第４回アジアンフィルムアワード

３月２２日の夜、香港コンベンションセンターにて第４回アジアンフィルムアワード授賞式が開催された。 香港・中国・台湾・日本・韓国・フィリピン・マレーシア・インド・イラン・ベトナムから３７作品がノミネート。
今回から設置された最優秀衣装デザイン賞のプレゼンターをデザイナーのドナテラ・ヴェルサーチ氏がつとめる等、国内外から豪華ゲストが駆けつけ、華やかな式典となった。

最優秀映画賞と主演女優賞、脚本賞を韓国の『骨肉同謀/Mother （邦題:母なる証明）』が受賞。奉俊昊（ポン・ジュノ）監督は２００６年の第１回アジアンフィルムアワード以来二度目の最優秀映画賞受賞となった。（２００６年時の受賞作は『グエムル-漢江の怪物-』）
主演女優賞は知的障害の息子の無実を信じる母親役を熱演した金惠子（キム・ヘジャ）が獲得した。

最優秀監督賞を受賞したのは、南京事件を日本兵の視点から描いた陸川（ルー・チュアン）監督の『南京！南京！』。 「この映画は様々な批判を受けてきた。今回の受賞は中国人の支持を受けているという事の証明。これは私にとってとても重要な事だ。」と語った。

『南京！南京！』陸川（ルー･チュアン）監督

主演男優賞と助演男優賞はそれぞれ『十月圍城/ Bodyguards and Assassins』の王學圻（ワン・シュエチー）と謝霆鋒（ニコラス・ツェ）が受賞。 この２人は4月に開催される香港アカデミー賞にもノミネートされているので、そちらの受賞にも注目が集まる。

主演男優賞　王學圻（ワン・シュエチー）　　　　助演男優賞　謝霆鋒（ニコラス・ツェ）　　

『十月圍城』 左：ポスター（淡水にて）　　右：看板（台北西門町にて）

助演女優賞と新人賞はマレーシア・香港・韓国の合作映画『心の魔』から、惠英紅（クララ・ワイ）と黃明慧（ジェーン・ン）が受賞。

助演女優賞　惠英紅（クララ・ワイ）　　　　　　新人賞　黃明慧（ジェーン・ン）　　　

今回の授賞式では通常の１４項目の表彰のほか、アジア映画特別貢献賞、生涯功労賞、２００９年最高興行監督賞の3項目の特別賞が用意された。 アジア映画特別貢献賞に張藝謀（チャン・イーモウ）、昨年山田洋二監督が受賞した生涯功労賞には『炎』などで知られるボリウッドのスーパースター、アミターブ・バッチャンが選ばれた。 ２００９年最高興行監督賞を受賞したのは『赤壁（邦題：レッドクリフ）』の呉宇森（ジョン・ウー）。

アジア映画特別貢献賞　張藝謀（チャン・イーモウ）　　　生涯功労賞　アミターブ・バッチャン　　　　

今回の授賞式では６部門を制した韓国と後を追う香港・中国勢の元気さが目立った。惜しくも受賞は逃したものの、日本からも良質の作品が多数ノミネートされた。来年の巻き返しに期待。

その他の受賞者と候補者リストは以下の通り。

脚本賞　樸恩嬌（パク・ウンギョ）/ 奉俊昊（ポン・ジュノ）　骨肉同謀/Mother（邦題:母なる証明）

脚本賞　樸恩嬌（パク・ウンギョ）骨肉同謀/Mother（邦題:母なる証明）

美術賞　李天爵（リ・ティンジエ）/Alain-Pascal HOUSIAUX /Patrick DECHESNE　臉/Face

美術賞　李天爵（リ・ティンジエ）/Alain-Pascal HOUSIAUX /Patrick DECHESNE　臉/Face

音楽賞　羅大佑（ロ・ターヨウ）復仇/Vengeance（邦題:冷たい雨に撃て、約束の銃弾を）

音楽賞　羅大佑（ロ・ターヨウ）復仇/Vengeance（邦題:冷たい雨に撃て、約束の銃弾を）

編集賞　リー・チャタメティクール　你卡拉 ，我OK /Karaoke

編集賞　リー・チャタメティクール　你卡拉 ，我OK /Karaoke

視覚効果賞　李顓珩（イ・ジョンヒョン）饑渴誘罪/Thirst（邦題:渇き）

視覚効果賞　李顓珩（イ・ジョンヒョン）饑渴誘罪/Thirst（邦題:渇き）

衣装デザイン賞　　Christian LACROIX / Anne DUNSFORD / 王佳惠（ワン･ジャーフイ）　臉/Face

衣装デザイン賞　　王佳惠（ワン･ジャーフイ）/Anne DUNSFORD　臉/Face

候補者リスト（太字・ピンクの背景色が受賞者）

最優秀映画賞

最優秀監督賞

最優秀主演男優賞

最優秀主演女優賞

最優秀新人賞

最優秀助演男優賞

最優秀助演女優賞

最優秀脚本賞

最優秀撮影賞

最優秀美術指導賞

最優秀音楽賞

最優秀編集賞

最優秀視覚効果賞

最優秀衣装デザイン賞

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