女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
過去の映画作品紹介(2008年)
2008年1月12日〜
2008年1月19日〜
2008年1月26日〜
2008年2月1日,2日〜
2008年2月9日〜
2008年2月16日〜
2008年2月23日〜
2008年3月1日〜
2008年3月7日〜
2008年3月15日頃〜
2008年3月22日〜
2008年3月29日〜
2008年4月5日〜
2008年4月12日〜
2008年4月18日〜
2008年4月26日〜
2008年5月3日〜
2008年5月10日〜
2008年5月17日〜
2008年5月24日, 25日〜
2008年5月31日〜
2008年6月7日〜
2008年6月14日〜
2008年6月21日〜
2008年6月28日〜
2008年7月5日〜
2008年7月12日〜
2008年7月19日〜
2008年7月26日〜
2008年8月2日〜
2008年8月9日〜
2008年8月16日〜
2008年8月23日〜
2008年8月30日〜
2008年8月31日〜10月4日
2008年9月3日〜9月7日
2008年9月5日〜9月7日
2008年9月6日〜
2008年9月12日〜21日
2008年9月13日〜
2008年9月20日〜
2008年9月27日〜
2008年10月4日〜
2008年10月11日〜
2008年10月18日・19日〜
2008年10月18日・19日〜
2008年10月25日〜
2008年11月1日〜
2008年11月8日〜
2008年11月15日〜
2008年11月21日〜
2008年11月21日〜
2008年11月23日〜2009年1月24日
2008年11月29日〜
2008年12月5日〜
2008年12月6日〜
2008年12月13日〜
2008年12月20日〜
2008年12月21日〜2009年2月7日
2008年12月23日〜
2008年12月29日
2008年12月27日〜

ジプシー・キャラバン

監督:ジャスミン・デラル
出演アーティスト: タラフ・ドゥ・ハイドゥ−クス(ルーマニア)、エスマ(マケドニア) 、ファンファーラ・チョクルリーア(ルーマニア)、アントニオ・エル・ピパ・フラメンコ・アンサンブル(スペイン)、マハラジャ(インド)
特別出演:ジョニー・デップ

祖国も権力も持たない彼らが、生きる為に与えられたものは「音楽」だった

11世紀、インド北部パンジャーブ地方から放浪の旅に出て、北部アフリカ、ヨーロッパなどへ渡り、ジプシーという呼び名(エジプト人という誤解)で、各地で偏見を持たれ、差別的扱いを受けてきた自称ロマの人たち。
ナチスドイツ時代には、ユダヤ人と同じく強制収用所に送られ、50万人もの人が虐殺されたという。

ロマを自認する、スペイン・ルーマニア・マケドニア・インド4カ国5つのバンドが、“ ジプシー・キャラバン ”を組んで、6週間をかけて北米の諸都市を廻った。監督のジャスミン・デラルは、ツアーを追いかけるとともに、各バンドの故郷を訪れて彼らの音楽の背景を映し出し、本作を作り上げた。

スペインのフラメンコ一家に生まれたアントニオ・エル・ピパ。 外見はかなりヨーロッパ的だが、他のロマの人たちと共に過ごして、明らかに同じ血を感じると言う。
マケドニアのエスマは、ジプシー・クィーンと呼ばれる貫禄ある歌手。マケドニア人の夫との間に子供は出来なかったが、50人ものロマの孤児たちを引き取って音楽家を育てている。「世界から偏見や戦争、難民を無くしたい」のが彼女の願い。
映画『耳に残るは君の歌声』でルーマニアのタラフと出会ったジョニー・デップが、タラフへの思いを語っているのも興味深い。
私にとっては、インドのマハラジャの故郷を訪ねて行った先がラージャスターンだったことが嬉しい驚きだった。なぜだか2度訪れたことのあるジャイサルメール。この町からさらにパキスタン国境に近いところにある沙漠で、日の沈むのを待ちながら音楽と踊りを楽しんだのだが、それが実はロマのルーツだったと今さらながらに知った。
11月公開の『ヴィットリオ広場のオーケストラ』では、ローマで世界各地からの移民の人たちが集まって音楽を奏でている姿が描かれているが、この『ジプシー・キャラバン』では、逆に世界に散らばったルーツを同じくする民が一堂に会しているのが面白い。世界各地で偏見と差別に耐えてきたロマの人たちの心からの叫びを聞いた思いがする。ことに、「迫害された復讐は子供に教育を与えることで果たしたい」という言葉が深く心に残った。(咲)

アメリカ/2006/35mm/カラー/ 115分/1:1.85
提供:AMGエンタテインメント
配給:アップリンク、AMGエンタテインメント

公式HP>> http://www.uplink.co.jp/gypsycaravan/

★2008年1月12日(土)より、渋谷シネ・アミューズほか全国にて順次公開

back to top

レンブラントの夜警(原題:Nightwatching)

監督・脚本:ピーター・グリーナウェイ
撮影:レイニエ・ファン・ブルーメーレン
音楽:ヴウォテック・パヴリク、ジョヴァンニ・ソリーマ
美術:マーティン・ピエスルマ
衣装:ヤグナ・ヤンカ、マリット・ファン・テル・ブルグ
キャスト:マーティン・フリーマン(レンブラント)、エヴァ・バーシッスル(サスキア)、ジョディ・メイ(ヘールチェ)、エミリー・ホームズ(ヘンドリッケ)、ナタリー・プレス(マリッケ)ほか

1641年、35歳のレンブラントは、すでに一流の肖像画家としてヨーロッパ中に知られていた。多くの弟子たちと広々としたアトリエで注文をこなし、妻のサスキアのビジネス手腕も手伝って、莫大な富を築いていた。待望の男子も誕生し、レンブラントはまさに人生の絶頂期にあった。1642年に自警団の集団肖像画の注文を受けるまでは・・・。
肖像画はその人物の内面にまで迫って描かれた。特にこの才能に長けていたレンブラントは、依頼主の怒りを買い、訴訟騒ぎになったこともあった。彼は自警団の一人一人をつぶさに観察し始める。


(c)Nightwatching B.V.2007

最初のシーン、闇の中で光を受けているのは赤い天蓋つきの大きなベッド。まるで大きな舞台のようなしつらえです。舞台劇のように人々が登場してくるのにくぎづけになりました。レンブラントは偉人としてではなく、絵の才能はあるけれど欲と愛にも迷う、ごく普通の男として描かれています。
「夜警」の絵さながらに美しい光と影の中、表と違った顔を持つ人間模様が浮かび上がります。グリーナウェイ監督が、美術界でも活躍する作家であることを納得させられる美しさでした。門外不出の名画ができていく過程を見られるなんて素敵じゃありませんか?絵そのものに関心のある人はもちろん、凝った衣装や美術が好きな人、謎解きが好きな人それぞれが楽しめる作品です。(白)

2007/カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド・オランダ・イギリス合作/
カラー/35mm/スコープサイズ/ドルビーデジタル/139分
配給:東京テアトル、ムービーアイ
宣伝:メゾン

http://eiga.com/official/nightwatching/

2008年1月12日(土)〜テアトルタイムズスクエアほか全国にて公開

back to top

ハーフェズ ペルシャの詩(うた)

監督+脚本+編集+撮影+セット・デザイナー+衣装:アボルファズル・ジャリリ
プロデューサー:定井勇二 + アボルファズル・ジャリリ
コーディネーター:ショーレ・ゴルパリアン
音楽:ヤンチェン・ラモ + アボルファズル・ジャリリ
出演:メヒディ・モラディ、麻生久美子、メヒディ・ネガーバン

コーランを暗唱した者に与えられる「ハーフェズ」の称号を得たジャムセディン(メヒディ・モラディ)は、高僧の娘ナバート(麻生久美子)に壁越しにコーランを教えることになる。二人は禁断の恋に落ち、罰せられたジャムセディンは称号を剥奪され、ナバートは別の男(メヒディ・ネガーバン)と結婚させられる。
恋に破れたジャムセディンは「鏡の誓願」を行う旅に出る。7人の処女に鏡を拭いてもらい、そのお礼に相手の願いを叶えるというもの。沙漠の中の7つの村を訪ね、ジャムセディンは様々な経験をする・・・

ハーフェズというと、イランを知る者にとっては、詩と薔薇で知られる古都シーラーズを象徴する大詩人。映画の舞台である沙漠のイメージはない。 (公式HP  Keywords 1を是非お読みいただきたい。) ナバートの母親をチベット人という設定にしたのも麻生久美子さんを起用したい為ではと違和感があった。 東京国際映画祭の折に開かれた記者会見で、監督は、「この作品はハーフェズの詩から自身が得たイメージを具現化したもの。ハーフェズが生きた七百年前を描くのに現代を感じさせない場所を求めました。また、麻生さんは自分にとってはイラン人と何ら変わらない人。皆さんに違和感があるとしたら、仕事文化が違うからではないか」と言い、麻生さんも「現場ではイラン人になりきって楽しみました」と語っていた。イラン人の友人からも、「イランにはいろんな人種の人がいて、麻生さんの人物設定にも違和感はない」と言われ、目から鱗。

それにしても、一度観ただけでは、観念的で意味のわからないところがあった。到着早々の監督に偶然お会いし、「難しかった」と感想を述べたら、翌日の記者会見で、「昨日、ある記者の方から、難しいと言われたので一言。ハーフェズの詩はイラン人にとっても七百年かけてもまだ理解し切れない。それを二時間で理解するのは無理。映画のすべての答えを二時間ではなく、観た後、自分の物語として考えてみてください。登場する二人の男は、一人の男に存在する二つのキャラクターの分身。一人は内面しか見ていない。もう一人は外面しか見ていない。愛には三つの方法。一つは、あまりの美しさに惚れて見た目だけに恋をする。別の愛の仕方は、内面に惚れる仕方。二つと別に神秘的な愛がある。内でも外でもない、愛する人にはすべてを犠牲に出来る。映画の中で二人の青年はお互いナバートを解放してあげようとします。その時、二人はほんとの愛を手に入れます」と延々説明が続いたが、ますますわからない私。 (麻生さんも、最初観た時に難しいと思ったが、2度目には、あれ〜?わかる〜と思ったそうだ。私も、もう一度観てみなくては!)

東京国際映画祭での上映後に、麻生さんは劇中で着ていた民族衣装で登壇。監督がベールを整えてあげるという微笑ましい一幕も。イランと日本の架け橋になれればと語っていた麻生さん。映画公開を前に、『忘れられない花のいろ 麻生久美子のペルシャ紀行』 を出版された。何かと風当たりの強いイランのイメージを変えてくれる一冊。映画と合わせてどうぞ!(咲)


麻生久美子さんのベールを
整えてあげるジャリリ監督

ティーチイン

記者会見

企画.製作:First Film Milad Co. + Bitters End, Inc.
提供:ビターズ・エンド + ハピネット
2007/イラン=日本/1:1.66/98分

★1月19日(土)より 東京都写真美術館ホールにて公開

公式HP>> http://www.bitters.co.jp/hafez/

back to top

シルク(原題:SILK)

監督:フランソワ・ジラール
脚本:マイケル・ゴールディング
原作:アレッサンドロ・バリッコ「絹」白水社刊
撮影:アラン・ドスティエ
音楽:坂本龍一
衣装:イタリア・・カルロ・ポジオッリ/日本・・黒澤和子
出演:マイケル・ピット(エルヴェ)、キーラ・ナイトレイ(エレーヌ)、アルフレッド・モリーナ(バルダビュー)、役所広司(原十兵衛)、芦名星(少女)、中谷美紀(マダム・ブランシュ)、國村隼(右門)、本郷奏多(少年)、マーク・レンドール(ルドヴィク)ほか

— 遥か極東の国で、彼は何に出会ったのか?—
19世紀のフランスと日本を舞台にしたアレッサンドロ・バリッコの原作「絹」を、『レッド・ヴァイオリン』のフランソワ・ジラール監督が映画化。
主人公のエルヴェは、故国フランスで夫の帰りを待つキーラ・ナイトレイ演じる妻エレーヌを一生の伴侶として愛します。その一方で、蚕の卵を探す為訪れた極東の地日本で、神秘的な雰囲気を醸し出す少女と出会い、言葉も通じませんが、感性により運命的な恋に落ちます。エルヴェは生涯で二つの恋を経験します。東洋と西洋の全く異なる場所の恋ですが、文化や環境の違いに関係なく、愛は心の繋がりなのです。エルヴェは少女の書いた日本語の手紙を、マダム・ブランシュを介して翻訳してもらいます。マダムは大きな役割を担い、ラストでエレーヌと少女は一つに重なり合います。


(C)2006 Jacques-Yves Gucia/ Picturehouse Productions

フランスの美しい景色やエレーヌの庭園は、ローマ近郊のセルモネータ村に再現し、日本の情緒的な風景は、長野県の松本市と山形県酒田市でロケーションが行われました。格調高い音楽を坂本龍一が作曲し、ヨーロッパと日本の全く違う習慣で培われた衣装を見事に再現したのは黒澤和子。日本とフランスの美徳を併せ持った素晴らしいコラボレーション作品です。
親日家の監督が、「酒田や松本ロケを通じて江戸時代の伝統的な村や温泉など沢山の日本文化と出会い、ますます日本が好きになった」と完成披露試写で挨拶されていて印象的でした。
シルク・ドゥ・ソレイユ(*)もジラール監督と音楽の坂本龍一さん、衣装の黒澤和子さんと同じメンバーで製作されるので、『シルク』の映画上の芸術面の美がそのまま生かされ、更に日本の美を意識した作品になるのではないかと期待しています。(池)

*「シルク・ドゥ・ソレイユ」は、モントリオールに拠点を持ち、世界中で活動する一大エンターテインメント集団。動物を使わない、極限まで発揮される身体能力、高い芸術性…既存のサーカスとは一線を画すものです。
フランソワ・ジラール監督は、2008年10月、東京・舞浜に完成する常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」のこけら落とし公演の原案・演出を手がけます。

2007/日本、カナダ、イタリア/カラー/1時間49分/ヴィスタ/ドルビーデジタル
配給:アスミック・エース

http://www.silk-movie.com/

2008年1月19日(土)日劇3ほか東宝洋画系にて全国拡大ロードショー

back to top

Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!(原題:MR. BEAN'S HOLIDAY)

監督:スティーヴ・ベンデラック
製作総指揮:リチャード・カーティス
脚本:ハーミッシュ・マッコール、ロビン・ドリスコル
撮影:バズ・アーヴァイン
音楽:ハワード・グッドール
出演:ローワン・アトキンソン(ミスター・ビーン)、ウィレム・デフォー(カーソン・クレイ)、エマ・ドゥ・コーヌ(サビーヌ)、マックス・ボルドリー(ステバン)ほか

あの伝説の“へんなおじさん”が帰ってきた!

ミスター・ビーンは教会のくじ引きで、なんと南仏旅行を引き当てた。しかもビデオカメラとお小遣いつき!さっそくカメラを回しながら目的地のカンヌへ向かう。リヨン駅で高速列車に乗り込むところを、通りがかった男性に録画してもらうが、あれこれ注文をつけるビーンのために電車に乗れず、ホームに取り残されてしまった。車内には「パパ!」と叫ぶ少年が…。父親はロシアの映画監督で、審査員を務めるためにカンヌへ向かう途中。10歳になるステバンはロシア語、ビーンは英語だけなので全く話が通じない。二人は次の駅で降りて後の電車で来る父親を待つことにした。ところが父親が乗った次の電車は急行で、二人の目の前を通過してしまった!!


(c) Universal Pictures. 2007 The unit photographer is Giles Keyte

10年ぶりのミスター・ビーンの登場です。映画祭真っ最中のカンヌが舞台、そこに辿り着くまでにまたいろいろとお騒がせしてくれるビーン。前作では喋りすぎたとの反省があったそうで、今回は言葉が通じないという設定。その分ボディランゲージを駆使します。無声映画のコメディをを観ているようで、試写会場もたびたび爆笑に包まれました。
ウィレム・デフォーがアメリカ人のナルシストの映画監督を、彼の映画に出演する女優サビーヌを『恋愛睡眠のすすめ』のエマ・ドゥ・コーヌ。初めは敵対する少年が言葉の通じないまま、ビーンと仲良くなっていくところもいいです。
初めてフランスに来たビーンが、レストランで○○に震えて吐き出すシーンがありました。イギリス人は食べないんでしょうか。美味しいのに。(白)

2007/イギリス/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD/89分
配給:東宝東和
http://www.mrbean.jp/

2008年1月19日 日比谷みゆき座ほか全国ロードショー

back to top

ネガティブハッピー チェーンソーエッヂ

監督:北村拓司
脚本:小林弘利
原作:滝本竜彦「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」
撮影:小林 元
美術:川村泰代
音楽:高橋哲也
出演:市原隼人(山本陽介)、関 めぐみ(雪崎絵理)、浅利陽介(渡辺)、三浦春馬(能登)、野波麻帆(裕美)、板尾創路(加藤先生)ほか

誰でも、一度は、死にたがる。
かっこよく死ねるならオールオッケーなあなたに

寮生活を送る平凡な高校生、陽介。高級霜降り肉をパクッて逃げた帰り道、制服姿の美少女絵理と出会う。そこに突如現れたのはチェーンソーを持った黒尽くめの大男。信じられない光景に陽介は声も出ないが、絵理は颯爽と戦い始めるのだった。絵理の投げたナイフが命中して、チェーンソー男は空のかなたへ消えてしまう。毎晩男と戦っているという絵理は「誰も信じないから、今のことは忘れて」と陽介を拒絶する。なんだかよくわからないまま陽介は「あのチェーンソー男を倒さなければ。絵理を助けてかっこよく死ぬのだ」と心に決め、翌日から彼女について回ることにした。

原作は、滝本竜彦著「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」、これは角川学園小説大賞特別賞を受賞しています。
「根性なし」と言われ、能天気に生きている赤点男の陽介にも、毎夜戦い続ける美少女戦士の絵理にも、なにか事情があることがしだいにわかってきます。凛とした美貌の関めぐみ、ずり下げたズボン(どうして落ちないんでしょ?)姿の市村隼人、『ALWAYS 続三丁目の夕日』にも登場の浅利陽介、公開作が続いているイケメンの三浦春馬(彼だけ17歳)ら、今や売れっ子の若手たちがいまどきの高校生を演じ、違和感ありません。
荒唐無稽というなかれ、チェーンソー男は思春期の若者たちの漠然とした不安やいらだちが形になったものなのでしょう。彼らにはストライクゾーンど真ん中の作品。(白)

2007/日本/カラー/109分/シネマスコープ/
配給:日活
http://www.nega-chain.com/

2008年1月19日(土)より、シネリーブル池袋、新宿ジョイシネマほか全国ロードショー

back to top

ちーちゃんは悠久の向こう

監督:兼重淳
脚本:山室有紀子、兼重淳
原作:日日日(あきら)「ちーちゃんは悠久の向こう」(新風舎文庫刊)
主題歌:奥華子「空に光るクローバー」(PONY CANYON)
出演:仲里依紗(ちーちゃん)、林遣都(モンちゃん)、高橋由真(武藤先輩)、波瑠(林田)、堀部圭亮(モンちゃんの父)、西田尚美(ちーちゃんの母) ほか

ちーちゃんとモンちゃんは幼なじみで大の仲良し。その関係は高校生になった今も変わらない。モンちゃんの家では両親が離婚しようとしていて、悩みは深いけれど、ちーちゃんの笑顔だけが気持ちを明るくしてくれる。モンちゃんは弓道部に入り、部長の武藤先輩は何かと目をかけてくれる。一方、ちーちゃんはオカルト研究会に入って、学校に伝わる七不思議を知り、乗り気じゃないモンちゃんを引っ張って七不思議めぐりを始める。ところが、次第に二人の周りで不思議なことが起き始める。

原作は日日日(あきら)のデビュー小説で、5つもの新人賞を獲った作品です。学園ホラーやピュアな恋、家族の崩壊と再生、そしてファンタジーと、様々な要素を欲張りなまでに取り入れて、まとめあげています。わたしは、もう少しモンちゃんの切ない気持ちに焦点があたっているといいのにと思うのですが。
この映画の見どころは、とにかく主演の二人(子役も)がかわいい! 仲里依紗は『時をかける少女』のヒロインの声優で一気にその名を知られ、その後も『渋谷区円山町』やテレビドラマの出演など、順調にキャリアを積んでいます。その天真爛漫な笑顔はモンちゃんじゃなくても癒されます。一方の林遣都は『バッテリー』の主人公をオーディションで射止め、映画のヒットで人気急上昇。これが2作目の映画主演です。「なんて眼のきれいな子」と見惚れてしまいました。二人ともお肌つるつるだし。クライマックスの美しい桜の木の下の二人を是非ごらんあれ。(梅)

宣伝協力:フレスコ
配給:シナジー
2007年/日本映画/35mm/アメリカンビスタ/DTS STEREO/カラー/94分

公式 HP >> http://www.chiichan.net/

★2008年1月19日(土)より、シアターN渋谷、シネマート新宿 他、全国順次公開!

ぜんぶ、フィデルのせい(原題:LA FAUTE A FIDEL!)

監督・脚本:ジュリー・ガヴラス
  出演:ニナ・ケルヴェル、ジュリー・ドパルデュー、ステファノ・アコルシ、バンジャマン・フイエ
原作:ドミティッラ・カラマイ著『Tutta Calpa de Fidel』

1970年、パリ。9歳のアンナは名門のカトリック女子小学校に通うお嬢様。スペインの貴族階級出身で弁護士のパパ、雑誌記者のママ、やんちゃな弟のフランソワと庭付きの大きなお家で何不自由ない幸せな日々をおくっていた。ところが、ある日、スペインで反政府運動をしていた伯父さんが亡くなり、伯母さんと従妹が一緒に暮らすことになる。平穏を掻き乱さてご不満のアンナ。キューバ人のお手伝いさんフィロメナも、二人を歓迎していない。その理由を“キョーサン主義”とか“カク戦争”とか難しい言葉を使って説明してくれるけど、要はフィデル・カストロって人が悪いらしい。伯父さんの死をきっかけに祖国に対して何かしなければと目覚めたパパはママを連れてチリへと旅立つ。ようやく帰ってきたパパは共産主義に目覚め、弁護士を辞め、チリのアジェンデ政権支援に立ち上がる。一家は贅沢な一軒家から小さなアパートにお引越し。転校をいやがるアンナは宗教学の授業を受けないならと約束させられる。やがて、狭いアパートに髭をはやした“革命家”たちが集うようになる。かたや、ママは中絶の自由を訴える女性解放運動に力を入れるようになる。おまけに、日曜日には反フランコのデモ行進にまで連れていかれて催涙弾をあびる羽目に。もう、アンナの不満は沸騰点。元の生活に戻りたい! ぜんぶ、フィデルのせいなのね!?

9歳の少女の目から見た70年代の激動の社会。アンナのパパは、1968年の5月革命では何も行動を起こさなかったことに負い目を感じているという設定。70年初頭という年代、アメリカではベトナム反戦運動や人種問題、日本でも60年安保闘争がいったん下火になっていたのがベトナム反戦運動ともあいまって学生運動が再燃していた時代。アンナが連れていかれたデモの場面で、70年代に地下鉄の駅で遭遇した角棒を担ぎ白いタオルで覆面したデモ隊の中に家族連れがいたのを思い出した。あの頃は、日本でも体制に立ち向かう人たちがいて、そういう意味で元気だった。自分の生活を犠牲にしてまでも、理想の社会に向って行動を起こすのには、ほんとに勇気がいる。(まぁ、現状でいいっか〜と、あくまで暢気な私!)

ジュリー・ガヴラス監督は、ギリシャ出身で社会派監督として知られるフランスの巨匠コスタ=ガヴラス監督の実娘。これまで、短編やドキュメンタリー映画を手がけてきたが、本作が初長編フィクション映画。
アンナ役のニナ・ケルヴェルは、ふくれっ面をしても、しかめっ面をしても、とてもキュート。理知的でもある。アンナの目線で大人の行動を見てみると、実に興味深くて面白い。(咲)

配給:ショウゲート
2006年/フランス/35mm/ドルビーSR/カラー/スコープ/99分

公式 HP >> http://www.fidel.jp/

★2008年1月19日(土)より、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開

ペルソナ

監督・脚本:樫原辰郎
製作総指揮:斎藤正明、井内徳次
アクション監督:谷垣健治
出演:山崎真実(御園日和)、萩原聖人(木場幸一郎)、鈴木砂羽(木場の妻)、佐野史郎(真鍋)、菟田高城(相沢)、森次晃嗣、二階堂智、木村祐一ほか

妻を亡くしたばかりの医師木場幸一郎は、深夜に病院から抜け出したらしい女性日和(ひより)と出会う。彼女はすぐに追いかけてきた男たちに連れ戻されてしまうが、車が走り出すときに「幸一郎!」と叫ぶ。まるで妻に呼ばれたような気がした木場は、彼女が収容された研究施設を訪ねる。相沢医師にていよく追い出されてしまったが、帰りかけた木場は、また日和の不思議なことばを聞く。日和は騙されて人体実験に使われた女子大生。脳にはもう一人の人格が埋め込まれていた。

「ペルソナ・プロジェクト」という人間改造計画の犠牲となった女性が、組織と戦うストーリーです。SFチックなのですが、研究所の警備も施設も普通の病院です。あっさり逃げ出せるし、追う人も少ないし、もうちょっと何とかすると緊迫感が出たと思います。まあ予算の都合もありますしねぇ。
元新体操の選手だったという山崎真実は、改造手術により身体能力がアップしたという設定です。谷垣アクション監督の指導のもと、しなやかな身体を存分に使って綺麗なアクションを披露していました。長い足がまっすぐ上に、前にも後ろにも上がるのにびっくり。萩原聖人&鈴木砂羽の夫婦愛も切ないですが、佐野史郎に負けない怪演ぶりを見せた菟田高城(うだたかき)に注目しました。(白)

2007/日本/カラー/HD/84分
製作・配給:「ペルソナ」フィルムパートナーズ(クレイ、テンダープロ)
配給協力:リベロ
制作:キックファクトリー
2008年1月26日(土)よりシネマート六本木にてロードショー(全国順次公開)
(c)「ペルソナ」フィルムパートナーズ

http://persona-movie.jp/index.html

back to top

マリア・カラス 最後の恋(原題:CALLAS E ONASSIS)

監督:ジョルジオ・カピターニ
脚本:マウラ・ヌッチェテッリ、ラウラ・イッポリッティ、レア・タフリ
撮影:ファビオ・ザマリオン
音楽:マルコ・フリシーナ
衣装:エリザベッタ・モンタルド
美術:フランチェスコ・ブロンツィ
出演:ルイザ・ラニエリ(マリア・カラス)、ジェラール・ダルモン(アリストテレス・オナシス)、アウグスト・ザッキ(バティスタ・メネギーニ)ほか

= 愛を求め続けた世界最高の"歌姫(ディーヴァ)"=
歌のテストを受けにきた美しいとはいえない太った娘、マリア・カラス。審査員の陰口に傷つき、帰ろうとしたところを実業家バティスタが止めた。再挑戦したマリアの歌声はみなを魅了し、採用されることとなった。バティスタの後援を受け、親子ほどの年の違いをこえて二人は後に結婚する。減量に努め美しいディーヴァとなったマリアは、マネージメントをするバティスタの意向で子どもを持つことも許されなかった。1957年、劇場で歌うマリアを海運王として知られるオナシスが見初める。初めての出会いで「君を手に入れる」と囁く彼にむっとするマリアだったが。

マリア・カラスの没後30周年記念作品。
2003年にフランコ・ゼフィレッリ監督の『永遠のマリア・カラス』が公開されています。ファニー・アルダン主演で、オナシスの死後隠遁生活を送るマリアの元へオペラ映画の話が持ち込まれるというものでした。今回の作品は原題の「カラスとオナシス」が示すように、マリア・カラスの絶頂期にオナシスと出会い恋に落ち、その破局までを中心に描いています。主要人物はみな亡くなられているので、どこまでが真実やら不明です。かの大統領夫人も出てきますしね。才能ある女性と野心満々の実業家との恋は映画としても面白い!ジュエリーやファッションに興味のある方は、セレブの女性の着こなしも楽しめるのではないでしょうか。ルイザ・ラニエリが堂々として華やか、とびきり美しいです。(白)

2005/イタリア/カラー/35mm/2時間2分/
配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ/シナジー
宣伝:アニー・プラネット
http://www.callas-onassis.com/
2008年1月26日(土)よりシャンテシネにてロードショー

back to top

ニコラ・フィリベールのまなざし〜正しき距離

2作品連続ロードショー+レトロスペクティヴ

『かつて、ノルマンディーで』(原題:Retour en Normandie)
現代最高峰の一人とされるドキュメンタリー作家、ニコラ・フィリベールの新作。 30年前ある映画の助監督だったニコラ・フィリベール。再びそのロケ地だったノルマンディーを訪ねて、かつて作品に出演した人々に会います。さまざまな人生を送った彼らは、映画に参加した日々を懐かしく語ります。

30年前ノルマンディーで撮影された映画とは、『私、ピエール・リヴィエールは母と妹と弟を殺害した』という忌まわしい題の作品で、約200年前の実際におきた事件を元にしている。俳優は、ほとんどが現地調達の農民たち。忌まわしい内容にもかかわらず、物珍しさからか、村人こぞっての協力で撮影は行われた。皆、口々に昔を振り返り、自分にとってその貴重な経験がどのように人生や考えを変えたかを、切実に、時には笑い話で打ち明けている。ある女性は、「他人を演じるということは、自分自身を知ることだと感じ、そのことが、今でも心に残っている」と打ち明ける。
また、若い犯人役を演じたクロードは、「200年前の人だけど、彼のために祈った」と語っていた。現在は神父となっている。
映画の最後で、当時助監督だったフィリベール監督の父の姿が数分出てきた。それは、アリオ監督に請われて出演したが、カットされたシーンであった。フィリベール監督にとって、この30年前の映画は今の自分を生み出す原点だったということを、きっとこの1シーンで表したかったのではと感じた。(美)



2007/フランス/カラー/113分/ドルビーSRD/1.85

©Les Films d'Ici-MaÏa Films-ARTE France Cinéma-France 2006

『動物、動物たち』Un animal,des animaux
パリ5区にあるフランス国立自然史博物館。25年もの間閉鎖されていましたが、リニューアル・オープンすることになりました。1991‾1994年の改修工事中、博物館の内側を撮影したもの。数万に及ぶ標本や剥製が眠る博物館の不思議世界で、多くの人たちが修復作業に携わっています。初めて日本公開される幻の傑作。

静かで、動かない、動物たち…。四半世紀もの間、閉館していたフランス国立自然博物館で、たくさんの専門分野の人が動物たちを、その命を、蘇らせます。手際たるや、まるで手品をしている様。「初めて知った!」「へぇ〜そうするのか!」「う〜ん、なるほど!」「わぁ〜、リアル!」この連続です!剥製や博物館に興味のある方は、何をおいてもご覧いただきたい。傑作です。(美)

1994/フランス/カラー/59分/モノラル/1.66
同時上映『行け、ラペビー!』(1988年/27分)

『動物、動物たち』が「静」なら、この『行け、ラペビー』は「動」。この二つの組み合わせ…なかなか憎い。主人公は、1937年ツール・ド・フランスで伝説的勝利者になった、ロジェ・ラペビー、77歳。お顔は柔和だが、眼光は鷲の如し。レース会場では、握手攻めにあったり、サインをねだられたりの人気者の彼。 現在でも、厳密な食事療法と毎週300キロメートルを自転車で走る。毎年のツール・ド・フランスでは車で伴走している。そんな彼のドキュメンタリーは、まるで自分自身が自転車に乗り、颯爽と風をきって行くようだ。27分の小品だが、躍動感がこたえられない。(美)

ニコラ・フィリベール レトロスペクティヴ
代表作から初期短編まで、未公開作品を含む9本、6プログラム(下記A〜F)をスペシャルロードショー。

A クリストフシリーズ 4本で1プログラム
『カマンベールの北壁』(1985)
『クリストフ』(1985)
『たった一人のトリロジー〜クリストフ・プロフィのアルプス三大北壁単独登攀』(1987)
『バケのカムバック』(1988)
『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(1990)
『音のない世界で』(1992)
『全ての些細な事柄』(1996)
『僕たちの舞台』(1998)
『ぼくの好きな先生』(2002)

配給:バップ+ロングライド
宣伝:ムヴィオラ
2008年1月26日(土)より 銀座テアトルシネマにてロードショー http://www.nicolas-movie.jp/

『動物、動物たち』『かつて、ノルマンディーで』2作品共通鑑賞券¥2800発売中!
 <クレールフォンテーヌ>オリジナルノートをプレゼント(数量限定)

back to top

フローズン・タイム FROZEN TIME(原題:CASH BACK)

監督・脚本・プロデューサー:ショーン・エリス
撮影:アンガス・ハドソン
美術:モーガン・ケネディ
音楽:ガイ・ファーレイ
出演:ショーン・ビガースタッフ(ベン)、エミリア・フォックス(シャロン)、ショーン・エヴァンス(ショーン)、ミシェル・ライアン(スージー)ほか

— 時間が止まった世界。ボクの恋は加速する。—

画学生のベンは、ガールフレンドのスージーと別れて以来不眠症になった。子どものころからの親友のショーンは「新しい女を見つけろ!」と言うが、彼女を忘れることができない。眠れないまま深夜営業のスーパーで仕事をすることにした。そこには妙な連中と、そしてレジ係のシャロンがいた。2週間も不眠を続けているベンの頭はついに限界、突然周囲がフリーズしてしまう。時間が止まった中で、ベンは好きなだけ美しい女性たちを描きとめる。

ショーン・エリス監督は、気鋭のファッションフォトグラファー。これは第78回アカデミー賞、短編実写部門ノミネートされた作品を長編化したもの。一瞬を切り取るフォトグラファーらしいシーン満載。脚本も自ら書いていて、小学生のときの性の目覚めからバイト先のお馬鹿な同僚、ガールフレンドとの別れや新しいロマンス、そして不思議な体験までこれまた盛りだくさん。もっと絞ったほうがいいような気がしますが、この年頃の人たちには刺激が多くていいのでしょうか? 主人公のベンは『ハリー・ポッターと賢者の石』で、クディッチ・チームの主将役だったショーン・ビガースタッフ。ベンのスケッチとラストシーンが素敵です。(白)

2006/イギリス/カラー/102分/シネマスコープ/SRD/R-15
配給:CKエンタテインメント
http://www.frozen-time.jp/

2008年1月26日(土)〜渋谷Q-AXシネマほか全国順次ロードショー!

back to top

凍える鏡

監督・脚本・編集:大嶋拓
撮影:宮野宏樹
音楽:伊藤ひさ子
出演:田中圭(岡野瞬)、冨樫真(矢崎由里子)、渡辺美佐子(矢崎香澄)、増沢望(秋沢清司)、川口節子(武田真知子)。下條アトム(吉村)、菊池隆則(後藤達夫)

童話作家の矢崎真澄は、普段は黒姫での一人暮らしだが上京しての仕事もある。帰りに道端で自分の絵を売っている岡野瞬に出会う。瞬はちょっとしたことですぐに怒りを爆発させ、周囲と問題を起こしていた。瞬に絵の才能を感じ、その精神の不安定さを案じた香澄は、臨床心理士をしている娘の由里子に彼のカウンセリングを頼む。瞬は子供のときに母親から虐待を受け、心に闇を抱えていたのだ。香澄や由里子と会話をすることで、瞬は少しずつ落ち着いていく。

ほんわかした雰囲気の田中圭が、こわれやすい心を必死で守っている青年役。いつもと全く違う役柄を繊細に演じています。彼を信頼し大きな愛情で包む作家を、これが出演100作目となるベテラン渡辺美佐子。劇中絵本の読み聞かせをするシーンがあり、全部聞いていたいほど良かったです。カウンセラーとして実績を積んできた娘を冨樫真。母親への不満が積もり積もって頑なになっている感じがよく出ていました。人はそうそう物分りよくはできないし、実の母娘だからこそ言い過ぎてしまうこともあります。母・娘としてどちらも頷けるエピソードに心がチクリとしました。
瞬の心のありようがそのまま出ている絵は、時間の経過どおりに同じ画家さんが描いたものだそうです。気になって試写にいらしていた監督に伺いました。(白)

2007/日本/カラー/100分/
製作・配給:「凍える鏡」製作事務所(TAC/ワコー/エクラアニマル/シネマポルト/AZ)
公式サイト http://www.kogoeru.net/
2008年1月26日よりシネマ・アンジェリカにて公開
(C)2007「凍える鏡」製作事務所

back to top

魁!!男塾

監督・脚本・アクション監督:坂口拓
原作:宮下あきら「魁!!男塾」(集英社刊)
出演:坂口拓、照英、尾上寛之、山田親太朗、田中哲司、榊英雄、菅田俊、麿赤兒 ほか

日本のどこかにある、武士道精神を継承し、真の男を育てるための私塾「男塾」。今年、入塾してきた一号生の中に、文武両道の無口な男・剣桃太郎、ど根性男・富樫、野生児・虎丸、そして、やくざ組織の長の家に生まれながら超軟弱男の秀麻呂がいた。彼らは教官のあり得ないしごきに耐え、次第に強い絆を結んでいく。そんなとき、男塾に恨みを持つ男・伊達臣人が、男塾乗っ取りを企てていた。

 アクション監督&俳優として活躍している坂口拓さんが、映画の脚本と監督までやっちゃう八面六臂の活躍で、このありえない世界をアツく作り上げました。女のわたしから観ると「男、オトコって、こいつらアホちゃう」なんですが、その「アホちゃう」をつい目尻を下げて言ってしまう、かわいげが現れていたのがなかなかいいと思います。(梅)

2007年/日本/35mm/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーSR/110分
制作:ゼアリズエンタープライズ
配給:ゼアリズエンタープライズ
宣伝:ビー・ウィング

公式 HP >> http://www.otokojuku-the-movie.com/

★1月26日(土)、シネマスクエアとうきゅう、シアターN渋谷ほかにてロードショー!!

