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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

第23回東京国際映画祭 記者会見

左から高井英幸理事長、竹原ピストルさん、南 果歩さん、谷村美月さん、熊切和嘉監督、依田巽チェアマン

2010年9月30日


2010年10月23日(土)~10月31日(日)の日程で開催される第23回東京国際映画祭の記者会見が六本木アカデミーヒルズ40Fで行われ、関係者一同より今年の映画祭への意気込みが語られました。

●世界に誇れる高品質な映画祭を目指す

まずは、公益財団法人ユニジャパン・高井英幸理事長より、「この夏、映画館入場者は昨年夏の115%の入りで好調の映画界、見ごたえのある映画祭を目指して準備を進めています」と挨拶。
続いて、依田巽チェアマンより、「基本的な理念として①高品質 作品力のある作品を集める ②チャンスをみ出す ③イノベーティブ ④リンケージ(連携)を得ることが出来る という4つのキーワードを掲げております。グリーンをテーマカラーにし、グリーンカーペット natural TIFFやTOYOTA Earth Grand Prixの創設、グリーンパワーによる上映を実施しています。日本で80以上の映画祭がありますが、その中でも、世界76各国から映画を集め素晴らしい映画祭となることを目指しました」と、意欲的な発言のあと、コンペティションや特別招待作品の紹介のほか、アジアの風部門での特集「生誕70年記念~ブルース・リーから未来へ」「ディスカバー亜州電影生誕100周年記念~KUROSAWA魂 in アジア中東」「台湾電影ルネッサンス2010~美麗新世代」「トルコ、レハ・エルデム監督特集」について言及されました。


●コンペティション作品『海炭市叙景』監督ほか挨拶

コンペティション出品作品を代表して、『海炭市叙景』の熊切和嘉監督、谷村美月さん、南 果歩さん、竹原ピストルさんが登壇、作品への思いを語りました。


『海炭市叙景』 左から 竹原ピストルさん、南 果歩さん、谷村美月さん、熊切和嘉監督

熊切監督:2年前、『ノンコ36歳』で函館を舞台にした縁で、『海炭市叙景』ができました。今まで一人か二人が主人公を追い詰めていましたが、今回は何人もの主人公を追いました。もっとも重視したのは、彼らがほんとにそこに暮らしているように撮ることでした。

谷村:演じようとしなくても、実際にその場に立っていればいいという居心地のいい現場でした。

南:函館で1ヵ月半、市民参加型の作品で、プロと地元の人たちがマーブル状にいい形で混じりあっている作品です。函館はデビュー作『伽揶子のために』の多くの部分を撮ったゆかりの地。当時と比べてシャッター街が増えてさびれた感じがしました。寒い土地だけど、人の心があたたかいところ。

竹原:監督は普段からにこやかなのですが、故郷で撮っているせいか、いつもにこにこしてワクワクしていた感じです。

それぞれが函館での撮影時のことを語り、最後に監督が「とある地方都市の現実と、そこで暮らす人の生活を描いたもの。何かを感じていただければ嬉しいです」と締めました。


コンペティションにノミネートされているのは、『海炭市叙景』を含め、計15本。
さて、10月23日から始まる東京国際映画祭、どの作品が東京サクラグランプリに輝くでしょうか?

取材:景山咲子

◎第23回東京国際映画祭 コンペティション作品

◆『そして、地に平和を』(And Peace on Earth)イタリア
監督:マッテオ・ボトルーニョ、ダニエレ・コルッチーニ
出演:マウリツィオ・テセイ、ウゲッタ・ドノラシェンツォ

◆『ビューティフル・ボーイ』(Beautiful Boy)アメリカ
監督:ショーン・クー
出演:マイケル・シーン、マリア・ベロ、ムーン・ブラッドグッド

◆『ブライトン・ロック』(Brighton Rock)イギリス
監督:ローワン・ジョフィ
出演:サム・ライリー、ヘレン・ミレン、アンドレア・ライズボロー

◆『フラミンゴ No.13』(Flamingo No.13)イラン
監督:ハミド・レザ・アリゴリアン
出演:バラン・ザマニ、ラスール・ユーナン、モハマド・タギ・シャムス・ランガルディ

◆『一粒の麦』(If the Seed Doesn't Die)ルーマニア、セルビア、オーストリア
監督:シニツァ・ドラギン
出演:ムスタファ・ナダレヴィッチ、ダン・コンドゥラケ、フランツ・ブーフライザー

◆『僕の心の奥の文法』(Intimate Grammar)イスラエル
監督:ニル・ベルグマン
出演:ロイ・エルスベルグ、オルリ・ジルベルシャッツ、イェフダ・アルマゴール

◆『隠れた瞳』(The Invisible Eye)アルゼンチン、フランス、スペイン
監督:ディエゴ・レルマン
出演:フリエタ・シルベルベルク、オスマル・ヌニェス、マルタ・ルボス

