女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
過去の映画作品紹介(2005年)

『僕のニューヨークライフ』 『愛より強い旅』 『東京ゾンビ』 『ある子供』 『カーテンコール』 『アワーミュージック』 『そして、ひと粒のひかり』 『輝ける青春』 『ファイナル・カット』 『秘密のかけら』 『ダウン・イン・ザ・バレー』 『ロード・オブ・ウォー』 『あぶない奴ら』 『ミリオンズ』 『母のいる場所』 『バトル7』 『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』 『アメノナカノ青空』 『NOEL(ノエル)』 『ブレイキング・ニュース』 『七人のマッハ!!!!!!!』 『風の前奏曲』 『探偵事務所5』 『欲望』 『大停電の夜に』 『トンケの蒼い空』 『少林キョンシー』 『ブラザーズ・グリム』 『ホールドアップダウン』 『イエスタデイ、ワンスモア』 『私の頭の中の消しゴム』 『ランド・オブ・プレンティ』 『愛をつづる詩』 『さよならCOLOR』 『マザー・テレサ』 『皇帝ペンギン』 『ブコウスキー:オールドパンク』 『空中庭園』 『真夜中のピアニスト』 『四月の雪』 『亀も空を飛ぶ』 『ヘイフラワーとキルトシュー』 『メゾン・ド・ヒミコ』 『理想の女(ひと)』 『マイ・ファーザー』 『ヴェラ・ドレイク』 『シルバーホーク』 『ミート・ザ・ペアレンツ2』 『フォー・ブラザーズ/狼達の誓い』 『マダムと奇人と殺人と』 『ダーク・ウォーター』 『カスタムメイド10.30』 『デッドライン』 『アラハン』 『不良少年(ヤンキー)の夢』 「第5回彩の国さいたま中国映画祭」 「第6回東京フィルメックス」 「松竹110周年祭 日本の美がここにある」 『ベルベット・レイン』 『殴者』 『トゥルーへの手紙』 『TKO HIP HOP』 「KAWASAKIしんゆり映画祭2005」 『セブンソード』 『アバウト・ラブ/関於愛』 『頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE』 『ルパン』 『山中常盤』 『サマータイムマシン・ブルース』 『ボム・ザ・システム』 『愛についてのキンゼイ・レポート』 『メトロで恋して』 『ジーナ・K』 『奥さまは魔女』 『南極日誌』 『霊 リョン』 『2人の5つの分かれ路』 『マダガスカル』 『ナチュラル・シティ』 『千年湖』 『ワースト☆コンタクト』 『マリといた夏』 『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』 『ヒトラー 〜最期の12日間〜』 『恋する神父』 『バタフライ・エフェクト』 『KARAOKE−人生紙一重−』 『ザ・インタープリター』 『楳図かずお 恐怖劇場』 『亀は意外と速く泳ぐ』 『ウィスキー』 『バンジージャンプする』 「ヒロシマ平和映画祭2005」 「東京国際映画祭 Special Selection in 幕張」 「第18回 東京国際映画祭」 「第18回東京国際女性映画祭」 「東京国際ファンタスティック映画祭2005」 「山形国際ドキュメンタリー映画祭」 『ボンダイツナミ』 『ライディング・ザ・ブレット』 『マラソン』 『逆境ナイン』 『バス174』 『チャレンジ・キッズ —未来に架ける子どもたち』 『彼女を信じないでください』 『村の写真集』 『PTU』 『コーヒー&シガレッツ』 『微笑みに出逢う街角』 「国際交流基金映画講座」 「アジアフォーカス・福岡映画祭2005」 「ポーランド映画 昨日と今日」 「イラン大使館主催・第3回イラン映画上映会」 「シネマコリア2005」 「アジア海洋映画祭イン幕張」 『狼たちの鎮魂歌〈レクイエム〉』 『おまけつき新婚生活』 『ワンナイト イン モンコック 旺角黒夜』 『ダニー・ザ・ドッグ』 『50回目のファーストキス』 『ザ・リング2』 『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』 『トラブル IN ベガス』 『夢の中へ』 『ミリオンダラー・ベイビー』 『マイ・ブラザー』 『初恋のアルバム〜人魚姫のいた島〜』 『美しい夜、残酷な朝』 『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』 『さよなら、さよならハリウッド』 『愛の神、エロス』 『フレンチなしあわせのつくり方』 『隣人13号』 『サマリア』 『失われた龍の系譜〜トレース・オブ・ア・ドラゴン』 『故郷(ふるさと)の香り』 『ICHIGEKI 一撃』 『レクイエム』 「Short Shorts Film Festival 2005」&「Short Shorts Film Festival Asia」 「フラッシュバック/フラッシュフォワード:過去への視線」 『バースデー・ウェディング』 『30年のシスターフッド』 『わが家の犬は世界一』 『ベルリン、僕らの革命』 『インファナル・アフェアIII 終極無間』 『BEAT KIDS ビートキッズ』 『真夜中の弥次さん喜多さん』 『にがい涙の大地から』 『火星人メルカーノ』 『マシニスト』 『1リットルの涙』 『第13回フランス映画祭 横浜2005』 『ドイツ映画祭2005』 『桃色 Colour Blossoms』 『ブルー・レクイエム』 「駅前シリーズぜんぶ上映!【前編】」 『平成職人の挑戦』 『英語完全征服』 『シャーク・テイル』 『ソン・フレール−兄との約束−』 『酔画仙』 『ヘアスタイル』 『キャビン・フィーバー』 『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』 『シャウト オブ アジア』 『レジェンド 三蔵法師の秘宝』 『恋の風景』 『永遠のハバナ』 「韓流シネマ・フェスティバル2005」 『ビューティフル・デイズ』 『香港国際警察/NEW POLICE STORY』 『Uボート 最後の決断』 『アイ・アム・デビッド』 『MAKOTO』 『運命を分けたザイル』 「アラブ映画祭2005」 『レスリー・チャン 嵐の青春』 『世界で一番パパが好き!』 『コントロール』 「にっぽん60年代 巨匠たちの原点」 『フェーンチャン ぼくの恋人』 『清風明月』 『天上草原』 「生誕100年 監督 豊田四郎」 『レオボルド・ブルームへの手紙』 『ダブリン上等!』 『DV』 『生命(いのち)』 『パッチギ!』 『ファイティング・テンプテーションズ』 『第19回高崎映画祭』 『ボーン・スプレマシー』 『ライフ イズ コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』 『雨よりせつなく』 『レイ/RAY』 『カンフーハッスル』 『ネバーランド』 『もし、あなたなら〜6つの視線』 『キャロルの初恋』 『ゴーストシャウト』 「活動弁士 澤登翠の世界」 『EARTH VISION 第13回地球環境映像祭』 『ネオ・ファンタジア』


『僕のニューヨークライフ』(原題:『anything else』)
監督・脚本:ウディ・アレン
撮影:ダリウス・コンジ
美術:サント・ロカスト
出演:ジェイソン・ビッグス(ジェリー)、クリスティーナ・リッチ(アマンダ)、ウディ・アレン(ドーベル)、ダニー・デヴィート(ハーヴィ)、ストッカード・チャニング(ポーラ)ほか

ジェリーは21歳のコメディ作家。女優の卵で恋人のアマンダとマンハッタンに住んでいる。 お互いに交際相手がいたのに一目惚れしたのだ。 気まぐれでわがままな彼女にジェリーは振り回されっぱなし。 この半年「スランプ中」だという彼女とはセックスレスで、 おまけに彼氏と別れたアマンダの母がアパートに転がり込んできてストレスは最高潮。 ジェリーの愚痴を聞いてくれるのは、年上の友人のドーベル。 しかしアマンダに初めて会ったドーベルは「彼女は浮気をしている」とささやくのだった。

監督のたっての希望でキャスティングされたクリスティナ・リッチは、 奔放で小悪魔のようなアマンダを演じています。これがまた可愛いけれど、 ひとつも相手のことを考えないわがまま娘で、ひっかかった(惚れた)男は悲劇です。 この映画のどの俳優もぴったりな配役でうなってしまいますが、今回もやっぱり変人なウディ・アレン。
彼よりもっと迷惑なのがこのアマンダ母娘でした。しっかりせんかい!と言いたくなるような気弱なジェリーが、少しずつ学習して成長するのでほっとしました。
ウディ・アレン監督は、ずっとニューヨークを舞台に製作していましたが、 この作品と『メリンダとメリンダ』を最後に拠点をロンドンに移したそうで、ニューヨークと惜別の1本かな。(白)

生まれ育ったニューヨークを離れ、製作拠点をロンドンに移すことを決意したウディ・アレン。それは、スタジオ重視の米国映画界への失望からと言う。本作では、いとおしむように公園やカフェなどニューヨークのさりげない場所がロケに使われている。また、ユダヤ系であることにこだわる彼らしいユダヤねたが、本作でも炸裂している。カフェで隣の客が「僕らユダヤをコケにした」とぶつぶつ語るドーベルに対し、“生真面目なユダヤ青年”ジェリーに、「僕にはそんな風に聞こえなかった」と答えさせ、自らの発想が被害妄想的であることも暴露しているように思えた。それにしても、ジェリーも、ウディ・アレンと同じような、ちょっとどもるような話し方。 演じたジェイソン・ビッグスの努力の賜物?!(咲)

第60回ヴェネチア映画祭オープニング作品

2003年/アメリカ/112分/シネマスコープ/ドルビー
配給:日活
★東京での上映は終わりました。全国の詳しいスケジュールは公式HPをご覧下さい。

http://www.ny-life.jp/


『愛より強い旅』 原題:EXILS
監督・脚本:トニー・ガトリフ(『ガッジョ・ディーロ』『モンド』)
出演:ロマン・デュリス(『ガッジョ・ディーロ』『スパニッシュ・アパートメント』『ルパン』『真夜中のピアニスト』『ロシアン・ドールズ(原題)』)、ルブナ・アザバル(『ビバ!アルジェリア』)

パリ郊外の団地。 窓から眼下を眺めていたザノ(ロマン・デュリス)は、思い詰めたように「アルジェリアに行こう」と、恋人のナイマ(ルブナ・アザバル)に言い放つ。 アルジェリアは、ザノの父親が捨てざるを得なかった故国。 そしてナイマの父の故国でもある。 小さな鞄とウォークマンに、わずかなお金を携えて列車で国境を超えスペインへ。 ラ・マンチャ地方、セビリア、地中海沿いのアルメリア・・・。 お金が無くなりプラム農園でのアルバイトを見つけた二人は、そこでフランスへの密出国を目指すアルジェリア人兄妹と知り合う。 ナイマという名前を聞いて、「イスラーム風の名前ね。アラビア語はしゃべれるの?」と聞く妹のレイラ。 フランス育ちのナイマにとっては、イスラームの戒律もアラビア語も無縁のもの。 「私はアルジェリアに行く」というアラビア語のフレーズを教えてもらったナイマは、お呪いのように何度もつぶやく。農園に不法滞在者に対する捜査が入り、トラックの下に隠れて逃れるレイラたち。 一方でナイマは「フランス国籍よ。残念ね」と警官に堂々とパスポートを見せる。
なんとか旅費を稼いだ二人は、喜び勇んで船に乗り込むが、アルジェ行きと思った船の行き先は、モロッコのナドールだった。 手配師の道案内で徒歩でアルジェリアに入国した二人は、折りしも起こった大地震の被害から逃れて歩いて来る人たちの波に遭遇する。 ようやくアルジェに辿り着き、レイラ達の家族を訪ね歓待を受ける二人。 そして、ザノが記憶を頼りに探し当てた父の家で目にしたものは・・・。

『ガッジョ・ディーロ』で自らのルーツの一つであるロマ(ジプシー)を描いたガトリフ監督は、1948年アルジェリアに生まれ、60年代初頭に家族と共にフランスに渡った経歴を持つ。 本作は、監督のルーツを辿る旅でもある。監督の分身でもあるザノを演じるロマン・デュリスは、去る6月のフランス映画祭横浜で主演作が3本も上映されるなど、今をときめくフランスを代表する俳優。 いわゆる二枚目ではないが、本作でも独特の魅力をかもし出している。
ビートのきいた刺激的なテクノ音楽、哀愁漂う中に力強さのあるフラメンコ、民族楽器とテクノを融合させて移民の心情を歌い上げるライ、そして、神との一体をはかるためのスーフィー(イスラーム神秘主義)音楽と、本作は音楽を巡る旅でもある。 アルジェの町で、素肌を隠せと強要されて被っていたスカーフとコートを脱ぎ放ったナイマが、スーフィー音楽にあわせてトランス状態に陥っていくラストは圧巻。 (ただし、本来のスーフィーの儀式に使用する三拍子系ではなく二拍子系リズムに変えてあり、監督のオリジナルである。)

故国を捨てざるを得なかった人たち、新天地を求めて故国を去る人たち・・・。 人は皆、結局はそれぞれの運命で今いる場所にいるのだなぁと、あらためて今ここにいる自分を思う。(咲)

2004年/フランス/103分/シネマスコープ/ドルビーデジタル/カラー
配給:日活

第57回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞受賞

★4月8日から21日まで飯田橋ギンレイホールにて上映

公式HP>> http://www.ai-tabi.com/

日活タイムズ  ロマン・デュリス インタビュー記事 >> http://www.nikkatsu.com/times/event/050929roman/index.html


『東京ゾンビ』
監督・脚本:佐藤佐吉
撮影:石井勲
原作:花くまゆうさく
音楽:二見裕志 、RAAZKUINTED
主題歌:TE HOMESICKS 出演:浅野忠信(フジオ)、哀川翔(ミツオ)、奥田恵梨華(ヨウコ)、松岡日菜(フミヨ)、古田新太(石原)、楳図かずお(せんせい)ほか

フジオとミツオは二人きりで消火器工場で働いている。柔術の達人のミツオは、 毎日後輩のフジオに柔術の特訓をしている。今日も練習ににいそしんでいると本社の藤本がやってきた。 ミツオに当り散らす藤本にキレたフジオはつい消火器で殴って死なせてしまう。 始末に困った二人は近所のゴミ山に死体を捨てに行く。 そこは様々な不用品の捨て場となり、いまや黒富士と呼ばれるほど巨大化していた。 ある日埋められた死体達がゾンビとなって這い出し、生きた人間を襲い始める・・・。

人気漫画の映画化。一言で言ってしまうと「脱力系サバイバルムービー」。 浅野忠信という人は何をやっても似合う。 『ゼブラーマン』でこわもてなイメージを払拭した哀川翔は、 またハ○ヅラがおかしいほどぴったり(丁寧にCG処理しているそうだ)。 この二人が原作者の花くまゆうさく指導のもと、ちゃんとした柔術の技を見せてくれる。 襲ってくるゾンビもゆるゆるの脱力加減で、生き残った金持ちのオバちゃんたちのほうがよっぽど怖い。 『コープスブライド』でも生きた人間のほうが醜悪だったなぁ。 いろんな人がちらほらと出ているので、探すのも面白い。真剣に観て怒らないでください。(白)

2005/日本/カラー/103分//配給:東芝エンタテインメント
★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

公式サイト     http://tokyo-zombie.com/
花くまゆうさくHP http://www.hanakuma.com/


『ある子供』(原題:L'Enfant)
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ(『息子のまなざし』)
出演:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール、オリヴィエ・グルメ

ブリュノは20歳。ソニアは18歳。生まれたばかりの息子・ジミーを抱えてソニアは病院から戻ってくるが、ブリュノが見つからない。散々探しまわってようやく見つけたブリュノは「仕事」中だと言って、ジミーには殆ど感心を示さなかった。彼の「仕事」とは通行人に小銭をせびったり、ひったくりや盗みをして、盗品を売ること。その日も盗んだビデオカメラをやみ取り引きの女に売る。女は「お金を出して子供を欲しがる人がいる」と告げる。
役所で子供を認知し、ソニアはうれしそうだ。ブリュノには真面目に働いて欲しいと願い、二人で職業安定所へ行くが、彼は長蛇の列に嫌気がさし、ジミーを連れて散歩に行く。散歩の途中で彼は「子供を買う人がいる」という話をふと思い出し、女に連絡を取る。すると即座に取引場所を指定され、呆気なく子供は売れてしまった。しかし、その事を知ったソニアは卒倒してしまう。ブリュノはあせって取り戻そうとするのだが、、、


ブリュノは親としての自覚など全くなく、社会的な正義や責任を考えることもありません。初めは怒りを感じますが、徐々にこの子は本当に何も知らないのだと分かってくると、哀れに思えてきます。彼の親もまた責任を放棄し、何も教えてこなかったのです。
日本でもNEET(Not in Employment, Education or Training)という言葉が最近よく聞かれます。この映画の主人公たちは、そのNEETであり、貧困者でありながら子供を持ってしまい、知らず知らずのうちに一層困難な状況を招いてしまっています。日本でもこのような若者が今後増えてこないとも限らないよな、と考えさせられてしまいました。
それでもまだ希望はあると感じさせてくれるラスト。観終わって、涙がツーッと流れました。(梅)

2005年カンヌ国際映画祭パルムドール大賞

2005年/ベルギー=フランス/1:1.66/カラー/95分/ドルビーSRD
提供:ビターズ・エンド、スタイルジャム、博報堂DYメディアパートナーズ
配給:ビターズ・エンド
宣伝:ビターズ・エンド+ムヴィオラ

公式 HP >> http://www.bitters.co.jp/kodomo

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『カーテンコール』
監督・脚本:佐々部清
撮影:坂江正明
美術:若松孝市
音楽:藤原いくろう
出演:伊藤歩(橋本香織)、藤井隆(安川修平)、奥貫薫(良江)、鶴田真由(美里)、藤村志保(宮部絹代)、津田寛治(宋義徳)、橋龍吾(金田信哲)、夏八木勲(橋本達也)、井上堯之、粟田麗ほか

ライターの香織はスクープをモノにしたが、圧力がかかって地方勤務となってしまった。タウン誌のライターとなったある日1通のはがきに目が止まった。
昭和30年代の下関、映画館には上映の幕間に物真似や歌で観客を楽しませてくれた 「幕間芸人」と呼ばれる人がいた・・・。香織は下関の古い映画館、みなと座を訪ね、安川修平という幕間芸人の話を聞くことができた。やがてさまざまな人の協力を得て、その後の修平、一人残された娘 美里にまでたどり着くことになる。それは父と疎遠になっていた香織の心も開かせる旅となった。


映画産業が華やかだった時代の懐かしい映画、その映画を彩った歌謡曲を背景に、映画と家族を愛した一人の男の半生を浮き彫りにします。若き日の修平役の藤井隆が人懐こい笑顔を見せて好演。また大好きだったからこそ父を許せない美里の涙に貰い泣きしました。美術さんが腕をふるった当時の映画の看板、館内のようす、ヒット曲、 もういない人たち。失われてしまったものへの愛惜でまた鼻の奥がつーんとします。 井上堯之氏の歌「いつでも夢を」もしみじみと聞きました。(白)

2004/日本/カラー/111分/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD

公式 HP >> http://www.curtaincall-movie.jp/

★4月29日から早稲田松竹にて上映
『アワーミュージック』
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
製作:アラン・サルド、ルート・ヴァルトブルゲール
撮影:ジュリアン・ハーシュ
美術:アンヌ=マリー・ミエヴィル
キャスト:ナード・デュー (オルガ)、サラ・アドラー(ジュディス)、ジャン=リュック・ゴダール(本人)、ロニー・クラメール(通訳)ほか

この映画は冒頭の戦争場面のモンタージュ、サラエヴォで講義をするゴダールと女子学生オルガとの魂の出会い、最後は明るい日差しの中を歩く「殉教」したオルガの3つのパートで構成されています。 ジャン=リュック・ゴダール本人はもちろん、マフムード・ダーウィッシュ、フアン・ゴイティソーロ、ピエール・ベルグニウなどの著名人もその本人として映画に登場します。 74歳になったゴダールの若者への優しい眼差しが感じられる作品。

配給:プレノン・アッシュ
提供アミューズソフトエンタテインメント、ギャガ・コミュニケーションズ

http://www.godard.jp/

★3月18日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてアンコール上映
※初日来場のお客様には、ジャン=リュック・ゴダール監督直筆原題タイトル入り特製 「オルガの赤いハーモニカ」をもれなくプレゼント!
※特別鑑賞券 ¥1,500 大好評発売中!
※劇場窓口で『アワーミュージック』特製オルガとゴダールのポストカード(ゴダールサイン入)プレゼント!
http://www.chantercine.com/


『アワーミュージック』 <トークイベント>

■3/18(土) 17:00 『アワーミュージック』上映終了後 開催
「カイエ・ドュ・シネマ」編集長 ジャン=ミッシェル・フロドン氏の講演が決定!

■3/19(日)11:00『愛の世紀』上映終了後 開催
蓮實重彦氏×青山真治監督 21世紀ゴダールを語る!
「21世紀のゴダールはいかなる表情で迫ってくるのか...」

■3/26(日)21:05『アワーミュージック』上映終了後 開催
小田マサノリ(イルコモンズ)氏[元・現代美術家]×さかいれいしう氏[声楽家]

さかいれいしう氏による、魂を揺さぶるポエトリー・リーディングもあわせてご堪能下さい。

<上映スケジュール>
劇場:シアター・イメージフォーラム

◆3月18日(土)〜3月24日(金)
 『愛の世紀』 11:00/15:00/19:00
 『アワーミュージック』 13:00/17:00/21:05
◆3月25日(土)〜4月7日(金)
 モーニング(11:00〜) 『愛の世紀』
 レイト(21:05〜) 『アワーミュージック』(終映22:30)
◆4月8日(土)〜4月21日(金)
 モーニング(11:00〜) 『アワーミュージック』
 レイト(21:05〜) 『愛の世紀』(終映22:48)
 
『アワーミュージック』公式ホームページ⇒ http://www.godard.jp/

『愛の世紀』
監督:ジャン=リュック・ゴダール
2001/フランス=スイス/白黒(一部)・カラー(二部)/スタンダード/98分
『愛の世紀』公式ホームページ⇒ http://www.godard.jp/index2.html


『そして、ひと粒のひかり』
監督・脚本:ジョシュア・マーストン
製作:ポール・メゼイ
共同制作:ジェイム・オゾリオ・ゴメス
製作協力:オーランド・トーボン
撮影監督:ジム・デノールト
作曲:ジョェイコブ・リーバーマン、レオナルド・ヘイブルム
音楽監修:リン・ファインシュタイン
キャスト:カタリーナ・サンディノ・モレノ(マリア)、イェニー・パオラ・ヴェガ(ブランカ)、ジョン・アレックス・トロ(フランクリン)、ギリード・ロペス(ルーシー)、パトリシア・ラエ(カルラ)

マリアは17歳。 コロンビアの田舎町に家族5人で住み、家計を支えるため早朝からバラ農園で働いている。 トラブルでその仕事をなくし、愛してもいないボーイフレンドの子供を妊娠してしまった。 マリアをあてにしている家族と衝突し街へ向かおうとしたとき、一度会っただけのフランクリンに仕事を紹介される。 それは失敗の許されない危険な仕事、しかし成功すれば高額な報酬を得られる「麻薬の運び屋」だった。

原題『MARIA FULL OF GRACE』は、 日本で「めでたし、聖寵(せいちょう)みちみてるマリア」と唱えられる祈りの言葉。 神に祝福されてイエスを身ごもったマリアと、望まない妊娠をし過酷な生活をしているマリア、 この2人を対比させて考えて欲しいとの監督の言葉でした。 ジョシュア・マーストン監督はこれが長編第一作。 運び屋をして投獄された多くの人たちを取材したそうです。 製作協力のオーランド・トーボンは、ニューヨークの“リトル・コロンビアの市長”と呼ばれている人物。 コロンビア人コミュニティのリーダーで、運び屋をして死亡したコロンビア人約400人の遺体を本国へ送還したのだとか。 映画の中では、まるで本人をなぞるようなフェルディナンド役で出演もしています。 映画は犯罪そのものだけでなく、その背景となる貧しさもドキュメンタリーのように描かれています。 800人の中から選ばれたというマリア役、カタリーナ・サンディノ・モレノ(1981年生まれ)が成長途中の17歳をよく演じています。 本年度アカデミー賞主演主演女優賞にノミネートされました。(白)

2004/アメリカ=コロンビア映画/101分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/スペイン語
配給:ムービーアイ 提供:ムービーアイ エンタテインメント
★4月8日から21日まで、ギンレイホールにて上映

http://www.soshite-1tsubu.jp/

本誌65号に、監督と主演女優の来日記者会見を掲載します。


『輝ける青春』
監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ(『ペッピーノの百歩』)
脚本:サンドロ・ペトラリア、ステファノ・ルッリ
出演:ルイジ・ロ・カーショ、アレッシオ・ボーニ、アドリアーナ・アスティ、マヤ・サンサ

1966年、ローマ。カラーティ家は、イタリアの平均的な中流家庭。実業家の父アンジェロ、 教師の母アドリアーナと、二人の間の大事な4人の子ども達。 検事の長女ジョヴァンナ、同じ大学に通う大学生で一つ違いの兄弟ニコラとマッティオ、そして、 後にニコラの親友カルロと結婚することになる次女のフランチェスカ。 物語は、ニコラとマッティオが精神病院で不当な扱いを受けていた少女ジョルジアを救おうとするが、 寸でのところで失敗したところから始まる。前向きで明るい性格の二コラは、 これを機に精神科医になることを決意、方や、繊細で感受性の強いマッティオは、 自分を制するため軍隊に入隊する。違う道を歩み始めたニコラとマッティオが再会するのは、 洪水に見舞われたフィレンツェの町の復興作業でのこと。ニコラはこのフィレンツェで、 ピアノの上手な女子大生ジュリアと出会い、やがて二人の間に娘サラが生まれる。 着実に精神科医としての道を歩むニコラだが、一方で、マッティオは軍隊を辞め警察の護衛隊に入る。 警察の内部資料で、マッティオは兄ニコラのパートナーであるジュリアが、 政治家財界人など知識人へのテロ活動で怖れられた「赤い旅団」の一員であることを知る。 しかも次の標的は、妹フランチェスカの夫で銀行幹部となったカルロだった・・・・。

戦後のイタリア現代史を彩る様々な出来事を散りばめて、 物語はカラーティ家の人々が時代の波に翻弄されながら人生を送っていく姿を描き出していく。 6時間6分という上映時間に耐えられるかとの心配も、 次から次に起こる出来事に息をつく隙もなく、あっという間に映画はラストを迎えた。 カラーティ家の人々をはじめ、登場人物は、決して皆が幸せな人生を送るわけではないけれど、 終盤、シチリアのストロンボリ島で、陽光を浴びながら輝くような笑顔を見せるニコラに、 人生って捨てたものじゃないと明るい気分で席を立つことができた。
マッティオがパレルモでの警察勤務時代に束の間の愛を交わし、後に、 ニコラが出会うことになる女性ミレッラも、大輪の向日葵のような笑顔が素敵な人物。 演じたマヤ・サンサはイラン人の父とイタリア人の母を持つと知って、 イラン贔屓の私がなぜか彼女に惹かれたことに納得。 でも何より、ニコラを演じたルイジ・ロ・カーショの笑顔はほんとに素敵で、 すっかり彼の虜になった私である。(咲)


第56回カンヌ国際映画祭 ある視点部門グランプリ
David di Donatello(イタリア・アカデミー賞)6部門受賞
第4回イタリア映画祭上映作品

2003年/イタリア映画/366分/カラー/ヴィスタ/ドルビー・デジタル
提供:東京テアトル、朝日新聞社
配給:東京テアトル
後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館

公式 HP >> http://www.kagayakeru.net/index.html

★4月8日に銀座テアトルシネマにてオールナイトイベント開催


『ファイナル・カット』  原題:The Final Cut
監督:オマール・ナイーム
出演:ロビン・ウィリアムズ、ミラ・ソルヴィノ、ジム・カヴィーゼル、ミミ・カジク、トム・ビショップ

舞台は近未来。人間の全生涯を、脳に移植した“ゾーイ・チップ”に記録し、人が死ぬとチップを摘出して故人の人生を編集した映像“リメモリー”の追悼上映会(ファイナルカット)を開くことがセレブ階級の流行になっている。

 アラン・ハックマン(ロビン・ウィリアムズ)はゾーイ移植チップ業界随一の編集者。他人の人生を感情を排して覗き見ることができる才能ゆえに、すねに傷のある顧客たちからひっぱりだこ。しかし、ある人物のメモリーを編集している時、アランはずっと自分を苦しめ続けていた幼いころの記憶を甦らせる映像を発見する。彼は必死になって過去の真実を捜し求めようとするが…。

監督・脚本はこれが長編映画デビューとなるレバノン出身のオマール・ナイーム。弱冠26歳の無名の青年の脚本に惚れ込み、演出も任せたプロデューサーは、インディペンデント映画の先駆けとなった『セックスと嘘とビデオテープ』(89)を世に送り出したニック・ウェクスラー。

オマール・ナイーム監督は、大学の卒業制作でドキュメンタリー映画を作っていた時、ドキュメンタリーの客観性は誤った神話だと気付いたという。「僕のつなぎ方によって、彼らが言った内容がまったく違うものになるんだ」。そんな思いから発想した本作の意図は?

楽しかったこと、成功したこと等々、自分の気に入った部分だけで人生が再構築できたら、どんなにいいだろう。でも、楽あれば苦あり。色々なことがあってこその人生かな。(咲)

提供  :ファインフィルムズ
配給  :ギャガ・コミュニケーションズ
配給協力:リベロ

2004年/アメリカ/カラー/ヴィスタ/ドルビーデジタル/94分

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

公式HP>>http://www.finalcut-movie.jp/index2.html


『秘密のかけら』原題:『Where the Truth Lies』
監督・脚本:アトム・エゴヤン
原作:ルパート・ホルムズ
撮影:ポール・サロッシー
音楽:マイケル・ダナ
美術:フィリップ・パーカー
出演:ケヴィン・ベーコン(ラニー) 、コリン・ファース(ヴィンス) 、アリソン・ローマン(カレン)、レイチェル・ブランチャード(モーリーン)、デヴィド・ヘイマン(ルーベン)ほか

1972年のロサンゼルス。カレンは成功への野心を抱く新進ジャーナリスト。 飛翔への足がかりとなる準備中の本は、50年代に一世を風靡していたショウビズ界の人気デュオ、 ラニー・モリスとヴィンス・コリンズの暴露本だった。 二人はカレンの少女時代のヒーローだったが、15年前にスキャンダルのためコンビを解散していた。 チャリティのテレソン番組に出演していた彼らをホテルで待っていたのは、 美人女子大生モーリーンの全裸死体。 自殺か他殺かも判明しないまま闇に隠されてしまった事件を、カレンは追い求めようとしていた。

原作はルパート・ホルムズ“Where the Truth Lies”、普段見られないショウビズ界の裏側を描いて、 2004年のアメリカンミステリー大賞を受賞している。アトム・エゴヤンはホルムズのに脚色の承諾を得て、 設定を少し変え人物をさらに詳しく書き込んだ。 50年代から70年代を交互に映して(美術が素敵)、謎に迫っていく。 カレンは事件を追及しながら(その服はなに?!これも演出のうちか)自分もアリスさながら迷宮に迷い込む。 アリソン・ローマンは『マッチスティックメン』で詐欺師の上をいくしたたかな少女をあどけなく演じたけれど、 今回も。ケヴィン・ベーコンとコリン・ファースはほんとのパートナーのように上手い。(白)

2005年/カナダ・イギリス・アメリカ合作/108分/カラー/ドルビー・デジタル/スコープ/※R-18

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。 提供:ムービーアイ エンタテインメント+AMGエンタテインメント+アットエンタテインメント 後援:カナダ大使館/配給:ムービーアイ www.movie-eye.com

http://www.himitsu-kakera.jp/


『あぶない奴ら』(原題:TWO GUYS)
監督・脚本:パク・ホンス(『KUMIHO/千年愛』)
出演:チャ・テヒョン(『猟奇的な彼女』)、パク・チュンフン(『NOWHERE 情け容赦なし』)、ハン・ウンジョン

自惚れ屋でお調子者、カードで借金をしては踏み倒してきたキム・フン(チャ・テヒョン)の元に、借金の取り立てに来たパク・ジュンテ(パク・チュンフン)。借金が返せないなら翌日の12時に病院で腎臓を取ればいいと、軽く考えていた。ところがひょんな事で変な鞄を手にした事から、殺人事件に巻き込まれ、国際スパイ組織と国家安全情報局から追われることになる。何なんだこの鞄!?でもどうやら金になるらしい。二人はタッグを組んで一攫千金をもくろむ。

軽ーく楽しめるバディ・ムービー。追う者と追われる者だったちょっと情けない男二人が、一攫千金を夢見てタッグを組み、大騒動を引き起こします。どいつもこいつも情けない男ってところが、かなり可笑しい。
チャ・テヒョンがパク・チュンフンに対して、最初は「クソ野郎」呼ばわりだったのに「ヒョ〜ン(兄貴〜)」と呼ぶようになるあたり、チャ・テヒョン子犬度120%で、パク・チュンフンがつい許してしまうのに大いに納得です。紅一点のハン・ウンジョンのクールさがアホな二人とうまく対比してます。(梅)

 
(写真提供:アンカー・プロモーション)

2004年/韓国/110分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
配給:タキコーポレーション
宣伝:アンカー・プロモーション

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.taki-c.co.jp/twoguys/



『ロード・オブ・ウォー』Lord of War
製作/監督/脚本:アンドリュー・ニコル(『ターミナル』(監督総指揮)『シモーヌ』『ガタカ』)
出演:ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、ブリジット・モイナハン(『トータル・フィアーズ』『アイ・ロボット』)

史上最強の武器商人と呼ばれた男、ユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)。 ウクライナに生まれ、両親と共にユダヤ人と偽ってアメリカに移民した彼は、父の経営するレストランを嫌気がさしながらも手伝う日々。 そんなある日、客の美女エヴァ(ブリジット・モイナハン)に一目惚れする。 金持ちを装いエヴァを落とし結婚するユーリー。 一方、弟を誘い武器の密売に手を染め始めた彼は、ソ連崩壊をチャンスと捉え、故国ウクライナに赴き、ウクライナ軍の将軍をしていた叔父と結託し、軍の持っていた武器をリベリアに密輸する。 世界情勢に敏感にアンテナを張って武器を売りさばき、いつしか本物の金持ちになったユーリーを、インターポール(国際刑事警察機構)の刑事バレンタイン(イーサン・ホーク)が追い詰めていく・・・。

武器を売って稼ぐが、自分が人を殺すことはない。あくまでビジネスと割り切っているユーリー。 紛争の絶えない世界の陰に実在する“死の商人”数名をモデルに、ユーリー像を作り上げたアンドリュー・ニコル監督。 最大の武器輸出国は、米・英・露・仏・中の国連常任理事国の五カ国だと堂々と指摘した本作は、脚本提出がイラク戦争勃発の1週間前というタイミングもあって、アメリカでの資金調達ができなかったと いう。 銃社会のアメリカへの警鐘ともなっている本作だが、ニコラス・ケイジの魅力と、色恋や家族愛も交えたストーリー展開で、重くなく見せてくれる。 2005年9月に全米で公開されて初登場3位。 各国の上映でもセンセーションを巻き起こし、反戦の気運の一助になることを願うばかりである。(咲)

2005年/アメリカ/122分/カラー/シネマスコープ/ドルビーSR・デジタル
配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ
協力:日活

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

公式HP>> http://www.lord-of-war.jp/index2.html



2005年12月23日〜


『ダウン・イン・ザ・バレー』
監督・脚本:デヴィッド・ジェイコブソン
音楽:ピーター・サレット
出演:エドワード・ノートン(『レッド・ドラゴン』)、エヴァン・レイチェル・ウッド(『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』)、ローリー・カルキン(『サイン』)、デヴィッド・モース(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』)

ロサンゼルス郊外、サンフェルナンド・バレー。ここは郊外住宅地で、かつてアメリカン・ドリームの象徴的存在だった。しかし、今そこにあるのは巨大なフリーウェイとどことなく雑然とした街並。
ここで17歳のトーブは、厳格な警察官の父ウェイドと13歳の弟ロニーとの息の詰まるような暮らしに辟易としている。ある日、友人たちとビーチへ行く途中立ち寄ったガソリンスタンドで、カウボーイスタイルのちょっと不思議な男と出会う。友人たちが「ダセー」と笑う中、彼女は彼に惹かれるものを感じてビーチに誘う。彼はその突然の誘いに乗ってくる。男の名はハーレン。以前はカウボーイをしていたと言う。トーブとハーレンはもう恋に落ちていた。
ハーレンはロニーにも優しく、ウェイドにも紳士的に自己紹介をして、トーブとの交際について許しを請う。しかし、ウェイドは無職でどこか得体の知れない彼を警戒し、トーブの身を案じる。そしてウェイドの心配は、徐々に現実のものとなっていく、、、


舞台となるサンフェルナンド・バレーは、戦後すぐに開発された郊外住宅地ですが、フリーウェイや鉄塔ばかりが目立ち、街並も雑然とした感じが否めず、色の無い殺伐とした荒野のようにも見えます。そこにカウボーイを名乗る男が現れ、実際馬の扱いも縄投げも、銃の早撃ちも優れた技術を持っていますが、そんなものはこの街では何の役にもたちません。田舎から都会に出てきた男が馴染めずに、徐々に心の闇を深めていくといったお話かと思いきや、もうひとつ捻りがあるのです。
エドワード・ノートンはこの企画が気に入り、自ら脚本にも参加、プロデューサーも買って出ています。役者としても、表面的には道徳的で紳士的だけど、実は自分の弱さや過ちを見つめることが出来ないハーレンという男を過不足無く演じています。共演のエヴァン・レイチェル・ウッドもエドワード・ノートン相手に一歩も引けを取りません。この二人、実年齢差が18もあるのですが、それもあまり感じません。
さらにこの映画は音楽が素敵です。ピーター・サレットによる楽曲と、劇中のカントリー・ミュージックがとても美しく、懐かしく、ほろ苦いのです。
ただ、私にはハーレンの背景がいま一つ理解出来ない部分が残ってしまいました。アメリカ文化に詳しい人には分かるのかもしれませんが。(梅)

カウボーイスタイルで登場するハーレンという男、白馬に乗っていたりして、 厳格な父親の元で暮らすトーブにとって文字通り白馬の王子様のよう。 最初は、優しくて、いい人物に見えるのですが、 13歳の弟ロニーに拳銃の使い方を教えたり、 トーブにここを出て自由な世界に行こうと誘い出したりして、段々、 この人って何?という状況になってきます。 なんだかこれって、よその国に民主主義を押し付けようとして、 戦争を仕掛けるブッシュみたい・・・と思ったら、あとで読んだプレスシートに、 監督自身ハーレンにブッシュをイメージしたとあった!!!
しかも、カウボーイスタイルでいかにもアメリカ的な装いをしているけれど、 ハーレンの出自はユダヤらしい。郊外の新興住宅街なのに、 がちがちのユダヤ教徒の子供たちとすれ違う場面がある。 シナゴーグでお祈りする人たちも、かたくなに伝統を守っている。 そんな中で、ハーレンは伝統を捨てた人物らしい。
また、建築中の住宅は、小奇麗だけど、どの家も同じに見える無機質な雰囲気。 それはまさに、イスラエルが入植地に建築している住宅を彷彿させるもの。 アメリカ政府を左右するユダヤ人コミュニティを、 ハーレンという人物に象徴させたのかと、監督に伺ってみたくなった。(勘ぐり過ぎ?)
そんなことはともかく、全編に流れるカントリーウエスタンがとても懐かしい響きで心地よかったです。(咲)

2005年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門正式出品作

2005年/アメリカ/35mm/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル,DTS/112分
配給:アートポート
宣伝:アニープラネット

公式 HP >> http://www.downinthevalley.jp/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『欲望』
監督:篠原哲雄
脚本:大森寿美男、川崎いづみ
撮影:上野彰吾
音楽:池頼広
主題歌:布袋寅泰
原作:小池真理子「欲望」新潮社刊
キャスト:板谷由夏(青田類子)、村上淳(秋葉正巳)、高岡早紀(袴田阿佐緒)、津川雅彦(袴田亮介)、大森南朋(能勢五郎)、利重剛(水野克利)、中村久美(水野初枝)ほか

1982年冬、一人夕食をとる類子はホテルニュージャパン火災のニュースに目を奪われた。

「私は一度だけあのホテルで、男と情事を交わしたことがある」 類子は妻子ある能勢との週一回の逢瀬におぼれていた。能勢といた公園で旧友の阿佐緒に出会う。阿佐緒は親子ほども年の違う精神科医の袴田と結婚するのだという。招 待された袴田家でのパーティで、同じく同級生だった正巳に再会する。当時正巳は阿佐緒とつきあっていたが、交通事故で性的不能となっていた。それは類子だけが知らされた秘密だった。


原作の文章が類子のナレーションで語られ、冒頭の類子の様子でかつての恋人の話に遡るのだとわかります。主演の板谷由夏は『avec mon mari』で映画デビュー、近作は『運命じゃない人』。村上淳は『不貞の季節』、『新・仁義なき戦い』など出演作多数。二人とも思い切りよく裸体をさらしています。三島由紀夫の小説が下地になっており、名文名作といわれてもあの濃密な空気が苦手な私には、この映画も少々重かったです。気になる俳優、大森南朋は自分が妻子持ちなのを棚にあげ、類子が浮気したとなじる役。情けない表情が良かったな。(白)

2005/日本/カラー/35mm/ビスタ/2時間13分/DTSステレオ/配給・宣伝:メディア・スーツ

公式 HP >> http://www.yokubo.jp

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『ミリオンズ』 MILLIONS
監督:ダニー・ボイル(『トレイン・スポッティング』『28日後』)
脚本:フランク・コットレル・ボイス
撮影:アントニー・ドット・マントル
音楽:ジョン・マーフィ
キャスト:アレックス・エテル(ダミアン)、ルイス・マクギボン(アンソニー)、ジェームス・ネスビット(父)、デイジー・ドノヴァン(ドロシー)、クリストファー・アルフォードほか

イングランド北部の町。ママを亡くしたアンソニーとダミアンの兄弟は、パパと新しい家に引越し、転校もした。10歳のアンソニーはしっかりもののお兄ちゃんで、変な弟ダミアンを気遣う。8歳のダミアンは頭の中は聖人のことでいっぱいで、死んだママも聖人になったと思っている。引越しで出たダンボール箱で、線路脇に自分だけの隠れ家を作っていた。ある日、ポンド札がぎっしり詰まったバッグが空から降ってきた!!奇跡を信じるダミアンは、アンソニーに知らせて二人は山のようなお金を数え始める。誰のものかは知らないが、あと12日でポンドがユーロに切り替わり、その日をすぎるとこの大金は紙くずになってしまうのだ。

降ってきた大金を前に、兄弟は大人には知らせずに使い切ってしまおうと考えまし た。現実的な兄は欲しいものを買い捲り、弟は尊敬する聖人のように貧しい人に分け 与えようとします。お金を巡ってまわりが変わっていくさまを皮肉と愛情こめて描いています。ピュアなダミアンの望みはかなうのでしょうか?
監督の故郷だという、イングランド北西部の青い空がとても印象的です。そばかすの二人の少年もとても可愛くて、どんな俳優に成長するのか楽しみです。もしもこんなふうに大金を拾ったら皆さんはどうしますか?(白)

2004/イギリス=アメリカ/カラー/ヴィスタサイズ/1時間38分/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース

公式 HP >> http://millions-movie.net/

★3月6日より下高井戸シネマにて上映。


2005年11月12日〜


『母のいる場所』

母親の介護をとおして、家族の一人ひとりがそれぞれの苦しみを乗り越えて成長を遂げる。 久田恵が自身の体験を書いたノンフィクションを、槙坪夛鶴子監督が映画化した。 紺野美沙子主演。

(日本/2003年/116分)

第16回東京国際女性映画祭で上映された『母のいる場所』(槙坪夛鶴子監督)は、 これから各地で上映されるようです。 企画制作のパオのサイトに上映予定が紹介されますので、ぜひチェックしてみて下さい。 予告編も観ることができます。

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.pao-jp.com/

○シネマジャーナル60号に、 槙坪夛鶴子監督インタビュー記事を掲載しています。


『バトル7』(原題:HEAVEN'S SEVEN)
監督・脚本・原案:チャーム・ウォンピム
製作:プラッチャヤー・ビンゲーオ
出演:ポンパット・ワチラバンジョン(赤パン)、アマリン・ニッティポン(イカサマ)、コム・チュアンチュエン(和尚)、トサボール・シリウィワット(ジミー)、ポンサック・ホンスワン(ムエタイ)、チャム・チャムラン(鉄拳)、ピーセック・インドラクンチット(ロマンス)ほか

舞台はベトナム戦争中のタイ。 ギャンブラーの“イカサマ”は、街の顔役の娘に惚れられて迷惑している。 賭けで八百長のムエタイ試合をやったりの懲りない毎日だ。 ある日、米軍が密かに運んでいるトラックに積まれた「秘宝」を横取りすることになった。 軍隊時代のリーダー“赤パン”に声をかけ、かつての仲間“ムエタイ”、“ロマンス”、“和尚”、“鉄拳”、“ジミー”が集合する。 曲者ぞろいの7人はうまいことトラック奪取に成功できるのかっ?

7人の男たちが集まって戦うドラマは枚挙に暇がないけれど、これもそのひとつ(たぶん)。 最初に草地の行軍で地雷を踏んでしまう隊長と部下のやりとりがあり、 あとの展開が予測できる「ゆるさ」加減。 ときおりまちがったかのような派手なアクション場面も登場します。 しかし期待通り全然前とつながってなかったりして、このへんもまた「ゆるゆる」です。 このおかしさが許せる人(80年代の香港映画好きとか)には楽しい映画です。 試写室で(梅)さんと一緒になり、「バカだー♪」と笑って観ていたのですが、 ファンタ公開時の会場では、さぞ笑いの渦だったのではないでしょうか?(白)

2002/タイ/115分/カラー/ドルビー/35mm/
配給:メディア・スーツ 2004年東京国際ファンタスティック映画祭正式出品作品

12月17日(土)より池袋、テアトルダイヤにてレイトショー

http://www.mediasuits.co.jp/index.html
http://www.battle7.com/


『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』 原題:Empire of the Wolves
監督:クリス・ナオン
原作:ジャン=クリストフ・グランジェ(「クリムゾン・リバー」)
出演:ジャン・レノ、アーリー・ジョヴァー、ジョスラン・キヴラン

パリ10区のトルコ人街。顔を切り刻み、脚を砕くという猟奇殺人の3人目の犠牲者が発見された。被害者はいずれも不法滞在の若いトルコ人女性達。若き刑事ポール (ジョスラン・キヴラン)は、トルコ人の裏社会に精通している刑事シフェール (ジャン・レノ)に助けを求め、密入国の手引きをするトルコ人組織「イスケレ」の アジトに乗り込む。シフェールはやり手の老練刑事だが、その捜査のやり口は強引で暴力的だ。
一方、警察治安部隊に連行された記憶喪失の女の過去を捜索するうち、その女が内務省の高級官僚の妻アンナ(アーリー・ジョヴァー)であり、彼女の過去を消そうとし た組織が、オスマントルコ帝国の復権をたくらむ国粋主義組織<灰色の狼>であることをつきとめる。猟奇連続殺人事件と高級官僚失踪事件、シフェールは二つの事件の黒幕を追ってトルコへ飛ぶ…。


きのこのような奇岩が林立するカッパドキア。奇岩の中は今はホテルやレストランに なり、すっかり観光地となっているが、かつてイスラム勢力が席巻した時代、キリス ト教徒がその岩の中に密かに教会を作り、地下都市を作って潜むように住んでいたと ころ。最後の銃撃戦で、セットとはいえ、岩に彫られた像を爆破する場面がある。回 りに被害がおよばなかったのかと、ちょっと心配になったが、雄大な風景が楽しめる のは嬉しい。(咲)

2005年/フランス/128分/シネスコープ/ドルビーデジタル・ドルビーSR
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ  Powered by ヒューマックスシネマ
協力:日活

公式 HP >> http://www.eow.jp/top.html

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『アメノナカノ青空』(原題:『…ing』)
監督:イ・オニ
出演:キム・レウォン(『マイ・リトル・ブライド』、TVドラマ「屋根部屋のネコ」) イム・スジョン(『ピアノを弾く大統領』『箪笥』) イ・ミスク(『桑の葉』『情事』『スキャンダル』)
日本版主題歌:「虹」セカイイチ

 小さい頃から病院で闘病生活をおくってきたミナ(イム・スジョン)。 ようやく退院して、女子高生として普通の暮らしを始めるが、なかなか学校に馴染めない。 母ミスク(イ・ミスク)は、愛する夫を亡くし、レストランを切り盛りしながら娘を育てている。 友達がいないと嘆くミナに、「じゃ、私が友達! ミスクと呼んで!」と、 まるで親友のように振舞う明るい母。 ある日、マンションの窓辺でこっそり煙草を吸うミナに、 階下に引っ越してきたカメラマンのヨンジェ(キム・レウォン)が盛んにちょっかいを出す。 はじめは、「もっと素敵な恋がしたいの」と、 お調子者のヨンジェに素っ気なくするミナだが、いつしか彼に惹かれていく・・・。

 透明感のある女子高生ミナを演じたイム・スジョンは、24歳とは思えない初々しさ。 ヨンジェ役のキム・レウォンは、いい加減だけどなぜだか憎めない 「屋根部屋のネコ」のギョンミンと同様、愛嬌のある笑顔が全開で、和ませてくれる。 そして何より存在感があるのが、母親役のイ・ミスク。 『情事』で、イ・ジョンジェと不倫の恋に落ちる人妻をしっとり演じた彼女が、 『スキャンダル』では、貫禄のある姿を見せてくれたのは記憶に新しい。 本作では、不治の病の娘を思いやる気丈な母親役を見事に演じている。

 撮影当時28歳のイ・オニ監督にとって、本作が初監督作品。 「あいち国際女性映画祭2005」で来日された折にお会いしたが、 まだ女子学生のような可憐な方だった。 ひとつひとつのエピソードが丁寧に語られている本作を観て、 監督の育った伸びやかな環境を思い浮かべた。 彼女が描きたかったのは、「恋」をしている実感だという。 限りある人生、もう一花咲かせるのは無理かもしれないけれど、 家族や友達を大切にしながら、悔いなく過ごしたいなぁと感じさせてくれた。(咲)

2003年/韓国/1時間44分/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD
提供:松竹、衛星劇場   配給:松竹
2005年12月10日(土)より、渋谷シネクイント、シネ・リーブル池袋他 全国ロードショー

公式HP >>  http://www.ameao.jp/index2.html


『NOEL(ノエル)』(原題:NOEL)
監督:チャズ・パルミンテリ
脚本:デヴィッド・ハバード
音楽:アラン・メンケン
出演:スーザン・サランドン、ペネロペ・クルス、ポール・ウォーカー、アラン・アーキン、マーカス・トーマス、ダニエル・サニャータ

クリスマス・イブ。誰もが一人で過ごすには淋し過ぎると感じてしまう日。
ローズは出版社で編集の仕事をしている。ステイタスもお金もあるが、バツイチ、子供なし、恋人なし、重病の母ありの中年女性。仕事と看病に追われ、自分の事は二の次にしてきた。その結果、イブに誘ってくれたのは別れた夫だけ。淋しさに負けて、年下のマルコの半ば強引な誘いに乗ってしまうが、彼の性急な求めにどうしても応えられず、デートは途中で苦い終わり方をしてしまう。一人でいる事に堪え難くなった彼女は街へ出る。
ニーナはマイクとの結婚を控え、一番幸せなクリスマスを迎えるはずだった。しかしマイクが病的なまでに嫉妬深いのが、彼女の悩みの種。イブの日に、二人はとうとう大喧嘩してしまう。その夜、ニーナはローズに、マイクはちょっと不思議な老人アーティに出会う。
ジュールズにとって、人生最高のクリスマスは14歳の時、病院で迎えたクリスマスだった。孤独な生活を送っていた彼は、再びあの日のように楽しく過ごしたいと、病院へ入る事を切望していた。


これが監督第一作目となるチャズ・パルミンテリは、『ユージュアル・サスペクツ』や『アナライズ・ミー』など多くの作品に出演する個性派俳優でもあります。
ローズ役のスーザン・サランドンがやっぱりいいです。明るく振る舞ってるけれど、いっぱいいっぱいな状態なのがよく伝わってきます。彼女を助ける母の隣室の見舞客を、クレジットされていませんが、「おぉっ!」というような有名俳優が演じています。
また、ニーナ役のペネロペ・クルスは美しさ全開です。恋人が嫉妬に狂うのも仕方ない?
クリスマスの時期に観れば、共に過ごしてくれる家族や友人や恋人の大切さが改めて心に沁みるでしょう。(梅)

★第18回東京国際映画祭 特別招待作品

2004年/アメリカ/96分/シネマスコープ/DOLBY DIGITAL・DOLBY SR
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:ギャガ宣伝[冬]xライスタウンカンパニー
協力:エイベックス・エンタテインメント

公式 HP >> http://www.noel-movie.jp/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『ブレイキング・ニュース』
監督:ジョニー・トー
脚本:チャン・ヒンカイ、ルキーウェイ・クリエイティヴ・チーム
撮影:チョン・シウキョン
出演:ケリー・チャン(レベッカ)、リッチー・レン(ユアン)、ニック・チョン(チョン警部補)、ラム・シュー(イップ)、サイモン・ヤム(ウォン副総監)、マギー・シュウ(グレース)、ユウ・ヨン(チュン) ほか

香港の市街地で、張り込み中のチョン警部補ら警察官と銀行強盗のユアンのグループによる銃撃戦が発生。 警察は死傷者を出した上に犯人を取り逃がしてしまった。 ちょうど現場に居合わせたTV局のカメラマンが、その一部始終と両手を挙げる警察官の姿までカメラに収め、ニュースとして放映した。 市民の信頼を一気に失った警察は、逆にメディアを利用し犯人逮捕の瞬間までをテレビ中継するという前代未聞の試みに出る。 その中心となったOCTB(組織犯罪課)の新任指揮官レベッカは、PTU(機動部隊)にワイヤレス・カメラを装備し市民に「最高のショー=逮捕劇」を見せるための演出家となる。
“ブレイキング・ニュース(=ニュース速報)”の結果は果たして ・ ・ ・ ・ !?

