女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

アイドルcheck!企画映画『スプリング☆デイズ』
主演 立花未樹さんインタビュー

立花未樹

8月18日(土)より池袋シネマロサにて公開されている『スプリング☆デイズ』で、映画製作を夢見る全寮制女子高1年生の千春を演じた立花未樹さんに、彼女自身の夢や、初主演作への思いを伺いました。事前に調べたプロフィールには、最近観た映画は、『甘い人生』、好きな俳優はチャン・ドンゴンさんとあったので、韓流についても、お話できそうと期待! 撮影時の制服姿で登場した未樹さんは、顔が小さくて、スリムで、清楚な雰囲気のお嬢さん。1991年11月9日生まれ。現在、高校1年生。

>> 『スプリング☆デイズ』作品紹介

◆楽しかった廃校での撮影

立花未樹

—撮影してから、1年。完成した映画を観て、いかがでしたか〜? 

未樹:最初観たときに、撮ったのが1年前のことですし、恥ずかしかったのですけれども、だんだん客観的に観ることができるようになって、思ったよりもすごくよく出来ていたので嬉しかったです。

—中学生から高校生になりましたよね。共演した人たちとも、映画の公開を前に久しぶりに会ったのですよね?

未樹:はい、すごく久しぶりに会いました。

—1年ぶりに会って、皆さん、少し大人になっていましたか?

未樹:実はあんまり変わってなかったです。(笑)

—全寮制の学校という設定でしたが、撮影中は、あんな風に合宿して撮影したのですか?

未樹:いいえ、毎日家から通いました。でも、とても楽しくて、映画を撮っているというより、皆で遊んでいる感じでした。

—今日も映画の時の制服を着ていますが、すごく短いですよね? 普段の制服は?

未樹:制服はないのですが、こんな風な格好でということで、実はもっとスカートの短い子もいます。

—撮影のために学校は結構休んでしまったのですか?

未樹:去年の初夏だったのですけど、2週間だったし、ちょうど修学旅行のときでしたので、あまり授業は休まなくてすみました。

—修学旅行に行けなかったのは、ちょっと残念でしたね。 リハはその前に?

未樹:はい、ゴールデンウィークの頃に1週間位。

◆監督は、ギャグ飛ばしまくりで、とても楽しい方

立花未樹

—ブログで、おっとりした性格と書いていらしたのを拝見したのですけど、映画の中では、はっきり、キャピキャピって感じでしたよね。あのキャラは、自分そのもの? それとも、演技して楽しみました?

未樹:元の根の部分は、そんなに出て行く方ではないですね。でも、あの役は、監督が自分のために作ってくださったものなので、すんなりと役を理解できました。

—すご〜く自然に演じていましたよね。監督はどんな演技指導を皆さんにされたのですか? 厳しく? 優しく?

未樹:もっとこうした方がいいよね…とか、同じ目線で接してくださいました。

—で、監督さんって実はどんな人? こっそり教えてください。

未樹:見た目は怖い方なんです。でも、ほんとは面白い方。初めてお会いしたのが、ネットTVのMCの時で、ピコピコハンマーを持って、ギャグ飛ばしながら、罰ゲームとか言って現れて、すごく印象に残っています。

—担任の先生役の長井秀和さんはどんな方でした?

未樹:長井さんとの絡みは少なくて、あまりお話していないんです。第一印象は見た目と同じだったのですけど、実際には思ったより優しい方でした。

—見た目、ちょっとこわいですものね。ところで、撮影中の楽しかったエピソードは?

未樹:新座の廃校で撮影をしたのですけど、何も置いていないがらんどうの部屋もあったので、皆でカラオケをしたらすごく響いてしまって・・・

—あと、大失敗してしまったことは?

未樹:1週間前に、主演3人同じ美容院で同じ髪型にしたのですけど、伸びるのが早くて自分で前髪を切っちゃったら変になってしまって・・・

—心に残った台詞は?

未樹:クライマックス直前の「私、映画完成させてくる!」と叫んで走っていくところが好きです。

—ラストシーンは、土手っぷちで雨の中での光景でしたが、わざわざ荒天の日を選んだのですか?

未樹:晴れの日を待っていたのに、去年の5月下旬は雨が多くて、結局雨の中で撮ったんです。でも、あれが結構よかったかなと思います。

◆映画はその時代を表すもの、そして多方面に影響を与えるもの

—映画を作るという夢を実行してしまうという役柄でしたが、撮影の時に、映画を作る真似事のようなことはされたのですか? 

未樹:映画の中で私は実際には撮影していないんです。

—パソコンで編集するシーンは?

未樹:あれも手元だけなんです。

—実際に将来、自分で映画を作ってみたいと思いましたか〜?

