練を受けるのだが、ニックも執拗にテロリストを追っていた。

南アフリカの英雄と呼ばれた実在の人物の軌跡を、実話に基いて映画化したもの。ごく普通の労働者だったパトリックがテロリストの道を選ぶまで、それからの活躍と苦難を描いています。保安部の取締官ニック・フォスも冷酷な人間ではなく、家族思いの父親であるようすも見せています。彼も家族を守り、政府の仕事として遂行したのでしょうが、対照的なラストでした。ただ、パトリックの妻のプレシャスの行動が納得いきません。それも実話なんでしょうか。パトリック本人と、彼を演じたデレク・ ルークが出会う場面に、生きていてほんとに良かったねと思いました。(白)

2006/ユニバーサル映画/スタジオカナル/ワーキングタイトル|ミラージュエンタプライズプロダクション/シネマスコープ/5巻/カラー/上映時間:1時間41分/ 翻訳:古田由紀子
UIP配給 宣伝:スキップ

★1月27日(土)シャンテシネ他にて全国順次公開


『フィレーネのキライなこと』

監督:ロバート・ヤン・ウェストダイク
出演:キム・ファン・コーテン(フィレーネ),ミヒル・ハウスマン(マックス)、タラ・エルダース(ラーラ)

フィレーネは「Sorry(ごめん)」という言葉を言うのはもちろん、聞くのも大嫌い。 その性格が災いしてか、恋はいつもあまり長続きしない。 でも、今回の相手マックスは俳優志望で超イケメンな上に、とっても優しい。 彼こそ運命の人と思っていた矢先、彼は相談もなしにニューヨークへ演劇の勉強に行ってしまう。 いつもならそれで終わりの恋も、今度ばかりはあきらめられない。 フィレーネは我慢できずに彼の後を追う。ところがそこで彼がやっていた舞台は、 「ロミオとジュリエット」がベースながら、ポルノと見まごうばかりの内容。 フィレーネの怒りが爆発する。

わがまま女の騒動記かと思ったら、全然違う!  フィレーネは確かにお上品ではありませんが、彼女の怒りは至極真っ当なもの。 初めはそのパワーには圧倒されますが、だんだん「マックスになんて謝る必要ないぞ〜!」 と観ているこちらの方が過激になってきました。でも恋は盲目なんだなぁ。
2003年にオランダで公開され、大ヒットした作品。 キム・ファン・コーテンはフィレーネをパワフル&キュートに演じています。 オランダだけあって、性描写や女の子同士の赤裸々な会話は、かなり刺激が強かった。
マックス役のミヒル・ハウスマンは『ブラック・ブック』にも出演している、 今オランダで一番人気のある若手俳優なんだそうです。 イケメン好きは要チェック。(梅)

2003年/オランダ/35mm/カラー/ドルビーデジタル/94分/R-18
配給:アートポート
宣伝:ビー・ウイング

公式 HP >> http://www.phileine.jp/

★1月27日(土)より シネセゾン渋谷にてレイトショー


『あなたを忘れない』原題:26 Years Diary

監督:花堂純次
脚本:花堂純次、J・Jミムラ
撮影:瀬川龍
主題歌:槇村敬之「光〜あなたを忘れない〜」
原作:辛潤賛(シン・ユンチャン)著「息子よ!韓日に架ける命の架け橋」潮出版社刊
   康熙奉(カン・ヒボン)著「あなたを忘れない」早稲田出版刊
   佐桑徹著「李秀賢さんあなたの勇気を忘れない」日新報道刊
出演:イ・テソン(イ・スヒョン)、マーキー(星野ユリ)、竹中直人(ユリの父)、原日出子(ユリの母)、ジョン・ドンファン(スヒョン父)、金子貴俊(風間龍次)、大谷直子(高木五月)ほか

2001年1月26日、JR新大久保駅のホームから酒に酔った男性が線路に転落した。 日本語学校留学生のイ・スヒョンさん(26歳)とカメラマンの関根史郎さん(47歳)が、 落ちた男性を助けようとして、線路に飛び降りたが間に合わず、 入ってきた電車にはねられ3人とも亡くなってしまった。

もう6年前の事故ですが、はっきりと記憶しています。 当時、三村順一プロデューサーは「なぜ韓国の青年が命がけで日本人を助けようとしたのか」 と疑問をいだき、イ・スヒョンさんの三回忌にご両親を訪ねたそうです。 そのときご両親は「普通の人間なら当たり前のことです」と答えたそうです。 この言葉が映画完成までの長い道のりを支えてくれたのだとか。 実話を元にフィクションを加えて、 スヒョンさんの魂を浮き彫りにするような作品が作られました。 なお、事故の後全国から寄せられたお見舞金をスヒョンさんのご両親が寄付されたのをきっかけに、 アジアからの留学生を援助する奨学金が設立されました。 今までに約250人の就学生を援助しています。(白)

2006/日本・韓国合作/2時間10分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
http://www.sonypictures.jp/movies/26yearsdiary/site/

2007年1月27日(土)よりロードショー


©2007映画「あなたを忘れない」プロジェクト/ワイズジャパン.


『ユメ十夜』

原作は夏目漱石の短編小説「夢十夜」。

「余が見た十の夢、その謎は百年後に明かされるであろう」 という文豪・漱石の100年前の挑戦を、 日本映画界の巨匠〜異彩の監督たち10人が独自の映像世界で解釈。 モノクロ、ダンス、アニメーションと様々な映像表現が豪華な顔ぶれで楽しめます。 女優陣の着物姿がいろっぽくてよろしいです。 東京国際映画祭には間に合わなかった十夜めでは、 松山ケンイチの珍しい色男ぶりと本上まなみの女優魂に瞠目。(白)



©「ユメ十夜」製作委員会
○第一夜
監督:実相寺昭雄
脚本:久世光彦
出演:小泉今日子、松尾スズキ

○第二夜
監督:市川崑
脚本:柳谷治
出演:うじきつよし、中村梅之助

○第三夜
監督・脚本:清水崇
出演:服部圭亮、香椎由宇

○第四夜
監督:清水厚
脚本:猪爪慎一
出演:山本耕史、菅野莉央

○第五夜
監督・脚本:豊島圭介
出演:市川実日子、大倉孝二

○第六夜
監督・脚本:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、TOZAWA、石原良純

○第七夜
共同監督:天野喜孝、河原真明
出演(声):Sascha、秀島史香

○第八夜
監督・脚本:山下淳弘
脚本:長尾謙一郎
出演:藤岡弘、、山本浩司

○第九夜
監督・脚本:西川美和
出演:緒川たまき、ピエール瀧

○第十夜
監督・脚本:山口雄大
脚本:加藤淳也
脚本:漫☆画太郎
出演:松山ケンイチ、本上まなみ、石坂浩二
2006/日本/110分/カラー・モノクロ/ビスタサイズ/
配給・宣伝:日活 http://www.yume-juya.jp/

2007年1月27日(土)より全国開運ロードショー


『ルワンダの涙』Shooting Dogs

監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
共同製作:デヴィッド・ベルトン、ヤンス・ミューラー、ピッパ・クロス
原案:デヴィッド・ベルトン、リチャード・アルウィン
脚本:デヴィッド・ウォルステンクロフト
撮影:アイヴァン・ストラスバーグ BBC
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:ジョン・ハート(クリストファー神父)、ヒュー・ダンシー(ジョン・コナー)、クレア=ホープ・アシティ(マリー)、ドミニク・ホロウィッツ(デロン大尉)、ニコラ・ウォーカー(レイチェル)ほか

2006年の初めに公開され大変話題となった『ホテル・ルワンダ』。この作品は ルワンダで起きた大虐殺を日本人に知らしめる大きな機会となりました。
2007年の初めに公開されるこの『ルワンダの涙』は、『ホテル・ルワンダ』と は逆の視点で描かれた作品です。すなわち、虐殺が行われる中、ルワンダ人た ちを見捨てて去っていく欧米人たちの物語なのです。
舞台となった公立技術専門学校は、当時神父によって運営され、ベルギー軍国 連部隊の駐屯地でもあったため、虐殺が始まると、多数のツチ族が避難してき ました。しかし虐殺が始まって5日目に、国連部隊は退去し、残された2500人 余りのツチ族は、門の外にナタを持って待ちかまえたフツ族たちに、わずか数 時間の間に殺されました。
この事実をもとに、映画は技術学校にボランティアの教師としてやってきた青 年の目を通して描かれます。脚本を書いたのは、当時ジャーナリストとして現 地を取材し、残されたルワンダ人たちが殺されると分かっていながら逃げてきた経 験を持つ、デヴィッド・ベルトンです。もう一人の重要な人物クリストファー神父 は、ベルトンが当時出会ったキュリック神父がモデルとなっています。キュリッ ク神父は最後までルワンダに残ってツチ族の人々を匿い、国外への脱出を助け ていた人物。後にキュリック神父がルワンダで殺されたことを知って、彼の封印し ていた記憶がよみがえり、自分が為すべきことをなしていない事実に直面して、 映画の脚本を書くに至ったのだといいます。
もしも自分がその場にいたら、いったい何ができたでしょう? 99.9%、彼ら と同様、退去する国連軍の車に乗せてもらったことでしょう。それだけに、彼 らの絶望感、無力感、そして抱え続ける罪悪感を肌で感じて、『ホテル・ルワ ンダ』を観たとき以上の痛みを感じるのです。
この作品がルワンダの現地で撮影されたことも特筆に値します。撮影には、技 術学校での虐殺を辛うじて生き抜いた人々も参加したそうです。撮影は思い出 したくもない辛い体験の再現ですから、困難も沢山あったそうですが、それ以上 に彼ら自身がこの惨劇の事実を世界に伝えたいという強い意志を持って臨んで いたため、無事に撮影を終えることができたといいます。
それではわたしたちも、真摯にその勇気を受け取りに、そして絶望の先にある ものを確かめに映画館へ行きませんか?(梅)

2005/イギリス・ドイツ/カラー/シネマスコープ/DTS/115分/
配給:エイベックス・エンタテインメント 宣伝:フリーマン

★1月27日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.r-namida.jp/



『夏物語』

監督:チョ・グンシク
脚本:チョグンシク、キム・ウニ
撮影:イ・ヒョンドク
音楽:シム・ヒョンジュン
美術:イ・チョルホ
日本版エンディングテーマソング:藤井フミヤ「大切な人へ」
出演:イ・ビョンホン(ユン・ソギョン)、スエ(ソ・ジョンイン)、オ・ダルス(ギュンス)、イ・セウン(スジン)、チョン・ソギョン(マンドク)、ユ・ヘジン(プロデューサー)ほか

TV局のスタッフが「会いたい人を探し出す」企画のため、 大学教授のユン・ソギョンを訪れる。 独身を貫き、60を越えた彼の忘れられない人とは・・・。
1969年夏、軍事独裁政権下のソウル。裕福な親のいる大学生のソギョンは、 学生運動もおざなり。外出禁止の時間まで酒に酔っては帰宅する日々だった。 熱心な友人に誘われて、気まぐれに農村への労働奉仕に出かける。 たいしてやる気もなくソウルに戻ろうとしていたが、 村で図書館司書をしているソ・ジョンインに出会ったことから、特別なひと夏となった。

『品行ゼロ』でデビューを飾ったチョ・グンシク監督作品。 69年当時の韓国の世相を把握していたほうが、よく理解できると思います。 日本では高度成長期、学生運動も続いていたものの、 グループサウンズや歌声喫茶が流行っているような時代。 韓国の軍事政権下の事情など知らずにいました。こんなに深刻だったんですね・・・。
イ・ビョンホンが20代の大学生と、珍しく老け役!60代の教授を演じます。 彼が相手役に推薦したというスエが複雑な過去を抱える薄幸のヒロインを演じて泣かせます。 後半、取調べ室でのジョンインがソギョンを見つめ続けている間の表情の変化は見逃せません。 大切なアイテムの「ヒノキの小枝のカード」を作りたくなりました。 (白)

2006/韓国/カラー/116分/ビスタ/ドルビーデジタル
配給:エスピーオー

http://www.excite.co.jp/cinema/natsu2007/

1月27日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木ほか全国ロードショー


2007年2月3日〜

『墨攻(ぼっこう)』

監督・脚本・製作:張之亮(ジェイコブ・チャン)
撮影監督 阪本善尚(さかもと ぜんしょう)
プロデューサー
 中国 黄建新(ホワン・チェンシン) 王中軍(ワン・チョンジュン)
 香港 徐小明(ツイ・シャオミン) 
 韓国 李柱益(リー・ジェイク)
 日本 井関 惺(いせき さとる)
音楽 川井憲次(かわい けんじ)
原作:漫画「墨攻」 森秀樹(原作小説:酒見賢一/漫画脚本:久保田千太郎)小学館刊
提供:キュービカル・エンタテインメント+アミューズソフトエンタテインメント+松竹+小学館
出演
 革離: 劉徳華 アンディ・ラウ
 巷淹中:安聖基 アン・ソンギ
 梁王: 王志文 ワン・チーウェン
 逸悦: 范冰冰 ファン・ビンビン
 子団: 呉奇隆 ウー・チーロン (ニッキー・ウー)
 梁適: チェ・シウォン
 使徒: 牛馬  ウー・マ
 牛子張: 錢小豪 チン・シウホウ

 

今だからこそ描く必要があった『墨攻』
中国の戦乱の世に「非攻」を掲げ、平和を目指した墨家という思想集団がいた!

『墨攻』は、日本の漫画を原作にした中国の歴史大作で、中国の戦国時代紀元前370年頃を舞台にした作品です。紀元前5世紀、墨子という思想家が始めた「非攻」という、攻めずに守り抜き平和を目指すという思想は、墨子の思想に賛同する墨家という集団によって広まったが、始皇帝の中国統一で、戦国時代が終わると墨家は忽然と消えてしまったとされている。

 戦乱の古代中国。小国の梁(リョウ)城は、大国趙(チョウ)の軍勢十万に攻められていた。趙軍を率いるのは名将軍巷淹中(こうえんちゅう)、梁の住民はわずか4000。今や落城の危機に瀕していた。梁王が降伏を決意した時、粗末な身なりの男、革離(かくり)が現われた。墨家(ぼっか)からただ一人救援のためにやってきた墨者だった。梁王から指揮権を得た革離は、梁城の民を守るため、重臣や王子の梁適(りょうてき)の反発を押さえ、孤軍奮闘、守りの戦いをすることになった。そして、自らの策を認めさせた。

 墨者革離が陣頭指揮を執ることになったことを知った巷淹中は革離を訪ね、盤上の戦いを挑んだ。革離を手強い相手と認識し、実戦での再会を約して巷淹中は去って行った。十万の軍勢を相手に革離がめぐらす、あの手この手の作戦とはどのようなものなのか? 果たして城を守り通すことはできるのか?

 

 小説家の酒見賢一氏が1994年「墨攻」を書き、それを基に森秀樹氏が漫画に。漫画版「墨攻」はアジア各国で翻訳され、この漫画を11年前に見た香港のジェイコブ・チャン監督が感動し、この作品をぜひ映画化したいと構想した。
 戦いの連続の中に出現した盤上の戦いや、芽生えた愛、戦うことの愚かさ虚しさが強く伝わってきます。
 ジェイコブ・チャン監督の描く世界は、戦争に英雄はいないということ。(暁)

2006年/中国・日本・香港・韓国
配給:キュービカル・エンタテインメント/松竹

★2007年2月3日(土)より、丸の内ピカデリー1他 全国松竹・東急系にて拡大ロードショー

公式 HP >> http://www.bokkou.jp/



『ピンチクリフ・グランプリ』(原題:The Pinchcliffe Grand Prix)

監督・編集・アニメーション:イヴォ・カプリノ
脚本:ヒェル・アフクルスト、ヒェル・シーヴェンシェン、イヴォ・カプリノ、レモ・カプリノ
キャラクター:ヒェル・アフクルスト
撮影:チャールズ・パティ、イヴォ・カプリノ

自転車修理工で発明家のレオドルは、ピンチクリフ村で、あひるとカササギのミックスのソランと、ハリネズミのルドビグの二人の相棒と穏やかに暮らしている。
ある日、テレビでグランプリレースに3連勝中のレーサー、ルドルフを見て、レオドルは彼がかつての弟子だと気づく。ルドルフは彼の発明を盗んで作ったスーパーカーでレースに勝っていた。話を聞いたソランは、作りかけの車を完成させてレースで挑戦しようと言い出した。しかし、車を作るお金が全然ない。ソランは村に来ていたお金持ちにスポンサーになってもらうことを思いつく。

1975年にノルウェーで作られた人形アニメ映画で、本国ノルウェーでは観客動員ナンバー1の記録を今でも保持している作品です。その動員数は当時の国内人口の2/3にあたるというから凄いです。実は、1978年に一度日本でも公開されたのですが、その時には残念ながらあまりヒットしませんでした。しかし、当時地方に住んでいて、この作品を観たくても観られなかった一人の映画好きの少年が、長じて映画配給会社の社員となり、「この作品が観たい!」という30年越しの夢を実現するにいたりました。
わたしはもちろん初めて観たのですが、その凝りにこった人形世界と30年経っても全く古さがないどころか、一層輝きを増している面白さに驚愕しました。まず、人形アニメでここまでできるのかという驚き。ディテイルの凝りようは凄いの一言。現存するならば、是非一度人形たちや、レオドルたちの作ったスーパー・クラシック・カーのイル・テンポ・ギガンテ号を手にとって見てみたい。村のジオラマも間近に見てみたい! またジャズバンドの演奏シーンは、全楽器の各音に合わせて置かれる指の位置まで再現しているのです。気の遠くなるような地道な作業だったことでしょう。どおりで制作に5年もかかったわけです。
レオドルたちの穏やかで幸せな日常から、クライマックスの刺激的で迫力満点のレースシーン、そしてまた穏やかな日常へ戻っていく物語構成もとても魅力的。そして個性的なキャラクターたちが生き生きしていて、今でもノルウェーの人々に愛され続けている作品だというのが、よくわかります。(梅)

1977年モスクワ国際映画祭グランプリ(児童映画部門)、最優秀アニメ映画賞 ダブル受賞

1975年/ノルウェー/90分/カラー/スタンダード/ドルビーSRD
後援:ノルウェー王国大使館、スカンジナビア政府観光局
協力:日本レースプロモーション、スナップオン・ツールズ
提供:メディア・スーツ+キングレコード
配給:メディア・スーツ

公式 HP >> http://www.pinchcliffe.com

★2007年2月3日(土)より、シアターN渋谷ほか全国順次公開


『世界最速のインディアン』The World's Fastest Indian

監督・脚本:ロジャー・ドナルドソン
撮影:デヴィッド・グリブルA.C.S.
音楽:J・ピーター・ロビンソン
美術:J・デニス・ワシントン、ロブ・ギリーズ
出演:アンソニー・ホプキンス(バート・マンロー)、アーロン・マーフィー(トム)、アニー・ホイットル(フラン)、クリス・ウィリアムズ(ティナ)ダイアン・ラッド(エイダ)、ポール・ロドリゲス(フェルナンド)、ほか

ニュージーランドの田舎町に住むバイク好きのバートは62歳。 これまでひたすら早く走ることに人生を捧げてきた。 年金で一人暮らしの彼の良き理解者は、隣家の少年トムと、ガールフレンドのフラン。 バートの愛車は40年以上も前の年代物のインディアン・スカウトだが、 自分で部品を作り日々改良を重ねている。 夢はアメリカのボンヌヴィル塩平原(ソルトフラッツ)で世界記録に挑戦することだ。 お金も若さもなく、おまけに心臓病を抱えるバートはやるなら今しかない、 と渡航を決心する。バイクと一緒に船に乗り込み、地球の裏側までの長い長い旅が始まった。


バート・マンローは実在の人物で(1899〜1978)、 ロジャー・ドナルドソン監督は1971年に彼に会ってドキュメンタリーを製作しています。 語りきれなかったと感じた監督はそれ以来、 映画化のチャンスを待ち続け30数年たってようやく実現させました。 劇中バートが語るいくつもの味わい深いことばは、監督がバート本人に会って感銘を受け、 観客に伝えたいバートの人生哲学です。 長い旅の途中で困難に遭いながらも少しもあきらめることなく、 誰にでも優しく明るい彼をアンソニー・ホプキンスが好演しています。 こんな人なら誰もが応援したくなります。変質者や神経質な役の多い彼ですが 「僕はすごくハッピーな人間だから、バートの人生哲学は僕の気性に合うんだ」 と語っています。(白)

試写室のロビーに撮影で使われたバイクが展示してありました。その手作り感満載のマシンを見たら、こんなので時速300kmも出したのかと、あらためてその凄さを感じました。お金もなければ、若さもない。全てを情熱で補って、夢に向かって邁進するバートは、究極のバイクヲタです。でも、60歳を過ぎても全然枯れてないその姿に、老若男女全ての人が胸を熱くするでしょう。(梅)

2005/ニュージーランド・アメリカ/カラー/127分/
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/index.html

2006年10月22日(日) 東京国際映画祭にて上映
2月3日(土)より テアトルタイムズスクエア、銀座テアトルシネマほかロードショー


『カンバセーションズ Conversation(s)』

監督:ハンス・カノーザ
脚本:ガブリエル・ゼヴィン
撮影:スティーヴ・イェドリン
音楽:クリス・ヴァイオレット
主題歌:カーラ・ブルーニ
衣装:ダグ・ホール
出演:ヘレナ・ボナム・カーター、アーロン・エッカート、ノラ・ザヘットナー、エリック・アイデム

=男はズルいロマンチスト、女は罪なリアリスト=

結婚披露のパーティ会場で、若いころに恋人同士だった二人が再会した。男は新婦の兄。女は新郎の元妻、付添い人の数合わせにロンドンからパリまでやってきていた。独身の男は「ガールフレンドはいるけど、遊びだよ」と言い、再婚した女は「夫は脳外科医、愛してるの」と言う。突然出て行った女に恨みごとを少しずつ吐きながら甘える男に、「少年と年増女みたい」とため息をつく女。明朝はロンドンに発つ女と行かせまいとする男・・・さて。

二人の主人公が、2分割されたスクリーンの右と左にずっと出ずっぱり。(回想シーンは若い俳優が演じている)ときどき段差ができたり、右から左へ中心線を越えてするりと抜けるシーンがあったりで、あら、と思う。向かい合っている二人の表情が同時に観られてなかなか面白かった。俳優は舞台にいるようにずっと演技し続けることになり、それもアップなので手は抜けない!という、演技力がものを言う作品。
アーロン・エッカートは『ブラック・ダリア』、『サンキュー・スモーキング』と公開作品が続いている。ヘレナ・ボナム・カーターは、昨年この作品で(当時の題名は『女たちとの会話』)東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞している。会話が軽妙で洒落ている大人の恋愛映画。試写室では男性の笑い声が多かった。身に覚えがあるんだな?(白)

2005/アメリカ/84分/カラー/シネスコサイズ/ドルビーSRD/字幕:古田由紀子
配給:松竹 宣伝:ザジフィルムズ

公式 HP >> http://conversations.cinemacafe.net/

★2月3日(土)より、シネスイッチ銀座にて心ゆれるロードショー!
特別鑑賞券を劇場窓口でお買い求めの方に限り、先着で「彼女のトラベル・ルームシューズ」プレゼント!


『スターフィッシュホテル』

監督・脚本:ジョン・ウイリアムス
エグゼクティブ・プロデューサー:ブライアン・ホルス
プロデューサー:マーティン・ライクロフト/古川実咲子/戸山剛
撮影:ベニート・ストランジオ
美術:金田克美
コンセプチュアリ・デザイナー:斎藤岩男
照明:仲西祐介
編集:矢船陽介
音楽:VORTEX
主題歌:ケイコ・リー
キャスト:佐藤浩市(有須)、木村多江(ちさと)、KIKI(佳世子)、串田和美(黒田)、トリックスター(柄本明)

有須はごく普通のサラリーマン。ある日を境に怪奇的な事件に巻き込まれていく。
妻ちさとの失踪、その鍵を握る謎の人物たち。
彼らの言葉は嘘か誠か…有須は迷宮の中へ入って行く。

ジョン・ウイリアムス監督の前作品『いちばん美しい夏』に主演した南美江に似た切れ長の目、 稟とした面立ちの女二人、対、爬虫類的な肌触りを感じさせる男三人…。 現実、夢、空想を行きつ戻りつする時間の迷路を、 この登場人物たちが異次元の国に誘ってくれます。 まさに、大人版「不思議の国のアリス」です。 間接照明の使い方、古い西洋と日本の美術、部屋の設え、それがうまくミックスされています。 日本在住のイギリス人監督の独自の目線が幻想的な世界に私たちを迷い込ませて困惑させてくれます。(美)

2005年/日本映画/カラー/ドルビーステレオ/アメリカンビスタ/98分
配給:ファントム・フィルム 宣伝:アンカー・プロモーション

http://www.starfishhotel.jp/

2007年2月3日よりシネマート六本木、他全国ロードショー


2007年2月10日〜

『長州ファイブ』

監督・脚本:五十嵐匠
製作総指揮:前田登
撮影:寺沼範夫(JSC)
音楽:安川午朗
美術:池谷仙克
出演:松田龍平(山尾庸三)、北村有起哉(井上馨/志道聞多)、山下徹大(井上勝/野村弥吉)、三浦アキフミ(伊藤博文/伊藤俊輔)、前田倫良(遠藤謹助)、原田大二郎(村田蔵六)、寺島進(高杉晋作)、泉谷しげる(佐久間象山)、ミシェル・(エミリー)、榎木孝明(毛利敬親・友情出演)

=幕末の世、日本の未来のために刀を捨てた、サムライがいた=

1853年黒船の来航により太平の夢が破られた日本は、外国の脅威に対峙せねばならなくなった。 10年後、尊皇攘夷の嵐が吹き荒れる中、長州藩の山尾庸三、伊藤俊輔、志道聞多らは 高杉晋作とともに品川に建設中のイギリス公使館に火を放っていた。 これが何になるのかと疑問を抱いた志士たちは、佐久間象山の開国論に心を動かされる。 長州藩主、毛利敬親は国禁を破る渡航を黙認し、聞多に仲間を集めよと申し渡す。 イギリスへの密航を企てた聞多は、ロシアに渡航経験のある山尾を誘い、山尾は野村弥吉を呼ぶ。 伊藤俊輔、遠藤謹助も加わった。「俺たちは生きたる機械となって日本に戻るんじゃ!」 と決意を新たに、ついに5人はロンドンまで命がけの旅に出る。


(c)長州ファイブ製作委員会

日本の近・現代史を駆け足でやった世代で、こんな史実があったことは知りませんでした。 面白かった!1863年、密航した当時の5人は20歳〜27歳。 最年少の弥吉がロシアで覚えた英語を話すだけで、後の4人は航海中に学んでいます。 武士の象徴であった髷を切り、刀も捨てて不退転の決意で臨んだ5人は、 ロンドンに上陸してその発展ぶりに目を見張ります。 それぞれの得意分野を苦労して学ぶうち、藩にこだわるのでなく、 国全体を思うようになっていきます。
実在の人物の映画を多く撮った五十嵐監督は、今だからこそ、 この「長州ファイブ」の生き様を見せたいと言います。 異国で学んで戻った5人はみな、新しい日本を実現する重要な人物となっていることに驚き、 当時彼らを送り出した人たち、また、受け入れたイギリスの懐の深さを思いました。(白)

五十嵐監督の前作『HAZAN』や『アダン』に主演した榎木孝明さんにインタビュー (記事、67号に掲載)した時に、 「五十嵐監督から、次回作で毛利のお殿様の役をやってくださいって頼まれたんですよ。 ずぅ〜っとお茶たてているだけでいいですからって」と、おっしゃっていたのが、 この作品だったのか・・と納得。 家臣から彼らの禁を破る渡航希望を聞かされて、黙認した上に、 資金援助までする太っ腹なお殿様で、話を聞いている間、ずっとお茶をたてているという次第。
それはさておき、外国人を見たら切り倒せという時代に、 密航してでも外の世界を見たいと飛び出していった勇気ある若者達がいたお蔭で、 日本の近代化が急速に進んだのだと思うと、胸が熱くなります。
長州ファイブの5人は、その誰もが英国から帰国して偉業を遂げています。 伊藤俊輔は後の伊藤博文(初代内閣総理大臣)、志道聞多は、後の井上馨(初代外務大臣)。 遠藤謹助は帰国後大阪造幣局長を務めた人物で、春の大阪の風物詩、 造幣局の桜の通り抜けは彼のアイディア。 あの素晴らしい桜を見られるのも、彼のお蔭と思うと、ぐっと親近感が沸いてきます。 野村弥吉は、帰国して日本初の鉄道を新橋—横浜間に開通させた後の井上勝。 そして、山尾庸三は、近代化を進めるには人材養成が不可欠と、 工部大学校(後の東京大学工学部)の設立に尽力、日本工学の父と呼ばれます。
ロンドン到着早々、下宿先の邸宅の玄関ドアの前に5人の脱いだ靴がきちんと並んでいる様は、 一見笑える光景なのですが、よく考えれば、彼らが躾の行き届いた士族だと捉えるべきことですね。 土足で家にあがる方が、彼らにとっては無礼なこと。 こんな文化の違いを克服しながら、異国の地で努力をした先人がいたことを、 今一度思い起こしたいと思いました。(咲)

2006/日本/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタ/ドルビー/119分
配給:リベロ

http://www.chosyufive-movie.com/

2月10日(土)より シネマート六本木、立川シネマシティ他にてロードショー

世田谷の松陰神社をご存じですか?  伊藤博文らが学んだ松下村塾を主催した吉田松陰が祀られている神社です。 この松陰神社で、去る2月3日、伊藤博文役を演じた三浦アキフミさんによる ヒット祈願が行われました。

奇兵隊(長州防衛の為に高杉晋作により結成された)に扮した一行と三浦アキフミさんは、 吉田松陰の墓前に献花をし、宮司によるヒット祈願を受けました。


(c)長州ファイブ製作委員会

三浦アキフミさんのコメント:
「松陰神社には、伊藤博文役が決まってから、すでに5,6回来ています。 実は、つい先日も初詣に来たばかりなので、 そんな馴染み深い神社でヒット祈願ができたことを、とても嬉しく思います。 しかも、今日は奇兵隊の方もいてくれたので、なおさら嬉しかったし、 とても光栄なことだと感じました。銃を持った奇兵隊の方が強そうなので、 僕も普段と違って、あまり笑わないようにして、"力強さ"を表現してみました(笑)。
 『長州ファイブ』は、伊藤博文はじめ立派な人物ばかりですが、若い頃は、 僕らと同じように、悩みや不安を抱えていたはずです。でも、とにかく行動に移してみる、 という勇気は見習いたいですね。映画を見た人に、 『悩む前に行動する』というメッセージが伝われば良いな、と思います」



『華麗なる恋の舞台で』Being Julia

監督:イシュトヴァン・サボー
脚本:ロナルド・ハーウッド
撮影:ラホス・コルタイ
音楽:マイケル・ダナ
美術:ルチアナ・アリギ
衣装:ジョン・ブルームフィールド
出演:アネット・ベニング(ジュリア・ランバート)、 ジェレミー・アイアンズ(マイケル・ゴセリン)、ブルース・グリーンウッド(チャールズ卿)、ミリアム・マーゴリース(ドリー)、 ジュリエット・スティーブンソン(エヴィ)、 ショーン・エヴァンス(トム・フェネル)、ルーシー・パンチ(エイヴィス)、マイケル・ガンボン(ジミー・ラングトン)、トム・スターリッジ(ロジャー・ゴセリン)

1938年のロンドン。 舞台女優ジュリアはすでに地位も名声も手にし、理解のある夫マイケルと息子も持ちながら、 倦怠の日々を送っていた。 それがある日、親子ほど年の違うアメリカの青年トムに言い寄られ、あっさりと恋におちてしまう。 ジュリアは再び輝く時間を取り戻し、舞台の出来も上々だった。 しかし、トムは若い女優に心が動いていた。 彼はそ知らぬ顔で、ジュリアの新しい舞台にぜひ使ってと頼み込む。


(C)2004 2024846 Ontario Inc.; Being Julia Productions Limited ;
ISL Film kft, All rights Reserved

30年代ファッションとアネット・ベニングの笑顔が素敵です。 映画の中に舞台劇をたびたび登場させ、現実の世界との裏表を見せています。 亡くなったジュリアの恩師のジミーがここぞというときに現れ、ジュリアにいろいろ語るのです。 劇場に精霊のように存在しているらしいこのジミーのセリフがなかなか面白いです。 女優であるジュリアがそれを最大限に発揮してみせるラストが痛快。 「やったね!」と思わず拍手したくなりました。 聡明な息子ロジャー役トム・スターリッジがちょっと気になっています。 原作は文豪サマセット・モームの「劇場」だそうで、文学全集に入っているんでしょうね。 読んでみようかな。(白)

62回ゴールデン・グローブ賞「ミュージカル・コメディー部門」主演女優賞受賞作品

2005年アカデミー賞主演女優賞 ノミネート

2004年/カナダ・アメリカ・ハンガリー・イギリス/104分/英語/アメリカン・ヴィスタ/ドルビーSRD
配給・宣伝:アルシネテラン

http://www.alcine-terran.com/kareinaru/

2月10日(土) Bunkamura ル・シネマ他にて拍手喝采ロードショー


『マジシャンズ』

監督・脚本:ソン・イルゴン
撮影:パク・ヨンジュン
テーマソング:「Sylvia」(LOVEHOLIC)
美術:ホン・ジ
出演:チョン・ウンイン(ジェソン)、チャン・ヒョンソン(ミョンス)、イ・スンビ(ジャウン)、カン・ギョンホン(ハヨン)、キム・ハクソン(お坊さん)

大晦日の夜、山荘のカフェ・マジシャンズでジェソンとミョンスがバンド時代の話に花を咲かせている。 ドラマーのジェソンとギターのジャウン、キーボード&ベースのミョソンはボーカルのハヨンとそれぞれ恋人同士だった。 3年前ジャウンが自殺したことでバンドは解散してしまったのだ。 2人にはわからないが、ジャウンもそばにやってきている。 ハウンが到着するまで、残された2人は現在と過去を行きつ戻りつ・・・。 そこへお坊さんが訪れる。

ポーランドで映画の勉強をしたというソン・イルゴン監督の不思議な余韻の残る作品。 95分ワンカット、全て夜に撮影されています。 5分の長回しでさえ大変と聞いていたので、観ていて緊張してしまいました。 ワンカットに耐えられる舞台出身の俳優をそろえ、丁寧なリハーサルをしたようです。 過去と現在の話の切り替えは、俳優が着替えることで現していますが、 よく観ていないと混乱するかもしれません。
カメラマンは森の中を動く俳優について回ります。デジタルカメラとはいえ、 制約の多い自然の森が舞台ではさぞ大変だったことでしょう。カメラマン泣かせですね。 フィルメックス上映時での質疑応答では、 「外の撮影で寒くて鼻水があごまで垂れても、ふくわけにもいかなかった」とあります。 想像するとおかしいやら気の毒やら。 映画を志す人なら一度はやってみたい、しかし2度はいい、という感じかしら。 (白)