主演のケリー・チャンとリッチー・レンの二人とも、今までの役柄とは違ったタイプの人間を演じ、 新しい側面を見せています。アクションに加え、この二人の心理戦の駆け引きが見所ですが、 もう一組、ニック・チョン演じる不死身な熱血警官と、 同じ警察でも相反する部署にいるケリー演じるレベッカとの対抗意識も面白いです。 ほかにジョニー・トー組とも言えるキャスト・スタッフが集合。 ユアンが篭城するタクシー運転手の家での笑えるやりとりは常連のラム・シューが担い、 緊迫した場面が続く中、なごませてくれています。 ここでユアンとチュンが手さばきよろしく料理をする場面がありますが、 実はリッチー全く料理ができないんだそう。鍋振りや包丁の特訓したのかな。(白)

情報企画部隊(CRIME AND SECURITY)・・・OCTB(組織犯罪課=O記)
機動部隊(OPERATIONS)・・・CID(重犯罪特捜班=重案組)、PTU(機動部隊)

2004年 カンヌ映画祭特別招待作品
2004年 東京国際映画祭「アジアの風部門」上映
2004年 台湾金馬奨最優秀監督賞&最優秀編集賞受賞

2004年/香港(中国)/91分/カラー/ドルビーSR・SRD/
配給:タキコーポレーション

公式サイト:http://www.breakingnews.jp/

2005年12月3日[土]〜シアターN渋谷(旧ユーロスペース)ほか 全国ロードショー


『風の前奏曲』
イッティスーントーン・ウィチャイラック監督

その気高き音色は人々の心をさわやかに吹きぬける

 今、一人の老人が息を引き取ろうとしている。 タイの古典楽器ラナート(タイ風木琴)の国民的奏者ソーン・シラパバンレーン師である。 師の脳裏に若き日のことが甦ってきた。

 自国の文化より西洋文化に興味を示す風潮を危惧し、 タイ人の心のよりどころをを取り戻したいと考えた監督は、 ソーン師の伝記を元に19世紀後半から20世紀半ばまでの、ソーン師が生きた時代を描いた。 タイでは第二次世界大戦の時代に、近代化至上主義のため、伝統芸能に対し弾圧があり、 ラナートも演奏を禁止されたが、ソーン師はそれに屈せず、弾きつづけたという。 タイ文化全盛の時代と、文化統制条例により伝統文化存続の危機を迎えたタイの歴史を描き、 ラナートはタイの人々の心のよりどころであることを人々に再認識させたのである。

 弾圧に屈せず、伝統楽器を守り抜いた師の生涯は、現代のタイの人々に強い影響を与えた。 2004年初めにタイで公開されると大きな話題になり、2ヶ月にも及ぶロングランを記録し、 ラナートを初め古典楽器を習う人が増えるという社会現象にもなったという。

 木琴のかもし出す、やさしく美しい音色とともに激しい演奏も描き、 タイ人の力強さをも表現できる楽器であることも表した。 この映画の中の圧巻は、ラナート奏者同士の演奏競演会のシーン。 木琴とはこんなにも繊細で、力強い楽器だったのかと感じさせてくれた。

 苦難の連続だった、トップ演奏者になるまでの道のり。 でも、周りの人々の協力と理解で、一流のラナート奏者になれたのだった。 タイの話ではあるけど、ピアノとラナートの合奏光景なども出てきて、 伝統文化と現代文化との調和という、どこの国にも通じる普遍的なことを描いている。(宮)

公式HP http://kaze.eigafan.com/

銀座テアトルシネマにて12月3日より公開
電話 03(3535)6000


『七人のマッハ!!!!!!!』(英題:BORN TO FIGHT)
監督:パンナー・リットグライ(『マッハ!』アクション監督)
製作:プラッチャヤー・ピンゲーオ(『マッハ!』『トム・ヤム・クン』監督)
製作総指揮:ソムサック・テーチャラタナプラスート
出演:ダン・チューポン、ゲーサリン・エータワッタクン、ピヤポン・ピウォン、アモーンテープ・ウェウーセン、スープサック・パンスープ、ラッタナポーン・ケムトーン、ナンタワット・ウォンワニットシン

デューは警察の特殊部隊に所属し、麻薬犯罪組織のボスであるヤン将軍を隊長と共に追いつめ逮捕する。しかしヤン将軍の仕掛けた爆弾のためにデューの目の前で隊長は殉職してしまう。
久しぶりに帰った自宅で肩を落とすデューに、妹のニュイは明るくテコンドーでナショナルチームに選ばれ、週末に他のスポーツチャンピオンたちと共に国境の村への慰問団として行くから、保護者のサインをちょうだいとねだる。妹が心配なデューは自分もついて行くことのする。
村人たちの暖かい歓迎を受け、デューも慰問団の選手たちも心が休まる思いだった。ところが突然彼らに降り注ぐ銃弾の雨! 一瞬にして平和な村は地獄絵図の様相を呈する。テロリストたちは村を制圧し、その映像を政府に突きつけ、ヤン将軍の解放を迫る。しかも彼らは核ミサイルを所有し、バンコクに向けて発射しようとしていた。このままでは死を待つばかりだと、デューは生き残ったスポーツ選手と村人たちを説得し、彼らは猛然と反撃ののろしをあげる。


またまた『マッハ!』の製作チームがもの凄いアクション映画を作っちゃいました。もうその無謀とも言えるパワーには、笑っちゃうくらいです。冒頭からジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー』の超有名なシーンを更にパワーアップして見せているようなアクションシーンが満載。
そして後半はテコンドー、体操、サッカー、セパタクロー、ラグビーなど各スポーツの特色を生かしたアクションシーンがてんこもり。村の中に何気にある、段違い平行棒や平均台(笑)。サッカーボールだってチャンピオンが蹴れば、美しい弧を描いてゴールではなく、櫓の上の敵の頭に吸い込まれちゃいます。
邦題には「七人の」とついていますが、これは村人も含めて総力戦です。村人だって凄いんです。大概は守られる側に回る女も子供も老人も、障害者までも闘います。
でもドンパチだけ描いてカタルシスを感じる映画ではなくて、人間同士が争う虚しさも描いているのは、やっぱり仏教国タイの映画だなぁ。(梅)

2004年/タイ/95分/ドルビーデジタル/ビスタサイズ/カラー
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:ギャガ宣伝[秋]xアルシネテラン
後援:タイ王国大使館

公式 HP >> http://www.7mach.jp/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『探偵事務所5』〜5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語〜
監督/企画/原作/プロデュース:林海象
脚本:天願大介、利重剛、林海象
撮影:柴主高秀
製作:エイベックス・エンタテインメント(株)
主題歌:「唄い人」by 清木場俊介(rhythm zone)
キャスト:成宮寛貴(探偵591)、貫地谷しほり(宍戸瞳)、橋本真美(美花)、田中美里(村山理沙子)、佐野史郎(幹部501)、池内博之(探偵553)、渡辺一志(安部)、宮迫博之(探偵522)ほか

第1話 「私立探偵 591〜楽園〜」
見事試験に合格し、晴れて探偵となった「小林少年」の孫・芳雄だったが、 今日から本名ではなく「探偵591」というナンバーで呼ばれるのだ。 暇でたまらない初日、会長の孫娘・瞳と出会った591は、 彼女の親友美花の失踪事件を追うことになる。 手がかりは、瞳の携帯に残った「楽園に行く」という美花からのメールだった。 調査を進めてくうち悪徳美容外科のカインにたどりつく。

第2話 「私立探偵 522〜失楽園〜」
探偵522は浮気専門のベテラン調査員。 しかし彼もある理由から、悪徳美容外科のカインの内偵を続けていた。

『私立探偵 濱マイク』シリーズから8年、 林海象監督を始めこのシリーズのスタッフが結集して、新しい探偵物語が作られました。 舞台は横浜から川崎に移り、黒いスーツに黒ブチ眼鏡、 帽子に七つ道具を持った探偵たちが活躍します。第1話は新米探偵の591が主役。 成宮寛貴はTV、舞台、映画を活躍著しい若手スター。 第2話の主役522はお笑いの「雨上がり決死隊」の宮迫博之。 うまいなぁと思ったら10年ほど前から役者さんもしているのですね。 濱マイクの永瀬正敏も出演。いろんな人が待機している感じなのでシリーズ化されそう。(白)


2005/日本/カラー/35mm/2時間12分/配給・宣伝:メディア・スーツ
★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。
http://tantei5.com


『大停電の夜に』
監督:源孝志
脚本:カリュアード(源孝志+相沢友子)
撮影監督:永田鉄男
音楽:菊地成孔
キャスト:豊川悦司/田口トモロヲ 原田知世/吉川晃司 寺島しのぶ/井川遥 阿部力/本郷奏多 香椎由宇/田畑智子/淡島千景 宇津井健ほか

一年に一度の夜だから、誰もが何かを待っている。

中学生の翔太(本郷)は天体望遠鏡を覗いていて、ビルの屋上にしゃがんでいる女の子(香椎)を見つける。
佐伯(田口)は父親から意外な告白を聞いていた。
美寿々(井川)は恋人に「どうしても会いたい」と電話をする。
ジャズバーの店主(豊川)は店をたたむ予定だったが、今夜は誰かが来るのを持っている。
向かいのキャンドル・ショップののぞみ(田畑)は、ジャズバーの窓を気にしながら、お客に「あなたに素敵なことがありますように」と品物を渡している。
刑期を終えた銀次(吉川)は昔の女・礼子(寺島)を訪ねる。
静江(原田)は、夫からの電話を受ける。「今夜遅くなる」・・・
孫のプレゼントの準備をしている国東夫婦(宇津井、淡島)に、電話がかかってくる。
ホテルで研修中の李は、今夜上海に戻る予定だ。

そんなクリスマス・イブに、東京が大停電に見舞われる。
当たり前のようにあった電気が止まり、光が消えたとき初めて見える大切なこと、大切な人。


源監督は、以前NHKハイビジョンでドキュメンタリー「N.Y大停電の夜に」を手がけています。これを下敷きに、もし東京で同じことが起こったら?とオリジナル脚本を書 き上げました。災害や事故に焦点を当てるのでなく、その一晩の間に起こるラブストーリーを見せてくれます。誰かの思いにきっと共感できるはずです。どのエピソードも良かったですが、豊川悦司さん、田畑智子さんの雰囲気がすごく好きでした。 キャンドル灯したくなりますよ。暗い夜を美しく映すカメラや、美術がさすがです。 (白)

2005/日本/カラー/2時間15分/スコープ/ドルビーSRD
製作:『大停電の夜に』フィルム パートナーズ/配給:アスミック・エース

公式 HP >> http://daiteiden-themovie.com/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。
完成披露試写挨拶写真

菊地成孔(音楽)
初めて手がけた映画音楽です。
大変でした。

相沢友子(脚本)
周りの人達にもすこし幸せになってもらいたい、そんな気持ちで書きました。

本郷奏多、香椎由宇
(俳優)
素敵な映画です。

源孝志監督
2時間15分もあっというまです。



『トンケの蒼い空』(原題:Mutt Boy)

監督:クァク・キョンテク(『友へ チング』)
出演:チョン・ウソン(『私の頭の中の消しゴム』)、オム・ジウォン(『スカーレット・レター』)、キム・ガプス(『KT』)

幼い頃に母が亡くなり、チョルミンは警察官の父と二人暮らし。ちょっと抜けたところのある彼は、しょっちゅう近所をほっつき歩き、お腹がすくと近所の人に食べ物をもらって歩くので「トンケ(野良犬)」と呼ばれていた。
ある日彼は父の職場で犬と出会う。その犬に「トンケ」と名付け、彼らは片時も離れずに育った。高校生になったトンケはサッカー部の補欠。犬のトンケがグランドにした糞が、サッカー部の先輩達の怒りを買ってしまう。そして彼らが行った報復に、トンケの怒りが大爆発する、、、


韓国ナンバーワン、イケメン俳優と言われるチョン・ウソンが、その美貌をかなぐり捨て、人生に何の目的も無く、ボーっとした、むさ苦しい男を好演しています。ウソン・ファンにはちょっと衝撃的かも。
このトンケは頭は良くないけど、自分の心に正直で、おかしいと思ったことには断固立ち向かう男気があります。そこは父親とソックリなのに、学がある警察官の父と、そうでないトンケとはアプローチの仕方が違ってケンカになったりするところが、なかなか上手いなと思いました。父親役のキム・ガプスがいい味出してます。
10月に公開される『私の頭中の消しゴム』と合わせてご覧になると、俳優チョン・ウソンの魅力が一層堪能できると思いますよ。(梅)

これまでの出演作の中でも一番男気があって素敵な『私の頭中の消しゴム』で惚れ直し、しかも生ウソンさまを拝んだばかりの私にとって、いや〜ほんとに唖然とする位、トンマで小汚いウソンさま。 ここまでやるか〜と感心します。父親役のキム・ガプスの渋さが引き立ちます。 敵役のキム・テウクもふてぶてしく好演。 また、慶尚南道の訛りが独特の抑揚で耳に響いて、不思議な余韻です。 ウソンさまも訛りをマスターするほどにトンケ役を楽しんだ様子が伺えました。(咲)

2003年/韓国/ビスタサイズ/SRD/101分
配給:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://www.tonke.jp/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『少林キョンシー』
監督:ダグラス・クン
脚本:ホー・ユーワン
撮影:クワン・チーカン
美術:クリス・リョン
音楽:ブラザー・フン
武術指導:イップ・ウィンキン
出演:ゴードン・リュウ(白道士)、ルイス・ファン(黒道士)、ジャッキー・ウー(白日)、シー・シャオフー(白天)、シャノン・ヨー(黒月)ほか

清の時代。迷える霊を成仏させるべく、日夜修行に励む白道士一行。今日も8体のキョンシーを故郷へ送る旅を続けていた。街道沿いの料理店に立ち寄るが、そこは死霊が生者を魔界へ引き込む場所だった。3人は持てる力を尽くして対抗したが、多勢に無勢。あわやというときに黒道士と黒月が現れ、次々と死霊たちを消滅させていった。かつて黒道士は父親である師のもとで、白道士の兄弟子として共に学んでいたのだが、白道士が後継者となったのを恨んで飛び出し、教えとは反対の地獄道へ傾倒していたのだった。

ゴードン・リュウは、古くは『少林寺三十六房』、新しくは『キル・ビル』でご存知の方も多いリュウ・ジャーフィ(劉家輝)のこと。ルイス・ファンはショウ・ブラザーズの俳優だったファン・メイシェンの息子。子役からスタートしているので芸歴は長いが73年生まれ、91年に日本の漫画が原作の『力王』で主演。武侠ものドラマ、 映画に活躍しています。ジャッキー・ウーは主にフィリピンで活動している俳優&歌手。日中のクウォーターだそうです。たっぷりのアクションの中に、白天とタマ坊との交流、白日の恋模様もおりまぜて香港味てんこ盛りの一本。(白)

*今回の上映は、本国や欧米で公開&DVD発売された94分バージョンより28分長い、122分のオリジナル完全版での公開となります。

2004/香港/カラー/122分/ドルビーデジタル/広東語

配給:トルネード・フィルム 宣伝:フリーマン
★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

公式 HP >> http://www.shaolin-kyonshi.com/



『ブラザーズ・グリム』 THE BROTHERS GRIMM
監督:テリー・ギリアム
脚本:アーレン・クレーガー
撮影:ニュートン・トーマス・シーゲル
衣裳:カルロ・ポッジオーリ
音楽:ガブリアラ・ペスクッチ、ダリオ・マリアネッリ
キャスト:マット・デイモン(ウィル・グリム)、ヒース・レジャー(ジェイコブ・グリム)、モニカ・ベルッチ(鏡の女王)、ジョナサン・プライス(ドゥラトンプ)、レナ・ヘディ(アンジェリカ)、ピーター・ストーメア(カヴァルディ)ほか

19世紀、フランス占領下のドイツの街カールシュタッドに、ウィルとジョイコブのグ リム兄弟がいた。二人が子供の頃、病気の妹を医者に診てもらうため、牛を売りに いったジェイコブは魔法の豆と取り替えてしまう。それはただの豆で、弟は悪い大人 にだまされたのだった。それから15年後、ウィルは社交的な現実主義者、ジェイコブ はあいかわらずのロマンチストだった。二人は各地に民話を集めて物語を書きなが ら、悪魔退治をして稼いでいた。今日も魔女退治をして村人に歓待されているところ に、カヴァルディというフランスの軍人がやってくる。グリム兄弟を怪しんだドゥラ トンプ将軍の前で裁かれる二人。

もともとのキャスティングはヒース・レジャーが兄、マット・デイモンが弟の役だっ たそうなのです。ところが互いに相手の役がいいと取り替えたのだとか。これが二人の新しい面を見せています。ジョナサン・プライス、モニカ・ベルッチがゴージャ ス。コスプレ好きな方見逃せません。
テリー・ギリアム監督が7年の歳月をかけて完成したVFXファンタジー。魔女はもちろん動く木の森、消えていく女の子など不思議たっぷりです。赤頭巾、パンくず、毒りんご、蛙、ガラスの靴、入り口のない塔などなど、誰でもいくつかは知っているグリ ム童話のアイテムがそこかしこにちりばめられています。いくつ見つけられるでしょうか? (白)

2005/アメリカ/117分/ビスタ/SRD
配給:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://www.b-grimm.com/

★11月3日(木・祝)、丸の内ルーブルほか松竹・東急系にて全国ロードショー

『ホールドアップダウン』
監督・脚本:SABU
撮影:中堀正夫
音楽:genepool
主題歌:「Orenge」挿入歌:「ユメニアイニ」V6
キャスト:坂本昌行、長野博、井ノ原快彦、森田剛、三宅健、岡田准一、香椎由宇、 伊藤歩、古田新太、宮崎吐夢、日村勇紀、設楽統、森本レオ、伊武雅刀、高橋ひとみ ほか

サンタの扮装の銀行強盗コンビ(井ノ原&三宅)が大金をせしめて出てくると、車がない!着替えも財布もレッカー移動された車の中だった。ストリートミュージシャン (岡田)からコインロッカー代を強奪、逃げる途中で大事な鍵を落してしまったドジな二人。拾ったミュージシャンは交番へ駆け込むが、巡査はとりあってくれず、ロッ カーに戻る途中で猛スピードの車にはねられてしまう。運転していたのはスピード狂 (長野)とガンマニア(坂本)の刑事たちだった。

このほかに世をはかなむデコトラ運転手(森田)、強盗が一目惚れする婦人警官(香 椎)らが、からんできます。ロッカーの鍵とミュージシャンが、すごろくの駒のようにいろんな運命をたどります。スピーディというかめまぐるしい「そんなアホな」展開を笑って追っていけるでしょうか? そこが若さの分岐点かも!?
03年『ハードラックヒーロー』(DVDのみ)についで、SABU監督とV6は2度目の合作となります。(白)

2005/日本/97分/カラー/ヴィスタ/ドルビー/配給:ジェイ・ストーム

公式 HP >> http://www.holdupdown.com/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『イエスタデイ、ワンスモア』(原題:龍鳳鬥)
製作・監督:ジョニー・トー
脚本:ザ・ハーシット、オウ・キンイー
撮影:チョン・シウキョン
美術:トニー・ユー
音楽:ベン・チョン
キャスト:アンディ・ラウ(トゥ)、サミー・チェン(トゥ夫人)、ジェニー・フー(アレン夫人)、カール・ン(スティーブ)、ラム・カートン(調査員)ほか

宝石好きなトゥ夫妻は実は泥棒!まんまとお目当てのダイヤを盗むのに成功するが、 分け前が不公平だからとトゥは妻に一方的な離婚宣言。2年後スティーブに求婚されたトゥ夫人(あれ?名前はなんだっけ?)は家宝の宝石目当てに再婚することにした。しかし、宝石を移送中に盗み出すつもりが横取りされてしまう。その手口から元夫の仕業かと疑うが・・・。

©2004 Media Asia Films (BVI) Ltd.All Rights Reserved

原題の『龍鳳鬥』は「王者同士が競い合う」の意味。アンディとサミーのセレブな夫婦がはじめは二人協力して、後では知恵比べのように宝石を盗み出すというもの。 ジョニー・トー監督が『ニーディング・ユー』、『痩身男女』に続いてこのカップルで作った三作目。元夫婦のちょっと変わった恋愛劇です。宝石に葉巻、高級ワインに競馬のVIP席と、珍しく贅沢三昧な映画で外国ロケもあり。最初ちょっとだけ短髪のアンディが出てきますが『マッスル・モンク』の撮影後だったのか、げっそり痩せていました。皮ジャンパーとサングラス姿は『フルタイム・キラー』を思い出させます。サミーが歌う主題歌はアンディ作詞で、香港電影金像奨の主題歌賞にノミネートされました。(白)

2004/香港/カラー/98分/シネスコサイズ/ドルビーSR
配給:パンドラ・ツイン

公式 HP >> http://www.pan-dora.co.jp/andy/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。
劇場窓口で前売り券(¥1500)お買い上げの方にオリジナルポスター(B2)プレゼント中


『私の頭の中の消しゴム』
監督:イ・ジェハン
出演:チョン・ウソン(『MUSA-武士-』『上海グランド』『ユリョン』)、ソン・イェジン(『ラブストーリー』『永遠の片想い』『四月の雪』)

妥協を許さない工事現場監督のチョルスは、ある日コンビニの入口で強烈な出会いをした女性と、 思いもかけず工事現場で再会する。彼女は建設会社社長令嬢スジンだった。 運命的に出会い、恋に落ち、結ばれる二人。チョルスは建築士の資格も取り、 二人のための家を設計したりと、甘い新婚の日々だったが、元来物をよく置き忘れるスジンが、 いつしか家に帰る道も忘れるようになってしまう。物忘れが深刻になり、 不安になって医者に診断してもらった結果は“若年性アルツハイマー”。 「私の頭の中には消しゴムがあるんだって。もう別れましょう」と切り出すスジンを、 「僕が全部覚える。僕が君の心になる」と優しく抱きしめるチョルス。 家のあちこちにメモを貼って記憶に留めようとするけれど、ある日、スジンはチョルスに向かって、 別れた不倫の彼の名前で呼びかけて「愛してる」と語りかける・・・。

悲しい思い出は忘れたいけど、楽しい思い出は人生の糧、決して忘れたくない。 でも、アルツハイマーとは、肉体的な死より精神的な死が先に訪れるという病。 自分のことも、愛する家族のこともわからなくなってしまうという悲しい病。 私の知人にも奥様が50代でこの病にかかってしまい、 家族総出で24時間体制で“見張っている”という方がいる。 本人も辛いだろうけれど、家族の辛さには想像を絶するものがある。 アルツハイマーにかかってしまうというだけでなく、 不倫の恋の破綻から心の癒えない社長令嬢という、 ただ可愛いだけでない役柄を演じたソン・イェジンも素晴らしかったが、記憶が消え、 元彼の名前で呼ばれてもなお、一途に新妻を見守る夫を演じたチョン・ウソンの、 めちゃくちゃ男気があって、いつもよりワイルドな姿に惚れ直した。 煙草をくわえる姿、みごとなカードさばき、コーラをグイッと飲み込む姿・・・ どれもこれもいとおしい。(咲)

2004年/韓国/ドルビーSR,ドルビーデジタル/シネマスコープ/117分
提供:ギャガ・コミュニケーションズ ジェネオン エンタテインメント 読売テレビ 小学館 デジタルハリウッド・エンタテインメント ぴあ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

公式HP>> http://www.keshigomu.jp/html/home.html

★10月22日(土)より 丸の内ピカデリー1他 全国松竹・東急系ロードショウ


『ランド・オブ・プレンティ』 THE LAND OF PLENTY
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:マイケル・メレディス、ヴィム・ヴェンダース
撮影監督:フランツ・ラスティグ
音楽:リンダ・コーエン監修 OST:トム&ナクト
キャスト:ミシェル・ウィリアムズ(ラナ)、ジョン・ディール(ポール)、ショーン・トーブ(ハッサン)、リチャード・コーエン(ジミー)ほか

アメリカで生まれ、アフリカとイスラエルで育った少女ラナは10年ぶりに故郷アメリカに戻ってきた。 伝道師の父のつてでロサンジェルスの伝道所に入り、ホームレスの支援活動をする。 そのかたわら、亡き母の手紙を伯父ポールに届けるため、長年音信普通となっている彼を探していた。 ベトナム帰還兵であるポールは負傷の後遺症に苦しんでいたが、9・11のテロ以来、愛するアメリカを守ろうと一人奮闘していた。 怪しげなアラブ人をテロリストかと怪しみ、後を追ったポールはラナの働く伝道所にやってくる。

ロード・ムービーで金字塔をうちたてた巨匠ヴィム・ヴェンダース最新作。 2004年ヴェネチア映画祭正式出品。ユネスコ賞受賞。
戦争で心身に傷を負ったポールは、過去を忘れたいがために血縁も切り離して、アメリカを守ることだけに専念しています。 信心深く、勇気ある少女に育ったラナは、あらゆることにまっすぐに向き合いますが、とても自然で力むこともありません。 この対極にあるような二人がホームレスの事件によって再会し、車の旅に出ることになります。 ラナの瞳と主題歌が心に残ります。 (白)

2004/アメリカ・ドイツ合作/カラー/2時間4分/スコープサイズ/SRD/配給:アスミック・エース

http://landofplenty.jp/

★1月21日(土)〜27日(金)まで、目黒シネマにて上映。


『愛をつづる詩』(原題:YES)
監督・脚本:サリー・ポッター
出演:ジョアン・アレン(『君に読む物語』)、サイモン・アプカリアン(『アララトの聖母』)、サム・ニール、シャーリー・ヘンダーソン

イギリスに住むアメリカ人の女性と、祖国を離れイギリスにやってきたレバノン人の男性が出会い、ぶつかりあいながらも、宗教、文化の違いを乗り越え、かけがえのない存在になっていくというラブストーリー。ロンドン、ベルファスト、ベイルート、ハバナへと移り変わりつつ、二人の愛の軌跡をつづる。

これは、最近のイスラム社会と欧米社会のギクシャクした世界情勢への、いろいろな価値観を理解しあって生きていけるという、サリー・ポッター監督からのメッセージでもある。

2004年/アメリカ=イギリス/カラー/35mm/ビスタサイズ/100分/ドルビーSRD
提供・配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマ
協力:(株)メディアファクトリー 宣伝:ギャガ宣伝[秋]xアルシネテラン

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/yes/

★東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。
特別記事 『愛をつづる詩(うた)』サリー・ポッター監督合同インタビューもご覧下さい。


『ヘイフラワーとキルトシュー』
監督・脚本・編集:カイサ・ラスティモ
原作:「Heinahattu ja Vilttitossu」シニッカ・ノポラ、ティーナ・ノボラ
出演:カトリーナ・タヴィ、ティルダ・キアンレト、アンティ・ヴィルマヴィルタ、ミンナ・スローネン

パパはジャガイモの研究に熱中。ママは家事が全く出来なくて「私は外で仕事をする人なの」とお仕事探し中。妹のキルトシューはわがまま三昧。ヘイフラワーは7歳にして家事から妹の世話までしてそんな家族を支えている。 でも彼女はもうすぐ小学生。自分がいない間、妹の世話は誰がしてくれるのだろうと、不安が一杯。ヘイフラワーは密かに神様にお祈りする。「神様、どうか私たちを普通の家族にして下さい」
そんな祈りも空しく、家族はなかなか変わらない。良い子のヘイフラワーにもとうとう我慢の限界が!すべてを放り出して、わがまま一杯の行動に出始める。この家族はどうなっちゃうの?


原作は童話で、映画はフィンランドで2002年10月に公開するや、総人口500万人の国で35万人の観客を動員する大ヒットを記録。
チラシやHPを見た時に、主役の二人のあまりのキュートさに目がくぎ付け!どんなメルヘンチックなお話なんだろうと観たところ、これまたビックリ!語り口や美術、映像は本当に可愛さ一杯でメルヘンチックなんですが、内容がとっても辛口なんです。パパは研究に熱中するあまり、家族を顧みない。ママは家事ができないことがコンプレックスで、ご近所さんの手助けに素直になれない。妹のわがままぶりは、それはもう向かうところ敵無しの状態。最初の方はバラバラの家族を必死につなぎ止めようとしているヘイフラワーがいたいけで、可哀想で、、、
家族という形態は一人きりで頑張っても成り立たない。みんなが助け合って、時にはご近所さんの助けもあって、ようやくうまくいくんだよ。そんなメッセージを受け取りました。特にお子さんのいらっしゃる方々には、家族みんなで観ることをオススメします。(梅)

ストックホルム国際児童映画祭グランプリ
シカゴ国際児童映画祭優秀賞

2002年/フィンランド/72分/35mm/1:1.85/ドルビーデジタル
配給:アンスールピクチャーズ、イフ・エンターテインメント
宣伝:アンカー・プロモーション
後援:フィンランド大使館、フィンランド政府観光局

公式 HP >> http://www.hayflower.com/

◆『ヘイフラワーとキルトシュー』が東京で1週間追加上映されることになりました。
 半年前に見逃した方、今回はお忘れなく!
*劇場:下高井戸シネマ
*期間:4月29日(土)〜5月6日(土)
 4月29日(土)         モーニング 9:00〜
 4月30日(日)〜5月5日(金) モーニング 9:10〜
 5月 1日(月)〜5月6日(土) レイト  21:20〜


『皇帝ペンギン』(原題:LA MARCHE DE L’EMPEREUR)
監督・脚本:リュック・ジャケ
脚色:リュック・ジャケ/ミッシェル・フェスラー
音楽:エミリー・シモン
撮影:ローラン・シャレー/ジェローム・メゾン
声の出演:母ペンギン:ロマーヌ・ボーランジェ
     父ペンギン:シャルル・ベルリング
     子ペンギン:ジュール・シトリュック

氷で覆われた南極大陸。冬の気配を感じ始めた頃、零下40℃の極寒の中、 皇帝ペンギンたちは子を産み育てるため、 海辺を離れて外敵の心配の少ない内陸部を目指して100キロ近い行進を始める。 一列になって秩序正しく歩むペンギンたち。幾多の困難を乗り越えて辿り着いた営巣地で、 数多のペンギンの中から愛を交わす唯一のパートナーをみつけ、やがて卵を産み落すと、 メスはオスに卵を預け、産後のやせ細った身体で海に戻り、 まだ見ぬ我が子のためにエサを集めに行く。卵を託されたオスは、足元に卵を大事に抱えて、 およそ3ヶ月もの間、絶食してじっとパートナーの帰りを待つ・・・。

これは、もう、感動モノです!  ペンギンしか出てこないドキュメンタリーに耐えられるのだろうかと思っていたら、 どんどん引き込まれました。もう、いとおしいのなんのって。 卵を抱えて直立不動で絶食して3ヶ月もの間激しいブリザードに耐えるオスの姿には、涙が出ます。 寒さを忍ぶため、身を寄せ合うようにして円陣を組んだオスたちは、 順繰りに外側にいた者が内側に移動するように、譲り合うのですが、足元に卵を抱えたままの状態で、それはもう離れ技! そして、やがてエサをいっぱいお腹の中に蓄えて帰ってくるメスたち。 皆同じように見える外見なのに、ちゃんと声で自分の相手が判るとは! 生命の偉大さ、大自然の英知、家族愛・・・いろんなことを感じた一作でした。(咲)

提供:ギャガ・コミュニケーションズ
配給・宣伝:ギャガGシネマ
協力:アーティストフィルム
サントラ:ユニバーサルミュージック

2005年/フランス/86分/ビスタサイズ/DOLBY DIGITAL、DOLBY SR

★1月2日から9日まで、下高井戸シネマにてモーニングショー上映

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/emperor-penguin/

新江ノ島水族館にて映画公開イベント「親子で知ろう ペンギンの不思議」開催!
期間:7月19日(火)〜8月31日(水)
詳細 >> http://www.enosui.com/news/detail/2005pen_01.html


『マザー・テレサ』(原題:Mother Teresa)
監督:ファブリッツィオ・コスタ
出演:オリビア・ハッセー(『ロミオとジュリエット』)、セタスティアーノ・ソマ、ラウラ・モランテ、ミハエル・メンドル

マザー・テレサ。マケドニアに生まれ、修道女となり赴いたインドで、 恵まれない人たちに献身的な愛を注いだ人物として世界に名を馳せた彼女の半生を、約2時間の駆け足で描く。 ノーベル平和賞など数々の賞を受賞するに至った彼女の気高い行いの数々を垣間見ることのできる一作である。

36歳から87歳までのマザー・テレサを演じたのは、オリビア・ハッセー。 私が高校生の時に観た『ロミオとジュリエット』(1968年)の可憐なジュリエットの記憶が今でも鮮明だ。 その後、布施明と結婚したことなどもあって(後に離婚)、 中年以上の日本人には馴染み深い女優であろう。 彼女にとってマザー・テレサを演じることは生涯の夢だったといい、実に25年ぶりの主演作である。 彼女の渾身の演技で、マザー・テレサの志が多くの人に伝わることと思う。 まさに魂が乗り移ったようにマザー・テレサになりきった姿に拍手を贈りたい。

さて、マザー・テレサが天に召されたのは、1997年9月5日。 彼女を崇拝していたというダイアナ妃の事故死の数日後のことである。 9月13日にインドで行われた国葬の様子を、BBCの生中継でずっと見ていたことを思い出す。 溢れる花の上に手を組み静かに眠るマザー・テレサの姿がさらけ出されていることに、 ちょっと驚きを感じたのだが、それより凄かったのは、 棺を載せた車が身動きできない程に車を取り囲んだ民衆の数である。 彼女の死を悼み、嘆きながら彼女に手を差しのべる人々の姿に、 いかに彼女がインドの人たちに愛されていたかを知ったものだ。 その後、カルカッタのマザー・テレサが残した病院を訪れたことがある。 まさに清貧という言葉がぴったりの、質素だけれど心のこもった清楚な空間だった。 気持ちばかりの寄付に、立派な手書きの領収書を手渡され、もっとたくさん寄付をすればよかったと、 恥じ入る思いだった。あのような崇高な場所に接してさえ、 いまだに私利私欲でしか行動できない私である・・・。(咲)

2003年/イタリア・イギリス/1時間56分/ビスタサイズ/SRD
配給: 東芝エンタテインメント

★1月10日から20日まで下高井戸シネマにて上映

公式 HP >> http://www.motherteresa.jp/



『さよならCOLOR』
監督・脚本・出演:竹中直人
脚本:馬場当
撮影:佐々木原保志
音楽:ハナレグミ、クラムボン、ナタリー・ワイズ
出演:原田知世、段田安則、雅子、中島唄子、水田芙美子、内村光良、中島みゆき、山東康太郎

海の見える病院に務める医者・正平の元に、高校の同級生で彼の憧れの人だった未知子が入院してくる。40過ぎても独り身で、いまだに彼女を思い続けていた正平は天にも昇る気持ちだが、未知子の方は彼の事を覚えていない。その上、彼女には有名スタイリストの恋人がいた。 未知子の病気は子宮ガンで、病状は思わしくない。しかし正平の必死の治療で、徐々に回復していく。それとともに彼のシツコイまでの献身に未知子は呆れながらも心を開いていく。

竹中直人が純愛物語を作りました。かなり変な男なのに、結局いろんな女から愛されて、ちょっとずるいぞとも思うのですが、この人はとことんロマンチストなんですね。
タイトルはSUPER BUTTER DOGの名曲からとられ、エンディングには永積タカシと忌野清志郎のデュエットで歌われたこの曲を聞く事が出来ます。映画公開に先駆けてSUPER BUTTER DOGのシングルとして再リリースされる事も決定しています。
高校時代の思い出のエピソードは多くが本人の実話だそうで、相当変な奴だったことがうかがい知れます。
同窓会のシーンではやっぱり未知子だけ若過ぎるなぁと思ってしまうのですが、クラスの永遠のマドンナ役なのでアリということにしましょう。
出演者の中にはオヤッと思わせる人が一杯います。中島みゆきさんの女医はその道で権威になった女性のパワーを感じて良かったです。久世光彦さんや原ひさ子さん、大森南朋さんもちょっとした役で出てますし、患者や医者にはいろんなミュージシャンたちが扮しているので、注意してみてると面白いですよ。(梅)

2004年/日本/color/119分/1:1.85ビスタ
製作:近代映画協会、NIKKEN INC、衛生劇場
配給・宣伝:ザジフィルムズ

公式 HP >> http://www.zaziefilms.com/sayonara-color/

★1月16日から27日まで下高井戸シネマにて上映

『メゾン・ド・ヒミコ』
監督:犬童一心
脚本:渡辺あや
音楽:細野晴臣
撮影:蔦井孝洋
美術:細田典宏
出演:オダギリジョー(晴彦)、柴崎コウ(沙織)、田中泯(卑弥呼)、歌澤寅右衛門、青山吉良、柳澤慎一、森山潤久、洋ちゃん、村上大樹、西島秀俊

私を迎えに来たのは、若くて美しい男。彼は、父の恋人だった。

ゲイである父親を嫌い、存在さえ否定してきた沙織の勤め先に、晴彦と名乗る男が訪ねてくる。 彼は沙織の父を愛していると言い、余命幾許もない父の営む老人ホームを手伝わないかという。 「お金払いますよ、お金」・・・借金にあえいでいた沙織は行ってみることにした。 ゲイだけが住むホームは、賑やかで明るくちょっと哀しい、そして暖かな場所だった。

製作発表を取材したときから完成する日を楽しみにしていました。 オダギリさんのぼそぼそいうセリフまわしや、立ち姿がなかなか色っぽいです。 柴崎さんは険しい顔で睨みつけていたのが、しだいにほぐれてきて可愛くなります。 のりのりで歌い踊るシーンがあり、ここがとても楽しいです。 『たそがれ清兵衛』では刺客、『隠し剣 鬼の爪』では剣術の達人という渋い役だった、 田中泯さんの変貌ぶりもみどころ。 (白)

完成披露試写会・舞台挨拶の模様を65号に掲載します。

2005/日本/2時間11分/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/OSTはワーナー・ミュージック・ジャパン
メゾン・ド・ヒミコ製作委員会

公式サイト  http://www.himiko-movie.com/

★2月11日から17日まで、下高井戸シネマにて上映

配給:アスミック・エース



『理想の女(ひと)』(原題:A Good Woman)
監督:マイク・バーカー
原作:オスカー・ワイルド
出演:スカーレット・ヨハンソン(『真珠の耳飾りの少女』『ロスト・イン・トランスレーション』)、ヘレン・ハント(『恋愛小説家』)、トム・ウィルキンソン(『イン・ザ・ベッドルーム』)

1930年、ニューヨーク。ステラ・アーリンは中年となっても数多の殿方を魅了し、 奔放な恋愛遍歴で殿方の奥方からは中傷の的となっている女性。方や、 まだ幼さの残るメグ・ウィンダミアは、夫ロバートを一途に愛するニューヨーク社交界の華。 彼らは時同じくして、セレブが集う南イタリアの避暑地アマルフィにバカンスに出かける。 到着早々ウィンダミア夫婦と知り合ったプレイボーイの英国貴族ダーリントン卿は、 ロバートとステラが密会しているらしいと知り、それを種に、メグに言い寄り、 駆け落ちを持ちかけるが・・・。

原作は、19世紀後半に活躍したイギリスの文豪オスカー・ワイルドの戯曲『ウィンダミア卿夫人の扇』。 ロンドンの貴族社会の客間2部屋を舞台にした室内劇だが、本作では、時代も舞台も変えて、 南イタリアの陽光のもと、二人の対象的な女性を描いている。 奔放でトラブルメーカーの女と、従順で無垢な女。そしてその純情な女に横恋慕する男に、 夫の怪しげな行動、さらには出生の秘密・・・ なんだかこれだけ見ると、 そう! まるで韓国ドラマのようだけど、海沿いのアマルフィの古い町並みが限りなく美しく、 紛れもなくヨーロッパの香りのする作品。でも、人間の心理って、いつの時代もどこの世界も、 あまり変わらないのかもしれない。(咲)

2004年/スペイン・イタリア・イギリス・ルクセンブルグ・アメリカ/93分/ビスタサイズ/DOLBY DIGITAL・DOLBY SR

提供:ギャガ・コミュニケーションズ
配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ
宣伝:ギャガGシネマxアニープラネット
協力:メディアファクトリー

★9月10日(土)よりシネスイッチ銀座にてロードショー

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/goodwoman/



『亀も空を飛ぶ』(原題:Turtles Can Fly/ Lakposhtha ham parvaz mikonand)
脚本・監督:バフマン・ゴバディ
音楽:ホセイン・アリザデー
出演:ソラン・エブラヒム、ヒラシュ・ファシル・ラーマン、アワズ・ラティフ

トルコ国境に接し難民テントが密集するイラク側クルド人の村。子供達は地雷を集めて国連に売り生活の糧にしている。アメリカのイラク攻撃が今にも始まるという噂に、戦争のニュースが欲しいと心配顔な人達。皆から“サテライト”と呼ばれている少年ソランが指揮をしてテレビのアンテナを立てている。「何も映らない。空も奪われた」と嘆く長老。
目の見えない男の子を背負った難民の女の子アグリン。サダムの毒ガス攻撃で5千人が虐殺されたといわれるハラブジャの町から逃れて来た子だ。「家族を殺して私に乱暴をした人の子よ。産めば母親なの?」彼女にとって子供は重荷でしかない。不思議な予知能力を持つ兄ヘンゴウは、両腕を無くした不自由な体で、そんな妹と甥を健気に見守るが・・・。


監督の前2作『酔っぱらった馬の時間』『わが故郷の歌』では、いずれもひょいと国境を越えるラストが印象的だったが、監督はついにイランから国境を越えイラクでの撮影を敢行した。サダム政権が崩壊して3ヵ月後のことで、撮影許可申請先も見つからず、許可を得ず撮影に踏み切ったという。地雷やテロの脅威に、ファインダーを覗くよりも周りを見ていることの方が多く、ストレスは相当なものだったそうだ。こうして完成させた本作は、まさに魂を揺さぶられる作品だった。

2004年11月24日、第5回東京フィルメックスでの上映後のQ&Aで、「子供達に笑顔がなく釈然としない」という感想が寄せられた。これに対し監督は「私自身子供時代難民として、地雷や殺しや集団墓地が日常の世界で育ちました。そんな状態でどんな映像が撮れるというのでしょう?映画では色々脚色しました。そうでなければ皆さんに最後まで座って観ていただけないくらい、現実はもっと暗く厳しいものです。
ニュースでは、サダムの名前が何度も流れても、そこに住む子供達の本当の姿は見せていないと思います」と答えられた。両腕の無い子、松葉杖で走る子・・・映画に出てくるのは本物の戦争犠牲者だ。でも逆境の中で必死に生きる彼らの目は純粋で生き生きしていて救われる思いがした。皆が平穏に幸せに暮らせる世界はいつ訪れるのだろ う。サダムを倒したアメリカ軍のヘリから、ひらひらと撒かれるビラ。「天国を取り戻す為に我々は来た。我々は世界一だ」と、ゴバディ監督は皮肉たっぷりに描く。天国を地獄にしたのもアメリカや諸外国だったのではないか。世界の権力者たちにこそ観てもらいたい映画である。(咲)

第5回東京フィルメックス 審査委員特別賞&アニエスベー観客賞受賞
サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ
シカゴ国際映画祭審査員特別賞
ロッテルダム国際映画祭 観客賞
ベルリン国際映画祭 平和映画賞

2004年/イラク・イラン/カラー/97分
配給:オフィスサンマルサン
★2005年9月17日(土) 岩波ホールにて公開


『四月の雪』
監督 ホ・ジノ
音楽 チョ・ソンウ
出演 ペ・ヨンジュン、ソン・イェジン、イム・サンヒョ、リュ・スンス

インス(ペ・ヨンジュン)の妻とソヨン(ソン・イェジン)の夫は、不倫旅行の最中に交通事故にあい意識不明になる。同じホテルに宿を取り、それぞれの妻、夫の看病と事故の処理などで、頻繁に顔を合わせるようになる二人。最初は、互いに複雑な立場でぎこちなかったが、お酒を飲み行き場のない本音を語り合い心を開いていくうちに、互いに惹かれあうようになる。

「冬のソナタ」ではありませんが、ペ・ヨンジュンは本当に雪が似合います。複雑な役柄を上手に演じきっています。悲しみを含んだ微笑が印象的でした。共演のソン・イェジンも『ラブ・ストーリー』の清純さから脱却し、憂いを秘めた演技と人妻の艶やかさもにじみでています。
監督は『春の日は過ぎゆく』の明るいトーンとは反対の、ぼんやりとした雪のイメージを今回は光を使って表現しています。衣装の色も季節の変化に合わせて効果的に使われていて必見です。ひとつひとつ丁寧に作られた完成度の高い作品です。

公式 HP >> http://www.aprilsnow.jp/top.html

配給:UIP
★9月17日(土)より日比谷スカラ座1ほかにて公開


『真夜中のピアニスト』
監督:ジャック・オディアール
脚本・台詞:ジャック・オディアール、 トニーノ・ブナキスタ
出演:, ロマン・デュリス(トム)、ニール・アルストラップ(父親)、エマニュエル・ドゥヴォス(クリス)、オーレ・アッティカ(アリーヌ)、リン・ダン・ファン(ミャオリン)ほか

トムは28歳、父親と同じ不動産の裏ブローカーの仕事をしている。 悪辣ないやがらせや暴力も辞さない仕事振りで、父親に頼まれて揉め事の片付けもする。 ある日、懐かしい知人フォックスを見かけて思わず後を追う。 彼はピアニストだった亡き母のコンサート・マネージャーだった。 ピアノを再開するよう励まされ、トムの生活は一変した。

『マッド・フィンガーズ』 (1978年/脚本・監督:ジェームス・トバック/出演:ハーヴェイ・カイテル)のリメイク作品。 タイトルが出る前に、主人公が友人の話を聞いている場面が出ます。 友人は老いていく父親との生活を語っています。 そしてタイトル、地上げ屋?の一味であるトムの生活が映り、さっきのはなんだったんだろう?と思うまもなく話が進んでいきます(後で布石かと思い当たります)。 裏稼業の場面などはちょっと香港映画テイストだわ。

言葉の通じない二人のピアノのレッスンのシーンが印象に残るのは、映画がトムの目線で描かれていて、そこが彼の心安らぐ場所であるからでしょう。 自分探しは幾つになっても遅いことはない、しないよりずっとまし、だものね。 ロマン・デュリスって歯並び直さないで、善悪どっちもOKの役者でいくんだろうなぁ。(白)

2005/フランス /108分 /カラー/35mm
配給: メディア・スーツ、ハピネット・ピクチャーズ
公式サイト http://www.mayonaka-pianist.com/

2005年ベルリン映画祭 銀熊賞(最優秀音楽賞)受賞・金熊賞ノミネート

★2月18日から24日まで、下高井戸シネマにて上映


『空中庭園』
監督・脚本:豊田利晃『青い春』
撮影:藤澤順一
美術:原田満生
原作:角田 光代「空中庭園」
主題歌:UA
音楽監督:ZAK
キャスト:小泉今日子(絵里子)、板尾創路(貴史)、鈴木杏(マナ)、広田雅弘(コウ)、大楠道代(さと子)、ソニン(ミーナ)、永作博美(飯塚)、瑛太ほか

「何ごともつつみ隠さず、タブーをつくらず、できるだけすべてのことを分かちあう」
これは団地5階の角部屋に住む京橋家の決まり。これに従って、娘のマナは自分がどこで「仕込まれた」か知った。母、絵里子の答えは「ラブホテル」。ボーイフレンドには「すげえな」と感心される。けれど、マナもコウも親に言わないことがあり、父の貴史は浮気相手のご機嫌取りに忙しい。ガーデニングに熱中する笑顔の絵里子にも、家族に言えない秘密があった。


『家族ゲーム』を思い出しました。原作は未読ですが、キャストがぴたりとはまっています。
『風花』以来4年ぶりの映画主演の小泉今日子が高校生の母親役。熱演です。キョンキョンがねぇ、とちょっと感慨深い。息子役の広田雅弘は広田レオナの長男。祖母役の大楠道代さんは『夢二』で、お葉役をした広田レオナと共演していましたっけ。こ の作品でも着物姿がなんとも粋でカッコ良く、ソニンとちょっとしたバトルもあり「こんなおばあちゃんになりたい」と思わせます。(白)

2005/日本/1時間54分/ヴィスタサイズ/ドルビーSR/配給:アスミック・エース

公式 HP >> http://kuutyuu.com/

★東京での上映は終了しました。詳しい上映予定は公式HPをご覧下さい。


『ブコウスキー:オールドパンク』(原題:BUKOWSKI : BORN INTO THIS)
監督・製作:ジョン・ダラガン
出演:チャールズ・ブコウスキー、リンダ・ブコウスキー(妻)、トム・ウェイツ、ボノ(U2)、ショーン・ペン、ハリー・ディーン・スタントン、ローレンス・ファーリンゲティ(詩人・出版)

チャールズ・ブコウスキー、作家。1920年ドイツに生まれ、2歳の時にアメリカに移住。彼は子供時代はホラー映画の様に恐怖の日々で最悪と語る。父の虐待に近い折檻のためだった。その事が彼の人生や作品に大きな影響を与えている。アメリカを放浪し、酒に溺れ、郵便局員をして生活の糧を得ながら、執筆活動を続けた。作家に専念し始めたのは49歳と遅いが、彼の人生は書くためだけにあったといえる。その作品は最下層の労働者の文学として多くの支持を受けている。映画は1994年73歳で他界する以前の貴重な映像や、彼とつながりのあった人々へのインタビューで、とかく逸話だけが一人歩きしがちな彼の真の人物像に迫っている。

「のんだくれ」「好色家」「ギャンブル好き」「口の悪い野蛮人」こんな言葉がブコウスキーの紹介文に溢れている。彼の作品を読んだ事が無い私は「一体どんな奴だ?」と思い観に行った。ところがカメラの前の彼は、確かにのんだくれで、女もギャンブルも大好きで、口も悪いが、何故かいっとうまともな人間に見えた。もの凄く正直なために人と衝突し、世の中と折り合いをつけられない。だけど寂しがり屋で弱々しい。こんな男を好きになった女は大変だ。まるで麻薬のようだろう。最後の妻であるリンダがチャールズの死の瞬間を語る映像が心に残る。(梅)

2003年サンダンス映画祭ドキュメンタリー部門正式出品

2003年/USA/113分/35mm/1.85/SRD
配給:ザジフィルムズ 宣伝:メゾン

公式 HP >> http://www.zaziefilms.com/bukowski/index.html

★1月14日から吉祥寺バウスシアターにて上映


『マイ・ファーザー』
父の罪は、幾千もの命を奪ったこと。
子の罪は、その男を父に持ったこと−。
チャールトン・ヘストン / トーマス・クレッチマンが描き出す、見えない戦争の傷跡ー。

公式 HP >> http://blog.melma.com/00137621/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『ヴェラ・ドレイク』(原題:Vera Drake)
監督:マイク・リー(『秘密と嘘』)
出演:イメルダ・スタウントン(『恋に落ちたシェイクスピア』『いつか晴れた日に』)、フィル・デイヴィス (『ハイ・ホープス』)

1950年ロンドン。まだ戦争で受けた心の傷が癒えず、配給制度も残っていた時 代。労働者階級の人々が暮らす地区で、家族4人肩を寄せ合って、ささやかながら幸 せに生きるドレイク家の主婦ヴェラ。戦争から帰還し弟の工場で働く実直な夫、週末 にはダンスパーティで女の子をナンパする陽気な息子、そして物静かで心優しい娘。 ヴェラは裕福な家の家政婦をする傍ら、近所の体の具合が悪い隣人たちの身の回りの世話をしたりしているが、もうひとつ家族の誰にも言えないことをしていた。非合法 な堕胎に手を貸していたのだった。当時イギリスでは、妊娠が母体の命を危険にさら すという医師の診断がない限り、中絶手術は法律で禁じられていた。合法的な手術といえど高額で、貧しい人たちは非合法の堕胎に頼るしかなかったのだ。優しい面持ちで、黙々と堕胎の処置を施すヴェラ。
そんなある日、職場と家を往復するだけの毎日をおくる内気な娘によき伴侶ができ て、婚約を祝うささやかなパーティを開いていたドレイク家に、警察がやってきた・・・


非合法な堕胎に頼るしかない女性たちをヴェラに仲介する、ヴェラの友人リリーは、 女性たちから金を受け取っているのに、ヴェラには報酬を与えないどころか、仲介のついでに、闇で仕入れた食料品を売りつけるような狡猾な女性。困っている女性を助けようという一念で堕胎の処置を行うヴェラが、善意の人であるかのように描かれているのと対象的だが、まさに強い者がのさばり、弱い者が泣きをみる社会を象徴しているようだ。
でも、この映画で救われるのは、ヴェラが警察に捕らえられたときの、夫のさりげない愛情や、娘の婚約者の温かい言葉。家族の絆や人と人との繋がりが、人の心を癒してくれることを感じさせてくれた。(咲)

