女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
スタッフ日記
2001年12月第5週
2002/1/1 (Tue)

年末も押し迫っている時に、姪とその友人が東京に遊びにきて我が家に滞在していた。 19才の女の子達なのだが、会話を聞いていると純粋さにはっとする。 お台場や新宿のイルミネーションなんかを見るたびに「きれいー。彼氏ときたいなー」 と言うのだ。かたやイルミネーションのきれいさに特に感動もなく 「あー歩き疲れてしんどい・・・」とぼーっと歩く私・・・。 いかんいかん、美しいものに感動したり恋愛に夢を持ったりすることを忘れてしまっている!  来年はもっと感性に磨きをかけなければと、いい刺激になった年末だったのでした。

(みずま)


12月いっぱい有効のシネコンタダ券を2枚もらった。何にしよう…… 「まず『ムーラン・ルージュ』を観て」と思ったら、 平日午前中1回という厳しいスケジュール。 これはダメだと『シュレック』を観ることにした。 雑誌でライターさん達に受けがよかったからである。 確かに登場人物の表情はよく出来ていて、「すごいなぁ、 ツイ・ハークが見たら悔しいと思うだろうな」 などと感心したが、肝心のお話がいまひとつ。 細かいところは面白いものの、全体の面白さにつながらない。言うなれば、 企画会議の煮詰まった状態で大いに受けた小ネタを2時間ものに引きのばした感じ。 あと1枚で、トム+ペネロペ+キャメロンのゴールデントリオより、 〈俺様〉ブルース・ウィリス+〈すごいんだかハッタリなんだかよくわからない〉 ビリー・ボブ・ソーントン+〈麗しの〉ケイト・ブランシェットという顔合わせの 『バンディッツ』を観ることにした。 しかし欲求不満は納まるどころか積もるばかり。 ピリッとしない2001年の映画納めとなりガックリ。

(まつした)

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2001年12月第4週
2001/12/25 (Tue)

12月から転職し、新しい職場になったせいか、帰宅してご飯を食べるとすぐ眠くなってしまう。 目も疲れ、パソコンを立ち上げる気にもならず、朝バタバタと出がけにメールチェックする程度。 当然、返事を書く暇もなし。シネジャ本誌の編集も終わって、さあHPといきたいところだが、正直そこまで手が回っていない。 今週のように3連休があると1日さけるのだが……(単に気合いが足りないだけだったりして)。

 おまけに土曜日も出社の日が多く、平日の帰りも映画を観に行くには遅いという 中途半端な時間で、映画を観るには実に都合のよくない職場である。 暇があれば金はなし、仕事があれば暇はなし。来年に入れば、 家の都合でさらに自由時間がなくなることは目にみえているし、 シネジャHPをほかの人に託そうかとも思案中。

(まつした)

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2001年12月第3週
2001/12/18 (Tue)

原稿を書かなくては!というプレッシャーがない日々は本当に平和・・・。 だらだらテレビを見たり、雑誌を読んだりのんびり過ごしていた。 映画もいっぱい観ようと思っていたのに結局 『アニバーサリーの夜に』しか観なかった。 この作品はもう先週で終了したが、なかなか良かった。 女優のジェニファー・ジェイソン・リーが俳優のアラン・カミングと共同で 監督した作品で、デジタルカメラで3週間で撮影したそうだ。 女優と作家のセレブカップルの結婚6周年記念日の1日を綴った物語で 友人の俳優が、本人をふまえて書かれたという役柄で登場するのがおもしろい。 フィービー・ケイツがいつのまにかしっかりした母親に納まっていたとは知らなかった。 (ケビン・クラインとの間の実子も出演)女優業に未練はないと言いながらも、 子供を持つ事を迷う友人に「子供がいなくてラッキーよ」 と本音がでるところとかリアルだった。セレブでも一般人でも悩みはかわらないのだ。 『フラッシュダンス』 のジェニファー・ビールスがすごくステキな大人の女性になっていてそれにもびっくり。 高校生の時には良くアメリカ映画を観ていたのだ。 なんか時代を感じたなあ。

(みずま)

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2001年12月第2週
2001/12/13 (Wed)

あー、やっと今日次号の編集が終わった。と言っても私は先週の編集日は、 友人の結婚式のため実家に帰っていたので行けず、今日だけだったのだが、 新しいスタッフの人のヘルプが素晴らしく早く終わった。お疲れ様でした……。 ここんとこ全然映画も観に行っていないので、来週から行けると思うとうれしい。 『アニバーサリーの夜に』とか 『カラー・オブ・ペイン』とか 『短編』とか 観たいのがたまっているのだ。それからよく考えずに一番忙しい時に申し込んでしまい、 手をつけていない「韓国語マラソン」もやり始めないとなー。 運動も(一応ダイエットのためやってるのです)一時休んでいたから又頑張らないと……。 年賀状も書かないと……。原稿が終わっても、やらなきゃいけないことがいっぱいある。 早く年末年始の休みがこないかな。

(みずま)


歳をとってきたせいか、最近の冷え込みはこたえる。ただでさえ、軟弱なのに 「寒くて何もできない」とこたつに入ったまま、グーグーうたたねをしてしまう日々。 それに、大したことをしていなくても、やたらと目が疲れる。余計、 ちょっと休むつもりで目を閉じたつもりが、そのまま寝入ってしまったりもする。 いかんいかん。
それはそうと、月曜から3日間、BSで 『ゴッドファーザー』3部作を放映していた。 『ゴッドファーザー』 は私が高校生のときに熱中していた映画。 よくもこんなに長い映画を繰り返し観ていたものだと、今思うと感心する。 そう言えば、この映画を観てアル・パチーノびいきになったのだった。 この頃は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』 を観てロバート・デ・ニーロが好きになり、 『アンタッチャブル』 を観てアンディ・ガルシアかっこいいと思ったり…… ギャング映画→ラテン系俳優が気になるというパターンだった。 『ゴッドファーザー』には、 かつて私がお気に入りだったこの3人が出ているので、 その意味でも嬉しい企画だった。しかし、パート3でのアル・パチーノのすさんだ面構え ……若く端正な顔だちを2日前に見ているだけに、何だかショックだった。 俳優としては、それで正解なのかもしれないけど、少し寂しい。

(まつした)

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2001年11月第4週
2001/11/27 (Wed)

今週は水曜日有休をとってフィルメックスの 『ワイキキ・ブラザース』を観に行った。 週末の連休は田舎から姉と甥がくるので東京案内をしなくてはいけなくて、 観に行けないのだ。それで『受取人不明』と 『フラワー・アイランド』もあきらめた。 姉はチョウ・ユンファの大ファンで、普通はそこから他の香港映画にも ハマッていくものだが、ユンファひとすじ。 最近買ったケイタイ(使いこなせなくて甥にいつも怒られている) のアドレスもユンファ何とか〜にしていた。若くして結婚し、子育てに追われていた時も 心の支えはユンファだったという健気な姉である。なかなか本当の香港には行けないので、 お台場の小香港に連れて行ってきた。ここはあんまりたいした店はないけど、 広東語で喋る声を放送していたり、街角を頑張って再現していてちょーっと 香港気分にひたれるのだ。お台場や原宿、浅草なんかは田舎から誰か来ないと行かないので、 それはそれで楽しかったかな。連休中原稿書けなかったけど・・・・。

(みずま)



私も今週はFILMeXに週5ペースで通っていた。映画を観に行ったのか、寝に行ったのか、 よくわからないときもあったが……。中国の王光利監督の『イチかバチか』と、 韓国のキム・キドク監督の『受取人不明』がよかったが、何を観ても面白く 感動しっぱなしの去年より作品の粒がそろっていなかったように感じた。 グランプリは『フラワー・アイランド』。 しかし、この作品こそ私が寝っぱなしの映画だったりする(笑←笑っている場合か!)。 私には映画を語る資格がないのかなあと落ち込むことしきりなり。 さて、本日の目玉は『ミレニアム・マンボ』。やや冗漫だが、 評判よりは面白く見られてよかった、よかった。しかし、これは予告編のようなもの、 という監督のコメントに驚愕。いったいどんな大河ドラマになってしまうのだろうか。 期待よりも不安が先に立つのはなぜ……?

(まつした)


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2001年11月第3週
2001/11/21 (Wed)

うーむ、次号の原稿を書かなくてはいけないのにヤル気が出ない。
いつもそうなのだが、観てすぐに思ったことはメモしておいて、本格的に書く時に それを膨らませて書くのだが、それにティーチインや記者会見のを織り交ぜるとなると テープ起こしなんかをしなくてはいけないし、今回は韓国の女性監督とか調べなくては いけないこともあって、面倒くさがりの私はそういうのをついつい後回しにしてしまうのだ。 書き始めてのってくれば一気に書けるんだけど、なかなか落ち着いて書ける時間がとれない。 夜更かしできないタイプのうえ、同居人がいると(別にジャマはしないし協力的なのだが) 集中できないんですね、これが。なーんて全部いいわけですが・・・。 今日だってフィルメックスに行ってしまったし。 『武士』長いけど(2時間半)良かった。 いろいろな男のタイプが出てきます。チャン・ツィーイーは 『グリーン・ディスティニー』 とちょっとキャラがかぶってしまって新しい魅力は 出てなかったかな。舞台挨拶のチョン・ウソンの服は?だったけど。 タキシードの上着に下ジャージみたいなズボンだったけど、 スポーティフォーマルとでもいうような新しいおしゃれなんでしょうか。 せっかく2枚目なんだからサングラスもいらなかったなー。

(みずま)


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2001年10月第5週/11月第1週
2001/11/7 (Wed)

どうしてこんなに疲れてやる気が出ないのだろう。 体はとっても丈夫でまるまると健康体なのに、 やっぱり三十路を越えるとガクッとしんどくなるものなのかなあ。 昨日(土曜)も今日も映画祭に行かずに寝てばかり。 (いくらでも寝られるのがコワイ…)

 今週は木曜日に仕事を休んで1日映画祭めぐりをしたのがいけなかった。 前日水曜日には夜『火星のカノン』を観てガラにもなく恋愛について考え、 翌日朝は少しゆっくり寝たものの大量に洗濯をして (家事って結構な重労働だと思う。二層式洗濯機で洗濯しているとホントそう思う) 渋谷へ。『バタフライ』を観て(難解だった)有楽町へ移動。 コリアンシネマウィークが開催されているが、前売りなしの早いもの順で50名までという、 いつ行ったらいいの?方式のため、時間が読めないのだ。急いで行ったのに まだ5、6人しか並んでいなかった。受付まで2時間ぐらいあるが、 ここで待つことにして買っておいたパンを食べたり映画祭で観た映画の感想を メモったりして過ごす。地べたに座っているのでお尻は痛いし足は痺れる。 でもやっと観られた『ライバン』はしがない中年男を描いたしみじみいい作品だった。 疲れたオジさん必見だ。監督さんのティーチインがあったが、又渋谷に戻らないと 『千年の恋ひかる源氏物語』に間に合わない。 案の定もう3階のバルコニーぐらいしか舞台挨拶が見えそうなとこは空いていなかった。 舞台挨拶は吉永小百合を始め、天海祐希・常盤貴子・高島礼子など華やかな顔が勢ぞろい。 みんな顔がちっこいのに驚く。映画はというと…もうちょっと何とかならなかったのかな と思った。松田聖子のシーンには頭の中に?マークが飛び交うばかり。 源氏物語ってもっと深い話なのになー。

 最後までみていると『バンジージャンプする』 に間に合わないので、 もういいかなというところでパンテオンへとダッシュ。 映画には間に合ったがもう席がなく通路に座って観たのだった。 でもお尻の痛さも気にならないほど物語に入り込めるスゴイ作品だった。 こんなひとひねりしたラブストーリーを思いつくなんて…。 いい映画を観た後はじっくりとかみ締めながら帰る時間が好きなのだが、 終わるともう11時半を過ぎていてみんな猛ダッシュで帰っていった。 私も急ぎ足で帰り、長?い1日が終わった。 でも本職のライターさんだったら毎日こんな感じで、しかもすぐ原稿書きするんだろうなー。 憧れるけど出来そうもない・・・。

(みずま)


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2001年10月第4週
2001/10/29 (Mon)

今週は水曜日に『純愛譜』と 『インタビュー』を観て、 木曜日に韓国映画上映会で『若い男』を観た。 この3本の主演男優がイ・ジョンジェで、このところ立て続けに 日本で主演作が公開されている。彼については又別に熱く語りたいと思うが、 最初はあんまり好きでなかったのに何本も観ているうちにすっかりハマッてしまった。 笑顔がかわいい男性に弱いという自分の好みがわかった。

 さて、いよいよ今年も東京国際映画祭が始まった。スタッフも連日休みや 仕事の合間を利用して、取材にかけずりまわる時期がやってきた。 レポートは次号でじっくりととりあげるが、まずはチラッとお知らせ。 『遊園驚夢』の舞台挨拶での宮沢りえはホントかわいかった。 久々のジョーイ・ウォンもタキシードの男装で宝塚の男役もできそうなほど かっこよかった。もう30いくつのはずだけど全然スタイルがくずれないのはなぜ?  やっぱり気をつけているんだろうなあ。 美女二人をみて何百回めかのダイエットを決意した。 (でも3日坊主・・・) 今日は『春の日は過ぎゆく』 の舞台挨拶でユ・ジテとイ・ヨンエを見た。 イ・ヨンエのあまりのかわいさにクラクラした。 信じられないほど肌が真っ白で髪がつやつやに黒くて、ずーっと見ていたいと思うほど。 女の私でさえそう思うのだからあの会場にいた男性は全員鼻の下が5cmは伸びてたと思う。 あーまだ始まったばかりだけど、人込みが嫌いな私は今日渋谷に1日いたら ものすごい頭痛がしてきて帰りはめちゃくちゃしんどかった。 でもスターに会える映画祭はやっぱり楽しい。

(みずま)


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2001年10月第3週
2001/10/22 (Mon)

なんかスカッとしたいなあ。こんなときは健さんだ、と 『昭和残侠伝』シリーズの 『昭和残侠伝 一匹狼』をビデオ屋で借りてきた。 私はこのシリーズが好きである。 健さんもいいが、池部良の華やかな色気もいい。ちょっとアイシャドーが濃いのが 気にかかるが……。健さんの子分の妻役で扇千景が出ており、 「あの人と一緒の病で死ねるなら幸せ」と今の姿からは想像できない けなげなセリフを吐いていたのが新鮮だった。とはいえ、いかんせん眠い。 映画がつまらないのではなく、私のコンディションが悪いせいである。 疲労は映画鑑賞の敵だと思った。 他に、注文していた『蜀山傳』のVCDが今週届いて さっそく見てみたが、こちらはストーリーがさっぱりわからず、かといって いちいち一時停止して字幕を読むのも面倒くさく、ひたすら画を追うだけとあいなった。 あくまで内容を理解せずの感想だが、視覚的に面白いものの、それがドラマの面白さに つながっていない気がした。 大ざっぱでも『風雲』のほうがストーリーにうねりがあって 面白かったなぁ。印象的なところを思い返すと、悪と化したルイスのかぶりものが、 仮面ライダーなど子供番組の悪役に出てきそうで素敵。またよく似合っていたこと!  チャン・ツィイーは全くのお飾りで全然いいところなし。パトリック・タムの 片耳イヤリング姿はインドの仏像を思わせた。仏陀役なんか合っているかもしれない。 ……とまぁこのように、映画はいまひとつであったが、今週は周杰倫の新譜につきる。 忍者の扮装をしてスカートめくりしている写真は狙いすぎの感もあるけど、 曲はどれもお薦め。前作に劣らず、クオリティの高いアルバムで大満足。

