女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
映画作品紹介(近日公開)

グッド・ドクター 禁断のカルテ(原題:THE GOOD DOCTOR)

監督:ランス・デイリー
脚本:ジョン・エンボム
撮影:ジョナサン・キング
出演:オーランド・ブルーム(マーティン)、ライリー・キーオ(ダイアン)、J・K・シモンズ、タラジ・P・ヘンソン、マイケル・ペーニャ

生真面目な研修医のマーティンは病院の中で孤立しているようで不安だった。ベテラン看護士たちも自分を軽んじているように見える。18歳の美少女ダイアンが入院し、マーティンが担当となる。ダイアンが自分に寄せる信頼を感じ、毎日接するうちにマーティンはダイアンにひそかに恋するようになる。ダイアンは快方に向かい、退院が決まった。ダイアンと離れずにすむよう、マーティンはある細工をする。

オーランド・ブルーム主演のサスペンスドラマ。3部作『ロード・オブ・ザ・リング』(2001)の美しきエルフのレゴラスからすでに10年余り。『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003)のウィルも忘れがたいですが、その後が大変だろうなぁと想像します。先に公開された『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』では華のある悪役。こちらも今までになかった役で、俳優としての幅を大きく広げる時期なのでしょう。ダイアン役のライリー・キーオは、プレスリーの孫娘だそうです(母:リサ・マリー・プレスリー)。10代からモデルをしていて映画はこれが2本目。(白)

2010年/アメリカ/カラー/93分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活
(C)2010 Tesuco Holdings Limited. All Rights Reserved.

★1月21日(土)より 銀座シネパトス他 全国順次ロードショー

公式 HP >> http://good-dr.com/

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ジャックとジル(原題:Jack and Jill)

監督:デニス・デューガン
脚本:スティーブ・コーレン、アダム・サンドラー
撮影:ディーン・カンディ
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ、ワディ・ワクテル
出演:アダム・サンドラー(ジャック、ジル)、ケイティ・ホームズ(ジャックの妻エリン)、アル・パチーノ(本人)

成功した兄ジャック
残念(?)な妹ジル
年に一度のハプニングがやってきたッ!
大手広告代理店に勤め、美しい妻と可愛い子どもに恵まれたジャック。唯一の頭痛の種は双子の妹ジルだった。ずっと親の世話をしてくれたジルには感謝しているものの、小さな頃からマイペース、空気の読めない妹にいつも振り回されてきたのだ。そんな兄の気も知らず、毎年感謝祭にはジャック一家と過ごすのを楽しみにやってくるジル。母親が亡くなったので、今年は長居しそうな予感・・・。

アダム・サンドラーが双子の兄妹を一人で演じます。合成技術も格段に進歩しているので(子どものころ観たのは必ず離れていて、真ん中に微妙な線がみえた)動きのある場面も違和感ありません。芸達者なサンドラーの「コメディエンヌぶり」も楽しめるドタバタコメディです。中でジャックが女装をしてジルに化ける場面があり、2重に面白いのですが、出色なのが本人役で出演しているアル・パチーノ。率直なジルに惚れこんで追っかけまわす設定で、大スターの裏側(?)を見せて爆笑でした。(白)

2011年/アメリカ/カラー/109分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

★1月21日(土)丸の内ピカデリーほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.jack-jill.jp/

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ALWAYS 三丁目の夕日 '64

監督:山崎貴
脚本:古沢良太、山崎貴
撮影:柴崎幸三
音楽:佐藤直紀
出演:吉岡秀隆(茶川竜之介)、堤真一(鈴木オート社長)、小雪(茶川の妻)、堀北真希(鈴木オートの従業員・六子)、薬師丸ひろ子(トモエ/鈴木の妻)、須賀健太(古行淳之助)

昭和39年、東京オリンピック開催間近。戦後19年目にして見事な復興を遂げた日本は経済成長の真っただ中。そんな中、夕日町三丁目は変わらず、人情味溢れる生活が続いていた。
もうすぐ家族が一人増える予定の茶川家。事業も快調で“日本一の会社にする”夢にまっしぐらの鈴木オート。そんな中、ほのかな恋をする人も・・・。

第2作品目より6年たっているだけだが、この5、6年って大きい変わりようだった。
もちろん東京オリンピックも大、大イベントで、大きく変わる要因だったが、生活自体が電化される変動期だった。
昭和21年生まれの私は花の18歳(どひゃ~!自分で書いて驚いた!)。もう新幹線は走ってたし、テレビはカラーだった。だけどクーラーはなかった。今のように暑かったのか覚えはないが、ピアノの部屋に付けるか、客間に付けるか、喧嘩した覚えがある。
そのころ月賦という販売形式がちまたに広がった。ピアノだってオルガンから月賦でピアノを買う生徒が増えたのもこの頃。<物=幸せ>の始まる時期をうまく描いていた。(美)

2011年/日本/カラー/142分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:東宝
© 2012「ALWAYS 三丁目の夕日'64」製作委員会

★2012年1月21日全国東宝系ロードショー公開

公式 HP >> http://www.always3.jp/

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預言者(原題:Un Prophète  フランス映画祭2010において『アンプロフェット』のタイトルで上映)

監督:ジャック・オディアール(『真夜中のピアニスト』)
脚本:アブデル・ラウフ・ダブリ
出演:タハール・ラヒム、ニエル・アレストリュプ、アデル・ベンチャリフ、ヒシャーム・ヤクビ

ツワモノの多いパリ中央刑務所に6年の刑で収監されたアラブ人の青年マリク。「宗教は?」「特に」「食べられないものは?」「特に」「豚肉は?」「大丈夫」と刑務官の質問が終わり、観察期間用の牢に入れられる。服役者たちを牛耳るコルシカマフィアのボスであるセザールが、「あいつ(反対勢力のアラブ人レィエブ)を殺さなければ、おまえを殺す」と脅しにくる。看守に助けを求めるが、看守もマフィアに押えられている。やがて、レィエブに麻薬を貰うという口実で近づき、彼の牢を訪れる。アラブ人どうし打ち解けた会話がはずむ。「母国語は?」「孤児だから(アラビア語でもフランス語でもどちらでもないという意味?)」。施設でフランス語を習っただけというマリクに、レィエブは刑務所でフランス語を学ぶと良いと薦める。そんなレィエブを自己保身の為に殺してしまうマリク。1年後、アラブ人の友も出来、誕生日を祝ってもらう。その友の子供の名付け親になるマリク。だが、その友はやがて病で逝ってしまう。セザールの力で外出も許されるようになったマリクは、亡くなった友が捕まる前に隠した麻薬を入手し、それを元にだんだん力をつけていく・・・・

刑務所の中で、「犬よりタチの悪いアラブ野郎」と、コルシカマフィアたちに蔑まされているアラブ系囚人たちですが、中庭で過ごす時間になり、アラブ系の人たちがお互いに握手を交わしている姿に、見知らぬ人ともすぐに打ち解けるイスラームの精神を垣間見る思いでした。コルシカマフィアたちが、そうした彼らを見ながら「アラブどもが増えた。大きな絨毯がいる」という言葉に思わず笑ってしまいました。
フランス映画祭で原題をそのままカタカナにした『アンプロフェット』というタイトルで上映され、最初ピンと来なかったのですが、フランス語原題をよ~く見て、なぁ~んだ、「プロフェット(預言者)」だと納得! イスラームでは旧約・新約聖書のアダム、モーゼ、ノア、イエスなども預言者(神の言葉を預かる人)として認めていますが、最大にして最後の預言者がムハンマド。麻薬ビジネスで成功し、刑務所の中でだんだんと服役者たちに認められ、彼の周りに人々が集まってくる姿に、イスラーム創設当時、ムハンマドが信奉者を集めていった様を思い浮かべました。(監督が『預言者』とタイトルを付けた意図は別のものらしいのですが・・・)
主人公を演じたタハール・ラヒムは本作が映画初出演。孤児で無垢なマリクが颯爽とした青年となっていく姿を自然体で演じていて好感が持てました。これは有力株思っていたら、中国のロウ・イエ監督がパリで撮影した『Love and Bruises』で中国人女性と恋に落ちる青年役に起用。『スプリング・フィーバー』公開前、ロウ・イエ監督にインタビューした折にお伺いしたら、「彼はフランス国籍でアルジェリア系の爽やかな青年」とおっしゃっていました。まさに映画の印象通り。タハール・ラヒムのことばかり褒めてしまいましたが、本作ではマフィアのボスを演じたニエル・アレストリュプの存在感もずっしり。凄みをきかせたボスが、だんだん落ちぶれていくさまを見事に体現しています。フランス映画祭で観て公開を待ち望んでいた作品。とにかく嬉しい。(咲)