 

2004年/フランス・イギリス・ニュージーランド/125分
2004年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞・主演女優賞W受賞!
2005年アカデミー賞主要3部門(主演女優賞・監督賞・脚本賞)ノミネート
配給:東京テアトル
提供:東京テアトル、博報堂DYメディアパートナーズ、アミューズソフトエンタテインメント
宣伝:ムヴィオラ

公式 HP >> http://www.veradrake.net/

1月7日から13日まで、三軒茶屋中央劇場にて上映。



『シルバーホーク』(原題:飛鷹 Silver Hawk)
監督:ジングル・マ
脚本:スーザン・チャン
撮影:ジングル・マ(HKSC)、チャン・チーイン
音楽:ピーター・カム
アクション監督:アイレン・シット
キャスト:ミシェル・ヨー(ルル・ウォン)、リッチー・レン(リッチマン警視)、ルーク・ゴス(アレクサンダー・ウルフ)、ブランドン・チャン(キット)、岩城滉一(アキラ・シライシ)、チェン・ターミン(チュン教授)ほか

ルル・ウォンは雑誌の表紙も飾るセレブな美女。 しかしその実体は銀のマスクとコスチューム、 BMWのバイクを駆って悪人を倒すスーパーヒーロー「シルバーホーク」だった。 今日も中国でさらわれたパンダを取り返したばかり。 警察は威信を守るためマン警視を呼び寄せ、 シルバーホークよりも早く事件を解決せんとしていた。 偶然同じ飛行機に乗り合わせたルルは、マン警視が幼馴染みだとすぐに気がつく。 かつて二人は少林寺でともに修行したのだが、ルルだけが別の師のもとに移り、 やがて富豪の養女となったのだった。

「バットマン」女性版と例えればわかりやすいヒーロー像かな。 あいかわらず綺麗に足が伸び、にっこり笑顔で悪人を叩きのめすミシェル・ヨー。 岩城滉一が実業家役で出演していますが、日本でのロケもあって新宿の高層ビル群、 りんかい副都心の未来科学館なども登場します。 リッチー・レンとのコミカルなかけあいも楽しく、アクションもなかなか派手です。 バンジージャンプ風に襲ってくるシーン、とっても苦労したというわりに、 ちょっと間延びして見えるのが残念。 英語吹き替えですが、リッチー本人の声でないところが一部あったのはなんでかしら?(白)


2004/香港/カラー/99分/スコープサイズ/英語版/ドルビーデジタル

12月10日(土)より新宿トーアほか全国順次ロードショー

配給・宣伝:日活
http://www.nikkatsu.com/movie/history/2005_in/silver/index.html


『ミート・ザ・ペアレンツ2』MEET THE FOCKERS
監督:ジェイ・ローチ
脚本:ジョン・ハンバーグ、ナンシー・テネンボーム
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:ランディ・ニューマン
出演:ロバート・デ・ニーロ(ジャック)、ベン・スティラー(グレッグ)、ダスティン・ホフマン(グレッグの父)、バーブラ・ストレイザンド(グレッグの母)、ブライス・ダナー(パム)

4年前、グレッグは恋人パムの父親ジャックから結婚のOKをもらった。 (2000年製作『ミート・ザ・ペアレンツ』をご覧ください) 今度はフォッカー家とバーンズ家を対面させなければならない。 CIAのOBで堅物のジャックには、自分の両親は弁護士と医師だと言ってある。 資格はあるので嘘ではないけれど・・・実際は、父⇒専業主夫、母⇒セックス・セラピスト。 バーンズ家と逆に開放的でかなり変わった両親なのだった。

大ヒットした前作を受けて、第2弾はさらに強力な布陣をしいてあります。 グレッグの両親役にダスティン・ホフマンとバーブラ・ストレイザンドとは! 二人のはじけた演技(地なのかも)にびっくり。 こういう両親もいいなぁ。 手ごわい「花嫁の父」ロバート・デ・ニーロは相変わらず芸達者。 『オースティン・パワーズ』シリーズでアメリカのコメディ好きをがっちり掴んでいるジェイ・ローチ監督作品。 1作目を観てから劇場へどうぞ。(白)

2004/アメリカ/配給:アスミックエース

http://mtp2.com/

11月26日(土)より全国ロードショー


『マダムと奇人と殺人と』
監督・脚本:ナディーヌ・モンフィス
製作:ジャック・ヴァニシュ
撮影:リュック・ドリオン
音楽:ベナバール
キャスト:ミシェル・ブラン(レオン警視)、ディディエ・ブルドン(イルマ/エドワール)、オリヴィエ・ブロッシュ(ボルネオ)、ジュリー・アンヌ・ロット(マリー)ジョジアーヌ・バラスコ(ニーナ)、リュフュ(鳥かごの男)ほか

舞台はベルギー、ブリュッセル。レオン警視のもとに匿名の電話がかかる。 「墓地で女性の死体を見つけた」と。 愛犬パブリュットと触ったもの全てを壊してしまう奇癖の持ち主、 ボルネオを連れて捜査を続けると、連続殺人事件の模様を呈してくる。 そしてレオン警視がやってきたのはビストロ「突然死」。 おかまのイルマ、まずい創作料理を作るコック、ロゼワインしか飲まないローズ。 奇妙な人が集ってくるここでは下宿人が一人行方不明なのだが、誰もが口を閉ざしている。

監督・脚本のナディーヌ・モンフィスはベルギー生まれで、現在フランス、モンマルトル在住。 教師、女優、脚本家を経て、30作以上の小説を発表した作家でもあります。 「レオン警視」は自らの人気シリーズで、そのうちの2本をまとめて映画化したもの。 連続殺人事件とイルマが娘と再会するエピソードの二つが芯になっているのはそのため。 ミステリーよりも登場人物一人一人に光が当たるドラマになっていて、 変なキャラだけど憎めません。 スキンヘッドのレオン警視の趣味が編み物だったり、 懸賞マニアの母親に子ども扱いされていたり、 この他キャラたちもこれからどうなるのだろうと気になります。 ミシェル・ブランは『仕立て屋の恋』の主役、ディディエ・ブルドンは、 『花咲ける騎士道』でルイ15世役だったといえば顔が思い浮かぶでしょう? 二人とも上手い俳優さんです。(白)

2004/フランス、ベルギー、ルクセンブルク合作/97分/カラー/35mm/ビスタ/ドルビーステレオ

11月19日より、シアターイメージフォーラム、バウスシアターにて“胸騒ぎ”ロードショー

公式 HP >> http://www.longride.jp/madame/



『フォー・ブラザーズ/狼達の誓い』
監督:ジョン・シングルトン(『ワイルドスピードX2』)
脚本:デヴィッド・エリオット&ポール・ラヴェット
撮影:ピーター・メンディース・jr
音楽:デヴィッド・アーノルド
出演:マーク・ウォールバーグ(ボビー)、タイリース・ギブソン(エンジェル)、アンドレ・ベンジャミン(ジェリー)、ギャレット・ヘドランド(ジャック)、テレンス・ハワード(グリーン警部補)ほかフィオヌラ・フラナガン

母がコンビニ強盗に殺されたという連絡で、ばらばらになっていた4人兄弟が終結。 彼らはみな孤児でどこにも引き取り手がなかったため、里子の世話をしていた母に兄弟として育てられたのだった。 涙にくれて葬儀を済ませたあと、防犯ビデオを観たボビーは「これは強盗ではなく、処刑だ」と確信する。

オリジナルはジョン・ウェイン主演の「エルダー兄弟」とか。 復讐劇の筋立ては残して、新しい枝葉を茂らせ最後までひっぱります。 マーク・ウォールバーグは一見地味だけど上手い俳優さん。 ちょっとマット・ディモンとかぶる感じ。 末っ子のジャック役のギャレット・ヘドランドは『トロイ』で、ブラピに憧れる従弟役でした。 この作品では刑事に「あの顔にだまされるな」と言われてる不良なのだけど、やっぱりそんな風には見えません。 副題は香港映画みたいですね、なくてもよかったんじゃないでしょうか。音楽良かったです。(白)

2005/アメリカ/カラー/109分/UIP配給

http://www.fb-movie.jp/top.html

11月19日(土)みゆき座ほか全国ロードショー


『ダーク・ウォーター』
監督:ウォルター・サレス
製作:ビル・メカニック
脚本:ラファエル・イグレシアス
撮影:アフォンソ・ベアト
美術:テレーズ・デプレス
音楽:アンジェロ・バダラメンティ
キャスト:ジェニファー・コネリー(ダリア)、アリエル・ゲイド(セシリア)、ジョン・C・ライリー(マレー)、ティム・ロス(プラッツァー)、ピート・ポスルウェイト(ヴェック)、ダグレイ・スコット(カイル)

ダリアは離婚後、娘のセシリアとニューヨークの外れ、ルーズベルト島の古いアパートに住むことにした。 不動産屋のマレーは調子のいい男で、ダリアは迷っていたが、 「ここに住みたい」というセシリアの一言で決心したのだ。 セシリアは屋上でキティちゃんバッグを見つけ、管理人のヴェックの「だれも取りにこなかったらあげるよ」 という約束を楽しみにしていた。ダリアはエレベーターで「なにか」を感じ、 寝室の天井に広がった黒いしみに気がつく。

『仄暗い水の底から』のハリウッドリメイク作品。監督は『セントラル・ステーション』、 『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス。 ただ脅かすだけにはならないだろう、と恐る恐る試写会に出かけました。 この試写会招待状が「黒い水に浸かりました」という雰囲気で、とっておきたかったのですが回収されてしまって残念。 ロープウェイでルーズベルト島に渡る場面からもう黒い紗がかかったような雰囲気。 滅入るような雨に黒い水のしみに水滴と、水、水、水です。これがまた、オイルのように黒い! オリジナル版は見ていないのですが、これはホラーの形を借りた家族映画という感じがしました。 今年は家族映画が多いなァ。私生活でも母親であるジェニファー・コネリーが心に傷を持つ母親を好演。 彼女を一心に見つめる娘役のアリエル・ゲイドがとっても可愛いです。(白)

2005/アメリカ/カラー/スコープサイズ/1時間45分/
原作:鈴木光司「仄暗い水の底から」、ノベライズ「ダーク・ウォーター」どちらも角川ホラー文庫

http://darkwater.jp/

★『ダーク・ウォーター』初日決定!
2005年11月12日(土) 日比谷スカラ座他全国にてロードショー


『カスタムメイド10.30』
監督・脚本・編集:ANIKI(伊志嶺一/いしみね はじめ)
撮影:松島孝助
美術:いのうえしんじ
音楽:緑川徹/ST:桜井順/主題歌:奥田民生「tripper」
出演:木村カエラ(マナモ)、西門えりか(みなも)、奥田民生、前田綾花(朝子)、松井涼子(姫)、松山ケンイチ(タモツ)、加瀬亮(ジェフ)、小倉一郎(エディ)、柳沢慎吾(ホリコシ)、ミッキー・カーチス(カミサマ)、 寺島進(店長)、宮崎美子ほか

女子高生マナモは両親が離婚、そしてそれぞれが再婚したため広島で一人暮らしをしていた。学校はサボリがち、キャバクラのアルバイトをし、そこで作ったバンドでライブをするのが目下の楽しみ。そこへロンドンの父親と暮らしていた妹のみなもがころがりこんでくる。この妹、身体もでかいが態度もでかい。さっそく姉妹喧嘩となり、マナモはますますむかついている。そんなマナモのバイクに追突したのは、自称 「見習い天使」のジェフとエディだった。二人は「マナモにあることを気づかせる」という課題をカミサマから出されていた。この昇級試験にパスすると羽がもらえるのだ。そのころ広島球場では「広島の星」奥田民生のライブ準備が着々と進められていた。

まず「奥田民生ありき」で作られた映画です。そこに青春や家族の話がからんできて、つなぎの役目をするのがカミサマや見習い天使。ちょっと無理とちゃうんか? と思うものの、木村カエラがえらく可愛いのと、ところどころに現れる奥田の歌と本人の魅力で、まあいいかぁとなってしまう作品。チャップリンみたいな帽子にスカート?はいた加瀬亮くんも笑顔全開で可愛いです。(白)

2005/日本/カラー/121分/アメリカンビスタ/ドルビーSRD
配給:クロックワークス 宣伝:キネティック/Grasshoppa

公式 HP >> http://www.cm1030.jp/

★10/29(土)よりシネクイント他全国ロードショー


『アラハン』ARAHAN
監督:リュ・スンワン
脚本:リュ・スンワン、ウン・ジヒ、ユ・ソンドン
撮影:イ・ジンギュ
アクション監督:チョン・ドゥホン
音楽:ハン・ジェグォン
出演:リュ・スンボム(サンファン)、ユン・ソイ(イジン)、アン・ソンギ(ジャウン)、チョン・ドゥホン(フグン)ほか

サンファンはまじめな新米警官。ひったくり犯人を追いかけて行くと、そこには滅法強い少女イジンがいた。ビルの谷間を飛び越え、壁を駆け下りて来たのだ。サンファンは運悪く彼女の「掌風」を受け気絶してしまい、かつぎこまれたのはイジンの家。 父親のジャウンは七仙と呼ばれるカンフー・マスターだった。サンファンの「気」が尋常でない強さなのに気づき、修行を勧める。一方、七仙の一人フグンが封印から目覚めようとしていた。

チラシではずいぶん怖い顔に写っていますが、主演のリュ・スンボムは「和み系」の顔です。この映画では、喧嘩に強くなりたいと入門し、強い「気」も手伝って上達していきます。それに本人がなかなか気づかないというキャラ。身体もしっかり作ってあり、ストーリーが進むにつれいい顔になります。クール・ビューティなユン・ソイは これが映画デビュー。マーシャル・アーツの特訓をしたそうですが、これが初めてのアクションなの? と驚きました。今やアクションのできる女優として次回作も続いてあるようです。チョン・ドゥホンは『ナチュラル・シティ』でも悪役でしたが、悪役が強力でなければ魅力半減ですから欠かせない人物です。リュ・スンワン監督は主演のスンボムの実兄。『die bad』(リュ・スンワン監督デビュー作)で兄弟共演し、 再び合作した最新作『Crying Fist』はカンヌ映画祭での批評家連盟賞を受けています。楽しみなコンビ。(白)

2004/ユニバーサル映画/UIP配給/1時間54分/ビスタビジョン/SRD,SR

公式 HP >> http://www.arahan-movie.jp/top.html

★10月22日(土)より新宿ジョイシネマ3ほか全国ロードショー


『デッドライン』
監督:タニット・チッタヌクン
脚本:タイガーチーム
撮影:ティラワット・ルチンタム
出演:チャッチャイ・ブレンバーニット(パコン警察少佐)、アムボーン・ラムプー ン(ナウィン)、ゴーウィット・ワッタナクン、プラカーティット・ボースワン、 ウィティット・レートほか

1997年、経済悪化を打開するため、タイ政府はIMFの融資を受けるが、建て直しは成功しなかった。総選挙の結果生まれた新政権は、強引な返済計画を発表した。各機関の権力者や裏社会はこれに反発し、元兵士を使いテロを起こそうとする。北部の特殊部隊で活躍していたナウィンは政府に見捨てられ失職し、仲間とともに失意の日々を 送っていたが、戦闘のプロであることを見込まれ、テロ組織のリーダーにすえられてしまう。
彼らを阻止しようとするのはテロ取り締まり部隊のパコン警察少佐だった。


バンコクの目抜き通りを封鎖したという銃撃戦シーンは、14人の監督、10人のカメラ マンが15台のカメラを駆使し、6000人のエキストラを使って撮影が行われた。主演の チャッチャイ・ブレンバーニットは鶴田浩二(たとえが古い)をワイルドにしたよう なベテラン2枚目スター。テロ組織のリーダーとなるアムボーン・ラムプーンは、 ロックグループのヴォーカルだったこともあるそうだ。今回はそんなシーンはなく、あくまでも男っぽい。香港映画かと見まがうような銃撃&爆発シーン満載。しかし、その指揮はまずいだろう、ほかへ回って迎撃しなきゃとつっこみたくなるシーンも多かった(私もすっかりマニア?)。(白)

2004/タイ映画/カラー/94分/アメリカンビスタ/ドルビーSRD
配給:ハピネット・ピクチャーズ 配給協力:シナジー 宣伝:グアパ・グアポ

★10月22日(土)より 銀座シネパトスにてロードショー
★東京国際ファンタスティック映画祭2005にて上映決定!

公式 HP >> https://www.happinet-p.com/jp/deadline/



『不良少年(ヤンキー)の夢』
監督:花堂純次
脚本:中岡京平、花堂純次
撮影:佐々木原保志
音楽:安川午朗
原作:「不良少年の夢」義家弘介(光文社刊)
キャスト:松山ケンイチ(義家弘介)、真野響子(安達先生)、伴杏里(西崎美紗緒)、田中健(岸本先生)、でんでん(山村先生)、片桐竜次(汐見下宿の親父)ほか

高校を退学になり、親にも絶縁された義家弘介は里親のすすめで、1988年春、雪の残 る北海道余市にやってくる。ここには行き場を失った子供達を受け入れる北星学園余 市高校があった。2年C組の担任は「ガンバ!」が口癖の安達先生。掃除当番をさぼっ た弘介は、安達先生にどこまでも追いかけてこられ、その熱心さに根負けする。学生 寮の汐見下宿では、寮仲間の手荒い歓迎を受けるが一歩も引かず、やっと見つけた居 場所を死守する。一方、同じ日に編入してきた西崎美紗緒は、母親に虐待を受けリス トカットを繰り返した過去があり、寮でも仲間にうちとけずにいた。

花堂純次監督は「永遠の仔」、「ホテルウーマン」などのTVドラマ、『夢追いかけ て』の映画作品で若者の心を描いています。主演の松山ケンイチはホリプロ男性オー ディション「New Style Audition」グランプリ受賞。2004年の『ウイニング・パ ス』で初主演。今年は『リンダ リンダ リンダ』、『NANA』、『男たちの大和/ YAMATO』と映画出演があいついでいます。
原作は義家弘介氏の自伝。ベストセラーになり、「ヤンキー母校に帰る」としてTVド ラマ化もされています。不良少年が初めて自分を受け入れてくれる場所と大人に出会 い、変わって行くようすが描かれます。たぶん主役以外の一人ひとりも同じだけのド ラマを背負っているのでしょう。直球勝負の作品に泣き、義家弘介氏がこれからも教 師として教育に関わっていくというのに元気をもらいました。(白)

配給:オムロ、キネマスターフィルム

2005/日本/カラー/35ミリ/ヴィスタサイズ/114分/

文部科学省選定/全国PTA全国協議会推薦

公式 HP >> http://www.furyo-yume.com/

★10月15日(土)よりポレポレ東中野にてロードショー


第5回彩の国さいたま中国映画祭 5th CHINESE FILM FESTIVAL in SAITAMA
  〜中国映画生誕100年〜
第5回彩の国さいたま中国映画祭のおしらせです。

1905年、中国人による初めての映画『定軍山』が製作され、中国映画は今年で生誕100周年を迎えます。 この記念すべき年に、第5回彩の国さいたま中国映画祭が開催される運びとなりました。 本映画祭は、中国政府(中華人民共和国広播電影電視総局電影事業管理局)と共催で1996年以来、1997年、2000年、2004年と継続的に開催されている国内唯一の中国映画専門の映画祭です。 日中両国の友好親善と相互理解の発展を目的とし、多彩な顔を持つ現代中国の庶民の生活や情緒を描いた作品をセレクション。 今年は、中国の少数民族文化への理解を深めることができる『花嫁大旋風』や、中国の若者に支持されて大ヒットした『恋する地下鉄』など、5作品が上映されます。


■会場・開催日程

メイン会場:埼玉会館大ホール  11月5日(土)・6日(日)
熊谷文化創造館さくらめいと  11月12日(土)
草加市文化会館ホール  11月23日(祝)
本庄市民文化会館  11月27日(日)

■上映作品

A 花嫁大旋風 花腰新娘/2004年/93分(日本未公開作品)

監督・製作総指揮 章家瑞(チァン・ジアールイ)
脚本 孟家宗(モン・ジアーツォン)、袁大挙(ユエン・ターチエン)
制作 趙有強 (チャオ・ヨウチアン)
撮影 王敏(ワン・ミン)
出演 印小天(イン・シャオティエン)、張静初(チャン・ジンチュー)、趙家芝(チャオ・ジアージー)

物語・解説
華麗な民族衣装に身を包み、龍舞を踊る少数民族の新婚カップルを描いたラブコメディ。雲南省紅河区の花腰彝族には、祭りになると娘たちが色鮮やかな民族衣装に着飾って龍舞を踊る習慣がある。村に育ったおてんば娘・鳳美(フォンメイ)は幼馴染である阿龍(アーロン)と結婚したばかりである。アーロンは代々龍舞を司る家の後継ぎで、フォンメイとの結婚後、龍舞隊のコーチとして12人の若い娘たちを訓練することになる。花腰黎族では、結婚したら妻は夫に花腰帯を送るという習慣があったが、結婚後3年間は結ばれてはならないという決まりがあった。アーロンは酔った勢いでその習慣を破ろうとするが、逆にフォンメイに殴りつけられる。怒ったアーロンは鳳美に花腰帯を投げ返す。夫から結婚の証を突き返されたことにフォンメイは屈辱を感じる。果たしてふたりの行く末はいかに?

雲南省の大自然を背景にして、若い新婚カップルの恋が、古くから伝わる花腰黎族の伝統、風習、カラフルな民族衣装とともに描かれる。ヒロインの鳳美を演じるのは、2005年ベルリン映画祭銀熊賞作品『孔雀』(04)に主演して一躍ブレイクしたチャン・ジンチュー。彼女は、先ごろ、中国での大ヒットのニュースが伝えられた、ツイ・ハーク監督の新作『七剣』(05)でも主演を務めている期待の新星である。

監督
章家瑞(チァン・ジアールイ)
北京電影学院監督科卒。テレビドラマやテレビ映画の監督を経て、『ルオマは17才』(03)で長編映画監督デビュー。山岳地帯の少女の初恋を描いた同作品は、ベルリン国際映画祭やモントリオール国際映画祭で注目を浴びた。本作では、豪華絢爛な色彩をバックにポストモダンな寓話とフェミニズムを融合させたコメディタッチの作風で、21世紀の新しい中国の姿を伝えている。すでに第3作目となる『芳香之旅』(05)が完成し、公開が待たれている。


B 学校へいきたい! 上学路上/2004年/95分(日本未公開作品)

監督 方剛亮(ファン・ガンリアン)
脚本 趙冬苓(チャオ・トンリン)
制作 崔波(ツィ・ボー)、劉長允(リュウ・チャンイン)
撮影 張皓(チャン・ハオ)
主演 楊■林(ヤン・シューリン)、呉旭(ウー・シュ)、艾■■(アイ・リーヤー)

物語・解説
学費を稼ぐために奮戦する少女を描いた感動作。中国・寧夏回族自治区の西海固。小学校では、夏休みを前に先生が新学期に雑費として24元8角を持ってくるようにと言う。貧しい家の娘である12歳の王燕(ワンイェン)は、自分の家にこれ以上負担をかけたくないと思い、夏休みを利用して学費を捻出することにする。たった1個のニワトリの卵から財産を成した童話を真似て、ワンイェンは10個のニワトリの卵を元手にして市場に行く。卵は3元で売れ、母親がワンイェンを見合いに行かせたときには、そのお金で見合い相手の男の子から1本のペンを買った。教師のところでは、そのペンを5元で売った。再び、市場へ出かけた彼女は、そのお金で掛け売りをしてもらい、1匹の子羊を手に入れる。子羊を大きく育てて売ると、水固へと向かう交通費を手にした。水固には、汚染されていないクコ林が広がっている。そこでは、1斤(500グラム)のクコを摘むと、2角のもうけになるのだ。新学期までにワンイェンはお金を稼ぐことができるだろうか。

中国の驚異的な経済成長に世界の注目が集まる一方、貧しい地方に暮らす可憐な少女が、知恵とねばり強さを武器にお金を稼いでいく様子には、いわばワラシベ長者にも似た寓話のような暖かみがある。脚本を執筆したチャオ・トンリンは実際に西海固に行って取材し、貧しい中でも希望を持って勉強している子供たちに感動したという。

監督
方剛亮(ファン・ガンリアン)
北京電影学院監督科修士課程卒、現在教師として同学院に在籍。
1995?96年、短編映画『エレベーター』がドイツの国際青年映画祭で上映、同じく短編『息子の初恋』が香港の中国香港台湾短編映画祭で優秀短編映画賞を受賞。2001年にはテレビ映画『思わず』で大学生映画祭の最優秀映画賞と最優秀主演男優賞、映画チャンネルの第1回最高視聴率賞を受賞。その後、テレビドラマの監督を経て、本作で長編映画監督デビュー。


C 恋する地下鉄 開往春天的地鉄/2002年/96分(日本未公開作品)

監督 張一白(チャン・イーバイ)
脚本 劉奮斗(リウ・フェンドウ)
制作 全路(ジン・リュー)、鄭治平(チャン・ジーピン)
撮影 趙小丁(チャオ・シャオディン)、高飛(カオ・フェイ)
主演 徐静蕾(シュー・ジンレイ)、耿楽(ゴン・ロー)、範偉(ファン・ウェイ)

物語・解説
若い夫婦が破局に直面した際の、微妙な心理状態を描いた切ないラブストーリー。失業して3ヶ月たつ建斌(ジェンピン)には、結婚して7年になる妻小慧(シャオホイ)がいる。必ず幸せにすると約束していたことがプレッシャーとなり、失業したことを言い出せず、毎日定刻に家を出て、地下鉄に乗って時間をつぶしている。一方シャオホイは、喫茶店のマスターと知り合い、彼から求愛される。ジェンピンは失業中であることをシャオホイに打ち明けようとしたとき、妻を愛する男性がいることを知ってしまう。彼はふとしたきっかけで目が見えない女性と知り合う。ジェンピンを想ってマスターの申し出になかなか心が決まらないシャオホイ。ふたりは自分自身の感情と戦いながら、結局はすれ違ってしまうのか…。

中国映画で初めて地下鉄シーンを多用した都市感覚に溢れるドラマである。登場人物がカメラに向かってしゃべるなどの実験的なスタイルを取り入れて、孤独の中で擦れ違い、求め合う男女の揺れる気持ちをスタイリッシュな映像で描き出す。中国大学映画祭では、「最も大学生に人気のある映画賞」と「同・女優賞」を受賞。中国の若者に広く支持されて大ヒットした。
シャオホイを演じたシュー・ジンレイは『スパイシー・ラブスープ』(97)でデビューし、国際的に活躍するチャン・ツィイーと並び、人気実力ともに中国映画のトップを担う中国新4大女優のひとり。自ら監督も兼ねた作品に『私とパパ』(02)、『見知らぬ女からの手紙』(04)がある。前者は金鶏奨新人監督賞を受賞。

監督
張一白(チャン・イーバイ)
中央戯劇学院戯劇文学科卒。『スパイシー・ラブスープ』『こころの湯』の張揚(チャン・ヤン)監督とディレクターズ・ユニットを組み、ビデオクリップ、CMなどを多数演出。ニコラス・ツェーやチャン・ツィイーのCMも担当。映画監督デビュー作の本作で中国大学生映画祭の最も大学生に人気のある賞を受賞、中国でも大ヒットを記録した。日本から下山天、台湾から『藍色夏恋』のイー・ツーイェンというアジアの気鋭監督とコラボレーションした話題のオムニバス映画『アバウト・ラブ/関於愛』(9月17日より日本公開)では「上海編」を監督。


D 胡同(フートン)愛歌/父さんの長い七月 看車人的七月/2004年/103分(日本未公開作品)

監督 安戦軍(アン・ザンジュン)
脚本 張挺(チャン・ティン)
製作 楊歩亭(ヤン・ブーティン)
撮影 江秀佳 (ジャン・シャウジアー)
主演 範偉(ファン・ウェイ)、張偉迅(チャン・ウェイシュン)、陳小芸(チェン・シャオユン)

物語・解説
妻と離婚して、反抗的な息子と二人で暮らす杜(トウ)は、会社をリストラされ、駐車場の案内係で生計を立てている。トウは花屋で働く恋人・小宋(シャオソン)との結婚の準備を始めるが、息子は離れて暮らしている母親を今でも慕って、反抗的な態度を募らせる。それでもトウは息子との三人暮らしを夢見て、引越しの準備を始める。ところがそこへシャオソンの夫が激怒して乱入してくる。彼女には刑務所にいる夫がおり、その夫が出所してきたのだ。夫は新婚用の家具を運び出し、トウが担当するお客の車をめちゃくちゃに壊してしまう。それを知った息子はシャオソンの夫を襲撃しようとするが逆に反撃され、ケガをしてしまう。トウはなんとか怒りを抑えようとするが…。

小心者のダメ親父と怠惰なダメ息子の絆を軸に、社会から落ちこぼれた男が夢想する幸せが打ち砕かれる悲喜劇。父と息子の身勝手な想いと感情のぶつかりを感傷に溺れることなく、共感を持って描き出す。とりわけ息子が担任の教師の乗ったバスを追って自転車で疾走する場面のほろ苦さ、トウと息子が二人きりで食事をするときの気まずさが入り混じったわびしい場面は、情感にあふれた名場面。
トウを演じるのは、テレビで喜劇俳優として活躍する漫才師出身のファン・ウェイ。本作が本格的な映画初主演とは思えない好演で、モントリオール映画祭最優秀男優賞を、審査員特別賞とともにダブル受賞した。

監督
安戦軍(アン・ザンジュン)
北京電視芸術センター所属。中国ではテレビショーのディレクターとして知られている。主な監督作品に、1978年以降の中国郊外の生活を追ったドキュメンタリーや、『血性山谷』など。


E わが家の犬は世界一 ■拉是條狗/2002年/100分

監督・脚本 路學長(ルー・シュエチャン)
撮影 張錫貴(チャン・シーグイ)
出演 葛優(グォ・ヨウ)、夏雨 (シア・ユイ)、丁嘉麗 (ディン・ジャーリー)

物語・解説
冴えない中年男が愛犬を救うために涙ぐましい奮闘する様子を通して、現代中国の日常をリアルに描いたヒューマン・ドラマ。2008年のオリンピック開催を前に目覚しい発展を続ける北京、夜勤労働者の老二(ラオ)は、口うるさい妻や反抗的な息子より、無条件で慕ってくれる愛犬のカーラが可愛くて仕方がない。
しかしある晩、カーラを連れた妻は、未登録で犬を飼っていたために公安の取締りに遭い、カーラを取り上げられてしまう。中国では、犬を飼うには高額な登録料のかかる免許が必要なのだが、ラオの収入ではこれは不可能な話だった。夜勤明けで戻った翌朝にラオはその事実を知り愕然とする。このままでは18時間後にカーラは屠殺されてしまう…。カーラを救うためラオは北京の町を奔走するが、息子の亮亮(リアン)までが警察沙汰をおこし…。

かつて中国では、北京などの都市部では衛生上の理由から犬を飼うことが禁じられていた。だが開放政策に伴い、90年代に入ると、ステイタスとして犬を飼う人が急増。再び衛生問題が浮上し、厳しく管理されることになった。犬を飼うためには公安への登録が義務づけられるが、その登録料が高額なため、無登録で犬を飼う人も多かった。1994年、北京市は犬の飼育の厳重制限を決定し、翌95年から一斉取締りを開始する。本作はそういった中国のペット事情を背景にして、主人公が愛犬を探すという視点から、北京の裏表の姿やそこで生活する人々の日常をリアルに切り取っていく。
主演は、チャン・イーモウ監督の『活きる』(94)でカンヌ映画祭主演男優賞に輝いた、中国を代表する庶民派のトップスター、グォ・ヨウ。製作総指揮は『ハッピー・フューネラル』(01)のヒットメイカー、フォン・シャオガン。中国映画界の実力派スタッフとキャストによる作品である。

監督
路学長(ルー・シュエチャン)
幼い頃から絵を学び、中央美術学院の附属高校に進学。その後北京電影学院監督科で学んだ。MTV、TVドラマの演出を経て、『長大成人』(97)で映画監督デビュー。2作目『非常夏日』(99)で、金鶏賞最優秀監督特別賞、第4回大学生電影節最優秀監督賞および最優秀新人賞を受賞。上海映画評論家協会が選ぶ10本に選ばれ、第52回ロカルノ国際映画祭に正式出品された。中国第六世代を代表する実力派監督。

■ 上映スケジュール・会場(各回入れ替え制)

A…『花嫁大旋風』
B…『学校へいきたい!』
C…『恋する地下鉄』
D…『胡同(フートン)愛歌/父さんの長い七月』
E…『わが家の犬は世界一』

埼玉会館大ホール(1315席)
11月5日(土) 10:30〜A/14:00〜B/16:30〜D
11月6日(日) 10:30〜A/14:00〜C/16:30〜E
*各日ともAの回: 翻訳家水野衛子氏がコーディネーターとして登場し、来日ゲストとの交流イベント
 ◆埼玉県さいたま市浦和区高砂3-1-4 TEL048-829-2471(代表)
 ◆ 最寄駅:JR京浜東北線浦和駅 徒歩6分

熊谷文化創造館さくらめいと(1000席)
11月12日(土) 10:30〜A/13:30〜B/16:30〜C
 *Bの回: 馬高彦(マ・ガオイェン)氏による二胡の演奏
 ◆埼玉県熊谷市拾六間111-1 TEL048-532-0002(代表)
 ◆ 最寄駅:JR高崎線篭原駅 南口徒歩8分

草加市文化会館ホール(1198席)
11月23日(祝) 10:30〜A/13:20〜B/16:00〜C
 *Cの回: 獨協大学専任講師(前毎日新聞中国総局長)上村幸治氏による現代の北京事情の講演
 ◆埼玉県草加市松江町1-1-5 TEL048-931-9325(代表)
 ◆ 最寄駅:東武伊勢崎線松原団地駅 東口徒歩5分

本庄市民文化会館(1200席)
11月27日(日) 10:30〜A/13:30〜B/16:00〜C
 ◆埼玉県本庄市大字北掘1422-3 TEL0495-24-2841(代表)
 ◆ 最寄駅:JR高崎線本庄駅 南口徒歩8分

■料金

一般 前売券1回券=800円/3回券=1800円
   当日券1回券=1000円
高校生以下 前売・当日1回券=500円
*前売券:チケットぴあ(Pコード474-685/一般前売1回券・3回券、高校生前売券共通)、 埼玉県庁文化振興課内彩の国さいたま中国映画祭実行委員会
各会場のチケット売り場
 *3回券は前売のみ。3回券は複数人での同時使用ができます。

問合せ先:
彩の国さいたま中国映画祭実行委員会事務局(埼玉県総合政策部文化振興課内)
 TEL048-830-2884 E-MAIL a2875-04@pref.saitama.lg.jp

公式 HP >> http://www.pref.saitama.lg.jp/A02/BP00/film_fes/movie2005/




『第6回東京フィルメックス』

期間:11月19日(土)〜11月27日(日)
場所:有楽町朝日ホール、東京国立近代美術館フィルムセンター大ホール、シネカノン有楽町
   東京国際フォーラム・ホールC(11月19日のみ)
チケット発売:11月3日よりチケットぴあにて発売開始
前売:1200円 当日:1500円(オープニング上映のみ前売:1400円 当日:1700円)
東京国立近代美術館フィルムセンター大ホールは当日券のみ

「映画大国スイス 1920’s-1940’s」開催概要>*第6回東京フィルメックス特集上映

 スイス映画の曙の黄金時代は、また同時に、スイスの持つ多言語的アイデンティティと永世中立国という政治的特性を背景に、ロシアやヨーロッパの映画人たちが当地で才能を発揮した時期でもありました。ジャック・フェデー、セルゲイ・M・エイゼンシュテイン、ダグラス・サークといった世界的に名だたる巨匠たちの知られざる足跡を辿る、映画史のミッシング・リンクともいうべき傑作群です。

期間:2005年11/19(土)〜11/27(日)
会場:有楽町朝日ホール、シネカノン有楽町
主催:特定非営利活動法人 東京フィルメックス実行委員会
共催:朝日新聞社/J-WAVE/テレビ朝日
協力:スイス大使館、スイス・フィルムズ、スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団、東京国立近代美術館フィルムセンター

入場料金:前売券1,200円、当日券1,500円 *各回入替制 *全作品日本語語字幕付き
お問合せ:東京フィルメックス事務局 Tel:03-3560-6394(平日のみ11:00〜19:00)

<タイムテーブル>
■有楽町朝日ホール
11/21(月) 19:00 「雪崩」 *伴奏付き上映
11/22(火) 10:30 「魂を失へる男」
13:00 「婦人の困苦と幸福」
16:00 「最後のチャンス」
19:20 「霧笛」
11/23(水) 10:30 「霧笛」
11/25(金) 10:30 「アコード・ファイナル」
11/26(土) 19:00 「アコード・ファイナル」
11/27(日) 10:30 「婦人の困苦と幸福」
12:20 「魂を失へる男」
■シネカノン有楽町
11/25(金) 21:15 「最後のチャンス」

公式 HP >>

特別記事第6回フィルメックス ラインナップ発表記者会見もご覧下さい。


「松竹110周年祭 日本の美がここにある」
第6回東京フィルメックス コーポレーション企画
期間:11月19日〜12月16日
会場:シネスイッチ銀座
110周年を記念して、よりすぐりの41本を上映。今は失われてしまった風景、美しい女優たち、懐かしい暮らしなど、映画の中に描かれる日本人が本来もっていた繊細で奥深い「日本の美」を再発見して下さい。
ニューヨーク、ベルリン、香港などの映画祭でも上映され好評をはくしたそうです。
上映作品:「幸福の黄色 いハンカチ」「砂の器」「秋津温泉」「二十四の瞳」「野菊の如き君なりき」「切腹」など


『ベルベット・レイン』(原題:江湖)
監督・原案:ウォン・ジンポー
脚本:トゥ・チーロン
撮影:チャーリー・ラム、ケニー・ラム
音楽:マーク・ロイ
美術監督:ウォン・ヤンクァイ
美術:ラム・チン
衣裳:ペトラ・クォック
アクション指導:トン・ワイ
キャスト:アンディ・ラウ(ホン)、ジャッキー・チュン(レフティ)、ショーン・ユー(イック)、エディソン・チャン(ターボ)、エリック・ツァン、ウー・チェンリェン、リン・ユァンほか

イックとターボは暗殺者を決めるくじ引きに参加するため、会場のディスコに向かう。 兄を黒社会の抗争で殺されているイックは、暗殺を成し遂げてのし上がることを夢見ている。 「当たりくじ」は借金を抱える若い娼婦ヨーヨー(リン・ユァン)だった。 ホンは黒社会の大ボス、暗殺の噂を聞きつけるが動じない。初めての子供も生まれ、 配下をまとめてこの場をしのごうと考えている。兄弟分のレフティは、 妻子のあるホンに外国へ逃げろ、自分が始末をつけると言う。

監督はこれが商業映画第1作のウォン・ジンポー。 スタイリッシュな映像で第2のウォン・カーワイと言われているそうです。 たしかに「他の人と違うことをやるぞ」という感じがします。 製作総指揮に主演のアンディ・ラウ、香港芸能界の先輩のアラン・タム。 プロデューサーにエリック・ツァン。 アンディ・ラウとジャッキー・チュンは『今すぐ抱きしめたい』以来、16年ぶりの義兄弟役共演。 ショーン・ユーとエディソン・チャンが加わって「新旧の四天王」とプレスにあり、 アンディとジャッキーもベテランの域に入ってきたか・・・と感慨深い。 この二人が並ぶとなんだか嬉しいですね(ミーハー)。 『龍城恋歌』でも思ったけれど、ウー・チェンリェンもすっかり貫禄。 『アンディ・ラウの逃避行』を見直したくなりました。リン・ユァンが歌う耳に残る挿入歌は、 台湾の陳昇(ボビー・チェン)の「把悲傷留給自己」。 最後に流れる「兄弟」は、本編にも顔を出している杜[(さんずい)文]澤(チャップマン・トゥ)がなかなか男っぽく歌っています。(白)

★香港電影金像奨 最優秀新人監督賞受賞

2004/香港/85分/ビスタ/カラー

配給・宣伝:日活株式会社
http://www.nikkatsu.com/movie/index.html

公式 HP >> http://www.velvet-rain.com/


★10月8日よりシネ・リーブル池袋、新宿トーア、銀座シネパトス他にて全国公開!!
特典つき前売り券発売中 (特製プレス、クリアファイル4種類のうちどれかひとつ)


『殴者』
監督:須永秀明
原作:田中雄一郎
脚本:伴一彦
出演:玉木宏、陣内孝則、水川あさみ、虎牙光揮、篠井英介、ヴァンダレイ・シウバ、桜庭和志、クイントン・ランペイジ・ジャクソン、高山善廣、ドン・フライ

時代は明治初期。ピストル愛次郎率いる雷一家は芸者の置屋、地下賭博・殴合、そして胸患いに効く浅黒丸の原料として死体の肝を取引し、生業としていた。 愛次郎の影のような腹心・暗雷は、子供の時に父親を愛次郎に殺され、彼のもとで育てられた。同様に親を殺され、置屋で育った月音。互いに心を寄せながら、愛次郎に支配されどうすることもできないでいる。
雷一家は蟷螂一家がイギリス人商人と組んでキニーネという薬の販売をしようとしていることを知る。暗雷はそのイギリス人に接近し、月音を差し出して契約を奪い取る。 それを知った蟷螂一家は殴り込んでくるが、暗雷は殴合で決着をつけようと提案し、イギリス人の館で殴合3本勝負が行われる。しかしその試合の裏には別の思惑があった。


基本的に格闘技が嫌いだ。人が殴り合って痛い思いをしているのを観て、何が楽しいのかと思っている。だからこの映画を観る前は、自分には合わないだろうなぁと思っていた。
ところが、意外にも楽しめてしまった。それは登場人物の心情が、きちんと伝わってくるからだ。暗雷が父を殺した男でありながら愛次郎に尽くす理由も、愛次郎の暗雷に対する倒錯気味の愛情も、 そして月音がとった行動も、一見分かりにくそうでいて、筋道が立っている。また、虎牙光揮が演じる殴合のファイター(殴者)が、 自らが闘い続ける理由を述べるシーンでは、そうやって集中を高めて生きる実感をえる道もあるんだなとちょっと納得。
本物の格闘家も沢山出てくるが、ほとんど演技せず(桜庭和志だけちょっとしてるが結構自然)、闘いに集中しているのも功を奏してるかも。 (梅)

主演の玉木宏くんは、濃い面々の中でひっそりとした感じです。そういうクールな役。若い水川あさみさんがどっきりするほど妖艶で、着物が似合っていました。この二人の歩く橋がちょうど歌舞伎の花道か、彼岸と此岸をつなぐ橋かと思えて切なさひとしおでした。(白)

2005年/日本/35mm/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSR
製作:ドリームステージピクチャーズ、アーティストハウス
配給・宣伝:ワイズポリシー

公式 HP >> http://www.nagurimono.com/

★9月23日〜、テアトル新宿、テアトル池袋ほか全国拡大ロードショー


『トゥルーへの手紙』(原題:A Letter to True)
監督・脚本:ブルース・ウェバー
製作総指揮:ナン・ブッシュ
出演:トゥルーをはじめとするゴールデン・レトリバー、ダーク・ボガード、エリザベス・テイラー、ハービー・フレッチャー
ナレーション:ジュリー・クリスティ、マリー・フェイスフル

80年代、写真家として世界的な名声を得たブルース・ウェバーは、映画制作にも多くの情熱を注いできた。
ジャズ・ミュージシャン、チェット・ベイカーの素顔に迫った『レッツ・ゲット・ロ スト』(88)で、数々の賞を受賞したそんな彼の最新作『トゥルーへの手紙』は、これまでのどの作品とも異なる新たな境地を切り開いた。
彼が愛犬トゥルーに宛てた手紙の形で、9・11のテロ以降の混迷する世界のなかに愛と希望の光を見つけようとする珠玉のシネ・エッセイ。


トゥルーはウェバーの愛する家族、4頭のゴールデン・レトリバーの末っ子(犬)。

浜辺を駆け回る彼らの姿を見ているだけでもなんだか和んでしまいます。
50年代、60年代のスローバラードやジャズの名曲とシンクロしながらコラージュ的な映像が流れます。犬と人間との友愛をテーマに、『名犬ラッシー』『名犬リンチン チン』の名場面、なんとキング牧師の演説も挿入されていました。「9・11のテロ事件以来すべては変わってしまった」というウェバーから送られる、愛と平和の祈りの込められたホーム・ムービーのような作品。(白)

2004/アメリカ/カラー・B&W/78分/ヴィスタサイズ/配給:キネティック

公式 HP >> http://www.alettertotrue.com/

★10月1日(土)、シネマライズほか全国順次ロードショー!

◆ブルース・ウェバー展“The True Store and Gallery”
 ○2005 9・16(金)〜10・30(日)
 ○入場料¥1000 映画『トゥルーへの手紙』鑑賞券とのセット券¥2000
 ○青山旧紀ノ国屋跡地に特設ミュージアム
   「表参道」駅B2出口より徒歩1分
 ●愛犬と一緒に楽しめるカフェもあります

★ブルース・ウェバー初来日記念 『トゥルーへの手紙』ブルース・ウェバー監督ティーチイン付先行上映会!
 ●9月16日(金)19:40開場 20:10開映(22:00終了予定)

先行上映会の鑑賞券は、チケットぴあ店頭窓口とインターネット@電子チケットぴあ
のみでの販売に限らせて頂きます。9月10日(土)からお一人様2枚まで発売します。

鑑賞券は、2000円均一。*特別鑑賞券(前売券)はご使用頂けません。
※チケットぴあのお店→http://t.pia.co.jp/shoplist/ ※@電子チケットぴあ→http://pia.jp/t



『TKO HIPHOP』
監督:谷口則之
音楽:鶴橋裕昌
グラフィティ:ESTRK(ACC,PLANETS)
出演者:山根和馬、武田航平、石川佳奈、小谷嘉一、三浦誠己、阿部亮平、新田亮、DANGEROUS.ORIGINAL, DJ AMEKEN, CORN HEAD, ESTRK(ACC,PLANETS), タイプライターfrom 254

フリーターの剛と雅志は、大物新人ラッパーAPIとクラブでケンカになり、勢いで剛はラップバトルを宣言してしまう。しかしラップなどやったことも無い彼は雅志を無理矢理DJにしてラップの特訓を始める。クラブに集う怪しげな人間たちの後押しを受け、対決の舞台へと向かう二人。しかしこの対決が二人の人生を思わぬ方向へと導いてしまう。

ラップミュージック初心者のわたしにとっては、ラップとDJの特訓をする様子が面白かった。おそらくそれまであまり勉強などしてこなかっただろう主人公が、ラップの詩を書くために一所懸命国語の辞書を引いているのも微笑ましい。そして彼が書く詩がなかなかどうして、よろしいのです。
プロジェクター上映ということもあり、デジタルビデオ撮影と思われる映像の質や音が、残念ながら今ひとつ。でも主役の二人が、全くタイプが違うけど、どちらもなかなか魅力的でグッドです。日本のHIPHOP界を代表するアーティストたちも多数参加しています。(梅)

2005年/日本/プロジェクター上映/90分

公式 HP >> http://www.tko-hiphop.jp

★10月1日よりシブヤ・シネマ・ソサエティにて上映


『KAWASAKI しんゆり映画祭』
KAWASAKI しんゆり映画祭2005 開催!
はじまる 新・ゆりシネマパラダイス

KAWASAKIしんゆり映画祭とは、 市民プロデューサーが企画・運営をするという新しい形の映画祭として定着・発展し、 今年で11回目を迎えます。 今年は、これまでの10年の物語をさらに豊かにし、 スタートとチャレンジの年と位置づけて新たな企画に取り組みます!

折しも’07年4月には、映像ホールを備えたアートセンター(仮称)が新百合ヶ丘にオープン! 目指すは誰でも様々な映画を楽しめるコミュニティ・シネマの具現化、 『新・ゆりシネマパラダイス』です。

今年の映画祭では、映画が持つ“多様であることの豊かさ”を感じられる企画・編成を心がけ、 秀作31本を一挙上映いたします。

さらに、監督・俳優などによるトークやシンポジウム、ミニコンサート、 映画おもしろ講座のほか、「映画祭フェア」の実施など多彩な企画もご用意。 映画を軸にしたコラボレーションにより、感動を分かち合い、 新たな活力を生み出す「映画の祭り」を、ぜひご堪能ください!!