2005/韓国/カラー/ドルビーSRD/95分/DV/
配給:IMX
宣伝:ステップ・バイ・ステップ

1月20日(土)より 渋谷ライズXにてミラクルロードショー!

http://www.magicians.jp/


『モーツァルトとクジラ』

監督:ピーター・ネス
脚本:ロナルド・パス
原作者:ジェリー・ニューポート
キャスト:ジョシュ・ハートネット(ドナルド)、ラダ・ミッチェル(イザベル)、ゲイリー・コール(ウォーレス)、ジョン・キャロル・リンチ(グレゴリー)

数字を見ると他のことが頭に入らなくなるドナルドは、タクシーの運転手として働くものの、 失敗ばかりして長続きしない。 一見普通の若者だが、彼はアスペルガー症候群という障害を抱え、 平穏な生活を営むことが出来ずにいた。 しかし彼は、同じ障害を持つ仲間たちの為に集会を開いて、 少しでも環境に適応する力を身につけようと努力している。 そこに、美容師のイザベルがメンバーに加わった。思ったことを素直に語り、 奔放に振る舞う彼女にたちまち魅了され、恋に落ちてしまう。 だが、ともに求め合いながらも傷つけ合ってしまう二人には、 平穏な生活はやはり遠い夢なのだろうか。

この作品は、友人に薦められて観た『レインマン』がきっかけで、 自らの障害に気付いたジェリー・ニューポートの実話を元にしています。 彼を演じるのは『ラッキーナンバー7』『ブラック・ダリア』で、現在日本に於いて、 一番ホットなハリウッド若手スター、ジョシュ・ハートネット。 ドナルドの愛情を全身全霊で受け止めるイザベルには、『メリンダとメリンダ』、 『サイレントヒル』のラダ・ミッチェル。 この映画はアスペルガー症候群の人達のストーリーですが、 イザベルが汚いドナルドの部屋を、綺麗に整理整頓したのに、 烈火のごとく彼に拒否されたり、またドナルドがデート前に鏡に向かい、 表情や言葉の練習をする…なんてことは、二つとも昔々私にも経験があります。 恋愛中のカップル、少し冷めてしまったカップル、冷え切ってしまったカップル (そんなカップルは二人で来ないか?)に、是非とも観ていただきたい。 不思議な力をもった作品です。 そう言えば、モーツァルトもクジラも不思議な力がありますね。(美)

2004年/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/ドルビー/94分
配給:アートポート

http://www.mozart-kujira.jp/

2007年2月10日(土)より シネスイッチ銀座にてロードショー

〓「モーツァルトとクジラ」NHK出版より1月下旬発売。


『となり町戦争』

監督:渡辺謙作(『ラブドガン』)
原作: 三崎亜記
撮影:芝主高秀
音楽:Sin
美術:浅野誠
出演:江口洋介(北原修路)、原田知世(香西瑞希)、瑛太(智希)、菅田俊(町長)、余貴美子(室長:室園)、飯田孝男(室長補佐:前田)、岩松了(田尻主任)、小林麻子(本田)

「舞坂町はとなり町・森見町と戦争を始めます。開戦日5月7日。終戦予定日は8月31日。」 ある日届いた、となり町との戦争のお知らせ。 偵察業務に就かされた“僕”は、その業務遂行のために、 対森見町戦争推進室の“香西さん”と夫婦生活を始める。 戦時にもかかわらず、町は平穏を崩さない。 かろうじて戦争状態と分かるのは、日々のニュースで発表される戦死者の数だけ。 淡々とした日常生活のなかに侵食した戦争。 “僕”は、知らず知らずのうちに、その戦争の中心にいたのだ・・・。

2006/日本/ビスタ/カラー/ドルビーSR/1時間54分
配給:角川ヘラルド映画/製作プロダクション:フィルムメイカーズ

http://kadokawa-herald.co.jp/official/tonarimachi/

2月10日(土)〜新宿ガーデンシネマほか全国ロードショー



2007年2月17日〜

『チョムスキーとメディア 〜マニュファクチャリング・コンセント〜』原題:Manufacturing Consent: Noam Chomsky and the Media

監督:マーク・アクバー/ピーター・ウィントニック

ノーム・チョムスキー: アメリカの言語学者、思想家、活動家。 マサチューセッツ工科大学教授。1928年フィラデルフィア近郊の生まれ。 両親は、ウクライナ、ベラルーシから移住してきたユダヤ人で共にヘブライ学校教師。 チョムスキーもヘブライ語の学校で学ぶが、そこで教えられたシオニスト運動は、 ユダヤとアラブの両民族の共生をうたうものだったという。 10歳の時、学校新聞にスペイン内戦での人民戦線敗北についての論説を初寄稿。

アメリカの外交政策やグローバル資本主義を堂々と批判することで知られるチョムスキー。 本作では、著名人によるチョムスキーへのインタヴューやテレビ討論の場面などを通じて チョムスキーの思想を描き出す。 相手がエキセントリックに扇動しても、いたって穏やかに受け答えるチョムスキーの姿から、 その発言は真実味を帯びて私たちに伝わってくる。

自由に発言できる民主主義社会に暮らしていると思っているアメリカや日本。 そこにある落とし穴・・・ 情報は溢れているけれど、何が真実かわからない。 聞かされている情報は、権力者にとって都合のいい切り口で語られているから要注意だと チョムスキーは語る。例えば、虐殺も身内がやった場合は隠蔽し、 敵がやれば大虐殺と報道する。 アメリカには一定の世界観を押しつけるシステムがあると言い切り、 そのため思想の幅が狭いという。

日本では1993年山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されたが、 その後配給が決まらず、この度初めて劇場公開されることになった。 今になってこそ、チョムスキーが1990年代初頭に解き明かしたアメリカのメディアの仕組みが、 9・11事件やそれ以降のこの時代を生み出したのではないかと思い当たる。

1992年/カナダ/167分(95分+72分)/DVカム/カラー

★2007年2月17日(土)より ユーロスペースにてロードショー

http://www.cine.co.jp/media/



『エクステ』

監督・原案:園子温
脚本:園子温、安達正軌、真田真
撮影:柳田裕男
出演:栗山千明、大杉漣、佐藤めぐみ、つぐみ、町本絵里、佐藤未来、山本未來ほか

横浜港のコンテナの中から、膨大な量の髪の毛に埋もれた女性の遺体が発見された。臓器売買の被害者のようだが、不思議なことに死んでいるのに髪の毛が生えてきていた。遺体安置所の管理をしている山崎は究極の髪の毛フェチ。嬉々として彼女を自宅に持ち帰る。
黒髪の美しい優子は美容師を目指して勉強中。偶然、優子を見かけた山崎は彼女の髪に惚れ込み、彼女の勤める店に自作のエクステンション用毛髪を売り込みに行って彼女に接近する。店の美容師たちはそのエクステを気に入って使い始めるが、それをつけた女性たちが次々に奇怪な死を遂げるのだった。

ホラーなので、主に髪の毛を使ったおぞましい映像の数々があるのですが、色んなところに遊び心があって、観ていて楽しいです。栗山千秋の可憐さや、つぐみ演ずる姉の憎たらしさも良いのですが、何と言っても大杉漣!! 究極の髪の毛フェチで奇々怪々たる山崎役を、歴史に残る大怪演で見せてくれます。ホラーなのに大爆笑してしまいました。怖いのは苦手という方でも、これはきっと楽しめます。(梅)

ところどころ目をつぶりながらも、「ぼくちん」の大杉漣のおかげで最後まで観ました。大杉さんサイコー! あの大量の、湧いてきて攻撃してくる髪の毛がしばらく忘れられません。プレスシートの表紙に1本髪の毛がついていて、思わずはらってしまいました。印刷だったんですけど(笑)。ああ、思うツボ。(白)

製作プロダクション:セントラルアーツ
配給:東映

公式 HP >> http://www.exte-movie.jp

★2月17日(土)より、池袋サンシャインシネマほか全国ロードショー


『キャプテントキオ』

監督・脚本:渡辺一志
撮影:岡雅一
音楽:PANTA
美術:磯見俊裕、黒川利通
出演:ウエンツ瑛士(フルタ)、中尾明慶(ニッタ)、泉谷しげる(都知事)、いしだ壱成(アロハ)、渡辺一志(映画屋)、渋川清彦(モヒカン)、飯田一期(タムラ)、日村勇紀/バナナマン(署長)、設楽統/バナナマン(スター)、山岡由実(カンナ)ほか

20XX年、大地震により崩壊した東京は、日本政府に切り捨てられてしまった。 無法地帯となったこの町に、エネルギーのある若者達が集まり始めていた。 ライブがあるという噂を聞きつけ、地方から自転車で二人の高校生がやってくる。 ギターを担いだロック少年ニッタと、誘われてついてきた映画少年フルタ。 彼らは到着早々手錠をかけられ、トラックに放り込まれるというトンでもない目に逢ってしまう。

『19』(2001年)の監督・脚本・主演で注目をあびた渡辺一志監督・脚本作品。 荒廃した街に入り込んでしまった高校生二人が、いろいろな大人に出会ってもまれていきます。 親友だった二人の関係もしだいに微妙に変化。 監督が映画を撮り始めたのが15歳だったそうで、その年頃の子供たちに観てもらいたいと、 少年二人の設定にしたそうです。 本人も映画屋(ワンマンな監督)として出演。 お笑いのバナナマン、泉谷しげるに車だん吉、石立鉄夫のキャスティングでギャグ漫画を観ているようでした。 少年たちに受け、共感されそう。 初主演のウエンツ瑛士くん(1985年生まれ。あら、もう成人でした)は、 『ブレイブストーリー』の声優としてカンヌ映画祭に参加、 ファッション誌のスカウトがあったほどの美形ですが、 バラエティ番組の出演が多いですね。 GWには主演作『ゲゲゲの鬼太郎』も公開予定です。(白)

2007/日本/95分/ビスタ/ドルビーSR/
配給:プレグレッシブ ピクチャーズ/ディーライツ 宣伝:スキップ

http://www.captain-tokio.com/

2月17日(土)より渋谷シネマGAGA!シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー


『孔雀 —我が家の風景—』

監督:クー・チャンウェイ(『紅いコーリャン』『さらば、わが愛/覇王別姫』撮影)
脚本:リー・チャン
撮影:ヤン・スー
出演:チャン・チンチュー(『セブンソード』『花嫁大旋風』)、フェン・リー、ルゥ・ユウライ

文革が終わった1977年。中国のとある田舎町。 元は金持ちのお屋敷だったと思われる家のテラスで、いくつもの家族が食卓を囲んでいる。 カオ家の3人の子供たち。大きな図体の長男ウェイクオは知的障害を持っていて、 母親は彼を不憫に思って、正月に飴を分けるときにも、 長女ウェイホンや次男ウェイチャンに、兄に多く分けるように言う。 兄は下の二人にとって、ちょっぴりお荷物だ。
自由奔放なウェイホンは、ある日、空から降って下りてきた落下傘部隊の将校に恋をして、 落下傘部隊に志願するが、夢を果たせない。 自分で作った落下傘を自転車の後ろにつけて、町を走りまわるウェイホン。 一方、ウェイチャンも障害者の兄にうんざりして、学校をやめて家を出て行く…。

『紅いコーリャン』『さらば、わが愛/覇王別姫』『太陽の少年』 『オータム・イン・ニューヨーク』など、数々の作品の撮影を手がけたクー・チャンウェイの初監督作品。 地方都市の風情ある町並みや、家族ひとりひとりの描写が素晴らしい。

娘や息子に、いい仕事につかせようと、一所懸命要人に付け届けをする両親。 子を思う親の気持ちがせつない。待っていても開いてくれない孔雀の羽のように、思うようにはいかないそれぞれの人生。やるせないけれど、なんともあじわいのある作品でした。(咲)


★NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映
11月1日 10:30〜(監督ティーチイン予定) 中止
11月4日 20:30〜(上映前に監督舞台挨拶予定)

◆2007年2月17日(土)より Q−AXシネマ他 全国順次ロードショー

2006年/中国/136分/DOLBY SRD/ビスタサイズ

提供:レントラックジャパン、ナインテンタテインメント
配給:キネティック、アルゴ・ピクチャーズ

公式 HP >> http://www.eiga.com/official/kujaku/



2007年2月24日〜

『さくらん』

監督:蜷川実花
脚本:タナダユキ
原作:安野モヨコ「さくらん」
撮影:石坂拓郎
音楽:椎名林檎
美術:岩城南海子
出演:土屋アンナ(きよ葉・日暮)、椎名桔平(倉之助)、安藤政信(清次)、木村佳乃(高尾)、成宮寛貴、菅野美穂(粧ひ)、夏木マリ(女将)、石橋蓮司(楼主)、遠藤憲一、市川左団次ほか

吉原の遊郭・玉菊屋には今日も多くの男たちが集まってくる。 きよ葉は8歳でここに売られてきた。 気が強くて何度も足抜けをし、そのたびに折檻されても泣き声ひとつたてたことがない。 粧ひに「花魁になどなれぬ」と言われて、逆に奮起したきよ葉は、「手練手管」を学んでゆく。 粧ひは金持ちの旦那に身受けされ、羨望を一身に浴びながら吉原を出て行った。 粧ひにかんざしを贈られたきよ葉は、やがて1本立ちし「新造」から「花魁」へと登りつめてゆく。

主人公きよ葉・日暮には『下妻物語』の土屋アンナ、 先輩の花魁に菅野美穂、木村佳乃が肌もあらわな熱演。 女将に夏木マリ、楼主に石橋蓮司とベテラン勢。 きよ葉に入れあげるお客に成宮寛貴、椎名桔平。安藤政信はきよ葉を幼いころから見守る役。 フォトグラファー蜷川実花が、初の長編映画を監督しました。 独特のあふれんばかりの色彩が、画面をくまなく輝かせています。 舞台となる遊女の部屋、衣装、床の間の花(東信)まで今までにない色使いで、目を見張ります。 赤い色が際立つのはパワーの象徴なのかも。 喧嘩のシーンには「下妻のいちご」を思い出しました(大好き!笑)。 閉塞した遊郭の中で自分の意思を貫くきよ葉はすがすがしく、 子供のために泣くきよ葉にはお母さんになった土屋アンナさんがかぶりました。(白)

配給:アスミック・エース

http://www.sakuran-themovie.com/

2007年2月24日(土)〜シネクイント、新宿ジョイシネマ、池袋シネリーブルにてロードショー

★『さくらん』大ヒットで、シネクイントにて「花魁サービス実施中」
上映期間中着物で来館の3人以上の方は1000円で鑑賞できます!!



『素敵な夜、ボクにください』

監督:中原俊
脚本:黒沢久子・祢寝彩木
企画:小澤俊晴(プログレッシブ ピクチャーズ)
音楽:遠藤浩二
出演:吹石一恵(木村いずみ)、キム・スンウ(イ・ジンイル、カン・スヒョン)、占部房子(山本裕子)、関めぐみ(木村ひかり)、枝元萌(沢谷聡子)、飛坂光輝(パク・ファンソク)ほか

イ・ジンイルは韓国のカーリング選手。試合の大事な場面でチームメイトの助言を無視、強引な逆転を狙ったものの大外れ、チームは負けてしまった。主力メンバーから降格となったジンイルは、気分転換に日本に留学中の後輩ファンソクを訪ねる。
売れない女優のいずみは、来日中の韓流スター「カン・スヒョン」とめぐり合う。片言の日本語で甘い言葉をささやかれ、すっかりその気。スターへの足がかり!の下心も手伝って一夜を過ごすことになった。目覚めると彼はいなくなっていたが、残された切符はいずみの故郷の青森行き。てっきりこれは結婚の申込みと早合点、有頂天で帰郷すると、いずみがカン・スヒョンと思い込んでいたのは、瓜二つのイ・ジンイルだった。

韓国スターのキム・スンウが、二役で日本映画に初主演。スターのスヒョンとしての出番はほんの少しで、行きがかり上ど素人の女の子たちにコーチをするはめになる、カーリング選手のジンイル役が殆どです。思い込みが強くて行動的、少々わがままないずみ役に吹石一恵、いずみに引きずられてチームを組む3人の女性たち、真面目な裕子、気のいい聡子、クールな妹のひかり、それぞれいい味出しています。似たもの同士のジンイルといずみのすれ違いの恋模様と、カーリングのかけひきの面白さも盛り込んで、気軽に楽しめるラブコメディになっています。カーリングの映画には、実話を元にした『シムソンズ』があります。ルールなどについてはそっちが詳しいので、先に観ておくともっとよくわかりますよ。(白)

韓流にカーリングって、なんだかはやりものを無理にくっつけてない? なんて思いながら観に行ったのですが、これがなかなかどうして、楽しく可愛らしいラブコメディに仕上がっているのでした。お話の転がり方にあまり無理がなく、良い役者が揃って、アンサンブルが軽やか。楽しい気分になりたいときには、おすすめですよ。(梅)

配給:エスピーオー、プログレッシブ ピクチャーズ

公式 HP >> http://www.sutekinayoru.com/index.html

★ 1月20日(土)青森先行ロードショー!!
★ 2月24日(土)シネマート新宿、シネマート六本木ほかにて全国ロードショー


『叫 さけび』

監督・脚本:黒沢清
出演:役所広司、小西真奈美、葉月里緒奈、伊原剛志、オダギリジョー、加瀬亮ほか

刑事の吉岡は、先頃起きた女性殺害事件の犯人に自分の影を見て不安を募らせている。この世のものとは思えない赤い服を着た女の影も見るようになっていた。そんな彼に優しく接する恋人の春江。しかし二人の間に微妙な距離があるのは明らかだった。
吉岡の周りでは、似たような手口の殺人が次々に起こり始める。何故かその犯人たちを導かれるようにして見つける吉岡。犯人たちは、奇妙な幻影を見て恐れおののいていた。そして吉岡にも今やその女の姿は頻繁にはっきりと見えていた。しかし、それが誰なのかが分からない。

古典的な幽霊話なのですが、葉月里緒奈扮する赤いドレスの幽霊はかなりパワーアップしています。従来の幽霊は自分に犯した罪の償いをさせるべく、犯人への恨みをはらさんとしますが、彼女は自分を無視し続けた世の中へ恨みを拡大させ、甲高い叫び声がどんよりと曇った東京の空をつんざきます。それにしても葉月里緒奈の幽霊は似合いすぎます。(梅)

2006年/日本/カラー/35mm/ヴィスタサイズ/DTS/104分
製作:TBS、Entertainment FARM、エイベックス・エンタテインメント、オズ、日活
製作プロダクション:オズ
配給:ザナドゥー、エイベックス・エンタテインメント、ファントム・フィルム

公式 HP >> http://www.sakebi.jp

★2月24日(土)より、シネセゾン渋谷・新宿武蔵野館他にて全国ロードショー


『絶対の愛』原題:Time

脚本・監督・製作・編集:キム・ギドク
製作総指揮:鈴木径男
出演:ソン・ヒョナ、ハ・ジョンウ、パク・チヨン、キム・ソンミン、杉野希妃(ソ・ヨンファ)

セヒ(パク・チヨン)は、ジウ(ハ・ジョンウ)と付き合い始めて2年。 いつもの喫茶店で、恋人ジウがウェイトレス(杉野希妃)に目線を向けただけで嫉妬してしまうほど、自信をなくしている。 このままでは、彼に飽きられてしまう!  思いつめたセヒは、部屋を引っ越し、携帯電話も変えて、整形外科医(キム・ソンミン)のもとを訪れる。 手術の壮絶な映像を見せられ、このままでも十分綺麗なのにと言われても、 顔を変えなければと決意は固い。 そして半年。セヒがいなくなって寂しい思いをしていたジウは、 スェヒという女性と親しくなる。 が、いざという場になると、忽然と消えた恋人への思いが募り、一歩踏み出せない。 そして、実はスェヒがセヒだと気がついた時、ジウは思いもかけない行動に出る...。

キム・ギドク監督の13作目。『春夏秋冬そして春』が静だとすると、 『絶対の愛』は動。感情が激しくうごめき、人間の本性を見せ付けられる思いがした。 人はいったい何に惹かれて相手を愛するようになるのだろう。 入り口は看板である顔かもしれない。 そうして愛し合うようになっても、繰り返される日常に慣れてしまうと、 いつしか飽きてしまい、変化も求めたくなる。 小さな幸せがずっと続けばそれでいいという思いの人もいるだろう。 でも、人生に永遠はない。お互いの気持ちを同じレベルで持ち続けることの難しさ!  それにしても、恋焦がれる思いに縁遠くなった我! (咲)

2006年/韓国・日本/カラー/ドルビーSRD/アメリカンビスタ/1時間38分
提供・配給:ハピネット
宣伝:ムヴィオラ


★『絶対の愛』公開記念!
キム・ギドク レトロスペクティヴ 「スーパー・ギドク・マンダラ」
2月24日(土)〜3月16日(金)
ユーロスペースにて
連日レイトショー9:10PM〜、他モーニングショーあり
日本未公開作品を含む、長編第2作からの全作品を一挙上映!

◇キム・ギドク監督が参加する来日記念パーティー 日時:2/24(土)7:00PM-9:00PM
会場:Prologue(ユーロスペース1F)

公式HP>>  http://zettai-love.com/


『ボッスン・ナップ』boss'n up

監督・脚本:プーク・ブラウン
製作:アミア・ヤズディ/テッド・チャン/ディラン・ブラウン
撮影:マックス・ダ・ヤン・ワン
美術:カルロス・オソリオ
音楽:スヌープ・ドッグ
出演:スヌープ・ドッグ、リル・ジョン、トリーナ、サンディ・カーター、キャリン・ワード、ラリー・マッコイ、シャレー・アンダーソン他

スーパー店員のコーデ(スヌープ・ドッグ)は、この境遇から抜け出して大金を掴むことを夢見ていた。 特技は女性の扱い。 スーパーのレジで客にチップを貰うなんて彼だけだ。 そこへ伝説のピンプ(売春斡旋業)のオレンジ・ジュース(ホーソン・ジェームズ)が現れ、 「弟子にするから超一流の女を捜して来い」と持ちかける。 シャルドネ(シャレー・アンダーソン)に出逢ったコーデは、彼女こそ運命の女だと直感! 二人で裏の世界で成り上がっていく。

ラップ・スターのスヌープ・ドッグが自らのアルバム「ブルー・カーペット・トリートメント」 の曲をたっぷり使って作った、男の夢物語な作品。 ピンプって早く言えばヒモですかね〜。 たくさんのいい女を抱えて、客をとらせて上がりを受け取るという、 長良川の鵜飼いを思い浮かべてしまいました(笑)。 ホーソン・ジェームズの濃さと、 ヒロインに抜擢されたシャレー・アンダーソンのいい女ぶりが見もの。(白)

2005年/アメリカ/90分/ドルビーSR/ビスタサイズ
配給:ビー・ビー・ビー
http://www.bossn-up.com/

2月24日(土)よりシアターN渋谷、シネヌーヴォXにて公開



『ボビー』原題:BOBBY

監督・脚本:エミリオ・エステヴェス
撮影:マイケル・バレット
美術:パティ・ポデスタ
音楽:マーク・アイシャム
キャスト:アンソニー・ホプキンス(ジョン)/ハリー・ベラフォンテ(ネルソン)/ウィリアム・H・メイシー(ポール)/ヘザー・グラハム(アンジェラ)/シャロン・ストーン(ミリアム)/クリスチャン・スレーター(ティモンズ)/ローレンス・フィッシュバーン(副料理長)/イライジャ・ウッド(ウィリアム)&リンジー・ローハン(ダイアン)/マーティン・シーン(ジャック)&ヘレン・ハント(サマンサ)/エミリオ・エステヴェス(ティム)/デミ・ムーア(ヴァージニア)/アシュトン・カッチャー(売人)/フレディ・ロドリゲス(ホセ)/ジョシュア・ジャクソン(ジェイド)/ニック・キャノン(ドウェイン側近)/ジョイ・ブライアント(パトリシア)/メアリー・エリザベス・ウィンステッド(スーザン)/シア・ラブーフ(ジミー)/ブライアン・ジェラーティ/(クーパー)/スヴェトラーナ・メトキナ(記者)/ディヴィッド・クラムホルツ(フィル)/ジェイコブ・ヴァルガス(ミゲル)

1968年6月5日のLAアンバサダーホテル。 ロバート・F・ケネディが大統領予備選挙に立候補して、 カリフォルニア州の選挙結果が出るこの日、ホテルにいた22人の男女の群像劇。 かつての老ホテルマン、ジョンとネルソンは引退した後も毎日やってきて、 チェスを楽しみ昔話をしている。 厨房ではケネディ上院議員を迎えるため、ダブルシフトが組まれた。 野球観戦に行くつもりだったホセは夜勤になってしまい、憤懣やるかたない。 不法労働者たちだから、と外出を禁じた厨房の責任者ティモンズを、 ポール支配人は「クビだ!」どなりつける。 支配人の妻ミリアムが働くホテルの美容室に、 今晩結婚するというティーンエイジャーのダイアンが訪れる。 落ち目で酒びたりになった歌手ヴァージニアは、ボビーの記者会見の前に歌う予定だが、 今日も夫ティムと口論している。 ボビーの若い側近は、選挙ボランティアの学生たちを送り出し、会場の準備におおわらわだ。 誰もが様々な想いを抱えるなか、ボビーはひとつの「希望の星」だった。

"ボビー"と呼ばれて人々に親しまれ、 アメリカ改革の期待を受けていたロバート・F・ケネディは、 このホテルのボールルームで勝利演説をした後、 群衆が多いため厨房を抜けようとしてある男の銃弾に倒れました。 その史実を軸に、血の通った人々のストーリーを結びつけ、 まさに『グランドホテル』形式の映画をエミリオ・エステヴェスが作り上げました。 映画の中で元ホテルマンを演じるアンソニー・ホプキンスとハリー・ベラフォンテが、 『グランドホテル』のセリフの話をするシーンがあるので、 思わずニヤッとしてしまいました。 監督のエステヴェス本人も、父親のマーティン・シーンも群像の1人として出演しています。
映画にはボビーの実際のフィルムが挿入され、スピーチがかぶさります。 これが今の政治家達にきっちり覚えてもらい、実践してほしい内容です。 この人が大統領だったらアメリカは変わっていただろうと、今更ながら惜しくてなりません。 悲劇を目の当たりにした群衆とともに泣けました。 キャストひとりひとりの熱演と音楽にも拍手。(白)

2006/アメリカ/カラー/スコープサイズ/ドルビーデジタル/120分/
提供・配給:ムービーアイ
オリジナル・サウンドトラック:ユニバーサル インターナショナル
http://www.bobby-movie.net/

2月24日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国ロードショー


2007年2月2日〜4日

国際交流基金主催 英語字幕付き日本映画上映会第7弾
「進化する日本映画〜Evolving Japanese Cinema」

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)の主催で 日本映画の英語字幕付き上映会が開催されます。 第7弾の今回の上映会では、現代の最前線を担う監督たちの初期の秀作6作品が上映されます。 日本在住の外国の方々にとって日本映画の豊かさに触れる絶好のチャンスです。 お知り合いの外国の方々に是非ご紹介ください。

期間:2007年2/2(金)〜2/4(日)
会場:赤坂・OAGホール
(東京都港区赤坂7−5−56 ドイツ文化会館内)
地下鉄銀座線・半蔵門線・都営大江戸線「青山一丁目」駅A4出口より徒歩5分
主催:国際交流基金
企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
協力:角川ヘラルド、シネカノン、松竹、日活

料金:当日600円(当日券のみ) 
*各回入替制 *全作品英語字幕付き(講演は入場無料)


<タイムテーブル>

【2/2(金)】
18:30 その男、凶暴につき(1989/103分/監督:北野武)
Violent Cop / 1989 / 103 min. / KITANO Takeshi

【2/3(土)】
13:30 MONDAY(2000/100分/監督:SABU)
Monday / 2000 / 100 min. / SABU

16:00 ファンシィダンス(1989/101分/監督:周防正行)
Fancy Dance / 1989 / 101 min. / SUO Masayuki

18:30 月はどっちに出ている(1993/109分/監督:崔洋一)
All Under the Moon / 1993 / 109 min. / SAI Yoichi

【2/4(日)】
13:30 害虫 (92分)(2001/92分/監督:塩田明彦)
Harmful Insect / 2001 / 92 min. / SHIOTA Akihiko

15:15 講演 塩田明彦 監督
Lecture by SHIOTA Akihiko

17:30 カリスマ(2001/92分/監督:黒沢清)
Charisma / 2000 / 103 min. / KUROSAWA Kiyoshi

<お問合せ先>
会期前のお問合せ:上映会事務局(東京フィルメックス内)
          Tel: 03-3560-6394(11:00〜17:30 平日のみ)
会期中のお問合せ: Tel: 080-5150-5053(開催期間中のみ)

サイト>>
(日)  http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp-7.html
(English)  http://www.jpf.go.jp/e/culture/topics/movie/fsp7.html



2007年3月9日〜

「EARTH VISION 第15回 地球環境映像祭」

環境をテーマとしたさまざまな映像を通して地球環境について考えることを目的に、 日本を含むアジア、オセアニア・ポリネシアに広く作品を公募し、 コンペティション形式の上映会を行っています。 地球環境をテーマとした映像であれば、作品のジャンル、プロ・アマチュアを問わない点が、 この国際映像祭の大きな特長です。 事務局審査、事前審査で最終的に選ばれた入賞作品を上映します。 上映後には、監督からのあいさつや観客との質疑応答があります。

  • 2007年3月9日(金)〜11日(日)
  • 四谷区民ホール
    新宿区内藤町87番地 四谷区民センター9階
    丸の内線「新宿御苑前」大木戸門出口

  • 協力費1日1000円 中学生以下無料・事前予約不要
    3日間通し協力費(カタログ付き)一般2000円 学生1500円

      http://www.earth-vision.jp/top-j.htm


上映作品
●3月9日(金)
14:00〜『気候大異変ー環境の崩壊が止まらない』(日本/監督:藤川 正浩/52分)
15:15〜『ビッグ・ブルー』(オーストラリア/監督:ジェニファー・クレバーズ/50分)
16:30〜『死の季節よ、さらば』(フィリピン/監督:ボイェッテ・リンバン/33分)

●3月10日(土)
10:00〜子どものための環境映像プログラム
 『雪渡り』 (日本/監督:こぐま あつこ/14分)
 『らっぱ』 (インド/監督:P. シェーシャードリー/108分)
 
13:00〜『古民家のつぶやき—建築家ムラさんの家づくり』(日本/監督:宮川 直子/25分)
13:40〜『石おじさんの蓮池』(台湾/監督:ワン・チンリン、チュ・シャオチェン/24分)
14:45〜『危険なオレンジ』(タイ/監督:ティーナー・アムリト・ギル/28分)
15:30〜『生命の干潟』(韓国/監督:イ・ミンス/50分)
16:55〜『断罪の核心—元裁判長が語る水俣病事件』(日本/監督:本田 裕茂/48分)
18:10〜『プージェー』(日本/監督:山田 和也/110分)

●3月11日(日)
10:00〜子どものための環境映像プログラム
 『ABU未来への航海-アジアの10代 熱帯雨林の旅』(日本/監督:渡辺 利明、佐藤 知樹/44分)
 『おとなりさんとわたし』(ベルギー/監督:ルイーズマリー・コロン/8分)
 『グランド・ゼロー聖なる大地』(アメリカ/監督:カレン・アクア/9分)
 『地球は虫の惑星だー昆虫写真家・海野和男の映像世界II』(日本/監督:春原 晴久/47分)
13:00〜『イノセンス』(タイ/監督:アーリーヤー・チュムサーイー、ニサ・コンシリー/100分)
15:15〜 中国環境ドキュメンタリー映像祭 特別プログラム
 『ホワイト・プラネット』(フランス・カナダ /監督:ティエリー・ラゴベール、ティエリー・ピアンタニダ/83分)
18:00〜表彰式

 アース・ビジョン大賞作品上映/交流会


「第3回国際交流基金 アラブ映画祭2007」

2005年に始まったアラブ映画祭も、今年で3回目を迎えました。 今年は、「アラブ新作パノラマ」で5本、 「エジプト映画回顧展」で12本の計17本の映画が上映される他、 ゲストを迎えてのシンポジウムが2回開かれます。
「アラブ新作パノラマ」では、これまで恐らくほとんど日本で紹介されたことのない、 サウジアラビアとイエメンの映画が上映されます。 一方、「エジプト映画回顧展」では、 アラブ諸国の中でもダントツの映画大国エジプトのバラエティに富んだ映画の数々が新旧織り交ぜて上映されます。

会期:2007年3月9日(金)〜18日(日)
会場:赤坂・OAGホール
東京都港区赤坂7−5−56 ドイツ文化会館内
地下鉄銀座線・半蔵門線・都営大江戸線「青山一丁目」駅A4出口より徒歩5分

◆アラブ新作映画パノラマ
『インターネットの扉』Bab el Web 2005年/アルジェリア
『バーブ・アジーズ』Bab‘Aziz 2004年/チュニジア=ドイツ=フランス=イギリス
『沈黙の影』Shadow of Silence 2005年/サウジアラビア
『古きサナアの新しき日』 A New Day in Old Sana'a 2005年/イエメン
『長い旅』Le Grand Voyage (2004年/モロッコ=フランス)

『長い旅』は、「アラブ映画祭2006」人気No.1作品のアンコール上映。 シネマジャーナル67号で紹介しています。 南フランスに住むモロッコ人の老人がいやがる息子に車を運転させて メッカ巡礼に行くロードムービー。 聖地メッカでの撮影も敢行。 肌の色も言葉も違う人々と接する内に、移民二世の息子の気持ちに変化が起きていきます。 この息子役を演じたニコラ・カザールは、 3月に公開されるフランス映画『サンジャックへの道』でもアラブ系移民二世を演じています。

◆エジプト映画回顧展
『喜劇万事快調』 Everything is Fine 1937年
『歌姫ウンム・クルスームのファトマ』 Fatma 1947年
『渓谷の争い』 Feud in the Valley 1954年
『カイロ中央駅』 Cairo Station 1958年
『郵便局長』 The Postmaster 1966年
『ナイル河のから騒ぎ』 Adrift on the Nile 1971年
『ズーズーにご用心』 Watch out for Zuzu 1971年
『ヒンドとカミリアの夢』 Dreams of Hind and Kamilia 1989年
『テロリズムとケバブ』 Terrorism & Kebab 1992年
『恐怖の大地』 Land of Fear 1999年
『閉ざされたドア』 The Closed Door 1999年
『ヤコービエン・ビルディング』The Yacoubian Building 2006年

主催:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
後援:在日本アラブ・エジプト共和国大使館
協力:エジプト文化省、エジプト国立フィルムセンター、アラブ・アジア文化交流協会(アーダード)
運営協力:ぴあ株式会社

  http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/arab2007.html

スタッフ日記にアラブ映画祭のレポートを掲載しましたのでご覧下さい。



2007年3月15日〜20日

「フランス映画祭2007」

今年はフランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴを来日代表団団長に迎え、東京・横浜・大阪で開催されます。 上映予定の18作品は全てジャパン・プレミア。詳細は公式HPに順次アップされますので、ぜひチェックしてください。

【東京・横浜】
六本木 3/15(木)〜18(日)TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
お台場 3/17(土)〜18(日)シネマメディアージュ
横浜  3月予定 TOHOシネマズ ららぽーと横浜

【大阪】
難波 3/18(日)〜20(火) TOHOシネマズ なんば
高槻 3/19(月)〜20(火) TOHOシネマズ 高槻 

http://www.unifrance.jp/festival/index_pc.php

●カトリーヌ・ドヌーヴ出演 上映作品
『輝ける女たち(仮題)』 (Le Heros de la Famille) 2006年仏公開
 監督:ティエリー・クリファ
 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール
 配給:ムービーアイ
 2007年GW公開 Bunkamura ル・シネマ

『ストーン・カウンシル』 (Le Concile de pierre) 2006年仏公開
 監督:ギョーム・ニクルー
 出演:モニカ・ベルッチ、カトリーヌ・ドヌーヴ
 配給:アルバトロス・フィルム
 2007年公開予定

『輝ける女たち(仮題)』より
© 2006 SBS FILMS EDELWEISS SRL FRANCE 2 CINEMA


2007年4月28日〜

ニューヨークで暮らしています 彼女たちがここにいる理由』

○上映会のお知らせ (入場無料)

日時 2007年4月28日(土)PM2:00〜3:30
場所 ヴィータホール
   京王線聖跡桜ヶ丘駅前ヴィータコミューネ8階 042-374-9711
問合せ 090-4748-3050 杉浦まで

ご家族、お友達を誘っておいでください、お待ちしています!


