女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
27号   pp. 18 -- 22

ちょっとSHOT

(このコーナーでは映画に関する皆さんの“何でも一言”をお待ちしています)


ボブ・ロバーツ』、私も観ました。日本でも北野武あたりが選挙をパロッた映画 つくらないかな。ただし、伊丹だけはカンベンして! 〈おたかさん贔屓〉





祝!ダニー・リーの『聖戦』がやっと放送されましたネ。思い返せば一回目は前日?に A・ヘプバーンが亡くなって『初恋』に早替わり。二回目は前日に?笠智衆さんが亡くなって 『秋刀魚の味』に早替わり。これこそ三度目の正直っていうのかな。 〈12chのファン〉





結構好きな番組「ファッション通信」を観ていたら、モデルさんが行き交う花道(?)の 最前列に取材陣に交じった、ニタニタした顔のカイル様を発見! 聞くところによると、 彼は今モデルの某さんとお付き合いしているそうです。ララさんとはどうなっちゃったの? 二人のファンだったのに!!! 〈永遠のピーカー〉





S・リーが変な塀の穴から顔を出すロート製薬のCMのコピー「スパイクZi(ズィー)」 は、M・J・フォックスが出てる紅茶の「マ!イケル」と匹敵するほどアホくさい。 〈薬屋の店員〉





私の借りるビデオ屋では、2本ある『利休』が両方とも貸出中だった。細川《殿様》首相が 出ているからか? 〈日本新党の候補が当選した千葉四区の住民〉





キリング・フィールド』『ミッション』『シャドウ・メイカーズ』『シティ・オブ・ジョイ』 のローランド・ジョフィがあの『スーパー・マリオ〜』のプロデューサーなんだそうな。 彼が撮る作品とあんまりフィールドが違うんで笑っちゃった。 〈ファミコンをやったことがない女〉





美醜を問わずどーしても生理的に受け付けない顔の俳優っていません? 私の場合は 『シークレット…』の主役の人。別に口ヒゲの濃い人が嫌いなわけじゃないんだけど。 その人がのっけから出っ張ったお腹を出して全裸で走る走る、長いんだこのシーン。 ちょっと目を背けてしまったワ。物語は『かくも長き不在』みたいでアルゼンチンの 国家事情も解るし、評論家先生には評価される作品なんでしょうけど。そのせいか その後に観た『季節のはざまで』のサミー・フレーがとてもハンサムに見えました。 〈わがままな観客〉





ドナルド・フェイゲンの「トゥモロー・ガール」のプロモビデオには リック・モラリスが出てる。そしてマドンナの新曲のプロモビデオには 坂本龍一が出てる。 〈嵐が丘〉





私はクレヨンしんちゃん(の声)が大嫌いだ!!! 〈REXは可愛いのに〉





夏休み中、東宝系の映画館で流れてた『クレヨンしんちゃん』の予告編は、 場内をやけに白けムードしていた。きっと笑っていいのか無視していいのか 大人の皆さんは迷っていたんでしょう。こんなしんちゃんみたいな醒めきった子供を 私はどうしても好きになれません。 〈私はちびまるこちゃんと同い年なのさ〉





古本屋で「映画の友」'63年11月号をみて、若々しい小森のオバチャマやスティーブ・ マックィーン、トニー・カーチスとクリスチーネ・カウフマンのゴシップなんかを読んで 涙を流したのは私です。 〈当時の制服の処女〉





ジュラシック・パーク』を観た人とその感動を語りあっていたが、ふとREXに話が移り その人が「同じ恐竜でも異次元のモノだと思えば、腹もたたない」と言われ納得してしまった。 確かに。 〈角川映画総動員のCMには虫酸が走る〉





REXは恐竜なのにカレーを食べるそうだ。犬だってこんな刺激物は食べないのに。 〈ルビー・カイロ〉





ウエズリー・スナイプスを観ようと思って『パッセンジャー57』を観始めたら、 マイケル・ホースが出てた! インディアン系の顔のお方が好きな私は、当然 『ツイン・ピークス』でのホークのような雄姿?を期待したけど、何と悪役。 それも一つも台詞がない! ちょっとがっくりしたけど、次回に期待しましょう。 それにしてもこの作品、ちょっと『ダイハード』に似てない? 悪役もイギリス俳優の ブルース・ペーン(確か『ビギナーズ』に出てたはず)っていう人で、何となく雰囲気が アラン・リックマンに似てるしね。 〈ハードプレイ〉





ザ・ファーム』=トム・クルーズ、『ペリカン文書』=ジュリア・ロバーツ。 観たくないと思うひねくれ者は私だけ? 〈『マディソン郡の橋』は誰と誰?〉





グレン・クロースとウディ・ハレルソン(『幸福の条件』でデミ・ムーアの夫役やってた人) が付き合ってた(る?)って本当? 他人事(当たり前か)ながら信じられない組合せで、 あ〜驚いた。ところで、「サンセット大通り」のミュージカル、アメリカ公演の主演が、 グレン・クロースに決定したそうですね。彼女なら映画版のグロリア・スワンソンと 同じくらい、いやもっと凄いものが期待できそう。海の彼方から応援してます。 〈SKYLARK〉





