女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

第一部『頭文字<イニシャル>D THE MOVIE』
監督及び出演者来日記者会見

エディソン・チャン、ジェイ・チョウ、ショーン・ユー、アラン・マック、アンソニー・ウォン、鈴木杏、チャップマン・トー、アンドリュー・ラウ

2005年8月30日(火) 13:30〜14:10 パークハイアット東京 39階

出席:麥兆輝(アラン・マック)監督、劉偉強(アンドリュー・ラウ)監督、周杰倫(ジェイ・チョウ)、鈴木杏、陳冠希(エディソン・チャン)、余文樂(ショーン・ユー)、杜[シ文]澤(チャップマン・トー)、黄秋生(アンソニー・ウォン)
司会:伊藤さとり

昨年の7月1日、同じ場所で行われた製作発表記者会見が懐かしい。あの時には、MEDIA ASIA GROUP ピーター・ラム会長、AVEX 依田会長、GAGA 藤村代表など、製作を支える蒼々たる顔ぶれが並び、圧巻の記者会見だった。俳優陣のうち、今回はケニー・ビーとジョーダン・チャンが不在。阿Bは、一足先にベネチア入りしているとか。

昨年の製作発表では、香港や台湾のメディアの姿も目立ったが、今回は日本のメディアが中心。それでも、集まった人数は去年と負けず劣らず、400人以上。ぐっとしっとり落ち着いた鈴木杏ちゃんを真ん中に、監督と俳優陣が並んだ舞台は、とても豪華だった。

以下、麥兆輝=マック監督、劉偉強=ラウ監督、周杰倫=ジェイ、鈴木杏=アン、陳冠希=エディ、余文楽=ショーン、杜[シ文]澤=チャップ、黄秋生=ウォン

◆ 一様に再度来日できて嬉しいと連発の挨拶

マック監督:去年五月にロケで来日してから、1年半。完成作品を持って再来日し、また皆様にお会いできて嬉しい。

ラウ監督:またお会いできて嬉しい。スタッフ一同、力を結集して作り上げた作品ですので、出来に満足しています。皆様に楽しんでいただければと思います。

ジェイ:ミナサマ ジェイ・チョウ デス。 映画を気に入ってくれればと思います。来日できて嬉しいです。

アン: カッコいい映画に出来上がっていて、このチームじゃなきゃ出来なかったと作品だと思います。これからも、日本と他のアジアの国が、一緒に一つの作品を作ることが出来たらいいなと思いえるような凄い作品になっているので、たくさんの人に観ていただきたいです。

エディ:この映画のお陰で、上海、マレーシア、タイ等たくさんの場所へ行かせていただきました。日本での反応がいいことを期待しています。(おお! 広東語! by 咲)(また「たくさん(好多)」を連発してるし by 梅)

ショーン:コンニチハ、ワタシハ ショーン・ユー デス  ヨロシクオネガイシマス。 前回、インファナルアフェアで来日しました。こんなに早くまた来られて嬉しい。

ウォン:コンニチワ! この映画は間違いなくいい映画。宣伝・配給と皆頑張って頂いているので問題ありません。問題は私がショッピングできる時間が取れるかどうかだけです。

チャップ: 昨夜、日本語吹き替え版を観ました。吹き替えがとてもよかった。声優さんたちに感謝したいです。特に鈴木杏さんの吹き替えがすごくよかった。ほんとに日本人のようでした。(会場爆笑)(注:杏さんの声は本人ですから)
アンドリュー・ラウ
劉偉強 監督
アラン・マック
麥兆輝 監督
ジェイ・チョウ
周杰倫
鈴木杏
鈴木杏
エディソン・チャン
陳冠希
ショーン・ユー
余文楽
チャップマン・トー
杜[シ文]澤
アンソニー・ウォン
黄秋生

◆ 質疑応答

Q: 監督に。この映画を撮るきっかけは?