○すでに終了した上映会

○2006年10月13日(金)東京ウィメンズプラザホール
 「映画!映画!映画!シネマジャーナル創刊20年大会」ワークショップで上映
  場所はこちらの地図を参照下さい。
  18:00 開場 18:30 開映 19:45 パネルディスカッション
  問合せ 03-5991-3486 テス企画シネマジャーナル

○2007年1月28日(日)池田市民文化会館アゼリア小ホール 
 後援(財)いけだ市民文化振興財団
 阪急宝塚線石橋駅西口から徒歩6分
 18:00開場 18:30開映 19:45Q&A監督の話「作山?o治・典子ご夫妻のNYアトリエを訪ねて」
 チケット発売11/20から 問合せ072-761-8811池田市民文化会館

※共通参加費500円です。チケット制でない場合は当日受付清算です。



「イタリア映画祭2007」
・4月28日(土)〜5月5日(土)
・有楽町朝日ホール (マリオン11F)

《日本未公開の最新イタリア映画12本を一挙上映! 》
◆『犯罪小説』
(2005年/146分) 監督:ミケーレ・プラチド
キム・ロッシ・スチュアート,ステファノ・アッコルシ,ジャスミン・トリンカ
4月30日(月・休)18:00
5月4日(金・祝)13:00

◆『私たちの家で』
(2006年/101分) 監督:フランチェスカ・コメンチーニ
ヴァレリア・ゴリーノ
4月30日(月・休)10:20
5月2日(水)18:40

◆『家族の友人』
(2006年/110分) 監督:パオロ・ソレンティーノ
4月29日(日・祝)13:10
5月2日(水)10:20

◆『気ままに生きて』
(2006年/108分) 監督:キム・ロッシ・スチュアート
バルボラ・ボブローヴァ
4月28日(土)14:50
5月3日(木・祝)13:00

◆『カイマーノ』
(2006年/112分) 監督:ナンニ・モレッティ
ジャスミン・トリンカ,シルヴィオ・オルランド
4月29日(日・祝)16:00
5月5日(土・祝)11:00

◆『わが人生最良の敵』
(2006年/115分) 監督:カルロ・ヴェルドーネ
カルロ・ヴェルドーネ
4月30日(月・休)13:10
5月4日(金・祝)16:10

◆『N‐私とナポレオン』
(2006年/110分) 監督:パオロ・ヴィルツィ
モニカ・ベルッチ,ダニエル・オートゥィユ
4月29日(日・祝)10:20
5月3日(木・祝)15:50

◆『新世界』
(2006年/120分) 監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ
シャルロット・ゲンズブール
4月28日(土)17:30
5月2日(水)13:00

◆『ヴィットリオ広場のオーケストラ』
(2006年/90分) 監督:アゴスティーノ・フェッレンテ
5月1日(火)10:20
5月4日(金・祝)19:00

◆『結婚演出家』
(2006年/100分) 監督:マルコ・ベロッキオ
セルジョ・カステッリット,サミ・フレー
4月28日(土)12:00
5月2日(水)15:50

◆『星なき夜に』
(2006年/104分) 監督:ジャンニ・アメリオ
セルジョ・カステッリット
5月1日(火)13:05
5月4日(金・祝)10:20

◆『プリモ・レーヴィの道』
(2006年/92分) 監督:ダヴィデ・フェラーリオ
ドキュメンタリー
5月1日(火)15:50
5月3日(木・祝)10:20

*プレミア上映
◆『空のように赤く(仮題)』
(2004年/95分) 監督:クリスティアーノ・ボルトーネ
4月29日(日・祝)18:50

◆『それでも生きる子供たちへ』
(2005年/130分) オムニバス作品
5月1日(火)18:35

◆『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』
(2006年/102分) 監督:マリオ・カナーレ、アンナローザ・モッリ
ドキュメンタリー
5月3日(木・祝)18:40

*サイレント映画
◆『カビリア』 [染色(一部彩色)版]
(1914年/3308メートル、16コマ/分=181分)
5月5日(土・祝)15:00

*短編作品

  1. 『癒しがたき愛』 (2005年/16分) 監督:ジョヴァンニ・コヴィニ
    Un inguaribile amore (Giovanni Covini)
  2. 『ザカリア 』(2005年/15分) 監督:ジャンルーカ&マッシミリアーノ・デ・セリオ
    Zakaria (Gianluca & Massimiliano De Serio)
  3. 『見えますか?』 (2006年/13分22秒) 監督:アレッサンドロ・デ・クリストファロ
    Do you see me? (Alessandro De Cristofaro)
  4. 『ニュース』 (2006年/4分) 監督:ウルスラ・フェラーラ
    News (Ursula Ferrara)
  5. 『私です』 (2006年/21分) 監督:セルジョ・カステッリット
    Sono io (Sergio Castellitto)

詳細は公式HPをご覧ください
http://www.asahi.com/event/it07/index.html


「韓国アートフィルム・ショーケース」

韓国映画振興委員会(KOFIC) の全面協力で、韓国のアート系作品4本を特集上映します。
初日は、一挙4作品を上映予定。

『キムチを売る女』(原題:芒種)
脚本・監督:チャン・リュル
撮影:ユ・ヨンホン
出演:チュ・ヒョンヒ、キム・パク、ジュ・グァンヒョン、ワン・トンフィ

朝鮮族の女スンヒは、夫は殺人事件を起こして服役中。故郷の延平から遠く離れたこの町の鉄道脇の粗末な家に、一人息子のチャンホと二人移り住み、露天でキムチを売って生活している。
同じ朝鮮族であることから親しくなった男キム。彼女のキムチをよく買ってくれ、露天商の許可を取るのを世話してくれるワン警官。チャンホがガラスを割ってしまい、お詫びに届けたキムチを気に入ってくれた工場の食堂長。
初めは親切だが、一皮むけば暗い本性が表れる。そんな男たちに対して、辛うじて毅然として立っていたスンヒ。しかし、ある出来事が彼女の心を打ち砕いてしまう。

チャン・リュル監督は、朝鮮族(韓国系中国人)で、元々現代中国文学を代表する作家として有名でした。特に映画制作の勉強をしたわけではないのですが、初作品の短編『11歳』が、いきなりベネチア国際映画祭に招聘されています。この『キムチを売る女』は長編第2作になります。全く無駄のない、シンプルで美しい映像の中に、深い哀しみと怒りを撮る人です。賈樟柯やキム・ギドクに続く、映像作家として大いに期待されています。

2005年カンヌ国際映画祭批評家週間ACID賞
2005年ぺサロ映画祭ニューシネマ部門グランプリ
2006年ブゾル映画祭グランプリ
2006年シネマノボ映画祭グランプリ
2006年タオスアジアン映画祭グランプリ&観客賞 他多数受賞

2005年/韓国・中国/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/109分

★第1弾 2007年1月27日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

『不機嫌な男たち』
監督・脚本:ミン・ビョングック
出演:チョン・チャン、キム・ユソク

2004年東京国際映画祭最優秀アジア映画賞
★第2弾 2月17日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

『許されざるもの』
監督:ユン・ジョンビン
出演:ハ・ジョンウ、ソ・ジャンウォン、ユン・ジョンビン

テジョンは約2年の兵役を、もうすぐ模範的に終えようとしている。ある日、彼の班に中学の同級生だったスンヨンが配属されてくる。スンヨンは軍隊特有の不条理さになかなか馴染めない。テジョンはそんな彼を何かとかばってやるのだが、彼は妥協できずに周囲との摩擦が絶えず、テジョンは苛立ちを覚える。
しばらくして、新兵ジフンが配属されてきた。スンヨンはジフンに対して良い先輩でいようとするのだが、少し鈍いジフンはスンヨンの気も知らず勝手な行動を取り始める。
除隊して普通の社会生活に戻っていたテジョンの元に、休暇のスンヨンが訪ねてくる。若干うっとうしさを感じながら、どうしても会って話したいことがあるという彼に会いに行くのだが・・・

無名の大学生が卒業作品として制作を始めた本作が、釜山国際映画祭で最多4冠受賞というサプライズを起こしたのは2005年のことでした。韓国の成人男性のほとんどが経験する兵役中の軍隊生活の実情を、鋭く切り取って映しだし、韓国の観客の大きな共感を得ました。主演のハ・ジョンウは大いに注目され、キム・ギドク監督の最新作『絶対の愛』の主演に抜擢されました。
わたしは昨年アジア海洋映画祭イン幕張で上映された台湾の短編映画『海岸巡視兵(原題:海巡尖兵)』(林書宇監督・2005年)を思い出しました。台湾にも兵役があり、主人公たちは階級の違う若い3人の兵士です。そこで描かれていたのはこの作品と同様に、先輩が後輩に不条理ないじめを行い、人としての道理を通そうとするのが非常に困難な現実でした。どこの国であっても、軍隊という組織に属することがどういう事なのか、それが避けがたい義務になっているのがどういう事なのかを考えさせてくれます。(梅)

2005年/韓国/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/121分
2005年釜山国際映画祭国際批評家連盟賞・ニューカレンツ特別言及賞・NETPAC賞・観客賞 (最多4冠受賞)
★第3弾 3月10日(土)〜3月30日(金)、渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

『映画館の恋』
監督:ホン・サンス
出演:キム・サンギョン、オム・ジウォン、イ・ギウ

<第1部>
大学入試を終えたばかりの青年が、兄から小遣いをもらって街に出た。偶然通りかかった眼鏡屋で、初恋の女性に再会し、彼女の仕事が終わったら食事をする約束をする。二人でしたたか飲んだ後、夜の街を歩き出すが・・・
<第2部>
第1部の物語の映画を観て出てきた男。彼は映画の監督の後輩で、この物語が自分の事のように思えて妙な気持ちでいた。その時、映画のヒロインを演じていた女優が同じ館内から出てきたことに気がつく。思い切って声をかけると、親切に答えてくれた彼女に、彼はのめり込んでいく。

事前に一切情報を入れずに観ていたので、後半に入って急に話が切り替わって、先ほどまでのが劇中劇だったと気付くまでに、しばらくかかってしまいました(苦笑)。微妙な居心地の悪さを感じさせる人間関係を生々しく、でもさらっと描いていて、いかにもホン・サンス監督らし い作品だなぁと感じます。第2部の主人公の男を、『殺人の追憶』のキム・サンギョンが、ヒロインを『美しき野獣』のオム・ジウォン、 第1部の主人公の男を、『ラブストーリー』のイ・ギウが演じています。(梅)

2005年/韓国/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/89分/原題:劇場前
★第4弾 3月31日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

配給:ドンスアートセンター
配給支援:韓国映画振興委員会 KOFIC
配給協力:ダゲレオ出版+マジックアワー
宣伝:マジックアワー

公式 HP >> http://www.kaf-s.com/



「日本クラシック、海外発信中!」

-- The Japan Foundation Film Series Part 8 --
  Rediscovery of Japanese Cinema
  英語字幕付き日本映画上映会

●期間:2007年5/25(金)〜5/27(日)
●会場:赤坂区民センターホール
    東京都港区赤坂4-18-13 赤坂コミュニティーぷらざ内
    地下鉄銀座線・丸ノ内線「赤坂見附」駅A出口より徒歩8分

●主催:国際交流基金
●後援:港区
●企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
●協力:角川映画、国際放映、松竹、東宝

● 料金:当日600円(当日券のみ)
*各回入替制 *全作品英語字幕付き(講演は入場無料)

<お問合せ先>
・ 会期前のお問合せ:上映会事務局(東京フィルメックス内)
      Tel: 03-3560-6394(11:00〜17:30 平日のみ)
・ 会期中のお問合せ: Tel: 080-6953-3270(開催期間中のみ)

<タイムテーブル>(6作品上映)   *入替制(開場は15分前)
■5/25(金)
19:00 「安城家の舞踏会」(1947年、89分、吉村公三郎監督)
 ※16mmプリントでの上映
■5/26(土)
13:00 「二十四の瞳」(1954年、155分、木下恵介監督)
16:30 「煙突の見える場所」(1953年、108分、五所平之助監督)
19:00 「近松物語」(1954年、102分、溝口健二監督)
■5/27(日)
13:00 「しとやかな獣」(1962年、96分、川島雄三監督)
14:45 講演:平野共余子氏<英語逐語訳つき>
17:00 「女ばかりの夜」(1961年、96分、田中絹代監督)

公式 HP >> http://www.jpf.go.jp/



「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2007(第4回)」

期間:7月14日(土)〜22日(日)
場所:埼玉県川口市「SKIPシティ」彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール・多目的ホール他
アクセス:会期中、JR川口駅東口キャスティ前臨時バス停より、SKIPシティまで直行の無料シャトルバスが運行されます。(所要:約12分)
   → http://www.skipcity-dcf.jp/access/

オープニングを飾るのは、昨夏、SKIPシティ内にオープンセットを建設し、 昭和33年の広島のバラックの町並みを再現したことでも話題になった『夕凪の街 桜の国』。 メインは、国内外のデジタルで撮影・制作されたデジタルシネマ作品の長編・短 編コンペティション。
長編部門(国際コンペティション)には、南アフリカ、トルコ・フランス、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イスラエル、ベルギー、スペイン、デンマーク、ドイツ、イタリア、フィリピン、中国、日本から12作品がノミネートされています。 審査委員長は香港の女性監督メイベル・チャン。 また、短編部門(国内コンペティション)審査委員長は、俳優の高嶋政伸。 そのほか、招待作品、特集プログラム、D-コンテンツマーケット、 シンポジウムや市民イベントなど様々なプログラムが開催されます。
上映は、4Kデジタルシネマプロジェクターという最高の環境。 また、各作品の上映後には、各国から訪れた作品ゲストとの交流の場も用意されています。 詳細は公式HPでご確認ください。 また、HPでは、全作品の予告編も観ることができます。

公式HP>> http://www.skipcity-dcf.jp/index.html



2007年3月3日〜

『パフューム −ある人殺しの物語−』 原題:Perfume:The story of a murderer

監督・脚本:トム・ティクヴァ(『ラン・ローラ・ラン』)
原作:パトリック・ジュースキント「香水」(文春文庫刊)
サントラ:サイモン・ラトル指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(東芝EMI)
出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン(『ハリー・ポッター』シリーズ)、レイチェル・ハード=ウッド(『ピーターパン』)

18世紀、パリの魚市場。 産気づいた魚屋の女が魚の腸が散乱する中で赤ん坊を産み落とし放置する。 捕まえられ死刑になる母親。 残された子供は、ジャン=バティスト・グルヌイユと名付けられ孤児院で育つ。 親に見捨てられた彼に神が与えたのは、一切の体臭を持たない特異体質とあらゆるものを嗅ぎ分ける驚異的な臭覚。 大きくなり、なめし皮工場で働きはじめた彼は、町ですれ違った美女の体臭に惹きつけられる。 ある時、皮の納品先の香水屋で、今は落ち目の天才的香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に出会う。 美女の香りを抽出したい一心で、弟子入りするグルヌイユ。 やがて、ここでは、“生き物”の匂いを取り出す技術を学べないと悟った彼は、 より高度な技術を学びに香水職人の町グラースに旅立つ。 そしてグラースの町で続出する美女殺人事件。 彼の目指す香りは、世界に一つしかない天国の香り・・・。

映像で“におい”を伝えるのは難しいけれど、冒頭の魚市場の悪臭だけはしっかり伝わってきました。 数百名のエキストラを集めてのラストは圧巻でしたが、残念ながら私には天国の香りは薫ってきませんでした。 グルヌイユを演じたベン・ウィショーの、不可思議な存在感も凄かったけれど、 なんといってもダスティン・ホフマンの落ちぶれた香水調合師は、あっぱれ!(咲)

2006/ドイツ映画/147分/シネスコ/DTS、ドルビーデジタル/カラー
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by:ヒューマックスシネマ

★2007年3月3日(土)より、サロンパスルーブル丸の内他全国松竹・東急系にてロードショー 公式HP>> http://perfume.gyao.jp/


『龍が如く 劇場版』

監督:三池崇史
脚本:十川誠志
撮影:山本英雄(J.S.C)
音楽:遠藤浩二
美術:稲垣尚夫
エンディング曲&挿入歌:クレイジーケンバンド
出演:北村一輝(桐生一馬)、岸谷五朗(真島吾朗)、塩谷瞬(悟)、サエコ(唯)、夏緒(遥)、加瀬邦彦(一輝)、高岡早紀(由実)、哀川翔(野口刑事)、コン・ユ(朴)、真木蔵人(錦山)、遠藤憲一、田口トモロヲ、荒川良々ほか

神室町の銀行に2人組の強盗が押し入った。しかしなぜか金庫はからっぽ。 やけになった強盗が空調機を壊してしまい、暑さにきれそうになったころ、 刑期を終えて出所した桐生一馬は遥(はるか)という少女と出逢った。 母を捜しているという遥を連れて神室町の馴染みの店を訪れる桐生だったが、 宿敵真島吾朗一派が彼を追っていた。 一方若いカップルの悟と唯は、手っ取り早く金を作ろうと強盗に精を出していた。 熱帯夜の町で巻き起こる事件が、やがて一つに収束していく。

PS(プレイステーション)2で大ヒットした同名ゲームの映画作品。 ちらしはゲーム版デザインのシルエットの中に、出演者の顔写真が入っています。 桐生一馬と真島の戦いをメインに、母親を探す子供、強盗に謎の韓国人、 ホストに武器屋と登場人物満載。 ゲームを知らない人には人間関係がいまいち判りにくいかも。 一馬と由実、錦山は同じ施設で育った親友。 10年前錦山の罪をかぶって刑務所に入った一馬だったが、 出てみると大きく変わっていたのは町ばかりではなかった。 緊迫感&スピード感溢れるアクションに、笑いもまぶして楽しませてくれます。 三池監督はこの作品世界をつかむために、さっそくゲームを買い求めてクリアしたとか。 敵を倒す爽快感はゲームのまま、桐生強し!真島のキレっぷり、テンションの高さに唖然呆然。 しかし「岸谷さん、似合う!」と芸の幅に感心。 細かい突込みはなしで、いや、突込みもまた良し。 劇場の画面でこのゲーム感覚エンタテイメント作品をお楽しみください。(白)

原作のゲーム感覚を踏襲した、突き抜けたありえなさ加減が楽しいです。北村一輝さんと真木蔵人さんの対決は、まさにボスキャラ登場のラスト・ラウンド。お二人とも凄い身体をしていらっしゃる。CGじゃないですよね?(梅)

2006/日本/カラー/120分/
配給:東映  製作:SEGA
http://www.ryu-movie.com/

3月3日(土)より全国ロードショー!


©2007「龍が如く」フィルムパートナーズ


『ダウト』Slow Burn

監督・脚本:ウェイン・ビーチ
撮影:ウォリィ・フィスター
音楽:ジェフ・ローナ
出演:レイ・リオッタ(フォード・コール検事)、LLクールJ(ルーサー・ピンクス)、ジョリーン・ブレイロック(ノラ・ティマー)、 メキー・ファイファー(アイザック)、キウェテル・イジョフォー(トリッピン)、テイ・ディグス(ジェフリー・サイクス)、ブルース・マッギル(局長)、ガイ・トーリー、 ジョー・グリファシ、フィッシャー・スティーヴンス

フォード・コールは元警官の検事。 ジャーナリストのトリッピンの密着取材を受けていた。 大きなガス漏れ事故がおきて車も渋滞中。 そんな夜に恋人の検事補、ノラ・ティマーから「レイプした男を射殺してしまった」 と電話が入る。 ノラは正当防衛を主張し、フォードも力になってやりたいと思うが確固たる証拠がない。 そこへ、現場に居合わせたとルーサー・ピンクスという男が現れ、計画された殺人だと訴える。 ノラが嘘を言っているのか? ルーサーは何者なのか?

オープニングタイトルの背景に設計図があり、次々と数字や線が書き込まれて行きます。 この映画には都市開発やそれにからむ利権の話が出てくるのですが、それは後のこと。 次々と事件が起こり、謎が積み重ねられ、真実を言っているのは誰なのか、 フォード検事と一緒に観客は困惑させられます。 ウェイン・ビーチ監督はこれまで脚本家として活躍、 この作品では自ら監督もしてひとひねりもふたひねりもある作品を完成させました。 ジョリーン・ブレイロックは白人ですが、ミステリアスなヒロインの黒人ノラを演じています。(白)

2005/アメリカ/35mm/カラー/ヴィスタ/ドルビーデジタル/93分
配給:アートポート
宣伝:アンカープロモーション
3月3日(土)よりK's cinemaほかにて全国順次ロードショー



『蒼き狼 地果て海尽きるまで』

製作総指揮:角川春樹
監督:澤井信一郎
脚本:中島丈博、丸山昇一
原作:森村誠一「地果て海尽きるまで 小説チンギス汗(上下)」(ハルキ文庫刊)
出演:反町隆史、菊川怜、若村麻由美、袴田吉彦、松山ケンイチ、松方弘樹 ほか

800年前に、史上最大のモンゴル帝国を築いたチンギス・ハーンの半生を描いた歴史エンタテインメント。
部族間の闘争が繰り返される12世紀末のモンゴル。部族長の息子として生まれたテムジンだったが、14歳の時に敵方に父を殺され、生活が一変する。母が他部族から略奪された身で、第一子の彼は出生を疑われ、父の部下たちに離反されてしまったのだ。辛酸をなめながらも、一族を束ね、次第に勢力を増していくテムジン。妻をめとり、一族の長としてこれからというときに、敵に襲われ、最愛の妻を略奪されてしまう。

全編モンゴルロケを敢行しただけあって、シネスコサイズのスクリーンには、緑の草原と青い空が広々と広がり、とても美しいです。そしてそこで繰り広げられる、騎馬軍団による戦いのシーンは雄壮で迫力があります。しかし、それに比べるとドラマの部分が全体を浅く広くなぞったようで、貧弱に感じてしまいます。これほど波瀾万丈の人生を送り、壮大な帝国の王になった人物なのに、凄味や貫禄が伝わってこない。戦の中で略奪の対象となり、「戦争が起こるといつも一番苦しむのは女たち」という台詞がありますが、これだけ戦闘シーンが多く、しかもあまり悲壮感はなくて勇猛果敢さが目立つと、とってつけたような言葉に聞こえてしまいました。 (梅)

2006年/日本・モンゴル/136分
©2007「蒼き狼 地果て海尽きるまで」製作委員会
角川春樹事務所 エイベックス・エンタテインメント 松竹 フィー ルズ TOKYO-FM JFN 読売新聞 Yahoo!JAPAN 日本航空 エイチ・ アイ・エス ティー・アンド・エム 創芸 ハーティス スマート・ エックス 幻戯書房
配給:松竹

公式 HP >> http://www.aoki-ookami.com/

★3月3日(土)、丸の内ピカデリーほか 全国超拡大ロードショー


2007年3月10日〜

『約束の旅路』原題:Va, vis et deviens

監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
脚本:アラン=ミシェル・プラン、ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:ヤエル・アベカシス、ロシュディ・ゼム、シラク・M・サバハ

1984年、飢餓に喘ぐアフリカで、ソロモンとシバの子孫であるエチオピアのユダヤ人を、 イスラエルとアメリカの援助でイスラエルに移民させる「モーゼ計画」が秘密裏に進められた。 エチオピアからスーダンの難民キャンプに歩いて辿り着いたユダヤ人を飛行機で輸送するという大プロジェクト。 スーダンの難民キャンプで、あるキリスト教徒の母親が我が子だけでも助けたいと、 9歳の息子にシュロモというユダヤ名を教え込み、 息子を亡くしたばかりのユダヤ女性に託してイスラエルに逃れさせる。 シュロモはフランス系ユダヤ家族に養子として迎え入れられる。 自分が孤児でもなく、キリスト教徒の黒人であることが発覚するのではないかと怯える日々。 やがてイスラエル社会にも溶け込み、白人系ユダヤの娘と恋にも落ち、 医師としての人生を歩み始めるが、難民キャンプで涙ながらに別れた母に思いが募る...

『行け、生きろ、生まれ変われ』のタイトルで、 第13回フランス映画祭横浜2005において上映された作品。 私が1991年にイスラエルを訪れた折に、 エルサレムの町で数多く見かけた漆黒の肌の人たちが、 エチオピアから来たユダヤ人だと聞かされて驚いたことを思い出し、 この作品には格別の興味を覚えて観にいきました。 少年から青年へと人生を歩んでいく姿や、産みの親、育ての親、 そしてわが子の母をなる妻という大勢の母親たちの姿が素晴らしく、 一般公開を待ち望んでいました。 フランス映画祭横浜の折りに、来日したラデュ・ミヘイレアニュ監督と、 シュロモの青年役を演じたシラク・M・サバハ君に1時間にわたりインタビューさせていただいたレポートを、 シネマジャーナル65号 (表紙も、まさにこの映画です!)に掲載しています。 朝方までファンと飲んでいた二人でしたが、しっかり語ってくれました。
シラク君は、役の上では偽のユダヤ人ですが、彼自身は正真正銘のエチオピア系ユダヤ人で、 家族と共にエチオピアから何日も歩いてスーダンにたどり着き、 イスラエルに移住した経験はまさに本物。 演じながら自分の過去が重なったといいます。
満席のマスコミ試写では、終わったときに、自然と大きな拍手が沸きました。 母を思う気持ちは万国共通。それが観る者の心を揺さぶるのだと思います。 娯楽的にも楽しめる作品で、長さを感じさせません。 この春、是非ご覧になっていただきたい一作!(咲)

2005年ベルリン国際映画祭パノラマ部門 観客賞ほか、多数受賞

2005年/フランス映画/140分/シネマスコープ/カラー/ドルビーデジタル
字幕:松岡葉子
字幕監修:臼杵陽
配給 カフェグルーヴ,ムヴィオラ

★岩波ホールにて2007年3月10日(土)より5月上旬まで公開

公式HP>>  http://yakusoku.cinemacafe.net/
岩波ホールHP作品紹介のページ>> http://www.iwanami-hall.com/contents/next/next.html

シネマカフェにて、ブログ募金キャンペーンを実施中!
映画『約束の旅路』ブログに書き込まれたエントリ1つに対して、 UNHCR(国連難民高等弁務官)駐日事務所アフリカキャンペーンに50円の寄付が行われます。 『約束の旅路』を通じて、あなたも難民問題について考えてみませんか? そして、行動してみませんか?
詳細はこちら → http://blog.cinemacafe.net/yakusoku/index.html


『サン・ジャックへの道』(原題:Saint Jacques...La Mecque)

監督・脚本:コリーヌ・セロー
出演:ミュリエル・ロバン、アルチュス・ド・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン、パスカル・レジティミュス、マリー・ビュネル

仲の悪い3人兄弟の元に、亡くなった母親の遺産相続の条件が、北スペインにあるキリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ(サン・ジャック)まで一緒に歩いて巡礼することという知らせが届く。忙しいビジネスマンの兄、無神論者の教師の妹、アル中の弟。3人共、巡礼など行きたくはないが、遺産欲しさに巡礼ツアーに渋々参加する。そこに集まってきた老若男女9人。1500キロの道のりを歩いていくうちに起こる様々な出来事...。

2006年3月フランス映画祭で、『サンティアゴ...メッカ』のタイトルで上映された作品。イスラーム文化に興味のある私にとって、フランス映画祭のライナップの中で、真っ先に気になった作品。作品紹介には、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼に縁あって一緒に出かけた9人・・とあったので、「キリスト教徒のメッカ(総本山)」という象徴的な意味のタイトルかと思って観始めたら、巡礼ツアーの集合場所にサイード(字幕では、サイッド)というアラブ名の青年が現れる。同行の従弟ラムジィはほんとのメッカに巡礼に行くと思い込んでいて、イスラーム教徒としての義務が果たせるのを嬉しそうにしている 。
コメディ仕立てで大いに笑わせられるが、宗教や文化の違いを越えて、人と人とが理解し合えることを、この映画は教えてくれる。

フランス映画祭の折りに、ツアーガイド役のパスカル・レジティミュスさんにインタビューさせて頂いた。(シネマジャーナル67号に記事掲載)
パスカルさんは父親がカリブ海の島の出身、母親がアルメニア人で、浅黒い肌の持ち主。映画の中で、スペインの修道院でイスラーム教徒の男の子二人と共に、宿泊を拒否される。ちなみに本人はアルメニア正教徒で、映画の中ではガイドの彼の宗教については言及していないが、監督がロケハンをした時に、有色人種の人たちが巡礼路の宿泊施設で人種差別されたのを目撃したのだそうだ。監督が彼をツアーの引率者役にキャスティングしたのも、フランスの様々な人種や宗教の人がいる社会を象徴できると考えたからだという。原題に二つの宗教の聖地を組み合わせているのも、人が宗教の違いを超えて一つになれるという思いを込めたものだ。思えば、監督の前作『女はみんな生きている』でも、アルジェリア移民の家族が登場した。社会問題をさらっとユーモア溢れる作品に仕立てあげるセンスが素晴らしい。

さて、もう一人、本作でアラブ系移民2世のサイードを演じたニコラ・カザールは、アラブ系でもなく、ムスリムでもないが、2006年3月、フランス映画祭の直前に開催されたアラブ映画祭で上映された『長い旅』(2004年 モロッコ・フランス作品)で、フランスに住むモロッコ移民2世を演じている。ちょっと注目株!

登場人物9人それぞれが個性的で素敵な本作だが、実際に9人が2ヶ月かけて歩いてロケしたという巡礼の道は、自然が豊かで、絵のように素晴らしい光景の連続。10人目の登場人物とも言えるフランスやスペインの風景も存分に楽しめて、心が洗われるようである。(咲)

フランス/2005/112分/35mm/ヴィスタ/ドルビーSRD&DTS/カラー
後援:フランス大使館 スペイン政府観光局  協力:ユニフランス東京
提供:クレストインターナショナル/ハピネット
配給・宣伝:クレストインターナショナル

公式 HP >> http://www.saintjacques.jp/

★3月10日(土)より、シネスイッチ銀座にて、旅立ちのロードショー!


