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女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

オススメ映画作品紹介!

『活きる』ポスター

活きる』 幻の名作、ついに公開

3/23(土)〜 渋谷ル・シネマにて
1994年中国 チャン・イーモウ監督作品

 観終って、「生きていくってすごいことなんだな」と思った。
主人公の家族はちょうど中国の激動の時代の只中にいて、内戦や政府の主義に翻弄され、 生きていくのがやっとである。元は大金持ちのお坊っちゃんだった福貴(グォ・ヨウ)は、博打好きで借金を重ね、親が作った財産をまるごと失ってしまう。 その前に身重の妻(コン・リー)は出ていってしまったのだが、無一文になったらもう博打はしないだろうと子供を連れて帰ってくる。家族を養わなければいけない福貴は、唯一の特技である影絵芝居の巡業に出て、内戦に巻き込まれるが、命からがら帰ってくる。もう少しで死ぬところだった福貴は、何があっても絶対に生き抜いて見せると誓う。お坊っちゃんだった時は、博打場から屋敷までの少しの距離でも使用人におんぶしてもらって帰ってきていたのに、何でもやるたくましい男へと変わっていく。でも屋敷をのっとった男が処刑された時は失禁してしまうほど気の小さいところがあったり、大事なとこで失敗したりする。グォ・ヨウのひょうひょうとした演技がすばらしい。竹中直人似だけど全然違う。そんな彼をどっしりとした愛情で受けとめているのが妻の家珍なのである。母性愛あふれるというのはこういう女性の事をいうのだろう。

 2人の子供に恵まれ、貧しいながらも家族揃ってご飯が食べられる幸せな生活だったが、これでもかと思うほどこの家族に苦難が訪れる。耐えられないぐらい悲しいことが起こるが、この父と母は自ら死を選んだりしない。家族の形は変われども、また今日もみんなでご飯を食べて生きていくのだ。

活きる』公開記念 チャン・イーモウ スペシャルウイーク

3/16(土)〜3/22(金)の1週間、
チャン・イーモウ監督とコン・リーに関連した作品を特別上映!
〜『紅いコーリャン』『古井戸』から、『覇王別姫』『初恋のきた道』まで〜

連日、最終回には豪華ゲストによる20分間のトークショーを予定しています。

詳細はル・シネマHPで。  >>>>   http://www.b-lecinema.com/



『とらばいゆ』ポスター

とらばいゆ』 チラシのコピー、
「私はぜったい悪くないっ」に大共感

3/23(土)〜テアトル新宿にて
2001年日本 大谷健太郎監督作品

 まだこの作品は未見なのだが、働く女性必見!とか言われているので楽しみにしている。チラシのコピーに「私はぜったい悪くないっ」とあって、吹き出してしまった。この言葉は私が同居人とケンカした時に、いつも言っているセリフだからだ。

とらばいゆ』を観る前に、大谷監督の前作『アベックモンマリ』 を観ておこうと思いビデオで観た。すごくおもしろかった。監督が脚本も書いているのだが、何故あんなに、気が強い女性の事が良くわかっているのだろうか。
 美都子(板谷由夏)は家事がぜんぜんダメなキャリアウーマン。夫タモツ(小林宏史)は仕事がないカメラマンで家事が得意。タモツの浮気疑惑を発端に離婚することになり、浮気疑惑の相手マユ(辻香緒里)とその夫で美都子の仕事の上司ナカザキさん(大杉漣)も巻きこんでの騒動となってしまう・・・。
 美都子はとても強情で、一回離婚すると口にしたらゼッタイ後にはひかない。奔放なマユに挑発されて、ますます素直になれない。タモツは情けない男だけどそんな美都子の性格を誰よりも良くわかっている。でも優しいと言うか優柔不断な性格で、いつも美都子にお伺いをたてて、何も自分で決めようとしない。そんなところが美都子をいらだたせるのだ。いやー良く分かる。私はひとりでビデオを観ていたけど、もし同居人と一緒に観ていたら、お互い 「あるあるー」とか「わかるわかるー」とか心の中で思っていただろう。(うちも強情女と優柔不断男の組み合わせなもので)
 マユとナカザキさん夫婦も世間的にみたら、すごく変わっている夫婦なのだが、案外バランスがとれてうまくいっているのだ。長くつきあっているカップルとか、倦怠気気味の夫婦が観たら、笑いながらもいろいろ考えさせられる映画なのではないかな。

そんな『アベックモンマリ』が、『とらばいゆ』公開記念として3/16(土)〜3/22(金) までテアトル新宿で特別上映されます。

13:00/15:00/17:00/19:00 1300円均一
連日、19:00の上映前に大谷監督とゲストとのトークショーが行われます。

詳細はテアトル新宿(03-3352-1846)まで。
 >>>>  http://www.cinemabox.com/access_schedule/shinjuku.shtml

とらばいゆ公式サイト
 >>>>  http://www.2002travail.net/

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(文:みずま)
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