女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
35号   pp.94 -- 95

張學友(ジャッキー・チョン)来日記者会見



 この夏に香港で34回のコンサートを行い、そのあと休む暇なくオーストラリアを 皮切りにハードなスケジュールの中、ワールドツアーを回っていた張學友。 中国と商売する為には、彼の歌を1曲ぐらい歌えないと商談がまとまらないと 言われているほど多くの人に浸透しているので、世界中の中国人がどんなに 彼のコンサートを待っていたのかが伺い知れます。そしてそのワールドツアーの 一環として12月20・21日に日本でもコンサートが開かれることになりました。

 ワールドツアーは主に中国人を対象としていたわけですが、今回の日本の コンサートでは中国人ばかりでなく、日本のアジアミュージックファンの為にも コンサートを開きたいと香港側のプロデューサーも語っていました。 夏のコンサートに多くの熱心な日本人ファンが詰めかけたのも大きな要因のようでした。

 コンサートを前に12/18に来日記者会見が行われました。皮のジャケット、パンツ、 手袋と皮づくめで登場した學友。少々緊張しているように見えましたが、
「コンニチハ。オゲンキデスカ? ニホンゴデコンサートガデキテ、トテモウレシイ。」
と、まず日本語の挨拶から始まりました。以下、學友は流暢な英語で質問に答えてくれました。
「日本でコンサートができることをとても楽しみにしています。20日と21日は全力を つくして一生懸命歌いたいと思っています。」

—— ワールドツアーで何か印象に残ったエピソードがありますか?
「フィリピンでのコンサートの時に来てくれたのは全部中国系の 人だったのですが、私が北京語で声をかけて返事をしてくれたのはほんの僅かの人でした。 次は広東語で声をかけたのですが、返事をしてくれたのはやはりほんの一部。 大半の人はなんと中国語がわからなかったようで、大変びっくりしました。 カナダでのコンサートではみんな中国語がわかったのでとても楽でした。 今回日本でのコンサートは日本人が多いと聞いて少し緊張していましたが、 来る前に6時間ぐらい日本語を勉強したので(笑)、おそらく大丈夫だろうと 思います。ステージの上に通訳の人はいないのでがんばりたいと思います。」

—— いつ頃から日本でのコンサートを考えていましたか?  また、これが成功したら他の香港歌手も日本でコンサート等の活動をするように なると思いますか?
「香港のコンサートの時からずっと計画はしていたのですが、それは ワールドツアーの中に組み込まれていたものです。でもこのコンサートは私を含む 香港人の歌手にとっても、とても大事なものだと思います。プレッシャーを感じながらも 頑張りたい。これをきっかけとしておそらく他のアーティストも日本でコンサートを やるだろうと思います。」

—— 日本でリリースされた最新アルバム『三年兩語』 (『グレイテスト・ヒッツ』)について教えて下さい。
「このアルバムは3年間でヒットした曲を集めたもので、 中国語と広東語のふたつの言葉のヒット曲のベストアルバムをリリースしました… あとはお金を稼ぐだけです。(笑)」

—— 今年は1本の映画だけしか出演していませんが、 今後歌手に専念されるのですか? それともこれからも映画の出演は続けるのですか?
「来年は2本の映画の予定がありますが、おそらく私が出演するのは 1本だけだと思います。とにかくいい映画を選んで出演したいと思います。」

—— 映画の仕事と歌の仕事をする時の気持ちの違いや 共通点がありますか?
「どちらも一生懸命やらなければならない仕事です。 映画はとてもチームワークが大事だと思います。プロデューサー、脚本家などと たくさんの人にサポートしてもらわないと成り立たないものです。歌手ももちろん プロデューサーやミュージシャンなどをたくさん必要としますが、ステージの上に 立てば私一人でしか歌えません。一人で頑張っていくという気持ちがとても好きで、 そんなチャンスがある歌手という仕事を大事にしたいと思っています。」

—— これまで出演された映画の中で自分の好きな作品を 3つ教えて下さい。
「まずひとつは『いますぐ抱きしめたい』、この時から、 うまく演じられるようになったと人から言われるようになりました。もう一つは 『スウォーズマン』、これはとてもアジア的な映画で好きです。それから もう一つは『辣椒』これはコメディでとてもおもしろかった。」



 わずか20分ぐらいの短い会見でしたが、歌に関することから映画のことまで、 どんな質問にも一つ一つ丁寧に答えてくれて、アジアのスーパースターの一面に 触れることができました。

 日本のコンサート及びヨーロッパでのワールドツアーに関する濃いレポートは 次の号に掲載する予定です。乞ご期待!!

(以上 志々目・羽原)

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