監督・脚本:ジャン=ピエール・メルヴィル
原作:ジャン・ヴェルコール
撮影:アンリ・ドカ
音楽:エドガー・ビショフ
製作:ピエール・ブロンベルジュ
製作総指揮:マルセル・カルティエ
出演:ハワード・ヴェルノン(ヴェルナー・フォン・エーブルナック)、ニコル・ステファーヌ(姪)、ジャン=マリー・ロバン(叔父)
1941年、ドイツ占領下のフランス地方都市。
老人と姪が暮らす家に、ドイツ軍将校ヴェルナーが同居することになる。彼はフランス語を流暢に話し、礼儀正しく物静かな人物だった。老人と姪は、彼が毎晩「おやすみなさい」と言うまで、沈黙の長い時間を過ごすのだった。約1ヶ月過ぎた頃、ずぶ濡れになった軍服を脱ぎ、私服に着替えたヴェルナーは、暖炉の火にあたりながら、彼の幼い頃の話や、フランス文化、音楽、辛い軍の任務などを、話すようになった。老人と姪は静かに聞くだけだった。
レジスタンス文学で有名なヴェルコール原作を映画化した作品。 静かなモノクロームの画面の中、まるで海の底にいるような張り詰めた緊張感が溢れていた。 3人の心の動きが無音、無表情の中で、はっきり伝わって来る。 海の表面は穏やかそうに見えても、海底ではどんな心の葛藤があるのだろうか、 その反対に、嵐の時は荒海でも、海底では凪いだ平穏があるのか・・・と思い巡らせた。(美)
1947年/86分/モノクロ/フランス映画/日本初公開
★2月20日(土曜)~3月19日(金曜) 岩波ホールにて上映中
岩波ホール HP >> http://www.iwanami-hall.com/
この作品と『抵抗~死刑囚の手記より~』は<岩波ホールセレクション>の名称での、第1回目「抵抗と人間」をテーマに連続上映される。
監督:カルロス・キュアロン
製作総指揮:アルフォンソ・キュアロン『天国の口、終わりの楽園』監督
アルハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バベル』『21グラム』監督
ギレルモ・デル・トロ『ヘルボーイ』監督
撮影:アダム・キンメル『ラースと、その彼女』『カポーティ』
美術:エウヘニオ・カバレロ『バンズ・ラビンス』
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル(クルシ)、ディエゴ・ルナ(ルド)、ギレルモ・フランチェラ(バトゥータ)、ドロレス・ヘレディア(兄弟の母)、アドリアナ・パズ(異父妹トーニャ)
メキシコの片田舎。バナナ園で働く、貧しいが元気いっぱいの兄弟は、地元のサッカー選手だ。 兄は人気サッカー選手になることを、弟は歌手を夢見ている。 ある日、地元のサッカー試合中、スカウトマンに認められ、いきなりメキシコシティに連れていかれる。 スカウトマンの目にくるいはなく、2人はたちまちスター選手になる。 兄は荒々しいプレーで(ルド/タフな乱暴者)と呼ばれ、 弟は大げさなプレーで(クルシ/ダサい自惚れ屋)というニックネームがついた。 だが、貧乏からセレブになった2人は、お決まりの賭け事、女、薬で、 まるでジェットコースターのように、下り坂人生になってしまう・・・。
メキシコ出身の監督たちが立ち上げた製作会社(チャ・チャ・チャ・フィルムズ)の記念する第1作品目。
先日試写で、やはりメキシコの貧しい家族が、命がけでアメリカに不法移民する作品
『闇の列車、光の旅』(メキシコ・アメリカ/日系監督・キャリー・ジョージ・フクナガ/初夏公開)を観た。
死と背中合わせの旅の途中でも、歌や踊りを忘れない彼らをみて、これがラテン気質なんだなと感じた。
『ルドandクルシ』は、めっぽう面白い!サッカーのように転げまわるボールのごとく
人生もくるくる変わる。そして、考える為に止まるってことがない。
最後は元の木阿弥。いや前よりもっと悪くなって故郷に帰るが、
この2人の憎めない顔つきに「生きてりゃ、また何かいいことあるって!」と言われているような気がした。
※クルシの歌がたくさ~ん流れるが、ちょっとクルシ・・・。(美)
2008/メキシコ/スペイン語/ビスタ/SRD・DTS/カラー/101分
★2月20日(土)シネマライズ、新宿バルト9 他全国ロードシヨー
公式 HP >> http://www.rudo-movie.com/
監督・共同脚本・編集:佐向大
脚本:月永雄太
出演:小林且弥(ヒデジ)、みひろ(アザミ)、大西信満(祐一)、杉山彦々(田辺)、角替和枝(ヒデジの母)、菅田俊(ヒデジの父)、大杉漣(コンビニ店長)
アザミは何をやっても中途半端な彼氏のヒデジを困らせるために、狂言誘拐を思いつく。ヒデジに対抗心を燃やす兄、ヒデジの後輩の田辺を引きずり込んで計画を練っていた。ヒデジはアザミを助けようと一応金策に走るものの、はかばかしくない。思いつきだけで男たちを振り回すアザミ、彼女に振り回される情けない男たちは、何に向かっているのか??
佐向大監督は、『休暇』脚本家として注目されましたが、その前にロードムービー『まだ楽園』を自主映画ながら劇場公開しているそうです。小悪魔的なアザミにいいように振り回される男の子たちに「草食系男子」の姿を見ます。仕事もお金もなくても、飄々というかグダグダと日をやり過ごすヒデジが妙にリアル。両親役の角替和枝&と菅田俊、コンビニ店長役で大杉漣が出演していて、場面が一気に映画らしく締まるのはさすがです。(白)
2009年/日本/カラー/80分/ビスタサイズ/DTS
製作・配給:アムモ
©2009アムモ
公式 HP >> http://www.roe-movie.com/
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
製作:スティーブン・ベラフォンテ 他
製作総指揮:アビ・ラーナー、ダニー・ディムボー 他
脚本:ウィリアム・フィンケルスタイン
撮影:ペーター・ツァイトリンガー
美術:トビー・コーベット
編集:ジョー・ビニ
音楽:マーク・アイシャム
出演:ニコラス・ケイジ(テレンス)、エヴァ・メンデス(フランキー)、ヴァル・キルマー(スティーヴィー)、アルヴィン・“イグジビット”・ジョイナー(ビッグ・フェイト)ほか
正気か、狂気か。荒廃した街ニューオリンズ。
最悪な男が、躍動する。
テレンス刑事は水害で水没した留置場の囚人を救い、警部補に昇格する。しかし、救助時に腰を負傷してしまい、その痛みを抑えるためにドラッグが手放せなくなってしまった。高級娼婦の恋人フランキーとドラッグ三昧、足りなくなると警察署の押収品にまで手を出す始末。上司はそんなテレンスの行状を知ってか知らずか、セネガルからの不法移民一家惨殺事件の担当に任命する。
オリジナル版『バッド・ルーテナント』を観ていないので私には比較が出来ませんが、それを上回るリメイク作品として大絶賛されている本作。ヴィム・ヴェンダースらと共にニュー・ジャーマン・シネマの旗手でアート・シアター系作品で人気のヴェルナー監督らしい照明の使い方や美術デザインなど(特にイグアナ!)が面白かった。ニコラス・ケイジ演じる悪役キャラもどこか憎めないのです。 (千)
1992年製作の『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(アベル・フェラーラ監督、ハーヴェイ・カイテル主演)のリメイク作品。ヴェルナー・ヘルツォーク監督はドイツ映画界の鬼才と呼ばれているそうで、主演はこれまたクセのある役を好んで選んでいそうなニコラス・ケイジ。ルーテナントは警部補の意味だそうで、タイトルどおりほんとにまあひどい男!恋人だけは大切にしているので憎みきれないところもあり。昨年『悪夢のエレベーター』でインタビューさせていただいた堀部監督がオリジナルについて「すごく後味の悪い映画なのに忘れられない」とおっしゃっていました。私もオリジナルを観てみなければ。どんな結末なのかはご自分の目で確かめましょう。(白)
2009年/アメリカ/カラー/122分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:プレシディオ
(C)2009 LIEUTENENT PRODUCTIONS,INC.
