女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
28号 (February 1994)   pp. 23 -- 31
★この記事は1994年2月に発行されたものを 保存資料としてそのまま掲載しています。 現在の状況とは異なる点も多くあるかもしれません。 現時点での状況の変化などを一緒に載せたいと思いましたが、なかなか 調査の時間がとれません。 最新情報をぜひシネマジャーナル編集部にお寄せ下さい。
ビデオ店などの一覧表

気になる!観たい!
中国語圏の映画が見つかる?!
ビデオ店を紹介

地畑寧子

■ 中文書店

留学生向けのビデオ店が香港通信に掲載されているのをスタッフの宮崎さんに教えてもらい、 さっそく自宅から近場の池袋に出掛けてみました。まず訪れたのは中文書店。 池袋駅北口からすぐのGEOという日本の普通のビデオ店のとなりのビルの九階の一室がここ。 店員さんは日本語の通じる人とほとんど通じない人と様々です。 いずれにしろ初めは北京語で話しかけられますし、 会員力ードをつくるときなどは話をしなければなりません。 でも、中国語を話せなくても知ってる英語や中国語を羅列して、 身振り手振りで話せば大丈夫。私のときは幸い日本語の通じる上海人の女性でした。 初めに言っておきますが、どうやら中国語圏のビデオ店は日本のビデオ店と システムが違うらしく、総じて入会金と保証金が高いようです。 保証金は脱会の時に返却してくれるそうです。この分の領収書は書いてくれますので、 大事にとっておくといいと思います。

さて品揃えですが、この中文書店ははっきりいってビデオの本数は少ない。 しかもほとんどの香港映画が北京語吹き替えなので、映画で広東語を勉強したいとか 俳優の生の声を聞きたいという人にはあまり適していないかも。 でも、取り合えずどんな作品なのかと観るにはいいでしょう。

映画はなんと三倍速で120分テープに三本入っているので、お得であることは たしかだけれど、画質は保証できません。レンタル期間はだいたい二週間で一本500円。 ちなみに私が借りたのは、『超級学校覇王』と『偉小寳93年摩登闖情関』 (トニーレオン、ベロニカ・イップ主演) 『天長地久』の三本の映画が一本に入っているもの。 これも画質ははっきりいって悪かった。当然、日本語字幕はありませんが、 漢字と英語の二つの字幕がついているので、両方を駆使して読めば なんとか意味はつかめます。ただ最初これに馴れるまで、 観るのに時間がかかると思います。参考までに申しますと、この中に入っていた 『天長地久』ですが、93年の東京国際映画祭のファンタスティック映画祭で上映された 『天長地久』とラストの一部分の展開が違っていました。たしか、 ファンタで上映されたものは、老け役のアンディ・ラウの姿は単に後姿だけでしたが、 こちらはしっかりと正面を向いた姿もでてきて、娘と対面するシーンもでてきます。 どちらがいいかは、観る人によってちがうと思いますが、私としては、 少々どぎついシーンもあるけれど、物語をきちっと完結させている点をかって、 ビデオのほうのバージョンのほうが気に入っています。

この中文書店のいいところは、映画に関してはあまり本数はありませんが、 有名どころの俳優が主演の香港のテレビ番組(ドラマシリーズ) がわりと置いてあるところです。映画のビデオもそうですが、 ビデオの背にはタイトルと主演俳優の名前が書いてありますので、 誰の作品かはすぐわかるようになっています。 いつも映画で観ているお馴染みの香港俳優をテレビ画面でみるというのも一興。 私の場合「上海灘」で初めてテレビ画面のチョウ・ユンファをみたとき、 なんだか観てる自分との距離が妙に近いような錯覚をしてしまいました。

