上映情報(今後の公開予定)

●2008年9月20日〜 『アキレスと亀』  『次郎長三国志』  『東南角部屋2階の女』 
●2008年9月27日〜 「韓流シネマ・フェスティバル2008秋 ラブ&ヒューマン」  『シロタ家の20世紀』  『窓辺のほんきーとんく』  『女工哀歌(エレジー)』 
●2008年10月4日〜 『三本木農業高校、馬術部 〜盲目の馬と少女の実話〜』  『初恋の想い出』  『宮廷画家ゴヤは見た』  『ふみ子の海』  「昭和の銀幕に輝くヒロイン 総集篇2」 
●2008年10月11日〜 『僕らのミライへ逆回転』  『フレフレ少女』  『KING OF TOKYO O FILME キング・オブ・トーキョー・オ・フィウミ』  『トリコン!!!リタ→ンズ』  『私がクマにキレた理由(わけ)』  『ワイルド・バレット』  『アメリカン・ティーン』  「泉谷しげる黄金週間」  「第14回 KAWASAKI しんゆり映画祭 2008」 
●2008年10月18日〜 『マルタの優しい刺繍』  『ボーダータウン 報道されない殺人者』  「香港カルトシネマ・フェスティバル」  『P.S.アイラヴユー』  「東京国際映画祭」  「中国映画の全貌2008」 
●2008年10月25日〜 『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』  『ハロウィン』  『ロック誕生 The Movement 70's』  『むずかしい恋』  『ブリュレ』 
●2008年11月以降 『ブタがいた教室』  『ハンサム★スーツ』  『イエスタデイズ』  『レッドクリフ PartI』  『Happyダーツ』  『かけひきは、恋の始まり』  『その木戸を通って』  「山下耕作監督特集」  『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』  『ラブファイト』  『GSワンダーランド』  「第15回大阪ヨーロッパ映画祭」  『中華学校の子どもたち』  『バンク・ジョブ』  『アイズ』  『秋深き』  『変態“ピ“エロ』  『未来を写した子どもたち』  『旅立ち〜足寄より〜』  『DISCO ディスコ』  『恋愛上手になるために』  『ゆめみたか〜愛は歌 田川律〜』  『ブロークン』  『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』  『悪夢探偵2』  『エグザイル/絆』  『パリ』 

2008年9月20日〜

『アキレスと亀』

監督・脚本・編集・挿入画:北野武
出演:ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬、伊武雅刀、大杉漣、筒井真理子、吉岡澪皇、徳永えり、大森南朋

真知寿(まちす)は、田舎町の裕福な家のお坊ちゃま。美術好きの父親は、画商や画家を呼び寄せては、絵画を買って家中に飾っている。そんな環境で育った真知寿は、絵を描くのが何よりも大好きだ。ある日、屋敷を訪れた画家に絵を褒められ、赤いベレー帽を貰った真知寿は、画家になることを夢見るようになる。だが、父の会社が倒産し、父は芸者と心中。母も後を追って自殺してしまい、真知寿の人生は一転する。
青年になった真知寿は、新聞配達や印刷工場で働いたお金で美術学校に通う。父と付き合いのあった画商の息子に絵を見せるが、「技術的に優れていても普通の絵では...」と言われる。新たな芸術を試みる真知寿に、バイト先の事務員幸子が共感し、二人は結婚する。
幸子の助けを借りて創作に励むが、中年になっても真知寿の絵はいっこうに売れない...


©2008『アキレスと亀』製作委員会

少年時代の真知寿が実に可愛くて、なぜあんな不細工な青年に?と思わず笑ってしまいます。(柳憂怜さん、すみません!)北野武の映画は、過激な暴力シーンがあまり好きじゃなかったのですが、今回は絵画創作で暴力的な光景が展開されて、これはもう、笑わずにはいられません。どんな逆境にあっても自分の好きなことを貫く姿には感服! 真知寿と幸子の夫婦愛にも、ほろっとさせられました。(咲)

『アキレスと亀』タイトルの由来
古代ギリシアの哲学者ゼノンが考えた、解くことの出来ない命題の名称。
本作品においては、【正解のない芸術と、その芸術で評価されることを夢見る主人公】の姿を比喩する言葉として、引用されているとのことです。

製作: バンダイビジュアル・テレビ朝日・東京テアトル・WOWWOW・オフィス北野
配給: 東京テアトル/オフィス北野

2008/日本/119分/カラー/ヴィスタビジョンサイズ/ドルビーSRD

◆9月10日 オリジナル・サウンドトラック発売!
 音楽: 梶浦由記  発売元:ドリーミュージック

★9月20日(土)テアトル新宿、銀座テアトルシネマほか全国ロードショー!!

公式HP>> http://www.office-kitano.co.jp/akiresu



『次郎長三国志』

監督:マキノ雅彦
脚本:大森寿美男
撮影:加藤雄大
美術:小澤秀高
音楽:宇崎竜童
殺陣:玄海竜二
出演:中井貴一(次郎長)、鈴木京香(お蝶)、北村一輝(小政)、温水洋一(石松)、近藤芳正(鬼吉)、笹野高史(大五郎)、岸部一徳(大政)、木下ほうか(鶴吉)、山中聡(綱五郎)、佐藤浩市(勝蔵)、竹内力(三馬政)、蛭子能収(久六)、大友康平(佐太郎)、真由子(おきん)、高岡早紀(お仲)、前田亜季(お千)、木村佳乃(お園)ほか

― 義理に弱いが喧嘩にゃ強い。東海道の暴れん坊次郎長一家が帰ってくる ―

新婚の恋女房お蝶をおいて渡世修行に出かけた清水の次郎長。情に厚くて義理堅い次郎長を慕って桶屋の鬼吉、関東綱五郎、大政、小政、森の石松、坊主くずれの法印大五郎と子分たちが集まってきた。3年ぶりに戻った清水で、ようやくお蝶とおちつき一家を構えることができ、男伊達次郎長の名前は広まっていく。初めての花会も催して、そうそうたる親分衆にもお目どおり。一方、子分たちと因縁の深い悪党三馬政が近くに現れたことがわかり、みんなは色めきたつ。

「清水の名物は?」と聞かれたらなんと答えるでしょう。最近の人は「清水エスパルス」?私も含めてある年齢以上の人は「清水といえば次郎長」と浮かぶのではないでしょうか。実在した最期の侠客とも言えるこの人は、はじめは講談や読み物、後には映画で知られていきました。その次郎長映画(9本+4本)を撮ったのがマキノ雅弘監督。
初監督の『寝ずの番』で軽妙洒脱な手腕を見せたマキノ雅彦監督の第2弾は、その叔父の代表作のチャンバラ映画でした。長い話のまずは小手調べといったところか、『寝ずの番』に続いて大森寿美男とタッグを組み、主演も引き続き中井貴一。達者な面子を集めた清水一家は、テンポよくホロリ&ワクワクさせ、楽しめました。豪華なキャストに続編を期待!!(白)

2008/カラー/126分/ビスタサイズ/SRD/
配給:角川映画
http://www.jirocho-movie.jp/
(C)「次郎長三国志」製作委員会
9月20日(土)〜角川シネマ新宿、シネカノン有楽町2丁目、渋谷アミューズCQNほかにてロードショー



『東南角部屋2階の女』

監督:池田千尋
脚本:大石三知子
撮影:たむらまさき
美術:三ツ松けいこ
音楽:長島寛幸
出演:西島秀俊(野上)、加瀬亮(三崎)、竹花梓(涼子)、香川京子(藤子)、高橋昌也(友次郎)、塩見三省(石山)ほか

野上の父親が莫大な借金を残して死んでしまった。祖父所有の土地を売却することが解決策だと野上は考えるが、祖父の友次郎は沈黙するばかり。その土地には祖父の弟の婚約者だった藤子所有の古アパートが建っている。野上が会社を辞めると聞いて、取引先のクレーム攻勢に疲れた後輩の三崎も退職してしまう。同棲していた彼女は「相談もなく辞めるなんて」と怒り、三崎は追い出されて行き所がない。野上とお見合いをした涼子も更新料が払えず、二人は藤子のアパートの住人となった。このアパート2階の東南角部屋は、鍵が開かず、隣の部屋には不思議な穴があった。

池田千尋監督の長編第1作。謎の東南角部屋を中心に、若者3人と、人生の第一線を退いて静かに生きている人々との小さな交流を描いています。何かと不満を抱えている若者たちがどこか及び腰で、大英断のように退職してもちっとも変わっていません。問題を先送りしてるだけ、と言い争うのはそれに自分でも気がついているから。ざらざらした画面の中、そんな若い男女の気持ちはよく描けていると思うし、香川京子さんのたたずまいは美しいです。しかし部屋の謎を長くひっぱるのと、高橋昌也氏が無言の演技ばかりというのは惜しい気がしました。(白)

2008/日本/104分/35mm/スタンダード/DTS-SR
製作・配給:トランスフォーマー

公式 HP >> http://www.tounankadobeya.com/

★9月20日(土)より心ゆさぶるロードショー


2008年9月27日〜

「韓流シネマ・フェスティバル2008秋 ラブ&ヒューマン」
会期:
9月27日(土)〜12月19日(金)シネマート六本木
http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/

10月18日(土)〜11月14日(金)シネマート心斎橋
http://www.cinemart.co.jp/theater/shinsaibashi/

作品:
『M(エム)』
監督:イ・ミョンセ『デュエリスト』 主演:カン・ドンウォン/イ・ヨニ
人気絶頂のベストセラー作家、ミヌ(カン・ドンウォン)は最近誰かに見つめられているような気がしてならない。同棲中の恋人との結婚も間近というのに、原稿は少しも進まず不眠症になっている。ある日、見知らぬ小路に迷い込んだミヌは「ルパン」というバーで少女ミミ(イ・ヨニ)に出会う。

凝った美術と映像が印象的なラブストーリー。迷路のようなミヌのマンション、光と闇の演出がミステリアスな空間を作っています。初恋の想い出のシーンでは、高校生役のドンウォンとヨニが違和感なく、ほほえましいカップルを演じています。いろんな表情のドンウォンが見られてファンは必見。(白)

『ハピネス』
監督:ホ・ジノ『八月のクリスマス』 主演:イム・スジョン/ファン・ジョンミン
ヨンス(ファン・ジョンミン)はソウルで奔放な生活をし、経営していた店を潰した挙句、身体を壊してしまった。田舎の療養所にやってきた彼が出会ったウニ(イム・スジョン)は、重い肺疾患で長く闘病中だった。つつましくも明るい彼女とヨンスはいつしか恋に落ち、二人は一緒に暮らし始める。

ホ・ジノ監督が喧騒のソウルと田舎での静かな生活を対比して描きました。二つの間で揺れ動く男と、彼を一途に愛する幸薄い女のラブ・ストーリー。監督の演出と、それに応える俳優、ロケーションも良くて感動のドラマとなっています。『M』でカン・ドンウォンの婚約者を演じたコン・ヒョジンが、この作品ではソウルの恋人役を演じ、大韓民国映画大賞 女優助演賞を獲得しています。青龍映画監督賞、韓国映画評論家協会賞 脚本賞。(白)

『ビューティフル・サンデー』
監督:チン・グァンギョ 主演:パク・ヨンウ/ナムグン・ミン

『私の恋』
監督:イ・ハン 主演:カム・ウソン/チェ・ガンヒ/オム・テウン





『愛(サラン)』
監督:クァク・ギョンテク『タイフーン』 主演:チュ・ジンモ/パク・シヨン

『優雅な世界』
監督:ハン・ジェリム『恋愛の目的』 主演:ソン・ガンホ/オ・ダルス

『6年目も恋愛中』
監督:パク・ヒョンジン(第一作) 主演:キム・ハヌル/ユン・ゲサン
編集者のタジン(キム・ハヌル)とCMプロデューサーのジェヨン(ユン・ゲサン)は付き合って6年のカップル。慣れすぎたあまりの不満もたまり、言わなくてもいいことまでつい口にしてしまう。ジェヨンはバイトの女の子の積極的なアプローチを受け、タジンは担当のブックデザイナーの言葉に心がときめくのを感じる。

『僕らのバレエ教室』('04)のユン・ゲサンの兵役後の復帰第1作。すっかり大人になった感じですが、" g.o.d."の活動を打ち切って映画デビューした当時すでに26歳だったのでした。同い年のキム・ハヌルとのリアルな台詞のやりとりは、痛かったり可笑しかったり。観る人の共感を呼びそうです。(白)

『セックス・イズ・ゼロ2』
監督:ユン・テユン 主演:イム・チャンジョン/ソン・ジヒョ

『正しく生きよう』
監督:ラ・ヒチャン 脚本:チャン・ジン 主演:チョン・ジェヨン/ソン・ビョンホ

『俺たちの街』
監督:チョン・ギリョン 主演:オ・マンソク/リュ・ドクファン/イ・ソンギュン

『宮女(クンニョ)』
監督:キム・ミジョン 主演:パク・チニ/ユン・セア/ソ・ヨンヒ

『ファム・ファタール』
監督:イ・サンギ 主演:ソン・イェジン/キム・ミョンミン
凶悪犯罪担当のチョ刑事(キム・ミョンフン)は、ヤクザとも繋がるスリ集団の捜査を始めた。高度なテクニックと残虐性を持ったグループのボスは、若いペク・チャンミ(ソン・イェジン)。妖艶な美貌の彼女と出会ったチョ刑事は、正体を知らぬまま惹かれていく

ソン・イェジンがこれまでの清純派のイメージを覆すファム・ファタールを熱演。傷を抱えた刑事を誘惑し、手玉に取ります。セクシーなファッションと、スリの手口も必見。ベテラン女優のキム・ヘスクが泣かせどころをしっかり抑え、犯罪アクション映画に深みを与えています。大鐘賞映画祭女優助演賞(キム・ヘスク)。 (白)

『リターン』
監督:イ・ギュマン 主演:キム・ミョンミン/ユン・ジュンサン/キム・テウ

『最高のパートナー』
監督:キム・ジョンヒョン 主演:アン・ソンギ/チョ・ハンソン

『楽しき人生』
監督:イ・ジュニク『王の男』 主演:チョン・ジニョン/キム・ユンソク/チャン・グンソク

『星から来た男』
監督:チョン・ユンチョル『マラソン』 主演:チョン・ジヒョン/ファン・ジョンミン

『喧嘩 ─ヴィーナスvs僕─』
監督:ハン・ジスン『エンジェル・スノー』 主演:ソル・ギョング/キム・テヒ

チケット:
シネマート六本木
1回券(前売・当日共) : 1,800円(税込) ※日時・座席指定

【購入方法】
1) 7月31日発売の"ぴあ関東版・関西版"にて先行ハガキ予約開始(8月6日締切)※一部作品
2) 8月15日(金)より@電子チケットぴあにてプレリザーブ開始
3) 8月23日(土)より@電子チケットぴあ及びシネマート六本木劇場窓口にて一般販売開始(各上映日の2日前まで販売)

チケットぴあでの購入の際は下記のPコードが必要になる場合がございます
《Pコード》
 554-423 (9/27〜10/31上映分)
 554-424(11/1〜28上映分)
 554-425(11/29〜12/19上映分)
 554-426(スクリーン1上映分)
 554-427(スクリーン2上映分)


◎特別チケット
ハンフェス5thアニバーサリー 5枚綴り記念チケット
ご好評頂いております5枚綴りチケットが今回も登場。限定500セット。
価格 : 7,500円(税込) [1,500円x5枚]
※シネマート六本木では前売り券が完売の回には使用できません。(当日券販売のある作品のみ有効)

タイムスケジュールほか詳細は下記HPまたは、劇場HPを参照してください。
http://www.cinemart.co.jp/han-fes2008/
●韓国映画『ハピネス』ティーチ・イン開催決定!!

