女が作る映画誌 ー 女性映画・監督の紹介とアジア映画の情報がいっぱい
(1987年8月、創刊号 巻頭文より) 夢みる頃をすぎても、まだ映画を卒業できない私たち。
卒業どころか、30代、40代になっても映画に心が踊ります。だから言いたいことの言える本まで作ってしまいました。
普通の女たちの声がたくさん。これからも地道な活動を続けていきたいと思っています。どうぞよろしく。

『軍鶏 SHAMO』ショーン・ユー舞台挨拶

5月3日(土)より新宿トーア他、全国ロードショーされる『軍鶏 SHAMO』。原作者の橋本以蔵が脚本を書き、『ドッグ・バイト・ドッグ』を撮った香港の鄭保瑞(ソイ・チェン)監督がメガホンをとりました。社会から徹底的に阻害されて狂犬と化していく主人公・成嶋亮を、余文楽(ショーン・ユー)が体当たりで演じています。

1月某日開かれたマスコミ向け完成披露試写会に、来日した余文楽と橋本以蔵氏が登壇して舞台挨拶を行いました。その時の模様をお伝えします。

「みなさん、こんにちは。わたしはショーン・ユーです。よろしくお願いします」と綺麗な発音の日本語での挨拶から舞台挨拶は始まりました。続いて登壇した橋本以蔵さんが、挨拶と共に作品の映画化の経緯を語ってくれました。

橋本:いらしていただいてありがとうございます。この作品は15年間くらい、なんとか映画化しようとがんばってきて、やっとこういう形で実現することができました。出来も、皆さんも見ていただいてきっと同じ感想だと思いますが、自分としては満足しています。今日はとてもうれしいです。ありがとうございます。

司会:先ほど、お二人が握手をされたときに、久しぶりと挨拶されていましたが、撮影の時に会ってらっしゃるんですね?

橋本:そうです。タイでクライマックスのシーンを彼が撮影していて、そこにちょっとお邪魔して見させていただきました。

司会:そのときの迫力がスクリーンにしっかり刻み込まれていましたか?

橋本:すごくショーンががんばってて、今日も見たらすごくよく動いているんでびっくりしました。

司会:出演のオファーが来たときにはどんな風に思いましたか?

ショーン:この映画のオファーがくる前に、すでに漫画の方を読んでいてファンだったので、お話が来たときにはすぐにやりますと返事をしました。

司会:この役はアクションシーンも大変だったとは思いますが、それ以上に心情の揺れ動きを表現するのも大変だったのではないかと思いますが、役作りはどのようにされましたか?

ショーン:もともと漫画のファンだったので、とてもこの役には入り込みました。オファーが来たときに、もう一度家で漫画を読み直して、監督ともいろいろと話し合いをして、原作を見ながら役を創り上げていきました。

司会:原作に忠実に役を創り上げたと言うことですか?

ショーン:まだできあがった映画を観ていないので、なんとも言えないですが。

司会:橋本先生は、ご自分の作品を映画の脚本にするにあたって大事になさった点はどういうところでしょうか?

橋本:元々が映画用の企画だったものを、漫画にし、今回映画にもしたということなんです。最初は自分で監督をしようと思っていたんです。それがギリギリのところで、ソイ・チェン監督にお任せするという決断をして、香港のチームにお願いしたんです。ソイ・チェン監督の感覚とか、香港のスタッフ、キャストがすごくよくやってくれていたので、ぼくの方は現実化してくれて満足という感じです。

司会:スクリーンの中のショーンさんはいかがでしたか?

橋本:いや、素晴らしいですよ。魔裟斗さんが本物の格闘家で、ああいう人たちって身体がちょっと特別なので相当大変だったと思うんですけれど、それに負けずにがんばってくれています。それから、亮くんの役って凄くハードなんですが、あまりにそのままだとお客さんに伝わりにくいものがあると思うんです。ショーンが元々持っている甘さというか、ソフトな感じと、演技力で、亮の内面がよく伝わってきたので、そこは凄い満足でしたね。

司会:今、魔裟斗さんの話がでてきましたが、ショーンさんは実際に魔裟斗さんと共演してみてどうでしたか?

ショーン:魔裟斗さんがKー1の突出した才能のある格闘家であることは、試合を見て知っていました。彼と共演できると聞いたときは、うれしさ半分、悲しさ半分で、共演できるのは凄くうれしいけれど、闘わなきゃならないと思ったら悲しくなりました。

司会:ファイティング・シーンでは実際に当てられたりはしました?

ショーン:多分、彼はかなり押さえて、手加減してくれていたと思います。もし、彼が本気で殴ったら、一発でぼくは病院行きです。

司会:痛くはなかったですか?

ショーン:最初に殴られるシーンを撮ったときは、一発で気絶していたので痛いとかわかりませんでした。

司会:今日来ているマスコミの皆さんへメッセージを

ショーン:皆さんがこの映画を気に入って下さればうれしいと思います。そして、この映画を原作の漫画ファンの方々が気に入ってくれればと願います。結末が少し原作とは異なるのですが、映画としてはいいものになったと思いますし、みんなでがんばって撮ったので、是非よろしくお願いいたします。

司会:マスコミの皆さんにここを推して欲しいという点はありますか?

ショーン:橋本さんの書いた、この物語自身が素晴らしいと思います。

司会:橋本先生から、この作品に込めた思いなどをお聞かせ下さい。

橋本:もともと、日本の少年犯罪に関して作品の構想があったわけですが、今から15年くらい前にぼくが極真空手と出会って、門下生になって、道場の中でこの作品の構想がまとまったんです。今の日本の世の中で、若い人たちの精神が迷路に迷いこんでしまっているけれど、肉体でしか表現することが出来ないところにまで追い込まれることで、かえって迷路から脱出できることがあるんじゃないかと。まあ難しく言うといろいろあるんですが、やりたいことは基本的にはエンタテインメントなんで、まずは映画として楽しんでいただきたい。テーマがどうのこうのというのは、感じる人たちに任せたいです。やはり映画は総合力なので、ソイ・チェンの演出力とか、ショーンの魅力とか、黒川を演じてくれた、ぼくもファンなんだけれど、フランシス・ン(呉鎮宇)なんて素晴らしい役者さんだし、音楽も素敵だと思うし、そういう総合力で、ショーンが言ったみたいにストーリーの強さは伝わると思います。一番感じて欲しいのは、やっぱり映画を楽しんでもらいたいということですね。見所は、それぞれの人に見つけてもらってね。

司会:最後に一言、ショーンさんお願いします

ショーン:今日はみなさん、この作品を観に来て下さってとてもうれしいです。ありがとうございます。皆さんのお力を借りて、この映画がヒットすることを願います。

(取材・写真・まとめ:梅木)

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