2009年/フランス/カラー/シネマスコープ/150分
配給:スプリングハズカム

*カンヌ国際映画祭2009グランプリ受賞、第35回セザール賞史上最多9部門受賞など、国内外で数多くの賞を受賞

★2012年1月21日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.sumomo.co.jp/

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ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(原題:JOHNNY ENGLISH REBORN)

監督:オリヴァー・パーカー
脚本:ハーミッシュ・マッコール
撮影:ガイ・ベンズリー
音楽:アイラン・エシェケリ
衣装:ベアトリクス・パストール
出演:ローワン・アトキンソン(ジョニー・イングリッシュ)、ジリアン・アンダーソン(M17局長/別名ペガサス)、ドモニク・ウェスト(サイモン/別名エージェント1号)、ロザムンド・パイク(M17心理学者/ケイト)、ダニエル・カルーヤ(タッカー諜報員)、ピク・セン・リム(殺し屋・掃除婦)

祖国イギリスの危機を救ったのも過去の話の敏腕スパイ・ジョニー・イングリッシュもモザンビークでへまをしたことから、自信を失い、今はチベットの僧院に引きこもっていた。そんな折り、M17から新たなミッションの要請があった。

太い眉毛と顔全体の表情の変わりようで独特な笑いを提供してくれるローワン・アトキンソン。ちょっとお顔は濃いが、気楽に楽しめる作品だった。
チベットでの修行は無駄になっていないし、最後にお料理を手際よく(ちよっと乱暴だが)作っているオマケもあったし、スピーディな展開もでわかりやすい。
※これ、ほしい!★スパイ用・超速・車椅子★持ち主の声の命令で動くロールス・ロイス。
※掃除婦(ピク・セン・リム)殺し屋は敏腕スパイ・ジョニー・イングリッシュと互角に勝負している。(美)

2011年/イギリス/カラー/101分/ドルビーSRD
配給:東宝東和

★2012年1月21日有楽町スバル座ほか全国順次公開

公式 HP >> http://je-kiyasume.jp/

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ピアノマニア(原題:PIANOMANIA)

監督:リリアン・フランク、ロベルト・シビス
撮影:ロベルト・シビス、ジャージー・パラツ
編集:ミシェル・バルバン
出演:シュテファン・クニュップファー、ピエール=ロマン・エマール、ランラン、ティル・フェルナー、クリストフ・コラー、ジュリアス・ドレオク、イアン・ボストリッジ

このドキュメンタリー映画は調律師に光を当てている。主人公のシュテファン・クニュップファーは、世界一のピアノ、スタインウェイ社専属のドイツ人調律師。
バッハ晩年の未完の傑作“フーガの技法”に、フランスを代表するピアニスト・ピエール=ロラン・エマールが挑むことになった。選ばれたピアノは、スタインウェイ社の“245番”。
録音までの一年をウィーン・コンツェルトハウスで、調律師がそのピアノと格闘する日々を追っている。


©OVAL Filmemacher / WILDart FILM

こればっかりは、ピアノの専門の方に観ていただきたいので、配給さんにお願いして音楽学校のW先生(シネマジャーナルの映画川柳に投稿してくださる方)と一緒に試写に行かせていただいた。

まずはW先生の評から

 ピアノと関わって半世紀以上 。巨大でありながら環境に左右される繊細な楽器。故に調律は義務だが コンサートピアニストは別として年に1~2回 2時間余の調律で後はタッチや脱力等の工夫で、演奏者が音色を探るのが日本では一般的である。
 この映画は調律師に光を当て ピアニストが求める音色に 目、耳、手先と経験を駆使し 日夜奮闘する裏方のマエストロのドキュメンタリー。しかも大音楽家達の本家本元のオーストリアとドイツの合作であり、緻密で完璧主義の国民性も相まって圧巻であった。
 息を呑むような緊張の中、街の風景や チーズケーキの差し入れ、コーヒータイム、度肝をぬかれたイグデスマン & ジョーの登場と、観ている側の緊張を解いてくれた。
 あのようにして録音された フーガの技法 をバッハが聴いたら何と評価するだろうか。ランランの狂詩曲をリストはどう評価するだろう。想像するだけでもワクワクして楽しくなってくる。再度観てみたい映画!

W先生はこのように評されているが、私も同感だ。
 主人公のシュテファン・クニュップファーはピエール=ロラン・エマールの表現する音を的確に捉えていて、それも音が出た瞬間のみではなく、音が空中を泳いで行く時の振動音にまで及ぶ・・・それをこの調律師は理想の音に近づけている。
この2人に負けず劣らずレコード技術者も楽譜を見て、「ここのFの音、少し音を外しましたね。ここだけ音程が高くなって・・・」など簡単に言ってのけるマニア集団。
「そこまで、言われても私にはわかりません! 参りました!」と頭を下げるしかなかった。
フランスを代表するピアニスト・ピエール=ロラン・エマールを調べてみたが、この方、演奏プログラムに非常にこだわりを持っていて、古典と現代の曲が交互に演奏されても、そこで見えてくるのは、その曲と曲の繋がりの<新しい発見>があると書いてあった。W先生が書かれたように、私ももう一度、この濃厚でスリリングな<マニアの世界>に入ってみたい。(美)

自分のピアノを各地でのコンサートに持ち歩けないピアニストにとって、あてがわれたピアノをいかに自分のものにするかは、調律師の腕にかかっている。小学生から高校生にかけてピアノを習っていたけれど、ほとんど調律もせず弾いていた私は、今も音には鈍感だけど、本作にはぐいぐい引き込まれた。シュテファン氏がピアニストのどんな要求にも楽しそうに立ち向かう姿に、なにごとも楽しんで行うことが良い結果を生むのだなぁ~と教えられた。シュテファン氏はいたって真面目な人物なのだけど、ちょっとした一言に笑わせられる。人を和ませる名人でもある。私ももう一度観たい一作。ピアノに関心のない人にもお薦め。(咲)

2009年/オーストリア・ドイツ合作/97分/ドルビーデジタル
配給:エスピーオー

★2012年1月21日シネマート新宿、2月名古屋名演小劇場ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.piano-mania.com/

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アニマル・キングダム(原題:ANIMAL KINGDOM)

監督:デヴィッド・ミショッド
脚本:デヴィッド・ミショッド
撮影:アダム・アーカポー
音楽:アントニー・パートス
衣装:カッピ・アイルランド
出演:ジェームス・フレッシュヴィル(ジョシュア)、ジャッキー・ウィーヴァー(ジャニーン/ジョシュアの祖母)、ベン・メンデルソーン(長男アンドリュー)、ジョエル・エドガートン(コディ一家の友人)、ガイ・ピアース(刑事・ネイサン)

メルボルンに住む17歳の青年ジョシュアは、薬物過剰摂取で母を亡くし、しばらく行き来がなかった祖母ジャニーンの家に引き取られた。
だがその家に住む死んだ母の兄弟・親族は、強盗・麻薬売買などで生計を立てていて、祖母ジャニーンはその中心的存在であった。そんな中で暮らしていくうちに、気が小さく真面目だったジョシュアも、徐々に犯罪の世界に巻き込まれていく・・・。

試写に入る前に配給の方が「もう一つの『家族の庭』だよ」と教えてくれた。俄然みる気満々になった。なるほど、迫力満点のオーストラリア版「家族の庭」だった。
 警察はジョシュアを一家から引き離し、真相を証言させて一網打尽を狙うが、なかなかジョシュアもしぶとい。親族と警察の板ばさみにも苦しむ。気弱な青年がこんな家族と一緒に暮らすなんて、ライオンの檻にリスかウサギが入ったようなもの・・・。 実在の一家をモデルにしたそうだが、脚本と演出がよかった。
 それにしても、犯罪家族のゴッドばぁちゃんがすごい。いっぱしのワルも彼女の直感と言葉には逆らえない。(このばぁちゃん、大の大人の倅に口にブチュってキスしてた!) ジョシュアの顔が、この家庭にいる間にだんだん引き締まって大人の顔になってくる。きっと、この子の母親は死の間際「私が死んでも実家には帰るな。知らせる必要はない」と言いたかったのだろう。痛い場面もあるが、納得できる作品だった。最後の幕切れも見事。(美)