ホ・ジノ監督『ハピネス』で語る<愛と人間>
日時:10月3日(金)19:20上映回 / 10月4日(土)19:20上映回
会場:シネマート六本木

ハピネスは9月27日(土)よりロードショー


『シロタ家の20世紀』The Sirota family and the 20th century

監督:藤原智子(『杉の子たちの 50年』『ルイズその旅立ち』『伝説の舞姫 崔承喜』『ベアテの贈りもの』
企画:藤原智子、富田玲子、白井堯子
音楽:Leo Sirota 園田高弘 藤田晴子 Polskie Nagrania

藤原監督が前作『ベアテの贈りもの』で焦点を当てたベアテ・シロタ・ゴードンは、22才の若さで日本国憲法の人権条項作成に携わった女性。父のレオ・シロタは、帝政ロシア領だったウクライナ出身のユダヤ人の音楽家。19世紀末ユダヤ人迫害を逃れてシロタ家一族は故郷を離れ、レオ・シロタの5人の兄弟姉妹はその後ナチスの台頭と第二次世界大戦により、それぞれに劇的な運命を辿る。レオ・シロタは、ヨーロッパで演奏活動を続けた後、ベアテが5歳だった1929年に来日し17年間日本に滞在した。

本作の製作は、2005年12月、パリの日本文化会館で『ベアテの贈りもの』上映後、アリーヌ・カラッソという女性が、ベアテの従姉妹の娘だと名乗り出てきたことに始まる。レオ・シロタの弟ピエール・シロタの孫娘にあたるアリーヌは、母ティナの亡き後、シロタ家一族の資料を集めていた。レジスタンスに身を投じ、ポーランド軍のノルマンディ上陸作戦に参加して戦死した母の従兄弟イゴールのこと、貨車でアウシュヴィッツに連れ去られた祖父のこと、偽造パスポートでユダヤ狩りを逃れた母ティナのこと…

シロタ家の数奇な運命を通して、戦争と狂気の20世紀を見据え、混迷を深める今日の世界に人間の英知の復活を願う気持ちを込めて、監督はこの作品を製作したという。映画の構想を固めていた頃、監督は東横線の車内でレオ・シロタの愛弟子藤田晴子さんの遺産の一部を預かっていた富田玲子さんに出会う。文化事業に使って欲しいという藤田さんの遺志にそえることと、本作製作資金に差し出されたそうだ。パリの上映会で、アリーヌさんが現れたのも運命的出来事だったが、富田玲子さんとの出会いという偶然の連鎖で完成することができた作品だと監督は語る。

戦争に翻弄されたシロタ家一族。今も戦争によって苛酷な人生を強いられている人々が世界の各地にいる。一部の権力者の思惑に、罪のない庶民が巻き込まれる悲劇がいつまで続くのかと悲しい。(咲)

製作:レオ・シロタ製作委員会・日本映画新社
助成:芸術文化振興基金

2008年/日本/カラー/93分/ドキュメンタリー

★2008年9月27日(土)より10月17日(金)まで岩波ホールにて特別上映

公式HP>> http://sirota-family.net/index.html



『窓辺のほんきーとんく』

監督・脚本:堀井彩
撮影:百瀬修司
照明:太田博
録音:松本浩樹
音楽:弘瀬謙二、花澤孝一
出演:辻岡正人(石井晃)、吉沢明歩(眞名水)、安藤彰則(村崎渚)、神楽坂恵(橘多菜子)、今野悠夫(多摩欄坂みちる)、椎葉智(野村映太郎)、ホリケン(峯田大作)ほか

突然勤め先が倒産して途方にくれる石井晃。そんな折も折り、映研先輩だった村崎が「映画を作ろう!」と押しかけてくる。まだシナリオもない段階でのオーディションに集まった濃い面々は5人。村崎がシナリオハンティングの旅に出かけて、残った眞名水と晃はいつしか親しくなってゆく。眞名水のために就職しなくては、と思った矢先、戻ってきた村崎のシナリオは、眞名水をヒロインに「ホンバン」ありの過激な内容だった。

映画とはこんな風に「勢い」でできちゃうものなんでしょうか? 虚虚実実といった感じの怒涛の展開です。
割り切る眞名水に今どきの女の子ってこんな?と驚き、茫然自失の晃が気の毒になります。映画なんですけどね。
今回主演の辻岡正人さんの初監督作品だった『ロスト・バイ・デッド』('03)の試写を観たのを思い出しました。長髪で大きな目が印象的な辻岡さんは、一人一人に細い体を折り曲げて丁寧な挨拶をされていましたっけ。(白)

2008/日本/カラー/80分/
配給:太秦(アムモ)
http://madobeno-honky-tonk.com/index2.html

9月27日(土)〜池袋シネマロサにてレイトショー



『女工哀歌(エレジー)』CHINA BLUE

監督・撮影・製作:マイケル・ペレド

― 私たちが毎日作るジーンズ、誰がはいているんだろう ―

グローバリゼーションの波の中であえぐ中国の女工たちをとらえたドキュメンタリー。四川省の村から、広東省のジーンズ工場へ出稼ぎにやってきた16歳のジャスミン。残業手当はなく時給7円という低賃金で睡眠時間を削って働く。初任給は退職を防ぐため工場があずかり、楽しみにしていたジャスミンには1円の支払いもない。寮で使うものは全て給料から差し引かれ、外出した者には見せしめの賃金カット、その給料も遅延はしょっちゅうだ。ジャスミンが帰郷するのにかかる電車代は給料一ヶ月分。手元にそれだけのお金のない彼女は休みにも帰郷できず「お母さんとこんなに長く離れたのは初めて」と涙ぐむ。
元警察署長だという工場長は、注文が絶えないように無理な受注を繰り返し、納期に間に合うように従業員のお尻を叩く。
欧米や日本の消費者が、安いものを手に入れようとするしわ寄せは、こんなところに行っている。労働に見合った賃金を受け取ることは、ごく当たり前の要求ではないのか。流通の中で一番立場の弱いものが一番過酷な目に遭っている現実をどうかしっかりと見てほしい。
こんな中にあっても、ジャスミンたち少女がたくましく、小さな楽しみも見つけて頑張っていることが救いだ。彼女たちの現在が気になる。(白)

2005年/アメリカ/カラー/88分/ビスタ/中国語・英語
配給・宣伝:エスパース・サロウ
9月27日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムほか順次全国ロードショー

公式 HP >> http://www.espace-sarou.co.jp/jokou/

特別記事 グローバル化を考えるその2 『女工哀歌(エレジー)』マイケル・ペレド監督インタビュー もご覧下さい。


2008年10月4日〜

『三本木農業高校、馬術部 〜盲目の馬と少女の実話〜』

監督:佐々部清
原案:「私、コスモの目になる!」主婦と生活社
脚本:岡田茂、佐々部清
撮影:坂江正明
美術:若松孝一
メインテーマ:「君がくれた時間」押尾コータロー
主題歌:「この胸に・・・」STGM(ステゴマ)
出演:長渕文音(菊池香苗)、柳葉敏郎(古賀先生)、奥村知史(岡村賢治)、森田彩華(森陽子)、西原亜希(園田帆乃夏)、小林裕吉(高橋守)、黒谷友香(北里大獣医)、松方弘樹(校長)ほか

香苗は三本木農業高校の馬術部に所属している。部員は寮生活をしながら、それぞれ馬の世話をしている。かつて優秀な競技馬でありながら、病気のため視力を失いかけているタカラコスモス(通称コスモ)が彼女の担当。プライドが高く少しも懐かないコスモに手を焼いている香苗だが、ほかの人間がコスモの悪口を言うのは許せない。17歳のコスモはこれが最後と思われる種付けのため北海道の牧場に送り出され、やがて妊娠して戻ってくる。香苗は子馬の誕生を楽しみに献身的に世話を続け、ある日コスモは香苗の呼びかけに反応した。



(C)2008「三本木農業高校、馬術部」製作委員会

佐々部清監督は、『半落ち』『夕凪の街 桜の国』など手がけてきましたが、今回は実在する青森の「青森県立三本木農業高等学校」を舞台に、盲目の馬と女子高生の絆を描きました。もの言わぬ動物のエピソードが、幾多の台詞より泣けてしまいます。動物好きの方はハンカチ・ティッシュを忘れずに。初主演の長渕文音は、長渕剛と志穂美悦子の長女。子どもの頃からバレエを続けてきたそうですが、馬術には初挑戦。特訓の末、競技場面もスタントなしで頑張っています。(白)

2008/日本/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/117分/
配給:東映
宣伝:東北新社
http://sannou-bajutsu.com/index.html
10月4日(土)〜全国ロードショー



『初恋の想い出』原題:情人結

監督:フォ・ジェンチイ
脚本:スー・ウー、チャン・レンチェ
撮影:スン・ミン
美術:ツイ・レン
音楽:ワン・シャオフォン
出演:ヴィッキー・チャオ(チー・ラン)、ルー・イー(ホウ・ジア)、ソン・シャオイン(ホウ・ジアの母)、チャン・チアン(チー・ランの父)、ツイ・ミンチャ(チー・ランの母)、シン・チアトン(チー・ランの兄)、イーレン(兄嫁)ほか

― 激動の時代に出逢ったふたり。運命の赤い糸と家族の絆では、どちらが強いのだろうか ―
1970年代の中国、ホウ・ジアとチー・ランは同じ官舎で育った幼馴染。いつしか恋心が芽生え、互いに大切な存在となっていた。ホウ・ジアの大学合格が決まった日、母親は「父さんはチー・ランの父親のせいで自殺した」と、チー・ランとの交際は許さないと突き放す。身体の不自由な母に心配をかけまいとホウ・ジアはチー・ランに別れを告げる。チー・ランは家族に事情を尋ねるが、誰も答えてはくれなかった。たまたま出逢った「ロミオとジュリエット」の本は傷ついたチー・ランの心に深くしみこんできた。チー・ランはホウ・ジアに本を届け、二人は同じ境遇の彼らに自分たちを重ね合わせてよりどころとした。

「ロミオとジュリエット」は400年も前のあまりにも有名な小説。それに深く共感した二人。親同士の確執の元、悩む若者というのは程度の差こそあれ、今も残っているのではないでしょうか。人間って変わらないものですね。美しい風景の中で輝いていた若い二人が、思いあいながら次第に年を重ねていくのは切なくてやりきれません。フォ・ジェンチイ監督は、新聞に連載されていたノンフィクションに感動して、この映画の着想を得たそうです。細やかな演出と映像の美しさは今までの作品と共通しています。10代から30代のチー・ランを演じたヴィッキー・チャオは、この作品で上海国際映画祭主演女優賞を受賞しています。(白)

2005/中国/カラー/112分/アメリカンビスタ/ドルビーデジタル
配給:ブロードメディア・スタジオ

公式 HP >> http://www.hatsukoimovie.jp/

★10月4日(土)〜渋谷シアターTSUTAYA(旧 Q-AXシネマ)ほか全国ロードショー


『宮廷画家ゴヤは見た』(原題:GOYA’S GHOSTS)

監督: ミロス・フォアマン
製作:ソウル・ゼインツ
脚本:ミロス・フォアマン、ジャン=クロード・カリエール
撮影: ハビエル・アギーレサロベ
音楽: ヴァルハン・バウアー
出演:ハビエル・バルディム(ロレンソ神父)、ナタリー・ポートマン(イネス)、ステラン・スカルスガルド(ゴヤ)、ランディ・クエイド(国王)ほか

18世紀末から19世紀のスペイン。国の内外で動乱の嵐が吹き荒れるころ、天才画家のゴヤは宮廷お抱えの画家として国王カルロス4世や奥方たちの肖像画を描く一方、貧しい庶民の暮らしや権力者の醜い姿を告発する版画や絵画も制作し続けていた。異端者を糾弾する先鋒ロレンソ神父が肖像画の依頼に訪れる。彼はゴヤのミューズともいえる美しい少女イネスの肖像画に目を留める。ほどなくして、イネスが異端者審問所に捕われたとの知らせが入った。

画家を主人公にした映画は印象的で、つい昨年は『レンブラントの夜警』がありましたね。これはゴヤにまつわる数々のエピソードの中から、ミロス・フォアマン、ジャン=クロード・カリエールが生み出したキャラクター、イネスとロレンソ神父を中心に描いたものです。宗教と政治が密接に繋がっていた時代こんなことが行われていたのか、と活字では知っていましたが映像で見ると迫力倍加です。ナタリー・ポートマンはイネスの役を得て、明るく純真無垢な少女が捕われの身となり、唯一会えたロレンソ神父のみにすがって心が壊れていくさまを体当たり(あの美人がそこまで・・・)で演じます。女優根性は人一倍の彼女には当たり前なのかも。様々な顔を見せるロレンソ神父には、スペイン屈指の演技派ハビエル・バルディム。豪華な脇役陣と美術も合わせて見所の多い映画です。(白)

2006/アメリカ・スペイン/カラー/1時間54分/ヴィスタサイズ/ドルビー
配給:ゴー・シネマ
(C)2006 Xuxa Producciones SL - All Rights Reserved

公式 HP >> http://www.goya-mita.com/

★10月4日(土)〜スバル座・渋谷東急・新宿ミラノ、シネ・リーブル池袋他全国ロードショー


『ふみ子の海』

二人のふみ子の会
 山路ふみ子福祉賞受賞作品『ふみ子の海』上映
2008年10月4日(土)14:00〜上映 16:30〜懇親茶話会 無料
場所 学習院創立百周年記念会館正堂
お申込みファックス
 03−3479−1086(お名前、ご住所、後連絡方法を記入) 