公式 HP >> http://bad-lieutenant.jp/
●トライベッカ篇 監督:チアン・ウェン
出演:アンディ・ガルシア、ヘイデン・クリステンセン、 レイチェル・ビルソン
スリの青年はすれ違った女子大生の財布を盗み、彼女の後を追う。
●アッパーウェスト篇 監督:ミーラー・ナーイル
出演:ナタリー・ポートマン、イルファン・カーン
ダイヤモンド街の店主と顧客のかけひき。
●マンハッタン篇 監督:岩井俊二
出演:オーランド・ブルーム、クリスティーナ・リッチ
作曲家は監督アシスタントの女性の電話に心癒される。
●ウェストヴィレッジ篇 監督:アレン・ヒューズ
出演:ブラッドリー・クーパー、ドレア・ド・マッテオ
一夜限りの情事のはずだったのに・・・。
●ソーホー篇 監督:イヴァン・アタル
出演:クリス・クーパー、ロビン・ライト・ペン、イーサン・ホーク、マギー・Q
店の外、作家が口説いた美女は娼婦。店の中、夫は妻の意外な一面を知る。
●セントラル・パーク篇 監督:ブレット・ラトナー
出演:アントン・イェルチン、オリヴィア・サールビー、ジャームズ・カーン
プロムのパートナーがいない高校生。紹介された娘は車椅子に乗って現れた。
●リンカーン・センター篇 監督:ナタリー・ポートマン
出演:カルロス・アコスタ、ジャシンダ・バレット
セントラル・パークを散歩する父と小さな娘。人の目になんと映ろうとも。
●アッパー・イースト・サイド篇 監督:シェカール・カプール
出演:ジョン・ハート、ジュリー・クリスティ、シャイア・ラブーフ
足の悪い若いホテルマンが案内した女性はかつてオペラ歌手だった。
●チャイナタウン篇 監督:ファティ・アキン
出演:ウグル・ユーセル、スー・チー
中国茶店。店員の女性に心惹かれる男は、モデルになってほしいと頼み込む。
●ブライトン・ビーチ篇 監督:ジョシュア・マーストン
出演:クロリス・リーチマン、 イーライ・ウォラック
結婚記念日に海岸にやってきた老夫婦。
●ニューヨーク・シティ篇 監督:ランディ・バルスマイヤー
出演:エミリー・オハナ
カメラを手にニューヨークにやってきた一人の女性。様々な人に出会い、少しずつストーリーに関わっていく。
人間は一生のうちに3万人の人に出会う、と、この映画の予告編にありました。その中で出会って恋するのは、奇跡のようなもの? 世界中から集まった10人の監督が、きら星のような俳優たちと作り上げた幾とおりもの愛の形。とりわけ刺激的なニューヨークの街で生まれた、ラブ・アンサンブル・ストーリーをお楽しみください。(白)
2009年/アメリカ/カラー/103分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給・宣伝:IMJエンタテインメント+マジックアワー
© NY5,LLC-All Rights Reserved.
公式 HP >> http://www.ny-love.jp/
監督:パク・チャヌク
プロデューサー:パク・チャヌク、アン・スヒョン
脚本:パク・チャヌク、チョン・ソギョン
撮影:チョン・ジョンフン
照明:パク・ヒョヌォン
美術:リュ・ソンヒ
衣装:チョ・サンギョン
ヘアメイク:ソン・ジョンヒ
音楽:チョ・ヨンウク
編集:キム・サンボム、キム・ジェボム
インスパイア本:エミール・ゾラ著「テレーズ・ラカン」
出演:ソン・ガンホ(サンヒョン)、キム・オクビン(テジュ)、シン・ハギュン(ガンウ)、キム・ヘスク(ラ夫人)、パク・イヌァン(車椅子の老紳父)、オ・ダルス(ヨンドゥ)、ソン・ヨンチャン(スンデ)
実直なカトリックの神父サンヒョンは、人を死に至らしめる謎のウィルスの生体実験に身を投じた。 発病し死亡したが、正体不明の血液を輸血され、奇跡的に息を吹き返し復活する。 体のできものを隠す為、包帯をした彼を、(包帯の聖者)と呼び崇められた。 そこへ、韓服店を営むラ夫人から、病弱な息子の為に祈ってほしいと頼まれる。 その息子ガンウとは幼なじみでもあった為、彼の家に出入りするようになり、ガンウの妻テジュと知り会う。 神父サンヒョンはテジュに心を奪われる。 心はテジュに、体は輸血の影響でバンパイアに変貌を遂げてしまう。
2009年11月に、フィルメックス映画祭で上映された。
人気抜群のソン・ガンホ主演のバンパイア物!と聞けば、生唾ゴックン!いや、生血ゴックン?(ぎゃ~ぁ~!)
このところ、バンパイアやハーフ・バンパイア物がたくさんある。
今年になってから観ただけでも、『ニュームーン/トワイライト・サーガ』『彼岸島』『ダレン・シャン(3月公開)』など。
血を吸われるって究極の愛の証?と感じるからこそ、たくさん製作されるのか。
さぁ!この『渇き』。これぞ韓国風バンパイア作品!
昏睡中の病人からチューブで血をチューっと吸ったり、
それを貯めて冷蔵庫で保存…後でお腹がすいたらチュー。
ものすごく、リアルで生活臭たっぷり。
セックス・シーンもバッチリ、バンパイア風!
ソン・ガンホはもちろんのことだが、
キム・オクビンの隠し持った大胆さも、シン・ハギュンの無能夫ぶりも面白い。
でも、私が一番驚いたのは、『ビバ!ラブ』の主演女優さんのキム・へスクのキムチ風味・息子溺愛濃厚演技だ。
韓国は子役と中年女優が素晴らしい。
最後の方で、ガンホさんの大切なものがちらっと見える…。
これって、ファンへのおまけサービスかな?(美)
2009年/韓国・アメリカ/133分/スコープサイズ/ドルビーSRD
配給:ファントム・フィルム
★2010/2/27(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
公式 HP >> http://kawaki-movie.com/
★シネマジャーナル78号に、第10回東京フィルメックスでのパク・チャヌク監督舞台挨拶及びQ&A報告を、たっぷり2ページ掲載!
抜粋をWeb版特別記事に掲載しています。
→ 写真で綴る第10回東京フィルメックス 後編
80年代から韓国映画を上映し続けるミニシアターの老舗シネマスコーレ
90年代から未公開の韓国映画を紹介してきたミニ映画祭シネマコリア
そして、2008年から新しく多様な作品の製作・配給を始めた韓国の映画会社キノアイ
韓国映画の“ソムリエ”とも言える三者が…
リアルな韓国の“今”を伝える、本物の韓国映画4本を共同配給。
2009年末より、シネマスコーレで先行上映されましたが、いよいよ2月27日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次開催となります!
■ ゲスト(東京)
イム・スルレ(『飛べ、ペンギン』監督)
ノ・ジンス(『空を歩く少年』監督)
プ・ジヨン(『今、このままがいい』監督)
オ・ジョムギュン(『ビバ!ラブ』監督)
■上映作品





主催:「真!韓国映画祭2009」配給委員会(キノアイ、シネマスコーレ、シネマコリア)
協賛:プラザマルマン、マルマン会館、Timestory Film & Books
公式 HP >> http://cinemakorea.org/rkcf/
監督:フレッド・カバイエ
脚本:フレッド・カバイエ、ギョーム・ルマン
製作総指揮:クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル
製作:オリビエ・デルボスク、エリック・ジュエルマン、マルク・ミソニエ
撮影:アラン・デュプランティエ
音楽:クラウス・バデルト
美術:フィリップ・シッフル
編集:ベンジャマン・ワイル
出演:ヴァンサン・ランドン、ダイアン・クルーガー 他
パリ市内、平凡ながらも幸せな生活を送っていた夫婦。 しかし、ある朝、夫婦の生活が一変してしまう。警察が突然、家に押し入り妻が殺人容疑で逮捕され投獄生活が始まった。無実の罪を必死に主張する妻であったが状況証拠などから誰もが彼女の罪を確信していた。夫・ジュリアンを除いては・・・ 悩んだ末にジュリアンがとった行動。愛する人のために、人は全てを失うことができるのだろうか?