マック監督:最初に原作を知ったのは、1995年。10年前です。様々な監督が映画化したいと聞きながら、映画化されていませんでした。テーマが面白く、ストーリーは中国の武侠映画に近いものがあると思います。この二つの要素は魅力的。10年間誰も映画化していないので、大きな挑戦だと思いました。(左端で監督がまじめに語っている最中、右端にいるアンソニーとチャップマンは、何やら笑いながらおしゃべり!by 咲)

Q: アンソニーさんにお伺いしたいのですが、映画の中にチラッと出てきた若い時の写真は、ご自分のものですか? また、自分の若い頃の演技と比べて、今回共演した若い人たちの演技はいかがでしたか?

★一瞬の写真がとても素敵だったので、確認したくて私が質問させて頂いたのだが、ここで、ちょっと通訳の方に意図が伝わらず、もたもたしたのだけど、ようやく伝わり「ソウデス」と日本語で答えてくださった。そして、「皆、若者どうしで、すごく楽しかったです。」との答え。“自分もまだ若いよ”と、言いたかったのですね。 ずっと私の方を見て答えてくださったのは嬉しかったのですが、サングラスをかけたままで、目の表情が見えず、残念!・・・(by 咲)
(アンソニーったら前日に引き続き、また言ってるし by 梅)

Q: 鈴木杏さんは、共演者とどうのようにコミュニケーションを取ったのですか? また、お気に入りの場面は?

アン:片言の英語と日本語とボディランゲージと、時には通訳の方の力を貸していただきました。たくさんコミュニケーションが取れて楽しかったです。なつきちゃん目線も入っていると思うのですが、拓海くんがカッコいいと思います。

Q: アンドリュー・ラウ監督に。他ではないような撮影で工夫された点は? 新鮮なビジュアルスタイルでしたが。

ラウ監督:こだわったのはリアリティ。レースシーンのスピード感を出すのに、ほんとにスピードを出して貰いました。技術が発達していて、CGも使えるけれど、アラン・マック監督とも話して、リアリティを追求しました。レースシーンを撮る時は死を覚悟して臨みました。素晴らしいレースシーンは、すべて命をかけて撮ったものです。もう一つ重要なポイントは、全員車が好きで情熱をかけたということです。

Q: ひと言ずつ出演した印象をお願いします。

ジェイ:原作のファンでしたので出演できて嬉しかったです。監督や共演者と一緒に仕事が出来た楽しみもありました。こんな機会は滅多にないと思い頑張りました。音楽の仕事を後回しにしていましたので、今は音楽の方に力を注いでいます。

アン:初めての香港映画で、言葉や撮影現場の雰囲気に馴染めるかどうか不安でしたが、チャンスと思って頑張りました。明るくて楽しい現場でしたので、終わる時には寂しい位楽しい現場でした。またこういう素敵な現場に参加できればと思います。

エディ:これだけの方々と一緒に仕事が出来て嬉しいし満足しています。それ以上言うことはないです。(まじめに語る彼。なんだか、ほんとに大人になった! by 咲)(でもまだ口が半開き by 梅)

ショーン:実は中学生の頃、このコミックを読みました。香港の中学生にとても影響を与えていました。まさか自分が演じることになるとは思いませんでしたので、ほんとに嬉しかったです。

ウォン:人間というのは目が前に付いていて、後ろには付いていません。後ろを見ないで、ずっと前だけを見たいので、次はPart.2があることだけを考えたいと思います。(会場爆笑)

チャップ:若い連中と遊べて楽しかったです。(笑) また、年を取った先輩からは色々勉強できてよかった。例えばアンソニー・ウォンですが。(笑) 彼からは奇妙な理論を教わりました。

Q: 例えば、どんな理論ですか?

チャップ:人間の目は前に付いていること! みんな知ってるって!(爆笑)

Q: アラン・マック監督、続編のご予定は?  ほかに、日本の漫画でお好きな作品は?