公式 HP >> http://www.fumikonoumi.com/



「昭和の銀幕に輝くヒロイン 総集篇2」

若尾文子、岸恵子、岩下志麻、団令子、津島恵子、山口淑子、久我美子、淡島千景、桑野みゆき、高峰三枝子、野川由美子、山本富士子、岡田茉莉子、加賀まりこ、京マチ子の主演作品21本

期日:2008年10月5日(日)〜11月8日(土)
会場:ラピュタ阿佐ヶ谷
チケット:一般…1,200円  シニア・学生…1,000円  会員…800円 3回券…2,700円 水曜サービスデー…1,000円均一
スケジュール、作品解説など詳細は下記へ。

公式 HP >> http://www.laputa-jp.com/



2008年10月11日〜

『僕らのミライへ逆回転』BE KIND REWIND

監督・脚本:ミシェル・ゴンドリー
撮影:エレン・クラス
編集:ジェフ・ブカナン
音楽:ジャン・ミシェル=ベルナール
出演:ジャック・ブラック(ジェリー)、モス・デフ(マイク)、ダニー・グローヴァー(店長)、ミア・ファロー、シガーニー・ウィーヴァー、メロニー・ディアスほか

マイクの勤めているレンタルビデオ店は、近所に大きなライバル店ができたうえ、再開発のため潰れそうだ。マイクの友人のジェリーは何かにつけトラブルを起こす男。店長が留守のときにやってきて、よりによって店にあるビデオテープの中味を全て消してしまった!!やってくるお客を断ると収入が途絶えてしまうので、二人は苦肉の策を考え出す。なんと自作自演で『ゴースト・バスターズ』、『ロボコップ』、『ドライビング・ミス・デイジー』を作り、リメイク版として店に出したのだ。すぐにばれて騒動になるかと思いきや、意外なことに二人の手づくりビデオは大うけする。俳優不足は町の人で補い、次々と作品を完成させ、店には行列ができていった。


(c)2007 Newline Productions/ Junkyard Productions

『エターナル・サンシャイン』、『恋愛睡眠』のミシェル・ゴンドリー監督作。追い込まれた二人が、ホームビデオで映画作りをする場面が面白いです。『恋愛睡眠』でもいかにも手づくりの美術が楽しかったですが、こちらもダンボールや廃材を駆使して名作、いや迷作を作り上げます。1本について見せてくれる場面が短いので、そこまでうけるものだろうかと疑問が湧いてしまうのが惜しいです。ここはちょいと説得力不足。大作好みのハリウッドへの皮肉にもなっているのかもしれません。
マイク役のモス・デフという人は、俳優&ラッパーなんですね。名前は口癖だった"Most Definitely(最も確実に)"からとったんだとか?ジャック・ブラックは近くにいたら「うざい」と言いたくなりそうなほどあいかわらず賑やかです。原題の「BE KIND REWIND」はビデオ店の決まり文句「巻き戻して(お返し)ください」の意味。映画のビデオ店の店名でもあります。 (白)

2008/アメリカ/101分/シネマスコープ/ドルビーSRD/
配給:東北新社
http://www.gyakukaiten.jp/

10月11日(土)より、シネマライズ、シャンテ シネ、新宿バルト9ほか全国順次ロードショー



『フレフレ少女』

監督:渡辺謙作
脚本:橋本裕志
出演:新垣結衣、永山絢斗、柄本時生、斎藤嘉樹、染谷将太、内藤剛志 ほか

百山桃子は恋に恋する純情乙女。その彼女が恋に落ちた相手は野球部のエースピッチャー。何とか近づきたいと思っても、当然ながらライバルは多い。あきらめかけていた彼女に、天からの声が!「我々は〜、どんな困難にも諦めず立ち向かわねばならない〜っ!」
たった一人の応援団員・龍太郎が叫ぶ団の訓示だった。桃子は野球部を応援したい一心で入団を決意。足りない団員を集め、野球部の応援に駆けつけるのだが、あまりのへなちょこ応援でかえって野球部の足を引っ張り負けてしまうありさま。更にはエースがライバル校に転校すると判明し、桃子たちはすっかりやる気をなくしてしまう。そんなところへ、伝説の応援団OB・柳原がやってきて、ゴールデンウィーク合宿を持ちかける。柳原の口車に乗せられて、軽い気持ちで合宿へと向かうのだが・・・

長身、スリムな新垣結衣ちゃんが長ラン&はちまきで一所懸命応援する姿にかなり萌えます(笑)。団長の彼女について行く応援団員を演じる4人は、いずれも注目の若手。永山絢斗(けんと)さんは、初映画出演。お兄さんの瑛太さんと声がよく似てる! 柄本時生さんも柄本祐さんの弟ですね。
自分がいた高校にも伝統ある応援団があって、1年生の時の応援団長が長ラン&マント&高下駄でビシッとしているのが、恐くてかっこよかったなぁと思い出しました。(梅)

2008年/日本/114分/ビスタサイズ/DTSステレオ
配給:松竹
製作:テレビ朝日、松竹、バップ、電通、レプロエンタテインメント、衛生劇場、集英社、日販、メ〜テレ、九州朝日放送、北海道テレビ、静岡朝日テレビ、リトルモア
制作:リトルモア、フィルムメイカーズ

公式 HP >> http://www.fure-fure.jp/

★10月11日(土)より、全国ロードショ〜〜!!


『トリコン!!!リタ→ンズ』

監督:佐々木浩久
脚本:高野倉薫、佐々木浩久
出演:進藤学(エース)、南圭介(キング)、八神蓮(ジャック)、小西遼生(ユージ)、飛鳥凜(瞳)、蛍雪次朗(菅原)

同じ孤児院で育ったエース、キング、ジャックの3人は、窓際刑事の菅原に紹介してもらったアルバイトをしながら、もうからないトリプル探偵事務所を続けている。そんな3人の元に、瞳という少女が兄を捜して欲しいとやってきた。彼女の兄というのは、3人と同じ孤児院から養子にもらわれていったユージだった。彼らの父は、殺人事件の容疑者として警察に拘留され、それ以来ユージは家に戻ってこないのだという。3人はユージの行方を捜し始めるが、調べれば調べるほどユージが事件に深く関わっているのではないかと疑惑が高まってくる。

ジャンルは青春×アクション×コメディでしょうか。サスペンスとしては謎解きや盛り上がりが小粒、よく見ていると早めにネタがわかります。これはイケメンくんたちの様々な表情を楽しむ作品なんだと思いましょう。残念なのは画面が暗くて、せっかくのイケメンくんたちの顔が影になっているところがあること。一般道路でのシーンのうるさい音が台詞にかぶってしまっていること。1作目『トリコン!!!』に続き同じスタッフ&キャストでチームワーク良し、アドリブらしい台詞のやりとりが軽やかです。ユージの義妹役の飛鳥凛が元気はつらつ。あじゃに追いかけられるシーンのわけは1作目のDVDをご覧下さい。(白)

横浜を舞台に、イケメン3人組が事件の謎を追う。戦隊ヒーローもののようなノリと、レトロでしゃれた雰囲気がミックスされているけれど、全体的にユルイなぁ。画面がひどく暗くて、せっかくのイケメンがはっきり見えないのも気になります。試写には主役の3人もいらっしゃっていました。さすがに常人とは明らかに違う容姿端麗さで、目を引きました。(梅)

製作・配給:スーパービジョン
宣伝協力:アムモ
2008年/日本/カラー/ヴィスタサイズ/89分

公式 HP >> http://www.toricon.com/

★10月11日(土)より、渋谷シアターTSUTAYA(Q-AXシネマ改め)にてレイトショー


『私がクマにキレた理由(わけ)』(原題:The Nanny Diaries)

監督・脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン&ロバート・プルチーニ
撮影:テリー・ステイシー
プロダクション・デザインマーク・リッカー
衣装:マイケル・ウィルキンソン
音楽:マーク・スオッゾ
原作:「ティファニーで子育てを」文春文庫刊 
主演:スカーレット・ヨハンソン(アニー・ブラドック)、ローラ・リニー(ミセス・X)、アリシア・キーズ(リネット)、クリス・エヴァンス(ハーヴァード)、ニコラス・リース・アート(グレイヤー)、ポール・ジアマッティ(ミスター・X)、ドナ・マーフィ(ジュディ・ブラドック)ほか

大学を卒業したアニー、金融業界への就職に失敗してしまった。自分が本当は何をしたいのかわからず悶々としていたとき、セレブの家庭の「ナニー(子守)」の仕事を引き受けることになった。マンハッタンの豪華なアパートに目を丸くするアニー。しかし何不自由ない暮らしのはずのミスター&ミセスXは、少しも幸せそうに見えない。5歳のグレイヤーはアニーにすっかり懐き、上に住むハーヴァードとも知り合ったが、ナニーの恋愛はご法度。デートの時間もないのだった。

アニーは看護士の母に育てられ、大学では文化人類学を専攻していたという設定です。冒頭マンハッタンの人間が自然史博物館の展示のように、分類・紹介されています。賞レース常連のローラ・リニー演じるミセスXのブランド尽くしのファッションにも注目。心の隙間をうめているかのような気合の入り方です。衣装担当の方は選び甲斐があったことでしょう。原作はマンハッタンの30以上の家庭でナニーとして働いた経験を元に書かれたもの。映画でも雇い主とナニーとの攻防がことこまかに出てきて興味をひかれます。ナニーと子どもの物語といえば「メリー・ポピンズ」が有名ですが、この中にも傘のシーンやおまじないのことばが登場してオマージュを捧げています。自然史博物館のほかにもニューヨークの名所がたくさん登場し、旅行社とのコラボでそれを訪ねるパッケージツアーができています。燃油代が安ければ行きたいですけどねぇ。(白)

2007/アメリカ/カラー/106分/ヴィスタ/SRD
配給:ショウゲート

公式 HP >> http://www.kuma-kire.com/

★10月11日(土)〜日比谷みゆき座ほかにて全国ロードショー


『ワイルド・バレット』(原題:Running Scared)

監督:ウェイン・クラマー
出演:ポール・ウォーカー(ジョーイ・ガゼル)、ヴェラ・ファーミガ(テレサ・ガゼル)、キャメロン・ブライト(オレグ・ユゴルスキー)、チャズ・パルミンテリ(アンゾ・ユゴルスキー)、カレル・ローデン

ジョーイはイタリア系マフィアの一員。殺人の証拠となる銃の後始末を命じられているが、保身のためずっと家に隠し持っていた。ジョーイの息子ニッキーと隣家の息子のオレグは、ジョーイたちが悪徳警官たちとの銃撃戦で使った銃を隠すところをたまたま目撃してしまう。暴力を振るう義父を憎んでいたオレグは、そのうちの1丁の拳銃を持ち出し、母を殴った義父に向かって発砲する。銃と弾を処分せねば今までの件がばれてしまい、粛清されることになる。ジョーイはオレグと拳銃の行方を追い、ニッキーを乗せて夜の街へと車を飛ばす。警察とマフィアの双方も動き出していた。

 
(c)2006 Media 8 Entertainment All Rights Reserved.

なくなった拳銃が物語を紡いでいく作品はほかにもありますが、これは全編にわたってテンション高く、すごいスピードでぐいぐい引っ張られていき、自分が参加したかのように終わるとぐったりでした。体調整えてどうぞ。「奥さん、それはいかんでしょう」とか、「あ、君はもう死んでます」とか、つっこみどころが多いもののそれも振り切られてしまいます。タランティーノ監督が絶賛したというのがわかります。大好きそうですもん。
隣のロシア人の息子を演じるキャメロン・ブライトはいったどんな俳優になってしまうのか期待と心配が入り混じります。子役として活躍できる期間は短く、一時期注目されてもその後鳴かず飛ばずで終わってしまうことも多い映画界です。脱皮しながら成長していってほしいと老婆心。ウェイン・クラマー監督はこの作品のヒットで、ハリソン・フォード、ショーン・ペンが共演する自作のリメイクが決定したそうです。(白)

2006/アメリカ/カラー/122分/35mm/シネマスコープ/ドルビーデジタル
提供:ハピネット
配給・宣伝:アートポート

公式 HP >> http://www.wild-bullet.jp/

★10月11日(土)、新宿トーア、銀座シネパトス他にて全国順次ロードショー!