2007年3月17日〜

『ナヴァラサ』原題:NAVARASA [Nine Emotions]

監督・原案・脚本・撮影・製作:サントーシュ・シヴァン(『マッリの種』)
共同脚本:ラージャー・チャンドラシェーカル、ヴィシュヌ・ヴァルダン
音楽:アスラム・ムスタファ
録音:ラージャー・クリシュナン・M. R.
編集:A. シュリーカル・プラサード
美術:M.A. シャー、G.R.N. シヴァシャンカル、G.R.N. シヴァクマール
出演:シュエータ(シュエータ)、クシュブー(ガウタム)、ボビー・ダーリン(ボビー・ダーリン)、アーシャ・バーラティ(会長)、エッジ(シュエータの父)、アペクシャー・バート(シュエータの母)、プリンス・プラナヴ(隣家の少年)

13歳のシュエータが初潮を迎え、両親は華やかな成女式を催す。急に大人になったと言われても戸惑う彼女は、ある日仲良しの叔父のガウタムが女装しているところを見てしまった。「男に生まれたけれど、心は女」と打ち明けられたシュエータだが、どうしても叔父の気持を理解することができない。
ガウタムはクーヴァガムの祭に参加するために家を出、シュエータは彼を連れ戻して医者に診せなければと後を追う。旅に出たことで、祭の美人コンテストに出るというボビー・ダーリンや、多くのサード・ジェンダーの人々に出会って少しずつ気持が変わっていく。

クーヴァガムの祭は、インドの大叙事詩マハーバーラタにある(*) アラヴァンを信仰する人々が集まる大祭。 男性が女装し、彼の花嫁となって翌日は未亡人になります。 ガウタムはこの儀式を通じ、女性として生きることを決意しています。 この映画はサード・ジェンダーの人々に出会ったサントーシュ・シヴァン監督が、 彼ら一人一人の物語に心動かされて作られたもの。 あらすじとキャストのシュエータ、ボビー・ダーリンの二人を決めただけで祭に飛び込み、 フィルムを回し続けたのだとか。 この部分はドキュメンタリーが混在しています。 祭でガウタム役となるクシュブーやアーシャ・バーラティ会長に出会い、 ストーリーが固まっていったのだそうです。 ボビー・ダーリンが映画の中で語る彼女の生い立ちは本当のこと。 この作品でモナコ国際映画祭で助演男優賞を獲得、 絶縁していた父から和解の電話が入ったとの後日談があります。(白)

アラヴァンの物語は、 この映画の舞台である南インド、タミル・ナードゥ州につたわるバージョンにしか存在しない。

2005年/インド/1時間39分/ヨーロッパビスタ1:1.66/ドルビーSR
配給:オフィスサンマルサン、カグス
協力:チャンネルアジア

2007年3月17日より、ユーロスペースにてモーニング&レイトショー公開

公式 HP >> http://www.sanmarusan.com/navarasa/index.html



『棚の隅』

画像:(C)2006『棚の隅』製作委員会

監督:門井肇
原作:連城三紀彦
脚本:浅野有生子
撮影:鈴木一博
音楽:延近輝之
主題歌 榊いずみ「つまらない世界」
出演:大杉漣(宮田康雄)、内田量子(岡崎擁子)、渡辺真起子(宮田秀子)、榊英雄(進藤亮介)、今井悠貴(宮田毅)、徳井優(問屋店主)、今宿麻美、江道信

—あなたが心の隅に置き忘れたものはなんですか—

宮田は若い妻と8歳の息子の3人家族。 小さなおもちゃ屋を経営しているが、景気は良くない。 ある日店に入ってきた女性を見てはっとする。 まだ乳飲み子の息子と宮田を置いて出て行き、消息の知れなかった前妻の擁子だった。 保険会社に勤めているという擁子は、その後もたびたび店の近くに現れる。

監督は、劇場映画第1作となる門井肇。 映画を作るときはぜひ、と大杉漣に頼んであったのだそうです。 出演作品300本以上の大杉氏ですが、初の主役でしょうか? 辛い過去のあるおもちゃやの店主をしみじみと演じています。 再婚した妻役の渡辺真起子が明るくたくましくていいです。 連城三紀彦作品といえば思い出すのが「恋文」ですが、 これも同じく男1人に女が二人。妻がしっかりしていましたっけ。(白)

http://tananosumi.com/
3月17日(土)よりシネマアートン下北沢(東京)ほかにて公開



『渋谷区円山町』

監督:永田琴
原作:おかざき真里(「Cookie」集英社刊)
脚本:長谷川明
出演:榮倉奈々、眞木大輔、仲里依紗、原裕美子、ふかわりょう

(story 1)
  由紀江は明るい元気な女子高生。ある日、若い臨時教師ヤマケンが 彼女のクラスの担当になる。休日に友達たちと渋谷に遊びに行き、好奇 心から円山町のラブホテル街を散策していたところ、偶然ヤマケンが女 性とホテルに入っていくところを見てしまう。それ以来、彼女はヤ マケンのことが気になって仕方ない。
(story 2)
  糸井は吹奏楽部でフルートを吹いている女子高生。最近、友達だと 思っていたクラスメイトからいじめを受けるようになったのだが、 その事実から逃れるようにフルートに打ち込んでいた。そんな彼女 に、いつも人の輪から離れて立っている有吉が、一緒に渋谷に行か ないかと声をかける。

道玄坂とBunkamuraの間に広がる円山町はラブホテル街として有名な 場所です。以前は子供が近づいてはいけない場所の匂いが強かったで すが、最近は、ライブハウスやクラブやこの映画が上映される渋 谷QA-Xシネマなどが入るビルなども出来て、ちょっと足を踏み入れや すくなりました。
story1では、今年になって主演作が続く榮倉奈々が、好奇心一杯で大 人の恋に憧れる少女を、その笑顔の魅力を最大限に生かして好演して います。こんな可愛い子にわがまま言われたら、先生も怒れないか。
story2では、寂しさから自分がいじめられている事実すら受けいれられずにいる女の子と、彼女を助けようとして、自分も寂しさを受け入れる女の子の友情を描いています。(梅)

2006年/日本映画/35mm/110分/ヴィスタサイズ/カラー/ステレオ
配給:デックスエンタテインメント
配給協力:クロックワークス
宣伝:広美
宣伝協力:ビー・ウイング

公式 HP >> http://www.maruyamacho-movie.com/

★3月17日(土)、渋谷QA-Xシネマにて桜咲くロードショー


『ポイント45』

監督・脚本:ゲイリー・レノン
撮影:テオドロ・マンチーニ
音楽:ジョン・ウッド
美術:デヴィッド・バーカム
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ(キャット)、アンガス・マクファーデン(アル)、スティーブン・ドーフ(ライリー)、アイーシャ・タイラー(リズ)、サラ・ストレンジ(ヴィック)ほか

ニューヨークのスラム街、ヘルズキッチンで拳銃や盗品を売るキャットとアルのカップル。キャットはここを出て、海辺に家を持つのが夢だ。ある日、内緒で新しい顧客と取引したキャットは、アルの逆鱗にふれて髪を切られ、したたかに殴られる。アルの友人のライリー、レズビアンのヴィックはキャットを心配し、助けようと警察に連絡する。ソーシャルワーカーのリズも、アルの暴力からキャットを保護しようとする。

長身のミラ・ジョヴォヴィッチが危険な女をカッコよく演じています。足が長〜〜い。足は短くておなかも出てますが、キャットが愛する男臭さむんむんのアルを演じるアンガス・マクファーデンは『SAW3』に出演していましたね。長髪なので見違えました。この危ない二人の母親(劇中の)が、娘、息子を語るシーンがありますが、この親にして・・・という感じで笑えます。強烈!(白)

2007/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/SRD/1時間36分
配給:ムービーアイ、東宝東和

公式 HP >> http://www.point45.jp/

★3月17日(土)〜お台場シネマメディアージュほかにてロードショー


『フランシスコの2人の息子』  原題:Two sons of Francisco

監督: ブレノ・シウヴェイラ
音楽監修:カエターノ・ヴェローゾ&ゼゼ・ヂ・カマルゴ
出演:アンジェロ・アントニオ、ジラ・パエス、マルシオ・キエリンギ、チアゴ・メンドンサ、ダブリオ・モレイラ、マルコス・エンヒケ

ブラジル、ゴイアス州シチオ・ノーヴォ村。小作農のフランシスコは無類の音楽好き。 愛する妻のエレーナとの間に次々と7人の子供をもうける。 胎教はラジオから流れる音楽。 サッカーボールさえ買ってやれないほど貧しいフランシスコだが、 子どもたちを一生人に使われる小作で終わらせたくない!  有り金をはたいてアコーディオンとギターを長男ミロズマルと次男エミヴァルに買い与える。 が、地代も払えなくなり、一家はゴイアニアの町への移住を余儀なくされる。 極貧の中、独学で楽器をマスターした2人は、ある日、 日銭を稼ごうとバスターミナルに出かけ、恐る恐る歌い始める。 やがて、2人の才能に目を付けたエージェントのミランダが彼らを演奏ツアーへと連れ出す。 ミロズマルとエミヴァルのデュオは各地で評判を呼ぶが、 ある日、デュオを解散しなくてはならない悲劇が起こる・・・

本作は、リリースしたアルバム総数が2200万枚以上という、 ブラジルで圧倒的な人気を誇る兄弟デュオ、 ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノのサクセスストーリーである。 頂点に上り詰めたのは、もちろん、その素晴らしい音楽センスによるものだが、 夢は叶うと信じた父の力も大きい。 100万枚売る自信があると、父フランシスコは、 お給料をすべて電話用コインに換えて同僚に配り、 ラジオにリクエストさせるというクレージーぶり。 映画のラストに、実際のコンサートの模様が映し出され、 熱狂的なファンの様子に彼らの人気の程を思い知らされる。 そして、本物の父フランシスコが、 アンジェロ・アントニオが演じたどころじゃないクレージーな人物だとわかって微笑ましかった。
少年時代のミロズマルとエミヴァルを演じた2人が、とにかく可愛い。  どうして大人になったら、こうなっちゃうの〜??と思う位、 小太りのふつ〜の中年男なのだが、 本物の2人に限りなく似た人をキャスティングしたことが判明。 う〜ん、人気は音楽の実力とお人柄なのね・・・(咲)

2005年/ブラジル/124分/ビスタ/ドルビーデジタル/カラー

提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ
後援:ブラジル大使館

★2007年3月17日よりシャンテシネほか全国にて順次公開

公式HP>>  http://2sons.gyao.jp/



2007年3月24日〜

『黒い眼のオペラ』原題:黒目圏

監督・脚本:ツァイ・ミンリャン
撮影:リャオ・ペンロン
美術:リー・ティエンジェ
出演:リー・カンション(若い男・息子の二役)、チェン・シャンチー(店員)、ノーマン・アトン(ラワン)、パーリー・チュア(女主人)ほか

オペラ「魔笛」の歌声が流れる部屋の中、うつろな目で寝たきりの若者がいる。 彼を世話しているのは、母親に雇われた不法労働の若い女。 階下の店でも働き、一日中自由はない。くたくたになって屋根裏部屋に戻って眠るだけ。 町ではあやしげな賭博のグループについていった若い男が、無一文のため袋叩きにあった。 道端に倒れこんだところを通りがかった男たちに助けられる。 そのうちの一人、ラワンの献身的な世話を受けて、怪我をした男は回復していく。

ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)監督が初めて故郷のマレーシアで撮影した最新作。 2006年東京フィルメックスのクロージング作品となりました。 登場人物の説明も、セリフもほとんどありません。 リー・カンションが寝たきりの息子と、 怪我をして助けられる若い男(なぜかモテる)の二役を演じます。 膨張した経済が急激に破綻し、建てかけのまま朽ちていくビルには深いよどんだ水がたまっています。 これは動けない息子そのもののようにも思えます。 リー・カンションの肩に止まる茶色い大きな蝶(蛾?)は、「胡蝶の夢」の暗示でしょうか。 最初と最後のシーンはメビウスの輪のようにつながっているのではと思ってしまいました。 マレーシアのじっとりと水を含んだ熱い空気を思い出します。 どうしようもない人の哀しさ、愛しさにあふれていて好きな作品でした。(白)

2006/台湾・フランス・オーストリア/118分/35mm/1:1.85
配給: プレノン・アッシュ

3月24日(土)、シアター・イメージフォーラムにてロードショー


『素粒子』原題:Elementarteilchen

監督・脚色:オスカー・レーラー
原作:ミシェル・ウエルベック「素粒子」(筑摩書房刊)
出演:モーリッツ・ブライプトロイ(『ミュンヘン』)、フランカ・ポテンテ(『ラン・ローラ・ラン』)、マルティナ・ゲデック(『マーサの幸せレシピ』)、クリスティアン・ウルメン、ニーナ・ホス

異父兄弟のブルーノとミヒャエル。 母親は幼い二人をそれぞれの父方の祖母に預けてインドに行ってしまう。 異なる境遇で育つ兄弟。 兄ブルーノは、高校の国語教師という安定した職に就くが、 妻アンネでは自分の性的欲求を満たされず、悶々とした日々をおくっている。 一方、幼い頃から人類の進化に興味を持ち、生物学者となった弟ミヒャエルは、 女性に関心がなく、遺伝子研究に没頭している。 母が亡くなり、二人に転機が訪れる。 ミヒャエルは、祖母の墓石の移動に立ち会うために訪れた故郷で、 幼馴染のアナベルから恋心を打ち明けられ、初めて女性に目覚める。 一方、妻から離婚を言い渡されたブルーノは、参加者の男女比率1:2という広告に惹かれ、 ヒッピー集団のキャンプ場「変革の場」を訪れる。 そこでようやく自分の性的衝動を理解してくれる女性クリスティアーネと出会う...。

兄弟共に、愛を分かち合えるパートナーに出会うが、それぞれに試練が訪れる。 人生において、誰しもが大なり小なり経験するであろう決断を迫られる時。 生きていくということは、苦しみもあれば、楽しみもある。 そう思わなくちゃ、やってられない。 異父兄弟の母親ジェーンは、息子を連れて男と旅に出たり、あげく、 インドに行ってイスラームの神秘主義集団に入ってしまう。 なんとも自由奔放でいいなぁ〜 (咲)

母親の自由奔放さのおかげで、異性への自然なアプローチができなくなってしまった二人の息子が、その呪縛から解かれようと七転八倒する様を、乾いた笑いを込めて描いています。最近日本でも育児放棄や家庭崩壊の問題が顕著ですが、そんな中で育つ子供たちが未來に抱える苦しみの形のひとつに見えたりもしました。(梅)

2006年/ドイツ/カラー/1.85ヴィスタ/ドルビーSRD/113分
提供:新日本映画社、朝日新聞社
協力:ドイツ文化センター、ルフトハンザドイツ航空
配給・宣伝:エスパース・サロウ

★2007年3月24日(土)〜 ユーロスペースにてロードショー

公式HP>> http://www.espace-sarou.co.jp/soryushi/



『蟲師』

監督:大友克洋
脚本:大友克洋、村井さだゆき
原作:漆原友紀 「蟲師」講談社刊
撮影:芝主高秀
音楽:?`島邦明
美術:池谷仙谷
VFXスーパーバイザー:古賀信明
出演:オダギリ ジョー(ギンコ)、江角マキコ(ぬい)、大森南朋(虹郎)、蒼井優(淡幽)、たま(李麗仙)、りりィ(庄屋夫人)ほか

—100年前の日本。そこには「蟲」が棲む豊かな世界が広がっていた—
精霊でも幽霊でも物の怪でもない「蟲(むし)」という妖しき生き物がいた。 時に人間にとりつき不可解な現象を引き起こした。 その蟲の源を探りながら、蟲を鎮め人を癒す力を持つ者は「蟲師」と呼ばれた。 幼いころの記憶を持たないギンコもその一人。 雪の山里で一夜の宿を請うたことから、庄屋で働く者たちを診る。 彼らは片耳だけ聴力を失っており、ギンコはそれが家に棲みついた蟲のせいだとつきとめる。



©2006「蟲師」フイルムプロジェクト

原作は月刊アフタヌーンに連載されたコミック。 2006年の講談社漫画賞に輝き、単行本シリーズも7巻までに290万部出ています。 大友克洋監督が自ら原作者の漆原友紀さんを訪ねて映画化を熱望されたのだとか。
日本各地をロケハンして回った甲斐あり、 日本の原風景といえるような壮大で幽玄な世界が広がっています。 そこにVFXを加え、蟲を見えるものにしました。
蟲を引き寄せるため、ひとつ所にいられない孤独なギンコ、 旅の道連れとして配された素朴で気のいい虹郎、文字で蟲を封じる淡幽ら、 魅力的なキャラに似合いのキャストです。 原作は一話完結の短編が連載ですが、映画は芯となるエピソードをいくつか集めました。 主人公のギンコが「どこから来てどこへいくのか」ぜひ劇場でごらんください。(白)

2006/日本/カラー/アメリカンヴィスタ/SRD/2時間11分
配給:東芝エンタテインメント 宣伝:P2

http://www.mushishi-movie.jp/
2007年3月24日よりロードショー公開

■映画『蟲師』展—大友克洋:幻想と神秘の世界
  • 2007年3月9日(金)〜3月26日(月)
  • パルコミュージアム 渋谷パルコpart3 7F
  • 入場料 一般500円、学生400円、小学生以下無料
■映画『蟲師』公開記念 〜大友克洋の世界〜
  • 2007年3月17日(土)〜3月30日(金)
  • シネマスクエアとうきゅう 東急MILANOビル3階
  • 上映作品
     ●『AKIRA』1988年 東宝 124分
     ●『スチームボーイ』2003年 東宝 126分
     ●『MEMORIES』1995年 松竹 113分
     ●『老人Z』1991年 東京テアトル 80分


『ブラックブック』(原題:Black Book)

監督:ポール・バーホーベン
原案:ジェラルド・ソエトマン
脚本:ジェラルド・ソエトマン、ポール・バーホーベン
出演:カリス・ファン・ハウテン(ラヘル/エリス)、セバスチャン・コッホ(ムンツェ)、トム・ホフマン(ハンス)、ハリナ・ライン(ロニー)

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ占領下のオランダで、ユダヤ人の歌手ラヘルは迫害を逃れるために、ドイツ軍から解放されたオランダ南部へと逃げようとする。しかし、何者かの裏切りにより、乗った船がドイツ軍に待ち伏せされ、両親も弟も財産も奪われ、彼女だけが辛うじて生き延びる。
髪をブルネットに染め、名をエリスと変え、レジスタンスのスパイになった彼女は、ドイツ軍の諜報部トップのムンツェに接近。しかし、優しい人間味のあるムンツェと、彼女はいつしか本気で恋に落ちていた。それは彼女を更に過酷な運命へと導くのだった。

ハリウッドで『氷の微笑』や『スターシップ・トゥルーパーズ』など、人間の性を少々グロテスクな手法で描いて人気の高かったポール・バーホーベンが、母国オランダに戻り、オランダの映画産業としては破格の規模で撮り上げたサスペンス・エンタテインメント大作です。ハラハラ、ドキドキの連続で、144分という長さを全く感じませんでした。
戦中、戦後の史実を織り交ぜながら描いており、中でも戦後のナチ協力者の収容所で行われた虐待については、あまりこれまで語られておらず、オランダ国民にとっても衝撃的な内容だったそうです。タイトルの”ブラックブック”とは、終戦直後に射殺されたハーグの弁護士の日記帳で、そこには裏切り者と協力者のリストが載っていたと言われますが、現在その行方はわかりません。
過酷な運命に翻弄されながらも生き抜くラヘルを、カリス・ファン・ハウテンが気高く美しく演じています。歌声も素晴らしい。ちなみに撮影後、ムンツェ役のセバスチャン・コッホと本当に恋に落ちてしまい、現在も交際中。(梅)

1956年 イスラエル。 聖地巡りツアーのバスが、とあるキブツ(イスラエル式社会主義に基づく共同生活施設)に着く。 バスから降りたロニーという女性がキブツの小学校を覗きこむ。 「写真はダメ」と語りかけてきた女教師の顔を見て、ロニーは思わぬ再会に驚く。 「生きていたのね。ユダヤ人だったの?」  次にシーンは、1944年9月のオランダへと遡る。
この冒頭のシーンで、物語が、ユダヤ人であることを隠してユダヤ人虐殺の時代を生き延びた女性を描いたものであることがわかる。 美しいヒロインは死なないとわかっていても、次から次に起こる出来事に、いやもう手に汗握る緊張感。 スピード感溢れる展開で、ほんとにあっという間の144分。
オランダといえば、「アンネの日記」。 この映画のヒロイン、ラヘルも、アンネ・フランクと同様、善意のオランダ人宅で、食器戸棚の裏の隠れ部屋に息を潜めて暮らしている。 匿ったオランダ人自身、見つかれば処刑されかねない時代である。 戦争が終わり、立場は逆転し、ナチに加担した者たちが虐待される目にあう。
さて、イスラエルに逃れたラヘルだが、1956年に中東戦争が勃発し、ここも決して安住の地ではないことを暗示して物語は終わる。 地球から人と人が戦う構造がなかなかなくならないのが悲しい。(咲)

2006年/オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー/144分/スコープサイズ
提供・配給:ハピネット
宣伝:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://www.blackbook.jp/

★2007年3月24日(土)より、テアトルタイムズスクエア、テアトル梅田ほかにて全国ロードショー


『アルゼンチンババア』

監督:長尾直樹
原作:よしもとばなな
撮影:松島孝助 JSC
音楽:周防義和、小松亮太
主題歌:タテタカコ
美術:池谷仙克
出演:役所浩司(涌井悟)、鈴木京香(ユリ)、堀北真希(涌井みつこ)、森下愛子(滝本早苗)、小林裕吉(滝本信一)、手塚理美(涌井良子)、岸部一徳、きたろう、田中直樹ほか

みつこの大好きだった母が亡くなった。その日以来、父は姿を消してしまう。 石を彫る生真面目な職人だった父は、母を大切にしていた。 きっと戻ってくる、と父の好きなビールを冷やして帰りを待っていたが、いつしか半年が過ぎた。 父の悟は、みつこ達が子供のころから「アルゼンチンババア」と呼んでいる風変わりなユリの家で、 一緒に暮らしていたのだ。みつこは父の奪還に向かうのだが・・・。

頑固で子供のような父親としっかりものの高校生の娘のストーリー。 一家の支えだった母を亡くして父は葬儀もせず、いなくなってしまいます。 娘がけなげなので、余計に「なんちゅう親!」と眼が三角になります。 そんなダメ父の悟を、「アルゼンチンババア」のユリはゆったりと包み込みます。 鈴木京香は男性ばかりでなく、心に穴の空いてしまった人を両手を広げて迎える不思議な女性を演じて、 リアルとファンタジーの境目にいる感じです。 居心地が良さそうなユリの家が気になって聞いてみましたら、 栃木県那須の町営牧場に敷地を借りて建設されたオープンセットだそうで、 撮影終了後撤去したのだとか。 タテタカコの歌う主題歌「ワスレナグサ」(アンデス民謡に詩をつけたもの)がまたいいなぁ。(白)

2006/日本/112分/アメリカンヴィスタ/ドルビーデジタル/

http://www.arubaba.com/

3月24日(土)全国ロードショー



『クロッシング・ザ・ブリッジ 〜サウンド・オブ・イスタンブール〜』

原題:CROSSING THE BRIDGE -sound of Istanbul-
監督:ファティ・アキン(『愛より強く』『太陽に恋して』)
出演:アレキサンダー・ハッケ、ババズーラ、オリエント・エクスプレッションズ、デュマン、レプリカス、エルキン・コライ、ジェザ、イスタンブール・スタイル・プレイカーズ、メルジャン・デデ、セリム・セスレル、ブレンナ・マクリモン、シヤシヤベンド、アイヌール、オルハン・ゲジュバイ、ミュゼィイェン・セナール、セゼン・アクス

アレキサンダー・ハッケ(前衛的なドイツのバンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのメンバー)は、 ファティ・アキン監督の前作『愛より強く』で音楽制作を担当し、 イスタンブルに滞在した折に、イスタンブルの音楽シーンの魅力に取り憑かれる。 東西の文化が交差するイスタンブルを再び訪れ、様々なジャンルのミュージッシャンを取材し、 自らも楽器を携え彼らとセッションを行う。

冒頭、ヨーロッパ大陸とアジア大陸を結ぶボスポラス大橋が映し出され、 一気に魅惑の街イスタンブルに引き込まれる。海峡から眺めるモスクの尖塔、 祈りを促すアザーン、街の喧噪・・・  トルコを旅する人にとって懐かしい風景が繰り広げられるが、そこで奏でられる音楽は、 実に多様だ。エレクトロニカ、ロック、ヒップホップ、民謡、大衆音楽・・・。 それぞれのミュージッシャンの語る言葉が、実に真実をついていて絶妙。 「東西が相容れないというのは権力者の偽善。ホワイトハウスの住人は、 ソ連が崩壊して敵がいなくなり、悪者をつくりあげたいから、文明の衝突だなんて言っている」 「路上で演奏するのはヨーロッパ風だから、警察が許してくれている」 等々。
クルドの女性歌手アイヌール。 かつて公の場所で禁止されていたクルド語やクルド音楽。 「英語やドイツ語の歌がOKなのに、身近なものが歌えないなんて」と語る。 別のクルドの男性。「10年前兵役を終えて家に帰ろうとしたら家が見つからないんだ。 森ごと焼かれていた。1990年クルド語が解禁になったのは外国からの圧力。 かつてはお互いの文化を受け入れて何年も一緒に暮らしていたのに」 この発言は、ドイツ籍のアキン監督だからこそ映画に取り入れることができたものかと思ったら、 トルコでも上映され、日本公開にも大使館が協力している。時代も変わったものだ。
往年の映画スター、オルハン・ゲジュバイは、トルコの演歌であるアラベスク(アラブ風) というジャンルの流行に一役かった人物。 トルコ映画全盛時代の彼の出演作も映し出され興味深い。 アラベスクは、1934年法律によってトルコ音楽の放送が禁止され、 庶民が近隣のアラブ諸国のラジオを聴いていた影響で生まれたもの。 国家が、西に目を向けようとも、伝統的なアジア的な心は崩せるものでないということだろう。
現在86歳になる往年の歌姫ミュゼィイェン・セナールが、 黒いスーツに蝶ネクタイ姿の老楽士たちの伴奏で歌う姿は迫力だ。 歌い終わってラク(酒)をぐっと飲み、グラスを捨てる。そんな彼女が嬉しそうに言う。 「セゼン・アクスが私の70周年を祝ってくれたの。彼女は女神」
トルコ民謡とポップスを融合させ、皆に愛されているトルコの誇る歌姫セゼン・アクス。 彼女が、ボスポラス海峡の見える自宅で熱唱する姿に、私も心が震える思い。 途中で挿入される昔のイスタンブルのモノクロ写真も味わい深く、東でも西でもない、 あの街だけが持っている魅力を再認識させられた。(咲)

注:映画の題名は、日本風に「イスタンブール」となっていますが、長母音の入らない 「イスタンブル」の方が、しっくりくるので、解説&感想部分は、 「イスタンブル」とさせていただきました。

ここに登場するミュージシャンたちのことを、わたしは全く知りませんでした。 その音楽を聴いた瞬間、自分の中にまたも素晴らしい音楽の地平が新たに広がったと、心から嬉しくなりました。わたしは昔からジャズが好きですが、どんぴしゃジャズではなく、その要素を多分に持ちながら違うタイプの音楽と融合したものが、 一番好きなタイプです。そんな人間には、トルコの地で独自な発展をしてきた音楽でありながら、オルハン・ゲジュバイやセゼン・アクスの歌の中にも、セリム・セスレルのクラリネットの音にも、シャシャベンドのストリート音楽にも、 ジャズに通じるものを感じるのです。卓越した技をもち、音に自分を同化させ、 その時に湧き上がる感情を表現できる彼らの音楽。このサントラは買いです。 (梅)

2005年 /トルコ・ドイツ / 92分/アメリカン・ヴィスタ/ドルビーSRD/カラー/ 英語 ・ ドイツ語 ・ トルコ語

字幕・資料監修:サラーム海上
配給:アルシネテラン
協力:トルコ共和国大使館、トルコ航空、ドイツ文化センター、ビクターエンタテインメント

◆第13回大阪ヨーロッパ映画祭にて、11月23日オープニング上映
http://www.oeff.jp/program/intro_jp.php

★3月24日(土)より、シアターN渋谷にて、エキゾチックにロードショー
公式HP>>  http://www.alcine-terran.com/crossingthebridge/

!!公開記念イベント開催!!
11月27日(月)に作品の主人公であるノイバウテンのアレキサンダー・ハッケの新プロジェクト、“The History of Electricity”による、音と映像を融合させた9部構成の電子マルチメディアパフォーマンスを行います。無料イベントとなっていますので、お気軽にお出かけ下さい。
アレキサンダー・ハッケ:ドイツのインダストリアル・ミュージックやノイズ・ミュージックの代表的な前衛的バンド、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのギタリスト/ベーシスト。今回は1985年以来の来日。

日時:11月27日(月) 17:15開場、17:30〜18:30イベント
場所:ドイツ文化センター (港区赤坂7-5-56)
   (地下鉄青山一丁目駅A4出口から赤坂郵便局方面へ徒歩5分)



『ヘレンケラーを知っていますか』

監督:中山節夫
脚本:下島三重子
出演:小林綾子、登坂紘光、鈴木重輝、左時枝、夏八木勲ほか

ー みんなちがって、みんないい。 ー
ひきこもりでリストカットを繰り返す少年・祐介。ある日、病院へ連れて行こうとする父の車から逃げ出して、人里離れた一軒家に一人で住む不思議な老女と出会う。彼女・北崎絹子は目も見えず、耳も聞こえないが、ヘルパーの助けを借りながら身の回りのことは自分でやり、金子みすずの詩を愛読し、明るさを失っていない。祐介は彼女の手にカタカナを書いて、少しずつコミュニケーションをとる。そして、少しずつ彼女の苦難の連続だった人生を知って、彼自身も変わっていく。

この北崎絹子さんには実在のモデルがいます。かつて日本のヘレンケラーと話題になりながら、母という介護者を失って以来、地域とのコミュニケーションがとれなくなり、悲惨な生活に陥ってしまった方です。地域にネットワークが生まれ、重度重複障害者団体ができたものの、彼女は慣れ親しんだ故郷に住むことを地域住民に拒まれ、今は行政に用意された山の一軒家に一人暮らしをしています。
競争や格差が政府によってあおられてきた最近の日本。同じ方向に走り続けられない人間は排除しようとする傾向が、ますます強まっているように感じます。その対象は、障害者であったり、高齢者であったり、学校に馴染めない子供であったり、果ては大きな荷物を持って歩いている女性であったり。それぞれ向かう方向も歩くペースも違ってあたりまえ。困っているようなら手を差し伸べる余裕がなくて、何が豊かな社会なのでしょう? 「みんなちがってみんないい」有名な金子みすずの詩「私と小鳥と鈴と」の一節の真の意味を考えさせてくれる作品です。(梅)

2005年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/105分
企画・制作:(有)山口県映画センター、映画「ヘレンケラーを知っていますか」製作委員会、山口県シネクラブ協議会
配給:H&Mインコーポレーテッド

公式 HP >> http://www.helen.jp/

★3月24日(土)より、銀座シネパトスより全国順次ロードショー


『ホリデイ』the Holiday

監督・脚本:ナンシー・メイヤーズ
撮影:ディーン・カンディ
音楽:ハンス・ジマー
プロダクション・デザイン:ジョン・ハットマン
出演:キャメロン・ディアス(アマンダ)、ケイト・ウィンスレット(アイリス)、ジュード・ロウ(グラハム)、ジャック・ブラック(マイルズ)、イーライ・ウォラック(アーサー)、エドワード・バーンズ(イーサン)、ジャスパー(ルーファス・シーウェル)ほか

ハリウッドで映画予告編の製作会社を経営するアマンダは、恋人イーサンと大喧嘩。 彼を追い出した後、長い休暇をとることにした。 同じ頃、ロンドンの新聞社に勤めるアイリスは、 長い間恋していた同僚のジャスパーの突然の婚約に大ショック! インターネットで旅先を探していたアマンダは、「ホーム・エクスチェンジ」の広告を見つける。 お互いの住居、車を一定期間そっくり取り替えて休暇をすごそうというものだ。 アイリスのコテージを気に入ったアマンダはさっそく申し込み、 アイリスもジャスパーを忘れるため、ハリウッドに出かけることにする。

他人同士が家を交換して2週間も暮らすなんて!と思いますが、 これはほんとにあるのだそうです。 ナンシー・メイヤーズ監督は、これを題材に二人の女性が家を取り替えたことで、 新たな出逢いを体験するロマンチックなお話を書きあげました。 贅沢な配役とストーリーで、2本の映画を一度に観ているような感じがします。 主演の4人がそれぞれ魅力的なのと、 陽光のハリウッドと雪のロンドン郊外の両方の家のインテリアも見所です。(白)

2006/ユニバーサル映画&コロムビア映画提供/カラー/2時間15分/ヴィスタ/DTS,SRD,SDOS
配給:UIP 宣伝:宣伝:サンダンス・カンパニー

3月24日(土)より日劇3ほかにてロードショー



2007年3月31日〜

『情痴 アヴァンチュール』

監督:グザヴィエ・ジャノリ
脚本:ジャック・フィエスキ、グザヴィエ・ジャノリ
音楽:アレキサンドル・デプラ
キャスティング:アントワーヌ・カラール
助監督:ドミニク・ドゥラニ
撮影:ヨリック・ル・ソー
美術:フランソワ=ルノー・ラバルト
衣装:シャルロット・トスカン・デュ・プランティェ
編集:フィリップ・コトゥラルスキ
キャスト:リュディヴィーヌ・サニエ(ガブリエル)、ニコラ・デュヴォシェル(ジュリアン)、ブリュノ・デスキーニ(ルイ)、フロランス・レワレ=カイュ(セシル)、エステル・ヴァンサン(ジェミラ)、アントワーヌ・ドゥ・プレケル(マルタン)

恋人と同棲をし始めたジュリアンは、ある晩裸足でさまよう美しい女性ガブリエルに出会う。 翌日、再び彼女を見かけるが、別人のようにエレガントだった。 やがて彼は彼女が夢遊病であることを知る。 彼女との出会いが、彼を予期せぬアヴァンチュールへ導いていく…。


『スイミング・プール』で奔放な娘を演じたリュディヴィーヌ・サニエ。 ここでは、わけ有りの子持ち若妻、しかも夢遊病者を演じています。 私は、彼女の顔の右と左の表情の違いにハッとしました。 右側は戸惑いや不安を、左側は執着や確執を現している様に感じたのです。 ガブリエルはゆるぎない確かな愛を探し求めて、さ迷っている…。 その切なさが伝わってきます。誰もが人生において、 夢遊病者になりえることを暗示する、少し痛い映画です。

〓ラブラブニュース〓
この主演の二人は、私生活でも熱愛中です。 サニエは2005年に女の子を出産しました。 15年後のフランス映画界に新星誕生!?なんて楽しみですね。(美)

2005年/フランス・ベルギー/1時47分/ドルビーSRD/スコープサイズ/R−15
配給:東芝エンタテインメント 宣伝:アステア

http://www.jyochi.com/

3月31日(土)より、シネマスクエアとうきゅう 他にて全国ロードショー


『忍者』

脚本・監督:邱褸濤(ハーマン・ヤウ)
出演:魔裟斗、白田久子、黄聖依(ホアン・シェンイー)、黄子華(ウォン・ジーワー)ほか

いかなるウイルスにも効果のあるワクチンを発明した博士が、甲賀忍者衆に襲われ殺された。彼らの背後には、そのワクチンで全世界を支配しようと企む男がいた。ワクチンの入った箱を奪ったものの、特殊な箱でどうやっても開けることが出来ない。一方、博士の死を知った伊賀忍者衆は、博士以外唯一その箱の開け方を知る男・コピーをブライアンの手から守り、ワクチンを取り戻そうと動き始める。

「香港で日本の忍者が大活躍って、またまた(笑)」なんて思っていたんですが、B級テイスト満載ながらもストーリーが予想以上にキチンとしていて、かなり楽しんで観ました。さすがハーマン・ヤウ監督(『八仙飯店之人肉饅頭』『欲望の街外伝 ロンリーウルフ』など作品多数)です。ちなみに今年の香港国際映画祭では彼の作品が特集されるそうです。
甲賀忍者の頭を演じるのは魔裟斗。最近、結婚されて話題になってましたね。彼を愛する伊賀忍者を演じるのは白田久子。彼女は以前にも香港映画に出演したことがあり、引き続いてアクションも頑張っています。2007年のミス・インターナショナル日本代表になったそうです。『カンフーハッスル』の出演で日本にも知られた黄聖依は、若く溌剌とした伊賀忍者。そのおじいちゃんを演じているのが、香港映画ファンにはおなじみの高雄(エディ・コー)、そして悪役ブライアンは李子雄(レイ・チーホン)です。
物語のキーマンのコピー役は黄子華。彼の出演作品はあまり日本で公開されていませんが、香港ではコメディアンとして有名で、舞台はとても人気があります。黙っているとちょっといい男だったりします。(梅)

2004年/日本・香港・中国/35mm/カラー/ビスタ/ドルビーデジタル/95分/原題:終極忍者
配給・宣伝:アートポート

公式 HP >> http://www.ninja-movie.jp/

★3月31日(土)より、銀座シネパトスほか全国順次ロードショー


『檸檬のころ』

脚本・監督:岩田ユキ
原作:豊島ミホ「檸檬のころ」(幻冬舎文庫)
出演:榮倉奈々(秋元)、谷村美月(白田)、柄本佑(佐々木)、岩田法嗣(西)、林直次郎(辻本)ほか