2010年/オーストラリア/カラー/113分/35mm/ドルビーデジタル
配給:トランスフォーマー

★2012年1月21日TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.ak-movie.com/

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ダーク・フェアリー(DON'T BE AFRAID OF THE DARK)

監督:トロイ・ニクシー
脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:ケイティ・ホームズ(キム)、ガイ・ピアーズ(アレックス)、ベイリー・マディソン(サリー)

両親の離婚で傷ついた内気な少女サリーは、父親のアレックスと彼の恋人のキムとともにロード・アイランドにある古い屋敷に引っ越してくる。サリーはそこで、ずっと封印されていた秘密の地下室を発見して扉を開けてしまう。

古い屋敷に棲んでいる魔物の恐怖を描いたテレビ映画「地下室の魔物(1973年)」をリメイクしたサスペンススリラー。
助けを求めたいが、誰も信じてくれない少女は、父のカミソリと光りに弱いと知りポラロイドカメラのフラッシュを使いながら撃退するが、この少女役のベイリー・マディソンがとてもきかん気の顔をしていてよかった。
信じてくれない甘ちょろい大人とは比較にならないほど、いい顔をしていた。あとから封印された獣の正体がわかってからは少しがっかりしたが、この少女の奮闘演技に拍手したい。
チラシもエンドロールも3番目にこの子の名前が出てきたが一番最初にすべき。(美)

2010年/アメリカ・オーストラリア・メキシコ/100分
配給:フェイス・トゥ・フェイス、ポニー・キャニオン

★2012年1月21日 シネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.darkfairy.jp/

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しあわせのパン

監督・脚本:三島有紀子
撮影:瀬川龍(J.S.C.)
美術:井上静香
音楽:安川午朗
主題歌:矢野顕子、忌野清志郎「ひとつだけ」
出演:原田知世(水縞りえ)、大泉洋(水縞尚)、 森カンナ(齋藤香織)、平岡祐太(山下時生)、 光石研(未久のパパ)、八木優希(未久)、中村嘉葎雄(阪本史生)、渡辺美佐子(阪本アヤ)、中村靖日(広川のだんなさん)、池谷のぶえ(広川の奥さん)、本多力(郵便やさん)、霧島れいか(未久のママ)、あがた森魚(阿部さん)、余貴美子(陽子さん)

北海道洞爺湖のほとりにある“マーニ”は東京から移り住んだ水縞くんとりえさんが始めた小さなパンカフェ。ここには日々いろんなお客様がやってくる。水縞くんが焼いたパン、りえさんがいれるおいしいコーヒーと料理。二人の心をこめたもてなしに、みんなはほっと息をつき心をあたためて帰っていく。さまざまな想いを抱いてきた人たちとマーニの四季折々の物語。

NHKでドキュメンタリーを数多く手がけてきた三島有紀子監督初の長編作品。矢野顕子、忌野清志郎の「ひとつだけ」にインスパイアされて書き下ろしたという脚本は当初の狙いの「北海道の知られていない魅力を伝えたい」という意図を十二分に実現させています。
水縞くんのほんわかした空気がどこか寂しげなりえさんを包んでいて、ベストカップルです(それにしても原田知世さんは昔から変わらないですねぇ)。観客は訪れる人たちの誰かに自分や親しい人を観る思いがすることでしょう。私は阪本さん夫婦の登場にやっぱりどきりとさせられました。でもここに来たなら大丈夫と安心したのです。湖を見渡せる景観も素晴らしければ、お店の二人と集う人々の交流が暖かくやさしく、こんなところに住みたい!と思ってしまいました。月浦の実在のお店を借りて撮影されたそうです。これはロケ地探索にぜひ行ってみなくてはっ!(白)

2011年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース
(C)2011「しあわせのパン」製作委員会

★1月21日(土)北海道先行 / 1月28日(土)全国ロードショー

公式 HP >> http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/

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DOCUMENTARY of AKB48 show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

監督:高橋栄樹
企画:秋元康
撮影:村上拓
音楽:大坪弘人
出演:AKB48

子どもから大人まで大人気の少女グループAKB48のドキュメンタリー。東日本大震災で被災者となった少女がAKB研究生にも一人いた。被災地を慰問するキャラバンに彼女も特別参加する。被害状況に絶句しながらも、集まってくれた観衆へ笑顔で元気を届ける彼女たち。分刻みで動くスケジュールの中、アイドルのトップに上り詰めた彼女たちは何を手にし、何を失ったのだろうか?舞台裏に密着したカメラは、インタビューに答える屈託のない無邪気なようすとともに、大きなプレッシャーに押しつぶされそうになる小さな背中も映し出す。

「AKB48」といえば、あの数えきれないほどたくさんの少女グループね、くらいの認識で一人ずつCMに登場する子以外はバラになったら全くわかりませ~んな状態でした。しか~し、昨年に続く第2弾のドキュメンタリーを見ますと、一人ずつの個性もちょっとだけわかってきた感じです。華やかな表舞台の裏にある厳しい練習やリーダーとなり、センターの位置をめぐる競争。獲得したらしたで、さらに高まる期待やプレッシャーなど、辛い思いの後に掴むものがあるからこそ彼女たちは挑戦をやめないのでしょう。ファンはもちろん必見!!ファンならずとも彼女たちの頑張りに背筋が伸びる思いをするはず。(白)

2011年/日本/カラー/121分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東宝映像事業部 宣伝:エレクトロ89
(C)2011「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会

★1月27日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.2011-akb48.jp/

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犬の首輪とコロッケと

監督:長原成樹
脚本:稲本達郎
撮影:平尾徹
音楽:川本盛文
出演:鎌苅健太(セイキ)、ちすん(ミチコ)、山口智充(セイキの父)、中村昌也(ヤマト)

大阪の生野区で、毎日コロッケとキムチしか出さない父の子として生まれたセイキ。どうしようもない不良だったセイキは、相棒のタツヤ、ガリ勉のトシ、いつも殴り合う悪友でライバルのヤマトたちと、ケンカに明け暮れ、ついには少年院に入れられてしまう。
 少年院から出て来たセイキは友人達からミチコを紹介される。セイキはミチコの美しさと、前歴もひっくるめて愛してくれる彼女のおおらかさに真面目に生きることを誓う。
芸人の道を志していたタツヤの強引な誘いでお笑いの舞台に立ち、人を笑わせる喜びを覚えたセイキは、本気で芸人を目指していく。

これは長原成樹監督自身の自伝小説を映画化したもの。この作品では暴力=喧嘩=遊びで見ていられた。痛い!とか、これなら死んでしまう!というものは感じなかった。「あ~、この子達、このやり方で、話し合っているんだなぁ」と思った。
山口智充(ぐっさん)の父親が息子たちを男手一つで育てる様が、言葉は少ないが、ちょっと乱暴な温かさで描かれていた。ちすん(ミチコ役)もほんわかしていてよかった。
※<犬の首輪>は在日外国人が常時携帯を義務付けられている外国人登録証のこと。(美)

2011年/日本/カラー/85分/PG12
配給:ファントム・フィルム製作:吉本興業

★2012年1月28日シネマスクェアとうきゅうほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.inukoro.jp/

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イエロー・ケーキ  クリーンなエネルギーという嘘(原題:Yellow Cake: Die Luge von der sauberen Energie)

監督:ヨアヒム・チルナー

イエロー・ケーキ、それは天然のウラン鉱石を精錬して作られる黄色の粉末のこと。これが燃料棒のもととなり、原子炉の中で核分裂して熱を生み、発電機を回す。発電時に二酸化炭素を出さず、再処理を行えば繰り返し使用できることから、ウラン燃料は“クリーン なエネルギー”と言われてきた。これが誤りであることは既に1930年代に明らかになっていたが、隠蔽され続けてきた・・・