フレッド・カバイエ監督は本作が長編デビュー作となる写真家。 写真家として活動しながら映画を作りたいと切に願っていたそうです。 その気持ち、なんとなく少し分かります(笑) 映画のテーマは冤罪ではなく、親子関係や、なにより愛が描かれていました。 愛が人間にもたらす力って無限大みたい。勉強になりました。 (千)
2008年/フランス/96分
配給:ブロードメディア・スタジオ
★2010年2月27日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町(12/4からシネカノン有楽町2丁目改め)ほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://www.subete-kanojo.jp/
2010年3月5日(金)—7日(日)新宿区 四谷区民ホール
◆参加◆
協力費1日1,000円 高校生以下無料・事前予約不要
3日間通し協力費(カタログ付き)一般2,000円 学生1,500円
「山のもんと海のもんがつながれば、まちは、どげんかなる」
環境の破壊が何を引き起こすのかを知った水俣の人々はいま、
再生のために動き出し、循環型社会のモデル都市を目指す。
多国籍企業の種を使った農業がもはや主流となった中国の農村。
古代の赤米を有機農法で育てようとする試みが始まった。
南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島。
気候も文化も異なる島で人々に育まれてきた、祭り、伝統工芸、水辺の暮らし。
気候変動に揺れる世界の美しい島のいま、を見つめる。
田んぼから水路・水系へ、大空へ、そして、人間社会へ。
トリ・ムシ・サカナの視点から、田んぼの中の多様で豊かな生命の世界を描く。
都会の川べりにすむクマネズミの兄弟タータとチッチ、そしてお父さん。
川の工事ですみかを追われた3匹は、安住の地を求めて旅に出る。
小さなネズミの視点から、都会の自然と生命の営みを描く。
滅亡まであと26日の世界。
サル科ヒトのモモちゃんは家に引きこもったまま、「ちきゅう」にやさしくないくらしをしている。
2046年の未来から、ブリキのロボット、エコファンがくらしを救いにやってくる。
滋賀県北部に広がる雑木林は、かつては薪や炭、 現在はシイタケ栽培に利用されている。 繰り返し伐採されたクヌギの老木・やまおやじが誘う美しく豊かな里山の世界。
ここは京都にほど近い滋賀県北部。1000年以上前から続いて来た人と森の暮らしの秘密を、 山おやじのやさしい声で教えてくれる。海の恵みは古くから食卓を支えてきた。 しかし今、水産資源は枯渇の危機にある。 わたしたちの食卓と海とのつながりを考える。
ミツバチは、ハチミツをもたらすばかりではなく、植物の受粉を担う。 その受粉なしでは、世界の食糧の1/3は減少するだろうとも言われている。 世界各地で起こっているミツバチの大量死を追う。
セイヨウミツバチは蜂蜜の生産はもちろんのことだが、1000億ドル規模の受粉産業にも使われている。 このミツバチがいなければ、世界の野菜・果物の30%以上が失われると聞き驚く。 しかも、その危機が目前であることを、この作品は教えてくれた。 迫り来る危機の原因は、工業化された農業、ミツバチの生息地の減少もあるが、 最大の原因は、ミツバチに寄生する(ミツバチヘギイタダニ)だ。 今、このダニは、オーストラリアを除く各国で、ミツバチの壊滅的状況に追い込んでいるのだ。 オーストラリアは唯一、汚染されていないので、そのミツバチは貴重な存在だ。 国内で、少しでも変な蜂がいるという情報が入ると、救急車のごとく駆けつけ、検査をする。 今のところは無事であるが、すぐ隣のパプアニューギニアは最近発見された。 ダニの発見者でもあるデニス・アンダーソン博士は、ミツバチを救う為に、精力的に捜査している。 私たちの食べ物が、このような地道な活動によって護られていると思うと頭が下がった。(美)市街地に残る里山にある千葉・木更津の保育園。
自然の中で泥んこになって遊び、野生の木の実を味わい、
生きものたちと触れ合って、子どもたちは成長していく。
90%のサンゴが死滅した沖縄本島。
70~80%が白化現象に見舞われた日本最大のサンゴ礁、石西礁湖。
海にサンゴ礁を作る職人、金城浩二の大胆な計画が始まった。
アジアの湿地に生息するクロツラヘラサギは、 台湾から中国、韓国から北朝鮮へと渡る。 この絶滅の危機に瀕する鳥を守るため、国境を越えて、人々の協力が生まれていく。 昨年の東京国際映画祭でも上映された作品。
シネジャ最新号(78号)にも掲載されてます!1年に5000ミリの雨が降る大台ケ原で、 ハイスピードカメラや気象観測用のジェット機など 最新技術を駆使して撮影された、神秘的な雨の姿。 雨が育む豊かな自然を瑞々しい映像で綴る。
紀伊半島に、こんな処があるなんて知らなかったです。梅雨の時だけ泉が現れたり 棒雨、雨氷など不思議な映像を見てると此処が同じ日本とは思えないほど! 学校も会社も東京で、都会暮らしの私は大自然の神秘に感動しました。(千)
◆問い合わせ先◆
アース・ビジョン組織委員会
TEL : 03-5802-0525(直通) 03-3813-9735(本部)
〒113-0033東京都文京区本郷3-43-16成田ビル3階(財)地球・人間環境フォーラム内
公式 HP >> http://www.earth-vision.jp
監督:ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ
脚本:ロブ・エドワーズ
音楽:ランディ・ニューマン
エンディングテーマ:NE-YO(ニーヨ)(「Never Knew I Needed」)
出演(声優):アニカ・ノニ・ローズ/鈴木ほのか(ティアナ)、テレンス・ハワード/三上市朗(父ジェームズ)、ブルーノ・カンボス/丹宗立峰(ナヴィーン王子)、
ティアナとシャーロットはプリンセスと蛙の王子のお話が大好き。シャーロットは大きなお屋敷の娘、ティアナはお手伝いの娘だけれど、二人は親友。結婚に憧れるシャーロットと違い、ティアナの夢は自分のレストランを持つこと。それはもう亡くなってしまった大好きなパパの夢でもあった。
二人が年頃の娘になったころ、異国の王子が町にやってきてシャーロットの屋敷のパーティに出るという。お得意の料理に腕を振るったティアナがドレスに着替えたとき、窓辺にいた蛙が口を聞く。王子が魔法で姿を変えられてしまい、キスしてくれれば元に戻るんだ、と。いやいやキスしたティアナは、魔法を解くどころか自分も蛙になってしまった!!
ディズニーのアニメに初のアフリカ系ヒロインが登場しました。『リトル・マーメイド』『アラジン』の監督コンビ、ジョン・マスカーとロン・クレメンツが再びタッグをくみ、音楽にランディ・ニューマンを迎えディズニー・ミュージカルの世界を繰り広げます。おとぎ話と違い、一緒に蛙になってしまった二人は魔法を解くために、遠い沼地の魔術師を訪ねる大冒険に出かけます。歌と踊りが随所にはさまって、夢見る女の子ならわくわくすること必至です。魔法を解く鍵は「自分のほんとうに大切なものを見つけること」、これは大人もぜひ観なくては!(白)
サントラ盤:ウォルト・ディズニー・レコード
ノベライズ:竹書房刊
ジュニア・ノベル:偕成社刊
2009年/アメリカ/カラー/1時間38分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
(C)Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
会場:渋谷ユーロ・スペース
桃まつり3年目のテーマは“うそ” あなたを思うあまりのうそ、とっさについてしまったうそ、
したたかに仕組まれたうそなど、さまざまな人間関係を描き出した新作短編11本を上映。
とびきり甘くて切ない“うそ”のまつりがいよいよ開催です。
シネジャ78号にインタビュー記事が掲載されてます!
