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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

「GOLDEN ASIA」第1弾
『西遊記〜はじまりのはじまり〜』(原題:西游降魔篇)

◇第一部:GOLDEN ASIA ラインナップ発表会
◇第二部:チャウ・シンチー監督 来日会見

『少林サッカー』『カンフーハッスル』の周星馳(チャウ シンチー)が監督した、とんでもねー最新作『西遊記〜はじまりのはじまり〜』が11月21日に公開されます。「GOLDEN ASIA」の記念すべき第1弾に選ばれたチャウ・シンチー監督の『西遊記 ~はじまりのはじまり~』が公開されるのを記念して、「GOLDEN ASIA」とチャウ・シンチー監督の記者会見を掲載します。


ポスター
(C) 2013 Bingo Movie Development Limited

『西遊記〜はじまりのはじまり〜』について

 日本でもおなじみの、三蔵法師が孫悟空、猪八戒、沙悟浄をお供に従え、幾多の苦難を乗り越え天竺を目指す「西遊記」の、4人(?)が出会うまでを描いた独自のエンターテイメント活劇。シンチーが、監督、製作、脚本も手がけ、後に三蔵法師と名乗ることになる妖怪ハンターの玄奘(げんじょう)が、“妖怪”として登場する孫悟空、猪八戒、沙悟浄を退治しようと奮闘する姿を描く。玄奘は「わらべ唄」で妖怪の善の心を呼び覚まそうするが失敗ばかりの若き妖怪ハンター。孫悟空、沙悟浄、猪八戒も、それぞれ奇抜な姿で登場。妖怪ハンターたちが、妖怪を退治しようと競いあう。チャウ・シンチー印のありえねー、とんでもないキャラクターが、これでもかこれでもかと登場します(笑)。

2014年11月21日よりTOHOシネマズ有楽座、とんでもねーロードショー!

製作・脚本・監督:チャウ・シンチー 共同監督 デレク・クォック
エグゼクティブ・プロデューサー チャウ・シンチー、エレン・エリアソフ、ドン・ピン、ビル・コン
脚本:デレク・クォック、ローラ・フオ、ワン・ユン、フォン・チーチャン、ルー・ジェンユー、リー・シェンチン、アイヴィ・コン
撮影:チョイ・スンファイ
視覚効果監督:ケン・ロー
アクション指導:クー・フェンチウ
編集:チャン・チーワイ
作曲:レイモンド・ウォン
出演:ウェン・ジャン(玄奘/三蔵法師)、スー・チー(妖怪ハンター)、ホアン・ボー(孫悟空)、ショウ・ルオ(空虚王子)、ジロー・リー(沙悟浄)
2013年/中国/110分
(C) 2013 Bingo Movie Development Limited
提供:日活 配給:日活/東宝東和
公式HP http://saiyu-movie.com/index.html


    玄奘(ウェン・ジャン)           妖怪ハンター段(スー・チー)


    孫悟空(ホアン・ボー)           空虚王子(ショウ・ルオ)  


沙悟浄(ジロー・リー)              猪八戒   

(C) 2013 Bingo Movie Development Limited

日活×東宝東和 “アジア映画最強レーベル”「GOLDEN ASIA」記者会見報告

2014年7月22日(火)
六本木 グランドハイアット東京 2Fコリアンダーにて

日活と東宝東和の初タッグによる、アジア各国の第一級作品を日本の映画ファンに提供するアジア映画最強レーベル“GOLDEN ASIA”の記者会見が行われました。
会見に先立ち、「GOLDEN ASIA」の記念すべき第1弾に選ばれたチャウ・シンチー監督の『西遊記 ~はじまりのはじまり~』の試写が行われ、6年ぶりの新作に度肝を抜かれながら、記者会見場に足を運びました。
日活と東宝東和、両社の社長による「GOLDEN ASIA」ラインナップ発表会に引き続き、『西遊記 ~はじまりのはじまり~』のチャウ・シンチー監督の来日会見が行われました。


◇第一部:GOLDEN ASIA ラインナップ発表会


GOLDEN ASIA ロゴ(撮影:宮崎暁美)

