女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
過去の映画作品紹介(2012年)
2012年4月28日〜
2012年4月20日, 21日〜
2012年4月14日〜
2012年4月7日〜
2012年3月31日〜
2012年3月24日〜
2012年3月16日, 17日〜
2012年3月9日, 10日〜
2012年3月1日, 2日, 3日〜
2012年2月25日〜
2012年2月17日, 18日〜
2012年2月11日〜
2012年2月3日, 4日〜
2012年1月27日, 28日〜
2012年1月21日〜
2012年1月13日, 14日〜
2012年1月7日〜
2012年1月4日〜
2012年1月1日〜

孤島の王(原題:KONGEN AV BASTOY)

監督:マリウス・ホルスト
音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
出演:ステラン・スカルスガルド(院長)、クリストッフェル・ヨーネル(ブローテン寮長)、ベンヤミン・ヘールスター(エーリング)、トロン・ニルセン(オーラヴ)

1915年。ノルウェーのオスロ南方の孤島バストイ島。この島には少年矯正施設があり、罪を犯した8〜18歳までの少年たちが学習と労働の毎日を送っていた。船員だったエーリングはC−19と呼ばれ、監獄のような施設で権限をふりかざす院長や冷酷な寮長に反抗し、問題児として目をつけられる。模範生でもうじき退寮となるオーラヴに諌められるがエーリングは我慢できない。気弱な少年が寮長に虐待を受けているのを知り、脱走の決意がますます固まっていく。

そう遠くない過去の実際にあった事件を元にした本作は、隔絶された島での理不尽な暴力にさらされた少年たちを描いています。過酷な暮らしの描写は、モノトーンの雪景色の中で背筋まで凍る思いがするほどです。エーリングの目は反骨精神に満ちていて、きっと何かやらかしてくれるに違いない、と観ながら期待してしまいました。この暴動事件は、軍隊が鎮圧に出動するほどになりましたが、歴史の闇に葬られてノルウェーの国民にもあまり知られていなかったそうです。監督はこの施設で少年時代を送ったという人物に出会って映画の着想を得たのだそうですが、辛い事実も描きながら鎮魂の思いも伝わる詩情あふれる作品となっています。(白)

2010/ノルウェー、フランス、スウェーデン、ポーランド/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アルシネテラン
©les films du losange

★4月28日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町にてロードショー

公式 HP >> http://www.alcine-terran.com/kotou/

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女ドラゴンと怒りの未亡人軍団(原題:楊門女將 英題:THE LEGENDARY AMAZONS)

監督・脚本:フランキー・チャン
プロデューサー:ジャッキー・チェン
出演:セシリア・チャン(桂英)、リッチー・レン(楊宗保)、リウ・シャオチン(六娘)、チェン・ペイペイ(余太君)、キャシー・チョウ(五娘)、大島由加里(蘭秀)、シャオ・ミンユー(文広)

11世紀の中国・宋の時代。無能な皇帝のために悪政がはびこり民は戦続きで疲弊していた。名門楊家の将軍とその一族は西夏の侵略を受け、男たちは次々と戦死していった。長男の宗保夫人である桂英は、敵に囲まれた夫が放った鳩が戻ったのを見つけて泣き崩れる。その鳩には二人の愛の証であった桂英の髪の毛が結ばれていた。宗保の母と桂英が官吏にしたかった跡継ぎの文広は、父の仇を討つといきり立つ。楊家をつぶしたい朝廷はこれを好機として、文広を元帥に任じて西夏と戦えとの勅命を下す。一族最後の男子である文広を守るため、桂英をはじめ残された兄弟の未亡人たちはともに戦地に向かう。

日本では馴染みがありませんが、この作品の原作「楊家女將」は京劇にもなっている有名な古典文学。1974年にショウ・ブラザーズが『14アマゾネス/王女の剣』として映画化したものをジャッキー・チェンのプロデュースでリメイク。久しぶりに映画に復活したセシリア・チャンを主演に、チェン・ペイペイをはじめ豪華女優陣集結の作品ですが、なぜかつっこみどころ満載の「秘宝映画」(プレスより)として宣伝展開されています。昔の香港アクションを見慣れた目には懐かしいような感覚でした。まじめに作られたはずですが、最近の洗練されたものしか知らない方には、人間つり橋や奇妙な技は笑えちゃうでしょうね。今回のセシリアは山賊出身の腕のたつ嫁という役どころですが、なんだかキーキー叫んでいるのが耳について残念。『星願 あなたにもういちど』(1999)でセシリアと組んで泣かせてくれたリッチー・レンは、楊家の長男である将軍役で男っぽいところを見せています。(白)

2011年/中国/カラー/108分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活
© 2011 JACKIE & JJ PRODUCTIONS LTD All Rights Reserved

★4月28日(土)、銀座シネパトス、シアターN渋谷 ほか 全国順次公開!

公式 HP >> http://dragon-miboujin.com/

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ワンドゥギ(英題:PUNCH)

監督:イ・ハン
脚本:キム・ドンウ
原作:キム・リョリョン
撮影:チョ・ヨンギュ
音楽:イ・ジェジン
出演:キム・ユンソク(ドンジェ)、ユ・アイン(ワンドゥク)、パク・スヨン(父)、イ・ジャスミン(母)、キム・ヨンジェ(ミング)、キム・サンホ(隣人)、パク・ヒョジュ(ホジョン)、カン・ビョル(ユナ)

男子高校生のワンドゥクには母がいない。生活保護を受け、障がいを持ちながら芸人をしている父と叔父と3人で屋上の部屋に住んでいる。父たちはしょっちゅう地方に仕事に行き、一人きりのワンドゥクを担任のドンジェ先生がなにかとかまう。知られたくないことをクラスでばらすわ、隣に住んでいるために毎日呼びつけるわで鬱陶しいことこの上ない。「早く先生を死なせてください」と神様に祈る始末だ。勉強嫌い、将来の夢も親しい友だちもないワンドゥクに、優等生で美人のユナがなぜか声をかけてくる。



©2011 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

ベストセラー小説が原作だそうで、人との繋がりや家族の情が気持ちよく描かれています。『チェイサー』のキム・ユンソクが、口は悪いけれど内実は心熱い担任を好演しています。喧嘩の強い男子高校生役のユ・アインは180cmの長身、お母さん役の小柄なイ・ジャスミン(フィリピンの女優さんだそうですがこの作品で初めて観ました)とのやりとりに泣かされました。お父さんも小柄なので、大きな体を縮めたり曲げたりして親に向かいあう一人息子ワンドゥクがとてもいいです。がさつなようで小さなことにちゃんと気がつくのにジーンとしました。(白)

2011年/韓国/カラー/108分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:CJ Entertainment Japan
© 2011 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED

★4月28日(土)より新宿武蔵野館にてロードショー

公式 HP >> http://www.cjent.jp/wdk/

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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン(原題:BRIDESMAIDS)

監督:ポール・フェイグ
脚本:アニー・マモーロ、クリステン・ウィグ
撮影:ロバート・ヨーマンASC
音楽:マイケル・アンドリュース
衣裳:リーサ・エヴァンス
出演:クリステン・ウィグ(アニー)、マーヤ・ルドルフ(リリアン)、ローズ・バーン(ヘレン)、メリッサ・マッカーシー(メーガン)、ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ(リタ)、エミリー・ケンパー(ベッカ)

アニーは30代の独身女性。自営の手作りケーキ店は経営不振で閉店。恋人には捨てられ、母の紹介で宝石店の売り子をしている。だが、口が悪く客を怒らせてばかりいる。
そんな彼女の学生時代からの親友リリアンが婚約して、ブライズメイドのまとめ役メイド・オブ・オナーを頼まれて有頂天になる。他にも4人のブライズメイドがいて意見がわかれたり、競争意識が出たりでてんやわんやに。
アニー以外のブライズメイド・メンバーは、リリアンの従姉(子持ち)のリタ。新婚ホヤホヤのベッカ。リリアンの妹で太めのメーガン。花嫁リリアンの上司の妻のヘレン。このヘレンが鼻持ちならない。金持ちの自分がまとめ役メイド・オブ・オナーにぴったりと思っているのだ。


©2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

日本人には想像できないが(私だけそうおもっているのか?)ブライズメイドやそのまとめ役なんて、何故に頼まれて嬉しいのかわからない。
 よっぽど祭好きか、暇人じゃないとやっちゃぁいられない!アメリカやヨーロッパの物まね好きな日本でも、こればっかりは流行ってないところを見ると「そんな暇どこにある?」が本音だろう。
日本の結婚式場お仕着せ流れ作業は、味気ないけど(あれも案外細かい決め事があり簡単ではないが)今の余裕のない日本では致し方ないシステム。
この5人の行動はブライダルサロンでの糞尿譚、食中毒にはのけぞってしまったが、男性版の『ハングオーバー!!』よりは楽しめた(お下品?)コメディだった。
※きわどい字幕担当はやはり栗原とみ子さん!お見事
(美)

2011年/アメリカ/カラー/125分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東京テアトル

★4月28日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国ロードショー!

公式 HP >> http://bridesmaidsmovie.jp/

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HOME 愛しの座敷わらし

監督:和泉聖治
原作/萩原 浩「愛しの座敷わらし」(朝日文庫刊) 脚本:金子成人
撮影:会田正裕
美術:近藤成之
音楽:池頼広
出演:水谷豊(高橋晃一)、 安田成美(高橋史子)、 濱田龍臣(高橋智也)、 橋本 愛(高橋梓美)、草笛光子(高橋澄代)、佐々木すみ江(米子の姉)、草村礼子(菊池米子)、織本順吉(地区長・栃尾粂太郎)

父親の晃一の転勤で、東京から岩手の田舎に引っ越して来た高橋一家五人。それぞれに悩みを抱えていた一家が、築200年以上の藁葺き屋根の古家で慣れない暮らしに入るが、時々不思議な現象に遭遇する。
やがて、その家には座敷わらしがいることがわかり、家族の関係に少しずつ変化が訪れる。

一週間ぐらいなら、こんな黒光りする藁葺き屋根の古民家に住んでみたい! 冬はあまりにも広いので寒いだろうし、夏は虫がでるなどと思うと一週間が限度だ。
でも「座敷わらし」つきなら、即座にノー。
家族は半信半疑ながら「それ」の気配を怖がってはいたが、その怖さは他の家族との「会話」や「気遣う気持ち」につながって、最後にはふんわりと受け入れている。
周りの村の衆は「それ」を知ってはいるが、「悪さ」をしないから、今の住民の行動に「注目」をしている。これ、全然意地悪目線じゃないからご安心を。
田舎に住んだ経験から言うと人の口は確かに「うるさい」が「わかってしまう」と守ってもくれるのだ。この作品でも、どっちかと言えば「見守られている」に近いかもしれない。
さて、この映画で一番素晴らしい!と感じたことは、お年寄り役の絶品さだ。 お年寄りグランプリ・佐々木すみ江(米子の姉)、準グランプリ・草笛光子(高橋澄代)、草村礼子(菊池米子)、織本順吉(地区長・栃尾粂太郎)の方々だ。この四人の方を選んだ監督さんは素晴らしい眼力だ。
GWにご家族全員で楽しんでいただけると自信を持ってオススメできる作品。

※夫・晃一(水谷豊)は行きは颯爽と自転車だが、帰りは登り坂で苦しそうだった。帰りくらい自家用車で(自転車は荷台か後ろ座席に置いて)最寄の駅めで、迎えに行ってあげてほしかった。(美)

2012年/日本/カラー/110分
配給:東映

★4月28日より丸の内TOEI、新宿バルト9 他にて全国ロードショー公開

公式 HP >> http://www.warashi.jp/

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ブラックパワー・ミックステープ ~アメリカの光と影~(英題:THE BLACK POWER MIXTAPE 1967-1975)

監督:ゴーラン・ヒューゴ・オールセン

アフリカ系アメリカ人たちの公民権運動を捉えた1967年から1975年にかけての映像を紡いだドキュメンタリー。30年もの間、スウェーデンのテレビ局の倉庫に眠っていたフィルムにはキング牧師、マルコムX、ハリー・ベラフォンテ、アンジェラ・ディビス、ストークリー・カーマイケル等々、伝説の人物たちが自由と平等を求め、権力に立ち向かった姿が残されていた・・・


冒頭、「意見は人の数だけ存在する」という言葉が掲げられる。そして、映し出されていく様々な人々の姿。それぞれの思いでアメリカの黒人たちの人権を訴えた勇気ある人物たちのことをあらためて知ることができました。中でも、魅惑的な目鼻立ちが大きなアフロヘアーに包まれたアンジェラ・ディビスや、眼光するどく精悍なストークリー・カーマイケルのことは、これまで知らなかっただけに、もっと彼らのことを知りたいと興味を引かれました。また、本作がスウェーデンのテレビ局が撮った映像であることから、アメリカのテレビガイド誌がスウェーデンはアメリカの否定的な面だけ報道していると批判したことや、スウェーデンがアメリカのベトナム爆撃をナチスに例えたことから国交を解消したことなど、スウェーデンから見たアメリカという点も興味深いものでした。
バラク・フセイン・オバマが、アメリカで初のブラック系大統領となるまでの長い道のりの中で、幾多の挫折や屈辱を感じながら勇気を持って権力に立ち向かった人たちがいたことを、今一度思い起こさせてくれる一作。(咲)

2011年/スウェーデン・アメリカ合作/93分/カラー・白黒
配給:キュリオスコープ

★2012年4月28日(土)~ 新宿 K’s cinemaにて衝撃!緊急!!ロードショー!!!

公式 HP >> http://www.curiouscope.jp/BLACKPOWER/

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ル・アーヴルの靴みがき(原題:Le Havre)

監督:アキ・カウリスマキ
出演:アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、ジャン=ピエール・レオー、ライカ

かつてパリで暮らしていた元芸術家のマルセル・マルクス。今は、北フランスの港町ル・アーヴルで靴みがきをして、献身的な妻アリエッティと愛犬ライカと共につつましいながら幸せに暮らしている。ある日、妻アリエッティが病に倒れ入院してしまう。そんな頃、港にアフリカ・ガボンからの不法難民が潜んだコンテナが漂着する。警察の検挙をすり抜けてきたイドリッサという少年をマルセルは匿う。イドリッサが先に国を出てロンドンにいる母親のもとに行きたいと知ったマルセルは、なんとか彼を母親に会わせたいと、近所のパン屋や八百屋、ミュージッシャンの友人たちに協力を仰ぐ。一方、妻は病院で余命宣告を受けていた・・・

8年かけて身分証明書を取得したベトナム人チャングを弟子に、靴磨きをしているマルセル。不法難民のアフリカの少年への眼差しもやさしい。入院している妻は心やさしいマルセルを気遣って、医者に余命宣告を受けたことを言わないでくれと頼みます。一方、イドリッサ支援のために奔走するマルセルや彼を手助けする友人たち。各地で摩擦を起こしている不法移民問題ですが、こんな風に、皆が他者を気遣う社会なら・・・と、ほろっとさせられました。現代のおとぎ話のよう。アキ・カウリスマキ作品に漂う独特の空気も健在。(咲)

パン屋や八百屋、バーなどが立ち並ぶ、港町ル・アーヴルの裏町に暮らす心優しき人々の慎ましい生活を描きつつ、庶民の絆、力強さを描いた作品。
タイトルからは、不法難民を扱った作品だとは全然思わなかったけど、靴磨きのマルセルが、偶然知り合った密航少年のために奔走する姿と、それに協力する街の人たちの姿が、古き良き港町の雰囲気を漂わせていた。
難民の多いフランスならではの作品。良い人ばかりが出てきて、現実にはこういうことはなかなかないと思うけど、観た後、ほっとさせてくれる作品だった。
関わってくる人々の中で、ユニークだったのが刑事(ジャン=ピエール・ダルッサン)。最初から、少年をかくまっていることをわかっていながら、見てみないふり。『キリマンジャロの雪』の試写を観にいった時、主人公の人、どこかで見たことがあると思ったら、この作品の刑事役をやった人でした。さらに調べてみたら、『サン・ジャックへの道』にも出演していました。味わい深い俳優さんです。(暁)

2011年/フィンランド・フランス・ドイツ/フランス語/93分/35mm・DCP/カラー/1.85:1/ドルビーSRD
配給:ユーロスペース

★2012年4月28日より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー!

公式 HP >> http://www.lehavre-film.com/

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テルマエ・ロマエ THERMAE ROMAE

監督:武内英樹
脚本:武藤将吾
撮影:川越一成
美術:原田満生
出演:阿部寛(ルシウス)、上戸彩(山越真実)、北村一輝(ケイオニウス)、竹内力(館野)、宍戸開(アントニウス)笹野高史(真実の父)、市村正親(ハドリアヌス)

 古代ローマの浴場設計技師のルシウスは、生真面目すぎる性格が災いして失業してしまった。友人に誘われて公衆浴場行くと、何を思ったのか、何がそうさせたのかわからないが、公衆浴場の排水口に首を突っ込んでしまい、流れついた先が現代の日本の銭湯。タイムスリップしてしまったのだ。
そこには「平たい顔族=日本人」がいて、漫画家志望で銭湯の娘・真実と出会う。
ルシウスは日本の風呂の文化に感銘を受け、そこで浮かんだアイデアを古代ローマに持ち帰り一躍有名になっていく・・・。

この意味不明の題名が「今、一番熱い漫画」とは知らなかった。ユニークで面白い!ほりの深い顔・古代ローマ人・阿部寛とひらべったい日本人顔・上戸彩が楽しそうに演じていた。
古代ローマと現代日本の行き来が公衆浴場の廃水口なんて奇想天外。だが、違和感なしで最後までホットな気分で観られた。
それにしても日本の濃い顔の俳優さん勢ぞろいだ。阿部寛、北村一輝、宍戸開、市村正親みんな誇り高い古代ローマ人を堂々と演じていた。
私は無性に銭湯に行きたくなり、その足で近くの温泉施設へ。そこで、ふと「女湯の排水口につながってなくてよかったなぁ」と馬鹿な想像をして一人で笑ってしまった・・・。(美)

2011年/日本/カラー/108分br/> 配給:東宝

★2012年4月28日より全国東宝系映画館にて全国ロードショー公開

公式 HP >> http://thermae-romae.jp/

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Black & White ブラック&ホワイト(原題:THIS MEANS WAR)

監督:マックG
脚本:ティモシー・ダウリング、マーカス・カウテセン
撮影:ラッセル・カーペンター,ASC
出演:リース・ウィザースプーン(ローレン・スコット)、クリス・パイン(FDR)、トム・ハーディ(タック)、ティル・シュヴァイガー(カール・ハインリッヒ)、チェルシー・ハンドラー(トリッシュ)

CIAの敏腕諜報員のFDRとタックは、闇商人のカールを追い詰めたが、人ごみの中での銃撃戦になり、カールにも逃げられたことでデスクワークになってしまう。
その暇なうちに、若い二人は恋人を見つけたいと思い、タックは恋人紹介サイトでローレンと知り合う。だが、なんとFDRもローレンをレンタル・ビデオ店でナンパ。
同じ女性とは知らない二人は、超ご機嫌で、ウキウキ気分で自慢しながらお互いの彼女を見せ合ったところ・・・!

この作品、CIAお決まりのドンパチ3割、恋愛7割の、どちらかというとデート向け作品じゃないかな。彼氏も満足、彼女も満足っていうなかなかありそうでない作品!
テンポ良し、流れがすんなり理解できるから映画慣れしていない方にもいいと思う。
男二人は、一人は初婚だけど実家がなかなかいいから親戚付き合いがネック(になるかもしれないし)、かたや、もう一人は子持ちだ!(今は可愛いけど反抗期になったら?)
素敵なリース・ウィザースプーン演じるローレンがどっちを選ぶか・・・最後まで分からない。
男には男の意地、女には女の見栄も描かれていて、「わかる!その気持ち!」の台詞も盛りだくさん。肩がこらずに文無しで楽しめる作品。(美)

2012年/アメリカ/カラー/98分/シネマスコープ
配給:20世紀フォックス映画

★4月20日(金曜)TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://www.foxmovies.jp/blackwhite/

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フランス映画未公開傑作選

「映画の國名作選V」として、フランス映画『刑事べラミー』『ある秘密』『三重スパイ』の3作品が、4月21日(土)より5週間限定で渋谷、シアターイメージフォーラムで公開されます。

◆『刑事べラミー』 原題:Bellamy

監督・脚本:クロード・シャブロル
出演:ジェラール・ドバルデュー、ジャック・ガンブラン

休暇中で妻と共に居間でくつろぐベラミー警視。テレビでエミール・ルルの保険金詐欺事件が報じられていた折り、見知らぬ男が訪ねてきて電話番号だけ伝えて立ち去る。夜、その男から呼び出され、モーテルに赴くと、ノエル・ジャンティと名乗るその男から、自分と瓜二つの男の写真を見せられ、その男を殺したと打ち明けられる。ノエルの身辺調査をするも、警察にデータはなく、身分証は偽造。不審に思ったベラミー警視はノエルの妻を訪ね、写真を見せると、エミール・ルルだという。それは保険金詐欺事件の張本人だ。ノエルと名乗った男は、実はエミールなのか・・・

冒頭、高台の墓地から見渡せる海辺に転がる黒こげの自動車と焼死体。明るくのどかなフランスの海辺の町で繰り広げられるサスペンス。2010年にこの世を去ったクロード・シャブロル監督。ゴダール、トリュフォー、ロメール、リヴェットと共にヌーヴェル・ヴァーグを代表する作家として活躍し、”フランスのヒッチコック”と称されるシャブロル監督にふさわしい遺作。名優ジェラール・ドパルデュー演じる貫禄たっぷりのベラミー警視。海辺の墓地がまばゆい。

2009年/ 110分/カラー

◆『ある秘密』 原題:Un Secret

監督:クロード・ミレール 
原作「ある秘密」(新潮クレストブック刊)
出演:セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリック、ジュリー・ドパルデュー

少年フランソワは一人っ子だが、兄がいることを創造して食卓で幻の兄の食器を用意したりする。「お前とママとパパだけだ」と困惑する父親。フランソワは、ある日、隣に住む独身女性ルイーズから、父の前妻と息子がホロコーストの犠牲になったことを聞かされる。背景には思いもかけない両親の禁断の恋が・・・。

2008年フランス映画祭で『秘密』のタイトルで上映された作品。原作は、1950年代のパリを舞台にしたフィリップ・グランベールの自伝的長編。ナチス占領下のフランスでもユダヤ人の悲劇があったことが重要な背景となっています。父親はユダヤ人であることを拒否して、スポーツで身体を鍛えることで出自を隠そうとします。フランソワが生まれた時にも、こっそりクリスチャンの洗礼を受けさせます。学校でホロコーストの映像を見せられて、複雑な思いのフランソワ。ナチス占領下のフランス政府がユダヤ人狩りに手を貸したことを認めたのはずいぶん後年になってからのことですが、いろんな思いがフランスに住むユダヤ人にあることも垣間見ることができます。2008年フランス映画祭上映作品の中で私の一押しの作品。シネマジャーナル73号に、父親を演じたパトリック・ブリュエルと、隣に住む独身女性ルイーズを演じたジュリー・ドパルデューのインタビューを掲載しています。
スタッフ日記 2008年3月第3週に二人の写真があります。


秘密』パトリック・ブリュエル氏
アルジェリア生まれのユダヤ系フランス人。
シャンソン歌手としても有名な方。色男でした!


秘密』&『暗闇の女たち』ジュリー・ドパルデューさん
女優にはなりたくなくて、大学でユダヤ哲学を学び、
ヘブライ語もできるとのこと。笑いの絶えない可愛い方でした。

なお、クロード・ミレール監督がこの4月4日、パリ市内で永眠されました。ご冥福をお祈りいたします。

◆『三重スパイ』 原題:Triple Agent

監督・脚本:エリック・ロメール
出演:カテリーナ・ディダスカル、セルジュ・レンコ

1930年代パリ。ボルシェヴィキ政権が成立したロシアから亡命者を数多く受けいれていた時代。ロシア帝政軍の将校フョードルもギリシャ人の妻アルシノエと共に亡命してきた一人だ。表向きは在仏ロシア軍人協会の事務員として働き、アルシノエは自宅で油絵を描いて過ごしていた。スペインで内戦が勃発し、フョードルは出張することが多くなる。アルシノエが夫に毎日何をしているのかと問い詰めると、自分は諜報員だからすべての活動は秘密厳守だと答える。ある日、フョードルがパーティに出るためのドレスを新調しようと妻を連れて洋装店に赴く。ドレスの手直しが終わるまでの小1時間、フョードルは妻を残して外出する・・・

ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠、エリック・ロメールが未だ謎を残す実話を元に描いたスパイ物語。はたしてこの人物はどういう立場なのか・・・ 複雑な背景や人間関係にくらくらしながら、映画に惹きこまれました。生きるために、自分の立ち位置を考えなくてはいけなかった人々がいることに思いを馳せました。

2003年/ 115分/カラー

(咲)


★2012年4月21日(土)よりシアター イメージフォーラムにて5週間限定ロードショー

公式サイト >> http://www.eiganokuni.com/meisaku5-france/

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裏切りのサーカス(原題:Tinker Tailor Soldier Spy)

監督:トーマス・アルフレッドソン
原作:ジョン・ル・カレ
脚本:ブリジット・オコナー
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ゲイリー・オールドマン(ジョージ・スマイリー)、コリン・ファース(ビル・ヘイドン)トム・ハーディ(リッキー・ター)マーク・ストロング(ジム・プリドー)ジョン・ハート(コントロール)

1973年の東西冷戦下のイギリス諜報部(別名・サーカス/英国諜報部の所在地から由来した)の作戦失敗で、上司もろとも追い出された初老スパイ・スマイリー。
ほどなく上司は謎の死を遂げるが、引退したスマイリーの元に<もぐら=二重スパイ>を捜し出せと極秘命令が下る。絞り込まれた容疑者はかつての仕事仲間の4人。緻密な捜査を続けるスマイリーは徐々に核心に近づくが・・・。

『ぼくのエリ 200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソン監督作品と聞いて楽しみにしていた。スパイ映画といえば「007」や「ミッション:インポッシブル」シリーズを思い浮かべるが、この作品にはスピーディなアクション、カーチェイス、洒落た会話などはない。
あるのは、任務のためか独り急ぎ足で歩く姿、ぼそぼそとした話し声、タバコの紫煙の中でぼーっと遠くを見つめる目…。スパイとは密かに任務を遂行するものだということを改めて教えてくれた。
決して万人受けしないし、気楽に観られるものではないが、ゲイリー・オールドマンを筆頭に、イギリスの名優たちの静かなる競演が素晴らしい。それに最後の最後まで、誰がスパイか、何が本当か嘘かが分からない緊張感で、久しぶりに頭の体操になった。

※今年、あたしの観た作品中で、眼鏡が似合った俳優さんベストワンは、ゲイリー・オールドマンさんが今のところ一番。 二番は『善き人』の主役・ヴィゴ・モーテンセン。三番は邦画『はさみHASAMI』の田村いちこ役(お笑いコンビ「大好物」)のなんしぃさん。 サングラスじゃなくて、眼鏡をずっとかけて出てくる設定は、映画の世界ではとっても少ないのは何故だろう? (美)

2011年/イギリス、フランス、ドイツ/カラー/128分/ドルビーデジタル
配給:ギャガ GAGA

★4月21日TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://uragiri.gaga.ne.jp/

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オレンジと太陽(原題:ORANGES AND SUNSHINE)

監督:ジム・ローチ
原作:マーガレット・ハンフリーズ「からのゆりかご 大英帝国の迷い子たち」
脚本:ロナ・マンロ
撮影:デンソン・ベイカー
衣装デザイン:カッピ・アイルランド
音楽:リサ・ジェラルド
出演:エミリー・ワトソン(マーガレット・ハンフリーズ)、デヴィッド・ウェナム(レン)、ヒューゴ・ウィーヴィング(ジャック)、タラ・モーリス(アシュリング・ロフタス)

1986年のイギリス。ソーシャルワーカーのマーガレットは見も知らぬ女性シャロンに声をかけられる。幼いころ施設に預けられていた彼女は、たくさんの子どもたちとオーストラリアまで送られ、あちらの施設で育ったのだそうだ。大人になり、自分の生まれたところや親がどこにいるのか知りたくてわざわざやってきたのだという。子どもだけが?とすぐには信じられないマーガレットだったが、この件を独自に調査することになった。調べるうちに1970年まで「児童移民」が政府によって行われ、多くの子どもが「オレンジと明るい太陽の国」に送られていたことを知る。

