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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『アリス・イン・ワンダーランド』公開記念
ジョニー・デップ×ティム・バートン来日記者会見レポート

2010年3月22日(月) 新宿パークタワー・ホール


日本での映画公開に先駆けてジョニー・デップとティム・バートン監督が緊急来日しました。

シネジャ・スタッフとして記者会見に挑むのは初めての私。ド緊張する中、少しでもティムさまに近寄りたいと前のほうに陣取りました。(ジョニデじゃないんかい!とは、他のスタッフからのツッコミ) 会場内は大手マスコミや芸能人レポーターなどメディアで見たことある顔だらけ! 記者会見が始まる前から、私の隣に座った某テレビ局の美人アナにドキドキしたり、映画コメンテーターでタレントのLiLiCoさんがモデルのように綺麗だなぁと見惚れていましたら、ジョニデ&バートン監督の登場となりました!

◆朝9時、成田空港に到着したばかりのジョニー・デップ。空港には徹夜組含めて約1000人のファンが暖かく出迎えたそう! 

司会:日本はどうですか?

監督:ジョニーはさっき日本に着いたばかりだけど、私は18日から滞在しています。美しいし面白いし大好きです。

ジョニー・デップ(以下J):ティムが言ったように日本はとても素晴らしく、いつも暖かく歓迎され感動しています。日本は僕にとって特別な国です。ありがとうございます。

司会:今日は全国から沢山のマスコミが来ておりますし時間もありませんので、早速質疑応答にいきましょう。


ジョニー・デップ    ティム・バートン監督

◆質疑応答

Q:今日もステキな帽子を被っていますがプライベートでも帽子は好きですか? 映画の中でも帽子屋の役ですが、どうでしたか?

J:帽子屋の役を演じるのは大変ではありませんでした。準備ができていたキャラクターでした。おっしゃるとおり帽子は大好きです。プライベートでは5つか6つ、持っています。

Q:ジョニーさんのお子様たちは作品をご覧になりましたか? どんな感想でしたか?

J:子供達は観ています。実は僕は未だ上映版を観ていません。子供や子供の友人たちのために試写会をしました。映画は気に入ったようですが、僕が演じる帽子屋のキャラクターはイカレてる、という印象を持ったようです。とても楽しいという意味でクレイジーだ、と気に入ってくれていました。

監督:心配だったけど僕の2才の娘もクレイジーだから映画を喜んでくれていました。

Q:お2人は公私ともに仲が良いですが、ジョニーさんにとってティム監督は他の監督とどう違うのでしょうか? どこが凄いのでしょうか?

J:ティムが恥ずかしがって逃げ出すかもしれませんが(笑)、ティムはティムなんです。アーティストです。野心が無く純粋な気持ちから芸術を作っています。芸術的な情熱を持っていて、彼が本当に表現したいものを心から感じて表現しています。そして妥協が無いという事。初めて彼と出会った時からそうですし、これは変わっていません。彼と一緒の共同作業はとても居心地が良く満足感が強いです。独創的でユニークなものをクリエイト出来る監督です。

監督:ジョニーは『シザー・ハンズ』から始まって、今まで色々な役を演じてくれています。私達は長年一緒に仕事をしてきていますが、いつも初めての気持ちで映画に臨んでいます。そういう姿勢で仕事をすることは私にとって喜びであり、それが芸術、アートです。ジョニーは毎回、驚くべき素晴らしいキャラクターを生み出してくれています。監督としても周りのスタッフも、彼からエネルギーを貰っています。

Q:私の周りにはジョニーさんのファンが沢山居ます! アリスは19歳で戦う女性ですが、そんな強い女性は好きですか?そして悩んで、もがいている19歳の日本の若者にも何か応援メッセージをお願いします。

J:もちろん強い女性は大好きです。行動力があって、そして情熱があって信念を持っている女性は素敵です。そういうものがあるからこそ、前へ進んで行くことが出来るのです。強い女性に限らず結局、僕は、そういうものを持った人は好きです。応援メッセージとしては自分を信じること!これが大事だと思います。そして自分は何をしたいか?そういう事を考えていけば何でも可能だと思います。僕自身がそれを証明しています。僕は何も無いところから出発し幸運もあったけど、ここまで来ました。まだ必死に走り続けている途中です。

Q:夢の中でもワンダーランドへ行ったことはありますか? 普段はどんな夢をみますか?