マック監督:Part.2ですが、今回原作の要素でまだ盛り込めていないところがあるので、可能性は十分にあります。(嬉しそうに笑うアンソニーとチャップマン by 咲)(絶対「また日本に来られるぜ」って思ってる by 梅) レーシングの撮影は、技術的に今あるものをPart.1でいっぱいいっぱい使ってしまいましたので、新しい方法考えついたらPart.2を撮りたいと思います。日本の漫画では手塚治虫先生のものが好き。撮ってみたいので、著作権のことなど教えてください。作品では、特に「ブッダ」が好きです。

Q: 皆さんが演技の上で苦労した点は?

ジェイ:一番難しかったのは、車のレース。高い機器を壊すなよといわれて緊張しました。

アン:大変だったなぁという思い出はないのですけど、スカートが短かったので、気を付けていなければいけなかったのが、一番大変でした。(笑)今までに無くキャピキャピした絵に描いたような女子高生役で楽しかったです。

エディ:僕の役は自分と似ていて演技の上では大変ではなかったです。(そうなのか? by 梅) 撮影の時、よく雨が降っていて、行く所がなくてどうしようかと困りました。

Q: (司会) 雨の日はどうしていたのですか?

エディ:ずっとホテルにこもりっきりでおしゃべりしたり、食べたりお酒を飲んだり、テレビを見たりしていました。

ショーン:ロケの時、30数度の高い気温だったのですが、厚手の革ジャンで涼しげな顔をするのが難しかった。

ウォン:全然大変なことはなかった。すごく楽しかったですよ。現場でカワイイ(ここだけ日本語 by 梅) 女の子がミニスカートでウロウロしてくれたのですが、スカートの丈がもう少し短かったら、もっと楽しかったです。

チャップ:ホンコンノ ナンバーワン スケベ!(爆笑) 日本でのロケはほんとに大変でした。日本の女の子は特に綺麗ですし。とはいっても僕は日本語が出来ないので、それが大変でした。

エディソン・チャン、ジェイ・チョウ、ショーン・ユー
エディソン、何してんの?

昨年の製作発表の時にも、終始笑いを取っていたチャップマン・トー。今回も、ひたすら笑わせてくれました。

ここで、質疑応答は終わり、フォトセッションに。並び位置に立たせるものの、2列になると後ろに立つ監督たちの方が若手たちより背が低くて見えない・・・。前は椅子にしましょう・・と、椅子を持ってきたけれど、ミニスカートの鈴木杏のマネージャーより、座らせないでくれとクレーム。結局、若手男優3人はかがんでのフォトセッションでした。アンソニーは、とうとうサングラスをかけたまま! あ〜残念。

『頭文字<イニシャル>D THE MOVIE』9月17日(土)よりシネマミラノ他全国ロードショー

作品紹介はこちら

特別記事 『頭文字<イニシャル>D THE MOVIE』公開記念イベントレポートもご覧下さい

return to top

(取材・まとめ:景山、梅木 写真:梅木)

第二部 周杰倫日本CDデビュー ミニ・ライブ付 記者会見

2005年8月30日(火) 14:45〜15:25 パークハイアット東京 39階

出席:周杰倫(ジェイ・チョウ) 花束ゲスト:杉本彩

司会:伊藤さとり

ジェイ・チョウ

ジェイのたっての希望で、会場にはファン100名も入場。思い思いに声援用の団扇や横断幕などを手に入ってくるファンたち。浴衣姿も多い。ジェイが登場しても騒がず、とてもお行儀のいいファンたちでした。

初めに「父の名で/以父之名」のPVが正面スクリーンで上映され、それが終了したところで、ジェイが登場。先ほどの黒い衣装から、白いスーツに着替えてミュージシャンにモードチェンジ。早速、ピアノの前に座り「ブラックユーモア/黒色幽黙」を弾き語った。歌い出しは多少緊張しているようで、ピアノもちょっとミスしたけど、徐々に落ち着いたようす。中盤からは伸びやかで美しい声が会場に響き渡って、ファンと取材陣を魅了しました。

◆ ご挨拶

今日は僕のファンの皆さんがこうして来てくれてとても嬉しく思います。是非また劇場の方へ映画を観に足を運んで下さい。映画とアルバム両方気に入ってくれたら、とても嬉しいです。

司会:ジェイさん、今回日本でアルバムデビューできたことに対して、今のお気持ちは?