(まつした)


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2001年10月第2週
2001/10/15 (Mon)

今週は渋谷のアップリンクファクトリーで山形ドキュメンタリー映画祭で上映された作品を 東京でも上映する『アジア千波万波東京スペシャル』 を観に行った。初めてアップリンクに行ったが、マンションの1室に いろんな形の椅子やソファーが置いてあって映画を観るという不思議な空間だったので ちょっとびっくり。 韓国映画界の女性達を描いた 『Keeping the Vision Alive』 を観た。男性優位の韓国社会で頑張ってきた女性映画人の本音爆発なのだが、 怒りに満ちた感じではなくユーモアさえ感じられるようなドキュメンタリーで とても楽しめたと同時に、思っていたより大勢の女性映画人がいるのに驚いた。 日本だとどうだろう。日本でも同様のドキュメンタリーを作ったら本音で話すかなーと 想像したりした。次の日も行き2作品観たのだが、小さい会場なのにガラガラで、 ドキュメンタリーってあまり観る人いないんだなあと思った。 作品はおもしろかったのに・・・・。(上映の詳細は次号にて掲載予定です)

(みずま)


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2001年10月第1週
2001/10/09 (Tue)

福岡から帰って、久しぶりに映画を観に行けた。ハビエル・バルデム主演の 『夜になるまえに』である。 同性愛者であることと、発禁処分になっても 作品発表を続けたことから迫害されたキューバ人作家レイナルド・アレナスの物語である。ハビエル・バルデムがこの演技で、今年のアカデミー賞主演男優賞に ノミネートされたこともあり、作品のテーマともあいまって公開前から楽しみにしていた……が、 実際あまりピンとこなかった。今年の東京レズビアン&ゲイフィルムフェスティバルで上映された 『猥褻行為』というドキュメンタリーは、 キューバにあった同性愛者や精神病患者が入れられる強制収容所を扱ったもので、 バルデムが演じたアレナスもこの収容所に入れられる。 当時のキューバは細いパンツをはくだけで刑務所行きという証言もあるほど 厳しいものだったらしい。要は、革命の精神にふさわしくないということであろう。 このように予備知識があった私でも、彼が今どこにいてどのような状況に 置かれているかわかりづらかったのだから、パンフを見ていない人は さっぱりだったのではなかろうか。それと焦点をキューバの理不尽な仕打ちに当てているのか、 そんな状況に自分の存在をかけて抵抗しぬいた作家の姿を描きたかったのか、 よくわからない。後者だとは思うが、それなら気球のシーンを長々と見せる必要も なかったのではないか。 夏にBS-2でバルデム主演のスパニッシュ・コメディ 『電話でアモーレ』を見たけれど、 シリアスな彼よりも、そちらのほうが魅力的。眼鏡をかけるとまじめな好青年風、 眼鏡をとるとラテン系フェロモンばりばりの色男風という落差が面白かった。 彼って青池保子の描く男の人に、顔の輪郭といい体格といいよく似ていると思うのですが いかがでしょう?

(まつした)


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2001年9月第5週
2001/10/02 (Tue)

9/18から1週間、アジアフォーカス福岡映画祭に行ってまいりました!  初福岡だったのですが、とっても充実した日々でした。映画を観る合間にインタビューも 4本とれ、中でも『鬼子来了』主演の香川照之さんにインタビューできたのは幸運なことでした。 ほとんどゲストが前半に集中するなか、彼は後半に来福したのです。話上手な人で、 私はインタビューの1時間中ずっと笑いっぱなしでした。次号にばっちり掲載しますので、 みなさん楽しみにしていてください! それと、シネマジャーナル 53号の動きがよく (買ってくださった方、どうもありがとうございます)、 スタッフの手持ち在庫が底を尽き始めています。増刷するか危ういので、 もしお求めになりたい方がいらっしゃいましたら、今の内にお願いします。 以上、日記というよりはお知らせでした!

(まつした)


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2001年9月第4週
2001/9/24 (Mon)

土曜日はお気に入りのエドワード・ノートン最新作『スコア』を観に行った。 歌舞伎町の映画館に行くとすごい行列が出来ていてあせったけど、 全部『千と千尋の神隠し』の行列なのだった。うーんすごい。 『スコア』は初日で、8割ぐらい入っていたかな。年齢層が高めでオジ様多し。 デニーロ効果でしょうか。 そう、この映画はデニーロとノートンの新旧演技派対決が見所なのだ。 ストーリーは表向きはジャズクラブのオーナーだが裏の顔は金庫破りのデニーロが 最後の仕事(足を洗って恋人と落ち着いて暮らしたい)として 若手のノートンと組んで税関においてあるフランスの宝物を狙うが、 最後の最後でノートンが裏切り・・・・・と言う感じのもの。 ノートンは障害者の振りをして税関で働き、警備のチェックをするのだが こういう役はお手のもの。 でもでも、やっぱりデニーロの前ではただの若造になってしまった。 やはり存在感が違う。 (デニーロは)最近はコメディなどの出演が多かったけど、こういう渋い役を どんどんやって欲しい。

さて、その夜はBOX東中野の安田真奈監督作品オールナイト上映へ。 普段12:30には(シネジャの原稿があっても)寝ないと翌日にこたえる私にとって、 オールナイトはキツイんだけど、安田監督の作品が一挙に観られるチャンスなので 頑張って行った。で、ホント行ってよかったー。全然眠くなんてならないおもしろさ。 詳しくはまた記事にする予定なので、お楽しみに。

(みずま)


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2001年9月第3週
2001/9/17 (Mon)

特別記事のふたりトークにも 熱弁をふるってしまったが、水曜日に観に行った『イルマーレ』は良かったー。 いい時間を過ごせたって感じだった。渋谷シネパレスでは、 わが「シネマジャーナル」を良くめだつようについたてのようなのに見本を出して 下さっていてカンゲキした。勝手に持っていった5冊追加分もこころよく置いてくれたし、 ほんとにありがとうございます。だからって訳ではなく、スタッフも 感じの良い方ばかりだしこれからイ・ジョンジェをおっかけて通うことになるけど 行くのが楽しみな映画館だ。

行くのが楽しい映画館といえば、BOX東中野もいろいろなイベントを行っていて、 今度の土曜日(9/22)には現役OL監督安田真奈さんの旧作品が一挙に観られる オールナイト上映が行われる。短編が多いのでほとんどの作品を上映予定とのこと。 オールナイトなんて体にこたえるとは思うけど、 オーライがとても 良かったので他の作品も観られるチャンスを今から楽しみにしている。

(みずま)



ようやくロシア映画の全貌2001を三百人劇場に観に行った。9月第1週に 映画に行く気がしなくてダラダラしている間に、『女狙撃兵マリュートカ』 が終わってしまっていた。面白い映画かどうかはわからないけど、 女+狙撃兵+マリュートカ(ロシア風味の名前)という組み合わせのタイトルには そそられるものを感じていたのに。ソ連初のミュージカル・コメディー『陽気な連中』 も終わっていた。もうがっくり。これだけは何としてもと思い、『ラスト・ホリディ』 と『ロシアン・ブラザー』を観る。『ラスト・ホリディ』は、一緒につるんでいた 仲良し不良少年たちが、酒を求めて盗みに入ったのが原因でばらばらになっていく話で、 妙に寂しい映画だった。ソ連が解体してもその影響が色濃く残っている日常の描写も 興味深い。カリム役(確かそんな名前だったと思うが)の主人公が、ロシア系とアジア系の 血が混じっているらしく、韓国人顔の美少年だった。目の保養と喜んでいたら、 次の『ロシアン・ブラザー』でダイナマイト級の衝撃が。主演の セルゲイ・ボドロフ・ジュニアのもつ何とも言えない魅力にまいってしまった。 チラシをご覧になった方は「えー、この人が?」と思われるかもしれないが、 動く彼を観てください。体がスクリーンに負けていない。ただ立っているだけで、 ものすごく存在感があるのです。ファーストシーンから私はもう目が釘づけ。 加えて映画自体も好みだったし、ここに使われているロシアン・ロックもよかった。 たぶん、このCDを持っていても家では聞かないだろうけど、でもこの映画には合っている。 それに歌詞もいい。「俺らはエンドウ豆。生長すれば刈り取られる……エンドウ豆は 鉄砲玉」(記憶に頼って書いているため正確ではありません)……いまの日本では ロックの詞が大衆の心情を代弁するなんてことは少なくなっているから、余計に グッときた。少なくともこの映画の中ではロックは生きている。しかし、彼のデビュー作 『コーカサスの虜』を見逃したのは、今さらながら痛い。 『イースト/ウエスト 遥かなる祖国』(シネスイッチ銀座で公開予定)は何としても 観なくては!!

(まつした)


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2001年9月第2週
2001/9/11 (Tue)

水曜日は映画の日、男女とも1000円なので、同居人と『ザ・ミッション』を見に行く。 男性も1000円だから今日は男性客が多い。毎週水曜日はレディースディで女性は 週に1回は安く映画を観れるけど、男性は月1回しかないからなあ。性別関係なく 週1回は1000円ってできないんだろうか。 レイトショーにもかかわらず結構入っている。
松下さんに知らせなくては・・・・。

私は昨年の香港映画祭で1回観ているんだけど、いまいち意味がわからないとこがあった。 今回は松下さんがレポートで書いていたように、最初に組織の掟が説明されるので わかりやすい。香港映画を観なれている人には興ざめなのかもしれないが、 万人向けにするならやはり少し説明っぽくなっても多少の補足は必要なのかも。 2回目なので、細かいとこまで良くみれてとてもおもしろかった。やっぱり主役の5人は みんなかっこいいし、ほんと無駄がなくて良かった。観終わって、同居人に感想を聞くと 「彼女とか出てきて情が絡む話にならなかったのがいい」といっていた。 「誰が良かった?」と聞くと「ボスの弟」(サイモン・ヤム)と答えたのがすごく 意外だった。曲者俳優が好きなので、ジャンユーが気にいると思っていたのに。 なんか華やかなところがうらやましいんだろうか・・・。一気に香港映画に興味を 持ったようで、私が録画しておいた昔の作品や香港映画についての本を見たりしている。 ミッションのテーマ曲をケイタイの着メロにしたいようだが、iモードでしか できないようで、悔しがっていた。これで、今年もう1回香港に行く気になっただろう。 しめしめ・・・・。

(みずま)



映画館に行く気がしない。今月の東京都の映画の日も何となく体がだるくて、 出かける気になれなかった。というわけで家でビデオの整理。押し入れから出てきた 『嵐の孤児』を観る。10代のときには退屈で、我慢して観るというのがふさわしかった 無声映画だが、歳をとったせいか、フィルムに映る風景や女優のたたずまいを観るだけで 胸にグッとくるものがある。特にこの映画の主演、リリアン・ギッシュは、 立っているだけで絵になる女優。4月にフィルムセンターで観たロアン・リンユイも そうだったけど、現代の女優と比べると香りがある。文章に例えるなら行間の味わいとでも 言おうか。私も少し喋るのを控えめにしたほうがいいのかもしれない。ストーリーは、 フランス革命ぼっ発前のパリを舞台に、血のつながらない仲良し姉妹がはぐれて 再会するまでを、お涙ちょうだいのメロドラマで描く。そこに恋物語と革命の様子が からんでくる。ロベスピエールやダントンなど、歴史上の人物が出てくるところも話に 奥行きをもたせている。また、リリアン演じるアンリエットと恋人ヴォードレーの キスシーンの甘美なこと! がっつきキス主流の現代においては、もはやこういう キスシーンはとれないのだろうか? 評価の定まっている名作ばかり観るのも つまらないけど、やっぱり古典は味わい深い。いつか特集したいなぁ。

(まつした)


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2001年8月第5週/9月第1週
2001/9/3 (Mon)

今週後半は大忙しだった。まず水曜日にン・ジャンユーの舞台挨拶の取材。 ジャンユーのあまりの人気ぶりとかっこよさに驚いた。木曜日は仕事が遅かったし、 金曜日は『百合祭』を観に青山のウィメンズプラザへ。その前にダメモトで 渋谷シネパレスに営業に行ったら、こころよく置いてくれることになり気分も上々。

 ウィメンズプラザでは浜野監督が受付をしていてびっくりした。 映画はおばあちゃんばかりが住むアパートにオンナ好きのおじいちゃんが越してきて、 みんなを口説いてひと騒動・・・・という話なのだが、ユーモアがありカラッとしていて とてもおもしろかった。ラストにひとひねりあるが、それもありだろなー これからはと思った。私はたまに疲れたときに、もういっそくとびに おばあちゃんになって気ままに一人暮ししたいと思うことがあるが、 ちゃんと人生を生きてからでないと、こんなたくましいおばあちゃんには なれないなーと思った。とてもいい映画なのに観客は20人ぐらいで、もったいないっ。 どんどん宣伝してたくさんの人にみてもらいたいものです。

 一転して土曜日は、『こどもの時間』を観にいった。ここのところ私の 個人的悩みというか考え事として、子供をいつ産むかということがある。今の世の中、 いじめや変な奴に連れ去られるなど子供を持つ気になれないようなことがいろいろあって、 どうしたものかと思うけどやっぱり子供は欲しい。でも上映前に入った ミスタードーナツで子供が何人か大騒ぎしていてそのうるささに閉口する私・・・。 うーむ。

 映画は、ある保育園の子供達の時間を追ったドキュメンタリー。 ここの保育園の子供はみんな自然児という感じでたくましい。鼻水たらして、 ほっぺを真っ赤にして、手掴みでご飯を食べている。広い敷地に動物も一緒に 飼っているので、そのえさづくりや自分達のご飯を運んだり、子供にいろんな事を やらせているのがいいと思った。なんせ0才から6才まで何十人も子供がいるので 遊ぶ子には不足しないし、畑や小川や森など遊び場所もいっぱいある。自分が小さい頃、 こんなだったなーと懐かしくなった。節分に赤鬼(もちろん扮装している)が やってくると、本気で恐がっているのがすごくおかしかった。考えてみれば、 何もしなくていい、ただ好きなようにあそんでいられるこどもの時間って何年もない 貴重なものなんだと思った。

(みずま)



キム・キドク監督『魚と寝る女』を観にテアトル池袋へ行った。 チラシには“激痛”ロードショーとあるが、文字どおり痛覚にくる映画だった。 怪談の入った現代の寓話で、主演女優のソ・ジョンはつのだじろうの漫画に出てくる女性みたい。 眉毛も怖かった。レイトショーでもおかしくないようなストーリーなのに、 昼間公開されているということは、韓国映画の勢いを表わしているんだろうな。 とりあえず、私の中ではキム・キドクはホン・サンスと同じところに分類しておこうと 思った。

 その後、BOX東中野に移動して『ともだち』『サヨンの鐘』を観る。この 「マルクスと映画 20世紀映画精神史」という特集上映のプログラムはなかなか面白いが、 ほかにも観たい作品があっても、予定があったり気付いたら終わっていたりと都合が 合わない。これに関しては、以前、『サヨンの鐘』を題材にした高砂義勇軍のドキュ メンタリーをNHKで見たことがあったので、観に行かなくてはと意識しておいたのだ。 清水宏の映画らしく、やたら子供がぞろぞろ出てくるところは微笑ましいが、映画と してはあまり面白いとは言えなかったし、この映画にちりばめられている植民地描写 について言及するには知識が足りなすぎる。ひとまずはテーマとして頭に置いておこう。 そうなのです、日ごろは香港映画だ、やれスターだなどと言ってはおりますが、 戦争は私の一大テーマなのです。

 そんなことを思った翌日、『ザ・ミッション』を観に行く。 キネカ大森の売店には、私が来るのを待ち構えていたかのように、 53号を納品しに行ったときになかったイーキングッズが並んでいる。 日本で香港の雑誌を買うのはやめにしようと心に誓ったのに、好奇心に負けてつい買ってしまう。 恐らくいい映画を観た後で気分がよかったことも影響していたのだろう。2000円也。 うえ〜ん、映画が1本観られるではないか!

