女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
37号(1996年6月発行)   pp. 58 -- 63
(2002年1月、みくにさんによる補足あり)

伊能静インタビュー

映画も音楽も悔いのないものを

みくに 杏子

 台湾のサブカルチャーに少しでも興味のある人なら一度は彼女の名前を見たことが あるだろう。伊能静(いのうしずか、北京語読みではイー・ノンヂン)。 戒厳令解除の直後に登場した台湾アイドルの草分け的存在だ。もう随分前から 彼女の日本デビューの噂は流れていたが昨年秋ごろから本格的に日本での活動をスタートさせた。 アイドルとは言われたものの、聞くところによると新聞にエッセイの連載をしていたり、 本も書いたりと日本のジャリタレとはずいぶんと違うらしい。そんな話を聞くうちに 会いたい気持ちが頭をもたげてきた。主演映画『好男好女』では 日本語のセリフもこなした彼女、10代の大半を日本で過ごした経歴を もっているという情報もある。中国語はわずかな単語しか知らない私だが、 彼女の日本語の語学力に甘えさせてもらってのインタビュー、 という夢のような時間を得たのでご紹介しよう。


みくに (以下「」)  『好男好女』が最初の映画だと紹介されるこ とが多いようですが、あなたはトップアイドルとしてやってきたん だし、何本か出ていてもおかしくないと思います。テレビドラマも 含めて、本当のところ、演技の経験はどうなんですか?

伊能静 (以下「伊能」)  いつもスペシャルゲストとしてちょっと顔を見せるだけ。映画1本、 ドラマ1本出たけど、本格的な演技はやったことがないんです。私は映画がとても好きで、 映画出演をとても大事に思ってます。映画はワンダーランドだから壊さないように しないと、って。だから、台本は読んだんだけど面白いものがなかったから ずっと断ってたんです。なかにはアーロン・コック(郭富城)とか アンディ・ラウ(劉徳華)とかと一緒のけっこういいキャスティグの話もあったんだけど、 でも、自分自身のキャラクターが面白くない。やるんだったら面白いキャラクターが やりたいし。『好男好女』の時、私ははっきり言って演技はやったことないし、 できるかなぁって不安でした。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督も、 この子できるかなって。お互いにちょっと不安な状態で、とりあえず 頑張ってやりましょうという感じだったんです。

 侯監督と一緒に仕事をしてみてどうでしたか?

伊能  侯さんの映画では役者さんは道具みたいなものってまわりの人がよく 言ってるんですよね。だけど、一緒にやってみたらそんなことない。 とてもいろんな空間をくれました。一緒に話し合いながらキャラクターを 発見するような部分もいっぱいあったし。
 でも、侯さんの映画ですごく有名になる役者はまずいないんですね。 だいたい侯さんのほうに注目がいってしまうから。だから、台湾の事務所は 最初ちょっと反対してたんです。芸術的な映画だからアンディ・ラウみたいな 三、四000万くらいの売上はぜったい無理だし、 見る人も私のマーケットじゃない人が多いからって。

 そのかわり、侯監督ぐらいの人の作品だと世界中の、中国系じゃない人だって 見てくれる可能性があるじゃないですか。

伊能  私、そこまでは考えなかった。そこまでの余裕はなかった。 壁にぶつかって……。私はずっとアイドル生活だったし、他人の経験を 自分のことのようにするのは本当に初めてだから、台本の勉強だけで頭が混乱しちゃって、 カンヌに出るとかって考えてなかったんです。映画祭が終わってから、 侯さんはこんな偉大だったのねって感じたくらい(笑)。いつもそばにいてくれてるし、 会話するときも少年ぽくて、イタズラもいっぱいあったから、本当に経験豊富な 尊敬している先輩って思ってたから。この人の映画に出ればどうなるって考えてなかった。 結果的にはトクしたな(笑)。

 けっこう難しい役でひとり何役もという感じでしたよね。

伊能  冷静に3人を演じることが大事なんだって、最初からわかってました。 ひとりだけど3人キャラクターがいて、だけど、ふつうに成長する過程を演じないと、 見ている人が「この人三重人格じゃないか」って変に感じるはず。 だからすごく難しかったんです。脚本の朱天文(チュウ・ティエンウェン)さんと3人で 何回も話し合いました。

 それぞれの女性についてはどうとらえていたのですか?

