女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

第17回東京国際映画祭 特別招待作品

『誰にでも秘密がある』 記者会見

2004年10月29日(金)  於 アカデミーヒルズ40 キャラントA

;チャン・ヒョンス監督   ;イ・ビョンホン   ;チェ・ジウ

10月30日の作品上映前に記者会見が行われました。韓流ブームの中でもトップスター、イ・ビョンホン&チェ・ジウの共演作品とあって、チケットは1〜2分で完売!さらに、ネットオークションでも1500円のこのチケットが25万円とも30万円ともいう破格の金額で落札されたとかで、上映前から話題性十分!! この日、記者会見場に集まったプレスは、推定800人とか・・・。(翌日のワイドショーで1200人と紹介している番組もありました)

*挨拶*

 本当に多くの方々に集まって頂き、嬉しく思います。私が来る度に集まって下さる方が増えているようで、毎回新記録を更新しているような気がします。まず、この作品に関しまして、多くの関心を寄せて下さっているようで安心致しました。そして、また期待もしています。

 本日は、こんなに多くの方々に集まって頂けるとは思ってもいませんでした。本当に皆様、どうも有難うございます。そして、この『誰にでも秘密がある』にこれからも多くの関心を寄せて下さい。有難うございました。

 まず、皆さんとお会いできましたこと、とても嬉しく思います。私が一緒に作品を作り、作業したこのお二方がどんなに凄いのかを、この場に来て改めて再確認しました。この二人にとってはある程度予想された人数かもしれませんが、私にとってこんなに多くの人を見たのは初めてのことで、本当に有難うございます。
(監督さんは、とても初々しいはにかんだ表情で、嬉しさが伝わってきました)

Q 今回来日されて、地震のニュースを目にされてのお気持ちは・・・?(司会者より)

 実は、韓国にいた頃から地震のことはニュースや新聞を通して知っておりました。本当に多くの方々が被害に遭われたり、犠牲になられましたこと大変遺憾に思っております。今、日本は悲しい雰囲気に包まれていると思います。そんな中、このロマンティック・コメディという映画のプロモーションに私たちは来てしまったわけです。俳優としては、このような多くの方々に会い、笑顔で明るくプロモーションしたいところですが、この状況下では非常に申し訳なく思っています。しかし、ひとまずプロモーションに参りましたので一人でも多くの方にこの映画を観て頂ければと思います。この作品は、非常に軽快で愉快で気分の良い映画ですので、この作品が皆様の少しでも希望になってくれれば、そして何か笑顔を提供する力になってくれれば嬉しいと思っています。

 私もこのニュースを沢山耳にする機会がございました。本当に残念なことですし、心よりお見舞い申し上げます。そして、皆様は早く希望を取り戻し、元気になって下さることを願っております。
(チェ・ジウは、先日、1万ドルを新潟中越地震の被害者の方に寄付。日本のファンの温かい応援に少しでもお返しが出来たら・・・と、訪日前から寄付を決意し、備えていたとのこと。1万ドルは、韓国から日本に持ち出せる最高限度額)

Q ドラマ「Happy Together」(1999)以来のコミカルな役柄について役作りの楽しさや難しさは・・・? (会場より イ・ビョンホンへ)

 ドラマ「Happy Together」は、キャラクターそのものが非常に面白いものでしたので、私がどう演技するかによって違った主人公になっていったかと思います。
それに対して今回の『誰にでも秘密がある』の方は、キャラクターそのものが面白いとか、台詞そのものが面白いというよりか、その状況自体が非常に面白い設定だったと思います。このような点がドラマと違うと感じています。
今回は、非常に軽い気持ちで新しいジャンルに挑戦してみたいと思い、明るい心でこの映画をスタートしました。ですから、それ程大変だったということはないのですが、特に難しかったのは、どの位の演技をお見せしたらよいのかということでした。つまり、ロマンティク・コメディの場合は、今まで私が演じてきたような、リアリティに溢れた演技とは違ったものとは違ったもので、それも余りオーバーに見受けられないように、そのさじ加減が難しかったです。

Q 演出する上で、二人の新しい魅力を引き出すために何か特別なことは・・・?(会場より チャン・ヒョンス監督へ)

 日本の多くの方々がイ・ビョンホンさん、チェ・ジウさんに持っているイメージというものと、今回『誰にでも秘密がある』でお二人が見せる姿は大きく違ったものであったと思います。それは、多くの韓国の人々にとってもそうでした。しかし、少なくとも私の目にはそう映ってはいませんでした。と申しますのもイ・ビョンホンさんに関しましては、10年程前からお互いをよく知る仲で、付き合いもありましたので、このスヒョンという役は彼が演じてくれるのが一番良いであろうと思い(ご本人以上に私は彼のことがわかっていると思っています)それで、イ・ビョンホンさんにお願いすることになりました。そして、実際にやって頂きましたが、やはり私の考えは当たっていたと感じています。
チェ・ジウさんに関しましては、今まで公私でもお会いすることはなく、今回この映画でご一緒したことで会うことができました。私自身正直なところチェ・ジウさんご本人がソニョンという役を上手く演じて頂けるかどうか多少の不安もありましたが、彼女自身が自信を持ってやって下さったので、現場に於いても楽しく、そして上手く演じて頂くことが出来ました。チェ・ジウさんは、外見から皆さんが感じていらっしゃるようなとても大人しくてどちらかと言えばお利口さんという感じの性格ももちろんあるのですが、映画の中で見せてくれる可愛らしい姿、ソニョンという要素も彼女の中にたくさん持ち合わせていらっしゃると思います。