登壇者 :
佐藤直樹(日活 代表取締役社長)、松岡宏泰(東宝東和 代表取締役社長)、
チャウ・シンチー監督(『少林サッカー』『カンフーハッスル』)

◆アジアと日本文化の懸け橋を目指すGOLDEN ASIAレーベル

新レーベル「GOLDEN ASIA」は、「アジア諸国と日本の文化の懸け橋として、アジア各国の第一級の作品を日本の映画ファンに提供する【アジア映画最強のレーベル】」がコンセプト。本レーベルで取り上げる作品は、アジア各国で興行第一位を獲得したものや、映画賞受賞など、“実績ある作品”が選定の基準。
2013年にインド映画『きっと、うまくいく』(2009)をヒットさせ、2014年にインドネシアとの合作『KILLERS/キラーズ』を制作した“日活”と、かつて70年代~80年代にかけて多くのブルース・リー作品やジャッキー・チェン作品に加え、「Mr.Boo!」シリーズや『少林寺』(1982)、また2008年、2009年には「レッドクリフ」シリーズ等、アジア映画を代表する香港・中国映画のヒット作品を世に送り出している“東宝東和”が、本格的にタッグを組み展開するレーベルです。
今年の11月から来年にかけて公開する「GOLDEN ASIA」下記3作品の予告編が紹介されました。

第1弾 『西遊記 ~はじまりのはじまり~』(中国) 2014年11月21日公開
第2弾 『チェイス!』(インド) 2014年12月5日公開
第3弾 『ミルカ』(インド) 2015年1月公開


◆日活、東宝東和 両社社長 GOLDEN ASIAを熱く語る


日活代表取締役社長 佐藤直樹氏

日活 代表取締役社長 佐藤直樹氏:お暑い中、お集まりいただきありがとうございます。熱いといえば、アジアでございます。経済的にも文化的にも世界の注目を集めているのがアジアです。そのアジアの選りすぐりの作品を紹介するのがGOLDEN ASIAです。
日活は昨年百周年を迎えました。次の百年に向かって日本の外に向けて打って出ようと、国際共同制作も進めてまいります。先日タイの映像制作プロダクション、カンタナ合弁会社を設立致しました。監督や役者の優れた才能と出会う機会を更に増やし、日本のお客様に優れたアジアの映画をお伝えし、アジア各国との強い結びつきを作っていきたいと思っております。幸いなことにアジア映画で実績、歴史のある東宝東和さんとパートナーシップを組むことになり、日活にとりましても大変喜ばしいことです。
アジア全域から選りすぐり、目の肥えた日本のお客様に提供していきたいと思っております。アジア映画と日本映画の文化的懸け橋になることを目指しております。どうぞ応援をいただければ幸いです。





東宝東和 代表取締役社長松岡宏泰氏

東宝東和 代表取締役社長 松岡宏康氏:どうして日活さんとタッグを組んでGOLDEN ASIAレーベルを立ち上げることになったかを考えてみますと、東宝東和ではかつて、ジャッキー・チェンや「Mr.Boo!」シリーズ、『少林寺』など何本もの香港の娯楽作品を取り上げてまいりました。一方で、インドの巨匠サタジット・レイの三部作や、『宗家の三姉妹』『山の郵便配達』『芙蓉鎮』といった芸術性の高い作品も取り上げてまいりました。川喜多記念映画文化財団は、東洋と西洋の懸け橋になるという理念で設立されました。東宝東和は、この映画なら多くの人に観ていただける商業性の高い映画、そして、これは観ていただかなくてはという芸術性も重視してアジア映画を発信し続けてまいりました。GOLDEN ASIAは商業性と芸術性の両方を追いかける素晴らしいプロジェクトだと思います。日本映画のパイオニアである日活さんと共に、GOLDEN ASIAを成功させる為にできることはすべて行ってまいりたいと思っております。




日活、東宝東和両社社長より、将来的にはGOLDEN ASIAレーベルとして、アジアの製作者と新作も作っていきたいと抱負が語られ、ラインナップ発表会は終了。

ここで、GOLDEN ASIA 第1弾作品に選ばれた『西遊記 ~はじまりのはじまり~』のチャウ・シンチー監督が登壇。日活、東宝東和両社社長が出迎え、3人でのフォトセッションが行われました。