夕映え少女

川端康成の短編作品集から4つの物語を、東京芸術大学大学院映像研究科に在籍する若手クリエイターたちが映像化したオムニバス作品。

『イタリアの歌』
 監督:山田咲 出演:吉高由里子、高橋和也
第二次世界大戦開戦前夜の抑圧された世相の中、大学で助手をしているその女性は教授と恋仲にあった。教授にイタリアへの留学の話が持ち上がったとき、彼女は一緒に行こうとプロポーズをうける。ところが、その直後に不幸な爆発事故が起きてしまう・・・

『むすめごころ』
 監督:瀬田なつき 出演:山田麻衣子、高橋真唯、柏原収史
女学校で親友同士の咲子と静子。咲子には武という許婚がいる。互いに信頼をしながらも、なぜか咲子は武と静子を近づけようとする。

『浅草の姉妹』
 監督:吉田雄一郎 出演:波瑠、韓英恵、三村恭代、河合龍之介
浅草の歓楽街にたくましく生きる三姉妹がいる。次女は三味線弾き、三女はレビューの踊り子。ある夜、久しく街から姿を消していた長女が現れる。悪い男たちに追われている長女を救おうと、二人の妹は力を合わせる。

『夕映え少女』
 監督:船曳真珠 出演:田口トモロヲ、宝積有香、五十嵐令子、円城寺あや、いしのようこ
作家の瀬沼はある日目にした一枚の少女の絵に心惹かれる。それは偶然にも瀬沼と縁のある女性の夫が描いたものだった。彼女が住むという湘南の海へと赴いた瀬沼は、そこであの絵のモデルとなった美しい少女に出会う。

『イタリアの歌』が独特の緊迫感を持っていて印象的。主演の吉高由里子は現在ドラマ「あしたの、喜多善男」にも出演中。
『夕映え少女』もラストシーンの微妙な不自然さが気になったのですが、美しい少女の持つ純粋さとエロティズムが、作品全体にも行き渡っていてよかった。監督4人の内、3人が女性。今後の活躍を期待したい。(梅)

原作:川端康成(新風舎文庫刊「夕映え少女」より)
2007年/日本映画/ヴィスタ/カラー/ステレオ/100分
製作:2007『夕映え少女』製作委員会(東京芸術大学 ジェネオン エンタテインメント)

公式 HP >> http://www.fnm.geidai.ac.jp/yubaeshojyo/

★1月26日(土)より、渋谷・ユーロスペースにて連日21:10よりレイトショー

ウォーター・ホース(原題:THE WATER HORSE: LEGEND OF THE DEEP)

監督:ジェイ・ラッセル
プロデューサー:ロバート・バーンスタイン、ダグラス・レイ、バリー・オズボーン
脚本:ロバート・ネルソン・ジェイコブス
原作:ディック・キング=スミス「おふろのなかからモンスター」
撮影:オリバー・ステイプルトンBSC
美術:トニー・バロー
音楽:ジェームズ・ニユートン・ハワード
出演:アレックス・エテル(アンガス・マクマロウ)、エミリー・ワトソン(アン・マクマロウ)、ベン・チャプリン(ルイス・モーブリー)、デヴィッド・モリッシー(ハミルトン大尉)、ブライアン・コックス(ナレーター)ほか

− この物語を信じるかい?−
ネス湖の生き物をとらえたあの写真は、世界で最も有名な写真の一枚かもしれない。旅の若者にある老人が語りかける。
第2次世界大戦中のスコットランド。アンガス少年が大好きな父親は出征したまま帰らない。一人浜辺で遊ぶアンガスは、青く光る卵を見つけて持ち帰った。生まれてきた不思議な生き物にクルーソーと名づけて、大切に飼うことにする。そのころアンガスの家は、湖を監視するためにイギリス軍の大尉たちが宿舎として使うことになった。もう一人ルイスという正体不明の男が、クルーソーを隠した部屋に住み込み、アンガスは気が気でない。食欲旺盛なクルーソーは一晩ごとに大きくなり、家では隠しきれなくなる。


©2007 Revolution Studios Distribution Company, LLC. All Rights Reserved.

クルーソーはスコットランドの伝説の海獣、ウォーター・ホースの卵だということです(シーホースだと「タツノオトシゴ」ですね)。この海獣の子と淋しいアンガスが無二の親友となり、アンガスはこのたった一人の友達を守るために奮闘します。原作は、あの子豚のストーリー「ベイブ」と同じディック・キング=スミス。主人公の少年は『ミリオンズ』(2004)のアレックス・エテル。あのキュートなソバカス顔のまま大きくなりました。時代は戦争中ということで、楽しいだけのファンタジーではありません。クルーソーの造形は『ロード・オブ・ザ・リング』3部作、『キング・コング』、『ナルニア国物語』の特殊効果を手がけたところだそうです。う〜ん、好みが分かれるかも。水中シーンはどうやって作り出したのでしょう、迫力満点です。(白)

2007/アメリカ/カラー/
配給:ソニー・ピクチャーズ

http://www.sonypictures.jp/movies/thewaterhorse/site/

2月1日(金)〜サロンパス ルーブル丸の内ほか全国ロードショー

back to top

歓喜の歌

監督・脚本:松岡錠司
原作:立川志の輔
撮影:岡林昭宏
美術:原田満生
音楽:岩代太郎
合唱指導:辻志朗
出演:小林薫(飯塚正)、伊藤淳史(加藤俊輔)、由紀さおり(松尾みすず)、浅田美代子(飯塚さえ子)、安田成美(五十嵐純子)、田中哲司(北澤直樹)、藤田弓子(太田登紀子)、根岸季衣(塚田真由美)ほか

暮れも押し詰まった12月30日、みたま文化会館に1本の電話がかかってきた。これが騒動の始まり。
いいかげんな飯塚主任が調子よく「はい明日ですね、大丈夫ですよ〜」と応えたが、実は半年も前に二つのコーラスグループをダブルブッキングしていたのが発覚。真っ青になる部下、加藤を前に「どうせおばさんの暇つぶしだろ、なんとかなるさ」と請合う飯塚だったが、そう簡単にことは収まらなかった。セレブな奥様の集う「みたまレディースコーラス」のリーダーはスーパーを経営する未亡人松尾みすず。市長の妻もメンバーもこのグループは手ごわかった。もう一つの「みたま町コーラスガールズ」は、家事やパートで忙しい主婦のグループ。歴史は浅いがこの発表を励みに練習してきたのだ、と一歩も譲らない。こちらのリーダーは元音楽教師の五十嵐純子、加藤は教え子であった。翌日の発表会はどうなってしまうのか〜??

原作は人気落語家立川志の輔さんの新作落語。年末2日間のどたばた騒動をテンポよく描いていきます。二つのグループを行ったりきたりして、説得に相努めるうち仕事も家庭も投げやりだった主任がなんだか男らしくなっていきます。
公開が作品と同じ年末だったら、もっと盛り上がったのにと惜しいです。この冬場のシーンの撮影は真夏の熊谷市で行われたのだそうで、完成披露試写の舞台挨拶で、小林薫さんは記録的な猛暑の中演技をする辛さを語っていました。あまりに暑くて記憶が飛んだそうですが、どのシーンもそんなことを微塵も感じさせません。プロですねぇ。6年ぶりにスクリーンに復帰した安田成美さんは初の指揮者役で、指導の辻志朗氏の指揮ぶりを見て猛練習したそうです。コーラス曲も第九だけでなく、「お祭りマンボ」まで出てきます。いろんな意味で楽しめました。(白)

2007/日本/カラー/
企画・制作・配給:シネカノン 宣伝:フレスコ
http://kankinouta.com/ (音出ます)

2008年2月2日(土)〜シネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQNほか全国ロードショー
2008年1月23日キングレコードよりCD発売決定!

(C)2008「歓喜の歌」パートナーズ

back to top

山本薩夫名作集 Rediscovery of YAMAMOTO Satsuo

*英語字幕付き日本映画上映会

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)による英語字幕付き日本映画上映会の第9弾。
今回取り上げられるのは、山本薩夫監督。昨年11月の第8回東京フィルメックスで、東京国立近代美術館フィルムセンターとの共催により、国際交流基金の協力のもと、“山本薩夫監督特集〜ザッツ<社会派>エンタテインメント”として特集上映が行なわれて好評を博し、再評価の機運も高まっています。社会的メッセージを含めつつエンタテインメント性の高い映画の数々の中から5本が上映されます。全作品とも良い状態のプリントにて上映(うち、「忍びの者」「続・忍びの者」「金環蝕」の3本はニュープリント)

英語字幕付きで上映されますので、お知り合いの外国人の方に、是非お知らせください。

○期間:2008年2/2(土)、3(日)

<タイムテーブル>(5作品上映) *入替制(開場は15分前)

■2/2(土)
 13:00  「忍びの者」(1962年/105分/A Band of Assassins)
 
 15:15  「続・忍びの者」(1962年/93分/Return of the Band of Assassins)
 
 17:30  「傷だらけの山河」(1964年/152分/The Tycoon)
 
■2/3(日)
 13:00  「白い巨塔」(1966年/150分/The Ivory Tower)
 
 15:35   講演:クリス・フジワラ Lecture by Chris FUJIWARA
 17:30  「金環蝕」(1975年/155分/Solar Eclipse)

○会場:赤坂・OAGホール
東京都港区赤坂7−5−56 ドイツ文化会館内)
    地下鉄銀座線・半蔵門線・都営大江戸線
     「青山一丁目」駅4番出口より徒歩5分
○主催:国際交流基金
○企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
○協力:角川映画

○料金:当日600円(当日券のみ)
*各回入替制 *全作品英語字幕付き(講演は入場無料)
HP>> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp-9.html

back to top

胡同の理髪師(原題:剃頭匠 The Old Barber)

監督:ハスチョロー(哈斯朝魯)
プロデューサー: リー・シュイホー(李水合)
脚本:ラン・ピン(冉平)
出演:チン爺さん;チン・クイ(靖奎)、チャン老人;チャン・ヤオシン(張耀興)、チャオ老人;ワン・ホンタオ(王洪濤)、ミー老人;ワン・シャン(王山)、チン爺さんの息子;マ・ジンロン(馬景竜)

80年間理髪師として生きてきたチン爺さんは、93歳になる今も現役。店こそ閉めたが、馴染みの客からお呼びがかかると、伝統家屋の立ち並ぶ風情ある胡同(フートン)の狭い道をかくしゃくと三輪自転車で出かけてゆく。かつては腕を見込まれて、数多くの有名人の理髪を手がけ、京劇の梅蘭芳の髪も整えたことがあるという。
朝は6時に起き、午前中少し仕事に出かけ、午後はボケ防止にお仲間と麻雀。そして、9時には入れ歯をはずして就寝。規則正しい静かな毎日を送っていたチン爺さんだが、住み慣れた胡同もいよいよ取壊しが決まり、役人が壁に「折」の文字を書いていく。じぃ〜と眺めて、字が間違っているとおおまじめな顔で指摘するチン爺さん。あわてて、一筆入れて訂正する役人( 正しくは「拆」)。「立ちのくころには、焼き場の煙」とつぶやく姿がちょっと寂しい...

アジアフォーカス・福岡映画祭2006で観て、公開を待ち望んでいた作品。監督がチン爺さんの実人生にほれ込んで映画化を決め、チン爺さん本人がチン爺さんを演じている。撮影当時93歳だったチン爺さん。映画の中で、道端で座り込んでしまって、あわやあの世に?と、はらはらする場面があるのだが、公開を前に昨年晩秋に監督と共に来日された。残念ながらお会いすることは出来なかったが、ご健在なのは、規則正しい日々をおくっておられるからだろう。

1年ぶりに映画を観て、あらためて気にとまったことがいくつかあった。(映画って、これだから、2度3度観たい!) テレビが、天安門広場にしつらえた北京オリンピックまで1000日のカウントダウン時計をテープカットする祝賀式を映し出していた。浮かれる人々の陰に、消え行く胡同から追い出される人々の悲哀を監督は描きたかったのだろう。
あと、もう一つ、什刹海前海に面した創業1883年のモツ屋を営むチャン老人が回族だということも、今回あらためて気がついた。イスラームに敏感なはずの私が気付かなかったとは...と、ちょっとショックだったのだが(忘れていただけかも?)、モツ屋の壁にもアラビア文字の飾り物がかかっていた。チン爺さんも、そのお仲間も、話題はもっぱら近付いているあの世行きのこと。チャン老人は、「その時」のことをイスラーム寺院に相談しなくてはと語っている。かつて北京を訪れたとき、王府井近くのモスクを訪れたことがある。瓦屋根の中国風のモスクだった。まだあのモスクはあるのだろうか・・・

今年は、いよいよ北京オリンピック。突貫工事が進む一方、伝統的家屋の残る胡同の価値を見直して、一部区域のみだが保存の動きもあるという。博物館的に残すのではなく、是非、そこに住む人たちの日常を壊すことなく、大切に守ってほしいと思う。 映画は、チン爺さんの人生賛歌であると同時に、消え行く胡同への鎮魂歌のよう。人間にとって大切なものは何かを問われているような気がした。(咲)

2006年/中国/1時間45分/ヴィスタサイズ/カラー/ドルビーSRD
後援:中国大使館文化部
提供:アニープラネット 彩プロ 太秦 フォーカス・ピクチャーズ
配給・宣伝:アニープラネット

シネマジャーナル69号に、アジアフォーカス・福岡映画祭2006の監督記者会見記事あり。

★岩波ホール創立40周年記念作品第2弾
2008年2月9日(土)よりロードショー!

公式HP>> http://www.futon-movie.com/

back to top

恋する彼女、西へ。

監督:酒井信行
原作・脚本:田渕久美子
撮影:渡邊伸二
音楽:門倉聡
エンディングテーマ曲:「小さな花」歌:木村充揮
(JUSTLUCK RECORDS/HIPLANDMUSIC CORPORATION)
出演:鶴田真由(杉本響子)、池内博之(矢田貝亨)、かとうかず子(アンティーク店長)、辰巳琢郎(上司)、山口馬木也、徳井優、小林正寛、金田龍之介、小林桂樹

東京の建築会社に勤める杉本響子は、33歳独身のキャリアウーマン。付き合ってきた彼のアメリカ転勤を前に、自分の仕事を取ってプロポーズを断ってしまった。後悔しても取り返しがつかず、どつぼにはまっているというのに、後輩の尻拭いのため出張に出ることになった。8月の広島で、響子は気分の悪そうな若い男性に出逢う。軍服姿の彼は、60年前から現代にタイムスリップした海軍少尉の矢田貝亨と名乗る。突拍子もない話を信じられない響子だったが、折り目正しい谷田貝を捨ててもおけず、行くあてのない亨を自分の泊まっているホテルへ連れて行く。


(C)2007 『恋する彼女、西へ。』製作委員会
女性の原作・脚本だけあって、響子の普段の姿や台詞がとってもリアルでした。タイムスリップものというと、辻褄あわせが気になります。そこはドラマ作りの名手田渕久美子さん、そんな疑問がどうでもいいか、と思えるほど二人の感情の動きを丁寧に描いています。いまどきいない硬派な青年、亨に心が揺さぶられる響子に共感するのではないでしょうか。広島の街から戦争は切り離せませんが、今の広島の明るさ優しさも十分に伝わってくるロマンチックな作品です。(白)

2007年/日本/カラー/ヴィスタ/DTS/102分
配給:シナジー
宣伝協力:フリーマン・オフィス
http://koi-nishi.jp/top.html
2月9日(土)より、ユナイテッド・シネマ豊洲にてロードショー!

back to top

アドリブ・ナイト

監督・脚本:イ・ユンギ
原作:平 安寿子「アドリブ・ナイト」(文春文庫所収)
撮影:チュ・サンホ
音楽:キム・ジョンボム
出演: ハン・ヒョジュ(彼女)、キム・ヨンミン(キヨン)、キム・ジュンギ(ミョンウンの叔父)、キ・ジュボン(ミョンウンの父)ほか

広場で待ち合わせをしていた彼女は、突然二人連れの青年に声をかけられた。家出して行方知れずの“ミョンウン”ではないかというのだ。否定して立ち去ろうとしたが、その“ミョンウン”の父親が危篤なので、死ぬ前に娘のふりをしてやってくれと懇願される。断りきれずに臨終に立ち会うことになってしまった。ミョンウンの家族や隣人も巻き込み、何が起こるかわからない「アドリブ・ナイト」がこうして始まった。

ドラマ「春のワルツ」でブレイクした新人ハン・ヒョジュがヒロイン。映画はほぼ原作どおりに進みますが、ヒロインの名前はずっと後まで明らかになりません。何度も探りを入れる男性のように、もしかしたらミョンウン本人なのだろうか?と観客も半信半疑になります。監督は『チャーミング・ガール』で第二のキム・ギドクとの呼び声高いイ・ユンギ。小さなエピソードを丁寧に描いて、彼女の心の奥底まで光を当てるような演出がなされます。原作にはなかったラストが爽やかでした。イ・ユンギ監督の次作は、同じ平安寿子原作の「素晴らしい一日」になるそうです。(白)

第20回シンガポール国際映画祭 主演女優賞受賞
韓国映画批評家協会賞 新人女優賞 受賞
第57回ベルリン国際映画祭 正式招待作品

2006/韓国/カラー/99分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
配給:パンドラ 宣伝:スキップ、プランニングOM

2008年2月9日(土)より 渋谷アミューズCQNにてロードショー ほか全国順次公開
特別記事 『アドリブ・ナイト』ハン・ヒョジュ舞台挨拶 もご覧ください

公式 HP >> http://www.adlib-night.jp/

back to top

潜水服は蝶の夢を見る(原題:LE SCAPHANDRE ET LE PAPILLON)

監督:ジュリアン・シュナーベル
プロデューサー:キャスリーン・ケネディ、ジョン・キリク
脚本:ロナルド・ハーウッド
原作:ジャン=ドミニク・ボビー「潜水服は蝶の夢を見る」講談社刊
撮影:ヤヌス・カミンスキー
美術:ミシェル・エリック/ローレン・オット
編集:ジュリエット・ウェルフィング
音楽:ポール・カンテロン、ジュリアン・シュナーベル
出演:マチュー・アマルリック(ジャン=ドミニク)、エマニュエル・セニエ(、マリー=ジョゼ・クローズ、マックス・フォン・シドー、イザック・ド・バンコレ、エマ・ドゥ・コーヌ

ジャン=ドミニクが目覚めると病室だった。看護士に返事をするが自分の言葉が通じない。身体は潜水服を着たように重く、唯一動くのは左眼のまぶただけになっていた。自分が脳出血で倒れ、「ロックトイン・シンドローム」と言う重態であることを知る。ELLEの編集長として活躍、人生を謳歌していたドミニクだったのに。しかし、言語療法士のアイディアにより瞬きで意思を伝え、さらに一字ずつ必要な文字を選んで文章を綴ることができるようになった。身体は動かずとも、記憶と想像力は蝶のように自由なのだ。次第に彼の希望は明日へと向かっていく。そして以前からの約束どおり、本を出版することを決心する。


©Pathe Renn Production-France 3

10年前の実話です。文章を書く方法は、使用頻度の高い順にアルファベットを読み上げ、ドミニクが瞬いたのを見て一字づつ書き留めるという、どちらにも根気のいるものです。彼は20万回の瞬きを繰り返し、2ヶ月かけて文章が綴られました。出版されてまもなく彼は亡くなりましたが、本はベストセラーとなり何ヶ国語にも翻訳されています。
ジョニー・デップも切望したというこの役ですが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』撮影のため、時間が取れず断念したとか。ちょっと自分の人生についても考えてしまった作品です。
主演のマチュー・アマルリックは 『そして僕は恋をする』『キングス&クイーン』 『ミュンヘン』などで知られるほか、シナリオを書き自分で監督もするようです。ほかに『愛されるために、ここにいる』のパトリック・シェネ と アン・コンシニ、『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』のエマニュエル・セニエが出演。(白)

カラー/112min./35mm/フランス語
配給:アスミック・エース エンタテインメント
http://chou-no-yume.com/

2008年2月9日(土)より、シネマライズほか全国公開予定

back to top

N. アイルランド・フィルム・フェスティバル 2008(NIFF=ニフ)

日本初の北アイルランドに注目した映画祭が開催されます。日本未公開作品を中心に北アイルランドを満喫する1週間です。ゲストを招いてのトークショーなども開かれます。詳細はHPでチェックしてみてください!

公式 HP >> http://www.niff.jp/

開催日程: 2008年2月9日(土) 〜 2月15日(金)
開催場所: 渋谷 ユーロスペース

[上映作品]  ★印:日本未公開作品
『キングス』Kings (2007)★ 監督:トム・コリンズ
『デリー・ダイアリー ブラディ・サンデーのその後』Bloody Sunday - A Derry Diary (2007) ★ 監督:マーゴ・ハーキン
『おやすみベイビー』Hush-a-Bye Baby (1990) ★ 監督:マーゴ・ハーキン
『7月、ある4日間』Four Days in July (1985) ★ 監督:マイク・リー
『ハリーに夢中』Wild about Harry (2000) ★ 監督:デクラン・ラウニー
『ジャンパーズ』Jumpers(1998) 監督:コナード・ジェイ
『オマー』Omagh (2004) ★ 監督:ピート・トラヴィス
『強盗達も恋に落ちるのか?』Do Armed Robbers Have Love Affairs?(2001) 監督:ブライアン・カーク
『眠れる野獣』As the Beast Sleeps (2002) ★ 監督:ハリー・ブラッドビア
『ガソリンスタンド・ブルース』Petrol Country Blues(2002) 監督:ガー・レオナード
『シェルショック・ロック』Shellshock Rock (1979) ★ 監督:ジョン・T・デイヴィス
『弾道の詩行』Lines of Fire (2000) ★ 監督:ブレンダン J. バーン
『9人のゲイ、殺される』9 Dead Gay Guys (2002) 監督:ラボ・カイ・モー
『12月の花嫁』December Bride (1990) 監督:サディアス・オサリヴァン
『ミキボーと僕』(2005) ★ 監督、脚本:テリー・ローアン
『ブラディ・サンデー』(2005) Bloody Sunday 監督、脚本:ポール・グリーングラス 特別無料DVD上映!

◆神戸でも開催されます
日程:2008年3月29日(土)、30日(日)(予定)
場所:神戸アートビレッジセンター
http://kavc.or.jp/

back to top

クリアネス

監督:篠原哲雄
脚本:山田あかね
原作:十和「クリアネス〜限りなく透明な愛の物語〜」スターツ出版
撮影:永森芳伸
音楽:仁科亜弓
主題歌:秦基博「僕らをつなぐもの」
出演:杉野希妃(さくら)、細田よしひこ(レオ)、小柳友(コウタロウ)、哀川翔(成瀬)、高久ちぐさ(エリ)、山田幸伸(アキラ)ほか

つないだ手は、きっと温かい。

さくらは、マンションの部屋で売春をしている女子大生。窓から向かいのビルを見るのを日課にしていた。そこは出張ホストの事務所で、さくらが「レオ」とひそかに名づけた金髪の美少年がいる。レオは仕事から帰るといつも熱心にケータイでメールを打っている。さくらは自分とどこか似ているものを感じていた。ある日しつこい客に困っていたとき、突然レオが部屋を訪ねてきて追い払ってくれる。驚くさくらに、いつも君を見ていたんだと告げる。

第1回日本ケータイ小説大賞受賞作。このところ次々と出版され、大ヒットしているケータイ小説からはすでに『恋空』が映画化されています。著者は10〜20代の女性がほとんどで、読者からの反響も大きく、ストーリーが変わっていくほどの勢いだそうです。主人公たちに共感するのでしょうね。
さくらをフレッシュさと硬さの見える杉野希妃、キム・ギドク監督の『絶対の愛』に出演しているとか。日本の作品には初お目見えです。レオにはテレビドラマでも人気の細田よしひこ。試写状で見た横顔と、画面で見た正面の顔が違いました。長身なのに子犬系。純真で可愛いレオを好演。カップルで観るのにぴったりの作品です。(白)

2007/日本/カラー/
http://www.clearness.jp/
配給:ゼアリズ・エンタープライズ/ドーガ堂

2月16日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー

back to top

奈緒子

監督:古厩智之
脚本:林民夫、古厩智之、長尾洋平
原作:「奈緒子」(作:坂田信弘、画:中原裕 小学館刊)
出演:上野樹里、三浦春馬、笑福亭鶴瓶 ほか
主題歌:ポルノグラフィティ「あなたがここにいたら」(SME Records)

ぜんそくの療養のため12歳の奈緒子は両親と共に長崎県の波切島にやってきた。両親と乗っていた釣り船から、港を走る少年が見える。釣り船の船長の息子・雄介だった。奈緒子にはとても眩しい姿に映った。その直後、海に落ちた奈緒子を助けようとして、船長が亡くなる不幸な事故が起きてしまう。雄介は奈緒子に「お父ちゃんを返せ!」と叫び、それは奈緒子の心に癒せぬ傷となって残った。
6年後、雄介は将来を期待されるランナーとなっていた。かつての雄介の走る姿に触発されて、自分も走るようになっていた奈緒子は、陸上競技会の会場で雄介と再会する。「もう忘れた」と言う雄介だが、言葉とは裏腹に奈緒子を受け入れられない。二人のことを知った、雄介の親代わりで陸上の西浦監督は、奈緒子を陸上部の夏合宿に参加するように誘う。

原作は1994年から2003年まで連載されていた漫画で、期間も長く、登場人物も多い話のようですが、映画はコンパクトに雄介と奈緒子が互いを受け入れ、波切島高校が駅伝の長崎大会で優勝するまでのひと夏を描いています。
タイトルが『奈緒子』の割には、彼女は雄介を見守る立場なので出番は少ないのです。しかし演じる上野樹里さんが素晴らしくて、もう少し彼女を見ていたいなという気持ちにさせられました。雄介役の三浦春馬さんは『恋空』に続く主演ですね。相当走り込んだらしく、きれいなフォームで一所懸命走っていました。(梅)

公式 HP >> http://www.naoko-movie.com/

★2/16(土)よりシネ・リーブル池袋、渋谷アミューズCQN、シネマート新宿ほか全国ロードショー!

ファーストフード・ネイション(原題:Fast Food Nation)

監督・脚本:リチャード・リンクレイター
原作・脚本:エリック・シュローサー(「ファストフードが世界を食いつくす」(草始社刊))
製作:ジェレミー・トーマス、ジェフ・スコール、マルコム・マクラーレン、アン・カーリ
出演:グレッグ・キニア、イーサン・ホーク、カタリーナ・サンディノ・モレノ、クリス・クリストファーソン、アシュレイ・ジョンソン、パトリシア・アークエット、アヴリル・ラヴィーンほか

ハンバーガー・チェーン、ミッキーズのマーケティング部長ドンは、”ビッグワン”が好調な売り上げを伸ばしていて上機嫌な中、社長に呼ばれる。大学院生がハンバーガーのパテを分析した結果、我が社のものから多量の糞便生大腸菌が検出されたという。公になれば会社は危機に陥る。その前に調査してほしいという命令だった。ドンはコロラドの工場へと向かう。そこで彼が知る事実とは…
その頃、メキシコとアメリカの国境付近の砂漠を歩く一団がいた。その中にシルビアとラウルの夫婦、そしてシルビアの妹ココたちもいる。運び屋の手引きでなんとか密入国を果たした彼らは、コロラドの精肉工場での違法労働を斡旋される。まじめに働いて生活基盤を作ろうとするシルビアだが、ココは評判の悪い現場監督とできてしまい危ない道を歩き始め、夫のラウルは作業中に大けがを負ってしまう…
コロラドに着いたドンが訪れたミッキーズのカウンターで働いているのは、まじめな女子高生アンバー。アンバーはかつて学生運動家だった叔父や、知り合った環境保護グループに影響され、アルバイトをやめる。そしてある抗議行動を起こそうとするのだが…。

近年日本でも、食品偽装発覚続きで、食の安全に大きな関心が寄せられています。また次第に広がる社会の格差、地方の荒廃。移民問題はないにしても、研修生名目で雇う外国人労働者の不当な扱いは近いものがあります。こうして考えると、この映画が描く問題は海の向こうのアメリカだけではなく、わたしたちにも密接につながっています。ファーストフードにかかわらず、安くて、手軽なものをわたしたちは求めます。でも、この映画を観たあとでは、商品を手に取ったとき、安さと手軽さを追求するために、作る過程でどんなことをしているんだろうと、想像するようになるかもしれません。
非常に登場人物の多い作品ですが、中でも出演リストには載っていませんが、ミッキーズの問題の鍵を握る人物ハリーをあのスキンヘッドの大物俳優が演じていて、かなり強烈なインパクトを残します。クリス・クリストファーソン演じる牧場主が「企業は利益のために平気で人を殺す」と語るシーンも印象的。(梅)

2006年/米英合作/108分/ビスタサイズ/ドルビーSRD
提供・配給:トランスフォーマー
宣伝・配給協力:ザジ フィルムズ

公式 HP >> http://www.fastfoodnation.net/

★2月16日(土)より、ユーロスペースにてレイトショー他全国順次公開

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生(原題:ANNIE LEIBOVITZ:LIFE THROUGH A LENS)

監督・脚本・製作:バーバラ・リーボヴィッツ
写真監督 エディ・マリッツ、ジェイミー・ヘルマン、バーバラ・リーボヴィッツ
出演:アニー・リーボヴィッツ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、デミ・ムーア、キース・リチャーズ、アナ・ウィンター、 ヒラリー・クリントン、ミック・ジャガー、アーノルド・シュワルツェネッガー、ウーピー・ゴールドバーグ、パティ・スミ ス、ミハイル・バリシニコフ、ベット・ミドラー、ロザンヌ・キャッシュ、マーク・モリスほか

全裸のジョン・レノンが、黒いセーターとジーンズ姿のオノ・ヨーコに、しがみつくように寄り添う写真。1980年12月8日、ジョン・レノン暗殺の数時間前にアニー・リーボヴィッツが撮影したこの1枚は、1981年1月に特別追悼号として刊行されたローリングストーン誌の表紙を飾り、撮影時の感動的な秘話と共に伝説の写真として今も語り継がれている。心を解き放ったようなジョン・レノンの姿を撮り得たのは、さかのぼること10年前の1970年、アニーの最初の大仕事がジョン・レノンのインタビューだったことに鍵がある。20歳だったアニーは、ポップカルチャーの最先端を行くローリングストーン誌の編集部に必死に懇願して仕事を掴み取ったのだが、無名のアニーに心を開いてくれたジョンとの出会いが、その後の彼女の人生を決定づけたといわれる。1975年には、ローリング・ストーンズのツアーに完全密着。自分自身ドラッグに手を染めることになりながら、彼らの自然な姿をカメラにおさめている。
1977年、マンネリに陥っていたアニーは、出版デザインでカリスマ的存在のビア・フェイトラーに師事する。彼女から、ミュージッシャンを並べて撮っただけの写真を平凡だと指摘され、アニーは写真のコンセプトについて研究を重ねる。計算しつくしたシチュエーションの中で、大勢のセレブリティを撮るようになるアニー。トゲを全部取った何千本ものバラを目にして「私はもう彼女の奴隷になったわ」とベット・ミドラーは語る。妊娠中の大きなお腹を抱えたデミ・ムーアのヌード写真、真っ白なお風呂から飛び出すウーピー・ゴールドバーグ... 大胆で印象的な写真の数々。一方で、オノ・ヨーコもヒラリー・クリントンも、アニーは「魂」を撮りたがっていたと語る。

「死にゆくその日も写真を撮っていたい」と語るアニーの日常と、その生き様を描ききったのは、実の妹バーバラ・リーボヴィッツならでは。アニーの師であり、パートナーでもあったスーザン・ソンタグとのプライベートなエピソードも映画は語る。ソンタグは、『写真論』(1977年)の著者で、批評家、小説家、映画監督として活躍した、アメリカを代表する知識人。2004年12月28日、惜しまれながら逝ったソンタグを見送るアニー。ソンタグとの出会いがアニーにもたらしたものは大きい。

私自身は、素の姿を捉えた自然な写真が好みだが、力強いアニーの作品の数々を見て、アートとしての写真の可能性の大きさを感じさせられた。アニーの仕事に対する真摯な姿や、大胆な生き方に元気も貰った。一度しかない人生、私も精一杯好きなことを追求していきたいものだ。(咲)

提供:ギャガ・コミュニケーションズ×博報堂DYメディアパートナーズ×J-Dream×FM802
配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ
宣伝:ギャガ・コミュニケーションズ×maison d'art
2007年/アメリカ/ 83分/ カラー

公式 HP >> http://annie.gyao.jp/

★2008年2月16日(土)シネマGAGA!、シネカノン有楽町2丁目にて公開他全国順次ロードショー

いつか眠りにつく前に(原題:EVENING)

監督:ラホス・コルタイ
脚本:スーザン・マイノット、マイケル・カニンガム
原作:スーザン・マイノット
撮影:ギュラ・パドス
美術:キャロライン・ハナニア
音楽:ヤン・A・P・カチュマレク
出演:クレア・デインズ(アン・グラント)、トニ・コレット(ニナ)、ヴァネッサ・レッドグレーヴ(アン・ロード)、パトリック・ウィルソン(ハリス)、ヒュー・ダンシー(バディ)、ナターシャ・リチャードソン(コンスタンス)、メイミー・ガマー(ライラ)、アイリーン・アトキンス(看護婦)、メリル・ストリープ(ライラ・ロス)、グレン・クローズ(ウィッテンボーン夫人)ほか

臨終の近い老婦人アンの枕元に二人の娘ニナとコニーがつききりでいる。母親が混濁した意識の中で幾度も呼ぶ「ハリス」「バディ」という名は父のものではない。娘たちの知らない母の過去に何があったのか? アンの脳裏には歌手を目指していた若き日が浮かんでいる。
24歳のアンは親友ライラの結婚式でブライズメイドをつとめるために、ロードアイランドの高級住宅へ向かっていた。そこでライラがずっと心に秘めていた医師ハリスに出会う。アンとハリスは一目で惹かれあうが、ライラの弟バディもずっと前からアンを想っていたのだった。しかしアンにとってバディは弟のような存在で、アンは取り合わない。


(c)2007 Focus Feaures. All Rights Reserved

現在と過去のシーンが交互に現れますが、編集と役者のうまさで混同することはありません。アンの若き日をクレア・デインズが演じて歌声も披露します。子どもに歌って聞かせる場面で歌われるのは、実際にクレアの母親が歌ってくれた曲なのだそうです。とてもいいシーンでした。ヴァネッサ・レッドグレーヴと実の娘のナターシャ・リチャードソンが母娘役で共演。もう一組、メリル・ストリープと実の娘のメイミー・ガマーが、ライラの過去と現在を演じます。この二人は相似形のようにそっくり! 女優たちの競演と50年代のファッションも見所。(白)

2007/アメリカ/カラー/117分/スコープサイズ/
http://www.itsunemu.jp/

2月23日(土)より 日比谷みゆき座ほか全国ロードショー

back to top

トゥヤーの結婚(原題:図雅的婚事)

監督:王全安(ワン・チュアンアン)
脚本:芦葦(ルー・ウェイ)、王全安
撮影監督:ルッツ・ライテマイヤー
出演:余男(ユー・ナン)、蘇合巴特尓(バータル)、森格(センゲー)

中国内モンゴル自治区の南西部。砂漠化の進むこの土地で、トゥヤーは遊牧をして暮らしているが、生活は困難を極めている。夫バータルは井戸掘の最中に事故を起こし、下半身不随の身となった。二人の子供はまだ幼く、トゥヤーは一人で日々の重労働を担っている。その苦労を見かねたバータルは、自分は姉の家で暮らすから、彼女に離婚して新しい夫を捜すことを勧める。トゥヤーには苦楽を共にした夫を見捨てることなどできない。かといってこのままでは生きていけない。渋々裁判所へ離婚の申請をしに行くが、そこで彼女は「新しい夫の条件は、バータルとも一緒に暮らしてくれる人であること」を離婚の条件にすると宣言した。気だての良い、働き者の美人が離婚したというニュースは瞬く間に広まり、トゥヤーの元には次々と男たちが求婚にやってくる。

久しぶりに乾いた大地にすっくと立つ、強く、美しい中国女性を見た。張藝謀(チャン・イーモウ)監督の『紅いコーリャン』や『秋菊の物語』での鞏俐(コン・リー)を思い出す。トゥヤーはどんなに苦しくても愚痴一つこぼさず、家族が生きていくために黙々と日々の仕事をこなす。そればかりか、隣人の困ったへたれ男センゲーの心配までする。次々にやってくる求婚者たちには、バータルと一緒という少々常識外れの条件を一切妥協しない。厳しい自然の中に一人でいることは、命を落とす危険に直結すると知っているからこそ、その愛情はそんなにもまっすぐなんだろうか。
砂漠化した草原の中を、らくだに乗って駆ける姿。夕日に照らされて紅く染まったトラックの荷台に座るトゥヤー一家の姿。お茶を沸かす鍋からあがる湯気。トゥヤーのいくつもの鮮やかな色のスカーフ。原色があふれる結婚式。どれも素晴らしく美しい。
やっとこぎ着けた新たな結婚。男たちの姿を見ると、この先も苦労は続きそうだが、「きっとあなたなら大丈夫だよ」とトゥヤーに心からエールを送っていた。(梅)

第57回ベルリン国際映画祭≪金熊賞≫グランプリ受賞!!