Q チェ・ジウさん演じた今回の役柄は、前に演じられたイメージとは違いどういった点に気をつけたり、注意をされたりしましたか?(会場より チェ・ジウへ)

 今回は、私が今まで演じていたイメージのものとは全く違ったキャラクターでした。ですから、シナリオを頂いて読んだ時は、非常に面白いとは思ったのですが・・・私が次女のスヒョン役をお願いされて、果たして自分にできるのか、と心配が非常に先に立ちました。しかし、丁度その頃ドラマ「天国の階段」の撮影の終盤にあり、(このドラマもそうですが)今までどちらかと言えば、悲恋のヒロインという役どころが多かったので、いつか一度位は変身して違う役もやってみたいという欲が生まれてきました。
 そして、いざ撮影が始まってみますと、最初は自分でもぎこちなさを感じながら演じていたのですが、監督が隣で私が演技しやすいような雰囲気を作って下さったり、助けて頂きました。また、隣にいらっしゃるイ・ビョンホンさんとはドラマ(「美しき日々」)に続いて2回目の共演になり、気心が知れてますので肩の力を脱いで撮影に臨めました。ですから、監督が作って下さった映画の枠組みの中で私が自由に遊べたような気がします。
・・・ある時は、少々オーバーになってしまうと監督から「今のはちょっとオーバーだったかな」と言っても頂いたりし、自由に撮影することが出来ました。本当に私にとって今までと違う経験ができ、楽しく撮影することが出来ました。

Q 日本のドラマや映画に対しての興味や、将来的に出演する計画などは・・・?(会場より イ・ビョンホン&チェ・ジウへ)

 まず、日本の映画は非常に好きで興味も関心もあります。こういった質問は今まで何度も受けておりますが、私の心は開かれた状態です。オープンな状態ですので、日本に限らずどこの国籍のドラマでも映画でもいい監督さん、いいストーリーがあれば、そういう中で演技できるのであればいつでも出演したいという気持ちはもっています。

 私も個人的に日本の映画が大好きです。今後、ドラマとか映画とか言葉の壁さえ克服出来れば、是非出演してみたいと思っています。

Q 改めてまた一緒に演じてみてのお互いの印象や演じやすさについて・・・?

 まず、俳優同士というのは新しく出会って、そして息を合わせてひとつの作品を作るというのは、とても大変なことです。「息を合わせる」というところに至るまでが、かなりの時間を必要とします。そのために撮影前は、映画会社の制作などがあえて共演者達を一緒に会わせたり、また、沢山話す機会などを作ったりします。それは、俳優同士に限らず、スタッフも含め、映画をとるもの全員が家族になれるような雰囲気作りを自然にするわけです。
 ・・・と申しますのも、俳優同士、スタッフ同士に距離感があると上手くいきませんので、それを無くすための作業が必ず必要なのです。しかし、チェ・ジウさんに限っては、全くその作業が必要ありませんでした。元来お互いをよく知っていましたし、気心も知れていましたので、本当に気楽で何の負担もお互いになく、相手役として接することが出来たと思います。ですから、相手役としてはとてもやりやすい相手でした。
 そして、チェ・ジウさんの印象は、隣にいるからこういうことを申し上げるのではなく本当に女優さんとして・・・一般的に女優さんというのは少し気難しい方が多いかと見受けられるのですが・・・彼女にはそういったところがなく、本当に円満な性格なんですね。そして一緒にいる相手を非常に居心地よく楽にしてくれる女優さんだと思います。また、仕事に対しても本当に誠実で、一生懸命に取り組んでいる姿、そういったところにとても好感が持てます。

 今回は、本当に相手役のイ・ビョンホンさんに助けて頂きました。私にとって初めて挑戦するジャンルの映画ですから、親しくなければコミカルな演技はできなかったと思います。以前ドラマで6ヶ月間ご一緒させて頂きましたので、お互いが本当に親しく、自然な演技を私もすることが出来たのだと思います。そして、俳優としては先輩にあたるのですが、本当に多くのことを学ばせてもらいました。また、沢山のアイディアも下さったことについても感謝申しあげたく思います。
さて、イ・ビョンホンさんの印象ですが・・・韓国では「元祖キラースマイル」といわれてますが、(ここで会場がドッと沸きました)
きっとこの映画『誰にでも秘密がある』を観ると、女性だったら誰でもメロメロになってしまうんじゃないかしら!?さっき、お笑いになった時に、「まさにこの笑顔です」とおっしゃられてました。それからイ・ビョンホンさんは意外と面白いところがありまして、映画の中ではちょっとそういったところは感じられないかと思いますが、非常に普段はいたずらっ子なところ、茶目っ気なところもある方ですよ。

 

イ・ビョンホン

 

 

 

 

イ・ビョンホン

 

 

 

 

イ・ビョンホン

 

 

 

 

イ・ビョンホン

 

 

 

 

イ・ビョンホン

 

 

 

 

イ・ビョンホン

 

 

 

 

イ・ビョンホン、チェ・ジウ

 

 

 

 

イ・ビョンホン、チェ・ジウ

 

 

 

 

イ・ビョンホン、チェ・ジウ

 

 

 

 

イ・ビョンホン、チェ・ジウ、チャン・ヒョンス監督

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(取材、撮影:金原純恵・景山咲子 まとめ:金原純恵)
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