公式 HP >> http://www.momomatsuri.com/
監督・脚本:ジョン・レクア、グレン・フィカーラ
原作:スティーヴ・マクヴィッカー
撮影:ハビエル・ペレス・グロペット
出演:ジム・キャリー(スティーヴン・ラッセル)、ユアン・マクレガー(フィリップ・モリス)、レスリー・マン(デビー)、ロドリゴ・サントロ(ジミー)
良き夫、良き父として暮らしてきた警官のスティーヴンは自動車事故で九死に一生を得た。「これから好きなことだけして生きる!」と決意、ゲイであることをカミングアウトして家族と別れ、マイアミで恋人のジミーと暮らすことにする。IQ169の頭脳を使って詐欺を繰り返して生活する・・・が、ジミーは亡くなってしまう。一人になったスティーヴンは保険金詐欺でとうとう刑務所へ。真っ暗な監獄生活のはずが、金髪の美青年フィリップと運命の出会いをする。愛するフィリップを幸せにしたい一心で、詐欺と脱獄を繰り返す彼の懲役はつもりに積もって167年になっていた。

原作は実在の天才詐欺師へのインタビューをもとに書かれているそうで、この話が実話というのに驚きます。コメディお得意のジム・キャリーは今回も熱演、ほんとうに良く動く体と口(笑)!そんな彼に愛されるのは『300』でペルシア大王、『チェ 28歳の革命』と『チェ 39歳 別れの手紙』でカストロを演じたロドリゴ・サントロ。派手なシャツが似合って色っぽいです。
刑務所で出会う運命の恋人フィリップにはユアン・マクレガー。どんな役にもはまって見せる演技巧者ですが、この心優しきゲイの青年はスティーヴンならずとも守ってあげたくなる可愛らしさです。スティーヴンはひとえに彼への愛ゆえに罪を犯すのですから、まさに“罪な人”なのはこちらのフィリップでしょう。それにしてもこの刑務所すごく綺麗で自由なんですけど、ほんとにそうなの?(白)
2009年/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/ドルビー/R15+
配給:アスミック・エース
公式 HP >> http://iloveyou.asmik-ace.co.jp/
期 間 : 3月18日(木)~22日(月・祝)
開催会場 : 六本木ヒルズ
上映場所 : TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
主 催 : ユニフランス
TOHOシネマズ六本木ヒルズを会場にして4年目を迎えるフランス映画。今年も俳優・監督が多数来日して、上映後のQ&Aや、握手・サイン会など、直接触れ合える機会もたくさん! ことに、3月18日(木)のオープニングセレモニーの前に行われるレッドカーペットは、誰でも無料で観覧できます。華やかで多彩なフランス映画の世界を是非体験してみてください。
来日代表団団長:ジェーン・バーキン
来日ゲスト(予定):
監督:ジャック・オディアール、ローラン・カンテ、カトリーヌ・コルシニ、アルノー・デプレシャン、ブリュノ・デュモン、ミア・ハンセン・ラブ、ジャン=ピエール・ジュネ、セドリック・カーン、ラデュ・ミヘイレアニュ、ギャスパー・ノエ、クリストファー・トムプソン
俳優:ジェーン・バーキン、マチュー・アマルリック、セシル・ド・フランス、アンヌ・コンシニ
【上映作品】
カンヌ映画祭2008パルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』やカンヌ映画祭2009グランプリ受賞作『アンプロフェット』(原題)、日本でも人気の高いギャスパー・ノエ監督作品など、15作品が上映されます。
■音楽を通して芽生える友情を描いた監督処女作。
『バス・パラディアム』 (原題)2009年 100分 原題:Bus Palladium
監督:クリストファー・トンプソン 出演:マルク・アンドレ・グロンダン、アルチュール・デュポン
日本配給未定作品。本映画祭と同じ週に本国で公開。
■パリで「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」を越えオープニング№1を記録した大ヒット作!
『オーケストラ!』 2009年 124分 原題:Le Concert
監督:ラデュ・ミへイレアニュ 出演:アレクセイ・グシュコブ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン
GW Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他にて全国順次ロードショー 配給:ギャガ
■カンヌ国際映画祭特別賞(カトリーヌ・ドヌーヴ)。豪華な出演者に注目!
『クリスマス・ストーリー』(原題) 2008年 143分 原題:Un Conte de No?l
監督:アルノー・デプレシャン 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルリック、アンヌ・コンシニ
2010年秋 恵比寿ガーデンシネマ他全国順次ロードショー 配給:ムヴィオラ
■2008年カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。
『パリ20区、僕たちのクラス』 2008年 128分 原題:Entre les murs
監督:ローラン・カンテ 出演:フランソワ・ベゴドー、24人の生徒たち
2010年6月12日(土)岩波ホールにてロードショー 配給:東京テアトル
■2010年4月のフランス公開に先駆けてのプレミア上映。
『スフィンクス』(仮題) 2009年 105分 原題:Gardiens de l'ordre
監督:ニコラ・ブークリエフ 出演:セシル・ド・フランス、フレデリック・テスト
日本配給未定作品
■『ユマニテ』を撮った鬼才の最新作。
『ハデウェイヒ』(原題)2009年 105分 原題:Hadewijch
監督:ブリュノ・デュモン 出演:ジュリー・スコロウヴスキ
日本配給未定作品
■『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネが現代に贈る痛快ハート・ウォーミング・コメディ
『ミックマック』(原題) 2009年 104分 原題:Micmacs ? tire-larigot
監督:ジャン=ピエール・ジュネ 出演:ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ、ドミニク・ピニョン
2010年夏 恵比寿ガーデンシネマ他全国ロードショー 配給:角川映画
■愛の情熱を描いて昨年末のフランスで大ヒットを記録。
『旅立ち』(原題)2008年 85分 原題:Partir
監督:カトリーヌ・コルシニ 出演:クリスティン・スコット・トーマス、セルジ・ロペ、イヴァン・アタル
日本配給未定作品
■2009年カンヌ国際映画祭で感動を巻き起こした。
『あの夏の子供たち』 2009年 110分 原題:Le P?re de mes enfants
監督:ミア・ハンセン=ラブ 出演:キアラ・ガゼッリ、ルイ=ドー・ド・ランクザン、アリス・ド・ランクザン
初夏、恵比寿ガーデンシネマにて 配給クレストインターナショナル
■2009年カンヌ国際映画祭審査員グランプリ。海外の映画祭でも数多くの賞を受賞。
『アンプロフェット』(原題) 2009年 150分 原題: Un Proph?te
監督:ジャック・オディアール 出演:タハール・ラヒム、ニルス・アレストリュプ
■フランソワ・トリュフォー『隣の女』の現代版。
『リグレット』 (原題)2009年 105分 原題:Les Regrets
監督:セドリック・カーン 出演:イヴァン・アタル、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
日本配給未定作品
■日本でも大ヒットを記録した名曲「ドミニク」を歌ったシスターの、知られざる人生を描いた物語。
『シスター・スマイル』(仮題) 2009年 124分 原題:S?ur Sourire
監督:ステイン・コニンクス 出演:セシル・ド・フランス、サンドリーヌ・ブランク、クリス・ロメ
2010年 初夏 シネスイッチ銀座にてロードショー 配給セテラ・インターナショナル
■いまフランスで最も挑発的な監督による、昨年カンヌを震撼させた問題作。
『エンター・ザ・ボイド』(原題) 2010年 上映時間未定 原題:Enter The Void(英)、Soudain le vide(仏)
監督:ギャスパー・ノエ 出演:ナサニエル・ブラウン、パズ・デ・ラ・ウエルタ、シリル・ロイ
2010年公開 シネマスクエアとうきゅう他にて 配給:コムストック・グループ 配給協力:トルネード・フィルム
■自由気ままで、素敵な音楽に溢れたロードムービー。
『テルマ、ルイーズとシャンタル』 (原題)2009年 90分 原題:Thelma, Louise et Chantal
監督:ベノワ・ペトレ 出演:ジェーン・バーキン、カトリーヌ・ジャコブ、キャロリ―ヌ・セリエ
日本配給未定作品 ★2010年フランス映画祭団長ジェーン・バーキン出演作
■短編プログラム9作品
『燃えよプチ・ドラゴン』監督ブリュノ・コレ
『ひよこちゃん、いくら?』監督クレマン・ミシェル
『7.57 am-pm』 監督 シモン・ルルーシュ
『雨がやむまで』 監督 シャルロット・ジュリア
『ゴルディーニ車にのった男』 監督 ジャン=クリストフ・リエ
『ジル・コーポレーション』 監督 ヴィアネー・ムルヴィル
『ドンデ エスタ キム・ベイシンガー?』 監督 エドワール・ドリュック
『行くぞ!アロンゾー』 監督 カミーユ・ムラン・デュプレ
『血のつながり』 監督 ギヨーム・セネズ
公式 HP >> /http://www.unifrance.jp/festival/
監督:ホイト・イェットマン
製作総指揮:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:マリアンヌ・ウィバーリー
声の出演:ニコラス・ケイジ(スペックルズ)、ペネロペ・クルス(フアレス)、スティーヴ・ブシェミ(バッキー)
人間の立ち入ることのできない場所へ潜入し、危険な任務を遂行するFBIの強力なスパイ、Gフォース。彼らは特殊訓練を受けたかわいいモルモットたち。天才ハッカーのモグラ、スペックルズとともに人類の平和を脅かす巨悪との戦いを始めようとしていた。ところが研究所の閉鎖に伴い、ただのモルモットとしてペットショップに連れていかれてしまう。
実写映像にCGの動物たちが絡む動物好きにはたまらないエンターテイメント作品。動物たちの動きがとってもリアルで、毛並みもつやつやふわふわです。家庭に入りこんださまざまな電気製品が突如殺人マシーンとなり、ここは『トランスフォーマー』のシーンを思い出します。Gフォースたちは小さな武器を手に戦いますが、動物たちのアクションが見もの。声優陣がまた豪華で、彼らがどんな表情で声をあてているのか見たい気がします。(白)
2009年/アメリカ/カラー/89分/
配給:ウォルトディズニースタジオ モーションピクチャーズジャパン
(C)Touchstone Pictures and Jerry Bruckeimer, Inc. All Rights Reserved.