左から日活 佐藤直樹氏、チャウ・シンチー、東宝東和 松岡宏泰氏

◇第二部:チャウ・シンチー監督 来日会見       司会 伊藤さとり


チャウ・シンチー監督

チャウ・シンチー監督

周星馳 俳優・監督・脚本・製作 1962年香港生まれ。

主な作品『ゴッド・ギャンブラー』シリーズ、 『食神』『喜劇王』『少林サッカー』『カンフーハッスル』『ミラクル7号』

2002年『少林サッカー』で、第21回香港電影金像奨最優秀作品賞・最優秀監督賞(チャウ・シンチー)・最優秀主演男優賞(チャウ・シンチー)を受賞 (シネマジャーナル56号に金像奨授賞式レポート掲載)。

『少林サッカー』の成功に続き、2004年には『カンフーハッスル』と2作連続で香港の歴代興行収入の記録を塗り替えた。



2008年に『ミラクル7号』のプロモーションでシュー・チャオと来日して以来6年ぶりの来日


チャウ・シンチー監督(以下、監督):日本の皆さん、こんにちは。しばらく日本に来ておりませんでしたが、また皆さんにあえて嬉しく思っています。

司会:ゴールデンアジアの第一弾として『西遊記~はじまりのはじまり~』が選ばれましたが、ご感想は?

監督:皆さんなかなかお目が高いですね。この映画を選ばないで、どの映画を選ぶっていうんですか(笑)。


*製作までの経緯

― 日本でも馴染みのある「西遊記」ですが、どうやって映画化を思いついたのか。また、映画化に着手するまでの経過は? キャスティングは?

監督:僕は西遊記がすごく好きで、以前から撮ってみたいと思っていました。キャスティングはすごく順調で、この映画を観ていただけるとわかりますけども、出演されている俳優の方々が素晴らしかったです。

― 監督の作品は主人公だけでなく、まわりのキャラクターも全員が個性的。これはどうやって生まれたのでしょう?

監督:もともと『西遊記』の原作にあったものです。三蔵法師が3人の弟子を連れて天竺へお経を貰いにいきますが、3人の弟子は元々妖怪だったので、そこからヒントを得ました。

― ストーリーがとてもオリジナリティに溢れていて、アクションも満載。キャラクターもチャーミング。どのように製作されたのですか? また、脚本を作るのにどのくらの期間がかかりましたか?

監督:1995年に最初の『西遊記』(製作総指揮&主演チャウ・シンチー、監督ジェフ・ラウの『チャイニーズ・オデッセイ Part1 月光の恋』と『Part2 永遠の恋』)を撮りましたが、その後、どのようにすればもっといいものを撮れるか考えました。『西遊記』にはいろいろな要素が含まれているので。脚本に関しては10年くらいかかっています。



チャウ・シンチー

― 映画を制作する前のイメージと、完成された作品のイメージは?

監督:撮り始めは、心配でドキドキでしたが、撮り終わった後は満足な出来でした。俳優の演技やアクションに対しても思った以上の作品になりました。

― 大変な現場だったと思いますが怪我はなかったですか?

監督:かなりしっかり安全措置はしていたので、怪我をした人はいませんでした。

― 劇中に「Gメン'75」が流れますが、選んだ理由は?

監督:日本の皆さんから同じような質問をたくさん受けましたが、僕自身が「Gメン'75」の大ファンだからです。それと、「三蔵法師が3人の弟子を連れて悪者を退治する」というのが、Gメンと合っていると思ったからです。

― 西遊記の話が元で、日本では「ドラゴンボール」というアニメができましたが、この作品は「ドラゴンボール」の影響を受けているのですか?

監督:むしろ大きな影響があります。孫悟空の最後の場面もそうですが、3つの様相があります。最初は人間みたい、2つ目はすごく小さく、3つ目は大きなゴリラのようになる。これらはすべて「ドラゴンボール」から閃きました。



チャウ・シンチー 手の動き

*キャスティングについて

― 今回は監督に専念し、映画に出演していない理由は?

監督:自分に合った役がなかったからです。良さそうな役もあったのですが、出番があまりなく気にいらなかったからです。というのも、僕は主人公しかやりませんから。脇役は全く興味がありません(笑)。

― 主人公ウェン・ジャンのキャスティング理由は?

