女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
25号 (1993.04)  p. 52

ごった煮的映画感想+α

宮崎暁美

地球交響曲ガイアシンフォニー』 は映画というよりテレビのドキュメンタリー番組という感じだったけど、 現代の常識を越えた事を成し遂げた人、 あるいは体験した人たちが地球の未来にとって示唆的なメッセージを示し興味深かった。

モンゴル民族といえばビデオのドキュメンタリー作品の 『ぼくはモンゴルの子』は、とても可愛い映画でした。 六〜七才の子供が牧畜など、家の仕事をしっかりこなしている姿を見てびっくりした。 これを作ったシャラブドルジは 『チンギス・ハーン』の撮影を担当したカメラマン。 この作品を見ていない私は、今度はこれを見てみようと思った。 監督は日本でも公開された『マンドハイ』のベグズィン・バルジンニャム。

阿賀に生きる』も良かったけど 『教えられなかった戦争』はもっと良かったと思うのだけどキネマ旬報ベストテン、 ぴあベストテンなど映画雑誌などでは全然この映画のことが出てきていなくて、私は不満。

落陽』は失笑ものの映画だった。間違っても外国には持っていかないでね。 日本の映画の恥さらしになるからね。 朝日新聞の上海特派員だった伴野朗さんの記事をいつも楽しみに見ていたのに、 こんな歴史認識と女性観しかなかったのかと、がっかり。 (彼が自分の書いた作品を監督するというから期待していたのになあ)

橋のない川』は東陽一作品より今井正作品のほうがリアリティがあったと思う。 去年の『橋のない川』で感じたこと、あの時代、 部落民でない人たちだってあんなきれいな格好をしていなかったのでは。 (『橋のない川II部』は見ていないけど)

芙蓉鎮』『紅いコーリャン』の主演男優姜文が今度は映画を監督するという。 『紅粉』という題名で、 張芸謀の『紅夢』の原作「妻妾成群」の作者、蘇童の作品だそうだ。 娼妓だった女性が出家して尼さんになるという内容らしい。彼は出演もするという。 主人公を演じるのは『芙蓉鎮』で共演した劉暁慶、 彼女は髪を剃って坊主頭になるのも辞さないと言っているらしい。 楽しみだけど『血祭りの朝』の李小紅監督と映画化権を競っているとも聞く。

東京12チャンネル水曜日深夜0時四〇分からのサンプラザ中野司会の 「モグラネグラ」ではアジアからの音楽情報やビデオクリップを見ることができる。 今までにフィリピンのスモーキーマウンテンや香港の劉徳華、BEYOND、サンディ・ラム、 張国栄、台湾の林強、羅大裕、中国の崔健、その他マレーシアや韓国の歌手などが紹介されている。 サンプラザ中野がアジアの歌手のことに詳しくないのが難だけど、 中国語を話せるファンキー末吉が中国語通訳をしたりと、今までにない音楽番組になっている。 最近あまりアジアの音楽コーナーが充実していないので 皆でリクエストして充実させちゃいましょう。

ゴッド・ギャンブラー』の監督や制作年度がわからないので、 今までのシネマジャーナルをひっくりかえして見ていたら 十七号(一九九〇年一二月)で、 大牟礼さんが今をときめくトニー・レウンことレオン・カーフェイ(梁家輝)は要チェックと書いてあった。 大牟礼さんの先見の明に感心してしまった。 この間、彼が出るというので『ミスティ』を見にいったけど、 まるで日本のトレンディドラマ+アクションもののようだった。ちょっとがっかり。

本誌「シネマジャーナル」及びバックナンバーの問い合わせ:
order@cinemajournal.net
このHPに関するご意見など: info@cinemajournal.net
このサイトの画像・記事等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。
掲載画像・元写真の使用を希望される場合はご連絡下さい。