マーガレット・ハンフリーズは実在の女性。ジム・ローチ監督は最初彼女の著書を読んでドキュメンタリーを作りたいと思ったのだそうです。2002年に会って話すうちに意気投合し、ドラマとして作る方向が定まり初の映画デビュー作となりました。マーガレットを中心にすえたリアルなストーリー、俳優陣の確かな演技は高い評価を得ました。
この児童移民は結局13万人にものぼったのだとか。施設にいた子どもたちが親の承諾もなしに、国や団体によってオーストラリアに送られ、過酷な労働をさせられたり虐待を受けたりしていたことは、マーガレットが丹念な調査で明らかにするまで伏せられていたようです。マーガレットは出会ってしまったこの問題を自分の仕事として誠実に続け、両方の国を行き来して数千の家族が再びまみえることに尽力しました。その活動は現在も続いており、この映画の製作中、2009年にオーストラリア、2010年にはイギリスの首相が事実を認めて謝罪したと資料にあります。(白)

2011年/イギリス/カラー/106分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ムヴィオラ
©Sixteen Midlands (Oranges) Limited/See-Saw (Oranges) Pty Ltd/Screen Australia/Screen NSW/South Australian Film Corporation

★4月14日(土)より岩波ホールにてロードショー

公式 HP >> http://oranges-movie.com/

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アンネの追憶(原題:Mi ricordo Anna Frank  英題:MEMORIES OF ANNE FRANK)

監督・脚本:アルベルト・ネグリン
作曲・演奏・音楽監督:エンニオ・モリコーネ
出演:ロザベル・ラウレンティ・セラーズ、エミリオ・ソルフリッツィ、モーニ・オヴァディア

1935年、アムステルダム。小学校に通うアンネ・フランクは、同じユダヤ系の少女ハネリ・ホスラーと出会い、仲良くなる。13歳の誕生日、プレゼントのサイン帳に日記を書き始めるアンネ。程なく、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害が厳しくなり、父オットー・フランクは経営する会社の建物の本棚で入口を隠した裏の部屋に一家で身を潜めることを決意する。ハネリが訪ねてきたのを窓からそっと眺めるアンネ。1年後、ハネリが家族と共にナチスに捕らえられたことを知る。息を殺しながらの隠れ家の暮らしの中で、一緒に潜んでいた少年ペーターとの間に恋も芽生え、つかの間の青春の日々。やがて、ゲシュタポに見つかり、強制収容所に送られ、一家はばらばらになってしまう。戦争が終わり、父オットーはアムステルダムに帰るが、生還できたのは自分一人だと知る。会社の事務員ミープが大事に保管していたアンネの日記を受け取ったオットーは、日記を出版。アンネの親友ハネリが生き延びていたことを知ったオットーは父親代わりとなってハネリ姉妹をパレスチナへと送り出す。オットーから本を受け取ったハネリは、アンネがなりたがっていた作家になったことを知って喜ぶのだった。


(C) ITALIAN INTERNATIONAL FILM sri

映画の原作は、アンネの親友ハネリ・ホスラーのインタビューをまとめた「もうひとつの『アンネの日記』」(アリソン・レスリー・ゴールド著)で、アンネとの思い出やハネリ自身のつらい体験も語られているそうです。ホロコーストを生き延びたハネリ自身の思いも、もう少し映画で語ってほしかったところですが、なにしろ、「アンネ日記」は60カ国語以上の言語に翻訳され、発行部数は2500万部を超える大ベストセラー。どうしてもアンネの話を中心に置くことになってしまったのでしょう。
私自身、小学校5~6年生の頃に夢中になって読み、ナチス・ドイツのユダヤ人迫害を知るきっかけになり、その後、ずっとホロコーストの実態を気にかけるようになりました。ユダヤ人への同情を煽られた思いもあります。大人になって、世界に目をむけると、酷い行為はナチス・ドイツだけでないことにも気づいていくのですが・・・。
「アンネ日記」の初版が発行されて、今年で60周年。今、またアンネ・フランクのことが語られるのは、戦争の絶えない世界で、反戦への思いを促すという意味で意義あることだと思います。一部の権力者によって引き起こされる戦争で犠牲になるのは、罪のない庶民であることを忘れてはならないでしょう。(咲)

2009年/イタリア/英語/カラー/99分
提供:パラディソ  配給:ゴー・シネマ

★2012年4月14日、有楽町スバル座 ほか 全国ロードショー

公式 HP >> http://www.gocinema.jp/anne/

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マンイーター (原題:ROGUE)

監督:グレッグ・マクリーン
脚本:グレッグ・マクリーン
撮影:ウィル・ギブソン
出演:ラダ・ミッチェル(ケイト)、マイケル・ヴァルタン(ピート)、サム・ワーシントン(ニール)、ミア・ワシコウスカ(シェリー)

世界遺産のオーストラリア北部のカガドゥ国立公園を訪れたシカゴからやってきた旅行ライターのピート。
アレンは余命を宣告された妻と娘シェリーと三人で思い出にしょうとクルーズに参加。
エヴェレット夫婦は観光旅行。
他に、一人参加は、カメラ・マニアのサイモン、妻の遺灰を川にまきたい夫、きままな一人旅の中年女性。
以上9人の乗客は、女性熟練ガイド・ケイトとその愛犬と共に大自然のクルーズが船出した。
船は絶景の中、ワニがうじゃうじゃいる川にむかって餌を投げたりして楽しんでいたが・・・。

試写が終わって、ある男性の方が「巨大ワニが一匹でよかったねぇ」といわれたので、皆で笑ってしまった。あれが何匹もいたら目もあてられない!それほど凶暴で、人間などはもちろんひと飲み込みだ。
あまりに口が大きいから(体長は8メートル)鵜呑みにされたら中でしばらく生きてたりして! わぁ~嫌な想像して、すみません!
怖さで体が硬直する者、自分だけ助かろうとする者、危険をおかしても水に入る者、恐怖と人間の本性を描いているが、目の前で次々と飲み込まれてしまったら、誰が人間らしく、物ごとを考えられるだろうか。
人喰いワニのリアルな動きに目を見張ったが、本当に一匹でよかった! (美)

2007年/アメリカ・オーストラリア合作/カラー/92分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:フェイス・トゥ・フェイス+ポニー・キャニオン

★4月14日より TOHOシネマズ日劇他にて全国ロードシヨー

公式 HP >> http://www.maneater.jp/

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台北カフェ・ストーリー(原題: 第36個故事 英題:Taipei Exchanges)

監督・脚本:シアオ・ヤーチュアン(蕭雅全)
製作総指揮: ホウ・シャオシェン(侯 孝賢)
出演:グイ・ルンメイ(桂綸?)、リン・チェンシー(林辰唏)、チャン・ハン(張翰)、中孝介(特別出演)

お菓子作りが大好きなドゥアルは会社勤めを辞め、念願だったお洒落なカフェをオープンする。母親から、自由気ままに暮らしている妹チャンアルをカフェで働かせるように言われ、二人で開店の日を迎える。思いもかけずたくさんのカラーの花を入手して困惑しているドゥアルに、チャンアルは来店した客が持参した物と交換することを提案する。さらに、物々交換をカフェの名物にしてしまうチャンアル。妹の夢は、物々交換で車を手に入れることだ。やがて、客の持ち込んだ変わった物たちで、お洒落なカフェはいっぱいになってしまう。ある日、一人の男性が世界35都市で集めた35個の石鹸を持ってきて、何か特別なものと交換したいという。石鹸にまつわるエピソードを一日一話ずつ語る男性。ドゥアルはそれを絵にして石鹸に添える。そうして、35の物語を語り終える日が来る・・・

お洒落なカフェで繰り広げられる、ちょっと風変わりな人間模様。その合間に、台北の街角でのインタビューが突然挟み込まれて、現実に引き戻される。「あなたにとって、一番 大切なものは?」という問いに、真面目に答える人たち。そしてまた、カフェでの石鹸を巡るエキゾチックな物語の世界に・・・ 夢見る姉に、現実的な妹が対照的で面白い。自分にほんとに必要なものって何だろう・・・ 自分のやりたいことって何だろう・・・と考えさせれます。(咲)

2010年/台湾/中国語/カラー/81分
配給・宣伝:ユナイテッドピープル

★2012年4月14日、シネマート六本木にて公開

公式 HP >> http://www.taipeicafe.net/

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ビースト・ストーカー/証人(原題:証人/BEAST STALKER)

監督:ダンテ・ラム
脚本:ダンテ・ラム
アクション指導:トン・ワイ
出演:ニコラス・ツェー(刑事トン)、ニック・チョン(犯人・ホン)、チャン・ジンチュウ(女検事・アン)

刑事トンは、ある事件で罪もない少女の命を奪ってしまい、心に大きな痛手を受けていた。その3ヵ月後、亡くなった少女の母親である検事アンのもう一人の娘が誘拐されてしまう。
犯人は元ボクシング選手のホン。病気の妻の高額な治療費のために暗殺者として犯罪に手を染めていたのだ。
トンは責任を感じ、ホンを追うが、一方犯人のホンも、トンやアンに復讐しなければならない理由があった・・・。


©2008 Emperor Classic Films Company Limited All Rights Reserved.

2008年制作。こんな面白い香港映画なのに今まで日本で公開されていなかったことに驚く。 同じ監督作品に『密告・者』があるが、この作品はそれ以上の出来だと思う。
最初の約7分ほどでニコラス・ツェーのすごく恐くて険しい表情と優しい表情が見られ、人の目線位置のリアルなカーチェイス、そして車がぶつかるスローモーションの見事な映像が堪能できる! ここまでで入場料の半分は軽く元が取れる!
もう公開しているからこれ以上書かないが、是非観ていただきたい作品。
※ニコラス・ツェーがすぐ鼻血を出すので「病気か? 最後は白血病かなにかで死ぬのか?」と先読みし過ぎたが、この鼻血はきっと涙の変わり、憤怒の変わりだったのだろう。

※名古屋は試写がなかったのでDVDで見せていただいたが、それでこの迫力と見応え! 名古屋は5月。待ちきれないから東京に行った時、一番に大画面で観るぞ~。

(美)

2008年/香港/カラー/109分/ドルビーSRD
配給:ブロードメディア・スタジオ

★4月7日よりシネマスクエアとうきゅう、5月12日名古屋センチュリーシネマほか全国順次公開

公式 HP >> http://beaststalker.net/

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核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝(英題:Atomic Wounds)

監督・脚本・撮影・録音:マーク・プティジャン
助監督・編集:瀬戸桃子
日本語版ナレーション:染谷将太
出演:肥田舜太郎

第2次大戦中、軍医として広島陸軍病院に勤務していた肥田医師は、8月6日の原爆投下に遭遇し自身も被ばくしながら治療に当たる。直接熱線を浴びなかった人までが次々と死んでいった原因が放射線というものであった、とは30年も後に知った。戦後も被ばく者の治療と核廃絶運動に献身してきた肥田医師の歩みを紹介する。2006年フランス人監督により作られた作品だが、今こそもう一度観るべきものとして一般上映されることになった。原発事故の後の講演をまとめた『311以降を生きる:肥田舜太郎医師講演より』(アップリンク製作/31分)も同時上映。

1917年生まれの肥田医師は、医療活動から3年前に引退しましたが、95歳の今も「当時の惨状を知る医師はもう自分だけだから」と自身の被ばく体験を語り続けています。原発事故の後、取材や講演依頼が急増。立ったまま1時間、1時間半の熱のこもった講演を毎週のようにこなしています。日本国中、いまや安全な場所などどこにもないといいます。大地や水にとけこみ、身体にもとりこんでしまった放射性物質は消えることがなく、ずっと放射線を出し続けるのだそうです。『100,000年後の安全』を観たときも思いましたが、全く人間はなんというものを作り出してしまったのだろうと震撼します。決して元に戻せない&消すこともできないものとどう対処していけばいいのか、肥田医師の言葉に耳を傾けてください。(白)

2006年/フランス/カラー/53分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アップリンク

★4月7日(土)より、渋谷アップリンクほか全国順次公開

公式 HP >> http://www. uplink.co.jp/kakunokizu/

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トテチータ・チキチータ

監督:古勝敦
脚本:古勝敦、北里宇一郎
撮影:高橋清
音楽:棚谷祐一
出演:豊原功補(木村一徳)、寿理菜(一ノ瀬凛)、葉山奨之(大越健人)、松原智恵子(木暮百合子)、大鶴義丹(一ノ瀬孝一)、石堂夏央(玲子)、佐藤仁美(森下)

東京で事業に失敗し、なにもかもなくした木村一徳は不思議な少女に出会う。死ぬことを思いとどまって新しい仕事につき、福島にやってきた。一徳を知っている口ぶりの少女は一ノ瀬凛。両親の離婚で父と福島に来た。原発から避難してきた高校生大越健人も凛と出会う。一徳と再会した凛は、「前世で私たちは家族だった。健人が父、凛が母、一徳は息子」「今私たちを呼んでいる人がいる。だから生まれ変わってここに集まったの」と言う。半信半疑の一徳と健人。もう一人の家族とは、一徳が詐欺まがいのリフォームの仕事の売り込みで訪れた一人暮らしの老女、木暮百合子だった。

思いがけない震災と原発事故にみまわれ、一時は中止を危ぶまれた作品。多くの応援を得て福島の全県で撮影を敢行。別れた家族が生まれ変わって出会うファンタジーではありますが、かたや戦争、かたや災害という理不尽な力に否応なくまきこまれた人々のリアルな生活や感情が描かれています。かつてアイドルスターだった松原智恵子さんが、今も清楚で可愛らしいのに驚きました。(白)

2011年/日本/カラー/95分/ビスタ/HD
配給・宣伝:アルゴ・ピクチャーズ
© 2012 映画「トテチータ・チキチータ」製作委員会

★福島県先行上映、4月7日(土)より銀座シネパトスほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.totecheeta-movie.jp/

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キリング・ショット(原題:CATCH.44)

監督・脚本:アーロン・ハーヴィー
撮影:ジェフ・カッター
音楽:ジョー・パガネッリ
出演:フォレスト・ウィテカー(ロニー)、ブルース・ウィリス(メル)、マリン・アッカーマン(テス)、ニッキー・リード(カラ)、デボラ・アン・ウォール(ドーン)、シェー・ウィガム(ビリー)、ジル・ストークスベリー(フランシーヌ)

真夜中のラスベガス。ドラッグ・ディーラーのテスは、ボスのメルの命令で郊外のダイナーへ向かっていた。仲間のカラとドーン同様簡単な仕事だと思っていたが、途中で警官に止められて時間をくってしまう。到着したダイナーには予想に反して数組の先客がいた。時間になっても誰がターゲットかわからない。痺れをきらして銃を構えるとなんと店の女主人がライフルで応戦。さらにコックがテスに狙いを定める。「お前らを殺せばメルから大金がもらえる」・・・テスは耳を疑う。

アーロン・ハーヴィー監督の長編2作目。スピーディな展開のクライム・サスペンス作品です。ブルース・ウィルスが歌手としても活動していたとは、この中のエピソードで知りました(可愛い子ちゃんたちに車の中で歌のテープをダサイとけなされる)。
狭いダイナーの中でのみつどもえの銃撃戦。このスタイルはよく香港映画で見かけましたが、そのたびに早く引き金引いたもん勝ちなのに~と思いましたっけ。睨み合ってセリフ言ってるまに撃て!とは、映画鑑賞作法上まずいでしょうか・・・。(白)

2011年/アメリカ/カラー/94分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:プレシディオ
©2011 CATCH44 AP LLC ALL RIGHTS RESERVED.

★4月7日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.killing-shot.jp/

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KOTOKO

監督・脚本・撮影・編集:塚本晋也
原案・企画・音楽・美術:Cocco
出演:Cocco(琴子)、塚本晋也(田中)

琴子にはものが二重に見える。歌っているときだけ世界はひとつになる。琴子は一人で幼い息子大二郎を育てているが、子どもを守ろうとするあまり、大きな恐怖におしつぶされそうになる。パニックになった琴子は児童虐待を疑われ、大二郎は沖縄の姉に預けられることになった。生きていることを確かめるように自傷行為を繰り返す琴子の前に、歌に感動したと田中という男が現れる。田中は琴子に献身的に尽くし、琴子にも落ち着いた生活がめぐってくるのだが。

塚本監督が尊敬するシンガーソングライターCoccoとほとんど二人だけで作ったプライベートフィルムのような作品。初めての子どもを守りたい母親の必死さは、今この時期だからこそ余計に胸に響きます。父親になり、最愛のお母様を看取った塚本監督の母性への思いがぎゅっとつまっています。この作品を観て初めて聞いたCoccoの歌声には力強さと切なさがありました。映画初主演とはいえ、歌手としての表現力が、音楽や美術などいろんな方面に現れています。子どもを抱っこしながら「ちゃんとできない~!」と泣き泣き料理をする場面に「とりあえず背中におんぶしなさい」と言いたくなりました。
昨年のベネチア映画祭オリゾンティ部門でグランプリを受賞し、長いスタンディングオベーションを受けた作品。(白)

2010年/日本/カラー/91分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:マコトヤ
©2011 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

★4月7日(土)テアトル新宿ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.kotoko-movie.com/

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花開くコリア・アニメーション2012

【開催日程】
 東 京:4/7(土)・4/8(日)@アップリンク・ファクトリー
 大 阪:4/14(土)~4/19(木)@PLANET+1
 名古屋:5/12(土)・5/13(日)@愛知芸術文化センター

韓国インディーズ・アニメーション界の登竜門的位置づけにある映画祭「インディ・アニフェスト」の2011年受賞作を中心に短編アニメーション25作品を「Life」「City」「Nature」の3プログラムで紹介。また、アニメーション界の“カンヌ”ことアヌシー国際アニメーション映画祭招待作で、『息もできない』のキム・コッピが声優に初挑戦した話題作・長編『家』も特別上映。各会場には韓国からゲストが来場し、トークイベント・ワークショップ・交流会なども開催されます。


『ラクダたち』                 『家』


『ソウルに暮らす子猫』               『Alone』   

各会場のチラシ
<東京 会場> http://anikr.com/2012/leaflet_tokyo.pdf
<大阪 会場> http://anikr.com/2012/leaflet_osaka.pdf
<名古屋会場> http://anikr.com/2012/leaflet_nagoya.pdf

公式 HP >> http://anikr.com/

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タイタニック 3D (原題:TITANIC)

監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
製作:ジェームズ・キャメロン/ジョン・ランドー
製作総指揮:レイ・サンキーニ
撮影:ラッセル・カーペンター
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:レオナルド・ディカプリオ ケイト・ウィンスレット ビリー・ゼーン キャシー・ベイツ フランシス・フィッシャー ビル・パクストン バーナード・ヒル ジョナサン・ハイド ヴィクター・ガーバー デヴィッド・ワーナー グロリア・スチュアート スージー・エイミス

ジェームズ・キャメロン監督が1997年に制作費2億ドルを投じて完成させ、世界中で大ヒットとなった『タイタニック』。実際のタイタニック号が沈没してから100年にあたる2012年、『アバター』で3D映画を世界に広めたキャメロン監督自ら、最新の技術を用いて3D変換をした作品。
1912年、イギリスの港から豪華客船タイタニック号が出港。政略結婚に絶望するローズ(ケイト・ウィンスレット)は、甲板から海に身を投げようとするが、そこに居合わせた青年ジャック(レオナルド・ディカプリオ)に助けられる。それを機に二人は惹かれ合っていくのだが、ローズの婚約者の策略でジャックは宝石泥棒に仕立て上げられ警備員室に閉じ込められてしまう。その頃、船が巨大な氷山と接触して浸水が始まり、船体が傾いていく……。


(c) 2011 Twentieth Century Fox and Paramount Pictures. All Rights Reserved

「『タイタニック』は劇場でこそ観るべき映画だ」と監督が話している通りである。タイタニック号の中で起こる閉鎖感は、映画館という閉ざされた空間で観ることでよりその世界観を感じられるし、3Dになって帰ってきた映像はなにより家のテレビで見るそれとは迫力が違う。ヒューマンドラマあり、パニック要素あり、ラブストーリーあり。やっぱり良い作品というのは何回見ても面白い。有名なシーンや音楽しか知らない人、DVDやビデオでしか見たことのない人、もちろん公開当時映画館へ観に行った人も、この機会に是非また映画館へ行き『タイタニック』の新しい魅力を堪能してほしい。(明)

2012年/アメリカ/カラー/194分/2D 3Dデジタル
配給:FOX

★4月7日(土)TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー

公式 HP >> http://www.foxmovies.jp/titanic/

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コーマン帝国(原題:Corman's World)

監督/製作:アレックス・ステイプルトン
出演:ロジャー・コーマン/ロバート・デ・ニーロ/ジャック・ニコルソン/マーティン・スコセッシ/ロン・ハワード/ジョナサン・デミ/ピーター・フォンダ/ブルース・ダーン/ポール・W・S・アンダーソン/クエンティン・タランティーノ/デヴィッド・キャラダイン/ピーター・ボグダノヴィッチ/ジョン・セイルズ/イーライ・ロス

ロジャー・コーマン。インディペンデント映画の神、B級映画の帝王、世界一ケチで世界一多作な映画人。監督作50本以上、プロデュース作500本超! ジャンルは、バイオレンス!ロック!エロ!宇宙!・・・と多彩。映画作りのモットーは、「早く!安く!そして儲ける!」。予算や許可がなくても撮りたいものを撮る。警官が来たらカメラを持って逃げる。センスは二の次。いかに安く観客の求める映画を仕上げるか。まさにファストフードのように量産した映画は、大衆に大受け。ジャック・ニコルソン、フランシス・フォード・コッポラ、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノなどなど、コーマンの率いる低予算作品の現場から巣立った著名人たちが、コーマンの人物像を語る。「礼儀正しくて、紳士で、あんな暴力的な映画を撮ると思えない」「上品だけど心の中は煮えたぎっている」という言葉が並ぶ。アメリカ映画界最重要人間、コーマンの本質に迫ったドキュメンタリー。

2009年にはアカデミー賞名誉賞も受賞してしまったロジャー・コーマン。風貌は、まさに沈着冷静な大学教授。好きな映画監督は、ベルイマン、アントニオーニ、トリュフォー、黒沢・・・。南部の人種差別反対の映画も1本作ったことがあるそうですが、居並ぶB級作品からはとても想像できない上品な紳士。どれも私好みの映画ではなさそうだけど、思わずどんな作品を作っているのか観てみたくなった。奥様のジュリー・コーマンさんが語る結婚の経緯や、夫からのほんの30分程の指示で映画を監督させられてしまった話も楽しい。「キープ・ギャンブリング!」「チャンスをつかみ続けろ!」という言葉を私も心に刻みたい。(咲)


作っている作品と監督さんご自身の風貌がまるっきり正反対。信頼おける病院長、大学教授っていう温厚そのものの方。東京国際に急遽来日され六本木に激震号外が出たほど。
これは見逃さないでほしい。きっと情の深い、男義のある方とお見受けした。最後ジャック・ニコルソンが涙目になって、彼を語っていたシーンに感動した。(美)

2011年/アメリカ/カラー/91分/ビスタ/デジタル
提供:キングレコード
配給・宣伝:ビーズインターナショナル

★2012年4月7日(土)、新宿武蔵野館ほか全国にて爆裂ロードショー!

公式 HP >> http://www.corman-movie.com/

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別離(ペルシア語原題:Jodaeiye Nader az Simin 英題:Nader and Simin, A Separation)

製作・監督・脚本:アスガー・ファルハディ(『彼女が消えた浜辺』)
出演:レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、サレー・バヤト、サリナ・ファルハディ、ババク・カリミ

夫ナデルに対し離婚申し立てをした妻シミン。判事に対し、暴力、麻薬、お金の問題、どれも該当しない、夫はあくまでいい人だと、さらりと答える。11歳になる娘の教育のためにやっと移住許可を取ったのに、夫は父親が認知症になり、父を置いては外国にいけないというだけなのだ。離婚を認められず、シミンは実家に帰ってしまう。ナデルは認知症の父親の介護のために家政婦ラジエーを雇う。ラジエーの夫は失業中だが、妻が働くことには反対していて、こちらの夫婦も問題を抱えている。信心深い彼女は、他人である男性を着替えさせたりして身体に触れることが罪にならないかという不安も持っている。ある日、ラジエーが父を縛り付けて外出したのを知ったナデルは、怒って彼女を突き飛ばしてしまう。ラジエーは流産し、19週目の胎児を死なせた「殺人罪」の容疑でナデルは訴えられる。ラジエーの流産はナデルのせいなのか? 逆にナデルはラジエーを父に対する虐待容疑で告訴する・・・

昨年、アジアフォーカス福岡国際映画祭で『ナデルとシミン』のタイトルで上映された折に観た時には、離婚調停の場面で始まる本作に、1999年山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された『イラン式離婚狂想曲』を真っ先に思い出した。離婚したい女性たちの弁の立つこと! イランでは、男は自由意志で離婚できるのに、女は判事が納得する離婚理由を申し立てないといけないから必死だ。何も離婚しなくても移住してしまえば・・・と思うが、イランでは女性が出国するには、既婚者は夫、未婚者は父親の許可がいるという事情がある。
今回、再度観てみたら、家政婦ラジエーとの裁判沙汰の方に目がいった。裁判所でちょっと騒いだだけで、「騒乱罪で3日間拘留させるぞ」などという言葉が出てきたりして、イランの社会状況をさりげなく語っているのも憎いなと思った。また、英語教師をしている颯爽としたシミンと、貧しいけれど信心深いラジエーとの対比も、まさに今のイランの中流階級と貧困層の二極化を表していて興味深い。イランの社会が見える作品だが、一方でテーマはどこの国でもありえる普遍的なもの。冒頭、離婚訴訟のところで、判事が「この国は子供に望ましい?」と聞く場面がある。この問いにも、自分の居場所はここでいいのか?とドキッとした。
ほんとによく書き込まれた脚本で、アカデミー賞の脚本賞にもノミネートされたのも納得。
できれば外国語映画賞と共に取って欲しかった! 思慮深く大人びている娘は、11歳には見えないと何人かの人に言われたが、演じていたのは監督の実の娘で実年齢。アカデミー賞授賞式では、さらに大人びた娘さんの姿も見えた。監督と共に彼女の活躍も期待したい。(咲)

2011年/イラン/123分/カラー/デジタル/1:1.85/ステレオ
配給:マジックアワー、ドマ

◆『彼女が消えた浜辺』特別上映

『別離』アカデミー賞外国語映画賞受賞記念
2012年3月17日(土)~3月23日(金)連日15:00、19:00
場所:Bunkamuraル・シネマ

シネジャの作品情報 →http://www.cinemajournal.net/review/2010/index.html#about_elly
アスガー・ファルハディ監督インタビュー →http://www.cinemajournal.net/special/2010/about_elly/index.html

★4月7日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.betsuri.com/

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レッド・ティアーズ SWORD OF BLOOD

監督:辻本貴則
脚本:辻本貴則
撮影:辻本貴則
音楽:吉田光
アクション監督:浅井宏樹
特殊造形監修:西村喜廣
出演:加藤夏希(御手洗紗代子)、石垣佑磨(野島鉄雄)、倉田保昭(三島巌次郎)、山田果林(紗代子の母)

都内各所で頭部が切断された死体が続けて発見され、失踪者もたくさん出ていた。事件を追う刑事・野島鉄雄は、失踪者と一緒に証拠写真に写っていた美しい女性・紗代子に心を奪われてしまう。
その後、偶然に暴漢に襲われそうになっていた紗代子を助け、それがきっかけで清純な交際をするが、紗代子には誰にも言えない悲しい宿命があった・・・。

国際的な活躍を続けるアクション界の伝説・倉田保昭が自らプロデュースして、倉田自身の映画出演作として100本目となる記念的な作品。
和製ゾンビ映画としてこんなに面白いのはなかなかない!私好み!
アクション良し!女良し!音良し!(音響がとってもクリア)結末良し!ラブ有り!(それも純愛!)
謎の美女・御手洗紗代子を演じるのは加藤夏希。必死で生きている、必死で愛している、必死で庇おうとする女性を体いっぱいで表現していた。痛い痛い場面もあるが納得できた・・・。
血しぶきや血まみれのシーンがうまい!とおもってプレス資料を後から見て大納得! 特殊造形が『片腕マシンガール』の西村喜廣氏だった。タイミングが命の氏の仕事ぶりををメイキングで見たいとつくづく思った作品だった。(美)

2011年/日本/カラー/88分/ビスタサイズ
配給:ユナイテッド エンタテインメント

★4月7日よりシネマート新宿、4月14日よりシネマート心斎橋にてロードショー公開

公式 HP >> http://www.redtears.net/

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片桐はいり×キネカ大森 ≪キネカよ、今夜も有難うVol.2≫

キネカ大森にて、3/31~4/6の期間に、片桐はいりさんの企画により、【キネマ旬報コラボ企画 キネカよ、今夜も有難うvol.2】と題して、ツァイ・ミンリャン監督作品『西瓜』と『楽日』が上映されます。 初日3/31の夜にはトークショーも開催されます。

