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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『聖石傳説』公開

 舞台は400年前の中国武林(武術界)。どんな願いも叶えるという「天問石」をめぐって 策略が張り巡らされる。不滅の力を手に入れ、武林の制圧を狙う骨皮先生、 地球を狙う異星人、武林の存亡をかけて戦う素還真、傲笑紅塵。 父親に裏切られ、命を落とす悲劇のヒロイン・如氷。 台湾で大人気のキャラクターたちが繰り広げる武侠の世界。

 台湾のスーパーマリオネットムービー『聖石傳説』が3月16日、 シネマスクエア東急にて上映が始まりました。同映画は台湾の伝統的な民族芸能・布袋戯の映画版。布袋戯とは指人形を用いて行なわれる人形芝居のことで、日本では候孝賢の『戯夢人生』で紹介されており、ご存知の方も多いでしょう。その布袋戯が野外舞台での上演から、テレビドラマ、ビデオの時代を経て遂にスクリーンに登場。人形も初期の頃より進化して、サイズも大きく、操作性も高まって、より人間に近い、細やな動きが可能になりました。製作期間3年、費用12億円を費やして完成させた 『聖石傳説』は、デジタル画像処理といったSFXを駆使し、武侠の世界をファンタジックに演出しています。台湾公開時は、観客動員数が 『タイタニック』を超え、台湾映画史上ナンバーワンヒットを打ちたてました。


 公開に先だち、2月26日にはJapanプレミアが開かれました。これに合わせて監督ほか製作関係者が来日し、映画音楽の作詞作曲を担当した伍佰(ウーバイ)も舞台挨拶に立ちました。上映前には主題歌『稀微的風中 (日本語タイトル:微かな風の中)』と、3月20日に日本発売となった北京語アルバム 『夢的河流(日本語タイトル:夢の河)』 から『(日本語タイトル:Snake 』を熱唱。 伍佰ファンには思いがけないプレゼントとなりました。

 伍佰が手がけた主題歌・挿入歌はチャイナブルーの電子音楽と 上海交響楽団の奏でる壮大な音楽とうまく合わさって、伝統と現代的なテイストがうまく溶け合ったものに仕上がっています。2月25日の記者会見では、布袋戯を見て育ち、時には自分で人形を作って 芝居をしていたとのエピソードを伍佰が披露。 『聖石傳説』に対する親近感を覗かせました。 また、「作曲の際は人形劇という意識ではなく、『有血有肉』 の人間が演じているものとして書いた」として、音楽は魂が込もったものであることを強調しました。また、監督は音楽について、「顔の表情に変化がない」という人形劇の欠点を 音楽がカバーしてくれたと、伍佰に感謝の言葉を述べています。

 舞台に上がった伍佰は「こんにちは。わたしはウーバイです。」と日本語で挨拶。 ファンの声援にも「ありがとうございます」とにこやかに応えていました。

(参考)

公式HP  http://www.pilimovie.com.tw/  (中国語・日本語・英語)
http://emotion.bandai.co.jp/seiseki/  (日本語)
映画『聖石傳説』オリジナルサウンドトラック 
発売元:ロックレコード(株)
http://www.rockrecords.co.jp/

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(文:佐野ちなみ)
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