『KING OG TOKYO O FILME キング・オブ・トーキョー・オ・フィウミ』

監督・編集:太田綾花
出演:アマラオ(ワグネル・ペレイラ・カルドーゾ)、マルコス、ケリー、ツゥット、川渕三郎、ラモス瑠偉(友情出演) ほか

Jリーグが開幕した1992年、アマラオはブラジルからやって来た。しかし、彼が移籍したのはJリーグチームではなく、JFL(アマチュアリーグ)の東京ガスだった。それから7年、FC東京が発足してJ2のチームとなり、2000年にはとうとうJ1へと昇格した。アマラオはチームとともに、サポーターとともに成長し、いつしか「キング・オブ・トーキョー」と呼ばれるようになった。

映画はアマラオをとてもビッグな人間として奉るような雰囲気ではなく、彼を知る人々が心から彼を愛し、彼もまた彼らを愛しているのが伝わってくる。来日当初の彼を「へたくそだった」と笑って語る人もいる。それでも彼はチームにとってなくてはならない、唯一無二の存在になっていった。プロとして技術も大切だけれど、それ以上に人間としての魅力が大切なんだなぁ。
現役時代の試合映像がもっとあって欲しかったし、サッカーのようにもう少しテンポが良ければ、もっとよかったのにと思う。(梅)

2008年/カラー/104分/日本/日本語字幕・ポルトガル語字幕/ステレオ
配給:スリー・ジー・コミュニケーションズ
宣伝:ビー・ビー・ビー

公式 HP >> http://www.kingoftokyo.com/

★10月11日(土)より渋谷シネパレス、10月18日(土)より吉祥寺バウスシアターにてレイトショー


『アメリカン・ティーン』(原題:American Teen )

監督・脚本:ナネット・バースタイン
出演:ハンナ・ベイリー、コーリン・クレメンズ、ジェイク・トゥイッシー、メーガン・クリズマティック、ミッチ・ラインハルト ほか

アメリカの中西部、インディアナ州の地方都市ワルシャワ。そこにひとつだけある高校の3年生にに1年間密着してカメラを回し続けました。彼らの高校生活は、社会構造と同じにいくつかの階層に分けられます。jock(スポーツ選手)、princess(女王様)、hearttherob(イケメン)、geek(オタク)、rebelled(変わり者)など。代表的なキャラクターの5人をメインに、ドキュメンタリーよりもリアル、フィクションよりもドラマチックな作品が誕生しました。描写の合間に彼らの理想を表すアニメーションが挿入されます。ゲーム好きなジェイクが「ゼルダの伝説」の主人公になっているのに、個人的に大ウケでした。顔まで似せてあります。
監督は『くたばれ!ハリウッド』で高い評価を得たナネット・バーンスタイン。高校生活最後の1年間を過ごす彼らの姿の中に、かつての自分を見出す思いがします。あなたの17歳はどんな風でしたか?(白)

サンダンス映画祭最優秀監督賞受賞作
2008/アメリカ/1時間35分/G-12
配給:パラマウント

公式 HP >> http://www.americanteen.jp/

★10月11日(土)より新宿バルト9ほかにてロードショー


「泉谷しげる黄金週間」

『ロード・オブ・ライブ』新作ドキュメンタリー
『戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件』

ソフト化されていない泉谷しげる主演のドラマ
10月11日(土)〜17日(金)
横浜黄金町シネマジャック&ベティにて上映

*トーク&ライブ
 期日:10月13日(月・祝)16:15〜
    14日(火)19:30〜
    (開場45分前)
 料金:・映画・トーク&ライブ セット券(整理番号付)
   一律3000円 ※劇場前売り9/13(土)〜、チケットぴあ10/3(金)発売
  ・映画のみ当日券(2本立て料金)
   一般1500円、大高1200円、小中シニア1000円、ラスト1本800円(入替なし)

シネマジャック&ベティ HP >> http://www.jackandbetty.net/



「第14回 KAWASAKI しんゆり映画祭 2008」

・10月12日(日)ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘
          新百合ヶ丘駅南口 サティ・ビブレ6F
・10月12日(日)―11月3日(月・祝)川崎市アートセンター
          新百合ヶ丘駅北口下車 徒歩3分
          〒215-0004 川崎市麻生区万福寺6-7-1
          Tel.044-955-0107
・料金:一般前売=1800円 一般当日=2000円
    高校生以下、シニア、障害者とその介助者=前売・当日共 1800円
*前売券は「チケットぴあ」にて販売

●上映作品
特集・新藤兼人
『石内尋常小学校 花は散れども』
『愛妻物語』
『裸の島』
『鬼婆』
『午後の遺言状』

ジュニア映画制作ワークショップ発表会
『リプレイ〜戻る時計と進む少女〜』

DEEP JAPAN
『靖国 YASUKUNI』監督:李纓
『実録連合赤軍 あさま山荘への道程』 監督:若松孝二

NEW WABE JAPAN
『かぞくのひけつ』監督:小林聖太郎
『ジャーマン+雨』監督:横浜聡子
『童貞。をプロデュース』監督:松江哲明
『国道20号線』監督:富田克也
『秘密結社鷹の爪THE MOVIE〜総統は二度死ぬ〜』監督:FROGMAN
『休暇』監督:門井肇

舞台そして映画
『グミ・チョコレート・パイン』監督:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
『クワイエットルーム』監督:松尾スズキ

映画から見えてくるアジア
『トゥヤーの結婚』監督:ワン・チュアンアン
『黒い土の少女』監督:チョン・スイル
『妻の愛人に会う』監督:キム・テシク

特別企画 澤登翠活弁上映+トーク
『瀧の白糸』監督:溝口健二

スクリプター白鳥あかねの映画人生50年
『帰らざる日々』監督:藤田敏八

国境を超えて活躍する女性たち
『ペルセポリス』監督・脚本:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー
『その名にちなんで』監督:ミーラー・ナーイル

川崎の監督たち
『オオカミの護符』監督:由井英
『0(ゼロ)からの風』監督:塩屋俊

オーストラリア特集
『Broken Sun』監督:Brad Haynes
『雲の下を』監督:アイヴァン・セン
『WALKABOUT 美しき冒険旅行』
「豪日学生フォーラム」

ハロウィン特集
『チャーリーとチョコレート工場』監督:ティム・バートン
『ゾンビーノ』監督:アンドリュー・カリー
『ペネロピ』監督:マーク・パランスキー
『パンズ・ラビリンス』監督:ギレルモ・デル・トロ

スケジュール、ゲスト、作品の解説など詳細は公式サイトへ
http://www.siff.jp/siff2008/
■お問合せ
NPO法人KAWASAKIアーツ・映画祭事務局
電話 044-953-7652  FAX 044-953-7685

公式 HP >> http://www.siff.jp/



2008年10月18日〜

『マルタの優しい刺繍』Die Herbstzeitlosen

監督:ベティナ・オベルリ
脚本:サビーネ・ポッホハイマー、ベティナ・オベルリ
撮影:ステファン・クティ
美術:モニカ・ロットマイヤー
音楽:ルック・ツィメルマン
出演:シュテファニー・グラーザー(マルタ)、ハイジ=マリア・グレスナー(リージ)、アンネマリー・デューリンガー(フリーダ)、モニカ・グブザー(ハンニ)ほか

スイス、エメンタール地方の小さな村。80歳になるマルタは、最愛の夫を亡くしてから毎日を無気力に過ごしていた。ある日、合唱団旗の修繕を頼まれたマルタは、町の布地屋に出かける。ショウウィンドウを覗くうちに、昔腕の良いお針子だったころ自分で作ったランジェリーの店を持ちたかったことを思い出す。親友のリージに打ち明けると大賛成、さっそく花の刺繍を施したランジェリーを作り貯める。夫の遺した食料品店を改装し、いよいよランジェリーショップを開店するが・・・。

白髪のマルタや仲間のおばあちゃんたちがとても可愛い。それぞれに事情を抱えていて、はじめから皆が賛成したわけではないけれど、他から糾弾されれば友人をかばい応援し、とチームワークを発揮する。牧師の息子や保守的な村の人々に冷たい視線を浴びるけど、マルタは諦めない。 「夢があれば楽しく生きられる」、「いくつになっても遅すぎることはない」というメッセージ受け取りました。原題の「Die Herbstzeitlosen」は花の名前「コルチカム(ユリ科コルチカム属)」で、花言葉は「華やかな青春」。昨年の大阪ヨーロッパ映画祭で『遅咲きの乙女たち』のタイトルで上映されています。(白)

2006/スイス/86分/アメリカン・ビスタ/ドルビーSR/ドイツ語
提供:博報堂DYメディアパートナーズ/アルシネテラン
配給・宣伝:アルシネテラン
http://www.alcine-terran.com/maruta/

10月18日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー



『ボーダータウン 報道されない殺人者』(原題:BORDERTOWN)

脚本・監督:グレゴリー・ナヴァ
出演:ジェニファー・ロペス、アントニオ・バンデラス、マヤ・ザパタ、マーティン・シーン ほか

シカゴの新聞記者ローレンは上司からメキシコのフアレスで起きている連続女性殺人事件の取材を命ぜられる。気乗りのしない彼女だが、海外特派員のポストと引き替えに承知し、フアレスへと向かう。そこではかつての仲間ディアスが新聞社を経営していた。真実の報道をしようと奮闘しているが、警察などによる妨害、脅しは日常茶飯事だ。ローレンはその新聞社を訪ねてきた一組の親娘に出会う。娘のエバはなんと殺人事件の唯一の生還者だった。彼女を通してローレンは事件の全体像をつかみ、失いかけていたジャーナリストとしての使命感を取り戻していく。しかし、彼女たちの前に大きな壁が立ちはだかる。

実際に今なお起きている事件を基に作られた物語です。スター俳優が出演しているサスペンス映画ですが、そこに描かれているのはかなりハードな現実の問題です。過酷な工場労働をしている若い女性たちが、過去15年間で5000人近くも殺されているのに、いまだに真剣な捜査が行われず、何の対策も講じられないメキシコの現実。一方で、大企業がオーナーとなり独立性が危ぶまれて久しいアメリカのジャーナリズムの現実。楽しみながらも、厳しい問題を考えさせられる作品です。(梅)

2007年/アメリカ/112分/カラー/ヴィスタ/SRD
提供:アミューズソフトテンタテインメント、クオラス
後援:社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
配給:ザナドゥー
宣伝協力:リベロ

公式 HP >> http://www.bordertown.jp/

特別記事 グローバル化を考える その1 『ボーダータウン 報道されない殺人者』グレゴリー・ナヴァ監督インタビュー もご覧下さい。

★10月18日(土)より、シャンテ シネほかにてロードショー



「香港カルトシネマ・フェスティバル」

香港映画のホラー、クンフー、ファンタジー作品を集めました。
この機会を逃すと他で観ることはできないかも!!

日程:10月18日(土)〜24日(金)
会場:シアターN渋谷
主催:香港カルトシネマ・フェスティバル
作品:全5作品 全てDLP上映

『魔 デビルズ・オーメン』1983年
 監督:カイ・チーホン
『邪 ゴースト・オーメン』1980年
 監督:カイ・チーホン
 出演:タニー・ティエン
『新死亡遊戯 七人のカンフー』1975年
 監督:リム・ピン
 出演:ホー・チョンドー
『如来神掌 カンフーウォーズ』1982年
 監督:テイラー・ウォン
 出演:イー・トンシン、アレックッス・マン、ロー・リエ
『少林拳対五遁忍術』1982年
 監督:チャン・チェ
 出演:チャーリー・チェン
(C)2008 CELESTIAL PICTURES LTD. All Rights Reserved.


『P.S.アイラヴユー』

監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
脚本:リチャード・ラグラヴェネーズ、スティーヴン・ロジャース
原作:「P.S.アイラヴユー」セシリア・アハーン著 小学館文庫刊
撮影:テリー・ステイシー
プロダクション・デザイン:シェパ−ド・フランケル
音楽:ジョン・パウエル
出演:ヒラリー・スワンク(ホリー)、ジェラルド・バトラー(ジェリー)、キャシー・ベイツ(母パトリシア)リサ・クドロー(デニース)、ジーナ・ガーション(シャロン)、ハリー・コニック・ジュニア(ダニエル)、ジェフリー・ディーン・モーガン(ウィリアム)ほか

― まだ"さよなら"は言えないんだ ―
ホリーは最愛の夫ジェリーを脳腫瘍で突然亡くしてしまった。生きる気力もなく、電話にも出ず、荒れ放題の家に引きこもっていたとき、親友と母親が訪ねてくる。ホリーの30歳の誕生日にお祝いにやってきたのだ。そのときジェリーからのプレゼントが届く。いったい誰が?といぶかるホリー。バースデイケーキの箱に入っていたテープを再生すると懐かしいジェリーの声が流れてきた「・・・これからいろんな方法で手紙が届くよ。内容に従えよ、いいね?・・・」次の日、約束どおり1通目の手紙が届いた。


(c)2007 CUPID DISTRIBUTION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

リチャード・ラグラヴェネーズ監督とヒラリー・スワンクは、2007年の『フリーダム・ライターズ』についで2度目のタッグ。まず夫婦喧嘩で始まります。12ページに及ぶという、長い台詞をぶつけ合うシーンは主演の二人の面目躍如。生き生きとしたやりとりに続いて、次のシーンは夫の葬儀の場面。前が賑やかだった分、喪失感がひしひしとせまってきます。ホリーを支える友人や母親、ジェリーからの10通の手紙が次々と登場し、泣かせるシチュエーションはいっぱいですが、愛情がぎゅっとつまっているせいか、幸せな作品になっています。この原作はセシリア・アハーンが21歳のときに書いた純愛小説。彼女は第10代アイルランド首相のお嬢さんだそうです。アイルランドの美しい風景もたっぷり登場します。(白)

2007/アメリカ/カラー/2時間6分/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/SRD
配給:ムービーアイ、東宝東和
http://www.psiloveyou.jp/

10月18日(土)〜有楽座ほか全国ロードショー



「東京国際映画祭」

会期:10月18日(土)〜26日(日)
会場:六本木ヒルズ(東京・六本木)、Bunkamura(東京・渋谷)をメイン会場に、都内の各劇場及び施設・ホールを使用
チケット前売り開始:10月4日(土)
購入方法発表:9月下旬 公式サイトにて
http://www.tiff-jp.net/ja/



「中国映画の全貌2008」

日中平和友好条約締結30周年、北京オリンピック開催記念
上映期間:10月18日(土)〜12月19日(金)
場所:新宿K's cinema

<開催記念新作上映>
『パティシエの恋』(原題:後備甜心)
監督:盧弘軒(アンドリュー・ロー)、李明文(モーリス・リー)
脚本:岸西(アイビー・ホー)
出演:林嘉欣(カリーナ・ラム)、鄭伊健(イーキン・チェン)、胡兵(フー・ビン)、曾志偉(エリック・ツァン)

イタリアン・レストランのオーナー・ジルは、医者のチーオンとつきあっているが、プレイボーイの彼にとってはいつだって第2の女。それでもいつかは自分が一番になれると尽くしているが、なかなかチーオンには伝わらない。
レストランのシェフが引退する自分の代わりに連れてきたのは、ジャックというイケメンシェフ。しかし、ジルは彼が恋人に冷たく当たる姿を見て不快感を抱き、何かと彼に突っかかる。ところが、それはジルのとんだ勘違い。実際はジャックとジルは似たもの同士だったのだ。

3年前の作品ですが、これまで日本での公開がありませんでした。おしゃれでロマンティックな作品です。顔のパーツも身体もでかいフー・ビンに比べると、イーキンがちょっと貧相に見えてしまうのがなんですが、カリーナと二人で醸し出す雰囲気が良くて、「ジル、早くジャックの存在の大きさに気づきなさい!」と応援したくなります。引退しようとするシェフ役のエリック・ツァンは、出番はそう多くないのに、またもしっかりとおいしいところを持って行って、観るものの涙を誘います。(梅)

2005年/香港/ヴィスタ(1:1.85)/ドルビーSRD/94分
提供:ワコー

『草原の女』(原題:珠拉的故事)
監督:哈斯朝魯(ハスチョロー)
脚本:ルー・ユアン
出演:哈斯高娃(ハースカオワ)、トゥメン、デンジバヤル、バオハンルン

内モンゴルで息子と二人で暮らすゾルの元に、ある冬の日、羊番の手伝いは必要ないかと見知らぬ男がやってくる。彼女は警戒していらないと断ったが、その年は雪が多く、狼が昼間でも羊を襲おうとする。その窮地を彼が助けてくれた。ゾルはあらためて彼に手伝いを頼むことにした。彼は異常に火を恐がるため、人々からガルと呼ばれる。
ゾルには夫がいたが街に行ったきり戻らず、もうすぐ離婚する予定だった。息子はガルになつき、彼女も次第にガルを頼りにするようになるが、ガルはなかなか過去を語ろうとはしない。