J:僕の夢はほとんど暗いです。今、ティムもそうだろ?って聞いたけどティムは「僕は眠らないから夢をみない」と(笑)。 小さい頃は空を飛んでいる気分の良い夢もみたけど、大人になるにつれ暗い夢に変わっていきました…。

監督:最近ゴジラを観たせいか巨大な伊勢海老が出てくる夢をみました。(笑) あまり夢は覚えていません。

Q:日本のワンダーなところって、どんなところですか?

監督:日本はワンダーランドの様なので好きなんです。設計とかスタイル、様式など、いつも驚かされます。

J:ティムと同意見ですし日本ほど暖かい歓迎は、他の外国ではありません! 本当にサポートを感じていますし映画に対する信念も素晴らしいです。そして日本では、しかめっ面の人に会ったことがありません。ほとんど全員です、それは大変レアなことです。

Q:この映画で伝えたかったメッセージは?

監督:単純です。若いオンナノコが自分探しをするわけです、自分の現実的に抱えている問題を解決するために空想で体験したことを役立たせようとしています。

Q:3D映画をどう思っていますか? この技術に関して、演じる俳優の立場としてはどう思っていますか?

監督:3Dだからこそ今回やりたいと思ったんです。ディズニーからアリスの依頼があったとき、とてもマッチしていると思い引き受けました。3Dと云うツールは観客を映画の世界に引きずり込む事ができるので注目しています。楽しかったですし、またやってみたいです。

J:3Dだからと言って、演じるほうは今までどおりで、あまり変わってはいません。

Q:映画を作っているときに衝突することはありませんか?

監督:2人とも同じ目線で映画を作っているのでトラブルはありません。映画を作るということは一緒に旅へ出るというようなものです。私達には共通点が多いのです。

J:口喧嘩も無いです、脚本を変えようとしても全く同じ意見なのです。

Q:もしワンダーランドへ迷いこんだら、どうしますか?

J:ずっと居たいです。(笑)

監督:もう2年も居るので出たいです。(笑)

Q:ジョニーさんはとても顔がステキですのに、いつもメイクをしていますが、メイクに対してどう思っていますか?

J:メイクアップは役に入り込めますしキャラクター作りに最適です。毎回、違うキャラクターを提供し観客を飽きさせないようにできます。

司会:監督にも質問しましょう、アリスの設定を19歳にした理由は?

監督:19歳は人生の過度期の年頃です。子供から大人になっていくとき社会や周りの人と上手くいかず、当時の自分自身を振り返ってみてもそうです。この年代の設定であれば自分自身と重なりますし、わかりやすい映画作りができると思いました。

Q:キャラクター作りが毎回、大変ではないですか?

J:僕は俳優として人間を観察する、ということを大事にしています。周りを見渡せば色んな人が居ます。それらを自分の中にスポンジのように吸収して、あとから使えるように引き出しにしまっています。人を観察することが大好きです。

◆東京にアリス旋風!

記者会見場はアリスの舞台がセットされ照明もハート型と凝った空間でした。僅か30分ほどの短い時間でしたが私にとっては、まさにこれがワンダーランド! ティム監督に対してメタボなおじさんのイメージをもっていましたが、実物はジョニデより背が高くスーパーモデルのようでした。ジョニデより数倍カッコイイ(褒めスギ?!)世界一セクシーな男、ジョニデに質問&撮影が集中する中、私ひとり見つめる視線はティムさま。現在、ニューヨークのMOMAでは監督の回顧展も開催中とか。アメリカは好きではないですがMOMAへは行きたい、どうしたら……。日本に先立ち3月5日より全米では劇場公開が始まりオープニング3日間の興収は1億1630万ドル! 全米映画史上歴代第6位になるそうです。

日本では公開記念として渋谷パルコにて「アリス・イン・ワンダーランド展」が始まり、ユニクロでも映画とのコラボ商品「アリス・イン・ワンダーランドコレクション」が発売されます。買いに行かなくっちゃ(笑)


会見のあとファンイベントのため恵比寿ガーデンプレイスへ移動したお2人。テレビやネットのニュースでも流れていたように日本滞在時間15時間という超ハードスケジュールの中、大勢のファンに対し、ひとりひとり丁寧に接するジョニー・デップ氏は、控え目で優しい人でしたが、スターのオーラは輝いていました!

(レポート:中嶋千絵)

アリス・イン・ワンダーランド
© Disney Enterprises, Inc. All rights reserved. 

公式サイト http://www.movies.co.jp/

★2010年4月17日(土)より 丸の内ルーブルほか全国ロードショー!!

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