 お願いだから、私の前にイーキングッズを見せないでいただきたい。

(まつした)


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2001年8月第4週
2001/8/28 (Tue)

今週はやっと仕事が落ち着き、夏休みがとれた。といっても別に旅行にいくわけでなく 木曜日から日曜日までゆっくりするだけなのだが。

 木曜日は歌舞伎に出かけてきた。今月は八月納涼歌舞伎といって、 いつもより値段も少し安いし演目もわかりやすいものなのだ。お目当ての橋之助も出るし、 染五郎や勘九郎も出て豪華だ。お客さんは圧倒的に年配の方が多いが、 染五郎が出ているからか平日の昼間なのに若い女性も多かった。 歌舞伎と言うとわかりにくいと思われるかもしれないが、イヤホンガイドを聞きながらだと、 筋はもちろんおはやしの意味とか衣装の説明とかもあってとてもわかりやすい。 筋も、昔から演じられている物語には深い意味があったりしてとても勉強になるし、 踊りのきれいさ・優雅さはため息ものである。 (実は私は前々から日本舞踊を習いたいと思っているが実践できないでいる) そんななか、夏のだしものということで狸や雪女、かっぱなんかが出て来る 楽しいものもあったりして朝11時から夕方5時ぐらいまで、のんびりした和の時間を 過ごしたのでした。

(みずま)


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2001年8月第3週
2001/8/22 (Wed)

やや古い話になってしまうが、8月上旬、シネマ・ベティで行われた「中国映画祭横浜'01」 時に、置かせてもらっていたシネジャ48号と50号を引き取り、精算かたがた 関内アカデミー劇場に『蝶の舌』を観に行ってきた。あらかじめ連絡を入れておき、 シネマ・ベティのSさんのもとに伺うと、シネジャは計6冊も売れていた。 少ないと思われる方もいるかもしれないけれど、去年は2冊しか売れなかったのです… …シネマ・ベティでシネジャを買ってくれた皆さん、ありがとう!  それと同じくらい、「中国映画祭横浜'01」に足を運んでくれた皆さん、 中国映画を観に来てくれてどうもありがとう!  それから毎年中国映画祭を続けてくれているシネマ・ベティさん、どうもありがとう! (池袋の新文芸坐でも9月に中国映画祭をやりますよ。皆さん、こちらもよろしく お願いします) 何だかよいしょチックになってしまったが、中国映画から アジア映画に目覚めた者としては、やはり中国映画に特別な感情があるのです。

 それはともかく、ニコニコと私を迎えてくれたSさんは「どうして最近の若い人は 自分で調べることをしないのでしょうね」と唐突に言った。若くもないのに一瞬 自分が言われているのかと思ったが、そうではなかったらしい。しかし、 私も原稿の締切間近になると調べるのが面倒臭く感じたり、自分の目で確かめず 本に書いてあることを鵜のみにしたり、知っているつもりで裏をとらずに書いたことが 後で違っていたりと、大いにあてはまるので反省する。また同じくSさんから 「最近は人の過ちを許さない人が多くなった」とも聞いた。これまた私もその口なので 耳が痛い。文字校正をするときには間違いを追求するのは当然だが (その割に追求しきれてないのが泣ける)、それを生活態度にまで持ち込むのは やめようと、またまた反省した。こういった言葉もシネジャをやっていなかったら 聞けなかったかもしれないし、シチュエーションが違えば 素直に耳を傾けなかったかもしれない。シネジャのおかげで知り合えた人の縁を 大切にしようと改めて思う。Sさん、どうもありがとうございました。

 その後、関内アカデミーへ。この日はレディース・デーとあって、満員御礼の札が 券売り場に下がっていた。開場前には長蛇の列。自分の整理番号のところに並ぼうとすると、 お客さんの誘導にあたっていた関内アカデミーのMさんと会った。お目にかかるのは 1年数カ月ぶりだったが(つまりはそれだけ関内アカデミーに来ていないということ)、 Mさんは「久しぶりー」と両手を広げて歓迎してくれた。Mさんともシネジャの営業がもとで 面識を得るようになった人。Mさんがお願いしてくれて、中国映画祭横浜にも シネジャを置かせてもらえるようになったのだ。忙しそうに小走りに働くMさんを見ていたら、 私もなんだか元気が出てきた。場内は満席。同じ満員でも東京とは違って、 劇場に一体感と活気があふれていてとても楽しかった。地方ならではなのだろうか。 観逃していた『ベンゴ』もやるようなので、時間を作って何とかまた行きたいと思っている。

 そのほか、日記をさぼっている間に観た映画では『点子ちゃんとアントン』がよかった。 冒頭、点子とアントンが無心に自由にトランポリンを飛ぶシーンで、もう泣ける。 『リトル・ダンサー』とは大違い。また点子の母親が家庭とやりがいのある仕事の板挟みで 悩む姿をきちんと入れていて、児童文学が原作にしながら大人の鑑賞者も視野に入れて 作っているところに感心した。やっぱりシネジャで取り上げるべきだったと後悔。 『レクイエム・フォー・ドリーム』は、「うぇ〜ん、怖いよ〜」と子供は泣き出すこと必至の恐ろしい映画。 私は大人だから泣かなかったけど。心優しい人にはお薦めできないが、 とっても面白い趣向の映画でした。とりあえずクスリをやると瞳孔が開くというのが 脳裏に刻みこまれます。『ラ・ジュテ』の引用も、うまく解読できないのが悔しいけれど、 心をくすぐる演出で後を引く。

(まつした)

2001/8/21 (Tue)

今週はとても興味深い映画を観た。『テルミン』(恵比寿ガーデンシネマにて公開中) というドキュメンタリー作品だ。よくホラー映画やSF映画で、恐怖心をあおったり 近未来風を表現する為に、高温の電子音が使われる事がある。そのゆらゆらしたような フワーンとしたような音を出す楽器がテルミンという楽器で、ロシアのテルミン博士が発明した。 そんなことちっとも知らなかった。映画は博士の数奇な人生をたどり、 関係のある人達へのインタビューを織り交ぜてすすむ。博士は、天才だったゆえに 国家機密(盗聴機など)的な仕事に従事させられたり、 好きな音楽の仕事ができるようになってからも、西側に生存が報道されて解雇されたり 自分で自分の思うように人生を送れなかった。自分の運命を受け入れ、 97才まで生きてきたのである。

 晩年、かつて少しだけ自由を謳歌したことのあるニューヨークに半世紀ぶりに戻り、 楽器の教え子で恋人のような関係でもあったクララさん(クララ・ロックモアという 著名なテルミン奏者)と再会するところがたまらなく良い。博士が生きていたうちに、 このようなドキュメンタリーが撮れていて本当に貴重だと思った。 私は音楽にはあまり興味がないのだがクララさんのテルミンのCDがあるみたいなので、 聞いてみようと思っている。

(みずま)

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2001年8月第2週
2001/8/14 (Tue)

スタッフの方から日記が届かないので、またピンチヒッターで出てきました。 まず、シネマジャーナル53号ですが、 いよいよ盆明けには製本が完了だそうです。定期購読者の手元に届くのも もうすぐです。ぼくも首を長くしてまっています。 それから、レスリーのファンのトークが先日行われたそうです。 これも近い将来、HPに掲載予定ですので、お楽しみに!

この日記でもちらっと書きましたが、8/1(水)の映画の日に、『ココニイルコト』を 観てきました。推薦されたみずまさんに感謝します。すごくツボにはまりました。 一日おいて、最後の日(8/3)にもまた出かけて、最終回を観ました。このときは すごく混んでいて、立ち見の人や通路にざぶとんを敷いてそれに座って観る人も ありました。

最初に観た時は途中まですごく違和感があったんです。 主人公の女の子はいつもぼうっとして、見ていていらいらしたし、 同僚の男の子はでしゃばりすぎているような気がしたし……。 でもね、途中当たりから(水野さんが書いているところあたりから)、 その違和感が消えていってしまいました。 2回目は、もう最初から違和感なし! あの「昼間見える星」も良かったし、最後の最後のアレ(これ以上は書けない! 映画は最後まで見ましょう)も良かった。

観終わって、なんというか、シネジャにもっともっとつくしたくなるような映画でした(笑)。 あ、別にシネジャがぼうっとしているというわけではないです。

その後、映画館には行ってません。この間の日曜日、NHKの教育で 『ルナ・パパ』というタジキスタンを舞台にした映画を見ました。 『少年、機関車に乗る』でデビューしたフドイナザーロフ監督の第3作です。 『少年、〜』に関してはシネジャ27号映画評が載っていて、 ちょうどこの間入力したばかりだったので、興味深く観ることができました。 なんというか、コメディなんだけど、とんでもない人がいっぱいでてきて、 不思議な映画でした。『マグノリア』もびっくり!というシーンもあります。 主人公の女の子の踊りがなんともいいんです。見所がいっぱいあって楽しめる、 いい映画でした。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年7月第5週/8月第1週
2001/8/6 (Mon)

今月の映画の日は、渋谷のユーロスペースに『チェブラーシカ』を観に行った。 1000円ということもあり、立ち見&通路座りの人が大勢出る大盛況となっていた。 『チェブラーシカ』というのは30年以上前にロシアで作られたパペットアニメで おサルのような小熊のような不思議にかわいい「チェブラーシカ」というキャラクターがいて、 友達のワニのゲーナや意地悪ばあさんのシャパクリャク達とのほのぼのした話でできている。

 何と言ってもチェブラーシカのかわいさにハマッてしまった。パペットアニメの動きと、 少ーし寂しげな表情がたまらない。出て来るキャラクターがみんな魅力的なのだ。 あまりのかわいさに劇場中が幸せな雰囲気に包まれていた。私は普段、 キャラクターものなんかケッと思う方だが、チェブラーシカはぬいぐるみを買ってしまった。 仕事で疲れて帰ってきても、玄関にこのぬいぐるみがあると、 かわいくてにんまりして元気が出るのだ。まさしく癒し系というやつですね。

 ユーロスペースの近くに(坂を降りて角のロシア料理店渋谷ロゴスキーの右隣)に テラス オーワダという喫茶店がある。サンドイッチがメインの店だが、 セットメニューのサンドイッチやポテトの中になぜかおすしの細巻きが ちんまり入っているのが気にいって入ってみた。お客の年齢層が高く、 うるさい若者がいないので落ち着けるうえに、とにかく何でも安い。 安いので味には期待しなかったが、サンドイッチもきちんと作られているし、 クレープの苺ソースもきちんと煮て作ったものでおいしかった。 あまりにガヤガヤしているので、めったに行かない渋谷だけど、こっち側(南口) はいいですね。

(みずま)



実は私も『チェブラーシカ』を観たが、感想はみずまさんと全く違う。やっぱり 『ロッタちゃん〜』といい、かわいい系は肌に合わないのかもしれない。 久々に聞くロシア語の響きはよかったけど……実は学生時代にロシア語を かじったことがあるのです。学習者の減少に悩むNHKロシア語講座のキャラクターに チェブラーシカを採用すれば、ロシア語に興味を持ってくれる人が増えるのではと、 いろいろ展開を考えてみもした。ラスト、ゲーナが即興風に歌う歌があるのだが、 その調べといい、歌詞といい、まさしくロシアのイメージにぴったりで唸ることしきり。

 さて今週観た中では、何と言っても『ロマンスX』が素晴らしい。 好き嫌いは分かれると思うけれど、私は好きですね、攻撃的で。 恋人とのセックスレスな関係に悩む主人公の女性が男性の性に対して闘いを挑む話で、 シネジャでトークすれば、いろいろな意見が出て盛り上がったかもしれない。 監督の性格も多分にあるのだろうが、日本で同じ題材の映画を作ったら、 こういう展開にはならないだろうなと、フランス人と日本人のメンタリティーの違いを 改めて感じたりもした。キャロリーヌ・デュセイの裸体も女性監督ならではのチョイス。 胸もないし、やせてて肋骨が浮いていて、あまり美しくはないがリアルだ。 彼女の表情もよかった。『ベーゼ・モア』は挑発的な映画だったが、 『ロマンスX』は挑戦的。観た人は大いにインパクトを受ける映画だと思う。しかし、 あまり巷の関心を引いていないのは残念。こういう映画こそ、 ぜひ評論家の人たちに語ってもらいたいのに……。

 予告編を見て楽しみにしていた『焼け石に水』は、まあまあ。 4人がはち合わせしてからの時間が短かったのがちょっと期待はずれだった。 『夏至』は、アジアに関係する映画は贔屓したい私でもうんざりしてしまった大期待はずれ。 不倫のふり、姉妹、兄妹のふり、夫婦のふり…… 登場人物が物語の中を生きていないのでしらけてしまう。 さすがリー・ピンビンと言いたくなるほど美しい映画ではありましたが。

(まつした)

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2001年7月第4週
2001/7/31 (Tue)