<トークショー>

【日時】
3月31日(土)最終回『楽日』18:00の回、上映終了後

【登壇予定ゲスト】
片桐はいりさん(大森出身の地元俳優)
三田村恭伸さん(「楽日」出演俳優)
篠原弘子さん(プレノンアッシュ代表)

【入場料金】
2本立て:一般1300円、学生・シニア1000円
名画座キネカードを利用可能。

※整理券の案内に関しては下記サイトをチェックして下さい。

トークショーの後・映画を語りたい方達でお茶&座談会があります!
(ゲスト3名も参加予定)

<お茶会>

【日時】
トークショー後(カウンター前に集合)
【会場】
キネカ隣「サクティ」

キネカ大森の案内ページ >> http://www.ttcg.jp/cineka_omori/topics/detail/12483

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ヘルプ~心がつなぐストーリー~(原題:The Help)

監督・脚本:テイト・テイラー
原作:ケイト・ストケット著「ヘルプ 心がつなぐストーリー」集英社文庫刊
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
オリジナル・サウンドトラック:ユニバーサル ミュージック インターナショナル
出演:エマ・ストーン(スキーター)、ヴィオラ・デイヴィス(エイビリーン)、オクタヴィア・スペンサー(ミニー)、ブライス・ダラス・ハワード(ヒリー)、ジェシカ・チャスティン(シーリア)、アリソン・ジャネイ(シャーロット)、シシー・スペイセク(ミセス・ウォルターズ)

1960年代のアメリカ南部。上流階級の家に生まれたスキーターは黒人メイドの存在を当たり前として育った。子どものころから家にいたメイドを慕っていて、大学生活を終えて再会できるのを心待ちにしていた。しかし大学を終えて故郷に戻ると自分を育ててくれたメイドはやめており、黒人差別はさらに激しくなっていた。地元の新聞社に職を得たスキーターは家事にまつわる記事を書くため、友人の家のメイド、エイビリーンと話す機会ができた。スキーターはメイドの立場からの本を書きたいと打ち明けるが、エイビリーンは「それがどんなことか貴女はなにもわかっていない」と拒絶する。メイド専用のトイレを作る運動をしているヒリーは、メイドのミリーが自宅のトイレを使ったと首にしてしまう。子沢山のうえ、飲んだくれの亭主のいるミリーの収入が途絶えてしまった。ミリーの親友であるエイビリーンは勇気をふりしぼってスキーターに話をする。

彼女たちの話を聞き書きするスキーターが主人公ではありますが、本当の主人公はエイビリーンとミリーをはじめとする「ヘルプ」と呼ばれる黒人メイドたちです。幾人もの話を聞くうち、スキーターは匿名にすれば大丈夫という自分の考えが甘かったことを知ります。エイビリーンとの友情を育んだスキーターの成長物語でもあります。生まれながらの環境に疑問を持たずにいる白人たち、あきらめているヘルプたち、個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。ミリー役のオクタヴィア・スペンサーがアカデミー賞助演女優賞を獲得、小さな小錦みたいな愛嬌のある人でドラマの要となっています。ジェシカ・チャスティンも好演。憎まれ役のヒリーはロン・ハワード監督の娘ブライス・ダラス・ハワードが演じてこれもうまいです。原作も一気に読めるほど面白かったです。出版社に持ち込んで断られ続けたというのが信じられません。(白)

2011年/アメリカ/カラー/2時間26分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
  配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
© 2011 DreamWorks II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

★3月31日(土)、TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

公式 HP >> http://disney-studio.jp/movies/help/

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少年と自転車(原題:LE GAMIN AU VELO)

監督・脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
撮影:アラン・マルコァン
美術:イゴール・ガブリエル
出演:セシル・ドゥ・フランス(サマンサ)、トマス・ドレ(シリル)、ジェレミー・レニエ(シリルの父)

ただ、一緒にいてくれたら、それだけでいい。
12歳のシリルは自分を施設に預けた父からの連絡を待っている。いつまでも迎えにこないのを心配して施設を抜け出し、もといた家に行ってみるが空っぽになっていた。大事にしていた自転車もない。美容院を経営するサマンサはシリルの探していた自転車を見つけ出し、買い戻してくれた。シリルはサマンサの優しさにすがり、週末だけ里親になってくれるよう頼み込む。

『息子のまなざし』『ある子ども』と秀作を送り出してきたタルデンヌ兄弟の新作。カンヌ映画祭コンペでグランプリを受賞しました。映画宣伝で来日した際、「屋根に上って親の迎えを待ち続ける子ども」のエピソードを聞いて着想を得たのだそうです。子どもは親をそんなにも欲しているのに、親のほうは・・・という現実。映画のシリルには幸いサマンサという女性と出会う幸運が用意されて、優しい映画になっています。サマンサには仕事も恋人もあり、シリルと同じほど不幸なわけではありません。足りないものを補い合うような設定が多いのでちょっと意外でした。演じるセシル・ドゥ・フランスはミニスカートの似合うかわいこちゃんタイプだと思っていましたが、いつのまにかたくましい母性も感じる年頃になっていました。必死で父親を求めるシリル役のトマス・ドレの赤いTシャツに、『黒い土の少女』を思い出しました。(白)

2011年/ベルギー、フランス、イタリア/カラー/87分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ビターズ・エンド
© Christine PLENUS

★3月31日(土)よりル・シネマほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.bitters.co.jp/jitensha/

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ルート・アイリッシュ(原題:ROUTE IRISH)

監督:ケン・ローチ(『麦の穂をゆらす風』『エリックを探して』)
出演:マーク・ウォーマック、アンドレア・ロウ、ジョン・ビショップ、ジェフ・ベル、タリブ・ラスール、クレイグ・ランドバーグ、トレヴァ-・ウィリアムズ、ジャック・フォーチュン

2007年、英国リバプール。イラクに民兵として参戦し命を落とした親友フランキーの葬儀に参列するファーガス。5歳の頃から将来一緒に世界を回るのが夢だった二人。月1万ポンドを非課税で稼げるとイラクに誘ったのはファーガスだった。遺品の携帯電話に残された画像の中の言葉を翻訳してもらおうと、フランキーはイラク出身のミュージッシャン、ハリムを訪ねる。誕生日を祝って踊る人たちの動画に続き、イラクの少年が銃殺される瞬間を写した動画が残っていた。民間人の家族を殺したと同僚ネルソンを責めるフランキーの声も。実は、フランキーが亡くなった日、ファーガスの留守電に「大事な話がある。今夜電話が欲しい」とメッセージが残されていた。フランキーは何を話したかったのか・・・ 

フランキーが命を落としたのは、「ルート・アイリッシュ」と呼ばれるバグダッドの空港と市内の米軍管理区域グリーンゾーンを結ぶ12キロの道路。2003年の米軍によるイラク侵攻以降、テロ攻撃の第一目標とされ、世界一危険な道路として知られているそうです。その道をフランキーはなぜ通らなくてはならなかったのか・・・と、推理が進んでいきます。
本作は、職がなく、高額の報酬を貰える民兵として戦争に赴いた英国人の悲哀を軸に描いていますが、アメリカのイラク侵攻で傷ついたイラクの庶民にも眼差しを向けた作品。監督は、イラク戦争を「イラクの人々に対する犯罪」と位置づけ、「米国人兵士が最大の犠牲者かのような描き方をしている米国映画を観るとウンザリ」と、製作の動機を語っています。米国政府の政策で参戦し犠牲になった米国人兵士も、もちろん戦争の犠牲者。戦争さえ、この世からなくなれば・・・と、ほんとに悲しくなります。
本作の中で、少年を銃殺した男が、少年が携帯を振り回していたのは、何かの合図だと思ったと銃殺を正当化しています。戦争状態の中で、こういう誤解で命を落とす民間人もほんとに多いのではと思います。
ところで、先日、古本屋さんで「星と風のバグダッド」(高橋英彦著)という昭和55年に発行された本を見つけました。まだイラン・イラク戦争も始まる前、イラクに大勢の日本人がイラク開発のために駐在していた時代。仕事の合間にイラク各地をスケッチしながら旅したエッセイには、心優しいイラクの人たちの姿が描かれています。誰が後の戦争状態を想像したでしょう・・・ (咲)

2010年/イギリス・フランス・ベルギー・イタリア・スペイン/ 109分/カラー
配給:ロングライド

★2012年3月31日銀座テアトルシネマほか 全国ロードショー

公式 HP >> http://www.route-irish.jp/

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ドライヴ(原題:DRIVE)

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
脚本:ホセイン・アミニ
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェルASC
音楽:クリフ・マルチネス
出演:ライアン・ゴズリング(ドライバー)、キャリー・マリガン(アイリーン)、アルバート・ブルックス(バーニー・ローズ)、ブライアン・クランストン(シャノン)

天才的なドライブテクニックを持つ孤独で寡黙な男は、昼はカー・スタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手。街の道という道、ちょっとした隠れ場所など熟知している。
そんな彼が同じアパートに住むアイリーン親子(息子)とエレベーターに乗り合わせたり、偶然自動車の故障をなおしたりしたのがきっかけで親しくなっていく。
しばらくしてアイリーンの夫が服役を終えて帰ってきたが、本心から再生を誓う夫にアイリーンは、ドライバーに心を残しながら別れを告げる。彼もアイリーン家族から引くが・・・。

このコンビがなかなかいい。男は『ラースと、その彼女』『ブルー・バレンタイン』のダイアン・ゴズリング。女はキャリー・マリガン!!!!(すっごく可愛かった・・・)
この女と息子のために・・・彼は・・・あ~切ない! なんでそこまでするの~って、涙がとまらなかった。
彼の幸せなそうな笑顔の時間は短いものだったけど、その幸せそうな笑顔が秀逸だった。本当に愛している人には「幸せになってほしい」と心底願っている彼の無垢な表情をもう一度観たい。
※どこ探しても彼の名はでてこない、ただドライバーとだけ・・・これも切ない・・。(美)

2011年/アメリ/カラー/109分/シネスコ/ドルビーデジタル
配給:クロックワークス

★2012年3月31日より新宿バルト9ほか全国順次公開

公式 HP >> http://drive-movie.jp/

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ほかいびと 伊那の井月

監督:北村皆雄
音楽:一柳慧
語り:樹木希林
出演:田中泯

井上井月(いのうえせいげつ)は、ふらりと伊那谷へやってきて幕末から明治の初めまで30年暮らした。自分のことを語らず、家を持たず、俳句を詠み、酒を楽しみ、ひとところに留まらない漂泊の人生を送った。「ほかいびと」とは、ほかい(寿・祝)に生きる人のこと。ノリ寿詞をとなえて祝福する信仰の担い手である。村、家、人を巡り歩く門付け芸人となり、いつしか食を乞う「乞食(こつじき)」となった。

井月はもと長岡藩の武士で、藩も家も家族も、それまでの自分いっさいを捨てて無一物となって生きた人だといいます。出身地の長岡と伊那はかつて敵対した地域であったようですが、なぜそこへ来たのか本当のところはわかっていません。明治になって近代化した村の共同体はもはや放浪の俳人を受け入れる余裕はなく、井月は子どもらに石つぶてを投げられ、目前で戸を閉められ、ついには野垂れ死にしてしまいます。それもまた彼の望むところだったろうと、井月を演じる田中泯さんを観ながら思いました。自然の中に暮らして朽ちていった井月にしては、田中さんはエネルギーも色気もあるのですが、生身のもう一人の井月を観るような気がしました。樹木希林さんのナレーションが、謎の多い井月の人生を暖かく包み込むようでした。(白)

2011年/日本/カラー/119分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ヴィジュアルフォークロア

★3月24日(土)~4月6日(金)ポレポレ東中野
期間中にトークショーが行われます。詳しくはHPへ

公式 HP >> http://www.seigetsu.org/

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僕達急行 A列車で行こう

監督・脚本:森田芳光
撮影:沖村志宏
音楽:大島ミチル
主題歌:RIP SLYME「RIDE ON」
出演:松山ケンイチ(小町圭),瑛太(小玉健太),貫地谷しほり(相馬あずさ),ピエール瀧(筑紫雅也),村川絵梨(日向みどり),星野知子(日向いなほ),伊東ゆかり(大空ふらの),菅原大吉(谷川信二),三上市朗(由布院文悟),松平千里 (大空あやめ),笹野高史(小玉哲夫),伊武雅刀(早登野庄一),西岡徳馬(天城勇智),松坂慶子(北斗みのり),ジュン(アクティ),デイビット矢野(ユーカリ)

ココから 世界のどこだって行ける!!
恋と仕事と好きなコト――森田芳光監督からのラストエール
 のぞみ地所に勤める小町圭と、コダマ鉄工所の2代目小玉健太は鉄道ファン。同じ電車に乗り合わせ、その後再会したことから親しくなる。ちょうど引越し先を探していた小町はコダマ鉄工所の社員寮に住むことになり、ますます意気投合する。やがて小町の九州転勤が決まり、二人は福岡の鉄道を楽しみにする。シャイな二人の恋愛は趣味や仕事のようにうまく運ばない。小町は積極的なあずさに好意は持っているが、結婚したい気持ちは盛り上がらない。秘書室のみどりも小町を「少し好き」らしい。小玉はお見合い相手のあやめにぞっこんだけれど、あやめの方は冷静だ。

草食系男子の二人が、仕事に恋に大好きな鉄道に心躍らせたり、悪戦苦闘したりの作品。東京から九州までの鉄道20路線、車両は80モデルが登場します。主人公の小町と小玉をはじめ、登場人物たちが急行の名前であるのも楽しいです。いくつわかるでしょうか?年齢も業種も関係なく、好きなもので繋がり楽しみを分かち合える仲間は何にもかえがたいものです。松山ケンイチも瑛太もこれまでさまざまな役をこなしてきましたが、この映画では二人の関わり方が心地良く演技をこえて楽しそうです。
自身も鉄道ファンである森田監督が30年も暖めてきて完成した作品ですが、昨年12月20日急性肝不全のため亡くなられ、これが遺作となりました。ところを変えて寅さん映画のようにシリーズ化できたのに、と残念でなりません。気候が良くなったら監督の足跡を追ってロケ地探しをしようっと。(白)

2011年/日本/カラー/117分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東映
©2012『僕達急行』製作委員会

★3月24日(土)、渋谷TOEI・TOHOシネマズららぽーと横浜ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.boku9.jp/

主人公・小町を「ちょっと好き」という社長秘書・日向みどりを演じた村川絵梨さんのインタビューをシネマジャーナル84号に掲載しています。急逝された森田芳光監督の思い出もたっぷりお伺いしています。


村川絵梨さん [撮影:(暁)]
※ クリックで拡大します

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マリリン 7日間の恋(英題:MY WEEK WITH MARILYN)

監督:サイモン・カーティス
原作:コリン・クラーク 「マリリン・モンロー 七日間の恋」(新潮社文庫刊)
出演:ミッシェル・ウィリアムズ(『ブロークバック・マウンテン』『ブルーバレンタイン』)、ケネス・ブラナー、エディ・レッドメイン、ジュリア・オーモンド、ドミニク・クーパー、ダグレイ・スコット、エマ・ワトソン、ジュディ・デンチ

1956年。ロンドンの空港で大歓迎を受けるマリリン・モンロー。傍らには結婚したばかりの著名な劇作家アーサー・ミラー。新婚旅行も兼ねてのイギリス訪問は、彼女が設立した製作会社の初プロデュース作品として選んだイギリスのローレンス・オリヴィエ監督・主演の『王子と踊り子』撮影のためだった。マリリンの斬新な演技法を受け入れようとしないオリヴィエとの衝突で、撮影は思うようにはかどらない。NGを連発され、お酒と薬で気を落ち着かせようとするマリリン。その見張り役を命じられたのは、駆け出しの第3助監督のコリン・クラークだった。マリリンは撮影現場を抜け出し、小旅行に出る。マリリンに付き添ううちコリンは恋心を抱くようになる。それは魅惑的な1週間だった・・・

36歳の若さで謎の死を遂げたマリリン・モンロー。没後50年となる2012年の今でも、セクシーな姿が語り継がれる伝説の女性マリリン。本作は、華やかな姿の裏で苦悩していた彼女を垣間見たコリン・クラークの手記を映画化したもの。3度目の結婚で注目の的のマリリンと過ごした1週間は、まだ23歳の青年コリンにとって、まさに夢のようだったでしょう。いつも人の目にさらされて女優として生きていたマリリンにとっても、つかの間の自分自身を取り戻した時間・・・ 二人の間に何があったのかの真実は知る由もありませんが、コリンにしてみれば、これはもう、自分だけの思い出にはしておけなかったのですねぇ。天国のマリリン、今になってこんなエピソードが映画になっていると知って、どう思うでしょう・・・ (咲)

2011年/アメリカ・イギリス/スコープサイズ/SRD/100分
配給:角川映画

★2012年3月24日  角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー

公式 HP >> http://marilyn-7days-love.jp/

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カエル少年失踪殺人事件(原題:~Children..)

監督:イ・ギュマン
脚本:イ・ヒョンジン、イ・ギュマン
撮影:キ・セフン
出演:パク・ヨンウ(カン・ジスン)、リュ・スンリョン(ファン・ウヒョク)、ソン・ドンイル(パク・キョンシク)、ソン・ジル(ジョンホの父)、キム・ヨジン(ジョンホの母)

1991年3月26日、大韓民国大邱(テグ)の城西(ソンソ)国民学校に通っていた5人の小学生が失踪した事件。
事件直後から警察や軍を動員して捜索活動が行われたが、11年が経過した2009年9月、少年たちのものと思われる白骨死体が発見されるまで、全く捜査の糸口がつかめなかった。
検死の結果、道に迷っての遭難や転落などの事故ではなく、何者かによる他殺であることが判明。犯人が誰であるかは不明のまま、2006年3月25日に時効が成立した。

「カエルを捕まえに行く」という最後の言葉から、失踪小学生は通称「カエル少年」と呼ばれている。

韓国未解決事件!『殺人の追憶』レベルの作品だ。あの結末が本当なら、なんで後一歩で警察が甘くなったのかわからない。見応えは120%。犯人役がすっごいいいのも『殺人の追憶/犯人かと思われる役のパク・ヘイル』レベルだった。

※<韓国・三大迷宮入り事件>
★「華城連続殺人事件」『殺人の追憶』で映画化

★イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件」『あいつの声』で映画化 1991年にソウル江南区で起こった9歳の少年の誘拐事件)

以下はパク・ジンピョ監督作品『あいつの声』の感想

 1991年にソウルで発生した誘拐事件を基に、最愛の息子を連れ去られた両親と誘拐犯との44日間を描いている。未だ解決されていない事件。

ソル・ギョング主演とわかり飛ぶようにして名古屋西口シネマ・スコーレに行く
ソル・ギョングは今や韓国映画界の信頼おける相談役的存在。この作品では落着いたニュースキャスターをつとめているが、子どもが誘拐された哀しみを乗り越え、テレビ画面を通じて切々と訴えるシーンは涙なしでは観られなかった。

★「カエル少年失踪事件」本作『カエル少年失踪殺人事件』で映画化。 

(美)


カエルを取りに行くといって行方不明になった5人の子どもたち。その日は地方統一議会選挙投票日。警察は投票場の監視に忙しく捜索の始動が遅れる。後に、1票を争う町で、親を投票に行かせないために子どもを隠したという憶測まで出る。謎は解けないまま。いろいろな推理に興味津々。
子供たちの親を演じた役者さんたちが、ドラマや映画で見たことのあるお馴染みの人が多いのに、それぞれがほんとに子供を案じる親そのもの。特に、行方不明から2ヶ月経って、息子ジョンホから電話がかかってきたと証言する母親を演じたキム・ヨジンさんは髪も振り乱し、悲しみに暮れる母親そのもの。「チャングムの誓い」では女医、「イサン」では王妃役が強烈な印象だったのですが、プロフィールを調べてみたら、『ディナーの後に』が映画デビュー。その後の『ペパーミント・キャンディー』『醉画仙』『4人用の食卓』なども観ているのに記憶にありません。映画に溶け込んでいらしたということでしょうか・・・
さて、カエルといえば、中学生の頃、理科の授業で解剖の実習をしたのを思い出します。大人になって、クラス会の時に、あの時のカエルは同級生の男の子たちが大邸宅に住む同級生の家の庭の池に取りに行ったと話してくれました。いろいろ餌を試したけれど、カエルが飛びついてきたのは、光る金物だったそうです。お屋敷の池に住むカエルは光物が好き?
韓国で行方不明になった5人の小学生たちも実験用のカエルを調達に行ったのだったでしょうか・・・ (咲)

2011年/韓国/カラー/132分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:コムストック・グループ

★3月24日よりシネマート六本木ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.cinemart.co.jp/theater/special/kaerusyounen/

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テイク・シェルター(原題:TAKE SHELTER)

監督:ジェフ・ニコルズ
脚本:ジェフ・ニコルズ
撮影:アダム・ストーン
音楽:ディヴィッド・ウィンゴ
美術:チャド・キース
出演:マイケル・シャノン(カーティス)、ジェシカ・チャスティン(サマンサ)、トーヴァ・スチュワート(ハンナ)、シア・ウィグハム(デュワート)

土木工事の作業員のカーティスは、優しくて美しい妻サマンサと耳が不自由な娘ハンナの三人で、オハイオ州の片田舎で貧しいながらも幸せに暮らしていた。
だが最近、土混じりの黄色の雨が降ったり、竜巻が襲ってきたりする幻覚を瞬間的に見るようになった。彼には分裂症の母がいて、自分も気が狂ってしまうのではないかと心配だったが、その不安がどんどん膨らんで行く。
ついに彼は銀行から多大な借金をし、庭に災害時の頑強なシェルターを作り始めるのだった。

 この役がぴったりのマイケル・シャノン!彼以外に考えられない。カーティスは母親が精神を病んでいたので、自分もという不安を抱えていたので、余計に哀れが際立っていた。
 特異な役ばかりを演じるマイケル・シャノンをはじめて知ったのは、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』。それから『ロシアン・ルーレット』だ。
『テイク・シェルター』でも<家族を愛する>ゆえに、徐々に精神的に追い込まれていく役どころを見事に演じている。
最近の終末映画『メランコリア』『生きているものはいないのか』の中では、これが一番現実的で怖かった。(美)

2011年/アメリカ/カラー/120分/スコープサイズ
配給:プレシディオ

★3月24日(土曜)新宿バルト9他全国ロードショー公開

公式 HP >> http://www.take-shelter-movie.com/

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横浜みなと映画祭

期間:2012年3月16日(金)~18日(日)
会場: シネマ・ジャックアンドベティ、横浜ニューテアトル、CROSS STREET

横浜・伊勢佐木町に新しい町の映画祭が誕生します。
伊勢佐木町は、明治44年(1911年)に、日本初の洋画封切館であるオデヲン座が開館した街。かつて映画、演劇、寄席など多くの劇場で賑わいを見せた伊勢佐木町ですが、今では横浜ニューテアトル、シネマリン、シネマジャック&ベティの3つの映画館を残すのみとなってしまいました。横浜みなと映画祭は、映画興行の発祥の地でもある「伊勢佐木町の復権」を掲げた新しい映画祭。主要プログラムは08年、09年と開催された「黄金町映画祭」を継承しています。

オープニングトークショーやレセプション・パーティをはじめ、横浜みなと映画祭たまり場トークなど、映画祭関係者やゲストとの交流の場も盛りだくさんです。

◆シネマ・ジャックアンドベティ  全10作品
東京人間喜劇  (2010年、深田晃司監督)  ★オープニング作品
Single (2005年、中江和仁監督)
蒼い手/Deep blue (2011年、中江和仁監督)
君とママとカウボーイ (2010年、稲葉雄介監督)
隼 (2005年 市井昌秀監督)
ユリ― 愛するについて  (2009年、東恵美子監督)
ミチコ教会  (2008年、八幡亜樹監督)
想いは壁を通り抜けて、好きな人に逢いに行く  (2011年、頃安祐良監督)
大地を叩く女  (2008年、井上都紀監督)  ★クロージング作品 2作品同時上映
不惑のアダージョ  (2009年、井上都紀監督)  ★クロージング作品 2作品同時上映

◆横浜ニューテアトル  全2作品
ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム  (2004年、サンマーメン監督)
ヨコハマメリー  (2006年、中村高寛監督)

◆CROSS STREET
*オープニングトークショー
“町と映画、そして映画祭―地域振興型映画祭の可能性”
3月16日(金)19:00~20:20
司会者:井川広太郎(「横浜みなと映画祭」プログラマー/映画監督)
ゲスト:
林海象(映画監督 濱マイクシリーズ『我が人生最悪の時』、他)
藤岡朝子(「山形国際ドキュメンタリー映画祭」東京事務局ディレクター)
飯田淳二(「TAMA CINEMA FORUM」ディレクター)
アミール・ナデリ監督(映画監督『CUT』『駆ける少年』)

*オープニングレセプション・パーティ
3月16日(金)20:30~

*エディ藩ミニライブ&上映『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』
3月17日(土)18:15~ 

*クロージングトークショー&特別上映“不惑の映画” 3月18日(日)18:15~


主催:横浜みなと映画祭実行委員会

★2012年3月16日(金)~18日(日)

公式 HP >> http://www.ymff.net/

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アース・ビジョン 地球環境映像祭 EARTH VISION Tokyo Global Environmental Film Festival

最新の受賞作品に加えて、これまでの応募作品の中から、年月によっても色あせない作品をレトロスペクティブとして上映。

◆会期:3月16日(金)~18日(日)
◆会場:新宿区 四谷区民ホール
    四谷区民センター9階
◆交通 東京メトロ・丸ノ内線「新宿御苑前駅」大木戸門方向(2番)出口
    新宿通りを四谷方向へ徒歩約5分

◆上映作品
3月16日(金)14:00 - 20:00
くらしを変える 未来が変わる
『セカンド・ハンド』『小さな町の大きな挑戦―ダイオキシンと向き合った川辺町の6年』『石おじさんの蓮池』『おとなりさんとわたし』『シード・ハンター』『北京―ゴミの城壁』

3月17日(土)10:00 - 18:30
つながりを取り戻す~ 3.11から1年
『100,000年後の安全』『余震?村は何処へ行くのか』『チェルノブイリ・フォーエバー』『自然の楯―Tsunamiからいのちを守ったもの』『海と森と里と―つながりの中に生きる』『南三陸町歌津・伊里前三嶋神社 秋の大祭?「復興へ」子どもたちが繋げる里の祭り・絆』

3月18日(日)10:00 - 20:30
思いをつなぐ
『沈黙の春を生きて』
『人とクマと森と』
『ホタルに恋して』
『帰ってこい!ふるさとの川へ―九頭竜川物語 サクラマス編』
『レオニッドの物語』『思いを運ぶ手紙』『地球の一日』『ビューティフル アイランズ』

◆参加:協力費1日1,000円 高校生以下無料・事前予約不要
    3日間通し協力費(カタログ付き)一般2,000円 学生1,500円

公式 HP >> http://www.earth-vision.jp/

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マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(原題:The Iron Lady)

監督:フィリダ・ロイド(『マンマ・ミーア!』)
出演:メリル・ストリープ(『マンマ・ミーア!』『プラダを着た悪魔』)、ジム・ブロードベント(『ハリー・ポッター』シリーズ、『アイリス』)

マーガレット・サッチャー、86歳。8年前に他界した夫の遺品をようやく整理する決心をするが、食卓や居間で今も夫が生きている幻想にかられる日々。自叙伝に旧姓マーガレット・ロバーツでふっとサインしてしまった彼女は、自分の人生を振り返る・・・

1975年、保守党の党首に選出され、さらに1979年には英国首相に上り詰め、1990年の引退まで長きに渡って国際社会で活躍したサッチャーの姿をリアルタイムで知っている身。鉄の女の異名通り力強い女という印象はもちろんですが、一方で、いかにも英国女性らしいきちんとした身だしなみでエレガントな雰囲気さえ感じていました。サッチャーが首相として采配を振るった時代、日本でもようやく女性が社会で活躍の場を得始めていましたが、まだまだ男性優位の社会。本作を観て、イギリスとて同じ状況だったのを知りました。多くのプレッシャーの中で、長年にわたって首相として君臨した陰には、彼女をさりげなく支えた夫サッチャー氏や、彼女を和ませてくれる二人の子供たちの存在があったことを感じました。老いて認知症で苦しむ姿も描かれ、まだ存命の方なのに、いいのか・・・と思いつつ、颯爽とした政治家サッチャーとの双方を体現したメリル・ストリープは凄いと思いました。サッチャーを政治家としてだけでなく、ひとりの女性として細やかに描いたのは、女性の監督だからこそとも思いました。(咲)

2011年/イギリス/105分/カラー/シネスコ/ドルビーデジタル
配給:ギャガ

★2012年3月16日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開

公式 HP >> http://ironlady.gaga.ne.jp/

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映画 プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち

監督:志水淳児
原作:東堂いづみ 脚本:成田良美
作画監督:青山充
声の出演:福圓美里、田野アサミ、金元寿子、井上麻里奈、西村ちなみ、大谷育、熊田聖亜、能登麻美子、子安武人

横浜のみなとみらいでは、謎の怪物「フュージョン」が暴れ廻り、世界を闇に飲み込もうとしていた。危機を察したプリキュアたちの活躍でフュージョンは粉々に砕け散り、街は平和を取り戻す。女の子たちがプリキュアの活躍に胸を熱くしているとき、転校生のあゆみも一緒に話したいのに声をかける勇気がない。帰り道で小さな生き物を見つけたあゆみはフーちゃんと名づけ家に連れ帰る。たった一人の友だちとして話しかけると、フーちゃんはあゆみに答えるようになった!