■KAWASAKI しんゆり映画祭
【期間・場所】
・10/1(土)、9(日)、10(祝):新百合21ホール
・10/7(金)〜9(日):ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘

■主催/川崎市・芸術のまちづくり推進委員会
■企画・運営/KAWASAKIしんゆり映画祭実行委員会

公式サイト: http://www.siff.jp/



『セブンソード』(原題:七剣/SEVEN SWORDS)
監督:ツイ・ハーク
アクション監督:ラウ・カーリョン
製作:リー・ジョウイ、 マー・ジョンジュン、 パン・ジージョン、 ツイ・ハーク
製作総指揮:レイモンド・ウォン、ホン・ボンチュル、 チャン・ヨン
脚本:ツイ・ハーク、 チェン・チーセン、 チュン・ティンナム
撮影:キョン・クォッマン
音楽:川井憲次
武術指導:スティーブン・トン・ワイ、 ホン・ヤンヤン
美術:エディ・ウォン
衣裳:ブーン・ウィンヤン
原作:リャン・ユーシェン  「七剣下天山」 徳間文庫
キャスト:出演: レオン・ライ(ヤン・ユンツォン/青幹剣)、ドニー・イェン (チュウ・チャオナン/由龍剣)、 チャーリー・ヤン(ウー・ユエンイン/天瀑剣)、 ルー・イー(ハン・ヂィバン/舎神剣)、 ラウ・カーリョン(フー・チンジュ/莫問剣)、 ダンカン・チョウ(ムーラン/日月剣)、 タイ・リーウー(シン ・ロンヅ/競星剣)  スン・ホンレイ(風火連城)、キム・ソヨン(緑珠)、チャン・チンチュー(リィウ ・ユイファン 、パイ・ピアオ(リィウ・ジンイー)、チー・クワンチュン(チィウ ・トンルオ)ほか

1660年代、明が倒れ清王朝が築かれた。不満分子を鎮圧するため、新政府は武術の研究と実践を禁ずる「禁武令」を発布する。元軍人の風火連城はこの混乱に乗じて私腹を肥やそうと、「禁武令」を掲げて手下を率い略奪と殺戮を繰り返していた。
反清王朝の一派がひっそりと住む武荘にも、その手が伸びようとしていた。明王朝時代の処刑人であったフー・チンジュは殺された村民の名札を集めて逃げる際、追っ手により深手を負う。たまたまその場に出くわしてしまった武荘の娘ユエンインも襲われるが、フーによって助けられる。ユエンインはフーを連れ帰り手当てをする。 フーの過去を知る村民は警告に耳を貸さず、厄災をもたらしたとして処刑しようとする。ユエンインは頭領の娘ユイファンに後を頼み、村の若者ジィパンと二人でフーをうまく連れ出す。フーは村を救う道は一つだけと説き、天山の晦明大師を訪ねて助力を願い出た。大師は一行3人と、自分の4人の弟子にそれぞれ似合いの7振りの剣を与え、ここに「七剣士」が生まれた。


原作の梁羽生はもともとは新聞記者で金庸も同僚だったそう。早くに作家生活に入り 「白髪魔女伝」などの武侠小説を次々と発表しています。ツイ・ハーク監督は1970年代に「七剣下天山」を読み、すぐに映像化したいと思ったそうです。広く長く愛読されてきた小説を映画化するのは、もしかしたらオリジナルを作るより大変なことかもしれません。
本国では親しまれているストーリーでも、日本では殆ど知られていません。時代背景や人物を把握するだけでも大変です。しかし、ビジュアルと音楽、アクションに圧倒されました。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』をほうふつとさせる狭い空間でのアクションは出色。ラウ・カーリョン、ドニー・イェンのアクションに加えて、京劇の俳優というタイ・リーウーの動きも綺麗です。KISSか聖飢魔IIのような扮装の悪人たちの非道ぶりより、七人の剣士のエピソードがもっと語られれば良かった。2部に分かれてもいいので、じっくり観たいと思いました。公式HPで予習をした方がわかりやすいです。(白)

2005/香港/カラー/153分/SRD/DTS/SDDS
配給:ワーナー・ブラザース映画

公式 HP >> http://wwws.warnerbros.co.jp/sevenswords/

★10月1日(土)より渋谷東急ほか全国ロードショー
特別記事『セブンソード』舞台挨拶もご覧下さい。


『アバウト・ラブ/関於愛(クァンユーアイ)』

アジアの3つの都市を舞台に、留学生と、そこで暮らす異性との出会いを描いた3つの愛の物語。

東京編『[イ尓]好(ニイハオ)』
監督:下山天
脚本:長津晴子
キャスト:伊東美咲(美智子)、チェン・ボーリン(ヤオ)、市川由衣(由果)、ヤン・ルイほか

ヤオは漫画を勉強したくて台湾から東京にやってきた。なかなか描けずにいたある日、 渋谷のスクランブル交差点で、落とした画材を拾い集める若い女性を目にする。 その女性アーティスト美智子は、連絡の来ない恋人からの電話を待っていた。 別の日にすれ違った美智子の頬に涙があるのをヤオは見てしまう。

このお話では絵が大事なアイテムになります。 自分の心情が現れる美智子の風景画とヤオの描く似顔絵(1枚目がいい!)です。 直接言葉を交わさなくても、観客には2人の気持ちがわかります。 いつ出会えるのだろうと気を持たせるすれ違いも程よいです。

台北編『謝謝(シェシェ)』
監督・脚本:イー・ツーイェン監督
キャスト:メイビス・ファン(アスー)、加瀬亮(鉄ちゃん)、アラン・クオほか

アスーは真夜中に一人本棚を作っている。近所から苦情が来てもやめようとしない。 ようやく出来上がったが、重くて一人では動かせなかった。 アスーはバーのコースターを見つめ、電話をかける。 「鉄ちゃん、すぐに来てくれない?」鉄ちゃんは期待に胸膨らませて、バイクで駆けつける。

記者会見では、メイビス・ファンが大人っぽくなっていて驚きましたが、 映画ではアイドルだったころと変らない可愛らしさを見せています。 そして加瀬くんの表情がとてもいいです。画面の中で輝く人ですね。 手のかかる女の子と気のいい男の子のやりとりがおかしいです。

上海編『再見(ツァイチェン)』
監督:チャン・イーバイ
脚本:シェン・ウェイ
キャスト:リー・シャオルー(ユン)、塚本高史(修平)、リー・シャオジャーほか

高校生のユンは下町の雑貨屋の娘。日本から修平が2階の間借り人としてやってくる。 中国語を勉強中の修平はこまごまとした買い物をユンに頼み、ユンは話すうちに少しずつ彼のことを意識するようになっていた。ある日修平あての小包が届き、 バイト先へ届けたユンはそれが修平の恋人からのものと知る。

高校生を演じたリー・シャオルーは1981年生まれ。 実年齢と同じ少女を演じた『シュウシュウの季節』で高い評価を受けました。 それからもう7年経っていますが、この作品での恋する高校生役も切なさ、 いじらしさが良く出ていて泣かせました。

(白)

2004/日中合作/102分/ビスタサイズ/カラー/DTSステレオ
配給:ムービーアイ エンタテインメント

9月17日(土)よりロードショー

本誌65号に記者会見を掲載します。


『頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE』
製作 … アンドリュー・ラウ
監督 … アンドリュー・ラウ/ アラン・マック
脚本 … フェリックス・チョン
原作:しげの秀一「頭文字<イニシャル>D」(講談社「ヤングマガジン」連載中)
キャスト:藤原拓海… ジェイ・チョウ / 茂木なつき… 鈴木杏/ 高橋涼介… エディソン・チャン/ 中里 毅… ショーン・ユー/ 藤原文太… アンソニー・ウォン/立花樹… チャップマン・トウ/ 立花祐一…ケニー・ビー/須藤恭一… ジョーダン・チャン/ 岩城清次… リュウ・ケンホン

藤原拓海は、ガソリンスタンドでアルバイトをし、自分の車を買うことを夢みる高校生。 豆腐屋を営む父・文太は、過去に明名峠最速の走り屋と言われた伝説の男。 文太は拓海に家業の豆腐をハチロク(トヨタAE86)で迅速に配達させることで、 知らず知らずのうちにドライビング・テクニックを教え込んでいたが、 拓海のもっぱらの興味は幼なじみでアイドル的存在のなつきとの初デート。 一方、「妙義山ナイトキッズ」のリーダー中里毅や、 「赤城レッドサンズ」のリーダー高橋涼介などが次々と拓海にバトルを挑んでくる・・・。

原作は、1995年に「ヤングマガジン」(講談社)で連載されるやいなや人気爆発の 「頭文字<イニシャル>D」。この6月6日に31巻が発売され、コミック総売り上げ部数は、 なんと3900万部! 実写化不可能と言われたレーシングコミックの金字塔を、 香港映画『インファナル・アフェア』のスタッフ・キャスト陣が見事に映画化。 昨年7月1日に開かれた制作発表記者会見 (シネマジャーナル62号に報告記事)で、 ずらりとならんだ豪華な監督・俳優陣に、どんな映画ができるのか、ほんとに待ち遠しかった。 日本語吹き替え版とのことで、生の声が聞けない・・・と、ちょっとがっかりしながら観にいったら、 思いのほかしっくり。思えば、舞台は日本だし、しかも生の声のままだと、 広東語、中国語、日本語、英語・・・と、とんでもない会話になるわけで、日本語吹き替えで正解。 若い子たちもそれぞれよかったけれど、なんといっても、 アンソニー・ウォンが中年男のちょっぴりスケベな雰囲気をかもし出していて、よかった!(咲)

2005年 / 香港映画 / 109分 / カラー / シネマスコープ / ドルビーデジタル、ドルビーSR
配給:ギャガ・コミュニケーションズ Powerd by ヒューマックスシネマ
提供:ギャガコミュニケーションズ×エイベックスエンタテインメント

公式 HP >> http://www.initial-d.jp/

★9月17日(土)より シネマミラノ他全国ロードショウ

ジェイ・チョウ 日本デビューアルバム「Initial J」8月24日発売
「頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE」のテーマ曲、エンディング曲を加 えた全12曲によるベスト盤 ◆緊急告知! 「D」軍団凱旋!ハチロク登場のフリーイベント開催!
  夏休みの最後は、シネシティ広場に集合!!
■日時:8/29(月) 
■場所:シネシティ広場 @新宿歌舞伎町
■登壇者:ジェイ・チョウ、鈴木杏、エディソン・チャン、 ショーン・ユウ、アンソニー・ウォン(予定)



『ルパン』原題: ALSENE LUPIN
監督:ジャン=ポール・サロメ 『ルーヴルの怪人』(2001)
共同脚本:ジャン=ポール・サロメ、ローラン・ヴァンショー
撮影:パスカル・ダリオ
編集:シルビー・ランドラ
美術:フランソワーズ・デュペルテュイ
衣装:ピエール=ジャン・ラロック
音楽:デビー・ワイズマン
キャスト:ロマン・デュラス(アルセーヌ・ルパン)、クリスティン・スコット・トーマス(ジョセフィーヌ・カリオストロ)、パスカル・グレゴリー(ボーマニャン)、エヴァ・グリーン(クラリス)ほか

1884年、ドルー・スービーズ公爵邸。少年が父親にボクシングを教わっている。 父はテオフラスト・ルパン。少年はアルセーヌ・ルパンである。 母親の実姉である公爵夫人の城館で世話になっているが、泥棒の疑いをかけられた父は窓から逃げ出し、 夜中に密かに戻ってくる。アルセーヌは父の指図どおり、 公爵家の家宝となっていたマリー・アントワネットの首飾りを盗み出すのに成功する。 しかし翌朝、顔の判別もできないほど損傷した父の遺体が見つかり、 母子は喪も明けぬうちに城館を追い出されてしまう。 そして時が過ぎ、20歳になったアルセーヌは、ラウール・ダンドジレーと名乗り、 豪華客船のパーティに現れる。

あまりにも有名なシリーズの原作から「カリオストロ伯爵夫人」の巻を主に、 他の作品のモチーフをちりばめながら、この作品が完成。愛読者なら思わずにんまりするでしょう。 ルパンを演じるのは、映像テストで監督が彼こそがヒーロー!と認めたというロマン・デュリス。 フランス映画祭でも出演作3本が上映される人気です。 若き日のルパンは従妹クラリスを愛しながらも束縛を拒み、 妖艶なカリオストロ伯爵夫人のとりこになってしまいます。 伯爵夫人を演じるクリスティン・スコット・トーマスの美貌と存在感は、 カルティエの宝石にも負けていません(それ、言い過ぎ?)。 クラリス役のエヴァ・グリーンは『ドリーマーズ』でデビュー、 『キングダム・オブ・ヘブン』ではオーランド・ブルームを愛するエルサレムの女王でしたね。(白)

2003/フランス/132分/SRD/シネマスコープ/翻訳:古田由紀子/ノベライズ:メディアファクトリー
配給:日本ヘラルド映画
協力:ユニフランス東京  特別協力:Cartier

[フランス映画祭 横浜2005] 出品作品。 6/18、6/19上映予定(前売り完売、当日券狙いで)

★9月17日(土)、テアトルタイムズスクエアほか、9月23日(祝)にて全国超拡大公開

公式 HP >> http://www.arsene-lupin.jp/



『山中常盤』
監督 羽田澄子
作曲・三味線:鶴澤清治
作調・小鼓・打物:仙波清彦

江戸初期に岩佐又兵衛によって描かれた絵巻物『山中常盤』(やまなかときわ)。舞台は平安末期、平家に敗れ斬首された武将源義朝の未亡人常盤御前が、東北平泉の奥州藤原氏に預けられている牛若丸(義経)に会いに行く道中、山中宿で山賊に虐殺されてしまい、その仇討ちをするまでの物語。

既に古浄瑠璃が絶えてしまったということで、文楽の鶴澤清治先生に新たに浄瑠璃をつけてもらったそうで、映像と浄瑠璃が相まって、とても迫力ある作品に仕上がっている。劇場で、トーキー映画の弁士さんではないけれど、生の浄瑠璃演奏付きで上映して欲しい作品。

日本/2004年/カラー/100分
自由工房配給

公式 HP >> http://jiyu-kobo.cocolog-nifty.com/emaki/

★9月10日より10月14日まで ポレポレ東中野にて公開


2005年9月17日〜


『サマータイムマシン・ブルース』
プロデュース・監督:本広克行
原作・脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:瑛太、上野樹里、与座嘉秋、川岡大次郎、ムロツヨシ、永野宗典、本多力、伊藤唯、佐々木蔵之介 ほか

2005年8月19日、くそ暑い夏休みの一日。大学のSF研究会の部室ではちょっとしたハプニングから、大事な大事なクーラーのリモコンが壊れてしまった。その翌日、うだるような暑さで、皆が我慢の限界に達しようとしていた時、部室の片隅に奇妙な機械が置かれているのに気がつく。それはなんと本物のタイムマシンだった!なぜここに?いったい誰が?と、基本的な疑問はうっちゃっておいて、とりあえず昨日に行って壊れる前のリモコンを取ってこようということになる。ところがそれが、大騒動の始まりだった。

『踊る大捜査線 THE MOVIE』の本広監督が、自身が好きな演劇と映画のコラボレーションをしたいと考えて立ち上げた企画「playxmovie(プレイ・バイ・ムービー)」の第一弾として放ったのがこの作品。
元々は京都の劇団「ヨーロッパ企画」の舞台劇で、本作の脚本もそのヨーロッパ企画の上田氏が書いていて、劇団員は出演もしている。
タイムマシンものというと、その目的が人類滅亡の阻止だったり、とにかくスケールの大きな映画が殆どだが、これは他に類を見ないくらいスケールがちっちゃい。何しろ目的が「壊れる前のクーラーのリモコンを奪還する」で、昨日と今日を何度も往復するのだから。ところがこの映画、観ると果てしなく続く時の流れに想いをはせて、意外なほどのスケール感を感じさせてくれる。同時に短い青春の夏の日の思い出のようにも感じる。タイムマシンが現れるまでは、たるーく進むが、沢山の布石があるのでお見逃しのないように。多少説明が過ぎる部分はあるものの、私は『踊る・・・』シリーズよりも面白いと思った。(梅)

企画・制作プロダクション:ROBOT
製作:ROBOT、東芝エンタテインメント、博報堂DYメディアパートナーズ、IMAGICA
配給:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://stmb.playxmovie.com/

★9月3日(土)〜、渋谷アミューズCQN、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋 他にて オモシロすぎロードショー
特集記事『サマータイムマシン・ブルース』舞台挨拶はこちら
劇場がクーラーリモコンで溢れる!
映画を見ながら省エネ!?
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映画の中のキーアイテムである映画のキーアイテムである、クーラーリモコンを持参された方は¥1,000-均一で映画が鑑賞出来るという、 "クーラーリモコン"割引サービス。
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※"クーラーリモコン"割引に関しては、実施していない劇場もあります。 事前に劇場へお問い合わせ下さい。。


『ボム・ザ・システム』
監督・脚本:アダム・バラ・ラフ(初監督作品)
音楽:EL-P
出演:マーク・ウェーバー、ギャノ・グリルズ、ジャクリン・デ・サンティス、リー・Q

19歳のアンソニーはグラフィティ・ライター“ブレスト”として、ニューヨークでは最高の評価を受けていた。NY市警の落書き取締班の追跡をかわしながら、ジャスティン、ケビン兄弟らと街中の壁に作品を描いて名を記す。しかしアンソニーは、グラフィティを続けるのか、合格した美術大学へ進学するのかで悩んでいた。
ある日、ケビンが逮捕され顔を傷つけられてしまった。ジャスティンは怒り警察に“戦争”をしかけていく。しかしそれは思わぬ悲劇を生んでしまう。


「グラフィティ」とは、街の壁に記される芸術的な落書きのこと。「スプレー缶を買うな、キャンパスに描くな、正体を明かすな ー それが、ライターの掟」とチラシにあり、「それって犯罪じゃない!」と思うのだが、貧民街で育った彼らが貧しさから抜け出すために選べるのは、「ヤクの売人からヤクザへの道か、グラフィティライターから有名アーティストへの道で、だったらグラフィティの方がずっとましだ」という台詞があり、なるほどねと思う。
監督はこれが長編デビュー作となり、若干23歳! 名前や写真からみるとインド系アメリカンのようす。とても斬新で、カッコイイ映像を撮る。影響を受けた監督にディビッド・リンチ、ジム・ジャームッシュ、王家衛などの名が挙がっていて、確かにそんな感じします。ちょっとダークで切ない青春映画。(梅)

サンフランシスコ・インディペンデント映画祭 作品賞受賞
インディペンデント・スピリット・アワード 最優秀新人賞ノミネート
トライベッカ映画祭 正式出品作品
ロサンゼルス映画祭 正式出品作品
アトランタ映画祭 正式出品作品
アテネ映画祭 観客賞受賞

提供:ナウオンメディア 共同配給:メディア・スーツ/ナウオンメディア
宣伝:メディア・スーツ
2003年/アメリカ/91分/ドルビーデジタル/カラー/アメリカンビスタ

公式 HP >> http://www.bombthesystem.jp/

★9月3日からシブヤ・シネマ・ソサエティほかにてロードショー


『愛についてのキンゼイ・レポート』
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラほか
プロデューサー:ゲイト・マトラックス
監督・脚本:ビル・コンドン
撮影:フレデリック・エルムス A.S.C
美術:リチャード・シャーマン
編集:ヴァージニア・カッツ
音楽:カーター・バーウェル
キャスト:リーアム・ニーソン(アルフレッド・キンゼイ)、ローラ・リニー(クララ)、クリス・オドネル(ポメロイ)、ピーター・サースガード(マーティン)、ティモシー・ハットン(ゲブハルト)、ジョン・リスゴー(父)ほか

インディアナ大学の動物学の助教授、アルフレッド・キンゼイは3人の助手に、 質問の仕方を指導していた。 今までアメリカ人がタブー視していたセックスの実態について調査しようとしていたのだ。 相手がリラックスし、正直に答えるためにさまざまな工夫をし、 練習のためキンゼイや妻も回答者となる。両親との仲を聞かれて、 キンゼイは厳格な父とのできごとを思い出す。 エンジニアだった父は、キンゼイにも同じ道を望んだが、彼は大学を変え自分の好きな生物を学ぶ。 激怒した父親とは、それ以来すっかり疎遠になっていた。

「キンゼイ・レポート」は全米1万8千人にセックスについて350の項目についてインタビューし、 その結果をまとめたレポート。1948年に男性版が、その5年後に女性版が学術書として出版され、 一大センセーションを巻き起こしました。映画はキンゼイの研究時代を中心に、 子供時代から晩年までを描いています。父との確執、 生涯を通じて良き理解者となる妻クララとの出会い、大学での“結婚講座”(性教育)のようす、 つかれたように研究に没頭する様、バッシングを受けるところも紹介しています。
50余年前にあったレポートだというのに驚きますが、「男性版」では興味とともに話題になっても、 女性の性についてはまだまだタブーであったようで、「女性版」以後財団からの資金援助がなくなり、 キンゼイは苦境にたたされています。 また、科学だけでははかれないないものもあることにキンゼイは気がつきます。
1976年にはアメリカで「ハイト・リポート」、 日本でもこれをたたき台にした「モア・リポート」が雑誌「MORE」 の読者アンケートにより刊行されています。どちらもちゃんと読んではいませんが、 話題だったことだけは覚えています。リーアム・ニーソンの学者っぷり、 ローラ・リニーの可愛らしさ、ピーター・サースガードの視線、 ジョン・リスゴーの告白のシーンが印象に残ります。 インタビューの方法は記者のみなさんの参考になりますよ。(白)

LA批評家協会賞男優賞受賞 ほか多数の映画賞にノミネート

2004/アメリカ・ドイツ/118分/シネマスコープ/ドルビー・デジタル/カラー/R-15/日本語字幕:林完治
宣伝:メゾン
配給:松竹

8月27日(土)、 シネマスクエアとうきゅう、シネスイッチ銀座 ほか全国ロードショー

公式 HP >> http://www.kinsey.jp/



『メトロで恋して』
監督・脚本 : アルノー・ヴィアール
音楽:パンジャマン・ビオレー
キャスト:ジュリー・ガイエ(クララ)、ジュリアン・ボアスリー(アントワーヌ)、ミシェル・オーモンほか

アントワーヌは32歳独身、売れない俳優。モンパルナスに住んでいる。 メトロでたまたま前の席に座った女性に一目ぼれ。 アントワーヌは彼女の電話番号をもらうのに成功する。 クララは28歳、作家の卵。 美しく明るい彼女はいつもストレートなのに、アントワーヌはなぜか臆病になってしまうのだった。

セーヌ河畔のデートでいきなり歌い始めたので、ちょっとビックリしました。 クララは、ジュリー・ガイエの魅力もあって監督の理想の女性像というのが頷けます。 一方アントワーヌのほうは、なんだか子供っぽくて頼りないのですが、この恋模様がリアルだと、 パリっ子の共感を集めたそうです。 いくらフランスでも誰もが恋愛巧者というわけではないのですね。(白)

2004/フランス/88分/ビスタ/ドルビー/配給:エレファント・ピクチャー

http://www.elephant-picture.jp/metro/

8月27日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー


『ジーナ・K』
監督・脚本:藤江儀全(よしまさ)
出演:SHUUBI、石田えり、ARATA、光石研、石井聰互、吉居亜希子、片岡礼子、永瀬正敏(友情出演)

伝説のストリッパー・カトリーヌはドキュメンタリー作家・荒木のカメラの前で、娘のかやの=ジーナ・Kについて語り始める。
かやのは母との葛藤から街を一人彷徨っていた時に、娼婦のニナと出会い親友となり、運命の男・菊池と出会う。やがてカトリーヌをストリッパーとして育てた宮本がかやのに自分の劇場で歌うよう誘う。かやのはジーナ・Kとしてライブハウスで人気を博していくが、宮本のシナリオ通りに作られたジーナ・Kの虚像と自分自身とがかけ離れていることに悩み始める。或る日、ニナが起こした事件のためにライブハウスは営業停止になり、かやのは歌う事からもジーナ・Kからも逃げ出してしまう。しかし、やはり歌う事でしか生きられないと気づき、菊池と共に再出発しようとするが、、、

画像提供:c)SIGLO 2005


これが初監督となる藤江儀全は石井聰互監督作品や『ハッシュ!』『わたしのグランパ』などの作品でチーフ助監督を務めていた。その実績からか、多くの良い役者が出演し、石井聰互もドキュメンタリー作家・荒木役で出演している。
「伝説のストリッパー、ジプシー・ローズが今生きていて、娘がいたとしたら」というのがこの物語の出発点なのだそうだ。その母であるストリッパー役を石田えりが演じている。自分の仕事に誇りを持ち、舞台に上がる事を選んだ娘に対して、一見冷たく突き放すかのように叱咤激励するプロとしての顔と、カメラの前で娘の事を語るときの慈愛に満ちた母の顔を見事に演じていて、心底すごい女優さんだと思った。
主演はこれが初めての演技となるシンガーソングライターのSHUUBI。劇中歌も彼女が手がけていて、「ハジマリノウタ」はとてもいい。演技の方は、序盤ちょっと固いが、後半はシックリしてきた。特にジーナ・Kとして覚醒する最後のライブシーンは、役の感情が歌に溢れ出ていて凄い迫力だった。(梅)

エンディングテーマ:「ハジマリノウタ」SHUUBI(GEMMATIKA Records/SET ME FREE Records)
2005年/日本/35mm/color/ビスタサイズ/103分/モノラル
配給・シグロ 宣伝・フリーマン

公式 HP >> http://www.gena-k.com/

★8月27日(土)より シアター・イメージフォーラムにてロードショー

本誌65号に「気になるあの人 ARATA」として役者・ARATAと『ジーナ・K』の紹介記事を掲載予定。


『奥さまは魔女』
監督・脚本・製作:ノーラ・エフロン『めぐり逢えたら』、『ユー・ガット・メール』
脚本:デリア・エフロン
撮影監督:ジョン・ロンドリー
美術監督:ニール・スピサック
音楽:ジョージ・フェントン
キャスト:ニコール・キッドマン:イザベル・ビグロー/サマンサ)、ウィル・フェレル(ジャック・ワイヤット/ダーリン)、シャーリー・マクレーン(アイリス・スミスソン/エンドラ)、マイケル・ケイン(ナイジェル・ビグロー)、ジェイソン・シュワルツマン(リッチー)、クリスティン・チェノウィス(マリア)、ヘザー・バーンズ(ニーナ)ほか

主演映画がこけてTV落ちした映画俳優ジャックは、テレビの人気番組「奥さまは魔女」のリメイクでダーリン役が決まる。 自分が目立つように、新人女優をサマンサ役にと物色するがなかなか決まらない。 鼻の動き(ぴくぴくさせるアレ)に惚れこんで、自らスカウトしたイザベルはなんと本物の魔女だった! 彼女は普通の人間のように、魔法を使わず普通の生活をし、普通に恋することに憧れていた。

60年代から70年代にアメリカで放映され、日本のお茶の間でも大人気だった「奥さまは魔女」を、 映画の中でTV番組としてリメイクする話です。 劇中劇のように実際の撮影風景が出てきて、スタジオに詰め掛けている観客やスタッフまでもが大笑いしていたりします。 旧作の場面も出てきて、いやー、懐かしい!

ダーリン役のウィル・フェレルは全然観た覚えがなかったのですが、「サタデー・ナイト・ライブ」のレギュラーを長くつとめた人気コメディアン。 魔法にかかった場面のテンションの高さといったら。 そしてニコール・キッドマンがとても楽しそうでキュートなのです。 父親役のマイケル・ケインはこのところあちこちで見ますね。 大女優役のシャーリー・マクレーンがまたTVのエンドラそのまんまです。 試写会でもたびたび笑い声が上がりました。(白)

2005年/アメリカ/ビスタサイズ/1時間43分/SDDS・SRD

8月27日(土)より、丸の内ルーブルほか全国松竹、東急系にてロードショー!

公式 HP >> http://www.sonypictures.jp/movies/bewitched/



『南極日誌』
監督:イム・ビルソン
音楽:川井憲次(『リング』)
出演:ソン・ガンホ、ユ・ジテ、カン・ヘジョン

南極到達不能点を目指して歩みを続ける6人の隊員。80年前に遭難したイギリス隊の日誌をみつけてから不思議なできごとが続き、隊員たちはこのまま進むか戻るか意見を戦わすが、隊長は強引に目的地を目指すことを主張する。
どんなことが、待ち受けているのか…
南極を舞台に繰り広げられる狂気の物語。

韓国/2005年/カラー/115分/シネマスコープ/ドルビーデジタル
提供:シネカノン/アミューズソフトエンタテインメント/衛生劇場/博報堂DYメディアパートナーズ
配給:シネカノン

★8月27日(土)より シネカノン、渋谷アミューズCQN他 全国ロードショー公開

公式 HP >> http://www.nankyoku-movie.com/

WEB版特別記事『南極日誌』記者会見もご覧下さい。


2005年9月3日〜


『霊 リョン』Dead Friend
監督・脚本:キム・テギョン
撮影:キム・ヨンシク
キャスト:キム・ハヌル(ジウォン)、リュ・ジン(ジュノ)、キム・ヘスク(母)、ナム・サンミ(スイン)、チョン・ヒジュ(ユジョン)、チョン・ヘビン(ウンソ)、シニ(ミギョン)ほか

女子大生のジウォンは過去の記憶がない。父を亡くしてから酒びたりの母と二人暮ら し。兵役から戻ったジュノと留学の夢など話していると、高校の同級生ユジョンが訪ねてくる。共通の友人ウンソが死んだというのだ。そのときからジウォンの周りに奇妙なことが起き、見えないものが見えるようになってきた。過去の記憶をさぐるうち、ジウォンは幼馴染のスインを同級生と執拗にいじめていたことを思い出す。

これは反則でしょう、と言いたいくらいの効果音にドッキリ!心臓の弱い方はご用心。
血が出ないホラーですよ、と宣伝の方に言われてスプラッタ苦手の私は安心したけれど、み、水がたっぷり出てきます・・・。子供のころおぼれかけたもので水も怖いんでした。可愛いイメージのキム・ハヌルがいじめ役。キム・ヘスクがお母さん役なのできっと何かあるぞ、と思ってしまったあなた、初心に戻って楽しみましょう。なんちゃって、私もそう思ったんですが。暑いときの公開なので、きっと涼しくなれるでしょう。あとで「ああなってこうなって」と話すためにもお友達と連れ立ってどうぞ。撮影中にも怖いエピソードがたくさんあったようです。(白)

2004/韓国/95分/カラー/ビスタ・サイズ/ドルビーSRD
提供・配給:ハピネット・ピクチャーズ
宣伝:ハピネット・ピクチャーズ/グァパ・グァポ

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.ryon-movie.com/



『2人の5つの分かれ路』
監督:フランソワ・オゾン
共同脚本:フランソワ・オゾン・エマニュエル・ベルンエイム
撮影:ヨリック・ルソー
衣裳:パスカリーヌ・シャヴァンヌ
音楽:フィリップ・ロンビ
キャスト:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(マリオン)、ステファン・フェレス(ジル)、ジェラルディン・ペラス(ヴァレリー)、フランソワーズ・ファビアン(モニク)ほか

30代の若いカップル、夫のジルと妻マリオン。書類2枚にサインして離婚は成立した。 2人はそのまま小さなホテルに入り、隙間を埋めるかのように性急に抱き合う。 マリオンは虚しさにとらわれて背を向けてしまうが、ジルは無理やり抑えつける。 「やりなおさないか」と言うジルにマリオンは答えず黙ってドアを閉める。 そして二人の出会いへ向かって、時は過去へ過去へと遡る。

『8人の女たち』、『まぼろし』のフランソワ・オゾンが描くある夫婦の「別れ」から「出会い」。 愛の5つの季節とターニングポイントとなったできごとを時間を遡って追っていきます。 あまり饒舌ではないセリフがとてもリアルで、5つのストーリーを彩る音楽がなかなか良いです。 涙をふいたマリオンがホテルの部屋を出たときに流れるのは、ボビー・ソロの『頬にかかる涙』、 日本でもヒットしました。「愛のめざめ」「君に恋して」「煙が目にしみる」・・・ と懐かしい曲をバックに恋人だった時間まで戻り、 2度目の「スパーリング・パートナー」でエンディングです。
「こんな結末になったけど、幸せなときもあった」と思うか、「幸せだったのに、こんな結果になった」 と思うか、人それぞれでしょう。結果もまた次の始まりであります。(白)

2004/フランス/90分/ビスタ/SR、デジタル/カラー

提供:ギャガ・コミュニケーションズXテレビ東京
配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマグループ
宣伝:ギャガGシネマXクレストインターナショナル

8月20日(土)より、シャンテシネ他にて 全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/futarino/



2005年8月27日〜


『マダガスカル』
監督:エリック・ダーネル、ビル・マクグラス
脚本:マーク・バートン&ビリー・フロリック
   エリック・ダーネル&ビル・マクグラス
音楽:ハンス・ジマー
キャスト(吹き替え):ベン・スティラー(玉木宏)、クリス・ロック(柳沢慎吾)、デヴィッド・シュウィンマー(岡田義徳)、ジェイダ・ビンケット・スミス(高島令子)ほか

ニューヨーク、セントラルパーク動物園。ライオンのアレックスは園一番の人気者でステーキが大好物。 シマウマのマーティは10歳の誕生日を迎え、もっとワイルドに生きたいと思っている。 キリンのメルマンは、医者とサプリメントが好き。カバのグロリアはしっかりものの姉御タイプ。 みんな大親友だ。ペンギンの脱走を知ったマーティは、自分も外の世界をちょっと見たくなってしまう。 黙っていなくなったマーティを連れ戻そうと、 アレックスたちはそろって町へ飛び出し大騒動になってしまった!

『シュレック』、『シャークティル』のドリームワークスが製作、5月末に全米公開。 ニューヨーカーの動物達がちょっとした間違いで、マダガスカルに漂着。 初めて体験する「野生の王国」でのサバイバルのお話。 与えられた生活、食事に満足していたアレックスは自分の本能を知りません。 おなかがすいてすいて初めて、自分が肉食のライオンだと気づきます。 主人公たちのほかに4匹のクールなペンギン、 マダガスカル特産のキツネザルなど面白いキャラクターいっぱい。 お子様連れで安心して観られる夏休み映画です。 試写会場(字幕版)でのお子様たち大喜びでした。日本語吹き替え版も公開されます。(白)

配給:アスミック・エース
宣伝協力:樂舎

2005/アメリカ/ドリームワークス アニメーション提供/1時間26分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/

http://madagascar.jp/
8月13日(土)初日決定! 松竹、東急系にてロードショー


『ナチュラル・シティ』
監督・脚本: ミン・ビョンチョン『ユリョン』
出演:ユ・ジテ、ソ・リン、ユン・チャン、イ・ジェウン、ソ・リン、ソン・ドゥホンほか

人間とアンドロイドが共存する2080年。瓦礫の中の女神像の向こうには、近代都市 「メッカ・ライン・シティ」が広がっている。MRPC(メッカ・ライン・ポリス・センター) 特別捜査官R(ユ・ジテ)は脱走した有害なアンドロイドを除去するのが任務。 命がけの激務の中、クラブのショーガールのリア(ソ・リン)を愛するようになる。 しかしアンドロイドである彼女の廃棄期限が迫ってきていた。リアを人間に変えたいRは、 親友のノマ(ユン・チャン)の警告を無視して危険な闇取引に手を染めていく。

アンドロイドというと思い出すのが、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が原作の 『ブレードランナー』です。そっちの舞台は2019年で、無国籍風というか、 ほとんど香港と日本を混ぜこぜにしたような町と降りしきる酸性雨が印象的でした。 このシティにも香港の街や看板(裕華だ!)がありました。もう定番なんでしょうか。 『ブレードランナー』では、レプリカントと呼ばれたアンドロイドたち (ショーン・ヤング、ルトガー・ハウアー)が美しかったです。 この作品でリアを演じるソ・リンが、まさにお人形のような美人です。 大きな瞳に悲しみがたたえられ、こりゃ人間も惚れるでしょう。 脱走アンドロイド、サイパーのアクションが素晴らしく切れが良く、思わず目を奪われました。 解説を見るとアクション指導もしたソン・ドゥホンでした。 美人、純愛、メカにアクションと男の子の好きなものを全部詰め込みましたね、監督。(白)

2003/韓国/114分/カラー/35mm/シネマスコープ/日本語字幕:寺尾次郎

http://www.natural-city.jp/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


2005年8月6日〜


『千年湖』原題:The Legend of The Evil Lake千年湖
監督:イ・グァンフン
撮影リュウ・ユエ
音楽:イ・ドンジュン
マーシャルアーツ・ディレクター:ユエン・タク
キャスト:チョン・ジュノ(ビハラン)、キム・ヒョジン(ジャウンビ)、キム・ヘリ(ジンソン女王)、チェ・ウォンソク、カン・シニル ほか

闇と呪術が支配していた時代、パク・ヒョコセは神木を崇めるアウタの一族を滅ぼし、新羅は国家統一を成し遂げた。パクは神剣を持って怨念を封じ、戦いの地は湖となり1000年の時が流れる。長く隆盛を誇った新羅の国家は衰退し、戦乱の世となっていた。
将軍ビハランはジンソン女王の信任厚く、めざましい功績を立ててきたが、愛する娘ジャウンビとの静かな生活を望んでいる。一方、保守派はビハランの台頭をこころよく思わず、彼の留守の間にジャウンビを誘い出し、亡き者にしようとしていた。


イ・グァンフン監督は『ドクター・ボン』(ハン・ソッキュ、キム・ヘスのラブコメ)がデビュー作、『敗者復活戦』(チャン・ドンゴン、キム・ヒソン)『チャグイモ(自殺した鬼たちの集まり)』を経てこれが4作目。
実際に女帝の存在した新羅王朝を舞台に、将軍と娘の悲恋が描かれます。血しぶきや手足、首まで飛ぶ戦闘シーンが満載。香港テイストあふれたアクションで、ちょっと 『チャニーズ・ゴースト・ストーリー』を思い出しました。ユエン・タクという人は、香港の袁家班かと思いましたが、『ザ・ワン』、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』に関わったそうなので、元奎(コーリー・ユン)班の元徳のようです。
主演の二人は、こんなに激しいアクションは初体験だったでしょうに頑張っていま す。キム・ヒョジンは、イ・ビョンホンとの掛け合いが楽しかった『誰にでも秘密がある』で3女を演じていた女優さんで、なかなか迫力ありました。それにひきかえ、 後半は他の人の見せ場にとられて、チョン・ジュノがあまり活躍していません。なんだかおろおろして名を呼ぶばかり、てな印象なのが惜しいです。(白)

2003/韓国/92分/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル
提供:彩プロ/ポニーキャニオン
配給:彩プロ
宣伝:彩プロ/ライスタウンカンパニー

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.seochon.net/sennenco/



『ワースト☆コンタクト』
監督:多胡由章
脚本:サタケミキオ/祭文太郎
主題歌:スガシカオ「やつらの足音のバラード」
出演:哀川翔、板尾創路、有坂来瞳、酒井敏也、佐戸井けん太、宮本大誠、曽根英樹、団時朗、ベンガル、我修院達也

人生最大の危機に直面している極道の男・生垣幸太郎の前にどう見ても浮浪者にしか見えないが宇宙人だと名乗る男・川田が現れる。当然、川田の言葉に耳を貸さない幸太郎だが、彼らの間には少年時代のある秘密が隠されていた、、、

2005年/日本/カラー/ビスタ/93分
製作・配給:ファインフィルムズ
宣伝・配給協力:アニープラネット

公式 HP >> http://www.finefilms.co.jp/worstcontact/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『マリといた夏』(「My beautiful girl, MARI」)
監督:イ・ソンガン
製作:チャ・スンジェ
脚本:カン・スジョン、イ・ソンガン
音楽:イ・ビョンウ
声の出演:イ・ビョンホン、アン・ソンギ、コン・ヒョンジン、ユ・ドックァン、ソン・インギュ

 僕達の物語はまるで夢のようだった・・・
雪の降る日、ナムの元に幼ななじみのジュノが訪ねてきた。 仕事で海外勤務になるというジュノは、思い出の箱を届けにきたのだ。 受け取ったナムの心に、しばらく思い出すこともなかった子供の頃の情景が蘇ってきた。 ナムは海辺の村に住む内気な少年だった。 父親は事故で亡くなり、身体の弱い祖母と母と暮らしていた。友達は猫のヨーとジュノだけ。 ある日ナムは文房具やで不思議なビー玉を見つける。

韓国の映像作家イ・ソンガンの長編アニメーション第一作。
“アニメーション界のカンヌ”と呼ばれるアヌシー映画祭で2002年のグランプリを受賞。

2002/韓国/カラー/80分/ビスタサイズ/
配給:アルゴ・ピクチャーズ
★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

http://www.mari-summer.com/

Web版特別記事:『マリといた夏』監督記者会見・インタビュー


2005年8月13日〜


『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』
監督:山口雄大(『地獄甲子園』)
原作:野中英次(週刊少年マガジン)
構成:板尾創路
脚本:増本庄一郎
出演:須賀貴匡、虎牙光揮、山本浩司、渡辺裕之、高山善廣、板尾創路、金子昇、ロバート

東京都立クロマティ高校。そこは最低レベルの学力を誇る不良の巣窟。拾った鉛筆を食べちゃうのもアリな、或る意味人間離れした奴らの(いや人間じゃないと思われる奴も)たまり場だった。 そこに一人この学校を変えようと立ち上がる男、1年3組の神山。しかし彼の熱意はいつもあらぬ方向へと転がって行くのだった。

原作のマンガは読んでいないのですが、アニメは観ていて「またトンデモナイもんをアニメにしたもんだ(笑)」と思いながらも、結構好きでした。それを実写で映画化と聞いたときは「マジすか!?」不安7割、期待3割で観に行きました。
まず、主人公の神山を演じる須賀貴匡(たかまさ)があまりに原作の神山にそっくりで大受け。しかも、スットコドッコイな情熱溢れるキャラをきちんと演じているのに感心。この人、鄭伊健(イーキン・チェン)にちょっと似てる。(ってことは、イーキン∽神山なのか?)キャラ的には渡辺裕之扮するフレディのインパクトが最大。メカ沢もちゃんと実写になっているのには脱帽だが、もう少し声にインパクトが欲しかった。
クロ校の生徒が洗脳されて修練するシーンが『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』の浜辺で修練するシーンに似ていたり、70年代のテレビ番組「スペクトルマン」の悪役ゴリとラーが登場したりするあたりは、監督のこだわりなんでしょうか。(梅)

主題歌:「RUN☆BAKURATEN☆RUN」氣志團(東芝EMI) エンディングテーマ:「GORI-LLA」UNSCANDAL(キングレコード)
製作:キングレコード、クロックワークス、メディア・スーツ
制作:スープレックス
配給・宣伝:メディア・スーツ
2005年/日本映画/カラー/35mm/ビスタサイズ/85分/DTSステレオ

公式 HP >> http://www.kurokou.com/

★11月4日(土)〜11日(金) パルコ調布キネマにて上映


『ヒトラー 〜最期の12日間〜』 原題:Der Untergang /The Down Fall (没落)
監督:オリバー・ヒルシュビーゲル(『es(エス)』)
製作・脚本:ベルント・アイヒンガー
原作:ヨアヒム・フェスト(歴史家)「ダウンフォール:ヒトラーの地下要塞における第三帝国 最期の日々」、トラウドゥル・ユンゲ(ヒトラー最後の秘書)&メリッサ・ミュラー「最後の時間まで:ヒトラー最後の秘書」
主演:ブルーノ・ガンツ(『ベルリン・天使の詩』)、アレクサンドラ・マリア・ラーラ(『トンネル』)

*2005年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
*ドイツアカデミー賞最優秀男優賞(ブルーノ・ガンツ)
*ドイツアカデミー賞最優秀製作賞

本作は、世界を震撼させた独裁者アドルフ・ヒトラーを、 ドイツ人自身の目線で捉えた作品として、国内外で話題となっている。 プロデューサーであるベルント・アイヒンガーは、 2002年に出版された2冊の本(原作の項参照)に出会うことにより、 12年間に渡るヒトラーの恐るべき独裁政治の実態が、 地下要塞における最後の12日間に凝縮される形で反映されていると感じ、 本作の製作を決めたという。

1942年11月、ヒトラーの秘書候補の若い女性たちが将校に連れられて 夜中の暗い森を抜けて司令本部“狼の巣”に向かう。 トラウドゥル・ユンゲは、ナチス旗揚げの地ミュンヘン出身であることから、 ヒトラーに気に入られ、個人秘書の職を得る。 およそ2年半の歳月が経ち、1945年4月20日、迫り来るソ連軍の砲火から身を守るため、 ヒトラーはごく限られた身内や側近とともに、首相官邸の地下の堅牢な要塞に退却する。 が、情勢は悪化、側近中の側近ヒムラーやゲーリングらもヒトラーを裏切り逃亡していく。 ついに敗北を決意したヒトラーは、18年来の愛人エヴァと質素な結婚式を済ませた翌日、 二人でピストル自殺を遂げる。第三帝国の末路を見届け、 ヒトラー最後の秘書となったユンゲは、数少ない生き残りとともに地下要塞を後にする。

ラストに、年老いたユンゲ自身が登場し、 「ナチスの負の側面を、“若かったから知らなかった”という言い訳は許されない」と語る。 彼女にとって、「ヒトラーの秘書」であったことは、生涯心の奥底に潜む重荷だったのだろう。 人それぞれが人生で出会う「偶然」に翻弄されることに、複雑な思いがした。 終戦から60年、あの戦争を経験した人々の心の奥に潜む様々な思いにも心が痛む。 それでも繰り返される戦争・・・ 心の痛みをきちんと受け継いでいける世の中はいつ実現するのだろう。(咲)

2004年/ドイツ/155分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ

★2005年7月9日(土)、シネマライズ他全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.hitler-movie.jp/

ヒトラー役ブルーノ・ガンツのインタビュー
http://www.doitsu-nen.jp/MAG_JA.php?ID=103


『恋する神父』(原題:神父修業 Love So Divine)
監督:ホ・インム
脚本:ユン・ウンギョン(「冬のソナタ」)、ホ・インム
出演:クォン・サンウ(『火山高』『ひとまず走れ』「天国の階段」)、ハ・ジウォン(『ボイス』「バリでの出来事」)、キム・イングォン(『ペパーミント・キャンディー』『花嫁はギャングスター』『英語完全征服』)

キュシク(クォン・サンウ)は、1ヵ月後に神父になる儀式を控えた真面目な神学 生。夜遊びにいそしむ親友ソンダル(キム・インクォン)の巻き添えをくらって大切 な聖杯を壊してしまい、二人は田舎の小さな教会に修行に出される羽目に。到着早々 聖堂の清掃をしていたキュシクは、若い女性が聖水を飲む姿を見つけ、あわててとめ ようとしたはずみで、彼女と唇を合わせてしまう。それは、神様に愛を誓った彼に とって、初めてのキス。恋人を追ってアメリカから帰ってきた奔放な娘ポンヒ(ハ・ ジウォン)を相手に、まさに精神修行が始まる・・・。

かつて、イスラエルを旅した時、神父や牧師同行の数多くの韓国人グループに出会い、キリストゆかりの地で熱心にミサを行っている姿を見かけたのが印象的だった。 ソウルに行った時にも、夜の町のあちこちから赤い十字架が浮かび上がっていて、韓国にキリスト教が根付いていることを感じたものだ。この映画を観て、一生を神様に 捧げようする神学生がこんなにいるものなのかなと、ちょっと驚きでもあった。本作が初監督作品であるホ・インム監督自身カトリック教徒で、シナリオを書くにあたっては、何十人もの神学生たちに取材し、神学生の日常をリアルに描き出したという。 クォン・サンウも撮影前に神父による教理の講義を受け、神学校での生活を体験したが、撮影後正式に洗礼を受け、カトリック信者となった。国民の3分の1近くがクリスチャンと言われているお国柄、本作も違和感なく、すんなりと受け入れられるのだろう。
さて、日本でも、テレビドラマ「天国の階段」や「悲しき恋歌」で人気沸騰のクォン ・サンウ。普通の恋に芽生えて戸惑う神学生を、のびのびと、でも、ちょっぴり生真面目に演じている。彼のファンにとっては、たまらない映画であることは間違いない。(咲)

韓国/2004年/108分/SRD/ヴィスタ1.85
提供:ポニーキャニオン、関西テレビ放送、東芝エンタテインメント
配給:東芝エンタテインメント

公式 HP >> http://www.love-shinpu.com/

★7月16日(土)、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほかにて公開


『バタフライ・エフェクト』
監督・脚本:エリック・ブレス&J・マッキー・グルーバー
撮影:マシュー・F・レオネッティ
製作:クリス・ベンダー 製作総指揮:トビー・エメリッヒ,アシュトン・カッチャー他
音楽:マイケル・サビー キャスト:アシュトン・カッチャー、メローラ・ウォルターズ、エイミー・スマー ト、ウィリアム・リー・スコット、エリック・ストルツ、エルデン・ヘンソンほか

“バタフライ・エフェクト”とは「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻 が起こる」=初期条件のわずかな違いが、将来の結果に大きな差を生み出すという意 味の“カオス理論”の一つ。
冒頭にこの言葉が画面に現れ、誰かから逃げる男が必死で書き残すメモがアップにな る。「もし誰かがこの手紙を見つけたら、それは僕の計画が失敗した証拠−」

7歳のエヴァンは記憶喪失に陥ることがあった。学校で「将来の夢」の絵を描いてい たとき、母と一緒に過ごしていた午後、幼馴染と遊んだ地下室で・・・。
13歳のエヴァンとケイリー、トミー、レイニーたちは「ちょっとしたいたずら」を したつもりだった。エヴァンの記憶はその瞬間に飛び、母親に説明もできなかった。

レイニーに「君を迎えに来る」と約束し、エヴァンは母と街を出て行く。その後は記 憶がなくなることもなく大学生になっていた。


監督二人(脚本家出身で初監督作品)が練りに練った脚本はいくつもの展開を見せて いく。物語はスピード感溢れ、急に起こる記憶喪失(ブラックアウト)の瞬間は飛び 上がりそうになる(ドキドキ)。白紙状態で観るのがお勧めだが、観終わってからも う一度確かめたくなること請け合い。
主演で製作総指揮にも名を連ねているアシュトン・カッチャーはモデル出身、2003年 度のピープル誌「世界でもっとも美しい50人」に選出されディカプリオを抑えてトップ ページを飾った、という美形。新作も続々待機中の期待の星。(白)

公式 HP >> http://www.butterflyeffect.jp/

2003/アメリカ/カラー/ヴィスタ/SDDSドルビーデジタル/114分
配給:アートポート宣伝:リベロ
★ 10月8日(土)から14日(金)まで、新橋文化劇場にて上映中


『KARAOKE−人生紙一重−』
監督:辻裕之
脚本:石川雅也/伊藤秀裕/佐藤敏宏
キャスティング・プロデューサー:内藤三郎
撮影:小松原茂
音楽:遠藤浩二
主題歌:「光陰」LIV(UNIVERSAL MUSIC)
原作:大下英司
出演:押尾学、吉岡美穂、宇崎竜童、室井滋、小沢仁志、ベンガル、高田純次、蟹江敬三ほか
声の出演:星野仙一(元・阪神タイガース監督)

1960年代の大阪。 ロカビリーに憧れる大佑(押尾学)は父(宇崎竜童)のコネでやっと入れた証券会社を飛び出し、 ハワイアンバンドに仲間入り。 そこで、弁護士の娘の超お嬢様な洋子(吉岡美穂)に一目惚れする。 しかし洋子は父親(蟹江敬三)妨害にあってデートに来られなかった。 あきらめて武者修行の旅に出る大祐だったが、初心者が食べていけるほど世の中甘くはなかった。 空腹で倒れていたところ、人気歌手の千本木昌夫(千昌夫)に拾われ、司会の仕事にありつける。 自分には千本木のように「人に勇気や喜びを与えられるもの」 がないと痛感した大佑に千本木は言う。 「そろそろ、君も君だけの宝物を探しに出かける頃じゃないかな」と。

いまや世界の共通語となっている「KARAOKE」、 そのカラオケの機械第1号(とてもシンプル)を発明した井上大祐の半生を 魅力溢れるキャストで描いたもの。 お好み焼きやの両親(宇崎竜童、室井滋)、父親の友人のオヤジ達もいい味を出している。 特許申請を思いつかなかったばかりに、巨万の富とは縁がなかった井上氏だが、 米誌「TIME」の「今世紀もっとも影響力のあったアジアの20人」 にガンジー、毛沢東、昭和天皇とともに選ばれることにもなった。 主題歌は押尾学自身の作詞作曲&自演である。(白)

2005/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビー/113分

配給:エクセレントフィルム/リベロ
宣伝協力:フレスコ
★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://karaoke-movie.jp/

★Web版特別記事: 『KARAOKE−人生紙一重−』完成披露試写会 舞台挨拶


『ザ・インタープリター』原題:THE INTERPRETER
監督: シドニー・ポラック
製作: ティム・ビーヴァン / エリック・フェルナー / ケヴィン・ミッシャー
脚本: チャールズ・ランドルフ / スコット・フランク / スティーヴン・ザイリアン
撮影: ダリウス・コンジ
編集: ウィリアム・スタインカンプ
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
キャスト:ニコール・キッドマン、ショーン・ペン、キャサリン・キーナー、イヴァン・アタル、ジョージ・ハリス、マイケル・ライト、クライド草津ほか

アフリカ、マトボ共和国。反政府運動の指導者ゾーラと連れは、朽ちたサッカー場にやってくる。しかしそこにあったのは虐殺された死体の山だった。案内した少年は「いい一日を」と彼らに銃を向ける。
ニューヨーク、国連本部。通訳(インタープリター)として働くシルヴィア・ブルーム(キッドマン)は忘れ物を取りに戻った通訳ブースで、聞きなれない言語を耳にする。彼女の生まれ故郷、マトボ共和国のクー語で「先生は生きてここを出られない」というものだった。のちに元首の暗殺計画と知ったシルヴィアは通報するが、直後から不審なアフリカ人が身辺に現れるようになる。妻を亡くしたばかりで現場に復帰したシークレット・サービスのトビン・ケラー(ペン)はシルヴィアの調査をし、彼女が嘘をついていると直感する。


「言葉vs銃」の戦いを描きたかったという監督の熱意により、この映画は実際に国連本部で史上初めて撮影された。ただし、通訳ブースは狭すぎたため、セットになったという。シドニー・ポラック監督本人がケラーを気遣う上司役で、登場。カメラマンのフィリップ役はシャルロット・ゲンズブールの夫君であるイヴァン・アタル。マトボ共和国は実在せず、アフリカ近代史をもとに造られた仮想の国。また言語学者の協力を得て、スワヒリ語とショナ語によく似たクー語も作り出された。傷を抱えた二人の心が近づいていくのは描かれるが、ありがちなロマンスには流れず、クールな政治的サスペンス作品となっている。(白)

2005/アメリカ/カラー/シネマスコープ/2時間9分/SR/SRD/DTS/SDDS/UIP配給

公式 HP >> http://www.inpri.jp/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『楳図かずお 恐怖劇場』
『蟲たちの家』
監督:黒沢清(『CURE』『回路』)
脚本:村井さだゆき(『千年女王』『スチームボーイ』)
出演:西島秀俊、緒川たまき、内田朝陽、しらたひさこ

蓮司は自分に好意を寄せてくれる後輩・羽奈子に「妻が人間でなくなった」と打ち明け、自分だけの妄想かどうか確かめるために家に来てくれと頼むが・・・。

『蟲たちの家』
(c)2005 楳図かずお/「楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

『絶食』
(c)2005 楳図かずお/「楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

『絶食』
監督:伊藤匡史(初監督)
脚本:高橋洋(『リング』シリーズ)
出演:上野未来、中川翔子、辻本祐樹、津田寛治

憧れのあきらに告白するがフラレてしまった知子はダイエットを決意する。驚異的な絶食の末、理想的な体型になった彼女は、ついにあきらを射止めるのだが・・・。

『まだらの少女』
監督:井口昇(『恋する幼虫』)
脚本:小中千昭(『蛇女』)
出演:成海璃子、中村有沙、田中美奈子、嶋田久作

母の故郷を訪れた弓子は、いとこの京子の家に泊まるが、周囲の人々はなぜか弓子を「ヘビ女」と恐れる。


『まだらの少女』
(c)2005 楳図かずお/「楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

『ねがい』
(c)2005 楳図かずお/「楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

『ねがい』
監督:清水厚(『ねらわれた学園』)
脚本:村井さだゆき(『千年女王』『スチームボーイ』)
出演:笠原織人、遠山景織子、尾美としのり、奥村夏未

学校で友達ができない孤独な小学生・等は、ゴミ捨て場で拾った頭の形をした木片で人形を作る。モクメと名付け、友達のように大切にしていたが、そんな彼を心配した両親が等を塾へ入れる。 新しい環境で友達ができた彼は、次第にモクメの存在を持て余し始める。

『プレゼント』
監督:山口雄大(『地獄甲子園』『魁!!クロマティ高校/The Movie』)
脚本:林民夫(『ほんとうにあった怖い話』『吸血姫美夕』)
出演:高橋真維、須賀貴匡、栗原瞳、三津谷葉子

クリスマスの夜。パーティーに興じる若者たちが泊まったホテルで起こる血の惨劇。それは聖なる夜を冒涜し続ける彼らへの、サンタクロースの復讐だった。


『プレゼント』
〜 30日(金)まで 下高井戸シネマにて公開楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

『DEATH MAKE』
(c)2005 楳図かずお/「楳図かずお 恐怖劇場」製作委員会

『DEATH MAKE』
監督:太一(『ナイスの森』<石井克人監督>プロデュース)
脚本:小中千昭(『蛇女』)
出演:アリス、三輪ひとみ、中川安奈、田口トモロヲ

廃屋に集まった男女。彼らは他の人が見えないものが見えてしまう人間で、テレビディレクターの呼びかけに応じてそこに集まった。しかしディレクターは姿を現さず、そこには不気味なマスクや絵が残されていた。

楳図かずおプロデビュー50周年を記念して制作された、6本の短編からなるオムニバス映画。まず楳図氏が50年も描いてるってことが怖いくらいすごい。
楳図作品のもつオドロオドロしさを、思いっきりスプラッタな映像で見せるのは『プレゼント』。
『まだらの少女』は楳図作品からそのまま出てきたような美少女が、あの絵のまんまに恐怖の叫び声をあげています。
一方『蟲たちの家』は見事に黒沢清作品となっていました。静かに忍び寄る、底冷えのする恐怖なのです。
個人的に好きなのは『ねがい』。大切な友達だったモクメを裏切るような行為をしたために起こる恐怖は、自分も子供のときに大切にしていたぬいぐるみを処分するときに心に描いた妄想と似ていて、怖さと切なさを感じました。
『絶食』は、エンドロールの最後まで観てくださいね。ちゃんと、津田寛治さん出てきますから。(梅)