初めて編集に参加させて頂きました。なにぶん初めての事で、何も分からず、 ただ言われるままに作業を進めていったのですが、他のスタッフの皆さんは、 忙しい中(本業があるにもかかわらず)取材をしたり、原稿を書いたりと、 その映画にかける情熱がすごいなーとただただ感心するばかりでした。

皆さん映画が好きで好きで、映画の話で盛り上がっている時が、やはり一番楽しかったです。

シネジャの原稿は、女性の視点や生活の中から見えてくる視点が多いので、 作業をしながらついつい読み耽って「う〜ん」と唸ったり、「ふ〜ん」 と感心したりしていました。読者の時よりもいち早く原稿が読める幸せ・・。 また参加させてください。 

(水直 岩)

* HP管理者注:リンクのページに、 水直さんとお友だちのサイト 「脚本(ホン)や。」 のリンクを追加しています。


』以来、久々に邦画を観にいった。真中瞳初主演作の『ココニイルコト』だ。 シネスイッチ銀座は金曜日レディースディで900円なのでホント行きやすい。 OL風の女性客がほとんどで、ほぼ満員になっていた。

 真中瞳演じる主人公志乃はコピーライターだが、上司との不倫が奥さんにバレて、 大阪にとばされたうえ営業にまわされる。もうほとんどヤル気無し状態だったが、 同僚の楽天的男に励まされながら、もうちょっとがんばろうと思えるようになっていく という話である。うーん、こう書くとなんかつまらない話のようだけど、期待せずに 観に行ったのにとても良かったのだ。志乃は小さい頃に父親の死を経験し、 願ってもかなう事なんてないと思い続けている無感情なコである。 不倫相手の奥さんに手切れ金を渡されただけで恋が断ち切られても、 相手にも何も言わない。でも誕生日に又電話がきたりプレゼントがくることを 期待していたりする。同僚の前野君にそんな自分をことごとく見破られて、 初めて感情をあらわにして泣く場面が良かった。(このシーンで私の周りの女性が いっせいに鼻をすすって泣いていたのにもびっくりしたが) 前野君は恋人になるわけでもなく、いつもそばにいる守護神のような存在になるのだが、 それが良かった。それと、会社のお局っぽい女性社員を演じた黒板真美が良かった。 こんな人、大阪の会社だったら絶対いるなーと思った。詳しいストーリーは省くが、 見終わっていい気分になれる映画だった。8/3までなので観たくなった人はお早めに。

(みずま)

* HP管理者注:みずまさんの日記を読んで、今日(8/1)観てきました。 ほんとにいい映画でした。もう一本観る予定でしたが、 この映画の余韻をずっと保ちたくて、これだけ観て家に帰りました。


今週は『白夜の時を越えて』『ラッチョ・ドローム』『クリスマスに雪はふるの?』 を観に行った。『白夜の時を越えて』はフィンランド映画で、女性監督 ピルヨ・ホンカサロの作品。北欧の風景、サーカス、双子の姉妹、炎など、 幻想的な要素の詰まった映画だった。 監督はオペラなどの舞台デザインも手掛けたことがあると聞いて納得。 話は結末がないまま終わってしまい、結局この姉妹はどうなったのだろうと思ったが、 自分の世界を堂々と表現している点で見ごたえがあった。ピルヨ・ホンカサロ。 覚えにくい名前だが、ちょっと面白い個性を持っているので、リン・ラムジーと並んで 注目しておきたい人だ。

 『ラッチョ・ドローム』は、監督のトニー・ガトロフが自らのルーツであるロマ (ジプシー)の姿を追ったもの。この映画を観るまで知らなかったが、 彼らがさすらってきた範囲は実に広い。インド、エジプト、トルコ、ルーマニア、 ハンガリー、スロバキア、フランス、スペインでのロマの姿が、豊かな音楽とともに 映し出される。例えば元気をなくした母親の様子など、必要以上にわざとらしいところも あるにはあるのだが、その欠点を補って余りある力強さがある。監督に 「私はどうしても世界に訴えたいんだ」という強い思いがあるゆえだろう。 特にラスト部分、予告編にも使われた家を追われた女性の歌声は、悲しみと怒りで 世界を揺るがすようだ。初めて映像と不可分の映画音楽を聴いた気がする。……なのに、 観客は10人そこそこで泣ける。

 『クリスマスに雪はふるの?』は、フランス映画祭で『マルタ……、マルタ』が 上映されたサンドリーヌ・ヴェッセの処女作。続いて『ヴィクトール 小さな恋人』が 公開されるので、やはりシネジャスタッフとしては観ておいたほうがいいのかなと 思って観に行った。「ぴあ」でのインタビューに、美しい光が溢れている作品とあったので、 明るい話なのかと思ったら、とことん暗い話だった。主人公は7人の子を持つ母親。 農業を営む夫には本妻がいる。農作業に追われながら、暖房もない家で母子が よりそって暮らしている。展望のない生活に、母は一家心中を図るが、 クリスマスに降った雪に救われるという話だ。映画はそこで終わるものの、 それこそ雪のようにはかない希望で、母親はまた心中したくなるかもしれない。 そんな怖さを秘めた映画だった。 母子が暮らす様子を細かく描写しているのは、女性監督ならではなのかもしれない。

 大作がぞくぞく公開されるこの時期にあって、私が観た3作は地味だけれど、 それぞれに見どころがあり「百聞は一見にしかず」だと改めて思った…… とか言っていると、公開されている全部の映画を観なければならないハメに なってしまうから大変だ。 やっぱりお金・時間・体力&気力と相談して、ほどほどにしておこう。

(まつした)


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2001年7月第3週
2001/7/24 (Tue)
シネジャ・スタッフから全然日記が届きませんので、「スタッフ日記」じゃなくて 「読者日記」です。来週に期待しましょう。

最近のビッグニュースといえば姜文監督第2作「鬼子来了」の 日本での上映の話でしょうか。 今年の9月、アジアフォーカス・福岡映画祭2001で何回か上映されます。

http://www.focus-on-asia.com/index.shtml

7月17日(火)に徳間ホールで記者会見がありました。シネジャからはまつしたさんが 出席しましたので、後日その報告が聞けるかもしれません。 九州までいくべきか……、東京での上映を待つことにするか……。 ウ〜ム、悩んでしまいます。ゲスト次第かな?

個人的なことに話を移すと、先週2枚DVDを買いました。「17歳のカルテ」と 「グリーンデスティニー」です。「17歳のカルテ」は京都で観て、恵比寿で観て、 池袋で観て、さらにレンタルビデオで2回観たんですが、どうしても欲しくなって 買ってしまいました。で、買ってよかった! ウィノナ・ライダーのインタビュー 風景がはいっていて、すっごく綺麗です。本編でのウィノナはちょっと痩せすぎで、 しかもかなり性格の悪いところもあるので、イマイチだけど、こんな綺麗な ウィノナが見れて嬉しいです。「オータム・イン・ニューヨーク」のウィノナは 綺麗でしたが、話がそれほどでもなかったので買うつもりはないのです。 あと、監督の解説も、カメラの動きなどを説明してくれて、 なるほど……と思わせてくれます。「カッコーの巣の上で」の二番煎じだと思って 未見の方も、全くの別物ですのでぜひご覧になって下さい。

「グリーン・デスティニー」も実はVCDを持っているので買うのはやめとこうかと 思ったのですが、いい映像と音で観たくなって買ってしまいました。VCDのほうも 字幕が中国語なので勉強になるかな……と思っています。ハードディスクにコピー してもいいですしね。こちらは、まだ特典映像しかみていません。この映画、出だしが ちょっと退屈なので本編を観ようかな?という気持ちがすぐに萎えてしまうんですよ (そう思うのはぼくだけか?)。とはいうものの、次の週末にはきっと観るでしょう。

(シネジャ・ファンのやまさき)


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2001年7月第2週
2001/7/15 (Sun)
7/12(木)
今日はかつしかシンフォニーヒルズ(遠かった・・・)にパンソリを聞きに行った。 韓国映画『春香伝』を観てから、機会があったら生で聞いてみたいと思っていたのだ。 パンソリとは、一人の歌い手と一人の太鼓伴奏による語り物で、日本でいうと浪曲の ような感じだろうか。浪曲をちゃんと聞いたことがないので比較できないけど。 93年の映画『風の丘を超えて〜西便制』にも特別出演した、安叔善(アン・スクソン) という女性が小柄な体のどこからでてるのーというぐらい迫力のある声で『春香伝』 のハイライトを披露してくれるのだ。

 第1部は韓国伝統音楽の演奏や、カヤグムという琴のような楽器を二人で奏でながら 掛け合いの歌を歌うものだった。でも会場にいくまで遠かったのと、ここのところの 仕事の疲れで、ところどころ寝てしまった・・・・。心地よい音楽といおうか 眠りをさそうような音楽だったのだ。でも、第2部の「春香伝ハイライト」は映画で 聞いた歌もでてくるし、「春香伝」の物語自体が好きなので、とても楽しめた。 歌い手と太鼓奏者の息がぴったりで、コミカルな場面ではリズミカルに、悲しい場面では 絞り出すように歌い上げるアン・スクソンさんにはただただ驚愕するばかりだった。

 ただ私も含め、お客さんは全員がパンソリや韓国伝統音楽に詳しいわけではないので 司会の人がいて、「次のだしものはこういう楽器を使い、こういうことを表現しています」 といったレクチャーがあればもっと楽しめたのにと思った。先週行った (原稿かかないといけないのにいろいろ行ってる)日韓音楽祭では、日本側の和太鼓奏者・ 林英哲さんがわかりやすく説明してくれてとても良かったのだ。ただ説明がなくても、 「春香伝」ハイライトは感動モノだった。

(みずま)



シネジャの編集作業はこれからの1週間が山場で、スタッフの皆さんはみな大忙し。 というわけで、まつしたさんの日記は今回はおやすみです。ファンのかた、 来週をお楽しみに。

今朝(7/15)、たまっていたNHK語学講座の録画ビデオを見ていたら、 ハングル講座の“Live on Korea”のコーナーで、ユー・スンジュン (番組によると「ダンス界の帝王」なんだそう…)のラップが紹介されていました。 で、見てみると、おぉ!!台湾のYukiちゃんと一緒に「等不及」を歌っている あの人ではないですか(「等不及」って、もともとこの人の曲だったんですね…… DVDで見ながらついて歌おうと思っても、ラップって難しいですね、ついて いけません)。 まだ再放送があると思いますので、ファンの方はお見のがしなく。

(シネジャ・ファンのやまさき)


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2001年7月第1週
2001/7/9 (Thu)
先週は、なんか無茶苦茶暑い日が続きましたね。 週末になってやっと過ごしやすくなりました。 アルコール類はひかえようと思っていたのに、帰宅途中、つい、コンビニで カンチューハイや発泡酒を買ってしまいました。で、アルコールがはいってしまうと、 シネジャの過去記事の入力をする気持ちが萎えて、まぁ、週末でいいかぁ、 ということになってしまったわけです。 最近入力のペースががくんと落ちてしまいました。 また、暑さに慣れてきたら、がんばります。

それから、先週の土曜日は、シャンテ・シネで「こころの湯」の上映が始まり、 主役の朱旭さんの舞台挨拶がありました。残念ながらシネジャ・スタッフおよび まわりの人間はみなこの日、都合が悪く、舞台挨拶の取材ができませんでした。 読者の方で、舞台挨拶をご覧になった方はありますか? ぜひ、舞台挨拶のレポートを 書いて送って下さい。 シネジャ本誌には間に合いませんが、こちらの web版のほうの特別記事で載せたいと思います(すみません、謝礼はでません)。 メールが億劫なら、掲示板への書き込みで結構です。どうかよろしくお願いします。

スタッフではないので、シネジャの次号の編集進行状況がどうなっているのか 全然わからないのですが、まだ原稿が出来上がっていないのは確かなことのようです。 スタッフがさぼらないようにスタッフの仕事がはかどるように、 皆さん心で応援して上げて下さい。

話は変わりますが、今度の日曜日、NHKの教育テレビのシネマ・フロンティアで 「フォーエバー・フィーバー」やりますね!!  これ、すごく面白いですから、まだ未見の方は、ぜひこのチャンスを逃さないように!!  「アタック・ナンバーハーフ」とか「ラブ・ゴーゴー」のノリが好きな方は、 こっちも気に入ると思いますよ。 主人公も面白いし、なにしろ、その妹のキャラクターがとってもいいのです。 皆さん、絶対絶対、観ましょうね。

(シネジャ・ファンのやまさき)


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2001年6月第5週
2001/7/5 (Thu)
金曜日の夜に、BOX東中野に「WILD NIGHTS」という映画を観に行った。 ちょっと前にシネジャのバックナンバー(47号 『ナビィの恋』の中江監督の インタビューが載っていて、中江監督特集期間中販売してもらっています) を納品に行った時に「おもしろいですよ」と教えていただいて興味を持ったのだ。 この日で上映終了ということもあって、半分ぐらい(もっとかな?)関係者の方が きていた。

 この映画は映画と格闘技が好きないちサラリーマンの西さん(某映画会社勤務)が 仲間とともに作り上げたんだそうである。上映前にバット割りのだしものがされるなど 異様な盛り上がり(笑)のなか、映画が始まった。うーん、目が痛い。8ミリ映画で、 画像が荒いのと照明がないので画面が暗いのと、その中で画面下1/3ぐらいに 英語字幕がつくので、とっても見にくい。でもいちサラリーマンの西さんの アクションにはびっくり。カースタントやたちまわりなどすごく体が動いていた。 ブルース・リーやジャッキー・チェンにあこがれていた男の子がおじさんになっても その情熱を持ちつづけて映画を作ってしまったのがすごいなーと思った。 上映後には主要キャストが勢ぞろいだったが、みんなとっても楽しそうだった。

(みずま)

2001/7/3 (Tue)
この週末、シネジャ27号の特集とーくの入力をしました (こちらです)。これ、ものすごく 面白くて何度読んでも笑ってしまいます。 議論が噛みあっているような、ずれているなような、なんともいえない おかしい雰囲気で話がすすんでいきます。 おひとりを除いて、皆お会いしたことのない方々ばかりですが、 いろんな「とーく」を読んでいるうちに、なんか皆さんが知っている人たちの ような気がしてきて、拝見したことのない顔かたちまで勝手に頭の中で つくりあげてしまっています(実物とは全然違ってたりして……)。 出海さんの場合は、これを見て大体の想像を してるんですが……。