本作では、まず、かつてウラン世界第3位の生産高を誇った旧東ドイツ南部の採掘会社ヴィスムート社に焦点をあてる。東西ドイツ統一後、危険地域と指定されウラン生産無期限停止となったが、かつての勤務者の肺癌発生率が異常に高い。稼動していた当時、働いていた人々は採掘後のウラン鉱石が放射能を帯びた有害物質であることを明かされてなかったという。さらに、カナダ、ナミビア、オーストラリアのウラン鉱山で働く人々を撮影拒否にあいながら5年間にわたって取材した映像が映し出される。女性の雇用が法制化されているナミビアの鉱山では、くったくのない笑顔で働く女性たちの姿も目立つ。各地のウラン鉱山で、一抹の不安を抱きながらも生きるために働く人たちに、いったいどれほどの真実が知らされているのだろうか。
オーストラリアには原子力発電所はないが、ウランを世界に輸出して儲けているという。一方、日本には操業中のウラン鉱山はないが、世界のウラン鉱山に東電を始め複数の日本企業が出資している。そして、3.11以降、脱原発を宣言したドイツ・・・ 原発の是非を考えさせられる一作である。(咲)

2010年/ドイツ/デジタル上映/1時間48分
配給:パンドラ
特別協力:東京ドイツ文化センター

◆チルナー監督来日記念 先行有料試写会+シンポジウム
日時:1月25日(水)18:30~
会場:東京ドイツ文化センター
登壇者(予定):ヨアヒム・チルナー監督、鎌仲ひとみ監督他
料金:1500円

★2012年1月28日(土)渋谷アップリンク にてロードショー

公式 HP >> http://pandorafilms.wordpress.com/roadshow/yellow/

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ペントハウス(原題:TOWER HEIST)

監督:ブレッド・ラトナー
脚本:テッド・グリフィン、ジェフ・ナサンソン
撮影:ダンテ・スピノッティ ASC,AIC
音楽:クリストフ・ベック
出演:ベン・スティラー(ジョシュ)、エディ・マーフィ(スライド)、ケイシー・アフレック(チャーリー)、マシュー・ブロデリック(Mr.フィッツヒュー)、ガボレイ・シディベ(オデッサ)

NYマンハッタンの超一等地にそびえ立つ超高級マンション「ザ・タワー」の管理人・ジョッシュは、最上階に住むアーサー・ショウが詐欺容疑で逮捕されたことを知る。
そして、同時にタワーの従業員たちの虎の子の全財産も騙し取られていたことも発覚。彼と従業員は財産を取り戻す計画を立てるが・・・。

マンションは最上階が一番値段が高い。だが、このマンション、嫌、御殿マンションは凄い! 超一流ホテルの広さで最上階のペントハウスはお金模様のプール(これは必見の価値あり)や真っ赤なフェラーリの実物が置いてある。成金趣味バリバリだけど、凄い!のひと言。
 そこの住民でスーパーリッチな生活を送る大富豪アーサー・ショウは、その最上階のペントハウスに住む、最もVIPな居住者だったが、それが身の回りの世話や掃除をする人たちの大切な虎の子も騙し取っていたのだ。
だんだん話しがせこくなってくる。
 使用人たちは財産を取戻そうとプロの泥棒さんに手ほどきを受けるが、そこは素人・・・なかなか物を一つ盗るのも大汗をかいていた。根が善人だからうまく行きっこないと思いながらも、あの手この手で活躍する。「そんなの無理、無理・・・」と考えながらも応援していた。
※実際にこのレベルの一番小さな分譲住宅の値段は最低でも5億円だげな!(名古屋弁)
※撮影に使ったマッハタンのトランプ・インターナショナルホテル&タワーは、ドナルド・トランプ社長から許可が出て撮影された。ロケ地探訪にいってりゃ~す?(また名古屋弁)
※『プレシャス』の主役の超太目少女が、同じ体型で出ていた。(美)

2011年/アメリカ/カラー/104分/ドルビーSRD
配給:東宝東和

★2月3日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://penthouse-movie.com/

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LAマザーファッカーズ(原題:I'll be there with you)

監督:北村昭博
脚本:北村昭博
撮影:ジョン・バー
音楽:バラク・モフィット
出演:北村昭博(アキ)、アダーシャ・ベンジャミン(アニー)、ダニエル・ボールドウィン(コンスタンティン)

ロサンゼルスに住むカップル、アキとアニーは友人4人と共にサンディエゴの旅を楽しんでいた。泊まるところは、2年前に顔見知りになった男性コンスタンティンの家。
食事の後、アキたちは、アニーとジルとジョンの3人を残して、夜のディスコに繰り出していった。 アキはディスコで、若くて綺麗な(虚言癖のある)女と意気投合して最高の夜を過ごしたが、一方、アニーたちは・・・。

 主役を演じるのは、『ムカデ人間』の先頭者・北村昭博! 彼の初監督作品。
冒頭から、凄いシーンで、おぉっ!となってしまった。彼の知らないところで事件が2つ起こっているが、そのつなぎ方が面白く、納得がいく展開だ。
この監督さんの女優さんチョイスの目は確かだ。3人出てくるが(どっちかというと日本人好み)、三人三様性格も違い、体も声もいい。
アキ本人も本音は大阪弁、口説くのは甘く英語で・・・その台詞もいいし、字幕も◎。 DVD同時発売の『ムカデ人間』ともどもご覧いただきたい。

2006年/アメリカ/カラー/92分/16×9ビスタ/日本語字幕
発売:トランスフォーマー

★2012年2月3日『ムカデ人間』と同時 DVD発売

ハリウッドで愛をさけぶ!! 北村昭博 オフィシャルブログ>> http://ameblo.jp/akihiro-kitamura/


※2011年の夏に『ムカデ人間』を観たが、そのときの感想も。

『ムカデ人間』トム・シックス監督・脚本/オランダ、イギリス合作

森の中の広大な屋敷に住むヨーゼフ・ハイター博士はシャム双生児分離手術のエキスパートである元外科医。彼の夢は複数の人間の口と肛門をつなぎ合わせてムカデ人間をつくることだった。
旅行者を麻酔銃で麻痺させて誘拐。自宅手術室でムカデのようにつなげていく。もちろんそのままつなげて生活させたいと願っている・・・。

今回、誘拐してきたのは男一人、女二人。女は若いアメリカ人女性で友人同士、男は日本人。
それも日本語しか話せないヤクザ者。(この作品で有名?になったハリウッド在住の北村昭博さんで、最後、観念した彼の台詞が泣かせる)
人間の口と肛門をつなげて行く奇怪さがたまらなく面白い。だが、よくこんな作品に男ならともかくも美しい女優さんが・・・。エライ覚悟がいっただろう。
終わってからパンプレットの売り場に、さっと12、3人が並んだ。悪趣味?ではあるが、完成度は高く役者も厳選されていた。(美)

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レイトオータム(英題:Late Autumn)

監督: キム・テヨン
出演: ヒョンビン(『百万長者の初恋』『まわし蹴り』「シークレット・ガーデン」「私の名前はキム・サンスン」)、タン・ウェイ(『ラスト、コーション』)

暴力を振るう夫を誤って殺してしまい収監されて7年になるアンナ。母が亡くなり葬儀のために72時間だけ外出を許される。シアトルへ向かうバスに、誰かに追われているらしいアジア系の若い男が乗ってくる。同じアジア系のアンナにバス代を貸してほしいと頼む男。仕方なくお金を貸すアンナ。借金のカタにと強引に腕時計を押し付ける男。その後も男は必要以上に調子よく話しかけてくる。長い刑務所生活で久しぶりの異性との会話に戸惑うアンナ。やがて霧深いシアトルの町に着く。男から渡された電話番号を書いた紙をゴミ箱に捨ててしまうアンナだが、街で思わぬことで男に再会し助けられる。その後、男は葬儀の場に花を持って現れる・・・

1966 年のイ・マニ監督作品『晩秋』(フィルム遺失)のリメイク。これまでに、韓国国内で『肉体の約束』(1975 年イ・ギヨン監督)、『晩秋』(1981 年キム・スヨン監督)と2度リメイクされたほか、日本でも1972 年に斎藤耕一監督が『約束』のタイトルで岸恵子と萩原健一競演で製作しています。残念ながらオリジナル作品もその後のリメイク作も観ていないので、逆に先入観なしに新鮮な思いで観ることができました。
男フンはアメリカに来て2年。なんとか英語も上達し、寂しい女性たちのエスコートをして生計をたてている。一見軽そうだけど、ホストとしてアメリカで生きるつらさを秘めた男を楽しそうに演じているヒョンビン。軍隊の中でも訓練がハードなことで有名な海兵隊に志願して入隊した骨太なヒョンビンですが、本作では、私の大好きなドラマ「私の名前はキム・サンスン」の軽やかなイメージ。また、成り行きでDV夫を殺してしまった哀しい思いを抱えたアンナを演じたタン・ウェイは、『ラスト、コーション』とまた違った愁いのある雰囲気をかもし出していて好演。なんとも切ない恋物語。(咲)