原作:楳図かずお(「楳図かずお 恐怖劇場」「妄想の花園」)
主題歌:オープニング「蝶ノ森」&エンディング「コバルトの星」 ルルティア(東芝EIM)
2005年/日本/ビスタサイズ
製作:松竹/衛生劇場/ポニーキャニオンエンタープライズ/小学館
制作協力:円谷エンターテインメント
配給:松竹

公式 HP >> http://www.umezu-movie.com/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『亀は意外と速く泳ぐ』
監督・脚本:三木聡(『イン・ザ・プール』)
撮影:小林元
プロデューサー:佐々木亜希子
主題歌:レミオロメン「南風」
オープニング扉絵:小田扉
キャスト:上野樹里(『スウィングガールズ』)、岩松了、ふせえり、蒼井優(『リリィ・シュシュのすべて』)、村松利史、温水洋一、森下能幸、耕田康幸、要潤ほか

片倉スズメは、平凡な新米主婦。海外単身赴任中の夫は、定期的に電話をくれるが、気にかけているのはペットの亀のことばかり。単調な毎日を過ごしていた彼女は、ある日、偶然小さな小さな“スパイ募集”の広告に目をとめる。採用されて晴れてスパイとなった彼女に与えられたミッションは“平凡に過ごすこと”だった…。

三木聡監督の長編映画第2作。監督はシティボーイズのライブ作・演出、TV番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」「笑う犬の生活」「トリビアの泉」などを手がけてい ます。この作品にバトンタッチするまで公開の『イン・ザ・プール』でも、なんともいえないおかしさがちりばめられていました。ゆるいけど楽しい脱力系エンターテイメント。(白)

うたい文句は、「これまでに全くなかった“脱力系”エンターテイメントの誕生!」 う〜ん、なんだか、可笑しい、なんと表現してよいのかわからない不思議な映画です。
『亀は意外と速く泳ぐ』のタイトルに込められているのは、“知っているはずの日常にも、まだ知らない世界があり、それを知ることで少し幸せになる”ということなんだそうな。
平凡で、単調で・・・と思っていても、人生って人それぞれ。平凡の基準ってあってないようなもの。皆それぞれ自分にあった素敵な人生がおくれるといいですネ。

2005/90分/カラー/ビスタ/ステレオ
配給:ウィルコ

公式 HP >> http://www.kamehaya.com

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。



『ウィスキー』
監督:ウアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル、ホルヘ・ボラーニ

ハコボは父から受け継いだ古びた靴下工場を経営している。彼の下では中年女性のマルタが助手として働いている。毎日同じ時間に同じ事を繰り返し、二人は必要最低限の会話しか交わしていない。しかし、ハコボの疎遠になっていた弟エルマンが、 訪ねてくる事になり、ハコボはマルタに弟がいる2,3日の間だけ夫婦のふりをして欲しいと頼む。

南米の小国ウルグアイが舞台。ウルグアイ映画なんて初めて観た。それもそのはず、この国では映画誕生から60本しか作られていないのだから。 監督が30歳そこそことは思えない。その人間観察眼には老練さすら感じる。 この日、3本目の映画で少々疲れて、席に着いたときには眠気を感じていた。ところが映画が始まると、セリフも少なく、カメラの動きもほとんどなく、 淡々と進むにも関わらず、終始ユーモアが漂っていて、かつちょっと哀しくて、眠気なんて吹き飛んでいた。東京国際映画祭グランプリ作品としてはちょっと地味な感じもするが、間違いなく面白い作品。(梅)

“ウィスキー”それは微笑みをもたらす言葉。単調な毎日に、ある日突然訪れる非日常。地味で実直な工場労働者の彼女の頬が赤くそまり、目も輝く。女は歳に関係なく、華やげるものと、夢と希望を与えてくれた。いつかきっと私にも!? とても 坦々とした映画なのに、観終わったときに思わず拍手を贈りたくなった一作。(咲)

2004年東京国際映画祭 グランプリ・主演女優賞
2004年カンヌ国際映画祭 オリジナル視点賞・国債費評価連盟賞

2004年/ウルグアイ、アルゼンチン、ドイツ、スペイン/94分/1:1.85/ドルビーSRD
提供:ビターズ・エンド+アミューズソフトエンタテインメント
配給:ビターズ・エンド 宣伝:ムヴィオラ 協力:靴下屋

公式 HP >> http://www.bitters.co.jp/whisky

★KAWASAKIしんゆり映画祭で10月9日(日)に上映されます。


『バンジージャンプする』
監督:キム・デスン
出演:イ・ビョンホン、イ・ウンジュ
2001年作品

 2001年のファンタスティック映画祭で上映されて以来、公開を熱望してきた 『バンジージャンプする』が、とうとう公開されることになった。最近の韓流ブーム の中、「美しき日々」の放映で、一気に日本での人気が急上昇したイ・ビョンホンの 主演作だが、5年前の作品である。しかし、今、観ても古くはない。韓国の映画やド ラマお得意の、すれ違いと再会、復活というストーリーが展開する。そして、時空を 飛び越える。
 一目ぼれした相手がどこの誰かもわからなくて捜すところから始まり、やっと相手 をみつけるけれど、なかなか想いが伝わらない。そんなもどかしさから想いが伝わ り、これでめでたしめでたしかと思うと、どんでん返しがあって、一気に不幸になっ てしまう。そして、また再会?するという二重三重の展開で、観客の興味をひきつけ る。

 運命と縁、輪廻、転生などを扱った作品だが、イ・ビョンホンはこの作品の中で、 女性にうぶな大学生の役を演じたかと思うと、17年後は魅力たっぷりの教師に変身 し、演じ分けている。彼の困惑する姿が、美しくもありコメディタッチでもある。何 に困惑するかは観てのお楽しみ。これを観れば、彼の人気がさらにアップすることは 確実だろう。まぶしいほどのイ・ビョンホンがここにいる。  また、恋人役を演じるイ・ウンジュは、『虹鱒』(シネマジャーナル本誌48号で 紹介)、『永遠の片想い』『ブラザーフッド』(本誌61号で紹介)などに出演した 清純派の女優。清楚な雰囲気で、イ・ビョンホン演じるイ・ソンウが一目ぼれする女 性にふさわしい。雨の日、イ・ソンウの傘にイ・ウンジュ演じるテヒが飛び込んでき て、イ・ソンウは一目ぼれしてしまう。でも、それは偶然のことではなかった…   これからという女優さんだと思うのに、残念ながらつい最近、自殺してしまったこ とが悔やまれる。
 高校生役のヨ・ヒョンスは、とまどいながらも先生の愛を受け止める、明るい青年 を演じている。いまどきの高校生は、携帯がないとすごせないらしい。この作品が撮 影された5年前には、韓国はすでに学生のあいだでも携帯が必需品だったのかなあ?  監督のキム・デスンは、『ホワイト・バッジ』から映画界に入り、イム・グォンテ ク監督のもとで『風の丘を越えて〜西便制』『太白山脈』『祝祭』『春香伝』などの 作品に参加している。

タイトルの由来は最後にわかる。監督はこのタイトルに、時空を飛び越えた人の想 いを重ねているのかもしれない。(宮)

公式 HP >> http://www.bungee.jp/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介については、公式HPをご覧下さい。
*シネジャ54号に 『バンジージャンプする』関連記事が掲載されています。


「ヒロシマ平和映画祭2005」
チラシより抜粋
「戦後60年、「ヒロシマ・反戦・反核」をテーマにした映画・テレビ作品は、膨大な数にのぼります。 1952年(占領終了・日本独立)から製作され続けたこれらの膨大な映像作品群は、 まさに敗戦後の広島および日本の50年以上前の姿が刻印されている風景です。

戦争の記憶の風化が危ぶまれる今ここに、被爆地・広島からヒロシマ平和映画祭を開幕します!
これら膨大な映画を今一度ふりかえり、「平和の心」の継承を願って…」


日程:11月5日(土)〜13日(日)
会場:アステールプラザ中ホール、西区民文化センターホール、メモリアルホール、サロンシネマ、広島市映像文化ライブラリー、広島平和記念資料館
料金:500〜1200円
チケット取扱:デオデオ本店プレイガイト、フタバ図書メガ、アルパーク天満屋、福屋広島駅前店、サロンシネマ、シネツイン1、横川シネマ

主催: ヒロシマ平和映画祭実行委員会
支援: 平成17年度広島市補助金交付事業、公益信託広島市まちづくり活動支援基金 第3回助成事業、 広島国際文化財団平和創造基金ヒロシマピースグラント2005、公益信託ヒロシマ平和基金、財団法人多山報恩会、広島県民および全国各地の皆さま
後援: 広島市文化財団、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、「ひろしま八区覧会・八区物館」参加事業
協力: 広島フィルム・コミッション、広島ユネスコ協会、広島高校生平和ゼミナール

公式 HP >> http://www33.ocn.ne.jp/‾dotoku/HPFF2005/index.html



「東京国際映画祭 Special Selection in 幕張」
【アジア最大級の映画祭が幕張にもやって来る!】
“東京国際映画祭 Special Selection in 幕張”開催決定のお知らせ

企画名:   東京国際映画祭 Special Selection in 幕張
開催期間:  10月31日(月)〜11月4日(金) の5日間
会場:    CINEPLEX 幕張 /JR京葉線・海浜幕張駅下車/徒歩1分
(シネプレックスまくはり)
上映作品:  「ファイヤーボール」「飛び魚を待ちながら」 「チョコレート・ラップ」「深海」「呪い」 「モンゴリアン・ピンポン」「月光の下、我思う」 「恋人」「靴に恋する人魚」「浮気雲」 全10作品
チケット:   10月20日よりチケットぴあにて発売、1500円。
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【まだまだ 間にあいます! 今年は★当日券★も販売!】

問合せ先:   (一般)ハローダイヤル 03-5777-8600 (7:00-23:00)
TIFFオフィシャルウェブサイト www.tiff-jp.net
TIFF オフィシャルI-modeサイト www.tiff-jp.net/i


「第18回 東京国際映画祭」
日程:2005年10月22日(土)〜30日(日)
会場:六本木ヒルズ(東京都港区)、Bunkamura(渋谷区)
内容:コンペティション 特別招待作品 アジアの風 日本映画・ある視点
    9月末、公式HPに詳細一挙発表予定
チケット:9月下旬から10月初旬発売予定
公式サイト http://www.tiff-jp.net/ >>


 9月20日記者会見
左から、角川歴彦チェアマン、審査員の桃井かおりさん、鈴木光司さん


「第18回東京国際女性映画祭」
日程:2005年10月23日(日)〜27日(木)
会場:東京ウィメンズプラザ
全回日時指定・入れ替え制、各回20分前開場
前売券:1000円(10月1日発売開始) 当日券:1200円
前売券取扱所:チケットぴあ 0570-02-9111 岩波ホール 03-3262-5252

公式 HP >> http://www.iwff.jp/



「東京国際ファンタスティック映画祭」
日程:2005年10月13日 (木) 〜 10月16日 (日)
会場:新宿・ミラノ座
上映作品:詳細はHPをご覧ください
チケット:9月10日(土)発売開始
【Pコード】 551-545
【発売場所】 チケットぴあ Tel:0570−02−9999
作品により価格が違いますのでHPにてお確かめください

公式サイト >> http://tokyofanta.com/2005/



「山形国際ドキュメンタリー映画祭」
日程:2005年10月7日(金)〜13日(木)
会場:山形市中央公民館、ミューズ1,2、シネマ旭2、フォーラム4,5
内容:インターナショナル・コンペティション、アジア千波万波
チケット:8月27日より※一部の地域は9月より取り扱いになります
  チケットぴあ Pコード 474-938
  コンビニ・・サンクス、セブンイレブン、ファミリーマート
  JR東日本みどりの窓口・びゅうプラザほか

  1回券 1,000円 (当日1,200円)
  3回券 2,500円 (当日 3,000円)
  10回券 6,000円 (当日8,500円)
  共通鑑賞券 10,000円 (当日12,000円)

公式サイト >> http://www.city.yamagata.yamagata.jp/yidff/home.html



『ボンダイツナミ』

26日(金)19:00〜深夜、『ボンダイツナミ』上映会バーティーと共にSuperDeluxeにて開催
映画上映 20:30〜
入場料 2000円(one drink)

公式 HP >> http://www.bonditsunami.com.au/



『ライディング・ザ・ブレット』 RIDING THE BULLET
監督・製作・脚本:ミック・ギャリス
製作総指揮・原作:スティーブン・キング
撮影監督:ロバート・ニュー
音楽:ニコラス・バイク
特殊メイク効果:KNBエフェクツ
キャスト:ジョナサン・ジャクソン、デヴィッド・アークエット、エリカ・クリステンセン、バーバラ・ハーシー、クリフ・ロバートソンほか

1969年のハロウィーンを迎えたメイン州。 アラン・パーカー(ジョナサン・ジャクソン)は州立大で美術を学び、 他の学生と同じようにマリファナやロックを楽しんでいるが、 どこか影のある雰囲気を漂わせていた。彼の父親は6歳のときにすでに亡くなり、 母(バーバラ・ハーシー)と二人で生きてきていた。 アランは恋人のジェシカ(エリカ・クリステンセン)から、 ジョン・レノンのコンサートチケットをバースデープレゼントにもらう。 悪友達も誘ってカナダに行く予定を立てていたが、 そこに一人暮らしの母親が脳卒中で倒れたと電話がかかってくる。 アランはコンサートを諦め、ヒッチハイクで母親の待つ病院に向かうことにしたが・・・。

原作は99年に書かれた30pほどの短編。 スティーブン・キング自身が交通事故で重傷を負い、その臨死体験を元にして書いたもの。 インターネットでダウンロードするe-bookとして発売されたが、 48時間で50万部の売上げを記録した。監督のミック・ギャリスは、 映画『スリープウォーカーズ』(92)やTV映画『シャイニング』(97) などのキング作品を手がけてきた盟友。60年代の英米のヒット曲が多数挿入され、 なんとも懐かしい感じがした。いきなりゾンビーズですから! 題名の「ブレット」とは、アランが子供のころ乗ろうとしたジェットコースターの名前。 ホラーの帝王、S・キング原作なので、怖いかと身構えていたら肩が凝ってしまった。 あなたの怖いものはなんですか?(白)

2004/アメリカ/99分/ビスタ/ドルビーデジタル/字幕:岡田壮平

http://www.nikkatsu.com/movie/riding/

配給・宣伝:日活株式会社
7月23日(土)より 新宿トーアにて4週間限定ロードショー


『マラソン』
監督:チョン・ユンチョル
脚本:ユン・ジノ、ソン・イェジン、チョン・ユンチョル
撮影:クォン・ヒョクジュン
音楽:キム・ジュンソン
キャスト:チョ・スンウ、キム・ミスク、イ・ギヨン、ペク・ソンヒョン、アン・ネサンほか

日本公開版テーマソング:小田和正新曲「そして今も」

チョウォンは自閉症の障がいを持っている。 他人とコミュニケーションをとれない長男の彼に母親はかかりきり。 一日でも息子より後に死にたいと思っているが、父親は家に寄り付かなくなっていた。 チョウォンの好きなものはチョコパイとシマウマ、それと走ることだった。 たまたま学校に訪れた元マラソン選手チョンウクに、母親はチョウォンの指導を頼み込む。 しぶしぶ引き受けたチョンウクは飲んだくれで、ろくにコーチもせずにいたが、 チョウォンのひたむきで純真な心にふれ、かつての熱意を取り戻してゆく。

2002年、チュンチョン国際マラソン大会で2時間57分の記録で完走した、 ペ・ヒョンジンさんがこの作品のモデルです。 ユンチョル監督はヒョンジンさんと1年間いっしょにマラソンをし、この脚本を書き上げました。 チョウォン役のチョ・スンウがほんとに上手いです! 20歳になったけれど、心は5歳という難役を繊細に演じ、笑わせて泣かせます。 久々にスクリーン復帰したという母親役のキム・ミスクも迫真の演技。 韓国では今年1月末に公開され、現在までの観客動員数520万人! 今までの1位は2004年の『ブラザーフッド』350万人なので、 大差で記録を塗り替えたことになります。映画を観て親として身につまされ、 自分はどうだったかと思わず振り返ってしまいました。(白)

★韓国の第41回百想芸術大賞で3冠達成!
映画部門大賞・シナリオ大賞・最優秀男優賞:チョ・スンウ

2005/韓国/35mm/カラー/ヴィスタ/SRD、ドルビーSR/117分
韓国公開2005・1・29 日本語字幕:根本理恵
提供:シネカノン/松竹/アミューズソフトエンタテイメント/衛星劇場
配給:シネカノン/松竹

★7月2日(土)より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系 夏休みロードショー
シネジャWEB特集記事『マラソン』プレミア試写会舞台挨拶はこちら

公式 HP >> http://www.marathon-movie.com/



『逆境ナイン』
監督:羽住英一郎『海猿』
原作:島本和彦「逆境ナイン」(小学館サンデーGXコミックス)
脚本:福田雄一「SMAPxSMAP」
音楽:佐藤直紀
出演:玉山鉄二、堀北真希、田中直樹、藤岡弘ほか

逆境に陥ると燃える男、全力学園野球部キャプテン不屈闘志(玉山鉄二)。何事にも全力がモットーの校長(藤岡弘)に廃部に追い込まれ、無謀にも「甲子園に行く!」と宣言。月田マネージャー(堀北真希)とともに軟弱な部員を叱咤激励、甲子園優勝校の「日の出商業」との練習試合を計画する。

ストーリーは『少林サッカー』よろしく「ありえねー」逆境に、「ありえねー」展開 の連打。原作の漫画をどう実写にしていったのかに注目。もすこしスピーディにカットできるんじゃないかなぁと思ってしまった。が、主演の玉山鉄二くんはイケメンです。私の守備範囲でなく知らなかったけど「ガオレンジャー」とかでお子様のみならず、若いママたちにも人気だったのね。『天国の本屋〜恋火』『恋に唄えば』にも出ています。(白)

製作:日本テレビ、ROBOT、小学館、読売テレビ、バップ、アスミック・エース エンタテインメント
企画・制作プロダクション:ROBOT
配給:アスミック・エース

公式 HP >> http://www.gk9.jp/

★7/2(土)より 渋谷アミューズCQN、池袋シネマサンシャイン、新宿ジョイシネマ3 ほか全国公開


『バス174』 原題:Onibus174
監督:ジョゼ・パジーリャ
2002年/ブラジル/カラー/ビスタ/ドルビーSR/1時間59分
配給:アニープラネット
提供:アスミック・エース エンタテインメント
輸入元:セディックインターナショナル

2000年6月12日 リオデジャネイロのバス174路線で起こったバスジャック。監督は、TV局がリアルタイムで中継したフィルムをもとに、ことの顛末を時系列で追いながら、人質11人を取って立てこもり、あげく絞殺された犯人サンドロの生い立ちや、 彼をここまで追い込んだブラジル社会の暗部に迫る。
サンドロは犯行当時20歳。幼いころに目の前で母親を惨殺され、路上生活をするようになる。1993年7月、悪名高いカンデラリア教会前でのストリート・チルドレン虐殺事件では難を逃れたが、その頃からシンナーやコカインに手を出し、調達資金欲しさに窃盗を重ねるようになる。少年院に収監されるが、乱暴な扱いに、ますます心がすさんでいったようだ。そんなサンドロの口癖は、「人生は短いよ」。


冒頭に出てくる空撮によるリオデジャネイロの町は、青い海に丘が連なり素晴らしい景観だが、カメラを近づけると、スラムがひしめきあっている。コパカバーナにカーニバルと華やかな印象を与えるリオの町だが、陰には底知れない悪が巣食っているようだ。
ストリート・チルドレンへの支援者はいるものの、とても追いつかないどころか、彼らの犯罪行為から治安を守るという名目で彼らを殺害する「死の部隊」という組織すらあるという。地獄と変わらない監獄、少年院は更生施設というより、さらに暴力的な人物を作り上げるような劣悪な施設。サンドロの友人や、麻薬売人、警察官殺人犯などにもインタビューして完成した本作は、リオデジャネイロ州警察に対して極めて批判的なものになったと監督は語る。しかし、それは、発展途上国の都市が共通して抱える都市暴力の問題を喚起するものでもある。
人をここまで追い詰めるものは何だろう。平穏と思っていた日本でも、社会の秩序の乱れを感じる昨今、地球の裏側の国で起こっている出来事も人事ではないと感じた。 (咲)

公式 HP >> http://www.bus174.jp/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『チャレンジ・キッズ —未来に架ける子どもたち』原題:spellbound
監督・製作・撮影:ジェフリー・ブリッツ

ジェフリー・ブリッツにとって、本作は初めての長編監督作品。 2003年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされるも、 残念ながら受賞は『ボウリング・フォー・コロンバイン』に譲ったが、 全米で公開され、540万ドルというドキュメンタリー映画としては異例のヒットを記録した。

原題のSpellboundとは、“スペルに魅せられて”という意。 アメリカには「スペリング・ビー(Spelling Bee)」と呼ばれる、 子どもたちが単語の綴りを競う競技大会があって、 全米最大のスポーツチャンネルESPNで実況されるなど、皆が知っている催しだという。 第一回が1925年というから、かれこれ80年の歴史があることになる。 移民で成り立つ国アメリカ社会。様々な国から移民してきた人たちに、 英語に慣れ親しんで貰おうと、スペルをゲームにしたとも言われる。 毎年900万人もの子どもたちが参加し、 地区大会をトーナメント方式で勝ち抜いてきた精鋭約250名が決戦の地ワシントンD.C.に集まり、 たった一人のチャンピオンを目指す。 出題者が発音する単語を、耳を研ぎ澄ませて聴き取り、綴りを答えるのだが、 一つでもアルファベットを間違えたらドロップアウト。 言葉の意味と語源を質問する権利はあるが、 47万語ともいわれるリストの中から出題される単語に正確に答えるには、 相当の集中力と精神力が必要だろう。映画を観ている方も手に汗握ってしまう。

本作は、1999年第72回大会に挑んだ子どもたち8人を追ったもの。シングルマ ザーに育てられたアフリカ系少女アシュレー、メキシコからの不法移民で英語が 話せない父親をもつアンジェラ・・・。白人、黒人、インド系、メキシコ系など と、民族も宗教も家庭環境も様々な子どもたちとその家族の人間模様が語られ る。印象的だったのは、移民して一代で成功したインド人の富豪の父を持つ美少 年ニール。彼は、紅茶で有名なインド北東部の町「ダージリン」がわからなく て、チャンピオンまであと一歩というところで脱落してしまう。父親のなんとも 複雑な顔!なにしろ父親はこの大会を目指す彼のために、フランス語やラテン語 の家庭教師までつけたのに、皮肉なことに故国の地名で引っかかってしまったの だから。 チャンピオンになれるたった一人を除いて、こうして皆、脱落していくのだが、 子どもたちの顔はすがすがしい。それは、目標に向かって必死に勉強したという 満足感なのだろう。何かに打ち込めるって、素晴らしい!(咲)


(c)2002 Blitz/Welch Productions
2003年/アメリカ/上映時間97分
配給: ハピネット・ピクチャーズ/パンドラ
文部科学省選定(少年・青年・成人・家庭向け)

◆上映スケジュール
東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.pan-dora.co.jp/challenge/



『彼女を信じないでください』Too Beautiful To Lie
監督:ペ・ヒョンジュン
脚本:チェ・ヒデ
撮影:ユン・ホンシク
音楽:チョ・ヨンウク
出演:キム・ハヌル、カン・ドンウォン、ソン・ジェホ、キム・ジヨン、イ・ヨンウンほか

ヨンジュ(キム・ハヌル)は詐欺罪で服役中。姉の結婚式に出ようと、 得意の嘘と泣き落としでまんまと仮釈放となる。 列車で眠っているヨンジュのたまたま向かいの席に座ったのはヒチョル(カン・ドンウォン)。 揺れた拍子に落とした指輪を拾おうと、ヨンジュの足元に手を伸ばすが、 目をさましたヨンジュは「この変態!」と殴る蹴る!! ヨンガンで薬剤師をしているヒチョルは、 恋人にプロポーズしようと母親の形見の指輪を持っていたのだった。 ようやく誤解がとけた後、ヒチョルのポケットの指輪はスリに盗まれてしまう。 ちょうど目撃してしまったヨンジュは自分が疑われないようにと、 スリを追いかけてうまく取り返す。しかしその間に列車は走り出していた。 姉へのプレゼントが入ったバッグを座席においたままだというのに・・・。 ヒチョルに指輪を返しバッグを取り戻そうと、 ヨンジュはヒチョルの家を訪ねてヨンガンへ向かう。

韓国で「恋人にしたい男優NO.1」に選ばれたというカン・ドンウォンの映画デビュー作。 純朴な田舎の若者が女詐欺師に振り回されながら、 二人しだいに心通わせていくというロマンチック・ラブ・コメディ。 天才的なうそつきを演じるのは、『時の香り リメンバー・ミー』、『氷雨』のキム・ハヌル。 清純派のイメージが強かったが、『同い年の家庭教師』に続き、 この作品でもコメディエンヌの才能を発揮している。 みんなが知り合いのような小さな町で、 その場しのぎについた嘘がのっぴきならなくなっていく様がおかしい。 ヒチョルの家族に囲まれて幸せそうなヨンジュ、 Mr.とうがらし(笑)を目指して奮闘する二人、 ほろりとさせられるところもいっぱいのハッピーな作品。 (白)

2004/韓国/115分/カラー/ビスタ/ドルビーデジタル
配給:ハピネット・ピクチャーズ

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。
http://kanoshin.com/

<お知らせ>
『彼女を信じないでください』初日舞台挨拶
日時:5月28日(土) 舞台挨拶 初回上映前(10:00〜)
場所:VIRGIN TOHO CINEMAS六本木ヒルズ
登壇予定者:キム・ハヌル、日本人ゲスト



『村の写真集』
監督・脚本:三原光尋
写真監修:立木 義浩
音楽:小椋 佳
出演:藤 竜也、海東 健、宮地 真緒、甲本 雅裕、桜 むつこ、吹石 一恵、大杉漣、原田 知世、ぺース・ウー

いずれダムの底に沈む徳島県花谷村。村役場の野原(甲本雅裕)は、消えゆく村の姿 を永遠に残したいと、村の古い写真館の店主 研一(藤 竜也)に村のすべての家族 写真を撮影して「村の写真集」を作ることを依頼する。助っ人には、研一に反発して 東京で見習いカメラマンをしている長男の孝(海東 健)が呼び寄せられた。昔気質 で頑固者の研一は黙々と山道を歩いて一軒一軒訪れ、丁寧に撮影をしていくが、親子 の会話はない。最後の一枚という時、研一は病に倒れてしまう・・・。

実際の写真撮影は徳島県出身の写真家立木義浩が担当したが、藤竜也も旧式のカメ ラを操作できるように必死で練習したそうだ。渋くてダンディというイメージだった 藤竜也も、ちょっぴり老年の域に入った感はあるが、渋い男の魅力は健在。息子役の海東健もいかにもの好青年。恋人が台湾人という設定も、なんだか嬉しい。(監督がアジア好きらしい。)音楽は、のどかな日本の風景にぴったりな小椋佳が担当。 徳島が県をあげて応援して撮影し、徳島ではすでに2004年4月に先行ロードショーを行っている。

以前、ダムに沈んだ村の写真集を見たことがある。二度と見ることのできない村の風景。涙を誘う。でも、二度と見られないのはダムに沈んだ村だけではない。「その時」を一枚に封じ込めることのできる写真って素晴らしい。家族の歴史、友達との思い出・・・自分の成長の記録だ。年を取って被写体になるのを拒むことが多くなったけど、いやがらずに今の自分を残そう。見終わって、家族っていいなぁとも思った。 気持ちを暖かくさせてくれる映画だった。それにしても、息子役の海東君が父親役の藤竜也の後をついて山道を行く姿は、『山の郵便配達』(フォ・ジェンチィ監督)の 劉[火華](リュウ・イエ)ちゃんにそっくりだった。(もちろん顔は全然違うけど!) 父と息子の物言わぬ心のつながりを描いた点で共通点があるからだろう。(咲)

公式 HP >> http://www.murasha.com/

2004年/日本/35mm/111分
製作:「村の写真集」製作委員会(よみうりテレビ、衛星劇場、ワコー、四国放送、ビデオプランニング)
特別協力: 徳島県
協力: スカイマークエアラインズ、虹の橋クリニック、徳島市、池田町、山城町、西祖谷山村、徳島フィルムコミッション

★東京での上映は終了しました。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『PTU』
製作・監督:ジョニー・トウ
脚本:パトリック・ヤウ、アウ・キンイー
撮影:チェン・シウキョン
音楽:チュン・チーウィン
出演:サイモン・ヤム、ラム・シュー、マギー・シュウ、ルビー・ウォン、レイモンド・ウォンほか

PTU(Police Tactial Unit)=香港警察特殊機動部隊

その任務は夜の街をパトロールし、犯罪から町の安全を守ること。 ホー隊長(サイモン・ヤム)以下、隊員(マギー・シュー、レイモンド・ウォン)たちは パトロールに向かう車の中で強盗事件のニュースを聞く。 武装した4人組は警官一人を射殺し、逃走中だ。 「重要なのは無事に家に帰ること」、と隊員たちは夜の繁華街に降り立つ。

一方レストランでは黒社会組織の一人マーと、 組織犯罪課のサァ刑事(ラム・シュー)が鉢合わせしていた。 マーの手下に車を傷つけられたサァは怒り心頭、後を追いかけるが滑って転び気を失ってしまう。 気がついてみると腰の拳銃がなくなっていた。 協力を求められたホー隊長は、勤務交代の朝まで捜索を手伝うことにする。

深夜の尖沙咀 (チムサーチョイ)で、一晩の間につぎつぎと起こる事件。 それを追う警察の3つのチーム=PTU、CID(特捜課)、組織犯罪課に加え、 黒社会や車上荒らし、なぜか自転車に乗った少年までが入り乱れて動く。 全てがラストに向かって突き進むジョニー・トー監督の采配をご覧あれ。 監督が大好きという夜のロケ、ライトに浮かび上がる緊迫感のある画面がクール! 去年の今頃、劇中に登場する「中国冰室」に出かけて、“PTUごっこ”と言いつつ 記念写真を撮ったのでした。(白)

2003年/カラー/香港/シネスコ/SRD/88分
第23回香港電影金像奨 最優秀監督賞 ほか多数受賞
第4回東京フィルメックス特別招待作品

提供:キングレコード 配給: パンドラ
9月5日から7日まで下高井戸シネマにて上映

公式 HP >> http://www.p-t-u.com/



『コーヒー&シガレッツ』COFFEE AND CIGARETTES
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:フレデリック・エルムズ
美術:マーク・フリードバーグ
出演:ロベルト・ベニーニ/スティーヴン・ライト/ジョイ・リー/サンキ・リー/スティーヴ・ブシェミ /イギ-・ポップ/トム・ウェイツ/ジョー・リガノ/ヴィニー・ヴェラ/ヴィニー・ヴェラ・ジュニア/ルネ・フレンチ/E・J・ロドリゲス/アレックス・デスカス/イザック・デ・バンコレ/ケイト・ブランシェット/メグ・ホワイト/ジャック・ホワイト/アルフレッド・モリーナ/スティーヴ・クーガン/GZA/RZA/ビル・マーレイ/ビル・ライス/テイラー・ミード

=コーヒーを一杯 タバコを一服 会話を楽しむ 人生を楽しむ=
人生は、コーヒーとタバコに集約される?ジム・ジャームッシュが18年に渡って撮りためた、 コーヒーとタバコにまつわる愛すべき11本のショート・ストーリー。 コーヒーを飲みながら、タバコを吸いながら、様々な登場人物たちが、どうでも良さそうで、 良くない、でもひとくせある会話を繰りひろげていく。

え?ふふん、ニヤニヤ、やっぱりね、ふむ〜・・・などなどこの掌編は様々に楽しめる。 あっははではなく、唇のはしっこがちょっと上がる笑い。それぞれの役者が自分を演じているが、 ストーリーはフィクション。ケイト・ブランシェット、 アルフレッド・モリーナ&スティーヴ・クーガンの二つが特に好き。(白)

2003/アメリカ//97分/モノクロ/ヨーロピアンヴィスタ/ドルビーSRD

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

http://coffee-c.com/
http://c-cigarettes.com/
配給:アスミック・エース


『微笑みに出逢う街角』
監督・脚本:エドアルド・ポンティ
音楽:ズビグニェフ・プレイスネル
出演:ソフィア・ローレン、ミラ・ソルヴィーノ、デボラ・カーラ・アンガー、ジュラール・ドパルデュー、マルコム・マクダウェル

若い頃フィレンツェで絵を学ぶ夢を果たせなかった主婦オリビア。父の才能を受け継ぎ、世界的な写真家としての成功を約束されたナタリア。 国際的チェリストのキャサリン。3人の女性はそれぞれ心に悩みを抱え、その事を家族にさえ相談できないでいる。しかし大きな痛みをともないながらも、 彼女たちは自らの問題に向き合う。かつての笑顔を取り戻すために。

同じ街に住むけれど、全く関係のない女性3人の物語が平行に進み、最後の最後に交差します。世代も問題も三者三様ですが、同じように家族との関係に悩みつつも真摯に向き合って、自分の幸せのために新しい一歩を踏み出す姿は、観る者に勇気を与えます。 (梅)

公式 HP >> http://www.hohoemini.com

原題:Between Strangers/2002年/カナダ・イタリア合作/98分/カラー/1:1.66ヴィスタ/ドルビー・ステレオ
配給・宣伝:アルシネテラン

8月26日までギンレイホールにて上映



「国際交流基金映画講座」
アジア中東映画ライブラリー10本立て!

会期:2005年9月22日(木)〜9月24日(土)
会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分

◆スケジュール
9月22日(木)東南アジア映画の21世紀
14:00 『田舎の恋のから騒ぎ』(タイ/1999年/118分)
 監督:タニット・チッタヌクン
16:30 『サードワールド・ヒーロー』(フィリピン/2000年/93分)
 監督:マイク・デ・レオン
19:00 『エリアナ、エリアナ』(インドネシア/2002年/83分)
 監督:リリ・リザ
9月23日(金・祝)イラク&アラブ映画の豊饒
11:30 『乾き』(イラク/1972年/93分)
 監督:ムハンマド・シュクリ・ジャミール
14:00 『ジャッカルの夜』(シリア/1989年/102分)
 監督:アブドルラティフ・アブドルハミド
16:30 『ラジオのリクエスト』(シリア/2003年/91分)
 監督:アブドルラティフ・アブドルハミド
19:00 『露出不足』(イラク/2005年/70分)
 監督:ウダイ・ラシード
9月24日(土)インド映画の奇跡 グル・ダットの伝説
11:30 『55年夫妻』(インド/1955年/152分)
 監督:グル・ダット
14:00 『渇き』(インド/1957年/145分)br>  監督:グル・ダット
17:00 講演「グル・ダット讃」野崎 歓
 (東京大学大学院助教授、フランス文学/著書『フランス小説の扉』『ジャン・ルノワール 越境する映画』『香港映画の街角』『赤ちゃん教育』など)
18:30 『紙の花』(インド/1959年/148分)
 監督:グル・ダット

◆入場料
 当日1回券800円、3回券2,100円(会期中有効)
 ※前売券はありません。当日券は各日とも初回上映の1時間前より会場にて販売します。(定員300)
 ※各回入替制・全自由席。全作品日本語字幕付き。講演は無料。
 * JFサポーターズクラブ会員、65歳以上の方は、当日受付で証明書をご提示いただければ、1回券600円、3回券1,500円になります。

公式 HP >> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/jfsls5.html

★シネマジャーナル65号に、イラク&アラブ映画関連記事を掲載しています。


「アジアフォーカス・福岡映画祭2005」
期間:9/16(金)〜25日(日)

15回目となる今年は、中近東映画特集として、本映画祭で初登場のシリアやイラクの映画や、常連のイラン映画が4本上映されます。アジア・パノラマとあわせ、15カ国地域25作品。ゲストも多数来場します。韓国の『あぶない奴ら〜TWO GUYS〜』で大いに笑わせてくれるパク・チュンフンや、『運動靴と赤い金魚』で日本でもお馴染みのイランのマジッド・マジディ監督など、ゲストと身近に接することのできるチャンス満載の映画祭です。

○中近東映画特集
 ◆頑固者たちの物語(2004年トルコ・ドイツ/88分)
   http://www.reiscelik.com/
 ◆夢と現実の日々(2003年シリア/103分)
 ◆少女ジヤーン(2002年イラク/94分)
   http://www.medialuna-entertainment.de/
 ◆生きるために(2005年イラン/79分)
 ◆母ギーラーネ(2005年イラン/84分)
 ◆こんなに近く、こんなに遠く(2005年イラン/121分)
   http://www.mirkarimi.com/
 ◆柳の木のように(2005年イラン/95分)
   http://www.cinemajidi.com/
 ◆男が踊るとき(2002年ウズベキスタン/80分)

★フォーラム「中東映画事情」
 9月19日(月・祝) 14:30〜
 【入場無料】於 西鉄ホール

○アジア・パノラマ
 ◆マナサロワールの愛(2004年インド/94分)
 ◆ひと呼吸(2003年インド/107分)
   http://www.shwaasthemovie.com 
 ◆流れに逆らって(2003年スリランカ/90分)
 ◆ぼくはひとりぼっち(2004年バングラデシュ/95分)
   http://www.duratta.com/
 ◆砂利の道(2005年マレーシア/92分)
   http://www.chemmanchaalai.com/
 ◆はるか遠い日(2004年ベトナム・フランス/109分)
 ◆逃亡者トゥムル(2004年モンゴル/107分)
 ◆窒息(2004年中国/90分)
 ◆ようこそ、羊さま(2004年中国/100分)
 ◆草原の女(2000年中国/90分)
 ◆ジャンプ!ボーイズ(2004年台湾/85分)
   http://www.jumpboys.com.tw/
 ◆ネギをサクサク、卵をポン(2005年韓国/107分)
   http://www.pasongsong.co.kr/
 ◆麻婆島(2005年韓国/107分)
   http://www.mapado.com/
 ◆あぶない奴ら〜TWO GUYS〜(2004年韓国/116分)
 ◆二人日和/Turn Over(2005年日本/111分)
   http://turnover.main.jp/topnews.html
 ◆三池炭鉱〜やまの声が聞える(2005年日本/103分)
 ◆ある朝スウプは(2003年日本/90分)
   http://www.pia.co.jp/pff/soup/home.html

●協力企画 東アジア映画フェスタ2005
 主 催:アジアの心実行委員会
 期 間:9月23日(祝/金)〜27日(火)
 会 場:福岡市立中央市民センター3階ホール

☆中国映画
 ■北京の天使/天堂回信(1992年/90分)
 ■榕樹(ガジュマル)の丘へ/安居(1997年/100分)
 ■こころの湯/洗澡(1999年/92分)
 ■きれいなお母さん/漂亮媽媽(1999年/90分)
 ■山の郵便配達/那山 那人 那狗(1999年/93分)

☆韓国映画
 ■ピアノを弾く大統領(2002年/93分)
 ■コースト・ガード(2002年/96分)
 ■マイ・ボス マイ・ヒーロー(2002年/98分)
 ■セックス イズ ゼロ(2002年/98分)
 ■人生の逆転(2003年/109分)

公式 HP >> http://www.focus-on-asia.com



「ポーランド映画 昨日と今日」
ポーランド映画界の巨匠アンジェイ・ワイダ監督発案により、新旧のポーランド映画 12本が上映されるポーランド映画特集が開催されます。東京国際女性映画祭ディレ クター 大竹洋子さんがコーディネーターを勤められています。

期間:2005年 9月13日(火)〜25日(日) *9月19日(月)は休館
主催:東京国立近代美術館フィルムセンター、ポーランド商工会議所EXPO事務局
協力:駐日ポーランド共和国大使館
企画協力:アンジェイ・ワイダ
コーディネーター:大竹洋子、久山宏一

◆パートI   1954〜1979
フリギアの星の下で
エヴァは眠りたい
アマチュア
水の中のナイフ
ヴィルコの娘たち
鉄路の男
 『仕返し』アンジェイ・ワイダ監督作
◆パートII  1999〜2004
パン・タデウシュ物語
エディ
ワルシャワ
借金
仕返し
笞の痕

ロマン・ポランスキが道化役を熱演


会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール(地下1階)
東京メトロ銀座線京橋駅下車、出口1 徒歩1分
都営地下鉄浅草線宝町駅下車、出口A4 徒歩1分
東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅下車、出口7 徒歩5分
料金=一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円

公式 HP >> http://www.momat.go.jp/FC/Polish_Film/index.html



「イラン大使館主催・第3回イラン映画上映会」
日時: 2005年9月7日(水)18:30-20:10 (18:00-18:30 イラン書籍販売)
上映作品:『美しい街(Shahr-e Ziba)』
     2004年、監督:Asghar Farhadi 日本未公開
     ★英語字幕のみで、日本語字幕はありません。

場所: イラン・イスラム共和国大使館フェルドゥシーホール
   〒106-0047東京都港区南麻布3-13-9)
   地図 http://www.iranembassyjp.com/sakhteman.jpg
   東京メトロ南北線・都営三田線 白金高輪 出口?3 歩7分
   東京メトロ日比谷線 広尾 歩15分
   都バス 06番 (渋谷←→新橋)四ノ橋 下車1分

参加無料
予約不要ですが、準備の都合上、連絡いただければ幸いですとのこと。
連絡先:文化部 仙波(センバ)様 cultural@gol.com
TEL 03-3446-8011(内線59),FAX 03-3446-9002



シネマコリア2005
【場所・開催日】
・名古屋  7月30日(土)・31日(日)  愛知芸術文化センター
・札 幌  8月 7日(日)  アーバンホール
・東 京  8月20日(土)・21日(日)  イイノホール
・大 阪  8月27日(土)・28日(日)  第七藝術劇場
【上映作品】
  • 『達磨よ、ソウルへ行こう』
  • 『どこかで誰かに何かあれば間違いなく現れるホン班長』
  • 『黄山ヶ原』
  • 『大韓民国憲法第1条』
※ 全作品、日本初公開&未配給作品
※ 札幌会場は『黄山ヶ原』を除く3作品を上映

【チケット】 全席指定 各作品 ¥1,500均一(前売・当日とも)

詳細はHPをご覧ください。
http://www.seochon.net/cinemakorea/


「アジア海洋映画祭イン幕張」
アジア各国の海に関わる秀作映画の上映
開催日:9月2日(金)〜4日(日)
場所:シネプレックス幕張・幕張メッセ国際会議場

第一会場 幕張メッセ国際会議場
◆学生短編ビデオ入選作品の上映
 全国の大学、専門学校から「海」をテーマにした短編 ビデオ作品を募集を行ないました。その中から優秀作品 20作品を上映致します。
上映スケジュール
9月3日(土)
(第1回目) 10時から13時まで
(第2回目) 14時から17時まで
9月4日(日)
(第3回目) 10時から13時まで

 ※各作品上映前に作品の概要を紹介します。
 ※終映後、監督達にお話をうかがいます。
 ※入場料は無料です。会場の出入りは自由です。
◆トークショー 「私の海」
 9月4日(日)14:00〜15:45
 短編ビデオの審査委員&トークショー出演者
  角谷 優 映画プロデューサー
    「南極物語」「ビルマの竪琴」「13階段」
  滝田 洋二郎 映画監督
    「秘密」「壬生義士伝」「陰陽師」
  島津 弘章 文芸春秋社 編集委員
    「週刊文春」副編集長、新書編集室長などを歴任。映画ファン
  馬 英華 中国弁護士
     早稲田大学法学部、大学院博士課程修了 日中にまたがり企業顧問、コンサルティング、講演
  審査委員長 岡田 裕 映画祭総合プロデューサー
◆表彰式
 9月4日 16時〜17時
 学生短編ビデオとアジア映画のグランプリの表彰式を行ないます。
同会場ロビーにおいて
9月3日・4日 11時よりソフトドリンク(JT提供)、ビール(サッポロビール提供)を無料で配布
13時より「クジラの竜田揚げ」の試食を行ないます。 (日本捕鯨協会 提供)
各日とも500食ご用意しております。是非、ご利用下さい。
このほかにも協賛企業によるブースが設置されます。

第二会場 シネプレックス幕張
◆アジア各国の海に関する映画、未公開作品上映
『海鮮』
上映作品ラインナップ
「海 鮮」 (中国・香港)
「緑帽子」 (中国・香港)
「バッファロー・ボーイ」 (ベトナム)
「もう一度」 (フィリピン)
「あの夏の日の浪声」 (台湾)
「TALOOMPUK」 (タイ)
『バッファロー・ボーイ』 

上映スケジュールについては、公式HPをご覧下さい。

料金:1作品につき1000円(前売、当日共)
取扱店:チケットぴあ、チケットビューロー銀座店、渋谷チケットポート(109内)、新宿松竹プレイガイド(紀伊国屋裏)
問い合わせ:映画祭事務局043−231−3116


公式 HP >> http://amffm.net/



『狼たちの鎮魂歌〈レクイエム〉』原題:GLI INDESIDERABILI/THE UNDESIRABLES)
監督:パスクァーレ・シメカ
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ(『ライフ・イズ・ビューティフル』『息子の部屋』)
出演:ヴィンセント・ギャロ、ヴィンセント・スキャヴェリ(『アマデウス』、『ゴースト/ニューヨークの幻』)、マルチェロ・マッツァレラ

1951年、ニューヨーク。マフィアとして起訴された124名のイタリア系アメリカ人。 法廷では、英語が得意でなくイタリア語で答える者もいる。 結局、彼らは証拠不十分のため実刑は下されず、「好ましからざる者たち」 (原題UNDERSIRABLES)として、イタリアに強制送還された。 ジェノヴァ港で彼らを待ち構えていたのは報道陣や見物人。 19世紀からの歴史を持つ地元紙「イル・セーコロ・ディチャンノヴェーズィ」 の記者ジャンカルロ・フスコも、この「好ましからざる者たち」を取材に来ていた。 入手した1枚の写真に写る男たちを捜し求めて、フスコはイタリア各地を巡りはじめる・・・。

不思議な余韻の残る作品だった。アメリカから強制送還された男たちが語る波乱の人生には、 それぞれに物語がある。アル・カポネのように後世に名の轟くマフィアのボスと違って、 彼らは運命のいたずらからマフィアの手先となって、あげく、 苦渋の人生を歩むことになった名もなき人たちだ。 監督は、「この映画にはギャング映画の全ての特徴が盛り込まれている」と語るが、 いわゆるノワール物というよりも、人間ドラマとして味わい深いものだった。 冒頭の古い実録フィルムにも郷愁をそそられた。(咲)

2003年/イタリア/カラー/1:1.66/ドルビーSRD/95分
配給:タキコーポレーション
宣伝協力:フレスコ

公式 HP >> http://www.taki-c.co.jp/ookami/

★7月9日(土)より銀座シネパトスにて公開 (レイトショー)


『おまけつき新婚生活』(原題:Duplex)
監督:ダニー・デヴィート
脚本:ラリー・ドイル
出演:ベン・スティラー(『メリーに首ったけ』『ミート・ザ・ペアレンツ』)、ドリュー・バリモア( 『25年目のキス』『チャーリーズ・エンジェル』)

アレックス(ベン・スティラー)は駆け出しの作家、新妻のナンシー(ドリュー・バリモア)は、一流出版社のエディター。マイホームを夢見る幸せいっぱいの新婚カップルに、理想の物件が舞い込んだ。ブルックリンの年代物のメゾネット。167平米の広々とした家には重厚な美しい内装がほどこされ、暖炉が3つもある。一目で気に入ったけれど、気になるのは2階に住む間借り人の年老いたコネリー夫人。大昔に家賃統制対象となって、たった88ドルの家賃だけど、追い出すわけにいかない。でも、あの世に行くのも近いと踏んで、思い切って買ってしまう。無事引越しを済ま せ、コネリー夫人に挨拶に行くが、そこからもう苦行が始まった。夜にはテレビの大音響。昼間は、やれ、水道管が音を立てるので見てくれとか、ネズミが出たとか、大家アレックスは振り回され、原稿の締め切りが迫っているのに、ほんの数行も書けない日々。ナンシーの職場にまで電話をされて、それがもとでナンシーは失業してしま う。もうこれ以上我慢できないっ! コネリー夫人をなんとかしようと作戦開始。でも、それはさらなる苦行の始まりだった・・・。

 
c2003 KALIS Productions GmbH & Co. KG. All rights reserved.

原題 Duplexは、二世帯住宅のこと。ご近所どうし快適に暮らすにはある程度お互いの気配りが必要だけど、こじれてしまうと、もうどうにもならない。なかなか平和共存できないイスラエルとパレスチナにまで思いは至ってしまった。日本でも、ついこの間、ふとんを叩いたり大音響を発し続けていた女性が捕まったけれど、その関連の話題で、いやがらせで近所の人が投げ込んだ手紙に「一生、祝ってやる」と書いてあったというのがあった。「一生、呪ってやる」って書いたつもりだったのだろうけど、お互い祝いあって暮らせれば、世は平和!
なんだかんだこの作品、ご近所トラブルをこれでもか・・・とみせてくれて、抱腹絶倒。81歳のアイリーン・エッセル演じるコネリー夫人のなんと可愛いことよ!(咲)

2003年/アメリカ映画/89分/ビスタサイズ/ドルビー/カラー
提供:ギャガ・コミュニケーションズ×バップ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:リベロ

公式 HP >> http://www.omaketuki-movie.jp/

★7/9(sat)入居決定!
 7月9日より K's cinema、シブヤ・シネマ・ソサエティ にてロードショー
 名古屋・・・シルバー劇場 7月下旬公開



『ダニー・ザ・ドッグ』(英題:Unleashed)
監督:ルイ・レテリエ(『トランスポーター』)
脚本:リュック・ベッソン(『レオン』)
アクション演出:ユエン・ウーピン(『マトリックス』『グリーン・デステニー』)
音楽:マッシヴ・アタック
出演:ジェット・リー(『HERO』)、モーガン・フリーマン(『ミリオンダラー・ベイビー』アカデミー賞助演男優賞受賞)、ボブ・ホスキンス(『スターリン・グラード』)、ケリー・コンドン(『アンジェラの灰』)

バート率いる借金取り立て屋達の中に、一人精気のない眼をした小柄な男がいる。しかし首輪を外され、「殺せ!」と命じられた瞬間、彼の眼に狂気が宿り、相手を瞬く間に打ちのめしてしまう。 彼の名はダニー。5歳の時にバートにさらわれ、暗い地下室で戦う犬として育てられた。彼の持ち物は古びた熊のぬいぐるみと絵本の二つだけ。その絵本に書かれたピアノに何故かダニーは心惹かれるのだった。
ある日、取り立て先の骨董品店で、彼は本物のピアノを見つけ、調律に来た盲目の調律師サムと出会う。サムに導かれ、ダニーは生まれて初めてピアノに、そして人の愛情に触れる。 数日後、バートと共に乗った車で襲撃されたダニーは、動かなくなったバートを死んだと思い、その場から逃げ、あのピアノの元に向かう。そこでサムに再会するが、怪我のために気を失う。 サムはダニーを養女のヴィクトリアと共に暮らす自宅に連れ帰る。ダニーは彼らの愛情と音楽で、次第に人間らしさを取り戻していく。そして記憶の底に残るピアノの旋律と母の面影に気づき始める。 穏やかな生活が永遠に続くかと思われた。しかし、バートはしぶとく生きていた、、、


これまで泣く事のない、ひたすら強い男を演じてきたジェット・リー。しかしこの作品では、ボスに命ぜられて戦う事以外何も知らず、精神年齢が10歳前後で止まってしまっている哀れな男を演じ、全く違った顔を見せています。 車の窓からぼんやりと空を見上げる顔。ボスに怒鳴られて怯える顔。初めて食べるアイスクリームをひとのみにしてあまりの冷たさに慌てる顔など、とても42歳には見えない!アクションとドラマのバランスが良く、 リュック・ベッソンってホント殺し屋ものがお得意だわ。マッシヴ・アタックのサントラも良くて、欲しくなったです。(梅)

2004年/フランス・アメリカ/ヨーロッパ・コープ=ダニー・ザ・ドッグ リミテッド=TF1フィルムス・プロダクション=カレント・エンタテインメント=キアン・ヤン・インターナショナル・インク製作/103分/スコープサイズ/SR・SDR・DTS
配給:アスミック・エース

公式 HP >> http://www.dannythedog.jp/

★6月25日(土)より、丸の内プラゼール他、松竹・東急系にて全国ロードショー


『ワンナイト イン モンコック 旺角黒夜』原題:旺角黒夜
監督・脚本:イー・トンシン(爾冬陞)
出演:ダニエル・ウー(呉彦祖)、セシリア・チョン(張柏芝)、アレックス・フォン(方中信)、チン・カーロッ(錢嘉樂)、林雪(ラム・シュ)ほか

第24屆香港電影金像奨 最優秀監督賞、脚本賞
第10屆金紫荊奨 監督賞
第11屆香港電影評論学会大奨 監督賞

混沌の町、香港モンコック。世界一人口密度が高いと言われるアジア有数の繁華街。 この町をしきる二大組織の片方のボス、ティムの息子が 対立組織のチンピラに殺されるという事件が起きた。 ティムは敵のボス、ガウを抹殺しようと手配師のリウ(ラム・シュ)に殺しを依頼する。
タンタン(セシリア・チョン)は湖南省から出稼ぎに来ている若い娼婦。 客に乱暴されているところを通りかかった男フー(ダニエル・ウー)に助けられる。 フーはリウに呼ばれて中国本土からやってきた殺し屋だった。 タンタンはそうとは知らず、フーの道案内をする。
ミウ警部(アレックス・フォン)は過去の事件の影響で仕事に意欲が持てず、 家庭生活も破綻しかけていた。 なじみの情報屋から殺し屋の件を聞いたミウは、抗争終結のため大掛かりな作戦を開始する。 コードネームは「旺角黒夜」。偶然に出会ってしまった者たちの長い夜が始まった。

『美少年の恋』(98年)で鮮烈なデビューを飾ったダニエル・ウーも満30歳。 端正な容姿に加えてカンフーアクションもOK、悪役、 キレた役なんでもござれと芸域が広がっているのに感心しきり。 セシリア・チョンもすっかり映画賞の常連となっている。 この二人を中心に『ダブル・タップ』の刑事役を彷彿とさせるアレックス・フォン、 この人がいるとなんかやらかしそうな気がするラム・シュ。 久しぶりのサム・リーやチン・カーロッも配して、イー・トンシン監督の演出が冴え渡る。 悲痛なフーの声が耳に残り、痛いけれど忘れられない作品。
殆どが夜の撮影なので、VCDやDVDではさらに暗くなってしまって細部が見えません。 ぜひ劇場で! (白)


2004/香港/カラー/110分/35mm/シネスコ
配給:ファイヤークラッカー/真空間
協力:タキコーポレーション 宣伝:グァバ・グァボ

6月25日(土)よりキネカ大森にて 緊急ロードショー公開!
初日先着プレゼント実施!