監督・脚本:ロベール・ブレッソン
原作:アンドレ・ドヴィニー
撮影:レオンス=アンリ・ビュエル
美術:ピエール・シャルボニエ
編集:レイモン・ラミ
製作総指揮:ジャン・テュイエ、アラン・ポワール
出演:フランソワ・ルテリエ(フォンテーヌ)、ロジェ・トレルネ(テリー)、シャルル・ル・クランシュ(フランソワ・ジョスト)
1943年、ドイツ占領下のフランス・リヨン。
ドイツ軍に捕らえられたフランス人青年・フォンテーヌ中尉は、搬送車から脱走するが失敗。
彼が収監されたのはモンリュック監獄。脱走を企てると容赦なく処刑される。
監獄仲間の同志たちは、看守の目を盗み、隙を見ては情報や脱獄の道具などを調達してくれる。
日々少しずつ作業は進められて行く中、フォンテーヌは死刑の宣告を受ける。
あまりの緊迫感で体が固くなってしまった。『海の沈黙』との対比が絶妙だ。 脱獄のための行動や道具などが、死刑囚フォンテーヌの無事を祈る十字架のように光って見えた。(美)
1956年/97分/モノクロ/フランス
★3月20日(土)~4月16日(金) 岩波ホール
岩波ホール HP >> http://www.iwanami-hall.com/
この作品と『海の沈黙』は<岩波ホールセレクション>の名称での、第1回目「抵抗と人間」をテーマに連続上映される。
監督:藤本幸久
監督の前作、『Marines Go Home-辺野古・梅香里・矢臼別-』の撮影中、海兵隊員たちがあまりにも若く、というより幼いので驚き、何故、世界一豊かなアメリカの若者が、兵士になるのだろうと疑問に思ったのがきっかけで、2006年からアメリカの旅が始まった。8のエピソードに分かれている。
配給:影山事務所
企画・製作・著作:森の映画社
2009/DV/カラー/日本/494分
★ポレポレ東中野にて、3月20日~4月16日公開
(5プログラムに分けて上映)
公式 HP >> http://america-banzai.blogspot.com/
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ジェイソン・ライトマン、シェルダン・ターナー
原作:ウォルター・カーン
撮影:エリック・スティールバーグ
編集:デイナ・E・グローバーマン
音楽:ロルフ・ケント
出演: ジョージ・クルーニー(ライアン・ビンガム)、ヴェラ・ファーミガ(アレックス・ゴーラン)、アナ・ケンドリック(ナタリー・キーナー)、ジェイソン・ベイトマン(クレイグ・グレゴリー)、ダニー・マクブライド(ジム・ミラー)、メラニー・リンスキー(ジュリー・ビンガム)ほか
あなたの“人生のスーツケース”詰め込みすぎていませんか?
年間322日も出張しているライアンの仕事は「リストラ宣告人」。企業の人事担当者に代わり解雇通告をする。余計な人間関係や仕事のストレスを生活に持ち込まず、淡々とこなしている。ほとんどを機上ですごす彼の楽しみはマイレージを1000万マイル貯めること。結婚願望もなく家族とも距離をおいていたライアンは、自分と似たタイプのキャリアウーマン、アレックスと出会い意気投合する。
一方、会社では新人のナタリー・キーナーの提案した合理化案を検討。それは現地に行かずに、ネットでマニュアルに従って解雇通知をするというもの。そうなれば今までのような出張は廃止となる。異をとなえるライアンに、上司は彼女を伴って実地研修をすることを命じた。
冒頭、出張の達人のライアンが家を出て現地に向かうまでが流れるようなカメラワークで映し出されます。その無駄のない動きに感心!新人のナタリーを連れて出るときに、空港でのノウハウが解説入りでもう1度観られます。キャッチコピーは講演会でライアンがバックパックを見せながら語る言葉。バックパックどころか、コンテナ一台分くらい抱えている私としては、肝に銘じたい一言でした。ただ、それらがほんとに不要かというと、人生の楽しみであったり、潤いであったりするわけです。女性二人と出会ったことで、すこ~しずつ変わっていくライアンに「ほら、ね」とうなずいたのでありました。
シンプルがモットーのライアンが、自分の仕事をさらにシンプルにする改革案で仕事を失いそうになる皮肉、提案したナタリーが現地で生の声を聞くことで自信が揺らいでいくところ、信条を曲げかけたライアンとアレックスの行方などなど、主演、助演の3人の好演とストーリーの巧みさに魅了されました。ジェイソン・ライトマン監督の前作『サンキュー・スモーキング』『JUNO』が好きだった方はお気に入りになること間違いなしです。(白)
2009年/アメリカ/カラー/109分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給・宣伝:パラマウントピクチャーズ
(C)2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.