伊能  さっきも言ったんですけど、いろいろなことを考える余裕がなかった。 相手が偉い監督さんとか、この映画だったら注目されるとか、脱アイドルとか、 はっきり言って考えてなかったんです。
 それはなぜかというと、まず、40年代の台湾のあること(編注・白色テロ)がショックで。 学校教育では出てこなかったから全然わからない世界で、でも自分の生きてる歴史でしょ。 すっごいショック。でも、それで母の世代の苦労がわかってきたんです。 そんなふうに、最初から(この作品から)受けることはいっぱい。命の意味とか、 なぜ人間はこの世界に来たとか、なぜ苦しまなければいけないのか、苦しんで 最後は死ななきゃいけないとか、そういうことで頭の中がいっぱいになっちゃって。 そのころは、電話も切ってFAXしか受けない状態にして、で、 2ヵ月間どこにも行かなかった。 毎日、家で40年代についての本を読んで、あと侯さんと朱さんと会っただけだった。 体重も42キロくらいに落ちてガリガリになっちゃった。そんなだったから、 クランクイン前からマスコミがいろんな噂を書いていたみたいなんです。 私は後から知ったんだけど「伊能静、映画のためにクリア状態」とか「拒食症」とか。 クランクインの日は秋、11月。この日に40年代の洋服を来て記者会見をやったら みんな驚いた。すごい痩せていたし、髪の毛もバサッと切っちゃって昔の人みたいに きれいにまとめて、別人みたいだったから。自分は勉強が好きだから、 1年位いろんな準備っていうか映画のための勉強してて本番に入る前にそういう生活で なりきってたわけです。で、映画撮り終わったら引っ越ししちゃった。 私にとっては大きな人生のステップになった作品なんです。

 私たちはあの映画を見て初めて白色テロを知ったようなものなんですが。

伊能  私が白色テロを知った最初は映画じゃない。本を読むのが好きなんですよ。 いつも侯さんと朱さんが面白い本を紹介してくれる。で、朱さんから 「いい本を発見した」って手紙が来たんです。ちょうどそのときロンドンに 一カ月半の留学中で、そこで受け取った本が30キロくらい。「白色テロ」もあったし 「共産主義」とか、マルクスとか今まで触れたことがないものを一気に送ってくれた。 学校が終ると、川のほとりの氷屋さんで読みながら涙でボロボロ。
『好男好女』の原作は「幌馬車の歌」っていうんですけど、白色テロ、 228事件って言ったら難しそうな本って思うじゃない。でも私はすごく単純で ラブストーリーとして見てたんです。愛し合ってる男女が自分の国の理想のために、 大きな愛のために自分のすべてを投げる話として読んで、自分もこうやって 燃えて生きたいなと思ったんです。だから、感動しちゃって。このふたりの生き方は すごくステキだし、今の私たちにはできないかもしれない。
 だから『好男好女』もそうやって見てもらいたいんです。台湾の背景がわからなくても ただその女性の愛に感動すればいいと思うんです。私なんか5回くらい見てますけど、 毎回泣くんですよ。侯さんには「自分の映画で自分で感動するのは珍しい」 って言われるんです。ふつうなら撮影中のやりとりとかを思い出して笑うほうが 多いじゃない。なのに、私は毎回泣く。しかもボロボロ。自分で演じてるときは わからなかったこの人の生き方が、“好男好女”という意味が すごくわかってきたんですよ。ヤクザの女でマリファナを吸うし、水商売をやってるし ??実際に子供を堕ろしたシーンもあったんだけど、これはカットしちゃったの?? 実際そういう女だけど、でも、野獣な(編注・ヤクザな?)世界で頑張って生きるじゃない。 自分の愛を守る。それと40年代の自分の好きな人の理想を支えるために、 苦労を耐えて生きる女性、そのふたりを、ある面ではこの人がいい女性で この人が悪い女性って思うものだけど、頑張って生きる人はいくらハイクラスでも 低い人でも好男好女だなって後で見てわかってきた。 だから、今見てもすごく感動するんです。

 カンヌでの反応はどうでしたか?