映画版を初めてちゃんと観ました。プリキュアってこんなにたくさんいたんですね。歴代のプリキュアたち28人が登場するので「オールスターズ」。女の子たちの憧れる「可愛くて強くてかっこいい女の子たち」が力を合わせて戦うストーリーです。転校したばかりで友だちのいない女の子あゆみが見つけた小さな生き物が、外界のものを飲み込んで大きくなっていくようすは『千と千尋』の顔なしを思い出しました。にぎやかな色、キャラクターの造形は今風ですが、信じること、勇気をもって踏み出すことは今も昔も変わらないテーマです。春休みのお子さん、お孫さんと一緒にお楽しみください。(白)

2012年/日本/カラー/72分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東映
© 2012映画プリキュアオールスターズNS製作委員会

★3月17日(土)より全国ロードショー

公式 HP >> http://www.toei-anim.co.jp/movie/2012_precure_allstars/

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種まく旅人~みのりの茶~

監督:塩屋俊
原作:青葉薫
脚本:石川勝己、三浦千秋
撮影:阪本善尚
音楽:宮本貴奈
主題歌:中村中「ずっと君を見ている」
出演:陣内孝則(大宮金次郎)、田中麗奈(森川みのり)、吉沢悠(木村卓司)、柄本明(森川修造)、石丸謙二郎(森川修一)、永島敏行(太田忠志)、寺泉憲(市長)、中村ゆり(栗原香苗)、林美智子(衛藤フジエ)

東京でデザイナーをしていたみのりはリストラされてしまい、再就職活動も思ったようにはいかない。気分転換に大分県臼杵市でお茶農家をしている祖父修造のもとを訪ねた。祖母が亡くなって一人暮らしの修造は、繁忙期に訪ねてくれる「金ちゃん」とひどく仲がいい。その大宮金次郎、実は身分を隠して全国の農家を回っている農水省の役人だった。何もかも東京とは違う暮らしに最初はとまどうみのりだったが、修造が倒れたのをきっかけに、お茶の栽培に取り組むことになってしまった。臼杵に転属した金次郎も勤めの合間を縫って毎日指導にやってくる。


©「種まく旅人~みのりの茶~」製作委員会

臼杵の茶畑の風景がすがすがしく、塩屋監督の故郷への愛情が感じられる作品。農家の人々に好かれる金次郎が実は農水省のお役人というのは、ちょっと「水戸黄門」みたいな設定です。人の本音と建前が両方わかる面白さもあり、演じる陣内孝則の軽妙さ親しみやすさがいいです。都会育ちのみのりが小さな村の暮らしで感じる居心地の良さと同じだけの窮屈さ、あるある!と共感しました。少しずつ馴染んでいくプロセスも無理がありません。お茶の有機栽培を中心に、農業に携わる人たちの苦労や将来への問題点など多くのエピソードが盛り込まれています。2時間では描ききれなかったことも多いでしょう。ネタはまだまだありそうです。続編ができるといいなぁ。(白)

2011年/日本/カラー/121分/サイズ/ドルビーデジタル
配給:ゴー・シネマ

★3月17日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.tanemaku-movie.com/

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僕等がいた

監督:三木孝浩
原作:小畑友紀「僕等がいた」(小学館 「月刊ベツコミ」連載) 脚本:吉田智子
撮影:山田康介
音楽:松谷卓
主題歌:Mr.Children「祈り~涙の軌道」「pieces」 出演:生田斗真(矢野元晴)、吉高由里子(高橋七美)、高岡蒼甫(竹内匡史)、本仮屋ユイカ(山本有里)、小松彩夏(山本奈々)、柄本佑(アツシ)、比嘉愛未(千見寺亜希子)、須藤理彩(竹内文香)、麻生祐未(矢野庸子)

釧路の高校に通う七美は、学校きっての人気者の矢野元晴と知り合い、言葉を交わすようになった。矢野がときおり見せる寂しげな表情は、年上の恋人を亡くしたせいだと知ってショックを受ける。七美と同じ2年生の山本有里の姉、奈々がその人だった。しかし、気持ちはすっかり矢野に向いてしまっている七美は生まれて初めて告白してしまう。まっすぐな七美に矢野の心も少しずつほぐれていく。矢野の親友の竹内匡史は秘めていた七美への思いが募り、山本有里も射るような目で二人を見つめている。大学受験がせまってきたころ、矢野が東京へ引っ越すことが決まった。


©2012「僕等がいた」製作委員会©2002小畑友紀/小学館

発行部数累計1000万部を突破した大人気の少女漫画が原作。15巻まで発行済みで、完結篇の第16巻は3月26日発売予定。映画は高校生時代の釧路を舞台にした前篇を3月17日より、3年後の東京を舞台にした後篇を4月21日に公開します。七美の矢野への想いを中心に、2人の恋の行く末と、それぞれに秘めた想いを寄せる男女を描いた王道のラブ・ストーリー。年齢的な青春のはるか遠くまで来てしまったオバサンも、純な気持ちはいまだどこかにあり、若い恋人たちの軌跡に胸を熱くしたり、痛めたりしました。実年齢より上の俳優さんたちが高校生を演じるのはちょっときついものがありますが、吉高由里子さんははつらつとして可愛いです。(白)

2011年/日本/カラー/123分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東宝

★3月17日(土)、後篇4月21日(土)全国東宝系にて2部作連続ロードショー

公式 HP >> http://www.bokura-movie.com/

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青い塩(原題:Hindsight(青い塩))

監督/脚本:イ・ヒョンスン(『イルマーレ』)
出演:ソン・ガンホ、シン・セギョン、チョン・ジョンミョン、イ・ジョンヒョク、キム・ミンジュン、ユン・ヨジョン、キム・レハ、オ・ダルス

闇組織の伝説のボスだったドゥホンは足を洗って、母の故郷・釜山でレストランを開いて静かに暮らしたいと料理教室に通い始める。教室でセビンという若い女性と意気投合する。セビンは実はかつて優秀なライフル競技の射撃選手で、ある事件をきっかけに闇組織の手下となりドゥホンの監視役として教室に通わされていた。セビンがドゥホンの人柄に次第に惹かれ始めた頃、闇組織からドゥホン暗殺を命じられる・・・

『イルマーレ』のイ・ヒョンスン監督11年ぶりの新作。しかもソン・ガンホ主役となれば期待も高まる。ソン・ガンホが料理する時のいかにも楽しそうな顔は、とても元ヤクザの親分には見えないけれど、その笑顔は組織から抜けた嬉しさと思えば納得か。『イルマーレ』でもイ・ジョンジェが料理する姿がとても楽しそうだったけど、イ・ヒョンスン監督ご自身も料理好き? 豪快な男の料理にぐぐっとお腹がなります。終盤の深く青い塩田が広がる光景は神秘的。行ってみたくなりました。蛇足ながら、映画はもう少し短くてもよかったかなと。(咲)

2011年/韓国映画/122分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタルSRD
配給:CJ Entertainment Japan

★2012年3月17日(土)、丸の内TOEI、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.aoi-shio.com/

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長ぐつをはいたネコ(原題:PUSS IN BOOTS)

監督:クリス・ミラー
脚本:トム・ウィーラー
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:アントニオ・バンデラス (長ぐつをはいたネコ“プス”)、サルマ・ハエック(キティ・フワフワーテ)、ザック・ガリフィナーキス(ハンプティ・ダンプティ)、ビリー・ボブ・ソーントン(ジャック)、エイミー・セダリス(ジル)、コンスタンス・マリー(イメルダ)、ギレルモ・デル・トロ(コマンダンテ)

捨て猫のプスは孤児院でみんなのママ、イメルダの愛情を受けて育った。人気者だったが無実の罪で町を追われてしまう。お尋ね者となって放浪の旅の途中、兄貴分だったハンプティ・ダンプティと再会する。魔法の豆を探して、その先の王国にある幸せをもたらす金の卵を手に入れる計画をたてた。それを持って町に帰ったらきっと汚名をそそぎ、イメルダママを喜ばすことができるに違いない。まずは悪党のジャックとジルの持っている魔法の豆だ。美女ネコのキティ・フワフワーテを仲間に加え、3人はジャックとジルを追う。

大ヒットしたアニメシリーズ『シュレック』の長ぐつをはいたネコ、主要キャストの中でも人気の彼がシュレックに会う前のストーリーです。可愛い子猫時代、長ぐつをはくことになったいきさつがわかります。見た目は可愛い茶トラの彼ですが、実はダンディで渋い声のいい大人。彼がここぞというときにとるポーズ+「うるうる光線」を発する瞳でじっと見つめるのにヤラレタ猫好きは多いことでしょう。
日本語吹き替え版ではプスを竹中直人、ハンプティ・ダンプティを勝俣州和が演じています。3D,2D同時公開。ダンスシーンや追いつ追われつのアクションはどちらでも楽しめますが、迫力なのは3Dかな、やっぱり。劇場によって上映方法が違いますので、出かける前にお確かめください。(白)

2011年/アメリカ/カラー/90分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
絵 配給:パラマウント
© 2011 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

★3月17日(土)全国ロードショー

公式 HP >> http://www.naganeko.jp/

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映画 桜蘭高校ホスト部

監督:韓哲
脚本:池田奈津子
出演:川口春奈(藤岡ハルヒ)、山本裕典(須王環)、ニックン(ローランス・新・モナール)、篠田麻里子(ミシェル・絵梨華・モナール)

桜蘭学院は日本有数なお金持ちのお子様が通う学園。ここのホスト部は、暇を持て余した美男生徒六人が女生徒をおもてなしをする華麗なる遊戯集団。
そんなホスト部に庶民の奨学生・藤岡ハルヒが迷い込んでしまい、ホスト部室にあった800万円の壷を割ってしまった。その借金を払うために、部員以外には秘密で、男装してホスト部に入部したのだった・・・。

同じ試写会場だけど、「あほらしい、なにが高校ホスト部だ、観てられるかい!」と、これはパスして家に帰ろうと思ったが、待てよ、貼り出されたポスターをよく見ると、主役がかわいい子ちゃん・川口春奈ならみるかぁ~と続きで居座ってしまった。
わかりやすく、スピーディな展開、学校内部のゴージャスさなど、思っていた以上の出来のよさ。日本語も気になる乱れはなかったし、ハルヒにちゃんと将来の夢を語らせていた。
それにぃ~、春奈ちゃんやカリフォルニア生まれのニックンが孫ならいいなぁ~と・・・おばぁは思ってしまったの!
だから、評がちょっと甘いかも。その日はバレンタインデーだから甘いのゆるして! (美)

2012年/日本/カラー/105分/ビスタサイズ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントbr/>

★3月17日より 新宿ピカデリーほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.tbs.co.jp/ouran_movie/

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桃まつりpresents すき 2012

2012/03/17(Sat) - 30(Fri)
渋谷ユーロスペースにてレイトロードショー

女性監督集団“桃まつり”が2012年は「すき」をテーマに様々な形の愛をお届けします。


『フィガロの告白』 天野千尋
  フィガロの告白
『口腔盗聴器』 上原三由樹
『最後のタンゴ』 熊谷まどか
  最後のタンゴ
『the place named』 小森はるか
『LATE SHOW』 佐藤麻衣子
『春まで十日間』 ステファニー・コルク
『帰り道』 竹本直美
  帰り道
『SAI-KAI』 名倉愛
  SAI-KAI
『さめざめ』 星崎久美子

チケット前売り 1000円

(千)

公式 HP >> http://www.momomatsuri.com/

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第7回大阪アジアン映画祭(Osaka Asian Film Festival 2012)

毎年春3月、「大阪の街を元気に!」を合言葉に開催されてきた大阪アジアン映画祭。 第7回となる今回は、2012年3月9日(金)~18日(日)の10日間にわたって開催され ます(プレイベントも、3月3日から先行開催)。

第7回大阪アジアン映画祭

会期:2012年3月9日(金)~18日(日)

オープニング:3月9日(金)(場所:梅田ブルク7)
『道~白磁の人~』<ワールドプレミア>
2012年/日本映画/2時間(予定)/配給:ティ・ジョイ/
http://hakujinohito.com/

監督:高橋伴明 原作:江宮隆之 脚本:林民夫
出演:吉沢悠、ペ・スビン、酒井若菜、石垣佑磨、塩谷瞬、黒川智花、近野成美、チョン・ダヌ、チョン・スジ、市川亀治郎、堀部圭亮、田中要次、大杉漣、手塚理美


© 2012「道~白磁の人~」フィルムパートナーズ

公式 HP >> http://www.oaff.jp/

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へんげ

監督・脚本・編集:大畑創(『大拳銃』)
撮影:四宮秀俊
特技監督:田口清隆(仮面ライダーシリーズ、『ウルトラゾーン』)
音楽:長嶌寛幸(『恐怖』『接吻』)
出演:森田亜紀、相澤一成、信國輝彦 

閑静な住宅地。瀟洒な家で暮らす恵子は、夫の吉明が夜な夜な奇妙な発作に襲われ野獣のような声をあげる姿に不安を覚える。吉明の医大の後輩坂下にカウンセリングを頼み、催眠療法を試みるが原因は判明しない。次第に発作と共に吉明の身体が変化するようになる。坂下の勧めで強制入院させるが、その頃から都内各地で謎の通り魔事件が頻発するようになる。犠牲者は皆、身体を引き裂かれた姿に変わり果てている。ある日、吉明が病院を抜け出し恵子のもとに帰ってくる。ある行動から夫が通り魔事件の犯人であることを悟る恵子・・・

夫が奇病で変貌する姿を妻の恵子は、深い愛で受け止め、手助けする。普通なら逃げ出してしまうだろう。刑事に追われる二人の逃避行。そこで繰り広げられる光景には、もう唖然。自分なら、こんな風に愛を貫けるだろうか・・・ 男がどんなに変貌を遂げても女が変わらない愛を注いでくれるなんて、男の幻想とつい思ってしまう。それは抜きにして、圧巻のラスト。もう、笑うしかない。(咲)

2011年/日本/54分/カラー
配給:キングレコード

★2012年3月10日(土)よりシアターNほか全国順次公開! *同時上映『大拳銃』

公式 HP >> http://hen-ge.com/

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FLY!~平凡なキセキ~

監督:近藤真広
脚本:上田誠、山脇唯
撮影:田中康彦
主題歌:斉藤和義「満男、飛ぶ」
出演:小籔千豊(平野満男)、相武紗季(高崎ななみ)、温水洋一(シカタ)、本仮屋ユイカ(ホステス)、なるみ(ママ)、笹野高史(工場長)、大杉漣(店長)

町工場で働く満男はまじめだけがとりえの冴えない独身。妹にいやみを言われながらまだに親元でくらしている。同僚のシングルマザーの高橋ななみにひそかに想いを寄せているがとても告白などできない。ある日川原で妙な物体を見つける。そこには想像とは全く違った宇宙人のシカタがいた。こっそり部屋に匿うことにした満男とシカタはふしぎとウマが合い、いつしか友情が生まれていた。


©朝日放送/吉本興業

地球に落っこちてきた宇宙人が全身銀色タイツ・オカッパ頭の温水洋一。もう想像がついて口元がゆるむ人はこの作品が楽しめます。小籔千豊をこの作品で初めて知りました。知らなかった分余計にどこにもいそうな気がしてリアルです。非モテ系・片思いの二人が悩みに共感しあい、満男は知恵を振り絞ってシカタを星へ返す算段をします。女性の活躍場面は少ないですが、満男のマドンナ、相武紗季のヤンママ姿が意外に似合い、子役もなかなか達者で可愛いです。脱力系のゆるい笑いがいっぱいで、そんなことで帰れるのかというつっこみもなしに、ほんわかと観終わりました。殺人事件の映画が続くとこういうのもホッとします。(白)

2011年/日本/カラー/107分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

★3月10日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木、シネマート心斎橋、コロナシネマワールド全国順次公開

公式 HP >> http://fly-the-movie.com/

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超能力者(英題:HAUNTERS)

監督・脚本:キム・ミンソク
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:イ・ジェジン
出演:カン・ドンウォン(チョイン)、コ・ス(ギュナム)、ピョン・ヒボン(“ユートピア”チョンシク社長)、チョン・ウンチェ(社長の娘ヨンスク)、ユン・ダギョン(チョインの母ヒョスク)、チェ・ドクムン(チョインの父)、アブダド(ボバ)、エネス・カヤ(アル)、キム・グァンギュ(警察署長)

他人と目を合わせないように、ひっそりと生活している青年チョイン。彼には目で人を意のままに操れる超能力があったが、生活に必要なだけの金を手に入れるのに使うだけだ。ギュナムは廃車場で外国人の同僚と働く気のいい若者だが、事故で働けなくなり、ユートピア(質店)に再就職する。そこで小金を調達しにきたチョインに出遭ってしまう。自分の力が通じない男ギュナムに出会って驚愕するチョイン。それは彼の世界の均衡が崩れることを意味していた。ギュナムはチョンイに出会って、初めて自分の力に気付く。二人は対決しなければならない運命なのか。

どこから観ても絵になるカン・ドンウォン。『オオカミの誘惑』の笑顔にハートを打ち抜かれた女性は多いことでしょう。『デュエリスト』での来日会見に行って、そのスターのオーラと立ち姿の美しさに驚いたのがついこの前のようです。どちらかといえば陰の魅力の彼に対し、陽のコ・ス。人気の二人がガチで対決となるわけですが、孤独なチョンイをギュナムが理解してやって、とつい思ってしまうのは、カン・ドンウォンが母性をかきたてる役者だからかも。これが初めての長編映画となるキム・ミンソク監督は『グッド・バッド・ウィアード』で脚本と助監督をつとめていました。今後の作品も注目しています。(白)

2010年/韓国/カラー/113分/スコープサイズ/ドルビーデジタル
配給:ツイン 宣伝:アルシネテラン
© 2010 United Pictures & ZIP CINEMA. All Rights Reserved.

★3月10日(土)よりシネマート新宿、3月17日(土)シネマート心斎橋ほか全国順次公開

公式 HP >> http://choin.jp/

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311 仙台短篇映画祭制作プロジェクト『 明 日 』

毎年9月に開催される「ショートピース!仙台短篇映画祭」。昨年は3月11日の東日本大震災の影響を受け、それまでの開催場所でもあった仙台メディアテークが被災し、開催が危ぶまれていました。これまで参加した監督たちから「仙台のために何かできないか」という声が上がりました。その声を受けて映画祭側から各監督たちに「映画祭がやりたい、映画を作ってほしい」と連絡をしたところ、41人が作品制作の形でそれに応えてくれました。3分11秒という制約の中で、それぞれが3月11日以降の自身と対峙し、葛藤を経て作られたオムニバス作品。東京での上映が決定いたしました。

●参加監督および作品タイトル

阿部理沙『ひとりの父』、生田尚久『C e l l 』 、井上剛『あたらしい日常』、今泉力哉『Mother Said. I sing. Wife Listen.』入江悠『Never Give Up by MC TOM( SR サイタマノラッパー) 』、ウイスット・ポンニミット『明日』、岡田まり『バースデー』、甲斐田祐輔『夏の視界』、片岡翔『超スーパーギガゴーレムSV プラス超リーサルウエポンⅡアンドギガ』、加藤直輝『Echo Never Goes out』 、河瀬直美『わすれなぐさ』、 境千彗子『夜は明ける』、佐々木健太『パスポート』、佐藤央『2011/194』、佐藤良祐『Carnival』、塩田明彦『世界』、志子田勇『測量技師たち』、篠原哲雄『柔らかい土』、鈴木太一『ベージュ』、鈴木卓爾『駄洒落が目に沁みる』、瀬田なつき『Humming』、タカハタ秀太『びんた』、田中博之『駆ける愛×YOU 欠ける彼 架ける明日』、田中洋一『10.19』、田中要次『蝶蜻蛉は虹の夢を見る』、田平衛史『我が家のなす模様』、遠竹真寛『春江』、冨永昌敬『妻、一瞬の帰還』『武闘派野郎』、外山光男『手』、内藤瑛亮『廃棄少女』、中野裕之『明日』、朴美和『ちょうちょ』、濱口竜介『明日のキス』、日原進太郎『アイツがやって来る』、日向朝子『一枚の履歴書』、平林勇『Matou』、堀江慶『3・12』、真利子哲也『スポーツマン』、守屋文雄『ダーンポンビャ』、山下敦弘(真夜中の子供シアター)『無事なる三匹』、和島香太郎『WAV』
※上映はあいうえお順

http://www.shortpiece.com/311_asu.html

3月10日(土)~3月11日(日) ブリリアショートショートシアターにて期間限定で公開
3月10日(土)~3月16日(金) キネカ大森にて期間限定で公開
3月31日(土)~4月 6日(金) ポレポレ東中野にて夜9時からレイトショー
3月31日(土)~終了未定   下北沢トリウッド ロングラン決定! 昼12:30からロードショー(火曜休映)

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ヒューゴの不思議な発明(原題:Hugo)

監督:マーティン・スコセッシ
原作:ブライアン・セルズニック
脚本:ジョン・ローガン
撮影:ロバート・リチャードソン
美術:ダンテ・フェレッティ
音楽:ハワード・ショア
出演:エイサ・バターフィールド(ヒューゴ)、クロエ・グレース・モレッツ(イザベル)、サシャ・バロン・コーエン(鉄道公安官)、ベン・キングズレー(パパ・ジョルジュ)、ジュード・ロウ(ヒューゴの父)、レイ・ウィンストン(ヒューゴの叔父)、クリストファー・リー(ムッシュ・ラビス)、ヘレン・マックロリー(ママ・ジャンヌ)、リチャード・グリフィス(ムッシュ・フロック)、フランシス・デ・ラ・トゥーア(マダム・エミール)、エミリー・モーティマー(リゼット)、マイケル・スタールバーグ(ルネ・タバール)

1930年代のパリ。時計職人の父を火事で失ったヒューゴは、駅の時計番をしている叔父に引き取られる。飲んだくれの叔父は、ヒューゴを学校にも行かせず仕事を覚えさせたあげく、飲みに出て行ったまま帰ってこない。一人ぼっちのヒューゴは時計のネジを巻きながらひっそりと時計台に住み続けている。父が美術館のガラクタ置き場から見つけ出した古い機械人形だけが、ヒューゴの友だちであり父とつながるものだった。壊れたからくりを直すため、古道具屋の店先からおもちゃを盗み出そうとして、年取った店主ジュルジュにつかまってしまう。

スコセッシ監督が長年夢見ていたという3Dで製作された作品。時計台の歯車、パリを見下ろす風景、降りしきる雪etc,etc。存分にその効果が現れています。俳優陣も美術も豪華なうえ、そこかしこに映画の先人へのオマージュが散りばめられています。ジョルジュ・メリエスは実在の映画監督で、映画の創世期にさまざまな技法を開発&駆使して、それまでにない映画をいくつも製作しました。父を亡くした少年が機械人形を発端にジョルジュ・メリエスと出会うのは創作ですが、夢を映画に実現させたその先駆者の偉業に光を当てる“映画愛”が、原作にも映画にも満ちていて映画ファンには必見です。
ブライアン・セルズニックの原作は、絵本としても読み物としても高い評価を受け、日本でも翻訳出版されています。挿絵もセルズニック本人が描いていて、映画のシーンをそのまま観るようです。文庫版も出ましたので映画とあわせてご覧ください。 (白)

2011年/アメリカ/カラー/126分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル/2D、3D
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
©2011 GK Films. All Rights Reserved.

★3月1日(木/映画の日)TOHOシネマズ六本木ほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.hugo-movie.jp/

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戦火の馬(原題:War Horse)

監督:スティーブン・スピルバーグ
原作:マイケル・モーパーゴ
脚本:リーホール、リーホール
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ジェレミー・アーヴィン(アルバート・ナラコット)、ピーター・ミュラン(テッド・ナラコット)、エミリー・ワトソン(ローズ・ナラコット)、ニエル・アレストリュプ(エミリーの祖父)、デヴィッド・シューリス(ライオンズ)

第1次大戦間近のイギリス。貧しい農家の主人テッドが農耕馬を買うつもりの市場で競り落としてしまった子馬。農耕には向かない馬だったが、すっかり気に入った息子アルバートはジョーイと名づけ親身に世話をする。賢く美しく育ってかけがえのない家族となったころ、ジョーイは軍馬として買い上げられ、遠くの前線に送られていった。ジョーイは行く先々でいくつもの出会いをする。やがてアルバートも兵隊となって家を出る日が来た。

スピルバーグ監督の新作は、兵隊でなくもの言わぬ馬を主人公に、戦場を転々とする「彼」の出逢いと別れを通していくつもの人間ドラマを描きます。馬が重要な戦力であったとき、乗り手とともに撃たれたり、力尽きて倒れたり、戦利品として敵側に連れて行かれたりとさまざまな道を辿ったはず。この原作は1982年に出版された小説ですが、のちに舞台化されてスピルバーグ監督が目にして映画化となったのだとか。
第2次大戦で兵隊だった私の父が、馬との写真を大事に持ち帰っていて、馬がどんなに賢くて可愛いか何度も言っていたのを思い出します。戦争が終わった後、人間はなんとしても故郷に帰りますが馬はどうなるのかと思っていました。それはこの作品をご覧になるとわかります。(白)

2011年/アメリカ/カラー/2時間27分/シネスコサイズ/ドルビーSRD
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
©Dream Works II Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

★3月2日(金)全国ロードショー

公式 HP >> http://Senka-no-uma.jp/

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劇場版はらぺこヤマガミくん

監督:井口昇、西村喜廣、塩崎遵
脚本:継田敦
音楽:福田裕彦
キャラクターと声優:ヤマガミくん(井口昇)、イソベくん(福井真奈)、カワカミくん(福田裕彦)、キノシタちゃん(水井真希)ナレーション(仲谷明香AKB48)

ヤマガミくんは古代から生き続ける山の神様。自然破壊で餌がなくなり、里に下りてくるが、なんと好物は「人間」。あの手この手を使うが毎回大失敗。だからいつもはらぺこ。さあ、失敗続きだけどマンプクヤマガミくんにいつなれるかな?