このとーくで過激な発言(笑)をしておられる佐藤さんは、シネジャ以外に、 Uncoupling研究会 というのをやっておられます。uncoupling というのはもともと鉄道用語なんだそうですが、 ここでは「親密な関係にある二人の別れ」をさすのだそうです。「カップルが親密な 関係を終える時の、心の痛みや混乱を少しでも緩和したい。パートナーともっと 理解しあうために、それぞれの痛みを抱えた者同士の交流の場を作りたい」という思いから 発足されたのだそうです。 機関誌「Uncoupling通信」のダイジェスト版はネット上で読めるようになっています。 これは、別に離婚した人でなくても面白く読むことができます。特に今年はじめの、 佐藤さんの風邪にからんだご本人および他のスタッフの記事は抱腹絶倒もの (ごめんなさい!)でした。 最新号には佐藤さんの『幼なじみ』の感想も載っています(ネットで読めます)。 会では、機関誌の他、単行本も出版しておられます。 「本の雑誌」の7月号でも、 アンカップリング研究会編「妻に異議あり 男の離婚」が紹介されていました (木村晋介、「離婚」に惑う)。 佐藤さんの場合は、お名前の連想から佐藤愛子みたいな方を想像してるんですが、 どうなんでしょうね。

とーくと言えば、 アンディ・ラウ映画出演100本記念トーク はいかがでしたか? ここだけのないしょ話なんですが、こんどは あのスーパースター××××・××× のトークが企画されてるようですよ(^^) (伏せ字のところに誰の名前がはいるのか予想をたてたい方は、ぜひ、 シネジャ掲示板 にでも書き込んで見て下さい。閑古鳥がないていますので……)。 夏が終わるまでにHPに載せられるといいですけど……。 皆さん、楽しみに待っててください。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年6月第4週
2001/6/25 (Mon)

先週6/13から6/18まで久々に香港に行ってきた。 前回行ったのは返還前の97年4月。金像獎の入り待ち・出待ちをしたのが懐かしい・・・・。 (その頃はシネジャのお手伝いもしてなかったので全くの個人的行動で) それからすっかり香港熱が冷め、韓国熱に浮かされていたが、今回は旅行嫌いの 同居人が香港なら友人がいて会いたいし、中華も好きだから行ってもいいということで 休みとお金のタイミングが合い、えーいソウル行ったばっかりだけど 行ってしまえーということでエアチケットとホテルだけとって行って来たのだ。

 旅日記を書くとものすごーーーく長くなりそうなので簡単に映画関係のご報告を。 とにかく暑かった。連日30度以上で湿度は高くサウナ状態・・・・。 お肌は滞在中ずっとしっとりしておりました。 今回は食べ歩き(B級グルメ)と友人に会うのが目的で時間をさいたので、 映画は観ようと思いつつも観れなかった。トニー・レオンとサミー・チェンの 『同居蜜友』というのをやっていた。あとは『痩身男女』(アンディとサミーの ダイエットもの)がその次の週から上映でいたる所にポスターが貼ってあった。 超オデブのサミーもかわいい。(アンディもね)アン・ホイ監督の『幽霊なんとか』 もポスターが恐げでおもしろそうだった。ヤウマティのシネマテークで6月下旬から 韓国映画特集上映をやる予定で、ラインナップをみてみたら、日本で未公開の 『インタビュー』や2001年作の短編などありかなり充実していた。

 まる4日間の滞在だったが、なんか1週間以上いたような充実感があり、 それが香港の魅力だなとつくづく思ったのだった。やっぱり香港は楽しいとこだ。 (今年中にもう1回行く事をたくらんでいる)

(みずま)



通販で頼んでいたイーキン・チェンのベスト盤「THE BEST SHOW3」(2枚組)と レオン・ライのNEW CD「THE RED SHOES」が届いた。レオンのジャケ写は 相変わらずイケる。はっと口に手をあてるショットや、グラスにお祈りしているような 写真を見て、思わず「ぎゃあー」と叫んでしまった。やっぱりそそられます。 なのに実物にはときめかないのは何でだろうか? 

 対するイーキンのベスト盤のジャケ写もびっくり。前に出したベスト盤 「THE BEST SHOW2」よりも昔の写真を使っている。というより、昔のEPの写真を 使い回しているのだ。しかも曲も、古いのから新しいのまでごちゃまぜ。てっきり 「THE BEST SHOW2」より後に出したアルバムの中から選曲するものと、 勝手に思っていたので驚き。このベスト盤の売りは新曲が3曲入っているというのだが、 その曲が「これ、他のアルバム作るときにボツになった曲じゃないの」 と疑いたくなるほど冴えない曲。「THE BEST SHOW2」がいいアルバムだっただけに、 続編であるこのベスト盤の出来には泣ける。しかし、これには事情がある。 このベスト盤を出したのは、移籍前のレコード会社BMG。恐らく、 BMGで出したアルバム全部のベストという位置付けなんだろうし、 すでに所属していない歌手のアルバムには力を入れる気もおきないだろう。

 レオンのCDもマーク・ロイ作曲の歌が少なく、欲求不満。こうなったら、 まだ入手してないイーキンのNEW ALBUM「MYSELF」に期待するしかない。

(まつした)



スタッフ日記--アンディ来日記念特別篇を読んで みやざきさんのことを心配しておられた方もあると思いますが、6/20、 無事退院されたそうです。良かったですね。

先週は、その他にもいいことがありました。 『太陽の少年』主演の夏雨くんのお父上である天涯白雲秦生さんが、1998年8月に 東京で個展を開かれた際に発行された画集を、 「ふぁん北京ふぁん」 というサイトを運営しておられるキョウコさんから 譲っていただきました(ありがとうございました!!!)。 中には、夏雨くんの描いたお父上の絵や、親子で撮った写真も載っています!


表紙

夏雨くんの絵

お父さんと

おじいさん・妹さん(?)と

それから、先週は日比谷で、シネジャおすすめの映画「恋はハッケヨイ!」を みてきました。主人公の女の子、太っててとっても可愛いですね。相撲の部分は 異様な雰囲気ですが、それがなかなかおかしくて良かったです。予告編で 矢口監督のウォーターボーイズ(男子高校生がシンクロナイズド・スイミングを やる話)をやってました。このモデルとなった高校って、 うちの長男の行ってる学校なんですよ(うちの子は水泳部じゃないけど)。 一般公開に先駆けて、学校で上映してくれるらしいです。 この映画も面白そうでした(実は、『裸足のピクニック』、好きなんです)。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年6月第3週
2001/6/19 (Tue)

web版ベストテンを書いてくださったサミラさんと待ち合わせのため、 有楽町スバル座で『ドリフト』を見る。有楽町の劇場は今週で公開が終わり、 あとはお台場シネマメディアージュでの公開となる。まだ公開するところがあるにしても、 2週間か……厳しい。しかし、思い起こせば『東京攻略』もそうであった。悲しいが、 冷静にみて、それが今の日本における香港映画の実力なのかもしれない。もっと頑張って、 香港映画だけでなくアジア映画もなんだけど、普段そういう映画を見ない人にも 「見てみようかなあ」と思わせるような記事を書き散らさなくてはイカン。

 というわけで、 宮崎さんが書いていた『ファイターズ・ブルース』の公開劇場の話 に移るが、私はワーナー・マイカルで公開したのは戦略として正しいと思う。 欲を言えば、確かに都心でも上映できれば、もっとよかったろう。 だけど、ハリウッド大作なみに全国百何十何ケ所で公開できるわけじゃあるまいし、 都内2、3ケ所で全国順次公開になるよりは、全国44ケ所一斉公開のほうがメリットが はるかに大きい。 トータルの客数も多いだろうし、何より記者会見の記事をテレビや雑誌で見たときに、 すぐ映画を見ることができる。これが1ヶ月遅れで地方に回ってきても、ファン以外の 映画ファンは興味を失っている。下手すると、大ヒット間違いなし作『A.I』 とぶつかってしまい、不利なことこの上ない。 さらに、マイカル10周年記念作品のひとつに選ばれ、1000円で見られるし、 1ヶ月近くも劇場をあけてくれている。そう考えると、 都心在住者にはかわいそうだけど、私などは 「まあ、たまには不便な思いもいいんじゃない」と思ってしまう。とはいいつつ、 都内の香港映画ファン以外の観客にも『ファイターズ・ブルース』 を見る機会を与えてあげてほしいと願っている(その前にビデオが出そうだが)。

 さて、『ドリフト』の話に戻って、観客に男の人が意外に多かったのが嬉しかった。 昼の有楽町という時間帯もあるけれど。声を大にして言いたいのが、これは大画面で 見るべき映画でしょう!ってこと。アクション部分では、『グリーン・デスティニー』 より『ドリフト』を推す人も結構いるし、役者の組み合わせの妙も堪能できる。 また、ニコラスの主題歌もピタリとはまっている。ついでにパンフは500円だ。 しかも、プレスと別原稿を用意し編集した心意気が素晴らしいではありませんか。

 何が四つ巴なのか、いまひとつ疑問はあったけれども、 『ドリフト』ワールドに痺れた。久々に満足できる映画を見たなぁとホクホク。 お台場の遠さはニコラスライブで知っているけれど、 まだ見てない人はぜひ見に行っていただきたい。苦労の甲斐はあります。

(まつした)


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2001年6月第2週
2001/6/11 (Mon)

木曜日、雨が降ってしまったが、Sさんちまでシネジャのバックナンバーを取りに いかなければいけない。6/16からキネカ大森で韓国映画の特集上映が1ヶ月ほどあり、 韓国映画関連の記事が載っているバックナンバーを置いてもらえないかお願いしたところ、 快諾していただいたのだ。

 Sさんちは編集作業をする時に使わせてもらっているので、何度も行ったことがある。 アジアっぽいものとグリーンをうまく組み合わせた、居心地のいいお部屋だ。 すいかをご馳走になりながら映画の話をして、20冊ほど持ちかえる。雨の日に結構つらい。 それから一部訂正しないといけない記事があるので、訂正表をつくってプリントし、 1冊づつ貼った。見本に付ける見だし(「○○監督インタビュー記事掲載!」 みたいなもの)も作って貼って準備完了。30冊を9日キネカ大森に納品してきた。 暑かった……。

 正直、めんどくさいし大変だし交通費もかかるけど、1冊でも売れれば…… という気持ちでやっている。それは私だけでなく、他のシネジャスタッフも同じ気持ちで 営業をがんばっている。キネカや他の映画館などで見かけたら、 ぜひぜひ手にとってみて、できたら買って欲しいなあ。

(みずま)



地元シネコンで『初恋のきた道』を見に行った。52号でトークをしたときには、 私はVCDを半分しか見ておらず、かといって、そのときの印象がよくなかったせいか、 ル・シネマまで見に行く気にどうしてもなれず、ぐずぐずしていた結果、 地元にまわってくることになった。嬉しい誤算だ。ぐずぐず万歳。

 改めて見たところ、これまでの見方を訂正しなければならないところが出てきた。 それは、ディが村にやってきた先生に一目惚れをするところ。私は 「こんな男に惚れるのか?」と自分の好みと照らし合わせて、大いに疑問に思っていたが、 劇場で見て「この刈り上げはこれでモダンなのかもしれない。前髪だけ垂らした感じも、 村の五分刈り男の中では新鮮だ。はにかむ様も柔和な感じがして好もしかったかも」 と思い直した。また、『山の郵便配達』と同じく、中国の広大さにも恐れ入った。 ディが、約束の日を過ぎても帰ってこない先生を町へ探しに行こうとするシーンの、 CGで作ったかのようなすさまじい地吹雪。この迫力はちょっと他にない。

 しかし肝心の恋物語は、やっぱり辟易するところが多かった。心情はわかるけど、 そうあからさまにやられると……。特に先生が初めてディの家を訪問するときの、 玄関でお互いを見つめ合う様といったら、気恥ずかしくなってしまって 画面を正視できなかった。思うに、この話に感激できる人は、昔 (今もそうである人もいると思うが)、何の邪念もなく、 一心に人を好きだった頃の自分を愛しく思っている人ではなかろうか。 52号のトークでKさんが話していたように、確かに私にだって、好きな人が通る道を 遠回りして通ってみたり、好きな人が友達と話している内容に聞き耳をたてるとか、 ディに近いことを過去にやったことがある。しかし、私はそういう昔の自分が 照れくさいのだ。できれば、そんなことをやっている過去の自分の背中を蹴飛ばして、 カラカラと笑い飛ばしてやりたい。

 それともうひとつ。夫(先生)を亡くしたディが、成人した息子に対して、なお、 父さんはどうしただの、どうだっただの、自分の理想像を押しつけていることにも 嫌気がさした。自分の願望をほのめかす程度なら、私もディの愛情の深さを 思いはかって涙する気持ちになるが、ああもしつこく言われると (ディは頑固ものなのだ)、感動するよりも先にげんなりしてしまう。

 実はこの映画でも、チャン・イーモウ監督の主眼は『あの子を探して』と同じく、 地方の教育事情にあったのではないかとも思うのだ。 ぼろぼろの校舎を立て直そうにもお金はない、代わりの先生がやってくるのは2日後、 何十年教えても大学まで出たのはいまだに息子ただ一人…… たくさんの元生徒が先生の棺を担ぎに来たが、そんなに慕われたいい教師は、 村のお寒い教育事情のために殉職したようなものである。

 こんなことばかり言っていると「どうして素直に映画を楽しめないのッ!」と、 またSさんに怒られそうである。

(まつした)


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2001年5月第5週/6月第1週
2001/6/16 (Sat)
スタッフ日記--アンディ来日記念特別篇 (みやざき)
5/31 新宿駅南口で『痩身男女』のロケに遭遇
6/1 入院
6/2 『ファイターズ・ブルース』を観に、横浜みなとみらいへ
6/3 結局本日も『ファイターズ・ブルース』を観にみなとみらいへ

2001/6/4 (Thu)
6/3、地元のシネコンに『ファイターズ・ブルース』を見に行った。12:40からの回で、 定員140名のところ、観客は9人(涙) 女性二人連れが3組、カップル1組、 そして一人で見に来た私という内訳で、年齢層は10代〜30代といったところだろうか。

私がこの映画を見るのは3回目。新鮮味はないはずなのだが……やっぱり同じところで 泣かされてしまった。私が必ず泣くところは次の3ケ所:(1)プロイの部屋で、 プロイがタイガーに自分の存在は重荷じゃないかと恐る恐る尋ねるところ (2)タワンとの試合に向けて練習を開始したタイガーのもとに、 かつて一緒に組んでいたトレーナーがやって来て、タイガーの気持ちを確認した後 「じゃあ、これを(俺に)つけろ」とグローブを渡すところ (3)タワンとの試合の最終ラウンド、倒れたタイガーにトレーナーが 「(残りが)あとたったの20秒なんだ!」というところ……と実は、 主演者の演技とは関係ないところだったりする。しかし(3)から流れて、 タイガーが力なくへなへなパンチを打ち込むところまでずっと泣きっぱなし。 現役時代のタイガーが喫煙していたり、 いくら恋人のタイガーのもとへ駆け寄るときとはいえ、ピムが商売道具のカメラを 乱暴に床の上に置くとか、現実に照らし合わせて気になる描写はいくつかあったが、 3度見ても、お釣りがくるほど十分楽しめた。 もう少しお客さんが入っていてもいいのにな。 映画が終わるとちょうど『JSA』の入れ替え時間で、横から覗いてみたら、 190席ある劇場はほぼ満員。公開2週目とはいえ、さすが! 

