女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『インファナル・アフェアIII 終極無間』
来日記者会見

2005年4月12日(火) 於 東京プリンスホテル

アラン・マック、トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンドリュー�・ラウ、フェリックス・チョン

 『インファナル・アフェア』三部作がついに完結。16日の公開前に劉偉強/アンドリュー・ラウ、麥兆輝/アラン・マックの両監督と、脚本の莊文強/フェリックス・チョン、主演の劉徳華/アンディ・ラウが来日。11日、新宿ミラノ座でのスーパープレミア舞台挨拶についで、12日に東京プリンスホテルで記者会見が行われた。予定されていた陳慧琳/ケリー・チャンは体調不良のため欠席、梁朝偉/トニー・レオンは夜のプレミア試写舞台挨拶のみの参加。会場は少々狭く立錐の余地もない盛況ぶりでした。

 記者会見の詳細は、4月末に発行される本誌64号に掲載されますが、記者会見の抜粋と12日に行われたプレミアの写真を掲載します。

記者会見場 記者会見場

質疑応答

Q 難しい心理描写のある役柄を演じるのにあたり、何か参考にされたことは?

アンディ 僕は精神分裂症を演じる才能があるわけではないです(笑)。フェリックスというとてもいい脚本家がいたからで、彼に感謝しています。このシーンを撮る時は、監督に聞くより彼とよく話しました。

チャン 何かを参考にしたというより、アンディ演じるこの劉建明という役に思い入れがありました。アンディがこの複雑な役をどこまで演じられるかと思いました。結果は、台湾の映画賞(主演男優賞)を受賞しました。

ラウ監督 この映画製作にあたって、観客に対して説得力があるかどうかという葛藤がありました。アンディが精神分裂症になっていくところでは、我々もそうなってしまいそうでした。アランやフェリックスともよく喧嘩をしました。それでこそいい映画になるのですが、アンディは僕達の喧嘩の結果をよく我慢強く待っていてくれたと感謝しています。

アンディ 僕はトニーの気持ちになって待っていました。なにせ彼は一本の映画のために5年も待っていたんですから(笑)。(注・・『2046』)

Q ハリウッドでリメイクが決まりましたが、感想を英語でお願いします(NHK「英語でしゃべらナイト」スタッフより)。

アンディ アジアの映画を知ってもらえるいいチャンスだと思います。(と言っていたと思いますが、後半不明。誰か訳してくださいよー)

Q 黎明/レオン・ライ、梁朝偉/トニー・レオンと一緒のシーンがありましたが、キャストの皆さんは仲良く撮影されていましたか?

アンディ ああ、フラッシュバックのシーンですね。友達です。いい友達同士に見えない?(質問者「はい」と答える)それで仲がいいかどうか聞きたいの? ワハハハ!(爆笑)。友達だけどいい友達かどうかはわからないです(笑)。

Q 三作を通じて印象に残っているシーンは?

マック監督 僕は二つの場面。一つは、「I」の屋上で、「III」では病院でトニーがアンディに銃を突きつけているところが非常に印象深いです。

ラウ監督 「III」の警察署で、アンディがみんなに殴られているシーンです。ここで殴られながら「僕も警官だ!」と何度も叫んでいるところです。

アンディ 僕も二つあります。やはり「III」の病院でトニーと一緒のシーン、そして「I」で僕が銃でエリックを殺すシーンです。楽しかった!(爆笑) (編集部注 大の仲良しのエリックだから、出た言葉です。)

チャン ケリー・チャンの診療所で椅子にアンディが寝ていて、その隣にもう死んでしまったトニーが同じように寝ているところです。こういった演出は今までの映画にありませんでしたから。これがとても印象に残っています。

Q この作品は香港で久々の大ヒットだったと聞いています。香港の映画界に影響を与えたとしたらどういうところでしょうか?

ラウ監督 おっしゃるとおり、香港映画界が下り坂の時にこの映画を作り、我々は多大な努力をしました。当時の香港の映画界においての悪い習慣をまず変えようと思いました。たとえば現場に脚本がない、CGがいい加減、撮影に入って俳優の時間がとれない、ポスプロでも時間や資金が足りなくなる、現場ではいろいろなことがあるわけです。こういったことをなおして、良い映画を作ろうとしたのです。(アンディの肩に手をかけ)
 これは私達の会社が作る最初の作品です。一番にアンディに協力してもらえないかと言いましたら、彼は何の条件もつけず、即座に「やります」と約束してくれました。アンディのサポートもあり、現場でも投資してくれる側も安心して、着々と実現に向かったのです。みんなで力を合わせて全力でこの作品を作りました。

アンディ 僕達映画人、僕は演じる側の一人としてですが、観客が少なくなってきた香港の映画界を、この一本の映画だけで復活させることができたかは何とも言えません。僕達はじっと待つ気持ちで、創作をしていきたいと思っています。


アンドリュー・ラウ





アンディ・ラウ





アンディ・ラウ





アンドリュー・ラウ、アンディ・ラウ、アラン・マック





フェリックス・チョン、アンドリュー・ラウ、アンディ・ラウ、アラン・マック





アラン・マック、トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンドリュー�・ラウ、フェリックス・チョン





通訳の辻村さん、アンディ・ラウ





トニー・レオン、アンディ・ラウ

 会見は終了し、フォトセッションへ。テーブルや椅子をスタッフに先立って片づける出演者たち。マメです!

この日、夜からホテルのバンケットホールで行われたプレミア試写には、抽選に当たったラッキーなファンたち約600人が正装で集合。遅れて到着した梁朝偉/トニー・レオンと、記者会見出席組のタキシード姿に歓声を上げた。トニーは「僕はIで死んでしまいましたが、監督がフラッシュバックで登場させてくれて幽霊にならずラッキーでした。今まで見たことのない楽天的なヤンを見せられたと思います」とコメント。

トニー・レオン トニー・レオン

映画は4月16日よりロードショー公開が始まっています。ぜひ、IとIIをおさらいのうえ、お出かけください。

作品紹介はこちら
★4月16日より新宿ミラノ座他にて全国ロードショー

なお、シネマジャーナルでは、『インファナル・アフェアIII 終極無間』公開を記念して、香港映画ファンによる、『インファナル・アフェア 無間道』、感想特集を予定しています。そちらも、楽しみに。

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(取材・まとめ・・白石映子 写真・・宮崎暁美)
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