秋元加代子は吹奏楽のリーダーを務め、成績も良く、東京の大学へ進学するつもりでいるが、特に将来の夢があるわけではない。野球部の練習を見つめる先には、エースの佐々木と西の姿がある。西の視線をつい避けてしまう彼女。同じ中学から進学してきて、心が通い合う時期もあったのに、いつの間にかすれ違ってしまった二人。佐々木が冗談交じりに言った「オレ、加世ちゃんのこと好きなんだ」の言葉にも、西は反応できない。
秋元と同じクラスの白田恵は、将来は音楽ライターになると決めている。ある日、立ち入り禁止の屋上で、同じように音楽にのめり込んでいる辻本に出会い、存在が気になり始める。彼女のリクエストはがきが読まれたラジオ番組を辻本も聴いていたことから、二人は話始める。 好きなロックの話は尽きることがなかった。辻本は、文化祭で演奏する曲の作詞をして欲しいと彼女に頼む。彼への恋心から、白田は引き受けて頑張るのだが・・・

誰もが通ってきた「檸檬のころ」。失敗や恥ずかしいことだらけで、 もどりたいとは思わないけれど、懐かしさに胸の奥がうずき、苦笑いしながら思い出してしまう。そんな季節を、二人の普通の女の子を通して実に瑞々しく、愛情一杯に描いています。
榮倉奈々は今年に入ってもう3本目の主演。これからどんどん活躍しそうです。柄本佑は、 ちょっと情けないけれど、純粋さ溢れる男の子として佐々木役を好演しています。辻本役の林直次郎は、兄弟ギターデュオ「平川地一丁目」の弟です。ちょっと見ない間に、すっかり精悍な青年になっていて驚きました。主題歌の「hikari」を作曲し、この度ソロデビューするそうです。初演技はまあまあですが、歌う姿がやはり断然格好良かったです。
今回、長編初監督の岩田ユキさんはイラストレイターでもある女性。 また新たな才能有る女性監督が生まれました。(梅)

2007年/日本/35mm/カラー/アメリカンビスタ(1:1.85)/DTS STEREO/115分
企画・制作:ゼアリズエンタープライズ
配給:ゼアリズエンタープライズ
宣伝:マジックアワー

公式 HP >> http://www.lemon-no-koro.com/

★3月31日(土)より、渋谷シネ・アミューズほかにて春休みロードショー


「第2回難民映画祭」Refugee Film Festival in Tokyo 2007

時代に翻弄され難民となってしまう人たち・・・ 世界の各地で絶えることなく起きている難民の問題に焦点を当てた映画30本を上映する「難民映画祭」が開かれます。

2007年7月18日(水)〜26日(木)
会場: 東京日仏学院,ドイツ文化センター,イタリア文化会館,スウェーデン大使館
入場料: 無料 (申し込み不要・先着順)
※席に限りがありますのでお早めに起こしください。

共催: 国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所, 日本UNHCR協会


イラクのカケラを集めて

私の名はベルトルト・ブレヒト

ルワンダの涙
(c)BBC, UK Film Council and Egoli Tossell 2005

ヨーロッパへの道

日本初上映作品となる『イラクのカケラを集めて』『乾いた大地に降る雨』『立ち上がれウガンダの子供たち』『愛車ダイアナ』『私の名はベルトルト・ブレヒト』『ヨーロッパへの道』『紙は余燼を包めない』をはじめ、かつてシネマジャ ーナル本誌で取り上げた『戦争のあとの美しい夕べ』(45号)、『TAIZO』(60号)、『フォッグ・オブ・ウォー』(63号) 、『約束の旅路』(65号)、『ルワンダの涙』(69号,70号)、『異国の肌』(68号)などの旧作が上映されます。
上映作品詳細をHPでご確認の上、是非この機会に世界各地で起きている難民問題に心をかたむけていただければ幸いです。

<上映作品> *印は仮訳

◆東京日仏学院(JR/地下鉄「飯田橋」駅 徒歩7分)
『戦争の後の美しい夕べ』
『ボファナ、カンボジアの悲劇』
『焼けた劇場のアーティストたち』
『さすらう者たちの地』
『アンコールの人々』
『サイト2:国境周辺にて』
『紙は余燼を包めない』
『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』
 (以上全て監督: リティー・パニュ、フランス/カンボジア映画)
『オランダへようこそ*』(監督: サラ・ヴォス、オランダ映画 字幕:英語)
◆Goethe-Institut ドイツ文化センター(地下鉄「青山一丁目」駅 徒歩5分)
『戦争の子供』 監督: クリスチャン・ワグナー
『杉原千畝の決断 *』 監督: ロバート・カーク
『異国の肌』 監督: アンジェリーナ・マッカロネ
『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』 監督: エロール・モリス
『ルワンダの涙』 監督: マイケル・ケイトン=ジョーンズ
『私の名はベルトルト・ブレヒト』 監督: ノーバート・ブンジ
『約束の旅路』 監督: ラデュ・ミヘイレアニュ
『祖国への手紙 *』 監督: ジョー・エリオット
『イラクのカケラを集めて *』 監督: ジェームス・ロングリー
『ヨーロッパへの道 *』 監督: フリッツ・バウマン

◆イタリア文化会館(地下鉄「九段下」駅 徒歩10分)
『戦争カメラマン:ジェームズ・ナクトウェイ *』 監督: クリスチャン・フレイ
『国境を越えて *』 監督: ローランド・コラ
『スーダン難民による映画』 監督: カクマ難民キャンプ フィルムエイド・インターナショナル
『イラクのカケラを集めて * 監督: ジェームス・ロングリー
『ジョージ・クルーニー ダルフールヘ行く *』 監督: ジョージ・クルーニー、ニック・クルーニー

◆スウェーデン大使館(地下鉄「神谷町」駅 徒歩5分)
『愛車ダイアナ *』 監督: ボリス・ミティッチ
『立ち上がれウガンダの子供たち *』 監督: ピート・マッコマック、ジェス・ジェームス・ミラー
『津波が生んだ世代 *』 監督: フォルケ・ライデン
『レフュジー・オールスターズ』 監督: ザック・ナイルズ、バンカー・ホワイト
『TAIZO』 監督: 中島多圭子
『杉原千畝の決断』 * 監督: ロバート・カーク
『乾いた大地に降る雨 *』
『ジョージ・クルーニー ダルフールヘ行く *』 監督: ジョージ・クルーニー、ニック・クルーニー
『見えない子供たち *監督: ボビー・ベイリー、ローレン・プール、ジェイソン・ラッセル
『スーダン難民による映画』 監督: カクマ難民キャンプ フィルムエイド・インターナショナル

公式 HP >> http://www.refugeefilm.org/



「国際交流基金映画講座2007-1 ヤスミン・アハマドとマレーシア映画新潮」

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)によるマレーシア映画上映会が開催されます。昨年の東京国際映画祭で話題をさらったマレーシア新潮流の作品群を再び観るチャンスです。ヤスミン・アハマド監督のオーキッド4部作に加え、本邦初公開の何宇恆(ホー・ユーハン)監督の『霧』、釜山、ロッテルダムの国際映画祭でグランプリを獲った陳翠梅(タン・チュイムイ)監督の『愛は一切に勝つ』など、全9作品が上映されます。昨年見逃した方も、ご覧になった方も、是非この機会をお見逃し無く。

上映作品リスト:
『ラブン』、『細い目』、『グブラ』、『マクシン』(ヤスミン・アハマド監督)
『霧』(ホー・ユーハン監督)
『グッバイ・ボーイズ』(バーナード・チョーリー監督)
『鳥屋』(クー・エンヨウ監督)
『愛は一切に勝つ』(タン・チュイムイ監督)
『私たちが恋に落ちる前に』(ジェームス・リー監督)

会場:アテネ・フランセ文化センター
期日:7月31日(火)〜8月4日(土)
主催:ジャパンファウンデーション、アテネ・フランセ文化センター
チケット:当日1回券800円、3回券2,100円
     * 前売券はありません。
     * JFサポーターズクラブ会員、アテネ・フランセ文化センター会員、65歳以上の方は、当日受付で証明書をご提示いただければ、1回券700円、3回券1,800円になります。
     * 各回入替制・全自由席。全作品日本語字幕付き。

詳しいスケジュールは下記の国際交流基金のページをご覧ください

国際交流基金 HP >> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/jfsls7.html



2007年4月4日〜

『黄色い涙』

監督:犬堂一心
脚本:市川森一
原作:永島慎二(黄色い涙シリーズ「若者たち」より)
音楽:SAKEROCK
出演:二宮和也、相葉雅紀、大野智、櫻井翔、松本潤、香椎由宇 ほか

1963年。日本は高度経済成長に湧き、誰もが今日よりも明日、明日よりも明後日は豊かになって、幸せな未來が来ると信じていた。その年の夏、東京・阿佐ヶ谷の4畳半アパートで、若者4人が共同生活をしていた。漫画家の栄介、画家の圭、作家の竜三、歌手の章一。とはいえ、みんな夢見る卵たちだ。プロとして金を稼げているのは、栄介だけ。彼とて自分の描きたい作品と出版社の求めるものが大きく違い、金は少なく悩みは尽きない。
ある日、圭の絵が初めて売れ、栄介も先輩漫画家のアシスタントとして不眠不休で働いて、まとまった金が手に入る。栄介はこれを元手に、夏の残された時間を創作にあてようと提案する。それぞれが、自らの夢と真剣に向かい合う日々が始まる。

1974年にNHK銀河テレビ小説で放送されたドラマ「黄色い涙」を、当時見て感動した犬堂一心監督が、ずっと抱えていた映画化したいという願いを、ようやく叶えたのがこの作品です。青春ドラマですが、ありがちな爽快感とか疾走感とは無縁で、その日暮らしの、冴えない、でも夢だけはでかい青年たちの、等身大のほろ苦い青春を描いています。アイドルグループ嵐のメンバー5人がそろっての主演ですが、そこにいるのは「これがアイドル?」と思ってしまうほど、地味で情けない男たちでなかなか良いです。(梅)

2007年/日本/128分/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD
制作:タイガーチャイルド ピクチャーズ
製作・配給:ジェイ・ストーム

公式 HP >> http://www.kiiroi-namida.com/

★4月4日(水)、東京グローブ座 先行ロードショー
4月恵比寿ガーデンシネマ、ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらい、梅田ガーデンシネマ他にてロードショー


2007年4月7日〜

『ママの遺したラヴソング』A LOVE SONG FOR BOBBY LONG

監督・脚本:シェイニー・ゲイベル 原作:ロナルド・イヴァレット・キャップス
撮影:エリオット・ディヴィス
美術:シャロン・ロモフスキー
オリジナル曲:ネイサン・ラーソン、グレイソン・キャップス
出演:ジョン・トラヴォルタ(ボビー・ロング)、スカーレット・ヨハンソン(パーシー・ウィル)、ゲイブリエル・マック(ローソン・パインズ)、デボラ・カーラ・アンガー(ジョージアナ)、デイン・ローズ(セシル)ほか

家を飛び出し学校へも行かず、怠惰な日々を送っていたパーシーの元へ母が亡くなったと知らせが届く。 フロリダから急いでニューオーリンズの生家へ戻ると、ボビー・ロングという男がいた。 彼は古くからの母の友人で元文学部教授。教え子のローソンと二人、 母と同居していた家から出ないと主張し、パーシーはしぶしぶ一緒に暮らすことになった。 なにかにつけ文学作品の一節を持ち出すボビーと、パーシーはそりがあわず衝突ばかりしているが、ローソンには次第にうちとけてゆく。

今やハリウッドの人気女優となり、出演作がひきもきらないスカーレット・ヨハンソンが、 シェイニー・ゲイベル監督と何年もミーティングをくりかえし、 実現を待ち望んだ作品だそうです。 セクシーな最近の役と違って、この作品では等身大の女の子をみずみずしく演じ、 ゴールデングローブ賞にノミネートされています。
ジョン・トラヴォルタが初老の元教授役、過去の傷から逃れられず、 酒に溺れて身体をこわしてしまうという今までに全くなかった役です。 病い持ちにしてはガタイの良すぎるのがちょっと難ありですが、 ギターを爪弾きながら歌う場面など、ほぉ〜と見入りました。 舞台がニューオーリンズというのも、この映画の雰囲気をかなりアップさせています。(白)

2004/アメリカ/カラー/2時間/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース
http://mamanolovesong.com/

4月7日(土)〜シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー



『プロジェクトBB』

製作・脚本・監督:ベニー・チャン、ジャッキー・チェン(アクション監督)
原案・脚本:アラン・ユン
撮影:アンソニー・プーン
音楽:チェン・フェイヨン
美術:ウォン・チンチン
出演:ジャッキー・チェン(サンダル)、ルイス・クー(フリーパス)、マイケル・ホイ(大家)、マシュー・メドヴェデフ(赤ちゃん)、ユン・ピョウ(警部)、カオ・ユェンユェン(メロディ)、シャーリーン・チョイ(バッイン)、クー・フェン(サンダル父)、チェリー・イン(赤ちゃん母)ほか

サンダル、フリーパス、大家の3人組は腕のいい泥棒チーム。 「盗みはしても非道はしない」をモットーに、今日も金庫荒らしに病院へやってきた。 まんまとせしめた現金を山分けするが、サンダルは賭博であっというまにすってしまい、 借金が増えるばかり。 フリーパスは金持ちの女をモノにしようと、プレゼント攻勢で浪費。 大家は子供を亡くして以来、精神的に不安定な妻を抱えて金の亡者になっていた。 不運が重なって追い詰められた3人は、大金に目がくらんで自戒を破り、 子供の誘拐を請け負ってしまうのだが・・・。

ジャッキー・チェンが香港風味満点の映画を製作。 『エレクション』でクールなマフィアを演じたルイス・クーと、 赤ちゃんにふりまわされる気のいい泥棒を演じています。 香港映画界御大のマイケル・ホイも、泥棒とはいえ憎めない役です。 久々にスクリーンに登場したユン・ピョウが太っていて(いつのまにやら50歳です!)、 見違えちゃいました。何より赤ちゃんが可愛くて顔がゆるんでしまいます。 すっかり保護者気分の泥棒コンビが命がけのアクションをする遊園地など、 ハラハラシーンもたっぷり。 ダニエル・ウーとニコラス・ツェーの二人が登場するシーンもお見逃しなく! 試写場内爆笑でした。(白)

2006/香港/カラー/2時間6分/スコープサイズ/ドルビーSR、DTS,SRD/
配給:UPI 宣伝:サンダンス・カンパニー
http://www.projectbb.jp/top.html

4月7日(土)より全国ロードショー



『13/ザメッティ』 原題:13TZAMETI(グルジア語で13の意)

製作・監督・脚本:ゲラ・バブルアニ 出演:ギオルギ・バブルアニ、オーレリアン・ルコワン、パスカル・ボンガール、フィリップ・パッソン、オルガ・ルグラン

グルジアから移民してきた22歳の青年セバスチャンは、屋根の修理に出向いた家で、家主の男が家人に、「近いうちに大金を稼ぐ誘いの手紙が届く」と話しているのを耳にする。男がヤク中で命を落とした時、セバスチャンは偶然にもその手紙を手にする。封筒にはパリ行き列車のチケットとホテルの予約済み領収書。何かにとり付かれたように列車に乗りパリのホテルに赴くセバスチャン。深夜、電話のベルが鳴り、次なる行き先の司令が出る。やがて暗い森の中の館に連れ込まれたセバスチャンは、13番の札を渡される。それは、命をもてあそぶ邪悪なゲームの始まりだった…。

13人の男たちが拳銃を手に輪になって合図を待つ。高らかにゲーム開始を告げる声。電球が光りを放った瞬間が引き金を引く時だ。異様な興奮が場を包む。バブルアニ監督は、なかなか資金が付かないため、この集団ロシアンルーレットのシーンを自腹で撮る。その強烈で奇抜なアイディアに、即座に出資者が決まったという。監督は、グルジアから17歳の時にフランスに移民。父親テルム・バブルアニはグルジアで実績を持つ映画監督。主人公セバスチャンを演じるギオルギ・バブルアニは、監督の実弟。監督自身も、セバスチャンの兄役として、出演している。

全編モノクロームのクラシカルな映像が実に美しい。冒頭、セバスチャンが梯子をリヤカーに載せて、石造りの家並みを歩いていく姿に、一気にゲラ・バブルアニ監督の世界に引き込まれてしまった。セバスチャンを演じる線の弱いギオルギが、目線と全身で死と隣り合わせの恐怖を体現していて、凄い。いつまでも彼の物憂げな表情が脳裏から離れず、身震いのする映画に出会った興奮がいまなお覚めやらない。(咲)

驚愕の作品でした。
ロシアンルーレットなんてもんが出てくる映画はまっぴらごめんと、普段、 この手の映画は観ない私なので、グルジア人監督の作品ということで、 試写の案内を(咲)さんに振ったのですが、その試写を観た(咲)さんから 「ぜひ、観てみて」と言ってきて、夜遅い試写会に行かせてもらいました。
最初、なんだかけだるい感じで話が進んでいたのですが、主人公の青年が、 わけもわからぬまま、ロシアンルーレットの渦中に投げ出された時から、 冷や冷やドキドキしながら目は画面に釘付けに。
輪になってのロシアンルーレットが始まり、倒れていく人々。 生き残りをかけて、数回のルーレットが繰り返されるシーンは緊張感がいっぱい。 ロシアンルーレットは、命をもてあそぶ犯罪なのに、それをゲームとして、 お金を掛け合う人々。ルーレットをする本人たちは、次に死ぬのは自分の番かと、 おだやかならぬ心で、次のゲームを待つ。 モノクロの画像が効果的でした。
しかし、監督はどうして恐ろしくも残酷なこの物語を作ったのでしょう。
観終わった後、虚脱感を感じるほど、衝撃的な作品でした。(宮)

提供:エイベックス・エンタテインメント
配給:エイベックス・エンタテインメント+ロングライド
宣伝:ライスタウン・カンパニー
協力:ユニフランス東京

2005年 ヴェネチア国際映画祭 最優秀新人監督賞受賞
2006年 サンダンス映画祭 ワールドシネマコンペティション(ドラマ部門)審査員大賞受賞

2005年/フランス/35mm/B&W/シネマスコープ/フランス語&グルジア語/ドルビーSRD/1時間33分

公式 HP >> http://www.13movie.jp/

★2007年4月7日(土) シネセゾン渋谷にて 輪になってロードショー!


『オール・ザ・キングスメン』ALL THE KING'S MEN

監督・脚本:スティーヴン・ゼイリアン
原作:ロバート・ベン・ウォーレン
撮影:ハヴェル・エデルマン
音楽:ジェームズ・ホーナー
美術:パトリシア・フォン・ブランデンスタイン
出演:ショーン・ペン(ウィリー・スタ−ク)、ジュード・ロウ(ジャック・バーデン)、ケイト・ウィンスレット(アン・スタントン)、パトリシア・クラークソン(セイディ・バーグ)、アンソニー・ホプキンス(アーウィン判事)ほか

—善は、悪からも生まれる。—

ルイジアナ州の下級役人のウィリーは、学校建築入札の不正を知り汚職を厳しく批判して解雇になる。 ウィリーを取材した新聞記者のジャック・バーデンは社会変革の理想に燃える彼に興味を抱く。 州知事選挙の当てゴマとして担ぎ出されたウィリーは、 真相を知って用意されたスピーチ原稿を捨て、彼自身の言葉で同じ労働者たちに呼びかける。 貧しい生い立ち、労働者や農民のために改革を成し遂げることetc。 この演説は貧しい人々の心を捉え、予想もしなかった地滑り的勝利をおさめウィリー・スターク知事が誕生する。 新聞社をやめ、ウィリーの側近となっていたジャックは、 権力を得て次第に変わっていくウィリーを見つめていくことになる。

主演は監督が彼だけを望んだ、というショーン・ペン。 不正を糾弾していた実直な男が政界に入り、 公約を成し遂げるために次第に裏の顔を見せていきます。 変わっていくというより、もともとあった2面性が発揮できる場を得て、 顕著になったと言えそうです。 上流階級の出のジャックとの友情は次第にねじれていきます。 政界の裏側をたたみこむように見せる前半、後半はジャック周辺の話が多くなります。 『エイプリルの七面鳥』 (2003)で母親役だったパトリシア・クラークソンが ウィリーに深く関わる女性として登場。 アンソニー・ホプキンスとショーン・ペンのからむ場面が少々でちと残念。 銃を持った運転手と十字架がたびたび出てきて、先を予感させます。(白)

*原作はピューリッツア賞に輝き、日本でも「すべて王の臣」として邦訳が出版されています。 1949年にすでに映画化(ロバート・ロッセン監督・脚本)され、アカデミー主演男優賞、助演女優賞受賞。

2006/アメリカ/カラー/128分/ビスタサイズ/SDDS、SRD、SR/
配給:ソニー・ピクチャーズ

http://www.sonypictures.jp/movies/allthekingsmen/index.html

4月7日(土)より、日比谷みゆき座ほかにてロードショー



『ふるさと—JAPAN』英題:JAPAN, OUR HOMELAND(FURUSATO JAPAN)

監督・脚本:西澤昭男
声の出演:関根直也、河口舞華、木村昴、花村さやか他

昭和31年春。 東京・深川の木場の小学校に、音楽学校を卒業したばかりの坂本理恵子先生が赴任してきた。 時同じくして、神戸から歌うことの大好きな宮永志津が転校してくる。 明るくスポーツも勉強もできる志津は、一躍6年4組の人気者に。 学級委員長で建具屋の息子・アキラも、ほのかに彼女に憧れる。 坂本先生は年末に開かれる区の合唱大会での優勝をめざすことを提案し、 志津やアキラもメンバーに選ばれ、練習に励む日々。 そんなある日、ガキ大将のゴンの遊び仲間たちが文具店で万引きをして捕まってしまう。 アキラも残念ながら、その仲間だった。 泣く泣く合唱大会出場辞退を決めたころ、志津が海の事故で亡くなってしまう。 志津の合唱大会への思いを叶えたいと、アキラはなんとか合唱大会に出場したいと学校に嘆願する...。

敗戦から10年、ようやく敗戦の混乱から立ち直り、明るい兆しの見え始めた時代。 坂本先生は、特攻隊で亡くなった兄から 「教師になって童謡を子どもたちに伝えていってほしい」という遺言を受けていた。 美しい日本語でつづられる童謡、『花の街』『赤とんぼ』『故郷(ふるさと)』 『浜辺の歌』『月の沙漠』『荒城の月』...  私の世代にとっては懐かしい歌の数々も、今の子どもたちには、 もしかしたら馴染みがあまりないかもしれない。
時代は変わっていくものと思うが、戦後、 日本は伝統的なものをあまりにも失いすぎてはいないだろうか。 町並み、人情、日本語・・・。このアニメを観て、子どもたちが、 日本が戦争で痛手を受けた国であることを少しでも感じてくれればとも思う。

空き地で遊ぶゴンやアキラたちが、転校してきた志津のことを話題にする場面で、 「神戸は関西弁でも大阪とは違うんだよ」という言葉があって、 神戸育ちの私はそうそう!と思わず相槌。 (大阪とは違う!と、こだわる神戸っ子。もっとも、 神戸でも地区によって言葉が違うのだが...) 合唱が盛んな学校で育ち、歌うのが下手な私には苦痛だったが、 今では歌のメロディーと共に、皆で一緒になって合唱に励んだことを懐かしく思い出す。 何十年も経って離れ離れになっても、とても仲が良くて、 今も意識不明で入院している友の見舞いに入れ替わり立ち代わり駆けつけるような同級生たち。 人との繋がりも大切にしたい・・・、そんなことも思わせてくれる映画で、 『荒城の月』を聴きながら、ぼろぼろ泣いてしまった。(咲)

第12回リヨン・アジア映画祭にて<アニメーション部門><子ども映画部門> の両部門でグランプリ受賞!

2006年/日本/1時間38分/カラー/ヨーロピアンビスタサイズ/ドルビーデジタル

製作:株式会社ワオ・コーポレーション
配給: AMG エンタテインメント

★4月7日(土)〜 UCI豊洲他にて全国ロードショー!
公式HP>> http://www.furusatojapan.com/



2007年4月14日〜

『かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲート』原題:龍虎門 DRAGON TIGER GATE

監督:葉偉信(ウィルソン・イップ)
スタイルコンサルタント:張叔平(ウィリアム・チャン)
音楽:川井憲次
アクション監督・主演:甄子丹(ドニー・イエン)
主演:謝霆鋒(ニコラス・ツェー)、余文樂(ショーン・ユー)、董潔(ドン・ジェ)

ドラゴン(甄子丹)は、道場「龍虎門(ドラゴン・タイガー・ゲート)」 を創設した武術家フーフーの長男だが、幼い頃にワケあって秘密結社「江湖」のボス、 マーに拾われ、悪の世界で育つ。 一方、弟タイガー(謝霆鋒)は、「龍虎門」の師ウォン・ホンロンに育てられ、 武道のすべてを学ぶ。ある時、タイガーは「江湖」の一味に襲われるが、 絶体絶命と思われたところで、なぜか敵方は去っていく。 その場に残された翡翠のペンダントから、 「江湖」で異彩を放っていた技の持ち主が生き別れになった兄だと悟る。 そんなある日、「江湖」のボス、マーは、娘シャオリン(董潔)との平穏な暮らしを望んで、 巨大犯罪組織「羅刹門」との関係解消を表明する。 激怒した「羅刹門」のボスに虐殺されるマー。 ドラゴンは妹同然のシャオリンをタイガーに預けて、復讐のためにその場を去る。 タイガーもヌンチャクの名手ターボ(余文樂)と共に「羅刹門」に闘いを挑むが、 師ウォン・ホンロンを惨殺され、「龍虎門」の看板も奪われてしまう。 いよいよ全身全霊をかけた最後の闘いが始まる...。

香港で35年以上も愛読され続けている漫画「龍虎門」からエピソードを抽出して映画化。 CGを駆使した映像は、まさにコミックの世界だが、張叔平の映像美は健在。 ドニー・イェンのまっすぐ見据えた目線が、 長く垂れた前髪の陰から刺さるように飛んできます。 謝くんの綺麗なお顔は、前髪に隠れていてよく見えない...。 ショーンの緑がかった金髪は、彼のまじめなイメージにはちょっとあわないかな。 ショーンの顔もやっぱり前髪で半分隠れています。 そう、まさに人物もコミックから飛び出してきたよう!  久しぶりの謝くんたちの香港映画、もっとちゃんと顔を見たい!(咲)

2006年/香港/カラー/シネスコ/ドルビーSR ドルビーデジタル/94分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by:ヒューマックスシネマ
提供:ギャガ・コミュニケーションズ x フジテレビジョン

公式HP>>  http://kachikomi.gyao.jp/

★4月14日(土)より、 シネマGAGAほか全国ロードショー


『ツォツィ』TSOTSI

監督・脚本:ギャビン・フッド
撮影:ランス・ギーワー
音楽:マーク・キリアン、ポール・ヘプカー
原作:アソル・フガード「ツォツイ」青山出版社より4月発刊予定
出演:プレスリー・チュエニハヤエ(ツォツイ)、テリー・ベト(ミリアム)、ケネス・ンコースイ(アープ)、モツスイ・マッハーノ(ボストン)、ゼンゾ・ンゴーベ(ブッチャー)、ZOLA(フェラ)、ジュリー・モフォケン(モリス)ほか

南アフリカ、ヨハネスブルグのスラム街。過去を封印し、自分の本名さえ名乗らず「ツォツィ(不良)」とだけ呼ばれる少年がいた。彼の仲間は、切れやすく冷酷なブッチャー、とろいが気のいいアープ、先生になりそこねた頭の良いボストンだ。街を徘徊する4人の今日の獲物は恰幅の良い黒人紳士。ネクタイを買うのに袋ごとの現金を懐から出すのを見てしまったのだ。電車に乗り込んで紳士を取り囲み、ブッチャーがアイスピックで一突きする。4人は金を手に入れ、うまく逃げ出すが、ボストンはショックがおさまらない。酒に酔ってリーダーのツォツィをなじり、「名前はなんだ?親はいるのか!お前は捨て犬か!」と叫ぶ。怒りが吹き上げたツォツィはボストンを袋叩きにし、1人高級住宅地へ向かう。降りたばかりの女性の車を奪い、走り出すと、後ろの座席には赤ん坊が残されていた。

昨年のアカデミー賞で最優秀外国語映画賞を受賞した作品です。ギャヴィン・フッド監督は南ア生まれ、当地の大学を卒業した後、一時俳優として活動。アメリカUCLAで監督と脚本の勉強をして南アに戻り、映画制作をしています。プロデューサーに声をかけられたとき、この作品の映画化をずっと待っていた!と、原作のスピリットを生かし現代に置き換えた脚本を猛スピードで書き上げたそうです。絶望と怒りの中で無為に暮らすツォツィと対照的な、シングルマザーのミリアムが美しく、無垢な赤ん坊が南アフリカを変えていく希望の象徴のように思えました。南アでもっとも流行っているという音楽、クワイトが力強く全編を彩り、シンガーのZOLAも出演しています。アソル・フガードの原作は公開に合わせて発売されますので、そちらもご覧ください。(白)

2005/イギリス=南アフリカ共同制作/カラー/95分/シネマスコープ/SR,SRD
配給:日活、インターフィルム 宣伝:ムヴィオラ

公式 HP >> http://www.tsotsi-movie.com/

★4月14日(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー


『ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド』(That's the way of the world)

監督・製作:シグ・ショア
原作・脚本:ロバート・リプサイト
音楽:モーリス・ホワイト、アース・ウインド&ファイアー(以下EWF)
出演:ハーヴェイ・カイテル(コールマン)、エド・ネルソン、シンシア・ボスティック(ヴェロア) 、バート・パークス

敏腕音楽プロデューサーのコールマンは、新進気鋭のバンド、その名も「ザ・グループ」(EWF)を、これぞ次世代の音楽と自信を持ってレコーディングしていた。しかし、その最中に社長から呼び出され、白人グループ「ベイジス」のプロデュースを命ぜられる。ところがそれは人気絶頂のカーペンターズのまがいもののようなグループ。彼がこれまで築き上げてきた名声に傷をつけかねない代物で、彼は到底納得できない。それでも、社長に業界からの追放までちらつかされては、命令に従わざるを得なかった。コールマンはザ・グループのレコーディングを中断し、ベイジスに取りかかるが、ザ・グループのメンバーからは不審を買い、ベイジスのヴェロアからは言い寄られ、次第に追い詰められていく。

1975年の作品ですが、日本初公開となります。70年代の巨大産業化した音楽業界の裏側を描いた作品で、現代にも通じる痛烈な社会批判を含んでいます。加えて、コールマンのアーティストとしての戦いを描いた物語でもあるし、更にはこの映画のサントラ(邦題:暗黒への挑戦)が大ブレイクのきっかけとなったEWFの当時のライブ映像を観られる貴重な資料でもあります。EWFの音楽が好きだったわたしは、当時のライブシーンを観られただけでも興奮もの(ピ、ピアノが回ってる^o^;)。アメリカ公開当時はあまりヒットしなかったようですが、今観ると色んな側面から楽しめる作品です。コールマンを演じているのは、ハーヴェイ・カイテル。『タクシードライバー』を撮る前年で、これまた若くてかっこいいんですよ。(梅)

1975年/アメリカ/100分/カラー/字幕翻訳:落合寿和
配給:シネフィル・イマジカ
宣伝:B.B.B.inc.

公式 HP >> http://cinefil-imagica.com/world

★4月14日(土)よりシアターN渋谷にて、レイトショー決定!!


『輝ける女たち』原題:LE HEROS DE LA FAMILLE(英語題:Family Hero)

監督:ティエリー・クリファ
脚本:ティエリー・クリファ、クリストファー・トンプソン
撮影:ピエール・エイム
音楽:ダヴィッド・モロー
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ(アリス)、エマニュエル・ベアール(レア)、ミュウミュウ(シモーヌ)、クロード・ブラッスール(ガブリエル)、ジェラール・ランヴァン(ニッキー)、ミヒャエル・コーエン(ニノ)、ジェラルディン・ペラス(マリアンヌ)、ヴァレリー・ルメルシェ(パメラ)ほか

ニースのキャバレー「青いオウム」のオーナー、ガブリエルが急死した。 彼と親子のように過ごしてきたマジシャンのニッキーは店を相続できるものと思っていたが、 遺言にはニッキーの子供たちに譲るとあった。ガブリエルの本意はどこにあるのか? 疎遠になっていた元妻のアリスとシモーヌ、 彼女たちとニッキーの子供ニノとマリアンヌも駆けつける。

豪華なスター共演、キャバレーで歌われる懐かしい歌、 たくみなストーリーテリングに最後までひきつけられ、楽しみました。 貫禄たっぷりのカトリーヌ・ドヌーヴはフランス映画祭に団長として来日しますね。 この作品がオープニング上映です。いち早く観たい方はどうぞ六本木へ。 歌姫役のエマニュエル・ベアールは、監督に「君の声で」と言われ、 きちんとレッスンを受けて歌っています。美人顔でないのに、とても美人だと思わせる人。 息子役のミヒャエル・コーエンは、フランス映画には希少な美男です。 公開作品がほかになくて残念。(白)

2006/フランス/35mm/カラー/シネスコサイズ/SRD
オリジナルサウンドトラックが4月上旬CINEMANIAより発売予定

http://www.kagayakeru-movie.com/

4月14日(土)より、Bunkmuraル・シネマほかにて全国ロードショー



『恋しくて』

監督・脚本:中江裕司
原案:BEGIN
撮影:具志堅剛
音楽:磯田健一郎
主題歌:「ミーファイユー」BEGIN インペリアルレコード
美術:金田克美
出演:石田法嗣(セイリョウ)、東里翔斗(栄順)、山入端佳美(加那子)、宜保秀明(マコト)、大嶺健一(浩)、与世山澄子(母)、平良とみ(おばぁ)ほか

石垣島は今日も太陽がまぶしい。高校生になった加那子は幼馴染の栄順に再会した。 父がいなくなった加那子がおばぁの家に引越して以来だ。 ひらめきだけで生きているようなにいにい(兄)セイリョウの一声「バンドやるどー!」で、 マコトは持ったこともないギター、栄順はボーカル、 加那子は恥ずかしがりの栄順を歌わせる役を担うことになった。 加那子の母は自分のバーでプロの歌手として歌っている。 加那子も歌が好きだったが、父が「奄美へ歌を探しに」行ったまま帰らなくなってからというもの、歌えなくなっていた。 栄順は加那子を気遣いながら、いつしか歌う楽しさに目覚めていく。

『ナビィの恋』、『ホテル・ハイビスカス』と沖縄から映画を発信している中江監督 4年ぶりの新作。 BEGINのエッセイにインスパイアされ、 オリジナルなストーリーを書き上げて作られた映画です。 『カナリア』で鮮烈な印象を残した石田法嗣が兄を好演。 ほかの4人の高校生は全て沖縄でオーディションして見つけた現役の高校生たち。 順撮り(シナリオの時間の経過通りに撮影すること)したことで、 彼らの成長がそのままドキュメンタリーのようにフィルムに残っています。 沖縄のことばは独特ですが、現地の高校生の彼らですからなぞったのではないホンモノ。 つきぬけて明るく元気な歌がいっぱい。文化祭のシーンの高校生たちの歌に驚きました。 まさに歌の島です。ビギニングが歌う「恋しくて」はBEGINの書き下ろし。(白)

配給:東京テアトル
原作小説:「恋しくて」中江裕司著 新潮社刊 4月12日発売予定

http://koishikute2007.jp/

4月14日(土)より、テアトル新宿にてロードショー
4月28日(土)より、銀座テアトルシネマ・109シネマズ川崎にてロードショー



2007年4月21日〜

『明日、君がいない』 原題:『2:37』

監督・脚本:ムラーリ・K・タルリ
撮影:ニック・マシューズ
音響デザイン:レスリー・シャッツ
出演:テレサア・パルマー(メロディ)、フラアンク・スウィート(マーカス)、サム・ハリス(ルーク)、チャールズ・ベアード(スティーヴン)、ジョエル・マッケンジー(ショーン)、マルニ・スパイレイン(サラ)、クレメンティーヌ・メラー(ケリー)

—2時37分、そのとき孤独が世界を満たす—

朝の空気、木漏れ日、ハイスクールのいつもの一日が始まった。 放課後、開かないトイレのドアの隙間から流れてくる赤い血に気づいた生徒の1人が助けを呼びに行く。 こじ開けられたドアの向こうに見えたのは・・・。
メロディ、マーカス、ルーク、スティーヴン、ショーン、サラ、6人のそれぞれが抱える様々な悩みや葛藤がカメラに向かって語られていく。明日いないのは、誰なのだろう?