2006年/中国映画/北京語/35mm/カラー/96分/ドルビーSR/アメリカンヴィスタ
日本語字幕:田村祥子、加藤浩志
後援:中華人民共和国駐日本国大使館文化部
協力:フォーカスピクチャーズ
配給:ワコー+グアパ・グアポ
宣伝協力:スローラーナー

公式 HP >> http://www.tuya-marriage.jp/

★Bunkamuraル・シネマにで、2月23日(土)よりロードショー!

sisters

監督:ダグラス・バック
脚本:ダグラス・バック、ジョン・フレイタス
原案:ブライアン・デ・パルマ
撮影監督:ジョン・キャンベル
音楽:エドワード・ズバク、デヴィット・クリスチャン
出演 クロエ・セヴィニー、ルー・ドワイヨン、スティーヴン・レイダラス・ロバーツ

ジャーナリストのグレース(クロエ・セヴィニー)は、小児診療所で起こった不審死を調べるために、潜入取材していたが、ラカン医師(スティーヴン・レイ)に追い出されてしまう。しかし、ラカンの美しい助手アンジェリーク(ルー・ドワイヨン/双子の姉アナベルと二役)の不安げで落ち着きのない様子を怪訝に感じたグレースはアンジェリークをマークし始める。一方、アンジェリークはボランティアで来ていた若い医師ウォレスに懇願して、そこから連れ出してもらうが、薬物を常用している為、薬が切れたアンジェリークは気を失ってしまう。同じ頃、アンジェリークを監視していたグレースは、若い医師ウォレスがアナベルに編み針で刺し殺される惨劇を目の当たりにする。だが、警官とアンジェリークの部屋に行くと、死体も事件の痕跡もなくなっていた…。

(c)2006 SISTERS WOOSTER, INC. AND IMAGE ENTERTAINMENT, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ミステリー、ホラー何でもOKの私ですが、この作品は今までとは違いました。びっくりするオドカシは全くなく、音楽も静かです。しかし、ねっとりしたくら〜い眼差し…、これが怖いんです。クロエ・セヴィニーは、事件の深みに入り込んで行くにつれ、目付きが暗くなり、何かに取りつかれたように虚になります。ルー・ドワイヨンは不安や秘密が半開き口元から、こぼれてきそうで怖かった…。個性派女優二人のキャスティングは見逃せません。最後、二人の女は、意外な結末を迎えます。
この作品、1973年、ブライアン・デ・パルマ監督の傑作『悪魔のシスター』のリメイク映画です。(美)

2006年/アメリカ/35mm/カラー/91分/R-18
配給・宣伝:アートポート
2008年2月23日より、シアターN渋谷ほか全国順次ロードショー

公式 HP >> http://www.sisters-movie.jp/

back to top

地上5センチの恋心(原題:ODETTE TOULEMONDE)

監督・脚本:エリック=エマニュエル・シュミット
撮影:カルロ・ヴァリーニ
美術:フランソワ・ショヴォー
衣装:コリーヌ・ジョリー
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ
出演:カトリーヌ・フロ(オデット)、アルベール・デュポンテル(バルタザール)、ファブリス・ミュルジア(息子ルディ)、ニナ・ドレック(娘スー=エレン)ほか

オデットは早くに夫を亡くし、息子と娘とつつましく暮らしてきた普通の主婦。化粧品売場で働き、夜は踊り子の羽飾りを作る内職をしている。一番の楽しみはロマンス小説を読むこと。著者のバルタザール・バルザンのサイン会にドキドキしながら駆けつける。憧れの人を前にして、自分の名前も正しく言えなかった彼女はすっかり落ち込んでしまうが、次の機会に手渡そうと初めてファンレターを書くことにした。
一方バルタザールは、自分の最新作をこきおろした批評家と妻がつきあっているのを知り、打ちのめされていた。そんなときオデットからの手紙を受け取り、自分への感謝と賞賛が書かれていることで喜びに包まれる。



平凡な主婦と人気作家のロマンチックな物語。『女はみんな生きている』のカトリーヌ・フロが、夢見がちでいつも楽しく暮らしている主婦を演じて、とても可愛いです。化粧品売り場のお客とのやりとりに、しっかりした主婦の一端も見せてなるほどと思いました。CGをうまく使って「天にも昇る心地」のときは天に昇らせてくれますし、カラフルな衣装や美術も楽しいです。原題は「オデット・トゥールモンド」というヒロインの名前そのままですが、邦題は映画の気分も現してしゃれていますね。
ストーリーは、作家でもある監督の実体験(主婦から熱烈なファンレターをもらった)から発したのだそうですよ。(白)

2006/フランス、ベルギー/カラー/100分/35mm/ドルビーデジタル/DTS/シネスコ
配給:クレストインターナショナル、ヘキサゴン・ピクチャーズ

http://www.chijou.jp/

2008年3月1日(土)よりシネスイッチ銀座にて浮き浮きロードショー!

back to top

明日への遺言

監督:小泉堯史
脚本:小泉堯史、ロジャー・パルバース
原作:「ながい旅」大岡昇平
主題歌:森山良子「ねがい」
ナレーション:竹野内豊
出演:藤田まこと(岡田資中将)、富司純子(岡田温子)、ロバート・レッサー(フェザーストン弁護人)、フレッド・マックイーン(バーネット主任検察官)、リチャード・ニール(ラップ裁判長)、西村雅彦、蒼井優、田中好子ほか

第2次大戦終了後、アメリカ占領下の日本でB級戦犯に問われた軍人がいた。岡田資(たすく)中将は、パラシュート降下したアメリカ空軍兵士を処刑したとして被告の席にいる。上層部からの指令だと責任逃れをするものの多い中、彼は部下をかばい司令官として全ての責任を負う。米軍が犯した一般人の大量殺害の「処罰」をしたと主張し、住宅地商店街への無差別空襲の違法性も指摘する。「法戦」と名づけた法廷での戦いを続けるうち、弁護側だけでなく裁く側も彼に理解を示し始める。


(c)2007「明日への遺言」製作委員会

2007年の東京国際映画祭でワールドプレミア上映された作品。大岡昇平の「ながい旅」が原作、『雨上がる』『博士の愛した数式』の小泉堯史監督がメガホンをとりました。いまだに「必殺」のイメージがある藤田まことが、芯の通った誇り高い軍人像を見せます。「はぐれ刑事純情派」の安浦刑事ともまた違い、最後のサムライのような雰囲気です。
妻役の富司純子も凛として美しく、完成披露試写で登壇したロバート・レッサー、フレッド・マックイーン、リチャード・ニールらが口を揃えて「フジサン」を褒めておりました。このときに、それぞれの「明日への遺言」を司会者が尋ねました。父親(スティーブ・マックイーン)そっくりのフレッド・マックイーンがしばらく考えた末「日本はこのまま戦争に背を向け続けてください。そうしたら世界もきっと見習うでしょう」と述べたのが、とても印象的でした。 戦争シーンが直接出なくとも、その時代の日本人の生き方を描いて、背筋が伸びるような作品でした。(白)

2007/日本/カラー/110分/35mm/
配給:アスミック・エース
http://ashitahenoyuigon.jp/

2008年3月1日(土)より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

back to top

ペネロピ(原題:PENELOPE)

監督:マーク・パランスキー
脚本:レスリー・ケイヴニー
撮影:ミシェル・アマチュー
美術:アマンダ・マッカーサー
音楽:ジョビィ・タルボット
衣装:ジル・テイラー
出演:クリスティーナ・リッチ(ペネロピ)、ジェームズ・マカヴォイ(マックス)、リース・ウィザースプーン

上流家庭の一人娘ペネロピは、先祖にかけられた呪いのせいで「豚の耳と鼻」を持って生まれてきた。体面を気にした両親は赤ん坊のうちに死んだことにし、密かに屋敷の中だけで育ててきた。年頃になったペネロピの呪いをとくため、母親は口外しない誓約書つきで、名家の御曹司とのお見合いを次々とセッティング。しかし、ペネロピの姿を一目見ると、誰もが逃げ出してしまう。たった一人残ったのは、賭け事好きのマックスだけ。ペネロピは初めて心が動くのだった、が・・・。


(C)2006 Tatira Active Filmproduktions GmbH & Co.KG

特殊メイクの豚鼻もクリスティーナ・リッチがつけると、とてもキュート。子供のころから家から一歩も出られないままのペネロピですが、クールで賢い娘に育っています。大騒ぎする母親はキャサリン・オハラ、『ホーム・アローン』で叫んでいたママ、というと思い浮かぶでしょう。マックス役のジェームズ・マカヴォイは『ナルニア国物語』で半獣のタムナスさんだった青年です。ようやく顔がわかりました。この原作にほれこんだリース・ウィザースプーンが、製作を手がけました。作中では頼れる姐御としてペネロピを応援します。古い町並みの残るロンドンでの撮影が、このおとぎ話をいっそう魅力的にしています。(白)

2006/イギリス/カラー/101分/スコープサイズ/ドルビーデジタル/
配給:東京テアトル、デスペラード
http://www.penelope-movie.com/
2008年3月1日(土)より、テアトルタイムズスクエア他にて公開予定

back to top

4ヶ月、3週と2日(原題:4 LUNI, 3 SAPTAMINI SI 2 ZILE)

監督・脚本:クリスティアン・ムンジウ
出演:アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ

1987年、チャウシェスク政権末期のルーマニア。寒々しい学生寮の一室で、オティリアとガビツァの二人があわただしく手荷物を用意している。 歯磨き粉、石鹸、ドライヤー、ビニールシート...と、忘れ物はないか確認しあう彼女たち。「キャンプに行くみたいね」と言いながら、顔はこわばっている。 一人で寮を出たオティリアは、恋人に会ってお金を借り、その足でガビツァが予約したホテルへ行くと、予約が入っていない上に満室。 仕方なく他のホテルに掛け合い予約を取り、ガビツァに電話を入れると、体調が悪いので自分が会う約束をしている男を迎えにいってホテルに連れてきてくれと頼まれる。 男に会うと、ガビツァ本人が来ない上に、指定のホテルでないことに文句を言われる始末。 いやがる男を無理矢理ガビツァの待つホテルに連れて行くオティリア。 実は、望まぬ妊娠をしたガビツァは、ここで中絶手術をしてもらおうとしているのだ。 この時代、中絶は法律で禁じられていて、受ける方も施す方も罰せられる。 男は予定外の料金をふっかけてくる。でも、ガビツァはこれ以上中絶を先延ばしに出来ない...

妊娠何ヶ月かもよくわからず能天気なガビツァに対して、ルームメイトというだけで献身的に奔走するオティリア。 無神経とも思えるガビツァの為に、なぜここまでやってあげなくちゃいけないの?と、いらいらしながら、最後の最後まで、いったいどうなるのか・・と、緊張したまま目は画面に釘付け。 独裁政権下の自由のない張り詰めたような空気感がひしひしと伝わってくる。 でも、地味な社会派映画ではない。 性格の全く異なる二人の女性の1日を描いただけの映画なのに、こんなにも惹きつけられるなんて・・・!  昨年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した他、各地の映画祭で数々の賞に輝いたのも納得である。

中絶を施した男が、「野良犬に掘り返されないように土には埋めるな」と言い残していく場面がある。 12月に発刊されたシネマジャーナル創始者の一人佐藤玲子さん執筆の「ハノイを楽しむ」の中に、ブカレストを旅した場面が出てくるのだが、事前に調べたときに「野良犬に観光客が噛まれて狂犬病になった」と知って、佐藤さんが野良犬対策をどうしようかと本気で悩んだとあった。 映画でも犬の遠吠えや野良犬の姿が出てきて、ほんとに野良犬が多いところなのだなぁと、ちょっぴり可笑しくなった。チャウシェスク政権が崩壊して、ずいぶん国の雰囲気が変わった中でも、野良犬は健在?! (咲)

2007年/ルーマニア/113分/35mm/カラー/1:2.35/ドルビーSR

提供:コムストック・グループ、ツイン
配給:コムストック・グループ
配給協力:ツイン、マジックアワー
宣伝:マジックアワー
後援:ルーマニア大使館

★2008年3月1日より銀座テアトルシネマほか全国にて順次公開

公式HP>> http://www.432film.jp/

back to top

チェスト!

監督:雑賀俊郎
原作・脚本:登坂恵里香(「チェスト!」ポプラ社刊)
音楽:松下奈緒
出演:高橋賢人、御厨響一、中嶋和也、宮崎香蓮、松下奈緒、高嶋政宏、大坪千夏、榎木孝明、羽田美智子 ほか

元気いっぱいのガキ大将で曲がったことが大嫌いな隼人には、人に嘘をついてまで隠していることがある。それはカナヅチだということ。学校では毎年「錦江湾横断遠泳大会」が行われているが、これまでなんだかんだと逃げてきた。でも、今年は小学校最後の年。何とかしたいと思っているのだが・・・
隼人のクラスに東京からの転校生・智明が入ってきた。硬い表情のまま、友達を作ろうとしない彼は、クラスで孤立していく。クラスメイトの雄太は緊張するとすぐに便意をもよおすため、みんなと一緒に泳いでもらえない。放課後、一人で練習していた雄太が足がつっておぼれかけたとき、素晴らしい泳ぎで助けてくれたのは智明だった。その様子を偶然見ていた隼人は、智明に泳ぎを教えてくれと頭を下げて頼み込む。かくして、隼人、智明、雄太の秘密の特訓が始まる。

「チェスト!」とは自分を乗り越えるための合い言葉。壁にぶつかっていくとき、気合いを入れて「チェスト〜! いけ〜!」と叫びます。『魁!!男塾』でも誰かが叫んでいました。
今年はNHKの大河ドラマ「篤姫」もあって、鹿児島が注目を集めそうです。その「篤姫」の時代にもあった、郷中(ごじゅう)教育の精神が受け継がれた小学校の伝統行事「錦江湾横断遠泳大会」を舞台に、子どもたちの成長と家族の絆をストレートに描いています。
わたしも小学校5年までカナヅチだったので、赤帽の恥ずかしさは身にしみてわかります。今でも25mしか泳げないのですが、それに比べ隼人君はゼロからのスタートで4.2kmを泳ぎ切れるようになるなんて、いくら海が浮くとはいえ、凄すぎます。うらやましい。もう一つうらやましいと思ったのは、子育てを親だけでなく地域で行う伝統でした。(梅)

耳慣れない「チェスト!」という気合を入れるためのかけ声。 「チェスト!」という鹿児島のブログポータルサイトもあって、鹿児島の人にとっては慣れ親しんだ言葉なのですね。30年以上前に、鹿児島を旅した時、坊津のバス停で、ご老人たちのみならず子供たちの話している言葉が、単語の一つも理解できなくて、びっくりしたことを思い出しました。敵に話している内容を理解されないように固有の方言を使ったとも聞いたことがありますが、言葉一つとっても、伝統文化を大事にしている風土を感じます。
映画の中で、ボーイスカウトの薩摩郷中起源説を紙芝居で見せる場面がありました。あくまで説のようですが、「負けるな!嘘をつくな!弱いものをいじめるな!」という郷中教育の魂は、ボーイスカウトの精神に通じるところがあるのでしょう。
映画でも時折映し出される桜島。薩摩の人々は桜島の雄姿に励まされてきたのだと感じます。小学生が錦江湾横断遠泳大会を乗り切る姿は、すがすがしいものでした。そして、個人的には、大好きな榎木孝明さん(鹿児島出身!)が素敵な父親姿で登場したのが嬉しかったのでした。(咲)

日本映画エンジェル大賞受賞
製作:共同テレビジョン、ポニーキャニオン、ピーズインターナショナル、アrテルナ
配給:ティ・ジョイ
支援:文化庁

公式 HP >> http://chesuto.com/

★2008年3月1日(土)、鹿児島先行ロードショー
 2008年4月19日(土)より、新宿バルト9他 全国ロードショー

泪壷

監督:瀬々敬久
脚本:佐藤有紀
原作:渡辺淳一
出演:小島可奈子(朋代)、いしだ壱成(雄介)、佐藤藍子(愁子)、菅田俊(父 周吾)、三浦誠己、柄本佑ほか

入院中の妹の見舞いに上京した朋代は、愁子の余命がいくばくもないのを知る。急に外へ走り出す朋代。子どものころ父親が泣き顔を嫌ったため、涙を見せまいとするのは今も変わらなかった。姉妹と雄介は少女のころからの知り合いで、朋代は雄介に惹かれていたが、結ばれたのは積極的な愁子のほうだった。
愁子は夫の雄介に「自分が死んだら骨で壷を作っていつもそばに置いて」と約束させて逝く。陶芸家に頼んで出来上がった壷には一筋の傷が入り、まるで愁子の泪のように見えた。20年に渡る朋代の片思いはどこに行ってしまうのだろう。

渡辺淳一の短編を元に、姉妹と彼女たちの愛した男性の3人の愛情が描かれます。原作より青春時代の描写が増えているようです。ピンク映画四天王と称された瀬々監督の前作は『堕ちた女郎蜘蛛』。私は未見ですが(美)さんが絶賛していました。妙に厳格な父親と、気弱な雄介。内に秘めてしまう朋代と開放的な愁子。母が遺したボーンチャイナの壷と、愁子の骨で作られる泪壷。官能と青春ドラマ。対比し繋がる何組かが、配されているような感じがしました。柄本佑くんが教え子役で顔を出しています。(白)

2007/日本/カラー/35mm/110分/
アートポート

公式 HP >> http://www.namidatsubo.jp/

★2008年3月1日(土)〜銀座シネパトス、K's cinemaほかにてロードショー

アジア新星流FOCUS FIRST CUTS

期間:3月1日(土)〜3月14日(金)
会場:シネマート六本木

アンディ・ラウが指揮をとって、アジアの新人監督を発掘するFOCUS : First Cuts≪FFC:アジア新星流≫プロジェクト。
この度、プロジェクト第一回目として制作された6作品が一挙上映されます。

*上映作品*
『クレイジー・ストーン〜翡翠狂騒曲〜』 (中国)
監督・脚本:ニン・ハオ
出演:グォ・タオ
『靴に恋する人魚』 (台湾)
監督・脚本:ロビン・リー
出演:ビビアン・スー、ダンカン・チョウ
『I’LL CALL YOU』 (香港)
監督・脚本:ラム・ジーチョン(『少林サッカー』出演)
出演:アレックス・フォン、ビアン・リアン
『MY MOTHER IS A BELLY DANCER』 (香港)
監督・脚本:リー・コンロッ
出演:エイミー・チョム、シドニー、クリスタル・ティン
『RAIN DOGS』 (マレーシア)
監督・脚本:ホー・ユーハン
出演:クァン・チュンワイ、リュー・ワイホン、ピート・テオ
『LOVE STORY』 (シンガポール)
監督・脚本:ケルヴィン・トン
出演:アレン・リン、エベリン・タン、エリシア・リー

上映スケジュール等詳細は、HPでご確認ください。

特別記事≪アジア新星流≫プロジェクト作品が一挙公開されます!!もご覧下さい。

公式 HP >> http://www.ffcjp.com



韓流シネマ・フェスティバル2008春

2005年から数え、4回目の韓流シネマ・フェスティバル。テレビドラマで活躍するスター達が、その顔とは違う“映画俳優”として取り組む姿にスポットを当てた作品14本が上映されます。

場 所:シネマート六本木・シネマート心斎橋ほか全国順次開催
時 期:六本木:2008年3月1日(土)〜2008年5月30日(金)
    心斎橋:2008年3月15日(土)〜

監督:キム・テヨン  出演:オム・テウン、ムン・ソリ
*上映作品*
『まぶしい日に』 監督:パク・クァンス 出演:パク・シニャン、ソ・シネ
『ひまわり』 監督:カン・ソッポム  出演:キム・レウォン、ホ.イジェ、キム.ヘスク
『家族の誕生』
『最強ロマンス』 監督:キム・ジョンウ  出演:イ・ドンウク、ヒョンヨン
『覆面ダルホ〜演歌の花道〜』 監督:キム・サンチャン  出演:チャ・テヒョン、イ・ソヨン
『マドレーヌ』 監督:パク・クァンチュン 出演:チョ・インソン、シン・ミナ
『なつかしの庭』 監督:イム・サンス  出演:チ・ジニ、ヨム.ジョンア
『ス』 監督:崔洋一 出演:チ・ジニ、カン.ソンヨン、ムン.ソングン
『ハーブ』 監督:ホ・イソム 出演:カン.ヘジョン、チョン.ギョンホ、ぺ.ジョンオク
『ジェニ、ジュノ』 監督:キム・ホジュン 出演:キム.ヘソン、パク.ミンジ、ソ.ミンジョン
『暴力サークル』 監督:パク・キヒョン 出演:チョン.ギョンホ、キム.ヘソン
『残酷な出勤』 監督:キム・テユン 出演:キム.スロ、イ.ソンギュン、コ.ウナ
『台風太陽〜君がいた夏〜』 監督:チョン・ジェウン 出演:チョン.ジョンミョン、キム.ガンウ、チョ.イジン、イ.チョニ、オン.ジュワン
『恋の潜伏捜査』 監督:パク・クァンチュン(『マドレーヌ』)  出演:キム・ソナ、コン・ユ

公式 HP >> http://www.cinemart.co.jp/han-fes2008/

back to top

花の夢〜ある中国残留婦人〜

監督・脚本:東志津
出演:栗原貞子
語り:余貴美子
プロデューサー:伊勢真一

中国残留婦人というのは国が終戦当時13才以上であれば、自らの意志で中国に残ったと見なしている女性たちを表します。そのため、帰国政策によって帰国した中国残留孤児と違って、帰国のための支援もなく、生活補助もありません。映画は、その一人である栗原貞子さんの口から語られる、苦難に満ちた過去と、慎ましく穏やかな現在とを対比させ、もう二度と戦争だけはやってはいけないという彼女の思いを強く静かに伝えます。

 

川崎市アートセンターにあるアルテリオ・シネマにて上映されることになりました。3月1日(土)、8日(土)の上映後には、東志津監督のトークも予定されています。その他、アルテリオ・シネマの3月の上映作品には、本サイトで過去に紹介した『ヒロシマナガサキ』『ハーフェズ ペルシャの詩』などもあります。

2007年/カラー/97分

アルテリオ・シネマ HP >> http://kawasaki-ac.jp/
いせフィルムHP >> http://www2.odn.ne.jp/ise-film/

★3月1日(土)〜14日(金)、 川崎市アートセンター アルテリオ・シネマにて上映

第16回地球環境映像祭

EARTH VISION The 16th Tokyo Global Environmental Film Festival

期日:2008年3月7日(金)〜3月9日(日)
会場:四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町87番地 四谷区民センター9階)
参加:協力費1日1,000円 高校生以下無料・事前予約不要
3日間通し協力費(カタログ付き)一般2,000円 学生1,500円

★の作品には制作者によるトークセッションがあります。
スケジュール、内容は変更することがございます。

3月7日(金)
14:00 世界里山紀行 中国・雲南 竹とともに生きる★(日本)
15:15 赤貧洗うがごとき −田中正造と野に叫ぶ人々★(日本)
17:20 トラ −死の軌跡★(インド)
19:00 水になった村★(日本)
21:00 終了予定

3月8日(土)
◇◆子どものための環境映像プログラム◆◇
10:00 カルパ・ディエム−コイは生き残った(イタリア)/タツノオトシゴ(ドイツ)/みんなの自然?(アメリカ)
10:15 ブダペスト・ワイルド−街の生きものたち(ハンガリー)
11:00 校長先生とクジラ(日本)/ミートリックス(アメリカ)/生ゴミ堆肥が地球を救う!? 〜母娘のダンボールコンポスト循環生活(日本)
11:40 パフィン・アウェイ−地球に吐き出されたもの(カナダ) /タイガの子(ドイツ)
13:00 生きる −セマングム干潟を救え★(韓国)
14:20 海のゆりかご ーハチの干潟を守りたい★(日本)
○トークセッション「干潟のいま」
16:00 動物工場/アニマル・ファクトリー★(韓国)
17:30 エビの履歴書 −育てる人と食べる人★(日本)
18:00 自然の楯 −Tsunamiからいのちをまもったもの★(インド、インドネシア、スリランカ、タイ)
○トークセッション「マングローブとエビ」
19:00 終了予定

3月9日(日)
10:00 クルード −むき出しの欲望の果て★(オーストラリア)
13:00 ヒートアイランド東京 −風の谷と森が奇跡を呼ぶ★(日本)
13:45 プラネットアース −極地 氷の世界★(日本)
◇◆特別プログラム◆◇
15:10 IPCCノーベル平和賞受賞 記念講演
「地球温暖化ーわたしたちはどんな未来を選ぶのか」
国立環境研究所参与 西岡 秀三(IPCC作業部会メンバー)
[※ IPCC 国連・気候変動に関する政府間パネル]
上映「不都合な真実」(アメリカ/アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー賞受賞)
18:00 表彰式
アース・ビジョン大賞作品上映/交流会

21:00までに終了予定
* 9日の終了時刻は、アース・ビジョン大賞受賞作品により異なります。

問い合わせ先
アース・ビジョン組織委員会
【事務局】TEL : 03-5802-0525
【本部】(財)地球・人間環境フォーラム TEL : 03-3813-9735
http://www.earth-vision.jp

back to top

赤貧洗うがごとき −田中正造と野に叫ぶ人々

監督・脚本:池田博穂
撮影:西島房宏
音楽:小六禮次郎
朗読:藤田弓子、赤塚真人
ナレーター:湯浅真由美
出演:石神明治、あも、伊藤徹、船津基、中村裕、広尾博、広戸聡、山中いっとく、庭田隆次、庭田ハナ子

田中正造は1841年名主の家に生まれ17歳で名主に公選された。のちに県会議員、1890年には衆議院議員に当選。議会にて足尾銅山鉱毒の質問書を提出。以後、繰り返し質問するが進展はなし。衆議院議員連続6回の当選を果たすも、議員歳費値上げに反対し、一切の歳費を辞退。1901年には議会政治に見切りをつけ議員を辞職し、明治天皇への直訴を敢行・・・。73歳で倒れるまで絶えず実践の人であり、多くの人から敬愛された田中正造の生涯を描くドキュメンタリー。

最初の環境汚染・公害問題と言える「足尾銅山鉱毒」を追求した田中正造とは、なんとパワフルな人だったのかと驚きました。文字通り身命を賭し、財産も全て運動のためにつぎ込み、亡くなったときは無一文だったとか。このドキュメンタリーは、彼の縁者や研究家のインタビューに、再現ドラマなどもまじえてわかりやすく構成されています。
「赤貧の洗うがごとき心もて 無一物こそ富というなれ」
「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」
現代に置きかえてなお一層痛切なその言葉に、今こういう人がいてほしいと思いました。製作の方々も、まだまだ語り足りないのではないでしょうか?全国各地での上映が決定しています。お近くの会場へぜひどうぞ。(白)

◆長崎
3月 8日(土) 島原上映 島原文化会館 
3月15日(土) 長崎上映 長崎市チトセピアホール 
3月16日(日) 佐世保上映 佐世保コミュニティーセンター
3月20日(木) 大村上映 シーハット大邑・さくらホール
3月21日(金) 諫早上映 諫早文化会館・中ホール 

◆千葉
3月23日(日) アミュゼ柏 クリスタルホール
4月19日(土) 千葉県教育会館 

◆東京  
3月23日(日) EARTH VISION 多摩上映

◆群馬  
4月 6日(日) 笠懸野文化ホール パル
5月17日(土) 太田市学習文化センター 視聴覚ホール

◆神奈川 
4月29日(火) 横浜市緑区上映会 緑公会堂

詳細はHPでお確かめください。
http://www.sekihin.net/

2006年/日本/カラー/98分
企画:田中正造を後世に伝える会
製作:ドキュメンタリー映画「赤貧洗うがごとき」製作委員会

back to top

アメリカを売った男(原題:BREACH)

監督・脚本:ビリー・レイ
撮影:タク・フジモト
音楽:マイケル・ダナ
出演:クリス・クーパー(ロバート・ハンセン)、ライアン・フィリップ(エリック・オニール)、ローラ・リニー(ケイト・バロウズ)、デニス・ヘイスバート(ディーン・プリザック)、カロリン・ダバーナ(ジュリアナ・オニール)ほか

野心家の若きFBI捜査官、エリックは上司のバロウズに呼び出される。FBI情報課のベテラン、ロバート・ハンセンの補佐を命じられる。そしてもう一つの目的は彼を徹底的にマークすること。勤続25年、定年を控えたハンセンは信仰心厚く愛妻家だった。任務に疑問を感じたエリックはバロウズを問い詰め、ハンセンが20年もの間KGBへアメリカの機密情報を漏らしていたことを知る。動かぬ証拠を押さえるため、エリックはハンセンの信頼を勝ち得ていく。

2001年2月18日、ロバート・ハンセンが逮捕されたニュースからこの物語は始まります。現役のFBI捜査官が、長年祖国を裏切り続けていたという実際にあった事件を元にしています。おとり捜査を開始してから、逮捕までの2ヶ月間を克明に描いていて、結果はわかっているのにどきどきしながら観てしまいました。映画化にあたり、正確に再現するためにFBIが多大な協力をしたのだとか。現在は弁護士となっている元捜査官エリック・オニールが、この映画の特別顧問をつとめました。ロバート・ハンセンを演じるクリス・クーパーの演技に感銘を受けたそうです。クリス・クーパーといえば『アメリカン・ビューティー』も忘れられませんが、闇を抱え裏と表の顔を使い分けてきた人物を演じきったこの作品も、彼の代表作になりそうです。(白)

2007/アメリカ/カラー/110分/ドルビーデジタル/ビスタサイズ
提供・配給・宣伝:プレシディオ
http://www.breach-movie.jp/
2008年3月8日(土)シャンテシネ他にて真実のロードショー!

back to top

裸足のギボン

監督:クォン・スギョン
脚本:クォン・スンウォン/チョン・テウォン/クォン・スギョン
原案:パク・サンウク
撮影:キム・ヨンチョル
美術:チョン・ソンホ
音楽:キム・ウチョル/パク・ギョンジン
製作:テウォンF&M/ジオエンターテインメント
出演:シン・ヒョンジュン(ギボン)、キム・スミ(母)、イム・ハリョン(村長)、タク・チェフン(ヨチャン)、キム・ヒョジン(チョンウォン) ほか

−親子の“絆”を描いた本当の物語−

タンレイ村のギボンは、幼いころ熱病にかかって知能は8歳で止まったまま、40歳になった。父親をなくして生活は苦しいけれど、大好きなお母さんといるだけで幸せだ。年取ったお母さんのために、ギボンは毎日走り回り村の人の用を足して小銭を稼いでいる。たまたまマラソン大会に出くわしたギボンは、落ちていたゼッケンの持ち主を探すうちに、思いがけず入賞してしまう。彼の走る才能に気づいた村長は、ハーフマラソンに出場させようと思いつく。ギボンも賞金でお母さんに入れ歯を買ってあげようとするのだが。

TVのドキュメンタリー番組で紹介された実在の母子を見て、主演のシン・ヒョンジュンが企画し、クォン・スギョン監督と2年の準備期間を経て制作しました。これが初監督作のクォン・スギョン監督は、「親孝行をテーマにしたとてもシンプルな作品。ギボンの物語を通じて自分たちの心の中の物語に気づいてほしい」と言います。シン・ヒョンジュンのたっての願いで母親役となったキム・スミ始め、それぞれの俳優さんも好演しています。ちょっとだけ顔を見せている人にも注目。
元々親子モノの映画には弱くて、涙腺が緩みがちですが、ギボンが笑顔いっぱいでお母さんのためにいろいろ働くシーン、お母さんに「綺麗ね、綺麗ね」というシーンなどなど、混じり気なしの親子の愛情に泣けました。(白)

2006/韓国/カラー/100分/ビスタ/ドルビーデジタル/PG-12
提供:ケンメディア 配給:リベロ
http://www.gibon.jp/
@2006TAEWON ENTERTAINMENT Co.Ltd
2008年3月8日(土) 〜銀座シネパトスにて裸足のロードショー

back to top

韓国アートフィルムショーケース2008

会期:2008年3月〜4月
会場:シアター・イメージフォーラム
上映作品:4本

『黒い土の少女』チョン・スイル監督 (3/8〜)
『俺たちの明日』ノ・ドンソク監督 (3/22〜)
『永遠の魂』ファン・ギュドク監督 (4/5〜)
『妻の愛人に会う』キム・テシク監督 (4/19〜)

◎『黒い土の少女』WITH A GIRL OF BLACK SOIL

原案・脚本・監督:チョン・スイル
脚本:ジュン・スンヨン
撮影:キム・ソンテ
美術:イ・ヨンフン
音楽:ゲ・スジョン
出演:ユ・ヨンミ(チェ・ヨンリム)、チョ・ヨンジン(父ヘゴン)、パク・ヒョヌ(兄トング)、カン・スヨン(特別出演)

江原道のある炭鉱住宅。かつては栄えた街だったが今は廃坑寸前、取り壊し予定の家には赤いペンキで目印が書かれている。その家の一つに住む少女ヨンリムは9歳。障がいを持った兄と父の3人暮らしで、母親代わりに兄の面倒もみるしっかり者だ。炭鉱夫の父は塵肺症のため会社をクビになってしまう。入院すれば補償金は出るが、それほどではない。社宅退去の準備金で新しい仕事を始めたが、思わぬ事故でだいなしになってしまった。

とても懐かしい風景が広がっていました。北海道の夕張炭鉱をずっと昔に見学したことがあり、そのときの炭鉱住宅のようすが思い出されました。雪に見え隠れする黒い土、水墨画のようなモノクロの風景が北海道の冬とよく似ていました。以前この土地で撮影をしたときに、炭鉱夫の人たちの話を聞いたことがこの作品のきっかけとなったそうです。饒舌な映画ではありません。台詞は極限まで少なく詩のような画面に吸い寄せられ、この少女を見つめることになります。ボタ山をすべり落ちる父親のように、この家族も不幸に向かってずりずりと落ちてゆきますがラストにはかすかに希望も見えます。心がしんとする作品でした。
チョン・スイル監督はパリの映画学校やパリ第7、第8大学に留学。現在は母校の慶星大学で教鞭をとりながら、釜山で映画制作を続けています。インタビューの機会をいただきましたので、特別記事もご覧ください(>> 特別記事『黒い土の少女』チョン・スイル監督インタビュー )。(白)

2007/韓国/カラー/89分/ヴィスタ/ドルビーSRD
2007年ベネチア映画祭 芸術映画連盟賞受賞 LINA MANGIACAPRE賞受賞
2007年釜山国際映画祭 最優秀アジア映画賞受賞
★3月8日(土)〜3月21日(金)

◎『俺たちの明日』BOYS OF TOMORROW

監督・脚本:ノ・ドンソク
撮影:チョ・サンギュン
編集:イ・チョンミン、ノ・ドンソク
照明:ホン・スンチョル
美術:キム・シヨン
音楽:クォン・セヨン
出演:キム・ビョンソク(ギス)、ユ・アイン(ジョンデ)

運転代行をして働くギスの夢は、モルジブへ行ってドラムを叩くこと。生活は苦しいが地道に暮らしている。ジョンデは、自分と母親を捨てた父親を憎み、銃さえあれば強くなれる気がしていた。二人は幼馴染で、年下のジョンデは昔からギスに弟のように懐いていた。子どものころ誤ってジョンデに怪我をさせて以来、ギスはますます保護者のような気持ちでいた。手っとり早く稼ごうと、風俗店に勤め始めたジョンデに注意するが聞き入れない。

「未来」「少年」という言葉からシナリオを書き始めたというノ・ドンソク監督。これは未来も希望も探しあぐねているような、貧しい若者たちの映画です。純粋で優しいだけでは幸せになれない、疾走する彼らに胸がちくちくします。ロケ場所は現在のソウルのどまん中だそうです。まだこんな場所があったんですね。ジョンデを演じたユ・アインはアイドル顔ですが、傷を抱える少年を好演。(白)

2007/韓国/カラー/ドルビーデジタル/93分
配給協力:ダゲレオ出版+マジックアワー
宣伝:マジックアワー
★2008年3月22日(土)〜4月4日(金)

◎『妻の愛人に会う』英題:DRIVING WITH MY WIFE'S LOVER

監督・脚本:キム・テシク
エクゼクティブ・プロデューサー:高橋松男、キム・ヒョンジョン
共同プロデューサー:イ・ヨンジン、霜村裕
出演:パク・クァンジョン、チョン・ボソク、チョ・ウンジ、キム・ソンミ

「チクショウ」の文字を削りだす男。江原道の海辺の町で小さなハンコ屋を営むテハンは、結婚して5年。妻が浮気をしているらしいと知り、愛人ジュンシクの住むソウルに向かう。ジュンシクは、若くてちょっとハンサムなタクシー運転手。彼がセクシーな妻に見送られて、派手なパッチワークのカバーをはずして仕事に出かけたのを見定めて、テハンはジュンシクのタクシーを止めて、江原道に向かうよう頼む。思わぬ長距離の客に喜ぶジュンシク。「この世に不倫など存在しない。あるのは愛だけ」と主張するジュンシクに、テハンは内心不愉快だ。道中、タクシーが故障したりしながら、二人の珍道中が続く。いよいよ江原道に着き、テハンを降ろしたジュンシクは愛人の元へ向かう...