2010年/韓国・香港・米/113分/カラー
配給:スプリングハズカム

★2012年2月4日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、他にて公開

公式 HP >> http://www.sumomo.co.jp/lateautumn/

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最高の人生をあなたと(原題:TROIS FOIS 20 ANS)

監督:ジュリー・ガヴラス
脚本:ジュリー・ガヴラス、オリヴィエ・ダザ
撮影:ナタリー・デュラン
音楽:ソディ・マルシシェヴァー
出演:イザベラ・ロッセリーニ(メアリー)、ウイリアム・ハート(アダム)、ドリーン・マント(ノラ)、ケイト・アシュフィールド(ジュリア)、エイダン・マクアードル(ジェイムズ)

ロンドンに住むメアリーとアダムは結婚生活30年を迎える。3人の子どもたちもそれぞれ巣立ち、孫にも恵まれた。高名な建築家で今も後進の指導にあたるアダムは今も忙しい。若い女性たちとの付き合いも多いアダムは服装も変わって、老いなど認めようとしない。
一方、忍び寄る老いの影に不安のあるメアリーは、有り余る時間にボランティアをと出かけるが、スタッフの対応に腹を立てる。今までの自分の生活や夫とのこれからに疑問がわいてくるのだった。


(C)2010 Gaumont - Les Films du Worso - Late Bloomers Ltd

同世代の話なので、身につまされるやらおかしいやら。生活に不自由なく幸せそうに見えていても、悩みは生まれるものです。特にイザベラ・ロッセリーニは輝く美貌の持ち主でしたから、男性から一人の女性とみなされないことに寂しくなるこの役柄はぴたり。冒頭の会場から出て一人ホールの椅子に座っているシーンは、まるで宝石の広告映像のように美しいです。そんな彼女が男性にちょっと注目されたいと、シャツのボタンを一つずつ外していったり、しみじみと鏡を眺めたりするシーンなど、ただのおばさんの私でも「わかるわかる」と頷いてしまいます。二人の脱線も長い夫婦生活の中でみればほんの寄り道なのかもしれません。終わりよければ全てよし。(白)

2011年/フランス、ベルギー、イギリス/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アルバトロス・フィルム

★2月4日(土)より Bunkamuraル・シネマ にてロードショー

公式 HP >> http://saikou-jinsei.com/

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ビーストリー(原題:BEASTLY)

監督・脚本:ダニエル・バーンズ
原作:アレックス・フリン
撮影:マンディ・ウォーカー
プロダクションデザイン:ラスティ・スミス
音楽:マーセロ・ザーヴォス
出演:ヴァネッサ・ハジェンズ(リンディ・テイラー)、アレックス・ペティファー(カイル・キングソン)、メアリー=ケイト・オルセン(ケンドラ)、ピーター・クラウス(ロブ)、リサゲイ・ハミルトン(ゾラ)、エリック・ヌードセン(テリー)、ダコタ・ジョンソン(スローン)、ニール・パトリック・ハリス(ウィル)

セレブな父を持ち、ハンサムで人気バツグンの男子高校生カイルは、魔女とあだ名のあるケンドラを軽い気持ちでからかってしまった。ケンドラは彼に呪いをかけ、自慢の容姿を心がそのまま現れた醜い姿に変えてしまう。元に戻してもらいたいと懇願するカイルに「一年以内に真実の愛を見つけること」と答える。父親は彼を一人別のマンションに住まわせ、家庭教師と家政婦を雇う。顔を隠して外出したカイルは、これまで自分をちやほやしていた人間の本音を聞き、ようやく自分を見つめていたリンディに気付いた。

「美女と野獣」を現代に置き換えたストーリー。慢心して人を傷つけても気付かないカイルは醜悪な姿に変えられてしまいますが、このビジュアルが凄い!作るには時間かかりそうですが若い人たちには受けるかも。ヴァネッサ・ハジェンズは「ハイスクール・ミュージカル」(テレビ版&映画)から5,6年経ちましたが、芯の強い女生徒が似合います。高慢なカイルが成長していく過程もいいです。
雰囲気が独特なメアリー=ケイト・オルセンはプロデューサー業もやれば、自分のファッションブランドも展開している才女。ミステリアスなケンドラのサイドストーリーが観たくなりました。(白)

2011年/アメリカ/カラー/86分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:ファイン・フィルムズ
(C)2011 CBS FILMS INC

★2月4日(土)より新宿武蔵野館ほかにて“バレンタイン” ロードショー!

公式 HP >> http://www.finefilms.co.jp/beastly/

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人生はビギナーズ(原題:Beginners)

監督:マイク・ミルズ
脚本:マイク・ミルズ
撮影:カスパー・タスセン
音楽:ロジャー・ネイル他
出演:ユアン・マクレガー(オリヴァー)、クリストファー・プラマー(ハル)、メラニー・ロラン(アナ)、ゴラン・ヴィシュニック(アンディ)

38歳独身のオリヴァーは母が亡くして5年になる。ある日、ガンの宣告を受けた父から、ゲイであることをカミングアウトされる。
驚いたオリヴァーは事実を受け止められず、こともあろうに、愛し合っていた恋人・女性アナとの関係も終わらせてしまう。だが、真実を告白した父は、残された人生を謳歌していた・・・。

GAP、NIKEのCMなどを手がけているマイク・ミルズ監督自身の実話。
ストーリーも面白そう・・・。突然、父親にゲイとカミングアウトされたらどうだろう・・・、すごくショックだろうなぁ。映画では立ち直りが早かったが、映画を作るまでの葛藤はきっと何をやっていても頭から離れなかったと思う。
監督はこれが多分(日本で公開されている)2作品目で、前作は『サムサッカー』。この作品の指を吸う青年がユアン・マクレガー扮するオリヴァーに重なった。(もちろん『サムサッカー』は彼の体験ではないが)
ユアン・マクレガーのぼんやり悩む?雰囲気が格別だった。アナ役のメラニー・ロランも美しい!前向きに生きようと変化してく人々の姿を静かに見守っている作品。(美)

2010年/アメリカ/カラー/105分/ビスタサイズ
配給:ファントム・フィルム、クロックワークス

★2月4日より新宿バルト9、TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開

公式 HP >> http://www.jinsei-beginners.com/

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日本列島 いきものたちの物語

監督:出田恵三
撮影:岩合光昭、嶋田忠、中村政夫、渕上拳、他
音楽:服部隆之
編集:澤村宣人
ナビゲーター:相葉雅紀、長澤まさみ、ゴリ(ガレッジセール)、黒木瞳

日本列島に生息するいきものたちの生態を、北は北海道・稚内から南は沖縄・西表島まで、全国20都道府県約30カ所で2年半にわたり撮影をおこなった日本初の自然ドキュメンタリー。

日本も捨てたものじゃないんだ!が私の一番最初に思った感想。
いきものの家族、仲間を守ろうとする愛を、ずっしりと感じた反面、厳しさも描かれていた。孤児になった子猿のメダカを寄せつけない他の猿家族、ひぐまの兄弟の別れ、ちょっと私の胸がチクっとなった丹頂鶴の夫婦愛。
ナビゲーターはやはり黒木瞳が声に温かみがあり一番よかった。昨日観た『ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オ・ザ・ウォーター』にも黒木瞳が出ていた。好みの女優さんでなかったが、この二日間で黒木瞳を見直した。 (美)

2011年/日本/カラー/95分
配給:東宝

★2012年2月4日より東宝系にて全国ロードショー公開

公式 HP >> http://www.nihon-rettou.jp/

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荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE

監督:飯塚健
脚本:飯塚健
撮影:相馬大輔
音楽:海田庄吾
出演:林遣都(市ノ宮行・リク)、桐谷美玲(ニノ)、小栗旬(村長)、山田孝之(星)、徳永えり(ステラ)上川隆也(市ノ宮積)