伊能  日本人とアメリカ人とフランス人と中国の人がみんな一緒に見てたんですね。 映画が終わったら、アメリカ人とフランス人がボロボロボロボロ泣いてて、 止まらないくらいに大きな拍手を。だけど、日本人と中国の人は (腕組みして考え込むポーズ)。あとでアメリカの人に聞いたんですよ 「なぜそんなに泣いたんですか」って聞いたら「あの女性みたいに、 愛の為に頑張って生きる女性は今いないんじゃないかなって感動したんです」って。 あんまり深く考えちゃうとわからなくなっちゃうんですね。 東洋人は戦争やいろんなことがあったから日常が重い。だから、 東洋人はすぐひとつのシーンにひとつの意味って分析しちゃうわけ。 でも私たちの世代の人は単純。そんな苦労はしたことないし。だから何回見ても感動する。 いつも言ってるんだけど、この映画は若い人に見てもらいたい。 しかも単純に見てもらいたい。その後、白色テロに対する勉強になったらいいんだけど、 勉強にならなくても自分の人生で少しでも勇気を出せるようになればいいんです。



 この映画を撮った後でも侯監督と撮ったんですか?

伊能  そうです。『南國再見、南國』(邦題:憂鬱な楽園)っていう映画。

 こちらはかなり違った映画?

伊能  そう。Y世代の人を撮ってる映画だから。演じてるときは、 自分の役はY世代の人なんだと思いました。X世代の人ってかわいそうなのね。 Y世代だとすべて新しい。X世代の人は昔の教育を受けて、新しい世界も踏んでる。 だから、両立しなきゃいけないといつも思ってる。Y世代の人は、 お父さんお母さんと一緒に住まないことが当たり前。でも、X世代の人は、 お父さんお母さんと一緒に住んだほうが親孝行だとか、兄弟とか友達とか情が強い、 感情を重視している年代なの。だけど、Y世代の人だったら、生まれてから ずっとこういう時代だし、お金が大事、お金があったら楽しくすることが大事、 人生は短くていいから楽しくやりましょうって。だから、稼いだお金は全部遊んじゃって お家なんか買っても意味ない。だけどX世代の人はちがう。 未来のために稼いで貯金してお家を買ってとか、ふだんが重いんです。 (編注・台湾での世代の表し方。X世代=二〇代後半位、Y世代=二〇代前半位)

 かなり違う気持ちで演じることができた?

伊能  最初は抵抗がありました。私はX世代のギリギリY世代までいく人だから、 Y世代には好きじゃないところいっぱいある。好きな人だったらすぐにSEXができるとか、 楽しければ人生はそれでいいとか、どうしようもない世代って思うところがある。 めちゃくちゃ短いミニスカートを履いて、ピリピリして、歩くのも食べるのも汚くて、 とにかくだらしない。で、それを演じるために勉強に行ったんです、 クラプとかディスコとかカラオケボックスとか。そこでその子たちと一緒に話をしたら、 認識が変わりました。自由に生きているし、冷酷なところはあるんだけど、でも、 世界を平和にできそう。すごいパワフルな世代だってわかってきました。生命力も強い。 私もそんなエネルギーをもってたらいいな、どんどん燃やしていきたいなって うらやましくなってきちゃったんです。
 『好男好女』のときは母の世代がわかってきたんだけど、『南國再見、南國』 のときはこれからの自分の子供とかの世代がわかってきた。 去年1年は私にとってはすごい激しい1年だったのね(笑)。