公式 HP >> http://www.mile-life.jp/
監督・脚本:ウディ・アレン
音楽:フィリップ・グラス
出演:ユアン・マクレガー(イアン・ブレイン)、コリン・ファレル(テリー・ブレイン)、トム・ウィルキンソン(ハワード)、サリー・ホーキンス(ケイト)、ヘイリー・アトウェル(アンジェラ)
父親の食堂を手伝う長男イアンの夢は、ホテルに出資しそれを元手に新たなビジネスチャンスをものにすること。労働者階級に甘んじていられない兄と違い、次男のテリーは自動車修理工、ギャンブルと酒が楽しみで、恋人のケイトと暮らす家を持つのが目下の夢。テリーはある日ドッグレースで大穴を当てる。兄弟は売りに出ていたヨットを共同で手に入れ、勝たせてくれた犬の名前から「カサンドラドリーム号」と名づけた。
イアンは弟の修理工場から借りた高級車でドライブ中、舞台女優のアンジェラに出会う。美しくて上昇志向の強いアンジェラに惹かれたイアンは、彼女の誤解を解かずに青年実業家として振舞い続ける。
『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』につぐ、ロンドンを舞台にした三作目。ウディ・アレン監督は出演せず、若手実力派俳優の二人の魅力を引き出しています。前の2作は上流階級の人々を中心に、今回は労働者階級から抜け出したい兄の見栄と、ギャンブルで大失敗した弟の顛末を描きます。明るい日差しのもとヨットを楽しんでいた兄弟がちょっとしたほころびから転落していき、あがく様にどきどき。思わず肩入れして、そんな女とつきあっちゃダメ、叔父の示す交換条件にもダメダメといいたくなったり、ストーリー運びと役者のうまさが楽しめる作品です。
ウディ・アレン監督は毎年1本ずつ新作を発表してきましたが、これは2007年製作。最新の公開作は2008年製作『それでも恋するバルセロナ』です。2009年は何を作っていたんでしょ?と調べてみたら、熟年男性中心のラブコメらしい『Whatever Works』がありました。そして今ポスプロ中の『You Will Meet a Tall Dark Stranger』にはナオミ・ワッツ、アンソニー・ホプキンス、ジュシュ・ブローリン、アントニオ・バンデラスらの名前が見えます。豪華メンバーのロマンス物らしく、日本公開はずっと先でしょうが今から楽しみ。(白)
2007年/イギリス/カラー/108分/ビスタサイズ/ドルビーSR
配給:アルバトロスフィルム
公式 HP >> http://yume-hanzai-movie.com/
監督:フィリップ・シュテルツェル
撮影:コーリャ・ブラント
脚本:クリストフ・ジルバー、ルーベルト・ヘニング、フィリップ・シュテルツェル、ヨハネス・ナーバー
出演:ベンノ・フュルマン、ヨハンナ・ヴォカレク、フロリアン・ルーカス、ウルリッヒ・トゥクール
ベルリン・オリンピックが開催された1936年の夏。ナチス政府は、ドイツ国家の優越性を世界に誇示するために、ドイツ人クライマーがアイガー北壁の初登攀者になることを強く望んでいた。アイガー北壁初登攀をめざす男たちの生死を賭けた闘いを描く冒険映画。
オトコたちの『アイガー北壁』
高校時代の女友達を思い出しながら、手に汗を握って鑑賞した。この友達というのが、国語の教師に「眠り病」の疑いをかけられるほど授業中に居眠りが多かった。典型的な夜型人間だったためである。しかし、そんな彼女も、登山の話になると昼間から生き生きした眼をしていた。彼女は色気こそなかったが、山岳部の紅一点だった。男たちに囲まれて山登りすることに、ロマンを感じているようだった。しかし、結局艶めいた報告を聞くこともなく、卒業式を迎えたのだったが…。ただ、山岳部は登山用具をデパートに買いに行く際にも、店内で整然と列をなして歩いているんだよと話してくれた、彼女の明るい笑顔を今でも思い出す。その時以来、山は基本的に男の世界なのだというイメージが、私の頭の中にこびりついた。今回この作品を観て、その思いがさらに強まった。
つい先ほど、母親から電話があった。この作品を試写会で観たが、山登りのシーンがスリリングで、一人試写室で叫んでいたわよ~と、かなり興奮気味だった。見かけによらず弱気な母親は、登山中の事故や最後の宙づりのシーンでは、時折目をつむっていたらしい。確かにこの作品の見どころは、山というよりも、垂直にそそり立つ壁のようなアイガーでの登山シーンである。こんな危険そうな場所で、どうやって撮影したのか、カメラマンは怖かっただろうな~と、思わず自分も映像の中に入り込んでしまった。命をかけてまで、気象の変化が激しい危険な山を征服しようとする人たちの気が知れない!
ところでドイツ映画というと、ナチ時代の歴史というテーマは定番の域に達している。もちろんそれだけ重要なテーマであるとはいえ、登山までナチスに関わっていたということは今回知った。以前、レ二・リーフェンシュタールのドキュメンタリーを観たが、そこで彼女は、かつて出演したアーノルト・ファンク監督の山岳映画『聖山』(一九二六年)撮影秘話を語っていた。スタントマンなしで、裸足で力強く岩山を登るリーフェンシュタールの雄雄しい姿と、長い手足が印象的だった。このような山を征服するドイツ人の姿は、「アーリア人種」の優秀さと美しさを内外に誇示する国威発揚の一環として、ナチスに利用されたという。
この作品は、一九三六年にスイスを代表する山として、また、登頂の難しい北壁を持つ山として有名なアイガーを征服しようとしたドイツ人、アンドレアス・ヒンターシュトイサーとトニー・クルツの物語である。実は戦後、日本でもこの山を征服しようとして死亡した日本人もいて、この事件を新田次郎が小説化しているらしい。是非読んでみたい一冊だ。とにかくアイガーは、知る人ぞ知る、いわくつきの山であるようだ。
映画の中で気になったのが、命をかける男だけの山の世界を取材する、駈け出し女性記者(ヨハンナ・ヴォカレク)の役回り。まるで幼馴染の彼女の功名心から、二人が危険を冒したかのような印象を与える脚本だった。彼女はかつて、父親ほども年齢の違う男性に恋する役(『ヒランクル』)や、女ストーカーの役(『裸足の女』)をしていた。大竹しのぶを思わせる独特の「ねっちりオーラ」漂う、しかし、演技力には定評のある女優である。もう、ロリータ・キャラのイメージから脱却する、大人の女の役をあげて欲しい。とはいえこの作品を観て、命綱を共有して山を征服するには、人間性とチームワークが大切なのだとつくづく実感した。(香)
2008年/ドイツ・オーストリア・スイス合作/カラー/127分/ドルビーデジタルSRD
配給:ティ・ジョイ
★2010年3月20日 新宿バルト9他、全国順次公開
公式 HP >> http://www.hokuheki.com/
監督・脚本:ニコラス・ファクラー
撮影:ショーン・カービー
出演:マーティン・ランドー(ロバート)、エレン・バースティン(メアリー)、アダム・スコット(マイク)、エリザベス・バンクス(アレックス)ほか
一人暮らしのロバートは毎日決まった時間に起き、仕事場であるスーパーへ行く。若い店長のマイクはいつも年取った自分を気にかけてくれるし、暮らしも不自由はない。けれど心優しい女性メアリーに出会ったことでロバートの孤独な日常は変化していく。メアリーとうちとけ、食事を共にし雪遊びに興じるロバートはこのうえもなく幸せだった。「まるで前から一緒にいるような気がする」というロバートにメアリーは微笑むのだった。
マーティン・ランドー、エレン・バースティンという名優の共演にこれは老いらくの恋の話かなぁと見入っていると、あ、ちょっと違うと気づきます。これは互いを思いやる家族の話でした。年を取っていくことの切なさ、厳しさを優しく包み込む家族たち、あまりに現実離れしていると思う向きもあるでしょうが、辛いことをさらに辛く描いても良くなるわけではありません。こうだったらどんなに幸せだろうという一つと見ればよいのではないでしょうか。こんなストーリーの脚本を書き、監督を務めたのが弱冠24歳という若いニコラス・ファクラー。もとになるストーリーは高校生のころから書いていたというのにも驚きます。身近にモデルになる人がいたのでしょうか。 (白)
2009年/アメリカ/カラー/92分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ピックス 宣伝:アルシネテラン
(C)2009 Overture Street Films, LLC
監督:榊英雄
原作:荻原浩 「誘拐ラプソディー」双葉社刊
脚本:黒沢久子
音楽:榊いずみ
主題歌:「元少年の歌」フラワーカンパニーズ