ムラーリ・K・タルリ監督はこれが初監督作品。 自身が学生のときに友人が自殺して大きなショックを受け、 その半年後こんどは自分が自殺未遂。意識が遠のく中で恐怖にかられ、 もし助かったならもう2度とこんなことはしない、好きな映画を作ると思ったのだそうです。 翌朝目覚めて猛然と脚本を書き始め、36時間で第一稿が書きあがったのだとか。 それまでなんの経験もなかった19歳の彼をサポートしたのが、 撮影監督のニック・マシューズでした。 製作会社を作り、プロデュース、編集も助けています。 ほとんど映画初出演の俳優たちが演じていますが、まるでドキュメンタリーのように自然で演出された感じがしませんでした。 監督や俳優のこれからが楽しみです。
昨年の第19回東京国際映画祭コンペに『2:37』の原題で出品され、 同じく高校生が主人公の『十三の桐』とともに印象に残りましたが、 この作品のほうがより切実で心が痛みました。 同世代の若者はきっと深く共感することでしょう。 親世代の私は子供が抱える闇の深さに大人は気づかねば、と思いました。 かつては同じ若者だったのに、 記憶は錆付いて痛みに鈍くなっている自分・・・。(白)

2006/オーストラリア/1:1.85/カラー/99分/ドルビーデジタル
配給:シネカノン

http://www.cineamuse.co.jp

4月21日(土)より、渋谷アミューズCQNにてロードショー

2006年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品
2006年トロント国際映画祭正式出品
2006年メルボルン国際映画祭正式出品
第19回東京国際映画祭コンペティション公式出品



『アボン/小さい家』

監督・脚本:今泉光司
撮影:Boy Yniguez
音楽:ジョーイ・アヤラ、アーネル・バナサン
出演:ジョエル・トレ(ラモット)、Lui Q.Manansala (ラモットの母)、Nand San Pedero(ラモットの父)、Banaue Micalat(イザベル)、へーゼル(ケユ)、ニーナ(ビリット)、ハンジ(ノップノップ)、キドラット・タヒミック(村の自然医)ほか

2000年、フィリピンのバギオ市で乗り合いジープの運転手をしているラモットは日系3世。 山岳地帯から豊かな生活を求めて、都市部にやってきた。 高級住宅地で暮らすことを夢見るが、生活は楽ではない。 妻が外国へ出稼ぎにいくことになり、3人の子供たちと涙で別れてマニラへ行ったものの、 偽造パスポートが見つかり逮捕されてしまう。 渡航費用を借金して工面したラモットは返済に苦慮し、危ない仕事に手を出そうとする。 不法住居からも立ち退かされた一家は、両親を頼って田舎へ戻ることになった。 自然を敬い、つましく生活をする村の人々に囲まれて、子供たちはのびのびと暮らし始める。

バギオ市と北ルソン山岳地帯でのオールロケーション。このコルディリエラ地方には1900年頃、多くの日本人が労働者としてやってきて、急峻な山岳地帯の中での道路建設をしていたそうです。その後バギオには大きな日本人町が形成されるまでになりましたが、第2次世界大戦の折、日系民間人は日本軍に同行を強制され、戦後はフィリピン人からの憎悪の対象となり、苦難の道を歩まねばなりませんでした。日系人は人里離れた山の中へ移り、名前を隠してひっそりと暮らしたのだそうです。そんな史実を少しも知らずにいました。
今泉監督は96年からバギオ市で生活し、フィリピンの多くの映画関係者や、日本人、フィリピン北部の先住山岳民族の人々の協力を得てこの映画を製作しました。都市と山岳地帯の対照的な生活のようすがまるでドキュメンタリーのように、また芸達者な俳優によってコメディ色をも持って語られています。手作り感いっぱいですが、深いところにしみてくる作品でした。(白)

日本・フィリピン/カラー/オリジナル16mm、35mm/新デジタル日本語字幕版/1時間51分

公式 HP >> http://www.ne.jp/asahi/small/home/

★4月21日〜渋谷アップリンクXにて待望のロードショー


『机のなかみ』

監督:吉田恵輔(『なま夏』)
出演:あべこうじ、鈴木美生 ほか

フリーター馬場が家庭教師として教える事になったのは、女子高生の望。その可愛いさに馬場はメロメロで、同棲している彼女がいながら、何かとちょっかいだそうとする。望はそんな馬場の攻撃を軽くかわしながら、今の成績ではとても受かりそうにない志望大学目指して猛勉強。彼女が頑張るのには理由があった。そんな彼女の秘めた思いも知らず、馬場の妄想は広がるばかり。

前半は馬場の視点で、後半は望の視点で描かれて、馬場の勘違いし放題な半年間の実態が明かされるという構造になっています。なんだかちょっと痛くて、クスッと笑ってしまうお話です。態度は粗暴だけど乙女な心をもった馬場の彼女に親近感を覚えて、好きでした。(梅)

2006/日本/ヴィスタサイズ/カラー/104分
製作:日本出版販売/アムモ
配給:アムモ
配給協力:トライネットエンタテインメント

公式 HP >> http://www.tsukuenonakami.com/

★4月21日(土)よりテアトル新宿にてレイトショー


『フライ、ダディ』

監督・脚本:チェ・ジョンテ
原作:金城一紀「フライ、ダディ、フライ」
撮影:チェ・ジェヨン
音楽:ソン・ギワン
出演:イ・ジュンギ(コ・スンソク)、イ・ムンシク(チャン・ガピル/チャンガ)、キム・ソンジュン(オ・セジュン)、キム・ジフン(チェ・スビン)、イ・ヨンス(ガピル妻)、イジュ(カン・テウク)、キム・ソウン(チャン・ダミ)、ペク・ソンギ(バス運転手)ほか

妻と娘を愛する平凡なサラリーマンのガピル。真面目に働いてマンションも買い、昇進も間近だ。そんな彼に、ふってわいたような悲劇が!愛娘のダミがカラオケ店で男子高校生に殴られ怪我をしたというのだ。相手は高校ボクシングのチャンピオンのカン・テウクだった。学校と実家に守られている彼は、型どおりの謝罪のことばのみ。ショックのあまり娘にあたって、「帰って!」と追い出されてしまう。カン・テウクに復讐しようと、刃物を持って高校にやってきたガピルはコ・スンソクの一撃で気絶する。スンソクとその友人達にわけを聞かれ、ガピルは喧嘩の強いスンソクに弟子入りを頼みこむ。

韓国公開は2006年8月、『王の男』は2005年12月。イ・ジュンギの目の強さが気に入ってキャスティングしてから『王の男』が始まり、イ・ジュンギが大ブレイクしてしまい、「父と娘」の物語を撮ったのに、話題がジュンギのほうへ行ってしまったと、監督の話がプレスにありました(笑)。原作者が脚本も担当した日本版(2005年)では、岡田准一(パク・スンシン)、 堤真一(鈴木一) の組み合わせでしたが、堤真一が(どうしてもカッコよくて)へなちょこサラリーマンには見えなかったんです。韓国版のイ・ムンシクは普通のお父さんが「ダディ」になっていくところが、よく出ていました。体重を15kgも増やしたうえ、今度は減らしたりと苦労しています。娘をひたすら思う気持に世の父親は共感するでしょう。イ・ジュンギは正面は中性的ですが、横顔は男性的。この先どんな顔を見せてくれるのか楽しみです。前作で身についた色っぽさが抜け切ってないとこがある、と監督談ですがそのへんも楽しみに観てください。軽快なダンスを見せるオ・セジュンにお〜っと思いましたが、彼はプロのダンサーでもありました。エンドロールでもたくさん踊ってくれてます。日本版よりどのエピソードも濃いなぁという印象でした。さすが東洋のイタリア(?)な韓国の映画です。(白)

2006/韓国/カラー/117分/ヴィスタ/ドルビー
配給:エスピーオー 宣伝:スキップ

公式 HP >> http://www.cinemart.co.jp/flydaddy/

★4月21日(土)より シネマート新宿、シネマート六本木にてロードショー


2007年4月28日〜

『あしたの私のつくり方』

監督:市川準
脚本:細谷まどか
原作:真戸香(講談社刊)
撮影:鈴木一博
音楽:佐々木友理
主題歌:「天気予報」シュノーケル
美術:山口修
出演:成海璃子(大島寿里)、前田敦子(花田日南子)、石原真理子(寿里の母)、石原良純(寿里の父)、高岡蒼甫(田村先生)、近藤芳正(小学校担任)、奥貫薫(日南子の母)、田口トモロヲほか

大人になった少女たちに、見てほしい物語があります

小学生の寿里(じゅり)はどこにでもいる平凡な女の子。仲間はずれにされたくなくていつも友達に合わせてしまう、クラスで人気者の日南子(かなこ)に、ひそかに憧れていた。寿里の両親は毎日ケンカばかりしていて、それも悩みの種。挑戦した中学受験に失敗し、学校に久し振りに戻ると日南子が女子から総スカンをくっていた。卒業式の日、偶然二人きりになった寿里は、日南子から「ホンモノの自分」と「ニセモノの自分」の話を聞く。
そして中学生になって寿里の両親が離婚し、同級生から日南子が転校したと聞いた寿里は、初めて携帯へメールを送る。

『トニー滝谷』、『あおげば尊し』の市川準監督最新作。14歳の成海璃子、秋元康が手がけるアイドルプロジェクト「AKB48」の前田敦子15歳が、ホンモノとニセモノの自分の間で揺れ動く中学生を演じています。二人は離れてしまってから、携帯のメールのやりとりをするのですが、その内容が思わずくすっと笑ってしまう可愛さ、いや大人の付き合いにも通じるものかも。
その1.聞き上手がモテ上手
その2.あえての恋愛相談が、友情を深める
その3.奇数人のグループを見つけて合流すること
・・・
あとは劇場でお確かめください。イケメンな若手男優が多くなったこのごろですが、この二人のように将来楽しみな女優さんも増えています。思春期には大事なものも、そして問題もいっぱいあったなぁと思い出します。(白)

2007/日本/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーSR/97分
©明日の私のつくり方製作委員会
宣伝:メディアボックス、日活

公式 HP >> http://watatsuku.goo.ne.jp/

★4月28日(土)より、シネ・リーブル池袋、渋谷アミューズCQNほか全国順次ロードショー


『イノセントワールド —天下無賊—』

監督・脚本:フォン・シャオガン
撮影:チャン・リー
美術:チャオ・ジン、チャオ・ハイ
オープニング曲「ラヴィアン・ローズ」小野リサ
エンディング曲「知道不知道」:Yae
出演:アンディ・ラウ(ワン・ポー)、レネ・リウ(ワン・リー)、グォ・ヨウ(フー・リー)、リー・ビンビン(シャオイエ)、ワン・バオチアン(シャーケン)ほか

息の合う泥棒コンビのワン・ポーとワン・リーは愛し合う恋人同士でもあったが、 リーは足を洗ってまともな暮らしをしたいと望んでいた。 草原を走る車の中で大喧嘩した挙句リーは車を降り、怒ったポーは走り去ってしまった。 1人歩き続けて倒れそうになったころ、自転車で通りかかった青年シャーケンに助けられる。 彼は出稼ぎで貯めた結婚資金6万元を持って故郷に帰ろうとしていた。 リーはポーに再会したが、人を疑うことを知らない純朴なシャーケンは、 駅で6万元のことを口にしてしまう。リーはシャーケンを守ろうと心に決めるが、 大金を狙っているのはポーだけではなかった。


中国で人気のフォン・シャオガン監督恒例のお正月映画。 2005年の公開時、2週間で8000万元を稼ぐ大ヒットとなりました。 壮大な風景に豪華な列車の中など、なかなか目にすることのできない舞台と、 人気・実力を兼ね備えた俳優陣。 アンディ・ラウとレネ・リウの泥棒コンビの愛情物語を縦糸に、 この2人とスリ合戦を見せるグォ・ヨウをボスにいただく窃盗団との攻防がからんできます。 無垢な青年に気づかれないよう、あの手この手のやりとりがスリリングで見ものです。(白)

2004/中国/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/1時間56分
配給:キネティック、アルゴ・ピクチャーズ 宣伝:アルゴ・ピクチャーズ
4月28日(土)より, 渋谷Q-AXにてロードショー
http://www.q-ax.com/

公式サイト http://www.official.cine-tre.com/innocentworld/



『ストリングス〜愛と絆の旅路〜』

(オリジナル・バージョン)
監督・脚本:アンデルス・ルノウ・クラルン
(ジャパン・バージョン)
監督:庵野秀明
脚色:長塚圭史
出演(声):草なぎ剛、中谷美紀、劇団ひとり、優香、小林克也、香取慎吾、戸田恵子、伊武雅刀、市村正親

へバロン王国の暴君カーロが己の所業を悔いて自殺した。遺書には平和を願って穢れを知らぬ息子のハルに王位を譲ると書かれていた。ところが王位を狙うカーロの弟・ニゾは遺書を破り捨て、その死を敵対する一族ゼリスの長、サーロによるものに見せかける。何も知らないハルは、心配する妹ジーナを城に残し、家臣のエリトと共に仇を捜す旅に出る。旅の途中でハルが見たものは、父王の死を知って喜ぶ民衆や、荒廃した土地など、想像だにしなかった国の惨状だった。


© 2004 Bald Film

デンマーク生まれの、CGもVFXも使わず、作り込んだセットと、熟練の人形使いたちに命を吹き込まれた人形によって生み出された気品あるファンタジー映画です。
木製のマリオネットによる人形劇なのですが、マリオネットを操る糸が天上から下りていて、頭の糸が切れることが死を意味し、運命の人とは天上で糸同士がつながっているなど、独自の世界観を丁寧に作り上げた、これまでにない人形劇になっています。冒頭のシーンは「王宮の室内なのに、なぜ雨が?」と不思議に思ったのですが、皆が天上からの糸につながっているので、この世界では建物に天井が無いのでした! 城門も下りるのではなく、上がると出入りが出来ないのです。
今回の日本公開版は、ジャパン・バージョンと称して庵野監督や長塚圭史さんによる脚色が施されているようですが、どんな変更が行われたのか、オリジナル・バージョンも観て比較してみたいものです。(梅)

マリオネットの糸は普通見えないように工夫するものですが、 この作品はその糸がとても大事。文字どおり天から降りてくる命の糸です。 長い長い糸に繋がった彼らが大勢いたら、絡まるでしょうにと思ったら、 子供たちが遊んでいて「絡まっちゃった!」と言うシーンがあり、笑ってしまいました (お母さんが丁寧にほどく)。様々な素材でできたマリオネットたちがとても表情豊かです。 雨の中、水の中、火の中でまでも自在に動き回り、もうびっくりでした。 この作品のプレスにはちゃんと庵野監督(エヴァンゲリオンの)、脚本家が載っています。 翻訳したものを元に、日本語のセリフを作り上げ、声優を演出するってことなのでしょうか (他の作品はどうだったっけ)?普通の映画のキャストのような声優陣も豪華です。(白)

制作:ジェイ・ドリーム
提供:ジェイ・ドリーム、エイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日、プレシディオ、ファントム・フィルム
配給:エイベックス・エンタテインメント+ジェイ・ドリーム
宣伝:ファントム・フィルム
宣伝協力:アンカー・プロモーション

公式 HP >> http://www.stringsweb.net/

★4月28日(土)より、ホップ・ステップ・ジャンプ!ロードショー
TOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて


『バベル』  原題: BABEL

製作・原案・監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本・原案:ギジェルモ・アリアガ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司、アドリアナ・バレッザ、菊地凛子


本年度アカデミー賞最有力候補作品!
ブラッド・ピット、役所広司ほか、3大陸4カ国の夢のスーパーキャストたちが終結した、
2007年最大の話題作が、世界を揺るがす!

メキシコ、モロッコ、そして東京。
出会うはずのはい人々が運命のいたずらによって絡み合ったとき、
3つの事件がひとつにつながる

言葉が通じない。心も伝わらない。想いはどこにも届かない。
かつて神の怒りに触れ、言語を分かたれた人間たち。
我々バベルの末裔は、永遠に分かり合う事ができないのか?
世界規模のスケールで人類の絶望と希望を描く衝撃のヒューマン・ドラマが、いよいよ日本上陸!

2007年、世界はまだ変えられる。

モロッコ、アトラス山脈。密かに猟銃を手に入れたベルベル人の父親が、 山羊を襲うジャッカルを撃つためにと、まだ少年の息子二人に猟銃を渡す。 競って試し撃ちをする二人。崖下を行くバスをめがけて弟の放った弾が、 アメリカ人観光客の女性(ケイト・ブランシェット)の腕に当たってしまう。 夫(ブラッド・ピット)は、瀕死の彼女を助けようと必死に叫ぶが、 アメリカ政府は、テロリストに襲撃されたとして厳戒態勢で臨み、 なかなかヘリコプターをよこそうとしない。 アメリカ人夫婦は、メキシコ国境に近いサンディエゴの留守宅に幼い子供たちをメキシコ人のベビーシッターに預けて旅に出てきていた。 夫婦が予定通りに旅から帰らないため、 ベビーシッターの老女はメキシコにいる息子の結婚式に出席するため、 子供たちを連れて国境を越える。 結婚式も無事終わり、 披露宴での酒がまだ抜けない甥(ガエル・ガルシア・ベルナル)の運転する車で、 サンディエゴに帰ろうとするが、国境で飲酒を咎められた上に、 白人の子供たちを連れていることを不審に思われ、 甥は国境を強行突破してしまう。 一方、遠く離れた東京では、聾唖の女子高校生(菊地凛子)が、 人並みに愛を得たいともがいている。 彼女の母親は自殺してしまい、父(役所広司)と二人暮らしだが、 仕事に忙しい父は娘をなかなかかまってやれない...。


©2006 by Babel Productions, Inc. All Rights Reserved.

モロッコ、アメリカ・メキシコ、日本と、遠く離れて暮らす人々の姿が、 交差して映し出され、ことに東京での場面は唐突な感じがしてしまう。 が、やがて3つの地点での悲劇的な出来事が実は繋がっていることがわかる。

メキシコとの国境の米国警察が、 必死に説明しようとする老女の言葉を聞こうともしない態度や、 アメリカ人が襲撃されればテロだと思い込む米国政府の対応は、 9.11以降、過剰なまでにテロとの闘いを推し進める米国政府の姿を揶揄しているようだ。

アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地凛子の体当たり演技は、確かに凄い。 でも、あれが日本の現代の若者の姿と勘違いされるのではと、ちょっと怖い気もする。
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、 役所広司という名の通った役者たちの演技はごくごく控えめだ。 イスラーム文化圏好きの私にとっては、なによりもモロッコのベルベルの人たちの風俗や、 素人の人たちの自然な演技に興味を惹かれた。

言葉が通じないことによって引き起こされる摩擦を描く一方で、 心が通い合えば平和が得られる可能性を示唆していて、見終わったあと、 ずっしり重いものを感じた。(咲)

メキシコ/143分/カラー/ビスタ/ドルビーデジタル
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ

★4月28日(土)よりスカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

公式HP>>  http://babel.gyao.jp/



『恋愛睡眠のすすめ』
画像:(c) couramiaud - horse created by Lauri Faggioni

監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
製作:ジョルジュ・ベルマン
撮影:ジャン=ルイ・ボンポワン
音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール
芸術監修:ピエール・ベル、ステファヌ・ローセンバウム
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル(ステファン)、シャルロット・ゲンスブール(ステファニー)、アラン・シャバ(ギィ)、ミウ=ミウ(母)、ピエール・ヴァネック(上司)、エマ・ド・コーヌ(ゾーイ)、オレリア・プティ(マルチーヌ)、サシャ・ブルド(セルジュ)ほか

デザイナーのステファンはメキシコから母の住むパリに戻り、カレンダー会社に勤めることになった。期待と違う退屈な仕事にがっかりするステファン。ある日アパートの隣にステファニーが越してくる。次第にステファニーに恋心が募ってくるが、シャイな彼は告白することができない。夢の中ではどんなこともできるのに・・・。思い込みが激しいステファンは夢と現実の区別がつかなくなって、現実のステファニーにプロポーズしてしまう。

『エターナル・サンシャイン』でヒットを飛ばしたミシェル・ゴンドリー監督が、今度は自分がかつて住んでいたアパートを舞台に、夢と現実をさまよう青年のストーリーを映像化しました。ステファンは監督の分身であるようです。夢と現実を行き来するのがめまぐるしくて、そのうちステファンのように観ているほうもどっちなのか境界がわからなくなります。
クリエイターであるステファンとステファニーの部屋や、夢の世界のダンボールや布などでできた舞台がとても楽しくてモノ作りが好きな人、「不思議ちゃん」好きな人は必見。ステファンは考えればちょっとあぶない男の子なんですが、ガエル・ガルシア・ベルナルが演じるとなんだか可愛いです。シャルロット・ゲンスブールが落ち着いているので、恋人というより保護者に見えてしまいました。妙な同僚たちをベテランが演じて笑わせます。(白)

2006/フランス、イタリア/カラー/105分/ヴィスタ/ドルビーデジタル
★3月17日(土)フランス映画祭でも上映

公式 HP >> http://renaisuimin.com/

★4月28日(土)より、シネマライズほかにてロマンティックにロードショー


『ザ・ライド〜ハワイアン・ビーチ・ストーリー』

監督・脚本:ネイザン・クロサワ
音楽総指揮:グレッグ・ゴールドマン
演出:スコット・デイビス、シーン・クアワ、メリー・パアラニ ほか

サーフィンの若きワールドチャンピオン、デビッドは、メディアやファンに騒がれて、最近自信過剰気味だった。そんな中、ハワイのノースショアでの大会でワイプアウトし、波にもまれて意識を失う。気がついたとき、何と彼は1911年のワイキキ・ビーチにいた。彼を助けてくれたのは、ハワイアンのパオアだった。そのパオアこそ、伝説的サーファーであり、オリンピックで2度にわたり100m自由形金メダルを獲ったデューク・カナハモクだった。デビッドは100年後の世界から来たことを話すが、誰も信じるはずがなかった。ただ一人、美しいレファだけは彼を未来が読める人だと言ってくれる。手つかずの自然の中で、デュークたちとクラシックスタイルなサーフィンを学ぶ毎日。デュークは言う「ボードではなく、波に乗るんだ」と。デビッドは次第にハワイアンが持つ自然に対する畏敬の念を理解し、人として成長していく。

© 2003 Third Reef Pictures.

ワイキキ・ビーチというと、巨大な観光ホテルが建ち並ぶ一大リゾートですが、1911年当時ホテルは一軒しかなく、自然豊かな静かなビーチでした。主人公がタイムスリップしたことに気付かず、「あのホテルが建ち並ぶワイキキ・ビーチはどこだ?」とパニックになるのも無理ないほど、この100年あまりで変わったのです。それでもハワイアンの大自然に対する畏敬とそこから学ぶ謙虚さは、文化として受け継がれているようです。親しみやすく爽やかな物語の中に、監督のそんな故郷ハワイに対する溢れる愛情を感じます。2003年ハワイ国際映画祭での上映は大変な盛り上がりをみせ、見事観客賞を受賞したそうです。(梅)

2003年/アメリカ映画/91分/カラー/スタンダード
提供:レイドバックコーポレーション
配給・宣伝:グラッシィ

公式 HP >> http://www.glassymovie.jp/movie/ride.html

★4月28日(土)より、渋谷Q-AXシネマにてモーニング&レイトショー!


「日中国交正常化35周年記念 2007年中国映画祭」

会 場 : 新宿バルト9
期 間 : 2007年8月31日(金)〜9月3日(月)
主 催 : 文化庁、中国国家広播電影電視総局電影管理局
共 催 : NPO法人映像産業振興機構(VIPO)、新宿バルト9
後 援 : 在日本中国大使館、社団法人日本映画製作者連盟、協同組合日本映画製作者協会、 財団法人日本映像国際振興協会

◆上映作品

8月31日(金)オープニング上映『夜の上海』招待
この作品は9月22日(土)より、ロードショー公開されます。

9月1日(土)舞台挨拶あり
13:00 『美しきホームランド』 ガオ・ファン監督
15:10 『天狗』チー・ジエ監督
17:30 『公園』 イン・リーチュエン監督
19:40 『恋人紐』フォ・ジェンチィ監督

9月2日(日)
11:00 『赤いネッカチーフをつけた二人の女』ハン・ジージュン監督
13:00 『トルファンの恋歌』ジン・リーニー監督
15:00 『THE LAW OF ROMANCE=ロウ・オブ・ロマンス』シュ・ゲン監督
17:00 『美しきホームランド』
19:00 『恋人紐』

9月3日(月)
11:00 『公園』
13:00 『天狗』
15:00 『赤いネッカチーフをつけた二人の女』
17:00 『トルファンの恋歌』
19:00 『THE LAW OF ROMANCE = ロウ・オブ・ロマンス』

http://www.vipo.or.jp/jp/china/



「第3回 アジア海洋映画祭イン幕張」

とき:9月14日(金)〜16日(日)
会場:シネプレックス幕張
   ホテルスプリングス幕張 国際ホール (表彰式など)

コンペティション作品(8/24現在での情報)

今日という日が最後なら
2007年・日本・107分
【監督・脚本】柳 明菜
【音楽】伊豆一彦
【キャスト】森口彩乃、柳裕美、清水増子、藤谷文子、本多章一、岡田真由子
練習曲
2006年・台湾・108分(英題:Island Etude)
【監督】陳懷恩(チェン・ホァイエン)
【出演】東明相、楊麗音、呉念真、SAYA、胡徳夫 他
妻の愛人に会う
2005年・韓国・92分
【監督】キム・テシク
【出演】朴広正、鄭普碩
ぼくのフットボールの夏
2006年・台湾・103分(原題:奇蹟的夏天  英題:My Football Summer)
【監督】楊力州・張栄吉
【出演】美崙中学校サッカー部の17人 他
野。良犬
2007年・香港(原題:The Pye-dog)
【監督】郭子健
【出演】陳奕迅、曾志偉、林子祥
約束
フィリピン(英題:The Promise)
【監督】Mike Tuviera
【出演】Richard Gutierrez Angel Locsin

公式 HP >> http://www.amffm.net/



2007年9月14日〜

「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2007」

会期:9月14日(金)〜24日(月・祝)
場所:ソラリアシネマ1(福岡市中央区天神2-2-43 ソラリアプラザ7F)
エルガーラホール(福岡市中央区天神1-4-2 エルガーラビル8F)他

16年間ディレクターを務められた佐藤忠男氏が退かれ、 どんな切り口になるのかと興味津々でしたが、8月に行なわれた記者会見では、 「市役所にしては、ここまでやっていいのか〜という所までやっていきたい」 と意欲満々の発表でした。試写で観た作品も、テンポの速い作品が多くて、 一味違ったアジアフォーカスになりそうです。

16カ国・地域の32作品が上映されるほか、協賛企画や、シンポジウムなど、盛りだくさん! 是非、HPでチェックしてみてください。
http://www.focus-on-asia.com

【上映作品】
特集1「I Want to Dance! 泣くな、踊れ、アジアの女性たちよ!」
◆バナジャ(2006年/インド・アメリカ/111分)
◆ダンシング・ベル(2007年/マレーシア/98分)
◆マイ・マザー・イズ・ア・ベリーダンサー(2006年/香港/100分)
◆あたしが踊る!(2006年/中国/83分)
特集2「ディーパ・メータ監督特集 〜ディアスポラのアジア」
カナダ在住のインド女性監督の三部作
◆とらわれの水(2005年/インド・アメリカ/118分)
◆1947年・大地(1998年/インド・アメリカ/104分)
◆炎(1996年/インド・アメリカ/101分)
日本の民衆史
◆陸(おか)に上がった軍艦(2007年/日本
◆新・あつい壁(2007年/日本
◆小梅姐さん(2007年/日本
福岡フィルムコミッション支援作品
◆相撲ら!(2007年/マレーシア・日本
◆逃亡くそたわけ−21才の夏(2007年/日本
アジアの新作・話題作
◆砂塵を越えて(2006年/イラク・フランス/76分)
◆地の果てまでも(2006年/イラン/89分)
◆天空の路(2006年/ウズベキスタン/77分)
◆ドン(2006年/インド/171分)
◆いきなり、ダンドゥット(2006年/インドネシア/95分)
◆永遠探しの3日間(2006年/インドネシア/110分)
◆ここに陽はのぼる 〜東ティモール独立への道(2006年/シンガポール・東ティモール/81分)
◆早春譜(2006年/タイ/112分)
◆ミージュー(2007年/タイ/80分)
◆アオザイ(2006年/ベトナム/135分)
◆風と砂の女(2006年/モンゴル・韓国・フランス/123分)
◆トゥーヤの結婚(仮題)(2006年/中国/96分)
◆自転車で行こう(2006年/台湾/83分)
釜山アジア短編映画祭2007入賞作品
※以下の6作品をひとつのプログラムとして上映
◆贈り物(2006年/韓国/28分)
◆普通の人々(2007年/韓国/28分)
◆過ぎ去る一日(2007年/韓国/19分)
◆道具(2006年/韓国/8分)
◆いつか判る(2007年/韓国/21分)
◆グレースランド(2006年/タイ/17分)



2007年10月12日〜

「ビョン・ヨンジュ監督特集 [上映+トーク]」

山形国際ドキュメンタリー映画祭『アジア千波万波』の審査員として来日する監督を東京に迎え、まるごとビョン・ヨンジュ監督・作品の魅力に浸かる!

2007.10.12 (金) 〜 14 (日)

10月12日(金)19:00〜20:30
前夜祭 「ビョン・ヨンジュ監督と語ろう!」
ビョン・ヨンジュ × 斉藤綾子 対談 [上映なし]

場所:港区立男女平等参画センター リーブラ
http://www.kissport.or.jp/sisetu/libra/index.html
参加費無料 (保育あり:事前にリーブラまで)
JR 田町駅下車 東口徒歩2分
地下鉄 三田線・浅草線 三田駅下車 徒歩4分
港区芝浦3-1-47 TEL: 03-3456-4149

10月13日(土)&14日(日)
特集上映 「ビョン・ヨンジュのすべて」
[5作品上映+監督トーク]

場所:シネマート六本木
http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/index.html
六本木駅より徒歩2分
港区六本木3-8-15 TEL: 03-5413-7711

*チケットはすべて当日券のみです。
1回券=1500円
13(土)1日券=3900円
14(日)1日券=2600円

10月13日(土)@シネマート六本木(スクリーン4)
13:00〜『ナヌムの家』
14:40〜 監督トーク
15:40〜『ナヌムの家II』
17:20〜『息づかい』
18:40〜 監督トーク

10月14日(日)@シネマート六本木(スクリーン4)
12:00〜『密愛』
14:00〜 監督トーク
15:00〜『僕らのバレエ教室』
17:00〜 監督トーク

主催・山形国際ドキュメンタリー映画祭
   港区立男女平等参画センター リーブラ
共催・FAV (連連影展)

協力:シネマート六本木、SPO、パンドラ、ハピネット、シネマトリックス、SIB
会場:シネマート六本木・港区立男女平等参画センター リーブラ

お問い合わせ:山形国際ドキュメンタリー映画祭・東京事務局
TEL: 03-5362-0672
E-MAIL: nac@tokyo.yidff.jp

ビョン・ヨンジュ監督関連記事掲載号の紹介
『ナヌムの家』紹介 36号37号 (在庫なし。記事リンク
『息づかい』監督インタビュー 49号
『蜜?密?愛』監督インタビュー 57号
『僕らのバレエ教室』監督インタビュー 66号, 67号



2007年10月14日, 19日, 20日, 21日

「第3回甲賀映画祭」

滋賀県甲賀市で第3回甲賀映画祭が開催されます。
(公式HP:http://cinepa.jp/site/kff07/index.html)

今年の映画祭テーマは「かぞくのえいが」。家族にまつわる作品の特集です。
  >> スケジュール

滋賀県近江八幡市を中心にロケされた、 今秋公開予定の中国映画『呉清源 極みの棋譜』のプレミア上映もあります。

■日時:10月14日(日)・19日(金)・20日(土)・21日(日)
■会場:忍びの里プララ・水口アレックスシネマ・碧水ホール・水口社会福祉センター
■チケット
(一般)
 1回券:前売 800円 当日1,000円
 3回券:前売2,100円 当日2,400円
(こども)
 1回券:500円(前売・当日とも)
(フリーパス) 4,000円(前売・当日とも)
(『呉清源 極みの棋譜』プレミア上映) 前売1,500円 当日1,800円

前売り券は好評発売中!
・チケットぴあ
・コンビニ(ファミリーマート・サンクス・サークルK)
Pコード 478-010
 (『呉清源 極みの棋譜』プレミア上映 553-192)

■問合せ:甲賀シネマパーティー
(甲賀映画祭実行委員会)
Tel : 0748-63-2006
Fax : 0748-63-0752
E-mail:info@cinepa.jp


「第20回東京国際映画祭」

期間:2007年10月20日(土)〜10月28日(日)
会場:六本木ヒルズ(港区)、Bunkamura(渋谷区)ほか
主催:ユニジャパン(財団法人日本映像国際振興協会/第20回東京国際映画祭実行委員会)

前売券(一般発売)発売日  2007年10月6日(土)

公式HP>> http://www.tiff-jp.net/





*主要部門*
コンペティション

特別招待作品
『ミッドナイト・イーグル』、『シルク』、『オヲン座からの招待状』、 『鳳凰 わが愛』、『レイ・ハリーハウゼン特集』他

アジアの風
より広く、より深く、範囲を中東・中央アジア・南アジア・東アジアに拡大
エドワード・ヤン追悼特集も

ワールド・シネマ  ★新企画
ヨーロッパや南北アメリカの作品を中心に、話題の新作を紹介。 国際映画祭で高い評価を受けた秀作や、有名監督の最新作などを日本初上映

日本映画・ある視点

第20回特別企画 映画が見た東京 
戦後から、高度成長期、バブル、そして現代まで、映画の中に 映し出されたさまざまな東京の風景
あなたの選んだ映画が国際映画祭の上映プログラムに!!
戦後から今日までの“東京”を描いた、心に残る一本を大募集!!