で、ものは試しと私が借りたのは、TVB制作の「英雄福星」。 主演はアンディ・ラウと董[王韋]。こちらも北京語吹き替えですが、 字幕は漢字のみ。上記の映画と異なりきれいな?字幕だし、場面転換もあまり早くないので、 北京語の勉強には結構適しているかも。この作品も8話が一本のビデオに 三倍速で入っていましたが、そんなに画質は悪くはありませんでした。 こちらもレンタル二週間で一本500円。 ただし、店員さんによってはシリーズ全部を借りなきゃ一本も貸してあげない! という時もあるようです。その場合は、日本語の通じる店員さんが出てきてくれるので、 話し合ってみて下さい。 それにしてもテレビ画面でみる香港影星というのも悪くないものです。 特にあのアンディ・ラウに関しては、へえ〜こんな役もするんだなあっと ちょっとした発見。ここでは彼は大店の若旦那で少々意地悪な銭日添という役。 喧嘩に弱くて強くなりた〜いと修業をする場面もなんとなくおかしいし、 町に劇団をつくったりするいい面もあって、憎めない男を演じています。 舞台がどうやら20世紀初頭ぐらいらしいので、スソの長い中国服 (品名がわからなくてすみません。女性がいわゆるチャイナ・ドレスを着ている時代です) を着ていて、これが意外にかっこいい。彼は荘静而扮する楚楚という女性を、 もう一人の主役(むしろこの人のほうが主役)、董[王韋]扮する汪小寶と 取り合う展開になるんだけど、巻頭に流れるドラマ場面の挿入をみると彼女は、 ふたりとは違う男性と結ばれてしまうらしいっと、わりと読めるお話のようです。 ちなみに、楚楚役の荘静而は、アンディ・ラウの映画初出演作『彩雲曲』の主演女優。 また汪小寶役の董[王韋]は、映画監督もしている人らしくいろんな映画で動作指導 (たしか『いますぐ抱きしめたい』とか)などもしているようです。 『東成西就』でも WITH SPECIAL THANKS TO に名前が載っていました。 ついでにこのドラマの巻頭に流れる演歌&民謡みたい?な主題歌は レオン・ライが歌ってる(この中で歌ってる人は不明)"恕未從俗"という歌だと思います。

■ 知音録影帯社

中文書店から歩いて二分くらいのビルの四階に知音録影帯があります。 一階は弥生亭というラーメン屋さんなのでわかりやすいです。 3階は中国の食料品売場で、私はここで老酒を買いましたが(特に安くはなかったんだけど)、 上海蟹とかちょっとめずらしいものなんかが雑多に置いてあって (なぜか食料品にまじってCDもおいてある)香港とか台湾とかに行ったことのある人なら、 懐かしい気分にひたれるかも。と階段を昇って4階につくと知音録影帯。 階段から店内までずっといろんな映画やビデオのポスターが貼ってあって 雰囲気づくりはバッチリ。ずばり店内は狭いですが、ビデオの数はすごい。 とくに広東語のピデオが大半なので、香港映画ファンの人には最適でしょう。 北京語版と区別するために、ビデオの背にはタイトルと主演俳優名の他に 広東語のビデオにはスタンプが押してあります。 また、赤色のスタンプで作品の片種を印してあるので、この作品はだいたい どんな内容なのか識別できるようになっています。 ただし、レジ横にずらっと並んでる最新作(かなり新しいです}は、 北京語吹き替えのものが多いようなので、わ〜と飛び付かないで、冷静に? 何語かを確かめて下さい。

この知音録影帯の店員さんはほとんどの人がとても親切です。 日本語もかなり通じる人がいて、わりと気軽に入れると思います。 本数が多いからか、雰囲気がいいからか狭い店内は、お客さんで結構込みあっています。 棚には雑多にビデオがずら〜と置いてありますので、観たい作品、 観たい俳優を決めてから(できたら漢字で書いたメモをもって)行ったほうが 効率がいいかも。メモは店員さんにHELPしてもらうときに助かります。

