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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

スタッフ日記
アンディ来日記念特別篇

自分が見ることができないメディアに書くことに、ちょっと抵抗があるけど、 今、病院に入院していて少し時間ができたので書いてみます。



[2001/5/31 (木)]

新宿駅南口で『痩身男女』のロケに遭遇

 6/1から入院ということで必要な買物をするため出かける。ほぼ買物を済ませ、5月初旬、『ファイターズ・ブルース』のプロモーションのためやってきたアンディ・ラウの記事が載っている雑誌を探していてわからないことがあったので、アンディ・ファンの友人にTELしたら「今、アンディ、永代橋で撮影してるよ」との言葉。「えっ、ホント? じゃ、行ってみようかな」と、私。

 この夏公開予定のダイエット映画『痩身男女』の撮影で、5/21頃から日本に来ているのは知っていたし、横浜中華街や、山下公園での撮影を見に行った友人たちから、話は聞いていたのだけれど、まさか自分が行くなんて考えてもみなかった。

 しかし永代橋での撮影は終了との情報が入り、次は新宿駅南口での撮影と聞き、新宿へ向う。指定された新宿駅南口のGAPのそばに行くと、もうロケバスが2台停まっていた。永代橋のロケ現場からかけつけた友人たちと合流。

 しばらくすると肥満体メイク(笑)のアンディが出てきて、広場での撮影が始まった。聞くところによると前日は相手役のサミーも撮っていたらしいけど、きょうはいない。広場(といってもせまい)にライトのセットが置かれ、ファン多数(見慣れた顔多し)を含む、観客・野次馬が直径15mくらいにまるく囲む。

 その中にヘッドギアをつけて、ボクシング・グローブをつけたアンディが登場。肥満体メイクの上にヘッドギアで、本人の顔もよく見えず、なんだか全然別人(笑)。何を撮るのかなと見ていたら、数人の男と闘うようなシーンとか、殴られるシーンのようだった。肥満体メイクで重いものをつけているのに、けっこう身軽に動いている。

 突然、アンディは「ツギノファイター」と言い、見ていた私たちは思わず「『次のファイター』って言った?」と、顔を見合わせ大笑い。

 後で知った情報によると、サミーのダイエットを助けるため街頭で客に殴らせてお金をかせぐ殴られ屋をやっているシーンとのこと。ギャラリーも出演し、やんやの喝采や、握り拳を上げる。

 最後の方で『阿虎/ファイターズ・ブルース』のパロディを撮っていた!どんなシーンかは、でき上がってからのお楽しみ。ジョニー・トウ監督のコメディはセルフパロディが入るのか、やっぱり。『孤男寡女』でも『逃避行』のパロディがあったし。

 アンディ以外は林雪さんや、『暗戦』の時、お金を着服した支店長?の役をやっていた人がいた。2人共ジョニー・トウ組なんだ。日本人のスタッフの人が、観ている人たちも盛り上げるように促すので、私も拳を上げて参加してしまいました。写っているかどうかは知りませんが……。

 全く入院前日だというのに、こんなことしていていいのか(笑)。

 2H程撮ったらこの日の撮影は終わりで、帰ろうかと思ったけど、素のアンディも見たいなと思い、少し待つことに。待つこと30分程して、重いメイクを取ったアンディがロケ車から出てきて、回りにいるファンに手をふって、そばに停めてあった別の車に乗り移り、去っていきました。一瞬だったけど、素のアンディも見れて良かった。これで安心して入院できます(笑)。

[2001/6/1(金)]

入院

 検査をいくつかして、後は次週の手術に備える。これから約3週間の入院の間に、普段忙しくてできなかった、読んでいなかった本や資料を読んだり、CDをじっくり聴いたりしてすごそうと考えていたら、夜8時半過ぎ、担当医の説明があって、その後いきなり「明日とあさって外出あるいは外泊してもいいですよ」と許可が出る。ビックリ!「どうしますか?」と訊かれ、当然「家に、一旦戻ります」と答える(笑)。

 入院する前にもう1回観ようと思っていて観れなかった『ファイターズ・ブルース』が観たいし、『山の郵便配達』や『花様年華』も観たいしと、ホクホク顔の私(一応病人だけど)。

[2001/6/2(土)]

『ファイターズ・ブルース』を観に、横浜みなとみらいへ

 朝10時に出所(笑)。まずは近くのファーストフードの店へ行き、計画を練る。どこのワーナーマイカルで『ファイターズ・ブルース』を観るか決める。東武練馬で午後2:50の回が観れたらいいなと思ったけど、1人で行くのもなんだから、友人たちにTELしてみる。