 
     下町               野獣狩り

<あなたが選ぶ「映画が見た東京」 応募要項>

応募期間:8月10日(金)午前10時 〜 31日(金)午後11時59分

応募方法:
 東京国際映画祭公式サイト(http://www.tiff-jp.net/ja/)へアクセスし、 あなたが選ぶ「映画が見た東京」応募専用メールアドレス(eiga-tokyo@tiff-jp.net)に必要事項を記入の上、メールを送信してください。(※携帯からのご応募も可能)

応募対象作品:ジャンルは問いません。東京が舞台、東京で撮影、東京がテーマであるなどの作品から1本を選び、関連エピソードも併せてご応募ください。

結果発表:10月初旬に東京国際映画祭公式サイトにて発表。

プレゼント:以下、1か2のどちらか、ご希望の方を明記してください。

  1. 第20回東京国際映画祭「映画が見た東京」の指定席引換券 20名様
    このチケットは満席の場合はお断りする可能性がございます。
  2. 第20回東京国際映画祭公式プログラム 20名様

お問い合わせ:東京国際映画祭事務局  tiffinfo@tiff-jp.net




映画批評家プロジェクト
映画祭期間中に「コンペティション」部門の作品を鑑賞のうえ、 1作品につき800字以上、1500字以内の批評文を募集。複数応募可能。

応募締切り : 11月15日(木)必着

年齢、性別の制限はありません。映画に関する媒体に対し、 原稿料を伴う執筆経験者は応募不可です。 (但し個人ウェブサイト、ブログ等の執筆に関しては、 上記に範囲に入らないものとします。)
*自主企画*
animecs TIFF2007
東京ネットムービーフェスティバル
東京国際映画祭 声優口演ライブ with 山下洋輔
外国映画吹き替え放送50周年を記念しての企画。声優は皆元気!  皆さんも声を出して!

*共催・提携企画*
第20回東京国際女性映画祭
期間:2007年10月21日(日)〜10月25日(木)
会場:東京ウィメンズプラザ
  • 『サラエボの花』(ボスニア・ヘルツェゴビナ、やすみら・ズパニッチ監督)
      *第56回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品
  • 『私たちの家で』(イタリア、フランチェスカ・コメンチーニ監督)
  • 『水』(カナダ、ディーバ・メータ監督)
  • 『肩ごしの恋』(韓国、イ・オニ監督)
  • 『女性監督にカンパイ!』(日本、山崎博子監督)
  • 『バッコスの信女』(日本、羽田澄子監督)
  • 『シロタ家の20世紀』(日本、藤原智子監督)
  • 『エージェント・オレンジ』(日本、坂口雅子監督)
  • 『心理学者 原口鶴子の青春 〜100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと〜』(日本、泉悦子監督)

*アンコール上映
『宗家の三姉妹』(香港・日本、メイベル・チャン監督)

そのほか、バリアフリー上映(日本映画)、日本映画学校卒業作品、 フランス、キューバ、香港作品など選考中


ニッポン・シネマ・クラシック
「ふるさとの詩(うた)」と題し、“懐かしい古里”、“大切な場所”、 “心の故郷”など、 “ふるさと”をテーマにしたさまざまな作品
期間:2007年10月21日(日)〜10月24日(水)
会場:渋谷Bunkamura ル・シネマ1 シアターコクーン

文化庁映画週間
「文化庁映画賞贈呈式及び記念上映会」「全国映画祭会議」 「世界映画人会議」「全国フィルムコミッション・コンベンション」

みなと上映会
港区内の商店会、自治会、町会で結成された「東京国際映画祭みなと委員会」 との共催企画。子供から大人まで楽しめる作品の上映とイベント

コリアン・シネマ・ウィーク 2007

2007東京・中国映画週間
日中国交正常化35周年記念、「2007日中文化・スポーツ交流年」認定事業として 中国の最新作、話題作を上映

香港映画祭
香港の中国返還10周年を記念して開催

日時 2007年10月23日(火)〜25日(木)
会場 渋谷Bunkamura オーチャードホール
上映作品
10月23日(火) 『鐵三角TRIANGLE』 ※オープニング作品
監督:ツイ・ハーク(徐克)リンゴ・ラム(林嶺東)ジョニー・トー(杜[王其]峰)
出演:サイモン・ヤム(任達華)ルイス・クー(古天樂)ケリー・リン(林熙蕾)
10月24日(水) 『父子』(After This Our Exile)
監督:パトリック・タム(譚家明)
出演:アーロン・クォック(郭富城)ン・キントー(呉景滔)チャーリー・ヤン(楊采[女尼])ケリー・リン(林熙蕾)
10月24日(水) 『男兒本色』(Invisible Target)
監督:ベニー・チャン(陳木勝)
出演:ニコラス・ツェー(謝霆鋒)ジェイシー・チェン(房祖名)ショーン・ユー(余文樂)
10月25日(木) 『天堂口』(Blood Brothers)
監督:アレクシ・タン(陳奕利)製作:ジョン・ウー(呉宇森) 
出演:ダニエル・ウー(呉彦祖)スー・チー(舒淇)リウ・イエ(劉[火華])
★お問い合わせ:
 9月19日よりハローダイヤル TEL:03-5777-8600 (7:00〜23:00)
★チケット:9月末よりチケットぴあにて発売予定

ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2007
受賞作品上映&ワークショップ

CJax —日加ショートアニメーション・エクスチェンジ—

GTFトーキョーシネマショー2007

東京国際シネシティ フェスティバル2007
「We love KABUKICHO」をキーワードに、「歌舞伎町」活性化の推進
期間:2007年11月23日(金・祝)〜25日(日)



2007年5月5日〜

『メイド 冥途』

監督・脚本:ケルヴィン・トン
製作総指揮:ダニエル・ユン(『the EYE』)
出演:アレッサンドラ・デ・ロッシ(ローサ)、チェン・シュウチェン(テオ)、ホン・フイファン(テオ夫人)、ベニー・ソウ(アスーン)

太陰暦の7月を道教信者は「鬼月」と呼び、地獄の門が開いて霊が人間界に戻り、様々な悪さをすると信じている。そのため、この時期には様々なタブーがある。
その月の初めに、ローサはフィリピンからシンガポールへ、メイドとしてテオ夫妻の元へとやってきた。テオ夫妻は伝統劇の劇団を率いていて、一人息子のアスーンは知的障害があるが、ローサはすぐにうち解けた。
しかし、キリスト教徒のローサはこの時期のタブーを知らず知らずのうちに犯していく。そして、彼女の周りに奇妙なことが起こり始める。

ケルヴィン・トン監督は2006年の東京国際映画祭で『Love Story』が上映されていますが、劇場公開はこれが初めてです。
「鬼月」の習慣は日本人にとっても珍しいので、ローサと一緒になって「そうなんですか?」となるのではないでしょうか。この時期、シンガポールだけでなく香港や台湾など、華人の住む街へ行くと、あちらこちらで、模造紙幣を燃やしている光景が見られます。人間界に降り立った霊を弔うためです。また、映画の中でも見られますが、この時期に劇団が公演を行っているのは、やはり霊たちを弔うためのもので、最前列は幽霊専用の席なので人間は座ってはいけません。他にも、一人の時に呼び止められても振り向いてはいけないだとか、知らない人に声をかけてはいけないだとか、色々な禁忌が興味深いです。海外旅行や水泳、引っ越し、結婚式も控えるのだそうです。(梅)

2005年/シンガポール/35mm/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/90分/日本語
字幕:関美冬/原題:The Maid
提供:パラマイウント ホーム エンタテインメント ジャパン
配給:ザナドゥー

5月5日(土)より、シアターN渋谷ほかにて全国順次ロードショー公開。



2007年5月12日〜

『歌謡曲だよ、人生は』

昭和の歌謡曲12曲をモチーフに、12人の個性溢れる監督が自由闊達な映像世界を作り上げています。

「ダンシング・セブンティーン」歌:オックス
オープニング

「僕は泣いちっち」歌:守屋浩 監督・脚本:磯村一路
出演:青木崇高、伴杏里

「これが青春だ」歌:布施明 監督・脚本:七字幸久
出演:松尾諭、加藤理恵

「小指の想い出」歌:伊東ゆかり 監督・脚本:タナカ・T
出演:大杉漣、高松いく

「ラブユー東京」歌:黒沢明とロス・プリモス 監督・脚本:片岡英子
出演:正名僕蔵、本田大輔

「女のみち」歌:宮史郎 監督・脚本:三原光尋
出演:宮史郎、久野雅弘、板谷由夏

「ざんげの値打ちもない」歌:北原ミレイ 監督・脚本:水谷俊之
出演:余貴美子、山路和弘

「いとしのマックス/マックス・ア・ゴーゴー」歌:荒木一郎 監督・脚本:蛭子能収
出演:武田真治、久保麻衣子

「乙女のワルツ」歌:伊東咲子 監督・脚本:宮島竜治
出演:マモル・マヌー、内田朝陽、高橋真唯

「逢いたくて逢いたくて」歌:園まり 監督・脚本:矢口史靖
出演:妻夫木聡、伊藤歩、ベンガル

「みんな夢の中」歌:高田恭子 監督・脚本:おさだたつや
出演:高橋惠子、烏丸せつこ

「東京ラプソディ」歌:渥美二郎 監督・脚本:山口晃二
出演:瀬戸朝香、田口浩正
エンディング

企画・製作:アルタミラ・ピクチャーズ
共同製作:ポニーキャニオン。ザナドゥー
配給:ザナドゥー

公式 HP >> http://www.kayomusic.jp/

★5月12日(土)より、シネスイッチ銀座、シネマスクエアとうきゅう他にて、 歌って踊って、泣いて笑って、感激の”歌謡劇場”ロードショー

特別記事『歌謡曲だよ、人生は』完成披露パーティーレポートもご覧下さい。



2007年5月19日〜

『14歳』

監督:廣末哲万(ひろすえ・ひろまさ)
脚本:高橋 泉
プロデューサー:天野真弓
撮影:橋本清明
照明:清水健一
録音:林 大輔
美術:松塚隆史
編集:廣末哲万、普嶋信一
音楽:碇 英記
出演:廣末哲万(杉野浩一26歳)、並木愛枝(深津綾26歳)、染谷将太(雨宮大樹14歳)、小根山悠里香(一原知恵14歳)、笠井薫明(芝川道菜14歳)、夏生さち(林路子14歳)、河原実咲(深津綾14歳)、榎本宇伸(杉野浩一14歳)、藤井かほり(雨宮純子38歳)、渡辺真起子(一原京子39歳)、香川照之(小林真46歳)ほか

中学生の深津綾、飼育小屋に火をつけたのかと担任に聞かれている。 去っていく担任の背中に彫刻刀を刺してしまう綾。 それを目撃した同級生の杉野浩一は、たびたび理科室で紙を燃やしている彼女も見ていた。 精神科に通うようになった綾は、医師の影響で教職の道を選び、 今は中学校教師として勤めている。 受け持っている一原知恵の家庭訪問に来て、 同じクラスの雨宮大樹の家から出てきた浩一とばったり出会う。 浩一はバイトで大樹のピアノ指導を始めたところだった。 一原知恵は好きなバレエを受験勉強にさしつかえるからとやめさせられ、 うっぷんを林路子にぶつけていた。向かいの雨宮大樹がピアノを続けているのも面白くない。

PFF出身の監督、脚本の作品。2004年のPFFではこのコンビの作品『ある朝スウプは』 (高橋が監督・脚本、廣末が主演)が、グランプリ。 『さよなら さようなら』(廣末が監督・主演、高橋が脚本)準グランプリを獲得しています。

ゆれたり不安定で先の予測がつかない画面が、14歳の内面を現しているかのようです。 岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)も14歳の中学生たちの映画でしたが、 彼らの抱える闇に気づくおとなは出てこなくて、とことん不幸せでした。 痛ましい事件が続いて14歳という年齢が注目されましたが、1年に10cmも15cmも大きくなり、 身体の成長に心がついていかない年頃です。親の方も仕事や身体の変わり目でもあり、 小学生のときのように子供に目を注いでいないかもしれません。 そんな両方の隙間が大小の事件になってしまうんでしょうか。

少なくともこの『14歳』には、かつての自分とそっくりな彼らと向き合う覚悟の大人たちが出てきます。 香川照之扮する、生徒と目が合わせられない教師もいますが、 それを詫びる姿に一歩進んだねと思えます。 ちいさなリアルを積み重ねたこの作品は痛いところもあるけれど、 希望につながる優しさも見せてくれました。(白)

PFFスカラシップ作品。2007年ロッテルダム国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞

2006/日本/カラー/35mm/114分/
配給・宣伝:ぴあ 宣伝協力:アルバトロス・3フィルム

http://www.pia.co.jp/pff/14sai/

5月19日(土)より、ユーロスペースにてロードショー



『寂しい時は抱きしめて』(原題:Lie With Me)

監督:クレメント・ヴァーゴ
脚本:タマラ・フェイス・バーガー、クレメント・ヴァーゴ
原作:「Lie with me」タマラ・フェイス・バーガー
出演:ローレン・リー・スミス(ライラ)、エリック・バルフォー(デビッド)

ライラは肉体の愛しか知らない。両親の不仲で、愛情も結婚もなんなのか分からなくなっている。快楽を求めて街をさまよう中で、ある日デビッドと出会い、他の男とは違った感情を抱く。離れていても、一日中相手のことが頭から離れない。抱き合えば、これまで経験したことない満足感に満たされる。初めて知った身体だけではない、本当の恋。しかし、どんなに愛しても全てを共有することはできない。それは初めて知る苦しみでもあった。

過激な性描写に初めの方は少々面食らいましたが、デビッドと出会ってからは、女性が男性に抱く愛情と不信感の細かい揺れが丁寧に描かれていたり、次第に相手の身体だけでなく、恐る恐るだけれど、相手を取り巻くもの全てを受け入れていこうと成長する二人の姿に、ちょっとグッときました。若い人たちには、もっと切実に感じるかもしれません。原作者のタマラ・フェイス・バーガーと監督のクレメント・ヴァーゴは夫婦で、映画も二人の共同作業で作っています。
ところで、従姉妹の結婚式のシーンを観ると、ライラの家はどうやらユダヤ教徒のようです。ユダヤ教徒というと厳格で保守的な家庭観を守っている人たち。そんな背景を考えると、ライラがあれほど不安定な状態に陥ったのは、両親の離婚などでそれまでの価値観を崩壊させてしまったためなのかなと、推測したりできます。(梅)

18禁なシーンはありましたが、ライラ役のローレン・リー・スミスが可愛くていや らしくなりません。デビッドが老父を優しく介護しているのに好感度アップ。この人 の横顔、トランプのジャックに似てませんか?(白)

2005年/カナダ/ヴィスタサイズ/SRD/93分/R-18
配給:AMGエンタテインメント
宣伝:フリーマン・オフィス

★5月19日(土)、シアターN渋谷ほか、全国順次ロードショー


2007年5月26日〜

『しゃべれども しゃべれども』
ちらし画像:© 2007『しゃべれども しゃべれども』製作委員会

監督:平山秀幸
脚本:奥寺佐渡子
撮影:藤澤順一(JSC)
音楽:安川午朗
美術:中山慎
原作:佐藤多佳子「しゃべれども しゃべれども」新潮文庫刊
出演:国分太一(今昔亭三つ葉/外山達也)、香里奈(十河五月)、森永悠希(村林勝)、松重豊(湯河原太一)、八千草薫(祖母:外山春子)、伊東四朗(今昔亭小三文)、占部房子(実川郁子)ほか

今昔亭三つ葉は二つ目の落語家。普段も着物で暮らし、新作より古典落語が好き。 まだ自分の芸がつかめないのが悩みの種だ。 師匠の小三文が講師を務めるカルチャーセンターにお供で行き、 そこで話の途中で退席した若い女性が気になって呼び止める。 「本気でしゃべってない!」という十河五月。 三つ葉は自分の落語を聞きに来いと言い、本当にやってきた彼女を前に高座でとちってしまう。 祖母にお茶を教わっている郁子に、三つ葉は想いを伝えることができずにいるが、 郁子の甥の勝に落語を教えてほしいと頼まれる。 三つ葉の家には小学生の勝と無愛想な五月、毒舌家の元プロ野球選手までが落語を習いにやってくることになった。

舞台は東京下町。落語の稽古場面や寄席の内側、楽屋も垣間見られて楽しいです。 映画ではちょっと異色な落語が中心ですが、描かれていくのは何気ない日常とことばのやりとり。 大阪弁の森永悠希くんは、にこにこと可愛くて、よどみなく出るお喋りがそのまんま、 お笑いのようでした。 不器用な大人と違って、この子は弟子入りしなくてもOKてな感じです。 柳家三三(さんざ)師匠の指導のもと、国分太一くんの落語がだんだんうまくなっていきます。 うまくなったといっても、毎日「良かったり、悪かったり」なのが、生の落語なのだそうですが。 ふんわりと幸せな気分になる作品。(白)

2006/日本/カラー/1時間49分/ドルビーSR/ヴィスタサイズ
配給:アスミック・エース

http://shaberedomo.com/

5月26日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー



『ひめゆり』

監督:柴田昌平
プロデューサー:大兼久由美、小泉修吉
撮影:澤幡正範、川崎哲也、一之瀬正史、川口慎一郎
音声:吉野奈保子、翁長良、山根則行
音響効果:鈴木利之
音楽演奏・編曲:浦尾画三
出演:石川幸子 大見祥子 富村都代子 本村つる 世嘉良利子 新垣世紀子 城間和子 津波古ヒサ 照屋信子 仲里正子 比嘉文子 前野喜代 宮良ルリ 上原当美子 島袋淑子 謝花澄枝 照屋菊子 与那覇百子 宮城信子 大城信子 新崎昌子 宮城喜久子

“忘れたいこと”を話してくれてありがとう

「ひめゆり」学徒隊は、第2次大戦末期、 沖縄での地上戦の折に看護要員として戦場に送られました。 3月から6月までの3ヶ月間で、15歳から19歳の少女達211人もの命が失われました。 戦後何本かの映画が作られましたが、これは劇映画ではありません。 実際に苛烈な戦場にいて、生き残った22人の証言を集めたドキュメンタリーです。 自分たちが生きて話せるうちに残しておきたい、という強い意志から生まれたものです。 1994年から13年に渡って撮り続けられ、撮影は今も続いています。
おさげ髪やセーラー服の写真と、どんな学生だったかが字幕で説明されます。 かつて働いたり、逃げまどったり、親友を失ったりしたその場所に、 年を取られた今の彼女たちが案内します。 当時のことを昨日のようにはっきりと語る姿に戦後何十年経とうが、 この方々の中には今も戦場があり、亡くなった友達がいるのだ、と思いました。

突然召集を受け戦場に放り込まれ、追い詰められて解散とは・・・ 耳を疑うようなことばかりでした。よく生き抜いてくださったと思います。 一人でも多くの方にこの声が届きますように。(白)

2006/カラー/130分/16mm/スタンダードサイズ/

共同製作:財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり同窓会
製作・配給:プロダクション・エイシア
http://www.himeyuri.info/

★5月26日(土)より東京・ポレポレ東中野
*夏以降〜大阪・第七藝術劇場、広島・横川シネマにて劇場公開決定*


『GOAL!2』(原題:GOAL!II Living the Dream)

監督:ジャウム・コレット=セラ
共同脚本:エイドリアン・ブッチャート
撮影:フラビオ・ラビアーノ
音楽:スティーヴン・ウォーベック
美術:ジョエル・コリンズ
出演:クノ・ベッカー(サンティアゴ・ムネス)、アレッサンドロ・ニヴォラ(ガバン・ハリス)、スティーヴン・ディレイン(グレン・フォイ)、アンナア・フリエル(ロズ・ハーミソン)、レオノア・ヴァレラ(ジョルダナ・ガルシア)、エリザベス・ペーニャ(ロサ・マリア/母親)、ルトガー・ハウアー(監督)ほか

サンティことサンティアゴ・ムネスは、入団したニューカッスル・ユナイテッドvsリヴァプールの一戦いで決勝点を決め、一躍この街のヒーローとなった。婚約者のロズは結婚式の準備を着々と進めている。ロズの母親たちと会食中に、エージェントのグレンがやってきてサンティにビックニュースを伝えた。なんと、スペインの強豪レアル・マドリードから移籍の誘いがあったのだ。世界一のクラブチームの一員になれるのか?サンティはグレンとともに、詳しい話を聞くためアジアツアー中のレアルを東京に訪ねていった。

サッカー少年の夢を次々と叶えてくれるようなこの『GOAL!』3部作、第2章ができました。前作は子供のころからサッカーが好きで、逆境にあっても夢をあきらめなかったサンティが、憧れのヨーロッパへ渡りニューカッスル・ユナイテッドの正選手となって活躍するまで。第2弾は、2005年7月日本でクランクインしており、レアルチームが来日していたとき、同時にロケも行われていたのでした。当時のレアルの選手たちが大挙画面に登場します(なんだか懐かしい)。特にベッカムとGKのカシージャスは重要な場面が多いため、オフの時間に全面的に協力してくれたのだとか。サッカーの試合場面は前作以上に多いですが、サンティの人間関係や栄光を掴んだあとにやってくる試練などドラマ部分も描かれています。大きな画面で迫力の試合をご覧ください。(白)

2007/イギリス、スペイン、ドイツ合作/1時間54分/スコープサイズ/ドルビー
SRD,DTS,SDDS
公認:FIFA,UEFA,JFA
配給:東芝エンタテインメント 宣伝:メディアボックス

公式 HP >> http://www.goalthemovie.jp/

★5月26日(土)より、全国ロードショー!


『COMANDANTE コマンダンテ』

監督:オリバー・ストーン 撮影:ロドリコ・プリエト 音楽:アルベルト・イグレシアス 出演:フィデル・カストロ、オリバー・ストーン

2002年2月、オリバー・ストーン監督は3日間にわたり、キューバ革命の父フィデル・カストロのドキュメンタリー撮影を敢行した。監督自らのインタビューは30時間に及んだ。カストロは途中いつでもやめられること、を条件としたが中止されることはなく、内容の変更削除もいっさい求められなかった。元々はスペインのTV番組用のプロジェクトだったが、映画化され2003年のサンダンス映画祭でプレミア上映された。アメリカでの上映は禁止となり、その理由は、映画の視点がアメリカ政府にとって「不快」で「批判的」だからというものだったと、オリバー・ストーン監督自身が認めている。

カストロの盟友チェ・ゲバラは美男子でした(いきなり卑近な話題ですみません)。早く亡くなりましたが今も人気で、日本でもTシャツの絵柄にもなっているのを見かけます(革命のシンボルですが歴史をちゃんと解っているんでしょうか)。カストロは数々の戦いを生き延びて、「コマンダンテ(司令官)!」と国民に尊敬され親しまれています。街や大学で人々に囲まれるシーンがあり、こんなに人気の指導者は日本にはいないなぁと羨ましく思えました。雄弁家としてもつとに有名な彼が、社会派オリバー・ストーン監督の鋭い質問を受け、ユーモアを交えて回答するようすに、ほ〜と見入りました。大国アメリカに屈せず、戦い続けてきた長身痩躯のコマンダンテは、現在病床にあります。(白)

2003/アメリカア・スペイン合作/英語・スペイン語/カラー/100分/ヴィスタ/ドルビーSRD
配給:アルシネテラン 後援:キューバ大使館

アルシネテランHP >> http://www.alcine-terran.com/

★5月26日(土)より、ユーロスペース他全国順次ロードショー


『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』
(原題:Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan)

監督:ラリー・チャールズ
出演:サシャ・バロン・コーエン、ケン・デヴィティアン、パメラ・アンダーソン

カザフスタン国営テレビのレポーター、ボラット・サカディエフ。 長身で、鼻の下に亀の子タワシのような髭をたくわえた彼の趣味は、ピンポン、日光浴、 女性トイレの盗撮。天敵は、ユダヤ人。そんなボラットが、太っちょのプロデューサー、 アザマートを伴って、ニューヨークへ。目的はカザフの発展のために、 偉大なるアメリカ文化をリポートすること。フットワーク軽く、 国連本部やロデオ大会などへと出かけていく。 まじめに受け答えするフェミニズム団体のおばさまたちや、 電車内の突撃インタビューに逃げ惑う人々。
ある夜、ホテルの部屋でTVドラマ「ベイウォッチ」を見ていたボラットは、 女優パメラ・アンダーソンに一目惚れ。 折りしも、国からは妻が不慮の事故で死んだとの電報。これ幸いと、 パメラを妻にしようと彼女の住む西海岸を目指す...。

ボラットは、ユダヤ系イギリス人コメディアンのサシャ・バロン・コーエンが、 自らが持つイギリスのTV番組「Da Ali G Show」の中で、 体験レポートコーナーのために作り出したキャラクター。 あくまで本物のレポーターを装って、アメリカロケを敢行。 それにしても、あまりな下ネタ。カザフ人の大半がイスラーム教徒であることを考えると、 体を露出したりすることは、あり得ないし、 カザフの人たちから文句は出ないのかと思ったら、 やはりいろいろと問題になったそうだが、アメリカはじめ世界各国での大ヒットに、 カザフスタンの名前を知らしめることになったと、歓迎する向きもあるそうだ。
けれども、冒頭とラストに出てくる、ボラットの故郷クーセク村は、 カザフスタンではなく、 ルーマニアのシンティロマというジプシーの村でロケをしたとのこと。 村で行われている「ユダヤ人走り」というユダヤ人を虐待する祭も、 もちろん架空のもの。 コーエン自身がユダヤ系だからこそ、ユダヤに対する自虐的ギャグも笑って済ませられる。
さて、一目惚れしたパメラを麻袋に入れてかっさらうという、 カザフ式結婚を挑むボラット。カザフのお隣、キルギスの留学生のインタビュー記事 (シルクロード愛好家の元弁護士の主宰するハルブーザ会の会報 「ハルブーザ342号」2001年3月発行)によれば、 キルギスでは今でも略奪婚があるとのこと。 ただし、略奪者が全く見知らぬ人というケースは少なく、 面識のある女性を車などに無理やり乗せて、男性の家に連れて行き、 門をくぐらせてしまえば、その家の嫁になるというもの。 話がそれたが、それぞれの民族には固有の文化があることを認識することが、 平和共存の第一歩ということを、この映画も言いたいのだと思った次第。 それにしても、ギャグがあまりにお下品...  あなたは笑って済ませられるか??  (咲)

2006年/アメリカ/1時間24分
配給:20世紀フォックス映画
宣伝:ギャガ・コミュニケーションズ/ムービーアイ

★5月26日 渋谷シネ・アミューズ他<賛否両論必至!>緊急公開

公式HP>> http://movies.foxjapan.com/borat/



『毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』原題:FUR -AN IMAGINARY PORTRAIT OF DIANE ARBUS

監督:スティーヴン・シャインバーグ
出演:二コール・キッドマン、ロバート・ダウニー・Jr.、タイ・バレル

1958年、ニューヨーク。 瀟洒なアパートにある写真スタジオで毛皮ショーの準備に追われるダイアン。 金持ちの顧客たちの相手はちょっと憂鬱だ。 ふと窓の外に目をやると、引越の車から、目だけ出る頭巾を被った男が降りてくる。 上の階に引っ越してきた不思議な男の強い眼光になぜか惹かれるダイアン。 ある日、水道管に大量の毛を見つけたダイアンは、 ついに階段を上って彼を訪ねていく...。

1923年3月14日ニューヨーク生まれ。 裕福なユダヤ家庭に育ったダイアン・アーバスは、14歳の時に出会った初恋の人、 アラン・アーバスと4年後に結婚。 ファッションフォトグラファーの夫アランの手ほどきを受けて、 彼女もファッション写真家として活躍する。 後に、夫とは袂を分かち、小人、巨人、シャム双生児、同性愛者、 ヌーディストといった「フリークス(変わった人々)」を被写体とするようになり、 その名を後世に残すことになる。
監督のスティーヴン・シャインバーグは、少年時代、 自分の部屋に入る手前にユダヤ人の大男と自分の両親を一緒に写した写真があって、 どこか心惹かれるものがあったという。 監督の叔父で作家のローレンス・シャインバーグがダイアンと親しくしていたのだが、 監督自身はダイアンと会ったことはない。

最初に、「これは伝記ではない」と断り書きがあるように、 本作は写真家ダイアン・アーバスの人生を描いたドキュメンタリーではない。 ダイアンの残した写真に触発されて、監督と脚本家のエリン・クレシダ・ウィルソンが、 フリークスに目を向けるようになっていったダイアンの心の動きをイメージして作り上げた物語である。

夫や娘たちを愛していた貞淑な妻だったダイアンが、 上の階に住む多毛症の男を訪ねていき、身も心もゆだねていく姿は、 あまりに大胆だが、彼女の残したフリークスの写真からは、 それもありかなと思わせられる。 (二コール・キッドマンの演じるダイアンからは、 身勝手さだけが感じられてしまったのだけど!)
冒頭のヌーディストたちを訪ねていった場面で、ヌーディストの男女が、 すべてを脱いでいるのに靴だけ履いている姿に、 アメリカ人は家の中でも靴を履いているということに思いが至って可笑しかった。(咲)

2006/アメリカ/カラー/ビスタ/122分/R-18

5月26日(土)シネマGAGA!ほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http://kegawa.gyao.jp/



「第10回京都国際学生映画祭」

京都国際学生映画祭は今年で10年目を迎えます。国内外の学生映画・映像作品を観ることのできる数少ない映画祭です。未来の巨匠がここから現れるかもしれません。
コンペティションのほかに、ワールドプログラムは海外の国や学校などに焦点をあてて、特集上映します。今年はドイツ、中国、マレーシアです。詳しいスケジュールは公式HPでご確認ください。

開催日程:2007年11月23日(祝)〜30日(金)
会  場:11月23日(祝)〜25日(日)ART COMPLEX1928
     11月24日(土)〜30日(金)京都シネマ
料 金:《4プログラム》 一般 2400円(2000円)学生 1600円(1200円)
    《1プログラム》 一般 700円(600円) 学生 500円(400円)
     ※()は前売料金です。前売券はチケットぴあのみでの販売となります。
   【発売】11月2日(金)〜22日(木)  Pコード 「478-282」
   【購入方法】・電子チケットぴあ(TEL | 0570-02-9999)
         ・@電子チケットぴあ(URL | http://pia.jp/t)
    ・チケットぴあ店舗、ファミリーマート、サークルK・サンクスでの直接購入

公式 HP >> http://kisfvf.com/index.html



2007年12月29日

『つばさ』Wings −澤登翠活弁リサイタル−

監督:ウィリアム・A・ウェルマン
出演:クララ・ボウ(メアリー)、チャ−ルズ・ロジャース(ジャック)、リチャード・アーレン(デヴィッド)、ジョビナ・ラルストン(シルヴィア)、ゲーリー・クーパーほか

第1回アカデミー賞作品賞受賞の『つばさ』が、名調子の活弁つきで上映されます。
ウィリアム・A・ウェルマン監督は自らもパイロットとして従軍した体験を生かし、この作品以後も『空行かば』『紅の翼』と空戦を描いた作品を送り出しています。
第一次世界大戦を舞台に、壮大なスケールで描く青春群像劇をご覧ください。

昭和3年度キネマ旬報ベストテン 洋画部門第5位
1927年/アメリカ パラマウント映画/138分

日時:12月29日(土)18時開演
会場:新宿紀伊国屋ホール
出演弁士:澤登翠
楽団:カラード・モノトーン
木戸銭:当日1800円
    前売り1500円(紀伊国屋5階 キノチケットカウンター)
    無声映画鑑賞会会員1000円(事務局03-3605-9981平日10時〜18時)
http://www.matsudafilm.com/matsuda/indexj.html



2007年6月2日〜

『映画は生きものの記録である 土本典昭の仕事』

監督:藤原敏史
企画・製作:伏屋博雄
撮影:加藤孝信
監督補:今田哲史
音響監督:久保田幸雄
出演:土本典昭

水俣の映画を17本も撮り続けてきた土本典昭監督が、 かの地を再訪することになり藤原敏史監督はカメラとともにその旅に同行します。 旧作のシーンと土本監督へのインタビューも織り込みます。 水俣の海や街、人々を万感の思いで見つめる土本監督。 かつて映画に登場した胎児性水俣病の男の子がすっかり大人になり、 若かったお母さんは、ご苦労だったろう年月の皺を刻んで年取っていました。 地球環境映像祭でグランプリだった『断罪の核心-元裁判長が語る水俣病事件』に登場した、 国に有罪判決を出した地裁の裁判長の涙を思い出しました。(白)

2006/DVCAM・16mm/カラー/94分/
製作・配給:ビジュアルトラックス

http://www.tsuchimoto-eiga.com/

6月2日(土)よりユーロスペースにてモーニングショー

●[君は土本典昭を知っているか?その映画を見たことがあるか?]