品揃えは、映画が中心ですが、テレビのものやコンサートのビデオなんかもわりとあって よりどりみどり。ただし、古い(といっても八十年代の初めぐらい)映画は少ないようです。 画質は一応標準で一本のテープに一作入っていますが、あまり保証できません。 同じ作品のピデオが複数あるので、当り外れがある点、留意しておいて下さい。 私のように"とにかく話題作や注目作を数多く観たい!"という人には最適のお店でしょう。 また、一応全部の作品に英語と漢字の字幕がついているとのことでしたが、 ごくたまに全く字幕のない作品も交じっています。私の場合、 初めに広東語が全くわからない日本人なので字幕がないとダメだということを 店長さんらしき人に言っておいたので、借りたいピデオに字幕がついているか確認してもらっています。 ただ、いつも混んでいるので、この場合営業妨害にならないように お客さんの波が退いてから、ゆっくりと確認してもらうようにしたほうがいいと思います。

入会金と保証金に関しては、前述の中文書店とほぼ同じですが、知音は一本200円で、 レンタル期間はだいたい一ヵ月とおおらか。 したがって一度に10本ほど借りていく人が多いようです。中文書店もそうですが、 日本人のお客さんはあまりいません。その分有利な面もあって、 親切な店員さんにちょっとした北京語のショートレツスンをしてもらえることもあります。 (私の場合自分の会員ナンバーの発音が悪くて、直してもらいました。) また、広東語のビデオが多いので、広東語圏の中国人やマレーシアの人の会員も多いようです。 広東語の勉強をしている人はこういう機会にちょっと会話してもらうというのもいいのでは?


ちなみにここで借りた映画で面白かったのはまず、『唐伯虎点秋香』。 ご存じチャウ・シンチーとコン・リー共演の古装もの。彼の作品は、 これを含めてほとんど「○○爆笑」の赤色スタンプが押してあって笑えます。 この作品もまさに爆笑映画。 チャウ・シンチーの役どころは唐伯虎という著名な書家なのですが、 古装もの特有の大仰な演技や、自慢の筆で焼き鳥にたれを塗ったり、 筆技がカンフー仕立てだったり、太鼓?でドラムのプレーをいきなり始めたり、 『フルメタル・ジャケット』のパロディをしたりと、聞きしに勝るハチャメチャぶり。 その分テンポもしゃべりもめちゃくちゃ早いので、 おのずと字幕も画面から飛ぴ出てるほど多いわけで、 シモネタのとんちを言っている場面は、さすがに画面を止めないと意味がわかりませんでした。 それでも、彼は観ているだけで面白い。ラストはいわずもがな、 仇討も果たし愛する人と結ぱれ一挙両得のハッピーエンド。 秋香役のコン・リーも彼女のイメージをくずさず、彼の爆笑演技に渡りあっていて、 意外にもこのふたり息があっていることを発見。

『剣奴』はひそかにファンである莫少聰が主演と知って、確かめもせず借りて観てびっくり。 彼がたったの十分くらいしか出ていないし、広東語の上なんと字幕がない! しかも成人指定。したがって男女のベッドシーンあり、レズシーンあり、 水あげのシーンありで結構Hな作品。(ただし、彼が絡むシーンはない) とはいえ、日本でいうと日活ロマンポルノ程度。端的にいえば、古装ものポルノ。 もちろんストーリーもちゃんとあるし、『チャイニーズ・ゴースト〜』 風の綺麗なシーンもあるし、女優さんもみんな美しい。 日本のレディースコミックもどきの珍作というべきなんでしょう。

そして話題の『人肉叉焼包』。正しくは『八仙飯店之人肉叉焼包』。 香港でこの映画を観た後、肉まんを食べられなくなったという人がいたという いわくつきの映画ですが、噂通り過激な映画でした。スプラッターホラーに弱い人、 心蔵の弱い方は避けたほうが無難でしょう。 そうでない人は一度観ておくと"こんなスゴイ香港映画があるんだよ" などと自慢?できるかもしれません。

