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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『王様とボク』
記者会見&トークイベント


左から相葉裕樹さん、菅田将暉さん、松坂桃李さん、前田哲監督

2012年8月26日(日)東商ホール


9月22日(土)から公開される映画『王様とボク』の記者会見が行われ、主演モリオ役の菅田将暉さん、モリオの友人ミキヒコ役の松坂桃李さん、トモナリ役の相葉裕樹さん、そして前田哲監督が登壇しました。
その後、『王様とボク』を応援するサポーターを集めたトークイベントも行われました。

《記 者 会 見》

◆ 公開まで1ヶ月を切った今の気持ち

相葉:本当にあっという間で、あと1ヶ月というのが不思議なくらいです。早くたくさんの方に観ていただきたいです。

菅田:去年の12月に短期集中で撮影したので、やっと公開されるという気持ちです。撮影の日々はファンタジーな『王様とボク』の世界観がすごく楽しかったし、いろんな挑戦もしています。監督に「映画には3つの別れがある」という話を聞いたことがあって、その3つめがお客さんに映画を届けるときで、もうすぐそういう時期だなとしみじみ思います。と同時に楽しみでもあります。

松坂:撮影は本当に夢の中の世界みたいだったんですよ。その世界観が映像になって完成して、お客さんが観たときにどういう反応をするのか?アンケートでどう感じたかを早く聞いてみたいですね。

菅田:取材のときにインタビュアーさんが「私は最後こう思ったんですよ」って毎回違うことをいわれるんです。それを聞いていたら自分の感じ方も変わってきてそれがおもしろいです。

前田監督(以下監督):3人が役にはまるというよりは、3人それぞれが持っているものを役に投影して今回はつくれたと思っています。冒険的、実験的なつくり方をしているので、どういう感想を持ってもらえるのか楽しみです。


◆ 俳優3人に監督の演出について(そのあとに監督が演出上で気をつけていた点など)


舞台の千秋楽が終わって駆けつけた
相葉裕樹さん          

相葉:僕はああしようこうしようということはあまり決めずに現場に入って、そのときの空気感というか周りや相手の流れを感じながら、監督と相談しつつフラットな状態で臨めました。いろいろと引き出してもらったかなと思っています。今までにない新しい感覚でお芝居ができて、貴重な経験でした。


監督:3人共通なんですけど、相手の言葉を受けてそれに返すわけだから、自分のことを先に先にと芝居をするんじゃなくて相手があってということ。衣装を着てその場所にいて相手がいたときに、それを感じたままに出してみてという話は結構しました。
3人それぞれが、居心地よくやれるかどうかという環境づくりを考えたつもりです。





監督からのお褒めの言葉に照れていた
菅田将暉さん           

菅田:指導と同時にディスカッションというかとにかく話しました。それを頭に入れてお芝居をしたときもあるし、かといって何も考えずにいたら何もできないし。身体が18歳で中身が6歳という数字でいうとわかりやすいんですけど、じゃあ6歳に見えればいいのか大人に見えればいいのか?実際に6歳がする行動をしたら6歳に見えるのか?パンクしそうになると監督に聞いていました。


監督:菅田くんが今いったように、6歳の役をそのままやったらお客さんが引いちゃいますから、その塩梅というのが非常に難しい。よくやってくれたと思いますね。僕がというよりは、菅田くんが持っているものをどう出してもらえるか。やりすぎもだめだし、やらなさすぎもそのキャラクターが伝わらないし、本当に難しかったと思います。頭で考えて肉体で表現してもらって、そのあと話し合って修正もしました。小学生とのからみが自然にできたのは菅田くんの持っている力ですね。




「(撮影で)クリスマスを監督と過ごし
ました(笑)」と松坂桃李さん    

松坂:段取りじゃなくてまずは気持ちでやってみようみたいなことが多かったので、僕はそういう現場がとても好きでした。本当に居心地がよかったです。ただ、撮影期間が2週間と短かったのでもっとやっていたかったですね。監督はいろんなことを引き出してくれました。


※松坂さんの素のリアクションを撮るために、あるシーンで監督が菅田さんに「何かやって」と。本番でいきなりピースを見せられた松坂さんは新鮮な驚きだったとか。


監督:誰も上手な芝居なんか見たくないと思うんですね。セリフひとつにしても表情ひとつにしても、その俳優さんの持っているものがふっと出た瞬間に観ている人に届くんじゃないかなと思います。難しいことではありますけど。



◆ 監督から一言


この物語は表向きは3人の友情物語なんですけど、大切な友達を失って12年後に再会するんですが、人は失っていくことで大人になっていくという喪失の物語でもあるんですね。いろんな悲しみとかを乗り越えて生きていかざるを得ない人は、それが大人になるということであると。いろいろ思春期は迷うこと悩むことが多いと思うんですけど、そういう人たちのエールにでもなればいいかなと思ってつくりました。まあそれよりなによりこの3人がすごく生き生きしているので、今このタイミングで一緒に仕事ができたことは本当にラッキーだったと思ってます。観客のみなさんに是非届けたいです。






《ト ー ク イ ベ ン ト》

記者会見後には『王様とボク』を応援してくださるサポーターの方々を招いてのトークイベント。
まず映画の予告編が流れたあとに菅田さん、松坂さん、相葉さんが登場すると割れんばかりの拍手と歓声に会場が包まれました(個人的ですが、久しぶりに女の子たちのキャーという黄色い声援を聞きました)。
その後監督も交えて、スクリーンに映し出される映画の場面写真を見ながら和気藹々のトーク。
主題歌「ours~ボクらの足跡~」を歌うGood Comingのミニライブや、もうすぐ誕生日という監督のためにお祝いのサプライズもありました。

◆これから映画を観る皆さんへ一言

松坂:『王様とボク』という作品に出て監督と出会い、菅田将暉、相葉裕樹とも共演できて、僕は夢の中にいるような現場でした。そんな不思議な空気感が漂った映画が皆さんに届くと思うと嬉しい想いでいっぱいです。あとはこの映画の良さというものを劇場で体感していただければと思っているので、是非劇場まで足を運んでください。

相葉:10代、20代の方もですが、30代、40代の方がこの映画を見てどういう風に感じるのかというのが僕の今一番気になっていることです。毎回見るたびに感想や印象が変わるので、皆さんの感想が早く知りたいという気持ちでいっぱいです。是非劇場に足を運んでみてください。

菅田:観終わった後しばらく動けないような…ただ淡々と日常を描いているような感じではあるんですけど、なんかすごく現実味があるというか。僕的には撮影中はすごく楽しい日々でしたし、この映画に関わってすごくポジティブなパワーをもらいました。『王様とボク』に出演できたことを誇りに思いますし、これが皆さんのところへ無事に届けられる日が近づいてきていることを嬉しく思います。是非観てください。よろしくお願いします。




『王様とボク』

9/22(土)よりユナイテッド・シネマ、シネマートほか全国順次ロードショー!
公式サイト http://www.o-boku.com/
ツイッター @oboku_movie

>> 作品紹介

(取材:金子ひろみ)

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