『50回目のファーストキス』(原題:50 FIRST DATES)
監督:ピーター・シーガル
脚本:ジョージ・ウィング
撮影:ジャック・グリーン
編集:ジェフ・ガーソン
音楽:テディ・カステルッチ
キャスト:ドリュー・バリモア、アダム・サンドラー、ロブ・シュナイダー、ショーン・アスティン、ダン・エイクロイドほか

オアフ島の水族館で働くヘンリー(アダム・サンドラー)は、 観光客の女性達との恋の駆け引きを多いに楽しんでいた。 そんなヘンリーが一目ぼれしたjジモティのキュートなルーシー(ドリュー・バリモア)は、 明るい美術の先生。また会う約束をしてうきうきと出かけたのに、ルーシーの態度が変。 ヘンリーを全く覚えていなかったのだ。ルーシーは1年前に交通事故に遭って以来、 「前日のことを全て忘れてしまう」記憶障害を抱えており、 朝起きると事故に遭った日に戻ってしまうのだった。家族の苦心のもと、 同じ一日を繰り返すルーシー。ヘンリーは毎日彼女と「初対面」から始め、愛を告白し続ける。

ピーター・シーガル監督は暗くなりそうな話を、 ユーモアと優しさいっぱいのロマンチックなラブ・ストーリーに作り上げた。 ハワイの空の下、主演2人の明るさもとてもまぶしい映画。 ドリュー・バリモアは男女どちらにも好かれる女優さんじゃないかな。 とっても可愛いです。
「明日になると今日の記憶がなくなってしまう」事故に遭わずとも、 そんな日が遠くはない気がする今日この頃・・・。(白)

2004年/カラー/アメリカ/スコープサイズ/SDDS・SRD/1時間39分

提供:コロンビア・ピクチャーズ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
サントラ盤:ワーナーミュージック・ジャパン
6月18日(土)よりシネマミラノ、109シネマズMM横浜ほかロードショー

http://www.sonypictures.jp/movies/50firstdates/site/


『ザ・リング2』
監督:中田秀夫
脚本:アーレン・クルーガー(『ザ・リング』)
特殊メイク:リック・ベイカー(『メン・イン・ブラック』)
音楽:ハンス・ジマー(『グラディエイター』『ライオン・キング』)
出演:ナオミ・ワッツ、デイヴィッド・ドーフマン、サイモン・ベイカー、シシー・スペイセク

悪夢のような事件から半年後、レイチェルとエイダン母子は忌まわしい記憶から逃れるように、海辺の美しい街に移り、新しい生活を始めようとしていた。しかし、その静かな街で何十年ぶりかの怪死事件が起きる。 被害者は高校生で顔を恐ろしく歪めて死んでいたという。事件を知ったレイチェルは、被害者の顔を見てあのビデオテープだと確信する。被害者の自宅でラベルのないビデオテープを見つけた彼女は、すぐに焼き捨てるが、 直後から息子・エイダンの様子がおかしくなる。息子を救うために、レイチェルは独りサマラの出生を調べ始める。

日本版『リング2』を観たときは、正直「なんじゃこりゃ」と思ったのですが、このアメリカ版はオリジナル脚本で全く違うストーリーになっていて、私はこちらの方が圧倒的に面白いと思います。
『仄暗い水の底から』に似て、母子の愛情物語が中心なので、怖〜いホラーを期待して行くと、ちょっと肩すかしかもしれません(ホラーが得意でない人には十分刺激的でしょうが、、、)。所々、「母親がそういうことはしないでしょう」という突っ込みを入れたくなる部分があるのは、脚本家が若い男性だからでしょうか。
前作に引き続き、レイチェルを演じるのはナオミ・ワッツ。『ザ・リング』の主演ですっかりメジャーになりました。そして息子エイダンを演じるのも、前作と同じくデイヴィッド・ドーフマン。彼がうまい!顔が怖い(^^;)!(梅)

2005年/アメリカ/カラー/35mm/1時間50分/ドルビーデジタル、DTS
提供:アスミック・エース エンタテインメント、角川映画、フジテレビ
配給:アスミック・エース
宣伝:フリーマン

公式 HP >> http://www.thering2.jp/

★6月18日(土)より 有楽座ほか全国東宝洋画系にてロードショー


『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』(原題:The Assassination of Richard Nixon)
監督:ニルス・ミュラー
脚本:ニルス・ミュラー、ケヴィン・ケネディ
撮影監督:エマニュエル・ルベッキ
製作総指揮:レオナルド・ディカプリオ、アレクサンダー・ペイン
主演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チードル、ジャック・トンプソン、ほか

1974年アメリカ、ボルチモアの空港にサム・ビック(ショーン・ペン)という中年の 男が立っていた。彼は心のうちを敬愛する指揮者レナード・バーンスタインにあてて 語っていた。そのテープを封筒に入れ、計画実行のために歩き出す。
1年前。サムは職を失い、家族とも別居している。妻マリー(ナオミ・ワッツ)は働 きに出ていて、週一度玄関先でだけ子供たちと会うことを認めている。サムは早く家 族をとり戻したくて、事務機器のセールスの仕事につく。
しかし、客をだますようなボス(ジャック・トンプソン)のやり方は彼の意に沿わな いもので、成績もなかなか上がらず自信を失っていく。わびしい一人住まいで彼が見 るTVには、ウォーターゲート事件のニクソン大統領が繰り返し登場する。サムのボス が「世界一のセールスマン」と称したこの政治家に、報われないサムの苛立ちは募っ ていく。


もともとニルス・ミュラー監督が書いていた骨組みがあり、図書館で資料を探すうち によく似た実話に辿りついたのだそうだ。99年にはすでに主演が決まっていたとい う、ショーン・ペンがほとんど出ずっぱりでの演技。一人芝居ができそうなくらい だ。望むものは少しなのに手に掴むことができず、さらになくしていくサム。出口が 見つけられずもがいているうちに、妄想に絡めとられていくさまを見つめているのは 辛い。
資金難のためなかなかスタートできなかったこの作品に、初めて製作総指揮としてレ オナルド・デカプリオが参加している。(白)

2004/アメリカ/35mm/1時間47分/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビーSR・SRD
配給:ワイズポリシー、アートポート 宣伝:樂舎

★2005年6月11日(土)より テアトルタイムズスクエア上映予定

公式 HP >> http://www.wisepolicy.com/the_assassination_of_richard_nixon/index.html



『トラブル IN ベガス』(原題:ELVIS HAS LEFT THE BUILDING)
監督:ジョエル・ズウィック
脚本:アダム=マイケル・ガーバー、ミッチェル・ガーネン
撮影:ポール・エリオット
美術:ガイ・バーンズ
衣装:ナンシー・メイヤー・アラン
音楽:デヴィッド・キタイ
キャスト:キム・ベイシンガー、ジョン・コーベット、アニー・ボッツ、ショーン・アスティン、マイク・スター、ヒル・ルイス、デニース・リチャーズほか

ピンクのスーツに身を包むハーモニー・ジョーンズ(ベイシンガー)は、ピンク・レ ディ化粧品の敏腕セールス・レディ。全米各地で開催される販売員と顧客の集会で講 演をするため、エルヴィス・プレスリーと同じピンクのキャディラックを走らせる。 ハーモニーが子供のころエルヴィスの愛車でドライブしたことが、彼女の大切な思い 出となっていたのだ。
ハーモニーはなぜか行く先々でエルヴィスのコスプレをした人物に出会い、みんな彼 女の目の前で次々と不慮の死を遂げてしまう。逃げ出したハーモニーが出会ったハン サムなマイルス・タイラー(コーベット)を「運命の男性」と感じるのだが、彼の車 にもエルヴィスの衣装が・・・。


監督は大ヒットした『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』のジョエル・ズ ウィック。ジョン・コーベットも引き続き主演している。エルヴィス・プレスリーの ヒット曲にのって、たくさんのエルヴィスそっくりさんが登場。自分が近づくと彼ら が死んでしまう、と思い込んだハーモニーが一目ぼれしたマイルスから逃げ回るラブ コメディ。1953年生まれ(!)のキム・ベイシンガーが可愛い。
原題は「エルヴィスは会場を出ました」の意味。エルヴィスが登場した番組終了時、 熱狂した観客を静めるためにプロデューサーが発した言葉。これは以後コンサート終 了を告げるのに必ずアナウンスされたという。(白)

2004/アメリカ/カラー/35mm/ドルビーサラウンド/87分
提供:クロック・ワークス
配給:メディア・スーツ

公式 HP >> http://www.troubleinvegas.com/

★6月11日(土)よりシブヤ・シネマ・ソサエティにて公開


『夢の中へ』Into a dream
監督・脚本:園子温
出演:田中哲司、夏生ゆうな、村上淳、オダギリジョー、市川実和子、岩松了、麿赤兒、温水洋一ほか

鈴木ムツゴロウ(田中哲司)は役者人生10年。同棲中の恋人タエコ(夏生ゆうな) と長いが結婚まで進めない。トイレで異常を感じた鈴木は、 劇団の若い愛人ランコ(市川実和子)から性病をうつされたのではと心配になる。 酔いつぶれて見た夢の中で、自分はテロリストになって死にかけている。 目が覚めると今度は父親(麿赤兒)そっくりの男に尋問されていて、 どれが現実なのかわからなくなってきた。ほんとの自分はどこにいるのか、 自分はいったい何者なのか?

6月11日(土)より テアトル新宿にてレイトショー予定

2005/カラー/1時間43分/DV
配給:アルゴ・ピクチャーズ

http://yumenonaka.netcinema.tv/


『ミリオンダラー・ベイビー』
アカデミー賞4部門独占!監督賞・作品賞・主演女優賞・助演男優賞
ゴールデングローブ賞2部門 監督賞・主演女優賞
ほか多数受賞アカデミー賞4部門独占!監督賞・作品賞・主演女優賞・助演男優賞
ゴールデングローブ賞2部門 監督賞・主演女優賞
ほか多数受賞

監督:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス
原作:F・X・トゥール(「PopeBurns」日本語題「ミリオンダラー・ベイビー」ハヤカワ書房)
撮影監督:トム・スターン
製作:クリント・イーストウッド、ポール・ハギス、アルバート・S・ラディ、トム・ローゼンバーグ
美術:ヘンリー・バムステッド
音楽:クリント・イーストウッド
キャスト:クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン、ヒラリー・スワンク、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル、マイク・コルターほか

元ボクサーのスクラップ(モーガン・フリーマン)はダウンタウンの古びたボクシン グ・ジム、「ヒット・ピット」で雑用係として働いている。ボスでトレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)とは現役時代からの付き合い。フランキーはかつて、スクラップの試合を止めずに片目を失明させてしまった罪悪感からすっかり保守的になっていた。
ある日、ボクサーを夢見る31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)が訪れ、フランキーに「トレーナーになって」と頼む。けんもほろろに追い返されるが、マギーは諦めず前金を払ってジムに通いつめ、一人深夜まで黙々と練習に励んでいた。熱意を認めたスクラップは、サンドバックの叩き方を教え、フランキーのスピードバックを貸してやるのだった。


フランキーは娘と絶縁状態にあり、毎週書き送る手紙も送り返されている。マギーはトレーラーハウスの家族(これがいないほうがまし、って言いたいくらい)から離れ て、13歳からウエイトレスをしながら全てをボクシングにかけている。スクラップは ジムの片隅で寝起きをしていてやはり家族はない。
半ばまでマギーのサクセスストーリーの形をとりつつ、孤独な人間が少しずつ家族のような情愛を育んでいく過程が丁寧に描かれる。人生からおりてしまったような老トレーナーが、もう一度彼女と一緒に夢を見るようになるのだ。二人はアイルランド系で、フランキーが読んでいる本はゲール語(アイルランド、スコットランドの地方で話されている古くからの言語)。後でマギーに贈るガウンはナショナルカラーの緑色で、アイリッシュハープとゲール語が刺繍されている。フランキーは熱心なカトリック信者でもある(このあたり覚えておいてね)。
ヒラリー・スワンクは、実際にチャンピオンを育てたコーチの元で特訓し、現役女性 ボクサー相手にほんとに強いんじゃないかと思わせる熱演。何度もパンチを受けてしまったそうだ。マギーは凄絶ともいえるけれど、自分の望むことにまっすぐに向かっていて、いっそ爽快!「愛に、打たれる」のキャッチコピーに納得しました。(白)

2004年/アメリカ/133分/カラー/DYS/ドルビーデジタル/字幕:戸田奈津子

★5月28日(土)より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹東急系
配給:ムービーアイ、松竹

公式 HP >> http://www.md-baby.jp/

WEB版特集記事『ミリオンダラー・ベイビー』モーガン・フリーマン、ヒラリー・スワンク記者会見はこちら



『マイ・ブラザー』
監督・脚本:アン・クォンテ
撮影:ファン・ギソク
キャスト:ウォンビン、シン・ハギュン、キム・ヘスク、イ・ボヨンほか

同じ高校の同じクラスになってしまった年子の兄弟、 スンヒョン(シン・ハギュン)とジョンヒョン(ウォンビン)。 身体の弱い兄を溺愛する母に反発し、兄が疎ましく喧嘩にあけくれるジョンヒョン。 成績は良いが内気でおとなしいスンヒョンはそんな弟が羨ましかった。 同じ女の子を好きになってしまった二人は・・・。

ウォンビン兵役前の最後の出演作。「賢兄愚弟」の見本のように勉強は苦手だが、 喧嘩の強いタフガイ(なんだか石原裕次郎みたい・・・ふるっ!) で母親に気にかけてもらえないのが淋しいという男の子。 シン・ハギュンは繊細で気弱、それでも弟が危ないと助けに入るおにいちゃん。 二人とも似合いの役柄だ。
原題は『ウリ ヒョン』で「うちの兄貴」という意味。 ウォンビンのモノローグで始まる。自分の兄弟姉妹を思い出し、ちょっと連絡してみたくなった。 ハンカチ必携。(白)


ユニバーサル作品/UIP配給
2004/韓国/カラー/1時間53分/SRD:SR/ヴィスタビジョン
5月28日(土)シネマスクエアとうきゅうほか全国ロードショー

http://www.my-brother.jp/


『初恋のアルバム〜人魚姫のいた島〜』
監督:パク・フンシク
脚本:パク・フンシク、ソン・ヒェジン
原案:クォン・ヒェウォン
撮影:キム・ヤンイル
美術・チョ・グンヒョン
音楽:チョ・ソンウ
キャスト:チョン・ドヨン(若き母チョ・ヨンスン、娘ナヨン)、パク・ヘイル(若き父キム・ジングク)、コ・ドンシム(母)、キム・ボングン(父)ほか

郵便局に勤めるナヨンには恋人がいたが、結婚に踏み切れない。 というのも気の強い母が、人の良いおとなしい父をなじり夫婦仲が険悪なのを見ているせいだった。 海外研修が近づいたある日、父が何も言わずにいなくなってしまった。 ナヨンは楽しみにしていた研修をとりやめ、両親の生まれ故郷の島へ父を探しに出かける。 そこで彼女が出会ったのは、自分そっくりの若き日の母ヨンスン。 30年の時を遡って出会った母は、海女として働く溌剌とした島の娘だった。 ヨンスンが想いを寄せている郵便配達の若者は若き日の父。 二人の交流を見守るうち、ナヨンの心も少しずつ穏やかになっていく。

チョン・ドヨンが2役を演じているが、少しも違和感がない。 よく似た人がまったく違う性格の二人を演じているように見え、主演女優賞も納得である。 父の若き日を演じるパク・ヘイルは、『殺人の追憶』の容疑者役とは別人のように爽やかな笑顔。 役者さんってすごい。50歳の母親は、ソウルの浴場であかすりの仕事をしているという設定だ。 苦労続きで無理もないのだけれどこの母がおもいきりきついので、 父が蒸発したくなるのもわかる気がする(笑)。

ソウルを訪ねたとき、地元の女の子たちに最近の映画で良かったものは?と聞いたら、 答えがこの『人魚姫(原題)』だった。主なロケ地となった美しい牛島と、 若い二人の初々しい恋に心洗われるような作品。(白)

2004大韓民国映画大賞 女優主演賞、女優助演賞受賞
ゆうばりファンタスティック映画祭2005 ヤングコンペ部門にてグランプリ受賞

2004/韓国/111分/ビスタサイズ/ドルビーSR,SRD

http://www.taki-c.co.jp/hatsukoi/

★東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

<お知らせ>
池袋シネマロサでの公開は6月24日までです。当初レイトショーのみの上映でしたが、ファンの要望に応えて最終週6月18日から1週間、レイトショーに加えて9:30からのモーニングショー上映が決定しました。

◆愛知万博のイベント「コリア映画祭」で5月15日(日)本作の上映が決定!


『美しい夜、残酷な朝』

韓国、香港、日本---。 世界が注目するアジア映画界を牽引する3人の映画作家が人間の深い欲望に迫る衝撃の幻想コンピレーション。 あるものは嫉妬に狂い、あるものは永遠の美を求め、またあるものは富に執着する...。 各国で物議をかもした衝撃作が再編集を経て、ついにそのベールを脱ぐ。 (日本ヴァージョンでの劇場公開となります)

日本篇『 box』
監督:三池崇史(『着信アリ』『殺し屋1』)
出演:長谷川京子、渡部篤郎

韓国篇 『cut』
監督:パク・チャヌク(『オールド・ボーイ』『JSA』)
出演:イ・ビョンホン、カン・ヘジョン

香港篇 『dumplings』
監督:フルーツ・チャン(『メイド・イン・ホンコン』『リトル・チュン』)
出演:ミリアム・ヨン、バイ・リン、レオン・カーファイほか

2004/香港・日本・韓国/アメリカンビスタ/124分/ドルビーデジタル/R-15
ノベライズ 『美しい夜、残酷な朝』 行川渉著 (角川書店刊)
配給:角川映画 エンジェル・シネマ

公式 HP >> http://kadokawa-pictures.com/yoruasa/

東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』(LEMONY SNICKET'S A SERIES OF UNFORTUNATE EVENTS)
監督: ブラッド・シルバーリング
製作: ローリー・マクドナルド / ウォルター・F・パークス / ジム・ヴァン・ウィック
原作: レモニー・スニケット「世にも不幸なできごと」シリーズ(草思社刊)
脚本: ロバート・ゴードン
撮影: エマニュエル・ルベツキ
音楽: トーマス・ニューマン
編集: マイケル・カーン.A.C.E
キャスト:ジム・キャリー/メリル・ストリープ/エミリー・ブラウニング/リアム・エイケン/キャサリン・オハラ/ティモシー・スポール/ジェニファー・クーリッジ/ジュード・ロウ(ナレーション)ほか

ボードレール家の三姉弟妹、ヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)、 クラウス(リアム・エイケン)、サニー(カラ&シェルビー・ホフマン)が、 ある日砂浜で遊んでいると、銀行家のポー(ティモシー・スポール)がやってくる。 3人の自宅が全焼し、両親が亡くなったというのだ。3人は一番近い親戚というオラフ伯爵 (ジム・ャリー)の館に預けられることになる。 しかし、強欲なオラフ伯爵が遺産をわがものにしようとしていることに子供達はすぐに気がつくのだった。

オラフ伯爵の役はジム・キャリーのために作られたようなもの。適役! 次々と襲いかかる不幸にもめげない強くて賢い子供たち・・・ それに引き換えおとなたちの間抜けでかっこ悪いことよ。 40ヶ国語に翻訳されてベストセラーとなっている原作は現在13巻(各巻13章)まで発行済み。 本作は1〜3巻分の物語が元になっています。日本では第9巻を6月発売予定。 物語は世界中の子供達に愛されてまだまだ続いています。 映画の続編を切望(早くしないと子供たちが大きくなるよね)。 オープニングとエンディングも凝っているのでぜひお見逃しなく。(白)

アメリカ/カラー/1時間49分/DTS/ドルビーデジタル/
http://fushiawase.jp/
配給:アスミック・エース

東京での上映は終了しました。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

◆来日記者会見
ブラッド・シルバーリング監督
長女ヴァイオレット役 エミリー・ブラウニング
長男クラウス役 リアム・エイケン
MC:谷原章介 花束贈呈:安部麻美 ゲスト:いつもここから




『さよなら、さよならハリウッド』(原題:HOLLYWOOD ENDING)
監督・脚本:ウディ・アレン
プロデューサー:レッティ・アロンソン
製作総指揮:ステファン・テネンバウム
撮影監督:ウェディゴ・フォン・シュルツェンドーフ
キャスト:ウディ・アレン、ティア・レオーニ、トリート・ウィリアムズ、マーク・ライデル、ジョージ・ハミルトン、デブラ・メッシングほか

昔はオスカーを受賞したこともあったのに、今はすっかり落ちぶれてしまった映画監 督ヴァル(アレン)。元妻であるハリウッドのプロデューサーのエリー(レオーニ)の計らいで、エリーの恋人ハル(ウィリアムズ)が製作する大作の監督に抜擢され る。起死回生のチャンスが舞い込んでヴァルは大張り切り。ところがクランクインを控えたある夜、心因性の失明というアクシデントに見舞われる。エージェントのアル (ライデル)は今更やめるわけにはいかないと、撮影現場に目の見えないヴァルを連れて行く。

1935年12月1日、NYブルックリン生まれのウディ・アレン、今年は古希です ね。『何かいいことないか子猫チャン』で映画界デビュー(脚本・出演)したのは 1965年。以来コンスタントに作品を発表しているが日本公開は3年ぶり。アレン の虚実ないまぜの本作はハリウッドの映画制作の裏側を皮肉たっぷりに見せ、ラスト で大笑いさせる。
ウディ・アレン監督演じるヴァルはとってもおかしくてちょっとうざったいです。ご 本人もこんな人なんでしょうかね?(白)

公式 HP >> http://www.nikkatsu.com/movie/sayonara/

2002年カンヌ映画祭オープニング作品
2002/アメリカ/113分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル
配給:日活
★恵比寿ガーデンシネマにて4月23日よりロードショー


『愛の神、エロス(原題:eros)』
「エロス」を題材にした3人の監督によるオムニバス映画。
音楽:カエタノ・ヴェローゾ
絵画:ロレンツォ・マットッティ

エロスの純愛「若き仕立屋の恋(The Hand)」
監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)
出演:鞏俐(コン・リー)、張震(チャン・チェン)
高級娼婦ホアの元に使いに行った新米の仕立屋のチャンは、そこで彼女の手に導かれ強烈な体験をする。それ以来、何年にも渡り彼女を密かに慕いながら、彼女が他の男のために着る美しいチャイナドレスを縫い続ける。

エロスの悪戯「ペンローズの悩み(Equibulium)」
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ロバート・ダウニーJr.、アラン・アーキン
広告マンのペンローズは、何度も見るエロティックな夢に出てくる女性の顔が思い出せずに気になっている。そこで精神分析医のパール医師に夢の分析を依頼するのだが、、、

エロスの誘惑「危険な道筋(The Dangerous Thread of Things)」
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
クリストファー・ブッフホルツ、レジーナ・ネムニ
クリストファーとクロエは結婚生活に行き詰まりを感じ、喧嘩が絶えない。クリストファーはある日、若い魅力的な女性を見かけ、彼女が浜辺の塔に住むと知ると彼女の元を尋ねてみる。そして誘われるままに関係を結ぶ。


この「エロス」に関するオムニバス映画は、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の呼び掛けで実現した。主題だけが与えられ、それぞれの監督は 別々に自由に作品を撮ったので、全く違った観点から撮られた3つの作品が出来上がった。それらを、ロレンツォ・マットッティの美しい絵画と カエタノ・ヴェローゾのセクシーな歌声が一つの作品として紡ぎ上げている。
ソダーバーグとアントニオーニの作品には、女性の裸体が頻繁に出てくるのに対し、王家衛の作品には裸体は全く映らない。にもかかわらず、 最もエロティックに感じるのが王家衛の作品だ。この作品の張震はこれまでの彼とはひと味もふた味も違い、素晴らしい成長ぶりを見せている。 本当に今後の彼の活躍に期待したくなった。(梅)

公式 HP >> http://www.ainokami-eros.com/

2004年ヴェネチア国際映画祭正式招待作品
2004年トロント国際映画祭正式招待作品

2004年/109分/ビスタ/フランス・イタリア・ルクセンブルグ・アメリカ・中国
配給:東芝エンタテインメント 協賛:香港ドラゴン航空

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


シネマジャーナル本誌64号の王家衛監督のインタビュー記事を掲載します。


『フレンチなしあわせのみつけ方』
監督・脚本:イヴァン・アタル
製作:クロード・ベリ
音楽:レディオ・ヘッド、エルヴィス・プレスリー、ベルベット・アンダーグラウンド、ヘンリー・マンシーニ 他
出演:シャルロット・ゲンズブール、イヴァン・アタル、アヌーク・エーメ、アラン・シャバ、エマニュエル・セニエ 他

ヴァンサンは車のディーラーで悪友が2人いる。彼らが集まるといつも話題は女のこと。ジョルジュは妻のナタリーといつも大げんかして、その愚痴をこぼし、フレッドは毎日違う美女と遊んで独身を謳歌しているかと思いきや、彼は結婚したくてしかたない。ヴァンサンには友人2人から羨まれるような素敵な妻ガブリエルがいるのだが、実は愛人もいる。そのことをガブリエルは薄々感じているが、夫を問いつめる事ができないでいた。彼女はなんとか関係を修復したいと努力する一方で、CDショップで出逢った素敵な男性に胸をときめかせるのだった。

実生活でも夫婦のシャルロット・ゲンズブールとイヴァン・アタルが、『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』に続いて監督と主演をしています。シャルロットが演じるのはとても古風な女性。夫の浮気を確信しているのに、証拠がないからと問いつめる事をしないで、自分に出来ることから改善しようとしていきます。ところが夫の方は「どっちも愛してるんだ」なんて言ってる始末。多分に男の側の理想と幻想が入っていると感じます。でも、イヴァンはシャルロットをきっと本当に愛しているのでしょう。彼女はとても素敵に撮られています。
劇中ガブリエルがときめく男性の役で、ちょっとびっくりな俳優が登場します。彼女がドキドキするのがよーく解る人です。是非、劇場でご確認を!
しかしフランスの男たちって、集まると本当にあんな風に女の話ばっかりしてるのかしらん。アホや(笑)。(梅)

公式 HP >> http://www.gaga.ne.jp/french/

2004/フランス/カラー/シネスコ/DOLBY SR-SRD-DTS
配給:ギャガ・コミュニケーションズ、アニープラネット 宣伝:アニープラネット

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



『隣人13号』
監督:井上靖雄
脚本:門肇
撮影:河津太
効果:笠松広司
音楽:北里玲二
エンディング・テーマ:「はがれた夜」平川地一丁目
原作:井上三太(幻冬舎コミックス刊)
出演:中村獅童、小栗旬、吉村由美、新井浩文、石井智也、松本実、三池崇史(特別出演)ほか

村崎十三(小栗旬)はいじめられッ子だったが一見穏やかな青年に成長した。 しかし彼の中には凶暴な別人格「13号」(中村獅童)が巣食っていた。 子供時代の十三をいじめた赤井トール(新井浩文)は、 同じ建設現場にいたが彼を覚えてもいなかった。 トールの妻のぞみ(吉村由美)はそんな繋がりを知るよしもなく、 階下に住む十三に子連れで挨拶にくる。
かつての悲しみや怒りが沸騰したとき「13号」は十三を押しのけて現れ、 意のままに暴れまわるのだった。

中村獅童の写真と『13日の金曜日』 を思い出させるデザインのチラシにビビりながら試写にいきました。 記者会見で「好感度が下がるので観て欲しくない」と語ったというだけあって、 ビジュアルも中身も恐いキャラクターです。こんな隣人は願い下げ。
10年も前に発表したという原作ですが、 なんだか最近の事件を彷彿とさせて背筋が寒くなります。
メガホンをとったのは映画作品は初という井上靖雄監督。 アーティストが選ぶ「撮ってもらいたい日本のミュージック・クリップ監督」 にランクインしているのだとか。 母親としては、ん?と思う場面がありましたが、最後まで緊張感を持って見せるのは、 監督の手腕と俳優の力でしょう。 (白)

2004年/日本/ 35mm/115分/DTSステレオ 製作:メディア・スーツ アミューズソフト販売 制作:ピクス
配給・宣伝:メディア・スーツ

http://www.rinjin13.com/

7月30日から8月5日まで三軒茶屋中央劇場にて上映



『サマリア』
監督・脚本:キム・ギドク(『春夏秋冬そして春』『悪い男』)
出演:クァク・チミン、ハン・ヨルム、イ・オル(『純愛中毒』)

ヨジンとチェヨンはヨーロッパ旅行に行くために、援助交際をしてお金を貯めている。チェヨンはインドの伝説の娼婦パスミルダ気取りで、 売春になんの屈託もないが、ヨジンは心の底ではその行為を嫌い、チェヨンを買う男たちを憎んでいる。しかしチェヨンの身を案じ、見張り役をしていた。 ある日、一瞬見張りを怠った隙に、警察の取り締まりがチェヨンのいるホテルに入ってしまった。逃げ場を失ったチェヨンは、ホテルの窓から飛び降りて、 笑みを浮かべたまま死んでしまう。ヨジンはその笑顔を守るため、客の男たちに会い、お金を返す決心をする。しかし、ヨジンがホテルで男と会っている姿を、 ヨジンの父は偶然見かけ、大変なショックを受けてしまう。

観ている間中、涙は出ないのにずっと胸がキリキリと痛かった。美しい映像と音楽と少女たち。なのに、そこに描かれる人間の行為は罪深く、引き返せない悲劇へと突き進んでいく。以前よりも暴力描写の過激さは無くなったが、心に突き刺さる鋭さは以前と変わらず、どんどん凄い監督になっている。(梅)

公式 HP >> http://www.samaria.jp/

第54回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品
2004年/韓国/ヴィスタ/SRD/95分
提供:ハピネット・ピクチャーズ、東芝エンタテインメント、テレビ東京、テレビ大阪
配給:東芝エンタテインメント

★ギンレイホールにて公開中

この映画のノベライズ「サマリアの少女」が3月18日に発売されます。また、キム・ギドクのオフィシャル・ブック 「キム・ギドクの世界〜野生あるいは贖罪の山羊」が3月26日に発売されます。

★『サマリア』公開記念、荒木経惟氏撮り下ろしミニ写真展 「アラーキーとサマリアの少女たちの美しく切ない旅」★
■日時:3月26日(土)- 4月23日(土)
■会場:ブック1st渋谷店 1F  (正面入り口スペース)
■展示物:アラーキー撮影のパネル(半切サイズ×10枚程度)/「サマリア」場面写真とポスター
【同時開催:「サマリア」関連書籍フェア/ノベライズ(アドニス書房刊)、オフィシャル・ブック(白夜書房刊)】
世界三大映画祭制覇目前!今最も勢いに乗るキム・ギドク監督。
彼の日本での人気と影響力は計り知れない広がりを見せているが、かねてから、ギドク監督作品のファンであった天才カメラマン・アラーキーこと荒木 経惟氏が、1月下旬に来日を果たした『サマリア』主演女優のクァク・チミンとハン・ヨルムのふたりに惚れ込み、渋谷のホテルの一室で撮影を敢行した。 「少女たちの友情が招いた残酷で美しい物語」である『サマリア』の世界が見事に再現されたその写真が上記の概要で展示されることとなっている。


『失われた龍の系譜〜トレース・オブ・ア・ドラゴン』
提供:成龍(ジャッキー・チェン)
監督:張婉[女亭](メイベル・チャン)
撮影:黄岳泰(アーサー・ウォン)
出演:陳志平(チェン・ジーピン)<=房道龍(ファン・ダオロン)>、成龍(ジャッキー・チェン)<=房仕龍(ファン・シーロン)>
ナレーション:狄龍(ティ・ロン)

今や世界的アクションスターのジャッキー・チェン。彼はとても親孝行なことでも知られている。 しかし、両親にはその彼も知らない秘密があった。母の病気をきっかけに父が語り始めた彼らの過去。それは二人の壮絶な人生 の物語であり、またここ100年あまりの中国人民の歴史そのものだった。

今年1本目の映画から凄いものを観てしまった感じだ。何しろジャッキーの両親の人生が半端なく波瀾万丈で、その生き延びるために何でもし、何処へでも行く強さに只々感心した。この不屈の精神はしっかり息子ジャッキーに受け継がれているようだ。
母の過去について多少言及が甘いのは、何か問題が有ったのかしら。父の若い頃の写真を見ると、なかなかいい男だけど眼が怖いし(^^;)。 それにしても、中国の近代史に関わる映画を観ると日本人としては身の置き所がないといつも感じる。この映画でも父が日本軍に捕まったときに見せられた処刑シーンの描写が生々しく、辛かった。(梅)

中国(香港)映画/2003年/96分/ヴィスタ/ドルビーSRD/中国語
宣伝:フリーマン 提供:ハピネット・ピクチャーズ、マグザム 配給:マグザム

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

配給会社マグザム HP >> http://www.maxam.jp/index.html



『故郷(ふるさと)の香り』(原題 『暖 ヌアン』)
監督:フォ・ジェンチイ
脚本:チウ・シー
撮影:スン・ミン
音楽:サン・パオ
原作:モォ・イエン「白い犬とブランコ」2003 NHK出版刊
出演:グオ・シャオドン、リー・ジア、香川照之ほか

小さな山村にジンハー(グオ・シャオドン)が10年ぶりに帰ってきた。大学を出て、北京の役所に勤めている彼は、恩師の揉め事の解決にやってきたのだ。街へ戻ろうと したとき、かつて恋人だったヌアン(リー・ジア)に出会ってしまう。約束を果たさなかったジンハーは思わず、「恨んでいないか」と聞くのだった。

『山の郵便配達』、『ションヤンの酒家(みせ)』と、続けて作品が公開されたフォ・ジェンチイ監督の最新作。
昨年の東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、東京グランプリと最優秀男優賞(香川照之)に輝きました。
美しい山の風景の中で、叶わなかった初恋とよみがえってくる数々の思い出が語られます。抑えた演技のグオ・シャオドン、きりりと清楚なリー・ジアも良いですが、言 葉の不自由な純朴な男ヤーバを演じる香川照之が出色。(白)

公式 HP >> http://www.furusatono.com

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。
*シネジャ60号、「2003年東京国際映画祭」の特集に、グランプリを受賞したこの『暖 ヌアン』のティーチインとミーティングの取材報告があります。


『レクイエム』
監督:フィリップ・マルチネス
脚本:フィリップ・マルチネス、ローン・フェルー、ミック・ディヴィス
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、リサ・キング、ヴァレリー・ティアン、アンソニー・フレッドジョン、クロード・エルナンデス、ダニー・コーフ、サイモン・ヤム、フィリップ・タンほか

裏の世界で生きてきたベン・アーチャーは、愛する妻と息子との平穏な生活を願って いた。仲間に足を洗いたいと告げたその晩、ソーシャル・ワーカーをしている妻シン シアが中国人少女を連れ帰ってきた。その少女キムはチャイニーズ・マフィアのボ ス、スン・クアンに母親を殺され密入国して来たのだったが、追っ手に居場所を突き 止められてしまう。ベンの息子ニコラとキムは辛うじて逃げることができたが、シン シアと彼女の養父母は惨殺され、ベンは復讐を誓うのだった。

“熱い男の祭典”アクション3連発作品の第3作。
  妻の鎮魂のために復讐に燃える男をJ=C・ヴァン・ダムが演じている。マルセイユ ・マフィア対チャイニーズ・マフィアの戦いでもあるせいか、陰惨な暴力場面が多く R−15指定となっている。
ヴァン・ダム1960年ベルギー生まれ、サイモン・ヤム1954年香港生まれ、6歳年上の サイモンのほうがお肌つやつや、ずっと若く見える。派手なアクションやカーチェイ ス場面は、南アフリカで撮影されたそうだ。仮面ライダー(古っ)ばりのバイクアク ションも多々。16歳以上の人も真似してはいけません。(白)

2004年/アメリカ映画/1時間30分/ビスタサイズ/ドルビーSR
配給:ギャガ・コミュニケーションズ 配給協力: リベロ

公式 HP >> http://www.action-movie.jp/

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



『ICHIGEKI 一撃』(OUT OF REACH)
監督:レオン・ポーチー
脚本:トレヴァー・ミラー
出演:スティーブン・セガール、アイダ・ノヴァクスカ、マット・シュルツ、アグニェシュカ・ヴァグネル

ウイリアム・ランシングは政府機関のエージェントだったが、任務に疲弊して一人山中で暮らしている。ボランティア組織を通じて知り合った、ポーランドの孤児院の少女イレーナとの文通に安らぎを見出していた。利発なイレーナに暗号を教えたり、希望を持って強く生きるよう書き送っていたが、突然連絡が途絶えてしまう。ランシングはワルシャワの孤児院を訪ねるが、院長は国際的な人身売買に加担しており、イレーナは組織によって連れ去られた後だった。

これは思っていたのと違うテイストでした。え?と監督を見たらレオン・ポーチー (香港の名作『風の輝く朝に』監督です)ではありませんか!まあ、びっくり。ハリ ウッド進出してこんな作品を作っていたのね。今までセガールが主演してきた「沈 黙」シリーズより、アクションが少なめで人との関わりの描写が多いです。(白)

“熱い男の祭典”アクション3連発作品の第2作。
ウェズリー・スナイプス主演の『アウト・オブ・タイム』が第1弾(未見)。1月29日より。
ジャン=クロード・ヴァン・ダムの『レクイエム』が第3弾となる(後述)。

2004年/アメリカ/1時間25分/ビスタサイズ/ドルビーSR
配給:ギャガ・コミュニケーションズ 配給協力:リベロ

公式 HP >> http://www.action-movie.jp/ichigeki/

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



「Short Shorts Film Festival 2005」&「Short Shorts Film Festival Asia」
7年目を迎える、日本初の本格的短編映画をフィーチャーした映画祭「Short Shorts Film Fest ival」。昨年、米国アカデミー協会より、アカデミー賞認定映画祭の名誉 を受け、国内の短編分野を更にリードする存在となりました。今年は、「Short Shorts Film Festival Asia」(東京都共催)と同時開催。両映画祭併せて世界中か ら寄せられた約2,050本の応募作品の中から厳選した約90本の短編映画が原宿に集結 します。

◆ ラフォーレミュージアム原宿
2005年6月29日(水)〜7月4日(日)
東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6F
※期間中(7/3、4を除く)は、上映後にフィルムメーカーとの質疑応答コーナーあり

◆VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ オールナイトスクリーニング
2005年6月30日(木)〜7月2日(土)
ヴァージンシネマズ六本木ヒルズ
東京都港区六本木6-10-2 けやき坂コンプレックス内
※上映後にフィルムメーカーとの質疑応答コーナーはありません。

上映作品等詳細はHPをごらんください! 

ショートショート フィルムフェスティバル2005 >> http://www.shortshorts.org/2005/ja/outline.html
ショートショート フィルムフェスティバル ASIA >> http://www.shortshorts.org/asia2005/ja/outline.html



「フラッシュバック/フラッシュフォワード:過去への視線」
  The Japan Foundation Film Series Part 3
  国際交流基金英語字幕付き日本映画上映会 第三弾
期間:2005年6/24(金)〜6/26(日)
会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
   東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分
共催:キネマ倶楽部
企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会事務局
協力:角川映画、川喜多記念映画文化財団、松竹、東映、東宝、バンダイビジュアル、日本ヘラルド映画
料金:当日600円(当日券のみ) ※6/26講演は入場無料
 JFサポーターズクラブ会員は当日500円(当日券のみ)
  *各回入替制 *開場は15分前 *全作品英語字幕付き 

お問合せ:上映会事務局(東京フィルメックス内)
Tel:03-3560-6394(6/24まで 平日のみ11:00〜17:30 )
会期中のお問合せ:国際交流基金フォーラム
Tel:03-5562-4096(開催期間中のみ 6/24〜6/26)

◆タイムテーブル
6/24(金)
18:00〜『Avalon』(106分/35mm上映)
20:00〜 座談会
“すべての映画はアニメになる”(ゲスト:押井守、上野俊哉、トマス・ラマール)
『Avalon』をご覧になる方は、引き続き座談会もご覧頂けます。
(座談会のみご覧の方は、入場料600円となります)

6/25(土)
14:00〜『雨月物語』(97分/16mm上映)
16:00〜『男の顔は履歴書』(89分/35mm上映)
18:00〜『飢餓海峡』(183分/35mm上映)

6/26(日)
13:00〜『わが青春に悔なし』(110分/35mm上映)
15:00〜 講演   ※入場無料。
“時空政治学の映画演出−黒澤明『わが青春に悔なし』”レイ・チョウ

国際交流基金  国内上映事業 HP >> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp-3.html



『バースデー・ウェディング』
監督:田澤直樹(テレビドラマ「美女か野獣」「東京湾景」等、映画初監督作品)
脚本:児玉頼子
音楽・主題歌:矢野絢子(「瞬き」ユニバーサルシグマ/アイランド)
出演:上原美佐(『ROCKERS』大河ドラマ「義経」)、木村多江(『いぬのえいが』)、田中哲司(『海猿 UMIZARU』『この世の外へ クラブ進駐軍』)、忍成修吾(『北の零年』『ローレライ』)

千晴(上原美佐)は、結婚式の前夜、父(田中哲司)の礼服のポケットから「千晴5 歳 千晴へ」と書かれた1本のビデオテープを見つける。そこには、千晴が5歳の時に亡くなった母(木村多江)が、死期が迫ったことを知って、娘の成長を見守ることのできない切ない胸の内を語りかける姿が映っていた。翌日の結婚式披露宴。千晴は新郎(忍成修吾)とともに、天国の母への素敵な贈り物を準備する・・・。
写真提供:タキコーポレー ション
 
親にとって、子どもの成長は何よりの楽しみであり、心配ごとでもあろう。つい先日、同級生の女性4人で集まったときのこと。私以外の3人はごく普通に結婚して、早や孫の出来た者あり、かたや、娘が30歳までは結婚しないと宣言していて、そんなことでは花嫁姿が見れなくなるかも知れない・・と嘆く者あり、話は何かと子どもの話になってしまった。差し詰め、いつまでも結婚もせず、ふらふらしている私は、年老いた両親にとって、いつまでたっても心配の種。(申しわけない!) 子どものことで心配が絶えないのも困ったことだけれど、子どもの成長を見届けることができないのは、ほんとに辛く悲しいこと。親が子を思う気持ちを切々と感じて、涙が止まらなかった。早く親孝行しなくっちゃ。(って、もう今さら無理だぁ!)(咲)

企画:山下暉人 小松賢志 矢部浩彦
プロデュース:森谷雄 西前俊典
配給・タキコーポレーション
宣伝協力:フレスコ
c2005「バースデー・ウェディング」製作委員会
2005年/日本映画/上映時間:1時間13分/ビスタサイズ/カラー/ステレオ

公式 HP >> http://www.taki-c.co.jp/birthday

★6月11日より 渋谷・シネ・ラ・セットにてジューンブライド・レイトショー
◇初日舞台挨拶: 6月11日(土)21:20−21:40
         登壇予定:田澤直樹監督、上原美佐、忍成修吾



『30年のシスターフッド』

1970年代の日本のウーマン・リブを生きたおんなたちの語りから、ウーマ ン・リブを伝え、彼女たちが開いてくれた道とその現在の位置を知ろうと つくられたドキュメンタリー作品。

<30年のシスターフッドを観てリブを語るプロジェクト>が送る
勇気のでる連続ビデオ上映+トーク 第二弾!!

★5月21日(土)18:00開場 18:30〜(上映後トークセッション)

<<<昔もリブ!今もリブ!これからもリブ! PART1>>
トーク・北村三津子さん(リブビデオ出演者・介護福祉士)

上映:『30年のシスターフッド 70年代ウーマンリブの女たち』
 (制作/ 山上千恵子・瀬山紀子/57分/2004)
場所:PA/F
   SPACE(パフスペース)http://www.pafspace.com/
   新宿区馬場下町18フェニックスビル3F
TEL: 03-3207-0856
参加費・1000円
いまの自分にどこかで不安を抱えていたり、
いまの世の中にどこかで違和感を感じていたり、
なんだか、思ったままを言える関係がないな、と感じていたり、
自分の居場所がないなと感じている人達に伝えたい

女が一人でたのしく生きていくための道を探ってきた
リブの女たちからのメッセージを。

大丈夫、一人でも生きていける。ビバ・リブ!

◇北村三津子さん
大阪の短大で幼児教育学科を修了後、保育所に勤務。そのころから、労働 運動に従事。その後、ウーマンリブ(意識変革をともなう女性解放運動) にであい関西リブ連絡会議で活動後、 さまざまな仕事を経て、現在は東京都内で特別養護老人ホームに勤務。 「リブは女の自己史を語る。個人史はみんな世界遺産になりますよ。 個人史は、すべての女とつながっている。」

公式 HP >> http://homepage2.nifty.com/30yrs-sisterhood/

ビデオ・DVD(価格5000円 ライブラリー価格20000円)発売中
英語字幕版あり
<<ご注文・問い合わせ先>
女たちの歴史プロジェクト
TEL03-3780-4446 FAX03-3780-1748

◇ビバリブ!プロジェクト◆
http://homepage2.nifty.com/30yrs-sisterhood/
問い合わせ先
sisterhood_30nen@mail.goo.ne.jp

シネマ・ジャーナル本誌64号に関連記事を掲載しています。


『わが家の犬は世界一』
監督・脚本:ルー・シュエチャン
製作:ワン・チョンジュン
製作総指揮:フォン・シャオガン、ワン・チョンレイ
撮影:チャン・シーグイ
美術:リュイ・ドン
出演:グォ・ヨウ、ディン・ジャーリー、リー・ビン、リー・キンキン、シア・ユイ、リー・ミン、リー・ビンほか

北京市では1995年から許可なく飼われている犬の一斉取締りを行なっていた。 しかし許可をもらうには高額な登録料がかかるため、 隠れて飼っている場合も少なくなかった。
工場で夜勤労働をしているラオも、こっそりとカーラという犬を飼っている。 口うるさい妻ユイランや反抗的な息子のリアンより、 自分になついているカーラが可愛くてしかたがない。
ある晩、カーラを散歩に連れて出た妻が公安(警察)の取り締まりにあい、 登録証のないカーラは取り上げられてしまった。 翌日の午後4時までに登録料5000元(約7万円)を支払わなければ処分されてしまう。 タイムリミットは18時間!愛犬カーラを取り戻すために、ラオのあの手この手の奮闘が始まった。

第6世代の代表監督ルー・シュエチャンの3作目の作品。 頼りない父親を中国きっての演技派俳優のグォ・ヨウが演じ、 壊されていく胡同(古い下町)や闇市場などを愛犬のために右往左往する姿がおかしくも哀しい。 時間がだんだんなくなるのに、グォ・ヨウが飄々としている(あるときはのらりくらり)ので、 こんなんで大丈夫かいと心配になるのだが。あちこちにぴりりと風刺がきいていて、 ニュースや観光では紹介されない北京を面白く見せてもらった。 そうそう、登録料は後に1000元に引き下げられたそうである。(白)

中国/2002/100分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR/字幕:水野衛子

2003年ベルリン国際映画祭正式出品
2003年香港国際映画祭クロージング作品

★4月30日(土)より新宿武蔵野館にてロードショー

http://www.zaziefilms.com/wagayano-inu/

シネマジャーナル本誌64号にルー・シュエチャン監督のインタビュー記事を掲載します。


『ベルリン、僕らの革命』
ハンス・ワインガルトナー監督
ダニエル・ブリュール(「グッバイ・レーニン」)主演

★"Bunkamuraル・シネマにて4月29日(祝)初日"決定

公式 HP >> http://www.bokuranokakumei.com/



『インファナル・アフェアIII 終極無間』
監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
脚本:アラン・マック、フェリックス・チョン
撮影:アンドリュー・ラウ
編集:ダニー・パン
音楽:チャン・クォンウィン
キャスト:アンディ・ラウ、トニー・レオン、レオン・ライ、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、チェン・ダオミン、ケリー・チャン、チャップマン・トウ、エディソン・チャン、ショーン・ユー、カリーナ・ラウ、サミー・チェンほか

観客を魅了してきた『インファナル・アフェア』がついに完結します。豪華な配役陣 に、きっちりと書き込まれた脚本、ヤンとラウのその後をぜひ劇場で確かめてきま しょう!おっと、その前にIとIIをおさらいしてくだされ。(白)

2003/香港/カラー/118分
http://www.infernal.jp/index_top.shtml

配給:コムストック

4月16日(土)よりロードショー

★豪華ゲストを迎えてのスーパープレミア・ナイト決定★全席指定 (完売したもようです)

■東京エリア
日時:4月11日(月)19:00開場/19:30開演
会場:新宿ミラノ座

■大阪エリア
日時:4月14日(木)18:30開場/19:00開演
会場:梅田ブルク7

お知らせ
インファナル3部作が、キネカ大森にて5月21日よりまとめて上映されます!!
この機会に、再度インファナルワールドを堪能されてはいかがでしょう。
キネカ大森HP-> http://www.cinemabox.com/schedule/omori/asian.html

特集記事『インファナル・アフェアIII 終極無間』来日記者会見もご覧下さい。
特集記事『インファナル・アフェアIII 終極無間』公開記念 シネジャ的インファナル・アフェア特集 香港映画ファンが語る『インファナル・アフェア 無間道』もご覧下さい。


『BEAT KIDS ビートキッズ』
監督:塩屋俊
脚本:原田眞人
原作:風野潮「ビート・キッズ」講談社刊
撮影監督:阪本義尚
出演:森口貴大、相武紗季、市道信義、古河弘基、田中康平、杉浦太陽、井上美琴、 余貴美子、豊川悦司、渡辺いっけい、中村雅俊ほか

岸和田出身のエージ(森口貴大)の心にはいつも「だんじり」のリズムが刻まれている。 それはエージの心のビートだ。父(豊川悦司)は昔はだんじりの花形だったが、 落下して怪我を負ってからはギャンブルに興じるヘタレな男になっていた。 大阪に転校してきて、エージは身重の母(余貴美子)を助けて新聞配達をしている。 ある日ブラスバンド部に誘われ、そこで生徒を指導する天才高校生カンノ君に引き合わされる。 カンノ君はナナオという女の子(相武紗季)で、 エージは彼女の命令でドラムをたたくことになった。


大阪の現役高校生バンド “HUNGRY DAYS”が主演する青春“ビート”ムービー。
エージがブラスバンド部でナナオにしごかれながら、マーチングバトルに出場するまでが前半。 バトルのシーンは実際に屈指の実力を持つという、府立淀川工業高校のブラスバンド部が演奏。 『スイングガールズ』ならここで終わるところだが、まだ続く。 ナナオに宿題を出されたエージがロックバンドに加わるのだ。 ようやく「HUNGRY DAYS」のメンバー4人が集まって演奏が聴ける。 映画初出演の彼らはセリフを喋っているときは心もとないが、 演奏が始まるととたんに元気百倍(笑)。 話が二つに分かれてしまった気はするものの、若い子たちが可愛いので許そう。(白)

2005/日本/シネマスコープサイズ/DTSステレオ/1時間55分
配給:松竹/宣伝東芝エンタテインメント
2005年春、池袋シネマサンシャインロードショー 関西先行上映中!
オリジナル・サウンドトラック・アルバム「BEAT KIDS」3・30リリース

http://www.beatkids.com/


『真夜中の弥次さん喜多さん』
監督・脚本:宮藤官九郎
原作:しりあがり寿
音楽: ZAZEN BOYS
出演: 長瀬智也/中村七之助/小池栄子/阿部サダヲ/柄本佑/森下愛子/岩松了/板尾創路/竹内力/山口智充/清水ゆみ/ARATA/荒川良々/中村勘九郎/生瀬勝久ほか

山ほど映画が作られた「弥次喜多道中記」だが、 これは漫画を原作に人気の役者を取り揃えたにぎやかで楽しい作品。 怒涛のように押し寄せるギャグにしっかりついていかないと、あなたは振り落とされること必至。 人気の脚本家、「くどかん」こと宮藤官九郎の初監督作品。

ひとまず元ネタの「弥次喜多道中記」は忘れて観よう。 のっけから金髪ヤク中の喜多さん(中村七之助)が注射器片手に、 「おいら、リヤルがとんとわからねぇ」と嘆いているし、男気満タンの弥次さん(長瀬智也)、 は「おいら」、喜多さんは「おめえ」と書かれた揃いの寝巻き姿で愛し合っちゃうのだから。 喜多さんのヤク中を治し、 リヤル(誤植ではありません)を探すためのためお伊勢参りに出る二人は、 振り分け荷物に三度笠、スカジャン(虎や鷹の刺繍のジャンパーね)ばりのカッパを翻し、 2ケツのバイクで東海道をぶっ飛ばす・・・あと少しのところで「江戸時代だぞ、歩け!」と撤収、 お江戸に戻されてしまった。全編こんな調子で、奇妙な宿場に泊りながら旅する二人、 さていかがあいなりますやら。(白)

2005年/日本/ヴィスタサイズ/カラー/ドルビーデジタル/2時間4分

4月2日(土)より渋谷シネマライズ、新宿ジョイシネマほか全国順次ロードショー
http://yajikita.com/


『にがい涙の大地から』
海南友子監督作品

第二次世界大戦が終わり、日本軍が中国を撤退するとき、秘密裏に遺棄してきた毒ガスや砲弾によって被害を受けた人の数は、約2000人と言われている。
そのうち、60人くらいの人に取材し、実情を捉えたのがこのドキュメンタリーです。障害を負ったり、後遺症に苦しんでいたり、家族総出で働いても治療費がなかな か払い切れなかったりで、被害者本人だけでなく家族にも大きな負担がかかっている状況を、海南監督のカメラは写し出す。


被害を受けたことで人生が大きく変わってしまった人々の姿を、日本人としてはしっかり見なくてはならないと思います。ぜひ、上映会場に足をお運びください。(宮)

★上映スケジュール
詳しい上映スケジュールはこちら->http://www014.upp.so-net.ne.jp/kanatomoko/page005.html

この作品はシネマジャーナル63号で紹介しています。

公式 HP >> http://kanatomoko.jp.todoke.net/

この作品上映と同時に、海南監督の下記の作品も上映されます。

『マルディエム彼女の人生に起きたこと』

この作品は、太平洋戦争中、インドネシアで日本軍の従軍慰安婦にさせられたマルディエムさんを追ったドキュメンタリーです。今、NHKの番組「問われる戦時性暴力」の改編のことが問題になっていますが、この番組でも扱われた、民衆法廷「女性国際戦犯法廷」にも参加したマルディエムさんの、従軍慰安婦であった過去の状況を検証しています。(宮)



『火星人メルカーノ』
監督:ホアン・アンティン
脚本:ホアン・アンティン、ラウタロ・ヌネス・デ・アルコ

南米アルゼンチン発、ラテン・アニメーション!