東京に雪の降った日に試写室に到着したら、私一人だった。なんだかとってももったいないやら、配給さんに悪いやらで気持ちが落ち着かなかったが、珍しいショート・着ぐるみコメディだから観逃したくなかった。

監督さんたちは『電人ザボーガー』『ロボゲイシャ』の井口監督、そして、4月公開の『レッド・ティアーズ』特殊造形の西村喜廣監督作品も。
内容は3分ぐらいの着ぐるみショートで全部で25話。ユーモア?あり、風刺辛辣あり、残酷あり、爆笑あり、「そこまでやるか?」あり、ミュージカルありで、大人向け着ぐるみショートを楽しんだ。(美)

2011年/日本/79分/カラー/PG-12
配給:ポニー・キャニオン、ツイン

★2012年 3月3日より銀座シネパトスにて公開

公式 HP >> http://www.yamagamikun.com/

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アリラン(原題:Arirang)

脚本・監督:キム・ギドク
主演、製作、撮影、録音、編集、音響、美術:キム・ギドク

前作『悲夢』(2008年)の自殺シーン撮影中に、女優が命を落としそうになる事故を経験したキム・ギドク。自分の映画のために人が死んだかもしれないという心の痛みを抱え、映画界との接触を絶ち、山あいの町外れの粗末な一軒家で自身を振り返る日々。映画を作る前の自分は誰にも注目されることはなかった。映画を作ってみたら、賞も取り、世界に知られる存在になった。しかし、人の命を粗末にしてまで映画を撮る意味はあるのか・・・ 

13年間に15本の映画を作り続けてきたキム・ギドク監督が、映画を撮れなくなった思いを赤裸々に語ります。それでも「映画が撮りたいんだ」と怒るように吐露し、やがて、手製のピストルを手にして街に出るキム・ギドク。鳴り響く銃声が、3年間の沈黙を破って、また映画を作るぞという宣言にも思えました。実のところ、前半は、ただただ小汚いおっちゃんの隠遁生活。東京フィルメックスで観客賞を受賞したのは、映画の中でも監督自身が歌っている朝鮮民謡「アリラン」を上映後に熱唱したのが効を発したのだろう・・・ぐらいに思っていたのが当たっているかなという印象だったのですが、後半になって、只者じゃないキム・ギドクをグッと感じました。
「アリランの歌を歌うと何もかもが理解できる」とキム・ギドクが語ります。アリランの〔ア〕は自我の〔我〕、〔リ〕は道理の〔理〕で「自らを知る」という意味があるとの一説があるそうです。ちなみにエンディングでキム・ギドク本人が歌っているアリランは、日本で馴染みのあるメロディー。途中で歌っているのは、どの地方のアリランなのでしょうか・・・ 朝鮮民族の「ハン(恨)」の感情は、劇中で歌っている節の方により強く感じました。(咲)

2011年/韓国/ 91分/HD/1:1.77
配給:クレストインターナショナル

★2012年3月3日、シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.arirang-arirang.jp

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父の初七日(原題:父後七日)

監督:ワン・ユーリン、エッセイ・リウ
原作・脚本:エッセイ・リウ
音楽:ドゥー・ドゥージー
出演:ワン・リーウェン(アメイ)、ウー・ポンフォン(アイー)、チェン・ジャーシャン(タージ)、チェン・タイファー(シャオチュアン)ジャン・シーイン(アチン)、タイ・バオ(父)

台北で働くアメイの元に、故郷の父が亡くなったと知らせがあった。急ぎ戻って兄と一緒に、父を送らねばならない。道士でもある叔父の指南どおり占いで葬儀の日取りを7日後と決める。アメイは次々とやってくる弔問客の相手をし、叔父の指示どおりに泣き、と忙しい。泣き女や楽隊も集まって、しきたりどおりに式次第が進む。全てが終わって一人になったとき、父との思い出が後から後からわいてくるのだった。

この作品は脚本・監督をつとめたエッセイ・リウの散文(エッセイと訳せば近いんでしょうか)が原作で、台湾では口コミで観客が増え、拡大公開&ロングランとなったそうです。誰もが経験する近親者との別れを描いて、笑って泣いてしみじみとした共感を呼ぶからでしょう。お父さん役はジャッキー・チェンの映画脇役としてよく顔を見せていたタイ・バオ(太保)。アメイ役のワン・リーウェンは、これが映画初出演。それまでは企画や脚本を書いていたそうです。演技っぽくなくとても自然です。
台湾の道教に基づく伝統的なお葬式は、日本よりも何もかも派手でまるで一種のお祭り。冠婚葬祭の儀式は、あまりに日常とかけ離れているせいか、どこか滑稽な感じが漂ってきます。自分の親を送ったときも、なんだかめまぐるしく追われているうちに終わってしまい、悲しさ寂しさは後からじんわりやってきましたっけ。(白)

2009年/台湾/カラー/92分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:太秦
©2010 Magnifique Creative Media Production Ltd. Co. ALL rights reserved.

★3月3日(土)より東京都写真美術館ホール、銀座シネパトスにて “父をおくる”ロードショー!ほか全国順次公開

公式 HP >> http://shonanoka.com/

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プリピャチ(英題:Pripyat)

監督:ニコラウス・ゲイハルター
撮影:ニコラウス・ゲイハルター
出演:プリピャチに関わっている人々

チェルノブイリ原子力発電所から約4キロメートルに位置する町、プリピャチ。1986年の原発事故後、原発の周辺30キロメートルが立入制限区域“ゾーン”と呼ばれ、許可なく入ることができない管理された「ゴーストタウン」になっている。
立入制限区域は有刺鉄線で覆われたフェンスで区切られ、管理者が区域内に入るすべての人々をチェックし、区域内からどんないものも持ち出すことは禁止している。
このドキュメンタリーは、原発や関連施設で働く人々や、プリピャチの立ち入り制限区域で生きる人々を、モノクロの映像で記録している。

『いのちの食べかた』のニコラウス・ゲイハルター監督作品。驚くことばかりのドキュメンタリーだった。
一番の驚きは、チェルノブイリ原子力発電所の一部稼動していた事実。だから働く人も出入りするわけだ。特別高い給料を貰っているわけではなく、ある労働者が「昼ごはんが無料なんだ」と嬉しそうに言っていたのが耳に焼き付いている。
稼動しているチェルノブイリ原子力発電所内部の狭い一室で事務員みたいな仕事をしている女性は、いままで住んでいた、すぐ近く(歩いて3、4分のところに住んでいた)のプリピャチにある自分の住宅を時々見に行っていたが、そのたびに自分が落ち込むので、もう行かないことにした・・・といいながらも監督さんと久しぶりにもといた家に行くが、誰かに荒らされていて、とても正視できない哀しそうな表情だった。
その反対に、いままでどおり危険区域の自宅で暮らしている老夫婦は、自給自足して案外気楽に生活しているように見えた。いつかお一人になったらここでは暮らせまいと先々の心配してしまったが、ご夫婦の幸せそうなお顔をみていると「あんまり先のこと考えるのはよそう・・・」と思った。

※映画撮影時には1万5000人の人々が原発や放射能の影響を調べる研究所など、この区域内で働いていて、驚くべき事に一般の市民も約700人、許可を得て区域内で生活している。(美)


プリピャチと聞いて思い出すのが、昨年の東京国際映画祭 natural TIFF部門で上映された『失われた大地』。こちらは、原発事故当日にプリピャチの町で結婚式を挙げた女性を主人公にした物語。披露宴の最中、新郎は自衛消防団の一員として出動し、人間原子炉と化して面会もできないままに逝ってしまいます。数年後、チェルノブイリ見学ツアーのガイドとして、髪の毛が抜け始めカツラを被って健気に見学者を案内するヒロイン。身体への悪影響を承知で故郷を離れられない人々の気持ちがずっしり伝わり、福島の現実が重なる作品でした。そこに住んでいた人たちにとっては、災害自体よりも故郷を追われたことのトラウマの方が大きいと『失われた大地』のミハル・ボガニム監督が語っていましたが、『プリピャチ』で取材されている人たちの言葉からも、それを強く感じました。福島の原発事故から1年経った今、1999年に製作された本作が日本で公開されることの意義は大きいでしょう。(咲)

1999年/オーストリア/カラー/100分/モノクロ
配給:アップリンク

★3月3日 渋谷アップリンクほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/pripyat/

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ピナ・バウシュ 夢の教室(原題:Tanztraume - Jugendliche tanzen Kontakthof von Pina Bausch)

監督:アン・リンセル
撮影:ライナー・ホフマン
音楽:ウーヴェ・ドレッシュ、トーマス・ケラー、他
編集:マイク・シュレマー
出演:ピナ・バウシュ、ベネディクト・ビリエ、ジョセフィン=アン・エンディコット

世界的な舞踏家ピナバウシュのもとに、40人のティーンエイジャーが集まった。 演劇好きな少年、ロマの子、愛する身近な人を亡くした子、ヒップホップをしていた子・・・。
やっていたことも家庭の事情も違う、ましてやピナの名前すら知らない彼らに共通するのは<ダンスを習った経験がないこと>だった。
10ヶ月後に、ピナバウシュの代表作「コンタクトホープ」に立つこと。 この挑戦を実現するため、毎週土曜にピナバウシュの弟子でもあるベネディクトとジョーによる猛特訓が始まるのだった。

ピナ・バウシュ自身が指導するシーンなどをおさめた生前最後の公式映像。一人ひとりに踊り方を教える以上に、同列になって語りかけて、その中から何かしら提言する姿勢にうたれた。
『トーク・トゥー・ハー』の最初の場面で踊っているのがピナ・バウシュご本人と聞いて、すぐにDVD屋に駆けつけたが貸し出し中だった。3日おいてもう一度行ったら、あった! 最初の相当長い間、踊っていた・・・ひたすら踊っていた。
ピナが生徒たちに「相手に触れなさい!」となんども言っていた。ピナが言っていた<他者との触れあう>意味を彼女の身体表現から理解できた。
※『トーク・トゥー・ハー』は2002年公開のスペイン映画。 監督・脚本はペドロ・アルモドバルで、第75回アカデミー賞・脚本賞を受賞している。 (美)

2010年/ドイツ/カラー/89分/HD
配給:トランスフォーマー

★3月3日ユーロスペース、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.pina-yume.com/

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恋人たちのパレード(英題:WATER FOR ELEPHANTS)

監督:フランシス・ローレンス
原作:サラ・グルーエン「サーカス象に水を」(ランダムハウス講談社)
出演:リーズ・ウィザースプーン、ロバート・パティンソン、クリストフ・ヴァルツ、ハル・ホルブルック、ポール・シュナイダー

1930年代、大恐慌時代のアメリカ。ポーランド移民の両親の愛にはぐくまれたジェイコブ。コーネル大学獣医学部の卒業試験の日、両親が交通事故で亡くなったことを知らされる。息子の学費のために両親は家を抵当に借金をしていたため、ジェイコブは家族も住む家も失ってしまう。あてもなく線路を歩き、衝動的にサーカス団の列車に飛び乗る。馬の病を見抜いたジェイコブをサーカス団の団長は一座に迎え入れる。やがて馬が亡くなり、ホースショーに代わる目玉として、団長は象のロージーを連れてくる。象をあやつる花形スターは団長の美しい妻マーリーナ。象の世話をするうち、ジェイコブはマーリーナと心を通わせるようになるが、それは禁断の恋だった・・・

サーカス小屋の切符売り場に迷い込んだ老人が、かつて一世風靡したサーカス団が火事で消滅したことを思い出として語る形で始まる物語。繰り広げられる1930年代のサーカス団の華やかな表舞台と、厳しい台所事情の裏舞台。映画のトーンが、一昔前の懐かしい雰囲気。小さい頃にこんな映画を観たような錯覚におそわれました。(咲)

2011年/アメリカ/カラー/シネマスコープ(1:2.35)/121分/デジタル上映
配給:エスピーオー

★2012年2月25日よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開

公式 HP >> http://video.foxjapan.com/koipare/

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ヤング≒アダルト(原題:Young Adult)

監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コーディ
撮影:エリック・スティールバーグ
音楽:ロルフ・ケント
出演:シャーリーズ・セロン(メイビス)、パットン・オズワルト(マット)、パトリック・ウィルソン(バディ)、エリザベス・リーサー(ベス)

自称作家のメイビス・ゲイリー。実はヤングアダルト(少女向け)小説のゴーストライター。人気が落ちて打ち切りになり、パソコンをあけて最終話を書き始めたが、少しも進まない。そこへ高校時代のボーイフレンドだったバディからのメールが届く。娘の誕生パーティの招待だった。メイビスは彼と別れてから一度結婚し、まもなく離婚。その後もデートの相手にはことかかないが、一夜限りの付き合いばかり。輝いていた10代の思い出が蘇り、その招待に応じる気になった。愛犬を車に乗せてしばらく疎遠だった故郷へ向かう。

ジェイソン・ライトマン監督が再び『JUNO/ジュノ』の脚本家ディアブロ・コディとタッグ。シャーリーズ・セロンはコーラをラッパ飲みし、キティTシャツにジャージのパンツといういでたち(気合を入ったときとの落差が大きいこと!)でイタイ三十路女性を演じます。過去の栄光よもう一度と、元彼とよりを戻そうとするのですが、彼は故郷で結婚し妻子と幸せに暮らしています。元カノのつけいる隙などどこにもないのに、自分の都合のいいように捻じ曲げて考えるメイビスには知ったこっちゃありません。昔彼女に憧れていた今も独身のマットが、いくら諭しても聞く耳持たず。イタさ全開でドラマが進んでいきます。大人になりきれない高ビー&自己チュー女子に共感するや否や?(白)

2011年/アメリカ/カラー/90分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:パラマウント
©2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved

★2月25日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.young-adult.jp/

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英雄の証明(原題:Coriolanus)

監督:レイフ・ファインズ
脚本:ジョン・ローガン
原作:ウィリアム・シェイクスピア
撮影:バリー・アクロイド
音楽:イラン・エシュケリ
出演:レイフ・ファインズ(コリオレイナス)、ジェラルド・バトラー(オーフィディアス)、バネッサ・レッドグレーブ(母ヴォルムニア)、ブライアン・コックス(メニーニアス)、ジェシカ・チャステイン(妻ヴァージリア)

ローマ侵略を狙いじわじわと近づいていたオーフィディアスは、ローマの将軍コリオレイナスを打ち負かせずにいる。コリオレイナスは数々の武勲により、今や独裁といえるほどの力を持っており、政治家たちは彼の力をそぐことを考え始めていた。政治的野心を持つ母ヴォルムニアは息子を叱咤激励し、従順で美しい妻ヴァージリアはひたすら夫の身を案じていた。

ウィリアム・シェイクスピアの悲劇「コリオレイナス」を現代に置き換え、戦う男たちを描いたものです。現代の戦争を舞台にするのはかなり無理がある感じがしました。レイフ・ファインズが、イギリスでは誰もが知る古典の原作を初の監督作品に選んだのはなぜ?日本で時代物を現代に置き換えて作るようなものなのかしら。名前もセリフも時代がかって聞こえるのですが、本国での評判はいかがだったんでしょう?
国のため戦い続けてきたのに、国にも民衆にも背を向けられるレイフ・ファインズの悲哀。かたや国民に愛される武将ジェラルド・バトラー、主演二人の熱い演技合戦はみもの。(白)

2011年/イギリス/カラー/123分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:プレシディオ
©Coriolanus Films Limited 2010

★2月25日(土)、丸の内ルーブル、渋谷東急ほか全国ロードショー

公式 HP >> http://gacchi.jp/movies/eiyu-shoumei/

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幸運の壺 Good Fortune

監督:小川通仁
脚本:福間正浩、加藤浩平、佐藤友治
撮影:上野彰吾
出演:ほっしゃん。(袴田良作)、麻生久美子(袴田麻美)、戸田恵子(管理人 上野しのぶ)、佐津川愛美(袴田エリカ)、前田公輝(小澤翔)ほか

売れない役者の良作は、鬼嫁・麻美のDVに耐えつつ毎日を送っていた。マンションの管理人に「幸運の壷」を押し付けられてから、なぜか突然日常が激変する。仲間うちで冗談に「殺すしかない」と言っていた鬼嫁が事故死してしまったのだ。日頃の不和から殺人犯と疑われてしまう!思わず良作は隠蔽工作に走るが、死体を外に持ち出すことができない。妹や、その彼氏、麻美の父親など次々とやってくる訪問者から麻美の死体を隠そうと躍起になるのだが。


©日本テレビ/吉本興業

お笑いタレントのほっしゃん。の初主演作。「幸運の壷」をもらったばかりに不幸の連鎖にまきこまれていく不運な男のストーリー。ヨネスケさんが突撃してくるわ、死体が増えていくわ、のドタバタコメディです。爆笑というより、嫁の立場では「笑っていいのか?」な展開ですが、最近のお笑いに慣れた若い方にはうけるのでしょう。沖縄国際映画祭のLaugh部門出品作品。鬼嫁・麻美のお父さん役に麿赤兒さん。このごろいろんな作品でお見かけします。(白)

2011年/日本/カラー/83分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

★2月25日(土)シネマート新宿他全国ロードショー

公式 HP >> http://tsubo-goodfortune.com/

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Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち(原題:PINA)

監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団のダンサーたち

1973年、ドイツのルール地方の小さな工業都市ヴッパタール舞踊団の芸術監督に抜擢されたピナ・バウシュ。当時は無名だったピナだが、伝統や常識を超えて演劇とダンスを融合させた独自のスタイル「タンツテアター」で、世界に名を馳せる舞踏家、演出・振付家となる。そのピナの独創的な舞台を映像で描くには、3Dしかないと、20年来の友人ヴィム・ヴェンダース監督はピナに提言。半年に及ぶ徹底的な準備を終え、3Dのリハーサル撮影を2日後に控えた2009年6月30日、ピナが急死する。一度は撮影中止を決めたヴェンダースだが、世界中から届く映画化を願う声に後押しされ本作を完成させる。


(c)2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH, EUROWIDE FILM PRODUCTION


(C)NEUE ROAD MOVIES GmbH photograph by Donata Wenders

ピナの振付によるパフォーマンスが、劇場だけでなく、街や森に飛び出して繰り広げられる様が3Dで圧倒的に迫ってきます。中でも私の目を引いたのが、何度も出てくるヴッパタール市内を走る「空中鉄道」。1901年に開通した現役最古のモノレールだそうで、もちろん何度かリニューアルされているそうですが、存在感がすごいです。この空中鉄道の中や、空中鉄道を背景にした街中でのパフォーマンスを観ながら、ヴッパタールに行ってみたくなりました。もちろん、本場でヴッパタール舞踊団の公演も観てみたくなりました。
さて、映画の中では、ピナを知る人たちの「はかなさと強さを併せ持つ人」「限界を知らない人」「屋根裏に宝物をたくさん隠しているような人」といった言葉から、ピナという女性の人物像も浮かびあがってきます。実は私は今回、『ピナ・バウシュ 夢の教室』を試写で観て初めてピナを知りました。若い人たちに適切で素敵な言葉で指導をするピナに惹かれました。続けて観た本作でも、ダンサーたちに語りかける「もっとクレイジーに」「私を怖がらせてね」「探し続けなさい。たとえ方向がわからなくても」「自らを失わないように」といったピナの言葉が心に残りました。人生の指針を貰った思いです。(咲)

2011年 ドイツ=フランス=イギリス/104分/カラー/ヴィスタ/SRD
配給:ギャガ

★2月25日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9他全国順次3D公開

公式 HP >> http://pina.gaga.ne.jp/

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メランコリア(原題:MELANCHOLIA)

監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
撮影:マヌエル・アルベルト・クラロ
衣装:マノン・ラスムッセン
出演:キルスティン・ダンスト(ジャスティン)、シャルロット・ゲンズブール(クレア)、アレクサンダー・スカースガード(マイケル)、キーファー・サザーランド(ジョン)、ジョン・ハート(デクスター)

巨大惑星メランコリアが地球に接近する中、ジャスティンは披露結婚宴を催す。妹を気遣う姉クレアとその夫は、所有する屋敷で盛大な披露宴は開いてくれるが、花嫁のジャスティンはどこか空虚な表情だった・・・。


(C)2011 Zentropa Entertainments ApS27

ラース・フォン・トリアー監督の最新作。『アンチクライスト』はイマイチ好みでなかったが、これは、すぐ前に観た『ヒミズ』も寄せつけないほど緊張感のある作品だった。
まず、不安な気持ちにさせられるのだ。結婚するんだから、幸せじゃないんかい?と聞いてみたくなるほどだったが、この始まりの不安感+不気味に、はまってしまった。 最初の不安感が最後で納得できたが、こんな悲観的なのいや~、特にいろんなことの起こった日本では悲しすぎる・・・と思いながらも、とっぷりとある種の恍惚感もちゃんと感じられるから、不思議な映画だった。
ジャスティンを演じたキルステン・ダンストの不安オーラと地球に異常接近して来るメランコリアを、もう一度大画面で観てみたい作品。 (美)

2011年/デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ/カラー/135分/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ

★2月17日よりTOHOシネマズみゆき座他にて全国ロードショー

公式 HP >> http://melancholia.jp/

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TIME タイム(原題:IN TIME)

監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:ロジャー・ディーキンス ASC/BSC
音楽:クレイグ・アームストロング
衣装:コリーン・アトウッド
出演:ジャスティン・ティンバーレイク(ウィル・サラス)、アマンダ・セイフライド(シルビア・ワイス)、オリヴィア・ワイルド(レイチェル・ワイス)、カリアン・マーフィ(レイモンド・レオン)

現代の社会に似た近未来の世界。科学の進化により老化は完全に無くなり、すべての人間は25歳で成長がストップするようになった。
そこでは、唯一“時間”が通貨になる。25歳になるとすべての人間の左手に刻まれたボティ・クロックが起動して、余命時間がカウントダウンする。

近未来も金持ち、貧乏の仕組みは変わらない。それを命と引き換えだから切ない。
貧乏人は「あと三日分の家賃をはらったら、2時間しかない。働きにも行けないから5時間かして」とせちがないやり取りがある。
でもこれをお金に置き換えると「携帯代払ったら、昼飯代なくなってしまった!今月、五千円かして…」など考えたら今も一緒。なんだか身につまされる内容だった。
 金持ちはめちゃめちゃ時間持ちで120年分とかで、中産階級はないみたい。(実際、この普通?レベルの家庭が、病気や離婚などのアクシデントで転落しているから、一番不安定階級かもしれない)大金持ちとその日暮らしの2パターンで、地域も区切られていて行き来できない。
 試写でいただいたプレス資料によると、スラム・ゾーンでは、マックに入ってフライドポテトとコーヒーを飲めば約8分、一ヶ月の家賃36時間、一ヶ月の電気代8時間、バス代2時間、公衆電話1分・・・。
反対のリッチ・ゾーンでは、高級車59年、高級ホテル一泊2ヵ月・・・もう勝手にやってくれって感じ。
 スラム・ゾーンでいくら賃金がでるか知らないが、日本のマックはコーヒー100円、それが4分だから1分2.5円。公衆電話は1分だから、2.5円、日本より安い。家賃が36時間(2160分)×2.5=5400(円)・・・やす!計算機片手にアホな計算しちまった!(美)

2011年/アメリカ/カラー/109分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:20世紀フォックス映画

★2012年2月17日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他にて全国ロードショー。

公式 HP >> http://www.foxmovies.jp/time/

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おとなのけんか(原題:CARNAGE)

監督:ロマン・ポランスキー
脚色:ヤスミナ・レザ
撮影:パヴェル・エデルマン
衣装:ミレーナ・カノレノ
出演:ジョディ・フォスター(ペネロペ・ロングストリート)、ケイト・ウィンスレット(ナンシー・カウアン)、クリストフ・ヴァルツ(アラン・カウアン)、ジョン・C・ライリー(マイケル・ロングストリ)

ここはニューヨークのブルックリン。11歳の子ども同士の喧嘩で、ロングストリート夫妻の子が棒でたたかれて前歯を2本折ってしまう。
今日、その話し合いのために、加害者の親カウワン夫妻がロングストリート家を訪ねて来た。
冷静に始まったはずの話し合いは、次第に険悪になり、やがてお互いに口汚く罵り合い、本性がむき出しになっていく。さらに夫婦間の問題までに発展して・・・。

登場人物はたったの4人。公園の遠景とアパートの玄関先と室内だけで話は進み、時の流れもそのまま切り取られている。音楽でいえばちょっとテンポの速い弦楽四重奏を聴いているような躍動感があった。
よく躾の悪い子どもを見て、「親の顔が見たい」などと言うが、私は「この親の子の顔が見てみたいわ」と思ってしまった。
それにしても名優4人使っているが、何日間で、カメラを何台置いて、おいくらかかったのかお聞きしたかった。もちろんポランスキー監督に! (美)

2011年/フランス、ドイツ、ポーランド/カラー/79分/スコープサイズ
配給:ピクチャーズ エンタテインメント

★2月18日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開中

公式 HP >> http://otonanokenka.jp/

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汽車はふたたび故郷へ(原題:CHANTRAPAS(歌わない子))

監督・脚本:オタール・イオセリアーニ
撮影:ライオネル・カズン(グルジア)、ジュリー・グルンバウム(フランス)
出演:ダト・タリエラシヴィリ、ビュル・オジェ、ピエール・エテックス

旧ソ連時代のグルジア。友人たちと幸せな少年時代を過ごしたニコは夢を叶えて映画監督になり、国家が管理する中でも精一杯映画作りに励んでいた。完成した映画が検閲官の怒りを買い、さらに、上映禁止になった映画を持ち出したことから投獄されてしまう。グルジアでは思うように映画が作れないと、祖父たちの後押しもあってニコはパリに赴く。しかし、フランスでもプロデューサーたちが何かと口出しをして編集まで変えられてしまう。なんとか再編集して完成させるが、映画の反応は今ひとつ。ここも自分の居場所じゃない。ニコは汽車に乗り故郷を目指す・・・


©2010 Pierre Grise Productions

グルジア出身のイオセリアーニ監督の自伝的物語。社会主義国家だったグルジアでも、自由に思えるフランスでも、どこにいても何らかの制約があるのが世の常。その中で自分をいかに貫くか・・・ 冒頭、試写室で幼馴染みのバルバラとルカの二人に映画を見せる場面がある。美しいマーガレットの花が咲き乱れる大地をブルドーザーが整地していく。「カットしないと面倒なことになるわよ」と指摘されても「切らない」と笑顔で答えるニコ。信念を持って、目的を達することの大切さを教えてくれる素敵な作品。
どんな環境にあっても自分自身でいたい! そして、人生の中で自分を支えてくれる家族や友人たちを大事にしたい!

2010年/フランス=グルジア/ドルビーデジタル/126分
後援:グルジア大使館
配給:ビターズ・エンド

◆『汽車はふたたび故郷へ』公開記念

オタール・イオセリアーニ映画祭2012
開催期間:2012年2月4日(土)~2月10日(金)
場所:オーディトリウム渋谷

(1)『四月』1962-2000 モノクロ/48分

(2)『歌うつぐみがおりました』1970 モノクロ/82分

(3)『蝶採り』1992 カラー/118分
(4)『群盗、第七章』1996 カラー/122分
(5)『素敵な歌と舟はゆく』1999 カラー/117分  ※特別上映
(6)『月曜日に乾杯!』2002 カラー/127分  ※日本最終上映

(7)『ここに幸あり』2006 カラー/121分


上映スケジュールなど詳細 →  http://a-shibuya.jp/archives/2283

★2012年2月18日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー!