『胡同の理髪師』のハスチョロー監督の長編デビュー作です。あまりに定番な音楽の使い方(何か大事が起こると「ジャ〜ン!」)や、メロドラマのような展開に笑ってしまう部分もありますが、たくましいモンゴル女性と子役の笑顔のかわいらしさが印象に残ります。(梅)

2000年/中国/英題:The Story of Zhula/ヴィスタ(1:1.85)/91分
提供:彩プロ、フォーカスピクチャーズ、ワコー

以上二つの新作の他、以下のような上映作品があります。観逃したもの、もう一度大きいスクリーンで観たいもの・・・ぜひ劇場へ足をお運びください。

『胡同の理髪師』、『胡同のひまわり』、『胡同愛歌』、『ただいま』、『呉清源 極みの棋譜』、『モンゴリアン・ピンポン』、『トゥヤーの結婚』、『白い馬の季節』、『活きる』、『山の郵便配達』、『故郷の香り』、『鬼が来た!』、『太陽の少年』、『再見〜また逢う日まで』、『ジャスミンの花開く』、『追憶の上海』、『カンフー無敵』、『クレイジー・ストーン〜翡翠狂騒曲〜』、『[登β]小平』、『ニーハオ[登β]小平』、『紅いコーリャン』、『阿片戦争』、『思い出の夏』、『1978年、冬。』、『狩り場の掟』、『項羽と劉邦-その愛と興亡』、『心の香り』、『子供たちの王様』、『菊豆』、『盗馬賊』、『乳泉村の子』、『芙蓉鎮』、『古井戸』、『變面〜この櫂に手をそえて〜』、『榕樹の丘へ』、『北京の恋―四郎探母』、『雲南の少女 ルオマの初恋』、『ようこそ、羊さま。』、『玲玲の電影日記』、『小さな中国のお針子』
●上海アニメーション
『胡蝶の泉』、『琴と少年』、『猿と満月』、『ナーザの大暴れ』、『不射之射』、『牧笛』、『鹿鈴』

2000年/中国/ヴィスタ(1:1.85)/91分
提供:彩プロ、フォーカスピクチャーズ、ワコー

配給:ワコー/グアパ・グアポ

詳しいスケジュールは新宿K's cinema HPでご確認下さい >> http://www.ks-cinema.com/china2008.html



2008年10月25日〜

『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』

監督:ジェイムズ・D・スターン&アダム・デル・デオ
製作総指揮:ジョン・ブレリオ
編集:フェルナンド・ビレナ、ブラッド・フラー
出演:「コーラスライン」オリジナルキャスト&スタッフ、マイケル・ベネット

― 世界初公開!これがブロードウェイのオーディション―
ブロードウェイのミュージカルの最高峰と言われる「コーラスライン」(1975年〜1990年まで6137公演)が16年ぶりに再演されることになった。そのオーディション会場に初めて入ることを許されたカメラは、応募した3000人の中からわずか19人が選ばれていくまでの8ヶ月を克明に見せる。「コーラスライン」はオーディションのようすをそのままミュージカルにしたものだ。そのキャストのオーディションということで、このドキュメンタリーは入れ子のようになっている。夢にかける男女の真摯な姿を見て、自分はこんなに一生懸命になったことがあったかと、短い人生を振り返ってしまう。
懐かしいナンバーの数々を耳にしながら、一つの役を競い合うのを見ていると、自分もその家族や審査員になったような気がして、この人あの人と思いいれができてくる。中にたった一人、日本人の高良結香さんがいて、思わず応援。合間にオリジナルのキャストや演出家だった人々の証言をはさんでいるのは貴重。エンターテイメント志望の人はもちろん必見なうえ、観客の一人一人に夢を見ることの力を思い出させてくれる作品。映画版『コーラスライン』を観てから、このドキュメンタリーを観たらますます面白くなるはず。その逆もOK。(白)

2008/アメリカ/カラー/93分/ヴィスタサイズ/SD, SRD/
配給:松竹、ショウゲート 宣伝:メゾン

公式 HP >> http://www.broadway-movie.jp/

★10月25日(土)より新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほかにてロードショー


『ハロウィン』HALLOWEEN

監督・脚本・プロデューサー:ロブ・ゾンビ
出演:マルコム・マクダウェル(ルーミス医師)、タイラー・メイン(マイケル・マイヤーズ青年)、デーグ・フェア(マイケル・マイヤーズ少年)、シェリ・ムーン・ゾンビ(母:デボラ・マイヤーズ)、スカウト・テイラー・コンプトン(妹:ローリー・ストロード)、ブラッド・ドゥーリフ(ブラケット保安官)

友人もいなく、家庭でも愛されないで育った孤独な少年、マイケル・マイヤーズはハロウィンの夜、遂にその牙を剥いた。不気味なマスクを被り、母親の恋人、姉、姉のボーイフレンドを次々に惨殺してしまうのだ。ただ一人かわいがっていた赤ん坊の妹を残して…
その夜からマイケルは精神病院に収容され、ルーミス医師の治療を受けることになった。
しかし17年後のハロウィンの日、マイケルは精神病院を脱走する。あの日生き残った妹ローリーを求めて故郷に向かった彼は再びマスクを被り、惨殺を繰り返し始めた。脱走を聞いたルーミス医師は、マイケルの暴走を止めるべくブラケット保安官に協力を求める。

ホラー映画の巨匠、ジョン・カーペンターが監督し1978年に公開された映画史上に残る不朽の名作、『ハロウィン』のリメイクである本作は、2007年8月31日に全米公開され、オープニング(4日間)の興行収入が35億円を超える全米?1の大ヒットとなった。監督はヘヴィメタファンの間で知られるロブ・ゾンビ。『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルや、『カッコーの巣の上で』でオスカー候補にもなったブラッド・ドゥーリフなどの名優が出演している。今回のゾンビ版はオリジナル版では描かれなかったマイケル・マイヤーズの少年時代や精神病院時代に重きが置かれていて、マイケル少年の一家惨殺シーンなどはオリジナルよりかなりジックリと執拗に描かれている。精神病院の中での徐々に殺人鬼に変貌していくプロセスなどは、かなり息苦しくジットリとした汗が流れ出てくる感じだ。特筆すべきは、このマイケル少年を演じているデーグ・フェア。1992年生まれなので今年16歳。8歳で既に15分ほどの短編映画の脚本、監督、一部編集などをこなしたという彼の不気味さは、演技ではないのではないかと思うほどの迫力だった。『ハンコック』にも出演しているというから要チェック。
ホラー映画、特にこのようなスプラッタ映画というとかなり好き嫌いがハッキリとするが、1978年から続いた『ハロウィン』シリーズの総決算として完成度の高いこの作品を是非見ていただきたい。(よね)

原題HALLOWEEN/2007/アメリカ/カラー/109分/シネマスコープ/Dolby-Digital-SDDS-DTS/R15
配給:ザナドゥー
宣伝協力:ライス タウン カンパニー

公式 HP >> http://www.hallo-ween.jp/

★10月25日(土)より お台場シネマメディアージュ、シアターN渋谷、池袋シネマサンシャインにてロードショー公開


『ロック誕生 The Movement 70's』

監督:村兼明洋
出演:(インタビュー)内田裕也、ミッキー・カーチス、近田春夫、中村とうよう、加納秀人、森園勝敏
   (ライブ映像)フラワー・トラヴェリン・バンド、頭脳警察、はっぴいえんど、イエロー、遠藤賢司、ハルヲフォン、ファー・イースト・ファミリー・バンド、村八分、クリエイション、四人囃子

1970年代初頭、日本においてオリジナルなロックが次々に誕生していった。ブルース、ハード、プログレッシブなど、多種多様なロックの形態を吸収し、独自の個性を発揮するバンドが多数生まれ、異様な熱気を放っていた。その中で、ロックをやるなら日本語か英語か?といった論争も白熱した。
映画は当時そのまっただ中にいた内田裕也、ミッキー・カーチスといった人物へのインタビューと、貴重な当時のライブ映像をがっつり見せる構成になっている。ライブ映像は今見ても新鮮で、面白い! フラワー・トラヴェリン・バンドとか、イエローとか、うまいし、めっちゃかっこいい!!(梅)

2008年/日本映画/カラー(一部モノクロ)/75分/STEREO(一部MONO)/デジタル上映
製作:日本出版販売/ユニバーサル ミュージック/エイベックス・マーケティング/ビタミン
配給:『ロック誕生』Partners/日本出版販売

公式 HP >> http://www.rock-tanjo.jp/

★10月25日(土)〜11月21日(金)、シアターN渋谷にてレイトショー(整理番号制)


『むずかしい恋』

監督:益子昌一
脚本:いながききよたか、益子昌一
出演:水橋研二、璃乃亜、前田綾花、森岡龍、柳沢なな、載寧龍二、安藤サクラ、三浦誠己

バー”NO〜MU"は元バレエダンサーの南が開いている。店にはそれぞれに恋の悩みを抱えた男女が訪れる。彼らをカウンター越しに優しく見守りながら、南自身もままならぬ思いを抱えていた。

柔らかい光をたたえたバーの空間で、いろいろなタイプの恋の顛末が繰り広げられます。監督は『贅沢な骨』『きょうのできごと a day on the planet』など行定勲監督の脚本を手がけた方で、これが初監督。これほど閉じた空間での人間模様を初監督で撮るのは少々ハードルが高かったのではと思います。南役の水橋研二さんのたたずまいがとてもいいです。(梅)

2007/日本/カラー/HDV/ヴィスタサイズ/102分
配給:アステア
宣伝:ビー・ウィング/ポケット
(c)2007 「むずかしい恋」製作委員会

公式 HP >> http://www.muzu-koi.jp/

★10月25日(土)よりシネマート六本木他、全国順次ロードショー


『ブリュレ』

監督・脚本:林田賢太
撮影:早坂伸
出演:中村梨香、中村美香、平林鯛一、瀬戸口剛、小田豊

幼い頃に両親が死んで別々に育てられた双子の日名子と水名子。日名子は北国の街でケーキ屋を営むおじさんの元で暮らしている。日名子には秘密がある。ときどき衝動にかられて小さな放火を繰り返していたのだ。その日名子の元に、水名子が骨壺を抱えて訪ねてくる。一緒に暮らしていたおばあさんが亡くなったのだという。10数年ぶりの、心から願っていた再会。しかし水名子は嘘をついていた。本当のことを言えぬまま、日名子のもとを去ろうとする日、日名子のいつもの火遊びが思いもかけぬ大火事となっておじさんの家を焼き尽くす。二人は手に手を取って逃げ出す。もう絶対に離れたくない・・・

一卵性双生児という一番濃い繋がりを持つ二人の運命的な愛の物語。美少女二人の危うい関係が美しいリリカルな映像でつづられます。心の底に潜む激しい感情がもう少しかいま見られると、メリハリがつくと思うのですが。全体に平板で主旋律がどれなのかがちょっと曖昧。(梅)

2008年/日本/カラー/ステレオ/DV撮影・HDCAMマスター/16:9ワイド/71分
製作・配給:シネバイタル
配給協力:ゼアリズエンタープライズ

公式 HP >> http://www.brulee-movie.com/

★10月25日(土)よりユーロスペースにてレイトロードショー


2008年11月以降

『レッドクリフ PartI』(原題:赤壁)

監督:呉宇森(ジョン・ウー)
アクション監督:元奎(コリー・ユン)
音楽:岩代太郎
出演:梁朝偉(トニー・レオン)、金城武、林志玲(リン・チーリン)、張豐毅(チャン・フォンイー)、胡軍(フー・ジュン)、張震(チャン・チェン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、中村獅童 ほか

西暦208年、曹操は献帝を強迫して劉備、孫権に対する討伐命令を出させ、自ら80万の軍勢を率いて新野の劉備軍を襲った。長坂坡の戦いで壊滅的打撃を受けながら辛くも逃げ延びた劉備たち。軍師・諸葛亮は呉の孫権と同盟し曹操に対抗することを提案し、自ら使者として一人呉へと向かう。呉は開戦か降伏かで重臣たちの意見は真っ二つに割れていた。孫権は諸葛亮の説得に開戦へと傾きかけるが、老臣たちの抵抗にあってなおも躊躇している。諸葛亮は呉の重臣・魯肅の意見を聞き入れ、まず大都督・周瑜を説得しようと会いに行く。


(C)2008 Three Kingdoms Ltd. (C)Bai Xiaoyan

「三国志」の中でも最高の山場である「赤壁の戦い」。呉宇森監督にとって、この映画化は20年来の夢でした。相次ぐ主演俳優の交代、撮影中の事故など、アジア映画過去最高規模のこの作品は相当難産でしたが、公開後は各国で快進撃をつづけ、中国映画史上最高の興行成績を記録しています。
日本人には吉川英治や北方謙三の「三国志」がなじみ深いかと思います。わたしは吉川英治版を読みましたが、やはり映画はいろいろとエピソードが異なっていますし、かなりモダンになっています。そういった違いを是非楽しんでください。戦場を駆けめぐり大暴れする関羽、張飛、趙雲らを、遙か彼方を静かに見つめ、口跡さわやかに語る孔明を、音楽と妻を愛し孔明に負けぬ知己を持つ周喩を、花も実もある俳優たちが体現し、男と男の友情を撮っては右に出る者なしの呉宇森が監督なのですから、面白くないわけがないです。2部作の前編なので、最大の山場は後編の『レッドクリフ PartII』に詰まっているのですが、その来年4月の公開を楽しみに待つためにも是非大きなスクリーンでご覧になって下さい。(梅)

2008年/アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/35mm/145分/シネスコサイズ/ドルビーデジタル/翻訳:鈴木真理子/字幕:戸田奈津子/監修:渡邉義浩(大東文化大学)
配給:東宝東和、エイベックス・エンタテインメント
宣伝:KICCORIT、P2

公式 HP >> http://www.redcliff.jp/

★11月1日(土)より日劇1ほか全国超拡大ロードショー
第21回東京国際映画祭オープニング作品に決定!