(まつした)

2001/6/4 (Thu)

こちらは、6/2(土)に東武練馬で『ファイターズ・ブルース』を見てきました。 土曜日の昼間でしたので、少なくとも40人はお客さんがありました。 ほんとは『JSA』のほうが見たかったのです。でも、アンディ・ファンの某シネジャ・ スタッフがお客の入りをすご〜く心配しておられるので、枯れ木も山の賑わいで 出掛けてみました。タイガーの娘(プロイ)がよかったですねぇ。 娘ってこんなに父親を慕ってくれるものなんでしょうか。いいですね。 一人ぐらい娘が欲しかったです(もう無理)。 ただ、いい映画だとは思うんですが、最後があまりに悲惨で、可哀想すぎると思います。 本人が希望するなら、ぜひプロイちゃんをうちの養女にしたいんですけど……。 あと、雲が空を流れるシーンが何度か出てきましたが、すごく心に残る画面でした。 (シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年5月第4週
2001/5/31 (Thu)

5/27はスタッフで集まってトークを行った。珍しくスタッフ全員が集まって、 にぎやかにぎやか。しかし、うっかりカメラを持っていくのを忘れてしまった。 次に全員顔を合わせるのはいつの日か……。今回は1本の映画についてトークしたが、 驚くことに7人中6人が、1週間の間(映画が決まったのが、1週間前だった) で見てきたのだった! しかし、今回の映画には批判的な意見ばかりで残念。 この不名誉な(?)映画のタイトルは、そのうちこのHPの予告に登場するでしょう。

 ただ、家に帰ってゆっくり考えてみると、別の見方もできるんじゃないかと、 ふと思った。キーワードを変えれば、いけるかなあ……でも、 そろそろ次号の原稿のための下調べを始めないと間に合わないし、 そんなことやっていられるかしら。『ザ・コンテンダー』の映画評(面白かった!)も、 もぎたて映画評って、そんなコーナーがあったのも忘れられていると思うけど、 それで書きたいと、ずっと思っているのですが。

 さて、この集まりで、今まで在庫なしとされていた20号と40号の在庫が まだあることが発覚いたしました。ほしいと思われる方はお早めにご連絡ください!

(まつした)

2001/5/30 (Wed)
まつしたさんとみずまさんからの日記を待っているうちにずるずると水曜日になってしまいました (なんて書いたらまるでおふたりに催促しているみたいですね)。 先週は、出張していて古い号の記事入力その他の仕事を全然やっていません。 映画も全然見てません。書くことが全然ない状態です。

無理やり映画とシネジャに関係する話といえば…… 皆さん『ビリケン』という映画はご覧になりましたか? 公開された時は見なかったんですが、シネジャ38号 の記事を読んで面白そうだと思って、ビデオで見ました。 映画自体はそれほど面白いとは思わなかったんですが、なぜかビリケンが気になって、 大阪出張の際、通天閣にいって ビリケンさん足の裏をさわったり、 ビリケンのキー・ホルダーを買ったりしました。 先週の京都でも、あるビリケン・ファンに教えていただいた アンティークショップで、いくつかビリケン像を見てきました。 小さいのでも7万円もしたので、見ただけですけどね。

というわけで、まだアンディの『ファイターズ・ブルース』も見てません。 今週録画したSMAPxSMAPも見てないし……。

話は変わりますが、以前シネジャに記事を書いておられた Min さんが、 ホームページで 「1周年&10000カウント突破記念期間限定キャンペーン」中です。 アジア映画のちらしが無料で貰えます。 受付は6月10日までですから、今すぐ、行ってみて下さい。 ぼくは早速『太陽の少年』のちらしを お願いしました。前からほしいと思っていたんですよ。まさか手に入るとは 思っていませんでした。これも先週ビリケンを拝んできた御利益でしょうか(笑)。 実は、もうひとつビリケンの御利益で、『太陽の少年』関係の宝物を 入手できそうなんです。これはまた今度書きます。

(シネジャ・ファンのやまさき)

2001年5月第3週
2001/5/21 (Mon)

今週は、とてもステキな男性に会うことができた。「ホークB計画」で、 非情なテロリスト役を演じた俳優の小家山晃さんだ。 小家山さんの奥さんとシネジャスタッフが偶然にも知り合いで、 快くインタビューに応じて下さった。

 本誌51号の「ホークB計画」 主演の沢田謙也さんのインタビューで、 小家山さんについて、「あいつはこれから出てきますよ」とコメントしている。 待ち合わせ場所に現れた時も、オーラが出ていると言うか存在感があって、 フツウの人ではないなと一目で思った。映画ではにこりともしなかったけど、 実際は屈託なく笑う笑顔がとても温かい感じでいっきに小家山ファンになってしまった。

 演じる事に信念と情熱を持っている俳優さんで、私も絶対この人これから 活躍するだろうなと思った。詳しいインタビュー内容は次号に掲載予定なので、 お楽しみに!

(みずま)


レオン・カーファイのエッセイ「もう一度行きたい…、あの頃の香港」を読む。 内容には関係ないが、表紙のイラストを描いているのは、幻冬舎で出した 「なりたい自分になれる100の方法」がベストセラーになっている、中山庸子の夫、 松本孝志。こっちは内容に関係のある話で、このエッセイの元本のタイトルは 「戯言札記」。いったいどうしてこんなタイトルになったのか、 ぜひ聞いてみたいところだ。

 私は本を読むスピードが速い。活字も大きいこの本は30分で読み終わってしまうなあ…… と思い、買うのを迷ったが、読んでみたい誘惑のほうが勝ち、大枚1800円をはたいた (う〜、映画1本分の料金だ)。しかし、買ってみてよかった。撮影時の裏話や カーファイが気になること、広東語学習者にとっては広東語の語句やことわざなど、 短いながらも内容はなかなか濃い。中でも私が一番気に入ったトピックスは、 カーファイが人からよく声調を直せと言われていることだ。 ネイティブでさえもそうなのだから、外国人たる私の広東語がおかしくったって無問題!

 おまけに、香港映画ファンにはおなじみ、伊藤卓の筆による脚注が細かく、 大変参考になる。惜しむらくは、元本が1992年刊と少々古いこと (最近のものはないのだろうか? あればぜひ読みたい)、 脚注に『風雲』で火の麒麟と闘ったのはアーロンだと書かれていたことだ。 伊藤氏でさえ間違うのだから、私が間違えるのは当然と強気になった…… と思うはずもなく、彼でも間違うのだから自分はもっと校正しなければと、 そら恐ろしくなった。発売中の52号でも、『ベーゼ・モア』の監督、 コラリー・トラン・ティ監督の名前が、途中からコリンに変わっています。 後悔しても反省しても、もう取り返しがつきません。読者の皆様、すみませんでした。 本当に活字は恐ろしい。

(まつした)

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2001年5月第2週
2001/5/14 (Mon)

みずまさんの韓国ソウル旅日記その4と まつしたさんの香港旅日記その3は すでに特別記事のところに掲載済みです。こちらがさみしくなってしまいました。

先週の話題と言えば、アンディ・ラウの来日でしょうか……。月曜日の 「笑っていいとも」に出てましたね。録画して、観ました。 あんまり中身はなかったかな(詳しくはこちら)? 他の番組にもでたようですが、これしかみてません。 これから放送されるものもあるようです(5/28, SMAPxSMAP)。

それから、いよいよシネジャ35号の記事を 載せ始めました。今、最初の20頁ちょっとが読めます。入力、手伝ってみたいという 奇特な方がおられましたら、連絡してください。当方の本業がちょっと忙しいので、 更新が滞るかもしれませんが、ご容赦をお願いします。 『マディソン郡の橋』関係の記事はKさんが入力してくださるそうですので、5月中に 掲載できそうです(このトーク、無茶苦茶面白いんですよ。お楽しみに!)。

35号の東京国際映画祭の記事はほとんどを地畑さんと関口さんが書いておられます (あと、志々目さんも)。すごくパワフルですね。地畑さんたちは、今「フィルム・ゴア」 という映画の雑誌を出しておられます。発行は不定期で、最新号はたぶん8号だと 思います。その他にも地畑さんの記事は例えば get-hongkong.com のメールニュースなどで読めますし、関口さんは News Group の fj.rec.movies や映画雑誌 Movie Gongで活躍中です。 その他、最近キネマ旬報から 発売された「フェイス トニー・レオン」というムックにも、志々目さんや山中さんが 参加しておられます。書店で探してみてください。あ、もちろんシネジャは他と 違った切り口で映画を語る貴重な雑誌ですので、こちらも絶対お忘れなく(笑)。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年5月第1週
2001/5/7 (Mon), 5/8修正

みずまさんからは、ソウル旅日記の第3回が、そしてまつしたさんからは香港旅日記の 第1回が届きました。 ソウル旅日記その3は4月第3週のところに、 香港旅日記その1は4月第4週のところに載せました。

あとあとの都合も考えて、ソウル旅日記とホンコン旅日記はWeb版特別記事のほうに 移しました。 ソウル旅日記その3はこちらで、 ホンコン旅日記その1はこちらで読めます。

連休中に、フィルムセンターで『街角の天使』を観てきましたが、この映画の趙丹も すごくいいですね。ハンサムなだけじゃなくて、芸達者です。びっくりしました。 もちろん『十字路』の趙丹もよかったですけど (『十字路』のVCDを買ってしまいました)。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年4月第4週
2001/5/4 (Fri), 5/8修正

4月第4週のメインな話題はなんといってもシネジャの 52号がでたことでしょう。 もう入手されましたか? 「トーク」も前号よりさらにパワーアップしています。 52号の発行にあわせて、過去記事のデータなどを更新しました。今も まだ作業を続けています。ついでに、このサイトのディレクトリ構造を大幅に 変更しました。トップページ以外にブックマークをつけておられるかたは、 そのうち古いファイルを消去しますので(今はまだかなり残しています)、 一度トップページに戻って確認してみて下さい。 副作用で、リンクの誤りなどがたくさんできていると思います。 手作業でやっているのでどうしても見落としがあるんです。 気づかれたことがあったら教えて下さい。よろしくお願いします。

まつしたさんは4/26から香港に行ったきりです。 報告は本誌のほうかWebで読めるでしょう。 楽しみですね。それから、みずまさんの旅日記の続編が届きました。 4月第3週のところに、その1に続けて載せています。 (**続編はこちら(特別記事のコーナー) に移しました**) こちらはまだまだ続くようですので続きをお楽しみに! それからアンディファンのみやざきさんが、なにやらいろいろ企画しておられるようです。 昨日も都内某所で「トーク」が行われたはず……。こちらもお楽しみに!

ぼく自身は、4/24に『アタック・ナンバーハーフ』を観てきました。 すっごく楽しかったです。今日(5/4)は、これから池袋で『ふたりの人魚』を観て、 そのあと京橋のフィルムセンターで『街角の天使』を観ようと思っています。

(やまさき)

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2001年4月第3週
2001/4/24 (Tue), 5/8修正 -- みずまさんの「ソウル旅日記その1」を こちらへ移動

次のNHK朝の連ドラの主役が池脇千鶴に決まった。ということで、「オードリー」 になぜ共感できなかったかについて考えてみようと思う。

 このドラマを見ていない人のためにあらすじを言うと、大映がモデルとおぼしき 京都の撮影所近くに住んでいた女の子が、映画に憧れ、映画界で頑張る話である。 父親が一風変わった人で、彼女をオードリーと呼んでいたため、 こんなタイトルになっている。オードリーは最初、女優を目指したものの、 家の事情でいっとき現場を離れたために女優には復帰できず、監督を目指して 再スタートする。昔劇団の女優で、使ってもらえないなら自分で劇団を起こそうと いって友人と劇団を旗揚げし、今は売れっ子脚本家になった大石静自身の経験が もとになっていると思われるが、それにしてもどうでもいい話だった。

 まず、話の焦点が合っていないこと。基本線はオードリーが夢を追いかけて 成長する話だろうが、これに家族の問題がかなり大きなウエイトでからんでくる。 そのため最終回の終わらせ方を見ても、夢を実現する話なのか家族の話だったのか、 よくわからない。家族も段田安則、賀来千賀子、大竹しのぶ、最初のころは 藤山直美など名の通った人が出て、それぞれ目立ってしまうから、いきおいそっちの 印象が強くなる。

 肝心の撮影所の話も、途中からタイガー・ウォンだの本筋とは別に、 やけに興味を引く要素が出てきて、後で振り返るとごちゃごちゃした印象だ。 かといって、内館牧子の「ひらり」ほど、無茶苦茶に突っ走るパワーはなく、 かえって中途半端になってしまった。

 また、こうやって振り返ってみても、オードリーがどんな女性だったのか、さっぱり わからないというのはかなり問題だ。個性的な脇役を配することで彼女を 浮かびあがらせようとしたのかもしれないが、残念ながら埋没してしまった。 撮影所みたいなところで自己実現していく女性を描くなら、自己主張する主人公でないと と思うのは私だけでしょうか?

(まつした)

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2001年4月第2週
2001/4/16 (Mon), 4/18 (Wed) 追加

今日(4/15)韓国創作オペラ「黄眞伊ファンジニー」を観に行った。 オペラなんて見るのは初めてだ。5000円の席なので4階だったけど ほぼ中央だったので見下ろすような感じになりながらも全体が見渡せた。

ファンジニーという芸術的素質に秀でた女性が、当時の制度的な偏見に反発し、 高級芸妓となってその才能を磨き恋愛も謳歌する。 しかし人々に誉めそやされても安息の時はこない・・・・・・

一言でいえばこのようなストーリーなのだが字幕なので少し意味が わかりづらかった。(きちんと予習していけば何倍も楽しめたかな?)