ジェイ:きっと今晩は眠れないと思います。

◆ 質疑応答

ジェイ・チョウ

Q: ジェイさんは2000年にデビューしてアジアでトップスターですが、映画は初出演。映画と音楽、それぞれで表現することは、ジェイさんにとってどういうことでしょう? また、音楽はどういう存在ですか?

ジェイ:音楽には少しは自信を持っていますが、映画は初めてで緊張しました。どちらも同じ芸術ですが、映画でも自分なりの表現ができていれば嬉しい。音楽は僕にとって国境を越える言葉のいらないものです。だから僕は英語は勉強しないんです。

Q: 昨日、空港でも凄いファンの数でしたが、日本のファンを前にした感想は? 中国語ではない日本で、どういう風に自分の音楽を聴かれたいですか?

ジェイ:今もたくさんのファンが来てくださっていますが、可愛い方ばかりで嬉しい。ミナサン キレイデス(会場喝采)

僕の中国語がわからなくても、ファンの皆さんは台湾まで来てくださっています。僕はやっぱり音楽には言葉はいらないと思う。素晴らしい音楽でありさえすればいいと思います。

ジェイ・チョウ

Q: 豊富で多彩な『頭文字J』の音楽の中で、一番自分らしい音楽は?

ジェイ:「ヌンチャク/雙截棍」です。カンフーが好きで、こう見えても動くのが好きなんです。

Q: カンフー映画では、何が好きですか?

ジェイ:特に、ジャッキー・チェンとジェット・リーの作品はほとんど全部好きです。

ジェイ・チョウ、杉本彩

ここで、杉本彩さんが花束を持って登場。胸元やお腹が微妙に見えるセクシーなグリーンのドレスに、目のやり場に困ってドギマギしながら、花束を受け取るジェイ。もう、ひっくり返りそう!

杉本:映画の初主演、そして日本での公開、おめでとうございます。そして明日31日、日本でCDデビューということで、多分ファンの方々は待望だったのではないかと思います。

この時、ジェイは目が泳いでいて、明らかに動揺しているので、会場は大爆笑。杉本さんが舞台にいる間中、ずーっと彼女の方を見ないようにしていた。な、なんてウブなんだ!

ジェイ・チョウ、杉本彩

司会:ジェイさん、いかがですか?

ジェイ:えっと、あー、あっ。(言葉が出てこなくて、また会場爆笑) ハズカシイネ。(爆) 今、何を通訳されたのかも忘れちゃったよ。

Q: 杉本彩さんがこの映画を観たきっかけは?

杉本:『インファナル・アフェア』シリーズが好きで、その同じ監督が撮ったというので、観てみました。私は車も運転しないし、詳しくないけれど、カーレースがすごくて・・・  また、一人の男の人の青春の危うさが凝縮されていて、切なくて、青春そのもの。ドキドキしながら観ました。恋が実らなかったという、どうしようもなく切ない部分が何よりよかったです。

Q: スクリーンの中のジェイと、アーティストとしてのジェイ、いかがですか?

杉本:スクリーンの中では初々しいですね。今日実際にお会いしてみて、お若いけれど、着実なキャリアを積んで来ていることからくる落ち着いた風格とピュアな歌声とのアンバランスさがなんとも言えずいいですね。

ジェイ:アリガトウゴザイマス

ジェイ・チョウ

もう一曲くらい歌って欲しいと思ったのですが、いやそれより、早く日本でのライブを実現して、もっと大勢のファンの前でその歌声を披露して欲しい!と思い直しました。

それにしても、ジェイの意外な素顔を垣間見ることができた記者会見で、とても面白かったです。

ジェイ・チョウ日本デビューアルバム「Initial J」は8月31日、ソニー・ミュージックジャパンより発売

return to top

(取材・まとめ:景山、梅木 写真:梅木)
本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
このHPに関するご意見など: info@cinemajournal.net
このサイトの画像・記事等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。
掲載画像・元写真の使用を希望される場合はご連絡下さい。