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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
手前みそキャンペーン (1) (2) (3)
[2001/5/21 (Mon)]

手前味噌キャンペーン第2回の巻

文:まつした

 前回から、ひと月ほど穴のあいてしまったこの企画。HPをご覧いただいている方も、 もうお忘れかもしれませんね。始めた早々、力量不足で頓挫してしまったのか……と、 そこに救世主登場。スタッフ日記等、HPの原稿書きにせっせと協力してくれているみ ずまさんです。

 みずまさんから「何年ぐらい前からか忘れてしまったけど、シネジャの愛読者だった私が 編集のお手伝いをするようになり、読んでいたころよりもっと前のバックナンバーを見て、 買い集めて読むのも楽しみとなった。昔は、記者会見やインタビューの記事が少なく、 とーくやスタッフ個人の意見が反映された記事が多い」と前置きつきで、 キャンペーン原稿を送ってもらいましたので、これに奮起して書いた私の文章と 併せてお送りします。

 みずまさんの紹介文は(み)、私の文は(ま)として、行末に示します。

13号 (1989年12月刊、このころは2〜3ヶ月に一度発行)では、第3回東京国際映画祭を特集。 その中で、『オフ・ザ・リミット』を撮ったイランのエテメド 監督が紹介されていることに注目。 レポートは今やライターとして活躍している地畑さん。 「ちなみにイランでは何人も女性監督がいて、 優秀な作品を送りだしているそうだ」 ……この記述はサミラ・マフマルバフを知っている現在から見ると、まるで予言のよう。 10年以上前からしっかりレポートしていたんだと感心することしきり。 ただ、地味〜にやってるから先取りしても目立たないけど(笑)  そのほか、東京国際映画祭についてのトークも言いたい放題で笑えるし、 『どついたるねん』阪本順治監督のインタビューで、 なぜプロデューサーの荒戸源次郎さんの写真はあるのに、阪本監督の写真はないのか…… 興味を引かれた方はぜひ本誌をご覧ください。(ま)

とーくでおもしろいのが、23号。 1992年の秋号で、「フライド・グリーン・トマト」 (これは私も大好きな映画!)と「寒椿」「ザ・中学教師」について、とーくしている。 抱腹絶倒なのが「寒椿」で、これでもかっと言いたい放題・・・・・。 何度読んでも大笑いしてしまう。女っていうのは細かいとこを見てますねー。 でも、真実をついているからおもしろい。Iさんはこのとーくでは足らなかったようで、 「東映映画をじっくり観よう」という記事も書いている。この号では 「映画の中で問われるアジアの中の日本」という特集も、読み応えのある骨太な記事だ。 (み)

26号(1993年7月刊)の特集は、 映画に関する面白本。Mさんが強引にアジアの ポップスターの写真を載せています。このころはページにゆとりがあったので、 こんなことも出来ました。玲子さんも「ページが余りました」と「雑感」と題する文章を 載せています。しかし、私が面白かったのは11ページにもわたる『幸福の条件』と 『お引っ越し』のトーク。ずーっと放談が続いて、読み進んでいくと 「まだまだきりがありませんが、この辺で終わりにしたいと思います。 まとめは強いてありません。会話の妙を楽しんでください」という衝撃のラスト。 頭のかたい私は、最後には絶対「締め」が必要だと思い込んでいたところがあり、 この覆され方は爽快。シネジャはこれでいいんだよなあと妙に納得させられた号でした。 (ま)

1995年6月発行の33号は104ページとぶ厚い。 このころは売上も順調だったらしく、写真もふんだんに使っている。中でも、 第14回金像獎のときに撮ったウォン・カーワイ監督の素顔 (サングラスではなく眼鏡をかけている)には、親しみを感じる。また、 レポーターがジョーダン・チャン(陳小春)びいきのため、思いきり小春寄りの レポートです。写真も10点以上と大盤振る舞い。そのほかチョウ・ユンファと ラウ・チンワンの舞台の写真、街角で出会ったロー・ガーインと サイモン・ヤムのスナップなど、通な楽しみもあり。 この号は写真を楽しむ号と言っても過言ではないでしょうか。 『恋する惑星』記者会見時の金城武の写真も、すっかり大人の男になってしまった今とは 違ってラブリー。5点フォトあり。アイ・ジン、ディック・リーのコンサートレポートも、 写真付きでばっちりページを割いています (アイ・ジンのほうは、彼女から届いた手紙まで公開している)。

 この号でつい笑ってしまったのは、玲子さんの『午後の遺言状』の映評にある 試写室の風景。確かに試写室の様子は今もこんな感じ。『レニ』を観ての、 レニ・リーフェンシュタールに対する批判ももっともなところをついていて、 納得。(ま)

1996年の36号でも、邦画「霧の子午線」 をとーくで取り上げている。 今回は新しいメンバーも増えていて、最初は穏やかにすすむかのようだったけど、 やはり次々と言いたい放題へ! シネジャの愛読者としては「待ってましたっ」 という感じで、笑い転げてしまう。邦画のプロデューサーは、シネジャのトークを読んで、 今の女性がどういう感性でそういうものを欲しているのか探ればいいのに・・・・・ と思う。

 この他にも、洋画好きのスタッフ二人による二人とーくや、「今、上海に注目!」 という中国映画好きの方には興味深い特集もあり、盛りだくさん。 最近の号よりも厚めでホント読み応えがありますよ。(み)

36号(1996年3月刊)は、 シネジャ史上最厚の118ページ。田壮壮監督へのインタビュー中、注目の若手監督は 「路学長、ワン・シャオシュイ、ロウ・イエ」の言葉にびっくり。 カタカナ表記の二人の作品は、去年と今年になって、ようやく日本で劇場公開。 やっぱり地味に先取りしている雑誌だよなあ(笑)  ライターのみくにさんによるフォン・シャオニン監督インタビューや、 エミール・チョウ演唱會レポートもあり。 (ま)

(第3回に続く)

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