寝取られ男のテハンが、黒縁めがねの風采のあがらない男で、これじゃぁねぇ...と思っていたら、えっ?と驚く思わぬ展開が。途中のガソリンスタンドで集団強盗らしき姿が後ろに映ったり、車が故障した道路で、スイカがたくさんゴロゴロころがってきたりと、不可思議な場面が出てくる。なんだか憎めない男たちも可笑しい。
監督は、1980年ソウル芸術大学映画学科在学中に日本映画学校に留学。日本のTVやCFでも仕事をした経験がある。パク・チョルス監督『家族シネマ』の助監督をきっかけに映画界入り。本作が長編デビュー作。(咲)

2006年/韓国/92分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD

製作:フィルム・ライン・ピクチャーズ
配給:Mirovision inc.
宣伝:マジックアワー

協力:アジア太平洋映画祭in幕張
★2008年4月19日 シアター・イメージフォーラムにてロードショー

公式 HP >> http://www.kaf-s.com/
★2008年3月上旬より渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー

プライスレス 素敵な恋の見つけ方(原題:Hors de Prix)

監督:ピエール・サルヴァドーリ
脚本:ピエール・サルヴァドーリ、ブノワ・グラファン
撮影:ジル・アンリ(A.F.C.)
美術:イヴ・フルニエ
衣装:ヴィルジニー・モンテル
音楽:カミーユ・バズバズ
出演:オドレイ・トトゥ(イレーヌ)、ガッド・エルマレ(ジャン)、マリー=クリスティーヌ・アダム(マドレーヌ)、ヴァーノン・ドブチェフ(ジャック)、ジャック・スピエセル(ジル)ほか

−お金じゃ買えない恋がある。−

ジャンは高級ホテルで働くお人良しのウエイター。バーで出会った美女イレーヌと、誤解から始まった一夜を過ごした。ジャンはすっかり彼女のとりこになるが、イレーヌは玉の輿を狙う小悪魔。ジャンの本当の姿を知ってさっさと逃げ出すのだった。彼女の心を繋ぎとめるには、ホテルのスイートルームにシャンパン、キャビア、ブランドのジュエリーにドレスetc・・・ジャンの財布はあっというまに空っぽ。イレーヌのそばにいるために、裕福な未亡人マドレーヌのジゴロになってしまった。

不思議ちゃん『アメリ』(01)のオドレイ・トトゥのラブ・コメディ。大金持ちの男性を射止めるため、手練手管を弄するイレーヌを演じて魅力的。まじめに働いてきたジャンが、イレーヌに恋したばかりに貯金もはたいて尽くすさまは胸が痛みます(でも笑える)。マドレーヌに気に入られてからは、ファッションも変わり自信もついて、イレーヌとようやく対等になります。この駆け引きが軽快でとても楽しいです。ピエール・サルヴァドーリ監督は俳優・脚本家としても活躍中、台詞を必ず自分で言ってみてから書くそうです。皮肉とユーモアのきいた台詞まわし、コート・ダジュールの風景、豪華ホテルや次々と出てくるブランド品などお楽しみ満載の作品。(白)

2006/フランス/カラー/105分/スコープサイズ/SRD DTS
配給:シネカノン
http://www.priceless-movie.com/  (公式ファンサイトへのリンクあり)
2008年3月8日(土)、シネカノン有楽町2丁目、シネ・リーブル池袋ほかにてロードショー

back to top

花影

監督: 河合勇人(第一回監督作品)
原作・脚本: 市川森一
出演: 山本未來、キム.レウォン、戸田恵子、パク・ジョンス、笹野高史、片岡静香、竹下明子、伴杏里、山田雅人、柄本明、佐藤浩市、石黒賢
主題歌:「アリラン」sg WANNA BE+(エスジーワナビー)

ジュエリーデザイナーとして青山に店を構え活躍する在日三世の五木尚美(山本未來)。韓国釜山の新しいホテルにジュエリーショップ出店のオファーを受け釜山に赴くが、日本でセレブの女性たちから支持されているのをいいことにタカビーな態度 に出てしまい、断られてしまう。むしゃくしゃした気持ちで、「風の丘墓園」に祖先の墓参りに行くが、お墓がどこにあるのかわからない。折しも、満開の桜を写生に来ていた小学生たちに出会う。駐在員の日本人の娘の通訳で、教師ソン・スンウ( キム・レウォン)に事情を説明し、小学生たちにお墓を探し出してもらう。通訳をした少女のちょっとしたいたずらで、尚美はスンウに名刺を渡し、方や、スンウは尚美とまた一年後桜の下で会う約束をしたと思い込む。
日本に帰った尚美は、不倫関係にあったカメラマン土門竜(石黒賢)との結婚の夢がつぶれたあげくに、スキャンダルが報じられ、仕事も行き詰まってしまう。身を隠すように奈良の実家に帰った尚美は、ある日、ハングルで書かれたラブレターを受け取る...

満開の桜の中から現れるキム・レウォン演じるスンウの満面の笑顔に、尚美ならずとも癒されます。スンウとの再会のときの為に、尚美が必死にハングルを勉強したように、山本未來さんも必死でハングルの台詞をマスター。立膝で座ったり、韓国式 にお墓参りをしたりと、韓国の作法もこなしています。最初は高慢でちょっとイヤな女だった尚美が、愛し合える人との出会いで顔までもが和んでいくのが感じられました。「宮廷女官チャングムの誓い」でチャングムを助ける女官長役のパク・ジョ ンスが、スンウの母親役を演じているのも、なんだかほっとします。幸せを掴んだかと思ったら、思いがけない展開... それはスクリーンでご確認を!(その肝心の展開のところでふっと寝ていた私!)(咲)

配給・宣伝:アステア
2007年/日本/カラー/ヴィスタ/88分

公式 HP >> http://www.hana-kage.jp/

★2008年3月8日より、シネマート六本木、新宿K’s cinemaほか、全国順次ロードショー
特別記事『花影』完成記者会見レポート もご覧下さい。

スルース(原題:SLEUTH)

監督:ケネス・ブラナー
脚本:ハロルド・ピンター
原作戯曲:アンソニー・シェイファー
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
プロダクションデザイン:ティム・ハーヴェイ
音楽:パトリック・ドイル
出演:マイケル・ケイン(アンドリュー・ワイク)、ジュード・ロウ(マイロ・ティンドル)

ロンドン郊外に住む小説家アンドリュー・ワイクは監視カメラの映像を眺めている。玄関のベルを鳴らしたのはマイロ・ティンドル。若くてハンサムな彼はワイクの妻の愛人で、離婚するように促しに来たのだ。富も名声も手に入れたワイクは、今仕事がない俳優のティンドルに「君には贅沢に慣れた妻を養うことはできないだろう」と言い放つ。そしてある取引を持ちかけるのだった。

(c)MRC IIDistribution Company LP

故ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインが共演した『探偵<スルース>』(1972年)のリメイク。この作品のプロデューサーでもあるジュード・ロウが、マイケル・ケインに作家役をオファー、自分はかつてマイケルが演じたティンドル(前作では美容師という設定)役に。脚本は台詞を少なく、多くの意味を持たせて、このイギリスを代表する二人の俳優の丁々発止をスリリングに見せています。(白)

アンドリュー・ワイクとマイロ・ティンドルという二人の男の知力を尽くした真剣勝負であり、マイケル・ケインとジュード・ロウという二人の俳優の演技上でのガチンコ対決でもあります。これは1972年版も観てみたいと探しましたが、まだDVDリリースされていませんでした。公開に合わせて、是非とも旧作のDVDリリースもしてほしいものです。何はともあれ、ジュード・ロウ ファンは必見です!その色気にゾクゾク〜(梅)

2007/アメリカ/カラー/スコープサイズ/ドルビーSRD/1時間29分
配給: ハピネット 宣伝:ザジフィルムズ

公式 HP >> http://www.sleuth.jp/

★2008年3月8日(土)より シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国順次公開

フランス映画祭2008

■期間・会場
2008年3月13日(木)〜3月16日(日):[東京] TOHOシネマズ 六本木ヒルズ
2008年3月16日(日)〜3月18日(火):[大阪] TOHOシネマズ なんば
主催:ユニフランス

■ゲスト
フランス代表団 団長ソフィー・マルソー
ほか各作品の監督、出演者が来日いたします。
スケジュールほか詳細はHPへ

■チケット情報
料金 前売・当日券ともに1,500円(税込)【全席指定席】
購入方法 :インターネットチケット販売
     2月16日(土) AM0:00より発売開始[ インターネットチケット vit ]
     各会場チケットカウンター 2月16日(土) AM9:00より発売開始
     [ TOHOシネマズ 六本木ヒルズ ][ TOHOシネマズ なんば ]
 お問い合わせ 050-5541-8600 2/16(土)〜3/18(火)(7:00〜23:00)

オープニング作品
『ドーヴィルに消えた女』
監督:ソフィー・マルソー
出演:クリストフ・ランベール、ソフィー・マルソー、ニコラ・ブリアンソン
上映作品
『譜めくりの女』
監督:ドゥニ・デルクール
出演:カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ、パスカル.グレゴリー
配給:カフェグルーヴ+トルネード・フィルム
GW、シネスイッチ銀座、渋谷シネアミューズほかにてロードショー
(C)Philippe Quaisse
『バグズ・ワールド』
監督:フィリップ・カルデロン
提供/配給:エイベックス・エンタテインメント+トルネード・フィルム
初夏、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、池袋シネマサンシャインほか全国ロードショー
(c)2006 Les Films du Reve
『アストレとセラドンの恋(仮)』
監督:エリック・ロメール
出演:アンディー・ジレ、ステファニー・クレイヤンクール
配給:アルシネテラン
2008年公開予定
(C)Rezo films, Les Amours d'Astreacute;e et deCeacute;ladon
『屋敷女』
監督:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
出演:ベアトリス・ダル、アリソン・パラディ
提供:キングレコード
配給:トルネード・フィルム
初夏、ライズXにてロードショー
(C)2007 LA FABRIQUE DE FILMS- BR FILMS
『水の中のつぼみ』
監督:セリーヌ・シアマ
出演:ポーリーヌ・アキュアール(新人)、ルイーズ・ブラシェール(新人)、アデル・ヘネル
提供:ツイン/ポニーキャニオン
配給:ツイン
初夏、渋谷Q-AXにてロードショー
(C)Les Productions Balthazar 2007
『秘密』
監督:クロード・ミレール
出演:セシル・ドゥ・フランス、パトリック・ブリュエル、リュディヴィーヌ・サニエ 他
製作:イブ・マルミオン(UGC YM)
『パリ』
監督:セドリック・クラピッシュ
出演:アルベール・デュポンテル、ジュリエット・ビノシュ、ロマン・デュリス 他
『暗闇の女たち』
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:ソフィー・マルソー、ジュリー・ドパルデュー、マリー・ジラン 他
『食料品屋の息子』
監督:エリック・ギラド
出演:ニコラ・カザレ、クロティルド・エスム、ダニエル・デュヴァル
『娘と狼』
監督:ジル・ルグラン
出演:レティシア・カスタ、ジャン=ポール・ルーヴ、ステファノ・アコルシ 他
『ディディーヌ』
監督:ヴァンサン・ディエッチ
出演:ジェラルディーヌ・ペラス、クリストファー・トンプソン、ジュリー・フェリエ
『死者の部屋』
監督:アルフレッド・ロット
出演:メラニー・ローラン、エリック・カラヴァカ、ジル・ルルーシュ
短編映画特集
『彼女の棲む場所(耐震)』監督:オリヴィエ・エムス
『エドゥアールのような幸せ者…』監督:ヴァンサン・ビュルジュヴァン、フランク・ルボン
『トニー・ゾレイユ』監督:ヴァランタン・ポワティエ
『橋』監督:ヴァンサン・ビエールヴェルト
『タクシー・ドライバー』監督:ローラ・フレデリック
『ティティ』監督:ベアトリス・エスピナス、ユーグ・エスピナス
『屠殺場』監督:ディディエ・ブラスコ

公式 HP >> http://www.unifrance.jp/festival/index_pc.php

back to top

ジェリーフィッシュ(原題:Meduzot(くらげ))

監督:エドガー・ケレット、シーラ・ゲフェン
脚本:シーラ・ゲフェン
挿入歌:「バラ色の人生」
出演:サラ・アドラー(『アワーミュージック』J=L・ゴダール)、ニコル・ライドマン、ゲラ・サンドラー、ノア・ノラー

テルアビブ海辺のホテルの結婚式場で働くバティア。同居していた恋人に別れを告げられるが、「行かないで!」の言葉を彼が去ってからしか言えない。アパートは天井から水が洩れるし、職場では失敗ばかり。福祉活動に熱心な母親はバティアにはおかまいなし。おまけに、浮き輪を付けた迷子の少女を職場に連れていったことをきっかけに首を言い渡されてしまう。一緒に首になったカメラマンの女性と親しくなるバティア。カメラマンの部屋で彼女の幼い時の8ミリ映像や写真見せてもらう。「よくある退屈なものでしょ」と言われるが、バティアには8ミリどころか、幼い頃の写真は1枚もない。
一方、バティアの働く結婚式場で披露宴を挙げていた花嫁のケレンは、式の最中に骨折。カリブへの新婚旅行を諦め、ホテルに泊まることに。狭い部屋に憂鬱な思いでいたら、花婿マイケルがホテルの外階段でスイートルームに泊る謎めいた詩人の女性と知り合い、部屋を交換してもらえることなる。が、マイケルと詩人との関係を疑うケレンと口論になってしまう。舞台女優ガリアから母親マルカの介護を依頼されたジョイ。フィリピンから出稼ぎに来た彼女は、国に5歳の男の子を置いてきていて、いつか大きな船の模型をお土産に買って帰るのが夢。言葉の通じないジョイにマルカは文句ばかり。ある日、ガリアが出演する舞台のポスターを見つけたジョイは、マルカを舞台に誘う。

海辺の町を舞台に繰り広げられる3組の人間模様。登場人物は皆、家族や周りの人とのコミュニケーションを取るのが、あまり上手じゃない。それぞれにいろんな思いを抱えて人生を歩んでいる様子が、美しい色彩と、ふわ〜っとした雰囲気で描かれていて、不思議な世界。失敗を繰り返しても、なんだか人生これでいいんだという、暖かい思いになる。
監督は、イスラエルが誇る人気作家エトガー・ケレットと、詩人で劇作家のシーラ・ゲフェン。二人は公私共にパートナーである。二人で手がけた初の長編である本作は、カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞。2007年の第8回東京フィルメックスで上映され、観た友人たちも皆絶賛。公開を待ち望んでいた作品。
3組の登場人物は、よ〜く見ていると思わぬところで接点がある。冒頭の結婚披露宴の会場にも、実は3つのエピソードの主人公が一堂に会していると資料にあったが、2度目に観た時にも気付かなかった! 監督二人の遊び心があちこちに散りばめられているのを見つけるのも楽しみな映画。 また、イスラエルというと思い浮かパレスチナ紛争や政治的な問題は直接的には出てこないが、イスラエルの社会的背景があちこちに見え隠れして興味深い。(咲)

協力:?潟Wェイ・シー・イー・オーバーシーズ
後援:イスラエル大使館
配給:シネカノン

2007年/イスラエル=フランス/82分/35mm/1:1.85/ドルビーSRD/カラー

★3月15日より、渋谷シネ・アミューズほかにて全国順次公開

公式HP>> http://www.jellyfish-movie.com/

back to top

コントロール

監督:アントン・コービン
脚本:マット・グリーンハール、デボラ・カーティス
原作:デボラ・カーティス 「タッチング・フロム・ア・ディスタンス」蒼氷社刊
撮影:マーティン・ルーエ
音楽監督:イアン・ニール
音楽:ニュー・オーダー、ジョイ・ディヴィジョン
出演:サム・ライリー(イアン・カーティス)、サマンサ・モートン(デボラ・カーティス)、アレクサンドラ・マリア・ララ(アニーク)、ジョー・アンダーソン(フッキー)、ジェームズ・アンソニー・ピアソン(バーナード)、ハリー・トレッダウェイ(スティーヴン)、トビー・ケベル(ロブ)、クレイグ・パーキンソン(トニー・ウィルソン)ほか

1970年代後半、田舎町に住む高校生イアンはデヴィッド・ボウイに憧れていた。友人のガールフレンドだったデボラと出会ったイアンは、「僕たちは結婚すべきだ」という。1977年、バーナードのバンドに加入し仕事のかたわら夜にライブ活動を始める。イアンがヴォーカルとソングライターとなったバンド「ジョイ・デヴィジョン」は人気を博し、マネージャーにロブ・グレッドンを得てファクトリーレコードと契約。ロンドンの公演からの帰り道、イアンは初めての発作に襲われた。病名はてんかん。

(c)Northsee Limited 2007

若くして結婚し、献身的な妻を持ちながら、のちに出会うアニークとの愛人関係を清算できないイアン。病気への不安と妻への罪悪感からどんどん鬱に陥っていきます。イアンの書く詩にはそんな生活が見え隠れしています。本当のところ子どものままで夢見ていたかったのに、夫となり父親となり、それもまっとうできずにいる自分。自らもインディーズバンドのヴォーカリストのサム・ライリーがそんなイアンを、家計を支えながら子育ても一人で負うデボラを、サマンサ・モートンが演じて痛ましいです。元々ロックミュージシャンを撮る写真家で、生前のイアンの撮影もしたアントン・コービンの初監督作。モノクロの画面がシャープ。(白)

2007年カンヌ国際映画祭カメラドールスペシャルメンション賞
2007年英国インデペンデント映画賞
ほか受賞多数

2007/イギリス、アメリカ、オーストラリア、日本/モノクロ/35mm/119分/シネマスコープ/デジタルSRD
配給:スタイルジャム
オリジナルサウンドトラック:ワーナーミュージック・ジャパン

公式 HP >> http://control-movie.jp/

★2008年3月15日(土)よりシネマライズほか全国順次ロードショー

ビルマ、パゴダの影で(原題:IN THE SHADOW OF THE PAGODAS--THE OTHER BURMA)

監督:アイリーヌ・マーティー

“千のパゴダの輝く黄金の国”ビルマ(ミャンマー)。1981年に世界旅行の一環として初めてこの国を訪れた監督は、人々の親しみやすさに魅了されながら、アジアのほかの国とは違う何かを感じる。その後、1989年、軍事政権は国名をミャンマーと改称し、国民民主連盟の総書記長アウンサンスーチーを自宅軟禁する。アウンサンスーチーに象徴される民主化運動は数多く報道されているが、監督は自身がビルマの各地を旅して感じた少数民族の悲惨な状況については知られていないことに心を痛める。本作は、スイスの観光用PR番組の撮影と偽ってビルマに潜入し、ジャングルの奥深く国境地帯へも分け入り、カレン族やシャン族など少数民族の人たちの証言を収録したものである。

私が大学を卒業して就職した商社で、隣の席にいたのが、アウンサンスーチーに似たビルマ人女性だった。彼女からいただいた様々な民族のこけしで、ビルマが多民族国家であることをおぼろげに知った。その後、彼女は国に帰り派手な結婚式を挙げ、そのことがずいぶん非難の的になったと聞かされた。駐在員からは、電話が盗聴されたり、行動を監視されている状況を聞かされていた。おっとりとした仏教の国というイメージの裏で、何か不穏なことが起きているのを感じていたのだが、本作を見て、迫害の実態に驚いた。もちろん、現政権はそのことを否定している。何が真実なのか? 映像の力を信じたい。(咲)

2004年/スイス/Video/カラー/74分/16:9/英語、ビルマ語、カレン語、シャン語、他
協力:在日ビルマ人共同実行委員会(JAC)、ビルマ市民フォーラム、ビルマ情報ネットワーク、アムネスティ・インターナショナル日本、社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)、難民支援協会、アーユス仏教国際協力ネットワーク、アジア女性資料センター、wam女たちの戦争と平和資料館、スイス大使館
配給宣伝:アップリンク

公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/burma/

★2008年3月15日(土)より、渋谷アップリンクXにてロードショー

特別記事『ビルマ、パゴダの影で』アイリーヌ・マーティー監督舞台挨拶&Q&Aもご覧下さい。

back to top

第4回国際交流基金 アラブ映画祭2008

2005年から始まったアラブ映画祭も、4回目を迎えました。
新作6本と、過去3回に上映された作品の中から9本の計15本が上映されます。

期間および開催場所
3月17日(月)〜3月19日(水) 草月ホール
3月23日(日)〜3月25日(火) OAGホール

◆アラブ新作パノラマ
『サービス圏外』2007年 シリア
『ヘリオポリスのアパートで』2007年 エジプト
『満開(満月)』2006年 ヨルダン
『VHSカフルーシャ 〜アラブのターザンを探して』 2006年 チュニジア
『デイズ・オブ・グローリー』 2006年 アルジェリア=仏=モロッコ=ベルギー『BOSTA(ボスタ)』 2005年 レバノン
 
『ヘリオポリスのアパートで』 『BOSTA(ボスタ)』
◆アラブ映画祭 2005〜2007アンコール
『ラジオのリクエスト』2003年 シリア 
『忘却のバグダッド』 2002年 イラク=スイス=独 
『Waiting』2005年 パレスチナ=仏 
『エドワード・サイード/OUT OF PLACE』 2005年 日本 
『ヤコービエン・ビルディング』 2006年 エジプト 
『バーバ・アジーズ』2004年 チュニジア=独=仏=英  
『インターネットの扉』 2004年 アルジェリア 
『ヒンドとカミリアの夢』1989年 エジプト  
『テロリズムとケバブ』 1992年 エジプト 

アラブ映画祭2005 (シネマジャーナル65号に紹介)
アラブ映画祭2006 (シネマジャーナル67号に紹介)
アラブ映画祭2007 (シネマジャーナル70号に紹介)

アンコール作品は、どれも映画祭で人気の高かった見ごたえのある素敵な作品ばかり。 シネマジャーナルでは、過去のアラブ映画祭全作品について紹介しています。 参考にしていただければ幸いです。

◆シンポジウム「アラブのドキュメンタリーをめぐって」
3月18日(火)19:00〜  無料

主催:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
プログラム・ディレクター:石坂健治(東京国際映画祭アジア部門ディレクター)
協力:在日本アラブ.エジプト共和国大使館 エデン (株)シグロ アルバトロス(株) アラブ・アジア文化交流協会(アーダード) ほか
運営協力:ぴあ株式会社

公式HP>> http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/arab2008.html

back to top

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008」

■開催日程: 2008年3月19日(水)〜3月23日(日)
■会場: ゆうばり市民会館、シネサロン、夕張商工会議所ほか夕張市内会場
■主催: ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会
    特定非営利活動法人ゆうばりファンタ

■招待部門作品(12作品)
オープニング作品:『僕の彼女はサイボーグ』
  監督:クァク・ジェヨン/出演:綾瀬はるか、小出恵介
  ギャガ・コミュニケーションズ powerd by ヒューマックスシネマ 配給
クロージング作品:『スパイダーウィックの謎』
  監督:マーク・ウォーターズ/出演:フレディ・ハイモア
  パラマウント ジャパン 配給

『最高の人生の見つけ方』
  監督:ロブ・ライナー/出演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン
  ワーナー・ブラザース映画 配給
『Sweet Rain 死神の精度』
  監督・脚本:筧昌也/出演:金城武、小西真奈美
  ワーナー・ブラザース映画 配給
『JUNO/ジュノ』
  監督:ジェイソン・ライトマン/出演:エレン・ペイジ、マイケル・セラ
  20世紀フォックス映画 配給
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
  監督・脚本:ポール・トーマス・アンダーソン/出演ダニエル・デイ=ルイス
  ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン 配給
『ミラクル7号』
  監督:チャウ・シンチー/出演:チャウ・シンチー、シュー・チャオ
  ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 配給
『砂時計』
  脚本・監督:佐藤信介/出演:松下奈緒、夏帆、井坂俊哉
  東宝 配給
『相棒−劇場版−絶体絶命!42.195km東京ビッグシティマラソン』
  監督:和泉聖治/出演:水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽
  東映 配給
『光州5・18』
  監督:キム・ジフン/出演:アン・ソンギ、キム・サンギョン
  角川映画 配給
『アフタースクール』
  監督:内田けんじ/出演:大泉洋、佐々木蔵之介
  クロックワークス 配給
『シューテム・アップ』
  監督・脚本:マイケル・ディヴィス/出演:クライヴ・オーウェン、モニカ・ベルッチ
  ムービーアイ 配給

■オフシアターコンペティション部門(14作品)
■フォーラムシアター部門(21作品)
■チケット
・招待作品 作品別チケット P-code 554-018
  前売り¥1,000  当日¥1,300
・オフシアター部門・・・ 無料
・フォーラムシアター部門・・・ 無料

■販売場所
期間: 2008年2月15日(金)より
インターネット http://pia.jp/t/ パソコン、携帯電話共通
電話予約 0570-02-9999 24時間受付
(但し、4:00〜7:00はメンテナンスのため休止)
一部の携帯電話・PHS・IP電話及び発信者番号非通知は受付不可

店舗
全国のチケットぴあのお店、サンクス、サークルK、ファミリーマート
営業時間は店舗毎に異なります。コンビニエンスストアは10:00〜23:30。
※チケットぴあのお店のリストは上記urlのhpで参照可能です。

■ウェルカムパーティ
2008年3月20日(木) 21:00開始(予定)
P-code 554-017 ¥5,000 (当日券はありません)

http://yubarifanta.com/index_pc.php
(C) YUBARI INTERNATIONAL FANTASTIC FILM FESTIVAL

back to top

パレスチナ1948・NAKBA(ナクバ)

監督・撮影・写真:広河隆一

1948年、イスラエル国家誕生の陰で、数多くのパレスチナ人が故郷を追われた。この事をパレスチナの人たちはNAKBA(大惨事)と呼んでいる。

1967年、当時23歳だった広河隆一は、キブツ(共同農業体)に社会主義の理想があると思い、イスラエルのキブツダリアで働き始める。ある日、農場のはずれにある白い廃墟が、かつてパレスチナ人が暮らしていたダリヤトルーハ村だと知る。ホロコーストを経験したユダヤ人のキブツが、パレスチナ人の土地に建てられている事実に衝撃を受けた広河は、追い出されたパレスチナの人たちを捜す旅を始める。それは中東情勢がますます混迷する今なお続く長い旅である。

ある日突然48時間以内に村を出ろと言われ、何も持ち出せず、遠くから自分の家が破壊されるのを見るしかなかったダリヤトルーハ村の人たち。 同様の悲劇は、400以上の村で起こったことだという。ユダヤ人たちは、「約束の地」にイスラエル国家が建設されることになったものの、そのままでは国の半分がパレスチナ人だと気付き、追い出すことにしたというのだ。さらに、追い出しただけでない事実も明らかにされていく。

男たちに溝を掘らせた後、女子供の前で皆殺し... ユダヤ人の歴史学者が、虐殺に携わったユダヤ人から得た証言によって、虐殺が組織的に行われたことが裏づけられる。肉親を目の前で殺された年老いたパレスチナ女性の涙に嘘はない。
一方で、イスラエルの地に移り住んだユダヤ人の2世3世の人たちにとっては、すでにそこが故郷となっている。かつて国の方針でガザ地区に入植したユダヤ人たちが、今また国の方針で無理矢理その地を追い出されるという悲劇も起きている。

占領→抵抗→弾圧→さらなる抵抗という悪循環。難民キャンプさえもが破壊されていく理不尽。パレスチナ人もユダヤ人も、皆、静かに普通の暮しを営みたいだけなのに、なぜ、共存できないのだろう... 広河氏が40年間に撮り続けた映像や写真を目の前につきつけられて、呆然とするしかない私である。(咲)

2008年/日本/130分/スタンダード/ドキュメンタリー

配給:バイオタイド

公式HP>> http://www.nakba.jp/

★3月22日(土)よりユーロスペースにてロードショー、ほか全国順次公開

back to top

マイ・ブルーベリー・ナイツ(原題:MY BLUEBERRY NIGHTS)

監督:ウォン・カーウァイ
ストーリー:ウォン・カーウァイ
脚本:ローレンス・ブロック、ウォン・カーウァイ
撮影:ダリウス・コンジ
プロダクションデザイン:ウィリアム・チャン
音楽:ライ・クーダー
出演:ノラ・ジョーンズ(エリザベス)、ジュード・ロウ(ジェレミー)、ナタリー・ポートマン(レスリー)、レイチェル・ワイズ(スー・リン)、デイヴィッド・ストラザーン(アーニー)

=あなたに近づくための、5603マイルの旅=
NYの小さなカフェに、連絡の取れないボーイフレンドを探しにやってきたエリザベス。オーナーのジェレミーは彼女の話に耳を傾け、ブルーベリーパイを勧める。カウンターにはお客が預けていったたくさんの鍵があった。エリザベスはひとつひとつの鍵の物語を聞く。何日か通った後、突然姿を消したエリザベスから、ジェレミーにメンフィスのレストランで働いていると絵葉書が届く。

ウォン・カーウァイ監督初の英語作品。ノラ・ジョーンズと仕事をしたかったからと始まったプロジェクトだそうです。なんとも豪華な俳優をキャスティングして、アメリカ各地でのロケを敢行。『天使の涙』『恋する惑星』を思い出させるちょっと切ない映画です。音楽にうとい私は、有名なジャズ歌手のノラ・ジョーンズの歌声も知らずに観ました。短い撮影期間の中で監督の演出なのか、キャリアのある俳優たちに囲まれて磨かれたのか、初めの失恋したばかりのころより、後のほうがどんどん自然になっていった感じがしました。キャラがしっかり立っているレイチェル・ワイズや、ナタリー・ポートマンの印象が強く残りますが、電話でなく「手紙のほうが伝わる気がする」と葉書を書き続ける平凡な女の子エリザベスに共感。まるで台詞の代わりのようにぴったりと合った音楽がとってもいいです。(白)

配給:アスミック・エース
http://blueberry-movie.com/
(C)Block 2 PICTURES 2006
2008年3月22日(土)〜日比谷スカラ座ほか東宝洋画系にて全国拡大ロードショー

back to top

88ミニッツ

監督:ジョン・アヴネット
脚本:ゲイリー・スコット・トンプソン
撮影:ドニ・ルノワール
音楽:エドワード・シェアマー
出演:アル・パチーノ(ジャック・グラム)、アリシア・ウィット(キム・カミングス)、エイミー・ブレネマン(シェリー)、リリー・ソビエスキー(ローレン)、ウィリアアム・フォーサイス(フランク)、デボラ・カーラ・アンガー(キャロル)、ニール・マクドノー(フォースター)、ベンジャミン・マッケンジー(マイク)ほか

1997年、若い女性ばかりを狙う連続猟奇殺人事件が起きた。双子の姉ジョーニーが殺され、妹のジェイニーはすんでのところで助かった。容疑者のジョン・フォースターの裁判で、ジェイニーの目撃証言と、FBI異常犯罪分析医ジャック・グラムの証言により有罪、死刑判決が下る。9年後、フォースターの死刑が執行される日、シアトルの大学の教授となっていたジャックの教え子が殺される。しかもかつての事件とそっくりの手口だった。フォースターは無罪なのか、真犯人は別にいるのだろうか。ジャックの携帯が鳴る。「お前の命は、あと88分だ。チクタク、チクタク・・・」


© 2006 EQUITY PICTURES MEDIENFONDS GmbH & Co. KG III and Nu Image Entertainment GmbH.
All Rights Reserved.

脅迫電話を受けてから、ほぼリアルタイムで進行するサスペンス映画です。ジョニー・デップの『ニック・オブ・タイム』を思い出します。記録が大変だったでしょうね。
アル・パチーノは1940年生まれ。今回は酒と女にだらしない教授役です。最初さすがに年取ったかと見えましたが、脅迫電話を受けてからは走り、階段を駆け上がり、車をすっ飛ばしと大活躍。誰もがあやしく見える中、スピーディに展開するストーリー、真相が少しずつ明らかになってゆくのに固唾を呑みます。辛い過去を語るジャックのシーンに胸がつまりました。うまい俳優さんは短いカットでさえ心を掴みますね。『告発のとき』のスーザン・サランドンもしかり。ストーリーで腑に落ちないところもありましたが、ネタばれになるので割愛。新旧女優の競演もお楽しみに。(白)

2007/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/107分
配給:日活 宣伝:SPO
http://www.nikkatsu.com/88minutes/

3月22日(土)より銀座シネパトス他、全国順次ロードショー

back to top

ザ・フィースト(原題:FEAST)

監督:ジョン・ギャラガー
製作総指揮:ベン・アフレック、マット・デイモン、クリス・ムーア、ウェス・クレイヴン
脚本:パトリック・メルトン、マーカス・ダンスタン
撮影:トーマス・L・キャラウェイ
音楽:スティーヴン・エドワーズ
キャスト:バルサザール・ゲティ、ヘンリー・ロリンズ 、ナヴィ・ラワット、ジュダ・フリードランダー、ジョシュ・ザッカーマン、ジェイソン・ミューズ、ジェニー・ウェイド、クリスタ・アレン、クルー・ギャラガーほか

テキサスの荒野の酒場。常連客で賑わう中に、突然銃を手にした血まみれの男が飛び込んでくる。その場の皆は身構えるが、男は「素早くて残虐な“何か”が迫ってくる」と思いもよらないことを叫ぶ。男が放り投げたのはその怪物の頭だった。「まだ外に何匹かいる。ここを封鎖するんだ!」外への連絡に手間取るうちに、店に目にも留まらない速さで飛び込んできたモノがいた。


(C) 2006 The Weinstein Company, LLC. All Rights Reserved.

ベン・アフレック、マット・デイモンが設立した映画製作会社が送り出す、モンスターパニック映画。『ソウ4』 のパトリック・メルトン、マーカス・ダンスタンが、オリジナル脚本を執筆。スプラッターやホラーは苦手なのですが、冒頭に登場人物にかぶせて「名前、職業、寿命、特記事項」などが文字でカチカチと出てきます。これが面白いです。
モンスターがハイスピードなので、どこから何が出てくるかと驚きますが、じわじわ来る怖さは少ないです。ノリの良い音楽と台詞、ゲーム感覚でわいわいと楽しめそうです。(白)

モンスター映画の定石をよくふまえた上で、あえてそれを外したり、随所にブラックな笑いをちりばめて、ただスプラッタな恐い映画にはなっていません。モンスター一家が死んだ我が子をじっと見つめた次の瞬間とった行動には、大爆笑してしまいました。モンスターがいったい何者なのか、一切説明しない潔さもいいです。テンポが非常に良くて、この手の映画が好きな人にはオススメです。(梅)

2006/アメリカ/カラー/35mm/シネスコ/86分/R-15
配給:アートポート

http://www.feast-movie.com/

2008年3月22日(土)より シアターN渋谷 ほかロードショー

back to top

燃えよ!ピンポン(原題:BALLS OF FURY)

監督:ロバート・ベン・ガラント(『TAXI NY』『ナイト ミュージアム』脚本)
脚本:トーマス・レノン 、 ロバート・ベン・ガラント
撮影:トーマス・E・アッカーマン
音楽:ランディ・エデルマン
出演:ダン・フォグラー (ランディ・デイトナ)、クリストファー・ウォーケン(フェン)、ジョージ・ロペス(ロドリゲス)、マギー・Q(マギー)、ジェームズ・ホン(ワン師匠)、トーマス・レノン(カール)、テリー・クルーズ(フィンガーズ)、ロバート・パトリック(父)、マシ・オカ(ジェフ)ほか

ランディ・デイトナは、1988年のアメリカ代表選手決定戦に出場した天才卓球少年だったった。しかし父親が試合に賭けたと知って動揺、無残に敗れてしまった。19年たった今すっかりメタボ体型となり、場末のカジノでピンポンの曲芸を見せて暮らしている。そんな彼のところへ、突然FBIの捜査官が訪ねてくる。ランディの父を殺したフェンが牛耳る裏社会で行われる卓球世界大会に出場し、潜入捜査をしろというのだ。しかし長いブランクで、すっかり力の落ちたランディは、中華街の老マスター・ワンから少林卓球の特訓を受ける。ワンの美しい姪マギーに会ったランディは、やる気満々。ついに出場権を獲得する。



(c)2006 Rogue Pictures. All Rights Reserved.

『ナイト・ミュージアム』のスタッフが2500万ドルをかけて、かなり強引に中華テイストもまぜたピンポン映画を製作。ガラント監督と共同脚本を担ったトーマス・レノンはブルース・リー映画のファンだそうです。デスマッチ・トーナメントというのもそのへんからでしょうか。トーマス・レノンは、少年ランディにトラウマを植えつけた、東ドイツのチャンピオンも演じています。かなりの怪演ですが、その上を行くのがクリストファー・ウォーケン。『マウスハント』にも驚きましたが、今回もすごい。ほんとになんでもやってくれる人なのね、と感心しきりです。今回は衣装も派手でファンは必見ですよ。(白)

2007/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/SRD/90分/
配給・宣伝:東北新社
http://www.moe-pin.com/

2008年3月22日(土)、日比谷みゆき座ほかにて全国拡大ロードショー!

back to top

ポストマン

監督:今井和久
脚本:鴨義信
製作総指揮:長島一茂
出演:長島一茂、北乃きい、原沙知絵、犬塚弘、谷啓、竹中直人、野際陽子 ほか

郵便局員の海江田龍平はいまだにバイクではなくバタンコ(自転車)を使って配達してまわる昔気質な男で、地域の人の信頼は厚い。家庭では3年前に妻を亡くし、男手一つで娘のあゆみと息子の鉄平を育てている。中学生のあゆみはいまだに母の死を受け入れられず、つらさから逃れるように寮のある遠くの高校への進学を希望している。しかし龍平は家族は一緒にいるべきだと、頑として許さない。それには龍平なりの家族への深い思いがあるのだが、あゆみには理解できず反発を強めていく。

民営化したばかりの日本郵政のPR映画のような感じを受ける部分もありますが、自分の仕事に誇りを持つこと、家族の、さらには人と人との絆がどれほど大切なものかを感じさせてくれる、春らしい温かい作品でした。クレイジーキャッツのメンバーだった犬塚弘、谷啓のお二人の出演には、その役柄もあってちょっとグッと来るものがあります。
たまにはEメールではなくて、相手を思って便箋や封筒を選び、手書きで手紙を書くのも、お互いにうれしいこととは思いませんか。(梅)

2008年/日本映画/カラー/35mm/ヴィスタ/DTS/111分
製作:「ポストマン」製作委員会
制作:ナガシマ企画
配給:ザナドゥー

公式 HP >> http://www.postman-movie.jp/

★3月22日(土)、全国ロードショー

デッド・サイレンス(原題:Dead Silence)

監督:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
ストーリー:ジェームズ・ワン、リー・ワネル
出演:ライアン・クワンテン、アンバー・ヴァレッタ、ドニー・ウォルバーグ、ボブ・ガントン ほか

ジェイミーとリサは仲のいい夫婦。ある雨の日、差出人不明の荷物が届き、中にはビリーという名の腹話術人形が入っていた。ジェイミーは薄気味悪さを感じるが、リサは上機嫌だ。その後すぐに、ジェイミーは一人夕食を買いに出かける。そして家に戻って彼が見たものは、舌を切り取られ殺されたリサの無惨な姿だった。
ジェイミーは警察に疑いをかけられるが、何の証拠もなく、ひとまず釈放される。しかし彼には気になることがあった。”メアリー・ショウにご用心。子のない彼女は人形が好き。夢で彼女に出会っても、叫んじゃダメだ。舌を抜かれるぞ!” 彼の故郷にはこんな古くから伝えられる詩があった。この詩と妻の死に何か関係があるのではと考え、彼は故郷の街へと車を飛ばす。

大ヒットシリーズ『ソウ』を生み出した、ジェームズ・ワンとリー・ワネルのコンビが新たに描くのは、腹話術人形にまつわるゴースト・ストーリー。最近「『ソウ』シリーズのスタッフが制作」という宣伝文句がついたサスペンス、ホラー系作品がたくさんありますが、ようやく生みの親たちによる、正真正銘の新作が届きました。2004年に『ソウ』の公開に合わせて二人が来日したとき、マスコミ披露試写会場にも来て挨拶がありました。その時すでに、次回作は腹話術人形にまつわる作品を考えていると話していたのですが、『ソウ』のヒットで続編制作が続いたためか、なかなか作品となって世に出てこなくて、どうしたかなと思っていたので、ちょっと感慨をもって見ました。
今回の作品はゴシック・ホラーのような雰囲気が楽しめます。わたしは常々人形は恐いと思っていましたが、中でも顔や手足が動く腹話術人形はとりわけ不気味。100体以上もの人形たちがおかれた部屋の光景に思わずゾクゾク〜!としてしまいました。ジグソウ人形もちらりと出演していますから、お見逃しなく。(梅)

2007年/アメリカ/カラー/ドルビーSRD,DTS/スコープサイズ/89分
協力:NTTDoCoMo、ジェネオン エンタテインメント
配給:東宝東和
宣伝:フリーマン・オフィス

公式 HP >> http://dead-s.jp/

★3月22日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー

受験のシンデレラ

監督・原案:和田秀樹
脚本:武田樹里
撮影監督:??間賢治(JSC)
音楽:三枝成彰
主題歌:星野みちる「ガンバレ!」(作詞・秋元康/作曲・星野みちる)
出演:寺島咲(遠藤真紀)、豊原功補(五十嵐透)、田中実(小宮医師)、浅田美代子(真紀の母)、徳井優、橋爪淳、清水圭ほか

=よりよく生きる方法を知れば、人生は変えられる=

五十嵐透は受験指導のカリスマと呼ばれ、富も名声も手に入れた絶頂のとき、末期癌であることがわかる。東大医学部時代の同級生だった癌専門医の小宮は、余命は1年半くらいと診断し緩和ケアを薦める。
予備校講師もやめた五十嵐は、高校中退の真紀に出会い、貧しかった学生時代を思い出す。真紀の父親は家を出て若い女性と一緒におり、母親は家業の洋品店も放って借金しながら遊び歩いていた。劣悪な家庭環境の中、なにもかも諦めようとしていた真紀の受験指導を思い立つ。まずは高等学校卒業程度認定試験だ。

分数の足し算ができない真紀が2年後の東大受験に挑戦。えぇ〜?!と半信半疑で観ていました。五十嵐が真紀にちょくちょく渡す「受験の要領」が面白く(昔先生からも言われた記憶が)監督のプロフィールを見ましたら、主人公の五十嵐と同じ東大医学部卒の精神科医、受験勉強法通信教育ゼミを主催、著書多数とあります。受験指導の実体験が多く含まれているのでしょう。作りはストレートな初監督作品。
娘の模試費用をくすねるダメ母に浅田美代子。まったくもう、というだらしなさがよく出ていました。真紀の服装がだんだん若い女の子らしくなっていくのもミソ。寺島咲は『魍魎の匣』で黒木瞳の娘役でした。特別出演のかたが何人か顔を出しています。(白)

第5回モナコ国際映画祭
エンジェル・フィルム・アワード
最優秀作品賞
最優秀男優賞 - 豊原功補
最優秀女優賞 - 寺島咲
最優秀脚本賞 - 武田樹里

http://www.juken-movie.com/
2007年/日本/カラー/35mm/DTSステレオ/106分
(C) 「受験のシンデレラ」パートナーズ

3月29日より新宿K's cinema、シアターN渋谷、 横浜ジャック&ベティにてロードショー

back to top

本格路上活劇 カクトウ便

Vol.1『Battle Run XX』 
監督:植田中
脚本:江面貴亮
出演:小阪由佳、甲斐麻美、内ヶ崎ツトム、諏訪太朗、森次晃嗣

Vol.2『VS 謎の恐怖集団人肉宴会』 
監督:石井哲也
脚本:佐東みどり
出演:木口亜矢、甲斐麻美、山崎樹範、籏谷力、稲宮誠

Vol.3『そして、世界の終わり』
監督:宇田川大吾、山本俊輔
脚本:藤田学、山本俊輔
出演:次原かな、甲斐麻美、AKIRA、小沢仁志

製作総指揮:斎藤正明
プロデューサー:植田中、林大造
アクション監督:谷垣健治
キャスティング:小林良二

日本全国どこへでも、どんな“ワケあり荷物”も届ける裏の運び屋“カクトウ便”。
危険なところも走り抜け、行く手を阻まれたら体当たりで闘う運び屋の姿を描いた“本格路上活劇”3本!