本誌74号に監督、出演者らの記者会見記事が掲載されています。



『ブタがいた教室』

監督:前田哲
脚本:小林弘利
原案:「豚のPちゃんと32人の小学生」黒田恭史著(ミネルヴァ書房刊)
音楽:吉岡聖治
キャスト:妻夫木聡(星先生)、大杉漣(仁科教頭)、田畑智子(池沢先生)、原田美枝子(高原校長)、 池田成志(小鷲先生)ほか生徒役の子どもたちたくさん

6年生の担任になった新卒の星先生。子豚を飼う許可を学校に取り付け「いのちの授業」を開始する。卒業まで豚を大きくしてみんなで「食べよう」と言う約束だった。生徒たちはPちゃんと名づけ、当番を決めて世話をする。卒業がせまってきて、あらためてPちゃんの「処分」を話し合う。「食べる」、「食べない」で、クラスは真っ二つに分かれての大論争となった。

関西の小学校で実際にあった話です。やる気満々の新任の先生は、豚のPちゃんと32人の生徒たちと一緒に卒業までの900日を過ごしました。この取り組みはテレビのドキュメンタリーとして平成5年に放映され、ギャラクシー賞奨励賞、動物愛護映画コンクール総理大臣賞を受賞しました。テレビ局には多くの反響が寄せられたそうです。
ご本人の黒田先生が当時を振り返って書いた本が原作です。妻夫木聡が生徒たちと一緒に育っていく教師役を熱演。ロケ中の仲の良さがそのまま画面に現れているような子役たちの演技も自然です。台本なしでの討論の真剣なようすに目を見張り、Pちゃんを思う子どもたちの言葉に泣けました。先生も生徒もいのちについて、どれほど深く考えたことか。どうするのが一番よかったのか、その問いはこれからもついて回るのでしょうが、かけがえのない経験だったことは間違いありません。(白)

2008/日本/カラー/35mm/109分/ビスタサイズ/ドルビーSRD/
配給:日活

公式 HP >> http://www.butaita.jp/

★11月1日(土)〜シネ・リーブル池袋、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー


『ハンサム★スーツ』

監督:英勉(はなぶさ・つとむ)
脚本:鈴木おさむ
撮影:小見山充、北川聡
音楽:川口大輔
出演: 塚地武雅(大木琢郎)、谷原章介(光山杏仁)、北川景子(星野寛子)、温水洋一(?)、大島美幸(橋野元江)、佐田真由美(來香)、本上まなみ(谷山久恵)、池内博之(狭間真介)、ブラザー・トム(明)、中条きよし(白木社長)ほか

心優しい独身男、大木琢郎は母親が残した定食屋“こころ屋”をついで繁盛させている。腕も性格も良い琢郎だが、ブサイクに生まれたと劣等感を持っていた。美人アルバイトの寛子ちゃんに恋して勇気を振り絞って告白するが、彼女は「がっかりしました」と言って出て行ってしまう。すっかりへこんだ琢郎、友達の結婚式に出席するためスーツを買いに行くとなぜか奥へ案内された。「あなたにぴったりなのはこれ!」と勧められたのが“ハンサム・スーツ”。無理やり試着させられて鏡を見ると、そこには全く違った自分がうつっていた!!

ハンサムとブサイクの代表、美人とブスの代表として登場する面々に、多少異論の向きもあるかと思いますが、ケラケラ笑って楽しめてぽっと気持ちのあったかくなる作品でした。塚地武雄が変身して谷原章介になり、谷原章介は中にいる塚地武雄演技もしなくてはいけません。これがいつものすました彼ではなくかなり振り切れています。塚地くんが完成披露の舞台挨拶で「谷原さんハンサムな上に面白いなんて、こちら上がったりですわ」とぼやいて笑わせました。
脚本は鈴木おさむさん、「ブスの瞳に恋してる」、「SMAP×SMAP 」などの構成作家としても有名。この映画には愛妻の大島美幸さんも出演していて笑顔に癒されます。公式サイトにはいろいろ面白いコンテンツがありますので、公開前にぜひどうぞ。(白)

2008/日本/ビスタ/カラー/
配給:アスミック・エース
(c)『ハンサム★スーツ』製作委員会

公式 HP >> http://www.handsome-suits.com/

★11月1日(土)〜全国“レッツ、ハンサム”ロードショー


『イエスタデイズ』

監督:窪田崇
原作:本多孝好
脚本:清水友佳子
主題歌:榎本くるみ 「イエスタデイズ~大切な贈りもの〜」
出演:塚本高史(柳田聡史)、國村隼(柳田昭彦)、(柳田昭彦:32年前)、原田夏希(真山澪:32年前)、蟹江一平(柳田慎一)、カンニング竹山(藤井哲男)、風吹ジュン(柳田節子)ほか

バイト生活を続けている聡史は、海辺のホスピスにいる父昭彦を訪ねる。レストランチェーンを経営し仕事人間だった父親との諍いを機に、一人家を出て以来の再会だった。死期が近づいている父親の頼みとは、学生時代の恋人だった真山澪(まやまみお)を探してほしいということだった。聡史は父親の描いたスケッチブックを持って描かれた場所を訪ね歩き、絵を媒介に自分と同じ年齢の父親と澪に出会うという不思議な体験をする。本人の口から語られることのなかった昔の父は、画家になる夢を持った若者だった。

父親と息子の確執はよく映画のテーマとなります。母と娘は(経験上)言いすぎるあまりに喧嘩になり、父と息子は言葉が少なすぎての誤解が元になるような気がします。この映画の父親と息子もまさにそれでした。頑固な父を國村隼、若き父は和田聰宏。ちゃんと似ていますね。
『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006)は、息子(堤真一)が反発していた父の若いころにタイムスリップし、父を理解し和解するものでした。過去には戻れないけれど、自分はいつか親の年齢になります。でもそのころには遅いんだよね、とちょっと酸っぱい気持ちになりました。想像する(思いやる)ことがそのすきまを埋めるんじゃないでしょうか。(白)

2008/日本/カラー/119分/ビスタ/DTSステレオ/
配給:エスピーオー

公式 HP >> http://www.yesterdays-movie.com/

★11月1日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー


『Happyダーツ』

監督・脚本:松梨智子
製作総指揮:大月俊倫
撮影:柳田裕男
音楽:ラクライ
主題歌:熊木杏里『モウイチド』
出演:辺見えみり(美奈子)、佐藤仁美(麻衣)、加藤和樹(篠塚)、新田恵利(サキ)、村杉蝉之介、森泉(八王子)、DAIZO、森次晃嗣(オーナー)ほかダーツプレイヤーのみなさん

派遣社員の美奈子は退社時間前には化粧直しを始め、時間ぴったりにタイムレコーダーを押して帰る。社内恋愛もてきとーにやってのけ、周りの女子の視線は冷たいがいっこうに気にしない。仕事の意欲は全然なく、興味のあるのはブランドもの。しかし、同僚で親友の麻衣に連れられてやってきダーツバーで、爽やかな年下青年篠塚に出会って美奈子の毎日は一変する。篠塚は日本でも指折りのダーツプレイヤーだった。彼に一目会いたいがため美奈子はダーツバーに通い始め、いつしかダーツの魅力にはまっていく。久しぶりに頑張れるもの、見つけちゃった!

ダーツはおもちゃでしか遊んだことがなく、この作品で初めてルールを知りました。古くからある先端が金属製のものはハードダーツ、この映画で使われているのはプラスチック製のソフトダーツです。コンピュータ内臓のダーツマシンには、点数の自動計算や音響・映像の演出のシステムがあり、華やかでより楽しめるものになりました。愛好者もここ数年で激増し、この作品にも実際のダーツ店、プレイヤーが数多く登場しています。
なにより松梨監督自身が製作が決まってからダーツ修行を始めて、半年後には全日本トーナメントに出場してベスト8まで進んだというのですから驚きです。ダーツの入門編としても充分な内容に、辺見えみり演じる向上心ゼロのOL美奈子が、好きなものを見つけて輝きだす過程もからめて面白く仕上がっています。元おニャン子クラブの新田恵利が21年ぶりに映画に復帰したのも話題。(白)

2008/日本/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD/1時間26分
http://www.happy-darts.jp

11月8日(土)〜アミューズCQNほか全国順次公開



『かけひきは、恋の始まり』(原題:LEATHERHEADS)

監督:ジョージ・クルーニー 脚本:ダンカン・ブランドリー&ニック・ライリー 製作総指揮:シドニー・ポラック 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル プロダクション・デザイン:ジム・ビッセル 編集:スティーヴン・ミリオン 音楽:ランディ・ニューマン 出演:ジョージ・クルーニー(ドッジ・コネリー)、レニー・ゼルウィガー(レクシー)、ジョン・クラシンスキー(カーター)、ジョナサン・プライス(エージェントCC)ほか

1925年のアメリカ。アメリカン・フットボールのプロ・チーム「ダルース・ブルドッグス」は、スポンサーがおりて解散に追い込まれてしまった。キャプテンのドッジは、そろそろ選手生命も終わりの中年男。チームメイトと自分のためにもなんとかたてなおしたい。お客を呼ぶためにカレッジ・リーグのスタープレイヤー、カーターをチームに入れようと算段をする。 カーターは第1次大戦で勲章を受けた英雄だったが、新聞社にそれは事実と違うというタレコミがあった。敏腕女性記者のレクシーは、暴露記事を書く代わりに昇進の約束を編集長に取り付ける。それぞれ違う思惑をもってカーターに近づき、出会ったドッジとレクシーは丁々発止の舌戦を繰り広げる。

プロデュース、監督業に進出して以来快進撃を続けるジョージ・クルーニーが、15年以上あたためていたという大人のラブ・ストーリーを作りました。相手役は脚本段階から想定していたというレニー・ゼルウィガー。男勝りで野心満々、だんだんドッジに惹かれていくレクシーをレトロなファッションで魅力的に演じています。カーター役は、TVで人気が出たばかりのところを、クルーニーに大抜擢されたジョン・クラシンスキー。好感度高し。抜け目のない計算高いエージェントCC役のベテラン、ジョナサン・プライスはかつての自分のエージェントを手本にしたというのがおかしいです。旧き良き時代のアメリカン・コメディを彷彿とさせるお洒落な映画です。(白)

2008/アメリカ/カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/113分/字幕:岡田壮平 配給:東北新社

公式 HP >> http://www.kakekoi.com

★11月8日(土)〜日比谷みゆき座ほか全国ロードショー


『その木戸を通って』

監督:市川崑
脚本:中村努、市川崑
原作:山本周五郎「その木戸を通って」(「おさん」所収:新潮文庫刊)
撮影:秋場武男
出演:浅野ゆう子(ふさ)、中井貴一(平松正四郎)、フランキー堺(田原権右衛門)、井川比佐志(吉塚助十郎)、岸田今日子(むら)、石坂浩二(岩井勘解由)、神山繁(鹿島大学)、榎木孝明(田原角之助)ほか

娘ゆかの婚礼の日、初老の正四郎は庭の木戸を見やって思いをめぐらしている。若いころの彼は、老中の娘との縁組も決まり順風満帆の将来が待っていた。ある日泊まりこみの城勤めを終えて帰宅すると見知らぬ娘がいた。長く旅したらしいいでたちで、正四郎の名前のほかなんの記憶もないという。心当たりはないものの記憶が戻るまでしばらく家におくことにしたが、正四郎の後見人である田原はせっかくの縁談が壊れると反対する。吉塚夫婦が仮に「ふさ」と名づけ、武家の娘であったらしいふさは家の手伝いをして暮らすようになった。

市川監督の70本あまりの作品中、唯一公開されなかった作品。もとは1993年に日本初のハイビジョンで製作された長編ドラマでした。山本周五郎の短編小説を元に、美しい映像で綴られています。オープニングの闇と光、木の葉に止まるしずく、ほの暗い部屋に浮かび上がる着物姿などなど。主演の中井貴一さん浅野ゆう子さんは現在とあまり変わらない印象ですが、フランキー堺さん、岸田今日子さんの元気な姿があり、市川監督も2月に亡くなられて時間が確実に流れたのだと知らされます。BSで一度放送され、二つの映画祭に出品されたきりでしたが、昨年オリジナルフィルムの存在がわかって公開の準備がなされてきたものです。東京国際映画祭での上映も決定。(白)

1993/日本/ドルビーステレオ/92分/
カラーhdtv1125-60システムより35mm(ヴィスタサイズ)に変換/
配給・宣伝:ゴー・シネマ

公式 HP >> http://www.ponycanyon.co.jp/sonokido/

★11月8日(土)より丸の内東映?他にて特別上映


「山下耕作監督特集」

任侠映画の巨匠、山下耕作監督の24作品を一挙特集上映。

期日:2008年11月9日(日)〜12月20日(土)
会場:ラピュタ阿佐ヶ谷
チケット:一般…1,200円  シニア・学生…1,000円  会員…800円
 3回券…2,700円  水曜サービスデー…1,000円均一

【トークイベント】
 11.9(日)12:40『関の彌太ッぺ』終了後
 [ゲスト]鈴木則文監督 [聞き手]山根貞男さん(映画評論家)
 『関の彌太ッぺ』に助監督として参加された鈴木則文監督をお迎えし、撮影当時のエピソードや、山下耕作監督の思い出などを語っていただきます。
スケジュール、作品解説など詳細は下記へ。

公式 HP >> http://www.laputa-jp.com/



『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』(原題:DIARY of THE DEAD)

監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
出演:ミシェル・モーガン、ジョシュ・クローズ、ショーン・ロバーツ、エイミー・ラロンド、スコット・ウェントワースほか

山中でホラー映画を撮影している若者たちがいる。大学の映画学科の学生で、卒業制作をしているのだった。その中、ラジオを聞いていた仲間が、死者が突然起き上がって人々を襲い始めているという信じがたいニュースに気づいた。まさかと思いつつも、両親と連絡を取ろうとしても携帯電話はつながらない。不安になった彼らは、とりあえず山を下りてみる。そこで彼らが目にしたのは、本当に死者が生きている人々を襲う姿だった。ドキュメンタリー作家志望だったジェイソンは、手持ちのカメラですべてを撮影し、混乱したメディアに変わって、真実の映像をネット上に公開しようと心に決める。

ジョージ・A・ロメロは『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(68)で、モダン・ゾンビ映画を確立した監督。1940年生まれといいますからもう68歳になりますが、作品に老いなどまったくなく、なおいっそう血気盛ん。つい最近、彼の作品『死霊のえじき』(85)のリメイクである『デイ・オブ・ザ・デッド』が日本公開されたばかりなど、再びゾンビ映画が注目される中、この新作は真打ち登場と思わせます。主人公の若者たちが直にゾンビに襲われる怖さに加え、インターネットの動画投稿サイトを効果的に使って世界全体が確実に終わりへと向かっていく恐怖を感じさせるのです。さらにはカメラを覗くことによって対象にこうも無慈悲になれてしまう人間の怖さも描いています。ゾンビ映画というジャンルで、エンタテインメント性は忘れずに、きっちり現代社会や人間のもろさを描いてリアルを感じさせるのはさすがです。(梅)