大企業の御曹司・市ノ宮行は恐れている父・積から荒川地区再開発の妨げとなっている不法占拠者を一掃しろと命じられた。
荒川に行ってみた行は荒川河川敷の住民ステラと鉄男、鉄郎に「ボンタン狩りじゃ~!」と襲われ、ズボンを奪われ川に落とされてしまった。だが、そこに自らを「金星人」と名乗る金髪ジャージ姿の美少女ニノに助けられる。
“他人に借りを作るな”の家訓に従い、ニノの申し出「私に恋をさせてくれ」によりニノと恋人になる行だった・・・。

素敵なお尻ラインの林遣都、口元への字の桐谷美玲、しばらく小栗旬とわからなかった河童くん、表情豊かな山田孝之…みんな荒川河川敷ではじけていた。
隠された秘密が下敷きになっていて最後ホロリとなる。若手芸達者・徳永えり『春との旅』の悪評(私だけの)をはじき飛ばしてくれた。脚本、音楽、美術◎ (美)

2012年/日本/35mm/115分/ビスタサイズ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

★2012年2月4日より新宿ピカデリー、シネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://autb.jp/

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ハンター(原題:THE HUNTER)

監督:ダニエル・ネットハイム
脚本:アリス・アディソン
撮影:ロバート・ハンフリーズ
出演:ウィレム・デフォー(マーティン)、フランシス・オコナー(ルーシー)、サム・ニール(ジャック)

凄腕のハンターのマーティンはとあるバイオテクノロジーの企業の依頼でタスマニア島を訪れた。
目的はタスマニアタイガーの生体サンプルを採取すること。困難を極める任務で未開の地に踏み入れたマーティンは、ベースキャンプ代わりの民家に住む女性とその子供たちに心を通わせていく。

大自然が広がるタスマニア。これを観るだけでも価値があると思い試写に行った。どうして生体サンプルがほしいかと思ったらタスマニアタイガーには獲物を麻痺させるものを体に持っているからだ。それを研究するために躍起になっている。 圧倒的なスケールと緊迫感をもたらしてくれる。最後の彼の決断や子どもに対する愛が、この作品をぐっと身近なものにしてくれた。
※『アンチクライスト』の映画は好みではなかったが、孤独な影のある個性派俳優ウィレム・デフォーに痺れた。 (美)

2011年/オーストラリア/カラー/110分/シネマスコープ
配給:ブロードメディア・スタジオ

★2012年2月4日(土)丸の内ルーブル他全国順次公開。

公式 HP >> http://hunter-movie.jp/

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タンタンと私(原題:Tintin et Moi)

監督:アンダース・オステルガイド
脚本:アンダース・オステルガイド
撮影:サイモン・プラム
出演:エルジュ(ジョルジュ・レミ)、ヌマ・サドゥール、マイケル・プァー、ハリー・トンプソン、アンディ・ウォーホール、他

世界中で愛され親しまれているキャラクター・タンタン。その生みの親であるベルギーの漫画家エルジェが、タンタンをいかに作り出したかを本音で語っている。
このインタビューは約30年前のものだが、しゃべりすぎた為に今まで公表されなかった。 そのインタビューを中心に、タンタンを描くエルジェの姿やインスピレーションの源となった中国人チャン氏の感動の再開、彼をよく知る人のインタビュー・フィルムなどが集められている。


偶然にも、すぐ前に観た作品も芸術家のドキュメンタリー『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』だったので、どうしても見比べてしまった。
はっきり言えばお客さんは『グレン・グールド』の方にたくさん入ると思うが、『タンタンと私』のほうがドキュメンタリーとしての作りは上だと感じた。 エルジェの本物の声のテープとニュース映像を駆使して作ってあるが、エルジェの写真を縁取りしてそれを工夫し、まるで、そこに彼自身が息を吹き返して生きているように見せてくれた。
エルジェの人生も、グレン・グールドの人生も表面から窺い知れない悲哀があった。もう一度みたい作品。

※12月1日に公開するスティーヴン・スピルバーグ監督『タンタンの冒険 ★ユニコーン号の秘密★』とあわせて、エルジェの人生を克明に描いたこのドキュメンタリー『タンタンと私』も是非ご覧ください。(美)

2003年/デンマーク、ベルギー、フランス、スイス、スウェーデン/カラー/75分
配給:アップリンク

★2012年2月4日(土)、渋谷アップリンク、銀座テアトルシネマ、新宿K'sシネマ他、全国順次公開

アップリンク HP 関連記事>> http://www.uplink.co.jp/tintin/

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アコースティック

監督: ユ・サンホン
出演:シン・セギョン、イム・スロン(2AM)、イ・ジョンヒョン(CNBLUE)、カン・ミンヒョク(CNBLUE)、ペク・ジニ

ラーメンを食べないと生きられない不治の病に侵されたシンガーソングライターのセギョン(シン・セギョン)。彼女は自分が作った歌を世の中に伝えようとして病院を抜け出す。だが、セギョンの歌は人々の心をなかなか掴むことができない。彼女の焦りとともに病気も深刻になっていく。
 セギョンの知人が訪れたライブハウスで演奏するロックバンド「タージマハル」のソンウォン(イ・ジョンヒョン)とヘウォン(カン・ミンヒョク)。だが彼らの音楽は客から受け入れられず、店を追いだされる。生活のため仕方なくギターを売ろうと決心するが、へウォンはギターを売りに行く途中、空腹に耐えられず、パン屋に寄ってギターを失くしてしまう。
 30年後、音が武器となり音楽が消えてしまった未来。海賊テレビで「タージマハル」のライブが放送されている。音の研究をしている大学生ジフ(イム・スロン)は、ちょっと変わった少女ジニ(ペク・ジニ)と出会うが、ジニは博物館に飾られているiPhoneを持っていた。ジニを通じて音楽を知ったジフは、しだいに音楽と彼女への思いが深まっていく。音楽に青春をかけた彼らの物語が始まる…。(作品資料より)


『アコースティック』の舞台挨拶で初々しく笑顔をふりまくイム・スロン

音が武器となり音楽が消えてしまった30年後の未来に、音の研究をしている大学生を演じたイム・スロンくんが、1月16日に行われたプレミア試写会で舞台挨拶に立ちました。「2AMのほかのメンバー2人にどうだった?と電話したら、30秒位ずっと笑ってました」と発言。「映画が楽しかったのか、自分が可笑しかったからなのか」とのことでしたが、どうやら楽しそうな映画のようです。(映画は未見で、コメントできません。咲)

2010年/韓国 / HD / Color / 88min 
配給:シネマスコーレ&キノアイジャパン

★2012年2月4日(土)“トキメキ”のロードショー! K’s cinema、第七藝術劇場、シネマスコーレ にて

公式 HP >> http://acoustic-movie.com/

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キツツキと雨

監督:沖田修一
脚本:沖田修一、守屋文雄
撮影:月永雄太
美術:安宅紀史
出演:役所広司(岸克彦)、小栗旬(田辺幸一)、高良健吾(岸浩一)、古舘寛治(鳥居)、山崎務(羽場敬二郎)

人里離れた山間の村。木こりの岸克彦は、毎朝、早くから仲間と山林に入り、木々を伐採して生計を立てていた。妻に先立たれ、今は定職に就かずにふらふらしている息子の浩一と2人暮らし。
ある日、こんな山深い場所に、ゾンビ映画の撮影にやってきた映画監督の田辺幸一と助監督の鳥居に偶然に会い、なんだかんだと言いくるめられて撮影に協力するハメになった克彦だったが・・・。

去年の東京国際映画祭で唯一日本からコンペティション部門に出品され、審査員特別賞を受賞した作品。
監督は『このすばらしきせかい』『南極料理人』の沖田修一。彼の作品の守り神でもある古舘寛治も万年・助監督役で冒頭から登場している。
ひょんなことから撮影に協力するはめになったが、他人事みたいに立っているだけの監督に「君、いったい誰?ぼーっとしていないで手伝わないか。君が一番若いんだろ?」と意見するところなど、思わず笑ってしまった。
かわいい子ちゃんが出てくる恋の話などないが、新米監督の「スタート!」の声がだんだん大きくなる様子、大笑い確実の役所・ゾンビ、痔持ち大御所俳優を演じる山崎務も見逃せない。老若男女、誰でもが楽しめる日本映画だ。(美)

2011年/日本/カラー/129分
配給:角川映画

★2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.kitsutsuki-rain.jp/

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ポエトリー アグネスの詩(原題:Shi(詩)英題:Poetry))