香港と日本を股にかけて活躍するアクション監督・谷垣健治さんの名前に惹かれて、『そして、世界の終わり』の試写に行ってみたら、なぁ〜んと、満室の試写室で女性は私一人! 主演女優は、グラビアやCMでも活躍するアイドルたち。そうっか〜、観客層の狙いも若い男の子たちか・・・ アクションは、さすが谷垣さん仕込でした。(咲)

製作:クレイ、ハピネット、キティライツ&エンターテインメント、アデンディス
制作:キックファクトリー
配給・宣伝:クレイ

2007年/カラー/各約90分/DV

*ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008<フォーラムシアター部門>正式招待作品

★3月29日(土)より池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開

公式HP>> http://kakutoubin.com/

back to top

カンフーくん

監督・VFX:小田一生
原案:山岸きくみ
脚本:大地丙太郎
撮影:谷川創平
アクション監督:谷垣健治
音楽:大坪直樹
出演:チャン・チュワン(カンフーくん)、泉ピン子(泉)、藤本七海(レイコちゃん)、矢口真里(さゆり)、佐藤めぐみ(優香先生)、桜塚やっくん(風神)、武田真治(龍神)、金剛地武志(雷神)、笹野高史(黒校長)、佐田真由美(黒女教師)、西村雅彦(黒文部大臣)ほか

中国・少林寺で修行中のカンフーくんは、子どもながら免許皆伝まであと一歩のところへきた。しかし師匠は「最後の敵」が日本にいると、カンフーくんを送り出す。頼りは敵が近づくと鳴り出す不思議な鈴だけ。東京の下町まで吹き飛ばされたカンフーくんは、中華料理店「ニュー幸楽」の泉ちゃんと孫娘のレイコに出会い、お店を手伝いながら敵を探すことになった。レイコはカンフーくんを弟のように可愛がり、学校へも連れて行く。すると鈴が鳴ったのだ!いったい何があるのだろうか?


(c)2007 映画「カンフーくん」製作委員会

くりくり頭のチャン・チュワンの武術に目が丸くなりました。2000人の中から選ばれたという彼は、撮影当時まだ7歳。笑顔は無邪気で年相応ですが、戦いに入るときは闘志満々で眼光炯炯。泉ピン子さん始め、居並ぶ俳優さんたちにも、それぞれ特徴のあるアクションがついていて、谷垣アクション監督のご苦労を思いました。レイコの友達の小学生たちも元気で可愛くて、春休みに親子連れで観るのにぴったりの作品。(白)

2007/日本/カラー/98分/35mm/アメリカンビスタ/DTSステレオ/ドルビーデジタル
配給:角川映画 宣伝協力:アンプラグド
http://www.kung-fukun.jp/

3月29日(土)より新宿ガーデンシネマ,シネカノン有楽町2丁目他、全国ロードショー!!

back to top

タクシデルミア ある剥製師の遺言(原題:TAXIDERMIA)

監督:パールフィ・ジョルジ(『ハックル』)
原作:パルティ・ナジ・ラヨシュ
脚本:ジョーフィア・ルットカイ、パールフィ・ジョルジ
撮影:ポハールノク・ゲルゲイ
アートディレクター:スローッシイ・ゲーザ
音楽:アモン・トビン
出演:ツェネ・チャバ(祖父ヴェンデル・モロジュコヴァーニ)、 トローチャーニ・ゲルゲイ(父カルマン)、シュタンツェル・アデール(母ギゼラ)、マルク・ビシュショフ(息子ラヨシュ)ほか

第2時世界大戦中の小さな村。若かった祖父は、中尉とその家族に当番兵としてこき使われ、罵倒されていた。厳寒の夜、たった一つの楽しみは妄想にふけること。ある晩、豚のように太った中尉夫人が祖父の小屋を訪れる。
共産主義時代のハンガリー。父カルマンは人気のスポーツ大食い競争の選手となっていた。大食い女性チャンプのギゼラと出会い結婚。小さな息子ラヨシュを授かる。
そして現代、ラヨシュは剥製師として自活している。父は過去の栄光にすがるだけ、今や身動きできないほどの身体に膨らんでいた。愛想を尽かして出ていった母に代わって、ラヨシュは父の世話をしているが感謝の言葉もない。


Copyright 2007 新日本映画社/エスパース・サロウ .All Rights Reserved.

ハンガリー映画史上、最大の制作費を投入して制作されたこの作品は、サンダンス映画祭でサンダンス・NHK賞を受賞しました。しかし、 その“規格外”の内容により、NHKは日本でのTV放映権を手離し出資を見送ったのだそうです。NHKテレビでこの映像はやっぱりまずいんでしょうね。タクシデルミアとは剥製術の意味です。息子のラヨシュがアートとしての剥製を目指して、究極の剥製を作り出す様は…劇場でご覧ください。(白)

2006年シカゴ映画祭 シルバーヒューゴ賞
2006年トランシルバニア映画祭 最優秀監督賞
2006年第37回ハンガリー・フィルムウイークグランプリ、批評家賞、最優秀助演男優賞・女優賞
ほか受賞多数

ハンガリー・オーストリア・フランス/91分/35mm/カラー
配給:エスパース・サロウ

公式 HP >> http://www.espace-sarou.co.jp/taxidermia/

★2008年3月29日(土)より、シアターイメージフォーラムにてロードショー!
★2008年4月 5日(土)より、シネ・ヌーヴォ(大阪)にてロードショー!

back to top

シティ・ライツ座 in Yokohama 『父と暮らせば』音声ガイド付き上映

視覚障がいのある方も映像を言葉で説明し、それをFMラジオ(FM88.5MHz)できくことのできる「音声ガイド」で映画を楽しむことができます。
ご希望の方はイヤフォン付FMラジオをご持参下さい。
※ お申込は不要です。当日直接会場へお越しください。
(※会場最寄り駅から誘導をご希望の方、ラジオの貸出をご希望の方のみ、3月末日までにお申し込みください。)

日時:2008年4月4日(金)
会場:関内ホール(大ホール) TEL 045−662−1221
交通アクセス:JR京浜東北・根岸線「関内」駅北口徒歩5分
       市営地下鉄ブルーライン「関内」駅9番出口からすぐ
     みなとみらい線 「馬車道」駅 5番出口より 徒歩3分
料金:無料
主催:バリアフリー映画鑑賞推進団体 シティ・ライツ
共催:横浜ニューテアトル/シネマ・ジャック&ベティ
協力:シネマ・アシスト
音声ガイド協力: シネマ・アクセス・パートナーズ

プログラム
 12:00 開場
 13:00 音声ガイドって何だろう? (紹介ビデオの上映とお話)
 13:40 『父と暮らせば』上映開始
 15:30 上映終了
●『父と暮らせば』2004年/日本映画/99分
 監督:黒木和雄 
 原作:井上ひさし
 出演:宮沢りえ 、 原田芳雄 、 浅野忠信 ほか

バリアフリー映画鑑賞推進団体 シティ・ライツHP >>  http://www.ne.jp/asahi/city/lights/

back to top

特集「その男の職業、刑事」上映

"シネマアートン下北沢(東京・下北沢)では2008年4月5日〜25日で「その男の職業、刑事」と題し、特集上映を行います。名作「飢餓海峡」での伴淳三郎の名演、佐田啓二が企画した「左ききの狙撃者 東京湾」、勝新太郎が監督・主演した「顔役」、菅原文太扮する執念の刑事が犯人を追う「太陽を盗んだ男」などなど、人間の欲望が渦巻く社会で刑事たちのドラマが始まります! 御期待ください。"

第一週  4/5(土)〜11(金)
13:30  彼女だけが知っている
(監督:高橋治/出演:笠智衆、渡辺文雄、小山明子)
【1960年/松竹】
14:50  殺(バラ)すまで追え 新宿25時
(監督:長谷和夫/出演:天知茂、川津祐介、佐藤允)
【1969年/松竹】
16:40  飢餓海峡
(監督:内田吐夢/出演:三国連太郎、伴淳三郎、高倉健、左幸子)
【1965/東映】
第二週  4/12(土)〜18(金)
14:30  張込み
(監督:野村芳太郎/出演:大木実、宮口精二、田村高広、高峰秀子)
【1958年/松竹】
16:50  左ききの狙撃者 東京湾
(監督:野村芳太郎/出演:西村晃、石崎二郎、榊ひろみ)
【1962年/松竹】
18:30  野獣狩り
(監督:須川栄三/出演:藤岡弘、伴淳三郎、渚まゆみ)
【1973年/東宝】
第三週  4/19(土)〜25(金)
13:30  顔役
(監督:勝新太郎/出演:勝新太郎、山崎努、太地喜和子、若山富三郎)
【1971年/東宝】
15:30  桜の代紋
(監督:三隅研次/出演:若山富三郎、関口宏、松尾嘉代、渡辺文雄)
【1973年/東宝】
17:20  太陽を盗んだ男
(監督:長谷川和彦/出演:沢田研二、菅原文太、池上季実子)
【1979年/東宝】

■各回入替制
■料金 当日券:一般・学生 1,200円/シニア 1,000円
 2回券:2,000円/3回券 3,000円/会員:900円

シネマアートン下北沢 公式サイト http://www.cinekita.co.jp/

ランジェ公爵夫人(原題:NE TOUCHEZ PAS LA HACHE LA DUCHESSA DI LANGEAIS (DON'T TOUCH THE AXE) )

監督・脚本:ジャック・リヴェット
共同脚本:パスカル・ボニツェール、クリスティーヌ・ローラン
原作:オノレ・ド・バルザック「ランジェ公爵夫人」
撮影:ウィリアム・ルプシャンスキー
美術:マニュ・ド・ショーヴィニ
音楽:ピエール・アリオ
出演:ジャンヌ・バリバール(ランジェ公爵夫人)、ギョーム・ドパルデュー(モンリヴォー将軍)、ミシェル・ピコリ(ヴィダム・ド・パミエ)、ビュル・オジエ(ブラモン・ショーヴリ妃)ほか

19世紀初頭のパリ。華やかな舞踏会でランジェ公爵夫人はモンリヴォー将軍と出会った。一目で夫人に惹かれた将軍は屋敷へ日参するものの、夫人の思わせぶりな態度に翻弄され続ける。夫人は知的な恋愛ゲームを楽しんでいたのだった。直情径行のモンリヴォー将軍に通じるはずもない。業を煮やした彼は、仲間を引き入れ強硬手段に打って出る。


(c)2006 Pierre Grise Productions - Arte France Cinema - Cinemaundici

貴族社会の中の恋愛とはこんなものだったのか〜。しもじもの理解の及ぶところではありません。平民でよかった。ジャンヌ・バリバールは後半自分の気持ちに気づいて、切実な表情になってからが良かったです。モンリヴォー将軍をジェラール・ドパルデューの息子のギョーム・ドパルデュー、無骨な軍人を演じて似合います。彼の足音がよく響いて耳に残りましたが、実際にバイク事故の怪我が元で足を切断し義足なのだそうです。『夜顔』のミシェル・ピコリとビュル・オジエが揃って出演。夫人達の豪奢な衣装やお屋敷の家具調度など、優雅な恋愛ゲームの背景にも注目。(白)

2006/フランス、イタリア/カラー/1:1.85/ドルビーSR/2時間17分

http://www.cetera.co.jp/Langeais/index.html
2008年4月5日(土)〜岩波ホールほか全国順次ロードショー

back to top

モンゴル(原題:MONGOL)

監督・脚本・製作:セルゲイ・ボドロフ
撮影:セルゲイ・トロフィモフ/ロジェ・ストファーズ
編集:ザック・ステーンバーグ
プロダクション・デザイン:ダシ・ナムダコフ
音楽:トゥオマス・カンテリネン
出演:浅野忠信(テムジン/チンギス・ハーン)、スン・ホンレイ(ジャムカ)、クーラン・チュラン(ボルテ)ほか

12世紀のモンゴル。部族間の抗争と陰謀渦巻く時代に、族長イェスゲイの長男として生まれたテムジン。父はメルキト族との和平を願い、9歳のテムジンの妻を決める旅に出た。しかしテムジンは、別の部族の少女ボルテと運命の出会いをし、5年後に迎えに来ると約束する。帰る途中、父は宿敵の族長に勧められた酒を飲み干し、毒にあたって客死する。これを見たイェスゲイの部下タルグタイは、恩義も忘れテムジン一家を追放し、以後テムジンの命を狙い続けるのだった。凍てつく湖に落ちたテムジンは、たくましい少年ジャムカに出会い、兄弟の契りを交わした。

セルゲイ・ボドロフ監督は、主役に日本人の浅野忠信を起用した理由として、彼の存在感に「ハーン(王)」を感じたといいます。テムジンの子ども時代から、広大な草原をバックに描かれますが、青年となり幽閉された後、大軍を率いるようになるところがちょっと駆け足の気がしました。覇者となっていくのはこのまた後なので何部作かになるのかもしれません。妻役のラン・チュランは新人と思えません。全編モンゴル語、乗馬、戦闘シーンと数々の難題を越えて完成したこの映画は、ぜひぜひ大きな画面でご覧ください。(白)

本年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート

2007/ドイツ、ロシア、カザフスタン、モンゴル/カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/2時間15分
配給:ティ・ジョイ、東映

http://mongol-movie.jp/

2008年4月5日(土)〜丸の内TOEI(1)、新宿バルト9他全国拡大ロードショー
(C)2007 CTB FILM COMPANY/ANDREYEVSKY FLAG FILM COMPANY/X FILME CREATIVE POOL/KINOFABRIKA/EURASIA FILM.ALL RIGHTS RESERVED.

back to top

船、山にのぼる

監督・編集:本田孝義
プロデューサー:伏屋博雄
撮影:本田孝義、林憲志、濱子正
音響構成:米山靖
ナレーター:川野誠一
音楽:風の楽団

広島県の北東部の3町にまたがる灰塚地域にダムが建設されることになった。1994年から「灰塚アースプロジェクト」が始動し、美術家、写真家、建築家のユニットであるPHスタジオも関わる。森の木が伐採されダムに水没することを知って、その木材で船を作って山へ乗せようというアイディアが出る。ダム完成のおりの湛水実験時(たんすいじっけん:ダムの最も高いレベルまで水をためる)に湖上に浮かべ、曳航すれば山に船を乗せることも可能なのだ。2003年に船はほぼ完成し、2005年には湛水実験が始まる。

本田孝義監督は、「船を作り山に乗せることに、どのような意味があるのだろう」と思いながら、「わからないから知りたいと思ってカメラを回していった」そうです。私自身も そう思いながら画面を眺めていました。
故郷がダムの底になるという人々が、全長60mもの大きな筏形の船作りにさまざまな形で協力しています。町にあった樹齢500〜600年といわれる老木「えみき」の移植のようすが、夜までかかっての撮影です。ダムに沈むところですから住民は移転してしまい、もう電気もなくなっています。御幣や紅白の幕をかけた「えみき」の乗った大型の車を、大人も子どもも総出で曳いているのを見ていたら、なぜだか涙が。あれ〜と拭っていたら、試写室の中何人も同じ人がいました。帰り道、東京国際フォーラムのガラス棟が山にのぼった巨大な船に見えました(白)。

2007/日本/カラー/88分/DV
http://www.fune-yama.com/

4月5日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー(連日21:00〜)
4月12・13日、 4月19・20日の土日のみモーニングショーあり〈朝9:45〜〉

本田孝義監督の特集上映会 本田孝義ビジュアルセッション
期日:3月27日(木)20:00〜
『平野幻想』『Tokyo-Osakaミクスチャー』『沖縄ソウル』
     料金1000円(1ドリンク付)
    3月29日(土) 15:00〜『科学者として』+『続・科学者として』
            17:00〜『ニュータウン物語』
            19:00〜交流会
    料金:各プログラム1000円 交流会1000円(1ドリンク付)
   (両日とも『船、山にのぼる』前売り券をお持ちの方は1プログラム800円)
会場:Space NEO 千代田区神田小川町2-10-13 御茶ノ水ビル1F
問い合わせ:戸山創作所 03-5338-9490

back to top

恋の罠

監督・脚本:キム・デウ
美術:チョ・グニョン
撮影:キム・ジヨン
衣装デザイン:チョン・ギョンヒ
出演:ハン・ソッキュ、イ・ボムス、キム・ミンジョン、オ・ダルス ほか

李朝時代、実直な官吏であるユソンは当代きっての名文家と知られている。しかし、まじめさ故に一家の仇敵にさえ公平な態度を貫くため、腰抜けと陰口をたたかれ、家でも居場所がない。そんな彼が王妃の持つ名画が偽物とすり替えられた事件の捜査を命ぜられ、一家の仇敵である捜査官のイ・グァンホンの協力を得て、市場の食器屋に踏み込む。そこで彼は禁断の官能小説を目にして衝撃を受けるのだった。
ユソンは王の寵愛を一身に受ける妃チョンビンに思いを寄せられる。妃への秘めた思いを源に、自由奔放な筆を走らせ、覆面官能小説家へと変貌する。彼の本はその世界で大評判となるが、さらなる創作のために、ユソンは自ら妃へと近づいていく。

初めて目にした世界に衝撃を受け、ずるずると引きずり込まれるようにのめり込み、人生を変えることになってしまう。これってまるで香港映画に出会ったときの自分のよう。ただ、この男の場合は対象が官能小説だったというだけ。妙に親近感を覚えました。しかし、この男は作家先生になってかなり調子に乗ってしまい、禁断の一手を使ってしまったために、大ピンチに陥ってしまいます。
ハン・ソッキュもイ・ボムスも大まじめな故のおかしさをいいテンポで見せてくれて、グッジョブです。一方で宮廷内の愛憎劇を、劇的に切なく美しく見せてもくれます。衣装と美術は『デュエリスト』も手がけた方々。なるほどと思う美しさです。(梅)

2006年/韓国/139分/カラー/シネマスコープ/ドルビー・デジタル/R-15/全7巻
韓国原題:淫乱書生 / 英題:Forbidden Quest

*** 映画賞受賞歴 ***
第42回 百想芸術大賞 新人監督賞
第43回 大鐘賞 衣装賞
第26回 韓国映画批評家協会賞 新人監督賞 脚本賞 美術賞  ほか

公式 HP >> http://www.cinemart.cp.jp/koinowana/

★2008年4月5日(土)より、シネマート六本木、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか 全国順次ロードショー

うた魂♪(うたたま)

監督:田中誠
脚本:栗原裕光
主題歌:「青い鳥」歌:ゴスペラーズ
出演:夏帆、ゴリ(ガレッジセール)、薬師丸ひろ子、ともさかりえ、間寛平ほか

荻野かすみは七浜高校合唱部のソプラノパートリーダー。歌うことが大好きで、歌っている自分は相当いけていると思っている、ちょっと自意識過剰気味な女の子。前から気になっていたイケメン生徒会長から「歌っている君の写真を撮りたい」と言われて有頂天だ。合唱コンクールの壮行会では、いつもにもまして力一杯歌ったが、彼が撮った写真を見て「あたし歌っているときこんな顔してるの?!」と驚愕! ところが彼に「産卵中のサケみたいな顔でユーモラスじゃん」とさらりと言われ、おまけに生徒会新聞の表紙にその写真を載せられて、大大大ショック。すっかり自信喪失し、合唱部を辞めようと思う。最後の舞台のつもりで臨んだ合唱祭で、かすみは権藤番長が率いる湯ノ川学院高校のヤンキー合唱部と出会う。

わたくし実は小、中学校と合唱部だったんですが、「産卵中のサケみたいな顔」というのには、そうなのよ!と笑ってしまいました。真剣になればなるほどそうなってしまって、合唱になじみのない人が見ると、かなり珍妙な光景だって、やりながら頭の片隅で思ってました。でも、笑いをこらえてちょっと見て、聞いてみて下さい。たくさんの人が心一つにハーモニーを奏でる瞬間に出会うと、絶対にドキドキします。これがましてややる方にまわると、本当に楽しい!気持ちいい!素晴らしい!のです。この作品はそんな気持ちを伝えてくれる、青春映画でした。
ヤンキー合唱部の番長・権藤洋役(10代)を36歳のゴリがやっているのは、「いくらなんでもありえないでしょ」なんですが、ありえなさを逆手にとった感じで、お芝居の間もとっても良くてグッジョブでした。何より、彼が率いる湯ノ川ヤンキー合唱部の歌う「15の夜」のパフォーマンスが素晴らしくって、マジで感動しました。(梅)

2007年/日本映画/35mm/アメリカンヴィスタ/ドルビーSRD・DTSステレオ/カラー/120分
配給・宣伝:日活株式会社

公式 HP >> http://www.utatama.com/

★2008年4月5日(土)より、シネクイント、シネ・リーブル池袋、新宿ジョイシネマほかにて、全国ロードショー

ぼくたちと駐在さんの700日戦争

監督:塚本連平
脚本:福田雄一
原作:ママチャリ「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」(高陵社書店刊)
撮影:瀬川龍
美術:太田喜久男
音楽:志田博英
主題歌:ファンキー・モンキーベイビーズ
出演:市原隼人(ママチャリ)、佐々木蔵之介(駐在さん)、麻生久美子(加奈子)、石田卓也(西条)、加冶将樹(孝昭)、賀来賢人(グレート井上)、脇知弘(千葉)、冨浦智嗣(ジェミー)、小柳友(辻村さん)、石野真子(ママチャリ母:たみ子)、竹中直人(親方)ほか

1979(昭和54)年の平和な田舎町。エネルギーを持て余す高校生ママチャリら7人。いたずら常習犯のぼくたちの前に立ちはだかったのは、赴任してきた駐在さん。その日から「戦争」が始まった。やられたらやりかえす!駐在さんも負けてはいない。あれは公務員であることを忘れているに違いない。おまけに喫茶店で見つけた美人・加奈子さんはなんと駐在さんの妻!!ますます燃えるぼくたちだった。



(c) 2008『ぼくちゅう』PARTNERS

原作は人気NO.1の同名ブログ小説。半実話だそうですが、どれが実話かは不明。 現在も継続中(14章54話)で、読者がコメントを入れて参加できるようになっています。リクエストもあったりで楽しそうです。
映画はほぼ30年前のちょっと昔。いたずら合戦といっても、他愛ないほのぼのした攻防がくりかえされます。出演作の続く市原隼人、石田卓也くんはじめ若手男優がまとめて登場。『LittleDJ 小さな恋の物語』で注目した賀来賢人くんはやはりイケメンでした。佐々木蔵之介さんはちょっとへたれな役が続いていましたが、この一見大人げない駐在さんはいい味出ていました。大きな事件はありませんが、じ〜んとくるエピソードも追加してバランスよくできています。(白)

2008/日本/カラー/110分/
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:ギャガ・コミュニケーションズXアルシネテランXスターキャスト・ジャパン

http://bokuchu.gyao.jp/

2008年4月5日(土)シネマGAGA!ほか全国順次ロードショー

back to top

今夜、列車は走る(原題:Próxima salida)

監督・脚本:ニコラス・トゥオッツォ
出演:ダリオ・グランディネッティ(『トーク・トゥ・ハー』)、メルセデス・モラン、ウリセス・ドゥモント

雨の中を走る二人の少年と一人の少女。「運命は変えられるのか?」という声が響いてくる。
舞台は、鉄道路線廃止が決定されたアルゼンチンのとある町。突然職を失った鉄道員たちが、生きる為、家族の為、仕事探しに奔走する。雨の中を走っていた少年の一人は、父親が組合代表者だったが、労使交渉がうまくいかなかったことを責め、自 ら命を絶ってしまった。
タクシー運転手を始める者、マルチ商法の仕事を紹介されるが馴染めない者。サンドイッチマンの職にしかありつけなかった男は、とうとうスーパーマーケットに集団強盗を企てる。一方、そのスーパーマーケットで警備を始めた若い元鉄道員は、かつての同僚と対峙することになる。そして、警官たちが囲む膠着状態の現場の前の線路を、廃止されたはずの列車が通っていく...。

1990年代初頭、国鉄民営化の嵐が吹いたアルゼンチン。赤字路線が廃止されていき、6万人の鉄道員が失業したという。本作は、厳しい現実の中で、自らの誇りを取り戻そうとする5人の鉄道員とその家族の物語。1970年生まれの監督の力強い初長編作品。

主人公の鉄道員たちの一部は、自主退職すれば退職金が保証されるとそそのかされ自主退職してしまいます。実は、私もかつて勤めていた会社の業績が急に傾き、希望退職募集に応じるという形で辞めた経験があります。倍の退職金に目がくらんで自ら希望したわけではなく、あくまで会社の希望というのが実感だし、それが希望退職の実態。その後の人生は、お金には縁はないけど、時間が自由になって、好きなことをしていて、とりあえずは良い転機になったと感謝しているのですが、それもこれも私が独身で親のすねをかじれる立場だから。現実は、この映画の鉄道員たちのように、ほんとに厳しいものだと思います。それでもなんとか生きていくのが人間でしょうか・・・。誰にでも起こりうる物語。「出口はきっとある!」の言葉に勇気づけられました。(咲)

配給:Action Inc.

2004年/アルゼンチン映画/110分/カラー/35mm/ビスタサイズ/ドルビーデジタルSRD

★東京ユーロスペース 4月12日から公開
 大阪 第7芸術劇場 5月3日から公開
 神戸 神戸アートビレッジセンター 5月10日から公開

公式HP>> http://www.action-inc.co.jp/salida/index.html

back to top

フィクサー(原題:MICHAEL CLAYTON)

監督・脚本:トニー・ギルロイ
撮影監督:ロバート・エルスウィット
音楽:ジェイムス・ニュートン・ハワード
編集:ジョン・ギルロイ
製作:ジェニファー・フォックス他
製作総指揮:スティーヴン・ソダーバーグ他
キャスト: ジョージ・クルーニー(マイケル・クレイトン)、トム・ウィルキンソン(アーサー・イーデンス)、ティルダ・スウィントン(カレン・クラウダー)ほか

全米を騒然とさせた3000億円にのぼる薬害訴訟は、被告の巨大薬品会社の有利に訴訟が解決されようとしていたが、製薬会社の弁護を担当していたニューヨーク最大の法律事務所の弁護士が、全てを覆す<秘密>を知ってしまう。彼は良心の呵責に堪えられず、事実を暴露する決意をした。このことを知った法律事務所はフィクサー(事務所に所属し、公にできな案件を裏で内密に処理する)マイケル・クレイトンに揉み消しを依頼する。しかし数日後、その弁護士の死亡を知り、不審を抱いたマイケルは真相を追求するのだった。


(c)2007 Clayton Productions, LLC

アカデミー賞他、数多くの映画賞に輝いた極上のシリアス・サスペンス!是非、是非ご覧ください!としか申し上げられません。始めのハテナマークが、最後にはビックリマーク&納得マークになります。
私の勉強不足ですが、ジョージ・クルーニーがこんなに魅力的な俳優さんとは知りませんでした。哀愁が漂う表情にはうっとりです。それに、こちらが目を覆いたくなるほど、切羽詰まった緊張を演じたカレン役のティルダ・スウィントン。
男性社会で女性が肩を並べていくのに、ここまで追い詰められいくのかと少し同情してしまいました。

2007年/アメリカ/カラー/シネマスコープ/120分/
http://www.fixer-movie.com/

4月12日(土)より、みゆき座ほか全国ロードショー

back to top

ブラックサイト

監督:グレゴリー・ホブリット
脚本:ロバート・ファイヴォレント、マーク・R・ブリンカー、アリソン・バーネット
撮影:アナスタス・ミコス
編集:デヴィッド・ローゼンブルーム
音楽:クリストファー・ヤング
出演:ダイアン・レイン(ジェニファー・マーシュ)、 ビリー・バーク(エリック・ボックス)、コリン・ハンクス(グリフィン・ダウド)ジョセフ・クロス(オーウェン・ライリー)、メアリー・ベス・ハート(ステラ・マーシュ)ほか

FBI特別捜査官ジェニファーは、ネット犯罪のエキスパート。ある日「kill with me.com」という不審なサイトの情報が入る。ネズミ捕りの粘着紙の上で動けなくなった子猫が衰弱死していく様をライブ映像で流していた。通報したのはその管理人自身らしい。発信元が地元であることだけは突き止めたが、使用サーバーはロシアでFBIの管轄外だった。強制閉鎖をしてもアドレスは無限にコピーされ管理人は高度の知識をもっていると思われた。1週間後、同じサイトに中年の男性が縛り付けられ失血していく映像が映し出される。胸には「一緒に殺そう」の文字。身体に繋がれた抗凝血剤は、PCでコントロールされアクセスが上がる毎に増えるしくみになっていた。ジェニファーは地元のボックス刑事と捜査を進める。


いまやインターネットは生活に欠かせなくなってきています。それに伴っての犯罪も多発していますが、この作品は究極の悪意とも言えるネットを利用した殺人を見せています。流される映像を好奇心から覗く、何万人もの人々。それが人の命を奪うことになるという巧妙なしかけがあり、事件が繰り返される毎にサイトは知れ渡りアクセス数は増え、スピードが早まっていきます。見えない相手の手がかりを必死で探すジェニファーに思わず肩入れしてしまいました。
個人の情報がいとも簡単に流失してしまうこと、悪意のある相手を見極められないことを思うと、さらに怖いです。『ストリート・オブ・ファイヤー』('84)のダイアン・レインも40代ですが、スタイルの良さは変わらず。(白)

2008/アメリカ/カラー/100分/
配給:ソニー・ピクチャーズ

http://www.sonypictures.jp/movies/untraceable/

2008年4月12日(土)〜渋谷東急ほか全国ロードショー

back to top

つぐない(原題:ATONEMENT)

監督:ジョー・ライト(『プライドと偏見』)
脚本:クリストファー・ハンプトン
原作:イアン・マキューアン 『贖罪』(新潮社刊)
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
美術:サラ・グリーンウッド
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:キーラ・ナイトレイ(セシーリア・タリス)、ジェームス・マカヴォイ(ロビー)、ロモーラ・ガライ(ブライオニー・タリス)、シアーシャ・ローナン(ブライオニー13歳)、ヴァネッサ・レッドグレイブ(ブライオニー晩年)ほか

1935年夏のイングランド。政府官僚のジャック・タリスの家では、末娘のブライオニーが初めての戯曲を書きあげていた。帰省する長男リーオンとその友人の歓迎会で上演するのだ。姉娘のセシーリアは大学を卒業したものの、今後の身の振り方が決まらず、無為の日々を過ごしている。 子供のころからともに育った使用人の息子のロビーは、セシーリアを愛していたが、身分の違いから口に出さずにいた。とあるできごとから互いの気持ちが明らかになった二人は、晩餐会の日、書斎で愛し合う。たまたまその光景を見てしまったブライオニーには、セシーリアが乱暴されていたと思い込む。夜になり家出したいとこを探すうち事件が起こった。目撃者となったブライオニーは、ロビーの名を口にする。


© 2007 Universal Studios. All Rights Reserved.

