このページはJavaScriptが使われています。
女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
(2003/03/14)

黄龍(イエロードラゴン)

 人間の戦闘能力を何倍にも高めるが、死に至るほどの副作用を生じる禁断の薬イエロードラゴン。 その抗体を唯一持つ少女をめぐって、中国を舞台に繰り広げられるサスペンス・アクション。 製作・脚本・主演は倉田保昭、アクション監督にフィリップ・コク。 ショウ・ブラザース映画好きなら身を乗り出さずにはいられないツウな組み合わせに、 ゲスト出演がチャーリー・チャンときた。 この倉田コネクションの濃さにまずはニヤリとさせられる。 そして日本刀をカッとかまえる倉田サンのかっこよさ、パワフルな蹴りの美しさ。 もうそれだけでもファン的には十分オーケーである。

 客観的に映画全体としてみれば突っ込みどころがかなりあることは否めないが、 「正しいB級ムービー」として、深く考えずに楽しもうではないか。 全編にみなぎる異様に高いテンションと、 オール中国ロケによるちょっとほこりっぽいのどかな風景が、 妙にマッチしてある意味バランスがとれているし、 万里の長城の後ろに故宮があるようなカット割りなども大胆で面白い。音楽もなかなかよかった。

 そして倉田サンだけが見所をさらっていくわけではない。若手俳優(宮本真希、照英)が、 体を張ったアクションにいずれも本気で取り組んでいると思われ好感度大。特に、 元ヅカガールとは思えないほど野蛮なヒロインを好演した宮本真希は 日本版猟奇的な彼女といった感じ。演技もしっかりしているし、 痩せてもおらず太ってもいないしなやかなボディラインが、 ハードなアクションに説得力を与えている。化粧が濃すぎるのはちょっともったいないが。 彼女を見出し、起用した人(倉田サンでしょうか?)は目が高い。

『黄龍/イエロードラゴン』は4月5日(土)より銀座シネパトスでロードショー公開されます。
倉田保昭オフィシャルサイト: http://www.fan.hi-ho.ne.jp/kurata/index.html

return to top

(文:浦川とめ)
本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
このHPに関するご意見など: info@cinemajournal.net
このサイトの画像・記事等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。
掲載画像・元写真の使用を希望される場合はご連絡下さい。