監督:イ・チャンドン
脚本:イ・チャンドン
撮影:キム・ヒョンソク
衣装:イ・チュンヨン
出演:ユン・ジョンヒ(ミジャ)、イ・デビッド(ジョンウク)、キム・ヒラ(カン老人)

 遠く釜山で働く娘の代わりに、中学生の孫息子を育てている初老の女性ミジャ。このごろ忘れっぽくなり、医者からアルツハイマー初期と言われる。
だが、彼女はどこまで病を理解しているのか、たまたま通りがかりに詩作教室を見つけ、詩を書いてみたいと思い立つ。
そんな彼女に追い討ちをかけるように、孫にまつわる大変な出来事が起こり、あまりにも厳しい現実と精神状態の中、彼女は意外にも詩作の世界に迷い込んでいくのだった。

最初のシーンから印象的だった。大きな川に流れて来る死体が映っているのだ。これは彼女ミジャと係わりないように見えるが、これが後に生きてくる。
カルチャーセンターの詩作の教室の彼女、自宅で孫に小言をいう彼女、孫の仕出かした事件で奔走する彼女、週3日介護の仕事をする彼女・・・私なら発狂するかも知れない設定を「半分ぼけているから?嫌、そんなら詩作はできまい・・・」などと思いながら観ていた。
同じ65歳だから非常にわかるところと反対に理解できないところもあった。
辛い状況であるべきなのにおしゃれして、しゃなりしゃなり歩く様は正視に堪えられなかったが、彼女は何もかも超越して詩の世界に入り込んでしまったのだろう。
主役のユン・ジョンヒ(パリ在住で16年ぶりの復帰)と介護されている老人(キム・ヒラ)の風呂場セックスシーンは見事だった。
※生活保護を受けている設定だが、今の日本ならこの暮らしで生活保護はうけられまい。ましてや、おしゃれして外出しようものなら、近所の噂が飛び交うのが現実。韓国の生活保護の実情が知りたくなった。(美)

2010年/韓国/カラー/139分/ドルビーSRD
配給:シグロ/キノアイ・ジャパン

★2月11日より銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館他にて全国順次公開

公式 HP >> http://poetry-shi.jp/

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はやぶさ 遥かなる帰還

監督:瀧本智行
脚本:西岡琢也
撮影:阪本善尚
音楽:辻井伸行
美術:若松孝市
出演:渡辺謙(山口駿一郎)、 江口洋介(藤中仁志)、 夏川結衣(井上真里)、 小澤征悦(鎌田悦也)、吉岡秀隆(森内安夫)

2003年5月9日、鹿児島内之浦宇宙空間観測所。小惑星探査機「はやぶさ」を搭載したロケットが発射された。
緊張の面持ちで見守っていた山口教授は、これからスタートする壮大なプロジェクトに対し決意を新たにしていた。
そして2005年、小惑星「イトカワ」の姿をとらえたはやぶさはタッチ・ダウンに成功するが、化学エンジンの不良や姿勢制御が不能になるなどのトラブルに見舞われてしまう・・・。

この<はやぶさ >、私は瀧本監督だから観たかった作品。地味作りだが、脚本がよく感動押し付けもなかった。
宇宙開発センターはいろんな企業、研究者の研究の場であり、各々の立場のせめぎあいの場でもあることを教えてくれた。
彼らが<はやぶさ>帰還のために気持ちを一つにするまでの道のりが、簡単ではなかった現実をちゃんと見せてくれた。
下町工場の手書きに近い設計図からはじまる<はやぶさ>誕生から、燃え尽きるまでを、観ている一人ひとりの知の探求心をかきたてながら進行させていく展開は見事だった。
山崎務扮する町工場社長と古い町工場の佇まいがとても人間臭く感じた。(美)

2012年/日本/カラー/136分
配給:東映

★2月11日より東映系映画館にて全国ロードショー公開 ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.hayabusa2012.jp/index.html

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ニーチェの馬(原題: A TORINOI LO(トリノの馬) 英題: THE TURIN HORSE)

監督:タル・ベーラ(『サタンタンゴ』『倫敦から来た男』)
脚本:タル・ベーラ、クラスナホルカイ・ラースロー 
撮影:フレッド・ケレメン
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
出演:ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ

19世紀末のドイツの哲学者ニーチェ。1889年、イタリアのトリノを訪れていたニーチェは、御者に鞭打たれて疲れきっている馬を見かけて駆け寄り、その馬の首を抱いたまま発狂したという。本作は、脚本家クラスナホルカイ・ラースローが1985年に劇場でニーチェの物語を朗読した最後に投げかけた「その馬はどうなったのだろう」という疑問に感動したタル・ベーラ監督がラースローと共に描いたその後の馬の物語。
馬の飼い主の男は貧しく、娘と共に荒野の一軒家に住んでいる。この家の唯一の収入源は荷馬車だが、馬は日に日に弱っていき仕事にならない。ついに飼い主は馬と娘を連れて家を出るが、吹きすさぶ風に道のりは険しい・・・
本作で描かれているのは馬が亡くなるまでの6日間。聖書の創世記で神が6日間でこの世界を創造したと書かれているのに対し、6日の間に少しずつ何かが失われ終末を迎えることを語っている。人間誰しも最後は静かな孤独を迎え消えていくことを監督は問いかけたかったという。

風が激しく吹き荒れる中、井戸に水を汲みに行く娘。どんな日にもこなさなくてはならない営み。台詞をほとんど廃し、ひたすら男と娘と馬の日常を追った154分。モノクロ映像の美しさは絶品だが、生きることの厳しさがぐっと迫り息苦しくなった。終始風が唸り、忍耐を要求される作風にアミール・ナデリ監督の『水、風、砂』を思い起こした。(咲)

2011年/ハンガリー・フランス・スイス・ドイツ/モノクロ/35㎜/1:1.66/ドルビーSRD/154分
配給:ビターズ・エンド

★2012年2月11日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!

公式 HP >> http://www.bitters.co.jp/uma/

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トーキョー ノーザンライツ フェスティバル2012北欧映画の1週間

2012/02/11 sat - 17 fri
ユーロスペース & アップリンク

今年も真冬のこの時期に、北欧にどっぷり浸かれるイベント盛りだくさんの映画祭が渋谷にて開催されます。
 アイスランド出身のフリドリック・トール・フリドリクソン監督の特集や、直輸入の初公開作品、更には今や有名監督になったトマス・ヴィンターベア、ベント・ハメール、ラース・フォン・トリアーらの長編デビュー作の特別上映もあります。
 その他の作品もコメディ、ホラー、ファンタジー、ドキュメンタリーとあらゆるジャンルが揃っていて注目です。是非、温かい格好をして、渋谷に足をお運びください。


  マンマ・ゴーゴー             ネクストドア/隣人

シンプル・シモン                  魔女    

チケット:前売り 1回券 1300円(Pコード 463-314)
         3回券 3600円(Pコード 463-315)
     当日  1回券 1500円 学生・シニア・ユーロスペース会員 1200円
         3回券 3900円

公式 HP >> http://www.tnlf.jp/

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メランコリア(原題:MELANCHOLIA)

監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
撮影:マヌエル・アルベルト・クラロ
衣装:マノン・ラスムッセン
出演:キルスティン・ダンスト(ジャスティン)、シャルロット・ゲンズブール(クレア)、アレクサンダー・スカースガード(マイケル)、キーファー・サザーランド(ジョン)、ジョン・ハート(デクスター)

巨大惑星メランコリアが地球に接近する中、ジャスティンは披露結婚宴を催す。妹を気遣う姉クレアとその夫は、所有する屋敷で盛大な披露宴は開いてくれるが、花嫁のジャスティンはどこか空虚な表情だった・・・。


(C)2011 Zentropa Entertainments ApS27

ラース・フォン・トリアー監督の最新作。『アンチクライスト』はイマイチ好みでなかったが、これは、すぐ前に観た『ヒミズ』も寄せつけないほど緊張感のある作品だった。
まず、不安な気持ちにさせられるのだ。結婚するんだから、幸せじゃないんかい?と聞いてみたくなるほどだったが、この始まりの不安感+不気味に、はまってしまった。 最初の不安感が最後で納得できたが、こんな悲観的なのいや~、特にいろんなことの起こった日本では悲しすぎる・・・と思いながらも、とっぷりとある種の恍惚感もちゃんと感じられるから、不思議な映画だった。
ジャスティンを演じたキルステン・ダンストの不安オーラと地球に異常接近して来るメランコリアを、もう一度大画面で観てみたい作品。 (美)