2007年/アメリカ/カラー/95分/Dolby Digital/ビスタサイズ/字幕翻訳:川又勝利/R-15
提供・配給・宣伝:プレシディオ
協力:ジェネオン エンタテインメント

公式 HP >> http://www.diaryofthedead.jp/

★11月15日(土) 池袋シネマサンシャイン、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー


『ラブファイト』

監督:成島出
脚本:安倍照雄
原作:まきの・えり「ラブファイト 聖母少女」(講談社文庫・今秋発売)
出演:林遣都、北乃きい、浪岡一喜、藤村聖子、桜井幸子、大沢たかお

稔と亜紀は幼なじみ。稔はずっといじめられっ子で、亜紀はそんな稔を守るため、滅法ケンカに強くなった。高校生になっても稔は相変わらずヘタレのまま。亜紀は天使の顔して不良男子学生をも蹴り倒す女の子になっていた。さすがに稔もこのままではダメだと思っていたところ、元日本チャンピオンで今はボクシングジムを経営している大木と出会う。いつか亜紀に勝ちたいとの密かな思いを抱いてボクシングを習い始めるのだが、亜紀は早々に稔の通うジムを見つけ、自分もボクシングを始めてしまうのだった。

逃げ足だけは速いけど臆病すぎてパンチが出せない稔と、攻めの一手でガードの甘い亜紀。ボクシングを通して自分の弱さと、お互いに対する本当の気持ちに気づいていく姿が何とも言えずさわやかで、観ているだけで若さを分けてもらえるような気分になります。二人とも吹き替えなし、CGなしでボクシングシーンを演じていて、アザや怪我が絶えなかったといいますが、その甲斐あって迫力も説得力もあるファイトシーンになっています。最後の二人のガチンコ対決シーンは、痛いのにとってもスウィート。必見です。必見と言えば、林遣都ファンは劇中ちらりと映る宝塚スターコスプレ写真をお見逃しなく。(梅)

公式 HP >> http://www.lovefight.jp/

★11月15日(土)、全国ロードショー


『GSワンダーランド』

監督:本田隆一
脚本:本田隆一、永森裕二
撮影:小林元
美術:丸尾知行
音楽プロデューサー:高護
音楽監督:サリー久保田
出演:栗山千明(大野ミク)、石田卓也(紀川マサオ)、水嶋ヒロ(正巳屋シュン)、浅利陽介(柏崎ケンタ)、大杉漣(蒲田専務)、高岡蒼甫(ナックルズのリーダー)、武田真治(梶井)、杉本哲太(佐々木ディレクター)、岸部一徳(松田社長)、温水洋一(大河内)ほか

世界中に広まったビートルズ旋風のおかげで、日本もGS(グループサウンズ)人気まっさかり。マサオは日劇カーニバルに出演することを夢見る高校生だった。ロックバンドのナックルズにバンドボーイになりたいと頼みに行くがいいようにあしらわれる。たまたま出逢ったシュンとケンタと一緒に3人で「ザ・ダイアモンズ」というバンドを作る。屋上での初演奏を聞きつけたのは、ちょうど新しいGSを探していた弱小プロダクションの梶井。指令元のファインレコード会社の意向ではキーボードが必須。歌手志望の女の子ミクを男装させて4人はデビューする。

1968年といえば私もGSブームの中におりました。当時覚えきれないほどのグループのデビュー合戦、次々と繰り出される目立ったもん勝ちなコスチューム、なんでもありの妙なエネルギーだけはよ〜く覚えております。芸能界の裏側など考えてもみない純朴な高校生だったので、この映画の中の躍起になっている業界の方々のようすはまことに面白かったです。今だから笑えますがみんな真剣だったんですね。本田隆一監督は1974年生れで団塊の子ども世代ですが、なぜかGSフリークだそうで、もしかして映画に使われた小物も私物蔵出しでしょうか?
美形男子(?)の栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介、その名も「タイツメン」な4人の王子様ルックは二度と拝めないでしょう。彼らの歌う橋本淳・筒美京平ゴールデンコンビによる主題歌「海岸線のホテル」はCD+DVD発売。今回憎まれ役になった高岡蒼甫さんがいい声で上手なのにびっくり、いじられキャラの多い温水洋一さんにスポットライトが当たったのは嬉しかったです。(白)

2008/日本/カラー/シネスコ/100分/ドルビーSRD/
配給:デスペラード

公式 HP >> http://www.gs-w.jp/

★11月15日(土)、40年ぶりにGSブーム再燃?! 渋谷シネマGAGA!シネ・リーブル池袋、シネマート新宿にて公開


「第15回大阪ヨーロッパ映画祭」

日時:11月21日(金)〜24日(月・祝)
会場:リサイタルホール
関連イベント:11月1日(土)より

<メイン・イベント>
『アラビアのロレンス』ニュープリント記念上映 11月21日(金)
2008年度ヨーロッパ最新作品日本初上映 11月22日〜24日
世界のCMフェスティバル2008 in 大阪 11月28日(金)オールナイト

詳しくは公式HPにてご確認下さい

公式 HP >> http://www.oeff.jp/



『中華学校の子どもたち』

監督・プロデューサー・撮影:片岡希
撮影:樋口伊喜夫、山本直史
録音:渡辺洋一、西本憲吾、津守優晴
編集:渡会清美
音楽:加藤千晶
登場する子どもたち:シャオリン、ユウカ、ティエンチョン、ジーチャオ、ヨウシュー、インシャンほか

これが初の長編作品となる片岡監督は『ヨコハマメリー』のプロデューサーです。かつて北京電影学院に留学中、教育が人を作ることを身をもって感じ、日本に住む華僑華人の人々がどんな教育を受けているのか、と思ったことがこの作品のきっかけとなったそうです。
全国に5校ある中華系学校のうち2校が横浜にあります。大陸系の横浜山手中華学校と台湾系の横濱中華学院。元はひとつであったものが事情により分かれてしまったのだとか。この作品は、横浜山手中華学校の1年生を3年間にわたって追ったドキュメンタリーです。屈託のない無邪気な子どもたちの様子ばかりでなく、日中戦争、中国内戦、文化大革命など様々な歴史を経験してきた華僑華人の1、2世のインタビューもまじえています。その中で語られる「落地生根」ということばは、遠く故郷を離れた土地に根を下ろし、枝葉を茂らせて大樹となるという意味で、華僑の人たちの生き方そのままです。同時に故郷の文化を大切にし、子孫に伝えたいという思いから中華学校が生まれました。現在母校の教師となった一人が「日本にいれば中国人、中国に行けば日本人と言われる」と悩んだことを吐露すれば、別の先生は「どこに行っても絶対中国人」と言い切ります。中国語も日本語も話し、どちらの文化も身につけている子どもたちが将来日中の架け橋となることを期待します。そして違いを認め合いながら、国を超えて「アジア人」、「地球人」といえる日が来るように、どこの国でもそんな教育が行われることを願っています。(白)

 

2008/日本/カラー/86分/
配給:ブロードメディアスタジオ

公式 HP >> http://cyugakko-movie.jp

★11月22日〜横浜ニューテアトルにて公開


『バンク・ジョブ』原題:THE BANK JOB

監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:ディック・クレメント、イアン・ラ・フレネ
撮影:マイケル・コールター B.S.C.
音楽:J・ピーター・ロビンソン
出演:ジェイソン・ステイサム(テリー・レザー)、サフロン・バロウズ(マルティーヌ)、リチャード・リンターン(ティム)、スティーヴン・キャンベル・ムーア(ケヴィン)、ダニエル・メイズ(デイヴ)、ジェームズ・フォークナー(ガイ)、アルキ・デヴィッド(バンバス)、マイケル・ジプソン(エディ)、ピーター・デ・ジャージー(マイケルX)、ピーター・ボウルズ(アークハート)、デヴィッド・スーシェ(ルー)ほか

=封印された英国史上最大の銀行襲撃事件―これは実話である。=

中古車販売をしているテリー、商売はおもわしくなく借金取りに店を荒らされて頭を抱えている。古いつきあいの女友達マルティーヌに誘われ、被害が表に出にくい銀行の貸し金庫を狙うことになった。地下トンネルを掘るのに信用できる仲間を集めるが、マルティーヌはこっそりと知らない男に会っていた。この話には裏があり、王室のスキャンダルを消そうとする組織が暗躍していたのだ。そうと知らないテリーたちは、貸し金庫の現金や宝石に、これで第2の人生を送ると大喜びする。金庫の中には知られたくないものがほかにも入っていた。

1971年、アマチュア無線家がたまたま銀行の金庫襲撃事件のやりとりを傍受し、ロンドン警視庁に通報しました。近隣の銀行を全てターゲットに捜査を開始しますが、休日のため時限錠は月曜日まで開かず、事件が発覚したのは月曜の朝。まれに見る大きな事件であったにも関わらず、数日後にはD通告(国防機密報道禁止令)が発動され、その後一切の報道がなされませんでした。
この映画は綿密なリサーチを重ね、匿名の関係者たちの協力を得て作られています。点々と散らばる事実を推理と創作で繋げたストーリーは、大泥棒が活躍するわけではなくアクションも控えめです。しかし手先として利用されたテリーが、巨大な敵から家族を保護し、仲間を救おうと奮闘するさまに肩入れしてしまいました。ベイカー街はシャーロック・ホームズの住居として有名ですが(221bに博物館があります)、事件はそのベイカー街にある銀行で起こりました。街並みは当時からあまり変化していないそうです。「シャーロック・ホームズに謎を解いてもらうがいい」と犯人たちが書き残していたというのが面白いです。(白)

2008/イギリス/カラー/スコープサイズ/SRD/111分/
配給:ムービーアイ
http://www.bankjob.jp/
(c)2007 Baker Street Investors, LLC. All Rights Reserved.

11月シネマライズほか全国ロードショー



『アイズ』THE EYE

監督:ダヴィド・モロー&ザヴィエ・パリュ
脚本:セバズチャン・グティエレス
撮影:ジェフリー・ジャー
美術:ジェームス・スペンサー
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ジェシカ・アルバ(シドニー)、アレッサンドロ・ニヴォラ(ポール)、パーカー・ポージー(ヘレン)、ラデ・シェルベッジア(サイモン・マクロー)ほか

盲目の若いバイオリニスト、シドニーは姉ヘレンの強い勧めで角膜移植手術を受けた。ヘレンはシドニーが幼いころに失明したのは自分のせいだとずっと罪悪感を持っていたのだ。手術は成功したが、シドニーの目にはほかの人間には見えないものが見えるようになっていた。死に行く人を導く黒い影や、観たこともない荒れた風景、炎に包まれる人々など。医者のポールは、手術の後の精神不安定によるものだというが納得できない。シドニーは真相をつきとめるため、自分の角膜のドナーを教えてとポールに頼む。


(C)2008 Lions Gate Films Inc. And Paramount Vantage, a division of Paramount Pictures.
All Rights Reserved

アンジェリカ・リーが主演した2002年作品『the EYE(原題:見鬼)』をリメイクしたもの。パン兄弟の前作はずいぶん怖かった気がしますが、こちらはもう少し穏やか(それでもときどきドッキリしました)。
シドニーが自分を襲う幻影の中の少女の訴えに気づき、彼女の魂を救おうと恐怖を乗越えていく姿がより強く描かれています。世界的な盲目のバイオリニストの役ということで、演奏シーンのためにバイオリンの特訓をし、盲目の感覚をつかむために指導も受けたジェシカ・アルバの熱演が光ります。(白)

2008/アメリカ/カラー/97分/シネマスコープ/ドルビーSR・SRD/DTS
提供・配給:ムービーアイ
http://www.eyes-movie.jp/
11月渋谷東急ほか全国ロードショー



『秋深き』

監督:池田敏春
脚本:西岡琢也
原作:織田作之助「秋深き」「競馬」(講談社文芸文庫 刊)
音楽:本多俊之
出演:八嶋智人、佐藤江梨子、渋谷天外、山田スミ子、赤井英和、佐藤浩市

仏具屋のぼんぼん育ちで学校の先生をしている寺田は、大阪・北新地のクラブのホステス・一代に恋をして、酒も飲めないのに通い詰めている。寺田は一大決心をして一代にプロポーズすると、彼女は意外にあっさりと受け入れた。
両親の承諾を得ないまま、寺田と一代は結婚して一緒に暮らし始める。幸せな日々ではあったが、寺田は美しく社交的な一代の行動にハラハラし、過去の男性遍歴に勝手に嫉妬を募らせる。そんな中、一代が「おっぱいが痛い」と言い出す。

小心者でどうしようもない男と孤独を恐れて幸せを夢見る女の愛情物語。「夫婦善哉」の織田作之助の短編をもとに作られた作品で、いかにも大阪らしい人情悲喜劇です。しかし八嶋智人演じる寺田のあかんたれぶりは丁寧に描かれているのに、一代の存在があまりに夢の女で、現実味が足らないと感じました。可笑しくて哀しい二人のはずが、どうも愚かさが目立ってしまってなかなか感情移入できず残念。(梅)

2008/日本/カラー/ヴィスタ/DTS/105分
配給:ビターズ・エンド
宣伝:マジックアワー

公式 HP >> http://www.akifukaki.com/

★11月シネマスクエアとうきゅう他、全国順次ロードショー


『変態“ピ”エロ』(原題:HEROS)

監督・脚本:ブルーノ・メルル
共同脚本:エマニュエル・デストルモウ
出演:ミカエル・ユン、パトリック・シェネ、ジャッキー・ベロワイエ、エロディー・ブシェーズ

ピエールは俳優だが、今はテレビ局で公開番組の前説を主にしている。そこでは異常なまでにハイテンションなパフォーマンスで観客を盛り上げている彼だが、私生活では不眠に悩まされ、鬱々と暮らしている。そんな彼が、自分の崇拝の対象であり国民的歌手のクロヴィス・コスタを誘拐し、自宅に監禁する。彼の目的は果たして何なのか?