出演:高橋克典(伊達秀吉)、林遼威(篠宮伝助)、船越英一郎(黒崎保)、YOU(篠宮多香子)、哀川翔(篠宮智彦)、笹野高史(シゲさん)、ベンガル(親方)、角筈和枝(おかみさん)、山本浩司(栗林)、美保純(黒崎康代)、菅田俊(桜田)、木下ほうか(遠藤)、岸田(榊英雄)ほか
満開の桜の下、伊達秀吉はつぶやく…「死ぬにはいい日だ」。38歳、家族もなければ仕事もない。あるのは借金と前科だけ。借金取りに追われ、恩のある親方と喧嘩して金と車を盗んだあげく、最後の賭けも大外れ、あとは死ぬことが唯一の解決だと覚悟を決めた。しかし死に切れない秀吉の目の前に家出中の6歳の男の子が現れる。親は金持ちとふんだ秀吉は起死回生のチャンス!とこの篠原伝助の家出を助ける約束をする。
伝助の家では突然かかってきた身代金要求の電話に大混乱。黒服の男たちが躍起になるさまはとても普通の家ではない。秀吉が知らずに誘拐を企んだ伝助は、暴力団篠原組の一人息子だったのだ。篠原組の動向をさぐっていた警察もあやしい動きを疑い出す。三つ巴の攻防が密かに始まった。
秀吉に伝助と時代ものかと思ってしまいますが、れっきとした現代モノ。金持ちの息子を誘拐して大金をせしめるつもりが、なんと暴力団の組長の息子だったという悲+喜劇。高橋克典が珍しく情けないダメ男に、貫禄の組長に哀川翔、子煩悩で恐妻家の刑事に船越英一郎が扮し、脇に個性的な面々が控えてテンポよく進みます。こわもての男たちに囲まれるYOUのふんわりした存在と、親方夫妻人情味のあるやりとりなど、どの人のキャラもしっかり立っています。
初の大役を得た伝助役の林遼威(はやしろい)くんは、笑顔も泣きべそ顔も可愛くてベテランの中で堂々の演技。伝助のキャスティングは最後まで難航したということでしたが、この子に出会うため必要な時間だったのではと思うほどです。公開前の大事件で押尾学の出演シーンを全てカットし、監督自らが代役を担って撮り直しをしています。そんなご苦労話を伺って本誌78号に掲載していますので、ぜひご覧下さい。(白)
2010年/日本/カラー/118分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:角川映画
公式 HP >> http://www.yuukai.jp/
監督:深川栄洋(『60歳のラブレター』、『真木栗ノ穴』、『狼少女』)
原作:橋本 紡(アスキー・メディアワークス電撃文庫刊)
脚本:西田征史(『ガチ☆ボーイ』、ドラマ「魔王」)
主題歌:「15の言葉」阿部真央(PONY CANYON)
出演:池松壮亮、忽那汐里、大泉洋


製作:映画『半分の月がのぼる空』製作委員会(ポニーキャニオン、IMJエンタテインメント、アスキー・メディアワークス)
配給:IMJエンタテインメント
公式 HP >> http://www.hantsuki-movie.com/
企画・製作・著作 森の映画社
監督:藤本幸久
プロデューサー:影山あさ子
撮影:栗原良介
編集:藤本幸久、栗原良介
字幕:影山あさ子
人は人を殺すようには出来ていない。普通の若者がどうすれば戦場で人を殺せるようになるのか・・・。 サウスカロライナ州パリスアイランド。アメリカ海兵隊のブートキャンプ(新兵訓練所)で、 若者が兵士として養成されていく過程の12週間を追ったドキュメンタリー。
ここには毎週500~700人の新兵がやってくる。流れ作業でものを作り出すように訓練する。 着いてから48時間は眠らせないのは、何も考える余裕を与えず、命令に盲従する為だと思う。 卒業式には、厳しい訓練を全うした達成感からか、皆明るい顔付きだ。 アフガニスタンやイラクへ行くのも厭わないと言っていたのが・・・。 今、兵士たちが、この地上にいることを願わずにはいられなかった。(美)
2009年/日本/ビデオ/カラー/108分
★4月10日より 東京・渋谷アップリンクにて上映
公式 HP >> http://america-banzai.blogspot.com/2010/01/2009118-700-48-48-yessir-500457.html
監督:雑賀俊郎
脚本:塚田耕野
出演:入来茉里、田中あさみ、賀来賢人、白石隼也、柄本時生、吉瀬美智子 他
主題歌:吉田山田「涙の海」(ポニーキャニオン)
鹿児島市のとある漁港。死別した父親が残した船の中に、高校生のミオは ひとりで住んでいた。 世間を拒絶して過去に生きるミオは、心に傷を持つ高校生キヨミに出会う。 キヨミは、ヨット界期待の星と騒がれていたが練習中の事故で友人を亡くしてしまい、 それ以来ヨットに乗ることができなくなっていた。 過去に生きるミオと過去に縛られたキヨミ。 2人はミオの父が遺した宝物を捜しだすことをきっかけに生きる希望を取り戻し、 ヨットレースの参加を決意する-。
高校生達のド青春物語かと思いきや、家族・友情・生命など心を打たれるテーマで気付いたら泣いてました。 実際に毎年、鹿児島ではこの過酷な「火山めぐりヨットレース」は行われてるそうです。 2008年公開『チェスト』に続く雑賀監督の鹿児島三部作の第二弾となる作品。 2人の海ガールと3人の見守り系男子による青春ヨット・ムービーです! (千)
2010年/日本/116分
配給:ティ・ジョイ
★2010年3月13日(土)より九州先行、4月10日(土)より新宿バルト9ほか全国順次ロードショー
公式 HP >> http://umikin.com/
監督:カルロス・サウラ
撮影:ビットリオ・ストラーロ
出演:ロレンツォ・バルドゥッチ、リノ・グワンチャーレ、エミリア・ヴェルジネッリ 他
1787年、モーツァルトが発表した不朽の名作“ドン・ジョヴァンニ”その誕生にはモーツァルトの イマジネーションを鼓舞した劇作家ロレンツォ・ダ・ポンテの存在があった。ダ・ポンテは神父 で ありながら背徳行為に因ってイタリアを追放されウィーンへ新天地を求めモーツァルトと出会う。 ダ・ポンテのオペラ企画に最初は乗り気で無かったモーツァルトだったが、次第に興味を示し 2人の共同作業が始まった-。
ダ・ポンテは神職に仕えながら自由と芸術を愛し放蕩三昧。挙句の果て、教え子に 手を出すモテモテの色男でした。ダ・ポンテに片思いする女子(アンネッタ)が彼の 女性遍歴を書いたメモを見て愕然としてましたが私も驚きました、いくらイケメンだからって、 そんなに自由恋愛して平気なのでしょうか...色男ダ・ポンテ自身の物語とオペラが 同時進行で綴られている本作は音楽映画としても秀逸でした。 (千)
2009年/イタリア・スペイン合作映画/127分
配給:ロングライド 宣伝:アルシネテラン
★2010年4月、銀座テアトルシネマほか全国ロードショー
公式 HP >> http://www.don-giovanni.jp/
監督:石原興(いしはらしげる)
原作:古川薫「野山獄相聞抄」(文藝春秋刊)
脚本:松下隆一、水野青桐
音楽:樺沢美濃
出演:前田倫良(吉田寅次郎)、近衛はな(高須久)、目黒祐樹(福川犀之助)、仁科貴(源七)、本田博太郎(河野数馬)、池内万作(冨永弥兵衛)、勝村政信(弘中勝之進)、赤座美代子(寅次郎母:瀧)、神山繁(吉村善作)ほか
安政元年(1854年)長州、萩の「野山獄」に一人の男が護送されてきた。沖に停泊する外国船に乗って海外渡航を企てるという大罪を犯したのだった。この一風変わった吉田寅次郎(吉田松陰)は、人を愛し、信じることを貫き理想に燃える男だった。彼は長く収監され無為の日々を送っていた囚人たちと分け隔てなく関わろうと努め、はじめは寅次郎を疎ましく思っていた彼らの心を少しずつとかしていく。ただ一人の女囚高須久(たかすひさ)もその一人であった。
のちに維新の指導者となる人物を多く輩出した長州藩。吉田寅次郎(松陰)の松下村塾はあまりにも有名ですが、二度に渡って外国船への密航を企て、幽閉されていたというのはこの映画で初めて知りました。この「野山獄」は士分が収監されるもので、各自の獄舎には鍵もなく外出はできないものの、行動は比較的自由だったようです。寅次郎はここで出会った久と淡い恋をしたようすで、交わした和歌にその片鱗がうかがえます。
この物語は久の目から見て語られたもの。演じる近衛はな(目黒祐樹の実子)は映画初主演ですが、着物がよく似合いりんとした美しさがありました。寅次郎役の前田倫良は山口県出身。『長州ファイブ』では遠藤謹助役でしたが、再度故郷の偉人を演じることになったのは、原作者古川薫氏に推挙によるものだそうです。
老中暗殺を謀ったとして寅次郎は29歳で処刑されました。小伝馬町の道路沿いにある石碑を去年みつけたのを思い出しました。その辞世の句が遺されています。「身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留めおかまし 大和魂」(白)