でも人の声の力の偉大さというのが良くわかった。ファンジニー役の ソプラノの声の聞いていて気持ちのいいこと。男性の良く通る低い声も合唱 (というのかわからないけど)のハーモニーも素晴らしかった。

私は最近韓国文化に熱中しているので、衣装のチマチョゴリの美しさや 韓国特有の太鼓の音などを楽しめただけでも行ってよかったと思った。 教科書問題で韓国側の来賓が来るとか来ないとかいっていたのは残念だと思う。

あさってからはソウルへ行きます。 帰ってきたら旅日記をお届けします。

(みずま)


机の中を整理していたら、映画&読書日記が出てきた。 このノートは大学生のときに始めたもので、数カ月続けては中断、あるとき、 ふと読み返してはまた続ける……といった具合に綴られ、99年10月1日が最終記述。 それでもノートの半分にしか達していないところが私の飽きっぽさを物語っている。 また読み返してみると、自分でも忘れていたことが詳細に記されていて面白い。

 私は自分が感じたものは細かいことまで全て描写したいと思うタイプなので (その割に語彙が足らず、いつも失敗してるんだけど)、誉めるときもけなすときも やたら細かい。『Shall we ダンス?』を1ページにわたって誉めておきながら、 「どうしてモッくんを踊らせなかったのか」と不満を8行にもわたって述べている (しつこい!)。今となっては、彼が出ていたシーンもよく覚えてないので、 何でこんなに文句を言うかなあと笑ってしまう。『ラブソング』についても、 90%は好きな映画としながらも、文章の半分くらいはその10%批判、 というか文句に割いている。『ビッグ・ヒット』では、「これを香港俳優が演じたら……」 と夢のキャスティングが書いてある。スキッパーの役は童顔だからとリー・リンチェ、 ニシの役は、日本語がうまいらしいとそれだけの理由で、チョン・プイがあてられている。 この時期はそうとうヒマ人だったらしい。『ドラゴン・ヒート』については、 「執拗な繰り返し、見づらい映像。思っていた通りきつい70分だった」と辛辣だし、 『ロック・ストック……』を好きでない理由も思い出した。人間は忘却の生き物とは よく言ったもの。やはり記録することは大事と再認識した次第。

 先週はつい金像獎の予想などしてしまったが、本当は、終わってしまったNHK連続 テレビ小説「オードリー」について書こうと思っていたのだった。ひとりの女の子が 映画に魅せられ、成長するという自分に近い話なのに、なぜオードリーに 共感できなかったかのか。……やっぱりこれは来週に持ち越そう。

(まつした)


まつしたさんは飽きっぽい性格だということですが、 映画&読書日記がノートの半分に達しているって、けっこうスゴイんじゃないでしょうか。 少なくとも三日坊主じゃないですね。ぼくは、シネマジャーナルの過去の記事の電子化を めざす第一歩としてまず40号の記事の入力を始めたわけですが、最初、 1か月くらいで終わるかな思っていたのに、もうすでに2か月を越えた今、まだ 入力が終わっていません。というかこの一週間は、まつしたさんからメールで送られてくる 原稿をHPに載せるだけしかできてないですね。ちょっと息切れ状態です。 あとお一人の記事と、編集後記だけなんですけど……。 言い訳になるんですが、今週はいいDVDが入手できたのと、京橋のフィルム・ センターに古い中国映画を観に行ったのとで、週末がつぶれてしまいました。 今週こそは、毎晩パソコンに向かうつもりです。

 今週買ったDVDは台湾映画の『ラブ ゴーゴー/愛情来了』(日本版)です。 これ、一昨年観た映画で一番好きだったものなんです。特に第一話の パン屋のお兄ちゃんの話が好きです。あの透明人間のエピソード、いいですよねぇ。 何回観ても、あの手紙を読むシーンでボロボロに泣いてしまいます。 ここで映し出される空のなんと美しいこと! お月様もロマンチックです。 買って、3回観ました(^^;(入力がすすまないはずですね)。 でもね、このDVD、チャプターに別れてないんですよ……。これってすごく不便です。 定価4,700円なんだから、それぐらいつけてくれてもいいのにね。

 フィルムセンターの「中国映画史の流れ:無声後期からトーキーへ」はすでに、 映画作品紹介のページでも紹介しました。 今日からの新企画手前みそキャンペーンで、 まつしたさんが紹介しているように、斎藤さんの「サンフランシスコだより」に 古い中国映画の記事がいろいろあるんですね。きのうぼくがみた『慈母曲』と 『十字路/十字街頭』に関しては47号に記事があります。 バックナンバーのページタイトル索引のページ で調べられた方、見つからなかったですね、すいません。 この号の「サンフランシスコだより」は10ページもあったので、 紹介されている映画の題名は省略しちゃったんです……。あとちょっと がんばればいいものができるのに、最後のところで腰砕けになってますね。 あとで、データを追加しとこうかな。 そのふたつの中では『十字路』がとても面白かったです。日中戦争が始まる前に 上海で撮られた映画なんだそうですが、すごい都会ですね。びっくりしました。 上海っていうとなんか「魔都」なんて言葉で語られたり、暗黒街が取り上げられたり、 といったイメージがありますが、この映画ではすごく近代的な明るい街を 観ることができます。不況で、大学を出ても職がないわけですが、それでも 若者はずいぶんしゃれた背広を来てます。貧乏でも、お洒落!  そもそもコメディですので、とても観ていて楽しいです。 生活時間帯が違うために互いの顔を知らない、 下宿屋の隣同士の若い男女が主人公――隣といっても、二人の部屋を 分けているのは高さ2mぐらいの板の間仕切で、その上はあいているので、 部屋の中の物干し竿が隣まで進出して、ベッドをびしょびしょにしたり、 間仕切の上からゴミを隣に放り込んだり、間仕切に釘を打ち込んで隣に突き出させたり、 もう無茶苦茶なことをしあいます。そんな二人が、仲の悪い隣人としらずに、 電車の中で出会って恋におちるわけです。面白そうでしょ? また5月1日にやりますから、ぜひどうぞ! (ちなみに、中華迷の 緑さんの『十字街頭』紹介記事は こちらです。 また、2001/04/16付けの記事や2001/02/15日付けの記事に、 新作『新十字街頭』の話題が載っています。)

 それから、このページもだんだん大きくなってきましたね。今度暇なときに、 古い部分を別ページに移すことにします……とまあ書くだけは書いておきます。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年4月第1週
2001/4/10 (Tue)

このところ、ハマッているドラマがある。 スカパーで放送している『赤い運命』だ。 ご存知百恵ちゃんの『赤いシリーズ』のドラマで、 私が子供のころやっていて、うっすらと記憶があった。 百恵ちゃんと秋野ようこは孤児だったが、お互いの父親がわかり、それぞれに引き取 られる。検事の娘(秋野ようこ)とその検事に取り調べられる殺人犯の娘 (百恵ちゃん)として。

実は親がわかる証拠の品が取り違えられていて、それぞれの親子が入れ違っているのだが、 途中までわからず、違う親を本当の親と思って情を通わせていて言えなくなってしまうのだ。 それに殺人事件、記憶喪失の産みの母、恋愛、はては戦争時代の国家の責任まで 絡んできて、おもしろいのです。前にも『赤い激突』(バレリーナ一家の愛憎物語に 安楽死問題が絡む)や『赤い嵐』(記憶喪失の娘とその面倒を見る一家の話) を放送していて、それも結局全部見てしまった。

 とうとう、『赤い運命』も残すところあと数回になった。百恵ちゃんは実の親が わかったが殺人犯の親をほっておけず面倒を見ていてとても健気な子なのに、 秋野ようこは事実を知らないのでわがままで百恵ちゃんにつらくあたったりして、 「またいづみ(秋野ようこの役名)があんなこと言ってるよ」とか 「早くホントのこと言えばいいのにー」と言いながら(注:ひとりごとではなく、 同居人と話しています)楽しく見ています。

 なので最近放送しているドラマの物足りないこと。ベタでもいいからもっと ドラマチックなものが見たいと思っていて、何気なく韓国のドラマのことを書いてある本を 読んでいたら私好みのようなことが書いてあった。不幸な境遇の主人公に困難が ふりかかるが乗り越えていくような話とか・・・・・。うーん見たい。 日本語字幕がついてるビデオとかあるのかなー? あったら確実にハマリそう・・・・・。

(みずま)


金像獎の取材に香港に行くことに決めた。当然ながら自費なので、 この時期の開催はきつい! まあ、しかしロイ・チョンが最優秀助演男優賞ノミネートと あらば、行かないわけにはいくまいよ……ああ愚か。

 さて今日は、カンと好みを頼りに、金像獎の予想などしてみようと思う。 まず最優秀作品賞。これは難しい。『ドリアン・ドリアン』と『花様年華』はまだ 見ていないので、どれだけ素晴らしいのかわからないけど……金紫荊賞が 『グリーン・デスティニー』で評論学会賞が『ドリアン』ね……『花様年華』 が本命だとは思うけど、『孤男寡女』だったらいいな。こういう軽いのが最優秀賞を とるのも粋かも。でも、サッカーくじみたいに賭けるんだったら、やっぱり『花様年華』 にすると思う(でも「ぴあ」の満足度では確か5位くらいだったよなあ)。

 次は最優秀監督賞。これは『ジュリエット・イン・ラブ』のウィルソン・イップ。 何でこの作品が最優秀作品賞と最優秀主演女優賞にノミネートされなかったのか 不満に思ってほどなので。

 最優秀脚本賞は、これまた難しい。『江湖告急』も一応見たけど、どんな話か さっぱりつかめなかったんだな……ということで、銀河組の『孤男寡女』にしておこう。

 最優秀主演男優賞、これはジャンユーで決まりでしょう。もう何も言うことなし。 最優秀主演女優賞、これは『ドリアン』の彼女がどんなもんだかわからないけど、 マギーが妥当という気がする。

 最優秀助演男優賞、これはロイにあげたい(贔屓)。チャン・チェンとかジャンユー、 イーソンよりは、地味に頑張っている人にあげてほしい。しかし悲しいことに、 『江湖告急』のロイは面白かったけど、そんなにいいとは思えなかったのだ。 これなら『鎗火』でノミネートしてほしかった! ということで、 個人的にはロイにあげてほしいものの、サイモン・ヤムにしておこうっと。

 最優秀助演女優賞は『グリーン・デスティニー』の鄭佩佩で決まり。最優秀新人賞は エディソンで華やぎを添えたいところだけど、『ドリアン』の秦海路が順当という ところかしら。主演女優賞にノミネートされているくらいだから。

 撮影、美術、衣装はやっぱり『花様年華』でしょう。あと音楽も。 音楽といえばどうして『東京攻略』はノミネートされてないの? 大いに不満。 衣装も『東京攻略』にあげたいんだけど、いかんせんライバルが強すぎる……。

 アクションと主題歌賞は手堅く『グリーン・デスティニー』。でも、 この映画が2部門しかとれないというのも、ちょっとおかしな気がするなあ。 最優秀監督賞もアン・リーにいっちゃうかもしれない。ウィルソンくんはまだ若いから、 とかいって。編集と音響効果にいたっては、さっぱりわかりません。あえて選ぶとすると、 両方とも『ドリフト』かな。

 果たしてこの予想は当たるんでしょうか? アメリカのアカデミー賞を予想するよ り難しかったです。

(まつした)

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2001年3月最終週
2001/4/2 (Mon)

先週の話になるが、韓国短編特選集の上映を 観に行ったので感想を少し書いてみたい。

  1 『敬礼の行方
  2 『調理場にて
  3 『最後のピクニック
  4 『非/常識
  5 『現代家族
  6 『ペットの背中

1と2は、何が言いたいのかはっきりしないような感じがして 私にはいまいちだった。

3は19分という短い時間の中にも悲しみと希望が感じられる作品だった。

4と5は現代のソウルがかいまみれて興味深かった。 電車でおじさんに注意したら、「生意気だ」と殴られたり、おばさんが二重に 整形してホストと関係しようとしたり・・・・。

6は今回上映中一番盛りあがったし、個人的にも気にいった。 アニメーションで、たった6分なのにとてもおかしかった。 犬と猫がバーで語っているのだけど、韓国人にもこれが受けたと したら、笑いのツボが一緒なんだなと思う。 4月にスカパーのシネフイルイマジカで放送予定だそうです。

(みずま)


これまでの鬱憤をはらすべく、今週は映画三昧。 知人から薦められていた『はなればなれに』と、テアトル新宿のレイトショー 『殺しの烙印』のことを書いてみます。

はなればなれに』は御大ゴダールの作品。蓮實効果か (グル・ダットも混んでたし)、かなりの客数。知人曰く 「こんな風に映画を作ることができるなんて、本当に奇跡のようだ、という意味での傑作」 とのこと。これは観に行かないと、と出かけてみました。期待が大きすぎた分、 傑作とは感じなかったけど、ところどころハッとするほどみずみずしい。 ナレーションの知的な雰囲気にも酔いました(あんまり香港映画にはないテイストなんで)。 ふんふん、この括弧を開いたものが『アニー・ホール』なのね、なんて思いながら。 観終わった直後の印象は強くないけど、たぶん、いつかふとしたときに、 この映画の風景(一番印象に残っているのは、麗しのアンナ・カリーナではなく、 この映画の街並みなのです)を思い出すのだろうな。 そのとき初めていい映画だったんだと気付く……という類いのさりげない映画でした。

 鈴木清順の『殺しの烙印』は、チラシの文章を見て行ったけど、テンポが合わず、 最後までのれなかった。宍戸錠扮する主人公が、パロマの炊飯器から薫るご飯の 炊ける匂いに陶酔するとか、エキストラの死に様だとか、随所に面白いところはあっても 全体としては今ひとつ。多分、これは私が現在の視点から見ているからで、 この時代の他の映画と横一列で比較してみれば、この映画の革新的な部分に 驚くのだとは思いますが。しょっぱなでくじけたので、 この先この特集を見に行こうか迷うところ。

 「映画館へ」という雑誌で、ロウ・イエ監督の写真の下のキャプションが、 スティーブン・ドーフのものになっていて驚いた。規模は違うとはいえ、 同じく雑誌を作っている者としては「人のふり見てわがふり直せ」。しかし、 こうした間違いを見る度、まだまだアジア映画の浸透度は低いのかなとも思ってしまう。 頑張らねば!

(まつした)

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2001年3月第3週――やっと終わった?地獄の日々
2001/3/26 (Mon)

3月9日にテアトル池袋で『りんご』を観て以来、 自由時間はずっと原稿を書いているか、疲れてうたた寝しているかが続く。 おまけに仕事のほうも忙しくなり、家に帰る時間も1〜2時間遅くなって、 ますます原稿作成にとって不利な状況に追い込まれる。 そんな生活をしていたら、とうとう左手にガタがきた。 中指、薬指、小指が動かせず、親指と人さし指は痺れたまま。 最初は寝違えたのかなと思っていたが、一向に痺れはおさまらない。 心配になって医者に行ったら、疲労とのこと。弱い部分から先に疲れが出たらしい。 ブラインドタッチができるまでに3日も要する。 このころ、ふだん甘い物を欲さない私が、スターバックスの甘系コーヒーやら ドトールのミルクレープ、団子等を買い始める。ああ、やっぱり尋常でない。 ……しかし、そんな日々も昨日で終わりました。映画を観に行きたい、美容院に行き たい、でも、まずは何より8時間ぐっすりと寝てみたい!