公式 HP >> http://bitters.co.jp/kisha/

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フラメンコ・フラメンコ(原題:FLAMENCO, FLAMENCO)

監督:カルロス・サウラ
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
音楽:イシドロ・ムニョス

1995年、カルロス・サウラ監督と撮影監督のヴィットリオ・ストラーロが初めてタッグを組んだ『フラメンコ』には世界的な活躍をしていた舞踊家たちが登場。日本でもヒットし、一気にフラメンコ熱が高まった。前作から15年を経て、フラメンコの歴史を作ってきた偉大なアーティストに加え、前作に登場しなかった若いアーティストを登場させ、さらに美しく芸術的な21幕の構成でお目見えした。

まるで美術館の展示室のような空間で繰り広げられる舞踊。光と影がおりなす独特の舞台で、人の一生が表現されていきます。なんと感情豊かな音楽と舞踊なんだろうと見入っているうちに、時間がすぎていきました。日本はフラメンコの本場スペインについで2番目に愛好家が多い国なのだそうです。フラメンコ音楽は東洋的なものと西洋的なものが自然に融合されていて、これはほかの音楽には見られない特徴なのだとか。それもひきつけられる要因なのかもしれません。(白)

2010年/スペイン/カラー/101分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ショウゲート

★2月11日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http:// flamenco-flamenco.com/

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痛み(原題:痛み, 英題:PAIN)

監督:クァク・キョンテク(『友へ チング』『タイフーン』)
原案:カン・プル(『あなたを愛しています』『純情漫画』)
プロデューサー:イ・チスン(『TSUNAMI-ツナミ』)
撮影:ファン・キソク(『私たちの生涯最高の瞬間』)
照明:パク・ジョンチャン(『ワンス・アポン・ア・タイム』)
出演:クォン・サンウ(『悲しみよりもっと悲しい物語』「レディプレジデント~大物」)、チョン・リョウォン(『彼とわたしの漂流日記』「私の名前はキム・サムスン」)、マ・ドンソク(『国家代表!?』「太陽を飲み込め」)

幼い頃の交通事故で家族を失い、後遺症で痛みを感じなくなった男、ナムスンは少年院での兄貴分の使い走りとして借金の取り立てをしながら、毎日を無気力に生きていた。そんなある日、取り立て先でドンヒョンという道端で手作りのアクセサリーを売る女に会う。お互いに不思議な感情を抱き始め、やがてナムスンは行くあてのないドンヒョンを自分の家に連れてくる。同居を始めたふたりは、時にいがみ合いながらも次第に距離を縮めていく。ドンヒョンはナムスンの事故のいきさつを、ナムスンはドンヒョンがわずかな痛みや出血が致命傷になる血友病患者だと知る。二人は互いの“痛み” を知って相手への愛を深めていくのだが。。。


© 2011 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

私にとってのクォン・サンウは、韓流ドラマスターのイメージが強過ぎて映画を観るのを何となく避けていたのだが、この作品を観てとても反省した。角刈りでやぼったい風貌の彼は、笑わない、泣かない。カッコ良くて強いモムチャンのイメージは封印し、やられっぱなしで傷だらけだ。ひたすら抑えた演技なのだが、痛みを感じなかったはずの体の奥からじわじわと湧いてくる切ない感情が観客にも伝わってきた。ヒロインのチョン・リョウォンは可愛いだけでなく強い女性をしっかりした存在感で演じている。辛いストーリーの中で二人の束の間の幸せな時間に掃除や料理をきちんとこなす場面に救われた。韓国映画はいつも食事のシーンが丁寧に描かれる。家族の不幸な過去、不治の病、闇社会、などと韓国ドラマの王道をいくストーリーのようだが、主演二人の演技の質が高いので、安っぽくなっていない。監督は米国で映画制作を学んできた方で、『友へ チング』『タイフーン』のような大作だけでなく様々なジャンルの作品に意欲的に取り組んでいる。韓国映画界をこれからも牽引していく期待される監督の一人に間違いない。クォン・サンウは映画出演10 作目となるそうで、本人も「私にとって最高の作品です!」とインタビューでも答えている。かなり良いので、もともとファンだった皆さんも食わず嫌いだった皆さんもぜひ観てほしい。 これからは、映画は縁があればとりあえず観てみなくてはならない、と思った。(祥)

2011年/韓国/104分/カラー/ビスタ/ドルビーSRD
字幕翻訳:根本理恵/配給:エスピーオー

★2012年2月11日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて全国順次公開

公式 HP >> http://www.itami-movie.com/

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キツツキと雨

監督:沖田修一
脚本:沖田修一、守屋文雄
撮影:月永雄太
美術:安宅紀史
出演:役所広司(岸克彦)、小栗旬(田辺幸一)、高良健吾(岸浩一)、古舘寛治(鳥居)、山崎務(羽場敬二郎)

人里離れた山間の村。木こりの岸克彦は、毎朝、早くから仲間と山林に入り、木々を伐採して生計を立てていた。妻に先立たれ、今は定職に就かずにふらふらしている息子の浩一と2人暮らし。
ある日、こんな山深い場所に、ゾンビ映画の撮影にやってきた映画監督の田辺幸一と助監督の鳥居に偶然に会い、なんだかんだと言いくるめられて撮影に協力するハメになった克彦だったが・・・。

去年の東京国際映画祭で唯一日本からコンペティション部門に出品され、審査員特別賞を受賞した作品。
監督は『このすばらしきせかい』『南極料理人』の沖田修一。彼の作品の守り神でもある古舘寛治も万年・助監督役で冒頭から登場している。
ひょんなことから撮影に協力するはめになったが、他人事みたいに立っているだけの監督に「君、いったい誰?ぼーっとしていないで手伝わないか。君が一番若いんだろ?」と意見するところなど、思わず笑ってしまった。
かわいい子ちゃんが出てくる恋の話などないが、新米監督の「スタート!」の声がだんだん大きくなる様子、大笑い確実の役所・ゾンビ、痔持ち大御所俳優を演じる山崎務も見逃せない。老若男女、誰でもが楽しめる日本映画だ。(美)

2011年/日本/カラー/129分
配給:角川映画

★2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.kitsutsuki-rain.jp/

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ポエトリー アグネスの詩(原題:Shi(詩)英題:Poetry))

監督:イ・チャンドン
脚本:イ・チャンドン
撮影:キム・ヒョンソク
衣装:イ・チュンヨン
出演:ユン・ジョンヒ(ミジャ)、イ・デビッド(ジョンウク)、キム・ヒラ(カン老人)

 遠く釜山で働く娘の代わりに、中学生の孫息子を育てている初老の女性ミジャ。このごろ忘れっぽくなり、医者からアルツハイマー初期と言われる。
だが、彼女はどこまで病を理解しているのか、たまたま通りがかりに詩作教室を見つけ、詩を書いてみたいと思い立つ。
そんな彼女に追い討ちをかけるように、孫にまつわる大変な出来事が起こり、あまりにも厳しい現実と精神状態の中、彼女は意外にも詩作の世界に迷い込んでいくのだった。

最初のシーンから印象的だった。大きな川に流れて来る死体が映っているのだ。これは彼女ミジャと係わりないように見えるが、これが後に生きてくる。
カルチャーセンターの詩作の教室の彼女、自宅で孫に小言をいう彼女、孫の仕出かした事件で奔走する彼女、週3日介護の仕事をする彼女・・・私なら発狂するかも知れない設定を「半分ぼけているから?嫌、そんなら詩作はできまい・・・」などと思いながら観ていた。
同じ65歳だから非常にわかるところと反対に理解できないところもあった。
辛い状況であるべきなのにおしゃれして、しゃなりしゃなり歩く様は正視に堪えられなかったが、彼女は何もかも超越して詩の世界に入り込んでしまったのだろう。
主役のユン・ジョンヒ(パリ在住で16年ぶりの復帰)と介護されている老人(キム・ヒラ)の風呂場セックスシーンは見事だった。
※生活保護を受けている設定だが、今の日本ならこの暮らしで生活保護はうけられまい。ましてや、おしゃれして外出しようものなら、近所の噂が飛び交うのが現実。韓国の生活保護の実情が知りたくなった。(美)

2010年/韓国/カラー/139分/ドルビーSRD
配給:シグロ/キノアイ・ジャパン

★2月11日より銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館他にて全国順次公開

公式 HP >> http://poetry-shi.jp/

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はやぶさ 遥かなる帰還

監督:瀧本智行
脚本:西岡琢也
撮影:阪本善尚
音楽:辻井伸行
美術:若松孝市
出演:渡辺謙(山口駿一郎)、 江口洋介(藤中仁志)、 夏川結衣(井上真里)、 小澤征悦(鎌田悦也)、吉岡秀隆(森内安夫)

2003年5月9日、鹿児島内之浦宇宙空間観測所。小惑星探査機「はやぶさ」を搭載したロケットが発射された。
緊張の面持ちで見守っていた山口教授は、これからスタートする壮大なプロジェクトに対し決意を新たにしていた。
そして2005年、小惑星「イトカワ」の姿をとらえたはやぶさはタッチ・ダウンに成功するが、化学エンジンの不良や姿勢制御が不能になるなどのトラブルに見舞われてしまう・・・。

この<はやぶさ >、私は瀧本監督だから観たかった作品。地味作りだが、脚本がよく感動押し付けもなかった。
宇宙開発センターはいろんな企業、研究者の研究の場であり、各々の立場のせめぎあいの場でもあることを教えてくれた。
彼らが<はやぶさ>帰還のために気持ちを一つにするまでの道のりが、簡単ではなかった現実をちゃんと見せてくれた。
下町工場の手書きに近い設計図からはじまる<はやぶさ>誕生から、燃え尽きるまでを、観ている一人ひとりの知の探求心をかきたてながら進行させていく展開は見事だった。
山崎務扮する町工場社長と古い町工場の佇まいがとても人間臭く感じた。(美)

2012年/日本/カラー/136分
配給:東映

★2月11日より東映系映画館にて全国ロードショー公開 ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.hayabusa2012.jp/index.html

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ニーチェの馬(原題: A TORINOI LO(トリノの馬) 英題: THE TURIN HORSE)

監督:タル・ベーラ(『サタンタンゴ』『倫敦から来た男』)
脚本:タル・ベーラ、クラスナホルカイ・ラースロー 
撮影:フレッド・ケレメン
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
出演:ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ

19世紀末のドイツの哲学者ニーチェ。1889年、イタリアのトリノを訪れていたニーチェは、御者に鞭打たれて疲れきっている馬を見かけて駆け寄り、その馬の首を抱いたまま発狂したという。本作は、脚本家クラスナホルカイ・ラースローが1985年に劇場でニーチェの物語を朗読した最後に投げかけた「その馬はどうなったのだろう」という疑問に感動したタル・ベーラ監督がラースローと共に描いたその後の馬の物語。
馬の飼い主の男は貧しく、娘と共に荒野の一軒家に住んでいる。この家の唯一の収入源は荷馬車だが、馬は日に日に弱っていき仕事にならない。ついに飼い主は馬と娘を連れて家を出るが、吹きすさぶ風に道のりは険しい・・・
本作で描かれているのは馬が亡くなるまでの6日間。聖書の創世記で神が6日間でこの世界を創造したと書かれているのに対し、6日の間に少しずつ何かが失われ終末を迎えることを語っている。人間誰しも最後は静かな孤独を迎え消えていくことを監督は問いかけたかったという。

風が激しく吹き荒れる中、井戸に水を汲みに行く娘。どんな日にもこなさなくてはならない営み。台詞をほとんど廃し、ひたすら男と娘と馬の日常を追った154分。モノクロ映像の美しさは絶品だが、生きることの厳しさがぐっと迫り息苦しくなった。終始風が唸り、忍耐を要求される作風にアミール・ナデリ監督の『水、風、砂』を思い起こした。(咲)

2011年/ハンガリー・フランス・スイス・ドイツ/モノクロ/35㎜/1:1.66/ドルビーSRD/154分
配給:ビターズ・エンド

★2012年2月11日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー!

公式 HP >> http://www.bitters.co.jp/uma/

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トーキョー ノーザンライツ フェスティバル2012北欧映画の1週間

2012/02/11 sat - 17 fri
ユーロスペース & アップリンク

今年も真冬のこの時期に、北欧にどっぷり浸かれるイベント盛りだくさんの映画祭が渋谷にて開催されます。
 アイスランド出身のフリドリック・トール・フリドリクソン監督の特集や、直輸入の初公開作品、更には今や有名監督になったトマス・ヴィンターベア、ベント・ハメール、ラース・フォン・トリアーらの長編デビュー作の特別上映もあります。
 その他の作品もコメディ、ホラー、ファンタジー、ドキュメンタリーとあらゆるジャンルが揃っていて注目です。是非、温かい格好をして、渋谷に足をお運びください。


  マンマ・ゴーゴー             ネクストドア/隣人

シンプル・シモン                  魔女    

チケット:前売り 1回券 1300円(Pコード 463-314)
         3回券 3600円(Pコード 463-315)
     当日  1回券 1500円 学生・シニア・ユーロスペース会員 1200円
         3回券 3900円

公式 HP >> http://www.tnlf.jp/

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ペントハウス(原題:TOWER HEIST)

監督:ブレッド・ラトナー
脚本:テッド・グリフィン、ジェフ・ナサンソン
撮影:ダンテ・スピノッティ ASC,AIC
音楽:クリストフ・ベック
出演:ベン・スティラー(ジョシュ)、エディ・マーフィ(スライド)、ケイシー・アフレック(チャーリー)、マシュー・ブロデリック(Mr.フィッツヒュー)、ガボレイ・シディベ(オデッサ)

NYマンハッタンの超一等地にそびえ立つ超高級マンション「ザ・タワー」の管理人・ジョッシュは、最上階に住むアーサー・ショウが詐欺容疑で逮捕されたことを知る。
そして、同時にタワーの従業員たちの虎の子の全財産も騙し取られていたことも発覚。彼と従業員は財産を取り戻す計画を立てるが・・・。

マンションは最上階が一番値段が高い。だが、このマンション、嫌、御殿マンションは凄い! 超一流ホテルの広さで最上階のペントハウスはお金模様のプール(これは必見の価値あり)や真っ赤なフェラーリの実物が置いてある。成金趣味バリバリだけど、凄い!のひと言。
 そこの住民でスーパーリッチな生活を送る大富豪アーサー・ショウは、その最上階のペントハウスに住む、最もVIPな居住者だったが、それが身の回りの世話や掃除をする人たちの大切な虎の子も騙し取っていたのだ。
だんだん話しがせこくなってくる。
 使用人たちは財産を取戻そうとプロの泥棒さんに手ほどきを受けるが、そこは素人・・・なかなか物を一つ盗るのも大汗をかいていた。根が善人だからうまく行きっこないと思いながらも、あの手この手で活躍する。「そんなの無理、無理・・・」と考えながらも応援していた。
※実際にこのレベルの一番小さな分譲住宅の値段は最低でも5億円だげな!(名古屋弁)
※撮影に使ったマッハタンのトランプ・インターナショナルホテル&タワーは、ドナルド・トランプ社長から許可が出て撮影された。ロケ地探訪にいってりゃ~す?(また名古屋弁)
※『プレシャス』の主役の超太目少女が、同じ体型で出ていた。(美)

2011年/アメリカ/カラー/104分/ドルビーSRD
配給:東宝東和

★2月3日よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://penthouse-movie.com/

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LAマザーファッカーズ(原題:I'll be there with you)

監督:北村昭博
脚本:北村昭博
撮影:ジョン・バー
音楽:バラク・モフィット
出演:北村昭博(アキ)、アダーシャ・ベンジャミン(アニー)、ダニエル・ボールドウィン(コンスタンティン)

ロサンゼルスに住むカップル、アキとアニーは友人4人と共にサンディエゴの旅を楽しんでいた。泊まるところは、2年前に顔見知りになった男性コンスタンティンの家。
食事の後、アキたちは、アニーとジルとジョンの3人を残して、夜のディスコに繰り出していった。 アキはディスコで、若くて綺麗な(虚言癖のある)女と意気投合して最高の夜を過ごしたが、一方、アニーたちは・・・。

 主役を演じるのは、『ムカデ人間』の先頭者・北村昭博! 彼の初監督作品。
冒頭から、凄いシーンで、おぉっ!となってしまった。彼の知らないところで事件が2つ起こっているが、そのつなぎ方が面白く、納得がいく展開だ。
この監督さんの女優さんチョイスの目は確かだ。3人出てくるが(どっちかというと日本人好み)、三人三様性格も違い、体も声もいい。
アキ本人も本音は大阪弁、口説くのは甘く英語で・・・その台詞もいいし、字幕も◎。 DVD同時発売の『ムカデ人間』ともどもご覧いただきたい。

2006年/アメリカ/カラー/92分/16×9ビスタ/日本語字幕
発売:トランスフォーマー

★2012年2月3日『ムカデ人間』と同時 DVD発売

ハリウッドで愛をさけぶ!! 北村昭博 オフィシャルブログ>> http://ameblo.jp/akihiro-kitamura/


※2011年の夏に『ムカデ人間』を観たが、そのときの感想も。

『ムカデ人間』トム・シックス監督・脚本/オランダ、イギリス合作

森の中の広大な屋敷に住むヨーゼフ・ハイター博士はシャム双生児分離手術のエキスパートである元外科医。彼の夢は複数の人間の口と肛門をつなぎ合わせてムカデ人間をつくることだった。
旅行者を麻酔銃で麻痺させて誘拐。自宅手術室でムカデのようにつなげていく。もちろんそのままつなげて生活させたいと願っている・・・。

今回、誘拐してきたのは男一人、女二人。女は若いアメリカ人女性で友人同士、男は日本人。
それも日本語しか話せないヤクザ者。(この作品で有名?になったハリウッド在住の北村昭博さんで、最後、観念した彼の台詞が泣かせる)
人間の口と肛門をつなげて行く奇怪さがたまらなく面白い。だが、よくこんな作品に男ならともかくも美しい女優さんが・・・。エライ覚悟がいっただろう。
終わってからパンプレットの売り場に、さっと12、3人が並んだ。悪趣味?ではあるが、完成度は高く役者も厳選されていた。(美)

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ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵

監督:窪岡俊之
アニメーション制作:STUDIO4℃
原作:三浦建太郎
脚本:大河内一楼
キャラクターデザイン:恩田尚之
総作画監督:恩田尚之
声の出演:岩永洋昭(ガッツ)、櫻井孝宏(グリフィス)、行成とあ(キャスカ)、梶裕貴(ジュドー)、寿美菜子(リッケルト)、藤原貴弘(ピピン)

いつ果てるともない戦争の続く暗黒の時代。産み落とされたときに母親は死に、酷薄な養父のもとで育ったガッツ。暗い過去を封印したまま、誰とも関わらず一匹狼の傭兵として生きてきた。ある戦場で傭兵集団「鷹の団」の首領グリフィスと出逢い、勝負をすることになった。その容姿に不似合いな強さにガッツはしたたかに打ちのめされ、約束どおり鷹の団の一員となった。ガッツは初めて仲間を得、グリフィスは自分の国を持ちたいという野望に着々と近づいていく。

1989年から22年にわたって連載され、今も進行中のダークファンタジーコミックが原作。一度も原作を見ないまま、この第一部の試写に行ってみました。うわ、面白いではないですか。自分の腕っ節だけを頼りに生きてきた孤高の傭兵ガッツに、超美形のカリスマグリフィス。二人の確固として離れがたいと思われた絆がこれからどう変わっていくのか、目が離せません。今年中に第2部、第3部と公開されるということをすぐ担当の方に確かめました。(白)

2011年/日本/カラー/80分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:ワーナー
(C)三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社/BERSERK FILM PARTNERS

★2月4日(土)よりほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.berserkfilm.com/

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鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言

監督:山崎佑次
撮影:多田修平
編集:今岡裕之
ナレーター:石橋蓮司

宮大工 西岡常一氏は、明治41年奈良県生まれ。戦争による応召をはさみ、法輪寺三重塔、薬師寺金堂・西塔の再建を棟梁として手がけた。飛鳥時代から続く宮大工の技術を惜しみなく後進に伝え、1000年の檜のいのちを1000年生きる建物へと繋ぐことが宮大工の務めと実行し続けてきた。「鬼」というのはその信条を曲げない厳しさのこと。遺された貴重なフィルムに、多くのゆかりの人々の証言を継いでできあがったドキュメンタリー。

西岡氏は大工になる前、祖父常吉棟梁の勧めで生駒農学校に入学しています。初めは不承不承だったそうですが、農作業には、“法隆寺大工「口伝」”(これは何にでも通じる言葉です!)にある伽藍建築の全ての真髄が含まれていると知ります。自然は土を、土は木を育みます。土を知り、木を知り、そのいのちを繋いでいく尊さが仏教建築の原点であると。飛鳥建築を復興するのに使う檜が日本にはない、という現実に驚き、西岡氏の技術と心を受け継ぐ若い人々がいることに安堵しました。道を極めた人の言葉はまっすぐに心に届き、しゃんと背筋が伸びます。(白)

2011年/日本/カラー/88分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:太秦
(C)『鬼に訊け』製作委員会

★2月4日(土)よりユーロスペース・シネマサンシャイン大和郡山(奈良県)にて“祈り”のモーニングショー 他全国順次公開

公式 HP >> http://www.oninikike.com/

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レイトオータム(英題:Late Autumn)

監督: キム・テヨン
出演: ヒョンビン(『百万長者の初恋』『まわし蹴り』「シークレット・ガーデン」「私の名前はキム・サンスン」)、タン・ウェイ(『ラスト、コーション』)

暴力を振るう夫を誤って殺してしまい収監されて7年になるアンナ。母が亡くなり葬儀のために72時間だけ外出を許される。シアトルへ向かうバスに、誰かに追われているらしいアジア系の若い男が乗ってくる。同じアジア系のアンナにバス代を貸してほしいと頼む男。仕方なくお金を貸すアンナ。借金のカタにと強引に腕時計を押し付ける男。その後も男は必要以上に調子よく話しかけてくる。長い刑務所生活で久しぶりの異性との会話に戸惑うアンナ。やがて霧深いシアトルの町に着く。男から渡された電話番号を書いた紙をゴミ箱に捨ててしまうアンナだが、街で思わぬことで男に再会し助けられる。その後、男は葬儀の場に花を持って現れる・・・

1966 年のイ・マニ監督作品『晩秋』(フィルム遺失)のリメイク。これまでに、韓国国内で『肉体の約束』(1975 年イ・ギヨン監督)、『晩秋』(1981 年キム・スヨン監督)と2度リメイクされたほか、日本でも1972 年に斎藤耕一監督が『約束』のタイトルで岸恵子と萩原健一競演で製作しています。残念ながらオリジナル作品もその後のリメイク作も観ていないので、逆に先入観なしに新鮮な思いで観ることができました。
男フンはアメリカに来て2年。なんとか英語も上達し、寂しい女性たちのエスコートをして生計をたてている。一見軽そうだけど、ホストとしてアメリカで生きるつらさを秘めた男を楽しそうに演じているヒョンビン。軍隊の中でも訓練がハードなことで有名な海兵隊に志願して入隊した骨太なヒョンビンですが、本作では、私の大好きなドラマ「私の名前はキム・サンスン」の軽やかなイメージ。また、成り行きでDV夫を殺してしまった哀しい思いを抱えたアンナを演じたタン・ウェイは、『ラスト、コーション』とまた違った愁いのある雰囲気をかもし出していて好演。なんとも切ない恋物語。(咲)

2010年/韓国・香港・米/113分/カラー
配給:スプリングハズカム

★2012年2月4日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、他にて公開

公式 HP >> http://www.sumomo.co.jp/lateautumn/

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最高の人生をあなたと(原題:TROIS FOIS 20 ANS)

監督:ジュリー・ガヴラス
脚本:ジュリー・ガヴラス、オリヴィエ・ダザ
撮影:ナタリー・デュラン
音楽:ソディ・マルシシェヴァー
出演:イザベラ・ロッセリーニ(メアリー)、ウイリアム・ハート(アダム)、ドリーン・マント(ノラ)、ケイト・アシュフィールド(ジュリア)、エイダン・マクアードル(ジェイムズ)

ロンドンに住むメアリーとアダムは結婚生活30年を迎える。3人の子どもたちもそれぞれ巣立ち、孫にも恵まれた。高名な建築家で今も後進の指導にあたるアダムは今も忙しい。若い女性たちとの付き合いも多いアダムは服装も変わって、老いなど認めようとしない。
一方、忍び寄る老いの影に不安のあるメアリーは、有り余る時間にボランティアをと出かけるが、スタッフの対応に腹を立てる。今までの自分の生活や夫とのこれからに疑問がわいてくるのだった。


(C)2010 Gaumont - Les Films du Worso - Late Bloomers Ltd

同世代の話なので、身につまされるやらおかしいやら。生活に不自由なく幸せそうに見えていても、悩みは生まれるものです。特にイザベラ・ロッセリーニは輝く美貌の持ち主でしたから、男性から一人の女性とみなされないことに寂しくなるこの役柄はぴたり。冒頭の会場から出て一人ホールの椅子に座っているシーンは、まるで宝石の広告映像のように美しいです。そんな彼女が男性にちょっと注目されたいと、シャツのボタンを一つずつ外していったり、しみじみと鏡を眺めたりするシーンなど、ただのおばさんの私でも「わかるわかる」と頷いてしまいます。二人の脱線も長い夫婦生活の中でみればほんの寄り道なのかもしれません。終わりよければ全てよし。(白)

2011年/フランス、ベルギー、イギリス/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アルバトロス・フィルム

★2月4日(土)より Bunkamuraル・シネマ にてロードショー

公式 HP >> http://saikou-jinsei.com/

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ビーストリー(原題:BEASTLY)

監督・脚本:ダニエル・バーンズ
原作:アレックス・フリン
撮影:マンディ・ウォーカー
プロダクションデザイン:ラスティ・スミス
音楽:マーセロ・ザーヴォス
出演:ヴァネッサ・ハジェンズ(リンディ・テイラー)、アレックス・ペティファー(カイル・キングソン)、メアリー=ケイト・オルセン(ケンドラ)、ピーター・クラウス(ロブ)、リサゲイ・ハミルトン(ゾラ)、エリック・ヌードセン(テリー)、ダコタ・ジョンソン(スローン)、ニール・パトリック・ハリス(ウィル)

セレブな父を持ち、ハンサムで人気バツグンの男子高校生カイルは、魔女とあだ名のあるケンドラを軽い気持ちでからかってしまった。ケンドラは彼に呪いをかけ、自慢の容姿を心がそのまま現れた醜い姿に変えてしまう。元に戻してもらいたいと懇願するカイルに「一年以内に真実の愛を見つけること」と答える。父親は彼を一人別のマンションに住まわせ、家庭教師と家政婦を雇う。顔を隠して外出したカイルは、これまで自分をちやほやしていた人間の本音を聞き、ようやく自分を見つめていたリンディに気付いた。

「美女と野獣」を現代に置き換えたストーリー。慢心して人を傷つけても気付かないカイルは醜悪な姿に変えられてしまいますが、このビジュアルが凄い!作るには時間かかりそうですが若い人たちには受けるかも。ヴァネッサ・ハジェンズは「ハイスクール・ミュージカル」(テレビ版&映画)から5,6年経ちましたが、芯の強い女生徒が似合います。高慢なカイルが成長していく過程もいいです。
雰囲気が独特なメアリー=ケイト・オルセンはプロデューサー業もやれば、自分のファッションブランドも展開している才女。ミステリアスなケンドラのサイドストーリーが観たくなりました。(白)

2011年/アメリカ/カラー/86分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:ファイン・フィルムズ
(C)2011 CBS FILMS INC

★2月4日(土)より新宿武蔵野館ほかにて“バレンタイン” ロードショー!

