このページはJavaScriptが使われています。
女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
Apr. 12, 2001, Apr. 24, 2001追加

Web版2000年度ベストテン

 4月中旬発売予定のシネマ・ジャーナル52号の特集は、毎年恒例の「読者とスタッフが選ぶ2000年度ベストテン」です。都合により、本誌では載せられなかった人のベストテンをこちらで掲載します。 あなたのお気に入りの映画はありますか?? 原稿が集まり次第、随時アップしていきます。

サミラさんのベストテン

 未公開作品も満載だった香港映画祭、いつもながら秀作揃いのアジアフォーカス福岡映画祭、そして年末には、イラン映画7本をはじめ目をみはるラインアップのTOKYO FILMeXの第1回開催と、アジア映画ファンの私にとって、ほんとに充実した2000年でした。10本に収まりきらない位、ベスト作品揃いでしたが、無理やり10本にしぼってみました。ベストワンの『流星』をのぞいて、あとは順番がつけられないので国別に並べました。

1.『流星』  (香港 監督:ジェイコブ・チャン)
香港公開時にこの映画見たさに思わず香港に飛んでしまったのですが、予想を裏切らず 素敵なレスリーに出会えました。レスリーの子供を見つめる眼差しのなんと優しいこと!  (女性に向ける視線と違う!)
父親役がこんなに似合うなんて、くやしい位。 ティ・ロンのしがない警官の哀愁を おびた姿もよかった。『男達の挽歌』でレスリーにはまった私には久々の嬉しい 顔合わせでもありました。
 香港映画祭の折りには、生レスリーに会える直前にどきどきしながら見たのも 懐かしい思い出です。とにかくとにかく2000年のベストワン!

2.『美少年の恋』  (香港 監督:ヨン・ファン)
彦ちゃん(ダニエル・ウー)の初々しさ、ステちゃん(スティーブン・フォン)の ゲイになりきった演技、テレンスの不思議な魅力の薄笑い、それぞれがミッドレベルの 風景と共にいつまでも余韻となって心に残りました。

3.『ジュリエット・イン・ラブ』  (香港 監督:ウィルソン・イップ)
『爆裂刑警』『鎗火』等々呉鎮宇(英語名:フランシス!)の演技には目をみはる ものがあり、まさにフラ様にふらふら状態の2000年でした。その中でも、 サンドラ・ンとの切ない恋物語の『ジュリエット・イン・ラブ』のフラ様はほんとに よかった!(ちなみに、私は正統派レスリー迷。フラ様はまったくタイプじゃない はずだったのですが!)

4.『反則王』  (韓国 監督:キム・ジウン)
この映画のために減量したというソン・ガンホ。『シュリ』の彼と同一人物とは 思えないほど、すっきり。とぼけたいい味を出していて、ひたすら笑わせていただきました。

5.『春香伝』  (韓国 監督:イム・グォンテク)
パンソリの語りが物語を効果的に盛り上げて、韓国の伝統文化の素晴らしさを 感じさせてくれました。大型新人チョ・スンウの笑顔も素敵でした。 これからの活躍が楽しみ! アジアフォーカス福岡映画祭のオープニング上映で、 大勢の映画人と共にこの映画を鑑賞できたのも感動モノでした。

6.『天馬茶房』  (台湾 監督:リン・チェンシェン)
国民党政府の弾圧のきっかけとなった天馬茶房前のタバコ売り場での事件を扱った映画。 触れてはいけなかった時代を、ここまで映画に描けるようになったかと思うと胸が 熱くなりました。
(アジアフォーカス福岡映画祭で上映)

7.『私が女になった日』  (イラン 監督:マルジエ・メシキニ)
巨才モフセン・マフマルバフの後妻(サミラ・マフマルバフの母親の妹にあたる) であるマルジエの初監督作品。少女、若い妻、独身の老女、3世代の女性の物語を キシュ島を舞台にオムニバスで描いた素敵な作品でした。3つの物語が思わぬところで ちょっぴりつながっているという楽しさもありました。
(TOKYO FILMeXで上映)

8.『ささやき』  (イラン 監督:パルビズ・シャーバズィ)
イスラムの男の子にとって通過儀礼である割礼。親を無くしたストリート・ チルドレンの3兄弟の兄は割礼の年頃を過ぎた弟のためにと病院に付き添ってくれる 大人を探して、めぼしい大人の人の耳元でこっそりお願いするのだが、 なかなか見つからない。
そして最後のあっと言わせる結末……
いかにもイランらしい会話のやりとりが面白い作品でした。
(アジアフォーカス福岡映画祭で上映)

9.『ジョメー』  (イラン 監督:ハッサン・イェクタバナー)
ジョメーはイランの田舎町の牛乳屋で働くアフガニスタン難民の若者。小さな商店の 娘に恋をして、仕事の合間に娘と話したさに店に寄っては余分なものを買ってしまう。
 牛乳屋のボスに娘との縁談の橋渡しを頼むのだが、失恋に終わってしまう。実は イランでは今、アフガニスタンの男性はイラン人女性と結婚できないと法律で 定められているそうだ。そんな重い背景もあるけれど、さわやかな印象の作品でした。
(TOKYO FILMeXで上映)

10.『ブラックボード −背負う人—』  (イラン 監督:サミラ・マフマルバ フ)
黒板を背中にかついで生徒を探すなんて、もちろん作り話なのだけど、映像から 受ける強い印象にそんなこともありかなと思わせる。 弟メイサム・マフマルバフが 撮った『メイキング"ブラックボード"』で、エネルギッシュなサミラの監督姿を確認。  これからがますます楽しみだ。
(ちなみに私のハンドルネームは18歳で『りんご』を撮った彼女のエネルギーに あやかろうといただいたものです。図々しかったかな?)


mamaさんのベストテン

この年のだったのかはっきりしないのもありますが……。

1.『孤男寡女
『暗戦』から続くアンディの力入れすぎじゃない路線(?)の映画。 サラリーマン姿の彼とボケキャラのサミー・チェンが可愛い。 香港ネタのパロディがわかるともっと面白い。 祈る『ファイターズ・ブルース』(原題:阿虎)公開成功!