主人公の殺人鬼、王志恆は、まさに『羊たちの沈黙』のレクター博士から 知性を引き算したような、狂暴以外のなにものでもない男で、実在の人物。 (ここがまた怖い)したがってこの映画もいわゆる実録ものということです。 王は78年に香港で放火殺人を犯し、罪を逃れるためにマカオに密入国。 そこで名前を変え、八仙飯店に就職。86年には、78年の事件と同じく 麻雀がらみのささいな喧嘩からカッとして、そこの主人をはじめ妻、数人の子供を惨殺し、 バラバラにして捨て、その後ちゃっかり八仙飯店の主人におさまったとんでもない男なのです。 この事件で足がついて警察の捜査が始まってからも、 ささいなことで使用人とレジ係の女性を殺し、その人肉を肉まんのたねにして商売。 ついでに聞き込みにきた警察官たちにその人肉肉まんをおみやげにして渡し、 食べさせてしまうという男。ここまでくると狂人というしかないでしょう。 ストーリーは彼になんとか罪状をつけようと躍起になるマカオの警察の活躍と それに対抗する王の狂気を描いていますが、前述の事件が回想シーンで リアルに出てくるので、途中で止めようにもなぜか必死になって観てしまいました。 結局彼は、警察の思惑の裏をかいて、拘束衣を着せられているにもかかわらず、 カンジュースの蓋を密かに入手し手首を切って、罪状なしのまま自殺するのです。 これじゃ、レクター博士がクリップひとつで逃走したシーンと同じ。 王志恆を大力演した黄秋生(アンソニー・ウォン)が、 『羊たちの沈黙』とこの作品を比較していたわけがわかりました。 ちなみにこの作品の製作はダニー・リー。王を逮捕する捜査主任も彼が演じています。

その他正統派の作品でよかったのは、『棋王』。製作がツイ・ハーク、 製作協力がホウ・シャオシェン、脚本が『天菩薩』のイム・ホーとレオン・カーフェイ。 監督がイム・ホー、主演がレオン・カーフェイとジョニー・シャムと豪華な製作スタッフ。 文革当時子供だったジョニー・シャム扮する男が将棋の天才であるレオン・カーフェイの生きざまに触れ、 大人になった現在、台湾で将棋の天才少年に出会い、彼を回想していくといったストーリーなのですが、 レオン・カーフェイの脆弱そうでいて実はすさまじい勝負師の姿と 才能を大人の世界で乱用されそうになる少年の姿には胸をつかれる思いがしますし、 巻頭とラストに流れる67年当時の華々しい文化大革命の映像は、 レオン・カーフェイ演ずる棋王の行く末と重ねると寒々しい思いがしてきます。 これこそ字幕をしっかり読み取らねばならない作品なので、 もう一度見直してみようかと考えています。 蛇足ながら、ちょい役であの李天祿さん(製作協力がホウ・シャオシェンだから?) も出演してます。

一方大笑いの作品は『東成西就』。製作総指揮はウォン・カーウェイ。 この作品と『東邪西毒』の関係は有名なので省きます。監督はジェフ・ラウ。 ここでは今をときめく十人の影星(トニーレオン、レスリー・チャン、レオン・カーフェイ、 ジャッキー・チュン、ブリジット・リン、マギー・チャン、ジョイ・ウォン、 カリーナ・ラウ、ケニー・ビー、ベロニカ・イップ)が出演していて、 全員がここまでやるか!のおちゃらけ演技を披露して、こんなのあり? とお腹がよじれるほど笑えます。この際ストーリーはどうでもいいです (それに一応古装ものらしいけど、なんだか国籍がマチマチの衣装なんです)。 その中でも特に可笑しいのは、妙に女々しいレスリー・チャンと レオン・カーフェイの絡み。なんとレオン・カーフェイの気色悪い (でも見方によると美しい)完壁?な女装シーンがある!のです。 そして『黒薔薇〜』でも出していた、キンキン声。(歌声は違う人) ここでも彼は自分を捨ててるなっと、観おわった後思わず感慨に耽ってしまいました。 他にもトニー・レオンの6月6日に雨振って〜の絵描き歌みたいなメチャクチャな顔とか (彼の元の顔をしばし忘れてしまった)、ジャッキー・チュンの "我 LOVE [イ尓]"の歌と踊りは、 ただあっけにとられて声も出ないほど。 女性陣もいんちき占い師みたいなマギー・チャンをはじめ、 術を使いこなせずドジを踏むお姫様役のブリジット・リンや 男装?のカリーナ・ラウなどヘンテコなキャラクターばかりで、 可笑しすぎてどうしていいかわからず、ひたすらトホホ…。 感想としては、香港の影星はここまでやるからエライ!の一言です。