聡明で潔癖だがまだ大人の機微を知らない少女の一言が、一組の恋人たちを引き裂いてしまいます。本当に愛し合っていた姉とその恋人は別れ別れとなり、戦争も二人をさらに苦しめます。苦境に落とす原因を作ってしまった妹は一生をかけて、その罪を償おうとするのですが。
語り部であるブライオニーを3人の女優が演じます。少女時代のシアーシャ・ローナンが大人の俳優の中にあっても堂々として素晴らしいです。キーラ・ナイトレイとジェームス・マカヴォイの悲運の恋人たちを浮かび上がらせる、当時の屋敷を再現した美術、衣装、美しい田園風景などもお見逃しなく。(白)

映画を観た後に原作を読んだのですが、非常に丁寧に原作の世界を映像化したのがわかり、驚きました。純粋で美しい愛と、非情な現実世界との対比が見事で、深い余韻に浸れる作品です。『ペネロピ』を観て「ジャームス・マカヴォイかっこいい!」と思った方は、是非観ましょう。(梅)

2007/イギリス/カラー/2時間3分/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD/PG-12
http://www.tsugunai.com/

2008年4月12日(土),テアトルタイムズスクエアほかにてロードショー

back to top

大いなる陰謀(原題:Lions for Lambs)

監督:ロバート・レッドフォード
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
製作総指揮:ダニエル・ルピ
撮影:フィリップ・ルースロ
美術:ヤン・ロールフス
音楽:マーク・アイシャム
キャスト:ロバート・レッドフォード(スティーヴン・マレー教授)、メリル・ストリープ(ジャニーン・ロス/ジャーナリスト)、トム・クルーズ(ジャスパー・アーヴィング上院議院)、アンドリュー・ガーフィールド(トッド・ヘイズ/カリフォルニア大学生)、マイケル・ペーニャ(アーネスト・ロドリゲス/志願兵)、デレク・ルーク(アーリアン・フィンチ/志願兵)

ジャニーン・ロスは40年間にわたり、アメリカの政治を取材し続けてきたベテランのジャーナリストだ。彼女はジャスパー・アーヴィング上院議員から呼び出しを受けた。 アーヴィングは、いまや共和党の次期大統領候補と目されている人物。ジャニーンをオフィスに招いた理由は、対テロ戦争中のアフガニスタンで新しく展開させる作戦について、好意的に報道を促し、世論の支持を取り付けるのが狙いだった。
二人が話し合っていた同時刻、アフガニスタンでは新しく展開させる「高地占領作戦」に向けてヘリを飛ばしていた。その中には、志願兵アーネストとアーリアンの姿もあった。アフガニスタンで作戦が開始された頃、歴史学のマレー教授は、豊かな才能をもつ生徒トッドのふしだらな生活を心配し、人生について話し合っていた。アーネストとアーリアンは彼の教え子だった・・・。

1時間半の作品だが、観ている時間の進行と同時に三っの場所の時間も同じ速さで流れる。 あまりの臨場感と言葉の持つ力に圧倒された。最後、三つが一本の線で繋がるが、戦争や対テロ作戦などが、どのように作られ、戦われ、報じられるのか、無関心ではいられなくなる作品。
俳優はもちろん文句なし。 ロバート・レッドフォードの後悔と良心、トム・クルーズのカリスマ性と野心、メリル・ストリープの知性と戸惑い。どれも甲乙つけがたい演技。若者ではトッド役のアンドリュー・ガーフィールドの不安げな口元が秀逸だった。(美)

2007年/アメリカ/1時間32分/シネマスコープ/
配給:20世紀フォックス映画
http://movies.foxjapan.com/ooinaru/
(C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX
2008年4月18日(金)〜日劇1ほか全国ロードショー

back to top

パーク アンド ラブホテル

監督・脚本:熊坂出
撮影:袴田竜太郎
編集:普嶋信一
音楽:日比谷カタン
美術:松塚隆史
出演:りりィ(艶子)、梶原ひかり(美香)、ちはる(月)、神農幸(マリカ)、津田寛治、三石研ほか

バックパックを背負い、ポラロイド写真を撮りながら歩いている少女は美香。新宿にある古いラブホテルに、老人や子どもが入っていくのを見かけて、後について行く。屋上はブランコや滑り台のある小さな公園になっていた。都会のオアシスのようなそこでは、将棋をさす男性、歌を楽しむグループ、子供達が日の暮れるまで思い思いに過ごしていた。ラブホテルのオーナー、艶子は美香のようすが気にかかり一晩泊めることになった。その後、艶子は毎日ウォーキングをしている主婦の月と、毎回違う男性と現れるホテルの常連客マリカに関わることになる。

70年代に「私は泣いています」でヒットを飛ばした歌手のりりィが主演。過去を抱えて一人で生きる女性を演じます。無愛想だけれど、来る人を拒まずに迎えるところは、屋上の公園とシンクロします。世代の違う3人の女性たち美香、月、マリカの共通点は孤独。昔の艶子のような彼女たちが、艶子に出会ったことで少しだけ幸せになっていきます。具体的にこうしろと言っているわけではありません。自分で選ぶ力をつけて出て行き、艶子も同じように少し踏み出す力を得ます。それぞれが何か食べるシーンが必ずあり、一緒に食べることって大事だと思わせます。熊坂監督はPFFアワード2005で3賞に輝き、スカラシップ(奨学生)を受けこの劇場用長編を作りました。胸の中がぽっと温まるような作品。(白)

*2008年ベルリン国際映画祭フォーラム部門 最優秀新人作品賞 受賞
2007/日本/カラー/35mm/1:1.85ビスタ/モノラル/111分
配給・宣伝:マジックアワー
http://www.pia.co.jp/pff/park/

4月26日(土)より渋谷ユーロスペースにてGWロードショー!
(c)PFFパートナーズ

back to top

あの空をおぼえてる

監督:冨樫森
原作:ジャネット・リー・ケアリー「あの空をおぼえてる」(ポプラ社刊)
脚本:山田耕大
撮影:中澤正行
音楽:中野雄太
主題歌:平井堅 「いつか離れる日が来ても」
出演:竹野内豊(父・深沢雅仁)、水野美紀(母・慶子)、広田亮平(英治)、吉田里琴(絵里奈)、小池栄子(ユリコ先生)、中嶋朋子、品川祐、小日向文世(福田)ほか

小学生の英治は、幼稚園児の妹絵里奈にいつもふりまわされる。英治のものを勝手に持っていくし、いたずらだし、デタラメな歌を作っては歌う。でもおてんばで明るくてお日様のような子だった。だった・・・というのは、二人でホームセンターまで出かけたとき、トラックにはねられて空へ飛んでいってしまったからだ。
英治は重傷で入院し、松葉杖と一緒に家に帰ってきた。お父さんは話をしないし、お母さんは泣いてばかりいる。絵里奈がいなくなって家はすっかり変わってしまった。学校でカウンセラーの福田先生にノートをもらった英治は、絵里奈へ手紙を書くことにした。


(C)2008「あの空をおぼえてる」フィルムパートナーズ

『ごめん』『天使の卵』の繊細な作風が印象的だった冨樫森監督が、子どもを失った家族の悲しみと再生のストーリーを手がけました。
一番沈み込んでしまった父親を、映画7年ぶりという竹野内豊。お腹にいる3人目の子どもと、英治のために心の整理をしようとする母親の水野美紀。
英治役の広田亮平くんは、『マリと子犬の物語』でもやさしいお兄ちゃん役でした。妹がいなくなった家の中で一人奮闘するのですが、これは親が先に泣いてしまったからです。この親たちの悲しみはわかるけれど、残った子を支えなくてどうするんじゃ、と歯がゆい思いでした。この子は手放しで泣いたりせず、辛い思いをしまって妹へ手紙を書きます。いじらしいやらかわいそうやら、涙×鼻水でティッシュがなくなりました。絵里奈役の吉田里琴もほんとに可愛いです。子どもには勝てませんね。平井堅作の主題歌でまた泣けるので、ハンカチは持ったままで。(白)

2008/日本/カラー/ビスタサイズ/115分/
ソニーピクチャーズエンタテインメント
http://www.anosora.jp/

2008年4月26日(土)〜新宿バルト9ほか全国ロードショー

back to top

ブレス(英題:Breath)

監督・脚本:キム・ギドク
出演:張震(チャン・チェン)、パク・チア(『春夏秋冬そして春』)、ハ・ジョンウ(『絶対の愛』)、 キム・ギドク

死刑囚チャン・ジンは、同房の囚人が壁に絵を描くのに使っていた道具を奪い取り喉を突いて自殺未遂を図る。死刑囚自殺未遂のニュースを見た主婦のヨンは彼に面会しようと刑務所に行く。看守に昔の恋人だと言い張り面会にこぎつける。ヨンは、浮気がばれても平然としている夫に対するうっぷんを晴らすがごとく、死刑囚に愛情をそそぐ。殺風景な刑務所の面会室を、行くたびごとに春夏秋と季節を変えて色鮮やかに演出し、歌を歌うヨン。死しか目の前になかったチャンに、いつしかヨンへの恋心が芽生え、生への思いが甦る...

キム・ギドク監督の14作目。四季折々の光景が、ヨン一人の手であっという間に面会室に再現されるなんて、絶対ありえない〜と思いつつ、キム・ギドクの世界に引き込まれてしまいます。登場人物それぞれの息づかいが鬼気と迫ってきて、見ている方も息苦しい思い。監視モニターに映る看守はキム・ギドク。さりげなくご出演です。
ちなみに死刑囚の名前チャン・ジンは、張震の韓国語読み。楊徳昌(エドワード・ヤン)の『牯嶺街少年殺人事件』で初々しくデビューした張震。『ブエノスアイレス』『愛の神、エロス』等で王家衛監督、『グリーン・デスティニー』で李安監督、そして『呉清源 極みの棋譜』で田壮壮監督と、各国の個性的な監督のもとで、大きく育った張震。本作でも、静かに存在感を示しています。

それにしても、死刑囚(赤い番号札)のチャンが、死刑ではない(白い番号札)他の囚人と5人の雑居房に入れられていて、韓国の刑務所って、そういうものなのかと興味深いものがありました。同房の囚人たちとの不思議な連帯感がまた可笑しくて、ごろにゃ〜んと、皆で固まって寝ているところなど最高! そして、面会人が来て呼び出されるチャンに嫉妬心をあらわにする若い囚人(カン・イニョン)が、これまた可愛くていいです。門井肇監督の『休暇』では、独房で執行の日を待つ死刑囚の思いを西島秀俊が体現していますが、『ブレス』を観て、死刑囚を雑居房に入れるのも一理あるかなと思った次第です。それにしても死刑... 来年始まる裁判員制度のことを考えずにはいられません。(咲)

2007年/韓国/84分/カラー/ビスタ/ドルビーSRD

配給: エスピーオー

★5月3日(土)シネマート六本木にて、四季に包まれるロードショー! 他、全国にて順次公開

公式 HP >> http://www.cinemart.co.jp/breath/

back to top

軍鶏 Shamo

監督:ソイ・チェン(鄭保瑞)
原作・脚本:橋本以蔵
出演:ショーン・ユー(余文楽)、アニー・リウ(劉心悠)、フランシス・ン(呉鎮宇)、ペイペイ(裴唯瑩)、ディラン・クォ(郭品超)、石橋凌、ブルース・リャン(梁小龍)、魔裟斗

裕福な家庭に育ち、名門私立高校に通う16歳の少年が、両親をナイフで惨殺した。その少年・成嶋亮は鯵ヶ崎高等少年院へ送られるが、冷酷な院長や院生たちから執拗ないじめを受ける。唯一の心のよりどころだった妹も彼の元を去り、ひ弱な彼にはどこにも生きる場所がなかった。
そんな彼に空手家の黒川は空手を仕込む。黒川は日本有数の空手家だったが、首相暗殺を企てた罪で終身刑となり投獄されていた。一切から拒絶されてきたことにおいて、二人は共通していた。
出所した成嶋は、夜の街で行方不明の妹を捜しながら、マダムの相手をする男娼として生きていた。ある日、ショウアップされた格闘技大会リーサル・ファイトの模様を見て、そのチャンピオンである菅原に対して激しい敵意をあらわにする。いつかあいつを倒す・・・


 
(C)2007 IZO HASHIMOTO / ART PORT INC. / PONY CANYON INC. All rights reserved

昨年『ドッグ・バイト・ドッグ』が公開され、容赦ない暴力描写で観客に鮮烈な印象を残したソイ・チェン監督。この作品がきっかけで、今回の『軍鶏』の映画化にあたって監督は彼しかいないだろうということになったそうです。双方の作品とも、暴力の中でしか生きられなかった人間の哀しみを描いている点が共通しています。
主演のショーン・ユーは『インファナル・アフェア』で日本でも広く知られるようになりました。今回はこれまでになく凶暴な男の役で、全く新しい一面を見せてくれています。空手家の黒川を演じるのはフランシス・ン。彼がいるだけで画面がぐっと締まる、素晴らしい存在感。ファンは必見です。カツラかぶったブルース・リャンの貫禄も必見。(梅)

2007年/香港/105分/カラー/35mm/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/PG-12
提供:アートポート X ポニーキャニオン
配給・宣伝:アートポート

公式 HP >> http://www.shamo-movie.jp/

★2008年5月3日(土)、新宿トーア他全国ロードショー

光州5・18(英題:MAY 18)

監督: キム・ジフン
脚本:ナ・ヒョン
原案:パク・サンヨン
撮影:イ・ドゥマン
音楽:キム・ソンヒョン
照明:カン・ソンフン
編集:ハム・ソンウォン
出演:アン・ソンギ(パク・フンス)、キム・サンギョン(カン・ミヌ)、イ・ヨウォン(パク・シネ)、イ・ジュンギ(カン・ジヌ)、ソン・ジェホ(キム神父)ほか

タクシー運転手ミヌは純朴で心優しい青年。 早くに両親を亡くし、弟ジヌと二人暮らし。彼は、家事一切を引き受け、名門ソウル大学を目指している弟を見守っていた。また、ミヌは看護士をしているシネに想いを寄せているが今だに告白できないでいた。1980年の風かおる5月、三人が映画館でコメディを楽しんでいた時、外では悪夢の事件が起きていたのだった。


(c)2007 CJ Entertainment & KiHweck ShiDae. All Rights Reserved.

1980年5月18日、韓国・光州市。平和な町に住む市民の前に突然悲劇は起こった。二万五千余名の戒厳軍が民主化を求める学生らと衝突し、軍の弾圧は多くの市民を巻き添えにした。この<光州事件>は、情報操作により正確には伝えられなかった。韓国映画が取り持つ縁で、映画好きの私にとって韓国は身近に感じるようになった。しかしこの映画を観るまで、こんなにセンセーショナルなものだったとは知らなかった。
そういえば、2007年暮れに公開された『ユゴ 大統領有故』の事件(1979)を発端に、民主化運動が始まるが、クーデターで権力を握った新軍部勢力により、民主化の動きを封じ込めようと起きたのが、この光州事件。そして、その後の不穏な時代に「殺人の追憶」の事件が起きたのか・・・。

この作品で一番痛切に感じたことは、立てこもり戦い続けたミヌたちも、治安部隊の兵士たちも、貧しい庶民であり、同じ民族であること。約30年前の事件だが、その傷は癒えていないと思う。 イ・ジュンギの若々しい制服姿も、もちろん必見だが、この事件を真正面から捉え、当時そのままを再現し、かなり大勢の人々のシーンもCGを使わず作りあげた監督に頭がさがる。(美)

2007/韓国/カラー/121分/35mm/スコープサイズ/PG-12
配給:角川映画
http://www.may18.jp/
5月10日(土)より、新宿ガーデンシネマ・シネカノン有楽町・渋谷アミューズCQN 他全国ロードショー

back to top

最高の人生の見つけ方(原題:THE BUCKET LIST)

監督:ロブ・ライナー
脚本:ジャスティン・ザッカム
製作:クレイグ・ゼイダン、他
製作総指揮:トラビス・ノックス、他
撮影:ジョン・シュワルツマン,A.S.C.
美術:ビル・ブルゼスキー
編集:ロバート・レイトン
音楽:マーク・シェイマン
キャスト:ジャック・ニコルソン(エドワード・コール)、モーガン・フリーマン(カーター・チェンバーズ)、 ショーン・ヘイズ(カーターの秘書トマス)、ロブ・モロー(ホリンズ医師)、ビバリー・トッド(カーターの妻バージニア)ほか

勤勉実直な自動車整備工と、大金持ちの実業家。二人は偶然にも余命半年と言われ、同じ病院で同室になった。カーターには家族の親身な見舞いがあるが、エドワードはお金は腐るほどあるのに、見舞い客は秘書だけ。 なんの共通点もなかったが、二人を結び付けたのは<棺おけリスト>だった。
棺おけに入る前にやっておきたいことを書き出したリスト…。 その話題で親しくなり、二人の生涯最後の冒険旅行が始まったのだ。 棺おけに後悔を持ち込まないために、そして、最高の人生だったと心の底から微笑むために…。


(C)2005 Warner Bros. Entertainment Inc.

『死ぬまでにしたい10のこと』の23歳のアンを思い出した。彼女は余命約2ケ月と宣告された。 ジンジャー・キャンディの味と、彼女の書き綴った10のことが切なくて、今でも時々思い出す。
それと比べれば、この作品はとてもカラッとしていて、二人の意気のあった演技に魅了される。棺おけリストには
・荘厳な景色をみる
・赤の他人に親切にする
・涙が出るほど笑う・スカイダイビングをする
・マスタングを乗りまわす・ライオン狩りをする
・世界一の美女にキスをする
等々。まぁ、棺おけリストもお金次第と言ってしまえばそのとおりだが、もっと大切なことがあるんだよと教えてくれる場面もあり、ホロリとさせられた。(美)

2007年/アメリカ/カラー/ビスタサイズ/97分/
配給:ワーナー・ブラザース映画
http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/

5月10日(土) 丸の内ピカデリー他 全国ロードショー

back to top

P2

監督:フランク・カルフーン
脚本:フランク・カルフーン、アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール
製作総指揮:ボブ・ヘイワード、デイヴィッド・ギャレット、アリックス・ティラー
撮影監督:マキシム・アレクサンドルA.I.C.
美術:オレグ・ザヴィッキー
音楽:トマンダンディ
キャスト: レイチェル・ニコルズ(アンジェラ)、ウェス・ベントリー(駐車場の警備員トーマス)、サイモン・レイノルズ(上司ハーバー)、フィリップ・エイキン(ビルの警備員カール)

ニューヨーク、クリスマス・イヴの夜。高層ビルのオフィスで一人残業するアンジェラは、やっと仕事が片付き、たくさんのクリスマスプレゼントを抱え、地下駐車場へと向かう。しかし車の故障で、警備員のトーマスにタクシーを呼んでもらう。だが出口がロックされていた為、タクシーに乗れず、ビルからも出られなくなった。 再び、地下駐車場に戻ったアンジェラは、暗闇の中、背後から何者かに麻酔薬を嗅がされ気を失う。

スリル満点でゾクッとしました。 私の好きなリアル・サスペンスです。
犯人は確かに異常だ、しかし寂しさと積み重ねた想いがある・・・少し同情してしまう。一方、彼女にも性格に弱点があり、事を悪い方へと導く、負のオーラがあるのです。そこの描写がとても教訓的なのが面白かった。ビル地下のカー・チェイス、エレベーター内水浸しシーン等、見どころはあちこちにあり満足!音楽もなかなかの凝りようです! (美)

2007年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/SRD/1時間37分/
配給:ムービーアイ
http://www.p2-movie.jp/
5月10日(土)より シアターN渋谷、銀座シネパトス他 全国ロードショー

back to top

ハンティング・パーティ

監督:リチャード・シェパード
原案:スコット・アンダーソン
撮影監督:デヴィッド・タッターサル
編集:キャロル・クラヴェッツ
音楽:ロルフ・ケント
キャスト: リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ、ダイアン・クルーガー、リュボミール・ケレケス、ディラン・ベイカー他

ボスニア戦争終結から5年後の、2000年サラエボ。
記念式典の取材のため、5年ぶりにサラエボに降り立った元戦場カメラマンのダック(テレンス・ハワード)。 そこには、かつての相棒サイモン(リチャード・ギア)が待ちかまえていた。サイモンは戦場リポーターの頂点に輝きながら、上司との衝突で破滅し消息を断っていた。その姿は、過去の栄光の面影もなく、うらぶれていた。驚くダックに、サイモンは「ぶっ飛ぶようなネタがある」と言う。
そのネタは、500万$の報奨金がかけられている重要戦争犯罪人フォックスの居場所だった。ダックは半信半疑ながら、新米プロジューサー(ジェシー・アイゼンバーグ)と3人で潜伏予想地・チェレビチを目指す。


(c)2007 IM Filmproduktions GmbH All Rights Reserved

まず最初、字幕で「この映画で、まさか?と思われることは、すべて事実である」と知らされる。身を乗り出してしまった。 緊張とスリルとスピード感ある展開の中で、数々の「まさか」に遭遇する。
2007年に公開された『サラエボの花』『カルラのリスト』…そして、今年5月に公開されるこの『ハンティング・パーティ』。 ボスニア紛争をそれぞれ違う角度で描き、戦争が遺した傷痕、陰謀、裏社会の取引、驚愕の事実を教えてくれる。
サイモンを演じるリチャード・ギアは、言うまでもなくハリウッド・スターとして輝かしいキャリアの男優ですが、私生活において、熱心な人権活動家でもあるのです。この役には彼自身、相当な思い入れがあったのではと感じました。(美)

*2007年ヴェネチア映画祭正式招待作品
2007/アメリカ/カラー/シネマスコープ/SRD/103分/字幕翻訳:戸田奈津子

公式 HP >> http://www.huntingparty.jp/

★2008年5月10日(土)より シャンテシネ、新宿武蔵野館、他、全国ロードショー

丘を越えて

監督:高橋伴明
脚本:今野勉
原作:猪瀬直樹「こころの王国」(文春文庫)
出演:西田敏行、池脇千鶴、西島秀俊、余貴美子、島田久作、猪野学 ほか

昭和の初め、モダン文化の花開く東京にあって、江戸の情緒が残る竜泉寺町に育った細川葉子は、女学校を卒業し、就職先を探している。友人の紹介で文藝春秋社の面接を受けに行くと、入り口で少しキザな美青年に声をかけられる。彼の名は馬海松。朝鮮の貴族の出身で、編集員の一人だった。「編集長はダメだと言うだろうが、社長は君を気に入るだろうな」という彼の言葉通り、彼女は社長・菊池寛の個人秘書として雇われる。菊池の元で経験するのは、それまでまるで縁のなかったモダンできらびやかな生活。また、菊池本人の不思議な人間的魅力に接する中で、次第に女流作家になりたいという夢をふくらませる。菊池は彼女の伸びやかな個性に愛おしさを感じる。一方、面接の日に出会った馬も彼女への興味を隠さず、彼女も馬に惹かれていく。

「真珠夫人」のベストセラー作家であり、芥川賞や直木賞の創設者、文藝春秋社社長であり、大映の社長でもあった菊池寛。世の中を冷静に観察する目を持つ一方で、破格の人情家。モダン文化を謳歌、推奨しながら、ひどくだらしのない一面もありと、矛盾だらけだが魅力的な人物です。演じる西田敏行は本人と風貌がよく似ていることもあって、ぴったりです。朝鮮の貴族(両班)出身の馬海松を演じる西島秀俊は、クラシックなスーツがよく似合い、拳法まで使ってどえらいかっこよさ。しかし、話の中心となる細川葉子の人物像がもや〜っとぼやけていて、残念です。彼女の着こなす着物や昭和モダンのファッションがとってもキュート。(梅)

2008年/日本/35mm/カラー/アメリカンビスタ/DTSステレオ/114分
製作 :「丘を越えて」製作委員会
配給 :ゼアリズエンタープライズ/ティ・ジョイ

公式 HP >> http://www.okaokoete.com

★5月17日(土)ロードショー! シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか

マンデラの名もなき看守(原題:GOODBYE BAFANA)

監督:ビレ・アウグスト
製作:ジャン=リュック・ファン・ダム、他
製作総指揮:カミ・ナーディ、他
脚本:グレッグ・ラッター、ビレ・アウグスト
撮影:ロバート・フレイス
美術:トム・ハンナム
衣装:ダイアナ・シラーズ
メイク・ヘアデザイン:ピア・コーネリアス
音楽:ダリオ・マリアネッリ
キャスト:ジョセフ・ファインズ(ジェームス・グレゴリー)、デニス・ヘイスバード(ネルソン・マンデラ)、ダイアン・クルーガー(グロリア・グレゴリー)、フェイス・ンドゥクワナ(ウィニー・マンデラ)、パトリック・ライスター〈ジョルダン少佐)ほか

看守のジェームス・グレゴリーは人種差別主義者。しかし、1968年の南アフリカでは、当たり前のことだった。アパルトヘイト政策により、黒人には投票権がなく、住居、就職、教育でも差別されていたのだ。
グレゴリーは国内一の刑務所のあるロベン島に赴任した。ジョルダン少佐から、ネルソン・マンデラの担当に抜擢される。グレゴリーがマンデラの故郷の近くで育ち、彼らの言葉、コーサ語がわかるので、秘密の会話をスパイするためだった。妻のグロリアと共に、異例の出世を喜ぶグレゴリー。まさか、これがマンデラとの長い長い付き合いの始まりとは思いもしなかった。


(C) ARSAM INTERNATIONAL,CHOCHANA BANANA FILMS,X-FILME CREATIVE POOL,FONEMA,FUTURE FILM FILM AFRIKA

南アフリカ共和国で、黒人の自由と権利 獲得するために闘い続け、初の黒人大統領になったネルソン・マンデラ。2008年に90歳になったマンデラが、初めて自分の人生の映画化を許可した記念すべき映画です。この映画では、マンデラが表舞台で活躍する以前の<27年間の囚われていた時代>が描かれています。
マンデラやその妻ウィニーの誇り高く、気品のある態度。出世欲旺盛なグレゴリーが、マンデラの気高い魂に傾倒していく様子に胸を打たれました。お互いに最も大切な宝を亡くすという共通の苦しみを乗り越え、相手の気持ちを、唯一理解し合う友として別れますが、感動しました。歴史的な勉強にもなりました。
また、亭主の出世に一喜一憂する妻グロリアには、始め観ていてイライラしましたが、挫折や、まわりから無視された時も、グレゴリーを信じ支えていました。一番成長し、変わったのは彼女なのではないでしょうか。(美)

2007年/仏、独、べルギー、伊、南ア合作/カラー/117分/シネスコ/ドルビーデジタル
配給・宣伝:ギャガ・コミュニケーションズ

公式 HP >> http://mandela.gyao.jp/

★2008年5月17日(土)より、シネカノン有楽町1丁目、渋谷シネマGAGA 全国順次ロードショー

春よこい

監督:三枝健起
原作:中村努
脚本:中村努、いながききよたか
撮影:藤澤順一
音楽:三枝成彰
主題歌:夏川りみ「だいじょぶ、だいじょうぶ」
出演:工藤夕貴(尾崎芳枝)、西島秀俊(岡本利夫)、時任三郎(尾崎修治)、小清水一揮(ツヨシ)、吹石一恵(岡本先生)、犬塚弘(尾崎一平)、宇崎竜童(安藤刑事)、高橋ひとみ(清水聡美)ほか

佐賀の漁師町で貧しいながら暖かい家庭を築いていた尾崎一家。4年前、誤って借金の取立人を死なせてしまった夫修治は、逃亡したまま帰ってこない。残された芳枝は年取った義父一平と9歳になった息子ツヨシを抱えて、必死で働き続けていた。交番の手配書が張り替えの時期になり、ツヨシは「父ちゃんの顔を忘れそうだ」と修治の手配写真を見ている。新聞社の支局の岡本は、そんなツヨシの姿をそっと撮り、父親が現れるのではないかと記事にした。小さな町は蒸し返された事件の話でもちきり、芳枝はパート先をやめざるを得なくなる。


(C)2008 映画「春よこい」製作委員会

『オリヲン座からの招待状』(07)の三枝健起監督作品。一家の大黒柱が抜けてしまった穴は大きい。いくら動転して逃げたとしても、過失致死なら自首すれば刑は軽くなるはず。4年も音沙汰なしだなんてあんまりじゃないの、働いてるなら送金してやれ〜!留守を守る芳枝に甘えるんじゃない〜!と怒り半分。
記事を書いた後のことを考えない新聞記者や、のんきな警察、あれこれ変なところは多いけれど、小清水一揮くんは可愛かった。(梅)さんは岡本兄妹の「微妙さ」が気になってしまったそうです。(白)

2008年/日本/カラー/1時間48分/
配給:東映
http://www.harukoi.com/

5月24日より佐賀先行ロードショー、6月7日"幸せを届ける"全国ロードショー!

back to top

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼(原題:Mr. Brooks)

監督:ブルース・A・エヴァンス
製作:ケヴィン・コスナー
脚本:レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エヴァンス
撮影: ジョン・リンドレー
音楽: ラミン・ジャワディ
出演: ケヴィン・コスナー(アール・ブルックス)、デイン・クック(スミス)、デミ・ムーア(アトウッド刑事)、ウィリアム・ハート(マーシャル)、マージ・ヘルゲンバーガー(エマ・ブルックス)、ダニエル・パナベイカー(ジェイン・ブルックス)ほか

ポートランドで若いカップルの銃殺死体が発見された。現場に残された被害者の血でつけられた指紋に、警察は騒然とする。いまだ逮捕どころか、犯人を確定することさえできない連続殺人鬼のしわざとわかったからだ。その正体は実業家として成功をおさめ、良き家庭人としても知られるアール・ブルックス。彼は殺人鬼という裏の顔を誰にも知られずにいたが、このときだけミスを犯していた。現場のカーテンが開いていて、向かいのビルから隠し撮りをしている男がいたのだ。彼はブルックスに接触を試みる。


(c)2007 ELEMENT FUNDING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エヴァンスは、『スタンド・バイ・ミー』の脚本家として知られています。「最も恐ろしい中毒症とは何か?」と考えたことから、このダークな物語が始まったと言います。2面性を持ったアール・ブルックスを演じるのは、自ら進んで制作にも加わったケビン・コスナー。ブルックスの闇の部分を担うマーシャルをウィリアム・ハート。面白い設定です。パワフルな女性刑事をデミ・ムーア。若い夫から離婚の慰謝料を執拗にせまられているのがなんだかおかしいです。デミ・ムーアは16歳年下のアシュトン・カッチャーとカップルなので、ちょっとそっちへ想像がいったりして。 殺人中毒症の実業家がいつまで逃げおおせるのか、どんな鉄槌がくだるのかは、劇場でご確認ください。(白)

2007/アメリカ/カラー/120分/スコープサイズ/
配給:プレシディオ 宣伝:アルシネテラン
http://www.mrbrooks.jp/

5月24日(土)〜渋谷Q−AXシネマほかにてロードショー

back to top

山のあなた 徳市の恋

監督・編集・脚色:石井克人
製作:亀山千広
脚本:清水宏
撮影:町田博
録音:森浩一
美術:都築雄二
衣装:川崎健二
キャスト: 草なぎ剛(徳市)、加瀬亮〈福市)、三沢美千穂(マイコ)、堤真一(大村真太郎)、広田亮平(真太郎の甥)

目の不自由な按摩の徳市と福市は、山の温泉場に向かっていた。二人は前を歩く人の人数、性別、どこから来たかも嗅ぎ分けられる鋭い勘の持ち主であった。彼らの横を馬車が通り過ぎたが、瞬時にその中に都会の女の匂いを感じ取っていた。
温泉場の按摩宿泊所に落ち着いた徳市たちは、客から声がかかり出かけると、そこには都会の匂いのする女、美千穂がいた・・・徳市の淡く、切ない恋のはじまりだった。


(C)2008 フジテレビジョン・J-dream・東北新社・東宝

1938年製作、清水宏監督「按摩と女」のカヴァー作品です。
『茶の味』の石井克人監督は、清水監督作品を何本も観ているうちに自分が目指す演出方法との接点を見つけ清水監督の持ち味そのままを、カラーにかえて作ることを思いついたそうです。
清水監督の作品は未見ですが、SMAPの草なぎ剛と加瀬亮の盲人役はうまい!!の一言。美千穂のたおやかさ・・・着物のはんなりとした配色の素晴らしさは衣装の川崎氏に脱帽です。 昔の温泉場にタイムスリップした<湯けむり映画>を体感してください。(美)

2008/日本/カラー/94分/ヴィスタ・サイズ/
配給:東宝
http://yamano-anata.jp/

5月24日(土曜)東宝系ロードショー

back to top

幻影師アイゼンハイム(原題:THE ILLUSIONIST)

監督・脚本:ニール・バーガー
原作:スティーヴン・ミルハウザー
『幻影師、アイゼンハイム』(『バーナム博物館』白水Uブックス所収)
撮影:ディック・ポープ
衣装デザイン:ナイラ・ディクソン
音楽:フィリップ・グラス
出演:エドワード・ノートン(アイゼンハイム)、ポール・ジアマッティ(ウール警部)、ジェシカ・ビール(ソフィ)、ルーファス・シーウェル(皇太子レオポルド)、エディ・マーサン(興行師フィッシャー)、ジェイク・ウッド(ヤルカ)、トム・フィッシャー(ウィリグート)、アーロン・ジョンソン(若きアイゼンハイム)ほか

すべてを欺いても手に入れたいもの、それは君。

19世紀末、ハプスブルグ帝国末期の芸術の都ウィーンでは、大掛かりな奇術=イリュージョンが一世を風靡していた。なかでもアイゼンハイムという幻影師が一番の人気で、ある晩皇太子の観覧するところとなった。観衆の見守る中、皇太子の婚約者の公爵令嬢が舞台に上がる。彼女はアイゼンハイムが少年の頃出会い、互いに思いを寄せ合いながらも身分の違いから引き裂かれたソフィであった。

短編の原作を長編映画として撮るためには、登場人物を増やし、視点を変え、物語を深めてゆく作業をするそうです。この作品は幻想と現実を織り交ぜて、たくみなストーリーを作り、観客をもその幻影師の虜にします。エドワード・ノートンはイリュージョンの技術とパフォーマンスを特訓し、350人のエキストラと現場のスタッフを完全に煙に巻き、驚愕させたほど上達したそうです。
ウール警部役のジアマッティが、皇太子に忠誠を誓いながらアイゼンハイムに魅せられてゆくさま、彼の軽妙で憎めないキャラにこちらも思わずニヤリとします。スティーブン・キングが「何度でも観たくなる!」とベストテンに推したという意味がわかるラスト。どのシーンもお見逃しなく。(白)

2006/アメリカ、チェコ/カラー/109分/ビスタ/SR−D/SDDS
配給:デジタルサイト、デスペラード
http://www.geneishi.jp/
5月24日(土)よりシャンテシネ、シネマート新宿にて"喝采"のロードショー

back to top

今、愛する人と暮らしていますか?

監督:チョン・ユンス
脚本:キム・ソンミ、キム・ジン
撮影:カン・スンギ
プロダクション・デザイン:キム・シヨン
音楽:チョン・ジェヒョン
出演:イ・ドンゴン(パク・ヨンジュン)、オム・ジョンファ(ソ・ユナ)、ハン・チェヨン(ハン・ソヨ)、パク・ヨンウ(チョン・ミンジェ)ほか

建設会社の取締役のヨンジュン、インテリアの店を経営するソヨは若いセレブ夫婦。いつも元気なユナとホテルマンのミンジェは妻主導型の夫婦。共通の友人のバーで知りあった二組は、互いに惹かれるものを感じていた。ソヨとミンジェは、たまたま同じ時期に出張した香港で出会う。そのころ、ヨンジュンとユナは反発しながら強烈な印象を抱いていた。二組のカップルの想いは、それぞれのパートナーに知られないまま交錯していく。

早く言っちゃうとW不倫というかX不倫というか、二組の夫婦が互いの相手と付き合ってしまうというものです。こんなことってあるのかしらん?先行きが気になる連続ドラマのような展開です。秘密を知った共通の友人がパニックになるところがおかしかったです。熱い想いも時間がたてばさめていくもの。何十年と夫婦でいるのは、そこのところを乗越えてきたわけです。気持ちに正直で、生活力がある人が増えたことが、離婚を急増させたのでしょう。この二組の顛末は劇場でご覧下さい。韓国ではラブシーンが話題になったそうです。ファンの方はちょっとクラクラするかも。(白)

2007/韓国/カラー/116分/ドルビーSRD
配給:ツイン 宣伝:フリーマン

5月25日(日)〜TOHOシネマズ六本木ヒルズにてモーニングロードショー

公式 HP >> http://www.aisuruhito.jp/

back to top

ラスベガスをぶっつぶせ(原題:21)

監督:ロバート・ルケティック
脚本:ピーター・スタインフェルド、アラン・ローブ
製作:ケヴィン・スペイシー、ディナ・ブルネッティ、他
製作総指揮:ウィリアム・S・ビーズリー、他
撮影:ラッセル・カーペンター、ASC
美術:ミッシー・スチュワート
衣装:ルカ・モスカ
音楽:デヴィッド・サーディ
カード・コンサルタント:カイル・モリス
原作:ベン・メズリック
出演:ジム・スタージェス(ベン・キャンベル)、ケイト・ボスワース(ジル・テイラー)、アーロン・ヨー(チョイ)、ライザ・ラピラ(キアナ)、ジェイコブ・ピッツ(フィッシャー)、ジョシュ・ガッド(マイルス)、サム・ゴルザリ(キャメロン)、ローレンス・フィッシュバーン(コール・ウィリアムス)、ケヴィン・スペイシー(ミッキー・ローザ)

MIT(ボストンのマサチューセッツ工科大学)で優秀な成績を収め、前途洋々の学生ベン・キャンベルは、ハーバード大学医学部に進学し医師への道を歩むのが夢だった。その為には、学費30万ドルを用意しなければならない。母子家庭のベンにとってあまりにも巨額な為、スーツ・ショップてアルバイトをしているが、到底追い付かない金額だ。ある日、ベンの天才的な数学力を見込んだミッキー・ローザ教授から声をかけられる。彼の教室に行くと、内密でブラックジャックの必勝方法をグループで研究、訓練をしていた。迷いに迷った彼は、学費の為と割り切って、週末にチームでラスベガスに乗り込むのだった。


天才的頭脳でブラックジャックを勝ち続けるグループ対カジノのルール違反を取り締まるチームの攻防を軸に、仲間の諍い、貧乏な時代の親友との感情のずれ、良心の痛み、ミッキー教授への不信などが、ラスベガスの超豪華なホテルやカジノを舞台に繰り広げられます。ベン役のジム・スタージェス、期待の新星です。眼差しに情があります。ガリ勉で真面目なベンが、だんだんギャンブラーに変身していく姿を、母親の気持ちで心配してしまいました。製作にも名前を連ねているミッキー・ローザ教授こと、ケヴィン・スペイシー・・・『セブン』からの大ファンです。演技はもちろんのこと、彼の柔らかく、輝きのあるビロードの声も堪能してください。(美)

2008年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/122分/
字幕翻訳:菊池浩司
配給:ソニー・ピクチャーズ
http://www.sonypictures.jp/movies/21/index.html
5月31日土曜日 有楽座他、全国ロードショー

back to top

シューテム・アップ

監督・脚本:マイケル・デイヴィス
製作:スーザン・モントフォード、他
製作総指揮:ダグラス・カーティス、他
撮影:パーター・パウ
美術:ゲイリー・フルトコ
衣装:デニーズ・クローネンバーグ
音楽:ポール・ハスリンガー
銃器スペシャリスト:チャールズ・テイラー
出演:クライヴ・オーウェン(スミス)、モニカ・ベルッチ(ドンナ"DQ")、ポール・ジアマッティ(ハーツ)、スティーブン・マクハッティ(ハマーソン)、グレッグ・ブライク(ローン・マン)、ダニエル・ピロン(ラトリッジ上院議員)

ここはニューヨークの暗黒街。ブラック・レザーに身を固めた一匹狼のガンマン、スミス。彼は、妊婦から死に際に託された赤ん坊を守るため、馴染みの娼婦ドンナと共に、ハーツ率いるマフィアに決死の戦いを挑む。しかし、 マフィアの背後にはさらなる巨大な陰謀が隠されていたのだ。なぜ赤ん坊が狙われるのか…。思わぬ成り行きに、スミスとドンナはガン&ベイビーを抱えて、群がる敵を蹴散らして行く。


ゲーセンに行くと必ずある、悪者が出て来たら、いち早く撃つゲーム。あのゲーム好き!って方にオススメです。撃って、撃って撃ちまくるガン・アクション!銃弾2万5千発…何人お亡くなりになったか数え切れません。しかし、マカロニ・ウェスタン調の音楽がとてもリズミカルで、惨いはずのシーンも湿り気はありません。
にんじんを生でポリポリしただけで、あんなに大立ち回りできるスミス。マフィアの親分だけど恐妻家のハーツ。それに、赤ん坊を見つめるドンナの美しさ・・・。それぞれに隠された秘密がありそうです。(美)

2007年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/SRD/86分/R‐15/
字幕:風間綾平
配給:ムービーアイ
http://www.shootemup.jp/
5月31日(土)〜 渋谷東急、109シネマズ×ユナイテッド・シネマほか全国ロードショー

back to top

幸せになるための27のドレス

監督:アン・フレッチャー
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
製作:ロジャー・バーンバウム、他
美術:シェパード・フランケン
衣装:キャサリン・マリー・トーマス
音楽:ランディ・エデルマン
キャスト:キャサリン・ハイグル(ジェーン)、ジェームス・マーズデン(ケビン)、テス(マリン・アッカ−マン)、ジュディ・グリア(ケイシー)、エドワード・バーンズ(ジョージ)ほか