◆『鋼のピアノ』(The Piano in a Factory)中国
監督:チャン・メン
出演:ワン・チエンユエン、チン・ハイルー、チャン・シニョン

◆『わたしを離さないで』(Never Let Me Go)イギリス、アメリカ
監督:マーク・ロマネク
出演:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ

◆『一枚のハガキ』(POST CARD)日本
監督:新藤兼人
出演:豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政

◆『小学校!』(Primary!)スペイン
監督:イバン・ノエル
出演:フランシスコ・アルフォンシン、ホセ・ホアキン・メナ=ベルナル・ルエダ

◆『サラの鍵』(Sarah's Key)フランス
監督:ジル・パケ=ブランネール
出演:クリスティン・スコット・トーマス、メリュシーヌ・マイヤンス、ニエル・アレストラップ

◆『海炭市叙景』(Sketches of Kaitan City)日本
監督:熊切和嘉
出演:谷村美月、加瀬 亮、小林 薫、南 果歩、竹原ピストル

◆『ゼフィール』(Zephyr)トルコ
監督:ベルマ・バシュ
出演:シェイマ・ウズンラル、ヴァヒーデ・ギョルドゥム、セヴィンチ・バシュ

★ コンペティションは15本を予定しています。15本目の作品は現在最終確認中です。

*10月7日 追加決定
◆『ブッダ・マウンテン』Buddha Mountain (原題:觀音山) 中国
監督:リー・ユー(李玉)
出演:シルヴィア・チャン、ファン・ビンビン、チェン・ボーリン、フェイ・ロン、ジン・ジン、ファン・リー、パオ・ジェンジャン

公式HP http://www.tiff-jp.net/


作品感想集 by(美)

コンピティション

『海炭市叙景』熊切和嘉監督/日本
小説家・佐藤泰志の幻の小説を映画化したもの。 海炭市とそこで暮らす人々の喜怒哀楽を函館市民の協力を得て撮影された傑作。
海炭市は架空の街で、約20年前の函館をモデルにしている。この街に採算があわない為、造船所を解雇された兄妹。 プラネタリウムで働く中年男。燃料店を経営する若社長の苛立ち。浄水器のセールスマンの帰郷。立ち退きを迫られている年寄り。 どこにでもいそうな人々が、苦労や悩みを抱えて生きて行く。 日々、人々の気持ちの変化はあっても、海炭市のどこからでも仰ぎ見ることができる山々、星空、道には路面電車が、 いつも変わらず、そこにある・・・。ちょっと辛口の群像作品。
※加瀬亮が今までと違う顔付きで登場。初め、誰だかわかりませんでした。

『わたしを離さないで』マーク・ロマネク監督イギリス、アメリカ
謎めいた寄宿施設で育った三人の若者たちの、 複雑に絡む合う絆で結ばれは彼らがたどる運命は…。
ある意味、とても面白いが、後味悪い映画…と、はっきり言う。『私の中のあなた』や『レポゼッション・メン』などを観た時は、 「なんだか凄すぎ!」と思ったものだが、これを観たら…あの作品たちは序の口。 「うぇ~、ここまでやるの~…」って唸りました。
この作品の特異な点は、将来(50年後など)を描いているのではないこと。 「20年前、こんな話あったよ」というスタンスだから、ブラックな昔話?映画と、覚悟してご覧ください。 『レポゼッシオン・メン』はすぐオダブツだけど、これはじわじわっとだから・・・。

『ブライトン・ロック』ローワン・ジョフィ監督/イギリス
イギリス南部の行楽地ブライトンを舞台に、不良青年と純情娘の偽りの関係を軸に描かれた愛と裏切りの物語。
若い女の子って、ちょっと悪の男の子に弱い。純情娘ローズもひょんなきっかけで、ヤクザの使い走りの男ピンキーを好きになる。 男は、野暮ったい娘に近づく理由があり、初めは適当にあしらっていたが、娘は本気で愛するようになる。 人殺しであろうとお尋ね者だろうと、ついて行く覚悟をしてる。イギリスの1964年を背景に、若者のエネルギーがほとばしる作品。 海、山、町並みの夜の光景が絶品。

『そして、地に平和を』マッテオ・ボトルーニョ監督/イタリア
ローマから少し離れた郊外の町のうらぶれた公団住宅に、 刑務所を出所して来たばかりのヤクザのマルコ、そして若いチンピラ仲間三人、祖母と二人暮らしの大学生ソニアは、 些細な原因で、それぞれが一つの事件で向き合うことになるのだった。
一人一人の感情の移り変わりを丁寧に描かれている。ストーリーにさほど驚く展開はないが、 最後は「こう出たか!」とちょっと意外な終わり方だった。 ほとんど自然光の中、建物、風景がシンメトリーに映し撮っているシーンが見事で、 宗教的な(レクイエムかな?)音楽、木管楽器(オーボエかクラリネット)の独奏曲が、 貧しい下町には、場違いの雰囲気の中、滔々と流れていたのが印象的だった。