その他音楽ビデオではアンデイ・ラウなら「SACHI劉徳華真我的風采、演唱会'93」 (間にCMが入っていたので、テレビ放映されたものでしょう。 それにしても香港のファンの積極的なのには恐れ入るばかり)とか 「93劉徳華熱浪劫爆演唱会」(屋外ステージのコンサートで、 ジョージ・ラムやサリー・イップ、ロザムンド・クアンなど豪華なゲスト出演があったり、 毛筆で書いた自筆の歌詞がスクリーンに流れたりとファンが狂喜しそうな演出もある。 ここでも香港のファンの熱狂ぶりに驚く)といったわりと新しめのものがあります。

他にもいろいろ観ましたが、長くなるのでこの辺で。最後に一言。 ここのビデオはダビングを重ねているので、前の作品の消し残しがあったりして、 思わぬものが観れたりします。(少々貧乏くさい話ですみません) ちなみにアンディ・ラウの音楽ビデオを本編が終ったあとも観続けてたら、 トン・ピョウさんの競馬番組とか、ケニー・ビーやジャッキー・チュンなどの音楽の プロモーション映像が入ってました。

■ アジア映画

日本で発売されている中国語圏の映面のほとんどがあるので (ということは日本語字幕が有る)、見たくても近くのビデオ屋になくて イライラしている人には、超オススメです。『ギャングス』とか『美國心』 『レーザーマン』まで有った! 遠方の方用の長期レンタルもあるので便利 (一週間一本八百円)。店内はせまいけれど整頓されていて見やすいです。 他に沖縄を扱った映画のコーナーがあったり (でも『パイナップル・ツアーズ』がなかった!)、 インドとか東南アジアとかの輸入ビデオ(タイトルが読めない!)もあります。 又、韓国のTV番組のビデオがわんさとあります。面白そうなので見たかったのですが、 ハングル語がわからず字幕もなしではお手上げ。 ハングル語を勉強している人には最適でしょう。

でも一番うれしいのは香港のTVBの歌番組のビデオがぞくぞく入荷されていること。 なぜかいつも大半がレンタル中で人気商品になっています。先日やっと借りたのは 「星光[火習][火習]耀保良 GALA SPECTACULAR 93」 これっていわゆる香港の紅白みたいなものらしいのですが ラストなんかぜーんぜんまとまっていない。 でもいいかって感じです。出場した人はアンディ・ラウ、トニー・レオン、 サリー・イップ、ジョージ・ラム、ヴェロニカ・イップ、アラン・タムなどなど 俳優兼業の人が大半なので、別に歌に興味がなくても楽しめます。 で、司会はドゥドゥ・チェンと陳百祥ともうひとり。広東語がわからない (もちろん字幕もない)ので、ドゥドゥ・チェンら三人のおしゃべりがすごくて、 単なる雑音にしか聞こえなかったのは残念。でも身振り手振りだけでも面白いし、 だいたいわかります。中にはよく雑誌で見かける若手歌手が期待を大きくはずして下手だったり、 女性歌手でえらくうまい人がいたりと大発見。 特にアンディ・ラウとトニー・レオンのファンの方は彼らが何曲か歌っているので、 うれしいかも(二人のデュエットもある)。