主人公ジェーンは充実した仕事と、友達の結婚式の世話役に追われる日々。クローゼットにはブライドメイド(結婚式の友人代表用のドレス)がなんと27着!だが、こと自分のこととなると奥手で夢見がちな女性だった。
ふとしたきっかけでジェーンを知ったライターのケヴィン(ジェームズ・マーズデン)は、彼女のことを記事にしようと企てる。そんなある日、セクシーで積極的なジェーンの妹テスが、ジェーンの片思いの上司に急接近。あっという間に彼をおとしたテスは結婚式の世話役をジェーンに頼むと言い出した・・・。


(C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX

主演は、TVシリーズ「グレイズ・アナトミー」でエミー賞を獲得したキャサリン・ハイグル。特別美人!ってことないですが、表情がとても豊かです。特に焦っている時や、何よ!と怒った時など格別です。
さて、私ごとですが、6月に娘がシドニーでガーデンウェデングを挙げます。随分前から招待状つくりやブライドメイドのドレスの注文などいろいろな方のアドバイスを受けながら準備をしています。えっ、そんなこともするの?売ってないの?など、わからないことだらけでしたが、これを観て納得!日本ではほとんどが式場で用意されているものの中からチョイスするだけですが、とてもお国柄の違いがわかりました。27のドレスは見ようによっては、個性的過ぎるんじゃない?ってのもありましたが、それぞれのカップルの想いが込められた最高の装いだったのですね。(美)

2008年/アメリカ/カラー/シネスコ/111分/
配給:20世紀フォックス
http://movies.foxjapan.com/27dress/

2008年5月31日 日比谷みゆき座他全国ロードショー

back to top

アウェイ・フロム・ハー 君を想う(原題:Away from Her)

監督・脚本:サラ・ポーリー
製作総指揮:アトム・エゴヤン
製作:ダニエル・アイロン、シモーン・アードル、ジェニファー・ワイス
撮影:リュック・モンペリエ
音楽:ジョナサン・ゴールドスミス
美術:キャスリーン・クリミー
キャスト:ジュリー・クリスティ(フィオーナ)、ゴールド・ビンセント(グラント)、オリンピア・デュカキス(マリアン)、オーブリー(マイケル・マーフィ)ほか

グラントとフィオーナは結婚して44年になる。心身共に満ち足りた生活を送っていたが、フィオーナにアルツハイマー型認知症の兆候が出てくる。グラントは辛抱強く妻を介護し見守るが、困惑するフィオーナは、老人介護施設の入所を自ら決意する。 その施設は生活に馴染む為、入所してから30日間家族の面会や電話が禁止だと聞いたグラントは、入所を躊躇するが、フィオーナの意志は変わらなかった。1ケ月後、フィオーナは夫を覚えておらず、車椅子の男性オーブリーをまるで自分の恋人のように世話をする姿に、グラントはショックを隠せなかった。


(c)2006 The Film Farm/Foundry Films/pulling focus pictures

女優サラ・ポーリーといえば『死ぬまでにしたい10のこと』『アメリカ、家族のいる風景』『あなたになら言える秘密のこと』の個性的な演技で知られている。その彼女の長編初監督作品は、不思議な縁で交差する二組の夫婦を通して、わかり合えない苛立ちと孤独の厳しい現実をみせてくれる。
女性監督ならではのセリフがあった。介護施設の女性が、グランドに「過去を振り返って、悪い人生じゃなかった!と言うのはみんな男。あなたの奥様はそうじゃなかったかもね」と言わせている。夫婦が長く一緒に生活し仲良く見えていても、きっとこんな思い違いや、心のしこりはあるに違いない・・・と感じた。この作品、是非ご夫婦でご覧ください!!人生、変わるかも・・・。(美)

30前のサラ・ポーリーがなぜ老夫妻の話を?と不思議でした。原作はアリス・マンローの 「クマが山を越えてきた」(新潮社刊「イラクサ」所収の短編)です。1931年生まれのマンローが70歳で発表した作品を、若い監督がどう映像化したのか楽しみに観ました。皮肉で切ない映画でした。ジュリー・クリスティはこの演技でゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞。1941年生まれですがとてもエレガント。『月の輝く夜に』(もう20年前!)の母親役が印象深いオリンピア・デュカキス(1931年生まれ)も元気です。変わらないなぁ。(白)

2006年/カナダ/カラー/ビスタ/110分/字幕スーパー翻訳:古田由紀子
ヘキサゴン・ピクチャーズ
http://www.kimiomo.com/

5月31日(土)より、銀座テアトルシネマにてロードショー

back to top

おいしいコーヒーの真実(原題: Black Gold)

監督・プロデューサー:マーク・フランシス、ニック・フランシス
音楽:アンドレアス・カプサリス
出演:タデッセ・メスケラ他

世界中で愛飲されているコーヒー。全世界での1日あたりの消費量は約20億杯。コーヒーの取引規模は石油に次ぐという。本作では、コーヒーの原産国で世界第2位の収穫量を誇るエチオピアで、74000人以上のコーヒー農家を束ねるオロミア州コーヒー農協連合会の代表タデッセ.メスケラが奔走する姿を追いながら、貧困にあえぐコーヒー農家の実態や、世界のコーヒー市場の仕組みを描き出していく。

コーヒーが西欧社会に入ってきたのは、1683年。ウィーン近くまで迫ったオスマントルコ軍が撤退した後に残されていたのが緑色のコーヒー豆。初めは駱駝の餌と思われたとの話も伝わっていますが、これがウィーンでカフェ文化として花開く元となりました。トルコやアラビアでの飲み方とは違う形で西欧社会に定着し、今やコーヒー店チェーンが世界規模で席捲。けれども、例えば1杯330円のトールサイズのコーヒーの内、コーヒー農家に支払われる金額は、わずか、3〜9円。かつての西欧諸国の植民地政策や、資本主義経済のひずみが、このような不公平を生み出しているのではないでしょうか。監督の二人は、公正な取引(フェアトレード)の必要性を人々に訴えるために、親しみやすいコーヒーを選んだといいます。

普段、八百屋さんで野菜を買う時、安ければ嬉しいけれど、こんなに安くて農家は大丈夫だろうかと心配になることがあります。さらに、高くても果たしてそれなりに作った人の収入になっているのだろうかとも思います。貧困にあえぐ人たちの自助努力に対し、正当に報いることができるような仕組みはどうしたら実現するのでしょう。本作では、提言だけに終わっているのがちょっと残念です。でも、第一歩!(咲)

2006年/78分/イギリス・アメリカ/オリジナル言語:英語・アムハラ語・イタリア語/16:9/ VIDEO/ステレオ/カラー
配給・宣伝:アップリンク

公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/

★2008年5月31日より、渋谷アップリンクXほか全国にて順次公開

秘密結社 鷹の爪 THE MOVIEII〜私を愛した黒烏龍茶〜

同時上映『古墳ギャルのコフィー 12人と怒れる古墳たち
監督・脚本・Flash・編集・声の出演など: FROGMAN(フロッグマン)
声の出演:滝口順平、銀河万丈、野沢雅子他
主題歌: the HOOSiERS (UKチャートNo.1!)

世界征服をたくらむベンチャー秘密結社“鷹の爪”。そして、彼らの野望を阻む正義の味方・デラックスファイター。何をやっても失敗ばかりの鷹の爪団と、正義なのかよくわからないヒーローとのやり取りを描いた世界征服コメディ。
2006年にテレビの深夜枠で放送を開始し人気を呼んだ、史上初のFlashアニメTVシリーズ「秘密結社 鷹の爪」の劇場版第2弾。劇場版第1作目の前作『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE〜総統は2度死ぬ〜』はNY国際インディペンデント映画祭にてアニメーション最優秀作品賞、国際アニメ?ション最優秀監督賞の2部門を受賞の快挙を達成!

究極の「参加型エンタテインメント・ムービー」を目指したという本作。画面右手に常時出ている使った予算が一目でわかる「バジェットゲージ」に、ついつい目がいきます。スポンサー名が画面に出てくると予算が増えたり、凝った画像の時にはぐっと予算が減ったりと、ゲージを見ているだけでも笑えます。そして突然挿入される「告白タイム」。第一弾では1組の夫婦が誕生したとか。今回新登場した「リラックスタイム」には、思わず騙されます。

テーマは、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIEII〜私を愛した黒烏龍茶〜』が金融問題、同時上映『古墳ギャルのコフィー 12人と怒れる古墳たち』は、2009年から開始される裁判員制度。時事問題を取り入れつつ、監督の出身地で今も住む島根県をしっかりPRしながら笑わせてくれます。「鷹の爪」の主人公・吉田くんが、島根県知事より直々に『島根Super大使」に大抜擢されたとか。実は私の祖父母は父方母方共に島根県。最過疎県と言われ、影の薄い島根県を大いにアピールしてくれて、島根県人の血を引く私としても嬉しい限りの映画です。(咲)

2008年/日本/90分
配給・宣伝:株式会社ディー・エル・イー

公式 HP >> http://www.takamovie.jp/

★5/24よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開
 5/31より無理なく計画的に全国ロードショー!

シークレット・サンシャイン(原題:密陽(ミリャン))

監督・脚本:イ・チャンドン
原作:イ・チョンジュン「虫の物語」
撮影:チョ・ヨンギュ
美術:シン・ジョムヒ
音楽:クリスチャン・バッソ
出演:チョン・ドヨン(イ・シネ)、ソン・ガンホ(キム・ジョンチャン)、ソン・ジョンヨプ(ジュン)、チョ・ヨンジン(パク・ドソプ)、キム・ヨンジェ(イ・ミンギ)、ソン・ミリム(チョンア)ほか

シネは息子のジュンと二人、 亡くなった夫の故郷のミリョンに引越してきた。途中で車が動かなくなり、レッカー車を呼ぶとやってきたのは、独身で車の修理工場を営んでいるジョンチャンというぶっきらぼうな男。ピアノ教室を始めたいというシネに不動産やを紹介し、なにかと世話を焼くのだがシネは気にも留めない。穏やかな日が始まったかにみえたある日、ジュンが行方不明になり、シネに脅迫電話がかかってきた。預金をありったけ引き出して約束の場所へ届けたが、ジュンは戻らなかった。夫を亡くし再出発をしようと、精一杯彼女なりの「武装」をしたことが裏目に出てしまったのだった。



COPYRIGHT©2007 CINEMA SERVICE CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED

韓国はクリスチャンが多いそうで、絶望に沈んだシネも近所の信者から教会へ誘われます。賛美歌を聞き、初めて声を上げて泣いたシネは、重い重い枷が外れたように見えます。が、ことはそう簡単に進みません。揺れ続けるシネを演じるチョン・ドヨンは鬼気迫るものがありました。シネに俗物と言われても、彼女を思うジョンチャン役のソン・ガンホが、愚直な愛情を見せてとても良いです。こういう人にそばにいてもらえば幸せなのに、きっと逆のタイプに惹かれてきたシネだったんでしょう。冒頭からラストまで、タイトルどおり降り注ぐ光がとても印象的です。2時間半近くの長さを少しも感じませんでした。(白)

2007/韓国/カラー/142分/シネマスコープ/ドルビーSRD/
配給:エスピーオー
http://www.cinemart.co.jp/sunshine/

6月7日(土)〜シネマート六本木ほか全国順次ロードショー

back to top

休暇

監督:門井肇
製作:野口英一、小池和洋
原作:吉村昭(短編集「蛍」より)
脚本:佐向大
音楽:延近輝之
撮影:沖村志宏
美術:橋本千春
刑務関係アドバイザー:坂本敏夫
キャスト:小林薫(平井、看守部長)、西島秀俊(金田、死刑囚)、大塚寧々(美香、平井の妻)、大杉漣(三島、副看守長/平井の上司)、宇都秀星(達哉、美香の連れ子)

真面目で寡黙なベテラン刑務官平井は、シングルマザーの美香と近々結婚する。気掛かりは、美香の連れ子達哉と打ち解けてないことだ。三人でどこか新婚旅行に行きたいが、平井の母の葬儀で有給休暇を使い切ってしまった。当分お預けだ。そこに、彼が勤める刑務所で三年ぶりに死刑執行の命令がくだる。執行の際、「支え役」をすると一週間休暇を与えられると聞く。誰もが嫌がる役目だ。彼は考えた末、その休暇で新婚旅行に行こうと、自らその役を名乗り出た。


(C)「休暇」制作委員会

つい最近『歓喜の歌』で小林薫が市民会館の職員を軽妙に演じた。この時も公務員で、今度も公務員。小林薫は短い期間で、一番暇な公務員(映画ではドタバタしていたが)と、一番心身ともに辛い公務員を演じたわけですね。
しかし、何を支えるの? 知りたい! 見てみたい!こんなに試写が待ち遠しい作品はなかった。静かな映画で、思っていたほど恐くはなかった。しかしすっごく緊張した。そのピーンと張り詰めた緊張感は最後まで切れることなかった。これから新しい家族で生きて行こうとする男と、死に直面した男の偽りのない葛藤が繊細に描写されている。門井監督は前作「棚の隅」 同様、男の微妙な心のゆれを的確に捉えることのできる若手監督。
ストーリーを読んだだけで「私は観ないわ」なんて言わないで、恐がらずに映画館に足を運んでほしい。期待どおりの作品で、後味も悪くない。(美)

死刑囚の中には、自分の罪を反省することのないまま執行される人もいるでしょうし、この映画の金田のように罪の重さを認識して刑に服する人もいるでしょう。遺族に対して何の謝罪もないまま、ある日突然その死が知らされても、果たしてそれは遺族や関係者にとって解決になるのでしょうか。一方、罪を認識して反省し、生まれ変わった人間に、なおも死を与えることは妥当なのでしょうか。いとも簡単に人を殺す事件が相次ぐ昨今ですが、これは死刑という制度を通して、人の命の重さをじっくりと考えさせてくれる作品です。(梅)

2008年/日本/カラー/ヴィスタサイズ115分
http://www.eigakyuka.com/

★6月7日より有楽町スバル座ほか全国ロードショー

back to top

美しすぎる母(原題:SAVAGE GRACE)

監督:トム・ケイリン
脚本:ハワード・A・ロッドマン
原作:「SAVAGE GRACE」ナタリー・ロビンズ&スティーヴン・M・L・アロンソン
撮影:フアン・ミゲル・アスピロス
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:ジュリアン・ムーア(バーバラ)、エディ・レッドメイン(トニー)、スティーヴン・ディレイン(ブルックス)、ヒュー・ダンシー(サム)、エレナ・アラヤ(ブランカ)、ウナクス・ウガルデ(ジェイク)ほか

=実話に基づく、時代の闇に埋もれた衝撃のスキャンダル=

貧しい家庭で育ったバーバラはその美貌を武器に、憧れの上流階級の妻の座を手に入れる。夫のブルックスは、ベークライトを発明し、一代で財を成したレオ・ベークランドの孫。ベークランド家は2代目のジョージが家業に失敗し、家を傾けていたが、いまだ上流階級であることにはかわりはない。名士のカードを収集するバーバラは、劣等感をおくびにも出さず、艶然と微笑み上流社会を泳ぎ回る。しかし優雅なたたずまいの裏には、生来の野蛮さが隠されていた。待望の息子トニーも産まれ、幸せを満喫する日々だったが、夫婦間の溝は少しずつ大きくなっていた。


(c) Lace Curtain, Monfort Producciones and Celluloid Dreams Production

原題の直訳は「野蛮な優美さ」。相反するこの二つを合わせ持ったバーバラを、数々の賞に輝くジュリアン・ムーアが演じます。激しすぎる母親と冷たい父親の間にいて、心のバランスを失っていく息子をエディ・レッドメイン。実話を元にした小説が原作。100年ほどのストーリーがある原作から、バーバラに関わるエピソードを選び出して映画としたそうです。悲劇的な結末を迎えるストーリーなので、見終わって晴れ晴れとはしません。それは俳優の演技が素晴らしいからかも。(白)

2007/スペイン、フランス、アメリカ/1時間37分/ヴィスタ/ドルビーデジタル/R-18
配給:アスミック・エース
http://utsukushisugiru.com/

6月7日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

back to top

ブルー・ブルー・ブルー(原題:NEWCASTLE)

監督・脚本:ダン・キャッスル
撮影:リチャード・ミカラク
水中撮影:ティム・ボニーソン
製作:ナオミ・ウェンク
音楽:マイケル・イェツェルスキー
出演:ラクラン・ブキャナン(ジェシー)、ハビエル・サミュエル(ファーガス)、レシャード・ストリック(ビクター)、カーク・ジェンキンス(アンディ)、イスラエル・カナン(スコッティ)、ベン・ミリケン(ネイサン)ほか

プロサーファーを目ざす若者たちのメッカ、オーストラリアのニューカッスルが舞台。
毎日サーフィンに明け暮れるジェシーは17歳。異母兄のビクターは、かつてチャンピンを目指しながら怪我で挫折し、父と同じ港湾労働者になっている。ジェシーは、世界に通用するプロサーファーになってこの生活から抜け出したい。当面の目標はジュニアチャンピオンだ。しかし、あせるあまりに失敗しその大事な予選に落ちてしまう。出場が決まったのは裕福な家の息子たち、ネイサンとアンディだった。スコッティはすっかり落ち込んだジェシーをキャンプに誘う。ジェシーが思いを寄せるデブラも参加、互いの親たちには嘘をついて出かけることになった。


(C)2007 Film Finance Corporation Australia Limited, 3DAP Japan LLC, Shadowfire Entertainment Pty Limited, Jour de Fete LLC and Newcastle Pictures Pty Limited

明るいサーフィン映画かと行ってみたら、冒頭はサスペンスタッチの映像と音楽。屈折した思いを抱える主人公ジェシーの心模様だったのかもしれません。ジェシー役のラクラン・ブキャナンはもちろん、本物のプロサーファーで映画初出演の美形、カーク・ジェンキンスもすばらしいパフォーマンスを見せます。思わず目をひかれたのはジェシーの弟ファーガス役のハビエル・サミュエル。昔のキアヌ・リーブスを思い出させます。『明日、君がいない』に出て注目されたそうですが、クラスメート役だったのか覚えていません。運動音痴でオタクという設定で、兄のライバル、ハンサムなアンディに惹かれています。男の子5人に女の子2人が加わってキャンプに出かけ、カップルでそれぞれの一夜を楽しみます。一人余るのが、実は歌手でもあるイスラエル・カナン。この子いい味出しています。撮影は数々のサーフィン映像が絶賛されているカメラマン。どうやって撮ったのか、すごい迫力です。泳げない私など観るだけで死にそうですが、好きな方には鳥肌ものの映像でしょう。ラストすぐ席を立たないようご注意ください。まだシーンが残っています。(白)

2008/オーストラリア/カラー/107分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル、ドルビーSR/PG-12
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

公式 HP >> http://www.blueblueblue.jp/

★6月7日(土)〜 シネセゾン渋谷ほかロードショー

チベット チベット

監督・撮影:キム・スンヨン(金昇龍)
製作:RAGOS
プロデューサー:キム・スンヨン、田中瑠佳
編集:梶愛、比嘉賢史
音楽:大久保智久

キム・スンヨン監督は在日コリアン3世。1997年、あてどない世界旅行をしているときに、北インドで亡命してきて異国で暮らすチベット人に出会います。彼らと在日の人々の間に共通点を感じたのをきっかけにチベット問題を考えるようになります。多くの人へ知らせたいという思いはチベット亡命政府に届き、ダライラマ14世の同行取材をも可能にしました。
監督の旅はその後も続き、チベット自治区の美しい自然や精神文化をカメラにおさめています。
ノンフィクション・ロード・ムービー。(白)

2008年再編集作品/チベット/カラー/Video/85分/16:9/日本語・英語・チベット語・中国語
6月7日(土)〜6月27日(金)渋谷アップリンクXにて公開
6月21日(土)〜7月5日(土)横浜ジャック&ベティ
7月26,27日、8月2,3,9,10日ポレポレ東中野

公式 HP >> http://tibettibet.jp/

back to top

REC/レック (原題:[REC])

監督・脚本:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ
撮影:パブロ・ロッソ
美術:ヘマ・ファウリア
音楽:ハビ・マス
出演:マニュエラ・ヴェラスコ(アンヘラ)、フェラン・テラッサ(マヌー)、ホルヘ・ヤマン(セルジオ)、カルロス・ラサルテ(セザール)、パブロ・ロッソ(パブロ)、ダビ・ベルト(アレックス)ほか

アンヘラはTV局の若い女性レポーター。今晩は消防署の密着取材。カメラマンのパブロと二人、深夜まで消防士の食事風景や待ち時間のすごし方を撮影していた。内心では、火事でも起きてスクープをモノにできないかと期待していると、あるアパートの住人から通報があった。隣の部屋で騒動が起こっているという。さっそくアンヘラも車に同乗して現場へ向かう。警官も一緒に部屋を訪ねると、そこには血まみれで興奮状態の老婆がいた。アンヘラはパブロに「何があっても録画を続けるのよ!」と言う。そっと近づく警官に老婆は突如襲い掛かり、信じられない速さで喉笛に噛み付いてきた!


(C)2007 CASTELAO PRODUCUTIONS,S.A.

スペインで公開されるやいなや、メジャー大作を押しのけて大ヒットした作品。二人の監督は、まるでほんとのTV中継のように、観客の前にカメラのとらえる映像を差し出します。アパートの住人たちは何が起こっているのかわからないまま、外に逃げることもできません。こちらも一緒にたたみかけてくる恐怖に怯えることになります。
マニュエラ・ヴェラスコは実際にTVのレポーターから抜擢(この作品で新人女優賞)。ほか、あまり顔を知られてない俳優たちをキャスティングすることで「リアル」に見せたそうです。リメイクが決定したアメリカではどうなるんでしょう。初め77分は短いと思いましたが、これで十分です。緊張しました。カメラと編集がうまいです!いや〜、怖かった!(白)

2007/スペイン/カラー/77分/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル/R-15
配給:ブロードメディア・スタジオ
http://www.recmovie.jp

2008年6月14日(土)、池袋シネマサンシャインほかにて“絶叫”ロードショー!!

back to top

1978年、冬。(原題:西幹道)

監督:リー・チーシアン(李継賢)
脚本:リー・チーシアン(李継賢)、リー・ウェイ(李微)
撮影:ワン・ユー(王[日/立])
製作:中国電影集団、株式会社ワコー
ノヴェライズ:「1978年、冬。」(愛育社刊)
出演:チャン・トンファン(張登峰)、リーチエ(李傑)、シェン・チアニー(沈佳女尼])

1978年。文化大革命の混乱が終わりを告げた年。スーピンとファントウの兄弟が住む中国東北部の小さな町には、まだ変化の波は届かない。その年の冬、北京から一人の少女・シュエンがやってきた。彼女がまとう華やかな都会の匂いと、裏腹の孤独。それは兄弟の外の世界への憧れと孤独感に呼応し、凍てつく冬の空気の中でかすかに熱いものが動き始める。


2007年東京国際映画祭で来日(撮影:宮崎)

はじめこそ、スーピンの考えなしな行動に”オイオイ”とつっこみを入れ、お母さんのスーピンに対する怒り方があまりに激しくて、ちょっと引いたりもするのですが、後半になると登場人物の心情がじわじわと心に染みてきて、見終わるとズシンと残るものがあります。
閉塞した社会の中で生きる若者と、壊れそうで壊れない、家族の強い絆を描いた点は『孔雀』に似ています。荒涼とした枯れ野の凍てついた空気が伝わってくる美しい映像が素晴らしいです。(梅)

2007年東京国際映画祭コンペティション部門審査員特別賞受賞

2007年/日本・中国/中国語/35mm/カラー/1.85/ドルビーSR/101分
後援:中華人民共和国駐日本国大使館文化部
協力:マルマン株式会社
配給:ワコー。グアパ・グアポ
配給協力:フォーカスピクチャーズ
宣伝:グアパ・グアポ
宣伝協力:テレザ

公式 HP >> http://www.1978-winter.com/

シネマジャーナル72号にリー・チーシアン監督、脚本のリー・ウェイさん、女優のシェン・チアニーさんのインタビューを掲載しています。
★6月14日(土)より、ユーロスペースにてロードショー

1000の言葉よりも 報道写真家 ジブ・ゴーレン(原題: ...MORE THAN 1000 WORDS)

監督:ソロ・アビタル
出演:ジブ・コーレン

イスラエル・パレスチナ問題を追い続けているイスラエルの報道写真家ジブ・コーレン。自爆テロにより爆発したバスの現場写真はタイム誌の表紙を飾り、彼を一躍有名にした。イスラエル人の死んでいる姿が自国の新聞に掲載されたのは、この写真が最初で最後だという。

イスラエル人であるコーレンにとって、パレスチナの紛争現場で撮影することは、ほかの写真家以上に危険を伴うことである。ヘブライ語で書かれたものを一切身につけないように気遣い現場に急行する。監督ソロ・アビタルもまた、危険を覚悟でコーレンの姿を追いかける。

美しい妻と可愛い子・・・商業写真を撮っていれば、家族と穏やかで裕福な暮しができるのに、彼を紛争の現場に駆り立てるものは何だろうか? そしてコーレンの姿を追ったソロ・アビタル監督。イスラエル人の側からも、ますます混迷を深めるパレスチナ紛争解決への一助になると信じての一石を投じたいという思いが伝わってくる作品。バイクに乗って現場に駆けつけるコーレン自身のカッコよさや、監督のスタイリッシュな撮影手法が凄惨な場面を和らげているが、これはこれで眼を背けたい人にも観てもらえるのではないかと思う。(咲)

配給・宣伝:アップリンク
2006年/イスラエル/78分/オリジナル言語:ヘブライ語・英語/スタンダード/VIDEO/ステレオ/カラー

★2008年6月14日より東京都写真美術館ホールほか全国にて順次公開
※公開初日6月14日(土)17:20の回上映後、ジブ・コーレンと外山俊樹氏(「アエラ」フォトエディター)によるトークショーあり!

公式 HP >> http://www.uplink.co.jp/1000words/index2.php

◆1000の言葉よりも ジブ・コーレン報道写真展公開に先駆け、写真展「1000の言葉よりも」が開催されます。

日時:2008年6月10日(火)〜21日(土)11:30〜19:00
場所: BankART 1929 Yokohama, 3F 1929スペース
横浜市中区本町6-50-1/みなとみらい線「馬車道駅」下車
料金:一般600円

back to top

コミュニストはSEXがお上手?(英題: Do Communists Have Better Sex ?)

監督・脚本: アンドレ・マイヤー

第二次世界大戦で敗戦後、1949年に西と東に分断されたドイツ。ベルリンの壁が壊され、再び1990年に統一されるまでの約40年、資本主義と共産主義という全く違った体制の下で過ごした人々。同じドイツ民族なのに、セックスの面でも大きく隔たりが...。
歴史学者やセックス研究家の証言を織り交ぜ、かわいいアニメも登場させて、東西ドイツのセックスの違いを分かりやすく、科学的に解説してくれる。何より興味深いのは、東の女性たちの方が、セックスに対して、より自由で満足度が高いこと。社会主義体制の下で女性の社会進出が著しかったから? “道徳”を重んじる教会の影響がなかったから? かたや西では性風俗は発達したが、家庭での満足度はいかに?と、社会学者は投げかける。

タイトルに気が引けて、一人では劇場に足を運びにくいかも知れない。が、本作はユーモアを交えて、体制の違いが人々の生活や性格までをも変えてしまうことを見せてくれて、実に面白い。(咲)

2006年/ドイツ/52分/カラー/スタンダード/モノクロ/DVカム
配給: パンドラ

★2008年6月21日 東京 ユーロスペースにて公開の他、名古屋 シネマテーク、大阪 シネ・ヌーヴォ

公式HP>> http://www.commusex.jp/

back to top

西の魔女が死んだ

監督:長崎俊一
脚本:矢沢由美・長崎俊一
原作:梨木香歩「西の魔女が死んだ」新潮文庫刊
撮影:渡辺眞(JSC)
美術監修:種田陽平
美術:矢内京子
音楽:トベタ・バジュン
主題歌:手嶌葵 「虹」
出演:サチ・パーカー(おばあちゃん)、高橋真悠(まい)、りょう(ママ)、大森南朋(パパ)、高橋克実(郵便屋さん)、木村祐一(ゲンジ)ほか

「魔女が倒れた。もうだめみたい」とママが言った。魔女とはママのママ、英国人の祖母のこと、二人だけの呼び名だ。
おばあちゃんの家に向かう車の中で、まいは2年前を思い出す。中学に入ったばかりのころ、学校に行けなくなったまいは、おばあちゃんの家ですごすことになった。おばあちゃんは魔女の血筋で、物事の先を見通す能力を持つのだそうだ。まいも魔女になれる?さっそく魔女修行が始まった。「早寝早起きをすること、しっかり食事をとること、規則正しい生活をすること・・・」そして「なにごとも自分で決めること」。


(c)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会

原作は、発表後100万部にせまるロングセラーの児童文学作品。梨木香歩さんはこのほかの著作でも、おばあちゃんと孫娘の交流を描いています。
清里に建てられた家は、キッチンもベッドルームもほんとうに居心地が良さそうです。ハーブの畑や林の中のまいのお気に入りの場所など、訪ねていきたくなります。なによりおばあちゃんを演じたサチ・パーカー(シャーリー・マクレーンの娘)が役にぴったりでした。子どもののころ10年住んでいて覚えたという綺麗な日本語と、丁寧なセリフまわし、おだやかな物腰。よくキャスティングしてくれました。母娘孫と続くいのちを縦糸に、まいの成長や自然のきらめきを横糸に織り込んでいったような一品でした。(白)

2008/日本/カラー/1時間55分/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD/
http://nishimajo.com/
2008年6月21日(土)、恵比寿ガーデンシネマ、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館 ほか、全国一斉ロードショー

★本誌73号に柘植プロデューサーのインタビューが2p掲載されています

●公式ブログができました。おばあちゃんの思い出やシナリオちょこっと紹介など。 http://blogs.yahoo.co.jp/nishimajo_movie/

●「おばあちゃんの家」が5月17日(土)より公開されています。
詳しくはこちら http://blogs.yahoo.co.jp/nishimajo_movie/7321577.html

back to top

ONE CALIFORNIA DAY

監督・脚本・カメラ・プロデューサー:ジェイソン・バッファ&マーク・ジェレミアス
ナレーター:デヴォン・ハワード
出演:ジョー・トム・カレン、ランス・カーソン、スキップ・フライ、ジミー・ガンボア、タイラー・ハジーキアン、デヴォン・ハワード、アレックス・ノスト、ジョエル・チューダー、ザ・マロイ・ブラザーズ、ジェド&グレッグ・ノール、デイン・バーリー、タイラー・ウォレン

スクリーンいっぱいに広がる美しい波、また波。そして、サーファーたちの超絶テクニック。 サーフ・カルチャーの側面から、カリフォルニアの魅力を、再発見させてくれるドキュメンタリー映画。

カリフォルニアの海岸線のサーファーたちを魅了するポイント7ヶ所を、サーファーの生き方を織り交ぜて語りかけてくれます。
サンディエゴ、セントラルコースト、オレンジ・カウンティー、マリブ、サンタバーバラ、サンタクルーズ、そしてサウスベイと、行く先々でサーフィンとともに生きるライフスタイルがエネルギッシュに描かれています。『エンドレス・サマー』、『ステップ・イントゥ・リキッド』など数々のサーフィン映画のある中で、この映画の素晴らしい点は、工房、手作り職人にも焦点をあてていることです。太陽の下で、波を楽しんでいる人生・・・うらやましいの一言です。(美)

2007年/アメリカ/カラー/96分/ビスタ/
2008年6月21日より、渋谷シネクイントにてレイトショー

屋敷女

監督:ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ 脚本:アレクサンドル・バスティロ 出演:ベアトリス・ダル、アリソン・パラディ、ナタリー・ルーセルほか

雨の日、妊娠中のサラは夫を助手席に乗せて車の運転をしていた。突然、激しい衝撃が彼女を襲う。車は大破し、夫は即死した。
4ヶ月後のクリスマス・イブの夜。奇跡的に母子共に一命を取り留めたサラは、出産予定日を翌日に控えていた。夫を亡くした悲しみが蘇るが、翌日のために早く休もうと思ったその時、誰かが家を訪ねてきた。ドアの外には見知らぬ女が立っていて、電話を貸して欲しいという。サラは断るが、女は執拗にドアを開けて欲しいと頼む。次第に態度は強硬になり、とうとう窓を割って進入しようとまでする。恐怖を感じたサラは警察を呼び、それを察した女は姿を消した。警察がきて周囲を調べるが女の姿はなく、夜中にまたパトロールに来ると約束して引き上げていった。不安を抱えたまま床についたサラは、悪夢にうなされ目を覚ます。ところが目を開けて見たものは、まさに悪夢の光景だった。

あまりに痛くて、おぞましい展開に、久しぶりにマジ怖かったです。謎の女を演じるのは『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』のベアトリス・ダル。ジト〜っとした情念の固まりみたいな女がはまりすぎです。サラ役のアリソン・パラディはヴァネッサ・パラディの妹だそうです。あぁ、げに恐ろしきは女の執念。絶対に妊婦さんは観ない方がいいです。(梅)

2007年/フランス/カラー/ヴィスタサイズ/83分/フランス語
提供:キングレコード
配給:トルネード・フィルム
宣伝:B.B.B.Inc.