公式 HP >> http://www.finefilms.co.jp/beastly/

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人生はビギナーズ(原題:Beginners)

監督:マイク・ミルズ
脚本:マイク・ミルズ
撮影:カスパー・タスセン
音楽:ロジャー・ネイル他
出演:ユアン・マクレガー(オリヴァー)、クリストファー・プラマー(ハル)、メラニー・ロラン(アナ)、ゴラン・ヴィシュニック(アンディ)

38歳独身のオリヴァーは母が亡くして5年になる。ある日、ガンの宣告を受けた父から、ゲイであることをカミングアウトされる。
驚いたオリヴァーは事実を受け止められず、こともあろうに、愛し合っていた恋人・女性アナとの関係も終わらせてしまう。だが、真実を告白した父は、残された人生を謳歌していた・・・。

GAP、NIKEのCMなどを手がけているマイク・ミルズ監督自身の実話。
ストーリーも面白そう・・・。突然、父親にゲイとカミングアウトされたらどうだろう・・・、すごくショックだろうなぁ。映画では立ち直りが早かったが、映画を作るまでの葛藤はきっと何をやっていても頭から離れなかったと思う。
監督はこれが多分(日本で公開されている)2作品目で、前作は『サムサッカー』。この作品の指を吸う青年がユアン・マクレガー扮するオリヴァーに重なった。(もちろん『サムサッカー』は彼の体験ではないが)
ユアン・マクレガーのぼんやり悩む?雰囲気が格別だった。アナ役のメラニー・ロランも美しい!前向きに生きようと変化してく人々の姿を静かに見守っている作品。(美)

2010年/アメリカ/カラー/105分/ビスタサイズ
配給:ファントム・フィルム、クロックワークス

★2月4日より新宿バルト9、TOHOシネマズシャンテほかにて全国公開

公式 HP >> http://www.jinsei-beginners.com/

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日本列島 いきものたちの物語

監督:出田恵三
撮影:岩合光昭、嶋田忠、中村政夫、渕上拳、他
音楽:服部隆之
編集:澤村宣人
ナビゲーター:相葉雅紀、長澤まさみ、ゴリ(ガレッジセール)、黒木瞳

日本列島に生息するいきものたちの生態を、北は北海道・稚内から南は沖縄・西表島まで、全国20都道府県約30カ所で2年半にわたり撮影をおこなった日本初の自然ドキュメンタリー。

日本も捨てたものじゃないんだ!が私の一番最初に思った感想。
いきものの家族、仲間を守ろうとする愛を、ずっしりと感じた反面、厳しさも描かれていた。孤児になった子猿のメダカを寄せつけない他の猿家族、ひぐまの兄弟の別れ、ちょっと私の胸がチクっとなった丹頂鶴の夫婦愛。
ナビゲーターはやはり黒木瞳が声に温かみがあり一番よかった。昨日観た『ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オ・ザ・ウォーター』にも黒木瞳が出ていた。好みの女優さんでなかったが、この二日間で黒木瞳を見直した。 (美)

2011年/日本/カラー/95分
配給:東宝

★2012年2月4日より東宝系にて全国ロードショー公開

公式 HP >> http://www.nihon-rettou.jp/

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荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE

監督:飯塚健
脚本:飯塚健
撮影:相馬大輔
音楽:海田庄吾
出演:林遣都(市ノ宮行・リク)、桐谷美玲(ニノ)、小栗旬(村長)、山田孝之(星)、徳永えり(ステラ)上川隆也(市ノ宮積)

大企業の御曹司・市ノ宮行は恐れている父・積から荒川地区再開発の妨げとなっている不法占拠者を一掃しろと命じられた。
荒川に行ってみた行は荒川河川敷の住民ステラと鉄男、鉄郎に「ボンタン狩りじゃ~!」と襲われ、ズボンを奪われ川に落とされてしまった。だが、そこに自らを「金星人」と名乗る金髪ジャージ姿の美少女ニノに助けられる。
“他人に借りを作るな”の家訓に従い、ニノの申し出「私に恋をさせてくれ」によりニノと恋人になる行だった・・・。

素敵なお尻ラインの林遣都、口元への字の桐谷美玲、しばらく小栗旬とわからなかった河童くん、表情豊かな山田孝之…みんな荒川河川敷ではじけていた。
隠された秘密が下敷きになっていて最後ホロリとなる。若手芸達者・徳永えり『春との旅』の悪評(私だけの)をはじき飛ばしてくれた。脚本、音楽、美術◎ (美)

2012年/日本/35mm/115分/ビスタサイズ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

★2012年2月4日より新宿ピカデリー、シネマサンシャイン池袋ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://autb.jp/

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ハンター(原題:THE HUNTER)

監督:ダニエル・ネットハイム
脚本:アリス・アディソン
撮影:ロバート・ハンフリーズ
出演:ウィレム・デフォー(マーティン)、フランシス・オコナー(ルーシー)、サム・ニール(ジャック)

凄腕のハンターのマーティンはとあるバイオテクノロジーの企業の依頼でタスマニア島を訪れた。
目的はタスマニアタイガーの生体サンプルを採取すること。困難を極める任務で未開の地に踏み入れたマーティンは、ベースキャンプ代わりの民家に住む女性とその子供たちに心を通わせていく。

大自然が広がるタスマニア。これを観るだけでも価値があると思い試写に行った。どうして生体サンプルがほしいかと思ったらタスマニアタイガーには獲物を麻痺させるものを体に持っているからだ。それを研究するために躍起になっている。 圧倒的なスケールと緊迫感をもたらしてくれる。最後の彼の決断や子どもに対する愛が、この作品をぐっと身近なものにしてくれた。
※『アンチクライスト』の映画は好みではなかったが、孤独な影のある個性派俳優ウィレム・デフォーに痺れた。 (美)

2011年/オーストラリア/カラー/110分/シネマスコープ
配給:ブロードメディア・スタジオ

★2012年2月4日(土)丸の内ルーブル他全国順次公開。

公式 HP >> http://hunter-movie.jp/

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タンタンと私(原題:Tintin et Moi)

監督:アンダース・オステルガイド
脚本:アンダース・オステルガイド
撮影:サイモン・プラム
出演:エルジュ(ジョルジュ・レミ)、ヌマ・サドゥール、マイケル・プァー、ハリー・トンプソン、アンディ・ウォーホール、他

世界中で愛され親しまれているキャラクター・タンタン。その生みの親であるベルギーの漫画家エルジェが、タンタンをいかに作り出したかを本音で語っている。
このインタビューは約30年前のものだが、しゃべりすぎた為に今まで公表されなかった。 そのインタビューを中心に、タンタンを描くエルジェの姿やインスピレーションの源となった中国人チャン氏の感動の再開、彼をよく知る人のインタビュー・フィルムなどが集められている。


偶然にも、すぐ前に観た作品も芸術家のドキュメンタリー『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』だったので、どうしても見比べてしまった。
はっきり言えばお客さんは『グレン・グールド』の方にたくさん入ると思うが、『タンタンと私』のほうがドキュメンタリーとしての作りは上だと感じた。 エルジェの本物の声のテープとニュース映像を駆使して作ってあるが、エルジェの写真を縁取りしてそれを工夫し、まるで、そこに彼自身が息を吹き返して生きているように見せてくれた。
エルジェの人生も、グレン・グールドの人生も表面から窺い知れない悲哀があった。もう一度みたい作品。

※12月1日に公開するスティーヴン・スピルバーグ監督『タンタンの冒険 ★ユニコーン号の秘密★』とあわせて、エルジェの人生を克明に描いたこのドキュメンタリー『タンタンと私』も是非ご覧ください。(美)

2003年/デンマーク、ベルギー、フランス、スイス、スウェーデン/カラー/75分
配給:アップリンク

★2012年2月4日(土)、渋谷アップリンク、銀座テアトルシネマ、新宿K'sシネマ他、全国順次公開

アップリンク HP 関連記事>> http://www.uplink.co.jp/tintin/

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アコースティック

監督: ユ・サンホン
出演:シン・セギョン、イム・スロン(2AM)、イ・ジョンヒョン(CNBLUE)、カン・ミンヒョク(CNBLUE)、ペク・ジニ

ラーメンを食べないと生きられない不治の病に侵されたシンガーソングライターのセギョン(シン・セギョン)。彼女は自分が作った歌を世の中に伝えようとして病院を抜け出す。だが、セギョンの歌は人々の心をなかなか掴むことができない。彼女の焦りとともに病気も深刻になっていく。
 セギョンの知人が訪れたライブハウスで演奏するロックバンド「タージマハル」のソンウォン(イ・ジョンヒョン)とヘウォン(カン・ミンヒョク)。だが彼らの音楽は客から受け入れられず、店を追いだされる。生活のため仕方なくギターを売ろうと決心するが、へウォンはギターを売りに行く途中、空腹に耐えられず、パン屋に寄ってギターを失くしてしまう。
 30年後、音が武器となり音楽が消えてしまった未来。海賊テレビで「タージマハル」のライブが放送されている。音の研究をしている大学生ジフ(イム・スロン)は、ちょっと変わった少女ジニ(ペク・ジニ)と出会うが、ジニは博物館に飾られているiPhoneを持っていた。ジニを通じて音楽を知ったジフは、しだいに音楽と彼女への思いが深まっていく。音楽に青春をかけた彼らの物語が始まる…。(作品資料より)


『アコースティック』の舞台挨拶で初々しく笑顔をふりまくイム・スロン

音が武器となり音楽が消えてしまった30年後の未来に、音の研究をしている大学生を演じたイム・スロンくんが、1月16日に行われたプレミア試写会で舞台挨拶に立ちました。「2AMのほかのメンバー2人にどうだった?と電話したら、30秒位ずっと笑ってました」と発言。「映画が楽しかったのか、自分が可笑しかったからなのか」とのことでしたが、どうやら楽しそうな映画のようです。(映画は未見で、コメントできません。咲)

2010年/韓国 / HD / Color / 88min 
配給:シネマスコーレ&キノアイジャパン

★2012年2月4日(土)“トキメキ”のロードショー! K’s cinema、第七藝術劇場、シネマスコーレ にて

公式 HP >> http://acoustic-movie.com/

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DOCUMENTARY of AKB48 show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

監督:高橋栄樹
企画:秋元康
撮影:村上拓
音楽:大坪弘人
出演:AKB48

子どもから大人まで大人気の少女グループAKB48のドキュメンタリー。東日本大震災で被災者となった少女がAKB研究生にも一人いた。被災地を慰問するキャラバンに彼女も特別参加する。被害状況に絶句しながらも、集まってくれた観衆へ笑顔で元気を届ける彼女たち。分刻みで動くスケジュールの中、アイドルのトップに上り詰めた彼女たちは何を手にし、何を失ったのだろうか?舞台裏に密着したカメラは、インタビューに答える屈託のない無邪気なようすとともに、大きなプレッシャーに押しつぶされそうになる小さな背中も映し出す。

「AKB48」といえば、あの数えきれないほどたくさんの少女グループね、くらいの認識で一人ずつCMに登場する子以外はバラになったら全くわかりませ~んな状態でした。しか~し、昨年に続く第2弾のドキュメンタリーを見ますと、一人ずつの個性もちょっとだけわかってきた感じです。華やかな表舞台の裏にある厳しい練習やリーダーとなり、センターの位置をめぐる競争。獲得したらしたで、さらに高まる期待やプレッシャーなど、辛い思いの後に掴むものがあるからこそ彼女たちは挑戦をやめないのでしょう。ファンはもちろん必見!!ファンならずとも彼女たちの頑張りに背筋が伸びる思いをするはず。(白)

2011年/日本/カラー/121分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東宝映像事業部 宣伝:エレクトロ89
(C)2011「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会

★1月27日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.2011-akb48.jp/

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犬の首輪とコロッケと

監督:長原成樹
脚本:稲本達郎
撮影:平尾徹
音楽:川本盛文
出演:鎌苅健太(セイキ)、ちすん(ミチコ)、山口智充(セイキの父)、中村昌也(ヤマト)

大阪の生野区で、毎日コロッケとキムチしか出さない父の子として生まれたセイキ。どうしようもない不良だったセイキは、相棒のタツヤ、ガリ勉のトシ、いつも殴り合う悪友でライバルのヤマトたちと、ケンカに明け暮れ、ついには少年院に入れられてしまう。
 少年院から出て来たセイキは友人達からミチコを紹介される。セイキはミチコの美しさと、前歴もひっくるめて愛してくれる彼女のおおらかさに真面目に生きることを誓う。
芸人の道を志していたタツヤの強引な誘いでお笑いの舞台に立ち、人を笑わせる喜びを覚えたセイキは、本気で芸人を目指していく。

これは長原成樹監督自身の自伝小説を映画化したもの。この作品では暴力=喧嘩=遊びで見ていられた。痛い!とか、これなら死んでしまう!というものは感じなかった。「あ~、この子達、このやり方で、話し合っているんだなぁ」と思った。
山口智充(ぐっさん)の父親が息子たちを男手一つで育てる様が、言葉は少ないが、ちょっと乱暴な温かさで描かれていた。ちすん(ミチコ役)もほんわかしていてよかった。
※<犬の首輪>は在日外国人が常時携帯を義務付けられている外国人登録証のこと。(美)

2011年/日本/カラー/85分/PG12
配給:ファントム・フィルム製作:吉本興業

★2012年1月28日シネマスクェアとうきゅうほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.inukoro.jp/

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イエロー・ケーキ  クリーンなエネルギーという嘘(原題:Yellow Cake: Die Luge von der sauberen Energie)

監督:ヨアヒム・チルナー

イエロー・ケーキ、それは天然のウラン鉱石を精錬して作られる黄色の粉末のこと。これが燃料棒のもととなり、原子炉の中で核分裂して熱を生み、発電機を回す。発電時に二酸化炭素を出さず、再処理を行えば繰り返し使用できることから、ウラン燃料は“クリーン なエネルギー”と言われてきた。これが誤りであることは既に1930年代に明らかになっていたが、隠蔽され続けてきた・・・

本作では、まず、かつてウラン世界第3位の生産高を誇った旧東ドイツ南部の採掘会社ヴィスムート社に焦点をあてる。東西ドイツ統一後、危険地域と指定されウラン生産無期限停止となったが、かつての勤務者の肺癌発生率が異常に高い。稼動していた当時、働いていた人々は採掘後のウラン鉱石が放射能を帯びた有害物質であることを明かされてなかったという。さらに、カナダ、ナミビア、オーストラリアのウラン鉱山で働く人々を撮影拒否にあいながら5年間にわたって取材した映像が映し出される。女性の雇用が法制化されているナミビアの鉱山では、くったくのない笑顔で働く女性たちの姿も目立つ。各地のウラン鉱山で、一抹の不安を抱きながらも生きるために働く人たちに、いったいどれほどの真実が知らされているのだろうか。
オーストラリアには原子力発電所はないが、ウランを世界に輸出して儲けているという。一方、日本には操業中のウラン鉱山はないが、世界のウラン鉱山に東電を始め複数の日本企業が出資している。そして、3.11以降、脱原発を宣言したドイツ・・・ 原発の是非を考えさせられる一作である。(咲)

2010年/ドイツ/デジタル上映/1時間48分
配給:パンドラ
特別協力:東京ドイツ文化センター

◆チルナー監督来日記念 先行有料試写会+シンポジウム
日時:1月25日(水)18:30~
会場:東京ドイツ文化センター
登壇者(予定):ヨアヒム・チルナー監督、鎌仲ひとみ監督他
料金:1500円

★2012年1月28日(土)渋谷アップリンク にてロードショー

公式 HP >> http://pandorafilms.wordpress.com/roadshow/yellow/

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グッド・ドクター 禁断のカルテ(原題:THE GOOD DOCTOR)

監督:ランス・デイリー
脚本:ジョン・エンボム
撮影:ジョナサン・キング
出演:オーランド・ブルーム(マーティン)、ライリー・キーオ(ダイアン)、J・K・シモンズ、タラジ・P・ヘンソン、マイケル・ペーニャ

生真面目な研修医のマーティンは病院の中で孤立しているようで不安だった。ベテラン看護士たちも自分を軽んじているように見える。18歳の美少女ダイアンが入院し、マーティンが担当となる。ダイアンが自分に寄せる信頼を感じ、毎日接するうちにマーティンはダイアンにひそかに恋するようになる。ダイアンは快方に向かい、退院が決まった。ダイアンと離れずにすむよう、マーティンはある細工をする。

オーランド・ブルーム主演のサスペンスドラマ。3部作『ロード・オブ・ザ・リング』(2001)の美しきエルフのレゴラスからすでに10年余り。『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003)のウィルも忘れがたいですが、その後が大変だろうなぁと想像します。先に公開された『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』では華のある悪役。こちらも今までになかった役で、俳優としての幅を大きく広げる時期なのでしょう。ダイアン役のライリー・キーオは、プレスリーの孫娘だそうです(母:リサ・マリー・プレスリー)。10代からモデルをしていて映画はこれが2本目。(白)

2010年/アメリカ/カラー/93分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活
(C)2010 Tesuco Holdings Limited. All Rights Reserved.

★1月21日(土)より 銀座シネパトス他 全国順次ロードショー

公式 HP >> http://good-dr.com/

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ジャックとジル(原題:Jack and Jill)

監督:デニス・デューガン
脚本:スティーブ・コーレン、アダム・サンドラー
撮影:ディーン・カンディ
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ、ワディ・ワクテル
出演:アダム・サンドラー(ジャック、ジル)、ケイティ・ホームズ(ジャックの妻エリン)、アル・パチーノ(本人)

成功した兄ジャック
残念(?)な妹ジル
年に一度のハプニングがやってきたッ!
大手広告代理店に勤め、美しい妻と可愛い子どもに恵まれたジャック。唯一の頭痛の種は双子の妹ジルだった。ずっと親の世話をしてくれたジルには感謝しているものの、小さな頃からマイペース、空気の読めない妹にいつも振り回されてきたのだ。そんな兄の気も知らず、毎年感謝祭にはジャック一家と過ごすのを楽しみにやってくるジル。母親が亡くなったので、今年は長居しそうな予感・・・。

アダム・サンドラーが双子の兄妹を一人で演じます。合成技術も格段に進歩しているので(子どものころ観たのは必ず離れていて、真ん中に微妙な線がみえた)動きのある場面も違和感ありません。芸達者なサンドラーの「コメディエンヌぶり」も楽しめるドタバタコメディです。中でジャックが女装をしてジルに化ける場面があり、2重に面白いのですが、出色なのが本人役で出演しているアル・パチーノ。率直なジルに惚れこんで追っかけまわす設定で、大スターの裏側(?)を見せて爆笑でした。(白)

2011年/アメリカ/カラー/109分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

★1月21日(土)丸の内ピカデリーほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.jack-jill.jp/

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ALWAYS 三丁目の夕日 '64

監督:山崎貴
脚本:古沢良太、山崎貴
撮影:柴崎幸三
音楽:佐藤直紀
出演:吉岡秀隆(茶川竜之介)、堤真一(鈴木オート社長)、小雪(茶川の妻)、堀北真希(鈴木オートの従業員・六子)、薬師丸ひろ子(トモエ/鈴木の妻)、須賀健太(古行淳之助)

昭和39年、東京オリンピック開催間近。戦後19年目にして見事な復興を遂げた日本は経済成長の真っただ中。そんな中、夕日町三丁目は変わらず、人情味溢れる生活が続いていた。
もうすぐ家族が一人増える予定の茶川家。事業も快調で“日本一の会社にする”夢にまっしぐらの鈴木オート。そんな中、ほのかな恋をする人も・・・。

第2作品目より6年たっているだけだが、この5、6年って大きい変わりようだった。
もちろん東京オリンピックも大、大イベントで、大きく変わる要因だったが、生活自体が電化される変動期だった。
昭和21年生まれの私は花の18歳(どひゃ~!自分で書いて驚いた!)。もう新幹線は走ってたし、テレビはカラーだった。だけどクーラーはなかった。今のように暑かったのか覚えはないが、ピアノの部屋に付けるか、客間に付けるか、喧嘩した覚えがある。
そのころ月賦という販売形式がちまたに広がった。ピアノだってオルガンから月賦でピアノを買う生徒が増えたのもこの頃。<物=幸せ>の始まる時期をうまく描いていた。(美)

2011年/日本/カラー/142分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
配給:東宝
© 2012「ALWAYS 三丁目の夕日'64」製作委員会

★2012年1月21日全国東宝系ロードショー公開

公式 HP >> http://www.always3.jp/

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預言者(原題:Un Prophète  フランス映画祭2010において『アンプロフェット』のタイトルで上映)

監督:ジャック・オディアール(『真夜中のピアニスト』)
脚本:アブデル・ラウフ・ダブリ
出演:タハール・ラヒム、ニエル・アレストリュプ、アデル・ベンチャリフ、ヒシャーム・ヤクビ

ツワモノの多いパリ中央刑務所に6年の刑で収監されたアラブ人の青年マリク。「宗教は?」「特に」「食べられないものは?」「特に」「豚肉は?」「大丈夫」と刑務官の質問が終わり、観察期間用の牢に入れられる。服役者たちを牛耳るコルシカマフィアのボスであるセザールが、「あいつ(反対勢力のアラブ人レィエブ)を殺さなければ、おまえを殺す」と脅しにくる。看守に助けを求めるが、看守もマフィアに押えられている。やがて、レィエブに麻薬を貰うという口実で近づき、彼の牢を訪れる。アラブ人どうし打ち解けた会話がはずむ。「母国語は?」「孤児だから(アラビア語でもフランス語でもどちらでもないという意味?)」。施設でフランス語を習っただけというマリクに、レィエブは刑務所でフランス語を学ぶと良いと薦める。そんなレィエブを自己保身の為に殺してしまうマリク。1年後、アラブ人の友も出来、誕生日を祝ってもらう。その友の子供の名付け親になるマリク。だが、その友はやがて病で逝ってしまう。セザールの力で外出も許されるようになったマリクは、亡くなった友が捕まる前に隠した麻薬を入手し、それを元にだんだん力をつけていく・・・・

刑務所の中で、「犬よりタチの悪いアラブ野郎」と、コルシカマフィアたちに蔑まされているアラブ系囚人たちですが、中庭で過ごす時間になり、アラブ系の人たちがお互いに握手を交わしている姿に、見知らぬ人ともすぐに打ち解けるイスラームの精神を垣間見る思いでした。コルシカマフィアたちが、そうした彼らを見ながら「アラブどもが増えた。大きな絨毯がいる」という言葉に思わず笑ってしまいました。
フランス映画祭で原題をそのままカタカナにした『アンプロフェット』というタイトルで上映され、最初ピンと来なかったのですが、フランス語原題をよ~く見て、なぁ~んだ、「プロフェット(預言者)」だと納得! イスラームでは旧約・新約聖書のアダム、モーゼ、ノア、イエスなども預言者(神の言葉を預かる人)として認めていますが、最大にして最後の預言者がムハンマド。麻薬ビジネスで成功し、刑務所の中でだんだんと服役者たちに認められ、彼の周りに人々が集まってくる姿に、イスラーム創設当時、ムハンマドが信奉者を集めていった様を思い浮かべました。(監督が『預言者』とタイトルを付けた意図は別のものらしいのですが・・・)
主人公を演じたタハール・ラヒムは本作が映画初出演。孤児で無垢なマリクが颯爽とした青年となっていく姿を自然体で演じていて好感が持てました。これは有力株思っていたら、中国のロウ・イエ監督がパリで撮影した『Love and Bruises』で中国人女性と恋に落ちる青年役に起用。『スプリング・フィーバー』公開前、ロウ・イエ監督にインタビューした折にお伺いしたら、「彼はフランス国籍でアルジェリア系の爽やかな青年」とおっしゃっていました。まさに映画の印象通り。タハール・ラヒムのことばかり褒めてしまいましたが、本作ではマフィアのボスを演じたニエル・アレストリュプの存在感もずっしり。凄みをきかせたボスが、だんだん落ちぶれていくさまを見事に体現しています。フランス映画祭で観て公開を待ち望んでいた作品。とにかく嬉しい。(咲)

2009年/フランス/カラー/シネマスコープ/150分
配給:スプリングハズカム

*カンヌ国際映画祭2009グランプリ受賞、第35回セザール賞史上最多9部門受賞など、国内外で数多くの賞を受賞

★2012年1月21日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.sumomo.co.jp/

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ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(原題:JOHNNY ENGLISH REBORN)

監督:オリヴァー・パーカー
脚本:ハーミッシュ・マッコール
撮影:ガイ・ベンズリー
音楽:アイラン・エシェケリ
衣装:ベアトリクス・パストール
出演:ローワン・アトキンソン(ジョニー・イングリッシュ)、ジリアン・アンダーソン(M17局長/別名ペガサス)、ドモニク・ウェスト(サイモン/別名エージェント1号)、ロザムンド・パイク(M17心理学者/ケイト)、ダニエル・カルーヤ(タッカー諜報員)、ピク・セン・リム(殺し屋・掃除婦)

祖国イギリスの危機を救ったのも過去の話の敏腕スパイ・ジョニー・イングリッシュもモザンビークでへまをしたことから、自信を失い、今はチベットの僧院に引きこもっていた。そんな折り、M17から新たなミッションの要請があった。

太い眉毛と顔全体の表情の変わりようで独特な笑いを提供してくれるローワン・アトキンソン。ちょっとお顔は濃いが、気楽に楽しめる作品だった。
チベットでの修行は無駄になっていないし、最後にお料理を手際よく(ちよっと乱暴だが)作っているオマケもあったし、スピーディな展開もでわかりやすい。
※これ、ほしい!★スパイ用・超速・車椅子★持ち主の声の命令で動くロールス・ロイス。
※掃除婦(ピク・セン・リム)殺し屋は敏腕スパイ・ジョニー・イングリッシュと互角に勝負している。(美)

2011年/イギリス/カラー/101分/ドルビーSRD
配給:東宝東和

★2012年1月21日有楽町スバル座ほか全国順次公開

公式 HP >> http://je-kiyasume.jp/

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ピアノマニア(原題:PIANOMANIA)

監督:リリアン・フランク、ロベルト・シビス
撮影:ロベルト・シビス、ジャージー・パラツ
編集:ミシェル・バルバン
出演:シュテファン・クニュップファー、ピエール=ロマン・エマール、ランラン、ティル・フェルナー、クリストフ・コラー、ジュリアス・ドレオク、イアン・ボストリッジ

このドキュメンタリー映画は調律師に光を当てている。主人公のシュテファン・クニュップファーは、世界一のピアノ、スタインウェイ社専属のドイツ人調律師。
バッハ晩年の未完の傑作“フーガの技法”に、フランスを代表するピアニスト・ピエール=ロラン・エマールが挑むことになった。選ばれたピアノは、スタインウェイ社の“245番”。
録音までの一年をウィーン・コンツェルトハウスで、調律師がそのピアノと格闘する日々を追っている。


©OVAL Filmemacher / WILDart FILM

こればっかりは、ピアノの専門の方に観ていただきたいので、配給さんにお願いして音楽学校のW先生(シネマジャーナルの映画川柳に投稿してくださる方)と一緒に試写に行かせていただいた。

まずはW先生の評から

 ピアノと関わって半世紀以上 。巨大でありながら環境に左右される繊細な楽器。故に調律は義務だが コンサートピアニストは別として年に1~2回 2時間余の調律で後はタッチや脱力等の工夫で、演奏者が音色を探るのが日本では一般的である。
 この映画は調律師に光を当て ピアニストが求める音色に 目、耳、手先と経験を駆使し 日夜奮闘する裏方のマエストロのドキュメンタリー。しかも大音楽家達の本家本元のオーストリアとドイツの合作であり、緻密で完璧主義の国民性も相まって圧巻であった。
 息を呑むような緊張の中、街の風景や チーズケーキの差し入れ、コーヒータイム、度肝をぬかれたイグデスマン & ジョーの登場と、観ている側の緊張を解いてくれた。
 あのようにして録音された フーガの技法 をバッハが聴いたら何と評価するだろうか。ランランの狂詩曲をリストはどう評価するだろう。想像するだけでもワクワクして楽しくなってくる。再度観てみたい映画!

W先生はこのように評されているが、私も同感だ。
 主人公のシュテファン・クニュップファーはピエール=ロラン・エマールの表現する音を的確に捉えていて、それも音が出た瞬間のみではなく、音が空中を泳いで行く時の振動音にまで及ぶ・・・それをこの調律師は理想の音に近づけている。
この2人に負けず劣らずレコード技術者も楽譜を見て、「ここのFの音、少し音を外しましたね。ここだけ音程が高くなって・・・」など簡単に言ってのけるマニア集団。
「そこまで、言われても私にはわかりません! 参りました!」と頭を下げるしかなかった。
フランスを代表するピアニスト・ピエール=ロラン・エマールを調べてみたが、この方、演奏プログラムに非常にこだわりを持っていて、古典と現代の曲が交互に演奏されても、そこで見えてくるのは、その曲と曲の繋がりの<新しい発見>があると書いてあった。W先生が書かれたように、私ももう一度、この濃厚でスリリングな<マニアの世界>に入ってみたい。(美)

自分のピアノを各地でのコンサートに持ち歩けないピアニストにとって、あてがわれたピアノをいかに自分のものにするかは、調律師の腕にかかっている。小学生から高校生にかけてピアノを習っていたけれど、ほとんど調律もせず弾いていた私は、今も音には鈍感だけど、本作にはぐいぐい引き込まれた。シュテファン氏がピアニストのどんな要求にも楽しそうに立ち向かう姿に、なにごとも楽しんで行うことが良い結果を生むのだなぁ~と教えられた。シュテファン氏はいたって真面目な人物なのだけど、ちょっとした一言に笑わせられる。人を和ませる名人でもある。私ももう一度観たい一作。ピアノに関心のない人にもお薦め。(咲)

2009年/オーストリア・ドイツ合作/97分/ドルビーデジタル
配給:エスピーオー

★2012年1月21日シネマート新宿、2月名古屋名演小劇場ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.piano-mania.com/

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アニマル・キングダム(原題:ANIMAL KINGDOM)

監督:デヴィッド・ミショッド
脚本:デヴィッド・ミショッド
撮影:アダム・アーカポー
音楽:アントニー・パートス
衣装:カッピ・アイルランド
出演:ジェームス・フレッシュヴィル(ジョシュア)、ジャッキー・ウィーヴァー(ジャニーン/ジョシュアの祖母)、ベン・メンデルソーン(長男アンドリュー)、ジョエル・エドガートン(コディ一家の友人)、ガイ・ピアース(刑事・ネイサン)

メルボルンに住む17歳の青年ジョシュアは、薬物過剰摂取で母を亡くし、しばらく行き来がなかった祖母ジャニーンの家に引き取られた。
だがその家に住む死んだ母の兄弟・親族は、強盗・麻薬売買などで生計を立てていて、祖母ジャニーンはその中心的存在であった。そんな中で暮らしていくうちに、気が小さく真面目だったジョシュアも、徐々に犯罪の世界に巻き込まれていく・・・。

試写に入る前に配給の方が「もう一つの『家族の庭』だよ」と教えてくれた。俄然みる気満々になった。なるほど、迫力満点のオーストラリア版「家族の庭」だった。
 警察はジョシュアを一家から引き離し、真相を証言させて一網打尽を狙うが、なかなかジョシュアもしぶとい。親族と警察の板ばさみにも苦しむ。気弱な青年がこんな家族と一緒に暮らすなんて、ライオンの檻にリスかウサギが入ったようなもの・・・。 実在の一家をモデルにしたそうだが、脚本と演出がよかった。
 それにしても、犯罪家族のゴッドばぁちゃんがすごい。いっぱしのワルも彼女の直感と言葉には逆らえない。(このばぁちゃん、大の大人の倅に口にブチュってキスしてた!) ジョシュアの顔が、この家庭にいる間にだんだん引き締まって大人の顔になってくる。きっと、この子の母親は死の間際「私が死んでも実家には帰るな。知らせる必要はない」と言いたかったのだろう。痛い場面もあるが、納得できる作品だった。最後の幕切れも見事。(美)

2010年/オーストラリア/カラー/113分/35mm/ドルビーデジタル
配給:トランスフォーマー

★2012年1月21日TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.ak-movie.com/

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ダーク・フェアリー(DON'T BE AFRAID OF THE DARK)

監督:トロイ・ニクシー
脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:ケイティ・ホームズ(キム)、ガイ・ピアーズ(アレックス)、ベイリー・マディソン(サリー)

両親の離婚で傷ついた内気な少女サリーは、父親のアレックスと彼の恋人のキムとともにロード・アイランドにある古い屋敷に引っ越してくる。サリーはそこで、ずっと封印されていた秘密の地下室を発見して扉を開けてしまう。