『サラの鍵』ジル・パケ=ブレネール監督/フランス
時は1942年のパリ。ユダヤ人迫害の動きが激しくなる。サラは、幼い弟を納戸に鍵をかけて隠したまま、収容所に送られてしまう。
まいった!すごくわかりやすく、起承転結がしっかりしていた。フランス映画には珍しい切り込みの深い作品だった。今までで一番かな。

『ゼフィール』ベルマ・バシュ監督/トルコ
お母さんは私を愛してないかもしれない…。山の中で寂しさを紛らわす少女の繊細な心の動きを捉えている。
これもなかなか静かで味わいのある作品だった。少女の中の残酷さとその恐さを意識しない幼さ、自然の中での振る舞い…。 祖父母と暮らす山深い家での食事風景が、母親と縁の薄い孫をありったけの愛情をかけて、 テーブルに並べられているように見えて、気持ちが和んだ。

今まで6作品観たが、すべていろんな意味で面白かった。今年の東京国際のコンペティション作品は、カンペキティションかも! (10/19)

3作品の感想を追加しました。(10/24)

『僕の心の奥の文法』ニル・ベルグマン監督/イスラエル
1963年イスラエル。つかの間の平和な時期を背景に、数年前から成長することをやめた少年アハロンの物語。 家族に反抗するためか、時代に抵抗するためか…。コミカルな要素を含めながら少年の思春期を描いている。
祖母、両親、姉、そして背丈の伸びないアハロンの五人は、各々悩みを抱えながらも、 庶民的な集合住宅で、まずまずの暮らしをしている。 少しぼけかけている優しい祖母、女に色目を使う父親、悔しいけど全部お見通しの口喧しい母親、 自分の太った体を持て余し、恋に悩む姉、そしていつまでもチビの僕。 「大人になってもどんな良いこと待ってるの?僕の願いは篭抜け(旅行カバンに入り、水中に沈み脱出したり、冷蔵庫に入り・・・)を成功させること」と言わんばかり。 ホロコーストから生還した父は、小柄な息子に「インテリと芸術家だけにはなるな! 一番最初にくたばるのはあいつらだった!」と経験を語る。イスラエルのひと時の平和な時代だが、不安の前触れを感じさせる現実的なホームドラマ。

『隠れた瞳』ディエゴ・レルマン監督/アルゼンチン、フランス、スペイン
1982年、軍事独裁政権末期のアルゼンチン。厳格なエリート学校の女教師が、 規律と欲望の狭間で傷ついていく様を、政治の崩壊を絡めて描いている。
1976年から7年間、ルチアーノ軍事独裁恐怖政治が行われていたことは『瞳の奥の秘密』の中にも出てきた。 若くて美人の教師マリアは、名門高校の厳しく、ちょっとした身だしなみにも冷たく注意している。 上司からタバコを吸っている生徒がいると聞き、男子トイレの個室に隠れて・・・。
政治が崩壊するのに併せて、堅剛な建物、マリアの肉体と精神が崩壊する様が混然となる。 誰かが誰かを見ている、監視されている、そんな時代の空気が、ひりひりと伝わってくる95分。

『小学校!』イバン・ノエル監督/スペイン
ホセは大学でも美術を教えられる実力の持ち主だが、あえて小学校の美術教師を希望する。 本当にここで教えてくれるんですか?と主任も驚く。
彼の受け持ちは7歳ぐらい?のクラス。熱が入り、画家、美術史を語るが、子らは騒がず、不思議そうにホセの熱弁を〈見て〉いる。 隠れていた才能を開花させる子、自分の書いた図画に思わぬ哲学的説明をする子、そして、個性的な教師仲間。 だが、主役は子どもたちでも、教師仲間を描いたのでもないと思う。 ホセ自身が過去(明らかにされていない)の痛みに耐え切れず、この場所にたどり着いたのだと気がつく。 明るい作品で、楽しく観られるが、ただそれだけの作品ではない。超オススメ作品。



特別招待作品

『クロッシング』アントワン・フークア監督/アメリカ
運に見放された警官3人(リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードル)のクライム・サスペンスを観ずに、この映画祭は語れない! なんて、私の好きな3人だから、う~んと宣伝したい気持ちわかってください。特にイーサン・ホークは痛々しくって、危なっかしくて、ぎゅーっと抱きしめてあげたかった。あっという間の132分でした。