2011年/デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ/カラー/135分/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ

★2月17日よりTOHOシネマズみゆき座他にて全国ロードショー

公式 HP >> http://melancholia.jp/

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TIME タイム(原題:IN TIME)

監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:ロジャー・ディーキンス ASC/BSC
音楽:クレイグ・アームストロング
衣装:コリーン・アトウッド
出演:ジャスティン・ティンバーレイク(ウィル・サラス)、アマンダ・セイフライド(シルビア・ワイス)、オリヴィア・ワイルド(レイチェル・ワイス)、カリアン・マーフィ(レイモンド・レオン)

現代の社会に似た近未来の世界。科学の進化により老化は完全に無くなり、すべての人間は25歳で成長がストップするようになった。
そこでは、唯一“時間”が通貨になる。25歳になるとすべての人間の左手に刻まれたボティ・クロックが起動して、余命時間がカウントダウンする。

近未来も金持ち、貧乏の仕組みは変わらない。それを命と引き換えだから切ない。
貧乏人は「あと三日分の家賃をはらったら、2時間しかない。働きにも行けないから5時間かして」とせちがないやり取りがある。
でもこれをお金に置き換えると「携帯代払ったら、昼飯代なくなってしまった!今月、五千円かして…」など考えたら今も一緒。なんだか身につまされる内容だった。
 金持ちはめちゃめちゃ時間持ちで120年分とかで、中産階級はないみたい。(実際、この普通?レベルの家庭が、病気や離婚などのアクシデントで転落しているから、一番不安定階級かもしれない)大金持ちとその日暮らしの2パターンで、地域も区切られていて行き来できない。
 試写でいただいたプレス資料によると、スラム・ゾーンでは、マックに入ってフライドポテトとコーヒーを飲めば約8分、一ヶ月の家賃36時間、一ヶ月の電気代8時間、バス代2時間、公衆電話1分・・・。
反対のリッチ・ゾーンでは、高級車59年、高級ホテル一泊2ヵ月・・・もう勝手にやってくれって感じ。
 スラム・ゾーンでいくら賃金がでるか知らないが、日本のマックはコーヒー100円、それが4分だから1分2.5円。公衆電話は1分だから、2.5円、日本より安い。家賃が36時間(2160分)×2.5=5400(円)・・・やす!計算機片手にアホな計算しちまった!(美)

2011年/アメリカ/カラー/109分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:20世紀フォックス映画

★2012年2月17日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他にて全国ロードショー。

公式 HP >> http://www.foxmovies.jp/time/

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汽車はふたたび故郷へ(原題:CHANTRAPAS(歌わない子))

監督・脚本:オタール・イオセリアーニ
撮影:ライオネル・カズン(グルジア)、ジュリー・グルンバウム(フランス)
出演:ダト・タリエラシヴィリ、ビュル・オジェ、ピエール・エテックス

旧ソ連時代のグルジア。友人たちと幸せな少年時代を過ごしたニコは夢を叶えて映画監督になり、国家が管理する中でも精一杯映画作りに励んでいた。完成した映画が検閲官の怒りを買い、さらに、上映禁止になった映画を持ち出したことから投獄されてしまう。グルジアでは思うように映画が作れないと、祖父たちの後押しもあってニコはパリに赴く。しかし、フランスでもプロデューサーたちが何かと口出しをして編集まで変えられてしまう。なんとか再編集して完成させるが、映画の反応は今ひとつ。ここも自分の居場所じゃない。ニコは汽車に乗り故郷を目指す・・・


©2010 Pierre Grise Productions

グルジア出身のイオセリアーニ監督の自伝的物語。社会主義国家だったグルジアでも、自由に思えるフランスでも、どこにいても何らかの制約があるのが世の常。その中で自分をいかに貫くか・・・ 冒頭、試写室で幼馴染みのバルバラとルカの二人に映画を見せる場面がある。美しいマーガレットの花が咲き乱れる大地をブルドーザーが整地していく。「カットしないと面倒なことになるわよ」と指摘されても「切らない」と笑顔で答えるニコ。信念を持って、目的を達することの大切さを教えてくれる素敵な作品。
どんな環境にあっても自分自身でいたい! そして、人生の中で自分を支えてくれる家族や友人たちを大事にしたい!

2010年/フランス=グルジア/ドルビーデジタル/126分
後援:グルジア大使館
配給:ビターズ・エンド

◆『汽車はふたたび故郷へ』公開記念

オタール・イオセリアーニ映画祭2012
開催期間:2012年2月4日(土)~2月10日(金)
場所:オーディトリウム渋谷

(1)『四月』1962-2000 モノクロ/48分

(2)『歌うつぐみがおりました』1970 モノクロ/82分

(3)『蝶採り』1992 カラー/118分
(4)『群盗、第七章』1996 カラー/122分
(5)『素敵な歌と舟はゆく』1999 カラー/117分  ※特別上映
(6)『月曜日に乾杯!』2002 カラー/127分  ※日本最終上映

(7)『ここに幸あり』2006 カラー/121分


上映スケジュールなど詳細 →  http://a-shibuya.jp/archives/2283

★2012年2月18日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー!

公式 HP >> http://bitters.co.jp/kisha/

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ピナ・バウシュ 夢の教室(原題:Tanztraume - Jugendliche tanzen Kontakthof von Pina Bausch)

監督:アン・リンセル
撮影:ライナー・ホフマン
音楽:ウーヴェ・ドレッシュ、トーマス・ケラー、他
編集:マイク・シュレマー
出演:ピナ・バウシュ、ベネディクト・ビリエ、ジョセフィン=アン・エンディコット

世界的な舞踏家ピナバウシュのもとに、40人のティーンエイジャーが集まった。 演劇好きな少年、ロマの子、愛する身近な人を亡くした子、ヒップホップをしていた子・・・。
やっていたことも家庭の事情も違う、ましてやピナの名前すら知らない彼らに共通するのは<ダンスを習った経験がないこと>だった。
10ヶ月後に、ピナバウシュの代表作「コンタクトホープ」に立つこと。 この挑戦を実現するため、毎週土曜にピナバウシュの弟子でもあるベネディクトとジョーによる猛特訓が始まるのだった。

ピナ・バウシュ自身が指導するシーンなどをおさめた生前最後の公式映像。一人ひとりに踊り方を教える以上に、同列になって語りかけて、その中から何かしら提言する姿勢にうたれた。
『トーク・トゥー・ハー』の最初の場面で踊っているのがピナ・バウシュご本人と聞いて、すぐにDVD屋に駆けつけたが貸し出し中だった。3日おいてもう一度行ったら、あった! 最初の相当長い間、踊っていた・・・ひたすら踊っていた。
ピナが生徒たちに「相手に触れなさい!」となんども言っていた。ピナが言っていた<他者との触れあう>意味を彼女の身体表現から理解できた。
※『トーク・トゥー・ハー』は2002年公開のスペイン映画。 監督・脚本はペドロ・アルモドバルで、第75回アカデミー賞・脚本賞を受賞している。 (美)

2010年/ドイツ/カラー/89分/HD
配給:トランスフォーマー

★3月3日ユーロスペース、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.pina-yume.com/

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第7回大阪アジアン映画祭(Osaka Asian Film Festival 2012)

毎年春3月、「大阪の街を元気に!」を合言葉に開催されてきた大阪アジアン映画祭。 第7回となる今回は、2012年3月9日(金)~18日(日)の10日間にわたって開催され ます(プレイベントも、3月3日から先行開催)。

第7回大阪アジアン映画祭

会期:2012年3月9日(金)~18日(日)

オープニング:3月9日(金)(場所:梅田ブルク7)
『道~白磁の人~』<ワールドプレミア>
2012年/日本映画/2時間(予定)/配給:ティ・ジョイ/
http://hakujinohito.com/

監督:高橋伴明 原作:江宮隆之 脚本:林民夫
出演:吉沢悠、ペ・スビン、酒井若菜、石垣佑磨、塩谷瞬、黒川智花、近野成美、チョン・ダヌ、チョン・スジ、市川亀治郎、堀部圭亮、田中要次、大杉漣、手塚理美


© 2012「道~白磁の人~」フィルムパートナーズ

公式 HP >> http://www.oaff.jp/

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