公式 HP >> http://www.cinemacafe.net/official/yashiki-onna/

★6月21日(土)より、ライズXほか全国ロードショー

ハブと拳骨

監督:中井庸友
原案・クリエイティブ・ディレクター・音楽:田中雄一郎
出演:尚玄、虎牙光揮、宮崎あおい、石田えり ほか

ベトナム戦争時、米軍占領下の沖縄で、良は米軍の物資を横流しして小遣いを稼ぎ、時にはバーで三線と歌を披露する気楽な生活をしている。兄の銀と妹の杏は戦争孤児で血はつながっていないが、母のカミィは分け隔てなく愛情を注ぎ、3人は本当の兄弟のように仲がいい。銀は喧嘩がめっぽう強く、地元のヤクザの用心棒のようなことをしている。カミィと杏は沖縄そばの店をやっている。
ある日、カミィが米軍のトラックにひき逃げされ、足に重傷を負う。警察は米軍に対して何も出来ず、泣き寝入りするしかない。その上、米軍か本土の病院に行かなければ、歩けなくなるだろうと言われるが、そんな金はどこにもなかった。焦った良がとった行動は、一家をさらなる窮地に追い込む。

日本にもアメリカにも邪険に扱われてきた沖縄の恨みと哀しみを込めつつ、それでも明るく、たくましく生きる家族の絆を描いています。原案の田中雄一郎さんは、前作『殴者』では闘うことで生きる実感を得ようとする格闘家を描いていました。その格闘家を演じた虎牙光揮さんが、今回は好きではないけど喧嘩がめっぽう強く、暴力の世界でしか生きられない男を演じています。前回は背中に”気合い”をしょっているようでしたが、今回は”悲哀”をしょっています。(梅)

2006年/日本映画/35mm/ビスタ/モノラル/124分
配給:ナインエンタテインメント、アルゴピクチャーズ
宣伝:アルゴ・ピクチャーズ

公式 HP >> http://www.habugen.jp/habugen/

★6月21日(土)よりユーロスペース、新宿K's cinemaにてロードショー

ミラクル7号(原題:CJ7 長江7号)

監督・脚本:チャウ・シンチー
脚本:ヴィンセント・コクほか
撮影:プーン・ハンサン
プロダクション・デザイナー:オリヴァー・フォン
音楽:レイモンド・ウォン
出演:チャウ・シンチー(ティー)、シュー・チャオ(ディッキー)、キティ・チャン(ユエン先生)、ラム・ジーチョン(ボス)、リー・ションチン(カオ先生)、ホアン・レイ(ジョニー)ほか

小学生のディッキーは父ティーとの二人暮らし。チョー貧乏だが、実直なティーの座右の銘は「嘘をつかない、ケンカしない、一生懸命に勉強すれば貧乏でも尊敬される」だ。学のないティーは、ディッキーには最高の教育を、と有名私立小学校へ無理をして通わせている。しかし、お金持ちの子供たちばかりの中で、ディッキーは人知れず苦労をしていた。運動靴はボロボロで体育の授業にも参加させてもらえない。
ある日、いじめっ子のジョニーが見せびらかしたおもちゃ「ミラクル1号」がほしくてたまらないディッキーは、デパートで初めて駄々をこねる。きつく叱ってしまったティーは、ゴミ捨て場で見つけた緑のボールをディッキーのお土産にする。実は謎の宇宙船が残していった不思議な生命体だった。


『カンフーハッスル』で香港映画最大のヒットを飛ばしたチャウ・シンチーの最新作。監督・主演でダメ男の再生・復活ストーリーが続きましたが、この作品は初めて子供が主人公となりました。若い頃に繰り返し観た『E.T.』のような映画が作りたかった、のだそうです。どこかで見たようなシーンが集まっているのは、香港の監督お得意のパロディ。
主人公のディッキーを女の子のシュー・チャオが演じているのが話題になりましたが、そればかりではありません。ほかの男の子二人も女の子が、そしてディッキーに心を寄せる女の子を男性が演じています!子供の演技の達者なのに驚きました。
CGを駆使してできあがった地球外生命体の「7(ナナ)ちゃん」は、つぶらな目が可愛いです。シンチー監督にしては毒の少な〜い、お子様と一緒に楽しめる映画。(白)

2008/中国/カラー/98分/スコープサイズ/SRD・SR/広東語
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
http://www.sonypictures.jp/movies/cj7/
6月28日(土)〜シネマスクエアとうきゅうほか全国ロードショー

back to top

告発のとき(原題:IN THE VALLEY OF ELAH)

監督・脚本:ポール・ハギス(『クラッシュ』)
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ジョー・フランシス
音楽: マーク・アイシャム
出演: トミー・リー・ジョーンズ(ハンク・ディアフィールド)、 シャーリーズ・セロン(エミリー・サンダース) 、スーザン・サランドン(妻ジョアン)、 ジャームズ・フランコ(カーネリー大佐)、ジョナサン・タッカー(息子マイク)、ジェイソン・パトリック(カークランダー警部補)、フランシス・フィッシャー(エヴィ)、ショーン・ヒューズ(オシャ−大佐)、メカッド・ブルックス(ロング)、ジェイク・マクラフリン(ボナー)ほか

2004年11月1日、ハンク・ディアフィールドに息子のマイクが軍から失踪したとの連絡が入った。マイクはイラクから帰還したばかりで、妻ともども再会を心待ちにしていたところ。無許可離脱などあり得ない。ハンクはかつて軍警察におり、自ら息子の行方を捜すために基地へ向かった。 地元警察の女性刑事エミリー・サンダースの助けを得て、捜査を続けるうちマイクの焼死体が発見される。ひとつひとつの事実を追ううちに、衝撃的な真実が明らかになっていく。

数々のすばらしい脚本を書いたポール・ハギスの最新作。加えてアカデミー賞常連の俳優陣により、観終わった後、胸にずっしりとくる作品でした。前回の『父親たちの星条旗』 (2006・脚本)、『硫黄島からの手紙 』(2006・製作総指揮 /原案)と違って直接戦争を描く場面はとても少なく、それもノイズまじりで判然としません。また60年も前の話でなく、2003年7月に起こった米兵による殺人事件が元になっています。戦争は生き残った者にも大きな傷を負わせ、今アメリカにいる多くの帰還兵が心に傷を負ったままであることをこの映画は「告発」していました。
原題の「IN THE VALLEY OF ELAH」は旧約聖書に登場する「エラの谷」のことで、巨人ゴリアテと少年ダビデが戦った場所です。このエピソードと星条旗が象徴的に出てきますので、ご注意くださいね。(白)

2007/アメリカ/カラー/シネスコ/DTS/121分/PG−12
配給:ムービーアイ
http://www.kokuhatsu.jp/

(c) 2006 Elah Finance V.O.F.
6月28日(土)より、有楽座ほかTOHO系にてロードショー

back to top

マーキュリーマン

監督・脚本:バンデッド・ソンディ
製作:プラッチャヤー・ピンゲーオ
製作総指揮:ソムサック・デーチャラタナプラスート
アクション監督:パンナー・リットグライ
出演:ワサン・カンタウー(チャーン),メティニー・キンパヨーム(アリーナ),アノン・サーイセンチャン(ウサマ),パリンヤー・ジャルーンポン(グレース)、ジンウィパー・ゲーウガンヤー(プニマ)ほか

刑務所に収監されていたテロリスト、ウサマ・アリが手下によって脱獄を果たした。
同じころ、チベットでは古代から伝わる秘宝「月の護符」がウサマの右腕アリーナに奪われていた。
二つの護符を合わせると強大なパワーを持つことができるのだ。
しかし、ウサマが逃げる際にウサマの持つ「太陽の護符」は、正義感あふれる消防士チャーンの体内に吸収される。
身体の変化にとまどうチャーンのもとを「月の護符」の守護者のプニマが訪れ、護符の力を自在にコントロールするため精神を鍛えなければならない、と伝える。ウサマの一味は、太陽の護符を取り戻そうと、チャーンの身辺に迫っていた。


(C)2006 SAHAMONGKOLFILM INTERNATIONAL CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED

『マッハ!』(‘03)の制作コンビが新進の監督を迎えて、超人ヒーローを作り上げました。アクション監督はトニー・ジャーの師匠のパンナー・リットグライ。ただし主演のワサン・カンタウー、メティニー・キンパヨームの二人は元モデル。戦う場面はほとんどスタントマンとおぼしき二人をすごいカットで繋いでいて、これがめまぐるしい。グレース役のパリンヤー・ジャルーンポンは元ムエタイ選手、プニマ役はテコンドーの名手ということで、それぞれのアクションが見られます。テロリストのウサマが不思議な雰囲気でしたが、人気バンドのボーカルでもあるそうで納得です。
チャーンがマーキュリーマンに変身してからは、ほかのヒーローものと似たような活躍ぶりで話があっちこっちへ飛びますが、これがやりたかったんだろうな、と(ほかと温度差がある)思えます。タイ語のやさしい響きは悪人の台詞や緊迫したシーンにあんまり似合いませんが、アクションは香港だけではない!と気を吐いています。(白)

2006/タイ/カラー/35mm/ビスタサイズ/106分
配給:アートポート

公式 HP >> http://www.mercuryman.jp/

★6月28日(土)より銀座シネパトス他にてロードショー

SHARKWATER ー シャークウォーター 神秘なる海の世界 ー

監督・脚本・撮影・制作:ロブ・スチュワート
水中撮影:ロブ・スチュワート、ダディ・ハンナ
編集:マイケル・クラーク、リック・モダン、チャック・ミラー、ジェレミー・スチュワート
音楽:ジェフ・ロナ

サメとサメの住む海域を驚くほど美しい映像でとらえ、現在の海洋生物保護について考えさせてくれるドキュメンタリー作品です。
監督のロブ・スチュワートは子どもの頃にサメの姿を間近で見て以来、その美しさに魅せられてしまいました。スキューバダイビングの資格を取得し、海洋生物学や動物学を学び、撮影技術を学んで、野生動物撮影のエキスパートになって、ディスカバーチャンネルやBBCといった世界中のメディアに映像を提供してきました。彼の願いは一つ。世界中の人々のサメに対する誤解を解いて、急速に減少するサメを保護したいということ。

サメはどう猛で人を襲うというのはメディアが作り上げた虚像で、本当はサメの方が人間を怖がっているのです。それなのに、サメは人間に憎まれ、疎まれて、次々に殺されてきました。なんだか、似た話を聞いたことがありますね。そう、陸上ではオオカミがそうでした。その結果、日本のオオカミは絶滅し、世界的にも絶滅の危機にあります。サメも過去50年で90%も減少しているのだそうです。もしも生態系の頂点にいるサメが絶滅したら、地球環境全体への影響は計り知れないと心配されています。

また、映画は監督がサメを追って保護海域を撮影していたときに出会った、サメの密漁船によってトーンが変わっていきます。現在、サメは巨大な利益を生むフカヒレ産業のために、乱獲されますます減少しています。その漁の方法の酷いことと言ったらもう・・・。監督はコスタリカで危険を冒してサメを密漁する台湾マフィアの実態に迫り、大変なトラブルに巻き込まれていくのです。このあたりはスリル満点。
ところで、監督が同行する自然動物保護団体は、日本でもその過激な行動で有名なシーシェパードです。しかしここでは、ニュース映像でみるだけではわからない、違った側面が映っていて興味深いです。(梅)

2006年/カナダ/89分/カラー
提供:レイドバック コーポレーション
配給:グラッシィ
宣伝:アムモ

公式 HP >> http://www.glassymovie.jp/sharkwater/

★6月28日(土)より渋谷Q-AXシネマにてモーニング・レイトショー

香港レジェンド・シネマ・フェスティバル

かつてのショウ・ブラザーズ作品から、今世界で最も精力的に創造性溢れる作品をとり続けている監督、杜[王其]峰(ジョニー・トー)の日本未公開作品や、新作『ミラクル7号』の公開も間近な周星馳( チャウ・シンチー)出演の日本未公開作品など、全13作品が上映されます。
夜の上映には、トークショーもあります。香港映画ファンは集結せよ!

日程: 6月28日(土)〜7月4日(金)
会場: シアターN渋谷  (03-5489-2592)
主催: 香港レジェンド・シネマ・フェスティバル実行委員会
チケット: 6月7日(土)より、チケットぴあにて独占発売開始! 作品別・日時指定 前売り券:¥1,300(税込)  当日券:¥1,500均一

裸足のクンフーファイター
 原題:赤脚小子 The Bare-Footed Kid 1993年・香港・日本未公開
ファイヤーライン
 原題:十萬火急 Lifeline 1997年・香港・日本未公開
チャウ・シンチーのゴーストバスター
 原題:回魂夜 Out Of The Dark 1995年・香港・日本未公開
冷血十三鷹
 原題:冷血十三鷹 The Avenging Eagle 1978年・香港・日本未公開
空とぶギロチン
 原題:血滴子 The Flying Guillotine 1975年・香港・日本未公開
チャウ・シンチーのゴーストハッスル
 原題:師兄撞鬼 Look Out, Officer! 1990年・香港・日本未公開
チャウ・シンチーの熱血弁護士
 原題:審死官 Justice, My Foot 1992年・香港・日本未公開
武侠怪盗英雄剣・楚留香
 原題:楚留香 Clans Of Intrigue 1977年・香港・日本未公開
ヒーロー・オブ・クンフー裸足の洪家拳
 原題:洪拳小子 Disciples Of Shaolin 1975年・香港・日本未公開
残酷復讐拳
 原題:殘缺 Crippled Avengers 1978年・香港・日本未公開
液体人間オイルマン
 原題:油鬼子 Oily Maniac 1976年・香港・日本未公開
香港ラバーズ 男と女
 原題:男與女 Hongkong Hongkong 1983年・香港・日本未公開
唐朝エロティック・ストーリー
 原題:唐朝豪放女 An Amorous Woman Of Tang Dynasty 1984年・香港・日本未公開

※すべてDLP上映
上映スケジュールの詳細は公式HPをご覧下さい

公式 HP >> http://hk-lcf.com

back to top

歩いても 歩いても

監督:是枝裕和
企画:安田匡裕
原作・脚本・編集:是枝裕和
撮影:山崎裕
美術:磯見俊裕・三ツ松けいこ
音楽:ゴンチチ
出演:阿部寛(横山良多)、樹木希林(とし子)、夏川結衣(ゆかり)、原田芳雄(恭平)、 YOU(ちなみ)、高橋和也(信夫)、田中祥平(あつし)、寺島進(小松)ほか

-- 人生は、いつもちょっとだけ間にあわない? --

横山良多は40歳になる絵画修復士。兄の命日に久しぶりに実家を訪ねるところだ。開業医だった父とはそりが合わず、失業中なのを妻のゆかりに口止めする。ゆかりは前夫と死に別れ、息子のあつしを連れて良多と再婚した身。いまも良ちゃんと呼ぶ息子に「今日だけでいいからパパと呼んだら」と頼んでいる。先に家族4人で来ていた姉ちなみは、母のとし子を手伝って料理の準備中。家を改築して同居しようと提案しているが、良い返事がもらえない。
仕事をやめて以来、家に居場所のない父は元の診察室にこもってばかりいる。好物のてんぷらの揚がる音にようやく食卓にやってくる。

是枝裕和監督『花よりもなほ』から2年ぶりの新作。横田家のほぼ一日を描いたホームドラマです。
短い台詞がリアルです。ことさら説明するでもなく、何げないシーンの積み重ねと短い言葉で、家族のありようや心の底を見せるのです。ものすごくこだわってるはずなのに、窮屈さがありません。監督も脚本も俳優もうまい!!
期待していた長男を事故で亡くした両親、兄と父への複雑な気持ちを抱える次男、再婚したその妻と連れ子、屈託のない姉家族、誰かに自分の気持ちが重なります。頑固な父親にふき出し、大人の気遣いをみせるあつしくんにほろりとします。
老夫婦が過ごしてきた家のたたずまいに(実際のお医者さまの家を使っています)、父の仕事に寄せる気持ちがわかります。子どもたちが巣立った後の部屋など、どこもこうでしょう。人は生きて死んでいかねばならず、残るのも先立つのも切ないですが、誰かのどこかに小さな繋がりが残っていくのだと、今更ながら思います。亡くなったお母さんに「何もしてやれなかった」という後悔から、この映画が出発したと監督が書かれていますが、たぶん残った者はみな(私も)そう思うのです。
母とし子が腕を振るう料理が美味しそうです。からっぽの状態で見るとおなかが鳴りますよ。(白)

2007/日本/カラー/114分/1:1.85/ドルビーSR
配給:シネカノン

公式 HP >> http://www.aruitemo.com/index.html

★6月28日(土)よりシネカノン有楽町1丁目、渋谷アミューズCQN、新宿武蔵野館他 全国順次ロードショー

バグズ・ワールド

監督・脚本:フィリップ・カルデロン、ギィヨーム・ヴィンセント
キャスト:オオキノコシロアリ、サスライアリ、ハゲワシ、カメレオン

アフリカのブルキナファソの大地には、オオキノコシロアリの”城”が立ち並ぶ。そこから飛び立った無数の王と女王候補の羽アリたちは、伴侶を見つけると新たな城を築き始める。女王アリはひたすら卵を産み続け、生まれた働きアリたちは、ひたすらにそれぞれの役目を果たし、難攻不落の城は築かれていく。ところが、嵐の日、落雷による倒木が城を直撃し、大きな被害を受けてしまう。
その頃、少し離れた森林をサスライアリの隊列が行進していた。彼らが通った後には、小さな生物は一掃されるほど、どう猛な集団だ。その彼らの行く先には、修復に追われるオオキノコシロアリの城があった。サスライアリの軍団は猛攻撃を開始する。

CGではありません。本物のアリたちのミクロの世界を描いています。アリたちの生態を紹介しつつ、利用して壮大な戦争映画を作り上げているのです。オオキノコシロアリはいわば農耕民族で、巨大な巣の中に一大帝国を築いています。そこに狩猟民族であるサスライアリが攻め込んできて、死闘を繰り広げます。その戦いの様子たるや『グラディエイター』か『エイリアン』かといった迫力。いつの間にか「シロアリがんばれ!」と応援してしまいます。(梅)

2006年/フランス/35mm/カラー/ビスタ/ドルビーSRD/82分
配給:エイベックス・エンタテインメント、トルネード・フィルム
宣伝:フリーマン・オフィス

公式 HP >> http://www.cinemacafe.net/official/bugsworld/

★6月28日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか、全国ロードショー

庭から昇ったロケット雲(原題:THE ASTRONAUT FARMER)

監督:マイケル・ポーリッシュ
脚本:マーク・ポーリッシュ&マイケル・ポーリッシュ
製作:マーク・ポーリッシュ、ポーラ・ワインスタイン、レン・アマト、マイケル・ポーリッシュ
撮影:M.デヴィッド・ミューレン
美術:クラーク・ハンター
音楽:スチュアート・マシューマン
エンディング・テーマ:「ロケットマン」エルトン・ジョン
キャスト:
  ビリー・ボブ・ソーントン(チャーリー・ファーマー)
  ヴァージニア・マドセン(チャーリーの妻オーディ)
  ブルース・ダーン(オーディの父)
  ティム・ブレイク・ネルソン(チャーリーの友人で弁護士)
  マックス・シェリオット(チャーリーの息子)
  某ハリウッド大スター(マスターソン大尉)

かつてはNASAで宇宙飛行士だったチャーリー・ファーマーは、 宇宙にいく前に父親の死で、急遽、家業の農場を継ぐことになった。 しかしファーマーは諦めなかった。自分で作ったロケットで自分の農場から宇宙へ行くと誓ったのだ。
彼の夢をを支えるのは妻のオーディと三人の子ども達。 世間から様々な妨害にあいながらも懸命に頑張るファーマーだが、 本当に宇宙に行くことが出来るのだろうか…。


(C)2005 Warner Bros. Entertainment Inc.

ポーリッシュ兄弟といえば、数年前の東京国際映画祭に来日した時のことを思い出します。あの時は『ツィン・フォールズ・アイダホ』で、兄弟監督はわかりやすく撮影の裏話などを、 実演をまじえて、トークを楽しませてくれました。
この作品も、時間軸があっちこっちせず、とてもわかりやすく、そして感動的に作られています。きっと小学高学年以上でしたら理解できます。
しかし、すさまじいシーンがありました。ロケット発射に失敗したのです。上に昇らず横に発射したんです!大袈裟な話でなく、村全体が消滅するぐらいの破壊力で、一体何人お亡くなりに…、
でも実話じゃなくてよかった!と胸を撫で下ろしました。(美)

でも、聞くところによると、アメリカでは2009年に弾道飛行用宇宙旅客機が就航する予定だそうです。
すっごく勇気があって、すっごくお金持ち以外は、この映画でいち早く宇宙旅行を楽しんでください!もちろん!ハラハラドキドキ付きですよ。

〓可愛い女の子二人は、監督さんそれぞれのお嬢さん。
〓某ハリウッド大スターとは『ファーストフード・ネイション』にも登場。

2007年/アメリカ/カラー/スコープサイズ/104分/
配給:デスペラード

http://www.rocket-gumo.jp/

7月5日(土)、日比谷シャンテシネ、シネマート新宿他全国順次ロードショー

back to top

バックドロップ クルディスタン

監督・撮影:野本大(のもと まさる)
撮影:山内大堂、大澤一生
制作・編集:大澤一生
出演:カザンキラン一家ほか

2004年、映画学校の学生だった野本監督は、クルド難民のカザンキラン一家と知り合いました。国連大学前で72日間座り込みを続けた姿を、「一番近くにいた傍観者」として撮影し続けます。一家はUNHCR(国連難民高等弁務官)からマンデート難民認定は受けましたが、日本政府からの認定は受けられませんでした。2005年1月、父親と長男はトルコへ強制送還され、残った家族は後日第3国へ出立します。
難民の厳しい現実を初めて知った野本監督は、学校を中退し映画の完成を目指します。しかし疑問が何一つとけていないのに気づきトルコへ旅立ち、それまでに抱いた疑問を解消すべく、トルコ国内を巡ります。


知らなかったことを素直に知ろう、と踏み出す一歩、それを続けた監督の熱意。クルド人家族の愛情。日本ってこういう国なの?という発見etc。様々なことに心がゆさぶられました。3年をかけて完成したドキュメンタリー作品。(白)

この作品は、日本に住むトルコのクルド難民と知り合った24歳の監督が、彼らの姿を追ったドキュメンタリーです。

クルド難民のカザンキラン一家と出合った野本監督は、難民認定を求めて国連大学前で座り込みを続ける一家の姿を撮影し始めます。国連から難民と認定されたのに、一家のお父さんと長男が強制送還され、他の家族も日本での在住を認められず、第3国へ出国してしまいます。監督は、彼らがなぜ難民となったのかを知るため、彼らの後を追いトルコやニュージーランドへも取材し、この作品を仕上げました。映画学校の卒業制作にと思って撮り始めた監督ですが、企画会議で落選してしまい、撮影を続行するため学校を辞めて撮影を続け、3年かけて完成させたそうです。

この作品を通して、あまりに理不尽な日本政府の難民政策が見えてきます。
そして、人の苦難に無関心な日本人の姿も…。
「難民を装って日本に来る人たちもいるから難民認定が厳しくなるのもしょうがない」という人もいますが、映画のパンフによると、トルコのクルド難民で日本政府から難民と認定された人はまだ誰もいないそうです。ほんとにそうなのでしょうか。だとしたら、難民に認定された人もいない状態なのに、そういう風に言うのは、あまりに悲しいことではないでしょうか。

若い監督の作品なので経験不足な面もありますが、彼らと誠実に向き合い、一生懸命作った作品だと思います。プロデューサー、編集の大澤一生さんと二人三脚での仕事ぶりに初々しさを感じ、日本の若者も捨てたもんじゃないと、心強く思いました。
ぜひぜひ、いろいろな人に見てもらいたい。(暁)

2007山形ドキュメンタリー映画祭 アジア千波万波部門 「市民賞」「奨励賞」受賞
毎日映画コンクール「ドキュメンタリー映画賞」受賞

2007/日本/カラー/DV/102分/日本語・トルコ語/
製作・配給・宣伝:バックドロップ・フィルム

http://www.back-drop-kurdistan.com/
7月5日(土)より ポレポレ東中野にてロードショー

back to top

純喫茶 磯辺

監督・脚本・編集:吉田恵輔
テーマ曲:「男の滑走路」クレイジーケンバンド
出演:宮迫博之、仲里依紗、濱田マリ、近藤春菜(ハリセンボン)、麻生久美子 ほか

裕次郎は妻が家を出て行って以来、娘の咲子と二人で暮らしてきた。そんな彼の元に死んだ父の遺産が転がり込む。ある日、喫茶店で若い女の子といちゃつくマスターの姿を見た裕次郎は、自分も喫茶店のマスターになろうとひらめいた。それからはとんとん拍子にことはすすみ、「純喫茶 磯辺」がオープンする。娘の咲子は、父の無計画ぶりも、喫茶店のダサさも信じられない。オープンした店には、バイトの美女・素子への下心か、怪しげな常連客が入り浸る。素子に下心アリアリなのは裕次郎も同じ。素子の方もまんざらでもなさそうで、咲子のイライラは募るばかり。

出てくる人物の誰一人としてかっこよくない。いい加減で、へたれで、自分勝手で。でも、なぜか憎めない。みんな、それなりに一所懸命で、痛い思いを抱えつつ、幸せになりたいと願っているのがわかるから。吉田監督は前作『机のなかみ』に続き、痛いけど可笑しい人間関係を絶妙に描いています。このイタキモに近い感覚、クセになります。
宮迫博之は『蛇イチゴ』以来、6年ぶりの映画主演。彼を筆頭に、役者陣みんな間がいいですねぇ。そして誰より麻生久美子がこれまでとは全く違った役柄を演じていて、そのワケのわからなさが最高です。(梅)

2008年/日本映画/ビスタ/カラー/DTSステレオ/113分
製作:「純喫茶磯辺」製作委員会
配給:ムービーアイ

公式 HP >> http://www.isobe-movie.com/

★7月5日(土)、テアトル新宿+渋谷シネ・アミューズほか全国ロードショー

BUG バグ

監督:ウィリアム・フリードキン
脚本:トレイシー・レッツ
撮影:マイケル・グレイディ
プロダクション・デザイン:フランコ・カルボーネ
音楽:ブライアン・タイラー
出演:アシュレイ・ジャッド(アグネス)、マイケル・シャノン(ピーター・エバンス)、リン・コリンズ(R.C)、ハリー・コニック・Jr(ジェリー・ゴス)ほか

アメリカのオクラホマ州。レストランバーで働き、モーテルに一人で住むアグネスは、毎日のようにかかる無言電話に悩まされている。服役して最近仮出所した夫のジェリーではないかと思うが、暴力を振るう彼とよりを戻す気はない。一人息子は6歳のときに行方不明になってもう10年になる。仕事仲間のR.Cが連れてきたたピーターにどことなく共通点を感じ、一晩だけ泊めることにした。朝目覚めると夫のジェリーが戻っていて、拒絶するアグネスを殴って現金を持ち出して行った。不安なアグネスはピーターに一緒にいてくれるよう頼み、ベッドを共にするが、そのときから「虫(バグ)」の存在を感じ始める。ピーターはアグネスに秘密を打ち明けた。軍によって体に「虫」を埋め込まれたというのだ。


ポスターの感じから、ホラーかな?と想像して観始めました。子どもをなくして、DV夫に怯えるアグネス。あれ、家族劇かと思ってるうちに、秘密めいた男ピーターの出現。このマイケル・シャノンの表情が変化していくのにご注目。ピーターが秘密を打ち明けてから、アグネスがピーターにひきずられていき、どんどんテンションが高くなっていきます。狂気からくる妄想なのか事実なのかわからないまま、アグネスの錯乱にまきこまれそうになります。後半モーテルの部屋の中だけのやりとりに、なんだか前衛劇を観ているような気分になりました。後でプレスを読んだら、元はオフ・ブロードウェイの舞台劇でした。今回脚本のトレイシー・レッツが戯曲を書いています。見方を変えればラブストーリーでもあります。(白)

2007/アメリカ/カラー/102分/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル/R-15
配給:ブロードメディアスタジオ

公式 HP >> http://www.bugmovie.jp/

★7月5日(土)〜 シアターN渋谷ほかにてロードショー

レッドライン(原題:RED LINE)

監督:アンディ・チェン
製作:ダニエル・サデク
撮影:ビル・バトラー
出演:ナディア・ビョーリン(ナターシャ)、ネイサン・フィリップス(カルロ)、アンガス・マクファーデン(マイケル)、ティム・マシスン(ジェリー)、エディ・グリフィン(インフェイマス)、ジェシー・ジョンソン(ジェイソン)ほか

アメリカ西海岸の公道での違法なレースに、多額の金をかけている金持ちたちがいる。そのドライバー、ジェイソンの兄カルロがイラクから戻ってきた。出かけたクラブで、カルロは男にからまれているナターシャを助けた。歌手志望の彼女の父親はレーサーで事故死していた。たぐいまれなドライビングテクニックを持っているナターシャは、賭博レースの常連インフェイマスの策略で、ジェイソンと同じレースに出場することになってしまった。


監督の名前が中華系だなと思っていたら、ジャッキー・チェンのスタントマン協会に所属のスタント出身の方でした。初監督作品。アクションシーンの指導もやったのかも。公道レースや競技場で大破する車はCGではなく、本当に高価な車がぶつかっているのだそうです。もったいない!カーマニアであるプロデューサー、ダニエル・サデクがコレクションをこの撮影のために提供したのだとか。車、スピード、ギャンブルに美女とサービス満点(香港テイスト)の作品です。(白)

2007/アメリカ/カラー/95分/ドルビーデジタル/シネマスコープ/
配給・宣伝:プレシディオ
http://red-line-movie.jp/

7月5日(土)〜丸の内プラゼール系にて全国公開

back to top

クライマーズ・ハイ

監督:原田眞人
原作:横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文春文庫刊)
脚本:加藤正人/成島出/原田眞人
出演:堤真一、堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、山崎努

1985年8月12日夕刻、大阪発の日航ジャンボ機が消息を絶った。墜落したのは、群馬か長野か? 群馬の地元有力紙、北関東新聞社の社内は騒然となる。ワンマン社長・白河頼三が、航空機事故の全権デスクに任命したのは、遊軍記者・悠木和雅(堤真一)。悠木は翌朝、販売局所属の無二の親友、安西(高嶋政宏)と谷川岳衝立山登頂に挑戦すべく約束していたが、連絡も取れないままに、墜落事故報道の社内統率をはかることになる。現場に急行する県警キャップ・佐山(堺雅人)と神沢(滝藤賢一)。必死の思いで電話のあるところまで下山し、事故現場の凄惨な様子を伝えるも、印刷締め切りが早まっていて間に合わない。一方、女性記者・玉置千鶴子(尾野真千子)は、事故原因調査委員の中に大学の恩師がいるのを知り、佐山と共にスクープを狙って動く。

 
(C)2008「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ」

毎日各部の責任者が集まって行われる会議。トップ記事は? スクープは? 加熱する全国紙との報道合戦の一方、社内の力関係や妬みで苛立ちも沸騰点に。極限状態の中で、全権として何を報道すべきかの判断を迫られる悠木。ジャーナリストとしての倫理観を考えさせられる場面である。

クライマーズ・ハイとは、登山時に興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態。作家・横山秀夫が、地元紙の社会部記者時代として体験した壮絶な日航機事故報道現場を元に書き上げた「クライマーズ・ハイ」を、『突入せよ!「あさま山荘」事件』に続き、実録スタイルで描いた原田監督。新聞社の1フロアーに存在する50人すべて、俳優一人一人が部署と名前を与えられ、その職務に従って「働いて」いる。カメラアングルに入っているかどうかは関係なく、皆が動いているところが面白い。

原作では男性だった玉置という目立たない記者を女性にしたのは、1985年という年が男女雇用機会均等法の制定された年で、監督はそういう背景の中で頑張る女性を登場させたかったのだという。今から思えば、女性が男と肩を並べて働くことがようやく社会の枠組みとして認められた時期だった。実態はともかく。

事故の日から、もう23年。あの日、延々と読み続けられる犠牲者の方の名前を暑い部屋で聞いていたことを、つい昨日のことのように思い出す。あの日を境に520名の方の家族の運命も変わったのだと思うと、なんともいえない思いにかられる。けれども、家族を亡くすということは、誰しもが経験すること。それがこうした事故という状態で起こることもあるということを思い、家族や友達との一日一日を大事にしたいと、今また思う。(咲)

製作プロダクション:ビーワイルド
配給:東映×ギャガ・コミュニケーションズ Powerd by ヒューマックスシネマ

2008/日本映画/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル/145分

公式 HP >> http://climbershigh.gyao.jp/

★7月5日(土)より、丸の内TOEI (1) ほか全国にてロードショー!!

特別記事『クライマーズ・ハイ』記者会見報告もご覧下さい。

back to top

ツール・ド・フランス特集上映

地球上で最も過酷なスポーツイベントと言われるツール・ド・フランス。今年も7月5日に開幕し、世界中から集まった自転車ロードレースチームの男たちが、フランスの大自然を舞台にスピードと忍耐力を競い合っています。TVでは放送されることのない、ツール・ド・フランスの知られざる真実を描いた3本が一挙上映されます。

『ツアー・オペレーター/知られざるツール・ド・フランス』
監督:ジャン・クリストフ・ロゼ
出演:ランス・アームストロング、デイヴィッド・ミラー、他

2000年のツール・ド・フランス。チーム「コフィディス」の栄光と敗北を、併走するツアー・オペレーターの視点で追う。大観衆の前では颯爽と走り去る選手たちが、オフで見せる葛藤や苦悩。いかに過酷なレースなのかを思い知ります。かたや、かつて選手として走った老人が、昔を懐かしみながら選手たちを待ち構え、水を配ろうとする姿がなんともいい。(咲)
2001年/フランス/100分/フランス語・英語・イタリア語
提供:J SPORTS、アップリンク

『ツール・ド・フランス オフィシャル・ヒストリー1903-2005』
出演:エディ・メルクス、グレッグ・レモン、ランス・アームストロング、他

1903年から2003年までのツールの歩んだ歴史をパリ〜ニースで前人未到の7連勝(1982-1988)を遂げた名選手ショーン・ケリーが解説。ツール黎明期の映像やエディ・メルクス、グレッグ・レモン、ランス・アームストロングなど選手へのレース直後のインタビューなどを織り交ぜながらその歴史を綴る。次々に誕生する偉大なチャンピオン、臆することなく挑むライバル。100年以上にわたるツールの多彩にして驚くべき歴史を一気に描き出す。

2003年/イギリス/114分/英語
提供:J SPORTS 

『マイヨ・ジョーヌへの挑戦 ツール・ド・フランス100 周年記念大会』
監督:ペペ・ダンカート/ヴェルナー・シュヴァイツァー
出演:ランス・アームストロング、ヤン・ウルリッヒ、エリック・ツァベル、他

ドイツの「チーム・テレコム(現T-モバイル)」の視点から、 開催100周年を迎えた2003年のツール・ド・フランスを描いたドキュメンタリー。 ツールがどの様に発展して行ったかを過去の映像を交えて紹介しつつ、 「プリズナー・オブ・ストリート(道の囚人)」と呼ばれるプロのサイクリスト達の挑戦、 苦悩する姿を描き出す。

2004年/ドイツ/123分/英語・フランス語・ドイツ語  提供:アップリンク

★7月12日(土)より、渋谷アップリンクにて特集上映!
9月5日(金)『ツアー・オペレーター』DVD発売!

公式HP>> http://www.uplink.co.jp/factory/log/002676.php

back to top

近距離恋愛(原題:MADE OF HONO)

監督:ポール・ウェイランド
原案:アダム・スティキエル
脚本:アダム・スティキエル、デボラ・カプラン、ハリー・エルフォント
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
出演: パトリック・デンプシー(トム)、ミシェル・モナハン(ハンナ)、ケヴィン・マクキッド(コリン)、シドニー・ポラック(トムの父:トーマス)、キャスリーン・クインラン(ハンナの母:ショーン)、ほか

プレイボーイのトムとしっかり者のハンナは、大学生のころからの大親友。性格も好みも、付き合った恋人のことまで知り尽くしている。あまりに身近すぎて恋愛の対象にならなかったのだが・・・。美術館に勤めるハンナが英国に長期出張になり、彼女と長く離れたことのないトムは、初めてかけがえのない女性なのだと気づく。帰国したら告白しようと花を手に会いに行くと、そこには婚約者だというコリンがいた。幸せいっぱいのハンナは、あろうことかトムに花嫁の付添い人を頼む。


(c)2007 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved

原題の「MADE OF HONOR」は花嫁の付添い人(プライズメイド)の筆頭として式の準備やドレスの選択など花嫁のそばにいて手伝う「maid of honor」のもじりです。通常は一番仲の良い未婚の女性が務めます。トムはハンナにつきっきりでいられるこのチャンスに、なんとか逆転を試みるのですが果たして?
パトリック・デンプシーはテレビドラマ「グレイズ・アナトミー」で人気。ミシェル・モナハンは『M:i:III』のヒロインに抜擢されて知名度が上がり、秋にも主演作がひかえています。トムの父親、を5月26日癌のため逝去されたシドニー・ポラック監督が演じています。(白)

2007/アメリカ/カラー/102分/ビスタ/ドルビーデジタル/
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

http://www.sonypictures.jp/movies/madeofhonor/

7月12日(土)より日比谷みゆき座ほか全国ロードショー

ホートン ふしぎな世界のダレダーレ(原題:HORTON HEARS A WHO!)

監督:ジミー・ヘイワード、スティーヴ・マーティノ
脚本:シンコ・ポール、ケン・ダウリオ
製作:ボブ・ゴードン
製作総指揮:オードリー・ガイゼル、クリストファー・メレダンドリ
音楽:ジョン・パウエル
声の出演者とキャラクター
〓ジャングルヌールの住民たち
ジム・キャリー(ホートン/ゾウ)、キャロル・バーネット(カンガルー)、ウィル・アーネット(ブラド/オオワシ)、セス・ローゲン(モートン/ネズミ)他。
〓ダレダーレの住民たち
スティーヴ・カレル(市長)、アイラ・フィッシャー(メアリー博士)他。

陽気で明るいダレダーレたちが住むダレダーレ国。そこは争いごとのない平和で楽しい世界。そんなダレダーレにちょっとした異変が起こり始める。地面が揺れたり、妙な巻き雲が現れたり…。実は、ヒマワリの花に安住していた国全体が、突然の大風で空中に放り出されたのだ。 このままではダレダーレは壊滅してしまう! そんなダレダーレたちの助けを求める声を、ジャングルヌールに住むゾウのホートンが偶然聞き付けた。自分の耳のそばで、小さな小さなホコリから、確かに救いを求める声を聞いたと信じるホートンは、仲間に馬鹿にされながらも、ダレダーレ国の人々を助けるため行動を起こすのだった…。

ファンタジーの世界にようこそ!もう、この呼びかけしか思い浮かびません。
小さな小さなケシツブに国一つが入っているのです。もちろん、住民たちもたくさんいて日常生活をしています。そのケシツブを、私たちの住む地球に置き換えてみても話しが通じる教訓的な部分もあり、子どもはもちろんのこと、大人も思わずため息が出てしまう・・・そんなアニメです。色合いも原色ではなく、"和菓子の色合い"なんです!ほんのり甘く、繊細に細工されたねりきりの和菓子を連想してしまいました。
公開は夏休み始まりの頃。是非、ふしぎなダレダーレ国に、ご家族で旅をしてください。(美)

2008年/アメリカ/カラー/86分/ビスタ/
配給:20世紀フォックス
http://movies.foxjapan.com/horton/

7月12日(土)〜お台場シネマメディアージュ他全国ロードショー
(C) 2008 Fox, Based on Dr. Seuss characters TM & (C) Dr. Seuss Enterprises

back to top

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008(第5回)

期間:7月19日(土)〜27日(日)
場所:埼玉県川口市「SKIPシティ」彩の国ビジュアルプラザ
  映像ホール・多目的ホール他
アクセス:会期中、JR川口駅東口キャスティ前臨時バス停より、SKIPシティまで直行の無料シャトルバスが20分間隔で運行されます。(所要:約12分)
   → http://www.skipcity-dcf.jp/access/

メインは、国内外のデジタルで撮影・制作されたデジタルシネマ作品の長編・短編コンペティション。上映は4Kデジタルシネマプロジェクターという最高の環境。また、各作品の上映後には、各国から訪れた作品ゲストとの交流の場も用意されています。詳細は公式HPでご確認ください。また、HPでは、全作品の予告編も観ることができます。
そのほか、招待作品(シネマ歌舞伎、Livespire作品)、特集上映プログラム(「カメラ・クレヨン」キンダー・フィルム プレゼンツ)、D-コンテンツマーケット、シンポジウムや市民イベントなど様々なプログラムが開催されます。

長編部門(国際コンペティション)
『キャプテン アブ・ラエド』ヨルダン、アメリカ
『戦禍の下で』レバノン
『エゴイスト』ドイツ、スイス
『赤い蟻』ルクセンブルグ、ベルギー、フランス
『Waiting for the Sun〜天気待ち〜』日本
『幸せのアレンジ』アメリカ
『ザ・クラス』エストニア
『記憶の谺(こだま)』デンマーク
『ガブリエルが聴こえる』スペイン
『リノ』フランス
『囲碁王とその息子』中国
『コンクリート・ピロウ』トルコ
公式HP>>  http://www.skipcity-dcf.jp/index.html

back to top

百万円と苦虫女

監督・脚本: タナダユキ
撮影:安田圭
音楽:櫻井映子 、平野航
主題歌: 原田郁子 「やわらかくて きもちいい風」
出演:蒼井優(佐藤鈴子)、森山未來(中島亮平)、ピエール瀧(桃農家息子 春夫)、竹財輝之助(ユウキ)、齋藤隆成 (弟 拓也)、佐々木すみ江(桃農家の母親 絹)、笹野高史(喫茶店主 白石)、堀部圭亮、嶋田久作、モロ師岡ほか

鈴子は短大を卒業したものの就職浪人中。友達がいないからと、携帯も持っていない。バイト先の同僚リコからルームシェアの誘いがかかり、その気になったのだが、リコの心変わりでとんでもないことに・・・。警察のご厄介になって「受験に差し支える」と6年生の弟拓也に文句を言われ、ますます実家に居辛くなる。「百万円たまったら家を出ます!」と家族に宣言、いくつものバイトをかけもちして必死に働く鈴子だった。


百万円たまるごとに別の土地に移り、また働いて百万円をためる生活をする鈴子。根が生えたように動けない、変えられない人間(私も)は思わず羨ましくなります。鈴子は、高給が取れそうなオミズ系にはいきません。電話の苦情受付やビル清掃など、手作り弁当を持っていってひたすら働きます。実家を出る前に、「カーテンは高いから」と自分でせっせと縫うのも実直そのもの。最初は生意気で可愛くないと思えた弟の拓也が、学校でいじめられていてそれなりに苦労していること、姉の果敢な姿を見て寄り添っていくところなど、じ〜〜んとしました。けっして甘くはない外の生活に触れながら、少しずつたくましくなる鈴子を応援したくなります。蒼井優さんをはじめ、どのキャストもぴったり。(白)

2008/121分/日本/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD・DTSデジタル 配給・宣伝:日活
http://www.nigamushi.com/
7月19日(土)、シネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー