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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『ブタがいた教室』 記者会見

前田哲監督

コンペティション部門 観客賞 TOYOTA EARTH Grand Prix 審査員賞 2部門で受賞!

2008/10/25 記者会見 出席 前田哲監督 妻夫木聡さん
2008/10/26 東京国際映画祭受賞後の記者会見 出席 前田哲監督

クラスでブタを飼い、卒業時にそのブタを食べるかどうか決めるという、16年前に行われた実践授業は、「食育」や「いのちの授業」が叫ばれる現在を先取りしていたと言えます。
東京国際映画祭で2つの賞を受賞した、この作品の記者会見の模様を、遅ればせながら報告します。

10/25 上映後の記者会見

会見は、監督のダジャレに妻夫木聡さんが突っ込みやチャチャを入れたりという、明るい雰囲気で行われました。

前田哲監督
監督:
実話に基づいた作品だったので、ドキュメンタリータッチで作りました。普通、4、5人のメインキャラクターがいて、その他大勢という作りのものが多いが、これは26人全員が主人公。そして星先生。実際の子供たちは、女の子はおませ。男の子はアホやなあと思ったけど、自分もそう変わらない。子供たちと友達感覚でした。
妻夫木:
自分の子供時代のことは良く覚えていないけど、教師というのは、一人ひとりの子供を受け止めるということ、かなりハードな仕事だと思いました。子供たちは最初、僕のことを芸能人として見ていて距離感があった。それで、スタート前に子供たちの名前を全員覚えました。そして、撮影していないときにも星先生と呼んでもらって、親近感を保つようにしました。
妻夫木聡 子供たちが食べ物でふざけて遊んでいたので、ついつい怒ってしまったとき、主犯格の男の子があとで走ってきて「ごめんなさい」と謝ってきた。「わかってくれればいいよ」と言って、頭をゴシゴシしたとき「気持ちいい」と思い、これが教師の醍醐味かと思いました。
「命とは何なのか」、一匹のブタを通して命の大切さをつづっている作品です。 「いただきます」とは、命をいただいているということと実感しました。それを忘れないでいるというのが人間のあるべき姿ということを勉強させてもらいました。生きることはすばらしい。そして厳しい。この作品を撮ってから、肉を食べるということにありがたみを感じて、残さず食べるようになりました。

何か賞をもらえると思うか?という問いに対して、監督は最初、「コンペティションは、100%取れないと思います。コンペティションに参加できたことだけでも良かった。世界の映画人が見てくれることで、各国で上映されることを願います」と、言っていたのですが、後でその発言をくつがえし、「なんとか賞を取りたい!」と述べ、「10本目の監督作、今までヒット作がなかったので、ぜひ賞をもらって弾みにしたい(笑)」と、語っていました。

記者会見写真
妻夫木聡 妻夫木聡 受賞記念トロフィーをプレゼンターの杏から受け取る監督 監督賞は受賞できなかったけど、子供たちから「世界一の監督賞」をもらったことが嬉しいと語る前田監督 「世界一の監督賞」
(文・写真:宮崎)

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