女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
25号(1993.4)   pp.49--51

映画 LIVE HOUSE “この映画をチェック”


  『ポリス・ストーリー3
  『ドラキュラ
  『ボディガード
  『ザ・プレイヤー



このコーナーでは、配給会社が眉にツバつけて(?)売ろうとがんばった(ている)映画を その映画のキャッチコピー(茶色表示)もつけて わたしたちが独断と偏見でチェックします。

思わず涙してしまう感動ものあり、頭にくる映画あり、どうにかしてくれ〜としか いえない映画あり。

あなたのチェック度はいかがですか?

ご意見・参加をお待ちしています!!!!!




ポリス・ストーリー3

危険率120%
生還率0%
彼らはいま、死線を越えた・・・

あまりに面白すぎて90分の作品が30分くらいにしか感じず、あっという間。 ジャッキー・チェンはいうまでもないけど、なんといってもミシェール・キングがすごい!! かっこいい!!ステキ!!憧れちゃうなあ。 いくらスタッフが付いてるっていったって 数あるそれこそ200%の危険率のアクションを見せてくれるんだもの。 久しぶリに彼女を観たけど、元から美人だけどさらにぐっと色っぽくなった気がした。 よくアクション女優っていうとシンシア・ラスロックなんかの名前がでてくるけど、 ミシェールのほうがきれのよさで、彼女たちよりずっと魅せてくれる。

よくお目にかかる悪役俳優のユン・ワー(観ればあの人だ〜ってわかります)、 ケン・ツァン、こっちもレギュラーのトン・ピョウ(どちらもよく出てる人)もそして、 マギー・チャンもみ〜んなハナマル。スカッとすること間違いなしです。

(Y)
(スタンリー・トン監督作品)






ドラキュラ

これほど恐ろしく、これほど妖しく、
コッポラが創り出した衝撃の世界

期待外れ料をもらいたい! 前売券代の千四百円以上に私の期待度は、大きかったんだぞ! 筋の運びはチンタラしてるし、気色悪い場面がいっぱいあるし。 コッポラってゲテモノ趣味なんだなーと再認識(『地獄の黙示録』の牛とか、 『ゴッド・ファーザー』の馬とか前からあったでしょ)。 串刺しのシルエットが気持ち悪かった。

それにドラキュラに全く魅力がないんだもの! ゲイリー・オールドマンみたいな地味めの性格俳優には、 こんなおどろおどろしいコスチューム・プレイは似合わない。 彼は一見平凡な人間(オズワルドとか『プリック・アップ』)とか) の妖しさや怖さを出せる人。使い方を間違えている。

期待のキアヌは反対にコスチューム・プレイに向いても、 役が大マヌケでみっともない。 アンソニー・ホプキンスの教授も大して役に立たない。 ケアリー・エルウェス、 ビル・キャンベル、リチャード・E・グラントなどのキレイどころも見せ場ないし。 トム・ウエイツはわけのわかんない役だけど、目立ったからまあいいか。

でも忘れてはなわないどっちらけの第一の原因は、ドラキュラの犠牲者ルーシーという役。 この女が昔のナンシー・アレンにそっくりなんだけど、やたら色情狂なの。 ナシシー・アレンも一世を風歴したことだし、男の人ってこういう小悪魔タイプがお好きなのね。

(雀)
(フランシス・F・コッポラ監督作品)






ボディガード

一番好きな人と観にきて下さい。
ケビン・コスナーがすべての女性に贈るプレゼント

アメリカでは26歳以上の女性にターゲットを絞って宣伝を展開したらしいけど、 まさに大甘のラブストーリーでした。 それにしてもケビン・コスナー作りすぎじゃない。 こっちでも気恥ずかしくなるくらいに男の本当のかっこよさはこういうもんだって強調してたよね。 でも強調しすぎてぜんぜんさりげなさを感じなかった。 いくら映画は作り事の世界ですっていったってあんなボディガードいるわけないでしょ。 で、どうしてラストがああなっちやうの? へんなの。 へんといえぱ『用心棒』の引用も唐突。 用心棒=ボディガードなんてすごくつまらないギャグを聞かされた時みたい。