 なんか話を聞いていると、日本も台湾も変わらないですね。

伊能  変わらない。アメリカもそう。Y世代の人は猫みたい、コンピュータみたいだって よく言ってる。コンピュータはインフォメーションがいっぱいあるんじゃない。 で、オープンしたいときオープンして、クローズしたいときクローズする。 オープンしたらすぐいろんな情報が出てくる。今の若い子みたい。私もそうだけど(笑) コンピュータ自体は感情がない。だけど、安全。裏切らないし、会いたいときは 必ず会える。だから若い人たちはインターネットとかコンピュータが好きなのね。 友達と付き合うと裏切りにあっちゃうかもしれないし、私の後ろで悪口とか 言うかもしれないし。人間関係が面倒臭い世界になってるから、コンピュータは 絶対味方だと思ってるんじゃないかな。
 Y世代は猫性もすごくある。猫は好きなときはじゃれるんだけどイヤなときは 隣で冷静に見てる。例えば、イギリスの新聞に出てたんだけど、 おばちゃんが死んじゃったら育ててた16匹の猫がおばちゃんを食べちゃったわけ。 餌をくれないから。すごい冷酷って思うんだけど、でも人間もそういうもんじゃないかと 思います。ギリギリになると、生きることしか頭のなかに入ってない。猫ってそう。 だから、新しい世代の人はそういう残酷なところがある。それは私にもあると思う。 たとえば、恋するとき ?? 特に私たちの世代の人は一瞬を燃やしちゃうんだけど、 イヤになっちやったら切るのはキッパリ早いんじゃない? 最近、日本のテレビを見たら そういう愛情があるじゃない。女の子が今の彼氏と別れて2番の人と付き合う というようなドラマをテレビで見ててすごいなぁと思ったわけ。 昔は、夫婦が会うことができなくてもどうやってお互いを合わせるかって努力しながら 最後まで一緒だったんだけど、今の人は楽しくあればいいという猫世代に なってるんだから。はっきり言って、結婚まで考えてないんじゃない?

 うーん。そうですねえ、

伊能  でも、私は好きなんだ、そういう無情な世界が。いちばん最初、原始時代の 大地の人に近い。昔むかし昔、地球が始まったばかりのとき、男の人は外で女に会ったら 棒でコンって叩いて(笑)倒れた女の髪の毛を引っ張って自分住んでる穴に連れてって、 そうして子供を産ませる。いちばん最初、人間はそうだった。現代はそれに近い。
 40歳とか50歳の人がよくY世代の子はイヤだなって言ってるじゃない。でも、 Y世代がそういうふうになってるのは、大人がいけないのよ。はっきり言って、 それは大人がくれた世界。テレピで教えてもらったの。私は若い世代が好きなの。 もうすぐ21世紀だし、今度は大人に作ってもらった世界はやめて、 自分の世界を発見することがすごい大事だと思うわけ。

 あなたはこれからの世界を作って、次の世代に渡す立場になるわけですよね。

伊能  そう。特に私の場合だと、アイドルだからある意味では彼らたちの先生みたいなもの。 私のファンは、大人もいっぱいいるんだけど、中学生とか小学生までいる。だから、 一言でも彼らたちに影響するところはあるじゃない。特に、 ファッションですごくわかるんだけど、最近は私、スーツなかっこうが多いんだけど、 ファンもまねしてコンサートとかに着てくるわけ。だから、そうやって見てると、 もし私が「ヌードをやってもいいよ」と言ったら、皆ヌードになるんじゃないかな。 だから、本当に一語一語を考えなきゃいけない。 それにやはり謙遜心のある生き方じやないと。
 ベンツがいいとか、いいマンションに住みたいとか、いいスーツを着ないと 上品じゃないとかって社会から教えてもらってるじゃない。だけど、 それでいいのかなって、私たち、今、考えてるわけです。それを反省して 次の世代にお金だけじゃなくて、地球にはもっともっといいこといっぱいあるよ、 ということを教えてあげないと後についてくる人達がかわいそうですよね。
 私自身は最後まで悔いのない人生を送りたい。たとえば死ぬ前に「あのときは…」 とかそういうのは言い出したくない。映画もそうだし、これからも後悔するっていうことは いくらお金がもらえてもやりたくないわけ。日本でCD発売するのもそう。 後悔のない人生で、いい作品しか残さないつもりでやっていきたいと思ってるんだけど。 でも、まだまだ勉強しなきゃいけないこともあるし、真剣に 考えなきゃいけないことだっていっぱいある。ひとりだけで、 かっこよく生きていけるよりも、みんなと一緒にやっていきたいから。