監督:僕はキャスティングする時、直観が多いのですが、彼の場合は見た目が役に合っていたのと彼自身が仏教のことをすごく勉強していたので、彼には三蔵法師の役をキャスティングしました。潜在能力が高かったこともありますが、起用した頃の彼はまだ新人でギャラが安かったのです。今は大スターになったので、彼を起用するのは大変です(笑)。

― スー・チーをヒロイン役にキャスティングした理由は?

監督:女優として素晴らしいし、セクシーで強く、愛情のために自分を犠牲にできる役柄にとても合っていると思ったから起用しました。

― メインキャストの他の二人、ホアン・ボーさんとショウ・ルオさんを起用した理由は?

監督:2人はもともとスタッフで(「それは違うでしょ?」と場内笑)、専門の役者じゃなかったんです。僕が役者を選ぶ時はその人がプロでなくてもそれだけの能力がありそうだと思うと起用します。

*ホアン・ボー:中国の俳優。『クレイジー・ストーン ~翡翠狂騒曲~』(2006)で俳優デビュー。『カンフー・ダンク!』『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』『ハーバー・クライシス 湾岸危機 Black&White Episode 1』『101回目のプロポーズ SAY YES』などに出演
*ショウ・ルオ:台湾のアーティスト。歌&ダンス、俳優、司会と多方面で活躍。2010年、2011年、台湾年間CD売り上げ1位を獲得。

― ホアン・ボーさんとスー・チーさんが穴の中でダンスをするシーン、監督が演出したのですか?

監督:僕は踊れないのでダンスは違います。孫悟空を演じているホアン・ボーさんは中国ではとても有名な俳優でダンサーでした。彼がアドリブでやりました。


*今後の映画製作について

― 中国の経済成長に伴い映画市場が飛躍的に伸びていますが、97年頃の香港と比べて、映画を作る環境、撮影現場や出資元に変化はありますか? 続編については?

監督:以前と比べると大きな市場ができ、今が一番いい時だと思います。「西遊記」はシリーズ物だと思っているので、いろんな要素を入れて続編はすでに考えています。

― 6年ぶりに日本へ来た感想は? 日本の観客にはどんな反応を期待しますか?

監督:日本に昨夜着いたばかりで、まだ外出していません(笑)。時間ができたら、まずは日本のおいしいラーメンを食べたいです。映画については、もちろん日本の皆さんにも気に入っていただけたらと思います。

― 今後、日本のスタッフや俳優と組んで映画を製作してみたいですか? 好きな俳優がいれば教えてください。

監督: それはもちろん興味があります。今までずっとそういうチャンスがないかと思っていました。好きな俳優は亡くなられましたが、黒澤明監督の大ファンです。



チャウ・シンチー

取材・記録 景山咲子 まとめ・写真 宮崎暁美

*記者会見を終えて

チャウ・シンチーお得意のオトボケを控えて、まじめに答えていたのが不思議な感じでした。
それにしても、どうしてこういうキャラクターを考えるかと思うほど、いろいろ詰め込んだ妖怪たちでした。そして有名な「西遊記」の前の話としてこんな物語を考えてしまうとは、シンチーの頭の中はどうなっているんだろうと考えてしまいます(笑)。2002年の香港電影金像奨に取材に行き、『少林サッカー』で受賞したシンチーを間近で見ましたが、その時のことが甦ってきました。このときのレポートはシネマジャーナル56号に掲載しています。『海洋天堂』で自閉症の息子を演じていたウェン・ジャンが玄奘を演じていますが、どうしても同一人物とは思えません(笑)。(暁)


私も、暁さんと一緒に2002年の香港電影金像奨の取材に行き、『少林サッカー』がいくつもの賞を受賞し、記者会見室で何度も間近にシンチーを観たのを思い出しました。あれから12年。妙に落ち着いたシンチーに、いや~大人になったのねと感慨深いものがありました。でも、映画はハチャメチャ。これでもかというくらい破天荒。誰かきっと怪我したはずと質問してみましたが、万全の安全対策で怪我人はいなかったと真面目に答えたシンチーでした。本人が身体を張って演じて見せたのかと聞いてみればよかった!(咲)

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