古い屋敷に棲んでいる魔物の恐怖を描いたテレビ映画「地下室の魔物(1973年)」をリメイクしたサスペンススリラー。
助けを求めたいが、誰も信じてくれない少女は、父のカミソリと光りに弱いと知りポラロイドカメラのフラッシュを使いながら撃退するが、この少女役のベイリー・マディソンがとてもきかん気の顔をしていてよかった。
信じてくれない甘ちょろい大人とは比較にならないほど、いい顔をしていた。あとから封印された獣の正体がわかってからは少しがっかりしたが、この少女の奮闘演技に拍手したい。
チラシもエンドロールも3番目にこの子の名前が出てきたが一番最初にすべき。(美)

2010年/アメリカ・オーストラリア・メキシコ/100分
配給:フェイス・トゥ・フェイス、ポニー・キャニオン

★2012年1月21日 シネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.darkfairy.jp/

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しあわせのパン

監督・脚本:三島有紀子
撮影:瀬川龍(J.S.C.)
美術:井上静香
音楽:安川午朗
主題歌:矢野顕子、忌野清志郎「ひとつだけ」
出演:原田知世(水縞りえ)、大泉洋(水縞尚)、 森カンナ(齋藤香織)、平岡祐太(山下時生)、 光石研(未久のパパ)、八木優希(未久)、中村嘉葎雄(阪本史生)、渡辺美佐子(阪本アヤ)、中村靖日(広川のだんなさん)、池谷のぶえ(広川の奥さん)、本多力(郵便やさん)、霧島れいか(未久のママ)、あがた森魚(阿部さん)、余貴美子(陽子さん)

北海道洞爺湖のほとりにある“マーニ”は東京から移り住んだ水縞くんとりえさんが始めた小さなパンカフェ。ここには日々いろんなお客様がやってくる。水縞くんが焼いたパン、りえさんがいれるおいしいコーヒーと料理。二人の心をこめたもてなしに、みんなはほっと息をつき心をあたためて帰っていく。さまざまな想いを抱いてきた人たちとマーニの四季折々の物語。

NHKでドキュメンタリーを数多く手がけてきた三島有紀子監督初の長編作品。矢野顕子、忌野清志郎の「ひとつだけ」にインスパイアされて書き下ろしたという脚本は当初の狙いの「北海道の知られていない魅力を伝えたい」という意図を十二分に実現させています。
水縞くんのほんわかした空気がどこか寂しげなりえさんを包んでいて、ベストカップルです(それにしても原田知世さんは昔から変わらないですねぇ)。観客は訪れる人たちの誰かに自分や親しい人を観る思いがすることでしょう。私は阪本さん夫婦の登場にやっぱりどきりとさせられました。でもここに来たなら大丈夫と安心したのです。湖を見渡せる景観も素晴らしければ、お店の二人と集う人々の交流が暖かくやさしく、こんなところに住みたい!と思ってしまいました。月浦の実在のお店を借りて撮影されたそうです。これはロケ地探索にぜひ行ってみなくてはっ!(白)

2011年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース
(C)2011「しあわせのパン」製作委員会

★1月21日(土)北海道先行 / 1月28日(土)全国ロードショー

公式 HP >> http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/

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デビルズ・ダブル ある影武者の物語(原題:The Devil's Double)

監督:リー・タマホリ
脚本:マイケル・トーマス
撮影:サム・マッカーディ
音楽:クリスチャン・ヘンソン
衣装:アンナ・B・シェパード
出演:ドミニク・クーパー(ウダイ・フセイン/ラティフ・ヤヒア)、リュディヴィーヌ・サニエ(サラブ)、ラード・ラウィ(ムネム)、フィリップ・クァスト(サダム・フセイン)、ナセル・メマジア(ラティフの父)

世界中の国を敵にまわしたイラクの独裁者サダム・フセインには<狂気の申し子>と悪名高い息子ウダイ・フセイン(1964~2003)がいた。そのウダイに顔が似ている理由で選ばれ影武者として生きた男の実話。

興奮する映画だった!
なぜ影武者が必要かというと、前線に行き兵士を激励するのに使われるからだ。 酷似するように歯の矯正、整形、しぐさなど徹底的に作り変えられ、周りも間違うほどになるのだ。本ものは声が甲高く、偽ものは声が低いとしか私にも解らなくなるぐらい。これは誇張などなく、みんな現実に起きたこと。
ウダイの愛人にリュディヴィーヌ・サニエ、彼女の<哀しみを含んだ>美しい表情にうっとり。主演のドミニク・クーパーは脇役スターの人だったが、見事に二役を演じきっていた。
最後の字幕で、影武者は行方知れずと記してあったが、無事であってほしいと心から願った。(美)

2011年/ベルギー/カラー/シネスコ/ドルビーデジタル/109分
配給:ギャガ
(C)Filmfinance VI 2011 - All Rights Reserved

★2012年1月13日(金)TOHO六本木ヒルズほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http://devilsdouble.gaga.ne.jp/

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三国志英傑伝 関羽(原題:関雲長 英語題:THE LOST BLADESMAN)

監督・脚本:フェリックス・チョン、アラン・マック
武術指導:ドニー・イェン
出演:ドニー・イェン(関羽)、チアン・ウェン(曹操)、スン・リー(綺蘭)、ワン・ポーチエ(漢・献帝)、アンディ・オン(孔秀)、アレックス・フォン(劉備)ほか

後漢末期。関羽は劉備の夫人たちと共に曹操の捕虜となっていた。曹操は捕虜でありながら「白馬の戦い」で曹操軍を率いて袁紹軍を破った関羽の力量を高く評価する。再三にわたり自分の部下となるように説得するが、関羽は聞き入れず劉備の元へ帰ることを望んだ。義を重んじる関羽に応えた曹操は、手形なしで関所を通れるように計らい彼の一行を送り出す。しかし、関羽はその後次々とやってくる追っ手と戦わねばならなかった。


三国演義の中でも人気の高い英雄関羽を主人公に「過五関斬六将」のくだりを主にして展開させた作品。ドニー・イェンの華麗なアクションがたっぷり観られるのはもちろん、同じく人気の曹操を演じるチアン・ウェンとのからみも楽しめます。いやもうさすがの存在感。それに愛嬌もあるチアン・ウェン曹操には、劉備よりこちらにつけばいいのに、と思わせる力を感じます。
ドニー・イェン祭りといいたいほど主演作公開が続く(ほかのが少ないともいう)ドニー様ですが、今年は何本になるのでしょうか。(白)

2011年/日本/カラー/109分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活

★1月14日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町ほか新春ロードショー

公式 HP >> http://www.sangokushi-kanu.com/

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月光ノ仮面

監督:板尾創路
脚本:板尾創路、増本庄一郎
撮影:岡雅一
落語指導:鈴々舎馬桜
出演:板尾創路(男)、浅野忠信(岡本太郎)、石原さとみ(弥生)、前田吟(森乃家天楽)、國村隼(席亭)、六角精児(森乃家金太)、津田寛治(熊倉)

昭和22年。日本が敗戦の痛手から立ち上がり始めたころ。顔中に包帯を巻いた復員兵が寄席にふらふらと近づいていく。自分が誰なのか記憶を失っていたが、所持品から落語家の森乃家うさぎとわかる。死んだと思われていたうさぎの復員に、師匠の森乃家天楽、その娘でうさぎと将来の約束をした弥生は大喜びで迎え、親身に世話をする。得意だった落語「粗忽長屋」をぶつぶつと言うだけだったうさぎも、少しずつ元に戻ったように見えた。そんなとき、もう一人の男が戦地から戻ってきた。

板尾創路監督・主演で『板尾創路の脱獄王』(2009)に続く長編作品2本目。なかなか豪華なキャスト陣です。 記憶をなくし、顔が変わっても婚約者ならばわかるはず、という突っ込みはなしにして。同じ場所に同じような痣がある、と証拠らしきものを一つ設定しております。前作も王道の笑いからちょっと外したおかしさが漂っていました。これを板尾ワールドというのでしょうか。下敷きとなった落語の「粗忽長屋」は行き倒れの死体を親友の熊だと見た八つぁんがあわくって長屋へ戻ると、熊はちゃんと生きている。熊は八と二人で死体を引き取りに行き、「ここで死んでいるのは確かに俺だが、じゃあ今ここにいる俺はいったい誰なんだ?」というシュールな落ち。(白)

2011年/日本/カラー/102分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:角川映画
(C)2011「月光ノ仮面」製作委員会

★1月14日(土)角川シネマ有楽町他全国ロードショー!

公式 HP >> http://gekkonokamen.com/

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はさみ hasami

監督:光石富士朗
脚本:光石富士朗、木田紀生
撮影:猪本雅三
音楽:遠藤浩二
出演:池脇千鶴(永井久沙江)、徳永えり(木村弥生)、窪田正孝(葉山洋平)、なんしぃ (田村いちこ)、竹下景子(築木洋子)

理容・美容の専門学校を舞台にした「絆」の物語
永井久沙江は東京の理容・美容専門学校の若き教師。自分もかつてここの生徒で、築木先生の厳しい指導を受けてきた。カットの技術が思うように上達せず、やる気がなくなっている弥生。複雑な家庭環境から不登校気味の洋平。熱心で腕も確かなのに、学費に困窮しているいちこ・・・。久沙江はさまざまな境遇にある生徒たちの心や生活にも気を配り、一緒に悩んだり励ましたりする。彼や彼女たちの夢が実現するように、プロとして羽ばたけるように。


(C)アートポート「はさみ hasami」製作委員会

『大阪ハムレット』の光石富士朗監督の2年ぶりの作品。ロケ地となった中野区の理容美容学校での実際にあったエピソードを取材して脚本に織り込み、リアルで心温まるストーリーになりました。なかなか見ることのできない学校での授業風景も珍しく、こんな風に勉強しているのね~、と興味津々で観ました。学校や中野区の協力・バックアップのもと、とても親近感のわく作品になっています。(白)

2011年/日本/カラー/112分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:アートポート

★1月14日より新宿K's cinema にて公開

公式 HP >> http://www.artport.co.jp/movie/hasami/

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マイウェイ 12,000 キロの真実(原題:MY WAY)

監督:カン・ジェギュ(『シュリ』『ブラザーフッド』)
撮影:イ・モゲ(『悪魔を見た』『グッド・バッド・ウィアード』『オアシス』)
出演:オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビン

オリンピックを目指すマラソン好きの辰夫とジュンシク。出会いは辰夫が11歳だった1928年3月、日本占領下の朝鮮の京城。辰夫の祖父は憲兵隊司令官。ジュンシクは司令官の家の使用人の息子だった。マラソン大会でジュンシクが優勝した夜、辰夫の祖父のもとに送られてきた包みに爆弾が仕掛けてあり、ジュンシクの父が犯人として捕まる。10年後、人力車を走らせ脚を鍛えるジュンシク。オリンピック代表選考会で再び辰夫と競ってジュンシクが優勝するが、走者妨害で失格扱いにされ、それに反発して騒動を起こした朝鮮人たちと共に罰として軍人として戦うことを命じられノモンハンの前線に送られる。そこに辰夫が守備隊長として着任し、朝鮮人兵士をソ連軍の特攻隊に任命する・・・

1944年のノルマンディー上陸作戦後に撮られたドイツ軍捕虜の写真の中に東洋人が写る1枚―― カン・ジェギュ監督がアメリカ国立公文書館に保管されていたその写真を知ったことから出来上がった壮大な物語。日本、ソ連、ドイツという3つの国の軍服を着て戦いながらノルマンディーにたどり着いた男の辿った道を想像を膨らませて、日本人と韓国人の青年の友情という形で描きあげた物語。12月19日の完成披露記者会見に監督と共に登壇したオダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビンの3人が口を揃えて「想像を絶する戦闘シーンの撮影現場」と発言。作り物の現場でもそんな壮絶な状態なら、本物の戦闘の前線にいた人たちは、どんな思いだったのだろうと涙の出る思いでした。描かれているのは、1939年ノモンハン事件、1941~45年 独ソ戦、1944年 ノルマンディー上陸作戦。過酷な戦闘シーンが続きますが、見終わったあとには、不思議と爽やかな気分が残りました。一方で、日本が朝鮮を占領していた時代のことを忘れてはならないと、心が痛みました。様々な思いがよぎる映画。(咲)

2011年/韓国/35mm/カラー/シネスコサイズ/ドルビーデジタル
配給: CJ Entertainment Japan /東映

Web版特別記事
『マイウェイ 12,000キロの真実』<試写会&記者会見 レポート>
『マイウェイ 12,000 キロの真実』<公開直前ヒット祈願イベント>

★2012年1月14日全国公開

公式 HP >> http://myway-movie.com/

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ヒミズ

監督:園子温
脚本:園子温
撮影:谷川創平
音楽:原田智英
出演:染谷将太(住田祐一)、二階堂ふみ(茶沢景子)、でんでん(金子)、神楽坂恵(田村圭子)、窪塚洋介(テル彦)br/>

家庭に問題のある15歳の住田祐一と、彼に憧れる同級生・茶沢景子の痛い青春もの。
なぜか、住田を慕う震災ホームレスたちが周りにテントを張って暮らしている。 住田の両親は、実の母親は新しい恋人の元に走り、ほとんど姿を見せないし、息子には無関心。その母親の何度目かの夫が、いまだに父親然として、しょっちゅう来ては、祐一に暴言・暴力を振るう・・・。

映画ストーリー説明文の最初に「家庭に問題がある」と書いてしまってから、そもそも「家庭」って言えるか?と思った・・・2度目観て、そう思ったから仕方ない評だが、小屋としかいいようはないが、一応家もあり、目前に池もあり、貸しボート屋も営むから見た目は「家庭」で○なんだけど、どこ見たってその二文字が浮かぶ光景は小屋のうちそとにない。だから、震災ホームレスさんたちが来やすかったのかと納得。
少女の家庭はある意味、親と子ども密だ。だが、少年より危険な家庭。これは観て確かめてほしい。この少年少女の「家庭」が急にこうなったのではあるまい。私のふつふつ出てくる、この作品の不満はここから。
こんな「家庭」で育って、一応ある時点まで登校している、丈夫で歳相応の背丈・体重がある、それも、まともな考えで育っていること。<奇跡>だ。
「この二人どうなっちゃうんだ?」と途方にくれ始めているのは私(観ている方)で、この二人はずっと前から途方にくれていたのだ。地震で大地が揺れようが、津波が襲って来ようが、放射能汚染だと騒ぐこともなかったのだ。
この二人の最後のやりとりを見ているとボロンくそに言おうと思ったことが、口から出てこなかった。かすかな光りが見えたからだ。 2回観て本当に良かったと思え、評がガラリと変わった作品だった。(美)

2011年/日本/カラー/129分/アメリカンビスタ/ドルビーSR
配給:GAGA★
(C) 2011「ヒミズ」フィルムパートナーズ

★2012年1月14日から新宿バルト9、シネクイントほか全国順次公開

公式 HP >> http://himizu.gaga.ne.jp/

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ロボジー ROBO-G

監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
撮影:柳島克己
音楽:ミッキー吉野
美術:新田隆之
ロボットデザイン:清水剛
出演:五十嵐信次郎(鈴木重光)、吉高由里子(佐々木葉子)、濱田岳(小林弘樹)、川合正悟(太田浩二)、川島潤哉(長井信也)、田畑智子(伊丹弥生)

中規模の家電メーカーの木村電器に勤務する落ちこぼれ社員の小林、太田、長井の3人は、社長命令でもうすぐ始まるロボット博の企業広告のために、二足歩行のロボット開発に必死になっていた。
だが手違いで完成間近のロボットが壊れてしまう。困った3人は首になるのを恐れて、ロボット型の中に人を入れる算段をする。
「誰でもできる楽しい仕事、1日3万円」の広告を出して体型の合う、一人暮らしの老人・鈴木(五十嵐信次郎=ミッキー・カーチス)をロボットの中に入れて出場したところ、鈴木の奇妙な動きが絶賛されてしまい・・・。

矢口史靖監督の『ウォーターボーイズ』『ハッピーフライト』は楽しい作品で、美しい日本語が台詞に入っていて、好感のもてる監督さん。今回は、頑固でわがままなじぃちゃんとロボットをテーマにした爆笑コメディー。
主役は五十嵐信次郎(ミッキー・カーチスさんの本名)で、元気いっぱいの73歳(実際のご年齢と同じ)。だんだん人気が出てくると「ここの蟹がうまいなぁ」「次は温泉と按摩さん、お願いね」なんてわがまま放題。
 普通、ロボットなら高度な技術と思うが、頭は炊飯器など家電製品だけで作ったロボットは存在感があり、落ちこぼれ社員3人(この3人がいかにも落ちこぼれなので笑ってしまう)がロボットのことがまるでわからないのを、大学生のロボットオタクたちの知恵を拝借しながら、会社や世の中から注目を集める存在になるのが、その展開が無理なく描かれていて面白く仕上がっていた。(美)

2010年/日本/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:東宝

★2012年1月14日より東宝系映画館にて全国ロードショー公開

公式 HP >> http://robo-g.jp/

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哀しき獣(原題:黄海(ファンヘ) 英題:The Yellow Sea)

監督・脚本:ナ・ホンジン
出演:ハ・ジョンウ、キム・ユンソク、チョ・ソンハ

中国、延辺朝鮮族自治州・延吉。タクシー運転手のグナム(ハ・ジョンウ)は生活が苦しく、借金をしてまで妻を韓国に出稼ぎに行かせたが、妻とは連絡が取れなくなっていた。なんとか借金を返そうと賭け麻雀で一発逆転を狙うが今日も負けてしまう。グナムは地元を牛耳る貿易商の社長ミョン(キム・ユンソク)から、韓国に密入国して人を一人殺してくれば借金を帳消しにしてやると持ちかけられる。グナムは悩んだあげく、韓国に行けば愛妻に会えるかもしれないという思いを抱えて密航船で黄海を渡る。ソウルに潜入し、殺人ターゲットの体育大学教授の行動パターンを観察しながら、妻の行方を捜す。やっと突き止めたアパートに妻はいない。一方、体育大学教授はグナムの目の前で別の人物に殺されてしまう。動揺しながらも殺しの証拠に死体の親指を切り落として立ち去ろうとしたところへ警察が到着する。殺人犯として追われるグナム。中国に帰る密航船の指定日は迫っていた。そんな時、「朝鮮族30代女性のバラバラ死体発見」と、「朝鮮族殺人事件容疑者逮捕」のニュースを目にする・・・

1.タクシー運転手 2.殺人者 3.朝鮮族 4.黄海 の4段階で語られる物語。
無実のグナムが追ってくる警察から逃れることはできるのか、愛する妻に会うことはできるのかと、はらはらドキドキ。グナムは、なぜ妻を出稼ぎに出さなければならなかったのか、そして、その借金のために、なぜ殺人まで犯す決意をしなければならなかったのか・・・。さらに、朝鮮民族の人たちが、なぜ中国、北朝鮮、大韓民国と3つの国に分かれて住むことになってしまったのかということにも思いが至ります。ラスト、暗い黄海を小船で行くグナムの姿に悲哀がぐっと迫ります。そして、エンドロールの終わった後の映像に、さらに悲しみは深まります。エンドロールの途中で決して席を立たないで、最後の最後までご覧ください。(咲)

2010年/韓国/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD/140分
配給:クロックワークス

★2012年1月7日(土)、シネマート新宿 他 全国ロードショー

公式 HP >> http://www.kanashiki-kemono.com/

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マジック・ツリーハウス

監督:錦織博
原作:メアリー・ポープ・オズボーン
脚本:大河内一楼
キャラクター原案:甘子彩菜
キャラクターデザイン・総作画監督:柳田義明
アニメーション制作:亜細亜堂
音楽:千住明
声の出演:北川景子(ジャック)、芦田愛菜(アニー)、山寺宏一(パパ)、水樹奈々(ママ)、真矢みき(モーガン)

本好きのジャックと元気なアニーは仲良し兄妹。ある日ネズミを追いかけていった森の中で、大きな木の上に不思議な家を見つけた。書棚から恐竜の本を手に取ったジャックは思わず「行ってみたいな」とつぶやく。すると家がぐるぐる回り出し、二人とネズミのピーナツは、白亜紀の恐竜の世界に到着してしまった!!この家は本の中を旅することができる魔法のツリーハウスだった。プテラノドンと友だちになったり、ティラノサウルスに追いかけられたりするうち、ジャックは金色のメダルを見つける。


(C)メアリー・ポープ・オズボーン/「マジック・ツリーハウス」製作委員会

ジャックとアニーはメダルを探して4つの違う世界へ出かけます。7歳と8歳の兄妹にしてはあまりに過酷な冒険なのですが、そこはお話の世界、手助けしてくれる仲間や魔法使いもちゃんと現れます。ドラえもんの「どこでもドア」とのび太くんたちの冒険のようで、小さなお子様にも親しめます。原作は世界中で翻訳され、日本でも31巻目が映画に合わせて出版されました。日本版の挿絵(甘子彩菜)を気に入った著者が初めての映画化を許可したのだとか。歴史上の人物や事件に遭遇する二人が次第に成長していくのを楽しみながら私も原作を全部読んでしまいました。さまざまな国へ時空を越えて行く子どもたちの旅は大人が読んでもワクワクします。(白)

2011年/日本/カラー/105分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ギャガ

★1月7日(土)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー

公式 HP >> http://magictreehouse.jp/

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パーフェクト・センス(原題:PERFECT SENSE)

監督:デヴィッド・マッケンジー
脚本:キム・フップス・オーカソン
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ
音楽:マックス・リヒター
出演:ユアン・マクレガー(マイケル)、エヴァ・グリーン(スーザン)、ユエン・ブレムナー(ジェームズ)、スティーヴン・ディレイン(スティーブン) 、コニー・ニールセン(ジェニー)

スーザンはアパートのすぐそばのレストランのシェフ、マイケルと知り合う。愛情が信じられないスーザンだったが、楽天的なマイケルの明るさに救われる。そのうち突然臭覚がなくなる奇病が各地で発生し、感染症を研究するスーザンは原因を追求するが、ようとして掴むことができない。この病気には潜伏期間があり、発病の前に突然悲しみの感情がわきあがるなど共通した症状があった。しだい蔓延してくる奇病は二人をも襲う。臭覚の次は味覚がなくなった。お客がこなくなった店でマイケルたちは、舌触りや食べるときの音を楽しむ工夫をする。

人の五感がなくなっていくという、不思議な感染症を媒体に、人々の反応やその後を描いていきます。なくなっていくことでパニックになる人もいれば、残された感覚を大切に日常を送ろうとする人もいます。静かな描写が心に残ります。ユアン・マクレガーは暖かく誠実な印象そのままに、マイケルを演じています。強い視線のエヴァ・グリーンが、一緒にいたい人のもとへと走るときひたむきな女性の感情を見せていました。あたりまえだと思っていたことが失われたとき、自分ならどうするかと考えました。(白)

世の終わりを感じたとき、人はどんな行動に出るのでしょう。この世が終焉を告げるなら、やっぱり最期には人と触れ合っていたい・・・ そんなことを感じさせてくれる作品。いざという時には、プラス思考で立ち向かいたいとも思わせてくれました。ほんとに何が起こるかわからない世の中。事が起こったとき、映画のように、素敵な人と巡りあえるといいな。(咲)

2010年/イギリス/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:プレシディオ
(C)Sigma Films Limited/Zentropa Entertainments5 ApS/Subotica Ltd/BBC 2010

★1月7日(土) 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.perfectsense.jp/

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フライトナイト ―恐怖の夜―(原題:FRIGHT NIGHT)

監督:クレイグ・ギレスビー
脚本:マーティ・ノクソン
撮影:ハビエル・アギーレサロベ
衣装:スーザン・マシスン
音楽:ラミン・ジャワディ
特殊メイクアップ:ハワードバーガー&グレッグ・ニコテロ
出演:アントン・イェルチン(チャーリー・ブリュースター)、コリン・ファレル(ジェリー)、トニ・コレット(ジェーン・ブリュースター)、デヴィッド・テナント(ピーター・ヴィンセント)

ラスベガス郊外の住宅街に住む高校生チャーリーは、学園アイドル・エイミーと仲良し。だが、隣に引っ越しして来た男によって絶好調の日々は無惨に打ち砕かれてしまう。 なんと、その男の正体は・・・。

『ラースと、その彼女』の監督さん。1985年に公開された『フライトナイト』はクラシックな<吸血鬼もの>として、斬新なアイデアと当時最新の特殊メイクでホラー映画の伝説的傑作。それを今、新たなキャストとスタッフで3D映像(2Dも)で『フライトナイト/恐怖の夜』が蘇った。
やはり正統派のバンパイアもの。なかなか凝った作りで飽きさせない映像力だった。だが、コリン・ファレル扮する吸血鬼があまりにも行動が<あからさま>なので白ける部分もあった。
彼に噛まれたり、血を吸われた人は、太陽や明るい火にあたると一瞬で粉々になるが、その映像は◎。2Dで観たが、3Dでも観たい気はするが・・・怖さも比例するか?
特殊メイクアップのハワードバーガー&グレッグ・ニコテロ は『イングロリアス・バスターズ』『ピラニア3D』でも担当している、今や恐怖物映画には欠かせないお二人。(美)

2011年/アメリカ/カラー/106分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン

★2012年1月7日 より3D/2D 新宿バルト9ほか全国ロードショー公開

公式 HP >> http://disney-studio.jp/movies/frightnight/

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Coming Out Story

監督:梅沢圭
撮影:猪本太久磨、梅沢圭
録音:豊島圭
音楽:KIKORI
出演:土肥いつき、米沢泉美、阿久津麻理子

肉体的に男性でありながら心は女性という、「性同一性障害」を長年抱えていた京都の公立高校の教諭土肥いつきさんのドキュメンタリー。
梅沢監督は日本映画学校の卒業製作として作った本作は、最優秀監督に贈られる「今村昌平賞」を受賞。
京都の公立高校で数学を教える土肥いつきさんは、10年以上も待ちわびていた<性別適合手術>に向かう。生れながらに性別を越境して生きるトランスジェンダーとして自分を特別視することなく、女性の身体を獲得する夢を実現してきた彼女の友人、生徒を通して様々な疑問を問いかけていく。

彼女は(見た目は完全な女性、声はどちらともいえないトーン)学校でも隠しておらず、転勤もなく27年間ずっと同じ高校で勤務している。「私を引き受ける高校がないから転勤はないんでしょう」と笑って言っていたが、なんとも明るい前向きな人だった。
家庭には妻と子どももいて了解のもとで、男から女になるのだ。なんか凄いことなんだろうが、この方にかかるとなんでもなく感じるのが不思議だった。
若いときの写真が映し出されると会場から「ほぉー」というどよめきがあった。そこには正真正銘の男性が写っていたからだ。<性>って一体なんだろう?と深く考えさせられた作品。

※「性別適合手術」を受けるのが名古屋の病院。私の地元(名古屋駅西方面?)でこんな手術する専門病院があることに驚く。それも町にある小さな外科医院の規模だ。きっと先生の技術がいいんだろう。(美)

2011年/日本/カラー/HD/60分

★1月4日より東京都世田谷区のトリウッドにて公開中

公式 HP >> http://www.coming-out-story.com/

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善き人(原題:Good)

監督:ヴィセンテ・アモリン
原作:C・P・テイラー
脚本:ジョン・ラサール
撮影:アンドリュー・ダン
出演:ヴィゴ・モーテンセン(ジョン・ハルダー)、ジェイソン・アイザックス(モーリス)、ジョディ・ウィッテカー(アン)、スティーヴン・マッキントッシュ(フレディ)ほか

1930年代、ヒトラーが台頭してきたドイツ。大学で文学を教えているジョン・ハルダー、家庭では音楽家の妻のために家事をこなし、年老いた母の世話をする彼の生活が一変する。ナチスから呼び出しがかかり、ジョンが以前書いた小説をヒトラーが気に入り、文化人を迎えたいナチスに入党せざるを得なくなったのだ。生き延びるために必要な選択だったが、唯一の親友モーリスはユダヤ人であるため、友情に亀裂が入ってしまう。やがてユダヤ人弾圧が厳しくなり、モーリスをパリへ逃がすために手助けしようとするジョンだったが・・・。

「善き人」であろうとするジョンが抗えない流れに翻弄される胸の痛むストーリーです。俳優であるばかりでなく、画家でも詩人でもあるヴィゴ・モーテンセンが、この大学教授役によくはまっていました。自分だったらどうするかというのと同時に、個人を消してしまう国家、組織というものを考えてしまいます。戦争中ジョンのような選択をせねばならなかった人は多かったはず。家庭では善き父であり、息子であり普通の家庭人であった人が、上の命令どおりに辛い選択をすることが今後決してありませんように。(白)

2008年/イギリス/カラー/110分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ
©2007 Good Films Ltd.

★1月1日(日、元日)よりスバル座ほか全国順次公開

公式 HP >> http://www.yokihito-movie.com/

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