女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『リバティーン』公開記念
ジョニデ・ファンの言いたい放題

リバティーン ロゴ
4/8(土)よりシネセゾン渋谷、テアトルタイムズスクエアほか全国ロードショー

ジョニー・デップ主演作、『リバティーン』が4月8日(土)よりロードショーされます。公開を記念して、シネジャ・スタッフのジョニデ・ファン二人で、本作とジョニー・デップについて言いたい放題しゃべくってみましたので、ファンの方も、そうでない方もちょいと覗いていってみて下さいませ。

いよいよ『リバティーン』公開ですねぇ。ジョニデですよ。コスプレのジョニデ。元々はジョン・マルコビッチ主演の舞台劇なんですよね。映画では彼は国王の役を演じているけど。

やっぱりアップに耐えられるのはジョニデでしょう(爆)あの冒頭のシーンがとにかくいいんだもの。

そうなんですよね。あのシーンはもう「ひゃぁ〜!」って感じ。鳥肌立つ。あれをマルコビッチでやられても・・・(笑)

脚本の冒頭3行を読んで出演を即決したって言うけど、やっぱりあの部分よね。

きっとそうでしょう。

リバティーン 場面写真
(C)2005 STANLEY(IOM)PRODUCTIONS LIMITED.ALL RIGHTS RESERVED.

フリフリブラウスに長い髪がまた似合う!

『スリーピー・ホロウ』の時も良かった。

コスプレいいのよねぇ。

美しさが際だつ。

これって新宿のテアトルタイムズスクエアで上映されるのよね。

え、あのもの凄いでかいスクリーンで?

そう。あの大きなスクリーンで観られるってのはいいよね。

それは没入できますねぇ。

ジョニデは綺麗なんだけど、舞台が18禁な内容なんだよね。R-15とか付いてなかったっけ?

一応、ついてます。ないとちょっとまずいです。天才かも知れないけど、凄く変な奴ですよね。またそういう役が合うんだ。

そうなのよ。だから変な役のジョニデが大好き。どこが良いって言ったら、変なのがいい(笑) 変なのに美しいっていうギャップがいい! どの作品が好きかって言えば、『シザーハンズ』でしょ、『ギルバート・グレイプ』もいいよね。でもこれは大人しいお兄さん役なので、レオナルド・ディカプリオの方が目立つのよね。『妹の恋人』も良い。コッペパンにフォークさして、チャップリンの靴みたいにダンスをしてみせるシーンが有るんだけど、とっても良くて思わず自分でもやりたくなるの。『ドンファン』も長めの髪。長髪似合うよね! いや演技もいいです。『ナインスゲート』は・・・

わたしも観たはずなんだけど、もう何も覚えていない・・・

イマイチね。『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』は好きだわ。

これは完全に主役(アントニオ・バンデラス)を食ってますよね。

やっぱり変な役なんだけどね。

『フレンチなしあわせのみつけ方』でもチョロッと出てくるだけなのに、場をさらっていきますよ。これはあくまでもかっこいい人だけど。

それはまだ観てないのよね。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でファンが増えたって聞いて、そりゃそうだよねと思って。2の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』がいよいよ夏に公開よね。これも楽しみ。

『ティム・バートンのコープスブライド』であの主役の声をやっているんですよね。でも声だけになると、ちょっと印象薄い気がする。

まあ、あれは気弱な青年という役柄もあるけど、やっぱりジョニデは目でしょ、目!

あの目に吸い込まれるぅ〜。もうどうにでもして〜(笑)

『チャーリーとチョコレート工場』はどう?

わたしは好きですよ。気持ち悪くて、夢に出てきそうだけど。子供はあれ観て大丈夫なのかな?

リバティーン 場面写真
(C)2005 STANLEY(IOM)PRODUCTIONS LIMITED.ALL RIGHTS RESERVED.
うちの小学一年生は大好きよ。ティム・バートン監督ってきっと子供に凄く近いんだよ。子供ってグロイもの好きじゃない。『チャーリーとチョコレート工場』のプロモーションで来日したときも、ジョニデよりオーラ出していて、舞台に飛ばされたシャボン玉に一人とっても嬉しそうだった。

そういう監督のことがジョニデは大好きなんでしょうかね。ジョニデって、メインストリームを避けながらも、結構話題になる作品を選んでいるって印象があるんですけど。

いや、多分本人はあんまりそういうことは考えていなくて、好きな作品を選んだらそうなったってだけじゃないかな。

彼の感覚がキレてるってことかな。

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』の時に、「ジョニデはこんな汚い役じゃなくてもっと綺麗な役をやった方が良い」て書いている評論家がいて、わたしはそれは違うなって思ったのね。でもその人は男性だったから、もしかしたら男性の見方と女性の見方では随分と違うのかなと思った。

確かに男性と女性では観るところが違うかも知れないけど、わたしは汚い格好をしても、ジョニデだからこそ品が保てるんだと思いますがね。『リバティーン』でも梅毒でボロボロになるけれど、それでもギリギリ汚くなりきらない。ジョニデって、とっても強い性格をもった役をやることが多くて、本人とは違うその人物をちゃんと作り上げているんだけど、ジョニー・デップの映画としての印象もきっちり残すんですよ。

そうね。韓国俳優のイ・ソンジェほど本人が無くなるカメレオン俳優じゃないけれど、何をやってもジョニー・デップっていうわけじゃない。

スター性と俳優としての技量の両方をきちんと持っている、珍しい人だと思います。

でもまだなんにも賞をもらってないんだよね。

それは今まであまりメインストリームの作品に出てこなかったから。

そうね。賞は監督の力とか、会社の強さとかがかなり影響するだろうからね。

リバティーン 場面写真
(C)2005 STANLEY(IOM)PRODUCTIONS LIMITED.ALL RIGHTS RESERVED.
さて『リバティーン』ですが、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』を観てファンになった人がいきなりこれを観ても大丈夫でしょうか?

そうねえ、さかのぼって前の作品を観て、変なジョニデに慣れていれば、全然大丈夫じゃない? またやってくれたわねって感じで。ただ綺麗なジョニデだけが好きな人は、後ろの方はちょっと辛いかもね。あれだけ作り込んだのは、監督とジョニデのどちらのこだわりなんだろうか?

それはちょっとわかりませんね・・・ ラストシーンも良いんですよ。これだけ放蕩を尽くした男なのに、かわいそうになっちゃう。好きになるなと言われても、それは無理です。マイケル・ナイマンの音楽もとても印象的だし、相手役のサマンサ・モートンもジョニデに負けていない。監督は映画第1作目なのにきっちり作ってる。ジョニデ・ファンは必見だし、そうでない人もアヴァンギャルドな刺激が欲しい方なら絶対気に入ると思います。

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(喋り:白石、梅木 まとめ:梅木)
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