未樹:やってみたいと思ったのですけど、とても難しくて無理だなと思いました。

—ところで、映画は、社会に対して、どんな役割を持っていると思いますか?

未樹:世の中の雰囲気を表すものだと思います。いろんな方向に影響を与えるものだとも思います。戦争の映画を観ると、戦争は起こしてはいけないものと思います。

◆憧れの韓流スターは、カン・ドンウォンさん

—韓流にもはまっているそうですが、ちなみに、誰が好きですか?

未樹:カン・ドンウォンさん、イ・ドンゴンさん、女優だとソン・イェジンさんです。カン・ドンウォンさんは、ドラマ「威風堂々な彼女」でファンになったのですが、映画『彼女を信じないでください』もいいですね。一番はなんといっても、『オオカミの誘惑』です。実はお母さんがイ・ドンゴンさんのファンなんです。一緒に楽しんでいます。

—私もイ・ドンゴンさんが好きで、今、彼の主演ドラマ「スマイルアゲイン」を観ています!

未樹:はい! 私も観ています。

—カン・ドンウォンさんの『私たちの幸せな時間』は、もう観ましたか?

未樹:はい。あれもとてもよかったです。

—韓国には、行かれましたか?

未樹:まだ行ってないのですけど、お母さんの作るお料理もチャプチェなど韓国料理が多いんです。

—憧れの人は山口百恵さんとプロフィールにありましたが、生まれる前にとっくに引退している百恵ちゃんのことは、伝説として若い方たちにも有名なのですね? 百恵ちゃんのように、ぱっと花開いて、満開のときに素敵な男の人のところにお嫁にいって・・・? 

未樹:そういうわけではないのですが、雰囲気が好きです。もちろんリアルタイムでは観てないので、デジタルマスター版でドラマなどを観ています。

—今後、どんな映画に出たいですか?

未樹:原作の実写ものに出てみたいです。小説でも漫画でも。赤川次郎さんや 宮部みゆきさんのものがいいなと思います。

—テレビドラマはいかがですか?

未樹:テレビドラマも出てみたいです。

—共演したい日本の俳優さんは?

未樹:・・・・(ちょっと思い浮かばない様子!)

—やっぱりカン・ドンウォンさんですね!

未樹:はい! 飛び上がって喜ぶ!

—日韓合作で共演が実現するといいですね。

◆女優としても人間としても成長したい!

—趣味は読書、ピアノ、お菓子作りとありますが・・・

未樹:ピアノというより、音楽を聴くのが好きです。いろんなジャンルを聴きますけど、バラードが特に好きです。

—特技は数学とあって、映画の中でもお姉さんに勉強を見てもらう場面も数学でしたよね。

未樹:あの数学の問題考えたのは、自分自身なんです。脚本に、「ここは、好きな言葉を埋めなさい」って書いてあって。

—お菓子は誰のために作るのですか?

未樹:今はお菓子より、普通のごはんを作ってます。

—例えば??

未樹:グラタンとかドライカレーとか。

—結構手間のかかるものを作るのですねぇ。北海道出身とのことですが、どこの町ですか?

未樹:函館で生まれました。

—関西に住んでいたこともあるとか? 

未樹:最初兵庫県の西宮に住んでいて、幼稚園の年長のときに阪神・淡路大震災を経験しました。そのあと大阪に引越しして小学校4年生まで住んでいました。

—お父様、転勤族なのですね。じゃ、関西弁もしゃべれますね?

未樹:混じったりしますけど、あまりしゃべれません。両親は関西出身なので、家では関西弁を聴いています。

—いろんな方言をしゃべれるのは、女優として財産ですよね。すでに映画に主演して、夢が一つ叶ってうらやましい限りです。で、さらに将来の夢は、ずばり?

未樹:映画を中心に女優として活躍したいです。そして、人間としても成長したいです。

—最後に、映画『スプリング☆デイズ』、どんなところを観てほしいですか?

未樹:今の世代には稀なアイドル映画のど真ん中を走っている映画です。観て楽しくなって、明るくなって、元気を出していただければと思います。


憧れの女優は山口百恵さんとソン・イェジンさんと語る未樹ちゃん。『スプリング☆デイズ』では、はじけるように明るい現代っ子を演じていた未樹ちゃんですが、実際にお会いしてお話した彼女は、とても礼儀正しくて、落ち着いた雰囲気。あと数年したら、しっとりとした大人の女性を演じる未樹ちゃんをスクリーンで観られることと実感しました。成長が楽しみな女優さんです。

return to top

(取材:景山咲子)
本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
このHPに関するご意見など: info@cinemajournal.net
このサイトの画像・記事等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。
掲載画像・元写真の使用を希望される場合はご連絡下さい。