 最初にTELしたのは板橋に住む読者のYさん。留守電で繋がらなかった(後でわかったけど、彼女はその時間、別の友人と『ファイターズ・ブルース』を観ていた!「前の日、TELしておけば、一緒に行けたねー」と後で話す)。アンディ・ファンの友人は、「先週からのアンディの来日ロケに飛び回っていて、疲れ気味だし、今週はたまってしまった家のことをやるわ」と、そっ気がない。ま、そうだよね。みんなアンディの5月初めの来日も含め5月中の2度の来日で、かけずりまわり、疲れているわなー(笑)とあきらめる。

 それで、シネジャ・スタッフのKさんに声をかけたら「行ってもいいよー」と言ってくれて、一緒に行くことにする。Kさんは2:50の回では行けそうもないし、彼女の家からは横浜の方が近いということで、横浜みなとみらいのワールドポーターズの中にあるワーナーマイカルに行くことにする。

 友人たちから、あまり客が入っていないらしい(そりゃあーそうだよね、大遠征だもの<笑>)というウワサを伝え聞いていたので、安心(笑)して、ギリギリ5分前に行く。すると、なんと!けっこう混んでいて、端っこの席しかないとのこと。しまったなと思ったけど、「ま、それもしょうがない。混んでいるなら、うれしい」と、ここで待ち合わせした、もう1人の友人と劇場に入る。111席の3/4くらいは埋まっている!

 この作品を劇場で観るのは5/19の初日以来の2回目。作品としては、現地版DVDや試写も含めて、5回目かな。毎回観るごとに新しい発見がある。私の中では『芙蓉鎮』が一番多く観た映画で、25回も観たけど、そこまで行かなくても、また機会があればみてみたい。

 ちなみに、私が好きなシーンは、駅でタイガー(アンディ)が娘プロイを探しているシーンと、電車の中で娘とタイガーが寄りそっているシーン、それに娘の部屋での親子の和解シーン。

 この映画が終わって出て来た人がグッズ売場でアンディ物を買っているのを見ると、「オッ! はまった人がいるな」と、思わず、ニヤケてしまう私。この映画を観て、アンディを気にいってくれたんだなとうれしくなる。「天幕」再起のこの作品、ぜひぜひいろいろな人に観てほしいし、アンディも、もっともっと日本で知られてほしいと願うファン心。

[2001/6/3(日)]

けっきょく本日も『ファイターズ・ブルース』を観にみなとみらいへ

 関内で友人と待ち合わせ、中華街で食事。きのうのことがあったので、本日は20分くらい前に行こうと思っていたのに、中華街のお店は混んでいて、料理がなかなか出てこない。やっぱりギリギリになってしまった。着いた時には、2:50の回の予告編が始まっていた。なんと前から3列目の席でないと空いていないという。そんな前じゃ観にくいと思ったけれど、次の回では、病院にもどらなくてはいけない時間に間に合わない。しょうがない、大迫力の画面で観てやれ!(笑)と思って中へ入ると、前2列しか空いていない! 111席の90%くらい埋まっている! ウレシイ。でも、目の前に画面があるド迫力はスゴイ! 私は何回も観ているからいいけど、初めてきた友人には悪いことをした。ゴメン!

 皆、この作品は泣けるというけれど、けっこうすぐ泣いてしまう私が、この作品では泣いていない。淡々と今まで、観ている。クライマックスのアンディ演じるタイガーの娘プロイが、タイガーに向って「私のこと負担じゃない?」と、問いかけ、父娘が抱き合うシーンでさえ、泣いたことがなかった。でも今日は、大画面の迫力のせいか、ホロリとしてしまった。最後のボクシング・シーンもド迫力! 堪能しました(笑)。

 結局、私は劇場公開の3回共、みなとみらいのワーナーマイカルで観てしまった。それも何人かの友人たちがさびしく数人で観たという状態ではなく、6/2,3は8割から9割も埋まった会場で観れたし、初日は、一番大きい370席の会場が一杯だったし(舞台挨拶があったから、あたり前か)、私が観た回もそこが半分くらいは埋まっていたので、まずまずは満足……といいたいところだけど、やっぱりこの公開方法は失敗だったのでは? 全国44ヶ所公開というのは数は多いかもしれないけど、やっぱりワーナー・マイカルは私には遠かった! この2日間で『山の郵便配達』も『花様年華』も観たかったけど(もっともこちらは退院後もやっているだろうから)結局、こちらは行けなかった。互いにもう少し近場でやっていれば観れたのに、と残念。普段東京では新宿、渋谷、銀座、池袋などで観ている人たちは、アンディ・ファンか常盤のファンかでなければ、遠くのワーナーには足を向けないだろうし、たまたま自分の家のそばにあれば別だけど。ファン以外の層を取り込むには、やはり都心での再公開も必要なのでは? 名古屋のシネマスコーレでの再公開のように。

 それでも青森のアンディ・ファンの読者の方から、「今までビデオでしか観たことがないけど、初めて劇場で観ることができます」と、お便りももらったので、そういう効果も忘れてはいけないのかもしれない。

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(文:宮崎)
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