前から気になってたんだけど、映画館でかかるCMでダイヤモンドのがあるじゃない。 「婚約(結婚?)指輪は三カ月分の給料で」っていうの。どのバージョンみても、 長くて観てるほうが気恥ずかしくなるワ。お金のない人と、アベックで来てない人間には 関係ないしネ。あれマジメに受け取ってたアベックの男の人が、「ヘェ〜三カ月 飲まず食わずなのかよ。」っていってるのには笑ったけど、ついでに結納返しにも ダイヤモンドっていうのもあったでしょ。あんなことしてたら、結婚する前にお互い 破産しちゃうよ。ま、よけいなお世話か。 〈金欠病から抜け出せない〉





仇討』を観ていたら、神山繁、丹波哲郎の弟役の俳優さんが、堤真一に似たなかなか ハンサムな人だなぁと思い、よくみたら石立鉄男だった。「パパと呼ばないで」 以降の彼しか知らない私は、ハッキリ言ってビックリしました。 〈子供の頃杉田かおるに似てるといわれ有頂天になった女〉





直木賞を取った「マークスの山」は絶対に映画・ドラマ化してほしくない。マークスは 岡本健一あたりが妥当としても、合田警部補を演らせたい役者がいないから。 〈高村薫さんは千代田線・常磐線沿線に詳しい〉





お店に来たオジサンに「ホレ、あの変な頭(髪型)の、黒人のオモロイオバチャンの ビデオある?」と聞かれ、即座にウーピー・ゴールドバーグだと分かり、「微笑 っていうのに出てたキレイなお姉ちゃんが出てるビデオある?」と聞かれ、 シャロン・ストーンの『シザース』を教えてあげた私は物分かりのいいビデオ屋の店員だと 自負している。 〈硝子の塔〉





ゲンセンカン主人』の劇場予告で、リンチ、クローネンバーグと並ぶとか凌ぐとかの お題目がついてたけど、ちょっと意味が違うと思うんですが・・・。 〈ボクシング・ヘレナ〉





大阪の女』っていう京マチ子の映画を観てたら、「アーいやー。咳いやー。」 の芸人さん(ミス・ハワイっていう名前でしたっけ?)が出てた。かなり若い頃だったけど、 あのド派手な衣装は昔からだったんですね。 〈かしまし三人娘〉





TVで『アムステルダム無情』っていうオランダの映画を観てたら「君はアムステルダムの ショーン・ペンだな」という台詞が出てきたんだけど。これって暴力事件を起こす 野放図なヤツっていう意味なの? いったいどういう意味だったんだろう。 もう一度確認したいんですけど。 〈AT CLOSE RANGE〉





ウディ・アレンの三面記事的話題が種切れになってしまった後、目下興味があるのは ジュリア・ロバーツの電撃結婚。相手がなんと『ザ・プレイヤー』に出てた怪しい人相の 刑事演ってたあの人、ライル・ロベット(観た人は判ると思うけど)。結構映画の中でも この人の真面目な顔が出ると笑いが出てたみたいだけど、某雑誌によると、 ロベット氏はカントリー・シンガーらしく(同じカントリー・シンガーでもセクシーな ビリー・デイ・サイラスとはかなり違うよね)、ひどくダサイ人らしい。キャピキャピの 彼女の頭の中は不可解だ。とりあえず、末長くお幸せに・・と言っておきましょう。 それにしても、単なる腹痛が妊娠騒ぎまでになる彼女っていったい・・・ 〈プリティ・ウーマン〉



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最近の“ぴあ”ってなんかイヤ。「成人映画上映スケジュール」なんてページができちゃって。 女を性の対象にしか考えていない映画に市民権を与えたようなものじゃない。それに何、 あの「セックス特集」。セックスをするにはどんな所へ行けばいいか。コンドームには どんな種類があるか。なんてマニュアル化した作り。
(いいかげんにしてよね)

前号で紹介した佐藤忠男さんの本『アジア映画』 の中のベトナム関連のページに「ある外国の映画にベトナムでのロケ撮影を許可したら、 出来た映画はベトナムを暗黒社会のように描いたもので、政府の中には外国の映画人を 警戒する意見もあった」と書いてあったけど、それってもしかしたら周潤發、梅艶芳 (アニタ・ムイ)、梁家輝、時任三郎出演の『アゲイン明日への誓い』じゃないかなと、 この文を読んだとたんに思った。私もこの映画を見てベトナムをまるで暗黒の国のように 描いているなと思ったから。劉徳華の『トップ・ポリス』でも「ベトナム人は 手段を選ばず残酷」と言うシーンがあったけど、香港の人はベトナムに対して反感意識が 強いのかな?
(『ミス・サイゴン』も似た部分がある)