(まつした)


まつしたさんの日記によると、どうやら52号の編集作業は終わったようですね。 それとも、終わったのは松下さんだけで、他にまだ苦しんでいる人もあったり するんでしょうか……。

私事になりますが、こちらもこのところすごく体調が悪いです。 花粉症のせいです。1週間前の日曜にはついに声まで出なくなりました。 月曜には少し良くなっていましたが、それでも声をだすのが辛い!! それなのに大した用でもないのに話しかけてくる人がいたりして…… 「そののど、当分続くんですか?」 知らないよぉ、そんなこと、こっちもはじめての経験なんだから…… って思ってもそんなに長くしゃべれません。 勘弁してくれ〜、ほっといてくれ〜。

さて、20日は祝日でしたので、ツレアイと池袋の新文芸坐に韓国映画の2本立てを 観に行きました。『ペパーミント・キャンディ』と『グリーン・フィッシュ』です。 昨年出来てからまだ来たことがなかったので、とてもきれいでびっくりしました。 最後に文芸坐に行ったのは、終電に乗り損なってオールナイトを観たときです。 『野菊の如き君なりき』は半分寝ながらもボロボロ泣きながら観ました。 で、この劇場のまわりってけっこうスゴイところですよね。開演時間より ちょっと前(朝、9:20頃)行ったんですが、路上に人がいっぱい!! パチンコ屋かなんかの開店を待ってるんでしょうか? 劇場の人が声を かけてくれなかったら、近寄りがたい雰囲気でした。映画の方ですが、 『ペパーミント・キャンディ』は黒い画面の中のぽつんと明るい点がだんだん 大きくなって、それがトンネルの入り口(出口?)だとわかるオープニングから すっかり引き込まれてしまいました。こういう大きな(時の)輪を感じさせる作品って 好きなんです。だけど、ツレアイは結末が最初にわかる映画は嫌いなんだそうです。 性格の不一致でしょうか(笑)。『グリーン・フィッシュ』のほうですけど、 ぼくはヤクザものは好きじゃないことと、あの歌手役の女優さんが好みじゃないことの 2つの理由で、全然はまれませんでした。 ツレアイは「綺麗な人だったね」って言ってましたが、やっぱりここでも 好みの不一致が(笑)。まぁ、実害はないんで構わないんですけど。

この週末は久々にゆっくり休みました。金曜日にはビデオ5本借りちゃいました。 結局、土日で観たのは『フル・モンティ』『好色男女』『世界中がアイ・ラブ・ユー』 の3本でした。まだ観てないのが『(ハル)』『ショーシャンクの空に』の2本です。 それから、あまりに更新をさぼっていたので、 40号の記事もまた少し入力しました。 おもしろいので是非読んで下さい。

(シネジャ・ファンのやまさき)

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2001年3月第2週/シネジャ52号編集真最中
2001/3/17 (Sat)

おっ、スタッフ日記が更新されてる……と思ってこのページを開かれた方、 ごめんなさい。 スタッフは皆編集作業中(というよりまだ原稿を執筆中の人もあるんじゃないかと思って いるんですが)ですっごく忙しくて、誰からも日記の原稿が届きません。 あまりにもさみしいので、埋草を書いてみることにしました。お粗末ですがよろしく。

52号について少しずつ情報が伝わってきています。表紙の写真ですが、 イラン映画特集にちなんだものになるんだそうです。

特集といえば、恒例のベスト10特集もあります。ぼくはそれに参加していないので、 ここでマイ・ベスト10+αを選んでみます(私物化してますね)。 ビデオで観たものや映画祭で観たもの、少し古いものも含んでいます。

  1. 17歳のカルテ
  2. ナビィの恋』(一昨年の12月だけど、まぁいいか)
  3. シュリ
  4. グリーン・デスティニー
  5. 草の家
  6. ただいま
  7. ミレニアム・ラブ
  8. メッセンジャー』(ビデオ)
  9. 初恋のきた道
  10. シックス・センス
  11. ブッシュ・ド・ノエル
  12. ユキエ
  13. ウーマン・ラブ・ウーマン』(ビデオ)

17歳のカルテ』はシネジャでは話題になっていませんが、ぼくは2回みにいきました。 主人公は精神科思春期病棟に入院中の女の子(ウィノナ・ライダー)です。 ひとりの子が退院していくのを主人公達がじっと見守るシーンでは、彼女たちの気持ちが すごく伝わってきました。あそこでかかる曲(Wilco の How to Fight Lonliness)も ぴったりでした。リサ役のアンジェリーナ・ジョリーがまた、魅力的でした。 ウィノナ・ライダーは『オータム・イン・ニューヨーク』のほうが可愛かったけれど、 あっちは顧長衛のカメラがニューヨークを美しく撮っていたことが一番印象に 残るぐらいで、映画としてはちょっと物足りなかったです。 『17歳のカルテ』は池袋の 新文芸坐で3/27〜4/2に上映されます。また行くつもりです。

ナビィの恋』はやっぱりあの恵達おじいが良かった。女性はナビィの立場でこの 映画を観るでしょうけど、やっぱり男は恵達に注目してしまいます(あと、 あのふられる若者もかな)。お弁当を食べるシーンは涙なしでは見れないですよ。 すごく悲しい映画なのに、なぜか元気の出る不思議な映画です。

シュリ』は最初に劇場でみたときはそれほどはまらなかったんですけど、 DVDで全体の構図を頭に入れて観たらとても感動してしまいました。 とにかく主人公の女性が可哀想で可哀想で、仕方がありません。 あそこまでいったら、ぼくなら二人で一緒に死ぬのを選ぶと思う (まあ、想像上でですけどね)。 一回目に観たときはですね、登場人物が区別・同一視できず、ごちゃごちゃに なってしまったせいなんです。チュジュドにいた女性が主人公の女性と二役だと いうのも、あとでパンフレット読むまで気づきませんでした。

グリーン・デスティニー』は強くなるという目標に向かってひたむきに 突っ走るチャン・ツーイー(ジャン・ズーイー)が良かったです。男より剣を 選んじゃうんですからね。 そのうち日本版のDVDが出るとは思うんだけど、待ちきれずVCDを買って しまいました。 同じひたむきさでも、『初恋の来た道』のほうは、 彼女があんまりにも可愛いんで、それほど感動できないんですよね……。だって あの子に迫られてコロッといかない男はいないでしょう。ぼくも毎日 Zhang Ziyi Foreverで 画像を少しずつ貰ってきては保存しています。

草の家』は以前も観た映画でしたが、何度観てもいい。今年一般公開されるという ことでしたが、どうなったかな。

ただいま』はシネジャで斎藤さんが絶賛していたんですが、ほんとに そのとおりでした。すごく元気のよかった主人公の女の子が 刑務所での17年間の生活のあと、すっかり変わってしまっているのが、 ほんとに同じ人が演じているとは思えないほどでした。NHK教育テレビの 「中国語会話」で4月に張元監督のインタビューが放送されるようです。

ミレニアム・ラブ』は最後の病院でのシーンが良かったです。 コメディとしても楽しめました。

メッセンジャー』はすごく楽しめる映画でした。最後も盛り上がりました。 あの、「ビリッ」と裾を裂くところが気に入ってます。

シックス・センス』は……ちょっとびっくりしました。あと、事故による 交通渋滞のときの母と子の会話が良かったです。

ブッシュ・ド・ノエル』の一番下の女の子や『ウーマン・ラブ・ウーマン』の 2番目のエピソードの男装の女の子もすごく印象に残りました。

ユキエ』はちょっと前の映画ですが、近くで自主上映会があり観るチャンスが ありました。"Slow good-bye" ということばがとても切なかったです。

さあ、シネジャの読者・スタッフのベスト10はどんなものがあがってるんでしょうね。 52号が楽しみです。

ところでシネジャのページを読んで下さったボストン在住の方から、 メールをいただいています。ありがとうございました。 今、スタッフは忙しすぎて、返事を書く余裕がないということでした。 来週半ばには少し時間がとれるんだと思います。

(やまさき)

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2001年2月最終週/3月第1週
2001/3/5 (Mon)

リトルダンサー』を観て以来、気になって仕方ない人がいる。 映画のラストで、25才になったビリー(主役らしきパートを踊るダンサーになってい る)を演じているアダム・クーパーだ。映画のラスト、父と兄がいる客席に高々と ジャンプして出て行くあの華麗かつダイナミックな姿にひとめボレしてしまった。

 「あれは誰なの?」

バレエに無知なもので、パンフレットを見て彼が有名なダンサーで、ビデオもでている ことがわかった。それは「白鳥の湖」を音楽はそのままに大胆に作り変えたものだそう。 それからネットや、販売店問い合わせなどそのビデオを探したけど、DVDしか 見つからない。(そうなるともっと見たくなる性格なんです)

 と思っていたら、灯台もとくらし。スカパーのシアターテレビジョンのバレエ特集で やっていて、とうとう見ることができた。「白鳥の湖」というと、可憐なバレリーナが 真っ白いチュチュをきて幻想的に踊るというイメージがあったけど、これは 全然違う。バレエというよりお芝居という感じで、チュチュではなく衣装をきているし、 白鳥は男性陣が、白い羽のついたズボンで幻想的というかワイルドに踊っていてびっくり。 元の「白鳥の湖」も良く知らないので、どういう解釈がされてどう作り変えているのか 良くわからないけど、アダム・クーパーの踊り(体?)を見るだけで満足だった。 特に、黒の皮パンに黒いコートで妖しくセクシーに踊るシーンは超かっこいい。 コートのすそを翻し、妖しげに踊る彼のなんと美しいこと・・・・・・・・ やっぱり引き締まった体はいいなあ・・・・

 タイミング良く、ロイヤルバレエ団で同級生だったという熊川哲也の公演に出て 踊るため来日中なのだが、いかんせんチケットが高い。今取れる10000円の席で三階の はしっこの方。生でみたかったけど、あきらめました。普段、西洋人にはあまり 惹かれないのに、久々にかっこいいと思える人だったなあ。

(みずま)


本来はこんなことをしている場合じゃない。次号52号の原稿が、過去最高の 11.5ページ担当というのに、まだ1ページも終わっていない。おまけに私は遅筆。 なのに……行ってしまいました、『レジェンド・オブ・ヒーロー 中華英雄』と ニコラスライブを見に……。でも、そんな葛藤を振り切って行っただけのことはあって、 どちらもよかった〜!!

 まずはニコラス・ツェーのライブ。特にファンというわけではないのだけど、 「香港までは見に行かないけど、日本に来るなら見ようかなあ」くらいの気持ちで、 はるばるお台場へ。ついつい先ごろ行われたイーキンのライブと比べてしまうが、 Zepp Tokyoは広い! おまけに2日あった東京公演が1日になってしまったという事情は あっても、後ろのほうまでまんべんなく人がいる……ああ、イーキン負けてるわと よろめいていると、アーーーーーーーーーーーーーッとものすごい声がして、 ライブが始まった。細かいことは省略しますが、堂々たるステージに感服しました。 CDを聴いたときに、ロックをやるにはニコラスの声は細いかなと思っていたけど、 生で聴くとパワフルで全然気にならなかった。それに、とにかくニコラスが楽しそうに 音楽をしている姿がかわいかった。多分ファンの人も、こういうニコラスの姿が ツボなんだろうなあと微笑ましく眺めていた。すっかりアーティストの生の魅力にうたれ、 香港でのライブCDを買ってみるも、音楽を聴くと原稿が書けないため、まだ数曲しか 聴けてない!

 それから『中華英雄』。ファンとしては当然、VCDですでに見ていて「あんまり 面白くないなあ」てな感想を抱いていたけど、今回大画面で見て評価は逆転。いやあ、 これは大変な力作、面白かった! 珍しくポスターまで買っちゃった。『風雲』での 活劇的な面白さじゃなくて、宿命を背負ってどう生きるかという壮大なテーマに 取り組んだ意欲作なのです。うまく描き切れてないけど、本当は深い深い物語。

 英雄の友達、羅漢が死ぬときには思わず泣けてしまった。またいい演技してるの よ、この人。それから、初めて一枚看板をしょったイーキンも、完璧とは言えないけど、 頑張っている。今までのクールな無表情が「ひょっとしたら何も考えてないかも」 という危惧を抱かせかねない紙一重的演技としたら、今回の無表情は裏に演技プランが 潜んでいるのが見えたもん。欲を言えば、無敵との対決のときに「運命は自分で 切り開くもの」と英雄が言うなら、孤独の星を背負った彼がどのように運命を 切り開いたのかがもっと描かれると、最後の対決も二つの信念の争いという要素が より出て盛り上がったのになあ。とにかく、これは大画面で見るにふさわしい壮大な映画。 3/9、今週の金曜日までの公開なので、東京近郊にお住まいの人は、急いで新宿 シネマミラノにgo!

(まつした)


このサイトの責任者であるまつしたさんから、日記を書けとの命令ですので、 スタッフではありませんが書いてみます。実は2月最終週は出張が入って しまって更新が滞ってしまいました。そんなわけで特に書ける話もないので、 ちょっと前のことを書いてみます。

 2/24(土)の夜、テアトル池袋で『硝子のジェネレーション』『美少年の恋』『わすれな草』 の3本を観ました。久しぶりのオールナイトです。香港映画はそれほど観ないんですけど、 『ただいま』を観たときの予告篇で『わすれな草』が面白そうでしたので、それなら ついでにということで、オールナイトで観ることにしたわけです。 ところが、途中何度も何度も眠気が押し寄せてきて、ふと気づくといつのまにか 目を閉じているのに気づくこと数回 (これはシネジャのMさんの癖がうつったんじゃないでしょうか)!  見終わったあとは、頭はもうろうとし(さすがに熟睡したわけじゃ ないですよ)、肝心な箇所をずいぶん見逃してしまったり、登場人物の区別が つかなくなったりしました。

 それで、その時は昼間みた『星願』のほうの印象がずっと強かったんですけど、 あれもやっぱり睡眠学習というのでしょうか、なんかじわじわとニコラス・ツェーの 効果が効いてきたんですよ!! その前の回のオールナイトの『ジェネックス・コップ』を 見逃したのがなんか悔やまれてしまって、出張中についにDVDを買ってしまいました。 (田舎に住んでいるので、近くのレンタルショップに置いてないんです。) で、土曜日に家で『ジェネックス〜』を観ることができました。最初前置きが長く なかなかニコラスが出てこなくて、いじいじしてしまいましたが、登場してからは たっぷり堪能しました。この人、清潔な感じがとってもいいですねぇ。 その同じ日にシネジャのMさんから、 ニコラスのライブに行ってきたという話を聞いて大ショック!  日本に来ていたとは知りませんでした。まつしたさんもいかれたんですね。 まぁ、ぼくは出張でどうせだめだったんですけどね。でも観たかった……。 今晩も、また『ジェネックス〜』を観るかな。まつしたさんが大変お薦めなので、 『中華英雄』も金曜日に観に行こうと思っています。

 話は変わりますが、シネマジャーナル本誌やこのweb版に記事を投稿したい方、 またここのメンテナンスに協力したい方、協力はできないけど、こうしたらいいなどの 意見なら持っているよという方、ぜひ skiyom@lycos.jp にメールを下さい。 お待ちしています。

(やまさき)

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