© Les Films du Requin - Arte France Cinema - Artistic Images

わかりやすくて安心、安全な映画ばかり増殖している中、これは久々に強烈なパンチ力を持って観るものを不安にさせる、挑発的な作品です。カンヌで上映されたときも、上映後観客がどう反応していいかわからず呆然としていたといいます。理解不能なことデビッド・リンチなみ。それでも凄いエネルギーでもって惹きつけられ、イカれたピエールにせつなさを感じてしまったりするのです。脳みそを直接グリグリされているような感覚。刺激的な映画をお求めの方は是非ご覧下さい。(梅)

2007年カンヌ映画祭批評家週間 オープニング上映作品
2007年/フランス/カラー/ドルビー/115分(スコープサイズ74分+スタンダードサイズ41分)
デジタル(DLP) 上映
提供・配給:キングレコード+iae
協力:アップリンク

★11月29日(土)より、アップリンクXにてイブニング&レイト(1日2回上映) ロードショー(他、全国順次公開)


『未来を写した子どもたち』(原題:BORN INTO BROTHELS: CALCUTTA'S RED LIGHT KIDS)

監督・撮影:ロス・カウフマン&ザナ・ブリスキ
音楽:ジョン・マクダウエル
登場する子どもたち:コーチ、アヴィジット、シャンティ、マニク、プージャ、ゴウル、スチートラ、タパシ

1998年、ニューヨークのフォトジャーナリスト、ザナ・ブリスキはカルカッタ(現:コルカタ)の売春窟で暮らし始めた。売春婦たちを取材し撮影するためだったが、彼女はこの迷路のような地域に多くの子どもたちがいるのに気づく。彼らの大半は劣悪な環境の中、学校にも行かず母親の手伝いをして女の子は長じれば同じ売春婦に、男の子は彼女たちの世話をするようになるのだ。ザナは彼女にまとわりつく子どもたちがカメラに興味を持つのを知って、インスタントカメラを用意し写真の撮り方を教える。喜々として自分の家や街を取る子どもたち。ザナはビデオカメラで彼らのようすを記録することにした。知人のドキュメンタリー作家のロス・カウフマンにビデオテープを送ると、ロスはすぐにカルカッタにやってきた。子どもたちばかりでなく、ザナが彼らのために奮闘するようすを撮影したかったからだ。

子どもたちが無心に撮影した写真は、その街の暮らしや人々の表情を捕らえています。プロのカメラマンには撮れないものでしょう。ザナの必死の尽力で何人もの子どもたちが、学校教育を受ける機会を得ました。中でも天賦の才能を見出された少年は、カルカッタの寄宿学校を経て奨学金でアメリカの高校を卒業し、この9月にはニューヨーク大学に進学しているはずです。感心したのは映画を撮ってそれで終わるのではなく、「KIDS WITH CAMERAS」基金が設立され、現在もエルサレム、ハイチ、カイロなどの子どもたちの支援を続けていることです。(白)

2005年第77回アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞ほか、多くの映画祭で受賞

2004/アメリカ/カラー/85分/ヴィスタ/ドルビーSRD/ベンガル語・英語
配給:アット エンタテインメント

公式 HP >> http://www.mirai-kodomo.net/

★2008年11月、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開


『旅立ち〜足寄より〜』

監督:今井和久
脚本:鴨義信
原作:松山千春「足寄より」扶桑社刊
撮影:上赤寿一
美術:北谷岳之
音楽:松山千春
出演:大東俊介(松山千春)、萩原聖人(竹田健二)、尾野真千子(絵里子:千春姉)、?ジョンミョン(佐藤・シュガー)、伴杏里(河合紀美子)、林剛史(高木)、奥貫薫(竹田依子)、石黒賢(西口プロデューサー)、泉谷しげる(松山明:父)ほか

1975年、札幌で開催された「‘75全国フォーク音楽祭北海道大会」に足寄からやってきた松山千春が出場する。自作の「旅立ち」は聴衆を魅了するが、生意気な態度が審査員の印象を悪くして落選。会場を後にする千春に、審査員の一人だったSTVラジオのディレクター竹田が声をかける。「いつかチャンスが来る。曲をいっぱい作っておけよ」これが二人の出会いだった。
千春の才能に惚れ込んだ竹田は、彼を起用した番組の企画書を何度も出し続ける。竹田の熱意についに上層部が折れ、毎週一度の番組のコーナーで歌えることになった。

十勝平野の東北部にある日本一広い足寄というこの街を有名にしたのは、やはり松山千春でしょうね。彼の歯に衣着せぬ正直な物言いと、伸びのある高音の歌はラジオやコンサートを通じて日本中に広まっていきます。この映画はその始まりを作った竹田ディレクターとの出会いを中心に描き、鼻っ柱の強い千春を『クローズZERO』、『リアル鬼ごっこ』の大東俊介、千春を育てる竹田を萩原聖人。会うたびに言う台詞「千春、飯食ってるか」に滋味があって、彼も少年の頃から長く芸能界にいたんだったなぁと思いました。
松山千春の歌はよく聞いていましたが、ベストセラーとなった原作は未読で、歌手誕生までの逸話をこの映画で初めて知りました。人との出会いは宝です。竹田との急な別れに、千春が満場の観客と「旅立ち」を歌う姿にもらい泣きしてしまいました。(白)

2008/日本/カラー/35mm/DTSステレオ/ヴィスタサイズ/1時間52分
配給:エム・エフボックス

公式 HP >> http://www.ashoro-movie.com/

★11月北海道先行ロードショー、1月全国公開
 10月1日、松山千春ベスト・コレクション+映画オリジナルサウンドトラック発売


『DISCO ディスコ』

監督:ファビエン・オンテニエンテ
脚本:フランク・デュボスク
出演:フランク・デュボスク(ディディエ)、エマニュエル・ベアール(フランス)、ジェラール・ドパルデュー(ジャクソン)、サミュエル・ル・ビアン(ウォルター)、エバス・ザーマニ(ヌヌイユ)ほか

ディディエは離婚した妻との間に息子がいるが、無収入のためバカンスに誘うこともできない。なんとか親父らしいところを見せたいと思っていたところ、地元のクラブでダンスコンテストをするというニュースが入ってくる。優勝者は海外旅行に行けると聞いて、息子と出かけよう!と一念発起。40代になったディディエも、昔はディスコで大人気のトリオ「ビー・キング」のリーダーだったのだ。ウォルターもヌヌイユも今やすっかりダンスとは縁が切れた生活だったが、ディディエのために一肌脱ぐことにする。美人のバレエ教師フランスに頼み込んで、猛特訓に励むのだが。

『サタデー・ナイト・フィーバー』から30年も経ちましたか。トラボルタもすっかり恰幅のいい中年になりましたものね。この作品ではもう少し若いものの、いまいちな人生を送っている3人が父の自覚と友情をきっかけに、スパンコールの衣装とともにダンスフロアに戻ります。主演のフランク・デュボスクは有名なコメディアンだそうです。この人が出ればヒットという、エマニュエル・ベアールとドパルデュー(ますます貫禄)も加わってフランスではオープニング1位の興行。ビー・ジーズ、ドナ・サマーなど黄金のディスコサウンドにのせて、おじさんたちの青春がもう一度蘇ります!(白)

2008/フランス/カラー/103分/シネマスコープ/ドルビーデジタル/
配給:アートポート
今秋、シャンテ シネ他全国ロードショー

公式 HP >> http://www.disco-movie.jp/



『恋愛上手になるために』The good night

監督・脚本:ジェイク・パルトロウ
撮影:ジャイルズ・ナットジェンズ
美術:イヴ・スチュワート
衣装:ヴェリティ・ホークス
出演:グウィネス・パルトロウ(ドーラ)、ペネロペ・クルス(アンナ/メロディア)、マーティン・フリーマン(ゲリー)、ダニー・デビート(メル)、サイモン・ペグ(ポール)ほか

かつて人気バンドのメンバーだったゲリーは、現在CMの作曲をしているがいまいちうだつがあがらない。大恋愛で結ばれたドーラとの同棲も長くなって、結婚に踏み切る情熱も薄れてきている。
同じバンド仲間のポールが昇進して別荘まで手に入れると聞き、ゲリーは置いていかれた気分になる。そのうえドーラに棘のある言葉を口にされ、立つ瀬がない。しかし夢の中に現れたセクシーな女性、アンナは優しく自分を理解してくれる。彼女こそ理想の女性!と夢の続きを見ることばかり考えていたとき、ちょうどドーラが海外出張になった。

監督はグウィネス・パルトロウの実弟。これが初の長編作品です。邦題は甘い雰囲気ですが、倦怠期に入ったカップルをリアルに見せる辛口の作品です。知的だけれど地味なファッションのグウィネスと対照的に、夢の中で理想の女性を演じるペネロペのゴージャスなこと!セレブ御用達のブランドが多数参加しています。ちと情けない男性ゲリーを、レンブラントを演じたマーティン・フリーマン。前のはコスプレでしたから、今回ようやく顔を覚えました。
友人のポールもゲリーが夢相談をするメルも、現実的な女性たちと違って夢見るロマンチストたちです。都合の悪い現実と、夢を混同してしまうゲリーの行動は痛いですが、その心情に男性は親近感を持つでしょう。(白)

2007/アメリカ/90分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル/
配給:株式会社ファインフィルムズ
宣伝:スキップ、プランニングCM
http://www.finefilms.co.jp/renai/

今秋、渋谷シアターTSUTAYAにてロードショー!



『ゆめみたか 〜愛は歌 田川律〜』

演出:伊勢真一
撮影:内藤雅行
出演:田川律、大塚まさじ、吉村安見子、高橋悠治、斎藤晴彦、ハンバートハンバート 他

知る人ぞ知る歌の水先案内人、田川律さん。ボブ・ディランや日本のフォークやロックを世に紹介してきた。その他にも色んなことをやって来ていて、どんな人かをいわゆる肩書きでは説明できない。でも一言で言うなら、大阪のおっちゃんかも。そのおっちゃんが、70歳を越えて自分で歌い始めた。歌がうまいわけではないけれど、ニコニコしながら一所懸命「くたばってもいい 死んでもいい 僕の血が そくりそのまま 声となり 言葉となって 今を時代を唄うなら」と繰り返し歌う姿を見ていると、こちらも幸せな気分になってくる。ゆらゆらと人生を歩いているようで、どこかに堅い芯を感じるおっちゃんのドキュメンタリー。(梅)

伊勢監督に言わせると、この映画は「出来ちゃった映画」。田川律さんと「素敵な音楽映画を作りたいね〜」と会う度に話していたら、いつのまにか、田川さんにカメラを向けるようになっていたのだとか。そのうち、田川さん本人も、撮られているという気持ちになってくれて、映画が出来ちゃったという次第。
大阪のおっちゃん 田川さんの発する言葉がなんとも楽しい。
「どないや、考えてみぃ。あっちの方かて地獄も天国もあらへん」
「国があらへんかったら、殺しあわへん」
大阪の市内にあった生家のお寺は空襲で焼け、疎開先で亡くなったお父さんのお墓は無縁仏。多くを語らないおっちゃんの辛い過去が見え隠れするけれど、おっちゃんはいたって元気で、3人目の若い嫁さんと楽しく過ごしている。いい人生だなぁ〜(咲)

2008年/86分
製作:いせFILM

◆完成上映会◆
7月16日(水) 14:00、19:00 北沢タウンホール(下北沢)
7月25日(金) 19:00     武蔵野公会堂(吉祥寺)
7月27日(日) 13:00、16:00 小岩コミュニティーホール(小岩)
8月 5日(火) 19:00     大泉学園ゆめりあホール(練馬)

いずれも田川律さんが登壇します! 大阪のおっちゃんが歌ったり、しゃべったりする生の姿を見れるチャンスです!

公式 HP >> http://www2.odn.ne.jp/ise-film/works/yumemitaka/yumemitaka.htm

★ポレポレ東中野にて、今秋ロードショー公開


『ブロークン』(原題:The Broken)

監督・脚本:ショーン・エリス
出演:レナ・ヘディ、リチャード・ジェンキンス、ミシェル・ダンカン、アシエル・ニューマン、メルヴィル・プポーほか

ロンドンに暮らすジーナは彼女の恋人、弟、弟の恋人と一緒に父の誕生日にサプライズパーティをしかける。驚き喜ぶ父と共に楽しい食卓を囲んでいたが、突然背後にあった大鏡が割れ落ちる。5人は苦笑しながら「鏡が割れると7年間不幸が続く」という迷信を口にする。しかし、その後彼女たちを襲った不幸は、その迷信の比ではなかった。

鏡に見ていてふと不安になることはありませんか? そこに映る自分が、自分と違う動きをしたらどうしようとか。鏡にまつわる迷信は日本にもいくつもあって、それだけ古来から畏怖の対象だということでしょう。この作品はそんな鏡を仕掛けとしたサスペンス映画。シンメトリーにこだわった構図や、キリキリ不安をあおる音、どんよりとした空の下に広がるロンドンの風景などがいやでも緊張を高めます。監督のショーン・エリスはファッション・フォトグラファーとして名をなして後、映画監督へ転身し、この作品は『フローズン・タイム』に続く長編第2作目となります。映像の美しさはさすがといえます。(梅)

2008年/イギリス・フランス/カラー/シネマスコープ/ドルビー/SRD/88分/PG-12
提供:アミューズソフトエンタテインメント、博報堂DYメディアパートナーズ、熱帯美術館
配給:リベロ

公式 HP >> http://www.broken-movie.jp/

★今秋、テアトルタイムズスクエアにてロードショー


『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』(原題:SHINE A LIGHT)

監督:マーティン・スコセッシ
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:デヴィッド・テデスキ
出演:ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロン・ウッド、チャーリー・ワッツ、バディ・ガイ、ジャック・ホワイト、クリスティーナ・アギレラ、マーティン・スコセッシ

ストーンズのミック・ジャガーの提案で、ライブを映画にすることになった。彼が最高の映画監督とリスペクトするマーティン・スコセッシが快諾。スタジアム規模でのワールドツアー中だったが、監督は大きな会場ではなく、シアターでの観客との親密なライブを考えた。選ばれたのは2800人収容のニューヨーク、ビーコンシアター。セットリストを直前まで検討するメンバーに、しびれを切らしている監督のシーンも入っている。会場のあちこちにセッティングされた18台のカメラは、パフォーマンスを邪魔せず彼らの動きに密着して特等席で見ている気分。
しかしなんと元気な60代!!創設当初から解散せず、メンバーの入れ替わりはあっても、ずっと続いているロック・グループはほかにあるのでしょうか? 彼らは孫がいてもいい年頃なのに、ロック少年のままなのです。帰宅して40年前のライブ映像と比べて見ても、キースのおなかが少し丸くなったかな、くらい。ミックもチャーリーもロンも昔の体型とほとんど変わらず。ミックなど舞台の隅から隅まで、若いときの何倍も動いています。恐れ入りました。(白)