火星で平和に暮らしていたメルカーノは、ある日ペットの火星犬を地球から来た火星探査機によって殺されてしまう。 その復讐のために地球へと向かったメルカーノが降り立ったのはブエノスアイレス。地球でインターネットを経由してフリアン という男の子と友達になるが、フリアンの父はメルカーノが創ったネット上のバーチャル世界を利用して一儲けを企てる。

2002/アルゼンチン/75分/35mm・デジタルBcam/1:1.85/カラー
配給:アップリンク

アップリンク HP >> http://www.uplink.co.jp

UPLINK FACTORYにて5月1日から11日まで上映



『マシニスト』
監督:ブラッド・アンダーソン
脚本:スコット・コーサー
出演:クリスチャン・ベイル、ジェニファー・ジェイソン・リー

機械工(マシニスト)のトレバーはこの1年眠ることができず、誰もがその存在を危ぶむほどやせ細っていた。眠れぬ夜には、娼婦のスティービーの部屋に行くか、 空港のカフェに行って優しいウェイトレスのマリアと話すことが慰めとなっていた。ある日、冷蔵庫に不気味な紙が貼られているのを見つける。いったい誰が? 何のために?それからというもの、工場には謎の男アイバンが現れたり、同僚が事故で腕を切断したりと、奇妙なことが起こり始める。トレバーは誰かが 自分を罠に掛けようとしているのではないかと感じ、真相を探り始めるのだが、、、

宣伝の仕方が恐怖映画のようで、また『ソウ SAW』のように怖いのかしらと思って観に行ったが、全然違っていた。確かに、クリスチャン・ベイルのやせっぷりは驚異的で恐い。語り口もサスペンス&ホラーなのだが、怖いと言うより「なんでこうなってるの?」という謎解きへの関心の方が高まる。(梅)

公式 HP >> http://www.365sleepless.com

2004年 サンダンス映画祭ワールドプレミア出品作品
2004年 ベルリン国際映画祭正式出品作品
2004年 ニューシャテル国際ファンタスティック映画祭 最優秀作品賞主要2部門受賞
2004年/スペイン・アメリカ合作/スコープ/SRD/102分
配給:東芝エンタテインメント

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。


『1リットルの涙』
監督:岡村 力
脚本:山本文太、田中貴大
制作:オールアウト
主題歌:「空へ」加藤郁子
挿入歌:「グライダー」大森洋平
原作「1リットルの涙」木藤亜也著、「いのちのハードル」木藤潮香著 エフエー出版
出演:大西麻恵、かとうかずこ、鳥居かほり、芦川よしみ、松金よね子、浜田光夫ほか

中学3年の亜也は「脊髄小脳変性症」という難病にかかる。反射的に身体のバランス をとり、素早くなめらかに動くことに必要な神経細胞が変化していき、ついには消え てしまうというものだ。身体がふらつくのから始まって、やがては喋ることや動くこ とがだんだんできなくなってゆく。主治医から説明を聞いた亜也は日記をつけ、この 病気を背負って生きてゆく決心をする。「そう言えるようになるまでには、少なくと も1リットルの涙が必要だった(日記より)」

こういう病気があることを映画を観て初めて知りました。映画初主演の大西麻恵は同じ症例の方のビデオを繰り返し見たり、養護学校で身をもって体験、役作りをしたといいます。迫真の演技。 観客はしだいに病状が進んで行くのを見守る形になり、これが辛くて泣けてしまいます。病気と闘った本人と支えてきた周りの方々を思うと、泣いてるだけでいいのかとはたと考えます。もすこし人に優しくしようっと。気丈な母を演じたかとうかずこも良かったです。(白)

2004年/日本/98分/アメリカンヴィスタ
配給:1リットルの涙上映委員会

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.allout.co.jp/



『第13回フランス映画祭 横浜2005』
会期:2005年6月15日(水)〜6月19日(日)

メイン会場:パシフィコ横浜会議センター メインホール他

サブ会場:109シネマズMM横浜、ワーナー・マイカル・シネマズ みなとみらい

チケット発売日:チケットぴあにて2005年5月13日(金)より

公式ホームページ:http://www.unifrance.org/

上映作品:新作のフランス映画 長編18本+短編9本 全19プログラム

明るい瞳』  監督:ジェローム・ボネル
  出演:ナタリー・ブトゥフ、ラース・ルドルフ
行け、生きろ、生まれ変われ』  監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
  出演:ロシュディ・ゼム、ヤエル・アベカシス、シラク・M・サバハ
海が満ちる時』  監督:ジル・ポルト、ヨランド・モロー
  出演:ヨランド・モロー、オリヴィエ・グルメ
描くべきか愛を交わすべきか』  監督:アルノー・ラリユー、ジャン=マリー・ラリユー
  出演:ダニエル・オートゥイユ、サビーヌ・アゼマ、セルジ・ロペス、フィリップ・カトリーヌ、アミラ・カサール
』  監督:コスタ=ガヴラス(『Z』、『戒厳令』)
  出演:ジョゼ・ガルシア、カリン・ヴィアール、ウルリッヒ・トゥクール、オリヴィエ・グルメ
The beat that my heart skipped (仮題)
  監督:ジャック・オーディアール(『天使が隣で眠る夜』、『リード・マイ・リップス』)
  出演:ロマン・デュリス、オーレ・アティカ、エマニュエル・ドゥヴォス
35歳とサムシング』  監督:セシル・テレルマン
  出演:アンヌ・パリロー、ジュディット・ゴドレーシュ、マチルド・セニエ
ジェネシス(仮題)』  監督:マリー・プレンヌー、クロード・ニュリザニー(『ミクロコスモス』)
バンリュー13(原題)』  監督:ピエール・モレル
  出演:シリル・ラファエリ、ダヴィッド・ベル
髭を剃る男』  監督:エマニュエル・カレール(『ニコラ』原作・脚本)
  出演:ヴァンサン・ランドン、エマニュエル・ドゥヴォス
マリスコス・ビーチ』  監督:オリヴィエ・デュカステル、ジャック・マルティノー 
  出演:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ジルベール・メルキ、ジャン=マルク・バール
メトロで恋して』  監督:アルノー・ヴィアール
  出演:ジュリアン・ボワスリエ、ジュリー・ガイエ
モン・アンジュ』  監督:セルジュ・フリードマン(『歓楽通り』『橋の上の娘』 脚本)
  出演:ヴァネッサ・パラディ、ヴァンサン・ロティエ、エドゥアルド・ノリエガ
リトル・エルサレム』  監督:カリン・アルブー
  出演:ファニー・ヴァレット、エルザ・ジルベルスタイン、ブリュノ・トデスキーニ
ルパン』  監督:ジャン=ポール・サロメ(『ルーブルの怪人』)
  出演:ロマン・デュリス、クリスティン・スコット・トーマス、エヴァ・グリーン
レミング』  監督:ドミニク・モル(『ハリー、見知らぬ友人』)
  出演:シャーロット・ランプリング、ローラン・リュカ、シャルロット・ゲンズブール
ロシアン・ドールズ』  監督:セドリック・クラピッシュ(『猫が行方不明』『スパニッシュ・アパートメント』)
  出演:ロマン・デュリス、セシル・ドゥ・フランス、オドレイ・トトゥ
ワーズ・イン・ブルー』  監督:アラン・コルノー(『めぐり逢う朝』『インド夜想曲』)
  出演:シルヴィー・テスチュ、セルジ・ロペス

大学特別講演会
一般の人も参加できるゲストを招いての講演会です。(無料、事前申込み不要)
詳細 >>http://media.kanto-gakuin.ac.jp/0617france.html 

横浜シネマテーク発足記念シンポジウム
「シネマテークはどうしてできたか?」
日時 :6月16日(木)13:30スタート(13:00開場)
会場 : パシフィコ横浜301号室
料金 : 無料 [先着順 (定員150名)]
* 下記問い合わせ先までなるべく事前にお申し込みください。
お問合せ:財団法人横浜市芸術文化振興財団 045-682-2015

国際シンポジウム
「映画づくりは学校で学べるか?」
日時 : 6月18日(土)15:30スタート(開場15:00)
会場 : 横浜赤レンガ倉庫1号館
料金 : 無料 入場方法 : 会場まで要事前申し込み(先着順)
お問合せ:横浜赤レンガ倉庫1号館 TEL:045-211-1515

他詳細はこちらをご覧ください↓
http://www.unifrance.jp/yokohama/index.php

来日ゲスト:上映作品の監督、俳優、プロデューサーを初めとした総勢約100名の代表団
一般お問い合わせ:キョードー横浜 TEL:045-671-9911



『ドイツ映画祭2005』 ◎会期:2005年6月4日(土)〜12日(日)
◎会場:有楽町朝日ホール
◎上映作品
A ヒット映画リバイバル
  『名もなきアフリカの地で』 監督:カロリーネ・リンク
  『トンネル』監督:ローランド・ズゾ・リヒター
  『マーサの幸せレシピ』監督:サンドラ・ネットルベック
  『グッバイ、レーニン!』監督:ヴォルフガング・ベッカー
  『飛ぶ教室』トミー・ヴィガント監督

B もうすぐ公開!
  『青い棘』監督:アヒム・フォン・ボリエス
  『愛より速く』監督:ファティ・アキン
  『ヒトラー〜最期の12日間〜』 監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
  『ゾフィー・ショル−最期の日々(仮題)』監督:マルク・ローテムンド

C 映像の新しい地平
  『クレイジー』 監督:ハンス=クリスティアン・シュミット
  『タトゥー』監督:ロベルト・シュヴェントゥケ
  『ヒランクル』監督:ハンス・シュタインビッヒラー
  『芝居に夢中』 監督:アンドレス・ファイエル
  『シュルツェ、ブルースへの旅立ち』監督:ミヒャエル・ショル
  『ファーラント』 監督:ミヒャエル・クリーア
  『幻影』監督:クリスチャン・ペツォルト

D 最新未公開ドイツ映画
  『何でもツッカー!』監督:ダニー・レヴィ
  『ワン・デイ・イン・ヨーロッパ』監督:ハネス・シュテーア
  『アグネスと彼の兄弟』監督:オスカー・レーラー
  『弟が犬になっちゃった!』監督:ペーター・ティム
  『9日目』監督:フォルカー・シュレンドルフ
  『夏の突風』監督:マルコ・クロイツパイントナー
  『心の鼓動』監督:ヘンドリック・ヘルツェマン
  『ヴィレンブロック』監督:アンドレアス・ドレーゼン

◎前売りチケット 
発売日: 4月23日(土)AM10:00から(コンビニエンスストアは正午から)
購入方法:
     1 お近くのチケットぴあ窓口で直接購入
2 電話予約後、店頭で受け取り
  チケットぴあ/音声認識予約:0570(02)9999
  (AM10:00からPM11:30、オペレーター対応はPM6:00まで)
3 ファミリーマート、セブン-イレブン、サンクスで直接購入
  Pコード:1回券=551−244/5作品券、10作品券、パスポート予約券=474−445
  前売り一回券:一般1300円(当日1500円)、学生・シニア1200円(当日1400円)
公式HP http://www.asahi.com/event/de05/

『桃色 Colour Blossoms』
監督・脚本:楊凡(ヨン・ファン)
出演:松坂慶子、章小[(草冠)恵](テレサ・チョン)、ハリス(河利秀)、SHO、呉嘉龍(カール・ン)

美麗(メイライ)は不動産屋の職員。謎めいた美女・梅木夫人から売って欲しい部屋があるので見に来て欲しいと依頼される。その部屋は古びているが、数々の調度品が置かれた美しい部屋だった。メイライは部屋に魅了され、密かに入り浸るようになる。ある日、見知らぬ男が突然部屋に入り込んでくる。メイライは一瞬で彼の虜になるが、さらに彼を追って若い美女も現れる。メイライはその部屋で梅木夫人によって、愛欲と愛憎のカオスへと導かれる。それは現実なのか、幻なのか、、、

 (写真提供 シナジー)

香港国際映画祭での上映で観たのですが、まず松坂慶子が役名を美輪明宏演ずる黒蜥蜴の様に名乗ったところで、私は椅子から転げ落ちそうになりました(^^;)。監督は東洋初のオスカー女優「ナンシー梅木」から梅木夫人と名付けたそうです。
梅木夫人は愛する人の愛を得るために、自らの肉体をも変えます。監督は「彼女は運命に屈せず、挑戦し続ける人」と説明します。しかし愛欲は独占欲へ、そして憎しみへと変わり、悲劇的な結末を迎えます。作品全体に虚しさが漂っているのは、監督自身の現在の心境を映しているのでしょうか。
いつもながら何処を切り取ってもポストカードになるような美しい映像です。直接裸体がでるようなシーンはほとんど無いのですが、とてもセクシーに感じます。監督の審美眼は本当に凄いと思う。でもストーリーを真剣に追うと頭の中?だらけになるかもしれません。
謎のカメラマンに扮するSHOは、日本人ですが香港でショーモデルとして活躍している人です。ほとんど喋りませんが、いい男です。また謎の警官を演じる呉嘉龍は、以前ジャッキー・チェン映画など、数々の作品で脇役を務めている呉耀漢(リチャード・ン)の息子です。(梅木)


2004年/カラー/香港/103分/ドルビーデジタル/シネマスコープサイズ
提供:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
配給:シナジー

公式 HP >> http://www.momo-iro.jp/

★5月14日(土)より新宿ピカデリー4、銀座シネパトス、シネマックス千葉
 6月4日(土)より立川シネマシティ ほか全国順次ロードショー

特集記事『桃色 colour bloosoms』記者会見もご覧下さい。


『ブルー・レクイエム』(原題:Le Convoyeur)
監督: ニコラ・ブークリエフ( 『アサシン』脚本)
脚本: ニコラ・ブークリエフ / エリック・ベスナール
撮影: セドリック・クラ プロデューサー: リシャール・グランピエール
音響: シリル・モワソン
編集: ジャクリーヌ・マリアニ
美術: ローラン・アレール
音楽: ニコラ・バビー
キャスト:アルベール・デュポン、フランソワ・ベルレアン、ジャン・デュジャルダン、クロード・ペロン、ジュリアン・ボワッスリエほか

 現金輸送車の中で、3人の男たちが与太話をしている。輸送車の後方では、一台の高級車がいらつき気味に追い越しをかけようとしていた。その時、突然閃光が走り、現金輸送車が火を噴いた。
 一人の男が現金輸送会社に警備員として転職してきた。彼の名はアレックス。リストラで失職し、独身、食うためにこの仕事に就いたと言う。しかしこの会社は、今年すでに3回も武装グループによる襲撃を受けており、経営は傾き、間もなくアメリカの大手企業に買収されることになっていた。彼は職場仲間にそれとなく襲撃事件について聞いて回る。ホテルの彼の部屋には、襲撃事件に関する新聞記事や職場仲間のプロフィールなどが壁一面に張られている。彼の目的は何なのか?

この作品、予備知識ゼロで観る事をお奨めします。チラシにはアレックスが何者なのか書かれていますが、それも知らずに観ると、サスペンスフルで非常に面白いです。映画の語り口は寡黙なので、かなり映像に集中する必要がありますが、ブルーを基調とした映像といい、音楽といい、主人公といい、めっちゃ渋い&クールです。久しぶりに非常に良くできたフィルム・ノワールを観られて満足!ハリウッドでこれまたリメイクするらしいですが、この渋さは絶対でないと思う。オリジナルを是非ご覧あれ。(梅)

2003/フランス/95分/カラー/35mm/シネスコ/ドルビーデジタル/DTS

http://www.longride.jp/blue-requiem/

5月14日より シブヤ・シネマ・ソサエティにて公開
5月21日より 吉祥寺バウスシアターにて公開



「駅前シリーズぜんぶ上映!【前編】」

日本映画史に残る名シリーズ全24作品、すべてやります!!
しかもそのうち20作品がニュープリントでの上映です。
名匠・豊田四郎による第1作「駅前旅館」から、粋な人情喜劇に仕上げた久松静児時代、 名シリーズとなってノリにのってる佐伯幸三時代まで、 まずは前半の12作品を製作順に上映!後編は9月を予定。

<会場>
シネマアートン下北沢  http://www.cinekita.co.jp/

世田谷区北沢1−45−15スズナリ横丁2F
問い合わせ: 03−5452−1400

<期間>
5月14日(土)〜6月10日(金)
各回入替制

<料金>
特別鑑賞1回券:1,000円 
当日券:一般・学生 1,200円/シニア 1,000円/会員 900円
2回券:2,000円/3回券:3,000円

※はニュープリント
■5/14(土)〜5/20(金)
「喜劇 駅前旅館」(’58)監督:豊田四郎  12:00
「喜劇 駅前団地」(’61)監督:久松静児 14:10
※3 「喜劇 駅前弁当」(’61)監督:久松静児 16:00
   土日のみ「喜劇 駅前旅館」17:50も上映

■5/21(土)〜5/27(金)
※4 「喜劇 駅前温泉」(’62)監督:久松静児  12:00
※5 「喜劇 駅前飯店」(’62)監督:久松静児  14:00
※6 「喜劇 駅前茶釜」(’63)監督:久松静児  16:00
  土日のみ「喜劇 駅前温泉」18:00も上映

■5/28(土)〜6/3(金)
※7 「喜劇 駅前女将」(’64)監督:佐伯幸三  12:00
「喜劇 駅前怪談」(’64)監督:佐伯幸三   13:50
「喜劇 駅前音頭」(’64)監督:佐伯幸三   15:40
   土日のみ「喜劇 駅前女将」17:30も上映

■6/4(土)〜6/10(金)
※10 「喜劇 駅前天神」(’64)監督:佐伯幸三  12:00
※11 「喜劇 駅前医院」(’65)監督:佐伯幸三  14:00
※12 「喜劇 駅前金融」(’65)監督:佐伯幸三  16:00
   土日のみ「喜劇 駅前天神」18:00も上映

シリーズ全作品出演
森繁久彌、淡島千景、伴淳三郎、フランキー堺
そのほか準レギュラー
三木のり平、森光子、乙羽信子、池内淳子、淡路恵子、 坂本九、山茶花究、沢村貞子、柳家金語楼 など


『平成職人の挑戦』〜文部科学省・特選(青年向)長編ドキュメンタリー映画〜
監督:乾弘明
製作総指揮:益田祐美子 (『風の絨毯』プロデューサー)
製作:花組+スリー・アローズ・エンターテイメント
後援:岐阜県

飛騨高山の春と秋を彩る祭りが始まったのは江戸時代元禄の頃。大名に莫大な金を貸 すほどの力があった高山の旦那衆は、飢餓や圧政に苦しむ庶民たちに仕事を与える意 図もあって、神に奉納する祭屋台を作らせたという。明治以降は新しい屋台が作られ ることもなく、飛騨の匠の伝統を継ぐ職人たちが腕を振るう機会も少なくなってし まった。
日本・イラン合作映画『風の絨毯』の冒頭にも登場した「飛騨高山まつりの森」の平 成の屋台6台は、現代の職人衆に伝統の技を次世代に伝える機会を与えようと、中田 金太氏が資金を出して総指揮にあたって作ったものだ。職人達が祭り屋台制作に取り 組む真摯な姿を長年にわたり撮り続けた乾弘明氏もまた、伝統の技を後世に伝えたい 一心で初監督作品『平成職人の挑戦』を完成させた。『風の絨毯』では平成の屋台制 作に資金を出す現代の旦那衆を演じた三國連太郎氏が、本作ではナレーションを務め ている。

すでに岐阜県を始め、各地で上映会が開かれていますが、この度、東京で「映画上映 会と特別ゲストのトークショー」が開かれます。

日時: 2005年5月6日(金) 19:00
2005年5月7日(土) 14:00 今野由梨さん、中田金太氏
2005年5月8日(日) 14:00 立松和平氏
場所: 新宿紀伊国屋ホール
新宿駅東口徒歩5分・伊勢丹とアルタの中間(TEL:03-3354-0141)
料金: 前売り 2,000円  当日 2,500円 (パンフレットもしくはリーフレット付)
その他、地方での上映日程等については、HPを参照ください。

公式 HP >> http://www.cinemacafe.net/hida/



『英語完全征服』
監督:キム・ソンス(『MUSA - 武士 -』)
出演:チャン・ヒョク(『僕の彼女を紹介します』『火山校』)、イ・ナヨン(『フー・アー・ユー?』)

ヨンジュは公務員で窓口業務をしている平凡な女の子だが、妄想と思いこみが激しく、運もファッションセンスもゼロ。職場を代表して嫌々英会話学校の通う羽目になったが、同じクラスのナンパ男ムンスに一目惚れ。 ムンスの方は金髪教師に夢中な上に、他にも女性の陰がちらほら。それでも妄想力全開で猛然とアタックするヨンジュは報われるのか?

日本と同じく英語が苦手な人が多い韓国。その情けない有様にはメチャ親近感を覚えます!そしてヨンジュが「ほとんど使う当てのない英語をなんでそんなに強要されきゃいけないの!」と叫ぶあたりは、韓国のみならずアジア各国の少々クレイジーなまでの英語教育熱を皮肉っていて面白いです。 現実とちゃんと向き合えず、人とのコミュニケーションもちゃんと取れなかった二人が成長するラストも良かった。でも113分はちょっと長いな。(梅)

2003年/韓国/35mm/ヴィスタ/カラー/ドルビーデジタル/113分
配給:アートポート

公式 HP >> http://www.eigoseifuku.jp

★5月4日より新宿シネマミラノ他全国ロードショー


『シャーク・テイル』
監督:ヴィッキー・ジェンソン、ビポ・パージェンロン、ロブ・レターマン
製作総指揮:ジェフリー・カッツェンバーグ
音楽:ハンス・ジマー
声の出演:ウィル・スミス 、ロバート・デ・ニーロ 、レネー・ゼルウィガー 、ジャック・ブラック 、アンジェリーナ・ジョリー、マーティン・スコセッシほか

海底の町に住むオスカー(ウィル・スミス)は、 ホエール・ウオッシュで働くお調子者の小さな魚。 なにかと世話を焼くアンジー(レネー・ゼルウィガー)の恋心にも気づかず、 ハイソな暮らしを夢見ている。
一方、大ボス鮫ドン・リノ(ロバート・デ・ニーロ)は気弱な息子レニー (ジャック・ブラック)が悩みの種だ。 実はレニーはベジタリアンで小魚1匹食べられないのだった。

カラフルな魚たちが、ポップな音楽に乗って繰り広げる一騒動。 超豪華なキャストの面々に表情やしぐさがそっくり!! たぶんアメリカ受けするギャグも多いのでしょう。
『ファインディング・ニモ』より大人向け, 若いカップルのデートにぴったりかも。(白)

2004年/アメリカ/ドリームワークスアニメーション提供/カラー/1時間30分/ヴィスタ・サイズ
モーション・ピクチャー・サウンドトラック発売中

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


配給:アスミック・エース  http://www.asmik-ace.co.jp/cinema/index.html

公式 HP >> http://sharktale.jp/



『ソン・フレール−兄との約束−』
監督:パトリス・シェロー(『王妃マルゴ』『インティマシー/親密』)
出演:ブリュノ・トデスキーニ、エリック・カラヴァカ、モーリス・ガレル

ブルターニュの荒涼とした海を見つめる二人の兄弟。「生きた証にお墓は海辺に大理 石で簡素なものを」と、不治の病に冒された兄トマは、弟リュックに頼む。同性愛の 弟とはいつの頃からか疎遠になっていたが、死を目前にして、弟に助けを求めた兄・・ ・。

12キロもの減量で死期を迎えた人物をリアルに演じたトデスキーニ。いつもは考えま いとしている「死」というものが、誰にでも訪れるものであることを感じさせてくれ る。が、見終わったときに沸き起こるのは、不思議なすがすがしさだ。人生とは、愛 とは、家族の絆とは・・・ 演劇・オペラ・映画に奇抜な才能を発揮するパトリス・ シェローが、静かに人生を描いた珠玉の作品。(咲)

公式 HP >> http://www.moviola.jp/son-frere/

第53回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)受賞
2003年/フランス/35mm/1:1.85/カラー/90分/ドルビーサラウンド
配給:クレストインターナショナル、ムヴィオラ

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

→ Web版特別記事  パトリス・シェロー監督 1月19日 来日記者会見レポート


『酔画仙』
監督:イム・グォンテク
脚本:イム・グォンテク、 キム・ヨンオク 製作・企画 イ・テウォン 撮影:チョン・イルソン
出演:チェ・ミンシク、アン・ソンギ、ソン・イェジン、キム・ヨジン、ユ・ホジョン、ハン・ミョング、チョン・テウほか
2002年/韓国/1時間59分/ビスタサイズ/ドルビーSRD/原題CHIHAWSEON/ R-18

時は朝鮮時代末期。 酒と女を愛し、神業のような筆遣いで絵を描き上げたという伝説の画家 「張承業/チャン・スンオプ」をチェ・ミンシクが演じる。 貧しい子供だったスンオプの才能を見出し、生涯の師となる学者にアン・ソンギ。 韓国きっての演技派の二人に、 本作が映画デビューとなったソン・イェジン、ユ・ホジョンらの女優が花を添える。

底辺の生活から宮廷画家までのぼりつめ、 三大画家の一人と呼ばれながらもその生涯が謎に包まれているスンオプ。 破天荒に生きた彼を演じるため、ミンシクは減量ならぬ増量に励んだそうで貫禄たっぷり。
スンオプが淡い恋心を抱くお屋敷の娘を演じるソン・イェジンがみずみずしい。 アン・ソンギはさすがの品格。カメラが画家の眼になったように画面の風景も美しく、 また壮大。
「酔画仙」と称されるスンオプの最期は明らかでなく、 仙人になったとも言われている。映画のラストに注目。

提供:新日本映画社/配給:エスパース・サロウ/後援:韓国大使館文化部

第55回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞作品
第28回セザール賞最優秀外国語映画賞ノミネート
第23回青龍賞最優秀作品賞・監督賞・撮影賞

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://www.espace-sarou.co.jp/suigasen/main.htm


『ヘアスタイル』
監督・脚本:岩田ユキ/ハロルド松村/宮野雅之
撮影:佐々木原保志/長谷川明/尾澤篤史
音楽:鈴木博文/沼口健二/土井宏紀/MO'SOME TONEBENDER
出演:浅見れいな、山本浩司、島田洋八、アキ(水玉れっぷう隊)、佐藤哲夫、松尾政寿、派谷恵美ほか

『下妻物語』の中島哲也が初プロデュースしたオムニバスフィルム。 3人の新人監督が3つのストーリーを作り出した。 浅見れいなが一人で、違うヘアスタイルの全く別の主人公3人を演じ分けている。

『おさげの本棚』監督は映像コンテストで受賞多数、岩田ユキ。
古本屋の「鳩胸堂」はエロ書物専門店。気弱な大学生の鹿夫は、 店の娘の鳩子に好意を感じている。鳩子会いたさにせっせと通うが、 古本の埃は鹿夫の喘息を悪化させていた。

『アフロアメリカン』監督は16歳のハロルド松村。
SM好きのバーバラとリドリーのカップル。バーバラは料理をしたことがない。 リドリーに「愛がない!」と罵られて、料理上手のネリスに弟子入りする。

『マッシュルーム』多数の作品の助監督をへてこれが監督デビュー作、宮野雅之。
高校生の頃憧れていた奥田先輩が事故で記憶喪失になっていた。 私は元彼女で、先輩にふられたせいで自殺未遂をした、と嘘をついてしまった。 楽しい日々がいつまでも続くと思っていたのに・・・。

1本目に『バカの箱舟』の山本浩司くんが出ていました。2本目漫画チックです。 3本目、途中長い感じがしました。 お風呂のフタの上に水槽というのはは『OLDK』にもありましたが、定番かな?(白石)

2005年/日本/カラー/ビスタサイズ/1時間22分

製作:ヘアスタイル製作委員会
プロデュース:中島哲也

4月30日(土)より テアトル新宿にてレイトショー
5月21、22、28、29日テアトル池袋にて特別上映決定 モーニングショー


『キャビン・フィーバー』
製作・脚本・監督:イーライ・ロス
製作:ローレン・モウス/サム・フローリック/エヴァン・アストロフスキー
脚本:ランディ・パールスタイン
出演:ライダー・ストロング/ジョーダン・ラッド/ジェームズ・デベロ/セリナ・ヴィンセント/ジョーイ・カーン /アリ・ヴァーヴィーン/ジュゼッペ・アンドリュース

ポール、カレン、ジェフ、マーシー、バートの5人は学生生活最後の夏休みを楽しもうと、 森のキャビンを借りていた。気心の知れた仲間と酒、ドラッグ、セックス、 そして残り僅かとなった自由な時間をそれぞれ満喫するつもりでいたが、 彼らの楽しいパーティーに血だらけの男が突然乱入してきたことで一変してしまう。

2002年トロント映画祭クロージング作品。
監督は、デヴィッド・リンチ監督のショートフィルムの多くをプロデューサーとして 参加してきたイーライ・ロス。本作品が長編映画監督デビュー作となる。

2002年/アメリカ/93分/カラー/シネマスコープ/ドルビーSR/R-15
配給:アートポート

4月23日〜シネセゾン渋谷レイトショー、銀座シネパトスロードショー公開
http://www.cabinfever.jp/


『シャウト オブ アジア』
監督:玄 真行
出演:カン・サネ、忌野清志郎、MARIE、ジョーイ・アヤラ、グレース・ノノ、スランク、ユン・ドヒョン・バンド、アリラン

TVドキュメンタリー番組でギャラクシー賞ほか数々の受賞歴のある玄真行監督の初の映画作品。 韓国のトップシンガーソンライター、カン・サネがアジアで活躍するミュージシャンを訪ねる旅に出る。 韓国・日本・フィリピン・インドネシア・中国でで歌を発信する彼らと、カン・サネは新しい歌を作り出していく。

この映画で初めて聞いたカン・サネの歌、92年に発表した「ラグヨ(だってさ)」。 朝鮮戦争のとき、北から南に逃げてきてそのまま故郷へ帰れなくなった両親を歌っている。 「死ぬまでにたった一度だけでも行けたらいいな・・・だってさ」というものだ。 1曲を聞いただけでも胸がいっぱいになってしまった。ラストソングの 「HANA(ひとつ)」ができ上がるまで、様々なドラマを観せてもらった。 この機会を逃さず、たくさんの方が劇場へ足を運んでくださいますように。(白)


カン・サネ

MARIE

ライブ風景

忌野清志郎

製作:MEDEX KOREA/東京ビデオセンター
配給:東京ビデオセンター

2005年/ハイビジョンシネマ/127分/韓国・日本共同製作
2005「シャウトオブ アジア」製作委員会

4月23日(土)より渋谷シネ・ラ・セットにてロードショー!

http://www.tvc-net.com/shas/satop.html

Web版特集記事『シャウト オブ アジア』カン・サネ インタビューもご覧ください。


『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』 監督:キャサリン・ハードウィック
脚本:キャサリン・ハードウィック、ニッキー・リード
撮影:エリオット・デイヴィス
製作 ジェフリー・レヴィ・ヒント、マイケル・ロンドン
音楽:マーク・マザースボウ
キャスト:エヴァン・レイチェル・ウッド、ニッキー・リード、ホリー・ハンター、 ジェレミー・シスト、ブラディ・コーベット、デボラ・カーラ・アンガーほか

トレーシーは兄のメイソン、美容師の母メラニーと暮らしている13歳の女の子。離 婚した父親は新しい家庭を持っていて、母親にもボーイフレンドがいる。成績も良 く、母親に詩を読んで聞かせるのが好きなトレーシーだったが、学校でダサいとから かわれて以来、人気者のエヴィに憧れるようになる。エヴィのグループはおしゃれの ために万引きをし、派手に遊びまわっていた。トレーシーはエヴィといつも一緒に出 歩き、急激に変わってゆく。

脚本は当時13歳だったニッキー・リードが自分の体験を書いたストーリーを元にし ている。本作では自身の投影であるトレーシーでなく、彼女が憧れる小悪魔のような エヴィを演じている。母親役のホリー・ハンターはこの作品の製作総指揮もつとめて いる。2003年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。『ピアノ・レッス ン』で主演女優賞を受賞した1993年以来、10年ぶり4度目のノミネートとなっ たが受賞は『コールドマウンテン』のレニー・ゼルウィガー。
アメリカの少女達が進んでいるのか(色っぽすぎ)私が遅れてるのか、内容はかなり 過激で母親気分になってしまった。大人への階段を上るというより、転落していく感 じの急ぎっぷりなのだ。行動はともかく、身体と心のバランスが取れない時期の危う さはよくわかる。13歳よりも少し上の方が共感できるんじゃないのかなぁ。日本も ここまで進んで(?)しまってるの?(白)

2003/アメリカ・イギリス/100分
配給:20世紀フォックス

★4月16日〜5月13日、シブヤ・シネマ・ソサエティにてロードショー公開

シネマジャーナル本誌63号にキャサリン・ハードウィック監督のインタビュー記事が掲載されています。

『レジェンド 三蔵法師の秘宝』(原題:天脈傅奇)
監督:ピーター・パウ
脚本:ジュリアン・カーボン&ローラン・クルシオー
アクション監督:フィリップ・コク
音楽:ベイジル・ポードゥリス
キャスト:ミシェル・ヨー/ベン・チャップリン/ブランドン・チャン/リチャード・ロクスバーグ/ラン・シャン/ウィンストン・チャオ ほか

華麗なアクロバット芸で人気を誇るパフォーマンス・チーム”ザ・タッチ”。 最大の見世物はイン(ミシェル・ヨー)とトン(ブランドン・チャン) の姉弟が演じる幻想的なアトラクションである。 二人を中心としたこのチームは、ファミリーとして幸せに暮らしていた。 トンの誕生日を祝っているところに、かつてチームの一員だったエリック (ベン・チャップリン)が現れる。彼は3年前突然姿を消して以来、闇の稼業で身を立てていた。 大富豪で骨董収集家のカール(リチャード・ロクスバーグ) のために盗み出した秘宝「敦煌の心臓」が、 恩人であるインの父親が探していたものと知って届けに来たのだった。

ミシェル・ヨーが主演、プロデュースにも参加したファンタジー&アドベンチャー大作。 チンタオ、敦煌、チベットなど美しく壮大なシルクロードを舞台に繰り広げられるエンタテインメント。 久々のミシェルの華麗なアクションをお楽しみください。 名優ラン・シャンが謎の老人役で参加していますが、この作品が遺作となりました。

(白)


2002年/中・香・台/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/104分
2005年4月16日(土)より新宿トーア、銀座シネパトスにて公開

http://www.nikkatsu.com/movie/legend/index.html


© 2002 by Mythical Films Ltd. & Han Entertainment Ltd.
配給:日活

*本誌64号にミシェル・ヨー記者会見の模様を掲載します。



クイズのお知らせが届きました。

◆クイズに答えてチンタオ旅行が当たる!
『レジェンド─三蔵法師の秘宝─』プレゼントキャンペーン実施!


クイズ:本作のタイトル「レジェンド─○○○○の秘宝─」の○の中に入る文字は?

 応募期間:4月12日(火)─2005年5月6日(金)16:00まで
 応募方法:オフィシャルHPの「ニュース」の中で告知し、
      上記期間中に専用応募フォームで応募
      http://www.nikkatsu.com/movie/legend/
 旅行期間:5月20日(金)─6月30日(木)までに出発
 ご招待人数:1組2名様
 プレゼント内容:成田⇔チンタオの往復航空券と宿泊2泊分を2名様分

配給/宣伝:日活株式会社 03-5689-1016
〒113-0033東京都文京区本郷3-28-12
宣伝協力/お問い合わせ:シナジー 03-5159-0861
〒104-0061東京都中央区銀座1-14-6 スポニチ銀座ビル3F



『恋の風景』
監督:キャロル・ライ
脚本:キャロル・ライ、ライ・ホー
撮影監督:アーサー・ウォン
編集:ダニー・パン
音楽:梅林茂
出演:カリーナ・ラム、リウ・イェ、イーキン・チェン
製作:Filmko Entertainment & NHK
協力:NHKエンタープライズ21
プロデューサー:スタンリー・クワン、アーサー・ウォン、上田信
イラストレーション:幾米(ジミ?)
エンドテーマ曲:「戀之風景」カレーナ・ラム

マン(カレーナ・ラム)は病死した恋人サム(イーキン・チェン)の描いた絵を持って、 香港から青島/チンタオを訪れる。サムの残した日記を1Pずつ書き写しながら、 絵の中の風景を捜し歩くマン。郵便配達のシャオリエ(リウ・イェ)はそんな彼女と出会い、 風景探しを手伝うと約束する。シャオリエと過ごすうちに、 サムとの思い出が薄らいでいくのに動揺したマンは、 シャオリエと距離を置こうとするのだった。

『金魚のしずく』で監督デビューを飾った香港のキャロル・ライ監督の第2作。 監督のたっての願いで台湾の絵本作家幾米(ジミ?)がイラストレーションを描きおろした。 この10枚の作画を元にラストのアニメーションが完成。 喪失と再生の静かなドラマにジミーの絵がぴったり。(白)

2003年/カラー/香港+中国+日本+フランス合作/ヴィスタサイズ/1時間45分

http://www.koi-no-fuukei.com/

配給: テレシス インターナショナル+ユーロスペース

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



『永遠のハバナ』(原題 SUITE HABANA)
監督 : フェルナンド・ペレス
撮影監督 : ラウル・ペレス・ウレタ
音楽 : エデシオ・アレハンドロ、エルネスト・シスネロス

障害を持つ子供。街角でピーナッツを売る老女。家族を残しアメリカへ向かう男。 ダンサーを夢見る青年。みんなささやかな夢をかかえて生きている。 音と映像だけで作り上げた愛すべき街「ハバナの物語」が誕生した。 『ハロー、ヘミングウェイ』の名匠フェルナンド・ペレス監督が描き出したハバナの人々の現実。 宣伝がなかったにもかかわらず、ハバナでは30万人を動員し、 観客の口コミで1本のフィルムがすり切れるまで上映された。

2003/キューバ、スペイン/35ミリ/カラー/84分
提供・配給:Action Inc.

★2005年3月12日から ユーロスペースにてレイトロードショー

公式HP >> http://www.action-inc.co.jp/suitehabana/index.html



☆韓流シネマ・フェスティバル2005☆
4月9日(土)よりシネマスクエアとうきゅうにて開催!

上映スケジュール

■4/9(土)初日
『ピアノを弾く大統領』アン・ソンギ、チェ・ジウ
『ジャングル・ジュース』チャン・ヒョク、イ・ボヌス
『氷雨』キム・ハヌル、イ・ソンジェ、ソン・スンホン
■4/10(日)〜15(金)
『ピアノを弾く大統領』
『ジャングル・ジュース』
『木浦は港だ』チャ・インピョ、チョ・ジェヒョン
■4/16(土)〜22(金)
『コーストガード』チャン・ドンゴン、キム・ジョンハク
『アナーキスト』チャン・ドンゴン、キム・サンジュン
『ジェイル・ブレーカー』ソル・ギョング、チャ・スンウォン
■4/23(土)〜29(金)
『同い年の家庭教師』クォン・サンウ、キム・ハヌル、キム・ジフン
『天国からの手紙』シン・ハギュン、キム・ヒソン
『地球を守れ!』シン・ハギュン、ペク・ユンシク
■4/30(土)〜5/2(月)
『氷雨』
『シングルス』チャン・ジニョン、オム・ジョンファ
『同い年の家庭教師』
■5/3(火)〜6(金)
『氷雨』
『シングルス』
『品行ゼロ』リュ・スンボム、イム・ウンギョン
■5/7(土)〜13(金)
『誰が俺を狂わせるか』イ・ビョンホン、チェ・ジンシル
『ワイルドカード』ヤン・ドングン、チョン・ジニョン
『マイ・ボス マイ・ヒーロー』チョン・ジュノ、チョン・ウンイン
■5/14(土)〜20(金)
『人生の逆転』キム・スンウ、ハ・ジウォン、カン・ソンジン
『ライターをつけろ』キム・スンウ、チャ・スンウォン
『受取人不明』ヤン・ドングン、キム・ヨンミン
■5/21(土)〜26(木)
『ファースト・キス』アン・ジェウク、チェ・ジウ
『オー!ブラザーズ』イ・ジョンジェ、イ・ボムス
『セックス・イズ・ゼロ』イム・チャンジョン、ハ・ジウォン
■5/27(金)最終日
『ファースト・キス』
『オー!ブラザーズ』
『マイ・リトル・ブライド』ムン・グニョン、キム・レウォン

公式 HP >> http://www.spoinc.jp/

2月11日(金)より特別鑑賞券 チケットぴあのみ前売り券販売開始
先行予約*1月27日(木)発売 WEEKLYぴあ(関東版)にて
全席指定 1800円

★スタンプラリー実施★
5作品観たら・・・特製はがき1枚または場面写真5枚セット
10作品・・・・・・・クリアファイルまたは場面写真5枚セット
15作品・・・・・・・マスコミプレス、トートバッグ、場面写真5枚セットのうちどれか1つ
21作品・・・・・・・場面写真7枚セット、特製お楽しみ福袋

配給エスピーオー、宣伝リベロ

『ビューティフル・デイズ』
監督:ルディ・スジャルウォ
プロデューサー:リリ・リザ、ミラ・レスマナ
音楽:メリー・グスロウ&アント・フッド
出演:ディアン・サストロワルドヨ(『囁く砂』)、ニコラス・サプトラ、ラディア・シェリル、ティティ・カマル

チンタは詩を書くのが好きな明るい17歳の女の子。学校には4人の親友がいて、一緒に新聞部をやっている。今年も校内の作詞コンテストで優勝間違いなしと目されていたが、意外にも優勝したのはランガという少年だった。それ以来、チンタはランガのことが気になってしかたがないが、彼は他人を容易に寄せ付けず、二人は何かと喧嘩になる。しかし一冊の本がきっかけで、急速に惹かれあうようになる。一方、ランガと親しくなるほど親友たちとの関係がぎくしゃくし始め、チンタは悩むのだった。

なんだか年甲斐もなく、ボロボロ泣きながら観てしまいました。主人公たちがすごーく裕福なのがちょっと気になるのですが、「青春」が「初恋」が、 もうキラッキラ輝いています。映画の中で「詩が恋のきっかけだなんて、まるで70年代の恋愛映画みたいだ」とセルフつっこみ入れてますが、ちょっと今の日本じゃ考えられないようなピュアさ加減。でも、それが良いのです。ランガ役のニコラス君もリバーフェニックス似のいい面構えだし。青春をとうに過ぎた人も、まっただ中の人もきっと楽しめますよ。(梅)

一昨年バレンタインデーに公開され、250万人を動員したというインドネシア映画 史上最大のヒット作。これまで日本で上映されたインドネシア映画のイメージを覆 し、青春を楽しみ、恋や人生に悩む等身大の高校生の姿を見せてくれる。・・・が、 学校に自家用車を運転して行く姿には、いくら日本人駐在員がメイドを雇うお国柄と はいえ、ほんとかな?と思い、駐在経験者のインドネシア通の方に聞いてみたとこ ろ、まさにこの映画は富裕層の高校生そのものの姿とのこと。
詩については、アラビア文学やペルシア文学でも、詩がとても豊かなので、同じイスラーム圏のインドネシアでもその傾向があるのかと思ったのだが、かつては盛んだっ たけど、今は残念ながらそうでもないらしい。映画の中で詩をモチーフに使って、美しいインドネシア語の語彙の豊かさを語っているのは、監督の失われつつある伝統文化への思いなのだろう。 (景山)

公式 HP >> http://www.beautifuldays.jp/

2002年/インドネシア/カラー/1:1.85ビスタ/ドルビーSR/112分
配給:エデン

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。




『香港国際警察/NEW POLICE STORY』
監督:ベニー・チャン
製作:ベニー・チャン、ジャッキー・チェン、ソロン・ソ、バービー・タン
脚本:アラン・ユエン
出演:ジャッキー・チェン、ニコラス・ツェー、ダニエル・ウー、チャーリー・ヤン、ディブ・ウォン、アンディ・オン、シャーリーン・チョイ、テレンス・イン、ココ・チャンほか

路地裏で泥酔し倒れているチャン(ジャッキー・チェン)は香港警察の敏腕警部だっ た。1年前、残忍な犯罪集団の罠に陥り、大切な部下や友人を一人、また一人と目の 前で亡くしたのだ。婚約者ホーイー(チャーリー・ヤン)の弟もその戦いで殺されて しまっていた。そんな彼の前に「巡査1667」と名乗るシウホン(ニコラス・ ツェー)が現れ、チャンに立ち直って欲しいと懸命に説得する。一方、犯罪集団の ジョー(ダニエル・ウー)から再び警察への挑戦状がたたきつけられる。

ハリウッドへ進出していたジャッキー・チェンが、英皇集団(EEG)と共同で設立 したJCE(=ジャッキー・チェン・エンペラー)ムービーズの第一回作品。’85に ジャッキー自らが監督・主演した『ポリス・ストーリー/香港国際警察』をさらにス ケールアップしたのが本作。興行収入は5000万元を超え、香港・中国合作映画史上歴 代NO.1の記録を作った。 この映画の中のジャッキーは決してスーパーヒーローではなく、力及ばず助けられず 一人生き残って泣き、挫折して酒を飲む生身な人間を演じている。コミカルな部分は めっぽう明るいニコラスとシャーリーンが受け持ち、若いっていいわねーとおばさんな感想。同じく若いがダークな部分は、ダニエルやテレンスなど正邪どちらもOKな 若手が集合。昔の作品のようにスカッと楽しいところだけじゃないのは、20年たって世の中複雑になってきたからか?思わず力が入ってしまうカーチェイスや、目をつぶりたくなる高所でのアクション満載。(白)

2004/香港・中国合作/124分/スコープサイズ/字幕:岡田壮平
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンX東宝東和提供/東宝東和配給

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


公式 HP >> http://www.hongkong-police.com/



『アイ・アム・デビッド』
モナコ映画祭:最優秀女優賞受賞、最優秀新人賞受賞
サンディエゴ映画祭:最優秀作品賞受賞、最も有望な俳優賞受賞

監督・脚本:ポール・フェイグ
原作:アン・ホルム
キャスティング:ピッパ・ホール、シャイラ・ルビン
撮影監督:ロマン・オーシン
キャスト:ベン・ティバー、ジム・カヴィーゼル、ジョーン・プロウライト、ヒリストヴ・ショッポ

ブルガリアの強制収容所で暮らしていた12歳のデビッドは、ある男の指示に従って収容所を脱走し、ベルギーへと向かう。 収容所での極限の生活しか知らない彼にとって、外の世界は初めて経験する事ばかりで、旅は緊張と苦難の連続。 しかし人の優しさに触れるのもまた初めてのことだった。多くの幸運な出会いと経験の中で、少しずつ人を信じる事と笑顔を取り戻していくデビッド。そして旅の果てには、奇跡が待っていた。

原作はデンマークで1963年に出版され、主にヨーロッパやアメリカでベストセラーになった児童小説。従って、当時の厳しい時代背景を踏まえつつも、非常にファンタスティックな内容だ。舞台がブルガリア、イタリア、スイスなのにセリフが英語(アメリカ映画だからね) なのが納得いかないが、役者の良さが補って余りある。主人公を演じるベン・ティバーは本作が映画デビュー。彼を得たことがこの映画の 最大の功績では?また、デビッドの親子ほども年の離れた友人ヨハン役のジム・カヴィーゼルは、本作での演技が『パッション』の キリスト役を射止めるきっかけになったそうだ。そして、デビッドが出逢う優しい老婦人ソフィー役のジョーン・プロウライトがとても良い。(梅)

2004年/アメリカ/93分/ドルビーSDR/ビスタ/カラー/原作:角川文庫刊
宣伝:日本ヘラルド映画アートハウス・チーム+ルビコン
提供:日本ヘラルド映画、ポニーキャニオン、テレビ東京 / 配給:日本ヘラルド映画

日本ヘラルド HP >> http://www.herald.co.jp

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



『MAKOTO』
監督・脚本:君塚良一
原作:郷田マモラ「MAKOTO」講談社刊
音楽:川井憲次
撮影:林淳一郎
製作総指揮:平井文宏
主題歌「夢の真ん中」、挿入歌「胸の言葉」:河口恭吾
キャスト:東山紀之、和久井映見、哀川翔、室井滋、ベッキー、河合美智子、小堺一機、中島啓江、別所哲也、佐野史郎、武田鉄也ほか

法医学研究所の監察医、白川真言(まこと)には特殊な能力があった。子供の頃から 死んだ人の霊が見えるのだ。彼らはこの世に強い想いを残して死に、その想いを愛す る者に伝えるまで消えることはない。真言は自分の力に苦しみつつも、生きている者 に伝えるのが自分の仕事であると考えていた。妻の絵梨も彼の支えだったが、多忙す ぎる真言と心がすれ違いはじめる。

TVドラマ「ずっとあなたが好きだった」、「踊る大捜査線」など、映画では『パラ サイト・イブ』、『恋人はスナイパー』の脚本を手がけた君塚良一の初監督作品。舞台が続いている東山は14年ぶりの映画出演となった。自分の能力と妻(和久井映見) との愛の狭間で苦しむ主人公を熱演。脇を固める俳優たちも個性派揃い。
監察医として解剖するだけではわからない、遺体の抱える痛みや秘密を解き明かしていくところが面白い。最初の幼い娘とシングルマザー(河合美智子)のパートが泣かせる。何か出てきそうな研究室や暗い物陰、それと対照的に明るい青空の下の公園、 海岸・・・雪の降るシーンも綺麗だった。(白)

2005年/シネマスコープ/カラー/DTSステレオ/1時間55分

公式 HP >> http://makoto-movie.jp/pc.html

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。

劇場窓口にて「想いが伝わるアロマお香つき前売り鑑賞券」発売中!¥1300です。


『運命を分けたザイル』
監督:ケヴィン・マクドナルド 『ブラック・セプテンバー/五輪テロの事実』  アカデミー賞ドキュメンタリー長篇賞受賞
原作:ジョージ・シンプソン 「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」 岩波現代文庫
出演:ブレンダン・マッキー、ニコラス・アーロン、オリー・ライアル、ジョー・シ ンプソン、サイモン・イェーツ、リチャード・ホーキング

1985年、英国人登山家ジョー・シンプソンとパートナーのサイモン・イエーツはアン デス山脈にある、標高6,600メートルの難関、シウラ・グランデ峰の西壁登頂に成功 する。しかし下山途中に壮絶な嵐に見舞われる。視界ゼロ、体感温度マイナス60℃の 悪条件の中、足場が崩れてジョーは滑落し、片足を骨折してしまう。山での骨折は死 を意味する。激痛で自らを支えることすら出来ないジョーを生還させるべく、果敢に 救出を試みるサイモンだったが、ジョーの体はバランスを崩し、標高6,400メートル の氷の絶壁で宙吊りになってしまった。

これは実話です。俳優の演じるシーンの間に、ジョーとサイモンの二人が交互に当時の様子を語ります。
生還するのだとわかっていても、遭難のシーンがとてもリアルでなんとも言いようのない不安や恐ろしさを感じました。誇張も脚色もしていない「真実の物語」なのだという迫力に押されました。山の風景は素晴らしく美しいです、が、ああ怖かった・・・。(白)

2003年/イギリス/カラー/1時間47分/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD
配給:アスミック・エース
2004年 イギリス・アカデミー賞 最優秀英国映画賞受賞
2004年 第17回東京国際映画祭 特別招待作品

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。

公式 HP >> http://unmei-zairu.com/



アラブ映画祭2005
期間: 4月15日(金)〜24日(日)
会場:赤坂・国際交流基金フォーラム →  http://www.jpf.go.jp/j/about_j/access03.html
  (銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分)
主催: 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
協力: ユニフランス東京、あいち国際女性映画祭、アラブ・アジア文化交流協会(アーダード)
運営協力: ぴあ(株)

http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/arab_3.html

これまで日本でほとんど上映されることのなかったイラク映画や、 その他のアラブ地域の新作が一挙17本上映されます。 中東情勢を反映した作品が目立ちますが、ラブ・コメディあり、社会派ドラマあり、 多彩なアラブ映画の世界を垣間見る貴重な機会です。

第1部 イラク映画回顧展(計9本)
1948年から2005年までのイラク映画を可能な限り集めて上映

第2部 アラブ新作パノラマ(計8本)
2000年開催の「地中海映画祭」以降の重要作を上映
上映作品 テーマ別
イラク(映画の黄金時代): 『アリアとイサーム』、『夜警』 、『乾き』
イラク(最新状況) :『露出不足』
イラク(亡命について): 『葦の詩人』、『異邦のトウモロコシ』
イラク(ユダヤ人移民): 『忘却のバグダッド』
クルド人問題: 『少女ジヤーン』
パレスチナ紛争: 『ルート181 パレスチナ‐イスラエルの旅の断章』、『ラミアの白い凧』
中東戦争: 『ラジオのリクエスト』
テロリズムの問題: 『ラシーダ』、『ビバ! アルジェリア』
女性監督作品: 『ラシーダ』、『ラミアの白い凧』
少数民族問題: 『ラミアの白い凧』
ローカル娯楽映画のヒット作: 『眠れぬ夜』、『私の王子様』、『ビバ! アルジェリア』
国際映画祭の受賞作: 『ラミアの白い凧』(ベネチア)、『忘却のバグダッド』(ロカルノ)、 『カサブランカの天使』、『葦の男』、『夜警』(カルタゴ)
社会派ドラマ: 『葦の男』、『カサブランカの天使』、『夜警』 、『乾き』
ラブストーリー: 『ラジオのリクエスト』、『私の王子様』、『アリアとイサーム』

来日ゲスト(予定)
カーシム・アビド(イラク)『異邦のトウモロコシ』監督、元バグダッド映画学校校長
ウダイ・ラシード(イラク)『露出不足』 監督
インティシャール・アル・ティミーミ(イラク)映画評論家
ハニー・ハリーファ(エジプト)『眠れぬ夜』 監督
アブドゥルラティフ・アブドゥルハミド(シリア)『ラジオのリクエスト』 監督
モハメッド・ズラン(チュニジア『私の王子様』 監督)

チケット
前売り/1回券800円、5回券3,500円    ★販売:4月14日(木)まで
会期中/1回券1,000円、5回券4,500円
前売り/1回券800円、5回券3,500円
会期中/1回券1,000円、5回券4,500円
(JFサポーターズクラブ会員、65歳以上:当日受付で証明書提示すれば、前売り料金扱い)
『ルート181 パレスチナ‐イスラエルの旅の断章』のみ、別料金
前売券 限定300枚、全自由席、整理番号付き、1,500円 ★販売:4月21日まで
(当日のJFサポーターズクラブ会員、65歳以上の前売券扱いなし)

シンポジウム・講演 (無料)
4月16日(土) 16:00 イラク映画シンポジウム
4月17日(日) 15:40 アラブ映画シンポジウム
4月24日(日) 16:30 講演と参考上映「エドワード・サイードの映画、まもなく完成!」佐藤真(映画監督)


★『ビバ!アルジェリア』  (4月18日(月) 14時、4月24日(日) 14時30分上映)
Web版特別記事に「第12回フランス映画祭横浜2004」で上映された 『ビバ!アルジェリア』関連記事を掲載しています。
http://www.cinemajournal.net/special/2004/france/index.html#s2
なお、ナディール・モクネッシュ監督、 主演女優ナディア・カシおよびビュウナの3名に フランス映画祭の折にインタビューした詳細を掲載した シネマジャーナル62号 をアラブ映画祭の会場で販売します。


『レスリー・チャン 嵐の青春』(原題:烈火青春 Nomad)
監督:パトリック・タム(譚家明)(『最後勝利』『風にバラは散った』)
撮影:ビル・ウォン(黄仲標)(『世界の涯てに』)
美術:ウィリアム・チョン(張叔平)
出演:レスリー・チャン(張國榮)、パット・ハー(夏文汐)、セシリア・イップ (葉童)、トン・チンイプ(湯鎮業)
1982年/香港/91分/ドルビーモノラル
配給:キングレコード=ツイン

デザインを学ぶ裕福な育ちのルイ(張國榮)の家に、日本での留学を終えて帰ってき た従姉妹のキャシー(夏文汐)。自由奔放なキャシーはプールで大胆に振舞い、監視員のトム(湯鎮業)を恋の虜にしてしまう。それを見てヤケ酒を飲みに行ったバーで、ルイは男に振られて泣いているトマト(葉童)に優しく声をかける。ルイとトマト、トムとキャシーの4人はある夏の日島に遊びに行くが、そこへキャシーの恋人の 日本人信介が現れる。信介は赤軍のメンバーで、赤軍から脱出してきたのだった。N ormad号というアラブへ行く船に信介を匿うルイだったが、そこへ追っ手が・・ ・。

冒頭からベッドに寝転ぶ上半身裸のレスリー。亡き母のDJ番組のテープを聴く彼のアンニュイな雰囲気がたまらない。女の子たちに囲まれてふざける可愛いレスリー、 男の子にキスされてしまうレスリー・・・そこかしこにレスリーの魅力は全開なのに、日本赤軍から脱出した信介を追ってきた女が、日本刀を振り回して、信介に「切腹!」と迫ってきて、なんだか左翼も右翼もごちゃまぜで、日本人にとっては、もう笑うしかない展開。ほんとに大笑いしてしまったのだけど、最後にレスリーの歌う「流浪」が切なく流れてきて、しんみりとレスリーを思い出させてくれました。
当時アイドルとして活躍していた彼が、第二回香港電影金像奨助演男優賞にもノミ ネートされ、俳優として認められる転機となった作品。何はともあれ、日本では、1 989年の「香港電影祭」で一度だけ上映され、その後VCDもなかなか出なかった 作品が、ようやく日本語字幕付のDVD発売の運びとなり、それを機会にレスリーの美しい姿を大きなスクリーンで観られるのは、レスリー迷にとってはほんとに幸せなこと!(咲)

「レスリー・チャン メモリアル映画祭 2005」の一環として、テアトル新宿で上映されます。

テアトル公式 HP >> http://www.cinemabox.com/schedule/shinjuku/soon.shtml

「レスリー・チャン メモリアル映画祭 2005」
期間:4月2日(土)〜4月22日(金)
場所:テアトル新宿

いつまでもあなたのことは忘れない。
レスリー・チャンの魅力を堪能するスペシャルプログラム!