  • 5月10日(木)
  • アテネフランセ文化センターにて
    東京都千代田区神田駿河台2-11 アテネ・フランセ4F
     (JR/地下鉄 御茶ノ水・水道橋駅徒歩7分)
    TEL. 03-3291-4339(13:00〜20:00)
◆『水俣—患者さんとその世界—』上映
(1971年/167分/35ミリ・16ミリ/モノクロ/撮影:大津幸四郎, 第一回世界環境映画祭グランプリ受賞)
◆トークイベント
ゲスト(予定):
  大津幸四郎(撮影監督/『パルチザン前史』『不知火海』)
  藤原敏史(「映画は生きものの記録である」監督)ほか

※ タイムテーブルなどの詳細はお問い合わせください
※ 上映作品、イベントゲストなど変更の可能性がありますのでご了承ください



2007年6月9日〜

『それでも生きる子供たちへ』All the Invisible Children

大人は誰も、昔は子供だった。でもそのことを忘れずにいる大人はほとんどいない。
(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子様」より)

7人の監督による子供の未来のための7つの物語。どれも心を揺さぶります。

『タンザ』 TANZA
監督:メディ・カレフ/アフリカ
マシンガンを握りしめる少年兵の、それでも無垢な瞳。

『ブルー・ジプシー』 BLUE GYPSY
監督:エミール・クストリッツァ/セルビア・モンテネグロ
盗みでしか生きられない親と子の、どこか滑稽な抒情詩。

『アメリカのイエスの子ら』 JESUS CHILDREN OF AMERICA
監督:スパイク・リー/アメリカ
HIVの両親と娘の、愛情と苦悩、そして再出発。

『ビルーとジョアン』 BILU E JOAO
監督:カティア・ルンド/ブラジル
廃品を拾って生活する兄妹、今日も宝探しが始まる。

『ジョナサン』 JONATHAN
監督:ジョーダン・スコット、リドリー・スコット/イギリス
地球上で消えない紛争、彼らは生きるために助け合う。

『チロ』 CIRO
監督:ステファノ・ヴィルネッソ/イタリア
大人たちと互角に渡り合う、窃盗も辞さない子供たちの夢と現実。

『桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)』SongSong & Little Cat
監督:ジョン・ウー/中国
路上で働く孤児と、愛に飢えた少女。それぞれの悲しみと希望。

提供/配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:ギャガ宣伝【ゼロ】× maison こども bureau
後援: 財団法人日本ユニセフ協会/WFP 国連世界食糧計画/イタリア大使館

2005年/イタリア・フランス映画/上映時間:130分/ビスタ /ドルビーデジタル/カ ラー/PG-12
http://kodomo.gyao.jp/intro/

6月9日(土)より、シネマライズほかにて全国順次ロードショー



『恋する日曜日 私。恋した』

監督:廣木隆一
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ
脚本:渡辺千穂
撮影:水口智之
音楽:遠藤浩二
美術:桜井陽一
主題歌:「花〜すべての人の心に花を」喜納昌吉&チャンプルーズ
出演:堀北真希(二宮なぎさ)、窪塚俊介(石川聡)、高岡早紀(絵里子)、岩本千波(まどか)、若松武史(なぎさ父)、吹越満(絵里子の夫)ほか

高校3年生のなぎさに癌が見つかった。昨年母親が同じ病気で亡くなったばかり。 母と同じ病院、同じ主治医にかかることになったが、 入院前に「会いたい人がいる」と旅に出る。 なぎさが生まれ、3年前まで住んだ海辺の町には幼馴染の聡がいた。 病気のことは隠し、今は一人暮らしの聡の家に泊めてもらうことになった。 幼いころに戻ったように最後の夏を過ごすなぎさだったが、 聡が人妻の絵里子と不倫をしているのに気づいてしまう。

出演作が相次いでいる堀北真希が、余命3ヶ月の高校生を演じています。 しだいに要求される演技のハードルが高くなっているようですが、 きちんと応えていますねぇ。 『恋する日曜日』一作目についでメガホンを取った廣木監督の描写はいつも細やかです。 主人公が死んでしまうという作品は廣木監督も今までなかったとか。 映画は病気と闘う場面は出さず、17歳のなぎさの恋を中心にしています。 病気のことも恋心も聡に告げずにいる切なさに胸がいっぱいになり、 自転車で走るシーン、まどかを連れ歩くシーンも胸が痛みます。 長回しのラストシーンまでハンカチ出しておきましょう。 (白)

2007/日本/カラー/35mm/97分/ビスタサイズ/
制作:BS-i
配給:エム・エフボックス

6月9日(土)新宿トーアほか全国で順次ロードショー

http://w3.bs-i.co.jp/jbreak/koisuru/watakoi/index.html



『Watch with me 〜卒業写真〜』

監督:瀬木直貴
脚本:高橋圭、瀬木直貴
プロデューサー:瀬木直貴、佐藤朝泰、藤本敦史
音楽:谷川賢作
主題歌:HiFi SET 「卒業写真」
出演:津田寛治(上野和馬)、羽田美智子(由紀子)、中野大地(16歳の和馬)、高木古都(萩原ひとみ)、山崎直樹(田中孝平)、EIJI(緒方悟)、根岸季衣(和馬の叔母)ほか

元報道カメラマンの上野和馬はがんで余命半年と宣告された。 故郷の福岡県久留米市で余生を過ごそうと、妻の由紀子を伴って戻ってくる。 同級生の孝平が勤務するホスピスに入院し、 卒業アルバムを見ながら旧友たちと思い出話に花を咲かせるが、 和馬には思い出せない少女がいた。

やはりがんで逝ってしまった父親の最後を思い出しながら観ました。 自分だったらこの世の残り時間がわかったとき、何がしたいかしら? そばで支える妻や友人たちの気持は想像できるけれど・・・。 納得いかなかったのは、和馬がひとみのことを覚えていなかったというところ。 奥さんの協力もあって、だんだん思い出していくけれど、 そんなに簡単に忘れてしまうもの?封印していたんでしょうか。 私も懐かしい「卒業写真」の歌を聴きながら、アルバムでも見ようかなっと。(白)

Watch with Me?「私とともに目を覚まして祈りなさい」(新約聖書・マタイによる 福音書)は、近代ホスピスの創設者、シシリー・ソンダース女史がこの言葉にホスピスの基本精神を託して、「死が近い人を見守る」という意味で使い始めたもの。人生の終末を迎えた人も、それを見守る人も、どちらも辛い。私は怖れるだけで、また覚悟ができていない。
和馬が、かつてイラクで撮った子供たちの写真(フォトジャーナリストの広河隆一氏提供)を見ながら、「あの子たちは劣化ウラン弾の被害で治る可能性がないんだ」とつぶやく場面がある。自分は余命いくばくと言われても、それでもまだ可能性があると。
人生の卒業アルバム作りに最後の力をふりしぼる和馬の姿に、限りある人生、思い残すことのなく過ごしたいと再認したけれど、いまだに悔いの残る毎日! 

それにしても、死ぬ前にひとめ会いたいのは誰かしら... 
和馬は、かつて自分に写真を撮るきっかけをつくってくれた同級生の少女のことを、決して忘れていなかったけれど、奥様に気を使って思い出せないふりをしていたとみたのですが、どうでしょう?(咲)

テレビドラマでも共演中の津田寛治さんと羽田美智子さんは、息がとても合ってました。津田寛治さんて、映画の中では、気むずかしかったり、変わり者だったりする役が多いので、眉間にしわを寄せた顔が思い浮かぶのですが、先だってTV番組の「チューボーですよ」に出演されていたときの弾けっぷりと笑顔にはビックリ。とても魅力的でした。(梅)

2007/日本/カラー/
配給:ティ・ジョイ 宣伝:フレスコ

2007年4月21日(土)九州先行公開
2007年6月9日(土)全国拡大ロードショー

★舞台挨拶のお知らせ★
初日6月9日(土)16:05〜16:20 
新宿バルト9 シアター5(11階)にて、主演の津田寛治と羽田美智子、および瀬木直貴監督が登壇する舞台挨拶が予定されています。

http://www.sotsugyo-mov.jp/



『選挙』Campaign

監督・製作・撮影・録音・編集:想田和弘
出演:山内和彦(川崎市議会補欠選挙・自民党公認候補)、山内さゆり(山内和彦の妻)

2005年秋、川崎市宮前区の市議会議員補欠選挙。 ひょんなことから自民党公認候補として出馬することになった「山さん」こと山内和彦(40歳)。 東京で気ままに切手コイン商を営んでいた山さんは、政治とは無縁。 宮前区に地盤もない。民主党と議席が切迫する自民党は、 なんとしても勝たなければと必死。東大卒の肩書きで選ばれたと山さんは笑う。 地区の自民党総出で山さんを勝たせるための戦闘体制が組まれ、 参院選ともあいまって、川口順子、石原伸晃、荻原健司、橋本聖子、 さらには当時の小泉純一郎首相まで、応援演説に駆けつける。

ニューヨーク在住の監督は、別の題材を撮影するために日本へ行く準備をしていたところ、 東京大学入学当時のクラスメートである山さんが補欠選挙に立候補したことを知る。 撮影は2005年10月7日から23日の投票日までのわずか2週間。 監督は事前の準備もせず、撮影に臨んだが、編集には10ヶ月をかけた。 ナレーションもテロップも音楽も一切廃し、素の映像だけをつないだものだが、 それだけに生の面白さがある。「観察映画」だと監督は言う。

補欠選挙で当選しても、1年半後の次の選挙では、 それぞれの地区で決まった候補者を支援するから、 今回だけの応援だとあからさまに言われても、にこやかに笑って 「今回限り、山内和彦をよろしくお願いします」と、 自民党支援者たちに頭を下げる山さん。駅前で演説し、握手をしてまわる山さんは、 思わずケンタッキー・フライド・チキンのカーネル・サンダースさんとも握手してしまう。 にじみ出る山さんのお人柄に、う〜ん、この人は政治家に向いているのか・・・ と思いながらも、勝たせてあげたいと思ってしまう。
山さんや奥さん、自民党支援者たちの本音発言に、 試写室も笑いの渦。今年のベルリン映画祭に正式招待され、大絶賛された本作、 日本人が見ると、ちょっと気恥ずかしい日本的社会が丸出しだけど、 外国人に大受けするのも納得。政治は誰のものか・・・なんてことも、 ついつい考えてしまう。(咲)

日本・アメリカ/120分/カラー/デジタル上映(16:9/ステレオ)
配給・宣伝:アステア

公式HP>> http://www.laboratoryx.us/campaignjp/

★6月9日(土)よりシアター・イメージフォーラムをはじめ、日本全国17都市でロードショー



『プレステージ』(原題:THE PRESTIGE)

監督:クリストファー.ノーラン(『メメント』『バットマン ビギンズ』)
監修:デビッド・カッパーフィールド
原作:「奇術師」クリストファー・プリースト(ハヤカワ文庫)
出演:ヒュー.ジャックマン(『X-MEN』シリーズ)、クリスチャン・ベール(『バットマン ビギンズ』)、マイケル・ケイン(『バットマン ビギンズ』)、スカーレット・ヨハンソン(『ブラック.ダリア』)、デヴィッド・ボウイ(『戦場のメリークリスマス』)

19世紀末ロンドン。華麗な奇術で人々を魅了する2人の天才マジシャン、ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド.ボーデン(クリスチャン・ベール)。一瞬のうちに遠くへ身を移す瞬間移動の術を競いながらも尊敬し合う二人。ある日、アンジャーの妻が、トリックでほどけるはずの縄がほどけず舞台の下で死んでしまう。縄を結んだボーデンに復讐を誓うアンジャー。しかし、そのアンジャーが舞台上で壮絶な死を遂げ、翌日アンジャー殺しの犯人として、ボーデンは逮捕されてしまう。刑務所の中で必死に冤罪だと訴えるボーデン・・・

一流のマジックは、3つのパートから成る。
1.プレッジ(確認) 
タネも仕掛けもないことを観客に確認させる。だがもちろん、タネはある。
2.ターン(展開)
その仕掛けのない道具で、パフォーマンスを見せる。トリックは見破られない。
そして、
3.プレステージ(偉業)
それだけでは観客は満足しない。最後にもう一段、予想を超えた驚きを提供する。

映画は、最後の最後まで、これでもかのトリックの連続。19世紀末のヴィクトリア朝の華麗な舞台に酔いつつ、え? いったい何が真実? と狐につままれた思いの130分でした。(咲)

配給 ギャガ・コミュニケーションズ Powered by ヒューマックスシネマ
2006年/アメリカ/ カラー/シネマスコープサイズ/ドルビーデジタル

公式 HP >> http://prestige.gyao.jp/

★2007年6月9日よりスカラ座ほか全国東宝洋画系にて公開


2007年6月16日〜

『雲南の少女 ルオマの初恋』

監督:章家瑞(チアン・チアルイ)
脚本:孟家宋(モン・チアソン)
出演:李敏(リー・ミン)、楊志剛(ヤン・チーカン)、祝琳媛(シュー・リンエン)、李翠(リー・ツイ)

ルオマは雲南省紅河州に住む少数民族ハニ族の少女。おばあちゃんと二人暮らしで、毎日街に出て焼きトウモロコシを売っている。近所の写真館を経営しているのは、都会からやってきた写真家のアミン。でも全然稼げていないらしく、ルオマから買ったトウモロコシ代もなくて、代わりにヘッドホンステレオを彼女に渡す。それからはエンヤの「カリビアン・ブルー」が聞こえてきた。初めて聞く西洋の音楽をルオマはとても気に入る。
外国人観光客は民族衣装を着た美しい彼女と写真を撮りたがるけれど、肝心のトウモロコシはなかなか売れない。その様子を見たアミンは、彼女に観光客と一緒に写真を撮る商売をしないかと持ちかける。

世界遺産にも登録された雲南の美しい棚田風景の中で織りなす、17歳の少女の初恋は、素朴で美しいながらも、少数民族の伝統的生活が否応なく変わりつつある中で、外の世界へ憧れる若い世代の現実も垣間見せていて、印象深いものになっています。ハニ族の農耕文化は日本のそれと共通するところが多くて、遠い地でありながら懐かしさすら感じます。グローバル化の波は避けがたいかもしれませんが、どうか彼女たちの輝く笑顔が失われないようにと祈るような気持ちになりました。(梅)

思えば、この作品が『ルオマは17歳』のタイトルで、アジアフォーカス・福岡映画祭で上映されたのが、2004年のこと。映画そのままの民族衣装姿で会場に登場したリー・ミンさんは大人気でした。記者会見でも、思わず皆、彼女に駆け寄って記念写真を撮っていました。(記者会見での記念写真は珍しい!)
監督は、ハニ族の人たちの棚田を自然遺産に登録したいという思いを知って、その一助となればと、この作品を撮ったそうですが、「今年(2004年)、無事世界遺産に登録されました」と、嬉しそうに福岡で報告されていたのが印象的でした。
私自身にとっては、25年前に、悪天候のため昆明から広州に軍用機で飛んだことがあって、かなりの低空飛行のお陰で、まるで等高線のように広がる棚田を間近にして感激した思い出があります。そこに住む人たちの地道な努力の賜物だということに、この作品を観てあらためて思いが至りました。
3年前、福岡で「祖先が残してくれた伝統も大事にしながら、新しいものとうまく調和していきたい」と語っていたリー・ミンさん。今年来日した折りには会いに行けませんでしたが、70号に掲載されている報告記事で見る彼女は、ちょっぴり大人っぽくなったけれど、相変わらずの初々しさ。中国の隅々まで押し寄せている近代化の波につぶされないことを願うばかりです。(咲)

北京青年映画撮影所・雲南良黎影視文化伝播公司
2002/中国/ヴィスタビジョン/90分/原題:[女若]瑪的十七歳
字幕:田村祥子
配給:ワコー、グアパ・グアポ
宣伝:グアパ・グアポ

公式 HP >> http://www.ruoma.jp/

★6月16日(土)より、東京都写真美術館ホールにてロードショー(他全国順次公開)
★バックナンバー63号の公開画像のところで、2004年福岡でのリー・ミンさんの初々しい民族衣装姿が見られます!

本誌70号に監督、主演女優の舞台挨拶記事が掲載されています。


2007年6月23日〜

『図鑑に載ってない虫』

監督・脚本:三木聡
撮影:小松高志
音楽:坂口修
美術:丸尾知行 中川理仁
出演:伊勢谷友介(俺)、松尾スズキ(エンドー)、菊池凛子(サヨコ)、岩松了(目玉のおっちゃん)、ふせえり(チョロリ)、水野美紀(美人編集長)、笹野高史(モツ煮込み屋の親父)、松重豊(真島)ほか

フリーライターの俺は「月刊 黒い本」の編集長から「臨死体験をして来い」という命令を受けてしまった。 「死にモドキ」という虫を探せばそれができるらしい。 相棒のエンドーを呼び出して、ヒントを持っているらしいカメラマンの真島のアパートへ向かう。 真島の残したメモを手がかりに、虫さがしを続けるが出会うのは、 ヘンなヤクザやSM嬢たち。果たして締め切りに間に合うのだろうかっ??

『イン・ザ・プール』、『亀は意外と速く泳ぐ』、『ダメジン』 と脱力系作品を送り出してきた三木聡。 今回は伊勢谷友介が2の線から大きく外れたキャラで、松尾スズキといいコンビです。 岩松了、ふせえりら常連に負けず、 あら!と思うキャストたちが意外な役で次々と登場します。 キャスティングたいへんだったでしょうねぇ。 あいかわらず小ネタ満載で、あははと笑わせてもらいました。(白)

2007/日本/カラー/103分/35mm/アメリカンビスタ/DTSステレオ
配給:日活 宣伝:アンプラグド

6月23日(土)より、テアトル新宿ほかにてロードショー

http://www.zukan-movie.com/



『ジェイムズ聖地(エルサレム)へ行く』原題:James'Journey To Jerusalem

監督:ラアナン・アレクサンドロヴィッチ
プロデューサー:アミール・ハレル(『パラダイス・ナウ』共同プロデューサー)
出演:シアボンガ・シブ、アリー・エリアス、サリム・ダウ、サンドラ・ショーンワルド

南アフリカの小さな村の純粋で敬虔なクリスチャンの青年ジェイムズは、 村人たちの期待を一心に集めて、 次期牧師候補として聖地エルサレムへの巡礼の旅に送り出される。 心躍らせたどり着いたイスラエルの空港で、 不法移民と決め付けられ留置所に入れられてしまうジェイムズ。 ほどなく、留置所にやってきた手配師の男に助け出されるが、 払った保釈金分働けと命令される。 これも神様の試練とまじめに働くジェイムズは、手配師の父親に気に入られる。 チップに渡されたお金を、「金持ちが天国に行くのは駱駝が針の穴を通るより難しい」と、 最初は受け取らなかったジェイムズだが、 「フライヤー(ヘブライ語で“人に利用される人”)になるな」と言われ続けるうちに、 人を利用して金儲けする方法を身につけてしまう。 はたしてジェイムズは聖地エルサレムに行くことができるのか?

純情なジェイムズが毒されていく姿や、古い一軒家に住む父親を立ち退かせて、 その土地に大きなビルを建てようと目論む息子など、 拝金主義の社会がユーモアと皮肉たっぷりに描かれていて、大いに笑わせられた。 目的地の聖地は、すぐそばにあるのに、なかなか辿り着けない。 努力すれば夢はつかめるものなのにという例えだろうか。 土地を巡る親子の対立など、この映画はイスラエルを舞台にしているが、 とても普遍的なメッセージを感じさせてくれるものだった。 聖歌隊の歌をバックにした冒頭とラストの寓話的な描き方が、 現代の御伽噺という雰囲気。考えさせられる楽しい映画!(咲)

2003年/イスラエル/87分/ カラー/ 35mm/ ビデオ上映(日本国内)
言語:英語+ヘブライ語+ズールー語(日本語字幕:落合寿和)

提供:ラウンドテーブル・シネマ 配給:ラウンドテーブル・シネマ/アップリンク

公式HP>> http://www.roundtablecinema.com/

★6月23日(土)よりロードショー  東京 : アップリンク X 大阪 : シネ・ヌーヴォ X



『イラクー狼の谷ー』

監督:セルダル・アカル
脚本:ラージ・シャシュマズ、バハドゥル・オズデネル
出演:ネジャーティ・シャシュマズ、ハッサン・マスード、ビリー・ゼイン(『タイタニック』)、ゲイリー・ビジー(『ビッグ・ウェンズデー』)

2003年7月4日、イラク北部のクルド自治区で、トルコ特殊部隊の秘密本部が同盟国であるはずのアメリカの軍部隊に突然踏み込まれ、11人の兵士たちは頭にフードをかぶらされて連行された上、長時間の抑留を余儀なくされた。誇り高いトルコ将校のスレイマンはこの屈辱に耐えかねて、遺書を親友であり、元トルコ秘密諜報員であるポラットに残して自殺した。ポラットと二人の仲間は友の遺志を継ぎ、アメリカの部隊を指揮したサム・マーシャルへ同様の屈辱を与えるためイラクへと向かう。

これはイラクを舞台にしていますが、あくまでもトルコの娯楽映画であるということは了解しておいた方がいいでしょう。元々この諜報員ポラットは、マフィアへの潜入捜査で活躍する人気テレビシリーズのキャラクターです。彼とアメリカの指揮官サムとの戦いを追いながら、イラクでの実際の事件や噂を織り交ぜてアメリカの非道を強烈に描き、イスラーム社会では大受け、欧米では物議を醸しました。現カリフォルニア州知事がかつて主演していたイスラームの人たちを殺戮する映画は問題にならないのにねぇ。
元来トルコはイスラム国家の中では最も親米派路線をとっていたにもかかわらず、このようなナショナリズム丸出し、アンチ・アメリカな映画を作って大ヒットしてしまったあたりに、現在のトルコ社会の大きな揺れを感じます。
単純に娯楽映画として観ればかなり面白いのです。サムを演じるビリー・ゼインなど、見事な悪役っぷりです。しかし、この映画に熱狂したトルコの観客の根底に渦巻く憎悪と偏見を思うと、複雑な気分になりました。願わくはキャラクターの一人であるイスラームの導師の徳のある言葉にこそ熱狂して欲しいものです。(梅)

トルコから潜入してきたポラットと手を組み、アメリカの指揮官サムに立ち向かうのが、 アラブ族の女性レイラ。彼女は結婚式を襲われ、新婚の夫を失ったことから、 闘争心に燃えるのですが、 結婚式への誤爆という事件もアフガニスタンやイラクなどで実際にあった話。 民族服姿の美しいレイラは、ポラットと英語で流暢に会話する聡明な女性。 家族や同族のアラブ人とは、もちろんアラビア語で会話しています。 ポラットは仲間とはトルコ語で会話。 そして、ポラットがトルコから一緒に潜入した中にクルド人がいて、 イラク北部のクルディスタンのクルド人とは彼を介して意思疎通。 英語以外の言語の時には、日本語字幕に、<  >が付いているのですが、 トルコ語、クルド語、アラビア語の区別は残念ながら無くて、 せっかく英語とそれ以外の言語を区別したのに惜しい!
さて、アラブ、クルドそれぞれの民族から尊敬されているアラブ人の導師は、 自爆テロについて、自殺行為はイスラームでは禁じられていることと語って、 米軍批判だけでなく、イスラーム内部の批判もしています。 自爆テロに走るしかない状況を作ったのは誰か?ということはさておき、 導師の率いる神秘主義教団の人たちが輪になって集団で祈る姿が圧巻でした。 モスクの絨毯も緑を基調にしていて素敵で、行ってみたくなりました。 どこだかわかった方、是非教えてください!(咲)

2006年/トルコ/122分/DOLBY SRD/ビスタサイズ/原題:Kurtlar Vadisi : IRAK (Valley of the Wolves Iraq )
配給・宣伝:アット エンタテインメント

公式 HP >> http://www.at-e.co.jp/ookami/

★2007年6月23日(土)より、銀座シネパトスにて公開


『リサイクル—死界—』原題:鬼域

監督・脚本・製作・編集:オキサイド・パン、ダニー・パン
撮影:デーチャー・スリマントラ
出演:アンジェリカ・リー(ディンイン)、ラウ・シウミン(老人)、ローレンス・チョウ、レイン・リー ほか

ディンインは新進女流作家チョイチュンとして成功を収めていた。 恋愛小説が映画化されることになり、記者会見の席上で次の作品について質問を受ける。 「鬼域」という題が決まったばかりの小説が霊的体験をテーマにしていること、 そのため霊に遭遇して恐怖を体験してみたいと答えてしまう。 しかし執筆が思うように進まず、 書いては消しを繰り返すうちにディンインの周りで奇妙な現象が起こり始める。 長い髪の毛、人の気配、無言電話・・・思えばみな、 ディンインが書いては捨てた言葉と合致していた。 そして青ざめた老婆とその孫らしい女の子とエレベーターに乗り合わせ、 彼女たちがあるはずのない地階へと沈んでいくのを見てしまう。 走り出したディンインが足を踏み入れたのは廃墟のような建物の並ぶ世界だった。

双子の兄弟監督、パン・ブラザースが『The EYE』シリーズのアンジェリカ・リーを主演に 製作したホラー。ディンインが虚構か現実かと疑う、 マンション内の事件は目新しいものではありませんが、 彼女が迷いこむ死界の造形がゲームの中の世界みたいで面白いです。 バンコク郊外に建てられた巨大なセットだそうですよ。 最初の建物群は「クーロンズ・ゲート」だなぁとか、 これは必須アイテムだとか思いながら見ていました。
人は生きていくうえでたくさんのものを消費し、ゴミにして捨て、 忘れ去っていきます。それがみな集められた場所があり、そこへ放り込まれたとしたら、 私なんぞ「すいません、すいません」と謝りますね、きっと。 素直にもっとモノを大事にしよう、お墓参りにも行こうと思いましたよ。 何でかは映画を見てくださいね。割合先の読めるストーリーですが、 アンジェリカ・リーの熱演と美術、特殊効果が楽しめます。(白)

2005/香港・タイ/カラー/1時間48分/シネマスコープ/SRD・SR
配給:UIP
http://recycle.uipjapan.com/

6月23日(土)シネマート六本木にてロードショー



『エマニュエルの贈りもの』(原題:Emmanuel's Gift)

製作/監督:リサ・ラックス、ナンシー・スターン
出演:エマニュエル・オフォス・エボワ,ジム・マクラーレン、オプラ・ウィンフリー(ナレーション)、ロビン・ウィリアムズ(特別出演)

1977年、西アフリカ・ガーナで右足に障害をもって生まれたエマニュエル。父親には見捨てられたが、母親の大きな愛情に包まれて育った彼は、ハンディキャップを克服し、米国の支援団体に働きかけて得た自転車でガーナ全土を片足義足で制覇。またトライアスロンにも兆戦するなど、義足のアスリートとして活躍するだけでなく、障害者が自立して暮らしていくために日々社会に働きかけている。

本作は、エマニュエルに感銘を受けたリサ・ラックスとナンシー・スターンが、2年以上の歳月をかけて、ガーナからアメリカへと彼の活動を追って記録した400時間にも及ぶ映像をドキュメンタリー映画としてまとめたもの。
このところ、取り上げられることの多いアフリカですが、いち早く独立したガーナには、比較的進歩的なイメージを抱いてい ました。「障害を持って生まれた子供は呪われた者」という、前近代的な思想が根強く残り、親からも社会からも見捨てられ 、物乞いをして生きるしか道がないということに驚くばかり。しかも、障害者は全人口の1割、200万人もいるということに 、さらに驚きました。ポリオワクチンの不足などが原因とのですが、それにしても多すぎないでしょうか? ガーナというと 、黄熱病の病原体の研究にあたった野口英世博士が思い出されます。この地から風土病が完全になくなるのはいつのことでし ょう。障害者の保護については、本作でエマニュエルが注目され、彼が中心となって働きかけた結果、ようやくガーナにも保 護法ができたそうです。片足が悪いことなど、どこ吹く風というエネルギッシュなエマニュエルを見ていると、五体満足なの に、のんべんだらりと毎日を過ごしている自分が情けなくなりました。少し気を入れて頑張らなくちゃ!(咲)

アメリカ/2005年/80分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:デジタルサイト
宣伝:アニープラネット
後援: ガーナ共和国大使館/ 後援: ガーナ共和国大使館
協力:(社)日本トライアスロン連合
(社)日本PTA全国協議会推薦作品/ 文部科学省選定作品

公式 HP >> http://www.emmanuelsgift.jp/

★6月23日(土)渋谷シネマGAGA!他全国順次ロードショー


2007年6月30日〜

「エロチック乱歩」

『屋根裏の散歩者』

監督:三原光尋
脚本:伊土紀州
撮影:芦澤明子(J.S.C.)
音楽:遠藤浩二
美術:中川理仁
VE:宇津野裕行
出演:嘉門洋子、窪塚俊介、村木仁、永瀬ひかり、清水萌々子、遊井亮子、木下ほうが、でんでん

2006/日本/カラー/DV/ステレオ/87分

『人間椅子』

監督:佐藤圭作
脚本:佐藤圭作・武井彩
撮影:大内勇
音楽:柳田しゆ
美術:松本知恵
VE:宇津野裕行
出演:宮路真緒、小沢真珠、鈴木薫、鈴木拓也、茅野雅生、水戸ひねき、石川謙、辻修、板尾創路

2006/日本/カラー/DV/ステレオ/76分

制作:円谷エンターテイメント
製作:アートポート

江戸川乱歩の有名小説を土台に、新しい脚色をほどこした作品です。 大正14年の作品を現代に置き換えているので、 どこがどう変わっているのか原作を読みたくなりました。 『村の写真集』の三原監督がこういう作品も撮るのと意外。 『人間椅子』の不思議なシチュエーション、小沢真珠のこわれっぷりもみどころ。 『屋根裏の散歩者』は女性カメラマンのようです。珍しいなぁ。(白)

6月30日(土)より、シアターN渋谷、銀座シネパトス他にて、2作週代わりでロードショー



『吉祥天女』

監督・脚本:及川中
原作:吉田秋生(小学館刊)
撮影:柳田裕男
音楽:神津裕之
美術:中川理仁
出演:鈴木杏(叶小夜子)、本仮屋ユイカ(麻井由似子)、勝地涼(遠野涼)、深水元基(遠野暁)、市川実日子(麻井鷹子)、津田寛治(小川雪政)、江波杏子(叶あき)ほか
主題歌:「仰げば尊し」スーザン・オズボーン(PONY CANYON)

昭和45年春の金沢。能楽好きの元気な高校生、 麻井由似子のクラスに転校生が入ってきた。 長い黒髪の美少女、叶小夜子に誰もがひきつけられる。 叶家はこのあたりの土地の殆どを所有する旧家で、小夜子はその孫娘だった。 新興の遠野建設は、その土地を手に入れるため一人息子の遠野暁と小夜子の縁組を画策していた。 小夜子の同級生の遠野涼もその一族だったが、涼だけは小夜子に近づくことをしなかった。

吉田秋生の同名漫画が原作。20年以上も前の作品だったとは、時の流れは速い!!

原作の小夜子は日本的でミステリアス、 ぞくっとするような色気の漂う少女という印象でした。 この作品のモチーフとなる「吉祥天」というのは、 インドの女神マハーシュリーが起源なのだそうで、 それなら目鼻立ちのくっきりした鈴木杏の小夜子も「あり」ですね。 ワンカットのアクション頑張っています。 小夜子の髪の量(エクステ?)が少なかったのが惜しいです。 津田寛治/雪政はなかなか素敵でした。 最後に「仰げば尊し」がろうろうと流れて気をつけ(はしなかったけど)気分。(白)

2007/日本/カラー/116分/PG−12/
配給:CKエンタテイメント

http://www.kisshohtennyo.jp/
6月、渋谷Q−AXシネマほか全国ロードショー


『そして、デブノーの森へ』

監督・脚本:ロベルト・アンドゥ
共同脚本:サルバトーレ・マルサレッリ
出演:アナ・ムグラリス、ダニエル・オートゥイユ、グレタ・スカッキ、ミシェル・ロンズデール、マグダレンナ・ミェルツァシ、ジョルジオ・ルパーノ

ベストセラー作家セルジュ・ノヴァク。彼は決して人前に現れず、その素性は全くの謎に包まれており、そのことが世間の興味を一層そそっていた。
しかしダニエル・ボルタンスキーというポーランド出身のユダヤ人の男こそが、セルジュ・ノヴァクその人であった。ある日、ダニエルは義理の息子の結婚式に出席するために、カプリ島へと向かう。その途中の船上で、美しく魅惑的な女性と出会い、彼女に誘われるまま一夜を共にする。翌朝、目覚めると彼女はもういなかった。ダニエルは結婚式へ駆けつけるが、息子の花嫁ミラとしてそこにいたのは、昨夜の彼女だった。
ミラは結婚してもダニエルに接近しようとする。ダニエルはその意図を計りかね、困惑しながらも、彼女にのめり込んでいく・・・。

初めはただファム・ファタールに翻弄される中年男の悲哀の話かと思ったのですが、サスペンスの要素が強く、次々と予想を裏切る展開で最後まで目が離せず、非常に楽しめました。 上流階級が舞台なので、シャネル、フェンディといったメゾンから提供されたアナ・ムグラリスのファッションも素敵ですし、フランスのパリ、南イタリアのカプリ島、スイスのジュネーブなどのロケ地の風景も美しい。 『あるいは裏切りという名の犬』『隠された記憶』に続き、ダニエル・オートゥイユの卓越した演技を楽しむことができます。(梅)

冒頭、キッパを被った老人がヘブライ文字を書いている姿。 次に、初老の男性二人、「僕たちユダヤ人には見えないよね」との会話。 ユダヤであることがこの物語にどう関わってくるのかと、 一気にこの映画に惹かれてしまいました。 そして、ダニエル・オートゥイユ演じる主人公が船上で出会う謎めいた美女は、 祖父の母語がイディッシュで、 ダニエルは自分と同じ言葉を解する彼女にぐっと引き込まれていきます。 それほどユダヤに詳しいわけではないので、 この物語の背景にあるものが深くは理解できなかったのですが、それを抜きにしても、 複雑に絡む二人の過去を紐解いていく面白さにぞくぞく。 お墓参りの時に、お墓の上に石を置く風習なども興味深いものでした。 そして何より、主役二人の大人の魅力に惹かれました。(咲)

第57回カンヌ国際映画祭正式出品
第21回アヴィニヨン映画祭・UCMF賞受賞<ルドヴィゴ・エイナウディ/音楽>

2004年/フランス・イタリア・スイス/カラー/109分/DOLBY SRD/シネスコサイズ
配給:アット エンタテインメント
宣伝:アンカー・プロモーション

公式 HP >> http://www.at-e.co.jp/soshite/

★2007年6月30日(土)より、シアターイメージフォーラムにて公開


『シュレック3』SHREK THE THIRD

監督・脚本:クリス・ミラー
製作・脚本:アーロン・ワーナー
共同監督:ロマン・ヒュイ
共同脚本:ジェフリー・プライス&ジェフリー・シーマン
原作:ウィリアム・スタイグ
音楽:ハリー・グレグソン・ウィリアムズ
美術:ギョーム・アレトス
視覚効果:フィリップ・グルックマン
出演:マイク・マイヤーズ(シュレック)、キャメロン・ディアス(フィオナ姫)、エディ・マーフィ(ドンキー)、長靴をはいた猫(アントニオ・バンデラス)、ジュリー・アンドリュース(リリアン王妃)、ジョン・クリース(ハロルド王)、ルパート・エヴェレット(チャーミング王子)、ジャスティン・ティンバーレイク(アーサー)ほか

おとぎの国のバトル・ロイヤル!次の王様は誰だ?!

第2話で愛するフィオナと結婚、楽しい毎日を送っていたシュレックだったが、 ハロルド王重態の知らせに急いで「遠い遠い国」に駆けつける。 瀕死のハロルド王から次期国王になってほしいと頼まれたシュレックは大慌て、 もう一人の候補者の名前をやっと聞き出した。それはフィオナのいとこで、 魔法ハイスクールに通うアーサー。国王になんてなりたくないシュレックは、 ドンキー、長靴をはいた猫と一緒にはるばる海