女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『マラソン』プレミア試写会 舞台挨拶

6月2日(木)@丸の内ルーブル

司会 伊藤さとり 通訳:根本理恵

プロデューサー:ソク・ミョンホン 監督:チョン・ユンチョル ゲスト:綾戸智絵

チョン・ユンチョル、綾戸智絵、ソク・ミョンホン

ソクP:みなさんこんにちは、製作のソク・ミョンホンと申します。今回俳優さんと一緒に来られれば良かったのですが、叶いませんで申し訳ありません。感動的な映画というのは韓国でも日本でも同じだと思います。母の世代、息子の世代そして障害者、非障害者も変わらないと思います。人はだれでも傷害を持って生まれてきて、その程度の差があるのだと私は伝え聞いています。そして傷害のない人とある人が分かち合えるように、この映画を観た非障害者の人たちが自分のことを振り返ってほしいと思います。今日降っている小雨のように私達の乾いた心を潤してくれる、そういう映画になってほしいと思っています。あらためてお礼申しあげます。ありがとうございました。(拍手)

監督:ハジメマシテ(拍手)!この映画は韓国で多くの方に観ていただきました。今回は日本でもこのように多くの観ていただけるのを非常に嬉しく思っています。この映画は実話を元にして映画化されたものです。ここにいらっしゃる皆様は誰かの子供だったり、親だったりするかと思います。親子の間には様々な葛藤などあるでしょうが、この映画が親と子についてあらためて考えるきっかけになり、そして幸せな時間を送って欲しいと思います。日本の多くのお母さん達にこの映画を捧げたいと思います。

韓国では、この映画に出てくるセリフが流行語になったのです。それは「チョウォンの足は100万ドルの足」というものですが、そのことばが日本でも流行って欲しいです。ありがとうございました。(拍手)

司会:日本でお母さんといえばこの方です。花束を持って駆けつけてくださいました。ご紹介しましょう、ジャズシンガーの綾戸智絵さんです!

<花束贈呈>

司会:綾戸さんはこの作品をどのくらいご覧になりましたか?

綾戸:もう4回か5回観てますね。試写会で何べんも回して、いうて(笑)。私、日本の母なんですけれども。今まで14年子供を育ててきたんですが、このお母さん見習おう、というところがたくさんあります。うちのは元気な子ですが、子供が生きていくには世の中いろんなことがあります。そのやり方を教えてくれます。どうやって子供を大きくしていくのか、どうやってお母さんが自分自身にも元気をつけていくのか。こーんなに自分の暮らしにためになる映画は今まで観たことないですね。私が息子を怒るときにひとことだけ言うんです。「こらっ!あほっ!」その後に「一日でも先に死にたいし、だから怒んねんで。それからあんたは一人で大人になって行くんやで」って。

おんなじことを映画の中で言うてるのを聞いたとき、どーっと涙が出ました。(ここで、監督に「マニマニ・・・」と説明。綾戸さんハングル勉強中でした)

みなさん、これは子供も観ないかん。お母さんはこんな思いで子ども育てている、お父さんはこんな思いでいるんです。これは全てのお母さんだけでなく、全ての日本の人に、アジアだけでなく世界の人に観て欲しい映画!(監督に)ようこの若さで!古いわねぇ(笑)。(会場へ)拍手!!感動!感動しました。

司会:今回ちょっと衣装もこだわって来られましたね。

綾戸:今日は若い俳優さんが来るかと思ったら、おっさん二人で(笑)。こっち(監督たち)も若い方が来ると思うてたらしいんです(笑)。おばさんでございまして〜。アジュマー(おばさんの意味)!(監督たち大笑い)この映画の事が頭から離れないんで、うちにある500万くらいのドレスをおいて(爆)、これを着てきました。ちょっとでも主役の彼に近づきたい、この映画の中に入りたい、そんな気持ちでいっぱいになりました。みなさんも帰ったらすぐに動物園に行かんように。シマウマのとこから離れられませんから(笑)。

司会:どうもありがとうございます。

<フォトセッション>
ソク・ミョンホン チョン・ユンチョル
スーツに眼鏡のソクプロデューサー あご髭のチョン監督
綾戸智絵 チョン・ユンチョル、綾戸智絵、ソク・ミョンホン
シマウマTシャツの綾戸さん 「スマイル〜」と綾戸さん
(母親がこうするシーンがあります)

作品紹介はこちら

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(まとめ・撮影:白石)
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