これはラブロマンスものですからといわれちゃおしまいだけど、 もうひとつの見せ場になるサスペンスが素人でもすぐわかっちゃうくらいお粗末で、つまらない。 元シークレットサービスの男っていう点からみたら『ラスト・ボーイスカウト』 のブルース・ウィリスのキャラクターのほうがぐっときたなあ。

まっ、本職じゃないからホイットニー・ヒューストンの下手な演技はしょうがないとしても、 やっぱり歌はよかったね。そう、これだけは得した。

(Y)
(ミック・ジャクソン監督作品)






ザ・プレイヤー

映画は
能なしと殺人者によって
つくられる

ティム・ロビンスは童顔だが、悪にも転べる顔付きをしている、 だから彼の演じたグリフィンも善人なのか悪人なのか判断が難しい。 イヤな奴だけれど、彼が脅迫される場面では我々も一緒に恐がってしまう。 《新人類》といっておけばいいのだろうか。 そういう意味ではグレタ・スカッキの役もよくわからない変人。 グリフィンが誤って殺した恋人の葬式に上から下まで白づくめだし、 警察が容疑者扱いしているのに彼を全く疑わない。 あれじゃあ殺された恋人が可哀相。

グリフィンのライバル重役のピーター・ギャラガーにセクシーな魅力がある。 この人『セックスと嘘とビデオテープ』のイヤな夫のイメージが強いが、 本当は知的な人かも、ウーピー・ゴールドバーグが刑事役で意表をついている、 それにしてもアメリカの女性って皆ああなのかしら、職場でタ○ポンを振り回すなんて!

豪華な実名ゲスト出演の中でさすがにアンジェリカ・ヒューストンとシェールが貫禄。 ミミ・ロジャースとゲリー・ビジーを見付けられなかったのが悔しい。

(雀)


アルトマンの作品をみ〜んなは観てはいないけど、彼の作品は私には相性がいいみたい。 う〜んキャッチコピーにはまいった。『危険な情事』じゃないけど、 プレミアの反応がいまいちだからって、製作者側の意志も無視して、 いとも簡単にラストシーンをかえちゃうハリウッドの能なしっていったい…。 それにヒット作のいいとこ組合せてごまかしちゃえなんて、 平気でいってのけちゃうなんて信じられない。

確かに『自転車泥棒』って名作。時間も時間だったからかもしれないけど、 この作品やってた名画座ってやけに空いていた。 アメリカでも名画座って斜陽なのかな。 全然関係ないけど、そこのところちょっと聞いてみたいなあなんて思った。 アルトマンの映画観てると何かしら映画のタイトルが出てきて 彼の映画の趣味がわかるっていうのも楽しみ。 『ウエディング』では、確か『蝿男の逆襲』を口走っていた気がするが。

ほんと目がまわるくらいいろんなスターが出てきてうれしかったけど、 ティム・ロビンス夫人のスーザン・サランドンがピーター・フォークと並んで きちんと顔を見せてたのにもニンマリしちやった。 それにぐっと恰幅がよくなったジェフ・ゴールドブラムにもびっくりしたなあ。 アンディ・マクダエルに「なにも日本の映画に出なくたって・・」 っていう台詞を投げ掛けてたのにも笑ったなあ。 ズバリそれって『ルビー・カイロ』のことなんじゃないの。

でもこの作品で一番のおバカさんはやっぱりジュリア・ロバーツでしょう。 思いっきリバカにされてたもんね。でもわけもわからず?!生き生きと死刑囚を演じてた彼女。 しかし、ついでにブルース・ウィリスとは言いません。私、彼のファンなので。 あともう一人のおバカさんは銀行の頭取かなんかのドラ息子で 勝手にプロデューサーの部屋に入りこんでは、新人女優のプロフィールをみて、 片っ端から電話を掛けてガールハントをしているプレイボーイ。 ほんの添え物のような人だったけど笑ったね。

(Y)
(ロバート・アルトマン監督作品)



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