2009年/日本/カラー/94分/ビスタサイズ/ステレオ
配給:Thanks Lab. 配給協力:シナジー 宣伝:スキップ
(C)「獄に咲く花」製作委員会
公式 HP >> http://www.hitoya.com/
監督:李闘士男
プロデューサー:春名慶、藤原恵美子
脚本:鈴木聡、林民夫
出演:岡村隆史、松雪泰子、吉沢悠、國村隼、長澤まさみ、渡部篤郎、原田美枝子 他
世界で初めて養殖サンゴの移植・産卵に成功した沖縄県在住の金城浩二さんの実話を映画化。 幼少時の美しい海に思いを馳せ、サンゴの復活にかけた金城さん夫婦の二人三脚を綴る感動のヒューマン・ストーリー。
「てぃだ(太陽)」が「かんかん」照りという“幸せの象徴”を意味する沖縄コトバが作品タイトル。 沖縄の太陽の下、美しい海の情景が続き幸せな気持ちになれると思います。 エコとか環境の為とかではなく、ただ子供たちに沖縄の海の綺麗なサンゴを見せてやりたいんだ、 と正直に言う金城さんに感動。 沖縄の海が汚れサンゴが無くなってきたのは温暖化ではなく沿岸開発に因る人災だそうです。 圧巻はサンゴの産卵シーン! どんなに貧乏でも夢と愛があれば「なんくるないさー」でした。 (千)
2010年/日本/120分
配給:ショウゲート 宣伝:スキップ
★2010年4月24日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
公式 HP >> http://tida.goo.ne.jp/
監督・プロデューサー・編集: 海南 友子
エグゼクティブプロデューサー : 是枝 裕和
撮影 : 南 幸男
VE : 河合 正樹
整音 : 森 英司
クリエイティブアドバイザー : 向山 正利
HD :110分 英語(イタリア語ツバル語含む・日本語字幕付き)
2001年にはインドネシアの元従軍慰安婦を追ったドキュメンタリー『マルディエム彼女の人生に起きたこと』を撮り、2004年年には日中戦争で日本軍に遺棄された化学兵器が、現代の中国の人たちを苦しめている姿を追った『にがい涙の大地から』を撮っている海南友子監督の最新作は、地球の気候変動(温暖化)を扱った作品。3年の歳月をかけ、南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島の3ヶ所で撮影している。

気候も文化も違い、離れ離れに存在する三つの美しい島、南太平洋のツバル、イタリアのベニス、アラスカのシシマレフ島は、気候変動に揺れている。地球温暖化により沈んでしまうかもしれない島とそこに暮らす人々の生活を3年に渡って追ったドキュメンタリーがこの作品。
最初に出てくるツバルの子供たちが、ヤシの木から海に飛び込むシーンが印象的。くったくのない笑顔がとても魅力的だった。しかし、世界で最初に海に沈むのではないかと言われているこの島の実情は厳しい。島が沈むとは信じられない島の人たちの思いがある一方で、ひしひしと押し寄せてくる海の姿が描かれ、そこに暮らす人々の暮らしに影をおとしているのが伝わってくる。それぞれの島の人々の日常生活を描きながら、水位が上がって行くことで、変えざるを得ない生活が描かれる。地球温暖化はこれらの島に住む人々の暮らしを脅かしている。
祭りや、伝統工芸など、人々が大事にし、受け継いできた文化。ゆったりとした水辺の暮らし、子供たちの笑顔、どれもなくしたくない生活である。気候変動の影響で、故郷の島がなくなってしまうかもしれない中での暮らし。人々の生活に密着し、危うい現代を描く中に、失いたくないものへの思いが込められている。
波の音や風の音に耳を澄ませるため、あえてナレーションやBGMを入れない作りになっている。感じる映画である。
★2010年公開予定
公式 HP >> http://kanatomoko.jp/beautiful/
監督・脚本:キャリー・ジョージ・フクナガ
撮影:アドリアーノ・ゴールドマン
美術:クラウディオ・コントレラス
編集:ルイス・カルバリャール/クレイグ・マッケイ
音楽:マーセロ・ザーヴォス
プロジューサー:エイミー・カウフマン
製作総指揮:ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、パブロ・クルス
出演:バウリーナ・ガイタン(サイラ)、エドガー・フロレス(カスペル/ウィリー)、クリスティアン・フェレール(スマイリー)、テノック・ウエルタ・メヒア(リルマゴ)、ディアナ・ガルシア(マルタ)
ホンジェラスで暮らす少女サイラの元に、父がアメリカから強制送還されて戻ってきた。
父の望みは、もう一度サイラを連れてアメリカに行くことだ。気乗りしなかったサイラだったが、
父と叔父の3人でグアテマラ、メキシコを経由して、アメリカのニュージャージー(父の新しい家族が住んでいる)を目指した。
一方、メキシコのチヤパスに住むカスペルは、ギャングの一員として暮らしていた。
内緒で付き合っていた恋人マルタは、リーダーに犯されそうになり、打ち所が悪く死んでしまう。
この繋がりのないサイラとカスペルは、サイラたちの乗った汽車を、カスペルたちギャングが襲うという最悪な中で出会う・・・。
『シティ・オブ・ゴット』『そして、一粒のひかり(麻薬をビニールで固く包み、何個も飲み込んで密輸をしていた)』に出てきた ギャングの結束の固さと惨さが、ここでは悲しい真実として、より深く描かれている。 また、希望の地に行く不法移民の群れが、死と背中合わせの旅をする姿に、力強さと切なさを感じた。 どこを切り取っても、甘ちょろい映画ではないが、音楽が辛い気持ちを慰撫してくれる。 ガエル・ガルシア・ベルナルがほれ込んで、製作総指揮に名を連ねているのも頷ける作品。(美)
2009年/アメリカ、メキシコ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/スペイン語/96分
★2010年 初夏 シネマライズ、TOHOシネマズシャンテ他 全国公開
監督:大森 立嗣
撮影:大塚 亮
録音:加藤 大和
美術:杉本 亮
編集:普嶋 信一
音楽:大友 良英
出演:松田翔太、高良健吾、安藤サクラ、宮崎将、柄本佑、洞口依子 他
孤児院で兄弟のように育ったケンタとジュンは解体工事の仕事で生計を立てていたが 低賃金で重労働という厳しい環境、そして陰険なイジメが横行する現実から脱却したく 兄のいる北海道網走へ向かう。2人の鮮烈な旅が始まった-。
主演の松田翔太さん・安藤サクラさん、共演の柄本佑さん、監督自身も大駱駝鑑の 麿赤児さんご子息で、二世さん勢揃い。ブスでバカな女子を演じるサクラさんは お母さまの和津さんに似ており綺麗なのでブサイク度に欠けてます。今年2月に開催された 第60回ベルリン国際映画祭フォーラム部門へ正式出品された作品(おめでとうございます!) それにしてもブスでデブでウザい女はサイアク、と云う事を再学習しました...。 (千)
2010年/日本/131分
配給:リトルモア
★2010年6月12(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
公式 HP >> http://www.kjk-movie.jp/
今年も6月に開催されるShort Shorts Film Festival & Asia 2010は、ジャパン部門、ストップ!温暖化部門、旅シヨーット!プロジェクト、ミュージックShortクリエイティブ部門の4つの部門があります。既にミュージックShortクリエイティブ部門以外は公募が締め切られました。今年はどんな作品が選ばれるのでしょうか。
ミュージック Short クリエイティブ部門
1月30日、作品公募〆切間近!
青山真治監督が第1回ゲスト審査&オリジナル作品制作決定!
今年新設されたミュージックShortクリエイティブ部門は、各レコード会社から公式にエントリーされた既存の楽曲をテーマ曲として、クリエイターが自由な発想で映像作品を制作し、応募する部門です。作品は、映画祭で上映するだけでなく、携帯やPCなどの配信コンテンツとして、国内の事業者へ販売され、その利益はエントリーしたレコード会社、配信事業者、クリエイターなどへも配分されます。
今回、青山真治監督がこの部門の審査員のみならず、オリジナル作品の制作もすることになりました。『サッド・ヴァケイション』以来の映像作品となり、注目を集めそうです。
★2010年6月
公式 HP >> http://www.shortshorts.org/