女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
22号 (1992.04)  pp. 53 -- 54

気になるあの人
豊川悦司


*プロフイール

生年月日:S37318
出身地:大阪府
関西大学中退
劇団3○○出身
推薦者:E.I&S.E(本誌編集部)

*主な映画作品歴

『バカヤロー』(監督渡辺えり子)
『君は僕を好きになる』(監督渡辺孝好)
『病院へ行こう』(監督滝田洋二郎)
『3-4×10月』(監督北野武)
(沖縄でハチの巣のように拳銃で撃ち殺されるヤクザの役。タケシ 軍団は不細工なのばかリ。それなのにあんないい男を殺すなんて。)
『12人の優しい日本人』(監督中原俊)

付:そのほか、TV, CMで活躍中の豊川さんですが、舞台出身の方なので、 加えて主な舞台作品も付記しておきます。

「ゲゲゲのゲ」
「夜の影」
「オールドリフレイン」
「まぶたの女」
「マック・ザ・ナイフ」(青山スパイラル)
「ドレッサー」(サンシャイン劇場)
「逢魔が恋暦」(新橋演舞場)

*きっかけ:

前を歩く男性が、"気になるあの人"だなんて私たち夢にも思わなかったわ。 背が高くて、シルエットの美しいGパン姿のあの人が、 五反田のイマジカヘ向う私たちの前に現れ、同じ自動ドアから建物の中に入った。 それから、同じエレペーターの前に立って、私とEは彼を見て同時に「あっ」と声をあげて、 顔を見合わせちゃった。 のろまな仲間がまだ、ぺちゃぺちゃしゃべってなかなかエレベーターの前まで来やしない。 もうドジ!!!!!!!  いらいらしているうちに"あの人"は行ってしまった。 しょうがなくその後のエレベーターに乗り込んだ、私たちとのろまな仲間たち。
「Iさん、顔が真っ赤ですよ。輿奮してるみたい」
私とEはハアハアしちゃって、今にも酸欠で倒れそう・・・・・


*推薦の言葉:

I:実物のあの人を目の前にした時、 どうしても『12人の優しい日本人』の11号と結びつかない。 つい、子供の家庭教師にぜひなんて声をかけてしまいそうな目元の優しい となりの大学生のお兄さんタイプのあの人がニヒルでセクシーでどことなく、 正体不明の個性的なインテリ役者の11号?
現実の姿とスクリーンの姿の落差こそ、あの人の最大の魅力。 本当に目の前で見たあの人の笑顔って相手をとろけさせてしまいそうなほど、 甘くて、すてきなんですよ。それに、絶対あの人は松田優作を凌ぐ国際スターになると思う。 超能力でたびたび知人の将来を言いあてて驚かれている私が断言するんだから絶対です。 年がいもなく赤面しながら彼に挨拶した時、 笑顔の後ろにハリウッドの夜のネオンとビバリーヒルズの瀟洒な住宅街が見えましたもの。 現代もの、時代ものも大丈夫。彼の主演映画を早く観たい。

E:アウトローっぽいんだけど、実は優しい目元。 細身でスラっとしているんだけど、男っぽい肩。そして顔が小さい。『12人〜』 で足を組んで、腕を組んでいる姿って足が長いからさまになるんだなあ、これが。 でもなんといっても目がいい。サングラスをとった時、ぞくぞくしてしまったわ。 実物にあってもうますます。声がまた優しい。 さりげなく着こなしているジャケットと靴もチェックしてしまいました。


*もし、私たちがプロデューサーだったら…

I: 今は少し、役柄が固定されてしまっているみたいだけど、実際、ヤクザから普通のサラリーマン、 気の優しい平凡なお兄さんまでオールラウンドに活躍できる人だと思う。特にって言われれば、 『存在の耐えられない軽さ』の医者。最後は死んでいく哀しい男をぜひやってもらいたい。 というより、ダニエル・デイ・ルイスのやる役はみんな合うと思うから。 『マイ・レフト・フット』の孤独で強烈な意志をもった主人公や 『眺めのいい部屋』のスノッブな役もきっとこなせると思う。

E: 私の場合はやっぱリ、アウトローっぽくてでも優しい一匹狼なんて、アクションもいい。 ちょっと二枚目半な一人の女を守るために奔走する刑事なんていうアクションものもどうかな。 それから、大正モダンの雰囲気が漂うカフェなんかを背景に、 苦悩する文学青年なんていうのもいい。 松田優作がやってきた路線がいけると思うんです。 あそこまで野性的でないにしても、逆に優作プラス野村宏伸っぽさが加わって、 かなり幅広くできると思いますね。まずは一匹狼っぽいのから。 大正時代の作家に加えて松本清張の世界なんかいいと思います。

*プライベートにつきあうとしたら…

I: もちろん恋人にしたい。でも哀しいかな。私としたことが、 ああいういい男性を前にすると年の差なんか気にしてみじめになるの。 だから、女としてあの人を愛するというより、一人息子にまとわりつくしつこい母親の心境。 「バカ!消えろ」となじられても「おまえを一人前にさせるのです。フフフ…」 とズ太い神経でせまり続ける孟母になっていつまでもうるさく付きまとわりたい。 私ってマゾっぽいのかな。

E: 彼氏というのはおこがましいので、とリあえず私は彼のマネージャーになりたい。 がんがんいろんなものにチャレンジしてほしい。 アクション映画はスタントなしでやってもらって私は息を詰めて陰から見守っているなんて…。

*最後に一言

豊川悦司さん、バカな恋愛を山ほどやって存在感のあるスゴイ役者、 そして男性になって下さい。
「豊川悦司さんを陰からじっと見守り続ける会」会員募集中!!!

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