2.『星願 あなたにもういちど
台湾の人気歌手、リッチー・レン(任賢齊)の初主演作品。 日本公開は吹き替え版なので彼の声ではありません、が泣きに泣き、 私はこれで彼にはまった。『夏日的麼麼茶』も公開してください!

3.『爆裂刑警
呉鎮宇(ン・ジャンユー)と古天楽(ルイス・クー)の刑事もの。ラストに「ん?」 と納得行かなかったが、ジャンユーは素敵。ルイスは『甜言蜜語』の方が良さが出てると思う。 日本公開してください。(編集部注:7月公開予定のようです)

4.『グリーン・デスティニー
若い二人より、發仔とミシェル・ヨーのしみじみカップルの方に気持ちが行く。 『アンナと王様』で、一般ファンを増やした發仔が剣と北京語に苦労した作品。

5.『シュリ
冒頭の訓練シーンだけで、もう参りました。この映画ではハン・ソッキュより、 脇のガンホやミンシクに目が行ってしまった。動より静のシーンが似合う人だからかな。

6.『60セカンズ
N・ケイジの車泥棒の話。はらはらどきどきするシーンばかりで肩に力が入り、 終わってぐったりした。アクションが続いたので、今年公開のラブストーリーに期待。

7.『シックスセンス
B・ウィルスは好きじゃないけど、映画はほんとに面白かった。 子役が可愛い+いじらしくて泣ける。観終わっても伏線確認にまた観直したくなった。

8.『スリーピー・ホロウ
童話のような古い村の中の弱気なジョニー・デップが素敵。 騎士役のクリストファー・ウォーケン、『タイムトラベラー』のパパ役もこんな役もこなす。脱帽。

9.『アメリカン・ビューティ
このケビン・スペイシーみたいな夫だったらやだなぁ。ねっとりしたクセがあるんだもん。 それが上手いってことか? でも『交渉人』の方が好き。

10.『五条霊戦記/GOJOE
やっと日本映画。浅野忠信が遮那王(牛若丸)、弁慶を演じているのは隆大介。 戦乱の泥沼の中、白装束の浅野忠信がぞっとするほど色っぽかった。


高橋さんのベストテン

1.『鎗火
呉鎮宇、任達華、ロイ・チョンの3人がいっぺんに出ているというだけでも クラクラきてしまうのに、彼らの魅力を十二分に引き出すようなスタイリッシュな映像に引き 込まれ、 しばし興奮がおさまらなかった。2000年度の1位はこれしかありません。

2.『ナヴィの恋
南国の暑さゆえの“ゆるさ”と“情熱”が醸し出す愛が琉球音楽に乗って描かれ、 おじいの人の良さに心洗われるようでした。「あったかいとこはいいよなー」 と思った私は、夏に八重山と沖縄に行って来てしまいました。

3.『ワンダーランド駅で
ボサノバのリズムが心地よく、非常にいい気分になれる映画。アクション系の映画を 続けて見ていると、たまにはこういうサラリとした映画がうれしい。

4.『漂流街
吉川ファン歴16年の私としては、彼の姿が久々にスクリーンで見られることに 驚きと喜びの複雑な感じを持ったが、細かいことはさておき素直にうれしい1本。 うれしさついでにシネマネー(『天国から来た男たち』)に出資してしまった。

5.『シュリ
そりゃ、ハリウッドに比べれば見劣りする点もたくさんあろうかと思う。しかし、 私はビックリした。重ね重ね影響されやすい私は年末にソウルに行き、 38度線を見学。

6.『美少年の恋
まず、題名のストレートさに気恥ずかしさを感じ、テレンスとダニエルがシャワー室で絡むシーンは思わずニヤケながら戸惑ってしまいましたが、そういった興味本位の反応をヌキにしても人物描写等見所のある作品だと思います。

7.『13デイズ
着色はしているにせよ、フィクションではないのだと思うとゾッとした。単純な物言いだけど、よくできた映画だと思います。ケビン・コスナーが出ているということで、一抹の不安はあったけれど、心配無用、最後まで飽きることなく楽しめました。

8.『ジュリエット・イン・ラブ
ジャンユーとサンドラ・ンの切なさの競い合いが心に染み入る作品。ジャンユーが出演していると何でもいい映画だと思い込んでしまうクセがありますが、これは客観的に見てもいい映画です。

9.『愈堕落愈英雄(Cheap Killers)
ラストに女優さんが「男の世界はわからないわ」と吐き捨てるように言うシーンがありますが、同感です。あまりのヘビーさに役者が方中信でなかったら途中で 見るのをやめていたかもしれないけど、方中信だから(?)ベスト10入り。

10.『月とキャベツ
同じ作品を2回以上見ることは稀な私が、繰り返し見ている1本。 「one more chance, one more time」の熱唱に心打たれ、 山崎まさよしのファンになってしまいました。

return to top

本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
このHPに関するご意見など: info@cinemajournal.net
このサイトの画像・記事等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。
掲載画像・元写真の使用を希望される場合はご連絡下さい。