 去年10月の池袋の舞台(劇団・ショーマと共演の「マスカレード」)でも使ってた 「WITH〜愛に強い人」という曲が気に入ったんで日本盤CDを買ったんですよ。

伊能  ありがとうございます。「WITH」はね、私、とっても好きなんです。私、 愛に強い人だからとっても似合ってる。歌詞のなかにある“この場所”は 日本だけじゃなくて、いつか誰でも天に行くんだけど今はとりあえずここに来てる、 この人生、この地球のこと。人生が私たちに何をくれたのかを聞けない、 その一方で私たちはこの人生に何をあげたのか。すごくいい歌詞だと思います。 何回歌っても気持ちいい。今はここに来て、みんなに好かれて、有名になって、 まわりについてくる人がいっぱいいて、本当にいい人生だなって。 いつも「WITH」歌う時ひとりで感動しちゃう(笑)。 『好男好女』もそう。何回見ても頑張って生きていけるって思える 悲しい映画なんだけどね。人生はいろんなツライことがあるから頑張って 楽しく生きていかなきゃいけないって、この映画からわかってきました。 自分が演じているとは思ってないくらい、いつも真剣に見てるんです。



 気になる映画監督とか共演したい人とかはいますか?

伊能  アジアだったらやっぱり、王家衛(ウォン・カーウェイ)じゃないかな。 役者の深い心理をわかって演じさせてるんだけど、実はその人の一部分というところが とても素敵だと思える。演技してるときだけじゃなくて、それ以外の自分も 発見できそうな監督さんなんですよ。映画に出てすごい話題になるよりも、 自分の人生の一部分として勉強になったかどうか、楽しかったかどうかのほうが 私には大事だから。日本の監督さんとも一緒にやってみたい。たとえぱ、林海象さん、 あと『幻の光』の監督・是枝裕和さん。面白かったらコメディもやってみたいな。

 音楽活動のほうはどうですか?

伊能  音楽はずっとやっていくと思います。音楽は自分でコントロールできるし、 すごく私的なものだから。最近は作曲もしていて、7月発売の北京語盤は自分で プロデュースもやりました。映画は、30歳になるまでに、もう一本『好男好女』 みたいないい作品に気持ちよく出たいな。



彼女に会ったのは『好男好女』のビデオ&LDリリース(パイオニアLDC) を約2ヵ月後に控えた3月末。始終饒舌というか雄弁な彼女だったが、 この時点では『南國再見、南國』は編集が終了していなかったこともあって、 完成した作品については語ってもらえなかった。5月のカンヌには出品したそうなので (残念ながら賞はナシ)、いずれ日本でも公開されることだろう。 個人的には東京国際映画祭でティーチインというのを希望するのだが…… また、侯監督に質問が集中してしまうのかな、もったいない。



以下は補足。「WITH」について文中では著作権を考慮して歌詞を割愛した。 収録アルバムのタイトルは「ANNIE」、6曲入り、Ajaレコードより2000円。 女性歌手だというだけで彼女を敬遠する女の方もいるようだが、 全曲日本語のこのCDは、男性よりも女性に訴えかけるところが大きい。 親友に励まされているようで元気が出るアルバムだ。



2002年1月補足分
「WITH」は、その後、1997年4月発売の日本語盤フルアルバム「Annie The First!」 (ビクターエンタテインメント、VICL-60026)にも収録され、また、 1996年にワーナー・ミュージック台湾からリリースされたアルバム 「自己」にタイトル曲として北京語版が収録された。






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