このビデオの他にもアンディ・ラウだけのとか、チャウ・シンチー& ウー・マンタツさんが出ている番組とか、ジャッキー・チュンや ケニー・ビーが出ている音楽番組とか十余本有ります。画像はダビングでないからきれい。 パッケージもありますから品選びに役立ちます。




中国語圏の映画情報を得られる場所をチェック

宮崎暁美

昨秋アジア映画専門のレンタルビデオ店 アジア映画 がオープン。 また、中国のTV番組専門のレンタルビデオ店 龍影 も十二月にオープンした。 開店まもない二店の他にも池袋には中国系の留学生や就学生向けのレンタルビデオ店が結構ある。 それらの店を何軒か訪ね表にしてみたので参考にしていただけたらと思います。

アジア映画 は中国語圏の映画をはじめ、日本で発売されているアジア全域の映画をカバーし、 普通のレンタルビデオ店では置いていない貴重な作品が多い。 輸入ビデオも小量ではあるけどベトナムやカンボジア、ビルマの物まである。 韓国のTV番組のソフトは五五〇本もあるという。 タイの映画ソフトも増やしていく予定と、店の人は言っていた。 日本映画は『人間の條件』『戦争と人間』なんてのもあったりしてなかなかのこだわり。 そして地畑さんも書いているように、なんといっても香港映画のソフトが充実している。 日本で発売されている香港映画の他にTVBのソフトを毎月十本程増やしていくとのこと。 仕事場から近いので昼休みに何回か行ってみたけどTVBのソフトはレンタル中のことが多い。 とにかくこれからの充実がとても楽しみなレンタル屋さんだ。

龍影 は十二月にオープンしたばかりで品揃えがまだまだこれからだけど、 毎月五十時間づつ増やしていく予定とのこと。中国テレビ連合という 中国の国営放送の日本総代理ということで、画像もオリジナルだからキレイ。 国営直通だと硬い番組ばかりかと思ったけど意外にそうでもなく歴史ドラマ、現代ドラマ、 ドキュメンタリー、バラエティ、歌番組など硬軟取り混ぜてあった。 バラエティ番組をちょっと見せてもらったけど『さらば、わが愛〜覇王別姫』 で張国栄(レスリー・チャン)の相手役をやった張豊穀(チャン・フォンイー) が司会をしていたのがあって、彼はこんなこともこなせるのか、と発見をしてしまった。 また昨年九月に中国で放映され、六〇%を越える視聴率をあげ話題になった 『北京人在紐約(ニューヨーク)』も一月には入る予定と言っていた。 これには『芙蓉鎮』『紅いコーリャン』に主演した姜文(チァン・ウエン) がチェロ奏者の役で主演している。何故知っているかというと、 なんとこの番組は中国語教材としてもうビデオ化されていて、 姜文ファンの私としてはさっそく買ってしまったのだ。九月に中国で放映され、 十二月に日本でもうビデオ化されたというのは前代未聞のことではなかろうか。 それだけ情報伝達が早くなっているということだろうけど。 柳の下の二匹目のドジョウを狙って『上海人在東京』というのを作ろう、 なんて話もあるとかないとか。

池袋北口には日本に来ている中国系の人たちを対象にしたビデオ店が何軒も出現している。 特に北口を出てすぐの所にあるオリエントビルの中には四〜五軒も入っている。 雑誌などで紹介された映画でも日本では見ることができないという作品などは これらの店に行くと意外にあったりして、私も長いこと見たいと思っていた作品が これらの店にあることを発見した。時間がなくてまだ見ていないけど、 あるのがわかったのでまた後の楽しみ。ただしこれらの店のビデオは 日本語字幕は当然ありません。

レンタルビデオ屋さんではないけど 香港電影船 は香港映画と中国語圏の映画情報が満載されたSHOP。 また、穴場は 中国情報センター。 平日の五時までなので勤め人には利用しにくいけど、中国映画をはじめ 中国に関するビデオソフトを無料で見ることができる。 訪ねることができなかったけど、その他、 サンセット国文商事逍遥映像三友商事豊葉実業西本商事 などがある。



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