◆モーニングショー 朝9:45〜
4/3(日)9(土)10(日)16(土)17(日)の5日間のみ
『レスリー・チャン 嵐の青春』上映

◆レイトショー 連日21:20〜
4/2(土)〜15(金)『レスリー・チャン 嵐の青春』
4/16(土)『ハッピー・ブラザー』
4/17(日)『キラーウルフ/白髪魔女伝』
4/18(月)『流星』
4/19(火)『幸せはイブの夜に』
4/20(水)『歌って恋して』
4/21(木)『恋はマジック』
4/22(金)『恋戦。OKINAWA Rendez-vous』

『レスリー・チャン 嵐の青春』トークイベント開催のお知らせ

◎4月15日(金)21時10分より(レイトショー上映前)
◎ゲスト 中田圭 (監督・香港映画評論家)
◎司会  筒井修(香港映画 アナリスト)


『世界で一番パパが好き!』(原題:JERSEY GIRL)
監督・脚本:ケヴィン・スミス
撮影監督:ヴィルモス・ジグモンド
音楽:ジェイムズ・L・ヴェナブル
キャスト:ベン・アフレック、リヴ・タイラー、ラクエル・カストロ、ジョージ・カーリン、ジェイソン・ビッグス、ジェニファー・ロペスほか

オリー(アフレック)音楽業界のやり手の宣伝マン。マンハッタンに住み、美人の妻 (ロペス)と子供の生まれるのを待っていた。しかし娘の誕生と入れ替わるように妻 は突然亡くなってしまう。娘には妻と同じガートルードという名前をつける。悲しみ を忘れようと仕事に没頭するオリーだったが、大事な記者会見で大失敗。ニュー ジャージーの実家に帰って、娘のよき父になることを決心する。そして7年・・・。

ベン・アフレックが当時熱愛中だったジェニファー・ロペスと夫婦役。ニューヨークが 一番と思い込んでいる仕事人間。最愛の娘と父親とのニュージャージーでの暮らして いるが、本音は都落ちから脱して華やかな都会に帰りたいと思っている。小さな娘の 望みや年取った父親の寂しさに気がつかない。家族とのすれ違いがこまやかに描けて いて、ラストもお約束だが気持ちがいい。
リブ・タイラーというと、どうしても『ロード・オブ・ザ・リング』のアルウェンを 思い出してしまうが、本作では快活で魅力的なマヤという大学生役。おしゃまな娘の ガーティ(カストロ)が可愛い。おなじみのスターがヒョコっと出てきます。(白)

公式 HP >> http://www.sekapapa.jp/

2004/アメリカ/1時間41分/スコープサイズ/ミラマックス・フィルムズ
配給:東芝エンタテインメント
宣伝:マンハッタンピープルズ

★3月26日(土)より新みゆき座系にてロードショー
*4月1日よりスカラ座2は、みゆき座と館名が変わります


『コントロール』
監督:テイム・ハンター(『リバーズ・エッジ』、「ツインピークス(TVシリーズ)」)
キャスト:レイ・リオッタ、ウィレム・デフォー、ミシェル・ロドリゲス、スティーヴン・レイ

これまで数々の凶悪犯罪を起こしてきた男、リー・レイ。死刑執行直前、彼はその命と引き替えにあるプロジェクトに参加する事を余儀なくされる。 それは大手製薬会社が開発した新薬「アナグレス」を自らの身体に投与することだった。狂気をコントロールできるというこの薬によって、 彼は本当に別人として生まれ変われるのか?それとも、、、

公式 HP >> http://www.con-trol.jp/

2004年/アメリカ/35mm/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/105分
提供:アートポート 配給:アートポート、ギャガ・コミュニケーションズ

★3月19日から 銀座シネパトス、新宿ジョイシネマ3(レイトショー)ほかにてロードショー


「にっぽん60年代 巨匠たちの原点」
英語字幕付き日本映画上映会です。お近くに住む外国人の方にも是非ご紹介ください。

期間:2005年3/25(金)〜3/27(日)
会場:赤坂・国際交流基金フォーラム
東京都港区赤坂2−17−22 赤坂ツインタワー1F
東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅12番出口より1分
料金:当日600円(当日券のみ) ※レクチャーは入場無料
JFサポーターズクラブ会員は当日500円(当日券のみ)
 *各回入替制 *開場は15分前 *全作品英語字幕付き 

主催:独立行政法人 国際交流基金
企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会事務局
協力:松竹、日活
お問合せ:上映会事務局(東京フィルメックス内)
Tel:03-3560-6394(11:00〜17:30 平日のみ)
会期中のお問合せ:国際交流基金フォーラムTel:03-5562-4096(開催期間中のみ3/25-3/27)

1960年代には高度経済成長が進み、都市部のサラリーマン層が増加し、庶民生活が豊かになってゆきました。1964年の海外旅行自由化や東京オリンピック開催に顕著な ように内外の状況が大きく変化し、学生運動の高まりなど社会は激動しました。テレ ビの普及もあいまって、50年代に隆盛を極めた映画界は観客数が激減しますが、プログラムピクチャーがさかんになる一方で、新たな映画を模索していきました。
今回の上映会では、普段スクリーンで見る機会の少ない作品に接し、巨匠の若き日の個性豊かな軌跡、そして今こそ再考したい日本社会の転換期ともいえる60年代の一端を目の当たりにすることができるでしょう。

<上映スケジュール> ※開場は各15分前
全7作品 英語字幕付きで上映

3/25(金)
19:00〜20:43  『日本春歌考』(監督:大島渚))

3/26(土)
13:00〜14:30 『なつかしい風来坊』監督:山田洋次
15:00〜16:36 『日本脱出』監督:吉田喜重
16:45〜18:15 吉田喜重監督によるレクチャー&質疑応答 (入場無料)
19:00〜20:28  『乾いた湖』監督:篠田正浩

3/27(日)
11:30〜13:07 『太平洋ひとりぼっち』監督:市川崑
14:00〜16:03 『にっぽん昆虫記』監督:今村昌平
17:00〜18:23 『東京流れ者』監督:鈴木清順

公式 HP 日本語サイト>> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp-2.html
Official Site (English)>> http://www.jpf.go.jp/e/culture/topics/movie/fsp-2.html



『フェーンチャン ぼくの恋人』
監督・脚本:コムグリット・ドゥリーウィモン、ウィッタヤー・トーンユーン、ソンヨット・スックマークアナン、ニティワット・タラートーン、アディソーン・ドゥリーシリカセーム、ウイッチャヤー・ゴージ
出演:チャリー・トリラット、フォーカス・ジーラクル

ぼくはジアップ。彼女の名前はノイナー。ふたりは生まれた時からいつでも一緒だった。今振り返ると、それは甘酸っぱい初恋だったのかもしれない。

監督は共に映画学を学んだ6人の青年。その中の一人が書いた初恋の短いエッセイを 元に映画を作ることになって、皆で色々なエピソードを持ち寄ったそうだ。初恋の話になるといつまでも話が尽きなかったとか。舞台は彼ら6人が子供時代だった1980年 代。その頃ヒットしたタイ・ポップスの中から、歌詞がストーリーに合うものを20 曲選んで挿入。ロケ地はバンコクから3時間の海辺の町ペチャプリ。雑貨屋をはさんで、ノイナーとジアップが住む床屋兼住居の3軒が並ぶ古い郷愁をそそる町並み。女の子と一緒におままごとをするジアップをからかうガキ大将率いる男の子たちも、ジアップの一大事には一致団結して助けたり、微笑ましい。
監督6人も撮影中は喧嘩が絶えなかったそうだが、そこは友達どうし、すぐに仲直り。けれども、本作を撮り終えて、もう二度と6人で撮らないと決めたそうだ。成功の思い出は一度でいい、これを大事にしようと。タイのメディアは6人で製作するというニュースが流れたときには、うまくいくはずがないと酷評。そして今後は別々にやると言ったら、一人ではできないのではと書かれたという。これからが新しい挑戦ですと若き監督たちは語った。(2004年10月31日 東京国際映画祭でのティーチイン :監督6人のうち、ソンヨット・スックマークアナン監督、アディソーン・ドゥリー シリカセーム監督の2名が来日。)

きっと誰しもが、自分の子ども時代のことを懐かしく思い出すことと思う。一緒に野原を駆け回って遊んだ同級生たちの顔が次々に浮かんで、ほんとに皆に会いたくなっ た。でも、初恋の人とは会わない方がいつまでも美しい思い出にしておけるかな。(咲)

2003年/タイ/ヨーロッパヴィスタ/カラー/111分
提供:ジェネオン エンタテインメント、国際メディアコーポレーション、ワイズポリシー
配給:ワイズポリシー 宣伝:アルシネテラン

公式 HP >> http://www.wisepolicy.com/fanchan/

★3月19日(土)よりシャンテシネにてロードショー


『清風明月』(原題:清風明月 SWORD IN THE MOON)
監督:キム・イソク
武術監督:ドニー・イェン、ユエン・ジュン
出演:チェ・ミンス(『ユリョン』『SEOULソウル』『リベラメ』)、チョ・ゼヒョン(『魚と寝る女』『悪い男』『受取人不明』)、キム・ボギョン(『友へ/チング』)

時は朝鮮王朝時代。エリート武官養成所「清風明月」で共に武術を学び、終生の友情 を誓ったジファン(チェ・ミンス)とギュヨブ(チョ・ゼヒョン)。「清風明月」の銘が 刻まれた刀を手に訓練所を巣立った二人だが、ギュヨブは国境警備に、ジファンは朝 廷警護の任に就く。やがて反乱が起こり、ギュヨブは反乱軍に身を投じ、朝廷軍のジ ファンとは敵の立場となり、二人は「清風明月」の太刀を交わす運命となる・・・

『清風明月』は、これまでの武術映画『MUSA?武士?』や『アウトライブー飛天舞 ?』が中国で撮影されたのとは異なり、初めて韓国国内で撮影された本格的韓国武術 映画である。よりリアルな剣術シーン実現のため、武術監督に香港からドニー・イェ ン、ユエン・ジュンの二人を起用している。また、ラストの朝鮮王朝の豪華絢爛な行 列にジファンが戦いを挑むシーンには、10億ウォンの費用と2年の年月をかけて歴史 再現。衣装も下着までこだわったという。

この映画の見所はなによりも、チョ・ゼヒョンのなんとも渋い男っぷりと、チェ・ミ ンスの安定した大人の魅力。チョ・ゼヒョンは鬼才キム・ギドク作品で見せる姿とは 別の魅力を振り撒いている。(咲)

公式 HP >> http://www.finefilms.co.jp/seifumeigetsu/

2003年/韓国/スコープサイズ/99分
2004年第57回カンヌ国際映画祭・ある視点部門正式出品作品
配給:ファインフィルムズ  宣伝:アニープラネット+グアパ・グアポ

★シブヤ・シネマ・ソサエティにて公開 期間:3月19日(土)〜4月15日(金)他 全国ロードショー


『天上草原』
監督:塞夫(サイフ)・麦麗絲(マイリース)(『蒼き狼 チンギス・ハーン』)
音楽:三宝(サンパオ)(『あの子を探して』『初恋のきた道』『ハッピー・フューネラル』)
出演:娜仁花(ナーレンホア)(『蕭蕭(シャオシャオ)』『草原の愛 モンゴリアン・テール』、寧才(ニンツァイ)(『草原の愛 モンゴリアン・テール』)

黄金色の大草原を行く牛車。1826日ぶりに監獄を出たシェリガンは、漢族の男から、自分が監獄を出るまで身寄りのない息子フーズ(虎子)の世話をしてく れと頼まれ、フーズの足を縄でモンゴル結びに縛って牛車に載せ、別れた妻バルマの元へ向かう。シェリガンが流刑されている間、元妻バルマはシェリガンの若い弟テングリと共に草原で暮らしていた。母親に捨てられたショックで失語症に陥っていたフーズを、バルマはやさしく面倒を見る。ほのかにバルマに思いを寄せていたテングリは、バルマの気持ちが今もシェリガンにあるのを悟って、草原を後にして解放軍に入隊する。
ある日シェリガンが泥酔して生死の境を彷徨う。黒山羊にシェリガンの毒を吸わせて助けるバルマ。お互いに必要だと感じていたころ、「新婚の一行が来る、復縁するいい機会だ」と隣人の男に促され、二人も婚礼の服に身を包む。歌と踊りが繰り広げられる華やかな結婚式。シェリガンは男らしく、バルマも一段と美しい。二人はフーズをモンゴルの子のように育てようと学校に入れ、シェリガンは厳しく乗馬を教え込む。
そして雪の季節。ただれた顔を隠した兵士が雪の中にたたずんでいる。ゲルの中に招きよせるフーズ。誰もがテングリだと思うけど口に出さない。一晩で立ち去る男に、「弟も軍隊にいるの。何があっても家に帰ってと伝えて」と言うバルマ。
春が来て、お祭りの日。すっかりモンゴルの子供らしくなったフーズは、乗馬レースを一位でゴールし、歓喜の声を発する。初めてフーズの声を聴いてシェリガンもバルマも大喜び。家族の絆を強めるのだが、そこにフーズの父親から監獄を出たとの手紙が届く…。

監督の塞夫と麦麗絲は、共にモンゴル族で、映画界きってのおしどり夫婦。四季折々の内モンゴルの大自然を背景に、モンゴル族の心を描いた本作には、そこかしこにモンゴル族のしきたりや、民族衣装の美しさが散りばめられている。この醍醐味は、ぜひとも大きなスクリーンで味わいたい。
音楽の三宝や、主演の二人もモンゴル族だが、実は漢族の男の子フーズ役を演じた古爾斯楞(グアルスーロン)もモンゴル族で、実際乗馬レースの優勝者である。

公式 HP >> http://www.tenjyosogen.com/


2001年/中国/113分
提供:オメガ・プロジェクト/ニューウェイヴ
配給:オムロ

★3月12日より東京都写真美術館ホールにて公開 → http://www.syabi.com/

Web版特別記事 『天上草原』麦麗絲(マイリース)監督インタビュー
Web版特別記事 中国映画祭2002『天国の草原』(天上草原)麦麗絲(マイ・リースー)監督インタビュー


「生誕100年 監督 豊田四郎」
数々の日本文学を映画化し、珠玉の名作を世に残した名匠 豊田四郎。市井の人々を丁寧に描き、男女の機微を鋭くも繊細に映し出した作品に、今も多くのファンが魅了されてやみません。今回は、4週間にわたりその傑作と隠れた名作を織り交ぜた12作品を、厳選して一挙上映いたします。

場所:シネマアートン下北沢
期間:3月12日(土)〜4月8日(金) 各回入替制
料金:当日券:一般・学生 1,200円/小・中・シニア 1,000円/会員 900円/2回券:2,000円/3回券 3,000円
協力/東宝株式会社

3/12(土)
〜3/15(火)
1:50〜3:18
若い人
3:40〜5:00
泣蟲小僧
5:20〜6:48
小島の春
3/16(水)
〜3/18(金)
1:50〜3:18
小島の春
3:40〜5:08
若い人
5:30〜6:50
泣蟲小僧
3/19(土)
〜3/22(火)
1:00〜2:43
麦笛
3:00〜5:13
雪国
5:30〜7:24
夕凪
3/23(水)
〜3/25(金)
1:00〜2:54
夕凪
3:10〜4:53
麦笛
5:10〜7:23
雪国
3/26(土)
〜3/29(火)
2:40〜4:26
負ケラレマセン勝マデハ
4:40〜6:23
男性飼育法
6:40〜8:40
珍品堂主人
3/30(水)
〜4/1(金)
2:40〜4:40
珍品堂主人
5:00〜6:46
負ケラレマセン勝マデハ
7:00〜8:43
男性飼育法
4/2(土)
〜4/5(火)
1:30〜3:39
花のれん
4:00〜6:20
暗夜行路
6:40〜8:40
[(さんずい)墨]東綺譚
4/6(水)
〜4/8(金)
1:30〜3:30
[(さんずい)墨]東綺譚
3:50〜5:59
花のれん
6:20〜8:40
暗夜行路


シネマアートン下北沢 HP >> http://www.cinekita.co.jp/



『レオポルド・ブルームへの手紙』
監督:メヒディ・ノロウジアン
プロデューサー:ニック・パウエル
出演:ジョセフ・ファインズ、エリザベス・シュー、デビッド・スウェット、デニス・ホッパー、サム・シェパード、デボラ・カラ・アンガー、メアリー・スチュアート・マスターソン

スティーブンは15年の刑期を終えて刑務所から出てくる。彼の心の支えは少年レオボルド・ブルームに手紙を書くこと。
母親に愛されずに育った孤独な少年に手紙を送り続ける事で、彼は自らの新しい人生に踏み出していく。原作は名作「ユリシーズ」。


2002年/イギリス・アメリカ/カラー/シネスコ/ドルビーデジタル/103分
配給:ギャガ・コミュニケーションズ 宣伝:シナジー、ビッグショット 協力:日活

公式 HP >> http://www.leopold.jp/

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



『ダブリン上等』
監督:ジョン・クローリー
脚本:マーク・オロー
音楽:ジョン・マーフィ
キャスト:コリン・ファレル、キリアン・マーフィ、ケリー・マクドナルド、シャーリー・ヘンダーソン、デヴィッド・フィルモット、コルム・ミーニイ

アイルランドのダブリンの街を舞台に繰り広げられる、騒々しい奴らの物語。
ジョンは恋人デイドラの愛を確かめたくてわざと別れ話を持ち出した結果、デイドラはあっさり金持ちの銀行員の元へ行ってしまい立ち直れない。 そんなジョンを励ます親友のオスカーは、恋人が欲しくても見つからず、熟女にまで手を出すが、その相手はデイドラの新しい恋人の妻だった。 デイドラの妹サリーは、恋人に酷い捨てられ方をして以来、男性不信で、女であることを拒否しているかのよう。 サリーが乗っていたバスの運転手ミックは横転事故を起こしクビになってしまう。ミックの友人レイフはそろそろまっとうな生活を手に入れようと思っているが、そのために手段を選ばない奴。レイフはミックとジョンを誘い銀行強盗を計画する。レイフの宿敵はジェリー刑事。 そのジェリー刑事の元に、彼を主役にしたテレビ番組の取材話が持ち込まれ、彼はすっかり乗り気だった。


登場人物が凄く多くて、それぞれの物語が平行して進行するが、非常にすっきりとまとまっているのは、脚本と監督の巧さでしょう。 登場人物それぞれがかなりハイテンションで、どこかぶち切れている。特に冒頭のコリン・ファレル扮するレイフの悪ガキぶりにはもうびっくり! でも彼を凌ぐ悪ガキは、自転車に乗った小僧だ!(梅)

公式 HP >> http://www.at-e.co.jp/dublin/index.html

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。



『DV』ドメスティック・バイオレンス
モーニングショー:連日10:50〜上映 3月18日まで シアターイメージフォーラム

紹介するのが遅れてしまったけど、やはりどうしても作品紹介に載せたかったので、 今更ですが、掲載します。未見の方は、なるべく早めに映画館へどうぞ。

「DV」という言葉を知っていますか?
 日本では「夫やパートナーが、妻や恋人に対してふるう暴力」と説明されています が、その「DV」を扱った作品がこの『DV』ドメスティック・バイオレンスです。なか なか映画にするには難しい素材だし、男性監督の側から描かれる「DV」というのに抵 抗があって、観に行くのをパスしようかと思ったのですが、やはり行ってきました。 女性の側から観ても、納得のいく作品でしたし、現代的な解決方法と意外な結末が、 社会派告発映画だけでない側面を出していました。
 DV被害者の声を聞き、DVの実態を細かいところまで調査、取材した上での作品だと 思いました。「男が女を暴力で支配しようとする」手段がドメスティック・バイオレ ンスだと思いますが、そのことをちゃんと表した作品でした。だから、パンフに「あ んなにも愛されるなんてうらやましい」とか、「不器用な人達の究極な純愛映画でし た」というような感想文を載せるのは、どうなんだろうと思ってしまった。どうし て、この映画を観てそういう感想が出るのかなあ?と疑問が残りました。

 現在、日本国内のDV被害者はおよそ40万人だそうです。また、殺人事件の被害女性 の約30%は、夫や内縁の夫の手によるものという、ショッキングな数字を知りまし たが、確かに殺人事件を伝えるニュースの中に、犯人は女性の元夫とか、内縁の夫と いう言葉を聞くことは多いと思います。このことから言えるように「DV」は、病める 日本の、大きな社会問題になっています。
 この作品の中でも出てきますが、「DV被害者が一番に乗り越えなくてはならないこ と。それは“自分自身が被害者である”ということに気づくことです」ということ。 なかなか自分が暴力の被害者であるとは、認識できないでいる人が多いようです。

 2001年10月、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」、 DV 防止法が施行され、それまでは犯罪として認識されていなかった夫婦間の暴力 が、はっきりと犯罪であることが規定されました。また2004年5月には、このDV 防止法の改正法案が成立し、12月から施行されています。新たなDV防止法では配偶 者からの暴力の定義がそれまでより拡大されています。(宮)

東京での上映は終了しています。詳しい上映スケジュールは公式HPをご覧下さい。


『DV』ドメスティック・バイオレンスホームページ >> http://www.fullmedia.co.jp/dv/index2.html



『生命(いのち)』
山形国際ドキュメンタリー映画祭2003 優秀賞、ナント三大陸映画祭2003 観客賞受賞

監督・製作:呉乙峰(ウー・イフォン)
撮影:楊重鳴(ヤン・ヅォンミン)
編集:林錦慧(リン・ジンホゥイ)
録音:李中旺(リー・ヅォンワン)
ナレーター:呉乙峰(ウー・イフォン)、劉嘉明(リゥ・ジャーミン)
製作:全景伝播基金会

1999年9月21日に起こった台湾地震の被災地と、被害者を訪ねそっと寄りそうようにして作られたドキュメンタリー。 一瞬にして家や家族を亡くした人の深い喪失感が胸に迫ってきます。 この試写を観た数日後に、新潟県中越地震がおきてその後のニュースと映画がだぶって見えました。(白)

台湾/2003/北京語・台湾語/カラー/ビデオ/142分

★2005年お正月第2弾 ポレポレ東中野(東京) http://www.mmjp.or.jp/pole2/、第七芸術劇場(大阪)他にてロードショー

公式HP http://www.cinematrix.jp/inochi/

シネジャ61号に呉乙峰監督インタビュー、山形国際ドキュメンタリー映画祭記事あり

★チャリティ試写会のお知らせ
 1/14(金) 紀伊國屋サザンシアターにて新潟県中越地震チャリティ試写会緊急開催!
 日時 1月14日(金)  開場18:00 開映18:30
 会場 紀伊國屋サザンシアター
 入場料金 1500円
*上映後、呉乙峰監督によるトークショーを開催します。


『パッチギ!』
監督・共同脚本:井筒和幸
脚本:羽原大介
原案:松山猛「少年Mのイムジン河」(木楽舎刊)
音楽:加藤和彦
撮影:山本英夫
出演:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之、真木よう子、小出恵介、浪岡一喜、オダギリジョー、光石研

1968年。康介は担任の命令で敵対する朝鮮高校にサッカーの親善試合を申し込みに行く。そこで彼はキョンジャに一目惚れしてしまう。 しかし彼女は朝鮮高校の番長アンソンの妹だった。彼女に近づきたい一心で、彼女が奏でていた美しい曲「イムジン河」をギターで弾けるように練習し、 ハングル辞典を買って勉強し始めるのだが、、

 

公式 HP >> http://www.pacchigi.com/

★シネカノン有楽町、アミューズCQN、新宿ジョイシネマ3、シネ・リーブル池袋ほかにてロードショー

シネマジャーナル本誌64号トークのテーマは『パッチギ!』です。


『ファイティング・テンプテーションズ』
監督:ジョナサン・リン
出演:キューバ・グッティングJr(『ザ・エージェント』)/ビヨンセ/デスティニーズ・チャイルド/スティーヴ・ハーヴェイ/ラターニャ・リチャードソン/フェ イス・エヴァンス/アンジー・ストーン/ミッシー・エリオット/LL COOL J
音楽:テリー・ルイス/ジミー・ジャム/ジェームス・"ビッグ・ジム"・ライト/ロレッサ・ジョーンズ

ニューヨークの広告代理店に勤めるお調子者ダリン(キューバ・グッティングJ r)。借金だらけでカードも使用停止の彼に、降って沸いた故郷の叔母さんの遺産。 でも、その遺産を手にする条件は叔母が愛した町の聖歌隊をゴスペル大会で優勝させ ること。下手っぴいな聖歌隊の救世主に選んだのは幼馴染でクラブ歌手のリリー(ビ ヨンセ)。ふしだらな娘を聖歌隊に入れることに反対する者の声もモノともせず、さ らに監獄から歌自慢の囚人も聖歌隊強化に呼び込む始末。さて、ダリンは叔母さんの 遺産をゲットできるのか・・・。

結末は見え見えだけど、全米で3週間ベストテン入りし、1週間の興行収入15億円のスマッシュ・ヒットというこの作品、アメリカではこういう映画が受けるのだろうなぁ と納得。
ゴスペルは『天使にラブソングを』で、すっかり日本でもお馴染みになったが、アメリカに住む黒人の敬虔なクリスチャンの人たちが、賛美歌も自分たち流にエネルギッシュでリズミカルなものにして楽しんでいる姿をたっぷり味合うことができる。ビヨンセたちデスティニーズ・チャイルドのファンにとっても嬉しい一作。(白)

公式 HP >> http://www.uipjapan.com/ft/

2003年/アメリカ/2時間3分
配給:UIP  配給協力:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

★新宿南口 テアトル タイムズスクエアにて、2月12日より3週間限定レイトショー 21:00より(23:00終映)
★2月16日(水)は休映
テアトル タイムズスクエア上映スケジュール→http://www.cinemabox.com/schedule/times/soon.shtml
☆公開初日、来場者全員にトミー・ヒルフィガーのフレグランス「true star」のサンプルをプレゼント!


第19回高崎映画祭
3月26日(土)〜4月10日(日)
高崎市文化会館
 高崎シティギャラリー
 109シネマ図高崎
 シネマテークたかさき
チケット 全日フリー券:12000円(前売りのみ)
       5作品券:4600円(前売りのみ)
       前売り鑑賞券:1000円
       当日鑑賞券:1200円

邦画ベストセレクション 19作品
洋画ベストセレクション 31作品
特集 各5作品
 特集1「疾走!韓国映画」 
 特集2「いぶし銀俳優 小日向文世」
 特集3「2004 イラン映画祭」
 特集4「若手監督たちの現在」

詳細はこちら
http://www.wind.ne.jp/tff/


『ボーン・スプレマシー』
監督:ポール・グリーングラス
製作:フランク・マーシャル
脚色:トニー・ギルロイ
撮影:オリヴァーー・ウッド
原作:ロバート・ラドラム 出演:マット・デイモン、フランカ・ポテンテ、ブライアン・コックス、ジュリア・スタイルズ、カール・アーバン、ジョアン・アレンほか

インドのゴアでひっそりと暮らしていた元CIAエージェントのジェイソン (マット・デイモン)は、あいかわらず悪夢にうなされる日々が続いていた。 ある日、自分を付けねらう男(カール・アーバン)に気づき、 逃げる途中マリー(フランカ・ポテンテ)が犠牲となってしまった。 ジェイソンは過去から逃げるのを止め、自分を狙う者たちと対峙することを決意し、 わずかな記憶を辿って世界各地へ飛ぶのだった。

2002年に大ヒットした『ボーン・アイデンティティー』の続編。 ロバート・ラドラムの原作は第3部まであるそうなので、映画化を期待。 調査専門のジャーナリストがキャリアの出発点だったというグリーングラス監督は、 ドキュメンタリーの制作でも高い評価を得ている。 1987年には元英国情報機関で活躍したピーター・ライトと共著で 「スパイ・キャッチャー」を執筆。全世界でベストセラーを記録した。 前作も面白かったが、 その後を描いた本作はさらにハードなアクションと臨場感たっぷり (心臓に悪い)のカーチェイスが盛り込まれ、ドキドキものである。 前作を超えるナンバーワンヒットとなったのも頷ける仕上がり。 このマット・デイモンすごくかっこいいです! (白)

2004/アメリカ/カラー/シネマスコープ/DTS,SRD,SDDS:SR /1時間48分
ユニバーサル映画/UPI配給/提供:博報堂DYメディアパートナーズ

http://www.bourne-s.jp/

★2005年2月11日より日劇1ほか 全国一斉ロードショー


『ライフ イズ コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』
2004カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品

監督:スティーブン・ホプキンス
脚本:クリストファー・マーカス、スティーブン・マクフィーリー
音楽:リチャード・ハートレイ
出演:ジェフリー・ラッシュ、シャーリーズ・セロン、エミリー・ワトソン、ジョン・リスゴー、ミリアム・マーゴリーズほか

ピーター・セラーズと言われて思い出せなくても、 「ピンクパンサーのクルーゾー警部」ならあのテーマ曲と一緒に思い出すでしょう? 『博士の異常な愛情』では大統領、空軍兵士、一人三役もこなし、 おおいに評判になりました。 『チャンス』では世間知らずな庭師がマスコミに祭り上げられ、 政界に関わっていくさまを静かに演じています。 本人がとても気に入っていたこの作品を観て、 共演のシャーリーズ・セロンがいたく感動したと資料にあります。 映画以上にドラマチックだった彼の人生を、ジェフリー・ラッシュが渾身で演じ、 セラーズの息子が「パパそっくり!」と驚いたとか。 (白)


2004/米=英合作/HBOフィルムス/125分/
配給:東芝エンタテインメント

http://www.lifeiscomedy.jp/

★2005年1月29日より シャンテシネ、VIRSIN TOHO CINEMAS 六本木にてロードショー!
特別鑑賞券¥1500 11月中旬発売開始


『雨よりせつなく』
監督:当摩寿史
原作:吉元由美「いつもなら泣かないのに」(大和書房刊)
脚本:飯田健三郎、森下佳子
出演:田波涼子、西島秀俊、黒坂真美、深浦加奈子、綾田俊樹、笹野高史

27歳の綾美は彼氏と別れたばかり。仕事も充実しているし、恋愛や結婚は当分いらないと思っていたが、ほんの些細なことが きっかけで、同じ会社に勤める倉沢の存在が気になり始める。

モデルの田波涼子が映画初出演で主役の綾美を演じている。この主人公はこの年代の女性の理想像かもしれない。でも、ちょっと上手くいきすぎていて現実感があまり無いように感じた。(梅)

配給協力:シネカノン

公式 HP >> http://www.enginenetwork.co.jp/ameyori/

★2005年1月29日より渋谷シネ・アミューズにてロードショー


『Ray/レイ』
監督・脚本:テイラー・ハックフォード
プロデューサー:ステュアート・ベンジャミン
撮影:パヴェル・エデルマン
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、レジーナ・キング、アーンジャニュー・エリス、シャロン・ウォレン、クリフトン・パウエル、リチャード・シフほか

レイ・チャールズは「ソウルの神様」と呼ばれた。20世紀の音楽界を代表する巨人レ イ・チャールズ。グラミー賞を12回も受賞したこの〈天才〉は、多くのミュージシャンに影響を与え、また多くのファンを楽しませ感動させてきた。
しかし、彼の"ソウル(魂)"と、波乱に富んだ人生の物語を知っている人はそう多くはないだろう。これは、レイ・チャールズが孤独と苦悩を克服し、成功を収めるまでの真実を描いた感動のヒューマン・ドラマである。


あまり音楽に詳しくない私でも知っている彼の曲の数々、40タイトルもが次々と場面とシンクロして演奏される。プレスリーの映画も楽しかったが、これもライブ感満点。ジャズが好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめる。2時間半も決して長くありません。
レイ本人の指名によってキャスティングされたというジェイミー・フォックスの演技は素晴らしく、これは彼の代表作になるに違いない。貧しい中で息子を必死に育て上げた母の強さに感嘆。映画以上にドラマチックだった彼の人生の底を支えていたのは、この母の思い出だったのだろう。演じたシャロン・ウォレンは舞台俳優でこれが映画初出演。テイラー・ハックフォード監督はレイと15年の親交があり、映画化に奔走したという。完成を心待ちにしていたレイだったが2004年6月10日、本作を観ることなく亡くなった。

公式 HP >> http://www.ray-movie.jp/

2004/アメリカ/152分/ドルビーデジタルDTS/R−12指定
UPI配給 みゆき座、シネマライズほか全国ロードショー


『カンフーハッスル』(原題:功夫)
監督・製作・脚本・主演:周星馳(チャウ・シンチー)
脚本:ツァン・カンチョン、ローラ・フォ、チャン・マンキョン
動作指導:ユエン・ウーピン、サモ・ハン・キンポー
CG製作:セントロ・デジタル・ピクチャーズ

街は悪のギャング団斧頭会に牛耳られていた。チンピラのシンはワルくなって、斧頭会に入ってのし上がろうと考えていたが、腕っ節もなく、ゆすり・たかりもろくに出来ない。ある日、貧乏人の集まる豚小屋砦にたかりに行くが、それが斧頭会と住民とのトラブルの発端となってしまう。ところが大勢で押し入ってきた斧頭会の面々を、豚小屋砦の住人はいともたやすく撃退してしまった。なんとそこには真のカンフーの達人たちが潜んでいたのだ。しかし、それが斧頭会のボスの怒りをあおり、次々と刺客が送り込まれることになる、、、

チャウ・シンチー3年ぶりの新作は、彼の念願だったカンフー映画です。この映画にはチャウ・シンチーの映画に対する愛が一杯に詰まっています。 あらゆる過去の作品へのオマージュがあり、それをパンフレットなどを参考に紐解いていくのも面白いですが、まずは何も知らなくても観ればきっと笑えます。公開は当初1月15日の予定だったのが、1月1日に繰り上げられました。12月31日には先行上映もあります。行く年を笑って送るもよし、 新年を笑って迎えるもよし、ですね。 (梅)

公式 HP >> http://www.sonypictures.jp/movies/kungfuhustle/site/index.html

2004年 第17回東京国際映画祭 特別招待作品
2004年/ソニー・ピクチャーズ ワールドシネマ/アジア作品
提供:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、フジテレビ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

★1月1日(祝)より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー
 12月31日大晦日先行上映決定(一部劇場を除く)


『ネバーランド』 (原題:Finding Neverland)
04年度ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞での最優秀作品賞に輝きました!

監督:マーク・フォースター
脚本:ディヴィッド・マギー
撮影:ロベルト・シェイファー
キャスト:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン、フレディ・ハイモア、ジュリー・クリスティ、
ラダ・ミッチェルほか

100年前に誕生し、いまも世界中で愛されている「ピーター・パン」は、 劇作家ジェームズ・バリとディヴィス家の子供たちとの出会いを通して生まれました。 1903年のロンドン。ケンジントン公園に散歩に出かけたバリは、 若く美しい未亡人シルヴィア・ディヴィスと彼女の4人の息子達に出会います。 やんちゃで無邪気な子供たちのうち、 3男のピーターが一人心に傷を抱えているのにバリは気づきます。 空想の世界で遊び、ものを書く楽しさを教える彼に少しずつ心を開くピーター。 バリはディヴィス家とのふれあいの中で、新しい劇の構想を膨らませて行きます。

ちょっと変わった役を好む(?)ジョニー・デップがとっても普通な、 でも繊細な役を演じた作品。 ピーター役のフレディ・ハイモアが子役の中でまっさきにキャスティングされた、 というのが納得の好演。 実生活でも二人の子供がいるというウインスレットがとてもいいお母さんぶりです。 気持ちがすれちがってしまう夫婦の影の部分も丁寧に描かれていて、 静かにしみてくる作品。 ジョニー・デップは素敵ですが、ヘンな役のほうが楽しそうで好きです。 この作品でもいろいろと遊ぶシーンがよろしい。 フレディ・ハイモアとまた共演する『チョコレート工場の秘密』(来年夏公開)は、 なんだかあやしげで楽しみ〜。 (白)

2004/アメリカ・イギリス/1時間40分/カラー/スコープサイズ/サントラ:ユニバーサル クラシックス

配給:東芝エンタテインメント

★2005年1月15日(土) 日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー


『もし、あなたなら〜6つの視線』
製作:韓国人権委員会
エグゼクティブ・プロデューサー:イ・ヒョンスン(『イルマーレ』)
プロデューサー:イ・ジンスク
監督:イム・スルレ(『ワイキキ・ブラザーズ』)、チョン・ジェウン(『子猫をお願い』)、ヨ・ギュンドン(『寵愛』)、 パク・ジンピョ(『死んでもいい』)、パク・クァンス(『チルスとマンス』)、パク・チャヌク(『JSA』『オールド・ボーイ』)

イム・スルレ監督『彼女の重さ』
高校生のソンギョンはちょっと太めの女の子。商業高校の3年ともなると、就職活動のために先生たちは容姿に磨きをかけるよう生徒たちにハッパを掛ける。 ソンギョンも整形手術で二重まぶたにしたり、断食道場でダイエットをしたりしたいのだが、お金はないし、彼女の母は無関心。

チョン・ジェウン監督『その男、事情あり』
近未来のマンションで、住民は互いを監視しあい、白い壁には政府のスローガンが書かれている。そこに住む一人の男は、最近インターネットの性犯罪者公表サイトで犯罪者として名前が載った。住民は彼を無視するが、一人のおねしょが治らずいつも母親に怒られている少年だけが、彼に興味を持つ。

ヨ・ギュンドン監督『大陸横断』
脳性麻痺の青年キム・ムンジュの日常生活を11のエピソードで描いている。そのどれもがユーモアに富みつつ、世の中をチクリと皮肉っている。

パク・ジンピョ監督『神秘的な英語の国』
6歳のジョンウは両親の期待に応え、名門英語幼稚園で学び、英語の発表会で上手に歌っていた。しかし彼の母は、彼の発音がネイティブの子供ほど完璧で無いことに 少しガッカリしていた。母親は彼を小児歯科医に連れて行き、RとLが上手に発音出来るように手術をさせる。果たして、ジョンウの将来は母の期待通りのものになるのだろうか?

パク・クァンス監督『顔の価値』
葬式に出た帰り、男は葬儀場の駐車場の料金所で働く美しい女性に出逢う。ちょっと気に入った彼は、彼女を強引に誘おうとするが、彼女はとりつく島もない様子。 腹いせに「美人だど思ってお高くとまって」などと相手を不愉快にさせる言葉を投げつけ、口論となる。

パク・チャヌク監督『N.E.P.A.L.平和と愛は終わらない』
1990年代のソウルで、ネパール人女性チャンドラ・クマリ・グルンは働いている工場近くの食堂で食事をしたが、財布を忘れたことに気がついた。 店の主人は無銭飲食で彼女を警察に突き出すが、警察は韓国人そっくりで、つたない韓国語を話す彼女を精神病患者と思いこみ、彼女を身元不明の病人と して精神病院に送る。その後6年4ヶ月ものあいだ、彼女は精神病院をたらい回しにされるのだった。

この映画は韓国人権委員会が製作した人権をテーマとする短編映画集です。こう聞くとちょっとお堅そうな印象を抱くかもしれませんが、 そんなことは全くありません。ユーモアが一杯で思わず笑ってしまうものや、ホラー調のもの、感動的なドキュメンタリーなど、一つのテーマからこれほど多様な表現が生まれるものかと、私はすっかり感心してしまいました。特に、パク・チャヌク監督の作品は非常に落ち着いた、暖かい視線が感じられて、 これまでの作品とは一線を画しています。 (梅)

公式 HP >> http://www.seochon.net/mosianata/

2003年/韓国/1:1.85/カラー/ドルビーSRD/110分
配給:キノ・キネマ
配給協力・宣伝:アルシネテラン

★1月15日(土)より新宿武蔵野館にてモーニング&レイトショー


『キャロルの初恋』
監督:イマノル・ウリベ
脚本:アンヘル・ガルシア・ロルダン、イマノル・ウリベ
原作:アンヘル・ガルシア・ロルダン「夜の初めに」
出演:クララ・ラゴ、フアン・ホセ・バジェスタ、アルバロ・デ・ルナ、マリア・バランコ、ロサ・マリア・サルダほか

1938年、アメリカ人の父とスペイン人の母を持つニューヨーク育ちの少女キャロル は、初めて母の故郷を訪れる。スペイン内戦が勃発して、キャロルの父は国際旅団の 義勇兵パイロットとして参戦していた。初めは反発していた村の少年トミーチェも、 父を反乱軍に連れ去られ母を助けて暮らしているということがわかる。

政治闘争が生活に及ぼす影響、巻き込まれながらも成長していく子供たちのようすが 異国から来たキャロルを中心に描かれています。一見のどかな田舎の中での反目や、 階層の違いも見せて、ただの初恋映画ではありません。トミーチェ役の少年は『スタ ンド・バイ・ミー』のリバー・フェニックスを思い出させました。(白)

2002/スペイン/ビスタ/ドルビーデジタル/104分
配給:東京テアトル、ポニーキャニオン 宣伝:スキップ

★1月22日より シブヤ・シネマ・ソサエティにてロードショー

公式 HP >> http://www.cinema-voice.com/



『ゴーストシャウト』
監督:塚本連平
原作・脚本:EN、佐々木充郭
撮影:柳田裕男
製作:『ゴーストネゴシエイター』製作委員会
出演:滝沢沙織、伊澤健、永井大、高樹マリア、南野陽子、藤村俊二、玉木宏、川島なお美、中山仁、赤座美代子、かまやつひろし、はなわ、高橋克典ほか

あなたのそばにもゴーストが?!
ヨウコは、下界に現れたゴーストと交渉して成仏させる「ゴーストネゴシエイター」だ。 しかしほとほと嫌気がさしている彼女は今日こそ、 この因果な仕事からすっぱりおさらばして結婚するつもりでいた。 一方、お化け屋敷の仕事を首になった柳田は、ヨウコと同じ特殊能力を買われて 「外古葉超常現象相談所」にスカウトされる。 かくして「恫喝系」のヨウコと「癒し系」の柳田はコンビで 様々なゴーストと対峙することになる。

これは『ゴーストネゴシエーター』が元のタイトルだったが、 TBS「ズバリ言うわよ!」の細木数子さんのお告げにより、 ヒットを願って前向きなタイトル変更となった。 11月25日異例の「タイトル変更記者会見」が行われた。印刷物の変更などで、 公開前にまた出費がかさんだそうで、お告げが当たるよう祈りたい。 物語は他愛ないけど、出演者の顔ぶれだけでも楽しい。藤村俊二さんがいい味を出している。

配給:東京テアトル
2004年/日本/103分/カラー/ビスタ/Stereo/35mm(HD)
©『ゴーストネゴシエイター』製作委員会

http://www.gn-movie.com/

★東京での上映は終了しています。詳しい作品紹介は公式HPをご覧ください。
「活動弁士 澤登翠の世界」
無声映画の時代に盛んだった活動弁士の活躍も今は昔の物語ですが、この時代に活動弁士の芸を新しい形でみせてくれるのが澤登翠さんです。 30年の歳月をかけて挑んだ芸をぜひ多くの方に観てほしいと、企画しました。無声映画を知らない方も、その斬新な映像に驚くことと思います。ぜひ、お越しください。

日時:2月2日(水)19時〜21時30分
場所:北沢タウンホール(下北沢駅徒歩5分)
内容:ドキュメンタリー映画「澤登翠の世界」上映/澤登翠・自分を語る
   無声映画「瞼の母」(1931年・片岡千恵蔵主演)「チビッコギャング」(1925年)上映と活弁
前売り1200円(当日1500円)
チケット申し込みはFAX(03−3306−2762)またはEメール:cinema_f@hotmail.co.jp



EARTH VISION 第13回地球環境映像祭 〜 映像が映し出す「地球」 〜

 1992年から「地球環境」をテーマとした優れたアジア・オセアニアの映像作品を紹介してきた国際映像祭、「EARTH VISION 地球環境映像祭」。今回の映像祭では、アジア・オセアニアの14の国と地域から応募された映像 110作品の中から、2度の審査を通じて、選ばれた入賞16作品(インド2・オー ストラリア2・韓国3・台湾1・中国-香港1・日本7)を上映します。
 アジア・オセアニアからの入賞作品は、題材も、野生生物、ゴミ、水、核、温暖 化、遺棄兵器、森林、環境汚染、そして、共同体・子どもたちの取り組みといっ たものまで、形式もドキュメンタリーから、アニメーションまで多岐にわたって います。
映像祭では、それぞれの作品の監督を招待、質疑応答や交流の場も設けます。

  • 日時
    2005年
    2月4日(金)14:00〜20:00
    2月5日(土)10:00〜20:00
    2月6日(日)10:00〜19:00(最長21:00まで)
  • 会場
    四谷区民ホール
    (東京都新宿区内藤町87番地 四谷区民センター9階 TEL:03-3351-2118)
  • 参加
    協力費1日1,000円 中学生以下無料・事前予約不要
  • アース・ビジョン組織委員会 http://www.earth-vision.jp
    【事務局】TEL : 03-5362-0525 FAX:03-5362-0575 E-MAIL:festival@earth-vision.jp
    【本部】(財)地球・人間環境フォーラム TEL : 03-3592-9735

公式 HP >> http://www.earth-vision.jp



『ネオ・ファンタジア』写真美術館で観る映画シリーズvol.13
監督:ブルーノ・ボツェット
脚本:ブルーノ・ボツェット、グイド・マヌーリ、モリツォ・ニケッティ
アニメーション:ジュゼッペ・ラガナ、ウォルター・キャパツェットほか
音楽・指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ディズニーの名作アニメ『ファンタジア』をモチーフに、イタリアの誇る巨匠ブルー ノ・ボツェットが挑んだ傑作シンフォニック・アニメーション。ラヴェルの「ボレ ロ」ほかカラヤン=ベルリン・フィルによるクラッシックの名曲の数々、コミカルな 実写場面(フェリーニが監修)も交えつつユーモアとペーソス溢れる映像世界が展開します。
今回はさらに『ミスター・ロッシ』ほかボツェットの短編作品も紹介しています。

1979年国際アニメーション映画祭グランプリ授賞
1976年/イタリア/カラー/85分

公式 HP >> http://www.bozzetto.jp/

★1月2日(日)〜1月28日(金) 東京都写真美術館にてロードショー
本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
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