キネ旬の『亜細亜的電影世界』を見つけて思わず買ったけど『張芸謀コレクション』 に続いて、又しても期待を裏切られた。買ってすぐ、姜文(チァン・ウェン)のことが 載っているだろうと思って「中華電影人名録」のページを開いたら、彼の事が載っていない! え!それはないんじゃないの!と思った。若手俳優では謝園や葛優は載っていたのに、 中国映画を多くの人に広めた『芙蓉鎮』や『紅いコーリャン』に主演した姜文が載っていないなんて、 なんなのーと思ってしまった。張芸謀監督の次回作は姜文主演『私はおまえの父だ』 だというのに。それに王朔の原作「動物凶猛」をもとに 『陽光燦爛的日子/太陽の少年』を監督予定と聞く。 全体的に香港映画の事が中心だったし、中国映画は陳凱歌など第五世代の事を主に 載せているだけで片手落ちと思った。ま、書いている人を見れば香港映画に強い人が 多いからそれもしょうがないか。
(最近香港電影通信の会員になった私)

香港映画は誰々が出ている映画で語られることが多いのに、中国映画は誰々監督の作品と 語られることが多い。中国映画も少しは誰々の出ている作品と紹介されるようになるといいな。
(ミーハー)

阮玲玉』の主人公は当初、梅艶芳の予定だったそうだけど、途中から張曼玉に変わったという。 天安門事件で学生たちを支援していたからということらしい。

東京国際映画祭はプログラムや会場、時間の設定など、いろいろ文句はあるけど、 普段見ることがなかなかできない映画を見られるし、なんといっても各国からの監督や 俳優などゲストの人たちと出会えることがうれしい。やっぱり興奮してしまう。
でも普通の勤め人がもっと見ることができるように時間やプログラムの設定を考えて欲しい。 同じ作品を昼間と夜二回上映するとか(前は二回上映のプログラムもあったのに) してくれたらなー。
(そんなに休みをとれない勤め人)

第六回東京国際映画祭でグランプリを受賞した『青い凧』の田壮壮監督のジンクスは 映画の撮影が始まったらヒゲをそらないこと。九一年の中国映画祭で来日した時の 監督はちょうど『青い凧』を撮り始めていた頃でちょっとヒゲがのび始めていた。

太陽山』の中で出てきた山もも酒は四〇年たっても赤かったけど、ほんとの山もも酒は 二〜三年したら琥珀色になってしまうんだよね。そういえば『紅いコーリャン』の中に 出てきたコーリャン酒も赤かったけど、実際は透明なお酒なんだ。
(どちらも飲んだことがある私)

8/10、TV朝日でやっていた橋田寿賀子スペシャル「女たちの太平洋戦争」パートII、 『失われたとき』はマレイシアが舞台だったけど、昨年上映された『教えられなかった戦争』 からのエピソードがたくさん含まれていると思った。それにしても、マレイシアっていうと 必ずクアラルンプールにある最高裁判所の建物が出てくるなー。『ポリス・ストーリー3』 でもあの建物の前で壮絶な闘いのシーンがあったし、『抱きしめたいから』でも出てきた。 『失われたとき』には戦前?の裁判所の建物も出てきた。それにしても特徴的な建物だ。
私も実際この建物を目の前にして、やっぱり絵になる所だなと思った。ここはマレイシアの 象徴的な場所なのかしら。
(私が唯一行ったことがあるアジアの街はクアラルンプールだけ)

わが愛の譜』は「花」「荒城の月」などを作曲した滝廉太郎のことを描いた映画だったが、 彼が二三才で亡くなったなんて知らなかった。それにしても短い生涯のうちにこんなに たくさんの作品を作っていたなんて驚き。中国の国歌を作曲した聶耳(ニエ・アル)も 二四才で亡くなっている。しかも日本で。国民党の弾圧から逃れるためソ連に行く途中 日本に立ち寄り、湘南海岸で溺死したということだけど、暗殺説もある。鵠沼海岸には 彼の石碑があるそうだ。『阮玲玉』でも彼のことが出てきた。 撮影所で記念写真を撮る場面で梁家輝(レオン・カーフェイ)演じる蔡楚生監督に対して 「ピンク監督」って叫んだ人。彼も阮玲玉と同じ一九三五年に亡くなっている。
(天才は早死にするのかな!)

川喜多かしこ、和子さん母娘、南俊子さん共に映画に生きた女性が相次いで亡くなった。 和子さんのフランス映画社で配給された作品で印象に残っているのは 『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』『悲情城市』『エンジェル・アット・マイ・テーブル』。 もっとも『旅芸人の記録』は寝ちゃったし、『トト・ザ・ヒーロー』は好きになれなかったけど。 ご冥福を祈ります。

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