女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
 (1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
 卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
 普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。
[シネマジャーナル]
18号 (1991.04)   p. 26

ちょっとSHOT

(このコーナーでは映画に関する皆さんの“何でも一言”をお待ちしています)


モード家の一夜』『満月の夜』が日本最終上映というのでもう一度観に行った。 映画が過去のものになってしまうのはとても淋しい。 でも最終上映なんてされなくて、知らずに消えてしまうのは、もっと淋しい。 〈淋しがり屋〉


最近イイ役ばっかだったウィレム・デフォー。 『ワイルド・アット・ハート』では、 ヤニ歯で目いっぱいゲスなヤローを楽しそうに演じていて嬉しかった。 〈デビット・リンチはやっぱりおちゃめ〉


JR大井町駅から大井武蔵野館に行く途中のお風呂やさんの向かい辺りにいる黒猫は、 通りすがりの者の目の前で、ひっくり返って背中を地面にこすりつけて、もだえてみせる。 〈猫じゃらし〉


シラノ・ド・ベルジュラック』のジェラール・ド・パルデューの“鼻”は、 原型を忘れてしまうほどよくできている。 〈それがまた良く似合うんだ〉


中野武蔵野ホールに『老人と海』を平日の午前中、母親と二人で観に行ったら、 他に誰もいなくて「何だか悪いわね」といいながら、二人だけで悠々と観た。 〈孝行娘?〉


文芸坐2の『ラスト・タンゴ・イン・パリ』 を超混んだ中で観て劇場を出る時、そばにいた女が 「ベルトルッチは、やっぱりよくわからない」などと喋っていた。 ベルトルッチを観るのは今おしゃれなんだということをその時知った。 〈鈍感ネエサン〉


ワイルド・アット・ハート』のニコラス・ケージの間の抜けた顔を見ていると 世の中のイヤな事が忘れられるよ。 〈キリギリス〉


D・D・ルイスのコマーシャルでは本物かどうか見分けるのに必死で、 ハリソン・フォードのコマーシャルでは狂喜乱舞で、いまだに商品名を覚えていない。 〈日本ってすごい!〉

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ちょっとSHOT・台湾篇

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台北の大世紀電影院では、ゴキブリがシートの上を歩きます。 前のシートに手をかけていると、手の上を歩きます。


台北の獅子林電影院は、ねずみはいないけど猫がいます。 スクリーンの前とかをゆっくり横切ります。


張芸謀は、現夫人との離婚がまだ成立していないから、鞏俐(コン・リー)は “愛人”てことになるんだけど、 「けがで入院した張をかいがいしく看病するコン・リー」 とかいって二人の明るく楽しげな写真が新聞の芸能欄に載ったりして、 大陸のおおらかさってやっぱりいいなと思った。 〈出張台湾娘〉

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