『ふたたび swing me agein』塩屋俊監督
貴島健三郎78歳。50年前にハンセン氏病を患い、ジャズバンドのデビューを果たせなかった過去があります。 そんな彼が長い療養所生活から、長男の家に帰ってきて、第2の青春を歩み始めます。 ジャズの名曲に合わせ夢を実現していく感動作品。病と偏見に打ち勝った財津一郎の自然体の演技に驚きました。 夢を追う老人(失礼!) パワーと軽快なテンポのジャズ演奏が見事のミックスされていました。

『レオニー』松井久子監督/日本
19世紀末のニューヨーク。名門女子大ブリンマー大学を卒業したレオニー・ギルモアは、 日本から来た青年詩人ヨネ・ノグチ(野口米次郎)と出会う。 彼の詩に魅せられたレオニーは、ヨネと恋愛関係になり、身ごもってしまうのです。 その子が世界的な彫刻家イサム・ノグチです。
松井監督の長編第3作品目。一番すごいと思ったのは時代考証にあった調度品の数々でした。特に茶碗、書物に目を見張りました。
100年以上も前の日本で、精神的なよりどころはレオニーにとって子ども以外になかったはず。 反対に、ヨネを薄情な男のように描かれていますが、その当時なら普通以上にわきまえた人物だと思いました。 ヨネ役の中村獅童さん適役でした・・・。

『ストーン』ジョン・カラン監督/アメリカ
つい最近、ロバート・デ・ニーロの『トラブル・イン・ハリウッド』を観たばかり。 そこでは少し軽めの演技で彼の本質はこれかな?と思ってた矢先に、 お次は、分別臭い刑務所で働く仮釈放管理官…。なんて微妙な役職でしょうね。 誰だって塀の外に出たいから、いろんな反省を口にする中で、 ジャックは「本当に反省しているのか?」と見抜くのがお仕事のたがら、当然<うたぐり深い目>をしてしまう。 だが現役最後の仕事となるストーンはちょっと違ったのです。 ここからは観てのお楽しみとします。デ・ニーロの渋い顔、ノートンの茫洋とした表情とかすれ声、 ミラ・ジョヴォヴィッチの…(あ~、これも書くまい)。とにかく彼女の演技は必見とだけお伝えします。

『クレイジーズ』ブレック・アイズナー監督/アメリカ
アイオワ州ピアス郡の小さな町、人口はわずか1260人。のどかな田舎町におかしな現象が起こる。 普通の住民が、人が変わったように狂気じみて、乱暴者になるのだ。 保安官たちは原因を突き止めると原因は水であることがわかる。 かのジョージ・A/ロメロ監督が、1973年の幻の名作『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』をもとに作ったもの。 ガッツリ恐い映画!『アウトブレイク』を思い出した。大画面の映像が見事。殺戮の小道具、大道具が迫力あり!

『武士の家計簿』森田芳光監督
168年前の実在の家計簿が、古書店で偶然発見された。日々の買い物、付き合い、教育費、冠婚葬祭… 家計簿から鮮やかに蘇る幕末の下級武士・猪山直之の家族の愛とお金の物語。
金沢に縁が深い私にとって楽しみな作品。堺雅人、仲間由紀恵のコンビは初々しく自然だった。 今、ほとんどの家庭でやりくりして生活している現状だが、身につまされたと同時に、 ミエを捨てる勇気があれば、この先だって頑張って行けそうだと思った。 それには、この映画のご夫婦のように仲良く話し合っていける間柄じゃないと・・・。



日本映画・ある視点

『442日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍』すずきじゅんいち監督/アメリカ=日本
正直なところ観た後、とても複雑な気持ちになりました。 父母の祖国日本とアメリカの人種差別、そして輝かしい勲章の影に隠れた戦争の実態。 勝っても負けても、戦争は嫌だと心の底から強く感じました。 この試写の時、監督さんご夫婦がアメリカで交通事故にあわれたというニュースが飛び込んで来ました。 お命には別状はないとのことですが、一日も早く快復されることを願っています。

『酔いがさめたら、うちに帰ろう』東陽一監督、脚本、編集
「来週は、素面で家族に会うのです」と言いながら酒を浴びるように飲み、血を吐いて気絶する戦場カメラマンの塚原。 病院で気がつくと、そこには母と別れた妻がいた。妻は売れっ子漫画家だ。 アルコール依存症が原因で離婚し、別々に暮らしている。塚原はこれで10度目の吐血だった。
原作者は鴨志田穣。漫画家西原理恵子と子供二人の生活を描いている。 この作品は東京国際映画祭の“日本映画・ある視点”オープニング作品だ。 役者の揃え方が贅沢で、役者を生かして切っていた。医療関係者の描写が現実的で、本物を使っているように感じた。 浅野忠信の代表作になるはず。浅野は『地雷を踏んだらサヨウナラ』でも戦場カメラマンをやっていたから、 それで起用されたのかもしれませんね。

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